(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】咳のための組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 36/73 20060101AFI20220614BHJP
A61K 36/68 20060101ALI20220614BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20220614BHJP
A61K 36/899 20060101ALI20220614BHJP
A61K 35/644 20150101ALI20220614BHJP
A61P 11/14 20060101ALI20220614BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220614BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220614BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20220614BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20220614BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20220614BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
A61K36/73
A61K36/68
A61K36/185
A61K36/899
A61K35/644
A61P11/14
A61P43/00 121
A61K9/08
A61K9/10
A61K9/14
A61K9/19
A61K9/20
(21)【出願番号】P 2019542721
(86)(22)【出願日】2018-02-12
(86)【国際出願番号】 IB2018050837
(87)【国際公開番号】W WO2018150309
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】102017000016964
(32)【優先日】2017-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515126341
【氏名又は名称】アボカ エッセ.ピ.ア.ソシエタ アグリコラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メルカティ、ヴァレンティノ
(72)【発明者】
【氏名】ポレンザーニ、パオロ
(72)【発明者】
【氏名】マットリ、ルイーザ
【審査官】吉川 阿佳里
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/003472(WO,A2)
【文献】中国特許出願公開第105497223(CN,A)
【文献】特開2004-269513(JP,A)
【文献】特表2016-515594(JP,A)
【文献】特開昭60-174728(JP,A)
【文献】特開平04-053495(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104873524(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00-36/9068
A61K 35/00-35/768
A61P 1/00-43/00
A61K 9/00-9/72
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
咳の治療に使用するための組成物であって、オオバコの1種または複数種の多糖類画分
であって、オオバコの抽出物である多糖類画分、ウスベニタチアオイの1種または複数種の多糖類画分
であって、ウスベニタチアオイの抽出物である多糖類画分、タンニンを含む1種または複数種のキンミズヒキのポリフェノール画分
であって、キンミズヒキの抽出物であるポリフェノール画分、ブラウンシュガー、ハチミツ、ならびに1種または複数種の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含
み、
前記のタンニンを含む1種または複数種のキンミズヒキのポリフェノール画分が、3%以上の重量パーセントでポリフェノールを含む、咳の治療に使用するための組成物。
【請求項2】
オオバコの前記1種または複数種の多糖類画分が、3%以上の重量パーセントで20000ダルトンを超える分子量を有する多糖類を含む、請求項1に記載の使用のための組成物。
【請求項3】
ウスベニタチアオイの前記1種または複数種の多糖類画分が、5%以上の重量パーセントで20000ダルトンを超える分子量を有する多糖類を含む、請求項1または2に記載の使用のための組成物。
【請求項4】
前記賦形剤が、天然香味料、防腐剤、増粘剤から選択される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項5】
前記1種または複数種の天然香味料、防腐剤、増粘剤が、レモンジュース、ブラックベリージュース、天然オレンジフレーバー、天然レモンフレーバー、天然ギンバイカフレーバー、キサンタンガムから選択される、
請求項4に記載の使用のための組成物。
【請求項6】
前記抽出物が、凍結乾燥形態または噴霧乾燥形態である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項7】
錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤、硬質ゼラチン、軟質ゼラチン、懸濁剤、噴霧剤、乳剤、溶液剤の形態である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項8】
非希釈または最大1:5まで希釈した場合に、85%~50%のレクチン結合阻害で測定される粘膜付着の割合を特徴とする、
請求項1~7のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項9】
前記治療が、乾性咳、湿性咳、URTI(上気道感染症)に伴う咳、後鼻漏からの咳嗽の治療である、
請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項10】
オオバコの多糖類画分(1種または複数種)
であって、オオバコの抽出物である多糖類画分、ウスベニタチアオイの多糖類画分(1種または複数種)
であって、ウスベニタチアオイの抽出物である多糖類画分、タンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分(1種または複数種)
であって、キンミズヒキの抽出物であるポリフェノール画分が、ハチミツ、ブラウンシュガー、ならびに1種または複数種の薬学的に許容される担体および賦形剤と混合される、オオバコの多糖類画分(1種または複数種)、ウスベニタチアオイの多糖類画分(1種または複数種)、タンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分(1種または複数種)、ブラウンシュガー、ハチミツ、ならびに1種または複数種の薬学的に許容される担体および賦形剤からな
り、前記のタンニンを含む1種または複数種のキンミズヒキのポリフェノール画分が、3%以上の重量パーセントでポリフェノールを含む組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オオバコの1種または複数の多糖類画分、ウスベニタチアオイの1種または複数の多糖類画分、ハチミツ、ブラウンシュガー、タンニンを含むキンミズヒキの1種または複数のポリフェノール画分を含む、咳の治療に使用するための新規組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
古典的な薬理学的療法は、本質的に、化学的および薬理学的機序による咳抑制に基づいている。その作用機序に基づいて、抗咳薬は、3つのカテゴリーに分類することができる:
・粘液溶解薬:粘液タンパク質複合体および核酸の解重合の機序により粘液流動性を高める。
・去痰薬:気管支分泌物を増やし、間接的に粘液の粘性を下げる
・鎮静剤:咳中枢を阻害し、症状を取り除く。
【0003】
抗咳薬の限界は、その作用の特異性とその副作用にあり:粘液溶解薬は、湿性咳でしか作用せず;鎮静剤は、乾性咳でのみ示され、その生理作用を妨げ;去痰薬にはほとんど合理的な作用機序がないため、実際には処方されていない。
【0004】
さらに、抗咳薬は、小児年齢ではほとんど適切ではなく:実際、粘液溶解薬と中枢性鎮静剤は、2歳未満で禁忌である。
【0005】
したがって、効果的で、安定かつ、例えばコルチゾン系薬物または抗生物質などの薬物を含まない非刺激性組成物による咳の治療は、当業者の明らかな関心事であり、そのような形式の薬物の過剰投与による禁忌なしで使用でき、小児科での使用にも適している。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明は、その生理病理学的機序の機械的-物理的作用に局所的に介入するように、その成分が、相乗的に相互作用することができ、粘膜保護の粘膜付着効果と一緒になって、強力な抗酸化効果を有する、咳の治療用製剤に関する。
【0007】
本発明の製剤は、主に機械的作用を伴って作用することができ:
I.炎症(咳を誘発する因子である)に対して、保護層の形成を通じて行われる間接的な作用により、一方では外部刺激剤とのさらなる接触を妨げ、粘膜の水和を維持し、他方では、抗酸化物質の介入により、感染によって生成されるフリーラジカルの有害な作用が緩和され;
II.粘液に対し、水を引きつける親水性物質による水和により、粘液をより流動性にし、生理的クリアランス機序により容易に除去することができる。
【0008】
したがって、咳症状は、その生理学的役割を無効にすることなく緩和することができ、粘液および粘膜の正常な状態の回復が促進される。
【0009】
本発明の著者は、経時的に安定な鎮咳製剤において一般的に使用されるビタミンC用量に匹敵する抗酸化特性と共に、粘膜に対する良好な粘膜付着性およびバリア効果特性を有し、したがって、アスコルビン酸安定化に一般的に使用される安定剤の存在を必要としない、組成物を製造した。
【0010】
著者らは、実際、キンミズヒキ(キンミズヒキ属)に代表される単一成分が、製剤の強力な粘膜付着性、および抗酸化特性、例えばビタミンCの抗酸化特性に匹敵する抗酸化特性の両方について説明可能であるが、前記のビタミンよりもはるかに安定である組成物を製造した。
【0011】
事実、水性生成物中のアスコルビン酸の急速な分解は、現在までに、これを含有する生成物の製剤における高度に関連した要因であることが知られている。アスコルビン酸酸化は、アルカリ環境下で急速に起こることも知られている。アスコルビン酸分解は、好気的および嫌気的の両方で起こり、酸素、温度、光、pHおよび貯蔵条件などの多くの要因に依存する。
【0012】
本発明の組成物の主題は、代わりに、優れた粘膜付着性およびバリア効果の能力を示し、経時的に優れた安定性と共に、一般的に使用されるビタミンCの用量によって発揮されるものに匹敵する抗酸化活性を示した。実際、本発明の組成物は、流体形態であっても、分析したサンプルを40℃および相対湿度75%の極端な条件下に維持するとき、安定であることが証明された。得られたデータを、実施例のセクションの安定性アッセイにおいて報告する。
【0013】
文献から予想されるように、および本発明者らによっても観察されるように、ビタミンCは、同じ流体形態(同じ賦形剤を用いて)では著しく不安定であることが証明された。
【0014】
したがって、本発明は、選択された成分が、優れた経時安定性と共に、バリア効果、粘膜付着性および抗酸化効果を示す、咳の治療のために最適化された組成物を提供する。
【0015】
したがって、本発明は、オオバコの1種または複数の多糖類画分、ウスベニタチアオイの1種または複数の多糖類画分、タンニンを含むキンミズヒキの1種または複数のポリフェノール画分、ブラウンシュガー、ハチミツを含む、咳の治療に使用するための組成物に関する。
【0016】
本発明はまた、オオバコの1種または複数の多糖類画分、ウスベニタチアオイの1種または複数の多糖類画分、タンニンを含むキンミズヒキの1種または複数のポリフェノール画分中で、ハチミツ、ブラウンシュガー、ならびに1種または複数の薬学的に許容される担体および/または賦形剤と混合される上記組成物の調製方法に関する。
【0017】
用語集
本発明の目的のために、「オオバコ」とは、ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)を意味し、「キンミズヒキ」とはセイヨウキンミズヒキ(Agrimonia eupatoria)を意味し、「ウスベニタチアオイ」とは、ビロードアオイ(Althaea officinalis)を意味する。
【0018】
先端部分、または開花時の先端部分とは、漢方薬および植物学論文で一般的に使用される用語を意味し、したがって、葉、茎(枝としてであり、植物の主茎としては意味しない)および花、またはこれらの構成要素の少なくとも1つを含む植物の空中端を意味する。
【0019】
ウスベニタチアオイおよびオオバコの多糖類画分とは、多糖類を含む、好ましくは水性アルコールまたは水性画分であるウスベニタチアオイの根の抽出物画分、および水性アルコールまたは水性画分であるオオバコの葉の抽出物画分を意味する。
【0020】
タンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分とは、ポリフェノール類、特にタンニンのポリフェノールサブクラスを含む、好ましくは水性アルコールまたは水性画分であるキンミズヒキの先端部分または開花時の先端部分の抽出物画分を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1では、以下の詳細な説明および例に示されるように、膜糖タンパク質とのレクチン結合を阻害することによって細胞に付着する生成物の能力の評価によって測定される、ヒト口腔細胞に対する種々の希釈における、静的条件下での生成物の粘膜付着率が報告される。
図1は、以下の希釈を伴うシロップの形態での本発明による製剤についてのこのような割合を示す:非希釈、1:2希釈および1:5希釈。
【
図2】
図2では、動的条件下での粘膜付着性層の抵抗性、すなわち、経時的に粘膜に付着したままである製品能力を評価することが、詳細な説明および以下の例に示されるように、フランツセル上の人工唾液の2ml/分の流れに系を曝露させることによって報告される。
図2は、模擬唾液溶液(0.9%NaCl生理溶液)に対して、異なる時間、0.5時間、1時間および2時間で1:2に希釈されたシロップの形態の生成物を用いて得られた粘膜付着性層の抵抗を示す。
【
図3】
図3は、シロップ中の生成物によって発揮されるバリア効果の評価を示しており、これは、炎症剤(LPS)傷害から細胞を保護することができる保護フィルムを形成する。
【
図4】
図4は、
図3に関して実施されたバリアアッセイと同じ工程であるが、細胞のストレスの順序を逆にし、すなわち最初にLPSで細胞を刺激し、続いてそれらをサンプル(本発明の組成物および陽性対照)に曝露することにより得られたデータを示し、得られたデータは、本発明の組成物の抗炎症活性がバリア効果に起因すること、およびそれは直接抗炎症活性でないことを示している。
【
図5】
図5(および
図6)は、経時的にフリーラジカルの生成を表すグラフとしてそれぞれ表された結果、ならびに組成物の様々な濃度の経時的なスカベンジャー(捕捉剤)作用を表すヒストグラムを示す。実験を、1グラムの本発明の組成物に対して実施し、生理食塩水中で10mlの最終容量にし、0.5mg/mlの最大濃度および0.03mg/mlの最低濃度の組成物でアッセイした。
【
図6】(
図5および)
図6は、経時的にフリーラジカルの生成を表すグラフとしてそれぞれ表された結果、ならびに組成物の様々な濃度の経時的なスカベンジャー作用(捕捉剤)を表すヒストグラムを示す。実験を、1グラムの本発明の組成物に対して実施し、生理食塩水中で10mlの最終容量にし、0.5mg/mlの最大濃度および0.03mg/mlの最低濃度の組成物でアッセイした。
【発明を実施するための形態】
【0022】
咳は、反射または自発的作用として起こり得る突然の呼気操縦であり、存在するあらゆる物質から気道を解放することを目的としており(去痰)、それによって呼吸器系の生理学的機能に不可欠な役割を果たす。
【0023】
しかし、気道を防御するためのこの系は、気道内に蓄積し、咳刺激の付随原因となる分泌物および粘液の過剰な産生を引き起こす刺激性の刺激(感染性物質、刺激性物質)の反復により、時間の経過と共に病的状態となる。
【0024】
気道を裏打ちする粘膜は、外部環境と組織の間の機能的バリアの保護的役割を果たし:
a)実際の物理的バリアを表し、下にある組織を外部と接触させることから保護し;
b)繊毛細胞が存在することにより、同調した一方向の動きで、粘液が閉じ込めた異物を食道に向けて押し出し;
c)分泌物および粘液を生成し;
d)免疫学的機能を実施し、ウイルスの存在下で、抗ウイルス応答において重要な一連の有効な防御機構を実行する。
【0025】
粘膜の保護機能の一部は、粘膜を覆っている粘液によって行われ、粘液は、杯細胞によって産生される粘着性粘弾性ゲルであり、その主な巨大分子は糖タンパク質である。
【0026】
正常条件下では、保護的役割を有する粘液は、感染または他のタイプの刺激の場合には、それ自体咳の原因となることを考慮すべきであり:実際には、過剰産生およびそのより高い粘度が明らかにされる。
【0027】
耳および咽喉の炎症を引き起こす感染性および/または刺激性の事象から始まる主な機序は、以下のように記載することができ:
1.喉頭および気管の直接的関与であって、その近接性ならびに口、咽頭および鼻との密接な連通関係に起因し;
2.血流を介して感染部位で産生された炎症メディエーターの下部気道への輸送であって、そこでそれらが炎症応答を開始し;モルモットおよびヒトに関する研究は、鼻または食道からの求心性である化学タイプの感覚刺激が、中枢神経経路の咳に対する感受性を増大させ、気道、鼻および食道の炎症性疾患を伴う「高咳性」状態に寄与し得ることを実証した。
3.後鼻漏では、しばしば鼻咽頭から放出することが困難な粘性フィラメントの形態で粘液の連続的存在が生じ、咽頭に沿って下降することによって咽頭を刺激する。この刺激は、気管および食道の神経と筋肉との間の協調の喪失を引き起こし、その結果、過剰な分泌物の一部が喉頭に流れ込み、その機械的刺激を引き起こし、それは小児において非常に頻繁に、持続的で、連続的かつ刺激性の咳につながる。
【0028】
咳の機序における重要な役割は、食道レベルで局在する様々なタイプの受容体によって行われ、その刺激は様々な機序によって咳を誘発する可能性がある:
・感染性事象の場合には、多量の粘性粘液の嚥下を繰り返し試みることによる緊張機械受容器の刺激;
・下咽頭と食道の間に停滞している粘液フィラメントによって引き起こされる軽い圧力刺激に敏感な粘膜受容体の刺激;
・局所的に産生され、粘液によって他の部位に運ばれる炎症メディエーターによる侵害受容器の刺激(同様の刺激機序は、モルモットにおいて、酸性化学的刺激を用いても示されている)
【0029】
気道粘膜を保護するための生理学的機序および咳の発病過程の両方が、実際には機械的機序(一方では粘液および無傷粘膜、他方で粘液過剰産生および機械的刺激)に基づくという事実に基づいて、本発明者らは、粘膜保護の作用を介入することが、実際に有効な唯一のアプローチであり得ると考えた。本発明者らはさらに、高い抗酸化作用と共に、高い粘膜付着性能、刺激剤に対する効果的なバリア効果を有するであろう、天然起源の物質に基づいて、経時的に安定な製剤を探し出して選び出した。
【0030】
これは、その複合性において活性である、すなわちその成分群が、その生理病理学的機序に対する機械的-物理的効果に局所的に介入し、同時に、フリーラジカルからの効果的な保護を可能にする抗酸化効果を提供するように、相乗的に相互作用できる製剤の開発を必要とした。
【0031】
このような目的を考慮すると、組成物は、1種または複数の薬学的に許容される担体および/または賦形剤と共に、オオバコの1種または複数の多糖類画分、ウスベニタチアオイの1種または複数の多糖類画分、タンニンを含むキンミズヒキの1種または複数のポリフェノール画分、ブラウンシュガーおよびハチミツを含み、咳の治療に使用するために製造された。
【0032】
上記のように、植物xまたはyの多糖類画分、あるいはタンニンを含む植物zのポリフェノール画分とは、示された化合物のクラスを含み、植物の目的の部分に一般的に存在する他のクラスの化合物を含まない上記植物の抽出物画分を意味する。特に、前述の画分は、水性アルコール抽出法または水性抽出法によって製造することができる。これらの画分は、水性アルコールまたは水性抽出物、乾燥抽出物、噴霧乾燥技術(凍結乾燥とは異なる)により乾燥された抽出物、軟質抽出物またはそれらの混合物の形態であり得る。
【0033】
本発明による凍結乾燥抽出物または噴霧乾燥技術によって乾燥された抽出物は、凍結乾燥または乾燥された水性アルコールまたは水性抽出物であり得る。
【0034】
本発明によれば、前述の画分は、特徴的マーカーの含有量について標準化されることが好ましい。
【0035】
一実施形態では、オオバコの多糖類画分は、3%以上の重量パーセントで20000ダルトンを超える分子量を有する多糖類を含む画分(または1セットの画分)である。3%以上の重量パーセントは、例えば、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%。さらなる実施形態によれば、ウスベニタチアオイの多糖類画分は、5%以上の重量パーセントで20000ダルトンを超える分子量を有する多糖類を含む画分(または1セットの画分)である。5%以上の重量パーセントは、例えば、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%。
【0036】
一実施形態によれば、ウスベニタチアオイの多糖類画分は、上記植物から抽出された粘液性画分である。
【0037】
さらに別の実施形態によれば、キンミズヒキのポリフェノール画分は、3%以上の重量パーセントでポリフェノール類を含む、タンニンを含むポリフェノール画分(または1セットの画分)(すなわち、ポリフェノール類を含む)である。3%以上の重量パーセントは、例えば、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%。
【0038】
好ましい一実施形態では、組成物は、3%以上の重量%で20000ダルトンを超える分子量を有する多糖類を含むオオバコの多糖類画分と;5%以上の重量パーセントで20000ダルトンを超える分子量を有する多糖類を含むウスベニタチアオイの多糖類画分と;3%以上の重量パーセントでポリフェノール類を含む、タンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分とを含む。
【0039】
オオバコおよびウスベニタチアオイの場合、多糖類抽出にはアルコールまたは水の割合が低い溶液が通常使用され、貯蔵に適した特性を画分に付与するためにそのような乾燥技術が最良であるので、凍結乾燥抽出物または噴霧乾燥により乾燥された抽出物が好ましい。そのようなタイプの画分の調製は、周知の方法を用いて行うことができ、したがって、本発明を実施する当業者にとっては、本発明を実施するためのさらなる指示書は必要とされない。しかし、例のセクションには、本発明の組成物に適した画分の調製について、本発明を限定するものではないが、好適な方法が報告されている。
【0040】
本発明による組成物は、成人、老人、妊婦、十代および小児年齢の患者における使用に適している。抽出物の調製は、既に述べたように、当業者に公知の任意の技術に従って実施することができ、特定の実施形態では、上記抽出物は凍結乾燥抽出物であってもよい。
【0041】
ハチミツは、ビーハニー、ハニーデューハニー、またはそれらの混合物であってもよく、凍結乾燥形態または任意の形態で使用することもできる。
【0042】
次いで、製剤は、天然または合成起源の増粘剤、香味料および防腐剤(保存剤)などの製剤あるいは当業者が技術水準に従って選択することができる他の技術的補助剤を含むことができる。単なる例として、ジュース(レモンジュース)または他の果実フレーバー(例えば、天然オレンジフレーバー、天然レモンフレーバー、天然ピーチフレーバー、天然ギンバイカフレーバー、天然ブラックベリーフレーバーなど)、増粘剤(キサンタンガム、アラビアガムなど)を選択できる。
【0043】
したがって、上記組成物は、オオバコの1種または複数の多糖類画分、ウスベニタチアオイの1種または複数の多糖類画分、タンニンを含むキンミズヒキの1種または複数のポリフェノール画分、ブラウンシュガー、ハチミツ、および適切な賦形剤、フレーバー、防腐剤からなり得る。
【0044】
本発明の好ましい一実施形態では、組成物に含まれる唯一の有効成分は、オオバコの1種または複数の多糖類画分、ウスベニタチアオイの1種または複数の多糖類画分、タンニンを含むキンミズヒキの1種または複数のポリフェノール画分、ブラウンシュガー、ハチミツで表される。
【0045】
したがって、本発明の組成物はまた、オオバコの1種または複数の多糖類画分、ウスベニタチアオイの1種または複数の多糖類画分、タンニンを含むキンミズヒキの1種または複数のポリフェノール画分、ブラウンシュガー、ハチミツ、ならびに薬学的に許容される担体および/または賦形剤からなる組成物として定義できる。
【0046】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、30~60%w/wのブラウンシュガー;20~50%w/wのハチミツ;0.1~2%w/wのオオバコの多糖類画分;0.1~2%のウスベニタチアオイの多糖類画分;0.1~2%のタンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分、ならびに少なくとも1種の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を、十分量~100%含むことができる。
【0047】
したがって、少なくとも1種の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含む成分の重量部の総和が100であるので、ハチミツの範囲の上端近くの重量パーセントでは、ブラウンシュガーの範囲の下端近くの重量パーセントが対応し、その逆も同様である。
【0048】
上述した範囲では、下端および上端、これらの端部間に含まれるすべての値、ならびにこれらの間隔内にあり、合計が100である成分のすべての可能な重量部の組み合わせが含まれる。
【0049】
以下、本発明による可能な実施形態の非限定的な例を提供する。
【0050】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、30~50%w/wのブラウンシュガー;30~50%w/wのハチミツ;0.1~1%w/wのオオバコの多糖類画分;0.1~1%のウスベニタチアオイの多糖類画分;0.4~2%のタンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分、ならびに全量が100%に達するように(すなわち、「十分量~100%」)、少なくとも1種の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含むことができる。
【0051】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、35~55%w/wのブラウンシュガー;30~50%w/wのハチミツ;0.1~1%w/wのオオバコの多糖類画分;0.1~5%のウスベニタチアオイの多糖類画分;0.2~2%のタンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分、ならびに少なくとも1種の薬学的に許容される担体および/または賦形剤、十分量~100%を含むことができる。
【0052】
さらなる実施形態によれば、本発明の組成物は、40~60%w/wのブラウンシュガー;20~30%w/wのハチミツ;0.1~1%w/wのオオバコの多糖類画分;0.1~5%のウスベニタチアオイの多糖類画分;0.2~2%のタンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分、ならびに少なくとも1種の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を、十分量~100%含むことができる。
【0053】
さらなる実施形態によれば、本発明の組成物は、40~60%w/wのブラウンシュガー;20~30%w/wのハチミツ;0.1~1%w/wのオオバコの多糖類画分;0.1~1.7%のウスベニタチアオイの多糖類画分;0.2~1%のタンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分、ならびに少なくとも1種の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を、十分量~100%含むことができる。
【0054】
さらに別の実施形態によれば、本発明の組成物は、40~60%w/wのブラウンシュガー;20~30%w/wのハチミツ;0.1~1%w/wのオオバコの多糖類画分;0.1~1.6%のウスベニタチアオイの多糖類画分;0.3~1%のタンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分、ならびに少なくとも1種の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を、十分量~100%含むことができる。
【0055】
さらに別の実施形態によれば、本発明の組成物は、40~60%w/wのブラウンシュガー;20~30%w/wのハチミツ;0.2~1%w/wのオオバコの多糖類画分;0.1~1.6%のウスベニタチアオイの多糖類画分;0.3~1%のタンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分、ならびに少なくとも1種の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を、十分量~100%含むことができる。
【0056】
本発明のすべての実施形態において、上記の化合物のクラス群が、好ましくは本明細書中に示される濃度で存在する限り、用語「多糖類画分」はまた、1セットの画分を含み、用語「ポリフェノール画分」はまた、1セットの画分を含む。
【0057】
したがって、本発明の組成物は、全体的な粘液流動化効果および上気道によって表される適用部位のレベルで粘膜を保護する効果を発揮するような化学物理的特性を有する1セットの機能性物質を含む。
【0058】
本明細書に報告されている実験から明らかなように、本発明による組成物は、培養液中の頬側粘膜の細胞に付着し、膜タンパク質とのレクチン結合を阻害する、非希釈または1:5希釈の生成物の能力を評価することにより測定された際、85~50%の粘膜付着の割合を有する。上記能力は、頬側粘膜の細胞をアッセイする物質(この場合は本発明の組成物)で処理し、次いでビオチン化レクチンで処理し、適切な系(例えばストレプトアビジンペルオキシダーゼ-o-フェニルアラニン)を用いて上記細胞に結合したレクチンを検出し、目的の組成物で処理されていない細胞である対照中の結合レクチンの量に対して、目的の組成物で処理されたサンプル中の結合レクチンの量を比較することによって測定される。
【0059】
使用した方法のスキームを以下に報告する:
【0060】
粘膜付着の程度は、例えば、粘膜付着性生成物が関与する場合、レクチンが関与しない糖タンパク質上の部位を定量することを可能にする比色反応によって測定することができる。比色反応は、以下の図に示される特異的レクチン標識システムによって可能になる:
【0061】
吸収値の減少は、生成物が細胞に付着する能力(「粘膜付着性」)に比例する。粘膜付着性能は、糖タンパク質/レクチン結合の阻害率として表され、そして以下の式に従って生成物によって占められる粘膜部位の割合を表す。
生成物の粘膜付着率=(1-absサンプル/abs対照)×100
【0062】
ここで、absは、λ=450nmで分光光度計で測定された吸光度に対するものである。
【0063】
生成物は、実際の使用において、送達直後に口腔咽頭腔に存在する唾液との混合が起こるという事実を考慮して、希釈後に適用される。
【0064】
本発明によれば、非希釈、または適切な希釈剤を用いた1:5希釈の組成物は、レクチン結合アッセイで測定して、85%~50%の間、好ましくは82~52%の間の粘膜付着率を有し得る(
図1を参照)。
【0065】
85%から50%の間という表現は、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%であることができる任意の整数、および85%未満であり50%を超える上記整数の任意の小数(したがって、84.9%~50.1%)を意味する。
【0066】
これら2つの極値の間に含まれる、上記で測定されたような粘膜付着能力の任意の間隔が本発明の目的である。
【0067】
さらに、本発明の組成物は、実施したアッセイから明らかなように、フランツセル上の人工唾液の2ml/分の流れに系を曝露させることによって、生理食塩水による洗浄に対する粘膜付着の良好な耐性を有する。インサイチュでの唾液流に対する組成物の耐性を模倣するこの処理は、
図2に報告されたデータから明らかなように、本発明の組成物が経時的に持続する高い粘膜付着性を特徴とすることを実証する。
【0068】
さらに、組成物は、上記サイトカインの産生を誘導することができる適切な炎症剤との接触後に、生成物のないポジティブコントロールに対して本発明の生成物の存在下で複数の細胞上で行われる実験において、サイトカインの産生の減少率を計算することによって評価される保護バリア効果を発揮することにおいて、更にまたは代替的に特徴付けられうる。
【0069】
測定系として、任意の公知の炎症剤およびそれによって活性化された対応するサイトカインを使用することができる。可能性のある炎症剤の例は、リポ多糖(LPS)およびIL-6によって表される。
【0070】
バリア効果アッセイは、薄い「絶縁性」層の形成を通して、環境汚染物質(埃、花粉、微生物など)との接触から粘膜および皮膚を保護する最終生成物および/または原料の能力を評価するために使用される生物学的タイプのインビトロアッセイである。
【0071】
このアッセイは、外部攻撃に対する保護フィルムを作成する目的で、皮膚および/または粘膜に適用される生成物によって発揮される作用をインビトロでシミュレートするために開発された。
【0072】
このモデルは、炎症剤と接触した細胞が、炎症の程度に関連した量で細胞外環境において炎症誘発性メディエーター(サイトカイン)を産生および分泌する原理を利用し;特定の範囲内で、炎症剤への曝露の濃度および時間と、放出されるサイトカインの量との間に正比例が存在する。
【0073】
採用された実験モデルは、半透膜(0.4μm孔)によって物理的に分離された2つのチャンバーを提供する。細胞を下部チャンバーに播種し、上部チャンバーは炎症剤を収容し;2つのチャンバーを分離する半透膜上で、分析物中のサンプルの薄膜を層状にして、存在する場合には、炎症剤の自由な通過に対するバリア効果を強調する。
【0074】
半透膜は、下部チャンバー内の炎症剤の通過を可能にし、アッセイされるサンプルが層状化される支持体を構成する。サンプルの「絶縁性」能力に応じて、上部チャンバーから下部チャンバーへのLPS移動の減少が見られる(したがって、サイトカイン産生に対する細胞の刺激はより少ない)。
【0075】
実施されたアッセイは、本発明の組成物によって発揮されるバリア効果が、上記組成物の非存在下で同じ炎症剤の作用を受ける対照細胞に対して、上記組成物の存在下での炎症剤の作用を受けた細胞において、IL-6マーカー産生を約65~75%減少させることを示した。
【0076】
このアッセイは、皮膚および粘膜に適用されて、物質および製剤の保護作用をインビトロでシミュレートするために開発され、外部薬剤に対して「単離」フィルムを形成する。このモデルは、炎症剤と接触した細胞が、炎症の程度に関連した量で細胞外環境において炎症誘発性メディエーター(サイトカイン)を産生および分泌する原理を利用する。このアッセイは、十分に小さい溶質の通過を可能にする半透膜によって物理的に分離された2つのチャンバーの設定を想定している。
【0077】
細胞培養用プレートを含むウェルからなる下部チャンバーでは、細胞を増殖させ(ヒト線維芽細胞-HUDEの初代細胞株)、一方、上部チャンバーはインサート(トランスウェル)からなり、炎症剤LPSを収容する。
【0078】
2つのチャンバーを分離するトランスウェル膜の内面に、検査されるサンプルの薄膜を層状化して、炎症剤が自由に通過したときの任意のバリア効果(BE)を評価する。
【0079】
炎症反応の程度は、下部チャンバーの培養液中に放出されるサイトカイン、特に炎症反応の後期に典型的なインターロイキン6(IL-6)の半定量的用量によって評価される。
【0080】
以下の表に、上述の実験で得られた結果を、
図3で合計したものを報告する。
【表1】
【0081】
この結果から、アッセイされた生成物が存在する実験において産生されたIL-6の濃度が顕著に減少することは明らかである。
【0082】
ネガティブコントロールについて検出された63.28pg/μLに等しいIL-6値は、正常な基底値、すなわち非炎症性状態と同等である。
【0083】
次のグラフは、生成物が細胞に及ぼす保護を明確に示している。
【0084】
データは、以下の式を適用することによって、対照C-と比較して、フォールドオーバー(F.O.)で表される:
フォールドオーバー(C-)=[測定されたIL-6]/[C-IL-6]
【0085】
バリアアッセイおよびポジティブコントロールにおいて測定された平均IL-6値から、IL-6放出減少の割合を計算する。
100-[(IL-6サンプル)/IL-6C+)×100]
【0086】
したがって、式を適用することによって、アッセイされたサンプルの存在下で行われた実験において、IL-6産生の減少の値が得られる。
図3に報告されているように、本発明の組成物を用いてアッセイを実施することによって得られた平均値は、ポジティブコントロールと比較して70.93%であった。
【0087】
結果がアッセイされたサンプルの唯一のバリア効果に依存し、サイトカイン合成への干渉(抗炎症効果)を排除することを検証するために、各サンプルのバリアアッセイ(B.A.)と同時に、上述のバリアアッセイと同じ工程であるが細胞のストレス順序を逆にした内部標準(IC)アッセイ、つまり、細胞を最初にLPSで刺激し、その後、サンプルに曝露したアッセイを実施した。
【0088】
この場合、
図4に報告するグラフによって示されるように、インターロイキン産生は、サンプルの存在によって影響されず、このことは、生成物が直接的な抗炎症活性を有しないことを示している。最後に、細胞生存率アッセイは、実施された操作および実施された処理のいずれもが細胞に対して細胞毒性でないことを示している。
【0089】
報告されていないが、得られた結果は、炎症剤LPSの通過を妨げる保護バリアを形成する錠剤による良好な能力を示す。
【0090】
本発明の著者らは、ブランクに関して、および上記ブランクに可溶化されたビタミンCと比べて、本発明の組成物に対して並行して実施される実験により、種々の希釈での本発明の組成物の抗酸化活性を評価するための実験を行った。
【0091】
したがって、以下に報告されるデータは、本発明の組成物が、どの程度優れた抗酸化活性を有するのか、および上記組成物が、同じ賦形剤中に懸濁されたビタミンCと比べて、どの程度流体形態においても安定性を維持するかを示す。
【0092】
得られたデータは、本発明の組成物が、本発明の組成物において、キンミズヒキのポリフェノール画分の代わりに導入された際に、ビタミンCにより発揮されるものに匹敵するフリーラジカルスカベンジャー作用を有することを示した。
図5および
図6は、経時的にフリーラジカルの生成を表すグラフとしてそれぞれ表された結果、ならびに組成物の様々な濃度の経時的なスカベンジャー作用を表すヒストグラムを示す。実験を、1グラムの本発明の組成物に対して実施し、生理食塩水中で10mlの最終容量にし、0.5mg/mlの最大濃度および0.03mg/mlの最低濃度の組成物でアッセイした。
【0093】
実験は、培養細胞を500μMのH2O2溶液で処理することによって生成したフリーラジカルを中和するために分析されたサンプルの有効性を評価することによって行われた。H2O2誘導酸化ストレスからの保護を、100分の時点で、実験例2で報告されたアッセイで測定したフリーラジカルの生成からの保護の割合で表す。
【0094】
実験のセクションでは、本発明の組成物のスカベンジャー活性を評価するために実施した実験を詳細に報告する。
【0095】
実施された実験は、本発明の組成物が、H2O2誘導フリーラジカル(FR)を中和することができる良好なスカベンジャー作用を有すること:分析された第1の用量(0.5mg/ml)は、それぞれの曝露時間の後、それぞれ39-50-53-53-55および56%のFR形成を減少させること;分析された第2の用量(0.25mg/ml)は、それぞれの曝露時間の後、それぞれ40-50-51-49-48および47%のFR形成を減少させること;第3の用量(0.125mg/ml)は、それぞれの曝露時間の後、それぞれ41-43-42-35-32および30%のFR形成を減少させること;第4の用量(0.0625mg/ml)は、それぞれの曝露時間の後、それぞれ31-32-30-27-25および23%のFR形成を減少させること、ならびに第5の用量(0.0313mg/ml)は、それぞれの曝露時間の後、それぞれ30-26-24-23-22および19%のFR形成を著しく阻害することを示した。
【0096】
アスコルビン酸(0.05mg/ml)は、ストレスへの6回の曝露後に、それぞれ45-57-60-60-63 e 61%のFRを減少させることができるスカベンジャー作用を有し、したがって、試験される組成物の第1の用量に匹敵する値を有する。
【0097】
本発明によれば、組成物は、経口投与用に製造することができ、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、液剤、エリキシル剤、噴霧剤、懸濁剤、乳剤、溶液剤の形態で製造することができる。
【0098】
経口投与のために、組成物は、毎日の単位用量または毎日の単位用量の一部分(例えば、治療を行う医師の判断に従って、2、3、4、5、6またはそれ以上の錠剤、丸剤、顆粒剤または散剤単回用量、シロップ剤、エリキシル剤、噴霧剤または液剤を、1日を通して服用することができる)で作ることができ、例えば、ガム(トラガカントゴム、アラビアゴム)、動物性ゼラチンおよびポリビニルピロリドンなどの結合剤、増粘剤;糖類、多価アルコール(ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、マルトデキストリン、無機塩類(二塩基性リン酸カルシウム、炭酸カルシウム)などの希釈剤;米デンプン、コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、分子量の異なるポリエチレングリコールなどの潤滑剤;コロイドシリカなどの滑剤;例えばタルクなどの付着防止剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤を含む従来の賦形剤を含むことができる。錠剤は、標準的な製薬実務においてよく知られている方法に従ってコーティングすることができる。
【0099】
組成物はまた、懸濁液、乳濁液、経口投与用の溶液として、液体または半液体の形態で製造することができ、任意選択で、それに口当たりの良い味を与える天然香味料を含み得る。
【0100】
粉末または顆粒の形態の組成物は、適切な容器に予め計量し、そのまま摂取するか、水、茶などの適切な液体に再懸濁することのいずれかによって、使用することができる。この場合も同様に、組成物は、それに口当たりの良い味を与える天然香味料を含み得る。
【0101】
明らかに、上記の賦形剤のすべては、薬学的に許容される等級で使用することができる。
【0102】
一実施形態では、上述の実施形態のいずれか1つにおいて、本明細書に記載の組成物は、医薬組成物の形態であってもよく、すなわち医薬品等級の成分を含んでもよく、または医療用食品であるか、あるいは医療用食品もしくは医療機器に導入することができる。
【0103】
本明細書による組成物は、医薬組成物の形態、または医療機器に関する指令93/42/EECに記載されたクラスのうちのいずれか1つによる医療機器の形態(物質の意味をも含み、物体の意味での「機器」のみでない)で製造することができる。
【0104】
シロップ剤の場合には、上述の活性成分および1種または複数の上記薬剤(防腐剤、増粘剤、賦形剤、香味料など)以外も使用することができる。
【0105】
したがって、本発明の特定の実施形態では、組成物は、以下の成分からなるか、または以下の成分を含むことができる:
【表2】
【0106】
ここで、上記表中に列挙される成分は、例えば、以下の割合であり得る。
【表3】
【0107】
本発明はまた、上記組成物の調製方法に関し、上記のようなオオバコ、ウスベニタチアオイおよびキンミズヒキの抽出物は、ハチミツ、ブラウンシュガーおよび1種または複数の天然香味料、防腐剤、増粘剤および場合により薬学的に許容される賦形剤と混合される。
【0108】
最後に、本発明はまた、乾性咳、湿性咳、URTI(上気道感染症)関連咳および後鼻漏からの咳嗽の治療方法に関し、治療上有効な用量の本発明の組成物を、それを必要とする患者に投与することを含み、上記患者は、小児年齢、老人、妊婦であってもよい。
【0109】
製剤例
以下、本出願の限定として理解されるべきではない液体製剤のいくつかの具体例を提供する。
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【0110】
好ましい一実施形態では、上記で報告されたすべての例において、多糖類画分およびポリフェノール画分は、凍結乾燥されるか、または噴霧乾燥される。
【0111】
実験例
以下の実験例は、本発明の組成物に対して行われたアッセイのいくつかを説明することを目的としている。
【0112】
1.粘膜付着アッセイ
粘膜上への保護フィルムの形成に寄与する生成物の粘膜付着性効果は、適切なインビトロモデルによって評価することができる。
【0113】
使用したモデルは、粘膜の治療を目的とする生成物の粘膜付着性を、レクチン-糖タンパク質結合阻害の割合を評価することによって決定できることを示す。粘膜口腔細胞は、最初に、膜の糖タンパク質中に存在するグルコシドおよびマンノシド残基に高い親和性を有するいくつかのマメ科植物(タチナタマメ(Canavalia ensiformis))に含まれるタンパク質であるビオチン化レクチン(Con-A)で処理される。したがって、粘膜の糖タンパク質の部位は、すべてビオチン化レクチン(ビオチン、すなわちビタミンHで処理されたもの)と係合している。ビオチン化レクチンで処理した細胞は、ストレプトアビジンペルオキシダーゼで充填され、ビオチンとストレプトアビジンとの高い親和性のおかげで、タンパク質/グルコース/レクチン/ビオチン/ストレプトアビジンペルオキシダーゼ複合体を形成することを可能にする。
【0114】
この時点で、細胞を洗浄し、タンパク質/グルコース/レクチン/ビオチン/ストレプトアビジンペルオキシダーゼ複合体を定量し、オルト-フェニレンジアミンの酸化反応(比色評価)によって、ペルオキシダーゼ活性を評価する。
【0115】
実際、タンパク質/グルコース/レクチン/ビオチン/ストレプトアビジンペルオキシダーゼ複合体は、酸化反応を触媒するであろう。
【0116】
溶液の黄色/オレンジ色着色の強度(λ=450nmの分光光度計を用いて測定)は、糖タンパク質-レクチン結合の量に比例し、したがって、粘膜付着に利用可能な部位(糖タンパク質)の量に比例する。
【0117】
こうして決定された吸収値が「対照」を構成する。
【0118】
生成物の粘膜付着性を決定する際には、細胞をこの生成物で予め処理する(レクチンで処理する前に30℃で15分間インキュベートする)。
【0119】
検査中の生成物が粘膜付着性物質を含む場合、これらは膜糖タンパク質中に存在するグルコシドおよびマンノシド部位に結合するであろう。
【0120】
次の段階では、ビオチン化レクチン、ストレプトアビジンペルオキシダーゼおよびオルト-フェニレンジアミンを順番に添加することにより、対照と比較して、着色の強度が低くなり、これは、Con-Aとの結合に利用可能なグルコシド部位の一部が、アッセイされる生成物中に存在する粘膜付着性物質によって既に占有されているためである。実際、アッセイされる生成物中に含まれる粘膜付着性物質とグルコシド部位との間の初期結合は、その後のCon-Aとストレプトアビジンペルオキシダーゼ複合体との結合、ならびにそれに続く過酸化水素水の添加後の色の発生を部分的に妨害する。
【0121】
吸収値の減少は、検査中の物質が粘膜細胞に「粘膜付着」する能力に比例する。
【0122】
粘膜付着性能は、糖タンパク質/レクチン結合の阻害率として表され、そして以下の式に従って生成物によって占められる粘膜部位の割合を表す。
生成物の粘膜付着率=(1-absサンプル/abs対照)×100
【0123】
さらに、粘膜付着性能に加えて、粘膜付着性層が接触するようになる唾液溶液の作用に対する粘膜付着性層の抵抗性も評価される。
【0124】
この目的のために、実験の第二段階では、人工唾液溶液の連続流に曝露された後の生成物の粘膜付着性の経時的抵抗(0.5~2時間)を測定する。
【0125】
このアッセイを実施するために、一般的に物質の経皮吸収の評価において、または天然もしくは人工膜を通る他の透過過程の研究のために使用されるフランツセルの系を使用する。
【0126】
実験では、口腔細胞培養物をドナー中に配置し、
図2に報告されるように、2でアッセイに記載されるような生成物の製剤で、異なる希釈濃度(インビボで起こり得る実際の条件に近い、すべての可能性がある希釈)で処理した。次いで、ドナーに、蠕動ポンプによって、人工唾液溶液の連続流(2ml/分)を供給した。
【0127】
ドナーの基部では、受容体との分離ゾーンにおいて、ドナーから受容体への唾液溶液の流出を可能にするセルロースアセテート膜を配置し、ドナー中に粘膜細胞を保持した。
【0128】
試験中の生成物で処理した粘膜細胞を通る唾液の流れを、0.5、1、2時間後に定期的に中断し、ドナーの細胞を粘膜付着性評価のために適切な試験管に移した。
【0129】
得られた結果を考慮すると、良好な抵抗性粘膜付着性を有することが実証された生成物は、口腔の粘膜細胞に対して興味深い保護的役割を果たすことができると述べることが可能である。
【0130】
口腔内におけるシロップの自然な希釈を模倣するために、粘膜付着性アッセイを1:2に希釈した生成物で行い;より完全にするために、1:5に希釈した生成物の粘膜付着性もアッセイした。
【0131】
ヒト口腔細胞に対する非希釈または希釈(1:2および1:5)生成物の粘膜付着率を
図1に報告する。
【0132】
模擬唾液溶液(0.9%NaCl生理溶液)に対して、異なる時間、0.5時間、1時間および2時間で1:2に希釈された生成物を用いて得られた粘膜付着性層の抵抗を
図2に示す。
【0133】
2.スカベンジャータイプ抗酸化活性アッセイ
化学的進行性酸化ストレスに曝露されたヒト細胞に対するサンプルの抗酸化活性の評価。
【0134】
抗酸化作用の評価は、サンプルおよび酸化ストレスに曝露された細胞におけるフリーラジカル形成の定量化から得られる。
【0135】
適用される方法は、蛍光定量プローブ2,7ジクロロフルオレセインアセタート-DCA-の使用に基づいており:このプローブは、細胞内に侵入し、細胞膜タンパク質および巨大分子に結合する。この形態では、上記プローブは、蛍光性ではなく、フリーラジカルによって酸化されたときに蛍光性になるだけである。DCAで前処理された細胞は、サンプルおよび過酸化水素の様々な希釈液に曝露される。20分~100分の定期的な間隔(5回の測定)で、フリーラジカル形成を蛍光光度計(Victor X4 Perkin Elmer)で評価し:スカベンジャー作用は、サンプルおよび過酸化水素に曝露された細胞により生成したフリーラジカルと、過酸化水素単独に曝露された細胞により生成したフリーラジカルとの比較により得られる。
【0136】
例2、4および6による組成物を調製した。
【0137】
0.2%w/wのウスベニタチアオイの多糖類画分、0.35%のオオバコの多糖類画分、0.2%のタンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分、25%のハチミツ(組成物4および6について25%、組成物2については35%)、46.6%のブラウンシュガーおよび薬学的に許容される担体および賦形剤(それぞれの例による)からなる1gの組成物を秤量し、生理食塩水中で10ml(10mg/ml)の最終容量にした。アッセイした溶液は、7を超えるpHを有していた。この母液から出発して、第1の希釈液を、生理食塩水中で0.5mg/mlの濃度で調製し;そこから1:2希釈率を適用することによって、他の4つの希釈液を得た。
【0138】
上記の組成物例に従う他の組成物もまたアッセイし、同様の結果を得た。組成物中で使用された担体および賦形剤の抗酸化活性が存在しないことも確認された。組成物と同時に、ポジティブコントロールおよび内部標準も分析した。
【0139】
ポジティブコントロール:500μMのH2O2溶液に曝露された細胞。
【0140】
内部標準:アスコルビン酸溶液(0.05mg/ml)に曝露された細胞。
【0141】
ネガティブコントロール:接種培地に曝露された細胞。
【0142】
アッセイは、安定化されたヒト角膜実質細胞の単層からなる単純な細胞モデルで実施された(細胞はIZSLERから購入し、いかなるウイルス/細菌汚染および/またはマイコプラズマを含まないことが保証されている)。
【0143】
試薬/溶液の説明および関連する略語:
ウシ胎児血清 FCS
ドデシル硫酸ナトリウム SDS
培養液:グルタミン(2mM)、ペニシリン(2000UI/ml)-ストレプトマイシン(1000UI/ml)-ファンギゾン(2μg/ml)およびウシ胎児血清(10%)などの抗生物質、ヒドロコルチゾン0.5ng/ml、インスリン5μg/ml、上皮増殖因子0.01μg/mlで完成されたダルベッコ高グルコース(D-MEM) DMEM
接種培地:グルタミン(2mM)、ペニシリン(2000UI/ml)-ストレプトマイシン(1000UI/ml)-ファンギゾン(2μg/ml)およびウシ胎児血清(5%)などの抗生物質、ヒドロコルチゾン0.5ng/ml、インスリン5μg/ml、上皮増殖因子0.01μg/mlで完成されたダルベッコ高グルコース(D-MEM) DMEMi
リン酸緩衝液 PBS
ニュートラルレッド希釈標準溶液:0.4%ストック溶液を最小必須培地(MEM)で希釈し、使用直前に紙上で濾過する。使用濃度は0.04%である NRw
ニュートラルレッド抽出液:使用の数分前に調製され、49%蒸留水-50%エタノール-1%氷酢酸からなる ExB
2,7ジクロロフルオレセインジアセタート:4μm DCA
【0144】
用量、投与経路および分析試験
サンプルの5塩基2希釈液:0.5-0.25-0.125-0.0625および0.0313mg/mlの2つの系列(H2O2の存在下および非存在下)を設定した。同じ手順を実施して、生理食塩水中の500μMのH2O2溶液中で同じ5つの希釈液を得た。各希釈液当たり150μl(生理食塩水中およびH2O2中)を、2つの異なるプレート上の4つのウェルに分配した。
【0145】
1日目
細胞播種
培養細胞を増殖培地から酵素的に分離し、電子セルカウンター(Scepter)で計数し;細胞懸濁液を300,000細胞/mlの密度で調製し(接種培地中)、次いで、96ウェルプレートに分配し:1ウェルあたり100μl、1ウェルあたり30,000細胞の播種密度を得た。最後に、プレートを37℃および5%CO2富化湿潤雰囲気で、培養するためにインキュベーター内に戻し、続いて24時間培養した。
【0146】
2日目
DCAプローブへの曝露
接種培地を除去し、細胞をPBSで1回洗浄し、次いでPBSを捨て、150μlのDCA(4μM)を両方のプレートに分配した。次に、プレートを37℃および5%CO2富化雰囲気で、インキュベーターに15分間戻した。
【0147】
DCAインキュベーション期間の終わりに、溶液を除去し、細胞をPBSで1回洗浄し、次いで上述のサンプルおよび対照の希釈液150μlをプレートに分配した。次いで、T0(2枚のプレートに接種した直後)から、20分毎に100分まで(5回の測定)、蛍光光度計を用いてフリーラジカル形成を測定した。測定の終わりに、100分後、両方のプレートの接種物を除去し、そしてニュートラルレッド取り込み活力アッセイを実施した。
【0148】
細胞を、5%CO2富化雰囲気のインキュベーター内で、37℃で3時間、150μlのNRwと接触させた。ニュートラルレッド(NR)は細胞に浸透し、リソソームに保存される。膜の機能性を損なわずに維持している生細胞のみが、NRを保持することができる。したがって、生細胞の数が多いほど、細胞内に貯蔵されているNRの量も多くなる。3時間のインキュベーションの終わりに、プレートを回収し、NR溶液を除去し、そして細胞を150μlのPBSで洗浄し、過剰のNRを除去した。次いで、各ウェルに150μlのExBを適用することにより、リソソーム中に蓄積されたニュートラルレッドの抽出を行った。抽出段階は、室温で撹拌しながら15分間にわたって延長した。したがって、存在する生細胞の数に比例した強度(570±30nmでの分光光度的読取りにより測定される)を有する赤色流体が得られる。
【0149】
放出された蛍光の強度および96ウェルプレート中で抽出されたニュートラルレッドの強度を、Victor X4(Perkin Elmer)プレートリーダーを用いて540nmでの蛍光定量的読取りおよび分光光度的読取りによって測定した。
【0150】
結果の評価および計算
生存率の検出
生存%=[(O.D.サンプル±H2O2/O.D.対照Pos/Neg)x100]
生存抑制%=(100-生存%)
O.D.:光学密度
O.D.サンプル±H2O2:H2O2有りおよび無しでサンプルに曝露された細胞から得られた光学密度平均
O.D.ポジティブ/ネガティブコントロール:H2O2溶液または生理食塩水(100%生存)単独に曝露された細胞から得られた光学密度中央値
【0151】
スカベンジャー抗酸化活性の評価
F.U.:蛍光単位
F.U.ポジティブコントロール:H2O2溶液に曝露された細胞から放出されるF.U.の平均(フリーラジカルの最大生成量)
F.U.ネガティブコントロール:酸化ストレスに曝露されていない細胞から放出されるF.U.の平均
【0152】
各曝露時間間隔(T0-T1-T2-T3-T4-T5)において、以下のことを行った:
1)標準化
サンプルに曝露された細胞から放出されるF.U.と酸化ストレスのないビタミンCに曝露された細胞から放出されるF.U.との平均は、サンプルに曝露された細胞から放出されるF.U.の平均から、ビタミンCおよび酸化ストレスに曝露された細胞から放出されるF.U.の平均が引かれる。言い換えれば、ストレスを受けていないプレートから放出される蛍光の平均値は、ストレスを受けたプレートから放出される蛍光の平均値から差し引かれた。
【0153】
2)フリーラジカル減少割合の計算:
FR阻害%=
[100-(F.U.サンプルpos-F.U.サンプルneg)/(U.F.対照pos-U.F.対照neg)*100]
F.U.サンプルpos:サンプルおよび酸化ストレスに曝露された細胞
F.U.サンプルneg:サンプル単独に曝された細胞
F.U.対照pos:酸化ストレス単独に曝された細胞
F.U.対照neg:酸化ストレスなしで生理食塩水に曝された細胞
【0154】
合否基準の検討
サンプル-ポジティブコントロールおよびネガティブコントロール:変動係数は20%未満でなければならない。
変動係数
VC=((sd/OD平均)×100)
p値(タイプ2両側t検定)は、0.05%未満でなければならない。
【0155】
以下の表は、フリーラジカル生成に関するデータを報告する。データは、
図5に報告、処理されている。
【表10】
【0156】
表に報告されたデータは、0.5mg/mlおよび0.25mg/ml希釈で、本発明の組成物を用いて得られた値が、ビタミンCを用いて得られた値に匹敵することを示している。
【0157】
次いで、得られたデータは、分析された物質によって発揮されるフリーラジカルからの保護の%に関して処理された。
【0158】
以下の表は、得られた結果に関するデータを報告する。下の表に報告されているものは、
図6でグラフで処理されたものである。
【表11】
【0159】
表に報告されたデータは、0.5mg/mlおよび0.25mg/ml希釈で、本発明の組成物を用いて得られた値が、ビタミンCを用いて得られた値に匹敵することを示している。
【0160】
以下の表は、得られた結果の統計的有意性を報告する。
【表12】
【0161】
上記の表から明らかなように、得られた結果の統計的分析により、実施された試験が、必要とされるすべての許容可能性基準を満たすことを確認し、したがって、試験された物質について生成されたデータを検証する。
【0162】
以上をまとめると、上述の様々な実施態様において本発明の組成物のサンプルに対して行ったアッセイは、組成物がH2O2誘導フリーラジカル(FR)を中和することができる良好なスカベンジャー作用を示し:分析された第1の用量(0.5mg/ml)が、各曝露時間後に、それぞれ39-50-53-53-55および56%のFR形成を減少させる。この結果に基づいて、この用量は、最も効果的な用量と見なすことができる。
【0163】
分析された第2の用量(0.25mg/ml)は、各曝露時間後に、それぞれ40-50-51-49-48および47%のFR形成を減少させる。
【0164】
第3の用量(0.125mg/ml)では、各曝露時間後に、FR形成は、それぞれ41-43-42-35-32および30%減少する。
【0165】
第4の用量(0.0625mg/ml)では、各曝露時間後に、FR形成は、それぞれ31-32-30-27-25および23%減少する。
【0166】
第5の用量(0.0313mg/ml)は、各曝露時間後に、それぞれ30-26-24-23-22および19%のFR形成を有意に阻害する。
【0167】
アスコルビン酸(0.05mg/ml)は、6回のストレスへの曝露後に、それぞれ45-57-60-60-63および61%のFRを減少させることができるスカベンジャー作用を有する。
【0168】
酸化ストレスに曝露されていないプレート上で行われたニュートラルレッド取り込み活力アッセイは、アッセイの有意性を損なうような細胞活力の低下がないことを強調した。
【0169】
したがって、印加されたストレスの高い力を考慮すると、本発明の組成物は、良好な除去剤(スカベンジャー作用を奏する剤)であることが証明された。
【0170】
3.本発明の組成物の安定性評価
タンニンに関する本発明の組成物の流体形態(シロップ、2での上記例による)の安定性は、キンミズヒキについて、欧州薬局方(EP9.2,2.8.14)に記載された分光光度法を用いて、ピロガロールとして表される総タンニン含量を測定することによって評価した。
【0171】
以下の表に報告されたデータから観察されるように、40℃および75%の相対湿度にサンプルを保持する極端な条件下では、力価(titer)の変化は6ヶ月の間に観察されない。
【0172】
タンニンの代わりにビタミンCが存在することのみによって配合が異なる製剤中では、ビタミンCは、T0を超える安定性を示さなかった。
【表13】
【0173】
4.バリア効果アッセイ
バリア効果アッセイのために、半透膜(0.4μm孔)によって物理的に分離した2つのチャンバーを使用した。ヒト線維芽細胞を下部チャンバーに播種し、一方、炎症剤LPS(精製大腸菌リポ多糖)を上部チャンバーに導入し;2つのチャンバーを分離する半透膜上に、本発明に記載の組成物の薄膜を層状化した。
【0174】
誘発炎症反応は、下部チャンバーの培養液で放出されたインターロイキン6(IL6)サイトカインの半定量的投与により推定され:バリア効果評価は、2つのチャンバーが同じタイプであるがバリアのない半透膜で分離されるポジティブコントロールと比較することにより得られた。
【0175】
本明細書中に報告されるアッセイにおいて物質がバリア効果を引き起こすと言われ得る閾値に関して、対照と比較した阻害の15%に等しい値は、アッセイの設定中に、本発明者らにより同定され、これは、バリア効果を有することが知られている物質について実施されたアッセイに基づいている。
【0176】
次いで、上記2の製剤中の組成物のバリア効果を評価した。
【0177】
図3に報告されたデータは、組成物がどのようにして顕著なバリア効果を有するかを示している。
【0178】
評価アッセイは、インビトロにおいて皮膚および粘膜に適用した際に、環境剤に対する「絶縁」フィルムを形成する物質および製剤の保護作用をインビトロでシミュレートするために開発された方法を通して、以下のように実施した。
【0179】
このモデルは、炎症剤と接触した細胞が、炎症の程度に関連した量で細胞外環境において炎症誘発性メディエーター(サイトカイン)を産生および分泌する原理を利用する。細胞に到達する炎症剤の量が多いほど、放出されるサイトカインの量も多くなる。
【0180】
2つのチャンバーを設置し、十分に小さいサイズの溶質の通過を可能にする半透膜によって物理的に分離した。
【0181】
細胞培養用のプレートを含むウェルからなる下部チャンバーでは、HuDe細胞(番号BS PRC 41、イタリアのIstituto Zooprofilattico di Bresciaから購入)を増殖させ、一方、複合細胞培養用インサート(トランスウェル)からなる上部チャンバーは、炎症剤を収容する。
【0182】
2つのチャンバーを分離するインサートの半透膜の表面上
【0183】
2つのチャンバーを分離するインサートの半透膜の表面上に、炎症剤を上部チャンバーに導入する前に、検査されるサンプルの薄膜を層状化して、炎症剤が自由に移動する際の任意のBEを評価する。
【0184】
サンプルの絶縁能力に応じて、上部チャンバーからの炎症剤の移動が減少し、その結果、サイトカインを産生する細胞の刺激はより小さくなる。炎症反応の程度は、下部チャンバーの培養液中に放出されるサイトカイン、特にインターロイキン6(IL-6)の半定量的用量によって評価される。
【0185】
対照として、サンプルが膜上に層状化していない同様の実験を用いて、それにより、半透膜に加えて、あらゆるバリアのない炎症剤の効果を測定することが可能になる。
【0186】
さらに、内部標準を用い、それにより、マーカー放出を誘導するように適合された物質で培養細胞が前処理され、サンプルを上記物質の非存在下で半透膜上に配置し、したがって、培養液中の内部標準においてマーカーの量が時間内に1回以上測定される。したがって、内部標準では、細胞は誘導物質で最初に刺激され、次いで、膜を通過して上記培養液により押された細胞中に入ることができるサンプルが、バリア効果に関連しないマーカーの放出を減少させる任意の効果を有するかどうかを評価する必要がある。例えば、誘導物質として炎症剤を使用する場合、内部標準は、培養液中のサイトカイン濃度の減少がバリア効果によるものであるか、または上記培養液により押された細胞中に入ることができるサンプルが、バリア効果とは無関係に炎症応答を減少させる効果を有するかどうかを理解することを可能にする。
【0187】
バリア効果(BE)は、IL-6の放出の減少の割合として表され、2つのチャンバーが、サンプルによって生成されるバリアを含まない同じタイプの半透膜によって分離されたポジティブコントロールと比較することによって計算される。
【0188】
4.1細胞培養物の調製:
各アッセイサンプル(上記2.による)について、HuDe系細胞を細胞培養プレートのウェルに、10%ウシ血清(FBS)を添加したMEM培地中に40,000細胞/mlの密度で播種し、一方はバリアアッセイ(T.B.)(BA)であり、もう一方は内部標準であり;1ウェルあたり1mlの細胞懸濁液である。
【0189】
細胞をサンプル(CAM)、ポジティブコントロール(C+)(試料なしの炎症剤)、およびネガティブコントロール(C-)(培地のみ)で処理し、各アッセイを3回ずつ行った。
【0190】
プレートを37℃で一晩(22~24時間)インキュベートした。
【0191】
4.2複合細胞培養のためのインサートの調製
複合細胞を培養するための細胞培養インサート(ベクトン・ディッキンソン社)を他のプレート上に配置し、それらのそれぞれの上に0.1mg/mlの一定量のコラーゲンを供給した。プレートを37℃で一晩(22~24時間)インキュベートした。
【0192】
実験を進めるために、95%以上の培養密度が期待される。
【0193】
インサートを有する2枚のプレート(BAおよびIC)からコラーゲンを除去し、インサートを完全に乾燥させるのに必要な時間(10~15分)、インサートをフードの流れの下に置いた。
【0194】
4.3バリアアッセイ(BA)
以下の工程は、BA用培養プレートで行った。
【0195】
BAのサンプル層の設定:
サンプルの半透膜上に、0.5%アルギン酸塩をベースとする組成物100μlを接種し、20分間層状化させ、C+およびC-のインサートには何も添加しなかった。20分が経過したら、過剰のサンプルを除去し、プロトコルで指定した手順に従って膜をPBSで洗浄した。
【0196】
BAインサートへのLPS(炎症剤)の添加
上記の例2のように、サンプル層が乾燥したら、最初の3つのCAMインサートおよび3つのC+インサートでは、300μlのLPS(膜リポ多糖)溶液を1μg/mlの濃度で接種し、残りの3つのC-では、5%FBSを含む300μlのMEM培地を添加した。インサートを細胞と共にそれらのそれぞれのウェルに挿入し、プレートを37℃で1時間インキュベートし、5%CO2富化雰囲気下で一晩(22~24時間)インキュベートした。
【0197】
1時間のインキュベーションが完了したら、インサートを除去して廃棄し、プレートを再び一晩(22~24時間)インキュベートした。
【0198】
4.4内部標準(IC)アッセイ:
内部標準アッセイをBAと同時に実施した。
【0199】
LPSへのIC細胞の曝露:
乾燥した後、最初の6つのICのインサートでは、分析すべきサンプル、CAMについては3つ、C+については3つ、300μlのLPSを接種し、残りの3つのC-では、300μlの培地を添加した。
【0200】
次いで、LPSおよびMEMを含むインサートを、IC細胞を含むウェルに挿入し、すべて1時間インキュベートした。
【0201】
LPS除去およびIC膜乾燥:
1時間のインキュベーションが完了したら、細胞を含むウェルからインサートを除去して空のプレートに移し、細胞を含むプレートをインキュベーターに配置した。
【0202】
依然として存在するLPS溶液をインサートから除去し、後者を超純滅菌水で急速洗浄し、乾燥させた。
【0203】
IC内のサンプル層の配置:
サンプル用の3つのインサートの半透膜上に、0.5%アルギン酸塩をベースとする組成物100μlを接種し、20分間層状化させ、C+およびC-のインサートには何も添加しなかった。20分が経過したら、過剰のサンプルを除去し、プロトコルで指定した手順に従って膜をPBSで洗浄した。
【0204】
ICインサートへのLPSの添加
サンプルを含むインサートの準備が整ったら、300μlの培地をすべてのインサート(CAM、C+、C-)に添加した。インサートを細胞と共にそれらのそれぞれのウェルに挿入し、プレートを37℃で1時間インキュベートした。
【0205】
1時間のインキュベーションが完了したら、インサートを除去して廃棄し、プレートを再び一晩(22~24時間)インキュベートした。
【0206】
4.5上清回収および酵素免疫測定法
22~24時間が経過したら、IL-6のELISAアッセイおよび半定量的用量を実施するために、BAおよびICプレートから上清を回収した。
【0207】
バリア効果(BE)評価
物質または化合物のBEは、LPSに曝露された細胞によるIL-6サイトカイン放出の減少%として表され、サンプルは、細胞がLPSにのみ曝露されるポジティブコントロール(C+)と比較して、アッセイされる。
BE=IL-6サイトカイン放出の減少%=100-[(サンプルから放出されたサイトカイン(pg/μL)/C+から放出されたサイトカイン(pg/μL))×100]
【0208】
図1~4の結果から分かるように、本発明の組成物は、優れた粘膜付着性および高いバリア効果を有する。
【0209】
したがって、明らかに、フリーラジカルスカベンジャー活性および経時安定性に加えて、組成物は、バリア効果および高い粘膜付着性も有する。
【0210】
5.画分の調製
1.ウスベニタチアオイの多糖(粘液)画分の調製例
乾燥して砕いたウスベニタチアオイの根を、濾過消化による静的抽出器中で、植物を溶媒に浸し、溶媒を機械式ポンプにより底部から上部へと再循環させることで、水により抽出する。
【0211】
薬物-溶媒比(DSR)は1:10に等しく、抽出温度は90℃であり、抽出長は12時間である。得られた混合物から、静的デカンテーション、続いて濾紙上での濾過により、不溶性残渣を可溶性画分から分離する。得られた溶液を、真空濃縮システムを用いてエタノール蒸発により濃縮する。10:1の濃縮度に達すると、濃縮を中止し、凍結乾燥または噴霧乾燥により乾燥を完了する。凍結乾燥材料は、対象の画分を構成する(DER4-10:1)。
【0212】
2.オオバコの多糖類画分の調製例
乾燥して粉砕したオオバコの葉を、濾過消化による静的抽出器中で、植物を溶媒に浸し、溶媒を機械式ポンプにより底部から上部へと再循環させることで、50%エタノール(エタノール:水50:50v/v)により抽出する。
【0213】
薬物-溶媒比(DSR)は1:10に等しく、抽出温度は50℃であり、抽出長は6~8時間である。得られた混合物から、静的デカンテーション、続いて濾紙上での濾過により、不溶性残渣を可溶性画分から分離する。得られた溶液を、真空濃縮システムを用いてエタノール蒸発により濃縮する。10:1の濃縮度に達すると、濃縮を中止し、凍結乾燥または噴霧乾燥により乾燥を完了する。凍結乾燥材料は、対象の画分を構成する(DER4-10:1)。
【0214】
3.キンミズヒキのポリフェノール画分の調製例
乾燥して粉砕したキンミズヒキの先端部分を、濾過消化による静的抽出器中で、植物を溶媒に浸し、溶媒を機械式ポンプにより底部から上部へと再循環させることで、水により抽出する。
【0215】
薬物-溶媒比(DSR)は1:8に等しく、抽出温度は90℃であり、抽出長は12時間である。得られた混合物から、静的デカンテーション、続いて濾紙上での濾過により、不溶性残渣を分離する。得られた混合物から、静的デカンテーション、続いて濾紙上での濾過により、不溶性残渣を可溶性画分から分離する。得られた溶液を、真空濃縮システムを用いてエタノール蒸発により濃縮する。10:1の濃縮度に達すると、濃縮を中止し、凍結乾燥または噴霧乾燥により乾燥を完了する。凍結乾燥材料は、対象の画分を構成する(DER4-10:1)。
本発明に包含され得る諸態様は、以下のとおり要約される。
[態様1]
咳の治療に使用するための組成物であって、オオバコの1種または複数種の多糖類画分、ウスベニタチアオイの1種または複数種の多糖類画分、タンニンを含む1種または複数種のキンミズヒキのポリフェノール画分、ブラウンシュガー、ハチミツ、ならびに1種または複数種の薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含む、咳の治療に使用するための組成物。
[態様2]
オオバコの前記1種または複数種の多糖類画分が、3%以上の重量パーセントで20000ダルトンを超える分子量を有する多糖類を含む、上記態様1に記載の使用のための組成物。
[態様3]
ウスベニタチアオイの前記1種または複数種の多糖類画分が、5%以上の重量パーセントで20000ダルトンを超える分子量を有する多糖類を含む、上記態様1または2に記載の使用のための組成物。
[態様4]
タンニンを含むキンミズヒキの前記1種または複数種のポリフェノール画分が、3%以上の重量パーセントでポリフェノール類を含む、上記態様1~3のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
[態様5]
前記賦形剤が、天然香味料、防腐剤、増粘剤から選択される、上記態様1~4のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
[態様6]
前記1種または複数種の天然香味料、防腐剤、増粘剤が、レモンジュース、ブラックベリージュース、天然オレンジフレーバー、天然レモンフレーバー、天然ギンバイカフレーバー、キサンタンガムから選択される、上記態様5に記載の使用のための組成物。
[態様7]
前記抽出物が、凍結乾燥形態または噴霧乾燥形態である、上記態様1~6のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
[態様8]
錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤、硬質ゼラチン、軟質ゼラチン、懸濁剤、噴霧剤、乳剤、溶液剤の形態である、上記態様1~7のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
[態様9]
非希釈または最大1:5まで希釈した場合に、85%~50%のレクチン結合阻害で測定される粘膜付着の割合を特徴とする、上記態様1~8のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
[態様10]
前記治療が、乾性咳、湿性咳、URTI(上気道感染症)に伴う咳、後鼻漏からの咳嗽の治療である、上記態様1~9のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
[態様11]
オオバコの多糖類画分(1種または複数種)、ウスベニタチアオイの多糖類画分(1種または複数種)、タンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分(1種または複数種)が、ハチミツ、ブラウンシュガー、ならびに1種または複数種の薬学的に許容される担体および賦形剤と混合される、オオバコの多糖類画分(1種または複数種)、ウスベニタチアオイの多糖類画分(1種または複数種)、タンニンを含むキンミズヒキのポリフェノール画分(1種または複数種)、ブラウンシュガー、ハチミツ、ならびに1種または複数種の薬学的に許容される担体および賦形剤からなる組成物の製造方法。