(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】コミュニケーション支援システム及びコミュニケーション支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220614BHJP
G16H 80/00 20180101ALI20220614BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16H80/00
(21)【出願番号】P 2019031554
(22)【出願日】2019-02-25
【審査請求日】2020-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】306029774
【氏名又は名称】ビッグローブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】林 俊二
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/216093(WO,A1)
【文献】特開2011-024677(JP,A)
【文献】特開2004-054392(JP,A)
【文献】特開2018-085009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの動作に基づくパラメータを取得する複数の端末と、
前記複数の端末にてそれぞれ取得されたパラメータを受け付け、該パラメータに応じたポイントを前記複数の端末をそれぞれ利用するユーザが属する予め決められたグループ毎に合算し、該合算値が所定の閾値に達した場合に、該合算値に応じた提供情報を、当該グループに属するユーザの端末に提供する情報提供装置とを有し、
前記情報提供装置は、前記パラメータから前記ポイントを算出する際に、前記ユーザ毎に個別に設定された第1の補正係数と、前記グループが所定期間に前記合算値が前記閾値に到達できるための前記グループ毎に個別に設定された第2の補正係数とを用いて前記ポイントを算出する、コミュニケーション支援システム。
【請求項2】
ユーザの動作に基づくパラメータを取得する複数の端末と、
前記複数の端末にてそれぞれ取得されたパラメータを受け付け、該パラメータに応じたポイントを前記複数の端末をそれぞれ利用するユーザが属する予め決められたグループ毎に合算し、該合算値に応じた提供情報を、当該グループに属するユーザの端末に提供する情報提供装置とを有し、
前記情報提供装置は、前記パラメータから前記ポイントを算出する際に、季節毎に個別に設定された第3の補正係数を用いて前記ポイントを算出する、コミュニケーション支援システム。
【請求項3】
ユーザの動作に基づくパラメータを取得する複数の端末と、
前記複数の端末にてそれぞれ取得されたパラメータを受け付け、該パラメータまたは、該パラメータに応じたポイントを前記複数の端末をそれぞれ利用するユーザが属する予め決められたグループ毎に合算し、該合算値に応じた提供情報を、当該グループに属するユーザの端末に提供する情報提供装置とを有し、
前記情報提供装置は、前記端末に入力された情報を、当該端末を利用するユーザと同じグループに属するユーザの端末に提供し、
前記端末は、当該端末に対して入力された情報の文字数も前記パラメータとして取得する、コミュニケーション支援システム。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれか1項に記載のコミュニケーション支援システムにおいて、
前記端末は、ユーザの活動量を前記パラメータとして取得し、
前記端末は、
ユーザの活動量として、少なくとも歩数を前記パラメータとして取得する計測装置と、
前記計測装置にて取得された活動量を前記情報提供装置に送信する通信装置とを有する、コミュニケーション支援システム。
【請求項5】
ユーザどうしのコミュニケーションを支援するコミュニケーション支援方法であって、
複数の端末が、ユーザの動作に基づくパラメータを取得するステップと、
情報提供装置が、前記複数の端末にてそれぞれ取得されたパラメータを受け付けるステップと、
前記情報提供装置が、前記受け付けたパラメータに応じたポイントを前記複数の端末をそれぞれ利用するユーザが属する予め決められたグループ毎に合算するステップと、
前記情報提供装置が、該合算値が所定の閾値に達した場合に、前記合算した値に応じた提供情報を、当該グループに属するユーザの端末に提供するステップとを有し、
前記情報提供装置が、前記パラメータから前記ポイントを算出する際に、前記ユーザ毎に個別に設定された第1の補正係数と、前記グループが所定期間に前記合算値が前記閾値に到達できるための前記グループ毎に個別に設定された第2の補正係数とを用いて前記ポイントを算出する、コミュニケーション支援方法。
【請求項6】
ユーザどうしのコミュニケーションを支援するコミュニケーション支援方法であって、
複数の端末が、ユーザの動作に基づくパラメータを取得するステップと、
情報提供装置が、前記複数の端末にてそれぞれ取得されたパラメータを受け付けるステップと、
前記情報提供装置が、前記受け付けたパラメータから、季節毎に個別に設定された第3の補正係数を用いて前記ポイントを算出するステップと、
前記情報提供装置が、前記算出されたポイントを前記複数の端末をそれぞれ利用するユーザが属する予め決められたグループ毎に合算するステップと、
前記情報提供装置が、前記合算した値に応じた提供情報を、当該グループに属するユーザの端末に提供するステップとを有する、コミュニケーション支援方法。
【請求項7】
ユーザどうしのコミュニケーションを支援するコミュニケーション支援方法であって、
複数の端末が、ユーザの動作に基づくパラメータを取得するステップと、
情報提供装置が、前記複数の端末にてそれぞれ取得されたパラメータを受け付けるステップと、
前記情報提供装置が、前記受け付けたパラメータまたは、該パラメータに応じたポイントを前記複数の端末をそれぞれ利用するユーザが属する予め決められたグループ毎に合算するステップと、
前記情報提供装置が、前記合算した値に応じた提供情報を、当該グループに属するユーザの端末に提供するステップと、
前記情報提供装置が、前記端末に入力された情報を、当該端末を利用するユーザと同じグループに属するユーザの端末に提供するステップと、
前記端末が、当該端末に対して入力された情報の文字数も前記パラメータとして取得するステップとを有する、コミュニケーション支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人どうしのコミュニケーションを支援するコミュニケーション支援システム及びコミュニケーション支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SNS(Social Networking Service)が急速に普及し、一対一またはグループに設定した人どうしが容易にコミュニケーションをとれるようになっている。SNSにおいては、ユーザが投稿したコメントについて他のユーザがそのコメントに対して返答するコメントを入力することで、投稿したユーザのコメントが時系列に表示されていき、ユーザがコミュニケーションをとることができる。
【0003】
一方、よく会う人どうしであれば、お互いの状況が把握できるが、離れて住む人どうしでは、それぞれの生活事情等により徐々にコミュニケーションが疎遠になってしまい、お互いの状況がわからなくなってしまうことがある。そこで、離れて住む高齢者に対して、居住スペースに様々なセンサを設置し、そのセンサを用いて生活状態を監視する見守りシステムが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コミュニケーションを取り合っていることで、普段とは異なる相手の様子の変化や病気になったこと等を気づき合うことができる。
【0006】
しかしながら、上述したようなSNSにおいては、ユーザどうしがただコメントを送信しあうことができるだけであるため、ユーザが相手に何か用事等がなければ、コメントを投稿することも少なくなり、コミュニケーションが疎遠になってしまう。
【0007】
また、上述したような見守りシステムにおいては、建物内にセンサを設置する際に、見守られる人に了承を得ることになるため、見守られる人にとっては、建物内にあるセンサの存在に自分が常に監視されている感じを受け、あまり好ましいものとは言えない。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、ユーザどうしのコミュニケーションを取るきっかけを持たせることができるコミュニケーション支援システム及びコミュニケーション支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明のコミュニケーション支援システムは、
ユーザの動作に基づくパラメータを取得する複数の端末と、
前記複数の端末にてそれぞれ取得されたパラメータを受け付け、該パラメータまたは、該パラメータに応じたポイントを前記複数の端末をそれぞれ利用するユーザが属する予め決められたグループ毎に合算し、該合算値に応じた提供情報を、当該グループに属するユーザの端末に提供する情報提供装置とを有する。
【0010】
また、ユーザどうしのコミュニケーションを支援するコミュニケーション支援方法であって、
複数の端末が、ユーザの動作に基づくパラメータを取得するステップと、
情報提供装置が、前記複数の端末にてそれぞれ取得されたパラメータを受け付けるステップと、
前記情報提供装置が、前記受け付けたパラメータまたは、該パラメータに応じたポイントを前記複数の端末をそれぞれ利用するユーザが属する予め決められたグループ毎に合算するステップと、
前記情報提供装置が、前記合算した値に応じた提供情報を、当該グループに属するユーザの端末に提供するステップとを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザどうしのコミュニケーションを取るきっかけを持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のコミュニケーション支援システムの実施の一形態を示す図である。
【
図2】
図1に示した歩数計及びスマートフォンの構成を示す図である。
【
図3】
図1に示した情報提供サーバの構成を示す図である。
【
図4】
図1に示した会員情報データベースの構成を示す図である。
【
図5】
図1に示した提供情報データベースの構成を示す図である。
【
図6】
図1に示したコミュニケーション支援システムにおけるコミュニケーション支援方法を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図1に示した情報提供サーバが提供するコミュニケーションサイトに情報が掲載された際にスマートフォンに表示されるメッセージ画面を示す図である。
【
図8】
図1に示した情報提供サーバからスマートフォンに提供されるコミュニケーションサイトが、スマートフォンの表示部に表示された例を示す図である。
【
図9】
図1に示した情報提供サーバが提供するコミュニケーションサイトにコメントが掲載された際にスマートフォンに表示されるメッセージ画面を示す図である。
【
図10】
図1に示した情報提供サーバが提供するコミュニケーションサイトに対してコメントが入力された後に情報提供サーバからスマートフォンに提供されるコミュニケーションサイトを示す図である。
【
図11】
図1に示したコミュニケーション支援システムにてグループが目標地点に到達していない場合に情報提供サーバからスマートフォンに提供されるコミュニケーションサイトを示す図である。
【
図12】
図1に示したコミュニケーション支援システムにて高齢者等の見守りを実現する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図13】
図1に示した情報提供サーバから送信されてスマートフォンにて受信され、表示部に表示される警報を示す図である。
【
図14】
図1に示したコミュニケーション支援システムにてグループが仮想的に移動していく目標地点を設定する際にスマートフォンに表示される画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明のコミュニケーション支援システムの実施の一形態を示す図である。
図2は、
図1に示した歩数計20及びスマートフォン30の構成を示す図であり、
図3は、
図1に示した情報提供サーバ40の構成を示す図である。
【0015】
本形態は
図1に示すように、複数のユーザ側端末10-1~10-nと、情報提供サーバ40とがインターネット70を介して接続可能となって構成されている。ユーザ側端末10-1~10-nはそれぞれ、歩数計測器となる歩数計20と、通信装置となるスマートフォン30とから構成されている。情報提供サーバ40は、会員情報データベース50と、提供情報データベース60にアクセス可能に構成されている。
【0016】
歩数計20は
図2に示すように、タイマ21と、歩数計側部22と、記憶部23と、歩数算出部24と、通信部25とを有している。タイマ21は日時を計測するタイマである。歩数計側部22は、歩数計20を装着したユーザが歩くことで生じる振動によってユーザの歩数を計測することでユーザの活動量を取得する。記憶部23には、歩数計測部22にて計測された歩数が歩数データとして記憶される。歩数算出部24は、記憶部23に記憶された歩数データについて所定の間隔でその合計値を算出する。通信部25は、例えば無線LANまたはBLE(Bluetooth Low Energy)規格に従って、スマートフォン30との間にて近距離無線通信を行う。
【0017】
スマートフォン30は
図2に示すように、近距離通信部31と、ネット通信部32と、記憶部33と、表示部34と、入力部35と、情報処理部36とを有している。近距離通信部31は、例えばBLE規格に従って、歩数計20との間にて近距離無線通信を行う。ネット通信部32は、インターネット70を介して情報提供サーバ40との間にて通信を行う。記憶部33には、スマートフォン30を利用するユーザに付与された利用者IDが記憶されているとともに、歩数計20から送信されてきたデータが一時的に記憶される。表示部34は、液晶ディスプレイ等からなり、スマートフォン30にインストールされているアプリに応じた情報や情報提供サーバ40から送信されてきた情報を表示する。入力部35は、表示部34上に重ね合わされたタッチパネル等からなり、スマートフォン30のユーザが情報を入力するためのものである。情報処理部36は、近距離通信部31を介して受信されたデータや入力部35を介して入力された情報をネット通信部32を介して送信したり、ネット通信部32を介して受信された情報等を表示部34に表示したりする。なお、利用者IDは、情報提供サーバ40が払い出した識別子でも、既定の条件内でユーザが設定したIDやメールアドレス等のユーザを識別する識別子でも、IPアドレスや携帯電話番号等のユーザ側端末を識別する識別子でも、あるいはそれらを組み合わせて使用してもよい。本実施の形態では、ユーザとユーザ側端末とは、一対一の関係として説明するため、利用者IDは、ユーザを識別するものか、ユーザ側端末を識別するものか、区別せずに説明する。ただし、ユーザを識別する利用者IDとユーザ側端末を識別するIDとを別々に用いて、会員情報DB50上で紐づけしても構わない。
【0018】
情報提供サーバ40は
図3に示すように、通信部41と、情報取得/提供部42と、会員情報管理部43と、警報通知部44と、情報生成部45とを有している。通信部41は、インターネット70を介してスマートフォン30との間にて通信を行う。情報取得/提供部42は、スマートフォン30から送信された情報を通信部41を介して取得し、また、情報生成部45にて生成された情報や警報通知部44から発せられた警報を通信部41を介してスマートフォン30に送信する。会員情報管理部43は、スマートフォン30から送信されてきた情報を用いて会員情報データベース50を更新するとともに、会員情報データベース50を参照してユーザ側端末10-1~10-nを利用するユーザが属するグループを特定し、グループのポイントとなるエネルギー累計値を会員情報データベース50から抽出する。警報通知部44は、会員情報データベース50を参照し、情報取得/提供部42にて取得された情報に基づいて警報を発する。情報生成部45は、会員情報管理部43にて会員情報データベース50から抽出されたエネルギー累計値に応じた情報を提供情報データベース60から抽出することで、スマートフォン30に提供する情報を生成する。
【0019】
図4は、
図1に示した会員情報データベース50の構成を示す図であり、
図5は、
図1に示した提供情報データベース60の構成を示す図である。
【0020】
図1に示したコミュニケーション支援システムにおいては、ユーザ側端末10-1~10-nに対応する利用者IDには、管理者であるユーザの指定によってユーザが属するグループが設定されている。例えば、4人の家族を1つのグループとして設定する場合、その4人の家族がそれぞれ利用するユーザ側端末10-1~10-4に記憶された利用者IDが1つのグループとして設定されている。
【0021】
そのため、
図4(a)に示すように、会員情報データベース50においては、ユーザ側端末10-1~10-nのユーザにそれぞれに付与され、スマートフォン30の記憶部33に記憶された利用者IDが設定され、その利用者IDが属するグループを特定するためのグループIDが設定されている。ここで、グループIDは、ユーザ側端末10-1~10-nが属するグループを特定するため設定されているとも言える。また、
図1に示したコミュニケーション支援システムにおいては、高齢者等の見守りを実現するための機能も有している。そのため、会員情報データベース50においては、グループ毎にそのユーザの役割が設定されている。例えばグループIDがPで特定されるグループが上述した4人家族の場合、利用者IDがAとなるユーザが遠隔地に住む高齢者(見守られる人)である場合は、その役割として「対象者」が設定され、利用者IDがBとなるユーザが世帯主(見守る人)である場合は、その役割として「管理者」が設定されている。グループIDがPで特定されるグループのその他のユーザはその役割として「参加者」が設定されている。また、後述するように、ユーザ側端末10-1~10-nから送信されてくるユーザの歩数データに基づいてグループ毎のエネルギー値を算出する際にユーザ毎に歩数データに重みづけをするための補正係数が設定されて記憶されている。これは、例えば、役割が管理者となるユーザが設定することができ、高齢者のユーザには補正係数を大きくなるように設定することが考えられる。また、高齢者等の見守りを実現するために、役割が「対象者」となるユーザについて、警報を通知する所定時間内の歩数の基準値が設定されている。なお、本実施の形態では、高齢者とその家族によって1つのグループが設定された構成を例に挙げて説明するが、遠隔地の学校の近くの寮に住む学生等の子供とその親、単身赴任の夫と妻子供、遠隔地に住む友人どうし等で1つのグループを設定してもよい。例えば、遠隔地に住む友人同士等、その役割が各人がその役割として、お互いに管理者かつ対象者に設定されていてもよい。
【0022】
また、
図4(b)に示すように、会員情報データベース50においては、歩数計20によって計測された一日の歩数が、ユーザ毎にそのユーザに付与された利用者IDに対応づけて登録されている。さらに、会員情報データベース50においては、
図4(c)に示すように、歩数計20によって計測された歩数と補正係数とから算出されるエネルギー値が合算された合算値であるエネルギー累計値が、グループ毎にそのグループに設定されたグループIDに対応づけて登録されている。また、
図4(a)または
図4(c)にグループ毎に重みづけをするための補正係数(グループ毎の補正係数をユーザ毎の補正係数と区別するために「換算値」とも呼ぶ)がグループに対応付けられて設定され記憶されてもよい。
【0023】
また、
図1に示したコミュニケーション支援システムにおいては、設定されたグループ毎にその歩数に応じたエネルギー値を合算することで得られるエネルギー累計値に基づいて、目標地点までの仮想的な移動情報を提供することになる。そのため、提供情報データベース60には、
図5(a)に示すように、目標地点毎に、予め決められた出発地点からその目標地点までの移動に必要となるエネルギーの閾値と、グループのエネルギー累計値がエネルギー閾値に達することでそのグループが目標地点に到達したとみなされた場合に提供されるデータを特定可能な提供データ情報が、目標地点を特定可能な目標地点IDに対応づけて登録されている。ここで、エネルギー閾値は、各グループ間で共通でも、異なる値でもよい。例えば、1人あたりのエネルギー閾値を62,500とした場合、グループが4人の場合のエネルギー閾値は250,000だが、グループが2人の場合のエネルギー閾値は125,000となるように、グループの人数により、エネルギー閾値を変更してもよい。また、各目標地点ID間のエネルギー閾値の差は、コミュニケーションを取り合う希望の間隔である所定期間(例:1週間の様に定期的な期間、または1週間プラスマイナス3日間内の任意の期間)で設定され、グループのエネルギーの累計値がその所定期間で次のエネルギーの閾値に達成できる値に設定する。
【0024】
また、提供情報データベース60には、
図5(b)に示すように、
図5(a)に示した提供データ情報のそれぞれについて、提供データ情報によって提供される画像や質問情報が登録されている。
【0025】
以下に、上記のように構成されたコミュニケーション支援システムにおけるコミュニケーション支援方法について説明する。
【0026】
図6は、
図1に示したコミュニケーション支援システムにおけるコミュニケーション支援方法を説明するためのフローチャートである。
【0027】
図1に示したコミュニケーション支援システムにおいては、歩数計20において、歩数計20を装着したユーザの歩数が人の活動量として歩数計測部22にて計測されている(ステップ1)。歩数計22にて計測された歩数は、タイマ21により、その計測日時とともに、歩数データとして記憶部23に記憶される。歩数計20においては、その後、記憶部23に記憶された歩数データについて、例えば3時間毎等の既定の間隔にてその計測日時の間に計測された歩数の合計値が歩数算出部24にて算出され、合計値が通信部25を介してスマートフォン30に送信される(ステップ2)。なお、その合計値である歩数データには、その計測日時が含まれていてもよいし、合計値を算出した日時または合計値をスマートフォン30に送信する際の日時を含めてもよい。
【0028】
歩数計20から送信された歩数データは、ユーザ側端末10-1~10-n毎に歩数計20と予めペアリングされたスマートフォン30の近距離通信部31を介して受信される(ステップ3)。
【0029】
スマートフォン30においては、歩数計20から送信された歩数データが受信されると、受信された歩数データが記憶部33に一時的に記憶され、その後、情報処理部36において、記憶部33に記憶された歩数データが利用者IDとともに読み出され、これら歩数データと利用者IDとがネット通信部32を介して情報提供サーバ40へ送信される(ステップ4)。これにより、スマートフォン30からは、歩数計20にて計測されたユーザの歩数を示す歩数データと、ユーザ側端末10-1~10-nのユーザに付与され、スマートフォン30の記憶部33に記憶された利用者IDとが送信されることになる。なお、スマートフォン30から送信される歩数データには、その計測日時が含まれていてもよい。
【0030】
なお、上述したように、歩数計20において例えば3時間毎に歩数の合計値を算出し、その合計値をスマートフォン30に送信するのではなく、歩数計20において計測された歩数データをスマートフォン30に逐次送信し、スマートフォン30において、歩数データによる歩数の合計値を算出し、合計値による歩数データと利用者IDとをスマートフォン30から例えば3時間毎等の既定の間隔にて情報提供サーバ40に送信する構成としてもよい。
【0031】
スマートフォン30から送信された歩数データ及び利用者IDは、インターネット70を介して情報提供サーバ40に送信され、情報提供サーバ40の通信部41を介して受信されることになる(ステップ5)。
【0032】
すると、情報提供サーバ40においては、通信部41を介して受信された歩数データが情報取得/提供部42にて受け付けられ、会員情報管理部43において、会員情報データベース50が参照され、
図4(b)に示したように、歩数データとともに受信された利用者IDに対応する歩数が更新されるとともに、利用者IDによって、その利用者IDによって特定されるユーザ側端末が属するグループが特定される(ステップ6)。なお、スマートフォン30から情報提供サーバ40への情報送信時やアクセス時には、基本的に利用者IDを送信し、情報提供サーバ40は、その利用者IDに基づいてその通信元のユーザまたはユーザ側端末を特定するが、説明上省略することもある。
【0033】
会員情報管理部43においては、次に、会員情報管理部43にてユーザ毎及びグループ毎の少なくとも1つに設定された補正係数を用いて更新された歩数からポイントとなるエネルギーが算出される(ステップ7)。
【0034】
ここで、補正係数は、上述したように、高齢者のユーザには補正係数が大きくなるように設定されることが考えられる。それにより、高齢者においては、歩数が少ない場合でも、その歩数から算出されるエネルギーが大きなものとなる。このように、グループに属する利用者ID毎またはユーザ側端末毎に補正係数が個別に設定され、この補正係数を用いてユーザの歩数からエネルギーが算出される構成とすることで、目標地点に到達するための歩数がグループ内でユーザ毎に調整することができる。それにより、日頃歩数が少ないユーザでも年齢や健康状態等に応じて無理なく、グループが目標地点に到達するためのチーム貢献を促すことができる。また、グループID毎に補正係数(「換算値」とも呼ぶ)が設定され、この換算値を用いてグループのエネルギーが算出される構成とすることで、目標地点に到達するための歩数をグループ毎に調整することができる。
【0035】
補正係数の設定は、管理者となるユーザがグループに属する各ユーザの年齢や健康状態等に応じて設定してもよいし、情報提供サーバ40にて自動的に設定されてもよい。情報提供サーバ40にて補正係数を自動的に設定する場合は、管理者となるユーザが入力したグループに属する各ユーザの毎日の歩数の基準値または会員情報データベース50に登録されたグループに属する各ユーザの過去の歩数の平均値に基づいて、グループが所定期間で仮想的に移動していくルート上の目標地点の閾値にそのエネルギーの合計が到達できるように、各ユーザの補正係数を補正するが考えられる。例えば、毎日の歩数の基準値(平均値)が、ユーザaが3千歩、ユーザbが1万歩、ユーザcが8千歩とした場合、各ユーザの歩数が一番多いユーザbの歩数になるように、ユーザaの仮の補正係数を333%、ユーザbの仮の補正係数を100%、ユーザcの仮の補正係数を125%と設定する。すると、ユーザa,b,cが属するグループの毎日のエネルギーの予測値は、29,990となる。所定期間を7日間とした場合、グループの予想エネルギー累計値は、209,930となる。グループが現在いる地点から次の目標地点までの仮想的な移動に必要となるエネルギー閾値が25万であるとすると、次の目標地点に到達するためには、各ユーザの仮の補正係数に120%を乗算する必要があるため、ユーザaの補正係数が400%、ユーザbの補正係数が120%、ユーザcの仮の補正係数が150%と求められる。上述した例は、1つのグループに属する各ユーザの歩数が一番多いユーザの歩数になるようにして、各ユーザの補正係数を設定したが、1つのグループに属する各ユーザの歩数が各ユーザの歩数の平均値になるようにして、各ユーザの補正係数を設定してもよい。また、上述した例では、グループ毎の補正係数もユーザ毎の補正係数に組み込んでユーザ毎の補正係数のみを設定するように説明したが、グループ毎の補正係数をユーザ毎の補正係数とは別に換算値として設定してもよい。例えば、上述した例を用いると、各ユーザの補正係数は、ユーザaが333%、ユーザbが100%、ユーザcが125%と設定し、グループpの換算値は、120%と設定する。ここで、説明では、補正係数および換算値の単位を%で表したが、1歩あたりのポイント数や、補正前のポイント数あたりの補正後のポイント数等で表してもよい。
【0036】
また、初めの所定期間は補正係数を使わないか、初期値の補正係数を用いて、初めの所定期間(例:1週間)経過後、初めの所定期間の歩数を基準に補正係数を算出するように構成してもよい。さらに、所定期間経過毎に次の所定期間の補正係数を求めるようにしてもよいし、所定期間よりも、予め決められた既定期間分早くもしくは遅く到達するケースが、予め決められた既定回数以上連続して続く場合に、補正係数を再度求めて更新するようにしてもよい。また、初期値の補正係数は、ユーザの誕生日に基づいて、年齢からその年齢の一般的な歩数に対応する基準値を決定し、その基準値から補正係数を決定してもよい。更に、所定期間も管理者が設定可能にしてもよい。このことにより、そのグループに参加するユーザにとって、適切な間隔になるようにコミュニケーションの頻度を調節することができる。
【0037】
また、複数のグループが登録している場合、一人当たりの歩数に対するグループ全体のエネルギー累計値が複数のグループ間で等しくなるように、補正係数をグループ毎に個別に設定することが考えられる。具体的には、このグループ毎の補正係数を換算値とすると、2人のユーザからなるグループと、3人のユーザからなるグループと、4人のユーザからなるグループとが登録している場合、これらグループ間で目標地点までの日数を競い合うとなると、グループの仮想的な移動距離はユーザの歩数によるエネルギーの合算に応じたものとなるため、4人のユーザからなるグループが最も有利となり、2人のユーザからなるグループが最も不利となってしまう。そこで、4人のユーザからなるグループに100%、3人のユーザからなるグループに150%、2人のユーザからなるグループに200%の換算値をそれぞれ設定することで、一人当たりの歩数に対するグループ全体のエネルギー累計が複数のグループ間で等しくなり、ユーザの人数が互いに異なるグループ間で目標地点までの日数を競い合うことができるようになる。グループ間でユーザの人数が異なる場合、グループ毎の補正係数を設定するのではなく、エネルギー閾値をその人数に合わせて、設定するようにしてもよい。この換算値は、人数が同じでも、日々の運動量が多いグループと日々の運動量が少ないグループとを平等に扱うため等にも用いる。また、換算値を用いて、ユーザ毎の補正係数を用いずにユーザの歩数からエネルギーを算出してもよい。この場合、グループに属する各ユーザの歩数を合算してから、その歩数の合算値に対して換算値を用いてグループエネルギー値を算出してもよい。
【0038】
さらに、季節毎に補正係数をユーザ毎またはグループ毎に個別に設定してもよい。例えば、真冬や真夏は外を出歩く機会が少なくなるため、これらの時期には補正係数を大きく設定し、それ以外の時期には補正係数を小さく設定することで、真冬や真夏のように歩数が少なくなりがちな季節においても、目標地点への移動をサポートすることができる。季節は、ユーザの居住環境となる地域毎に状況が異なるので、ユーザ毎またはグループ毎にその居住環境に合わせてユーザ毎またはグループ毎に設定するのが好ましい。
【0039】
その後、会員情報管理部43において、算出されたエネルギーがグループ毎に合算され、そのグループ毎のエネルギーの合算値を、
図4(c)に示したように、会員情報管理部43にてグループ毎に登録されたエネルギー累計値に対して加算してエネルギー累計値が更新される(ステップ8)。グループ毎に登録されたエネルギー累計値の更新は、各ユーザのスマートフォン30から歩数データを受信し、個々のエネルギーを算出した毎に行ってもよいし、例えば1日1回18時のように、更新する時間または間隔が予め決められていてもよい。また、エネルギー累計値だけでなく、エネルギー累計値に追加するその日時のグループエネルギー値を日時情報とともに履歴として、記憶しておいてもよい。
【0040】
このようにして会員情報管理部43にてグループ毎に登録されたエネルギー累計値が更新されると、情報生成部45において、提供情報データベース60が参照され、更新されたエネルギー累計値が達した閾値がある場合は(ステップ9)、そのエネルギー閾値に対応する提供データが取得される(ステップ10)。例えば、
図5(a)に示した例においては、エネルギー累計値が250,000に達した場合、提供データDATA001に対応する画像IMAGE001a,IMAGE001b,IMAGE001cと、質問とが取得される。
【0041】
そして、情報生成部45において、提供情報データベース60から取得された提供データを用いて、情報提供サーバ40が当該グループに属する利用者IDのユーザ側端末10-1~10-4に提供するコミュニケーションサイトに掲載する情報が生成され、生成された情報が報酬情報として反映されたコミュニケーションサイトの画面を構成するためのデータが更新され、会員情報データベース50に記憶される(ステップ11)。コミュニケーションサイトのデータは、利用者ID毎に生成され、利用者IDに対応付けられて会員情報データベース50に記憶されても、グループID毎に生成され、グループIDに対応付けられて会員情報データベース50に記憶されてもよい。
【0042】
情報提供サーバ40においては、情報取得/提供部42において、会員情報データベース50が参照され、ステップ6にて特定されたグループに属する利用者IDに対応するユーザ側端末のスマートフォン30に対して、コミュニケーションサイトに情報が掲載された旨を通知するメッセージが送信される(ステップ12)。なお、会員情報データベース50には、ユーザ側端末10-1~10-nのユーザ毎に、メッセージの送信先を示すアドレス等の送信先情報が利用者IDと対応づけて登録されており、情報提供サーバ40においては、このアドレス等の情報を用いてメッセージを送信することができる。ここで、送信先情報は、本実施の形態の動作ステップを実行するアプリがメッセージや後述する警報を受信するためのアドレスでもよいし、電子メールアドレスでもよいし、ショートメッセージサービスの電話番号でもよい。また、スマートフォン30にインストールされた本実施の形態の動作ステップを実行する専用アプリを用いる場合は、専用アプリが既定の間隔(例:5分間隔)で情報提供サーバ40にアクセスを行い、情報提供サーバ40からそのユーザ側端末に対応する利用者IDに対するメッセージ等のデータがあれば取得するようにすることで、情報提供サーバ40からスマートフォン30に送信するようにしてもよい。
【0043】
情報提供サーバ40から送信されたメッセージは、ステップ6にて特定されたグループに属するユーザ側端末のスマートフォン30のネット通信部32を介して受信され、表示部34に表示される(ステップ13)。この際、スマートフォン30においては、情報提供サーバ40から送信されたメッセージが受信されると、音や振動等によってメッセージが受信された旨がユーザに通知され、スマートフォン30に対するユーザの操作によって、受信されたメッセージが表示部34に表示されることになる。
【0044】
図7は、
図1に示した情報提供サーバ40が提供するコミュニケーションサイトに情報が掲載された際にスマートフォン30に表示されるメッセージ画面を示す図である。
【0045】
図7に示すように、情報提供サーバ40が提供するコミュニケーションサイトに情報が掲載された際に情報提供サーバ40からスマートフォン30に送信されて表示されるメッセージ画面には、グループのエネルギー累計値が、目標地点に対応するエネルギー閾値に達したことで、そのグループが仮想的に目標地点に到達した旨と、コミュニケーションサイトへのアクセス情報とが掲載されたメッセージ106が表示される。アクセス情報とは、例えば、コミュニケーションサイトのURL(uniform resource locator)へのリンクや本発明の動作ステップを実行するアプリを起動するための命令ボタンである。
【0046】
図7に示したメッセージ106が表示されたスマートフォン30のユーザの操作によって、ネット通信部32により、メッセージ106に表示されたアクセス情報を用いたコミュニケーションサイトへのアクセスが行われると、情報提供サーバ40は、アクセス時に取得した利用者IDを基に、その利用者IDのユーザに提供するために情報生成部45にて生成された情報が掲載されたコミュニケーションサイトのデータを会員情報データベース50から読み出し、読み出されたコミュニケーションサイトのデータを情報取得/提供部42から送信する。スマートフォン30は、コミュニケーションサイトのデータをネット通信部32にて受信すると、受信したデータを用いてコミュニケーションサイトを表示部34に表示する。
【0047】
図8は、
図1に示した情報提供サーバ40からスマートフォン30に提供されるコミュニケーションサイトが、スマートフォン30の表示部34に表示された例を示す図である。
【0048】
図8に示すように、情報提供サーバ40からスマートフォン30に提供されるコミュニケーションサイトのデータには、
図1に示したコミュニケーション支援システムにてユーザが仮想的に移動していくルートを示すルート情報101と、ルート情報101にて示されるルートのうちそのスマートフォン30が属するグループの現在の位置を示す現在位置情報102と、そのスマートフォン30が属するグループの現在のエネルギー累計値を示す現在エネルギー情報103と、グループに属するユーザの直近の日の歩数に応じたエネルギーを示す個別エネルギー情報104a~104cとが含まれており、それらの情報がコミュニケーションサイトの表示画面に掲載されている。また、コミュニケーションサイトのデータには、情報生成部45において提供情報データベース60から取得された画像や質問からなるお勧め情報107が含まれており、それらの情報もコミュニケーションサイトの表示画面に掲載されている。なお、お勧め情報107としては、上述したような目標地点に関する画像や質問等の他に、目標地点に関係するクイズやクーポン等を提供してもよい。また、目標地点のリアルタイムの映像を掲載してもよい。更に、個別エネルギー情報104a~104cに対応する実際の歩数もコミュニケーションサイトのデータに含めておき、コミュニケーションサイトの表示画面に掲載してもよい。このコミュニケーションサイトのデータは、情報提供サーバ40の情報生成部45において、スマートフォン30にインストールされたWebブラウザやアプリ等のソフトウェアを用いて表示可能なデータとして生成され、情報取得/提供部42からスマートフォン30に送信された後、スマートフォン30にインストールされたソフトウェアによって組み立てられて表示部34にコミュニケーションサイトの表示画面として表示されることになる。ここで、スマートフォン30にインストールされた本実施の形態の動作ステップを実行する専用アプリを用いる場合は、コミュニケーションサイトとして表示する表示枠等の共通に使用されるフォーマット情報や過去に受信した情報等を記憶部33に記憶しておき、情報提供サーバ40の情報生成部45は、コミュニケーションサイトの全てのデータではなく、現在位置情報102や、現在エネルギー情報103、個別エネルギー情報104a~104c、お勧め情報107等の変更のあったデータのみを送信するようにしてもよい。
【0049】
このように、ユーザ側端末10-1~10-nを有するユーザの歩数が取得され、この歩数から補正係数によって算出されたエネルギーが、ユーザ側端末10-1~10-nについて予め決められたグループ毎に合算され、その合算値が目標地点のエネルギー閾値に達した場合に、その目標地点に関する報酬情報となるお勧め情報107がコミュニケーションサイトに掲載されてそのグループに属するユーザ側端末に提供されるので、ユーザ側端末10-1~10-nを有するユーザは、同じグループに属するユーザとの協力によって目標地点に到達しようという意識が生じ、コミュニケーションを積極的に取る意識を持たせることができる。その際、グループが目標地点に到達したかどうかの判断を、ユーザの歩数というユーザの活動量に基づいて行うことにより、ユーザの健康増進に寄与することができる。なお、歩数計20によってユーザの歩数を計測する構成とすることで、ユーザが気軽に利用することができるが、歩数計20においては、ユーザの歩数を計測するだけではなく、歩数計20を手で振った回数等のユーザの動作を計測してもよく、歩行が困難なユーザでも利用することができる。
【0050】
その後、スマートフォン30に表示されたお勧め情報107等のコミュニケーションサイトを閲覧したユーザによって、スマートフォン30の入力部35を介してコミュニケーションサイトに対してコメントが入力された場合、入力されたコメントがインターネット70を介して情報提供サーバ40にて受信される。なお、お勧め情報107は、グループに属するユーザに対してコメント入力を促す内容が好ましく、コメントは、特に意見や感想だけでなく、つぶやきや他のユーザに対しての質問などでも構わない。
【0051】
情報提供サーバ40においては、コミュニケーションサイトに対するコメントが通信部41を介して情報生成部45にて受信され、情報生成部45において、受信されたコメントがコミュニケーションサイトに掲載されることで、コミュニケーションサイトが更新される。
【0052】
情報提供サーバ40においては、情報取得/提供部42において、会員情報データベース50が参照され、コメントが入力されたスマートフォン30のユーザが属するグループが特定され、特定されたグループに属するユーザのスマートフォン30に対して、コミュニケーションサイトにコメントが掲載された旨を通知するメッセージが送信される。
【0053】
情報提供サーバ40から送信されたメッセージは、スマートフォン30のネット通信部32を介して受信され、表示部34に表示される。
【0054】
図9は、
図1に示した情報提供サーバ40が提供するコミュニケーションサイトにコメントが掲載された際にスマートフォン30に表示されるメッセージ画面を示す図である。
【0055】
図9に示すように、情報提供サーバ40が提供するコミュニケーションサイトにコメントが掲載された際に情報提供サーバ40からスマートフォン30に送信されて表示されるメッセージ画面には、同じグループに属するユーザが入力したコメントがコミュニケーションサイトに掲載された旨と、コミュニケーションサイトへのアクセス情報とが掲載されたメッセージ108が表示される。
【0056】
図9に示したメッセージ108が表示されたスマートフォン30のユーザの操作によって、メッセージ108に表示されたアクセス情報を用いたコミュニケーションサイトへのアクセスが行われると、同じグループのユーザが入力したコメントが掲載されたコミュニケーションサイトが情報取得/提供部42から送信され、スマートフォン30の表示部34に表示される。
【0057】
図10は、
図1に示した情報提供サーバ40が提供するコミュニケーションサイトに対してコメントが入力された後に情報提供サーバ40からスマートフォン30に提供されるコミュニケーションサイトを示す図である。
【0058】
図10に示すように、情報提供サーバ40が提供するコミュニケーションサイトに対してコメントが入力された後に情報提供サーバ40からスマートフォン30に提供されるコミュニケーションサイトには、
図8に示したコミュニケーションサイトに掲載された、ルート情報101、現在位置情報102、現在エネルギー情報103、個別エネルギー情報104a~104c及びお勧め情報107の他に、
図9に示したメッセージによって示されたコメント109aや、その後に同じグループに属するユーザによってスマートフォン30に入力されたコメント109b,109cが掲載される。
【0059】
このように、スマートフォン30に目標地点に到達した際にお勧め情報107が掲載されたコミュニケーションサイトが表示された後に、そのグループに属するユーザがコメントを入力することができ、そのコメントがコミュニケーションサイトに掲載されるので、同一グループのユーザどうしがコミュニケーションサイト上にて意見交換をすることができる。
【0060】
また、コメントが入力された場合に、そのコメントの文字数も用いてエネルギーを算出し、ボーナスポイントとして次の目標地点までのエネルギーとして加算することもできる。それにより、コメントの入力を積極的に行う意識を持たせることができる。スマートフォン30においては、入力されたコメントを情報提供サーバ40に送信するため、コメントの文字数を情報提供サーバ40に送信することとなる。
【0061】
ここで、本実施の形態においては、グループのエネルギー累計値が目標地点のエネルギー閾値に達することによりグループが目標地点に到達したとみなされた際に、目標地点に関するお勧め情報が掲載されたコミュニケーションサイトがそのグループに属するユーザ側端末に提供されているが、グループが目標地点に到達していない場合でも、ユーザがソフトウェアを起動し、ソフトウェアにより利用者IDを用いてスマートフォン30から情報提供サーバ40にアクセスすることで、情報提供サーバ40は、現在のグループのエネルギー累計値に応じた情報が掲載されたコミュニケーションサイトを構成する情報をそのソフトウェアに提供することもできる。
【0062】
図11は、
図1に示したコミュニケーション支援システムにてグループが目標地点に到達していない場合に情報提供サーバ40からスマートフォン30に提供されるコミュニケーションサイトを示す図である。
【0063】
グループが目標地点に到達していない場合に、ユーザによってスマートフォン30から情報提供サーバ40にアクセスが行われると、情報提供サーバ40においては、会員情報データベース50が参照され、スマートフォン30から送信されてくる利用者IDによってグループが特定され、そのグループについてのエネルギー累計値や、グループに属するユーザの直近の日の歩数に応じたエネルギーが抽出される。そして、これらの情報に基づいて、
図11に示すように、ユーザが仮想的に移動していくルートを示すルート情報101と、ルート情報101にて示されるルートのうちグループの現在の位置を示す現在位置情報102と、グループの現在のエネルギー累計値を示す現在エネルギー情報103と、グループに属するユーザの直近の日の歩数に応じたエネルギーを示す個別エネルギー情報104a~104cと、次の目標地点までのエネルギーを示す残りエネルギー情報105とが掲載されたコミュニケーションサイトがスマートフォン30に提供されることになる。
【0064】
これにより、ユーザは、自身が属するグループが次の目標地点に到達するまでのエネルギーの目安を知ることができ、モチベーションを維持することができる。
【0065】
本実施の形態のコミュニケーション支援システムにおいては、高齢者等の見守りも実現することができる。以下に、そのための処理について説明する。
【0066】
図12は、
図1に示したコミュニケーション支援システムにて高齢者等の見守りを実現する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【0067】
上述したようにスマートフォン30から送信された歩数データ及び利用者IDが情報提供サーバ40にて受信されると(ステップ31)、情報提供サーバ40において、まず、会員情報データベース50が参照され、受信された利用者IDによって特定されるユーザ側端末が属するグループが特定される(ステップ32)。
【0068】
そして、利用者IDによって特定されるユーザの役割が「対象者」である場合(ステップ33)、警報通知部44において、情報提供サーバ40にてそのユーザの歩数データの前回受信されてからの歩数の差が所定の範囲外であるかどうかが判断される(ステップ34)。例えば、上述したように歩数データが3時間毎にスマートフォン30から情報提供サーバ40に送信される場合、
図4(a)に示すように、グループPの利用者IDがAのユーザの歩数データが受信されると、利用者IDがAのユーザの歩数データが前回受信されてから警報基準値となる500歩の130%以上または70%以下であるかどうかが判断される。
【0069】
そして、受信された歩数データの前回受信されてからの歩数の差が所定の範囲外である場合、警報通知部44において、会員情報データベース50が参照され、そのユーザが属するグループの管理者の利用者IDに対応付けられている警報の送信先を示す送信先情報が特定される(ステップ35)。
【0070】
その後、警報通知部44において、特定された管理者のアドレス等の情報を用いて、スマートフォン30に対して警報が送信され(ステップ36)、管理者のスマートフォン30にて受信されて表示部34に表示される。
【0071】
図13は、
図1に示した情報提供サーバ40から送信されてスマートフォン30にて受信され、表示部34に表示される警報を示す図である。
【0072】
図13に示すように、情報提供サーバ40から送信されて管理者のスマートフォン30にて受信され、表示部34に表示される警報には、情報提供サーバ40における歩数データの受信間隔における対象者の歩数が所定の範囲外である旨を示す警告情報110が掲載されている。
【0073】
その後、管理者によってスマートフォン30から情報提供サーバ40に対して、対象者の歩数を閲覧するためのアクセスが行われると、情報提供サーバ40の警報通知部44において、当該アクセスをしてきたスマートフォン30の利用者IDが管理者の利用者IDであるかが判定され、管理者の利用者IDであると判定された場合、会員情報データベース50から対象者の実際の歩数が読み出され、管理者のスマートフォン30に送信される。対象者の歩数は、範囲外になった時の歩数だけでなく、所定日数分の歩数の履歴を送信してもよい。これにより、管理者が対象者の歩数を確認することで、対象者の見守りを実現することができる。
【0074】
なお、情報提供サーバ40にて受信された歩数データの前回受信されてからの歩数の差が所定の範囲外である場合、情報提供サーバ40から上述した警報を送信する前に、その対象者が属するグループのユーザ全員が回答する必要があるクイズを出すようにしてもよい。この場合、クイズに対するユーザの回答をコミュニケーションサイトに掲載し、そのグループの管理者が、対象者がクイズに回答したかどうかを監視することにより、対象者の健康状態等の見守りを実現することができる。また、クイズに対する回答をグループ内で検討すれば、その過程でコミュニケーションが図られ、間接的に見守りを実現できる。
【0075】
また、情報提供サーバ40において、上述したようにコミュニケーションサイトにお勧め情報107やクイズが掲載されてから、対象者のスマートフォン30からのコメントや回答の送信を監視し、所定の時間内に対象者のスマートフォン30からの接続やコメント等の送信がない場合に、管理者のスマートフォン30に対して警報を送信するようにしてもよい。
【0076】
また、上述したように、情報提供サーバ40にて受信された対象者の歩数の前回受信されてからの差が所定の範囲外である場合に警報を送信するのではなく、対象者の歩数データが情報提供サーバ40に所定期間送信されてこなく、会員情報データベース50における対象者の歩数データが所定期間更新されない場合に、情報提供サーバ40から管理者のスマートフォン30に警報を送信する構成としてもよい。
【0077】
上述したコミュニケーション支援システムにおいては、グループが仮想的に移動していくルートにおける出発地点や目標地点は、情報提供サーバ40側にてデフォルトで設定されていることが考えられるが、ユーザ側端末10-1~10-nを有するユーザが設定することも考えられる。
【0078】
以下に、
図1に示したコミュニケーション支援システムにてグループが仮想的に移動していく目標地点をユーザが設定する際の設定方法について説明する。
【0079】
図14は、
図1に示したコミュニケーション支援システムにてグループが仮想的に移動していく目標地点を設定する際にスマートフォン30に表示される画面を示す図である。
【0080】
図1に示したコミュニケーション支援システムにおいて、グループが仮想的に移動していく目標地点をユーザが設定する場合は、情報提供サーバ40から目標地点を設定するための画面がスマートフォン30に送信される。
【0081】
目標地点を設定するための画面は
図14に示すように、出発地点や目標地点を指定するためのルート選択情報111と、決定ボタン114とが表示されているとともに、出発地点表示領域112及び目標地点表示領域113a~113dが設けられており、スマートフォン30の表示部34に表示される。なお、上述したように、表示部34上には、タッチパネル等からなる入力部35が重ね合わされている。
【0082】
図14に示した画面がスマートフォン30の表示部34に表示されている状態において、ルート選択情報111上に表示された地点の中から出発地点や目標地点に対応する画面に指等を接触させると、出発地点表示領域112及び目標地点表示領域113a~113dに、指等を接触させた地点が表示されていくとともに、ルート選択情報111においては、指等が接触した地点を結ぶルートが強調表示される。
【0083】
その後、決定ボタン114に対応する画面に指等が接触されると、指定された出発地点と目標地点とを示す情報が利用者IDとともにスマートフォン30からインターネット70を介して情報提供サーバ40に送信され、情報提供サーバ40において、その利用者IDによって特定されるグループの仮想的な移動ルートが設定されることになる。
【0084】
また、上述したように、グループが仮想的に移動する前に全ての目標地点を予め設定するのではなく、グループが1つの目標地点に到着した後、コミュニケーションサイトにおけるお勧め情報107として、その地点から次の目標地点の候補を表示し、その候補の中から次の目標地点を各ユーザに問いかける質問を表示し、各ユーザからの候補のコメント入力や候補の選択により、次の目標地点が決定され、設定する構成としてもよい。
【0085】
なお、上述した実施の形態においては、ユーザ側端末10-1~10-nとして、歩数計20とスマートフォン30からなるものを例に挙げて説明したが、ユーザの活動量を取得するものとしては、歩数計20に限らず、スマートウォッチ等であってもよく、また、スマートフォン30の代わりに、携帯電話やゲーム機、パーソナルコンピュータ等を利用することができる。また、上述した実施の形態においては、歩数計20から歩数データをスマートフォン30を介して情報提供サーバ40に送信するように説明したが、歩数計20から歩数データを利用者IDともに、スマートフォン30を介さずに情報提供サーバ40に送信しても良い。その場合、通信部25は、ネット通信部32と同等の機能を備えるか、モバイルルーターや無線LANルーターを別途用いる。この場合、スマートフォン30は、近距離通信部31は省略でき、コミュニケーションサイトの表示とコメント入力の役割を担うことになる。さらには、ユーザ側端末10-1~10-nを、歩数を計測する機能を備えるスマートフォン、または、通信モジュール内蔵のスマートウォッチから構成し、計測装置と通信装置とを一体化した構成としてもよい。その場合、通信部25と近距離通信部31は省略でき、記憶部23と記憶部33とは一体化してもよい。
【符号の説明】
【0086】
10-1~10-n ユーザ側端末
20 歩数計
21 タイマ
22 歩数計測部
23,33 記憶部
24 歩数算出部
25,41 通信部
30 スマートフォン
31 近距離通信部
32 ネット通信部
34 表示部
35 入力部
36 情報処理部
40 情報提供サーバ
42 情報取得/提供部
43 会員情報管理部
44 警報通知部
45 情報生成部
50 会員情報データベース
60 提供情報データベース
70 インターネット
101 ルート情報
102 現在位置情報
103 現在エネルギー情報
104a~104c 個別エネルギー情報
105 残りエネルギー情報
106,108 メッセージ
107 お勧め情報
109a~109c コメント
110 警告情報
111 ルート選択情報
112 出発地点情報
113a~113d 目標地点情報
114 決定ボタン