(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】格納容器用の振動減衰基材を含む蓋体アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B65D 85/00 20060101AFI20220614BHJP
B65D 43/02 20060101ALI20220614BHJP
B65D 43/14 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
B65D85/00 321
B65D43/02
B65D43/14
(21)【出願番号】P 2019544786
(86)(22)【出願日】2017-10-26
(86)【国際出願番号】 US2017058485
(87)【国際公開番号】W WO2018081391
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-09
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519157956
【氏名又は名称】ディー ジー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】エリック シュリング
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0321336(US,A1)
【文献】実開昭49-080524(JP,U)
【文献】特開2009-193654(JP,A)
【文献】実開平02-030207(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/00
B65D 43/02
B65D 43/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内向き表面を備える外側パネルと、
前記外側パネルに対して平行に延在する補強パネルであって、前記外側パネルの前記内向き表面に対向する外向き表面を備える、補強パネルと、
前記外側パネルの前記内向き表面に対して結合された第1振動減衰基材と、
前記補強パネルの前記外向き表面に対して結合された第2振動減衰基材とを備え
、
前記第2振動減衰基材は前記第1振動減衰基材から離間している、格納容器のための蓋体アセンブリ。
【請求項2】
前記補強パネルは、前記補強パネルの平面から外れて延在し、且つ、前記外側パネルと前記補強パネルとの間に複数の外側寄りの空間のポケットを形成する一本以上の補強溝を備え、
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材は、前記外側寄りの空間のポケットの内の少なくとも一つのポケット内に位置される、請求項1に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項3】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材の少なくとも一方は、基部層と外側層とを備える多層構造を備える、請求項1又は2に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項4】
前記外側層は、前記基部層よりも大きな剛性を備える、請求項3に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項5】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材は、少なくとも200℃までの温度に耐え得る非硬化性の耐熱性材料を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項6】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材の少なくとも一方は、少なくとも2枚の振動減衰基材を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項7】
前記蓋体アセンブリは粉体塗装される、請求項1~6のいずれか一項に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項8】
内向き表面を備える外側パネルと、
前記外側パネルに対して平行に延在する補強パネルであって、
前記外側パネルの前記内向き表面に対向する外向き表面と、
前記補強パネルの平面から外れて延在し、且つ、前記外側パネルと前記補強パネルとの間に複数の外側寄りの空間のポケットを形成する一本以上の補強溝とを備える、補強パネルと、
前記外側寄りの空間のポケットの内の一つのポケット内で、前記外側パネルの前記内向き表面に対して結合された第1振動減衰基材と、
前記外側寄りの空間のポケットの内の一つのポケット内で、前記補強パネルの前記外向き表面に対して結合された第2振動減衰基材と、
前記補強パネルと前記外側パネルとの間において前記一本以上の補強溝の頂点に配置されたシーラント帯片とを備え
、
前記第2振動減衰基材は前記第1振動減衰基材から離間している、格納容器のための蓋体アセンブリ。
【請求項9】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材の少なくとも一方は、基部層と外側層とを備える多層構造を備える、請求項8に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項10】
前記外側層は、前記基部層よりも大きな剛性を備える、請求項
9に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項11】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材は、少なくとも200℃までの温度に耐え得る非硬化性の耐熱性材料を備える、請求項8~10のいずれか一項に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項12】
前記シーラント帯片は前記外側パネルに接触する、請求項8~11のいずれか一項に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項13】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材の少なくとも一方は、少なくとも2枚の振動減衰基材を備える、請求項8~12のいずれか一項に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項14】
前記蓋体アセンブリは粉体塗装される、請求項8~13のいずれか一項に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項15】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材は、夫々、前記外側パネル及び前記補強パネルに対して接着剤で結合される、請求項8~1
4のいずれか一項に記載の蓋体アセンブリ。
【請求項16】
格納容器を作製する方法において、
前記方法は、
蓋体アセンブリを組立てる段階であって、
前記蓋体アセンブリの外側パネルの内向き表面に対して第1振動減衰基材を結合する段階と、
前記蓋体アセンブリの補強パネルの外向き表面に対して
、前記第1振動減衰基材から離間している第2振動減衰基材を結合する段階と、
前記外側パネルの前記内向き表面が前記補強パネルの前記外向き表面に対向する様に、前記蓋体アセンブリの前記外側パネルを前記蓋体アセンブリの前記補強パネルに対して結合する段階とを備える段階と、
前記蓋体アセンブリを、前記格納容器の内部を形成する基礎部分に対して結合する段階と、を備える、格納容器を作製する方法。
【請求項17】
組立てられた蓋体アセンブリを粉体塗装する段階を更に備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記補強パネルは、前記補強パネルの平面から外れて延在し、且つ、前記外側パネルと前記補強パネルとの間に複数の外側寄りの空間のポケットを形成する一本以上の補強溝を備える、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記補強パネルと前記外側パネルとの間において前記一本以上の補強溝の頂点にシーラント帯片を装着する段階を更に備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材は、前記外側寄りの空間のポケットの内の少なくとも一つのポケット内に位置される、請求項18又は19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2016年10月28日に出願された米国仮出願第62/414,040号の優先権を主張するものであり、その全体が言及したことにより本明細書中に全体的に援用される。
【0002】
本明細書は、概略的には、格納容器及びそれを形成する方法に関し、更に詳細には、振動減衰基材を含む蓋体アセンブリを備える車両用の格納容器に関する。
【背景技術】
【0003】
格納容器は、全ての形状及びサイズにて提供される。幾つかの格納容器は特に、車両、すなわちトラックの後側荷台に設置されるべく設計される。斯かる格納容器は多くの場合、製造業者により工場にて組立てられてから、利用者へと、又は小売店の場所へと出荷される。多くの場合、これらの格納容器は、振動、及び、それらの振動に起因する音を生じ易い多数の金属板で形成される。音を制御する一つの関心領域は、格納容器の蓋体アセンブリにおけるものである。蓋体アセンブリを閉じると、ノイズに関する振動に帰着し得る。付加的に、蓋体アセンブリは、格納容器の残りの外側部と共に、塗装されると共に高温下で硬化されることが多い。これらの硬化温度は、蓋体アセンブリを作製する際に使用される材料の種類を制限することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、それらの蓋体アセンブリを閉じるときの振動関連ノイズを制御する格納容器の設計態様に対する要望が存在する。また、格納容器の蓋体アセンブリに対して装着され得る振動減衰基材であって、格納容器を塗装するときの粉体塗装処理の温度に耐え得るという振動減衰基材に対する別の要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、格納容器のための蓋体アセンブリは、内向き表面を備える外側パネルと、前記外側パネルに対して平行に延在する補強パネルとを含む。前記外側パネルは、前記外側パネルの前記内向き表面に対向する外向き表面を含む。前記外側パネルの前記内向き表面に対しては、第1振動減衰基材が結合される。前記補強パネルの前記外向き表面に対しては、第2振動減衰基材が結合される。
【0006】
前記補強パネルは、前記補強パネルの平面から外れて延在し、且つ、前記外側パネルと前記補強パネルとの間に複数の外側寄りの空間のポケットを形成する一本以上の補強溝を含み、
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材は、前記外側寄りの空間のポケットの内の少なくとも一つのポケット内に位置される、第1の態様に係る第2の態様。
【0007】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材の少なくとも一方は、基部層と外側層とを備える多層構造を有する、任意の先行態様に係る第3の態様。
【0008】
前記外側層は、前記基部層よりも大きな剛性を有する、第3の態様に係る第4の態様。
【0009】
前記第1及び第2の振動減衰基材は、少なくとも200℃までの温度に耐え得る非硬化性の耐熱性材料を含む、任意の先行態様に係る第5の態様。
【0010】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材の少なくとも一方は、少なくとも2枚の振動減衰基材を含む、任意の先行態様に係る第6の態様。
【0011】
前記蓋体アセンブリは粉体塗装される、任意の先行態様に係る第7の態様。
【0012】
第8の態様において、格納容器のための蓋体アセンブリは、内向き表面を備える外側パネルと、前記外側パネルに対して平行に延在する補強パネルとを含む。前記補強パネルは、前記外側パネルの前記内向き表面に対向する外向き表面と、前記補強パネルの平面から外れて延在し、且つ、前記外側パネルと前記補強パネルとの間に複数の外側寄りの空間のポケットを形成する一本以上の補強溝とを含む。前記外側寄りの空間のポケットの内の一つのポケット内で、前記外側パネルの前記内向き表面に対しては、第1振動減衰基材が結合される。前記外側寄りの空間のポケットの内の一つのポケット内で、前記補強パネルの前記外向き表面に対しては、第2振動減衰基材が結合される。前記補強パネルと前記外側パネルとの間において前記一本以上の補強溝の頂点には、シーラント帯片が配置される。
【0013】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材の少なくとも一方は、基部層と外側層とを備える多層構造を含む、第8の態様に係る第9の態様。
【0014】
前記外側層は、前記基部層よりも大きな剛性を備える、第8又は第9の態様に係る第10の態様。
【0015】
前記第1及び第2の振動減衰基材は、少なくとも200℃までの温度に耐え得る非硬化性の耐熱性材料を含む、第8~第10の態様のいずれか一つの態様に係る第11の態様。
【0016】
前記シーラント帯片は前記外側パネルに接触する、第8~第11の態様のいずれか一つの態様に係る第12の態様。
【0017】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材の少なくとも一方は、少なくとも2枚の振動減衰基材を含む、第8~第12の態様のいずれか一つの態様に係る第13の態様。
【0018】
前記蓋体アセンブリは粉体塗装される、第8~第13の態様のいずれか一つの態様に係る第14の態様。
【0019】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材は、夫々、前記外側パネル及び前記補強パネルに対して接着剤で結合される、第8~第14の態様のいずれか一つの態様に係る第15の態様。
【0020】
第16の態様において、格納容器を形成する方法は、蓋体アセンブリを組立てる段階を含む。前記蓋体アセンブリを組立てる段階は、前記蓋体アセンブリの外側パネルの内向き表面に対して第1振動減衰基材を結合する段階を含む。前記蓋体アセンブリの補強パネルの外向き表面に対して第2振動減衰基材を結合し、且つ、前記外側パネルの前記内向き表面が前記補強パネルの前記外向き表面に対向する様に前記蓋体アセンブリの前記外側パネルを前記蓋体アセンブリの前記補強パネルに対して結合する。前記方法は更に、前記蓋体アセンブリを、前記格納容器の内部を形成する基礎部分に対して結合する段階を含む。
【0021】
組立てられた蓋体アセンブリを粉体塗装する段階を更に含む、第16の態様に係る第17の態様。
【0022】
前記補強パネルは、前記補強パネルの平面から外れて延在し、且つ、前記外側パネルと前記補強パネルとの間に複数の外側寄りの空間のポケットを形成する一本以上の補強溝を含む第16の態様又は第17の態様に係る第18の態様。
【0023】
前記補強パネルと前記外側パネルとの間において前記一本以上の補強溝の頂点にシーラント帯片を装着する段階を更に含む、第18の態様に係る第19の態様。
【0024】
前記第1振動減衰基材及び前記第2振動減衰基材は、前記外側寄りの空間のポケットの内の少なくとも一つのポケット内に位置される、第18の態様又は第19の態様に係る第20の態様。
【0025】
本明細書中に記述される実施例により提供されるこれらの及び付加的な特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮すれば更に十分に理解されよう。
【0026】
図面中に示された実施例は、本質的に例証的で例示的であり、且つ、各請求項により定義された主題を制限することは意図されない。例証的実施例に関する以下の詳細な説明は、同様の構造が同様の参照番号により表される以下の各図に関して読破されたときに理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本明細書中に示され且つ記述された一つ以上の実施例に係る格納容器の斜視図である。
【
図2】本明細書中に示され且つ記述された一つ以上の実施例に係る、
図1の格納容器と共に使用される蓋体アセンブリの斜視図である。
【
図3】本明細書中に示され且つ記述された一つ以上の実施例に係る、
図2の3-3線に沿う蓋体アセンブリの断面図である。
【
図4】本明細書中に示され且つ記述された一つ以上の実施例に係る、
図2の蓋体アセンブリの補強パネルの底面図である。
【
図5】本明細書中に示され且つ記述された一つ以上の実施例に係る、
図4の5-5線に沿う補強パネルの断面図である。
【
図6】本明細書中に示され且つ記述された一つ以上の実施例に係る、振動減衰基材の断面図である。
【
図7】本明細書中に示され且つ記述された一つ以上の実施例に係る、
図2の蓋体アセンブリと共に使用される外側パネルの底面図である。
【
図8】本明細書中に示され且つ記述された一つ以上の実施例に係る、
図1の格納容器を形成する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書中に開示される実施例は、振動減衰基材を含む蓋体アセンブリを含む、トラックの工具箱の如き格納容器に関する。前記振動減衰基材は、前記蓋体アセンブリの開閉に起因する板金の振動を抑制すべく使用され得ることで、ユーザに対する蓋体アセンブリの音及び感触を向上させ得る。前記振動減衰基材は、前記蓋体アセンブリの板金パネルに対して直接的に接着されて前記蓋体が開閉されるときに蓋体振動を低減する粘弾性ポリマ材料を含む多層を含む拘束層型減衰器(constrained layer damper)であり得る。
【0029】
図1を参照すると、(たとえばトラックの工具箱などの)格納容器10は、基礎部分14及び延長部分12を含む。格納容器10がトラックの工具箱である、実施例において、基礎部分14は、トラックの荷台の両側のトラック荷台側部レール間に納まるべくサイズ設定されると共に、延長部分12は、少なくとも車両横方向において(左右にて)前記基礎部分を越え、且つ、両側の側部レール上に支持されるべく、及び/又は、それらに対して取付けられるべく、それらの上方に延在すべくサイズ設定される。幾つかの実施例において、延長部分12は、車両の長手方向において(前後に)も基礎部分14を越えて延在する。
【0030】
基礎部分14は、前向き壁部16と、後向き壁部18と、前向き壁部16及び後向き壁部18の間に延在する側壁部20及び22とを含む直立壁部を含んでいる。幾つかの実施例において、基礎部分14は、トラック荷台の上側表面に当接して着座する床部24も有する。壁部16、18、20及び22は、(たとえば鋼鉄などの)板金の如き任意の適切な材料で形成され得る。上側又は延長部分12もまた、前向き壁部26と、後向き壁部28と、前向き壁部26及び後向き壁部18の間に延在する側壁部30及び32とを含んでいる。基礎部分14から外向きに側壁部30及び32まで、底壁部34及び36が延在し得る。壁部26、28、30、32、34及び36もまた、(たとえば鋼鉄などの)板金の如き任意の適切な材料で形成され得る。
【0031】
延長部分12上には、蓋体アセンブリ40が配備される。蓋体アセンブリ40は、格納容器10の内部に対するアクセスを提供するアクセス開口を閉じるべく使用される。蓋体アセンブリ40を図示された閉じ形態に掛止すべく使用され得る取手44及び46を含む(概略的に要素42として参照される)閉塞システムが配備され得る。幾つかの実施例においては、蓋体アセンブリ40を閉じ形態に固定することで、格納容器10の内部に対するアクセスを阻止すべく使用され得る固定デバイスが配備され得る。
【0032】
図2及び
図3を参照すると、蓋体アセンブリ40は、多重パネル構成であり得ると共に、前記アセンブリは、外側表面50を提供する外側パネル48と、前記外側パネル48を補強し且つ内側表面54を提供する内側補強パネル52とを含み得る。外側パネル48は、前向き縁部56と、後向き縁部58と、前向き縁部56及び後向き縁部58の間に延在する側縁部60及び62とを含む。縁部56、58、60及び62は、外側表面50から離間して外方に延在すると共に、前記縁部は、自身内に補強パネル52が挿入されて対面様式で外側パネル48に対して接続され得る、囲繞容積64を形成する。
【0033】
補強パネル52は、前記補強パネル52の幅に亙り連続的に延在するV形状補強溝66及び68を含み得る。
図3により最適に視認され得る如く、補強溝66は、補強パネル52の平面から外れて延在し、且つ、付加的な剛性のために外側パネル48に接触し得る。補強溝66及び68はまた、外側パネル48と補強パネル52との間の空間であって、外側寄りポケット70及び72と、前記補強溝66及び68間に配置された狭幅の中心寄りポケット74とを形成する、空間も生成する。補強パネル52はまた、閉塞システム42と共に使用される衝当マウント76及び78、及び、蓋体アセンブリ40の移動を制御する上で使用されるガス緩衝器に対して蓋体アセンブリ40を取付けるべく使用され得るガス緩衝器用マウント80及び82も含み得る。補強パネル52は、縁部56、58、60及び62の全てに沿い、スティッチ溶接の如き任意の適切な処理を用いて外側パネル48に対して接続され得る。
【0034】
図4は、補強パネル52の外向き表面86を示している。補強パネル52は、振動減衰基材88及び90を含む。振動減衰基材88は、補強溝66の外側に配置され、且つ、振動減衰基材90は補強溝68の外側に配置される。振動減衰基材88及び90は各々、補強パネル52の幅に沿い(たとえば、前記幅の約10%~約70%の如く、少なくとも約100%の如く、少なくとも約90%の如く、少なくとも約80%の如く、少なくとも約70%の如く、少なくとも約60%の如く、少なくとも約50%の如く、少なくとも約40%の如く、少なくとも約30%の如く、少なくとも約20%の如く、少なくとも約10%だけ)延在する長寸帯片として形成される。
【0035】
図5は、補強溝66及び68を含む
図4に示された補強パネル52の部分的断面図を示している。幾つかの実施例において、各補強溝66及び68の頂点には、外側パネル48(
図3)に当接するシールを提供し得るシーラント帯片92及び94が配置される。斯かるシーラント帯片は、外側パネル48と補強パネル52との間にシールを形成するに適した、たとえばイソブチレンなどの任意の材料から作成され得る。シーラント帯片92、94は各々、補強パネル52の幅に沿い(たとえば、前記幅の約10%~約70%の如く、少なくとも約100%の如く、少なくとも約90%の如く、少なくとも約80%の如く、少なくとも約70%の如く、少なくとも約60%の如く、少なくとも約50%の如く、少なくとも約40%の如く、少なくとも約30%の如く、少なくとも約20%の如く、少なくとも約10%だけ)延在する長寸帯片として形成され得る。幾つかの実施例において、シーラント帯片92、94は無い場合がある。
【0036】
図6を参照すると、(振動減衰基材88のみが示されている)振動減衰基材88及び90は、弾性材料製の基部層100と、同様に前記基部層よりも大きな剛性を有するポリマ材料であり得る外側層102とを含む多層構造であり得る。基部層100及び外側層102は、共押出しされ得ると共に、前記外側層102に対しては、アルミニウム箔又はガラス繊維布の如き頂部層104が装着され得る。基部層100は、補強パネル52の材料に対して付着する粘着物質を含み得る。基部層100に対しては、容易に取り外されて粘着性の基部層100を露出させ得る剥離層106が装着され得る。前記層の各々は、(たとえば、200℃以上までの)粉体塗装処理の温度に耐え得る耐熱性を有し得る。
【0037】
図7を参照すると、外側パネル48の内向き表面110が示される。外側パネル48は、振動減衰基材112及び114も含み得る。振動減衰基材112及び114は各々、外側パネル48の幅に沿い(たとえば、前記幅の約10%~約70%の如く、少なくとも約100%の如く、少なくとも約90%の如く、少なくとも約80%の如く、少なくとも約70%の如く、少なくとも約60%の如く、少なくとも約50%の如く、少なくとも約40%の如く、少なくとも約30%の如く、少なくとも約20%の如く、少なくとも約10%だけ)延在する長寸帯片として形成される。振動減衰基材112及び114は、振動減衰基材88及び90に関して記述されたのと同様の構成を有し得る。
【0038】
再び、
図3を簡単に参照すると、振動減衰基材88、90、112、114は外側寄りポケット70及び72内で、対面関係で相互に対向して配置され得る。幾つかの実施例において、対向する各振動減衰基材は相互に当接し得る。幾つかの実施例においては、
図3に示された如く、振動減衰基材88、90、112及び114は、補強パネル52の外向き表面86に対して結合された振動減衰基材88、90と、外側パネル48の内向き表面110に対して結合された振動減衰基材112、114との間に間隙が在る如く、相互から離間され得る。更に、補強パネル52の外向き表面86に対して結合された振動減衰基材88、90、及び外側パネル48の内向き表面110に対して結合された振動減衰基材112、114は、相互に対して直接的に対向すべく位置決めされる必要はない。代わりに、補強パネル52の外向き表面86に対して結合された振動減衰基材88、90、及び外側パネル48の内向き表面110に対して結合された振動減衰基材112、114は、交互配置され得る。前記においては4枚の振動減衰基材が記述されたが、たとえば、格納容器の寸法及び形状に依存して、4枚より多い又は少ない振動減衰基材が在り得ることも銘記されるべきである。
【0039】
図8を参照すると、振動減衰基材(たとえば、88、90、112及び/又は114)を用いて蓋体アセンブリ40を減衰する方法120が示される。ステップ122においては、本明細書中に記述された如き種々の板金パネル、及び、閉塞システムの如き他の構成要素を用いて格納容器の本体が形成される。蓋体アセンブリ40は、この時点では、一枚以上の振動減衰基材(たとえば、88、90、112及び/又は114)の装着を許容すべく、完全には組立てられなくて良い。たとえば、ステップ124にて、上述された如く、蓋体アセンブリ40の外側パネル48及び/又は補強パネル52に対しては、外側パネル48と補強パネル52との間の箇所にて、振動減衰基材(たとえば、88、90、112及び/又は114)が装着され得る。たとえば、第1の振動減衰基材(たとえば112)は、蓋体アセンブリ40の外側パネル48の内向き表面110に対して結合され得る。第2の振動減衰基材(たとえば88)は、補強パネル52の外向き表面86に対して結合され得る。各振動減衰基材が一旦所定位置とされたなら、外側パネル48の内向き表面110が補強パネル52の外向き表面86と対向する様に、蓋体アセンブリ40の外側パネル48は蓋体アセンブリ40の補強パネル52に対して結合される。蓋体アセンブリ40はその後、基礎部分14に対して結合され得る。
【0040】
一旦組立てられたなら、格納容器10は、ステップ126にて粉体塗装され得る。振動減衰基材(たとえば、88、90、112及び/又は114)は、非硬化性であると共に、前記振動減衰基材(たとえば、88、90、112及び/又は114)は、前記振動減衰基材に対する破損なしで(たとえば、200℃以上までの)粉体塗装処理の温度に耐え得る耐熱性を有し得る。これにより、粉体塗装処理の前における振動減衰基材(たとえば、88、90、112及び/又は114)の装着が許容され得ることから、製造時間及び複雑さが減少され得る。
【0041】
尚、本開示内容の各実施例は、振動減衰基材を含む蓋体アセンブリを含むトラックの工具箱の如き格納容器に関することが理解されるべきである。前記振動減衰基材は、前記蓋体アセンブリの開閉に起因する板金の振動を抑制すべく使用され得ることで、ユーザに対する蓋体アセンブリの音及び感触を向上させ得る。前記振動減衰基材は、前記蓋体アセンブリの板金パネルに対して直接的に接着されて前記蓋体が開閉されるときに蓋体振動を低減する粘弾性ポリマ材料を含む多層を含む拘束層型減衰器であり得る。
【0042】
当業者であれば、本明細書中に記述された各実施例に対しては、精神及び有効範囲から逸脱せずに種々の改変及び変更が為され得ることは明らかであろう。故に、本明細書中に記述された各実施例は、添付の各請求項及びそれらの均等物の有効範囲内に収まるならば任意の改変及び変更を包含することが意図される。