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特許7088928ドライブトレイン試験台の駆動ユニット用の電気モータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】ドライブトレイン試験台の駆動ユニット用の電気モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/24 20060101AFI20220614BHJP
   G01M 17/007 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
H02K5/24 A
G01M17/007 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019529988
(86)(22)【出願日】2017-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2017078529
(87)【国際公開番号】W WO2018103980
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-11-02
(31)【優先権主張番号】102016224138.9
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ヘル
【審査官】柏崎 翔
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-5791(JP,A)
【文献】特開昭62-44042(JP,A)
【文献】特表2008-500517(JP,A)
【文献】国際公開第2007/139129(WO,A1)
【文献】米国特許第5853159(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/24
G01M 17/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブトレイン試験台の駆動ユニット(2)用の電気モータ(1)であって、ハウジング(3)を備え、前記ハウジング(3)が、前記電気モータ(1)を支持する少なくとも1つのヨーク(4)を備え、前記電気モータ(1)が少なくとも1つの前ヨーク(4)及び1つの後ヨーク(4)を備え、前記少なくとも1つの前ヨーク(4)及び1つの後ヨーク(4)のヨークアームは、それぞれ前記電気モータから径方向側方に前記電気モータの両側に延在する切れ目のない1本の直線状アームであり、前記前ヨーク(4)及び前記後ヨーク(4)が、軸方向で相互に離間しており、それぞれ前記電気モータ(1)の支承部の領域に配置され、前記少なくとも1つの前ヨーク(4)及び1つの後ヨーク(4)が、流体支承部冷却構造を備え、前記電気モータ(1)が、25000rpmを超える回転数に達するよう設計されていることを特徴とする電気モータ(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の電気モータ(1)であって、前記少なくとも1つのヨーク(4)が、前記ハウジング(3)とワンピースで形成されていることを特徴とする電気モータ(1)。
【請求項3】
請求項1に記載の電気モータ(1)であって、前記少なくとも1つのヨーク(4)が、前記ハウジング(3)とねじ留め又は溶接されていることを特徴とする電気モータ(1)。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の電気モータ(1)であって、前記少なくとも1つのヨーク(4)が、枠ヨーク(4)として形成されていることを特徴とする電気モータ(1)。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の電気モータ(1)であって、前記少なくとも1つのヨーク(4)が、追加の長手方向補強材(7)を備えることを特徴とする電気モータ(1)。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の電気モータ(1)であって、前記ハウジング(3)が、270mm未満のラジアル直径を備えることを特徴とする電気モータ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の、ドライブトレイン試験台の駆動ユニット用の電気モータに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の変速機又は自動車のドライブトレイン全体を試験するための、変速機試験台又はドライブトレイン試験台は、従来技術から既知である。この種の試験台は、一方では、ドライブトレインの製造直後に、いわゆるEOL(End-of-line)試験の範囲で、一連の負荷テストでドライブトレインにおける機能障害を検出するために使用される。典型的な機能障害は、例えば、遊びに関連しており、偏向又は振動励起さえする可能性のある部品によって発生する。これらの部品は、例えば歯車、シンクロナイザリング、シンクロナイザ本体、多板クラッチのディスク、及びシャフト等である。機能テストの範囲においては、通常、音響挙動及びシフトの品質も試験される。しかしながら他方では、この種の試験台が、自動車のドライブトレイン、及び特に自動車の変速機の開発及び継続的な改善の場面においても使用されている。ここで特に注目すべきなのは、通常、疲労強度及び新技術の作動原理の基本開発である。通常、この種の変速機試験台又はドライブトレイン試験台は、駆動装置として電気モータを含む。
【0003】
これに関連して、ドイツ特許出願公開第10 2012 018 359A1号は、シャシダイナモメータ上を実際の自動車が走行する走行シュミュレーションのための走行サイクルを記載する。自動車のドライブトレインは、この場合、自動車が実際に前進することなく、自動車の車輪速が走行サイクルの各速度仕様に一致するように作動する。これにより、自動車に取り付けた後に、自動車のドライブトレインを試験することが可能である。
【0004】
ドイツ特許第43 28 537C2号明細書は変速機試験台を開示する。この試験台は、駆動モータとして機能する第1サーボモータ及び制動モータとして機能する第2サーボメータを備える。第1駆動モータは、クラッチを介して、試験対象の自動車の変速機の入力軸と接続されている。第1駆動モータの回転数は、PCを介して制御され、任意の回転数曲線がシュミュレーションされる。制動モータは、更なるクラッチを介して、試験対象の自動車の変速機の出力軸と接続されている。第2モータの回転数も、PCを介して制御される。PCによってシュミュレーションされる回転数曲線は、実際の走行試験で測定された回転数曲線である。そのため、自動車の変速機を、ドイツ特許第43 28 537C2号明細書に従って、自動車に取り付ける前に試験することができる。
【0005】
イギリス特許出願公開第2 327 817 A号は、送風機用の電気モータを開示する。電気モータのハウジングは、2つの固定脚部を備える。固定脚部は、ハウジングの軸方向中央領域に配置され、実質的に電気モータから径方向側方に延在する。
【0006】
「”Combined alternator end frame and engine mounting bracket“, Research disclosure, Kenneth Mason Publications, Hampshire, UK, GB, No 304, 1 August 1989 (1989-08-01), Page 620, XP000070145, ISSN: 0374-4353」は、自動車用途のための電気モータを記載する。この電気モータは、そのモータピニオン側の軸端部において、前支承部の領域に固定装置を備える。固定装置は、電気モータから径方向側方に延在する。
【0007】
ドイツ特許出願公開第19 15 896 A1号からは、支持構造又は少なくともその部分を、同じプレートから得られるように打ち抜かれたスタンドプレートを備える電気機械が知られている。プレートパッケージは、電気モータのハウジングを構成する。
【0008】
しかしながら、既知のドライブトレイン試験台には、それらを駆動するために電気モータを使用するために、電気ドライブトレインを試験するには適していない、という欠点がある。使用される電気モータの既知の構造形状は、つまり、2つの構造形状のみで区別される。いわゆるフット形態と、いわゆるフランジ形態である。電気ドライブトレインを試験するためには、20,000rpmを超える回転数が必要である。そのため、片側にフランジが付いた電気モータは、その剛性が不足していることを理由として、使用できない。電気ドライブトレインを試験する際には、試験対象の出力軸が、僅かな軸間隔のみで、試験台の電気モータの下又は横を通過しなければならない。試験の際にこのような必要性が定期的に発生するために、同様に、フット形態の電気モータの使用も排除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】ドイツ特許出願公開第10 2012 018 359A1号
【文献】ドイツ特許第43 28 537C2号
【文献】イギリス特許出願公開第2 327 817 A号
【文献】ドイツ特許出願公開第19 15 896 A1号
【非特許文献】
【0010】
【文献】”Combined alternator end frame and engine mounting bracket“, Research disclosure, Kenneth Mason Publications, Hampshire, UK, GB, No 304, 1 August 1989 (1989-08-01), Page 620, XP000070145, ISSN: 0374-4353
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、電気ドライブトレインの試験に、より良好に適する電気モータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、請求項1に記載の、本発明によるドライブトレイン試験台の駆動ユニット用の電気モータによって解決される。有利な実施形態は、従属請求項から明らかとなる。
【0013】
本発明は、ドライブトレイン試験台の駆動ユニット用の電気モータに関する。電気モータがハウジングを備える。本発明による電気モータは、ハウジングが、電気モータを支持する少なくとも1つのヨークを備えることを特徴とする。
【0014】
好適には、ドライブトレイン試験台は、電気自動車駆動装置用のドライブトレイン試験台である。
【0015】
しかしながら、本発明による電気モータは、内燃機関に駆動されるドライブトレイン用に設計されたドライブトレイン試験スタンドで試験する駆動ユニット用にも、使用することができる。
【0016】
本発明による電気モータの設計によって、電気モータが、特には、少なくとも1つのヨークを介するドライブトレイン試験台の駆動ユニットへの電気モータの連結が、特に堅固に形成される、という利点が生じる。これに対応して、ドライブトレイン試験台の作動時に、試験工程を妨げるような強度で試験台が振動する事態に至ることなく、電気モータの回転数を高めることが可能になる。電気自動車駆動装置、又はその電気モータは、従来の内燃機関駆動装置の回転数範囲を著しく上回る、20,000rpmを超える出力回転数を供給する。そのため、電気自動車駆動装置を試験する駆動ユニットへの電気モータの連結の剛性及び振動減衰に関して、特別な要件が存在する。従って、ドライブトレイン試験台の従来の駆動ユニットは、電気自動車駆動装置を試験するには不適当であると考えられる。さらに、既知の電気モータは、その構造形状に起因しても、既に電気自動車駆動装置の試験には不適当である。すなわち、使用される電気モータの既知の構造形状は、通常、いわゆるフット形態及びいわゆるフランジ形態の何れかで形成されている。片側にフランジが付いた電気モータは、その剛性が全く十分でないことが理由となって、電気自動車駆動装置を試験するには不適当である。電気ドライブトレインを試験する際には、試験対象の出力軸が、僅かな軸間隔のみで、部分的に、電気モータの下又は横を通過しなければならない。試験の際にこのような必要性が定期的に存在するために、同様に、フット形態の電気モータの使用も排除される。
【0017】
しかしながら、本発明による電気モータは、これらの欠点を克服する。ハウジングが少なくとも1つのヨークを備える本発明による設計によって、少なくとも1つのヨークを介して、電気モータを支持することができる。これにより、駆動ユニット全体で、剛性を特に高めることが可能である。さらに、電気モータの下又は電気モータの横の構造スペースは空いたままであるため、この構造スペースを、試験対象の出力軸が通過するためのフリースペースとして使用できる。
【0018】
少なくとも1つのヨークは、好適には、金属から、特に鋼又は鋼合金から中実で形成されている。代替的に、少なくとも1つのヨークが、好適には、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成されている。
【0019】
駆動ユニットは、好適には下部構造を備える。少なくとも1つのヨークを介して、電気モータが下部構造上に支持される。この下部構造は、特に好適には、振動減衰に極めて良好に適するハイドロポール(Hydropol)という材料製である。
【0020】
ヨークは、駆動ユニットに対して又は駆動ユニットの下部構造に対して、この場合選択的に、水平又は垂直に連結できる。すなわち、少なくとも1つのヨークは、駆動ユニット又は下部構造の、上側又は下側と接続されてよい。しかしながら、又は少なくとも1つのヨークが、駆動ユニット又は下部構造の、側方の受容部と接続されてもよい。特に、ハウジングが1つのみのヨークを超える複数のヨークを備える場合、これらの組み合わせも可能であり、好適である。
【0021】
さらに、駆動ユニットの第1固有振動数が、電気モータの第1回転時数を上回るよう、駆動ユニットを設計することが好適である。つまり、モータ回転数が20,000rpmの場合、駆動ユニットの固有振動数は、約470Hzを上回る必要があるであろう。これは、高速回転する電気自動車駆動装置を試験するために、特に適していると証明されている。
【0022】
本発明による電気モータによって、好適には、いわゆる能動試験といわゆる受動試験の双方が同様に可能である。能動試験との用語は、電気駆動モータありの電気自動車駆動装置の試験と理解される。受動試験との用語は、電気駆動モータ無しの電気自動車駆動装置の試験と理解される。そのため、対応するドライブトレイン試験台は、変速機を試験するためにも又は電気自動車駆動装置の支承部を試験するためにも、また電気自動車駆動装置の電気駆動装置を試験するためにも、同様に適している。
【0023】
これは、電気モータの設計に応じて、好適には、空冷式若しくは水冷式が可能であり、又は空冷式と水冷式の組み合わせが可能である。
【0024】
本発明の好適な実施形態によれば、少なくとも1つのヨークは、ハウジングとワンピースで形成されている。これにより、少なくとも1つのヨークの電気モータのハウジングとの接続を、特に堅固に形成することができる、という利点が発生する。これによって、振動減衰が更に改善され、それに伴って試験精度の更なる改善が促進される。
【0025】
本発明の代替的に好適な実施形態によれば、少なくとも1つのヨークは、ハウジングとねじ留め又は溶接されている。これは、ワンピースのハウジング設計の代替案であり、ねじ留め又は溶接が専門的に実施されれば、一体な形成とほぼ同一の剛性になる。しかしながら、同時に、電気モータのハウジングのための製造費用が低減される。
【0026】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、少なくとも1つのヨークは、横ヨークとして、リングヨークとして、又は枠ヨークとして形成されている。これらの実施形態は、同様に、適していると証明されており、それぞれが、電気モータを駆動ユニットへと堅固に連結可能である。
【0027】
特に好適には、ハウジングは、例えば横ヨーク及び枠ヨークなど、複数の異なる実施形態のヨークを備える。
【0028】
この場合、横ヨークとは、そのヨークアームが、電気モータから径方向側方に延在するヨーク、と理解される。
【0029】
リングヨークとは、各側のヨークアームがそれらのヨーク端部で長手方向接続材によって相互接続されている、延長された横ヨーク、と理解される。長手方向接続材及びヨークアームは、好適にはワンピースで形成されている。これにより、駆動ユニットの剛性が更に改善される。
【0030】
横ヨークとして又はリングヨークとしてヨークを形成する際には、モータを、好適にはヨークアームのヨーク端部を介して、駆動ユニットの下部構造上で支持する。
【0031】
枠ヨークとは、そのヨークアームがヨーク枠と合体し、電気モータを径方向で完全に包囲するヨーク、と理解される。
【0032】
電気モータを、ヨーク枠を介して、直接に基礎上で支持可能であるため、枠ヨークを使用することによって、それに対応して、駆動ユニットの下部構造を単純化することが可能である。特に好適には、下部構造を完全に省略することさえ可能である。
【0033】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、少なくとも1つのヨークは、追加の長手方向補強材を備える。この追加の長手方向補強材は、好適には長手方向支柱として形成されている。更に好適には、これは、ヨークアームとワンピースで形成されているのではなく、各側のヨークアームをそれらのヨーク端部で相互接続するために、後で加えられている。これによっても、駆動ユニットの剛性が追加的に高まる。好適には、追加の長手方向補強材は、ねじ留め又は溶接を用いてヨークアームと接続されている。
【0034】
有利には、複数の追加の長手方向補強材を各側に備えることができる。これら複数の追加の長手方向補強材を相互に、平行して又は所定の角度で配置することができる。特に好適には、追加の長手方向補強材は、ヨークアームに対して直行するよう配置されている。
【0035】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、少なくとも1つのヨークは、電気モータの少なくとも1つの支承部のための流体支承部冷却構造を備える。流体は、例えば空気である気体、又は、例えば水、若しくは油である液体とすることができる。そのため、支承部を簡単に冷却することができる。
【0036】
少なくとも1つのヨークは、好適には中実で金属から構成されている。そのため、流体を供給し、再びそれを排出するために、流体支承部冷却構造に適した流路を、少なくとも1つのヨークに穿孔することができる。
【0037】
特に、流体支承部冷却構造用の流路に関連して、3D印刷方法を用いて少なくとも1つのヨークを製造することが、特に有利であると証明されている。つまりこの場合、特に簡単に、ヨークを製造する際に、直接に流路を製造することができる。
【0038】
代替的に、好適には、少なくとも1つのヨークを、鋳造、鍛造、又はプレスし、流体支承部冷却構造用の流路を孔として実施することも可能である。
【0039】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、ハウジングは、270mm未満のラジアル直径を備える。これにより、電気モータの下及び横に可及的に大きくフリースペースを確保するために、電気モータが比較的細く形成される、という利点が発生する。
【0040】
これは特に、追加の偏向機構の無い軸平行型の、電気自動車駆動装置の試験に有利である。軸平行型の電気自動車駆動装置の場合、出力軸は、電気駆動装置の外側、すなわち電気駆動装置のモータシャフトに対して軸平行に配置されている。
【0041】
本発明の更なる好適な実施形態によれば、電気モータは、25000rpmを超える回転数に達するよう設計されている。このような回転数は、電気自動車駆動装置の作動時に、その電気駆動装置によって、つまりその電気モータによって発生する回転数に対応する。そのため、電気自動車駆動装置の実際的な試験が可能になる。
【0042】
以下に、図示の実施形態を参照して、本発明を例示的に詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】電気モータの例示的な概略図である。
図2図1の電気モータの斜視図である。
図3図1の電気モータの斜視図の部分図である。
図4】例示的な駆動ユニットの図である。
図5】例示的な、電気モータの更なる可能な実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
同一の対象、機能性ユニット、及び同等の部品は、図面全体に亘って同一の符号を付される。下記において、明示的又は示唆的に異なって記載されていない限り、これらの対象、機能性ユニット、及び同等の部品は、それらの技術的特徴に関して同一に実施されている。
【0045】
図1は、ドライブトレイン試験台の(図1には示さない)駆動ユニット2用の電気モータ1を、例示的かつ概略的に示す。電気モータ1はハウジング3を備える。ハウジング3は電気モータ1を支持するヨーク4を備える。ヨーク4は、電気モータ1から径方向側方に延在するヨークアーム4’を備える。この例によれば、ヨーク4は、ハウジング3とワンピースで形成されている。その結果、対応する駆動ユニット2において、特に高い剛性及び良好な振動減衰が得られる。電気モータ1又はハウジング3を図示のように形成することによって、電気モータ1の下及び横に、例えば試験対象である電気自動車駆動装置の出力軸が電気モータ1を通過するために、十分なフリースペース5が残る。図1に示す電気モータ1は、更に、外部のエネルギー源に接続可能であり電気モータ1に電力を供給する、電力接続部6を備える。この例によれば、電気モータ1は、260mmの直径を有し、25000rpmまでの回転数に達するように設計されている。
【0046】
図2は、図1の電気モータを斜視図で示す。図2に見られるように、ハウジング3は、前ヨーク4及び後ヨーク4を備える。これらのヨークアーム4’は、それぞれ電気モータ1から径方向側方に延在する。前ヨーク4及び後ヨーク4が、軸方向で相互に離間しており、それぞれ電気モータ1の支承部の領域に配置されている。これによって、支承部の効率的な冷却が促進される。
【0047】
図3は、図1に示す電気モータ1の斜視図の部分図を示す。しかしながら、ヨークアーム4’は、長手方向支柱7として形成された追加の長手方向補強材7によって、ヨークアーム4’のヨーク端部で、相互接続されている。この例によれば、追加の長手方向補強材7は、ねじ接続を用いてヨークアーム4’と接続されている。これにより、剛性が更に高まり、振動減衰が更に改善される。
【0048】
図4は、例示的に、図1に示す電気モータ1を備える駆動ユニット2を示す。電気モータ1は、前ヨーク4及び後ヨーク4、又はヨークアーム4’のヨーク端部を介して、駆動ユニット2の下部構造8上に、水平に支持されている。そのため、図4に例示的に示す駆動ユニット2は、つまり、電気モータ1及び下部構造8を備える。下部構造は、この例によれば、振動減衰に極めて良好に適するハイドロポール(Hydropol)という材料製である。
【0049】
図5は、例示的な、電気モータ1の更なる可能な実施形態を示す。ハウジング3は、この場合、枠ヨーク4として形成されたヨーク4を備える。図示の枠ヨーク4では、ヨークアーム4’がヨーク枠4”と合体する。そのため、電気モータ1は、径方向で完全に包囲されている。ヨーク枠4”内部には、この場合、例えば試験対象である電気自動車駆動装置の出力軸が電気モータ1を通過するために、十分なフリースペース5が存在する。
【符号の説明】
【0050】
1 電気モータ
2 駆動ユニット
3 ハウジング
4 ヨーク
4’ ヨークアーム
4” ヨーク枠
5 フリースペース
6 電力接続部
7 長手方向補強材、長手方向支柱
8 下部構造
図1
図2
図3
図4
図5