(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】体重支持システムのための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A61H 1/02 20060101AFI20220614BHJP
B66B 9/08 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
A61H1/02 R
B66B9/08 B
B66B9/08 E
(21)【出願番号】P 2019508223
(86)(22)【出願日】2017-09-07
(86)【国際出願番号】 US2017050482
(87)【国際公開番号】W WO2018049031
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-09-01
(32)【優先日】2016-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507373704
【氏名又は名称】バイオネス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グルコフスキー,アルカディー
(72)【発明者】
【氏名】クッシュマン,トッド
(72)【発明者】
【氏名】スミス,オーガスティン
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-276593(JP,A)
【文献】特開昭56-086854(JP,A)
【文献】国際公開第2016/126681(WO,A1)
【文献】特開2017-011924(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0287268(US,A1)
【文献】特開2005-40563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/02
B66B 9/08
B66C 7/00-7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体重支持システムであって、
第1部分、第2部分及び前記第1部分と前記第2部分との間に配置された第3部分を有し、
前記第1部分及び前記第2部分の傾斜は、実質的にゼロに等しく、前記第3部分の傾斜はゼロではない、支持トラックと、
支持アセンブリ及び駆動アセンブリを有するトロリーであって、前記支持アセンブリは、ユーザの体重の少なくとも一部分を支えるように構成され、前記駆動アセンブリは、前記トロリーを前記支持トラックから可動式に吊るすように構成され、前記駆動アセンブリは、(i)前記ユーザが高度を有する第1面上を動くとき、前記支持トラックの前記第1部分に沿って、(ii)前記ユーザが前記第1面とは異なる高度を有し、前記第1面とは別の第2面上を動くとき、前記支持トラックの前記第2部分に沿って、(iii)前記ユーザが前記第1面と前記第2面との間を動くとき、前記支持トラックの前記第3部分に沿って、前記トロリーを動かすように構成された駆動ホイールを有し、前記駆動アセンブリは、前記駆動ホイールが前記支持トラックの前記第3部分に沿って前記トロリーを動かすときに牽引力の大きさを維持するように、前記支持トラックの前記第3部分に沿った複数の突起に係合するように構成された歯車装置を有し、前記支持トラックの前記第1部分及び前記第2部分は突起がない、トロリーと、
前記支持トラックに結合されたパワーレールであって、前記トロリーが前記支持トラックの前記第1部分、前記支持トラックの前記第2部分及び前記支持トラックの前記第3部分に沿って動くときに、前記トロリーの一部分と電気接触するように構成されている、パワーレールと、を備える体重支持システム。
【請求項2】
前記支持アセンブリは、前記ユーザが前記第1面に沿って動くとき、前記ユーザの前記体重の予め決められた部分を支えるように構成され、
前記支持アセンブリは、前記ユーザが前記第2面に沿って動くとき、前記ユーザの前記体重の前記予め決められた部分を支えるように構成され、
前記支持アセンブリは、前記ユーザが前記第1面から前記第2面へ動くときに、第1構成から第2構成へ移行するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記駆動アセンブリの駆動ホイールは、前記ユーザが前記第1面及び前記第2面と異なる第2面を動くときに、前記支持トラックの前記第3部分に沿って前記トロリーを動かすように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記支持トラックの前記第1部分は、前記第1面の前記高度に関連付けられる第1高度に配置され、及び前記トラックの前記第2部分は、前記第2面の前記高度に関連付けられる第2高度に配置され、前記第1高度は前記第2高度とは異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記支持トラックの前記第3部分は、前記第1部分に隣接し、前記第1高度を有する第1端と、前記第2部分に隣接し、前記第2高度を有する第2端とを有する、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記支持トラックの前記第3部分は、前記支持トラックの前記第1部分と前記支持トラックの前記第2部分とに固定的に結合された第3部分を有する、請求項
4に記載のシステム。
【請求項7】
前記駆動ホイールは、前記支持トラックの前記第1部分、前記第2部分及び前記第3部分の各々の実質的に滑らかな表面に接触し、前記歯車装置は、前記トロリーが前記支持トラックの前記第1部分及び前記第2部分に沿って動くとき前記支持トラックから係合解除されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
体重支持システムであって、
第1部分、第2部分、及び前記第1部分と前記第2部分との間に配置された第3部分を有し、前記第1部分及び前記第2部分の傾斜は実質的にゼロに等しく、前記第3部分の傾斜はゼロではない、支持トラックと、
支持アセンブリ及び駆動アセンブリを有するトロリーであって、前記支持アセンブリは、ユーザの体重の少なくとも一部分を支えるように構成され、前記駆動アセンブリは、前記トロリーを前記支持トラックから可動式に吊るすように構成され、前記駆動アセンブリは、(i)前記ユーザが第1面上を動くとき、前記支持トラックの前記第1部分に沿って、(ii)前記ユーザが前記第1面とは別の第2面上を動くとき、前記支持トラックの前記第2部分に沿って、(iii)前記ユーザが前記第1面と前記第2面との間を動くとき、前記支持トラックの前記第3部分に沿って、前記トロリーを動かすように構成された駆動ホイールを有し、前記駆動アセンブリは、前記駆動ホイールが前記支持トラックの前記第3部分に沿って前記トロリーを動かすときに牽引力の大きさを維持するように、前記支持トラックの前記第3部分に沿った複数の突起に係合するように構成された歯車装置を有し、前記駆動ホイールが前記トロリーを前記支持トラックの前記第1部分及び前記第2部分に沿って動かすときに前記歯車装置が係合解除されるように、前記支持トラックの前記第1部分及び前記第2部分は突起がない、トロリーと、を備える体重支持システム。
【請求項9】
前記支持トラックに結合されたパワーレールであって、前記トロリーが、前記支持トラックの前記第1部分、前記支持トラックの前記第2部分、及び前記支持トラックの前記第3部分に沿って動くとき、前記トロリーの一部分と電気接触するように構成されている、パワーレールをさらに備える、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記トロリーが、前記支持トラックの前記第1部分、前記支持トラックの前記第2部分、及び前記支持トラックの前記第3部分に沿って動くとき、前記支持アセンブリは、前記ユーザの前記体重の予め決められた部分を支えるように構成されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項11】
前記支持トラックの前記第1部分は、前記第1面の高度に関連付けられる第1高度に配置され、及び前記トラックの前記第2部分は、前記第2面の高度に関連付けられる第2高度に配置され、前記第1高度は前記第2高度とは異なる、請求項
8に記載のシステム。
【請求項12】
前記支持トラックの前記第1部分は、前記第1面の高度に関連付けられる第1高度に配置され、及び前記トラックの前記第2部分は、前記第2面の高度に関連付けられる第2高度に配置され、前記第1高度は前記第2高度とは異なり、
前記支持トラックの前記第3部分は、前記第1部分と前記第2部分との間に結合されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項13】
前記支持トラックの前記第1部分は、前記第1面の高度に関連付けられる第1高度に配置され、及び前記トラックの前記第2部分は、前記第2面の高度に関連付けられる第2高度に配置され、前記第1高度は前記第2高度とは異なり、
前記支持トラックの前記第3部分は、前記支持トラックの前記第1部分に隣接し、前記第1高度を有する第1端と、前記支持トラックの前記第2部分に隣接し、前記第2高度を有する第2端とを有する、請求項
8に記載のシステム。
【請求項14】
少なくともトロリー及び支持トラックを含む体重支持システムを使用する方法であって、前記トロリーは、ユーザの体重の少なくとも一部分を支えるように構成された支持アセンブリ、及び前記支持トラックから前記トロリーを可動式に吊るすように構成された駆動アセンブリを有し、前記方法は、
前記ユーザが第1面上を動くことに応答して、前記駆動アセンブリの駆動ホイールの回転によって、前記支持トラックの実質的にゼロに等しい傾斜を有する第1部分に沿って前記トロリーを前進させることと、
前記ユーザが前記第1面上を動くとき、前記支持アセンブリによって、前記ユーザの前記体重の予め決められた部分を支えることと、
前記ユーザが、前記第1面とは別の第2面上を動くことに応答して、前記駆動ホイールの回転によって前記トロリーを前記支持トラックの実質的にゼロに等しい傾斜を有する第2部分に沿って前進させることと、
前記ユーザが前記第2面上を動くとき、前記支持アセンブリによって、前記ユーザの前記体重の前記予め決められた部分を支えることと、
前記トロリーを前記駆動ホイールによって前記支持トラックの前記第1部分に沿って前進させた後及び前記トロリーを前記駆動ホイールによって前記支持トラックの前記第2部分に沿って前進させる前に、前記支持アセンブリの構成を調整することであって、前記支持アセンブリの前記調整は、(1)前記駆動ホイールが前記トロリーを、前記第1部分と前記第2部分との間に配置され、ゼロではない傾斜を有する前記支持トラックの第3部分に沿って前進させることに応答し、及び(2)前記支持アセンブリが、前記ユーザの前記体重の前記予め決められた部分を支えるようにすることであることと、
前記駆動アセンブリの歯車装置によって、前記駆動ホイールが前記第3部分に沿って前記トロリーを動かすときに前記駆動アセンブリと前記支持トラックとの間の牽引力の大きさを維持するように、前記支持トラックの前記第3部分に沿った複数の突起に係合することと、を含み、前記駆動ホイールが前記トロリーを前記支持トラックの前記第1部分及び前記第2部分それぞれに沿って動かすとき前記歯車装置が前記支持トラックから係合解除されるように、前記支持トラックの前記第1部分及び前記第2部分は突起がない、方法。
【請求項15】
前記第1面と前記第2面とは、異なる高度を有し、
前記支持トラックの前記第1部分は、前記第1面の上方に予め決められた距離で配置され、
前記支持トラックの前記第2部分は、前記第2面の上方に前記予め決められた距離で配置される、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記支持トラックの前記第3部分は、前記第1部分と前記第2部分との間に固定的に結合される、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記支持トラックの第1部分は、前記第1面に関連付けられる第1高度を有し、前記支持トラックの第2部分は、前記第2面に関連付けられる、前記第1高度とは異なる第2高度を有し、
前記支持トラックの前記第3部分は、前記支持トラックの前記第1部分に隣接し、前記第1高度を有する第1端と、前記支持トラックの前記第2部分に隣接し、前記第2高度を有する第2端とを有する、請求項
15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[1001] 本出願は、2016年9月9日出願の米国仮特許出願第62/385,485号(「Methods and Apparatus for Body Weight Support System」)の優先権及び利益を主張し、その開示全体を本願明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
[1002] 本明細書で説明する実施形態は、患者の体重を支えるための装置及び方法に関する。より詳細には、本明細書で説明する実施形態は、歩行訓練及び/又は歩行療法の間、患者の体重を支えるための装置及び方法に関する。
【0003】
[1003] 著しく歩行が困難(walking deficits)な人に、強力であるが安全な歩行療法を成功裏に提供する(delivering)ことは、熟練した療法士に複数の課題を提示し得る。卒中、脊髄損傷、外傷性脳損傷などの多くの神経損傷の急性期では、人は、極めて不安定な歩行パターン及び持久力の乏しさを示すことが多く、患者及び療法士の双方にとって、安全に歩行練習を行うことを困難にする。このため、リハビリテーション施設は、地上の歩行訓練をトレッドミルへ移動させることが多く、トレッドミルでは、体重支持システムが、訓練の強度を上げながらも転倒リスクを最小限にするのを助け得る。
【0004】
[1004] 体重が支えられるトレッドミル訓練は、歩行能力の獲得を促すが、患者を、トレッドミル上の訓練から、安全な、体重が支えられる地上の歩行訓練へ移行させるシステムはほとんどない。さらに、歩行障害(walking impairment)のあるほとんどの人の主要目的は、トレッドミル上ではなく自宅で及び彼らの地元で歩くことであるため、地上の歩行訓練(例えば、トレッドミル上ではなく)を含む歩行を標的とする治療的介入が望ましいことが多い。
【0005】
[1005] 場合によっては、公知の歩行支援システムは、地上の歩行訓練のための体重支持を提供するように構成され得る;しかしながら、そのような公知の歩行支援システムは、1つ以上の方法に限定され得る。例えば、場合によっては、歩行支援システムは、静的除荷下にある患者を支えるように構成され、これは、異常な地面反力及び下肢における筋肉の活性化パターンの変化を生じ得る。さらに、静的除荷システムは、患者の上下方向の可動域(vertical excursion)を制限する可能性があり、これは、広範囲の動きが要求されるいくつかのバランス及び体位療法(balance and postural therapy)の形態を防止する。さらに、いくつかのそのようなシステムは、訓練セッションの前に所望レベルの支持に調整されるように構成され、及び体重支持量をリアルタイムで調節するようには構成されていない。
【0006】
[1006] 他の公知のシステムでは、支援システムの動力は、患者の訓練に影響を及ぼし得る。例えば、いくつかの公知のシステムでは、患者は、患者が歩行療法の間に物理的にトロリーを高架レールに沿って引きずっている間に患者を支えるように構成された受動型トロリー・レールシステムによって、支えられ得る。トロリーは、質量は比較的小さいかもしれないが、患者は、質量の存在を感じる場合があり、その場合には、次に、患者がトロリーの動力を補償しなければならないことがある。
【0007】
[1007] 他の公知のシステムでは、患者は、能動型(例えば、電動式)トロリーシステムによって支えられ得る;しかしながら、いくつかのそのようなシステムは、不適切な又は低速な動的応答を有する、及び/又は動きの範囲が限定され得る(例えば、取り付けられた電力ケーブル束などから生じる)。いくつかの公知のシステムは、さらに、患者が予め決められた経路(例えば、トロリーの、ある範囲の動きによって規定される、及び/又はトロリーが動くトラックによって規定される)を辿っている間は患者の支持に限定され、このことは、例えば、患者の横移動範囲などを限定し得る。さらに、いくつかの公知のシステムは、実質的に平らな表面上を歩いている患者を支えるように構成され、及び例えば、患者が階段を上ったり及び/又は下りたりするとき、及び/又はそうでなければ高度が変化しながら患者が歩くとき、患者を支えられない。
【0008】
[1008] それゆえ、歩行療法の間に患者の体重を支えるための改良型の装置及び方法に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【0009】
[1009] 本明細書では、歩行療法及び/又は訓練の間に患者の体重を支えるための装置及び方法が説明されている。いくつかの実施形態では、体重支持システムは、支持トラック、トロリー、及びパワーレールを含む。支持トラックは、第1部分及び第2部分を有する。トロリーは、支持アセンブリ及び駆動アセンブリを有する。支持アセンブリは、ユーザの体重の少なくとも一部分を支えるように構成される。駆動アセンブリは、ユーザが第1面に沿って動くときに、支持トラックの第1部分からトロリーを可動式に吊るすように構成され、及びユーザが、第1面とは別の第2面に沿って動くときに、支持トラックの第2部分からトロリーを可動式に吊るすように構成される。パワーレールは、支持トラックに結合され、及びトロリーが支持トラックの第1部分及び第2部分に沿って動くとき、トロリーの一部分と電気接触しているように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[1010]ある実施形態による体重支持システムの概略図である。
【
図2】[1011]ある実施形態による体重支持システムの前面斜視図である。
【
図3】[1011]ある実施形態による体重支持システムの後面斜視図である。
【
図4】[1012]ある実施形態による患者取付機構の斜視図である。
【
図5】[1013]別の実施形態による体重支持システムの斜視図である。
【
図6】[1014]線6-6に沿って取った
図5の体重支持システムの断面図である。
【
図7】[1015]ある実施形態による体重支持システムの概略図である。
【
図8】[1016]別の実施形態による体重支持システムの概略図である。
【
図9】[1017]ある実施形態による体重支持システムにおいて使用するように構成された支持トラックの一部分の概略図である。
【
図10】[1018]
図9に示す支持トラックの一部分及び体重支持システムのトロリーの一部分の概略図である。
【
図11】[1019]別の実施形態による体重支持システムにおいて使用するように構成された支持トラックの一部分の概略図である。
【
図12】[1020]別の実施形態による体重支持システムにおいて使用するように構成された支持トラックの少なくとも一部分の概略図である。
【
図13】[1021]ある実施形態による体重支持システムを使用する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1022] いくつかの実施形態では、体重支持システムは、支持トラック、トロリー、及びパワーレールを含む。支持トラックは、第1部分及び第2部分を有する。トロリーは、支持アセンブリ及び駆動アセンブリを有する。支持アセンブリは、ユーザの体重の少なくとも一部分を支えるように構成される。駆動アセンブリは、ユーザが第1面に沿って動くときに、支持トラックの第1部分からトロリーを可動式に吊るすように構成され、及びユーザが、第1面とは別の第2面に沿って動くときに、支持トラックの第2部分からトロリーを可動式に吊るすように構成される。パワーレールは、支持トラックに結合され、及びトロリーが支持トラックの第1部分及び第2部分に沿って動くとき、トロリーの一部分と電気接触しているように構成される。
【0012】
[1023] いくつかの実施形態では、体重支持システムは、支持トラック及びトロリーを含む。支持トラックは、第1部分、第2部分、及び第1部分と第2部分との間に配置された第3部分を有する。トロリーは、支持アセンブリ及び駆動アセンブリを有する。支持アセンブリは、ユーザの体重の少なくとも一部分を支えるように構成される。駆動アセンブリは、ユーザが第1面に沿って動くときに、支持トラックの第1部分からトロリーを可動式に吊るすように構成され、及びユーザが、第1面とは別の第2面に沿って動くときに、支持トラックの第2部分からトロリーを可動式に吊るすように構成される。駆動アセンブリは、ユーザが第1面と第2面との間を動くとき、支持トラックの第3部分からトロリーを可動式に吊るすように構成される。
【0013】
[1024] いくつかの実施形態では、体重支持システムは、少なくともトロリー及び支持トラックを含む。トロリーは、ユーザの体重の少なくとも一部分を支えるように構成された支持アセンブリ、及び支持トラックからトロリーを可動式に吊るすように構成された駆動アセンブリを有する。いくつかの実施形態では、体重支持システムを使用する方法は、ユーザが第1面に沿って動くことに応答して、支持トラックの第1部分に沿ってトロリーを前進させることを含み、及びユーザの体重の予め決められた部分が、ユーザが第1面に沿って動くとき、支えられる。トロリーは、ユーザが第1面とは別の第2面に沿って動くことに応答して、支持トラックの第2部分に沿って前進させられ、及びユーザの体重の予め決められた部分は、ユーザが第2面に沿って動くとき、支えられる。支持アセンブリは、トロリーを支持トラックの第1部分に沿って前進させた後、及びトロリーを支持トラックの第2部分に沿って前進させる前に、調整される。支持アセンブリは、(1)トロリーが、第1部分と第2部分との間に配置された支持トラックの第3部分から吊るされることに応答して、及び(2)支持アセンブリが、ユーザの体重の予め決められた部分を支えるように、調整される。
【0014】
[1025] いくつかの実施形態では、体重支持システムは、少なくとも1つのトロリー、少なくとも1つのトラック、及び患者取付機構を含む。少なくとも1つのトロリーは、駆動システム及び患者支持システムを含む。駆動システムは、トラックに可動式に結合され、及びトラックに沿って、少なくとも第1方向及び第2方向に動くように構成される。患者支持機構は患者取付機構に少なくとも一時的に結合されて、患者が少なくとも第1方向及び第2方向に動くときに、トロリーが患者の体重の少なくとも一部分を支えるようにする。
【0015】
[1026] 本明細書では、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上明白に他の意味を指示する場合を除いて、複数形を含む。それゆえ、例えば、用語「部材」は、単一の部材、又は複数の部材の組み合わせを意味するものとし、「材料」は、1種以上の材料、又はそれらの組み合わせを意味するものとする。
【0016】
[1027] 本明細書では、用語「組」は、複数の特徴、又は複数の部分を備える単一の特徴を指し得る。例えば、壁の組に言及するとき、その壁の組は、複数の部分を備える1つの壁であるとみなされることも、又はその壁の組は、複数の別個の壁であるとみなされることもできる。それゆえ、モノリシックに構成されたアイテムは、1組の壁を含み得る。そのような1組の壁は、互いに連続的又は不連続のいずれかである複数の部分を含み得る。例えば、モノリシックに構成された壁は、1組の壁を形成すると言われ得る複数の部分を含み得る。1組の壁はまた、複数のアイテムから製作されることができ、これらのアイテムは、別々に生産され、後で接合される(例えば、溶接、接着、又は任意の好適な方法によって)。
【0017】
[1028] 本明細書では、用語「平行」は、一般的に、2つの幾何学的構造(例えば、2本の線、2つの平面、1本の線と1つの平面など)が実質的に無限に延在するときに実質的に非交差である、2つの幾何学的構造の関係を説明する。例えば、本明細書では、ある線は別の線に対して、それらの線が無限に延在するときに交差しないときに、平行であると言われる。同様に、平面表面(すなわち、2次元表面)が、ある線に対して平行であると言われるとき、その線に沿った全ての点が、その表面の最も近い部分から実質的に等距離だけ離間している。2つの幾何学的構造は、本明細書では、それらが名目上互いに平行であるとき、例えば、それらが互いに許容誤差内で平行であるときなど、互いに対して「平行」又は「実質的に平行」であると説明される。そのような許容誤差は、例えば、製造公差、測定誤差などを含み得る。
【0018】
[1029]
図1は、ある実施形態による体重支持システム1000の概略図である。体重支持システム1000(本明細書では「支持システム」とも称す)は、任意の好適なシステムを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持システム1000は、2015年2月3日出願の米国特許出願公開第2015/0143627号(以下「‘627号特許」と称す)(「Methods and Apparatus for Body Weight Support System」)に説明されているもののいずれかと実質的に同様又は同じとし得、その開示全体を本願明細書に援用する。支持システム1000は、例えば、強力な歩行療法及び/又は訓練において使用されて、例えば、神経損傷、例えば卒中、脊髄損傷、外傷性脳損傷などによって引き起こされた歩行異常(walking deficiencies)のある患者を支え得る。そのような場合には、支持システム1000は、患者の体重の少なくとも一部分を支えて、歩行療法及び/又は訓練を容易にするために使用され得る。他の場合には、支持システム1000は、例えば、宇宙飛行士などの訓練のための低重力の状況をシミュレーションするために使用され得る。さらに他の場合には、支持システム1000は、任意の好適なユーザの歩行訓練を容易にするために使用され得る。本明細書では、用語「ユーザ」は、一般的に、支持システム1000を利用している(例えば、体重が少なくとも部分的に支えられている)人を指し、かつ身体障害のある患者及び/又は人、身体障害のない患者及び/又は人、及び/又はシミュレーション及び/又は訓練を受ける人を含み得る。
【0019】
[1030] いくつかの実施形態では、支持システム1000は、水平な地面上で及びその至る所でユーザを支える代わりに又はそれに加えて、トレッドミル又は階段上でユーザを支えるために使用され得る。他の実施形態では、支持システム1000は、凸凹のある地面、高度変化、階段などに沿って横断しながら及び/又はそうでなければ歩きながら、ユーザを支えるため使用され得る。
【0020】
[1031] 体重支持システム1000(本明細書では「支持システム」とも称す)は、少なくとも支持トラック1050、トロリー1100、及び患者取付機構1800(本明細書では「取付機構」とも称す)を含む。支持システム1000に含まれるトロリー1100は、任意の好適な形状、サイズ、又は構成にでき、及び例えば、ユーザの体重の少なくとも一部分を支えることに関連する任意の好適な機能を果たし得る1つ以上のシステム、機構、アセンブリ、又はサブアセンブリ(
図1には示さず)を含み得る。図示の通り、トロリー1100は、少なくとも駆動システム1300及び患者支持機構1500を含み得る。駆動システム1300は、支持トラック1050(本明細書では「トラック」とも称す)に可動式に結合され、かつトラック1050の長さ部分に沿って動く(例えば、摺動する、転がる、又は他の方法で前進する)ように構成される。換言すると、駆動システム1300は、トラック1050からトロリー1100を可動式に吊るすように構成される。
【0021】
[1032] トラック1050は、任意の好適な形状、サイズ、又は構成とし得る。例えば、いくつかの実施形態では、トラック1050は、実質的に線形又は非線形とし得る。他の実施形態では、トラック1050は、例えば、円形、卵形、長円形、矩形(例えば、丸みを帯びた角がある又はない)などの閉ループ、又は任意の他の好適な形状とし得る。いくつかの実施形態では、トラック1050は、屋根又は天井構造に含まれる及び/又は結合されるビーム(例えば、Iビームなど)とし得、そこから、トロリー1100の少なくとも一部分が「ぶら下がり」得る(例えば、トロリー1100の少なくとも一部分はビームから延在し得る)。他の実施形態では、トラック1050の少なくとも1つの端部部分は、垂直壁などに結合され得る。さらに他の実施形態では、トラック1050は、例えば、ガントリー又はAフレームなどの自立構造に含まれ得る。いくつかの実施形態では、トラック1050は、トロリー1100が実質的に固定した垂直位置でトラック1050の実質的に平らな表面に沿って動くように、配置され得る。すなわち、トラック1050は実質的にゼロに等しい傾斜を有し得る、及び/又はトラック1050の各部分の高度の変化は実質的にゼロに等しい。
【0022】
[1033] 他の実施形態では、トラック1050は、ゼロを上回る傾斜を有し得る、及び/又はそうでなければ、高度の変化を規定し得る。例えば、トラック1050の少なくとも一部分は、下り勾配(及び/又は上り勾配)を規定し得、トラック1050の第1端部部分は第1高さに配置され、及びトラック1050の第2端部部分は、第1高さとは異なる第2高さに配置される。そのような実施形態では、トロリー1100は、トロリー1100の長手方向中心線(図示せず)に対して平行であるトラック1050の表面から、ぶら下がり得る。そのような実施形態では、トロリーは、本明細書でさらに詳細に説明するように、上り勾配/下り勾配の表面を横切ったり、階段を上ったり又は下りたりするなどして動くユーザを支えるために、使用され得る。
【0023】
[1034] いくつかの実施形態では、トロリー1100は、比較的小さいプロファイル(例えば、高さ)を有し得るか又は規定し得、トロリー1100の表面とユーザの一部分との間の空間を、例えば、ユーザが車椅子から立ち上がるときなどにユーザが座位と立位との間で動くことができるように、十分に大きくし得るようにする。いくつかの実施形態では、トロリー1100は電動式とし得る。例えば、いくつかの実施形態では、トロリー1100は、駆動システム1300及び/又は患者支持機構1500に給電する(例えば、駆動する、回転する、スピンさせる、係合する、起動するなど)ように構成された1つ以上のモータを含み得る。
【0024】
[1035] トロリー1100の駆動システム1300は、トラック1050の表面に沿って転がるように構成された1つ以上のホイールを含み得、トロリー1100の重量と、支持システム1000を利用するユーザの体重の一部分とが(例えば、本明細書でさらに詳細に説明するように、ユーザは、患者取付機構1800を介してトロリー1100に一時的に結合されている)、トラック1050によって支えられるようにする。同様に説明すると、駆動システム1300の1つ以上のホイールは、トラック1050の水平表面に隣接しかつその上部に配置され得る;それゆえ、トロリー1100は、トラック1050から「ぶら下がり」得る又は吊るされ得る。他の実施形態では、トロリー1100がぶら下がる表面は、水平である必要はない(例えば、上述のように、非ゼロの傾斜を有し得る)。さらに、トロリー1100がトラック1050からぶら下がっている状態では、トロリー1100の重量及び支持システムを利用するユーザの体重は、駆動システムの1つ以上のホイールと、トロリー1100がぶら下がるトラック1050との間の摩擦(例えば、牽引力)を増大させ得る。それゆえ、駆動システム1300の1つ以上のホイールは、実質的に滑ることなく、トラック1050の表面に沿って転がり得る。
【0025】
[1036] 上述の通り、いくつかの実施形態では、トロリー1100は電動式とし得る。そのような実施形態では、モータは、任意の好適な速度で及び/又は任意の好適な方向(例えば、順方向又は逆方向)に駆動システム1300のホイールを回転させるように構成され得、本明細書でさらに詳細に説明するように、トロリー1100が、支持システム1000を利用するユーザの歩く速度を調整(pace)し得る。いくつかの実施形態では、駆動システム1300(例えば、駆動システム1300のモータ)は、トロリー1100に含まれる及び/又は他の方法でトロリー1100と通信する電子システム及び/又はコントローラによって制御され得る。いくつかの実施形態では、モータは、電源異常などに応答して、実質的にモータをロックするように構成されたクラッチ、ブレーキなどを含み得る。
【0026】
[1037] 駆動システム1300は、1つ以上のホイール(例えば、1組のホイール)を含むと上記で説明したが、いくつかの実施形態では、駆動システム1300はまた、トラック1050の一部分に選択的に係合するように構成された駆動歯車、スプロケット、ピニオンなどを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、トラック1050は、ゼロを上回る傾斜を有する1つ以上の部分を含み得る。すなわち、トラック1050は、上り勾配又は下り勾配を形成する1つ以上の部分を含み得る。他の実施形態では、トラック1050は、実質的に垂直である1つ以上の部分を含み得る。トラック1050のそのような上り勾配、下り勾配、及び/又は垂直部分は、ラック、又は歯の組、複数のリブ、複数の突起などを含み得る。そのようなものとして、トロリー1100は、駆動システム1300の駆動歯車(など)がトラック1050のラックに係合する位置まで、トラック1050に沿って動かされ得る(例えば、駆動システム1300の複数のホイールによって)。さらに、駆動システム1300は、モータが、ホイールを備える駆動歯車を回転させるように構成され得るため、駆動歯車がラックに係合された状態で、モータは、駆動歯車及びホイールを回転させて、トラック1050の傾斜部分に沿ってトロリー1100を前進させることができる。より具体的には、駆動歯車及びラックの配置構成は、トロリー1100が、滑ることなく、トラック1050の上り勾配、下り勾配、及び/又は垂直部分に沿って前進させられ得るようにし、そうでなければ、滑りは、ホイールとトラック1050の表面との間の摩擦力に依存するときに発生し得る。いくつかの実施形態では、トロリー1100が、ゼロ傾斜を有するトラック1050の一部分(例えば、水平部分)に沿って動かされるとき、駆動歯車は自由に回転するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、トラック1050は、トラック1050の水平部分に沿ってラックを含まず、及びそのようなものとして、ホイールは、トロリー1100をトラック1050の水平部分に沿って動かすが、駆動歯車は、トラック1050に係合せずに、自由に回転する。他の実施形態では、トラック1050の水平部分は、トロリー1100がトラック1050の水平部分に沿って動かされるときに、駆動歯車によって係合されるラック(又は歯の組、複数の突起、複数のリブなど)を含み得る。
【0027】
[1038] 患者支持機構1500(本明細書では「支持機構」とも称す)は、任意の好適な構成にでき、及び取付機構1800に少なくとも一時的に及び/又は取り外し可能に結合され得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持機構1500は、取付機構1800の結合部分に一時的に結合され得るテザー(tether)を含み得る。取付機構1800は、さらに、ユーザに装着又は結合されるハーネスなどの一部分を受け入れるように構成された患者結合部分(
図1には示さず)を含み得る。それゆえ、取付機構1800及び支持機構1500は、ユーザの体重の一部分を支え、かつユーザをトロリー1100に一時的に結合し得る。すなわち、テザーの一部分は、トロリー1100から延在して、患者取付機構1800(及びそれに取り付けられた患者/ユーザ)をトロリー1100に結合し得る。
【0028】
[1039] いくつかの実施形態では、テザーの端部部分は、例えば、ウィンチに結合され得る。そのような実施形態では、ウィンチは、テザーを巻いたり又は巻出したりするようにドラムを回転させ得るモータを含み得る。同様に説明すると、テザーは、ドラムの周りに巻き付けられ、及びモータは、ドラムを第1方向に回転させて、より多くのテザーをドラムの周りに巻き付けることができ、及び第1方向とは反対の第2方向にドラムを回転させて、ドラムの周りからより多くのテザーを解くことができる。そのようなものとして、患者支持機構1500及び/又は少なくともウィンチのモータは、患者取付機構1800に取り付けられたテザーの端部を、第1高度を有する第1位置から、第1高度とは異なる第2高度を有する第2位置まで動かすように構成された垂直駆動システムとし得る。トロリー1100をトラック1050に沿って動かす水平駆動システム/モータ、及びテザーを制御する垂直駆動システムは、同時に制御及び動作されることも、又は独立して制御及び動作されることもできる。例えば、ユーザがトレッドミル上を歩いているとき、水平の動きはほとんど又は全くないが、垂直(体重負荷)駆動システムは、歩行、転倒などの間の変化を補償するように動作される。
【0029】
[1040] いくつかの実施形態では、支持機構1500は、テザーを係合し得る1つ以上のプーリを含み得、支持機構1500がメカニカルアドバンテージ(例えば、力の減少)を得るようにする。いくつかの実施形態では、プーリシステムは、動く(例えば、旋回する、平行移動する、揺動するなど)ように構成される少なくとも1つのプーリを含み得る。場合によっては、プーリは、(例えば、ユーザによって)テザーに加えられる力の変化に従って動かされ得、テザー内の張力は実質的に不変であるようにする。いくつかの実施形態では、プーリは、プーリに関連付けられる動きの量、それゆえ、ユーザによって加えられる力に関連する1つ以上の特性を決定するように構成されたカム、センサー、検出器、エンコーダなどに操作可能に結合され得る。場合によっては、電子システム及び/又はコントローラは、プーリの動きに従って、ドラムの周りにテザーを巻いたり又は巻出したりすることに関連付けられるウィンチに含まれるモータに信号を送信し得、それにより、本明細書でさらに詳細に説明するように、ユーザの体重の少なくとも一部分を支える。ユーザの体重の一部分を能動的に支えることによって、支持システム1000は、支持システム1000によって支えられているユーザが転倒する可能性及び/又はその程度を制限し得る。同様に説明すると、支持機構1500、及びトロリー1100の駆動システム1300は、比較的短期間(例えば、1秒よりもはるかに短い)で、テザーに加えられる力の変化、テザー若しくはユーザの位置、及び/又は動作状態の任意の他の好適な変化に応答し、ユーザの転倒の程度を能動的に制限し得る。
【0030】
[1041]
図1には示さないが、トロリー1100は、トロリー1100の少なくとも一部分を制御するように構成された電子システム及び/又は制御システムを含み得る。電子システムは、少なくともプロセッサー及びメモリを含み得る。メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファー、ハードドライブ、リードオンリーメモリ(ROM)、消去及びプログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM)などとし得る。いくつかの実施形態では、メモリは、プロセッサーに、上述のような、患者支持システムに含まれる1つ以上の機械及び/又は電気システムを制御することに関連するモジュール、プロセス、及び/又は機能を実行させる命令を記憶し得る。プロセッサーは、例えば、汎用プロセッサー(GPP)、中央処理装置(CPU)、APU(accelerated processing unit)などとし得る。プロセッサーは、メモリに記憶された、駆動システム1300、患者支持機構1500、及び/又はトロリー1100の任意の他の部分に含まれる1つ以上の機械及び/又は電気システムの制御に関連する1組の命令又はコードを実行(run、execute)するように構成され得る。例えば、プロセッサーは、上述のように、1つ以上のモータ、センサー、通信機器、エンコーダなどの制御に関連する1組の命令又はコードを実行(run、execute)し得る。より具体的には、プロセッサーは、フィードバックループ(例えば、比例-積分-微分(PID)制御方法に基づいて)に関連する1組の命令を実行するように構成され得、ここでは、電子システム及び/又は制御システムは、本明細書でさらに詳細に説明するように、少なくとも一部には、駆動システム1300及び/又は支持機構1500から受信した現在及び/又は以前のデータ(例えば、位置、速度、力、加速度、テザーの角度など)に基づいて、駆動システム1300及び/又は支持機構1500のそれに続く動作を制御し得る。
【0031】
[1042] いくつかの実施形態では、トロリー1100は電池式とし得る。他の実施形態では、トロリー1100は、トロリー1100(例えば、電子システム及び/又は制御システム、モータなど)に電力を提供するように構成されたパワーレール又は導体に動作可能に結合される。パワーレール又は導体は、さらに、電流(例えば、電力)の流れを提供するように構成される電源に結合され得る。トロリー1100は、パワーレール又は導体と電気通信するように構成された導電部材を含み得る。いくつかの実施形態では、パワーレールは、トラック1050に実質的に平行に延在し得る及び/又はそれと実質的に同様の形状を有し得る。このようにして、トロリー1100は、パワーレール及び/又は導体と電気接触したまま、トラック1050の長さ部分に沿って前進し得る。さらに、パワーレール及び/又は導体及びトロリー1100の配置構成は、公知の支持システムに関して上述したように、トラック1050に沿ったトロリー1100の動きがケーブル束によって邪魔されない又は制限されないようにする。同様に、ある範囲の高度変化をするトロリー1100の動きは、ケーブル束及び/又は電気システムの任意の他の部分によって邪魔されない又は制限されない。さらに、いくつかの実施形態では、パワーレールは、例えば、電力線ブロードバンド(BPL:broadband over powerline)などを介して、電子機器との電子通信を提供し得る。いくつかの実施形態では、パワーレールは、少なくとも部分的にトラック1050と一体化され得る。
【0032】
[1043] いくつかの実施形態では、電力及び/又はエネルギーは、任意の好適な伝送モードによって、パワーレール(又はパワーレールの1つ以上の部分)からトロリー1100へ伝送され得る。例えば、いくつかの実施形態では、トロリー1100の導電部材は、導体又はパワーレールの導電性部分と物理及び/又は電気接触し得る。他の実施形態では、トロリー1100は、1つ以上の誘導コイルを含み、パワーレール及び/又はトラック1050によって又はその少なくとも一部分に沿って生成された交流電磁場に応答して、誘導コイルに沿って電流の流れが誘導され得る。そのような実施形態では、誘導によって受信した電力は、トロリー1100に電力を提供するために使用され得る、及び/又は例えばトロリー1100の1つ以上の電池を充電するために使用され得る。
【0033】
[1044] 上記ではトラック1050から吊るされているとして単一のトロリー1100を説明しているが、いくつかの実施形態では、2つ以上のトロリーが同じトラック1050に結合され得る及び/又はそこから吊るされ得る。そのような実施形態では、トラック1050からぶら下がるトロリー1100は、例えば、特定のトロリーに対する1つ以上のトロリーの近接性を感知する及び/又は決定するように構成された近接センサーを含み得、これにより、次に、衝突などを制限及び/又は実質的に防止し得る。
【0034】
[1045] 他の実施形態では、支持システム1000は、複数のトラック及びトロリーを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持システム1000は、トロリー1100(例えば、第1トロリー1100)を支えるように構成されたトラック1050(例えば、第1トラック1050)を含み得、及び第2トロリー1100Aを支えるように構成された第2トラック1050Aを含み得る。そのような実施形態では、第1トラック1050及び第2トラック1050Aは実質的に同様とし得、及び第1トロリー1100及び第2トロリー1100Aは実質的に同様とし得る。場合によっては、第1トロリー1100及び第2トロリー1100Aは、それぞれ、同じユーザに操作可能に結合され得る(例えば、患者支持機構及び患者取付機構1800によって)。このようにして、第1トロリー1100及び第2トロリー1100Aは、集合的に、ユーザの体重の少なくとも一部分を支え得る。さらに、第1トロリー1100及び第2トロリー1100Aを用いてユーザを支えることによって、支持システム1000は、ユーザの横の動きの量(例えば、トラック1050又は1050Aに対して非平行の方向への)を決定するように構成され得る。そのような場合には、第1トロリー1100の駆動システム1300及び/又は患者支持機構1500の動作状態の変化及び/又は第2トロリー1100Aの駆動システム及び/又は患者支持機構(図示せず)の動作状態の変化は、集合的に、患者取付機構1800に対する反力を生じ得、これにより、所望量の体重支持を維持しながらユーザの横の動きを可能にする。
【0035】
[1046] 場合によっては、支持システム1000を使用するユーザは、予め決められた経路に沿って歩いている間、横方向に転倒するかもしれず、及びそれに応答して、第1トロリー1100及び第2トロリー1100Aのそれぞれは、その駆動システム及び/又は患者支持機構を動的に調整して、そのテザーに加えられる力の変化(例えば、側方転倒する間のユーザの体重移動に起因する)を支え得る、そのバランスを取り得る、及び/又はそれに反応し得る。場合によっては、第1トロリー1100及び第2トロリー1100Aの応答を比較することによって、例えば、テザーに加えられる力の変化に関連する1つ以上の特性(例えば、転倒に関連付けられる1つ以上の特性)を決定できるようにする。それゆえ、2つ以上のトロリー1100が1つ以上のトラック1050から吊るされて、任意の好適な方向における体重支持をもたらし得る。
【0036】
[1047]
図2~
図4は、実施形態による体重支持システム2000を示す。体重支持システム2000(本明細書では「支持システム」とも称す)は、例えば、歩行療法などの間に、ユーザの体重の一部分を支えるために使用され得る。支持システム2000は、任意の好適なシステムとし得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持システム2000は、上記で参照することにより援用された‘627号特許に説明されているもののいずれかと実質的に同様又は同じとし得る。支持システム2000は、例えば、強力な歩行療法及び/又は訓練において、例えば、神経損傷、例えば卒中、脊髄損傷、外傷性脳損傷などによって引き起こされた歩行異常のある患者を支えるために使用され得る。他の場合には、支持システム2000は、例えば、宇宙飛行士の訓練などの低重力の状況をシミュレーションするために使用され得る。いくつかの実施形態では、支持システム2000は、トレッドミルを歩いている、階段を上っている又は下りている、上り勾配を上っている又は下り勾配を下っている、及び/又は水平な地面を歩いている患者/ユーザを支えるために使用され得る。
【0037】
[1048] 支持システム2000は、トラック2050、トロリー2100、電力系統2600、及び患者取付機構2800(例えば、
図4参照)を含む。
図2及び
図3に示すように、トロリー2100は、支持トラック2050に可動式に結合され、これは、トロリー2100の重量、及び支持システム2000を利用しているユーザの体重の少なくとも一部分を支えるように構成される。この実施形態では、支持トラック2050は、I字形状の断面を有するとして示されている。換言すると、支持トラック2050は、例えばIビームである。支持トラック2050は、
図2及び
図3では、実質的に線形でありかつ比較的平面的な表面を有し、そこに沿ってトロリー2100が動き得るとして示されているが、他の実施形態では、支持トラック2050は、本明細書でさらに詳細に説明するように、水平及び/又は垂直方向に変動がある任意の好適な形状とし得る。さらに、支持トラック2050は、トロリー2100が動く比較的滑らかな表面を有するとして示されているが(例えば、その表面上で1つ以上のホイールが転がる)、他の実施形態では、支持トラック2050は、本明細書でさらに詳細に説明するように、トロリー2100の一部分によって選択的に係合され得るラック、タブ、突起、歯などを含み得る。
【0038】
[1049] 本明細書でさらに詳細に説明するように、電力系統2600は、支持トラック2050に対して実質的に平行に延在しかつトロリー2100に少なくとも電気的に結合されて電流の流れを電源(
図2~
図4には示さず)からトロリー2100まで伝送するパワーレール2620を含み得る。
図2~
図4に示す実施形態では、パワーレール2620は、実質的に中空管であり、1つ以上の導電性内面を有する。さらに、パワーレール2620は、トロリー2100の一部分を受け入れるように構成されるチャンネルを規定する。そのようなものとして、中空パワーレール2620は、例えば、トロリー2100の導電性部分を受け入れ得、それにより、トロリー2100をパワーレール2620の導電性内面と電気及び/又は電子通信して配置する。パワーレール2620が実質的に中空管であるとして示されかつ説明されているが、他の実施形態では、パワーレールは任意の好適な構成とし得る。例えば、いくつかの実施形態では、パワーレールは、比較的平らな又は開放したパワーレールの表面などの任意の好適な表面上の1つ以上の導電性部分とし得る。いくつかの実施形態では、パワーレールは、例えば、支持トラック2050の1つ以上の導電性部分とし得る(例えば、1つ以上の内面及び/又は1つ以上の外面)。本明細書でさらに詳細に説明するように、トロリー2100の導電性部分は、パワーレール2620及び/又は任意の他の好適な導電面と電気接触し、電力の流れを提供し得、これが、次に、トロリー2100の1つ以上の部分に給電する。
【0039】
[1050] トロリー2100は、任意の好適な形状、サイズ、又は構成とし得る。例えば、トロリー2100は、支持トラック2050から吊るされ得(本明細書でさらに詳細に説明するように)、かつ比較的小さいプロファイル(例えば、高さ)を有して又は規定して、トロリー2100とユーザとの間の空間が最大にされ得るようにし得る。このようにして、支持システム2000を使用して、様々な身長のユーザを支え、少なくとも部分的に車椅子に追いやられた患者の支援に一般的であるように座位から立位へ立ち上がるユーザを支え、1組の階段及び/又は上り勾配又は下り勾配の表面などを歩く患者/ユーザを支え得る。
【0040】
[1051]
図2及び
図3に示すように、トロリー2100は、ハウジング2200(電子システム(図示せず)を取り囲む)、駆動システム2300、及び患者支持機構2500を含む。ハウジング2200は、トロリー2100の1つ以上の部分を取り囲む又は収納するように構成された任意の好適なハウジングとし得る。いくつかの実施形態では、例えば、ハウジング2200は、‘627号特許に説明されているハウジングと実質的に同様とし得る。より具体的には、ハウジング2200は、トロリー2100の1つ以上の部分が結合され得る少なくともベースと、トロリー2100の1つ以上の部分を取り囲むように構成されたカバーとを含み得る。例えば、駆動システム2300、患者支持機構2500、及び電子システム(図示せず)はベースに結合され得、及びカバーは、例えば、少なくとも電子システム及び/又は任意の他の好適な部分を取り囲み得る及び/又は収納し得る。
【0041】
[1052]
図2及び
図3には示さないが、ハウジング2200内に配置された電子システムは、トロリー2100の動作に関連付けられる1組の命令又はコードを遂行及び/又は実行し得る及び/又はトロリー2100の動作に関連付けられる信号を送信及び受信し得る。例えば、電子システムは、少なくともプロセッサー、メモリ、及び通信機器を含み得る。メモリは、例えば、メモリバッファー、ハードドライブ、RAM、ROM、EPROMなどとし得る。いくつかの実施形態では、メモリは、プロセッサーに、患者支持システム2000に含まれる1つ以上の機械及び/又は電気システムの制御に関連するモジュール、プロセス、及び/又は機能を実行させる命令を記憶する。例えば、メモリは、比例-積分-微分(PID)制御システムに関連する命令、情報、及び/又はデータを記憶し得る。いくつかの実施形態では、PID制御システムは、例えば、ソフトウェアパッケージに含まれ得る。いくつかの実施形態では、PID制御は、‘627号特許に詳細に説明されているように、ユーザがPID制御を「調整(tune)」できるようにするために、プロセッサーによって実行される1組のユーザ制御の命令とし得る。
【0042】
[1053] プロセッサーは、1組の命令又はコードを実行(run、execute)するように構成された任意の好適な処理装置とし得る。例えば、プロセッサーは、GPP、CPU、APU、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルアレイなどとし得る。プロセッサーは、例えば、患者支持システムに含まれる1つ以上の機械及び/又は電気システムの制御に関連するメモリに記憶された、1組の命令、コードを実行(run、execute)するように構成され得る。例えば、プロセッサーは、メモリに記憶されたPID制御に関連する、及びさらに駆動システム2300及び/又は患者支持機構2500の一部分の制御に関連する、1組の命令又はコードを実行(run、execute)し得る。より具体的には、プロセッサーは、1つ以上のセンサー及び/又はエンコーダ(下記で図示しかつ説明する)からの信号の受信に応答して、1組の命令を実行し得、駆動システム2300及び/又は支持機構2500の1つ以上の後続の動作を制御し得る。同様に説明すると、プロセッサーは、本明細書でさらに詳細に説明するように、駆動システム2300及び/又は支持機構2500から受信した現在及び/又は以前のデータ(例えば、位置、速度、力、加速度など)に少なくとも部分的に関連する信号を送信する、1つ以上のセンサー、エンコーダ、ロードセル、トランスデューサなどを含むフィードバックループに関連する1組の命令を実行し得る。
【0043】
[1054] 通信機器は、例えば、有線又は無線ネットワークを通して電子機器と通信するように構成された1つ以上のネットワークインターフェイスデバイス(例えば、ネットワークカード)とし得る。例えば、いくつかの実施形態では、通信機器は、トロリー2100に含まれる1つ以上のセンサー、エンコーダ、ロードセル、トランスデューサ、及び/又は電気若しくは電子機器と、有線又は無線通信し得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、トロリー2100の動作に関連する電子システムに1つ以上の信号を送信する及び/又は電子システムから1つ以上の信号を受信する遠隔制御装置を操作し得る。例えば、いくつかの実施形態では、遠隔制御装置は、少なくともプロセッサー及びメモリを含み、かつ例えばパーソナルコンピュータプリケーション、モバイルアプリケーション、ウェブページなどを起動させる電子機器とし得る。このようにして、ユーザは、遠隔制御装置に係合して、例えば、支持システム2000によって支えられる所望量の体重など、支持システム2000に関連する1組のシステムパラメータを確立し得る。
【0044】
[1055] 上述の通り、トロリー2100は、パワーレール2620から電力及び/又は電子信号を受信するように構成される。例えば、トロリー2100及び/又はトロリー2100の電子システムは、ハウジング2200の一部分に結合されかつパワーレール2620と物理的及び/又は電気接触して配置される集電器2770(
図3)を含む。集電器2770は、任意の好適な形状、サイズ、又は構成にでき、及び任意の好適な導電材料、例えば、鉄、鋼、銅、金、銀などから形成され得る。このようにして、集電器2770は、パワーレール2620から電流の流れを受け取り得る。実質的に中実部材であると示しているが、他の実施形態では、集電器2770は、パワーレール2620の導電面に沿って動く(例えば、転がる)ように構成された1つ以上の導電性ホイールなどとし得る。いくつかの実施形態では、例えば、パワーレール2620は、支持トラック2050の少なくとも一部分(例えば、支持トラック2050の少なくとも1つの導電面)と一体化され得る及び/又はそうでなければそれによって形成され得、かつ集電器は、駆動システム2300の1つ以上のホイールと一体化され得る及び/又はそうでなければそれによって又はその上に形成され得る。このようにして、集電器2770は、パワーレール2620との電気及び/又は電子接点を確立し、及び次に、電力をパワーレール2620からトロリー2100(例えば、電子システム及び/又は他の部分)へ送給する。
【0045】
[1056]
図2及び
図3に示すように、駆動システム2300は、第1駆動アセンブリ2310及び第2駆動アセンブリ2400を含む。駆動システム2300は、ハウジング2200のベースに結合され、並びに第1駆動アセンブリ2310及び第2駆動アセンブリ2400が位置合わせされる(例えば、同軸)ように配置され得る。このようにして、本明細書でさらに詳細に説明するように、第1駆動アセンブリ2310及び第2駆動アセンブリ2400は、支持トラック2050の一部分を受け入れ得る。いくつかの実施形態では、駆動システム2300は、‘627号特許に説明されている駆動システムと実質的に同様とし得る。それゆえ、駆動システム2300の複数の部分については、本明細書では詳細に説明しない。
【0046】
[1057] 第1駆動アセンブリ2310は、1つ以上のホイールサブアセンブリ2370を駆動するように構成されたモータ2311を含む。モータ2311は、支持構造に結合され、1つ以上のホイールサブアセンブリ2370に機械的に接続され、及び電子システムの一部分と電気通信している。そのようなものとして、モータ2311は、電子システムから起動信号(例えば、電流の流れ)を受信して、モータ2311に、ホイールサブアセンブリ2370に含まれた1組のホイールを回転させるようにする。
図2及び
図3に示すように、第1駆動アセンブリ2310の少なくとも一部分は、第1駆動アセンブリ2310によって規定された縦断面(図示せず)の周りで実質的に対称的である。このようにして、第1駆動アセンブリ2310の各側面は同様の構成要素を含み、それにより、多用性を高め、かつ製造コストを下げる。すなわち、第1駆動アセンブリ2310は実質的に対称的とし得、トラック2050の第1側に配置された第1駆動アセンブリ2310の一部分が、トラック2050の第2側に配置された第1駆動アセンブリ2310の一部分と実質的に同様となるようにする。
【0047】
[1058] 第1駆動アセンブリ2310は、モータ2311及びホイールサブアセンブリ2370に結合する及び/又はそれらを支えるように構成された任意の好適な支持構造2315などを含み得る。例えば、支持構造2315は、モータ2311及びホイールサブアセンブリ2370が結合される支持フレームワークなどを提供するように構成された1つ以上のプレート、部材、壁などを含み得る。支持構造2315はまた、ハウジング2200のベースに結合される。それゆえ、支持構造2315は、モータ2311及びホイールサブアセンブリ2370をハウジング2200のベースに結合するように動作可能である。
【0048】
[1059] ホイールサブアセンブリ2370は、いくつものホイールを含み得る。例えば、
図2及び
図3に示すホイールサブアセンブリ2370は8個のホイールを含み、それぞれが、トラック2050の表面に係合する及び/又はそれに沿って動くように構成される。この実施形態では、8個のホイールのうちの2個が、1つ以上の軸受、歯車装置、ベルト、チェーン、ドライブシャフトなどによってモータ2311及び/又はモータ2311の少なくとも出力部に操作可能に結合される。そのようなものとして、2つのホイールは、例えば、能動駆動輪などとし得るが、残りのホイールは、例えば、受動輪、案内輪、及び/又はそうでなければ従動輪(non-driven wheel)とし得る。他の実施形態では、ホイールサブアセンブリ2370に含まれるホイールのいずれか又は全ては、モータ2311及び/又はモータ2311の少なくとも出力部に操作可能に結合され得る。そのようなものとして、ホイールサブアセンブリ2370のホイールは、トラック2050の1つ以上の面に沿って転がって、トラック2050に沿ってトロリー2100を動かすように構成され得る。
【0049】
[1060]
図2及び
図3には示さないが、第1駆動アセンブリ2310は、1つ以上のエンコーダ、センサー、測定/計量機器などを含み得る及び/又はそれに操作可能に結合され得る。1つ以上のエンコーダなどは、第1駆動アセンブリ2310の任意の好適な部分の動作状態を感知する、検出する、及び/又は他の方法でそれに関連する表示を提供するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、エンコーダなどは、1つ以上のホイール及び/又はモータ2311の少なくとも出力部の回転速度、回転加速度、トルクなどを感知及び/又は決定するように構成され得る。さらに、エンコーダは、電子システムと通信し得、及びそこへ、モータ2311及び/又は第1駆動アセンブリ2310の任意の他の好適な部分の動作状態に関連する信号を送信し得る。このようにして、‘627号特許に詳細に説明されているように、電子システムは、エンコーダから信号を受信し得、かつ第1駆動アセンブリ2310の少なくとも一部分の制御に関連する任意の好適な処理を行い得る及び/又は任意の好適なモジュールを実行し得る。
【0050】
[1061] 上述の通り、いくつかの実施形態では、第1駆動アセンブリ2370は、形態及び/又は機能が、‘627号特許に説明されているトロリーに含まれる第1駆動アセンブリと実質的に同様とし得る。上記では明記していないが、第1駆動アセンブリ2310は、‘627号特許に説明されている第1駆動アセンブリの任意の好適な要素及び/又は特徴を含み得る。このようにして、電子システム(図示せず)は、モータ2311の起動及び/又はそこへの電力提供において操作可能な1つ以上の信号をモータ2311に送信し得る。それに応答して、モータ2311は出力軸などを回転でき、それにより、次に、ホイールサブアセンブリ2370にあるホイールのうちの少なくともいくつかを、トラック2050に沿って回転させる。
【0051】
[1062] 第2駆動アセンブリ2400は、第1駆動アセンブリ2310と同様に機能し得るため、第2駆動アセンブリ2400のいくつかの部分については、本明細書ではさらに詳細には説明しない。第2駆動アセンブリ2400は、ホイールサブアセンブリ2450を支持するように構成された支持構造2405を含む。図示の通り、第2駆動アセンブリ2400の少なくとも一部分は、第2駆動アセンブリ2400によって規定される縦断面(図示せず)の周りで実質的に対称的である。このようにして、第2駆動アセンブリ2400の各側面は同様の構成要素を含み、それにより、第1駆動アセンブリ2310に関して上述したように、多用性を高め、かつ製造コストを下げる。
【0052】
[1063] 支持構造2405は、ホイールサブアセンブリ2450が結合される支持フレームワークなどを提供するように構成された任意の好適なプレート、部材、壁などを含み得る。さらに、支持構造2405は、ハウジング2200のベースに結合され、これは、次に、第2駆動アセンブリ2400をハウジング2200に結合する。
【0053】
[1064] ホイールサブアセンブリ2450は、任意の好適な構成とし得る。例えば、
図2及び
図3に示す実施形態では、ホイールサブアセンブリ2450は6個のホイールを含み、それらそれぞれが、トラック2050の表面に沿って転がるように構成される。ホイールサブアセンブリ2450のホイールは、任意の好適な配置構成に配置され得る及び/又はそれを有し得る。例えば、第1駆動アセンブリ2310は、上記で、1つ以上のホイールを能動的に制御及び/又は回転させるように構成されたモータ2311を含むと説明されているが、第2駆動アセンブリ2400のホイールは受動的とし得る(例えば、モータなどに操作可能に結合されない)。換言すると、ホイールサブアセンブリ2450に含まれるホイールは、それぞれ、受動的とし得、及び第1駆動アセンブリ2310に含まれる1つ以上のホイールの回転(例えば、第1駆動アセンブリ2310に含まれる1つ以上のホイールを回転させるモータ2311から生じる)に応答して、トラック2050の表面に沿って動く及び/又は転がることができる。このようにして、第2駆動アセンブリ2400のいくつかの構成要素及び/又は特徴は、本明細書では詳細に明記しないが、第2駆動アセンブリ2400は、‘627号特許の第2駆動アセンブリに説明されているものなどの任意の好適な構成要素及び/又は特徴を含み得る。
【0054】
[1065] トロリー2100の支持機構2500は、テザー2505、ウィンチアセンブリ2510、誘導システム2540、及びカム機構2570を含む。テザー2505は、例えば、ナイロン又は他の好適なポリマーなどの任意の好適な材料から形成され得るロープ又は他の長い可撓性部材とし得る。テザー2505は、ウィンチアセンブリ2510の一部分に結合される第1端部部分と、例えば、患者取付機構2800などの任意の好適な患者取付機構に結合され得る第2端部部分(第1端部部分に対向する)とを含む。それゆえ、テザー2505は、本明細書でさらに詳細に説明するように、ウィンチアセンブリ2510の一部分、誘導システム2540、及びカム機構2570を係合して、ユーザの体重の少なくとも一部分を能動的に支えるように構成される。
【0055】
[1066] ウィンチアセンブリ2510は、ハウジング2200に結合され、及び電子システム(図示せず)と電気及び/又は電子通信している。ウィンチアセンブリ2510は、テザー2505の少なくとも一部分(例えば、テザー2505の第1端部部分)が結合されるドラムなどに操作可能に結合されるモータを含む。このようにして、モータは、例えば、電子システムから起動信号(例えば、電流の流れ)を受信して、モータが、ドラムを、第1回転方向に、又は第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転させるようにし得、これにより、次に、ドラムの周りにテザー2505の一部分を巻いたり又は巻出したりする。
【0056】
[1067] 支持機構2500の誘導システム2540は、ハウジング2200に結合され、及びテザー2505を係合して、例えば患者取付機構2800に加えられる力に応答して動くときに、テザー2505を誘導するように構成される。誘導システム2540は、任意の好適な構成要素及び/又は特徴を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、誘導システム2540は、任意の数のプーリ、歯車装置、機構、誘導部材、装着構造、支持構造などを含み得る。いくつかの実施形態では、誘導システム2540は、メカニカルアドバンテージを提供するように構成された及び/又はそうでなければそれを生じるように配置された1組のプーリ又は歯車装置を含み得る(例えば、滑車装置として配置される)。そのような配置構成はトルクを減少させ、トルクは、そうでなければ、例えば、‘627号特許に説明されているように、例えば、患者取付機構2800に加えられる力に応答して、ウィンチアセンブリ2510のドラムを回転させるために使用され得る。
【0057】
[1068] カム機構2570は、任意の好適な部材、機構、及び/又はアセンブリを含み得る。例えば、‘627号特許に説明されているように、カム機構2570は、カム、カムアーム、及び付勢部材を含み得る。
図2及び
図3には示さないが、カム機構2570のカムは、誘導システム2540に含まれるプーリ又は歯車装置に結合されて、プーリの回転によってカムの回転を生じるようにし得る。カム機構2570の配置構成は、(例えば、テザー2505に加えられる力の結果としての)プーリの回転に応答してカムが回転されるようなものとし得、付勢部材は、カムの回転に抵抗するように操作可能なカムアームに力を加え得る。‘627号特許に詳細に説明されているように、場合によっては、テザー2505に加えられる力の比較的小さい変化は、カムを回転させるには十分に大きくないかもしれず、これは、次に、テザー2505に加えられる力の小変動に応答して、支持システム2000によって支えられる体重の量の望ましくない変化を減少させ得る。
【0058】
[1069]
図2及び
図3には示さないが、患者支持機構2500は、1つ以上のエンコーダ、センサー、測定/計量機器などを含み得る及び/又はそれらに操作可能に結合され得る。1つ以上のエンコーダなどは、患者支持機構2500の任意の好適な部分の動作状態を感知、検出する、及び/又はそうでなければそれに関連する表示を提供するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、エンコーダなどは、ウィンチアセンブリ2510、誘導システム2540、及び/又はカム機構2570の回転速度、回転加速度、トルクなどを感知及び/又は決定するように構成され得る。さらに、エンコーダは、電子システムと通信し得るか、及びそれに、患者支持機構2500の動作状態に関連する信号を送信し得る。このようにして、電子システムは、‘627号特許に詳細に説明されているように、エンコーダから信号を受信でき、かつ患者支持機構2500の少なくとも一部分の制御に関連する任意の好適な処理を行い得る及び/又は任意の好適なモジュールを実行し得る。
【0059】
[1070]
図4は患者取付機構2800を示す。図示しないが、患者取付機構2800は、下記で説明するように、ユーザに装着されるハーネスなどに結合されて、ユーザを支持システム2000に結合し得る。患者取付機構2800は、第1結合部分2810、第1アーム2820、及び第2アーム2840を有する。第1結合部分2810は、テザー2505の第2端部部分に結合するように構成された結合機構2811を含む。患者取付機構2800の第1アーム2820はスロット2824を規定し、このスロットは、第2アーム2840の一部分を受け入れて、第2アーム2840をそれに可動式に結合するように構成されている。第1アーム2820はまた、第1アーム2820に対する第2アーム2840の動きを誘導する及び/又は少なくとも部分的に制御するように構成されたガイドロッド2830に結合され得る。第2アーム2840は、1つ以上のエネルギー蓄積部材2850を含む及び/又はそれに結合される(例えば、
図4に示す実施形態では、第2アーム2840は2つのエネルギー蓄積部材2850に結合される)。エネルギー蓄積部材2850は、例えば、ガス支柱などとし得る。図示の通り、エネルギー蓄積部材2850は第1アーム2820に向かって延在し、及びそれぞれ、係合部材2845に結合された及び/又はそうでなければそれを含む端部部分を含む。係合部材2845は、第1アーム2820によって規定されたスロット2824内に可動式に配置される。さらに、エネルギー蓄積部材2850の端部部分は、ガイドロッド2830に少なくとも間接的に結合される。
【0060】
[1071] 第1アーム2820、第2アーム2840、ガイドロッド2830、及びエネルギー蓄積部材2850の配置構成は、(例えば、ハーネスなど(
図4には示さず)によって)結合されたユーザによって加えられた力に応答して、第1アーム2820と第2アーム2840との間の相対的な動きを可能にし得る。より具体的には、(例えば、ハーネスなど(
図4には示さず)によって結合されている)ユーザによって第1アーム2820及び第2アーム2840に力が加えられると、第1アーム2820及び第2アーム2840は、互いに対して及び/又は互いの方へ旋回する。第1アーム2820及び第2アーム2840の旋回によって、スロット2824内で係合部材2845を動かし、及びさらに、エネルギー蓄積部材2850を、より低い位置エネルギーの構成から、より高い位置エネルギーの構成へ動かす(例えば、ガス支柱を圧縮する)。それゆえ、エネルギー蓄積部材2850は、患者取付機構2800の、加えられた力の少なくとも一部分を吸収し得る。さらに、患者取付機構2800に加えられた力が、第2構成にあるエネルギー蓄積部材2850の位置エネルギーを下回るとき、エネルギー蓄積部材2850はそれらの第1位置の方へ動き、第1アーム2820及び第2アーム2840を互いに離れるように旋回させ得る。このようにして、患者取付機構2800は、形態及び機能が、‘627号特許に詳細に説明されている患者取付機構と実質的に同様とし得る。他の実施形態では、患者支持システム2000は、任意の好適な患者取付機構、又はテザー2505の端部部分をハーネス若しくは患者によって装着される他の物品に結合するための手段と一緒に、使用され得る。
【0061】
[1072] 上述の通り、患者支持システム2000は、形態及び機能が、‘627号特許に詳細に説明されている患者支持システムのいずれかと実質的に同様とし得る。それゆえ、使用中、患者支持システム2000は、そこに結合されるユーザの体重の少なくとも一部分を能動的に支え得る。例えば、場合によっては、ユーザは、患者取付機構2800に結合され、これが次に、テザー2505の第2端部部分に結合される。このようにして、支持システム2000(例えば、テザー2505、トロリー2100、及び支持レール2050)は、ユーザの体重の少なくとも一部分を支え得る。
【0062】
[1073] 場合によっては、ユーザ(例えば、技術者、療法士、医者、医師など)は、ユーザ及び支持システム2000に関連する1組のシステムパラメータを入力し得る(例えば、トロリー2100に含まれる又はその上にある制御パネルによって、及び/又は遠隔制御装置、例えばパーソナルコンピュータ、モバイル機器、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、ハンドヘルドリモコンなどによって)。システムパラメータは、例えば、ユーザの体重、ユーザの身長、支持システム2000によって支えられる所望量の体重、歩行療法中に歩いているユーザの所望の速度、支持トラック2050の長さに沿った所望の経路又は距離などを含み得る。
【0063】
[1074] トロリー2100は、ユーザの動きに応答して、支持トラック2050に沿って動き得る。同様に説明すると、トロリー2100は、ユーザが歩くとき支持トラック2050に沿って動き得る。場合によっては、トロリー2100は、ユーザの実質的に頭上に留まるように構成され得る。そのような場合には、電子システムは、‘627号特許に詳細に説明されているように、例えば、駆動システム2300及び/又は患者支持機構2500の1つ以上のエンコーダ、センサー、測定/計量機器などから受信した情報に基づいて、駆動システム2300及び/又は患者支持機構2500の制御に関連する1組の命令を実行し得る。例えば、駆動システム2300及び/又は支持機構2500の変更の決定に基づいて、電子システムは、信号を第1駆動アセンブリ2310のモータ2311及び/又はウィンチアセンブリ2510のモータへ送信して、駆動システム2300及び/又は患者支持機構2500それぞれの現在の状態を変更し得る。場合によっては、駆動システム2300及び/又は患者支持機構2500の状態の変化の程度は、少なくとも一部にはPID制御に基づく。そのような場合には、電子システム(例えば、プロセッサー、又はプロセッサーと通信する任意の他の電子機器)は、支持機構2500の変更を決定し、かつPID制御に基づいて変更をモデル化し得る。モデル化の結果に基づいて、電子システムは、駆動システム2300及び/又は患者支持機構2500の好適な変化の程度を決定し得る。このようにして、プロセッサーを含むがこれに限定されない、電子システムに含まれる電子機器のうちの1つ以上は、患者支持システム2000の情報、データ、及び/又は動作状態に基づいて、トロリー2100の任意の好適な部分のフィードバック制御に関連するメモリに記憶された1組の命令を実行し得る。それゆえ、
図2~
図4に示す支持システム2000は、‘627号特許に詳細に説明されているように、よろめき(stumbling)又は他の理由での転倒後に、ユーザが転倒する量を能動的に減少させるために使用され得る。
【0064】
[1075] 患者支持システム2000について、
図2~
図4を参照して、ユーザの体重の一部分を能動的に支えるとして説明したが、いくつかの実施形態では、患者支持システムは、患者/ユーザの体重の一部分を受動的に(すなわち、非能動的に)支え得る。例えば、
図5及び
図6は、ある実施形態による体重支持システム又は支持部材3900を示す。体重支持システム3900(本明細書では「支持システム」又は「支持部材」とも称す)は、例えば、歩行療法、歩行訓練などの間に、ユーザの体重の一部分を支えるために使用され得る。支持システム3900は、支持システム3900の重量、及び支持システム3900を利用するユーザの体重を支えるように構成される支持トラック(図示せず)に可動式に結合され得る。支持トラックは、例えば、上述の支持トラック2050と同様又は同じとし得る。いくつかの実施形態では、支持システム3900は、‘627号特許に詳細に説明されている受動支持システムと実質的に同様とし得る。それゆえ、支持システム3900の複数の部分については、本明細書では詳細に説明しない。
【0065】
[1076] 支持システム3900は、第1結合部分3910及び第2結合部分3940を含む。第1結合部分3910は、任意の好適な形状、サイズ、及び/又は構成とし得る。例えば、第1結合部分3910は、支持トラックから支持システム3900を可動式に吊るすために、支持トラックの一部分に選択的に係合するように構成された任意の数のホイールを含み得る。
図5及び
図6に示す実施形態では、例えば、第1結合部分3910は、I字形状の断面を有する支持トラックに可動式に結合するように配置され得る(例えば、支持トラック2050と同様又は同じ)。従って、第1結合部分3910は、例えば、支持トラックの水平部分、並びに支持トラックの垂直部分に係合するように構成された1組のホイール3912を含んで、支持トラックから支持システム3900を可動式に吊るし得る。さらに、支持システム2000の第1駆動アセンブリ2310は、モータ2311からの回転出力に応答して、支持トラック2050に沿って能動的に動かされると上記で説明したが、この実施形態では、ホイールの組3912は、受動配置構成にある。すなわち、ホイールの組は、モータの出力に応答して、支持トラックに沿って回転されるのではない。むしろ、ホイールの組3912に含まれる各ホイールは、ユーザ、すなわち支持システム3900に操作可能に結合されたユーザによって加えられた力に応答して(例えば、テザーなど(
図5及び
図6には示さず)によって)、トラックに沿って回転するように構成される。換言すると、第1結合部分3910の配置構成は、支持システム3900が支持トラックに沿って受動的に動かされるようにされる。
【0066】
[1077] 第2結合部分3940は、シリンダー3941、取付部材3945、ピストン3950、及びエネルギー蓄積部材3960を含む。シリンダー3941は、ベース3930に結合され、かつバネ3960、及びピストン3950の少なくとも一部分を収納するように構成される。エネルギー蓄積部材3960は、より低い位置エネルギーを有する第1構成と、より高い位置エネルギーを有する第2構成との間で動くように構成された任意の好適な機器とし得る。例えば、
図6に示すように、エネルギー蓄積部材3960は、その第2構成へ動かされるときに圧縮されるバネとし得る。ピストン3950は、エネルギー蓄積部材3960の一部分と接触している第1端部部分と、取付機構3945に結合される第2端部部分とを含む。取付機構3945は、シリンダー3941の外部に配置されかつ例えばユーザによって装着されるハーネスに結合されるように構成されるハトメ又は環状突起を含む。このようにして、ハーネスの一部分、例えばフックなどが取付機構3945に結合されて、ユーザを支持システム3900に結合し得る。
【0067】
[1078] 使用中、ユーザは、支持システム3900に(例えば、ハーネス、テザー、及び/又は患者取付機構によって)結合されて、支持システム3900が、ユーザの体重の少なくとも一部分を支えるようにする。このようにして、ユーザは、支持トラック(図示せず)に関連付けられた経路に沿って歩くことができる。支持システム3900がユーザに結合された状態で、ユーザの動きによって、支持システム3900を支持トラックに沿って動かす。同様に説明すると、ユーザは、支持システム3900を支持トラックに沿って引く。場合によっては、ユーザは、歩きながらよろめくことがあり、それにより、支持システム3900に加えられる力の量が増大する。そのような場合には、支持システム3900に加えられる力の増大は、エネルギー蓄積部材3960をその第1構成からその第2構成へ動かす(例えば、圧縮する)のに十分とし得る。このようにして、ピストン3950はシリンダー3941に対して動くことができ、及びエネルギー蓄積部材3960は、支持構造3900に加えられた、増大した力の少なくとも一部分を吸収し得る。それゆえ、ユーザがよろめく場合、支持システム3900は、ユーザが経験する衝撃を減衰し得、この衝撃は、そうでなければ、公知の受動支持システム3900に生じる。このようにして、患者支持システム3900は、‘627号特許に詳細に説明されているように、ユーザの体重の少なくとも一部分を受動的に支えるように構成され得る。
【0068】
[1079]
図2~
図4の支持システム2000又は
図5及び
図6の支持システム3900には示さないが、いくつかの実施形態では、1つ以上の能動支持システム(例えば、支持システム2000)及び/又は1つ以上の受動支持システム(例えば、3900)は、同様の支持トラックの周りに配置され得、及び同時に利用され得る。例えば、
図7は、ある実施形態による支持システム4000の概略図である。支持システム4000は、支持トラック4050、第1支持部材4100、及び第2支持部材4100’を含む。支持システム4000は、例えば、歩行療法(例えば、負傷後)、歩行訓練(例えば、低重力シミュレーション)などが行われている間に、1人以上のユーザの体重の少なくとも一部分を支えるために使用され得る。支持トラック4050は、第1支持部材4100及び第2支持部材4100’の重量、及び第1支持部材4100及び/又は第2支持部材4100’を利用するユーザの体重を支えるように構成される。
【0069】
[1080]
図7に示すように、支持トラック4050は閉ループトラックを形成し得る。支持トラック4050は、
図2及び
図3を参照して上記で説明するような支持トラック2050と同様又は同じとし得る。いくつかの実施形態では、第1支持部材4100及び/又は第2支持部材4100’は、
図2~
図4を参照して上記で説明したトロリー2100と同様又は同じとし得る。他の実施形態では、第1支持部材4100及び/又は第2支持部材4100’は、
図5及び
図6を参照して上記で説明した支持システム3900と同様又は同じとし得る。さらに他の実施形態では、第1支持部材4100はトロリー2100と同様又は同じとし得るが、第2支持部材4100’は支持システム3900と同様又は同じとし得る。このようにして、第1支持部材4100及び第2支持部材4100’は、上記で詳細に説明したように、支持トラック4050からぶら下がり、かつ少なくともユーザの体重の一部分を支えるように構成され得る。
【0070】
[1081] いくつかの実施形態では、第1ユーザ(
図7には示さず)は第1支持部材4100に結合され得、及び第2ユーザ(
図7には示さず)は第2支持部材4100’に結合され得、両支持部材4100及び4100’は、支持トラック4050から吊るされている。
図7に示すように、第1支持部材4100は、それに結合された第1ユーザの動きに応答して、矢印AAの方向に動き得る。同様に、第2支持部材4100’は、それに結合された第2ユーザの動きに応答して、矢印BBの方向に動かされ得る。他の場合には、第1支持部材4100及び第2支持部材4100’は、集合的に、患者及び/又はユーザを支えるように構成され得る。
【0071】
[1082]
図7には示さないが、第1支持部材4100、第2支持部材4100’、及び/又はトラック4050は、第1支持部材4100と第2支持部材4100’の衝突を防止及び/又は緩和するように構成される衝突回避及び/又は緩和システムを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1支持部材4100は、第2支持部材4100’に対する第1支持部材4100の相対位置を感知するように構成されたセンサー(例えば、超音波近接センサーなど)を含み得る。それゆえ、第1支持部材4100と第2支持部材4100’との間の距離が、予め決められた閾値(例えば、最小距離)に近づくと、第1支持部材4100に含まれる電子システムは駆動システム(図示せず)に信号を送信して、1つ以上の駆動輪の回転速度を加速又は減速し得る。いくつかの実施形態では、支持システム4000は、‘627号特許に詳細に説明されているものなどの任意の好適な衝突回避及び/又は緩和システム、及び/また本明細書で説明されているものなどの任意の好適な組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、第1支持部材4100及び/又は第2支持部材4100’は、第1支持部材4100と第2支持部材4100’との間の衝突に関連付けられるエネルギーを吸収するように構成された機械式バンパー、パッド、エラストマー、緩衝装置などを含み得る。それゆえ、第1支持部材4100と第2支持部材4100’の衝突は回避され得る、及び/又は衝突に関連付けられる衝撃が緩和され得、これにより、次に、支持部材4100及び4100’の損傷及び/又は支持システム4000を使用するユーザ又は患者の負傷を防止し得る。
【0072】
[1083] 支持システム4000は、第1支持部材4100及び第2支持部材4100’を含むとして示されかつ説明されているが、他の実施形態では、支持システム4000は、支持トラック4050に可動式に結合された任意の好適な数の支持部材を含み得る。支持システム4000に含まれる支持部材は、能動支持部材及び/又は受動支持部材の任意の組み合わせとし得る。
【0073】
[1084] 支持システム4000は、支持トラック4050から可動式に吊るされている支持部材4100及び4100’を含むとして示されかつ説明されているが(すなわち、単一の支持トラック)、他の実施形態では、支持システムは、2つの支持部材によってユーザを支えるように構成され得、それらそれぞれは、異なる支持トラックから可動式に吊るされる。例えば、
図8は、ある実施形態による支持システム5000を示す。支持システム5000は、第1支持トラック5050Aから可動式に吊るされる第1支持部材5100Aと、第2支持トラック5050Bから可動式に吊るされる第2支持部材5100Bとを含む。いくつかの実施形態では、第1支持トラック5050A及び第2支持トラック5050Bは、例えば、実質的に平行とし得、支持部材5100A及び5100Bが支持トラック5050A及び5050Bのそれぞれに沿って動くときに、第1支持部材5100A及び第2支持部材5100Bが、実質的に同様の経路に沿って動くようにする。
図8に示しかつ本明細書でさらに詳細に説明するように、第1支持部材5100A及び第2支持部材5100Bは、集合的にユーザを支えるように構成される。
【0074】
[1085] 支持部材5100A及び5100Bは、任意の好適な支持部材とし得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持部材5100A及び5100Bは、
図2~
図4を参照して上記で説明したトロリー2100と同様又は同じとし得る。他の実施形態では、支持部材5100A及び5100Bは、
図5及び
図6を参照して上記で説明した支持システム又は支持部材3900と同様又は同じとし得る。さらに、支持システム5000は、支持システム4000に関して上述したように、異なる支持部材の任意の組み合わせを含み得る。
図8には示さないが、いくつかの実施形態では、支持システム5000は、複数のパワーレールを含み得、それらそれぞれは、一方の支持部材5100A又は5100Bに電力を提供するように構成される。他の実施形態では、支持システム5000は、支持部材5100A及び/又は5100Bの少なくとも一方に電力を提供するように構成された単一のパワーレールを含み得る。
【0075】
[1086]
図8に示す実施形態では、第1支持部材5100A及び第2支持部材5100Bは、それぞれ、
図2~
図4を参照して上記で説明したトロリー2100と同様又は同じである。それゆえ、支持部材5100A及び5100Bについては、本明細書ではさらに詳細には説明しない。図示の通り、支持部材5100A及び5100Bは、単一の患者取付機構5800に結合される(例えば、支持システム2000に関して上述したように、各支持部材のテザーによって)。患者取付機構5800は、任意の好適な取付部材、機器、機構、アセンブリなどとし得る。例えば、いくつかの実施形態では、患者取付機構は、ハンガー、ロッド、バー、1つ以上のフック、及び/又は各支持機構のテザーをハーネス若しくは患者が装着する他の物品に取り付けるための任意の他の好適な手段とし得る。患者取付機構5800は、例えば、静的装置若しくは機構(例えば、他の構成要素に対して動くように構成される構成要素を含まない)とし得るか、又は動的装置若しくは機構(例えば、1つ以上の他の構成要素に対して動くように構成された1つ以上の構成要素を含む)とし得る。いくつかの実施形態では、患者取付機構5800は、
図4を参照して上記で説明した患者取付機構2800と同様又は同じとし得る。それゆえ、患者支持機構5800については、本明細書でさらに詳細には説明しない。
【0076】
[1087] 支持システム5000の配置構成は、ユーザが所与の経路を歩くとき、第1支持部材5100A及び第2支持部材5100Bが集合的にユーザの体重の少なくとも一部分を支えるようなものにする。このようにして、支持部材5100A及び5100Bは、ユーザが、
図8の矢印CCに示すように、支持トラック5050A及び5050Bと実質的に位置合わせされた方向に歩くとき、それぞれ支持トラック5050A及び5050Bに沿って動き得る。例えば、支持部材5100A及び5100Bは、各支持部材5100A及び5100Bのテザーに加えられる力の変化に応答して、それぞれ、駆動システム(例えば、駆動システム2300と同様の)及び/又は患者支持機構(例えば、患者支持機構2500と同様の)を起動、制御、及び/又は他の方法で操作するように構成され得る。同様に、支持部材5100A及び5100Bは、それぞれ、
図8の矢印DDによって示すような横又は横断方向のユーザの動きに応答して、応答する(例えば、駆動システム及び/又は患者支持機構を操作する)ように構成され得る。
【0077】
[1088] 場合によっては、第1支持部材5100A及び第2支持部材5100Bは、それぞれ、それぞれのテザーに加えられる力の変化に、実質的に同様に及び同時に応答し得る。他の場合には、第1支持部材5100A及び第2支持部材5100Bは、それぞれのテザーに加えられる力の変化に、異なって応答し得る。換言すると、第1支持部材5100Aは、第2支持部材5100Bの応答とは無関係に、そのテザーでの力の変化に応答し得る、又は逆もまた同様である。他の場合には、第1支持部材5100A及び第2支持部材5100Bは、電気及び/又は電子通信して、第1支持部材5100A及び/又は第2支持部材5100Bの応答が、例えば、テザーに加えられる力に対して計算した及び/又は決定されたシステム応答に従うようにし得る。すなわち、第1及び/又は第2支持部材5100A及び/又は5100Bのコントローラ、又は第1及び第2支持部材5100A及び5100Bの双方を少なくとも部分的に制御するように構成されたコントローラは、力の大きさ及び方向を決定でき、かつ第1支持部材5100A及び第2支持部材5100Bの少なくとも一方の動作状態の変化を含み得るシステム応答を計算及び/又は決定し得る。
【0078】
[1089] 場合によっては、ユーザは、例えば、カーブ及び/又は曲がり角を含み得る、予め決められた経路に沿って歩いて、ユーザがCC方向及びDD方向の双方(
図8参照)に動くようにし得る。そのような場合には、支持部材5100A及び5100Bは、例えば、それぞれのテザーの長さ、前及び後方向(例えば、
図8のCC方向)におけるそれぞれのテザーの角度、横断又は横方向(例えば、
図8のDD方向)におけるそれぞれのテザーの角度、それぞれのテザーに沿った又はその内部の張力、及び/又は任意の他の好適な動作状態及び/又は任意の好適なこれらの組み合わせに基づいて、反応及び/又は応答するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサー、エンコーダ、ロードセル、トランスデューサ、ゲージなどは、テザー及び/又は支持部材5100A及び/又は5100Bの他の好適な構成要素の構成、配置構成、及び/又は向きの変化を検出するように構成され得、並びに変化に関する情報を含む信号を、関連のトロリーのコントローラに、及び/又は支持部材5100A及び5100Bを少なくとも部分的に制御するように構成されたシステムレベルコントローラに、送信し得る。支持システム5000の配置構成は、いずれかの方向での転倒、よろめき、滑り、躓き(trip)などの間に、支持部材5100A及び5100Bが患者及び/又はユーザの体重の少なくとも一部分を支えるようなものとし得る。
【0079】
[1090] 例えば、場合によっては、第1支持部材5100Aは、そのテザーへ加えられる力の減少に応答し得るが、第2支持部材5100Bは、そのテザーへ加えられる力の同時の増加に応答し得る(例えば、第1支持部材5100Aに向かう及び第2支持部材5100Bから離れる方向にユーザが動いている及び/又は転倒しているなどを示す)。そのような場合には、第1支持部材5100A及び第2支持部材5100Bの応答は異なるが、例えば、予め決められた方向に集合的な力及び/又は合力を生じる及び/又は加えて、支持部材5100A及び5100Bが、集合的に、ユーザを支えるようにし得る。例えば、患者取付機構5800に加えられる集合的な力及び/又は合力は、そうでなければ単一の支持部材を含む支持システムを使用して患者取付機構5800に加えられる力と実質的に同様とし得る。場合によっては、患者取付機構5800に加えられる集合的な力及び/又は合力は、例えば、垂直方向にあるとし得る。
【0080】
[1091] 支持システム5000は、それぞれ支持部材5100A及び5100Bが可動式に吊るされている2つの支持トラック5050A及び5050Bを含むとして、
図8に示されているが、他の実施形態では、支持システムは、任意の好適な数の支持トラック及び支持部材を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持システムは、3つ以上の支持トラックを含み得、及び支持トラックのそれぞれから可動式に吊るされる少なくとも1つの支持部材を含み得る。例として、いくつかの実施形態では、
図8に示す支持システム5000は、第1支持トラック5050Aと第2支持トラック5050Bとの間に配置された第3支持トラックを含み得、及びそこから、第3支持部材が可動式に吊るされる。そのような実施形態では、第3支持トラック及び第3支持部材は、例えば、実質的にユーザの頭上にあるとし得る。そのようなものとして、3つの支持部材は、ユーザによって加えられた力に集合的に応答し、ユーザの体重の少なくとも一部分を支え得る(上記で詳細に説明したように)。
【0081】
[1092] 上述の通り、一人の患者を集合的に支えるように構成された複数の支持部材は、同様若しくは同じとし得る、又は異なり得る(例えば、支持部材2100又は支持部材3900と同様に配置され得る)。いくつかの実施形態では、支持システムは、支持部材のうちの1つが主支持部材となるように構成される一方で、1つ以上の追加的な支持部材が副支持部材となるように構成されるように、配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1支持部材は、ユーザが歩く経路と位置合わせされる(例えば、上方又はすぐ上)第1支持トラックから可動式に吊るされ得る一方で、第2支持部材は、経路からオフセットされた第2支持トラックから可動式に吊るされ得る。
【0082】
[1093] いくつかのそのような実施形態では、第1支持部材は、ユーザの体重の第1部分を支えるように構成された主支持部材とし得、及び第2支持部材は、ユーザの体重の第2部分を支えるように構成された副支持部材とし得る。場合によっては、ユーザは、横の動きがほとんど又は全くない状態で、経路に沿って歩き得、この場合、ユーザの体重の第1部分は、ユーザの体重の実質的に全てとし得る及び/又はユーザの体重の第2部分よりも大きいとし得る。しかしながら、ユーザが転倒する及び/又はそうでなければ、横方向に動く場合、第2支持部材によって支えられるユーザの体重の第2部分は増加し得る一方で、第1支持部材によって支えられるユーザの体重の第1部分は減少し得る。換言すると、第2支持部材(例えば、副支持部材)は、ユーザの転倒及び/又はそうでなければ横方向への動きに応答して、ユーザの体重の少なくとも一部分(例えば、第2部分)を支えるように構成され得る。
【0083】
[1094] いくつかの実施形態では、第1支持部材(例えば、主支持部材)は、例えば、支持部材2100と同様又は同じとし得、及び第2支持部材(例えば、副支持部材)は、例えば、支持部材3900と同様又は同じとし得る。上記では、2つの支持トラック及び2つの支持部材を含むとして説明されているが、いくつかの実施形態では、支持システムは、主支持部材及び少なくとも2つの副支持部材を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持システムは、主支持トラックから可動式に吊るされる主支持部材、及び主支持トラックの両側にあるそれぞれの副支持トラックから可動式に吊るされる2つの副支持部材を含み得る。そのような実施形態では、副支持部材は、ユーザの転倒又はそうでなければ対応する横方向の動きに応答して、ユーザの体重の少なくとも一部分を支えるように構成され得る(上述のように)。いくつかのそのような実施形態では、主支持部材は支持部材2100と同様又は同じとし得るが、副支持部材は支持部材3900と同様又は同じとし得る。
【0084】
[1095] 支持トラック5050A及び5050Bは、実質的に平行であるとして
図8に示され、かつ上記で説明されているが、他の実施形態では、支持システムは、非平行である2つ以上の支持トラックを含み得る。いくつかの実施形態では、非平行の支持トラックは、実質的に同様の経路を辿り得る。他の実施形態では、第1支持トラックは非線形経路を辿り、及び第2支持トラックは線形経路を辿り得る。さらに他の実施形態では、非平行の支持トラックは任意の好適な配置構成を有し得る。
【0085】
[1096] トロリー(例えば、支持部材5100A及び/又は5100Bなどの支持部材)は、非平行の支持トラックのそれぞれから可動式に吊るされ得、及び単一の患者取付機構(例えば、患者取付機構5800)に結合され得る。このようにして、トロリーは、支持システム5000に関して上述したように、実質的に同様に患者を集合的に支え得る。非平行トラックから吊るされる支持部材又はトロリーは、同様若しくは実質的に同じとし得るか、又は異なり得、及びいずれかの支持トラックから吊るされ得る。例えば、第1支持部材は、支持部材2100と実質的に同様又は同じとし得る一方で、第2支持部材は、支持部材3900と実質的に同様又は同じとし得る。いくつかのそのような実施形態では、上述のように、第1支持部材は主支持部材とし得る一方で、第2支持部材は副支持部材とし得る。そのような実施形態では、第1支持部材は、ユーザが歩く経路の上方に配置される及び/又はそれと実質的に位置合わせされる第1支持トラックから可動式に吊るされ得る一方で、第2支持部材は、経路からオフセットされる第2支持トラックから可動式に吊るされ得る。さらに、いくつかの実施形態では、第1支持トラックは非線形に配置され得る(例えば、湾曲され得るか又はそうでなければ直線ではない)一方で、第2支持トラックは線形に配置され得(例えば、直線とし得る)、かつ例えば、ユーザが横方向に動くこと(例えば、上述のように)に応答して、第1支持部材によって提供される支持を増強するように構成され得る。
【0086】
[1097] 支持システム1000、2000、3000、4000、及び/又は5000は、任意の好適な支持トラックと一緒に使用するように構成され得る。例えば上述したものなどのいくつかの実施形態では、支持部材及び/又はトロリーは、実質的にI字形状の断面を備え及び実質的に一定の垂直位置にある支持トラック(例えば、支持トラック2050、4050、5050A、及び/又は5050Bと同様)から可動式に吊るされ得る。すなわち、支持トラックは、実質的にゼロに等しい傾斜を有し得る。しかしながら、他の実施形態では、支持システムは、非ゼロの傾斜を有する支持トラック(又はその部分)と一緒に使用されるように構成され得る。例えば、
図9は、ある実施形態による支持トラック6050の一部分の概略図である。支持トラック6050の態様は、例えば、支持トラック2050と同様とし得る。例えば、支持トラック6050は、実質的にI字形状の断面形状などを有し得る。
【0087】
[1098] 支持トラック6050は支持トラック2050とは異なり得るが、実質的にゼロに等しい傾斜を有する少なくとも1つの部分(本明細書では平らな部分6051と称す)と、非ゼロの傾斜を有する少なくとも1つの部分(本明細書では傾斜部分6052と称す)とを含む。支持トラック2050に関して上述したように、トロリー(例えば、トロリー2100)の駆動システムは、支持トラック2050の表面に沿って動くように構成された1組のホイールを含んで、支持トラックに対してトロリーを動かし得る。例えば、場合によっては、ホイールの組は、支持トラック6050の平らな部分6051と接触し、かつ平らな部分6051に沿って転がって、
図9の矢印EEによって示すように、支持トラック6050に対してトロリーを動かすように構成され得る。そのようなものとして、支持トラック6050及びそこから可動式に吊るされるトロリーは、形態及び/又は機能が、支持トラック2050及びトロリー2100とそれぞれ実質的に同様とし得る。
【0088】
[1099] しかしながら、場合によっては、ユーザは、例えば、傾斜路などの傾斜した表面に沿って歩きたいかもしれない。他の場合には、ユーザは、
図9の矢印FFに示すように、一連の階段6055を上又は下へ歩きたいかもしれない。このようにして、ユーザと、支持トラックのそうでなければ平らな部分との間の距離は、減少し、これにより、場合によっては、支持システム6000の1つ以上の動作状態の変化を生じ得る。さらに、場合によっては、一連の階段(例えば、階段6055)は、支持トラック6050の垂直位置を上回る、ある垂直位置(例えば、支持トラック6050が取り付けられる天井よりも上方)まで延在し、それにより、望ましくない構成を生じ得る。
【0089】
[1100] それゆえ、場合によっては、支持トラック6050の傾斜部分6052は、ユーザが、例えば階段6055(
図9)を上る及び/又は下りるときに、ユーザと支持トラック6050との間の距離が実質的に一定のままであるようなものとし得る。同様に、支持トラック6050の平らな部分6051とユーザが歩く平らな表面との間の距離は、支持トラック6050の傾斜部分6052とユーザが歩く傾斜した表面(又は、その表面の少なくとも一部分によって形成された平面、例えば階段6055によって形成された接平面)との間の距離と、実質的に同じとし得る。場合によっては、トロリー又は支持部材の駆動システムの配置構成は、ホイールが平らな部分6051の表面に沿って動くときと実質的に同様に、ホイールが傾斜部分6052の表面に沿って動き得るようにし得る。そのようなものとして、トロリー及び/又は支持部材は、傾斜部分6052及び/又は平らな部分6051に沿って動いて、ユーザを支え得る。しかしながら、他の場合には、傾斜部分6052に沿ったホイールの動きは、ホイールが傾斜部分6052の表面に沿って動き得るときに、牽引力の損失及び/又はホイールの少なくともいくつかの滑りを生じ得る。そのような場合には、例えば、ユーザの転倒などに応答して加えられる力の変化は、支持トラック6050の傾斜部分6052でのホイールの牽引力の損失を生じ、かつ、そのようなものとして、力の変化に対し望ましくない、不正確な、及び/又は不十分な応答を生じるのに十分であるとし得る。
【0090】
[1101] 従って、
図9及び
図10に示す実施形態では、支持トラック6050の傾斜部分6052は、トロリーの一部分及び/又は支持部材によって選択的に係合されるように構成された1組の突起6053(例えば、ラック、1組の歯など)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、トロリーの駆動システム(例えば、トロリー2100の駆動システム2300)は、トロリーが傾斜部分6052に沿って動くときに突起6053に選択的に係合し得る、スプロケット、歯車装置、ピニオンなど(図示せず)を含み得る。より具体的には、
図10に示すように、そのような駆動システムは、支持トラック6050の実質的に平らな又は滑らかな表面に沿って動くように構成された1つ以上のホイール6398と、駆動システムが支持トラックの傾斜部分6052に沿って動くときに、突起の組6053と接触して及び/又はそれと係合して配置されるように構成された1つ以上の歯車装置6399とを含み得る。駆動システムが支持トラック6050の傾斜部分6052に沿って動き、かつ支持トラック6050の平らな部分6051に近づくと、歯車装置6399は、突起の組6053との接触から外され得る及び/又は係合解除され得る一方で、1つ以上のホイール6398は、支持トラック6050の表面と接触したままであり、トロリーを支持トラック6050に沿って動かし続ける。いくつかの実施形態では、駆動システムは、歯車装置6399を給電するように構成されて(例えば、モータによって)、歯車装置6399が突起の組6053に沿って回転するようにし得る(例えば、ラックアンドピニオンなどと同様に)。
【0091】
[1102] 場合によっては、支持トラック6050の傾斜部分6052に沿った、歯車装置6399と突起の組6053との係合は、所望量の牽引力の維持において操作可能とし得る、及び/又はそうでなければ、支持トラック6050に対する駆動システムの滑りを制限し得る及び/又は実質的に防止し得る。例えば、いくつかの実施形態では、歯車装置6399の1組の歯などと、傾斜部分6052の突起の組6053との係合は、歯車装置6399を回転させずに、支持トラック6050に対する歯車装置6399の並進運動を防止し得る。それゆえ、駆動システムは、例えば、モータ、クラッチ、ブレーキ、及び/又は任意の他の好適な手段によって、歯車装置6399の回転を選択的に制御するように構成され得る。このようにして、ユーザが、例えば、
図9において矢印GG及びFFによってそれぞれ示すように、階段6055を上ったり又は下がったりするときに、トロリー及び/又は支持部材は、傾斜部分6052に沿って動いて、実質的に牽引力を失うことなく、ユーザを支え得る。
【0092】
[1103] 支持トラック6050は、傾斜部分6052を含むとして示されているが、他の実施形態では、支持トラックは、任意の好適な方法で配置されて、支持トラックの少なくとも一部分が非ゼロの傾斜を有するようにし得る。例えば、
図11は、ある実施形態による支持トラック7050の概略図である。支持トラック7050の態様は、
図9及び
図10を参照して上記で説明した支持トラック6050と実質的に同様とし得る。しかしながら、支持トラック7050は、1組の平らな部分7051(例えば、実質的にゼロに等しい傾斜を備える支持トラック6050の部分)及び1つ以上の垂直部分7056を含むことによって、支持トラック6050とは異なり得る。すなわち、支持トラック7050は、
図11に示すように、1組の段又は階段を形成し得る。支持トラック6050の傾斜部分6052に関して上述したように、支持トラック7050の垂直部分7056は、1組の突起7057などを含む及び/又は形成する。突起7057は、少なくとも機能が、支持トラック6050を参照して上記で説明した突起の組6053と実質的に同様とし得る。それゆえ、トロリーの駆動システムに含まれる歯車装置など(例えば、
図10に示すような)は、突起の組に選択的に係合して、支持トラック7050の段の組に沿ってトロリーを動かし得る。
図11には示さないが、いくつかの実施形態では、支持トラック7050は、支持トラック7050の対向する面(例えば、支持トラック7050の上面又は左側内面)に配置された1組の突起を含み得る。それゆえ、駆動システムの歯車装置は、支持トラック7050の垂直部分7056の両内側垂直面に配置された突起の組7057に係合するように構成され得、これにより、トロリーの垂直の動きを生じ得る。さらに、上述のように、駆動システムの歯車装置は、モータ、ブレーキ、クラッチなどに操作可能に結合され得、これは、次に、トロリー(例えば、電子システムのプロセッサーなど)が選択的に制御できるように及び/又は歯車装置の回転を可能にするようにする。それゆえ、トロリーなどは、ユーザが階段(例えば、
図9の階段6055)を上ったり又は下りたりするときに、段の組に沿って動き得る。
【0093】
[1104] 支持トラック7050は、垂直部分7056及びトロリーの垂直の動きを可能にするように構成された突起の組7057を含むとして上記では説明されているが、他の実施形態では、支持トラックは、トロリーの垂直及び/又は水平の動きを可能にするように構成された任意の好適な配置構成を有し得る。例えば、
図12は、ある実施形態による支持トラック8050の概略図である。支持トラック8050は、支持トラック8050の残りのセクションに対して水平又は垂直運動で動くように構成された1つ以上のセクションを含み得る。さらに詳しく述べると、支持トラック8050は、第1高さ又は高度に配置される第1部分8061、第1高さ又は高度とは異なる第2高さ又は高度に配置される第2部分8062、及び第1部分と第2部分との間に配置されかつ第1高さ又は高度と第2高さ又は高度との間で動くように構成された第3部分8063を含む。換言すると、支持トラック8050の第3部分8063は、
図12において矢印HHによって示すような作動及び/又は入力に応答して、垂直軸に沿って動くように構成された昇降部分などとし得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持トラック8050の第3部分8063は、第3部分8063を垂直方向に動かす(例えば、チェーン、テザー、機械的リンク機構、歯車装置、ラックアンドピニオンシステム、液圧系統、空気圧系統などによって)ように構成されたモータなど(
図11には示さず)に操作可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、支持トラック8050の第3部分8063(例えば、昇降部分)は、垂直方向の動きと同時に又は垂直方向の動きとは無関係に、水平方向に動かされ得る。
【0094】
[1105] 使用中、例えば、トロリー(本明細書で説明するものなど)は、トロリーが第1部分8061から可動式に吊るされる第1位置から、トロリーが第3部分8063から可動式に吊るされる第2位置まで、支持トラック8050の長さ部分に沿って動き得る。その後、作動及び/又は入力に応答して、第3部分8063は、第3部分8063が支持トラック8050の第1部分8061と隣接しかつ実質的に水平に位置合わせされる第1高さから、第3部分8063が支持トラック8050の第2部分8062と隣接しかつ実質的に水平に位置合わせされる第2高さまで、垂直軸に沿って動かされ得る。支持トラック8050の第3部分8063が、第2高さに、及び第2部分8062に隣接して配置される状態で、トロリーは、支持トラック8050の長さ部分に沿って、トロリーが第3部分8063から可動式に吊るされる第2位置から、トロリーが支持トラック8050の第2部分8062から可動式に吊るされる第3位置へ、動かされ得る。それゆえ、支持トラック8050は、1つ以上のトロリーを垂直(及び/又は水平)方向に動かすように構成され得る。場合によっては、そのような垂直の動きによって、患者が垂直方向に動く及び/又はそうでなければ高度が変化しながら動くときに、トロリーが患者を支えるのを容易にし得る。場合によっては、支持トラック8050の第3部分8063のそのような垂直及び/又は水平の動きは、例えば、トロリーの保管を容易にし得る(例えば、トロリーは、支持トラック8050の第2部分8062から吊るされているとき、保管位置にあるとし得る)。
【0095】
[1106] 支持トラック8050の第3部分8063は、第1部分8061及び第2部分8062に対して動くとして
図12には示されているが、他の実施形態では、支持トラック8050は、実質的にその全体が、垂直及び/又は水平の方向に動かされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持トラックは、実質的に支持トラック全体を第1位置(例えば、第1高さ)から第2位置(例えば、第2高さ)へ動かすように構成された1つ以上のモータ及び/又はシステムに操作可能に結合され得る。
【0096】
[1107]
図13を参照して説明すると、ある実施形態による体重支持システムを使用する方法10を示すフロー図が示されている。体重支持システムは、本明細書で説明するものなどの任意の好適なシステム(例えば、体重支持システム2000など)とし得る。例えば、いくつかの実施形態では、体重支持システムは、少なくともトロリー又は支持システム(例えば、トロリー2100及び/又は支持システム又は支持部材3900)、及び支持トラック(例えば、支持トラック2050、4050、5050A、5050B、6050、7050、及び/又は8050)を含み得る。トロリー又は支持システムは、例えば、患者の体重の少なくとも一部分を支えるように構成された患者支持アセンブリ、及びトロリー又は支持システム(以下「トロリー」と称す)を支持トラックから可動式に吊るすように構成された駆動アセンブリを含む。
【0097】
[1108]
図13に示すように、方法10は、11において、患者が第1面に沿って動くことに応答して、トロリーを支持トラックの第1部分に沿って前進させることを含む。いくつかの実施形態では、第1面は、例えば、平らな表面とし得、及び支持トラックの第1部分は、例えば、支持トラックの平らな部分とし得る(例えば、支持トラック6050、7050、及び/又は8050に関して上述したように)。いくつかの実施形態では、第1面は、公知の、予め決められた、及び/又は規定された高度及び/又はレベルすなわち水平面を有し得る。例えば、場合によっては、第1面は、地表面又は平面、基準面(base level)又は平面、参照面(reference level)又は平面などとし得る及び/又はそれらを形成し得、その場合、第1面の高度は、ゼロに等しい及び/又は任意の好適な参照値に等しいとみなされ得る。さらに、いくつかの実施形態では、支持トラックの第1部分は、上述のように、第1面から予め決められた及び/又は規定された距離に配置され得る。
【0098】
[1109] 12において、患者の体重の予め決められた部分は、患者が第1面に沿って動くときに支えられる。例えば、いくつかの実施形態では、管理者、療法士、トレーナー、ユーザなどが、使用される間にトロリーがユーザに提供する体重支持のレベルを設定し得る。設定されている体重支持のレベルに応答して、トロリー及び/又はその任意の好適な部分は、患者支持アセンブリの構成及び/又は配置構成を調整及び/又は設定でき、トロリーが患者の体重の予め決められた部分を支えるようにする(例えば、少なくとも患者支持アセンブリによって)。
【0099】
[1110] 13において、患者が、第1面とは異なる第2面に沿って動くことに応答して、トロリーが、支持トラックの第2部分に沿って前進させられる。いくつかの実施形態では、第2面は、例えば、平らな表面とし得、及び支持トラックの第2部分は、例えば、支持トラックの平らな部分とし得る(例えば、支持トラック6050、7050、及び/又は8050に関して上述したように)。いくつかの実施形態では、第2面は、公知の、予め決められた、及び/又は規定された高度及び/又は水平面を有し得る。例えば、場合によっては、第2面は、第1面の高度とは異なる(例えば、それよりも高い)高度を有する及び/又はそこに配置された、ある水平面又は平面にあるとし得る及び/又はそれを形成し得る。例として、いくつかの実施形態では、第1面は、1組の階段及び/又はそうでなければ傾斜した表面に至る下方の表面とし得、及び第2面は、より高い高度に配置された表面とし得、及び階段の組又は傾斜した表面から延在し得る。そのような実施形態では、第1面の高度は第2面の高度を下回り、及び階段の組及び/又は傾斜した表面は、それらの間に配置される。支持トラックの第1部分に関して上述したように、いくつかの実施形態では、支持トラックの第2部分は、第2面から予め決められた及び/又は規定された距離に配置され得る。換言すると、支持トラックの第1部分及び支持トラックの第2部分は、第1面及び第2面が異なる高度に配置されているにも関わらず、それぞれ第1面及び第2面から実質的に同じ距離だけ離間している。
【0100】
[1111] 14において、患者の体重の予め決められた部分は、患者が第2面に沿って動くときに、支えられる。トロリー(例えば、少なくとも患者支持アセンブリによって)は、患者が第1面に沿って動くとき及び患者が第2面に沿って動くとき、患者の体重の予め決められた部分を支えるように構成され得る。換言すると、患者が第1面に沿って動くときにトロリーによって支えられる患者の体重の部分は、患者が第2面に沿って動くときにトロリーによって支えられる患者の体重の部分と同じである。
【0101】
[1112] トロリーを支持トラックの第1部分に沿って前進させた後及びトロリーを支持トラックの第2部分に沿って前進させる前、患者支持アセンブリは、15において、(1)トロリーが、第1部分と第2部分との間に配置された支持トラックの第3部分から吊るされることに応答して、及び(2)患者支持アセンブリが、患者の体重の予め決められた部分を支えるように、調整される。いくつかの実施形態では、支持トラックの第3部分は、支持トラックの傾斜部分、例えば、支持トラック6050の傾斜部分6052(
図9及び
図10)などとし得る。他の実施形態では、支持トラックへの第3部分は、1つ以上の垂直部分、例えば、支持トラック7050の垂直部分7056(
図11)などを含む支持トラックの一部分とし得る。さらに他の実施形態では、支持トラックの第3部分は、第1部分及び第2部分に対して動くように構成された支持トラックの一部分、例えば、支持トラック8050の第3部分8063(
図12)などとし得る。
【0102】
[1113] いくつかのそのような実施形態では、トロリーが第3部分に沿って動くとき及び/又は第3部分が支持トラックの第1部分及び支持トラックの第2部分に対して動くとき、トロリーの高度及び/又は垂直位置が動かされる。その結果、トロリーと患者との間の距離が変更され得る(例えば、増減される)。いくつかの実施形態では、支持トラックの第3部分は傾斜部分とし得るため、患者に対するトロリーの角度が変更され得る。従って、トロリー及び/又はその一部分は、患者支持アセンブリを調整するように構成され、トロリーが患者の体重の予め決められた部分を支えるようにする。このようにして、トロリー及び/又は少なくとも患者支持アセンブリは、トロリーが支持トラックの第1部分、第2部分、及び/又は第3部分に沿って動かされるかどうかに関わらず、患者の体重の予め決められた部分を支えるように構成される。換言すると、トロリー及び/又は少なくとも患者支持アセンブリは、患者が第1面、第2面、及び/又は第3面(例えば、傾斜した表面、1組の階段など)に沿って動くときに、第1面、第2面、及び/又は第3面の高度の差に関わらず、患者の体重の予め決められた部分を支えるように構成される。
【0103】
[1114] 本明細書で説明したいくつかの実施形態は、様々なコンピュータにより実現される動作(computer-implemented operation)を行うための命令又はコンピュータコードを有する非一時的な(non-transitory)コンピュータ可読媒体(非一時的なプロセッサー可読媒体とも称し得る)を備えるコンピュータ・ストレージ製品に関する。コンピュータ可読媒体(又はプロセッサー可読媒体)は、一時的な伝搬信号を含まないという意味で(例えば、空間又はケーブルなどの伝送媒体で、情報を有する電磁波を伝搬する)、非一時的である。媒体及びコンピュータコード(本明細書ではコードとも称す)は、1つ又は複数の特定の目的のために設計及び構成されたものとし得る。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、限定されるものではないが:磁気記憶媒体、例えばハードディスク、光記憶媒体、例えばコンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光磁気記憶媒体、例えば光ディスク、搬送波信号処理モジュール、及びプログラムコードを記憶及び実行するように特別に構成されるハードウェアデバイス、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理回路(PLD)、リードオンリーメモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)装置を含む。本明細書で説明する他の実施形態は、例えば、本明細書で説明する命令及び/又はコンピュータコードを含み得る、コンピュータプログラム製品に関する。
【0104】
[1115] コンピュータコードの例は、限定されるものではないが、マイクロコード又はマイクロ命令、コンパイラによって作り出されるものなどの機械命令、ウェブサービスを作り出すために使用されるコード、及びインタープリタを使用してコンピュータによって実行されるより高水準の命令を含むファイルを含む。例えば、実施形態は、命令型プログラミング言語(例えば、C、FORTRANなど)、関数型プログラミング言語(Haskell、Erlangなど)、論理型プログラミング言語(例えば、Prolog)、オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java、C++など)、又は他のプログラミング言語及び/又は他の開発ツールを使用して実現され得る。コンピュータコードの追加的な例は、限定されるものではないが、制御信号、暗号化コード、及び圧縮コードを含む。
【0105】
[1116] 様々な実施形態を上記で説明したが、これらは限定ではなく、例として提示されているにすぎず、及びそのようなものとして、形態及び/又は詳細の様々な変更がなされ得ることを理解すべきである。例えば、取付機構2800について、
図4を参照して、エネルギー蓄積部材2850を含むとして上記で説明したが、他の実施形態では、取付機構はエネルギー蓄積部材を含む必要はない。そのような実施形態では、取付機構は、例えば、トロリー2100に結合され、及びさらにユーザによって装着されるハーネスなどに結合され得る。そのような実施形態では、トロリー2100は、上述したものと実質的に同様に機能し得る。
【0106】
[1117] トロリー2100について、
図2及び
図3を参照して、電動式駆動システム2300及び能動支持機構2500を含むとして上記で説明したが、他の実施形態では、トロリーは、電動式駆動システム又は能動支持機構のいずれかを含み得る。同様に説明すると、駆動システム2300及び支持機構2500は相互排他的とし得、及び上述したものと同様に、独立して機能し得る。
【0107】
[1118] 本明細書で説明した装置及び/又は方法のいずれの部分も、別段の明白な記載がない限り、任意の好適な組み合わせに組み合わせられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持システム2000に含まれるトロリー2100の患者支持機構2500は、支持システム3900と同様のシステムと置き換えられ得る。そのような実施形態では、シリンダー、ピストン、及びエネルギー蓄積部材は、例えば、トロリー2100のハウジング2200のベース2210から延在し得る。さらに詳しく述べると、エネルギー蓄積部材(例えば、蓄積部材3960)の運動及び位置エネルギーは、トロリー2100を参照して上記で説明したシステムと同様のフィードバックシステムによって、能動的に制御され得る。例えば、エネルギー蓄積部材3960は圧縮空気とし得、その圧力が、ピストンに加えられる力に応答して、制御され得る。
【0108】
[1119] 別の例として、体重支持システム(例えば、体重支持システム2000など)は、任意の好適な支持トラック又は本明細書で説明する支持トラックの組み合わせと一緒に使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、支持トラックは、支持トラック6050(
図9及び
図10)、支持トラック7050(
図11)、及び/又は支持トラック8050(
図12)と同様の配置構成を有する1つ以上のセクション及び/又は部分を含み得る。いくつかの実施形態では、支持トラックの複数の部分は交換可能としてもよく、管理者、インストラクター、技術者、療法士、ユーザなどが、治療又は訓練プログラムに基づいて支持トラックの1つ以上の部分を交換できるようにする。例えば、場合によっては、ユーザ又は患者は運動を行い、ユーザ又は患者は、傾斜路又は他の傾斜した表面を上ったり又は下がったりし得る。そのような場合には、支持トラックは、例えば、支持トラック6050と同様又は同じ構成に配置され得る。しかしながら、他の場合には、例えば、支持トラック6050の傾斜部分6052を、垂直部分7056を含む支持トラック7050の部分に切り替えることが望ましいかもしれない。そのようなものとして、支持トラックの1つ以上の部分は可動であり(例えば、モータによって、トラックなどに沿って)、1つ以上の部分を、切り替える、変更する、交換するなどし得る。いくつかの実施形態では、そのような部分は、2016年11月11日出願の米国特許出願公開第2017/0128313号(「Apparatus and Methods for Support Track and Power Rail Switching in a Body Weight Support System」)(その開示全体を本願明細書に援用する)に説明されているものと同様又は同じように、可動、切替可能、及び/又は交換可能とし得る。
【0109】
[1120] 上記で説明した方法及び/又は図面は、ある順序で発生するいくつかの事象及び/又はフローパターンを示したが、いくつかの事象及び/又はフローパターンの順序は修正され得る。さらに、いくつかの事象は、可能なときには並行プロセスで同時に実施され得る、並びに順次に実施され得る。