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特許7088878相互作用視聴覚映画を再生する装置、方法およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】相互作用視聴覚映画を再生する装置、方法およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/76 20060101AFI20220614BHJP
   H04N 21/433 20110101ALI20220614BHJP
   H04N 21/472 20110101ALI20220614BHJP
   H04N 21/84 20110101ALI20220614BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
H04N5/76
H04N21/433
H04N21/472
H04N21/84
H04N5/765
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019083939
(22)【出願日】2019-04-25
(62)【分割の表示】P 2016554611の分割
【原出願日】2015-02-09
(65)【公開番号】P2019165466
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2019-05-24
(31)【優先権主張番号】00288/14
(32)【優先日】2014-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】516254980
【氏名又は名称】シーティーアールエルムービー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ウェーバー, トビアス
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-025834(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01873780(EP,A1)
【文献】国際公開第2006/115060(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 - 5/956
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互作用視聴覚映画(100)を再生するコンピュータ化された装置(1)であって、
再生エンジン(12)と、
媒体サーバーから電気通信ネットワークを介してローディングされる映画エピソードデータ客体(11)とを備え、
該映画エピソードデータ客体(11)は、複数のオーディオ/ビデオセグメント(112,AVSeg1,AVSeg3,AVSeg4,AVSeg7)と、前記再生エンジン(12)が前記映画エピソードデータ客体(11)から前記オーディオ/ビデオセグメント(112)を検索して再生し、該オーディオ/ビデオセグメント(112)を再生しながらユーザ決定命令から検索し、該ユーザ決定命令によって前記映画エピソードデータ客体(11)から追加のオーディオ/ビデオセグメント(112)を検索して再生するように構成される再生指示111とを有し、
前記映画エピソードデータ客体(11)は、前記オーディオ/ビデオセグメント(112、AVSeg1,AVSeg3,AVSeg4,AVSeg7)から分離されるとともにビデオコンテンツを有しない分離されたオーディオトラック(114,114a,114b,114c,114d)と、前記再生エンジン(12)が前記映画エピソードデータ客体(11)から分離された前記オーディオトラック(114,114a,114b,114c,114d)の一つを検索し、前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg3)の終了をユーザによって選択される時点まで実行し、ユーザによって選択され、前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg3)に続いて実行される前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg7)の開始を実行しながら、ユーザによって相互作用により及び動的に選択される時点における前記オーディオ/ビデオセグメント(112)の変化途中に分離された前記オーディオトラック(114a)を中断なく実行するように構成される追加の再生指示(111)とを有する装置(1)。
【請求項2】
分離された前記オーディオトラック(114c)は、キューポイント(CP)を有し、
該キューポイント(CP)は、前記オーディオトラック(114c)における位置を表示し、
分離された前記オーディオトラック(114c)の再生途中に、分離された該オーディオトラック(114c)は編集に適切であり、
前記映画エピソードデータ客体(11)は、前記再生エンジン(12)がキューポイント(CP1)において、分離された前記オーディオトラック(114c)を実行することを停止し、前記キューポイント(CP1)において、異なる分離されたオーディオトラック(114d)を実行することを開始するように構成される再生指示(111)をさらに有する請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記映画エピソードデータ客体(11)は、前記再生エンジン(12)が前記ユーザ決定命令によって前記オーディオトラック(114)を変化させるために前記キューポイント(CP)を選択するように構成される再生指示(111)をさらに有する請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記映画エピソードデータ客体(11)は、前記再生エンジン(12)が前記ユーザ決定命令によって異なる前記オーディオトラック(114)を選択するように構成される再生指示(111)をさらに有する請求項2又は請求項3に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記映画エピソードデータ客体(11)は、実行される前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg7)の規定された時間コード(TC3)で分離された前記オーディオトラック(114a)を停止すること、前記オーディオトラック(114)のビートで前記オーディオトラック(114)を停止すること、前記オーディオトラック(114)を直ちに停止すること、実行される前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg7)の規定された時間コード(TC3)でフェードアウトを始めることによって前記オーディオトラック(114a)をフェードアウトすること、フェードアウトを直ちに始めることによって前記オーディオトラック(114)をフェードアウトすること、分離された前記オーディオトラック(114c)を適切なオーディオトラック(114d)に取り替えること、及び前記オーディオトラック(114)を異なる前記オーディオトラック(114)にクロスフェードすること、のうち一つを行うことによって、前記再生エンジン(12)が、前記ユーザ決定命令によって、分離された前記オーディオトラック(114)を実行することを終了するように構成される再生指示(111)をさらに有する請求項1から請求項4のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項6】
前記映画エピソードデータ客体(11)は、前記再生エンジン(12)が、前記ユーザ決定命令によって、実行される前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1)の規定された時間コード(TC)で前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1)を実行することを停止し、前記時間コード(TC)で、異なるオーディオ/ビデオセグメント(AVSeg4)を再生することを始めるように構成される再生指示(111)をさらに有する請求項1から請求項5のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項7】
前記再生エンジン(12)は、前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1,AVSeg4,AVSeg3,AVSeg7)の同期化された前記オーディオトラック及び前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1,AVSeg4,AVSeg3,AVSeg7)と同時に実行される一つ以上の分離された前記オーディオトラック(114a,114b)を混合してマスタリングすることによってオーディオマスタートラックを発生させるように構成される請求項1から請求項6のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項8】
複数の通信端末(41)から前記ユーザ決定命令を受信し、該ユーザ決定命令から人気のある前記ユーザ決定命令を決定し、人気のある該ユーザ決定命令によって前記オーディオ/ビデオセグメント(112)を検索して再生するステップ、前記オーディオトラック(114)を選択するステップ、前記オーディオトラック(114)を変化させるためにキューポイント(CP)を選択するステップ、前記オーディオトラック(114)を終了するステップ、再生される前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1)の規定された時間コード(TC)で前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1)を停止するステップ、及びその時間コード(TC)で、異なるオーディオ/ビデオセグメント(AVSeg4)を始めるステップのうち少なくとも一つを行うように構成される相互作用サーバー43をさらに備える請求項1から請求項7のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項9】
相互作用視聴覚映画(100)を再生する方法であって、
コンピュータ化された再生装置(1)のデータストアに複数のオーディオ/ビデオセグメント(112,AVSeg1,AVSeg3,AVSeg4,AVSeg7)、該オーディオ/ビデオセグメント(112、AVSeg1,AVSeg3,AVSeg4,AVSeg7)から分離されるとともにビデオコンテンツを有しない分離されたオーディオトラック(114,114a,114b,114c,114d)、及び再生指示(111)を有する映画エピソードデータ客体(11)を媒体サーバーから電気通信ネットワークを介してローディングして格納するステップ(S1)と、
前記再生装置(1)によって前記映画エピソードデータ客体(11)から前記再生指示(111)を検索するステップ(S2)とを含み、
前記再生指示(111)によって、前記再生装置(1)は、前記映画エピソードデータ客体(11)から前記オーディオ/ビデオセグメント(112)を検索(S31)及び再生(S32)するステップと、
前記オーディオ/ビデオセグメント(112)を再生しながらユーザ決定命令から受信(S36)するためにインターフェース要素を発生(S35)させるステップと、
前記ユーザ決定命令によって前記映画エピソードデータ客体(11)から追加の前記オーディオ/ビデオセグメント(112)を検索(S31)及び再生(S32)するステップと、
前記映画エピソードデータ客体(11)から分離された前記オーディオトラック(114)の一つを検索(S33)するステップと、
前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg3)の終了をユーザによって選択される時点まで再生し、前記ユーザによって選択され、前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg3)に続いて再生される前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg7)の開始を再生しながら、前記ユーザによって相互作用により及び動的に選択される時点におけるオーディオ/ビデオセグメント(112)の変化途中に前記分離されたオーディオトラック(114a)を中断なく再生(S34)するステップとを実行する方法。
【請求項10】
前記映画エピソードデータ客体(11)は、キューポイント(CP)を有する分離された前記オーディオトラック(114)を有する前記データストアに格納され、
前記キューポイント(CP)は、オーディオトラック(114c)における位置を表示し、該オーディオトラック(114c)の再生途中に、該オーディオトラック(114c)は編集に適切であり、
再生装置(1)が、前記再生指示(111)によって、キューポイント(CP1)において、分離された前記オーディオトラック(114c)を再生することを停止するステップと、
前記キューポイント(CP1)において、異なる分離されたオーディオトラック(114d)を再生することを始めるステップとをさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記再生装置(1)が前記ユーザ決定命令によって前記オーディオトラック(114)を変化させるために前記キューポイント(CP)を前記再生指示(111)によって選択するステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記再生装置(1)が前記ユーザ決定命令によって異なる前記オーディオトラック(114)を前記再生指示(111)によって選択するステップをさらに含む請求項10又は請求項11に記載の方法。
【請求項13】
再生される前記オーディオ/ビデオセグメントの規定された時間コード(TC3)で前記オーディオトラック(114a)を停止するステップ、前記オーディオトラック(114)のビートで前記オーディオトラック(114)を停止するステップ、前記オーディオトラックを直ちに停止するステップ、再生される前記オーディオ/ビデオセグメントの規定された前記時間コード(TC3)でフェードアウトを始めることによって前記オーディオトラック(114a)をフェードアウトするステップ、フェードアウトを直ちに始めることによって前記オーディオトラック(114)をフェードアウトするステップ、前記オーディオトラック(114c)を適切なオーディオトラック(114d)に取り替えるステップ、及び前記オーディオトラック(114)を異なる前記オーディオトラック(114)にクロスフェードするステップ、のうち一つを行うことによって、前記再生装置(1)が前記再生指示(111)及び前記ユーザ決定命令によって、分離された前記オーディオトラック(114)を再生することを終了するステップをさらに含む請求項9から請求項12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記再生装置(1)が前記再生指示(111)及び前記ユーザ決定命令によって、再生されるオーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1)の規定された時間コード(TC)で前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1)を再生することを停止するステップと、前記時間コード(TC)で、異なるオーディオ/ビデオセグメント(AVSeg4)を再生することを始めるステップとをさらに含む請求項9から請求項13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記再生装置(1)がオーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1,AVSeg4,AVSeg3,AVSeg7)の同期化された前記オーディオトラック及び該オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1,AVSeg4,AVSeg3,AVSeg7)と同時に再生される一つ以上の分離された前記オーディオトラック(114a,114b)を混合してマスタリングすることによってオーディオマスタートラックを発生させるステップをさらに含む請求項9から請求項14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
複数の通信端末(41)からユーザ決定命令を前記コンピュータ化された再生装置(1)で受信するステップをさらに含み、
前記コンピュータ化された再生装置(1)が前記ユーザ決定命令から人気のあるユーザ決定命令を決定し、
前記再生装置(1)が、前記人気のあるユーザ決定命令によってオーディオ/ビデオセグメント(112)を検索して再生するステップ、オーディオトラック(114)を選択するステップ、前記オーディオトラック(114)を変化させるためにキューポイント(CP)を選択するステップ、前記オーディオトラック(114)を終了するステップ、再生される前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1)の規定された時間コード(TC)で前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg1)を停止するステップ、及び前記時間コード(TC)で、異なるオーディオ/ビデオセグメント(AVSeg4)を始めるステップのうち少なくとも一つを実行する請求項9から請求項15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
体サーバーから電気通信ネットワークを介してローディングされた映画エピソードデータ客体(11)を記録するコンピュータ読み取り可能な記録体であって、
前記映画エピソードデータ客体(11)が、複数のオーディオ/ビデオセグメント(112、AVSeg1,AVSeg3,AVSeg4,AVSeg7)と、該オーディオ/ビデオセグメント(112)から分離されるとともにビデオコンテンツを有しないオーディオトラック(114,114a,114b,114c,114d)と、再生指示(111)とを有し、
前記再生指示(111)は、前記映画エピソードデータ客体(11)から前記オーディオ/ビデオセグメント(112)を検索(S31)及び再生(S32)するステップと、
前記オーディオ/ビデオセグメント(112)を再生しながらユーザ決定命令から受信(S36)するためにインターフェース要素を発生(S35)させるステップと、
前記ユーザ決定命令によって前記映画エピソードデータ客体(11)から追加の前記オーディオ/ビデオセグメント(112)を検索(S31)及び再生(S32)するステップと、
前記映画エピソードデータ客体(11)から分離された前記オーディオトラック(114)の一つを検索(S33)するステップと、
前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg3)の終了をユーザによって選択される時点まで再生し、前記ユーザによって選択され、前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg3)に続いて再生される前記オーディオ/ビデオセグメント(AVSeg7)の開始を再生しながら、前記ユーザによって相互作用により及び動的に選択される時点で、前記オーディオ/ビデオセグメント(112)の変化途中に分離された前記オーディオトラック(114a)を中断なく再生(S34)するステップとを実行するために再生装置(1)のプロセッサ14を制御するように構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互作用視聴覚映画を再生する装置及び方法に関する。特に、本発明は、コンピュータ化された装置及び相互作用視聴覚映画を再生する、コンピュータ化された再生装置を用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広帯域及び高データ処理量インターネットが各家庭に広範な基礎として使用可能になる前には、視聴覚映画は、DVD又はBDディスクのような光ディスクに分布して再生産されてきた。光ディスクが映画の長さによって、一つ以上のディスク上の映画全体のデータを保存することを可能にするが、ダイナミック変化が、選択されたセグメントの保存されている光ディスク上の位置にリーダヘッドが物理的に移動することを要求することから、映画の一つのセグメントから選択された非連続のセグメントへの動的変化は、生得的に遅く、ユーザに注目すべき妨害をかけてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】欧州特許第1873780号明細書
【文献】欧州特許第1768404号明細書
【文献】国際公開第2013/011895号
【文献】米国特許出願公開第2014/0161419号明細書
【文献】国際公開第2007/046248号
【文献】米国特許出願公開第2004/105349号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0099684号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0239132号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0064733号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/202562号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/200116号明細書
【0004】
特許文献1は、光ディスク上に保存されるMPEG2の使用によってスライドショーを実現する技術を記載している。具体的に、特許文献1は、一つ以上の静止画像を管理するクリップ層と、クリップに含まれる静止画像を使用するスライドショーの再生セクションを示す複数の再生アイテムを有する再生リスト層を使用することによって、記録媒体上に記録される静止画像と連結される視聴覚ストリームを管理する技術を記載している。
特許文献1は、スライドショーと同期化されるオーディオを再生することによって、それぞれの静止画像の再生開始時間が、それぞれのオーディオストリームで開始時間を含むオーディオのためのエントリーポイントマップと、開始時間及び終了時間に対応するソースパケットのアドレスを表示する情報とを用いてあらかじめ決定されることを記載している。
【0005】
特許文献2は、光ディスク上に記録される複数のピクチャーデータピースがユーザによる視聴のために1つずつデコードされる、他のスライドショー再生機能を記載している。特許文献2によれば、光ディスクは、ビデオストリーム、オーディオストリーム及び再生リスト情報を含むスライドショーアプリケーションをその上に記録する。ビデオストリームは、ピクチャーデータを有するブラウジングユニットを有する。ピクチャーデータのディスプレイが停止する際、再生リスト情報は、デコーダバッファへの以降のブラウジングユニットを読む時間長と同一であるか又はこの時間長を超える静止期間を表示する。
【0006】
DVD又はBDディスク上に記録されるビデオ画像という文脈において、特許文献3及び特許文献4は、画像と同期化されないサウンドストリームを出力し続けながら画像のループ再生を行うプログラムを開示している。画像のループ再生は、前の画像がユーザに連続的に提示されている間に、リーダヘッドが新しいセグメントへ移動して新しいセグメントを読み取り得るスライドショーに適するかもしれないが、このような接近法は、相互作用視聴覚映画を再生するために要求されるように、ビデオセグメントの流れのユーザ選択された動的変更に応答して、リーダヘッドの移動に起因する注目すべき中断の問題を克服することはできない。
【0007】
特許文献5は、光ディスク、例えば、DVDのような情報記憶システムを用いる情報再生システムを記載している。特許文献5によれば、提示客体、具体的には、向上したビデオ客体(EVOB)の再生産及びディスプレイは、光ディスク上に保存される再生リストによって管理される。特許文献6は、再生産経路が再生産の途中に変化する場合にもビデオ及びオーディオデータのシームレス再生産を可能にするために、高密度光ディスク上に記録される複数の再生産経路を有するデータストリームを再生産する方法及び装置を記載している。
【0008】
個人計算装置の向上したメディア能力だけでなく広帯域高データ処理量インターネットの向上した使用可能性により、異なるストーリーラインがユーザの決定によって再生される相互作用視聴覚映画を処理及び制御するかかる装置において生得的に使用可能な演算力及びユーザインターフェース能力を用いることが可能になる。
【0009】
特許文献7は、視聴者がビデオ又は映画環境においてストーリーと相互作用できる相互作用ストーリーラインを具現するシステムを記載している。特許文献7によれば、システムは、視聴者が同一状況から異なるストーリーを生成できるように、ストーリーラインを通じてメニュープロンプト及びブランチポイントを挿入し、視聴者選択によって代案のビデオコンテンツをディスプレイする。
【0010】
特許文献8は、相互作用ダイナミック映画を可能にする装置を記載している。特許文献8によれば、正確に同数のフレーム及び同一の実行時間を有する代案の映画セグメントは、映画の代案の場面のために保存される。メッセージが視聴者に送信され、代案の映画セグメントのうちいずれのセグメントが再生されるべきかについて投票を要求する。大半の投票にしたがって、代案の映画セグメントから一つが選択されて再生される。
【0011】
特許文献9は、ストーリーブランチ及び結果の動的選択を支援する視聴覚作品を再生する装置を記載している。特許文献9によれば、決定選択アイコンは、視聴覚作品のセグメントの再生途中にディスプレイされる。これらのアイコンのうち一つの選択を表すユーザ入力によって、視聴覚作品の他のセグメントが選択されて再生される。ユーザがストーリーを妨害し、次のセグメントに移動するとの要求を明確に示さない限り、セグメントは、その終了に到達し、次のセグメントが検索されて再生されるまで続けて再生される。
【0012】
特許文献10は、相互作用ビデオという脈絡においてデータマイニングのためのシステム及び方法を記載している。相互作用ビデオの提示途中に、ユーザは、例えば、相互作用ビデオの一つ以上の態様に関連する選択をし、オプションを選択するなどして、相互作用ビデオと相互作用することができる。このようなイベントは、マーケティングキャンペン、広告キャンペン、相互作用試験などのような相互作用ビデオと関連付けられる一つ以上のキャンペンの脈絡で記録、保存、及び分析される。
【0013】
特許文献11は、メディアのオンラインストリーミング及びプログレッシブダウンロードの途中におけるビデオ/オーディオセグメントのシームレスアセンブリーを記載しており、これによって、インターネットのようなネットワークを介して第2セグメントが第1セグメントの提示途中に顧客にダウンロードされる。その後、第1セグメントは、ジッター又はギャップがセグメントのビデオ又はオーディオの部分で転移ポイントを招かない第2セグメントの開始に付着される。ギャップレスメディアファイルは、同期化されたギャップレスオーディオタグがビデオセグメントでインタリーブされるギャップレスエンコーディング方式を用いてビデオ及びオーディオセグメントをエンコードするために生成される。特許文献11によれば、ユーザはセグメントの完成後にセグメントのコース又は流れを変更することができる。このため、セグメントの流れを変更するユーザの命令は、現在セグメントの提示が完成するまで提示の流れに影響を与えず、ユーザの命令が効力を表すまで、ユーザは現在セグメントの終了を待つ必要がある。従来技術の解決策は、異なるストーリーラインを動的に生成するために視聴覚セグメントの相互作用選択を提供する。しかしながら、視聴者がセグメントの再生及びストーリーの叙述式流れを妨害しようとしない限り、ストーリーラインは、既に規定されるとともに変更不可な長さを有する中断されていないセグメントの順序で提示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、相互作用視聴覚映画を再生する装置及び方法を提供することであり、その装置及び方法は、従来技術の短所の少なくとも一部を解決する。特に、メディア再生及びひいてはストーリーの叙述式流れを妨害しないで動的可変長のセグメントを再生することを可能にすることである。
【0015】
本発明によれば、このような目的は、独立項の特徴によって達成される。また、さらなる好適な実施形態は、従属項及び詳細な説明から得られる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様によれば、上述した目的は、特に、相互作用視聴覚映画を再生するコンピュータ化された装置が再生エンジンと、媒体サーバーから電気通信ネットワークを介してローディングされる映画エピソードデータ客体を備えるという点で達成される。映画エピソードデータ客体は、複数のオーディオ/ビデオセグメント及び再生指示を有する。再生指示は、再生エンジンが映画エピソードデータ客体からオーディオ/ビデオセグメントを検索して再生し、オーディオ/ビデオセグメントを再生しながらユーザ決定命令から受信し、ユーザ決定命令に応じて映画エピソードデータ客体から追加のオーディオ/ビデオセグメントを検索して再生するように構成される。映画エピソードデータ客体は、オーディオ/ビデオセグメントから分離されるとともにビデオコンテンツを有しない分離されたオーディオトラックと、再生エンジンが、映画エピソードデータ客体から分離されたオーディオトラックの一つを検索し、第1オーディオ/ビデオセグメントの終了を、ユーザによって選択される時点まで再生し、ユーザによって選択されて第1オーディオ/ビデオセグメントに続いて再生される第2オーディオ/ビデオセグメントの開始を再生しながら、ユーザによって相互作用により及び動的に選択される時点におけるオーディオ/ビデオセグメントの変化途中にオーディオトラックを中断なく再生するように構成される追加の再生指示をさらに有する。分離されたオーディオトラックの提供は、視聴覚映画の再生途中にユーザによって相互作用により及び動的に選択される可変時点におけるオーディオ/ビデオセグメントの変化途中にも、ユーザがメディアコンテンツの中断されていない連続的なストリームを再生することを可能にする。したがって、ユーザ決定命令に応答して、第1オーディオ/ビデオセグメントの終了前の時点で、第1オーディオ/ビデオセグメントからユーザ選択された第2オーディオ/ビデオセグメントに変化されることを可能にすることによって、第1オーディオ/ビデオセグメントからユーザ選択された第2オーディオ/ビデオセグメントへの転移途中に、分離されたオーディオトラックの中断されていない再生を続けながら、第1オーディオ/ビデオセグメントの再生を中断し、以降の第2オーディオ/ビデオセグメントの再生を開始する。これは、ユーザ決定命令によって妨害される第1オーディオ/ビデオセグメントからユーザ決定命令によって選択される以降の第2オーディオ/ビデオセグメントへの転換途中に、ユーザに、中断されていない連続的なオーディオストリームを提供する。従来技術のシステムと違い、あらかじめ規定された連続的な無音ビデオセグメントの提供途中に連続的なオーディオトラックが再生される場合又は全体の前のオーディオ/ビデオセグメントの再生を完了した後にユーザ選択されたオーディオ/ビデオセグメントが再生される場合に、その開始からその終了まで、上記の記載された再生エンジン及び映画エピソードデータ客体は、再生が第1オーディオ/ビデオセグメントから第2オーディオ/ビデオセグメントに変化する時の時点をユーザが動的に及び相互作用によって決定するだけでなく、第1オーディオ/ビデオセグメントがその終了まで再生される前に、及び分離されたオーディオトラックが中断なく再生される間に、ユーザ選択された時点で、そのような第2オーディオ/ビデオセグメントを選択し、第1オーディオ/ビデオセグメントからユーザ選択された第2オーディオ/ビデオセグメントへの変化を行うことを可能にする。
【0017】
上記態様においては、分離されたオーディオトラックはキューポイントを有し、キューポイントは、オーディオトラックにおける位置を表示し、そのようなオーディオトラックの再生途中に、オーディオトラックは編集に適切であり、映画エピソードデータ客体は、再生エンジンがキューポイントで、分離されたオーディオトラックを再生することを停止し、そのキューポイントで、異なる分離されたオーディオトラックを再生することを開始するように構成される再生指示をさらに有していてもよい。オーディオトラックの編集可能なポイントを表示するキューポイントは、連続的なシームレスサウンドトラックのためにオーディオトラックを動的に編集することを可能にすることによって、例えば、視聴覚映画の再生途中にユーザから受信されるユーザ決定命令に応答及び対応して、バックグラウンド音楽のムード及び/又は長さを変更するためにオーディオトラックの動的変化を可能にする。
【0018】
更に、上記態様においては、映画エピソードデータ客体は、再生エンジンがユーザ決定命令によってオーディオトラックを変化させるためにキューポイントを選択するように構成される再生指示をさらに有していてもよい。
【0019】
また、上記態様においては、映画エピソードデータ客体は、再生エンジンがユーザ決定命令によって、異なるオーディオトラックを選択するように構成される再生指示をさらに有していてもよい。
【0020】
また、上記態様においては、映画エピソードデータ客体は、再生される第2オーディオ/ビデオセグメントの規定された時間コードで分離されたオーディオトラックを停止し、オーディオトラックのビートでオーディオトラックを停止し、オーディオトラックを直ちに停止し、再生されるオーディオ/ビデオセグメントの規定された時間コードでフェードアウトを開始することによってオーディオトラックをフェードアウトし、フェードアウトを直ちに開始することによってオーディオトラックをフェードアウトし、分離されたオーディオトラックを適切なオーディオトラックに取り替え、及び/又はオーディオトラックを異なるオーディオトラックにクロスフェードすることによって、再生エンジンが、ユーザ決定命令によって、分離されたオーディオトラックを再生することを終了するように構成される再生指示をさらに有していてもよい。このようにすることで、例えば、視聴覚映画の再生途中にユーザから受信されるユーザ決定命令に応答及び対応して、視聴覚映画の再生途中にオーディオトラックの終了を動的に変更して適応させることが可能である。
【0021】
上記態様においては、映画エピソードデータ客体は、再生エンジンが、ユーザ決定命令によって、再生されるオーディオ/ビデオセグメントの規定された時間コードで、オーディオ/ビデオセグメントを再生することを停止し、その時間コードで、異なるオーディオ/ビデオセグメントを再生することを開始するように構成される再生指示をさらに有していてもよい。
【0022】
また、上記態様においては、再生エンジンは、オーディオ/ビデオセグメントのオーディオ部分及びオーディオ/ビデオセグメントと同時に再生される一つ以上の分離されたオーディオトラックを混合してマスタリングすることによってオーディオマスターを発生させるように構成されてもよい。
【0023】
上記態様においては、コンピュータ化された装置は、複数の通信端末からユーザ決定命令を受信し、ユーザ決定命令から人気のあるユーザ決定命令を決定するように構成される相互作用サーバーをさらに備えていてもよい。再生エンジンは、人気のあるユーザ決定命令によって、オーディオ/ビデオセグメントを検索して再生するステップ、オーディオトラックを選択するステップ、オーディオトラックを変更するためにキューポイントを選択するステップ、オーディオトラックを終了するステップ、再生されるオーディオ/ビデオセグメントの規定された時間コードで、オーディオ/ビデオセグメントを停止するステップ、及び/又はその時間コードで、異なるオーディオ/ビデオセグメントを始めるステップを行うように構成される。
相互作用視聴覚映画を再生するコンピュータ化された装置の他に、本発明は、相互作用視聴覚映画を再生する方法にも関する。方法は、コンピュータ化された再生装置のデータストアに複数のオーディオ/ビデオセグメント、オーディオ/ビデオセグメントから分離されるとともにビデオコンテンツを有しない分離されたオーディオトラック、及び再生指示を有する映画エピソードデータ客体を媒体サーバーから電気通信ネットワークを介してローディングして格納するステップを含む。
上記方法は、再生装置が映画エピソードデータ客体から再生指示を検索するステップと、再生指示によって、再生装置が、エピソードデータ客体からオーディオ/ビデオセグメントを検索して再生するステップと、オーディオ/ビデオセグメントを再生しながらユーザ決定命令から受信するためにインターフェース要素を発生させるステップと、ユーザ決定命令によって映画エピソードデータ客体から追加オーディオビデオセグメントを検索して再生するステップと、映画エピソードデータ客体から、分離されたオーディオトラックの一つを検索するステップと、第1オーディオ/ビデオセグメントの終了をユーザによって選択される時点まで再生し、ユーザによって選択され、第1オーディオ/ビデオセグメントに続いて再生される第2オーディオ/ビデオセグメントの開始を再生しながら、ユーザによって相互作用により及び動的に選択される時点に発生するオーディオ/ビデオセグメントの変化途中に、分離されたオーディオトラックを中断なく再生するステップとをさらに含んでいてもよい。
【0024】
上記態様においては、映画エピソードデータ客体は、キューポイントを有する分離されたオーディオトラックを有するデータストアに格納され、キューポイントは、オーディオトラックおける位置を表示し、オーディオトラックの再生途中に、オーディオトラックは編集に適切であり、方法は、再生装置が、再生指示によって、キューポイントで、分離されたオーディオトラックを再生することを停止するステップと、そのキューポイントで、異なる分離されたオーディオトラックを再生することを始めるステップと、をさらに含んでいてもよい。
上記態様においては、方法は、再生装置が、再生指示によって、オーディオトラックをユーザ決定命令によって変化させるためにキューポイントを選択するステップをさらに含んでいてもよい。
【0025】
上記態様においては、方法は、再生装置が、再生指示によって、異なるオーディオトラックをユーザ決定命令によって選択するステップをさらに含んでいてもよい。
【0026】
上記態様においては、方法は、再生されるオーディオ/ビデオセグメントの規定された時間コードでオーディオトラックを停止し、オーディオトラックのビートでオーディオトラックを停止し、オーディオトラックを直ちに停止し、再生されるオーディオ/ビデオセグメントの規定された時間コードでフェードアウトを開始することによってオーディオトラックをフェードアウトし、フェードアウトを直ちに開始することによってオーディオトラックをフェードアウトし、オーディオトラックを適切なオーディオトラックに取り替え、及び/又はオーディオトラックを異なるオーディオトラックにクロスフェーディングすることによって、再生装置が再生指示及びユーザ決定命令によって、分離されたオーディオトラックを再生することを終了するステップをさらに含んでいてもよい。
【0027】
上記態様においては、方法は、再生装置が、再生指示及びユーザ決定命令によって、再生されるオーディオ/ビデオセグメントの規定された時間コードでオーディオ/ビデオセグメントを再生することを停止するステップと、その時間コードで、異なるオーディオ/ビデオセグメントを再生することを始めるステップとをさらに含んでいてもよい。
【0028】
上記態様においては、方法は、再生装置がオーディオ/ビデオセグメントのオーディオ部分及びオーディオ/ビデオセグメントと同時に再生される一つ以上の分離されたオーディオトラックを混合してマスタリングすることによってオーディオマスターを発生させるステップをさらに含んでいてもよい。
上記態様においては、方法は、コンピュータ化された再生装置が複数の通信端末からユーザ決定命令を受信するステップと、コンピュータ化された再生装置がユーザ決定命令から人気のあるユーザ決定命令を決定するステップとをさらに含んでいてもよい。再生装置は、人気のあるユーザ決定命令によって、オーディオ/ビデオセグメントを検索して再生するステップ、オーディオトラックを選択するステップ、オーディオトラックを変化させるためにキューポイントを選択するステップ、オーディオトラックを終了するステップ、再生されるオーディオ/ビデオセグメントの規定された時間コードでオーディオ/ビデオセグメントを停止するステップ、及び/又はその時間コードで、異なるオーディオ/ビデオセグメントを始めるステップを行う。
【0029】
相互作用視聴覚映画を再生するコンピュータ化された装置及び方法の他に、本発明は、媒体サーバーから電気通信ネットワークを介してローディングされた映画エピソードデータ客体を記録するコンピュータ読み取り可能な記録体であって、映画エピソードデータ客体が、複数のオーディオ/ビデオセグメントと、オーディオ/ビデオセグメントから分離されるとともにビデオコンテンツを有しないオーディオトラックと、再生指示とを有するコンピュータ読み取り可能な記録媒体にも関する。再生指示は、映画エピソードデータ客体からオーディオ/ビデオセグメントを検索して再生し、オーディオ/ビデオセグメントを再生しながらユーザ決定命令から受信するためにインターフェース要素を発生させ、ユーザ決定命令によって映画エピソードデータ客体から追加のオーディオ/ビデオセグメントを検索して再生し、映画エピソードデータ客体から、分離されたオーディオトラックの一つを検索し、第1オーディオ/ビデオセグメントの終了を、ユーザによって選択される時点まで再生し、ユーザによって選択され、第1オーディオ/ビデオセグメントに続いて再生される第2オーディオ/ビデオセグメントの開始を再生しながら、ユーザによって相互作用により及び動的に選択される時点に発生するオーディオ/ビデオセグメントの変化途中に、分離されたオーディオトラックを中断なく再生するために再生装置のプロセッサを制御するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図面を参照して、本発明を例としてより詳しく説明する。
図1】電気通信ネットワークを介して媒体サーバーに接続されるコンピュータ化された再生装置を概略的に示すブロック図である。
図2】ディスプレイと、プロセッサと、再生エンジン及び映画エピソードデータ客体を有するプログラム/データストアと、を含むコンピュータ化された再生装置を概略的に示すブロック図である。
図3】相互作用視聴覚映画の映画エピソードデータ客体の例示的な順序を概略的に示すブロック図である。
図4】相互作用視聴覚映画を再生するステップの例示的な順序を示す流れ図である。
図5】相互作用視聴覚映画を再生するコンピュータ化された再生装置でデータの流れを概略的に示すブロック図である。
図6】オーディオ/ビデオセグメントの異なる可能な順序の一例を示す流れ図である。
図7】決定がスクリプトを実行することによって作られる2個の異なる順序の間で決定ポイントを示す流れ図である。
図8】少なくとも2個の連続的なオーディオ/ビデオセグメントの境界にわたってオーディオ/ビデオセグメントの順序及びその順序と同時に再生される分離されたオーディオトラックの一例を示す時間ダイアグラムである。
図9】キューポイントを有する分離されたオーディオトラック及び分離されたオーディオトラックのキューポイントで挿入されるオーディオ終了トラックの一例を図示する。
図10】ユーザ決定命令を入力するインターフェース要素を有するオーディオ/ビデオセグメントの一例を図示し、決定命令の入力時に、ユーザ選択されたオーディオビデオセグメントの再生は、前のオーディオビデオセグメントの終了時に開始する。
図11】インターフェース要素を有するオーディオ/ビデオセグメントの一例を図示し、ユーザ選択されたオーディオビデオセグメントの再生は、インターフェース要素の活性化時に開始する。
図12】インターフェース要素を有するオーディオ/ビデオセグメントの一例を図示し、ユーザ選択されたオーディオビデオセグメントの再生は、インターフェース要素の活性化後に、規定された時間コードで開始する。
図13】電気通信ネットワークを介して通信端末に接続されるコンピュータ化された再生システムを概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1図2図5及び図13において、参照番号1は、相互作用視聴覚映画を再生するコンピュータ化された装置を表す。図1図2、及び図5に示されるように、コンピュータ化された再生装置1は、視聴覚映画(提供された映画100)のビデオセグメントを視聴者に示すためのディスプレイ10を備える。
ディスプレイ10は、例えば、マルチタッチディスプレイである必要はないが、タッチ感応ディスプレイとして構成され、ユーザがディスプレイスクリーンをタッチすることによって命令を入力できるようにする。
図13に図示する実施形態において、コンピュータ化された再生システム1’又はコンピュータ化された再生装置1はそれぞれ、例えば、映画館で投影スクリーン10b上の投影により複数の視聴者4に視聴覚映画のビデオセグメントを示すように構成される投影システム10aを備える。図示してはいないが、コンピュータ化された再生装置1は、また、ラウドスピーカー又はヘッドホンのような電子音響コンバータ、又は視聴覚映画のオーディオセグメントをユーザに再生する再生装置1に電子音響コンバータを連結する少なくとも一つの連結インターフェースを備える。
図2に概略的に示すように、コンピュータ化された再生装置1は、プロセッサ14、及びプロセッサ14に接続されるプログラム/データストア13をさらに備える。
プログラム/データストア13は、内部に再生エンジン12を格納し、一つ以上の映画エピソードデータ客体11を格納するように構成される。プログラム/データストア13は、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、及び/又は動的ランダムアクセスメモリなどを有する電子データメモリを備える。
再生エンジン12は、相互作用視聴覚映画を再生するために、より詳しく後述されるように、様々な機能を実行するためにプロセッサ14を制御するように構成されるコンピュータプログラムコードを備える。
本実施形態によって、再生エンジン12のコンピュータプログラムコードは、プロセッサ14に固定又は除去可能な方式で接続される非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体上に格納される。当業者は代案の実施形態で、再生エンジン12がハードウェアにおいて全体的に又は部分的に具現されてもよいと理解することができる。
【0032】
コンピュータ化された再生装置1は、移動無線電話(所謂、スマートフォン)、タブレットコンピュータ、ノート型又はラップトップコンピュータ、又は他の個人コンピュータ、例えば、ディスプレイスクリーンを有するデスクトップコンピュータとして具現される。図13に図示する実施形態で、コンピュータ化された再生装置1は、投影システム10bから分離されたり投影システムと統合されたりするコンピュータシステムとして具現される。
【0033】
一実施形態において、再生エンジン12及び少なくとも一つの映画エピソードデータ客体11は、例えば、媒体サーバー3から電気通信ネットワーク2を介して、一つの共通データファイルの一部、例えば、再生装置1内にローディング可能なアプレットである。媒体サーバー3上で、そのようなアプレット及び/又は映画エピソードデータ客体11は、相互作用視聴覚映画のデータストア30に格納される。例えば、電気通信ネットワーク2は、インターネットにアクセスする固定通信ネットワーク及び移動無線通信ネットワーク、例えば、携帯電話ネットワーク、例えば、GSM(Global System for Mobile Communication)又はUMTS(Universal Mobile Telephone System)、又は他の無線ベースネットワーク、例えば、WLAN(Wireless Local Area Network)だけでなく、インターネットも含む。
【0034】
図5に概略的に示されるように、映画エピソードデータ客体11は、再生指示111、オーディオ/ビデオセグメント112、ビデオコンテンツを有しないと共にオーディオ/ビデオセグメント112から分離されたオーディオトラック114、及び他のデータ客体113を備える。
分離されたオーディオトラック114だけでなくオーディオ/ビデオセグメント112は、それぞれ異なる及び可変の長さ、すなわち、異なる数のフレーム及び/又は期間を有することができる。
映画エピソードデータ客体11は、相互作用オーディオ/ビデオ映画の一つのエピソードのために必要な全てのデータ、具体的に、ユーザ決定命令によって視聴者が相互作用により規定し得る様々な可能な順序のための全てのオーディオ/ビデオセグメント112及び分離されたオーディオトラック114を備える。その実施形態、構成及び/又は長さによって、相互作用聴覚/視覚映画111は、図3に示されるように、数個のエピソードを有し、規定された順序で処理される数個の映画エピソードデータ客体11を備える、又は、相互作用聴覚/視覚映画100は、全相互作用聴覚/視覚映画100の全てのデータを含む一つのエピソードデータ客体11を有する一つのエピソードだけを有する。より詳しく後述するように、再生指示111は、再生エンジン12が相互作用視聴覚映画を再生するように構成される。具体的に、再生指示111は、再生エンジン12が映画エピソードデータ客体11からオーディオ/ビデオセグメント112及び分離されたオーディオトラック114を検索して再生し、オーディオ/ビデオセグメント112及び分離されたオーディオトラック114を再生しながらユーザ決定命令から受信し、ユーザ決定命令によって映画エピソードデータ客体11から追加のオーディオ/ビデオセグメント112及び分離されたオーディオトラック114を検索して再生するように構成される。例えば、再生指示111は、HTML(Hypertext Markup Language)のようなマークアップ言語によって具現される。当業者は代案の実施形態において、再生指示111が他の言語、例えば、再生エンジン12のジャバ仮想マシン上で実行されたり解釈されたりするジャバ(サンマイクロシステムインコーポレイテッドの登録商標)によって具現されてもよいと理解することができる。
【0035】
以下の段落で、相互作用視聴覚映画100を再生するために再生エンジン12によって行われるステップの可能な順序を、図4を参照して記載する。
【0036】
選択的な準備ステップS0で、再生エンジン12は、コンピュータ化された再生装置1にローディングされて格納される。例えば、再生エンジン12は、アプリ又はアプリケーションサーバーから又は媒体サーバー3から電気通信ネットワーク2を介してアプレットとしてローディングされる。
【0037】
準備ステップS1で、選択された相互作用聴覚/視覚映画100の映画エピソードデータ客体11は、コンピュータ化された再生装置1にローディングされて格納される。例えば、映画エピソードデータ客体11は、媒体サーバー3から電気通信ネットワーク2を介してローディングされる。一実施形態において、ステップS0及びS1は、上述したように、再生エンジン12及び少なくとも一つの映画エピソードデータ客体11が、一つの結合されたデータ客体、例えば、アプレットの形態でローディングされて格納されるという点で結合される。
【0038】
図4に概略的に示されるように、ステップS1’では、選択された相互作用聴覚/視覚映画100の後続エピソードのための追加の映画エピソードデータ客体11が、コンピュータ化された再生装置1にローディングされて格納される。
一実施形態において、選択された相互作用聴覚/視覚映画100の全エピソードのための映画エピソードデータ客体11がローディングされるまで、追加の映画エピソードデータ客体11は、前にローディングされた映画エピソードデータ客体11が再生エンジン12によって処理されている間にローディングされる。
それぞれの映画エピソードデータ客体11がコンピュータ化された再生装置1に全体的に及び完全にローディングされて格納されると、映画エピソードデータ客体11の処理だけが始まる。映画エピソードデータ客体11のダウンロードが再生エンジン12によって制御され、選択された相互作用聴覚/視覚映画100は妨害又は遅延無しで再生され得る。したがって、電気通信ネットワーク2の使用可能な帯域幅によって、一つより多い映画エピソードデータ客体11が、相互作用聴覚/視覚映画100の再生がその第1映画エピソードデータ客体11を処理することによって始まる前に、ローディングされて格納されてもよい。
【0039】
ステップS2で、再生エンジン12は、(現在の)映画エピソードデータ客体11から再生指示111を検索する。
再生指示111は、再生指示111が処理される順序又は方式を変化させる条件及び/又はイベント、すなわち、再生指示111の順序においてジャンプ又は変更を引き起こす条件及び/又はイベントがない限り、これらの再生指示が映画エピソードデータ客体11に保存される順番で一つずつ検索される。
【0040】
ステップS3で、再生エンジン12は、検索された再生指示111を処理する。図4に概略的に示されるように、再生指示111によって、再生エンジン12は、異なるステップS31,S32,S33,S34,S35,S36を実行し、これらの一部は同時に行われてもよい。
【0041】
ステップS31で、再生エンジン12は、(現在の)映画エピソードデータ客体11から、再生指示111によって指定されるオーディオ/ビデオセグメント112を検索する。
【0042】
ステップS32で、再生エンジン12は、検索されたオーディオ/ビデオセグメント112を再生する。具体的に、再生エンジン12は、ディスプレイ10上にオーディオ/ビデオセグメント112のフレームの順序を示し、電子音響コンバータを用いてオーディオ/ビデオセグメント112の同期化されたオーディオトラックを再生する。
【0043】
ステップS33で、再生エンジン12は、(現在の)映画エピソードデータ客体11から、再生指示111によって指定される分離されたオーディオトラック114を検索する。
【0044】
ステップS34で、再生エンジン12は、分離されたオーディオトラック114を再生する。より詳しく後述するように、オーディオ/ビデオセグメント112の提供と分離されたオーディオトラック114とのタイミング及び/又は同期化は、再生指示111及び/又はユーザ決定命令に依存する。
【0045】
ステップS35で、再生エンジン12は、再生指示111によって規定されるインターフェース要素100’(図5参照)を発生させる。
インターフェース要素は、映画へのオーバーレイ(又はアンダーレイ)としてディスプレイ10上に提供される。
再生エンジン12は、ボタンB又は他のグラフィックユーザインターフェース要素のような可視インターフェース要素、及びディスプレイ10上にディスプレイ10の特定の「活性」領域又は提供された映画100をそれぞれ規定するマスクMとして機能する非可視インターフェース要素を含む、異なる類型のインターフェース要素100’を発生させる。
インターフェース要素の少なくとも一部は、他のデータ客体113として映画エピソードデータ客体11に格納される。非可視インターフェース要素は、提供された映画においてユーザが特定の客体及び/又は人をタッチしたりタップしたりしてアンダーレイ(又はオーバーレイ)活性領域をタッチすることによってそれらを選択できるようにする。非可視インターフェース要素によって規定されるマスクM又は活性領域はアニメ-トされ、例えば、それらは映画が再生されている間に、動的に、例えば、秒当たりに5倍の割合で変化し、それぞれの客体又は人の移動を追従して、ディスプレイ10上でそれらの相対的な位置が変化する時にも視聴者に対して活性を維持する。例えば、非可視インターフェース要素又はマスクMは、それぞれ低解像度ビットマップイメージ(例えば、240×96ピクセルを有するPNG(Portable Network Graphics))のシーケンスとして具現される。ビットマップイメージは黒色であり、一つ以上の活性領域を規定するカラー領域を有する。ビットマップイメージは、ディスプレイ10で全体の映画ディスプレイウィンドウをカバーする。カラー領域が視聴者によってタッチされる場合に、カラー値は再生エンジン12へ戻るが、黒色領域をタッチすることは何ら作動も引き起こさない。
【0046】
図13に図示する実施形態において、可視インターフェース要素が発生して、再生エンジン12によって投影スクリーン10a上に現れるが、視聴者/ユーザ相互作用は、電気通信ネットワーク2を介してコンピュータ化された再生装置1又はコンピュータ化された相互作用サーバー43と通信するように構成される通信端末41、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、又は他の移動データ通信装置のような移動通信装置によって可能になる。代案として、通信端末41は、例えば、映画館内の少なくとも一部の座席に固定方式で設置され、有線又は無線通信ネットワークを介してコンピュータ化された再生システム1’又はコンピュータ化された再生装置1にそれぞれ接続される。
相互作用サーバー43は、コンピュータ化された再生装置1から分離されたり、又はこの再生装置に統合されたりするコンピュータシステムとして具現される。
一実施形態で、相互作用サーバー43は再生エンジン12の一部であるか、再生装置と統合される。
相互作用サーバー43は、電気通信ネットワーク2又は他の電気通信ネットワーク、例えば、LAN又はWLANを介して通信端末41に接続することができる。
相互作用サーバー43は、通信端末41に相互作用モジュール42、例えば、通信端末41上にダウンロードされて実行されたり、又は、例えばウェブサイト又はウェブサーバーとして相互作用サーバー43のコンピュータ上で具現されて実行されたりするプログラミングされたソフトウェアモジュール(アプレット)を提供するように構成される。
相互作用サーバー43は、さらに、再生エンジン12によって投影スクリーン10a上に現れ、発生するインターフェース要素と同期化されるインターフェース要素を発生させて、通信端末41のディスプレイ上に示すように構成される。
一実施形態において、インターフェース要素は、相互作用モジュール42によって発生して示される。図13に概略的に示されるように、外部媒体サーバー3は選択的である。
一実施形態において、媒体サーバー及び少なくとも一つの相互作用視聴覚映画を有するデータストアは、それぞれ、コンピュータ化された再生システム1’又はそれのコンピュータ化された再生装置1の一部である。代案として、コンピュータ化された再生装置1は、例えば、完了した相互作用視聴覚映画のための映画エピソードデータ客体を外部媒体サーバー3から検索し、それらをコンピュータ化された再生装置1のデータストアに局部的に格納するように構成されてもよい。
【0047】
ステップS36において、再生エンジン12は、タッチ感応ディスプレイ10上に提供されるインターフェース要素100’を介してユーザによって入力されるユーザ決定命令を受信する。ボタン又は活性領域をタッチしたりクリックしたりすることは、特定ユーザ決定命令と関連付けられ、及び/又はそれぞれのインターフェース要素に割り当てられる規定された作動を触発(trigger)させる。例えば、ボタンは、「はいと言う」又は「いいえと言う」のようなテキスト又はシンボルとして表示される作動を触発させることができる一方、活性領域は、例えば、戻ってきたカラー値によって、それの意図した目的のために特定の客体を取って使用する、例えば、「銃を取って撃つ」のように、それぞれの客体又は人と関連付いた作動を触発させることができる。図13に図示する実施形態において、参照番号S6’で表示するように、視聴者は、投影スクリーン10a上に示される相互作用聴覚/視覚映画を視聴する。参照番号S7’で表示するように、投影スクリーン10a及び通信端末41のディスプレイ上に同期化された方式で発生して現れるインターフェース要素に応答して、視聴者4は通信端末41を用いてユーザ決定命令を入力し、コンピュータ化された再生装置1又は相互作用サーバー43に伝送する。視聴者は、相互作用モジュール42を介して彼らの決定命令を入力する。例えば、視聴者は、ステップS36を参照して上述したように、彼らの通信端末41のタッチ感応ディスプレイを用いて彼らの決定命令を入力する。
【0048】
ステップS4で、再生エンジン12は、ユーザ決定命令が受信されたか否かを判断する。決定命令が受信されなかった場合、再生エンジン12は、映画エピソードデータ客体11に規定される順序で再生指示111を処理し続ける。決定命令が受信された場合には、再生エンジン12はステップS5でユーザ決定命令を処理する。
【0049】
図13に図示する実施形態において、相互作用サーバー43は、複数の視聴者4から受信されるユーザ決定命令を保存して処理する。相互作用サーバー43は、受信したユーザ決定命令から、それぞれのインターフェース要素と関連する人気のある決定命令を決定するように構成される。実施形態及び/又は構成によって、人気のある決定命令は、例えば、現在の全視聴者の数及び/又は異なる視聴者又は彼らの各チケット又はユーザ権利と関連付けられる加重要素を考慮して、大半の受信された決定命令によって決定される。
ステップS5において、再生エンジン12は、ユーザ決定命令又は人気のある決定命令のそれぞれによって再生指示111を処理する。具体的に、再生エンジン12は、再生指示111の順序をジャンプしたりして変更する。より具体的には、(人気のある)ユーザ決定命令に応答して及びこの決定命令によって、再生エンジン12は、異なるオーディオ/ビデオセグメント112及び/又は分離されたオーディオトラック114の検索及び再生と相互作用聴覚/視覚映画100のコースの最終的な変更を引き起こす再生指示111の異なる順序にしたがう。
【0050】
図5は、コンピュータ化された再生装置1及びそのタッチ感応ディスプレイ10とユーザ又は視聴者4との相互作用、又は提供された相互作用聴覚/視覚映画100とユーザ又は視聴者4との相互作用をそれぞれ概略的に示す。具体的には、図5において、参照番号S6は、ディスプレイ上で再生される相互作用聴覚/視覚映画100を視聴する視聴者の活動を表し、参照番号S7は、ディスプレイ10上に現れる相互作用聴覚/視覚映画100が提供されるインターフェース要素100’を活性化/タッチすることによって決定を下す視聴者の活動を表す。
【0051】
図6は、オーディオ/ビデオセグメント(セグメント01~セグメント11)の異なる可能な順序の一例を図示する。順序は、決定ポイントDP1,DP2,DP3,DP4,DP5,DP6を規定する再生指示111によって規定され、受信されたユーザ決定命令によって異なる順序が規定され、よって、異なるオーディオ/ビデオセグメント112(及び/又は、分離されたオーディオトラック114)が検索されて再生される。例えば、決定ポイントDP1で、セグメント01の再生途中に受信されるユーザ決定命令によって、再生エンジン12はセグメント02、セグメント03、又はセグメント04のうち一つのセグメントを検索して再生することによって順序を続ける。
図6は、決定ポイントDP2、DP4、DP5又はDP6のそれぞれで受信されたり処理されたりするユーザ決定命令によって、例えば、セグメント06、セグメント09、セグメント10、又はセグメント11を検索して再生することによって、異なる順序又は経路が再び結合されてもよいことを示している。
選択されたオーディオ/ビデオセグメント112(又は、分離されたオーディオトラック114)の長さ(期間、フレーム番号)はそれぞれ異なり且つ可変してもよいことに注目しなければならない。さらに、ユーザ決定命令によって、エピソード又は順序は、異なる末尾を有することができ、すなわち、順序、エピソード又は相互作用聴覚/視覚映画の末尾において、異なるオーディオ/ビデオセグメント112は再生エンジン12によって検索されて再生されてもよい。
【0052】
図7は、オーディオ/ビデオセグメント(セグメント01~セグメント02、又はセグメント01~セグメント03)の異なる可能な順序の一例を図示しており、再生指示111は、異なる順序がスクリプトCによって規定される決定ポイントDP6を規定する。
スクリプトCは、例えば、ジャバ(サンマイクロシステムインコーポレイテッドの登録商標)のようなプログラム言語で記録される一つ以上の論理表現を含む。実行された作動及びユーザ決定命令を含む一つ以上の変数によって、スクリプトCは、前のオーディオ/ビデオセグメントセグメント01の次に、再生エンジン12によって検索されて再生されるオーディオ/ビデオセグメントセグメント02又はセグメント03(又は、分離されたオーディオトラック114)を決定する。一実施形態において、スクリプトCは、ランダム化された変数、例えば、ランダム発生器による出力に基づく。
【0053】
図8は、相互作用聴覚/視覚映画のオーディオ/ビデオセグメントAVSeg1,AVSeg4,AVSeg3,AVSeg7の順序が再生されている間に、再生エンジン12によって再生される分離されたオーディオトラック114a,114bの一例を図示する。
図8に示されるように、相互作用聴覚/視覚映画のオーディオ/ビデオセグメントAVSeg1,AVSeg4,AVSeg3,AVSeg7の順序が再生されている間に、分離されたオーディオトラック114a,114bは再生エンジン12によって再生されている。
図8から分かるように、分離されたオーディオトラック114a,114bは、一つより多いオーディオ/ビデオセグメントAVSeg1,AVSeg4,AVSeg3,AVSeg7にわたって再生エンジン12によって再生されており、特に、分離されたオーディオトラック114a,114bは、2個の連続したオーディオ/ビデオセグメントAVSeg1,AVSeg4,AVSeg3,AVSeg7の転換にわたって再生エンジン12によって再生されている。したがって、再生指示は、2個の連続したオーディオ/ビデオセグメント(例えば、オーディオ/ビデオセグメントAVSeg3及びAVSeg7)の境界を越えて中断なく、すなわち、前の第1オーディオ/ビデオセグメント(例えば、オーディオ/ビデオセグメントAVSeg3)から次の第2オーディオ/ビデオセグメント(例えば、オーディオ/ビデオセグメントAVSeg7)への転移途中に、又は前の第1オーディオ/ビデオセグメント(例えば、オーディオ/ビデオセグメントAVSeg3)の末尾及び次の第2オーディオ/ビデオセグメント(例えば、オーディオ/ビデオセグメントAVSeg7)の先頭を再生する間に、再生エンジン12が分離されたオーディオトラック114a,114bを再生するようにする。
【0054】
特定の分離されたオーディオトラック114の選択、検索、及び再生は、再生指示111によって規定される。シナリオによって、検索及び再生の実際の開始又は活性化は、ユーザ決定命令及び/又は再生のために選択される特定のオーディオ/ビデオセグメント112によってさらに規定される。
図8の例で、再生指示111は、再生エンジン12が特定オーディオ/ビデオセグメントAVSeg4の再生途中に、特定時間コードTC2で、分離されたオーディオトラック114aを検索して再生し、特定オーディオ/ビデオセグメントAVSeg1の再生途中に、特定時間コードTC1で、分離されたオーディオトラック114bを再生するようにする。
【0055】
分離されたオーディオトラック114の再生は、それぞれの分離されたオーディオトラック114の終了によって又は代案の再生指示111によって規定される通りにして終了する。
図8の例で、再生指示111は、再生エンジン12が分離されたオーディオトラック114aのフェードアウトを特定時間コードTC3で始まることによって、特定オーディオ/ビデオセグメントAVSeg7の特定時間コードTC3で、分離されたオーディオトラック114aの再生を終了させる。再生されるオーディオ/ビデオセグメント112の規定された時間コードにおいて、分離されたオーディオトラック114を停止させる他に、再生エンジン12が、分離されたオーディオトラック114のビートで、分離されたオーディオトラック114を停止し、分離されたオーディオトラック114を直ちに停止し、再生されるオーディオ/ビデオセグメントの規定された時間コードでフェードアウトを始めることによって、分離されたオーディオトラック114をフェードアウトし、及び/又はフェードアウトを直ちに始めることによって、分離されたオーディオトラック114をフェードアウトさせる、他の再生指示111もある。
【0056】
また、図9を参照して以下に述べるように、再生エンジン12が、分離されたオーディオトラック114を他の分離されたオーディオトラック114にクロスフェードし、及び/又は分離されたオーディオトラック114を適切なオーディオ終了トラックに取り替えるようにする、他の再生指示111もある。
【0057】
図9の例で、分離されたオーディオトラック114cは、分離されたオーディオトラック114cの再生途中に編集に適切な分離されたオーディオトラック114cにおける位置を各ケースに表示するキューポイントCPを含む。
キューポイントは、例えば、分離されたオーディオトラック114cの一部として又は分離されたキューポイントテーブルに保存される。編集のためのオーディオトラックの適切性は、主に、オーディオトラックのリズム及びダイナミックスに依存する。基本的に、編集のための適切性は、非シームレスであると共に妨害する転移として認知される結果的なオーディオ再生において聴覚妨害を引き起こすことなく、オーディオトラックの再生途中に、第1の分離されたオーディオトラック114を第2の分離されたオーディオトラック114に取り替えることを可能にする。
図9は、分離されたオーディオトラック114cの終了として、分離されたオーディオトラック114cの任意のキューポイントCPで挿入されるのに適切な分離されたオーディオトラック114であるオーディオ終了トラック114dを示している。
図9に示されるように、オーディオ終了トラック114dが、分離されたオーディオトラック114cに終了として挿入される実際キューポイントCP1は、分離されたオーディオトラック114cを終了するために、例えば、ユーザ決定命令の結果として指示UCに基づいて決定される。このような終了指示に応答して、再生エンジン12が終了指示の受信の後に次の適切なキューポイントCP1を選択し、且つこのキューポイントCP1でオーディオ終了トラック114dを挿入することによって、再生エンジン12は、分離されたオーディオトラック114cを終了させるそれぞれの再生指示111を処理する。分離されたオーディオトラック114cが終了する時点がユーザ決定命令の結果として決定される他、実際オーディオ終了トラック114dがユーザ決定命令によって選択されてもよい。例えば、相互作用聴覚/視覚映画100が静かな第1ストーリーラインに従うようにするユーザ決定命令をユーザが入力すると、第1ストーリーラインのオーディオ/ビデオセグメント112と関連付けられるオーディオ終了トラック114dは、アクションとサスペンス満載の代案の第2ストーリーのオーディオ/ビデオセグメント112と関連付けられる終了トラック114dよりも静かである。一実施形態において、分離されたオーディオトラック114の選択は、オーディオ/ビデオセグメントの選択のために図7を参照して上述したように、スクリプトCを実行することによってなされる。
【0058】
図2に示されるように、再生エンジン12は、オーディオ部分、すなわち、オーディオ/ビデオセグメント112の同期化されたオーディオトラック及びオーディオ/ビデオセグメント112と同時に再生される一つ以上の分離されたオーディオトラック114を混合してマスタリングすることによってオーディオマスタートラックを発生させるように構成されるマスタリングモジュール121を備える。
例えば、優先順位は、オーディオ/ビデオセグメント112の同期化されたオーディオトラックに与えられる一方で、分離されたオーディオトラックのボリュームは減少し、結果的なオーディオストリームは、例えば、-0.1dBに制限される。
【0059】
図10図12は、例えば、ボタンBをタッチ、タッピング又はクリックすることによってインターフェース要素100’を介して入力されるユーザ決定命令に応答して、前の第1オーディオ/ビデオセグメントAVSeg1から次の第2オーディオ/ビデオセグメントAVSeg4へと転換されるタイミングを示す。
図10に図示する例において、それぞれの再生指示111による指示に従って、再生エンジン12は、シームレスであると共に中断されない方式で、前のオーディオ/ビデオセグメントAVSeg4の終了時にユーザ決定命令によって選択される次のオーディオ/ビデオセグメントAVSeg4の再生を開始する。
【0060】
図11に図示する例において、それぞれの再生指示111による指示に従って、再生エンジン12は、例えば、ボタンBのタッチ、タッピング又はクリック時にユーザ命令決定に直ちに応答して、ユーザ決定命令によって選択される次のオーディオ/ビデオセグメントAVSeg4を再生し始めることによって、前のオーディオ/ビデオセグメントAVSeg1を妨害する。
【0061】
図12に図示する例において、それぞれの再生指示111による指示に従って、再生エンジン12は、例えば、ボタンBのタッチ、タッピング又はクリック後に、ユーザ命令決定を受信する時点後の規定された時間コードTCで、ユーザ決定命令によって選択される次のオーディオ/ビデオセグメントAVSeg4を再生し始めることによって、規定された時間コードTCで、前のオーディオ/ビデオセグメントAVSeg1を妨害する。
【0062】
図10図11及び図12に示す全ての例において、一つ以上の分離されたオーディオトラック114,114a,114b,114c,114dは、第1オーディオ/ビデオセグメントAVSeg1からユーザ選択された次の第2オーディオ/ビデオセグメントAVSeg4への転移又は境界にわたって中断なく再生されている。言い換えると、一つ以上の分離されたオーディオトラック114,114a,114b,114c,114dが中断なく再生される間に、第1オーディオ/ビデオセグメントAVSeg1からユーザ選択された次の第2オーディオ/ビデオセグメントAVSeg4への、ユーザによって選択され且つ時間設定された変化が起きる。上記の説明において、コンピュータプログラムコードは特定機能モジュールと関連付けられ、一連のステップは特定の順序で提供されるということに注目しなければならないが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、コンピュータプログラムコードの異なる構造化が可能であり、ステップの少なくとも一部の順序が変更されてもよいことを理解するであろう。
図1
図2
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図4
図5
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図7
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図10
図11
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図13