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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】リチウムイオン二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0587 20100101AFI20220614BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20220614BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20220614BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20220614BHJP
【FI】
H01M10/0587
H01M10/052
H01M4/13
H01M10/0585
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019058524
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2020161293
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】399107063
【氏名又は名称】プライムアースEVエナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107249
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 恭久
(72)【発明者】
【氏名】小岩 永明
【審査官】松嶋 秀忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-129299(JP,A)
【文献】特開2008-300141(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121734(WO,A1)
【文献】特開2005-166353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05-0587
H01M 4/13-62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極基材、前記正極基材の両面に設けられた正極合剤層、前記正極基材の前記両面に前記正極合剤層が設けられていない部分である接続部を有する正極板と、
負極基材、前記負極基材の一面に設けられた第1負極合剤層、前記負極基材の他面に設けられた第2負極合剤層、前記第1負極合剤層及び前記第2負極合剤層が設けられていない部分である接続部を有する負極板と、
前記正極板及び前記負極板の間に設けられたセパレータと、を備え、
前記正極板、前記負極板及び前記セパレータを積層した積層体又は当該積層体を捲回した捲回体の一方の端部に前記正極板の前記接続部からなる正極側集電部が設けられ、他方の端部に前記負極板の前記接続部からなる負極側集電部が設けられた電極体を有するリチウムイオン二次電池であって、
前記負極板は、
前記セパレータを介して前記正極板の前記正極合剤層と対向する対向部と、前記正極合剤層と対向しない未対向部とを有し、
前記正極板の前記接続部の間に挟まれている前記未対向部における前記第1負極合剤層の先端及び前記第2負極合剤層の先端は、前記未対向部の先端に向かう方向においてずれており、前記未対向部の基端及び前記第1負極合剤層の先端の最短距離である第1相対距離は、前記未対向部の基端及び前記第2負極合剤層の先端の最短距離である第2相対距離よりも短く、
前記第1相対距離と前記第2相対距離との差は、30μm以上300μm未満の範囲であって、前記第1相対距離及び前記第2相対距離は、0mmよりも大きく2.9mmよりも小さい範囲内であり、
前記未対向部の基端から前記負極基材の先端までの第3相対距離は、0.3mm以上3.0mm未満である
リチウムイオン二次電池。
【請求項2】
前記負極基材の先端は、前記第1負極合剤層及び前記第2負極合剤層よりも突出している
請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であることから、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)等の駆動用電源として用いられている。
図7に示すように、特許文献1に記載されたリチウムイオン二次電池は、正極基材101の両面に正極合剤層102を備えた正極板100と、負極基材111の両面に負極合剤層112を備えた負極板110とを、セパレータ120を介して重ねた電極体を有する。また、正極板100は、正極合剤層102を有していない接続部116を有している。負極板110は、負極合剤層112を有していない接続部117を備えている。これらの接続部116,117は、正極板及び負極板から電気を取り出す集電部として機能する。複数の正極板100の接続部116は、互いに圧接されて束状にされ、正極側集電部材と電気的に接続される。また、複数の負極板110の接続部117も互いに圧接されて束状にされ、負極側集電部材と電気的に接続される。
【0003】
また、電極体に設けられる負極合剤層112の長さは、正極合剤層102の長さよりも大きいため、負極板110には、正極合剤層102にセパレータ120を介して対向する対向部118に加え、正極合剤層102と対向しない部分である未対向部119が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-99700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された電池のように、負極板110の未対向部119の一部が正極板100の接続部116に挟まれた状態で、接続部116が集められて正極側の集電部が形成される場合には、接続部116の間に介在する負極板110の未対向部119が押圧力を受ける。このとき、未対向部119が、押圧力の方向に沿って曲がらない等の場合、電池の内部構造によっては隣接するセパレータ120を損傷する可能性がある。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リチウムイオン二次電池のセパレータの損傷を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するリチウムイオン二次電池は、正極基材、前記正極基材の両面に設けられた正極合剤層、前記正極基材の前記両面に前記正極合剤層が設けられていない部分である接続部を有する正極板と、負極基材、前記負極基材の一面に設けられた第1負極合剤層、前記負極基材の他面に設けられた第2負極合剤層、前記第1負極合剤層及び前記第2負極合剤層が設けられていない部分である接続部を有する負極板と、前記正極板及び前記負極板の間に設けられたセパレータと、を備え、前記正極板、前記負極板及び前記セパレータを積層した積層体又は当該積層体を捲回した捲回体の一方の端部に前記正極板の前記接続部からなる正極側集電部が設けられ、他方の端部に前記負極板の前記接続部からなる負極側集電部が設けられた電極体を有するリチウムイオン二次電池であって、前記負極板は、前記セパレータを介して前記正極板の前記正極合剤層と対向する対向部と、前記正極合剤層と対向しない未対向部とを有し、前記正極板の接続部の間に挟まれている前記未対向部における前記第1負極合剤層の先端及び前記第2負極合剤層の先端は、前記未対向部の先端に向かう方向においてずれており、前記未対向部の基端及び前記第1負極合剤層の先端の最短距離である第1相対距離は、前記未対向部の基端及び前記第2負極合剤層の先端の最短距離である第2相対距離よりも短く、前記第1相対距離と前記第2相対距離との差は、30μm以上300μm未満の範囲であって、前記第1相対距離及び前記第2相対距離は、0mmよりも大きく2.9mmよりも小さい範囲内である。
【0008】
上記構成によれば、正極板の接続部に挟まれる未対向部のうち、第1負極合剤層の先端及び第2負極合剤層の先端は、未対向部の先端に向かう方向にずれている。また、未対向部の基端から第1負極合剤層の先端までの第1相対距離は、未対向部の基端から第2負極合剤層の先端までの第2相対距離よりも短い。正極側集電部が形成されることにより、セパレータを介して正極板に挟まれた負極板の未対向部は、両側から押圧力を受けて圧縮されるが、第1負極合剤層が短くなるように設けられることで、両側から受ける押圧力のうち大きい方の押圧力の方向に曲がりやすくなる。このように負極板の未対向部が、押圧力に逆らったり折れたりせず、押圧力の方向に沿って適度な曲率で曲がることで、負極基材や負極合剤層がセパレータに強く押し付けられることによるセパレータの損傷を抑制することができる。
【0009】
また、第1相対距離及び第2相対距離の差が過小であると、正極側集電部を形成する際に負極板の未対向部が曲がりにくくなるため、電極体の構成によっては、セパレータが損傷する可能性がある。また、第1相対距離及び第2相対距離の差が過大であると、負極基材に皺が発生し、皺におけるリチウムイオン濃度が局所的に高くなるので、正極板でリチウムが析出しやすくなる。また、電池の製造工程において、負極基材に発生した皺の影響で、セパレータにも皺が発生して、セパレータが損傷する可能性がある。上記構成によれば、第1相対距離及び第2相対距離の差が30μm以上であるため、セパレータの損傷を抑制することができる。また、第1相対距離及び第2相対距離の差が300μm未満であるため、リチウムの析出を抑制するとともに、セパレータの損傷を抑制することができる。
【0010】
さらに、未対向部の基端から第1負極合剤層の先端までの第1相対距離及び未対向部の基端から第2負極合剤層の先端までの第2相対距離が長くなると、未対向部が増えることになるので、放電時に未対向部から正極合剤層の端部へ移動するリチウムイオンの濃度も高くなる。この端部におけるリチウムイオンの濃度が高くなると、この部分でリチウムが析出しやすくなる。上記構成によれば、第1相対距離及び第2相対距離との差が30μm以上300μm未満の範囲である条件の下、第1相対距離及び第2相対距離が0mmよりも大きいため、未対向部を確保することができる。また、第1相対距離及び第2相対距離が2.9mmよりも小さいため、未対向部に含まれるリチウムイオンの濃度を適正な範囲とし、正極板におけるリチウムの析出を抑制することができる。
【0011】
上記リチウムイオン二次電池について、前記負極基材の先端は、前記第1負極合剤層及び前記第2負極合剤層よりも突出していることが好ましい。
上記構成によれば、負極基材の先端は、第1負極合剤層及び第2負極合剤層よりも突出することでセパレータを介して正極板からうける押圧力の方向に曲がりやすくなる。これにより、正極板の接続部の間で、未対向部が適度な曲率で曲がるため、負極板及びセパレータの接触によるセパレータの損傷を抑制することができる。
【0012】
上記リチウムイオン二次電池について、前記未対向部の基端から前記負極基材の先端までの第3相対距離は、0.3mm以上3.0mm未満であることが好ましい。
未対向部の基端から負極基材の先端までの第3相対距離、つまり未対向部の負極基材が短すぎると、第1負極合剤層の先端及び第2負極合剤層の先端をずらすことが困難となる。また、未対向部の負極基材が長すぎると、正極側集電部を形成する際に、セパレータを損傷しやすくなる。上記構成によれば、負極基材における第3相対距離を0.3mm以上としたので、第1負極合剤層の先端及び第2負極合剤層の先端を十分な差を設けてずらすことができる。また、第3相対距離を3.0mm未満としたので、セパレータの損傷を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、リチウムイオン二次電池のセパレータの損傷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】リチウムイオン二次電池を具体化した一実施形態について、その斜視構造の概略を示す図。
図2】同実施形態の電極体であって、その一部を展開した図。
図3図2の電極体の3-3位置における断面図であって、その一部を模式的に示す図。
図4図3の電極体の一部であって、負極板の未対向部を拡大した図。
図5】同実施形態における電極体の組立時又は電極体が組み立てられた後の未対向部の模式図であって、(a)は本実施形態の未対向部、(b)は従来の未対向部を示す。
図6】リチウムイオン二次電池の未対向部の構成を変更した実施例及び比較例の表。
図7】従来のリチウムイオン二次電池の一部であって、負極板の未対向部を拡大した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1図6に従って、リチウムイオン二次電池の一実施形態を説明する。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池10は、上側に開口部を有する直方体形状の電池ケース11と、電池ケース11を封止する蓋部12と、電池ケース11の内部に収容される電極体20とを備えている。また、電池ケース11内には非水電解質が収容されている。リチウムイオン二次電池10は、電池ケース11に蓋部12を取り付けることで密閉された電槽が構成される。またリチウムイオン二次電池10は、蓋部12に、電力の充放電に用いられる2つの外部端子13を備えている。
【0016】
電極体20は、一方の端部に正極側集電部20Aを備え、他方の端部に負極側集電部20Bを備える。正極側集電部20Aは、正極側集電部材51に電気的に接続され、負極側集電部20Bは、負極側集電部材52に電気的に接続されている。正極側集電部材51は、正極の外部端子13に電気的に接続され、負極側集電部材52は、負極の外部端子13に電気的に接続される。
【0017】
図2を参照して、電極体20の構成について説明する。電極体20は、正極板15と、負極板16とをセパレータ17を介して積層した積層体を捲回した捲回体である。セパレータ17を介して捲回された積層体である。正極板15は、長尺状に形成され、シート状の正極基材18と、正極基材18の両面に設けられた正極合剤層19とを備える。負極板16は、長尺状に形成され、シート状の負極基材23と、負極基材23の両面に設けられた負極合剤層21とを備える。捲回前の積層体は、正極板15及び負極板16の長手方向が一致するように、正極板15、セパレータ17、負極板16、セパレータ17の順に積層されている。
【0018】
電極体20は、正極板15及び負極板16の長尺方向に捲回され、捲回された積層体をその周面から押圧することによって扁平形状に成形されている。正極板15の短手方向の一方の端部には、正極合剤層19が形成されずに正極基材18が露出した接続部15Aが設けられている。接続部15Aは、正極側集電部20Aを構成する。正極側集電部20Aは、複数の接続部15Aのうち向かい合う面が互いに圧接されている。
【0019】
負極板16の短手方向の一方の端部には、負極合剤層21が形成されずに負極基材23が露出した接続部16Aが設けられている。接続部16Aは、負極側集電部20Bを構成する。負極側集電部20Bは、複数の接続部16Aのうち向かい合う面が互いに圧接されている。
【0020】
図3を参照して、正極板15及び負極板16の構成について説明する。図3は、図2中、3-3位置における断面を模式的に示す図である。正極基材18は、金属箔(又は薄い金属板)から形成されている。正極基材18を構成する材料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金を含む。なお、正極基材18の接続部15A側において、正極合剤層19の先端を先細り形状としているが、正極合剤層19の先端は先細り形状ではなく、それ以外の部分と同じ厚みを有していてもよい。
【0021】
正極合剤に含まれる正極活物質は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料の1種類または複数種類を使用することができる。好適例として、層状系、スピネル系等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5,LiCrMnO、LiFePO)が挙げられる。導電材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の粉末状カーボン材料が例示される。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が例示される。正極合剤は、正極活物質の他に、導電剤やバインダ等を含む。
【0022】
負極板16は、負極基材23の一面に設けられた第1負極合剤層21Aと、他面に設けられた第2負極合剤層21Bとを備える。なお、第1負極合剤層21A及び第2負極合剤層21Bを互いに区別しないで説明する場合には、単に負極合剤層21として説明する。負極基材23は、金属箔から形成されている。負極基材23を構成する材料は、例えば、銅又はニッケルを含む。
【0023】
負極合剤に含まれる負極活物質は、リチウムイオン二次電池の負極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料の1種類または複数種類を使用することができる。例えば、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、カーボンナノチューブ等の炭素材料が挙げられる。負極合剤は、負極活物質の他に、導電剤やバインダ等を含む。
【0024】
セパレータ17は、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂からなるシートである。また、セパレータ17の表面には絶縁層が設けられていてもよい。絶縁層としては、絶縁性を有する無機フィラー、絶縁性を有する樹脂等である。セパレータ17は、正極基材18及び負極基材23よりも剛性が小さい。
【0025】
また、負極合剤層21の幅方向の長さL2は、正極合剤層19の幅方向の長さL1よりも長くなっている。これにより、負極板16の負極合剤層21には、正極合剤層19とセパレータ17を介して対向する対向部16Dと、正極合剤層19とセパレータ17を介して対向していない未対向部16B,16Cが設けられる。電極体20の形成後、未対向部16Cは、図3中上側の正極板15の接続部15Aと、下側の正極板15(図示略)の接続部15Aとに挟まれる。
【0026】
図4は、図2に示す負極板16の未対向部16Cを含む領域Zを拡大した図である。破線で示す基端50は、未対向部16Cの基端であって、対向部16Dと未対向部16Cとの境界を示している。また、第1負極合剤層21Aの基端50からの長さを「長さA」、第2負極合剤層21Bの基端50からの長さを「長さB」、負極基材23の基端50からの長さを「長さC」とする。
【0027】
長さA、長さB、長さCのうち、負極基材23の長さCが最も大きい。つまり、負極板16の先端においては、負極基材23が最も突出している(C>A,C>B)。また、第2負極合剤層21Bの長さBは、第1負極合剤層21Aの長さAよりも長い(B>A)。
【0028】
図5を参照して、本実施形態のリチウムイオン二次電池の作用について説明する。図5(a)は、本実施形態の負極板16の未対向部16Cを含む先端部を示す。正極側集電部20Aが形成されると、正極板15の接続部15Aが押圧されて所定の厚さにされることにより、接続部15Aの間に挟まれた負極板16の先端部は、セパレータ17を介してそれらの接続部15Aから押圧力を受ける。その結果、負極板16の先端部は、押圧力が大きい方に曲がる。第1負極合剤層21A、第2負極合剤層21B及び負極基材23は剛性を有するため、負極板16の先端部は、片側に第1負極合剤層21Aが設けられていない部分を有する分、押圧力に沿って曲がりやすくなる。
【0029】
また、負極基材23のうち、第1負極合剤層21Aよりも長い突出部分は、第1負極合剤層21Aの先端位置103と、第2負極合剤層21Bの先端位置104とにおいて図中左側からの押圧力及び右側からの押圧力を受けて、段階的に曲がる。このため、負極基材23の未対向部16Cは、途中で折れたりすることなく、適度な曲率で曲がることができる。なお、図5(a)では、未対向部16Cが第1負極合剤層21A側に屈曲している状態を示しているが、未対向部16Cが第2負極合剤層21B側に屈曲する場合も、負極基材23が段階的に曲がり、その作用は同様である。
【0030】
図5(b)は、従来の負極板16の未対向部16Zを示す。未対向部16Zでは、第1負極合剤層21Aの先端及び第2負極合剤層21Bの先端は、ずらされることなく同じ位置に設けられている。未対向部16Zは、本実施形態の未対向部16Cに比べ、第1負極合剤層21A及び第2負極合剤層21Bが長い分、全体として剛性が大きくなり、曲がりにくい。このように負極板16の先端部の曲がり具合が小さい状態で、その両側からの押圧力が大きくなると、第2負極合剤層21Bとセパレータ17との接点P1、及び第1負極合剤層21Aとセパレータ17との接点P2に加わる力が特に大きくなる。その結果、セパレータ17が損傷する可能性がある。また、第1負極合剤層21Aの先端及び第2負極合剤層21Bの先端をずらさず、負極基材23の先端だけを突出させる場合には、負極基材23の先端は曲がりやすくなるものの、本実施形態の未対向部16Cのように段階的に曲がらない。このため、負極基材23の突出部分が、基端から折れるか、又は曲率が大きすぎてセパレータ17側に突出してセパレータ17を損傷させやすい。
【0031】
次に、未対向部16Cにおける第1負極合剤層21Aの長さA、第2負極合剤層21Bの長さB、負極基材23の長さCの好適な範囲について説明する。上述したように、第2負極合剤層21Bの長さBは第1負極合剤層21Aの長さAよりも長く、負極基材23の長さCは、第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBよりも長い(C>B>A)ことを前提とする。
【0032】
第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBとの差(「B-A」)は、30μm以上300μm未満であることが好ましい(条件1)。長さA及び長さBの差が30μm未満であると、正極側集電部20Aを形成する際に負極板16の未対向部16Cを含む先端部が曲がりにくくなるため、セパレータ17が損傷する可能性がある。また、第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBの差が300μm以上であると、負極基材23に皺が発生しやすくなる。つまり、負極合剤は負極基材23に塗布される際はペースト状であるが乾燥すると、負極合剤層21が負極基材23を引っ張る力が生じる。第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBの差が300μm以上となって、負極基材23の両面における引張力の差が大きくなると、負極基材23に引張力の差に起因する皺が生じる。負極基材23に皺が生じると、リチウムイオン二次電池の充放電において、皺にリチウムイオンが滞留しやすくなる。そして、皺に滞留したリチウムイオンが正極合剤層19の端部に集中すると、その端部においてリチウムが析出しやすくなる。また、このように負極基材23に皺が生じると、正極板15、負極板16及びセパレータ17を捲回する過程で、セパレータ17にも皺が発生し、セパレータ17が損傷する可能性がある。第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBとの差を上記の範囲にすることにより、リチウムの析出を抑制するとともに、セパレータ17の損傷を抑制する効果が高められる。
【0033】
また、負極基材23の長さCは、0.3mm以上3.0mm未満であることが好ましい(条件2)。長さCが0.3mm未満の場合、第1負極合剤層21Aの先端及び第2負極合剤層21Bの先端をずらすスペースが十分確保できない。また、未対向部16Cの負極基材23が3.0mm以上となると、正極側集電部20Aを形成する際に、負極基材23の先端がセパレータ17に接触しやすくなり、セパレータ17を損傷する可能性がある。負極基材23の長さCを上記範囲にすることにより、セパレータ17の損傷を抑制する効果が高められる。
【0034】
さらに、第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBは、0mmよりも大きく2.9mmよりも小さい範囲内であることが好ましい(条件3)。第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBが2.9mm以上となると、未対向部16Cが増えることになるので、放電時に未対向部16Cから正極合剤層19の端部へ移動するリチウムイオンが多くなる。正極合剤層19の端部において、リチウムイオンの濃度が高くなると、リチウムが析出しやすくなる。第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBを上記範囲にすることにより、負極容量を確保するとともに、リチウムの析出を抑制することができる。なお、この「条件3」は、「条件1(30μm≦B-A<300μm)」を前提とすることが好ましい。
【0035】
本実施形態の効果について説明する。
(1)上記構成によれば、正極板15の接続部15Aに挟まれる負極板16の先端部のうち、第1負極合剤層21Aの先端及び第2負極合剤層21Bの先端は、負極板16の先端に向かう方向にずれている。また、未対向部16Cの基端50から第1負極合剤層21Aの先端までの長さAは、未対向部16Cの基端50から第2負極合剤層21Bの先端までの長さBよりも短い。正極側集電部20Aが形成されることにより、セパレータ17を介して正極板15に挟まれた負極板16の先端部は、両側から押圧力を受けるが、第1負極合剤層21Aが短くなるように設けられることで、両側から受ける押圧力のうち大きい方の押圧力の方向に曲がりやすくなる。このように負極板16の未対向部16Cが、押圧力に逆らったり折れたりせず、押圧力の方向に沿って適度な曲率で曲がることで、負極板16及びセパレータ17の接触によるセパレータ17の損傷を抑制することができる。
【0036】
また、長さA及び長さBの差が過小であると、正極側集電部20Aを形成する際に負極板16の未対向部16Cが曲がりにくくなるため、電極体20の構成によっては、セパレータ17が損傷する可能性がある。また、長さA及び長さBの差が過大であると、負極基材23に皺が発生し、皺にリチウムイオンが滞留しやすくなるため、それらのリチウムイオンが移動する正極板15の端部でリチウムが析出しやすくなる。また、電池の製造工程において、負極基材23に発生した皺の影響で、セパレータ17にも皺が発生して、セパレータ17が損傷する可能性がある。上記実施形態では、長さA及び長さBの差が30μm以上であるため、セパレータ17の損傷を抑制することができる。また、長さA及び長さBの差が300μm未満であるため、リチウムの析出を抑制するとともに、セパレータ17の損傷を抑制することができる。
【0037】
(2)負極基材23の先端は、第1負極合剤層21A及び第2負極合剤層21Bよりも突出することでセパレータ17を介して正極板15からうける押圧力の方向に曲がりやすくなる。これにより、正極板15の接続部15Aの間で、未対向部16Cが適度な曲率で曲がるため、負極板16及びセパレータ17の接触によるセパレータ17の損傷を抑制することができる。
【0038】
(3)未対向部16Cの基端50から第1負極合剤層21Aの先端までの長さA及び未対向部16Cの基端50から第2負極合剤層21Bの先端までの長さBが長くなると、未対向部16Cが増えることになるので、放電時に未対向部16Cから正極合剤層19の端部へ移動するリチウムイオンの濃度も高くなる。この端部におけるリチウムイオンの濃度が高くなると、この部分でリチウムが析出しやすくなる。上記実施形態では、長さA及び長さBを0mmよりも大きくしたので、未対向部16Cを確保することができる。また、長さA及び長さBを2.9mmよりも小さくしたので、未対向部16Cに含まれるリチウムイオンの濃度を適正な範囲とし、正極板15におけるリチウムの析出を抑制することができる。
【0039】
(4)未対向部16Cの基端50から負極基材23の先端までの長さC、つまり負極基材23の長さCが短すぎると、第1負極合剤層21Aの先端及び第2負極合剤層21Bの先端をずらすことが困難となる。また、未対向部16Cの負極基材23が長すぎると、正極側集電部20Aを形成する際に、セパレータ17を損傷しやすくなる。負極基材23の長さを0.3mm以上とすることで、第1負極合剤層21Aの先端及び第2負極合剤層21Bの先端を十分な差を設けてずらすことができる。また、長さCを3.0mm未満としたので、セパレータ17の損傷を抑制することができる。
【実施例
【0040】
以下、図6を参照して、実施例1~11、比較例1~5について説明する。なお、実施例は本発明を限定するものではない。なお、実施例1~11は、上記した条件1~3をいずれも満たす。
【0041】
(実施例1)
黒鉛を負極活物質として含む負極合剤ペーストを形成し、負極合剤ペーストを、銅箔からなる長尺状の負極基材23の両面に、接続部16A、未対向部16B,16Cを設けて塗布した。さらに、負極基材に負極合剤ペーストを塗布したものを、乾燥させ、プレスすることによって負極板16を作成した。なお、接続部16Aと反対側の未対向部16Cにおいて、基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、950μm、980μm、1mmとした。この場合、長さA及び長さBの差は、30μmである。
【0042】
また、長尺状のアルミニウム箔からなる正極基材18の両面に、接続部15Aを設けた状態で正極合剤層19を形成し、正極板15を作成した。そして、正極板15の接続部15Aが片側に突出し、負極板16の接続部16Aがもう一方の片側に突出するように、正極板15、セパレータ17、負極板16、セパレータ17の順で積層した。セパレータ17は、ポリオレフィン系樹脂からなるシートを用いた。そして、その積層体を長手方向の端部から捲回して捲回体を作成し、その断面が扁平な形状となるように両側から押圧した。さらにその捲回体の片側に正極側集電部20Aを形成し、正極側集電部材51を溶接した。また、捲回体のもう一方の片側に突出する接続部16Aを押圧して、負極側集電部20Bを形成し、負極側集電部材52を溶接した。
【0043】
そして、電極体20を、電池ケース11に収容し、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)を含む溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウムを溶解した非水電解質を収容し、電池ケース11に蓋部12を取り付けてリチウムイオン二次電池10を作成した。また、電極体20を電池ケース11に収容し蓋部12を取り付けて、非水電解質無しのリチウムイオン二次電池を作成した。
【0044】
(実施例2)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ900μm、950μm、1mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。
【0045】
(実施例3)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ200μm、250μm、0.3mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。
【0046】
(実施例4)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ200μm、250μm、1mmとした。それ以外は実施例1と同様に二次電池を作成した。
【0047】
(実施例5)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ900μm、950μm、1mmとした。それ以外は実施例1と同様に二次電池を作成した。
【0048】
(実施例6)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ2800μm、2850μm、2.9mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。
【0049】
(実施例7)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ100μm、200μm、0.3mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。
【0050】
(実施例8)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ850μm、950μm、1mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。
【0051】
(実施例9)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ700μm、850μm、1mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。
【0052】
(実施例10)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ700μm、800μm、1mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。
【0053】
(実施例11)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ2600μm、2750μm、2.9mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。
【0054】
(比較例1)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ950μm、950μm、1mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBとの差(「B-A」)は、0μmであり、条件1の長さAと長さBとの差の好適な範囲を満たさない。
【0055】
(比較例2)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ950μm、970μm、1mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBとの差(「B-A」)は、20μmであり、条件1の長さAと長さBとの差の好適な範囲を満たさない。
【0056】
(比較例3)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ2900μm、2950μm、3mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。負極基材23の長さCは、3mmであり、条件2の長さCの好適な範囲及び条件3の長さA,Bの好適な範囲を満たさない。
【0057】
(比較例4)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ2700μm、2850μm、3mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。負極基材23の長さCは、3mmであり、条件2の長さCの好適な範囲を満たさない。
【0058】
(比較例5)
基端50からの第1負極合剤層21Aの長さA、基端50からの第2負極合剤層21Bの長さB、基端50からの負極基材23の長さCを、それぞれ650μm、950μm、1mmとした。それ以外は実施例1と同様にリチウムイオン二次電池を作成した。第1負極合剤層21Aの長さA及び第2負極合剤層21Bの長さBとの差(「B-A」)は、条件1の長さAと長さBとの差の好適な範囲を満たさない。
【0059】
(評価)
実施例1~11及び比較例1~5の非水電解質を収容したリチウムイオン二次電池について、30Cで充電を行った後、30Cで放電を行った。これを1サイクルとして、充放電を1000サイクル繰り返し、正極板15の端部におけるリチウムの析出の有無を目視及び電子顕微鏡で観察した。また、セパレータ17の絶縁機能を確認するため、非水電解質無しのリチウムイオン二次電池に400Vの高電圧を印加して、電流が流れるか否かを観察する高電圧絶縁試験を行った。リチウムの析出を確認した場合を「×」、析出が無かった場合を「〇」とした。また、高電圧絶縁試験で電流が流れなかった場合を「〇」、電流が流れた場合を「×」とした。
【0060】
実施例1~11の二次電池は、いずれもリチウムの析出が確認されず、高電圧絶縁試験において電流が流れなかったため、評価を「〇」とした。一方、比較例1,2は、リチウムの析出は無いが、高電圧絶縁試験で電流が流れたため、高電圧絶縁試験の評価を「×」とした。
【0061】
比較例3は、リチウムの析出が確認されるとともに、高電圧絶縁試験において電流が流れたため、リチウムの析出及び高電圧絶縁試験の評価を「×」とした。比較例4は、リチウムの析出は無いが、高電圧絶縁試験で電流が流れたため、高電圧絶縁試験の評価を「×」とした。比較例5は、リチウムの析出が確認されるとともに、高電圧絶縁試験で電流が流れたため、リチウムの析出及び高電圧絶縁試験の評価を「×」とした。
【0062】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、リチウムイオン二次電池10の電極体20は、条件1~3をいずれも満たすものとしたが、少なくとも一つを満たせばよい。条件1~3の少なくとも一つが満たされた場合、その条件によっては、セパレータ17の損傷の抑制効果又はリチウムの析出の抑制効果を得ることが可能である。
【0063】
・上記実施形態では、負極板16の未対向部16Cにおいて、負極基材23を、第1負極合剤層21A及び第2負極合剤層21Bよりも突出させた。しかし、これに限らず、第2負極合剤層21Bの長さBを負極基材23の長さCと同じとし、第1負極合剤層21Aの長さAをそれらの長さよりも短くするようにしてもよい。
【0064】
・上記実施形態では、リチウムイオン二次電池を、電極体20が、長尺の正極板及び長尺の負極板を長尺のセパレータを介して扁平に捲回した捲回型の構造である電池として説明した。しかし、これに限らず、複数の正極板及び複数の負極板を、セパレータを介して交互に積層した積層体にしてもよい。積層体であっても、電極体の一方の端部が押圧されて正極側集電部20Aが形成され、電極体の他方の端部が押圧されて負極側集電部20Bが形成されるので、各負極板のうち、正極板の接続部15Aに挟まれる先端部において第1負極合剤層及び第2負極合剤層の先端をずらすことにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
・リチウムイオン二次電池10は、電気自動車、ハイブリッド自動車、ガソリン自動車やディーゼル自動車等の車両やその他の移動体に用いられてもよい。又は、固定設置されてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10…リチウムイオン二次電池、11…電池ケース、12…蓋部、13…外部端子、15…正極板、15A…接続部、16…負極板、16A…接続部、16B,16C…未対向部、16D…対向部、16Z…未対向部、17…セパレータ、18…正極基材、19…正極合剤層、20…電極体、20A…正極側集電部、20B…負極側集電部、21A…第1負極合剤層、21B…第2負極合剤層、23…負極基材、50…基端、51…正極側集電部材、52…負極側集電部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7