IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ルアク・シュヴァイツ・アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特許-複合構造のためのインサート 図1
  • 特許-複合構造のためのインサート 図2
  • 特許-複合構造のためのインサート 図3
  • 特許-複合構造のためのインサート 図4
  • 特許-複合構造のためのインサート 図5
  • 特許-複合構造のためのインサート 図6
  • 特許-複合構造のためのインサート 図7
  • 特許-複合構造のためのインサート 図8
  • 特許-複合構造のためのインサート 図9
  • 特許-複合構造のためのインサート 図10
  • 特許-複合構造のためのインサート 図11
  • 特許-複合構造のためのインサート 図12
  • 特許-複合構造のためのインサート 図13
  • 特許-複合構造のためのインサート 図14
  • 特許-複合構造のためのインサート 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】複合構造のためのインサート
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/01 20060101AFI20220614BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
F16B5/01
B64C1/00 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019547115
(86)(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2018058001
(87)【国際公開番号】W WO2018178193
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2019-10-23
(31)【優先権主張番号】00412/17
(32)【優先日】2017-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】512265009
【氏名又は名称】ルアク・シュヴァイツ・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】RUAG SCHWEIZ AG
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ネゲリ
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-521334(JP,A)
【文献】特開昭55-025396(JP,A)
【文献】米国特許第04812193(US,A)
【文献】特開2000-233240(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102007021341(DE,A1)
【文献】特開昭46-5808(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0080674(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102018206726(DE,A1)
【文献】特表2015-503717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/00-5/12
B64C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル(200)と共に用いるためのインサート(100)であって、
前記パネル(200)は、
1対の対向する第1の表面と第2の表面を有するコア構造(250)と、
前記コア構造(250)の前記第1の表面の少なくとも一部を覆う第1のカバーシート(210)と、を備え、
前記コア構造(250)は、前記コア構造(250)の前記第1の表面に画定される開口(212)を有し、
前記開口(212)は、第の開口部と、前記第の開口部の周りに延在する第の開口部とを有し、
前記第の開口部は、前記第の開口部より前記コア構造(250)の前記第2の表面に向かってさらに延在し、
前記コア構造(250)の前記開口(212)に適合されるように構成される前記インサート(100)は、内側スカート(130)と、前記内側スカート(130)の周りに延在し、前記内側スカート(130)から距離を置いて離れる外側スカート(120)と、を有し、
前記内側スカート(130)と前記外側スカート(120)は、前記コア構造(250)の開口(212)に適合されたとき、前記内側スカート(130)が前記コア構造(250)の前記第の開口部に適合され、前記外側スカート(120)が、前記コア構造(250)の前記第の開口部に設置されるような形状と大きさにされ、
前記インサート(100)は、さらに、前記外側スカート(120)の外周表面(124)に配置され、前記インサート(100)が初期挿入安定性を増すために、前記第1のカバーシート(210)の前記開口(212)に挿入されたとき、前記第1のカバーシート(210)の一部と相互作用するように構成された少なくとも1つの固定手段(180)を有
前記固定手段(180)の少なくとも一部は、前記外側スカート(120)と一体に作られ、
前記固定手段(180)は、基礎部(110)に隣接する前記外側スカート(120)の領域に配置され、
前記固定手段(180)は、前記インサート(100)が前記パネル(200)の前記開口(212)に取り付けられたとき、締まりばめが得られるように前記パネル(200)の前記第1のカバーシート(210)と干渉する突起部(181)を備え、
前記突起部(181)は、前記外側スカート(120)の外周表面(124)の周りの円周方向に延在する、インサート(100)。
【請求項2】
前記固定手段(180)は、少なくとも部分的に前記外側スカート(120)の外周表面(124)から突き出る少なくとも1つの前記突起部(181)を備える、請求項1に記載のインサート(100)。
【請求項3】
複数の前記突起部(181)は、前記外側スカート(120)の外周表面(124)の周りに分配され、円周に配置される、請求項2に記載のインサート(100)。
【請求項4】
前記固定手段(180)は、少なくとも1つの凹部(182)を備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインサート(100)。
【請求項5】
前記凹部は、前記外側スカート(120)の外周表面(124)の周りの円周方向に延在する、請求項4に記載のインサート(100)。
【請求項6】
前記固定手段(180)は、少なくとも部分的にポリマ材料で作られる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインサート(100)。
【請求項7】
前記ポリマ材料は、接着剤を含む、請求項6に記載のインサート(100)。
【請求項8】
前記ポリマ材料は、前記外側スカート(120)の外周表面(124)にコーティング層として配置される、請求項6または7に記載のインサート(100)。
【請求項9】
前記固定手段(180)は、前記外側スカート(120)の外周表面(124)の非コーティング部分の摩擦係数より高い摩擦係数を有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインサート(100)。
【請求項10】
前記固定手段(180)の少なくとも一部は、前記外側スカート(120)と異なる材料で作られている、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインサート(100)。
【請求項11】
少なくとも1つの第1の溝(125)は、前記基礎部(110)に配置される前記外側スカート(120)の基端より、前記外側スカート(120)の自由端(121)に近い前記外側スカート(120)の外周表面(124)に配置される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインサート(100)。
【請求項12】
少なくとも1つの前記外側スカート(120)は、前記外側スカート(120)の自由端(121)に配置され、内側スカート表面(123)から前記外側スカート(120)の外周表面(124)に延在する、少なくとも1つのスロット(140)を備える、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインサート(100)。
【請求項13】
多数のスロット(140)は、前記外側スカート(120)の外周表面(124)の周りに分配され、円周に配置される、請求項12に記載のインサート(100)。
【請求項14】
前記多数のスロットの間に配置される前記外側スカート(120)の一部(150)は、弾力性のある舌部を形成する、請求項13に記載のインサート(100)。
【請求項15】
(a)1対の対向する第1の表面と第2の表面を有するコア構造(250)と、前記コア構造(250)の前記第1の表面の少なくとも一部を覆う第1のカバーシート(210)と、を備えるパネル(200)であって、
前記コア構造(250)は、前記コア構造(250)の前記第1の表面に画定される開口(212)を有し、
前記開口(212)は、第2の開口部と、前記第2の開口部の周りに延在する第1の開口部とを有し、
前記第2の開口部は、前記第1の開口部より前記コア構造(250)の前記第2の表面に向かってさらに延在する前記パネル(200)と、
(b)前記コア構造(250)の前記開口(212)に適合されるように構成されるインサート(100)であって、
前記インサート(100)は、内側スカート(130)と、前記内側スカート(130)の周りに延在し、前記内側スカート(130)から距離を置いて離れる外側スカート(120)と、を有し、
前記内側スカート(130)と前記外側スカート(120)は、前記コア構造(250)の開口(212)に適合されたとき、前記内側スカート(130)が前記コア構造(250)の前記第2の開口部に適合され、前記外側スカート(120)が、前記コア構造(250)の前記第1の開口部に設置されるような形状と大きさにされ、
前記インサート(100)は、さらに、前記外側スカート(120)の外周表面(124)に配置され、前記インサート(100)が初期挿入安定性を増すために、前記第1のカバーシート(210)の前記開口(212)に挿入されたとき、前記第1のカバーシート(210)の一部と相互作用するように構成された少なくとも1つの固定手段(180)を有する、前記インサート(100)と、を備え、
前記固定手段(180)の少なくとも一部は、前記外側スカート(120)と一体に作られ、
前記固定手段(180)は、基礎部(110)に隣接する前記外側スカート(120)の領域に配置され、
前記固定手段(180)は、前記インサート(100)が前記パネル(200)の開口(212)に取り付けられたとき、締まりばめが得られるように前記パネル(200)の前記第1のカバーシート(210)と干渉する突起部(181)を備え、
前記突起部(181)は、前記外側スカート(120)の外周表面(124)の周りの円周方向に延在する、インサートシステム(1)。
【請求項16】
前記インサート(100)が、前記固定手段(180)と前記第1のカバーシート(210)の間の前記締まりばめによって前記パネル(200)と機械的に相互接続される、請求項15に記載のインサートシステム(1)。
【請求項17】
前記開口(212)は、前記第1のカバーシート(210)の下に配置された逃げ溝(225)を備える、請求項15または16に記載のインサートシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサート、特に例えばハニカムパネルなどのセル状固体で作られたコア構造を備えるパネルに使われるインサートに関する。本発明は、またそのようなインサート及びパネルを備えるインサートシステムに関する。本発明は、さらにそのようなインサートシステムを作り出すための方法に関する。本発明は、さらにインサートシステムを作り出すマシンシステム及びそのようなマシンシステムのためのワークヘッドに関する。本発明は、さらにインサートを格納し、そのようなマシンシステムのために用いられるマガジンに関する。本発明は、さらにそのようなマシンシステムで用いられる接着剤分配機に関する。
【背景技術】
【0002】
セル状固体で作られたコア構造を備えるパネルで使われるのに適したいくつかのタイプのインサートシステムが知られている。
【0003】
米国特許第345282号は、Hughes Aircraft社によって1969年12月23日に公開され、ハニカム構造のような固体及びセル状構造のための拡張できるインサートを示す。開示されたインサートは、明確にまたは正確に測定され特定の量の拡張可能な接合剤を備える。米国特許第345282号に開示される1つの実施形態において、インサートは、その外縁の周りに間隔を空けられた複数の開口部を有する円筒形ケースを備える。ナットのようなアタッチメントは、ケース内の中心に固定される。ケース内において、拡張可能な接合剤が配置される。セル状構造にインサートを設置するために、インサートは、セル状構造のあらかじめ形成された穴の中に設置される。その後、触媒剤、すなわち熱は、インサートに与えられ、拡張可能な接合剤が拡張し、ケースの開口を通って、このためセル状構造の穴によって開けられるインサート周囲のセルに押し出される。公報によると、接合手段は、その後全ての破裂したセルを完全に満たすまで拡張する。そのようなインサートの欠点は、熱または別の触媒が誘導されなければならず、囲っているセル状構造に影響を与えるかもしれないことである。その上、全ての破裂したセルを完全に満たすために、拡張可能な接合剤のある最小体積が必要とされ、ケース内にとどまり、このため囲っているセル状構造のインサートの固定に貢献しないが、インサートの総重量に加わる。
【0004】
国際公開第2016102305A1は、Alema Automationによって2016年6月30日に公開され、例えば、リベット、ねじ、ボルトなど機械的な留め具を供給するための供給機構を開示する。出願は、好ましくは加圧空気及び運搬手段の下流に配置された運搬留め具を減速するための停止プレートを備える停止及び調整ユニットによって、機械的留め具を運搬する運搬手段を有する供給機構を示す。出願によると、運搬手段は、高速、高繰り返しで留め具を供給する一方、停止及び調整ユニットは、停止プレートでそれらを減速することによって、機械的留め具の損傷を減らすことができる。
【0005】
国際公開第2008124353A1は、Boeing社によって2008年10月16日に公開され、ワークピースの留め具を設置する装置を開示し、ワークピース上にコンピュータ制御動作で取り付けられる。出願によると、装置は、オンボードに全てのものを有し、ツール、留め具、駆動及び制御を含む外部接続なく、独立して操作される必要がある。その上、ツール、駆動、及び制御に電力を供給するオンボード電源供給を含むかもしれない。さらに、オンボード取り替え可能なカセットによって、留め具の供給部を備える。出願によると、オンボード留め具運搬装置は、カセットからツールへ個々の留め具を運搬する。それゆえ、装置は、留め具の供給部が取り付けられる基礎部とワークピースの表面上の動作のための基礎部を取り付ける手段を備える。その上、少なくとも1つのツールは、設置パスに沿って、ワークピースの留め具を設置するために基礎部に取り付けられる。さらに、制御は、ツールの操作を制御するために基礎部に取り付けられる。国際公開第2008124353A1で開示されたタイプの装置は、機体フレームを備える外板を接合するために航空機の機体に沿って、独立して、本質的にゆっくり進むロボットとして用いられることを意図する。このタスクを満たすために必要である様々な構成要素は、装置を比較的重くする。それゆえ、そのような装置は、比較的高い構造適性を有する構造または比較的高い剛性を備える補助装置の組み合わせでのみ独立して働くことができる。
【0006】
国際公開第14060027A1、国際公開第116739A1、国際公開第14146740A1は、公開され、全ては、接着剤を用いてパネルに取り付けられるインサートを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第345282号
【文献】国際公開第2016102305号
【文献】国際公開第2008124353号
【文献】国際公開第14060027号
【文献】国際公開第116739号
【文献】国際公開第14146740号
【発明の概要】
【0008】
航空機製造で用いられる複合パネルに取り付けられることが想定されるほとんどのインサートは、自動取り付けがいくつかの理由によってほとんどできないという欠点を有する。
【0009】
第1の理由は、通常、航空機製造で用いられる複合パネルは、非常に特別な機械動作を示し及び/または非常に特定のプロセスを必要とする材料を含むことである。これは特に例えば発泡材料またはハニカム材料など、連続気泡または独立気泡固体などセル固体から作られたコア材料を含む、サンドイッチ型パネルに当てはまる。例えばパネルは、プラスチック材料または繊維強化プラスチック材料から作られたコアを備える。航空機製造で用いられる意図があるパネルにおいて、アラミド及び/またはパラアラミド及び/またはメタアラミド繊維を備える材料は、よく知られている。その上、コア構造のような同じ材料(特にアラミド及び/またはパラアラミド及び/またはメタアラミド)または異なるタイプの材料から作られた複合パネルのカバーシートが、またインサートの自動取り付けを見込むことができる。さらに、多くの場合において、航空機製造で用いられるように複合パネルは、異なるタイプの化粧板として適用されるニス、ガラス、木、竹及び石を含む、特別なタイプのコーティングを含む。これらの材料から作られたパネルにインサートを挿入するとき、挿入プロセスに対するパネルの機械的応答は、通常、非常に限られた範囲に(それぞれ予測され)制御されるのみである。このための主な理由は、パネルが作られるタイプの材料であり、通常、インサート取り付け中に非線形及びたまに不連続性の機械的応答を示す。
【0010】
インサートの自動取り付けを予測する別の理由は、航空機製造で用いられるほとんどのパネルは、通常例えば人工衛星に用いられるほとんどのパネルより薄いことである。例えばサンドイッチパネルなどに取り付けられるインサートの場合、これによりインサートの安定性へのカバーシートの影響が増加する。その上、航空機製造に適用されるインサートの空間的な大きさは、多くの場合において空間構造に適用されるインサートのそれより小さい。その結果として、多くの場合においてサンドイッチパネルコア構造のマクロ構造は、インサートと類似のまたは少なくとも同じサイズレンジである。これにより、インサートの挿入へのパネルの機械的応答は、インサート位置に高く依存する。結果として、多くの場合においてインサートの正確な位置決めは、難しくなり、インサートの自動取り付けにする。
【0011】
従来、インサートは、パネルのあらかじめ作られた開口に設定され、その後、接着剤は、任意の自由体積を満たすためにインサート周囲領域空間に注入され、この理由によりインサート-パネル構造の構造安定性を増加する。しかしながらそのような接着剤の注入は、通常サンドイッチパネルの両方のカバーシートに接触する接着剤をもたらす。これにより、特に2つの方法でパネルの光学的外観に影響を与える。第1にカバーシートへの接着剤の付着は、カバーシートのコーティング(例えばニス)のそれぞれに、カバーシートの色の変化を誘導する。第2に、接着剤の注入は、カバーシートが膨らむことを引き起こしまたは、代わりに接着剤が硬化の間縮み、少なくともカバーシートの1つにギザギザ/へこみを引き起こす。特に、高品質/光沢表面仕上げにおいて、そのような膨らみまたはギザギザは、通常反射された光のゆがみによって、観察者によってすぐに気づかれ、広範囲のさらなる処理を必要とさせる。その上、従来の接着剤の注入は、通常、特にハニカムパネルにおいて、インサートの安定性/固定に効果的に貢献しない領域に流れる比較的大量の接着剤を必要とする。
【0012】
上述のタイプのパネルにおけるインサートの自動取り付けを妨げる別の理由は、これらのパネルの特定の機械的動作により、従来のインサートは、十分初期挿入安定性を提供せず、接着剤が硬化する間、所定の位置にそれを保持するために補助の手段を用いる必要があることである。これにより、通常、多数のインサートの取り付けが妨げられ、この理由により、多数のインサートを備えるパネルの生産が減速する。
【0013】
本発明によるインサートは、通常基礎部と、基礎部から延在する外側スカートを備え、それによりチャンバを形成する。外側スカートは、第1の内側スカート表面と第1の外側スカート表面が設けられる。本発明によると、インサートは、第1の外側スカート表面に配置され、初期挿入安定性を増加するためにパネルの開口に挿入されたとき、パネルと相互作用する(それぞれ定義された方法で干渉する)ように構成された少なくとも1つの固定手段を備える。それゆえ、パネルと干渉する固定手段と、パネルのインサート周囲領域の接着剤と干渉する外側スカートは、接着剤の硬化(curing)/硬化(hardening)の間インサート位置及び配置を維持し、最終的に長期間インサート安定性を得るための十分な初期挿入安定性を提供する。
【0014】
いくつかの用途において、少なくともスカートの一部は、回転対称形状を有する。少なくともスカートの一部が円筒または円錐形状を有するならばよい結果が得られる。
【0015】
固定手段が基礎部に隣接する外側スカートの領域に配置されるならばよい結果が得られる。それゆえ、固定手段は、非常に高い初期挿入安定性を得られるパネルの第1のカバーシートと干渉することができる。そのような本発明によるインサートの実施形態は、特に比較的大きなセルを備える比較的コア構造を備えるパネルで使用されることにおいて利点がある。
【0016】
本発明のバリエーションによると、固定手段は、第1の外側スカート表面から少なくとも部分的に突き出る少なくとも1つの厚い部分を備える。この理由により締まりばめは得られる。いくつかのタイプのパネルにおいて、多数の厚い部分は、インサートの外側スカート表面の周りに分配され、円周に配置される。突起部が、カバーシートのインサート周囲領域にいかなる臨界応力を誘起せず、特に臨界ノッチ効果を作り出さないように配置され、形成される、第1の外側スカート表面の周りに分配され、円周に配置され、第1の外側スカート表面から突き出る多数の厚い部分を固定手段が備えるならば、比較的繊細なカバーシートを有するパネルの非常に良好な初期の、長期の安定性を提供するインサートが得られる。厚い部分それぞれの1つの厚い部分の形状及び材料は、インサートが挿入されるべきパネルのカバーシートの厚さ及び材料に適合される。
【0017】
代わりにまたはさらに、固定手段は、少なくとも1つの凹部を備え、凹部は、第1の外側スカート表面の周りの円周の方向に延在する。
【0018】
パネルのいくつかのタイプにおいて、固定手段は、ギザギザパターン及び/またはひだを備え、それらは、例えばエンボス加工または成形によって作られることができる。
【0019】
いくつのタイプのパネルにおいて、特に機械的に特に繊細なパネルにおいて、固定手段は、ポリマ材料で、少なくとも一部が形成されることができる。特に高初期挿入安定性を得るために、ポリマ材料は、接着剤を含む。代わりにまたはさらに、ポリマ材料はシリコーンであることができる。接着剤は、インサートと取り付けられるパネルの間の少なくとも一時的な接着接合を得るように構成されることができる。インサートの挿入を促進するために、非永続的な接着剤が塗布される。その上、接着剤は、熱活性であることができる。ポリマ材料が第1の外側スカート表面にコーティング層として配置されるならば、よい結果が得られる。
【0020】
いくつかの用途において、固定手段は、第1の外側スカート表面の非コーティング部の摩擦係数より高い摩擦係数を有するコーティング層を備えることができる。この理由により、いくつかのタイプのパネルにおいて、インサートの挿入深さは、よりよく制御されることができる。
【0021】
固定手段の少なくとも一部が外側スカートと一体的に作られるならばよい結果が得られる。代わりに、またはさらに固定手段の少なくとも一部は、外側スカートと異なる材料で作られる。固定手段は、射出成型プロセスによって作り出されることができる。
【0022】
いくつかの用途において、少なくとも1つの第1の溝は、基礎部に配置された外側スカートの基端より、外側スカートの自由端に近い第1の外側スカート表面に配置されることができる。この理由により、初期及び長期の挿入安定性は、十分に改善されることができる。
【0023】
本発明のバリエーションによると、少なくとも1つの外側スカートは、外側スカートの自由端に配置され、内側スカート表面から外側スカート表面に延在する少なくとも1つのスロットを備える。多数のスロットが、外側スカート表面の周りに分配され、円周に配置されるならば、よい結果が得られる。それゆえ、低コストで作られ、ねじり荷重によい抵抗を提供し、容易に取り付けることができるインサートが得られる。代わりにまたはさらに、外側スカートは、接着剤と結合したとき引き抜き強度を増加するために外側スカートの自由端から離れた距離を置いて配置され、内側スカート表面から外側スカート表面に延在する少なくとも1つの開口を備える。
【0024】
いくつかの用途において、インサートは、基礎部から延在し、チャンバに配置され、外側スカートから距離を空ける内側スカートを備える。本発明の実施形態によると、多数のスロットの間に配置された外側スカートの一部は、弾力性のある舌部を形成する。それゆえ、挿入中のインサートの中央揃を、容易にできる。
【0025】
いくつかの用途において、インサートは、内側スカートの外側表面において配置され、少なくとも円周の一部に沿って前記内側スカートの円周方向に延在する少なくとも1つの第2の円周溝を備える。
【0026】
本発明は、またインサートシステムに関する。そのようなインサートシステムは、通常コア構造と、コア構造と本明細書で記載されたようなインサートの少なくとも一部を覆う第1のカバーシートを備え、インサートは、パネルの開口に取り付けられる。インサートが機械的に固定手段と第1のカバーシートの間の締まりばめによってパネルと相互接続するならば、よい結果が得られる。開口が第1のカバーシートの下に配置された逃げ溝を備えるならば、良好な長い期間のインサート安定性が得られる。
【0027】
本発明は、また本明細書で記載されたようなインサートシステムを作り出す方法に関する。そのような方法は、通常、コア構造とコア構造の少なくとも一部を覆う第1のカバーシートを備えるパネルを提供するステップであって、第1のカバーシートは、パネルの開口を誘導するパネルを提供するステップと、開口に特定の量の接着剤を供給するステップと、開口にインサートを挿入するステップと、固定手段と第1のカバーシートの間に機械的な相互接続を確立するステップと、を備える。インサートの外側スカートが開口に存在する接着剤に突き出て、固定手段がパネルと干渉するとき、そのような方法によって作り出されたインサートシステムは、特に高い初期挿入安定性を有する。
【0028】
本発明は、またパネルに取り付けられるインサートを処理するインサートマシンシステムのワークヘッドに関する。そのようなワークヘッドは、通常パネルに取り付けられる少なくとも1つのインサートを支えるための少なくとも1つのインサート保持手段を備える。さらに、パネルに取り付けられる少なくとも1つのインサートを受け入れるように構成された少なくとも1つのインサート受け入れポートと、少なくとも1つのインサート受け入れポートにおいて受け入れられるインサートを、少なくとも1つのインサート保持手段に運搬するように構成された少なくとも1つの案内手段を備える。本明細書で記載されたような高初期挿入安定性を提供するインサートとの組み合わせにおいて、そのようなワークヘッドは、非常に多いインサートでさえ、非常に効率的な取り付けを許容する。しかしながら、そのようなワークヘッドは、また他のタイプのインサートに使われることができる。
【0029】
本発明の1つの態様によると、ワークヘッドは、インサートの特に効率的な取り付けを許容することを提供する。そのようなワークヘッドは、通常、パネルに取り付けられる少なくとも1つインサートを支持するための少なくとも1つのインサート保持手段と、パネルに取り付けられる少なくとも1つのインサートを受け入れるように構成された少なくとも1つのインサート受け入れポートと、少なくとも1つのインサート受け入れポートにおいて受け入れられるインサートを少なくとも1つのインサート保持手段に運搬するように構成された少なくとも1つの案内手段と、を備える。この理由により、多数のインサートを取り付けるワークヘッドの動作の総量を、最小化することができる。
【0030】
いくつかの用途において、ワークヘッドは、少なくとも1つのインサート保持手段、少なくとも1つのインサート受け入れポート及び少なくとも1つの案内手段が機械的に相互接続されるワークヘッドキャリアを備える。
【0031】
ワークヘッドキャリアは、ワークヘッドキャリアを取り外し可能な方法で、マシンシステムの作動装置の対になる連結手段と機械的に相互接続するように構成された機械的連結手段を備える。この理由により、必要に応じて、ワークヘッドは、容易にメンテナンスのために置き換えられ、または代替方法に適応される。ワークヘッドのバリエーションは、パネルの開口に特定の量の接着剤及び/またはパネルの開口に取り付けられるインサートに特定の量の接着剤を供給するように構成された接着剤分配ユニットを備えることができる。接着剤分配ユニットは、ワークヘッドキャリアと取り外し可能に機械的に相互接続される。
【0032】
取り付けられるインサートを受け入れるために、ワークヘッドは、インサートを少なくとも1つのインサート受け入れポートに提供するように構成された多数のインサートを含むマガジンに機械的に相互接続されるように構成された機械的インサート連結手段を備えることができる。代わりにまたはさらに機械的インサート連結手段は、インサートを少なくとも1つのインサート受け入れポートに提供するように構成されたインサート運搬手段と機械的に相互接続されるように構成されることができる。本発明のバリエーションによると、ワークヘッドは、インサートが取り付けられるパネルの開口を誘導するために少なくとも1つのツールを備える。
【0033】
本発明は、さらに複合パネルに取り付けられるインサートを格納するマガジンに関する。本発明によるマガジンは、通常、特定の配置を有しながら多数のインサートを格納するために構成された少なくとも1つの格納部と民生機器の対になる機械的連結手段と機械的に相互接続されるように構成された少なくとも1つの機械的連結手段とを備える。マガジンは通常、さらにインサートが特定の配置を有するように格納部から民生機器のインサート受け入れポートにインサートを供給するように構成された少なくとも1つのインサート供給ポートを備える。
【0034】
マガジンが格納部から供給ポートを通って民生機器のインサート受け入れポートへのインサートの移動を支持するための格納部の内側に付勢手段を備えるならば、よい結果が得られる。
【0035】
本発明の1つの態様は、第1のマガジンの少なくとも1つの格納部が第1のタイプのインサートを格納するために配置される、本明細書で記載されるような第1のマガジンを備えるマガジンシステムに関する。マガジンシステムは、さらに第2のマガジンの少なくとも1つの格納部が第1のタイプのインサートと異なる(例えば形状及び/または大きさ及び/または材料)第2のタイプのインサートを格納するために配置される、本明細書で記載されるような第2のマガジンを備える。第1のマガジンの少なくとも1つの機械的連結手段と第2のマガジンの少なくとも1つの機械的連結手段は、同じタイプの民生機器の機械的連結手段と機械的に相互接続されるように構成され、第1のマガジンの少なくとも1つのインサート供給ポートと第2のマガジンの少なくとも1つのインサート供給ポートは、同じタイプの民生機器のインサート受け入れポートと機械的に相互接続されるように構成される。
【0036】
本発明は、さらに接着剤分配ユニットをワークヘッドキャリアと機械的に相互接続するための機械的相互接続インターフェースを備える、接着剤分配キャリアを備える接着剤を分配する接着剤分配ユニットに関する。接着剤分配ユニットは、また通常、第1の接着剤源と流体相互接続するように構成された少なくとも1つの第1の流体ポートと、第1の接着剤を分配するための少なくとも1つのノズルとを備える。
【0037】
いくつかのタイプの接着剤において、接着剤分配ユニットは、第2の接着剤源と相互接続する第2の流体ポートを備えることができる。接着剤分配ユニットは、第1の接着剤を第2の接着剤と混ぜ、ノズルへ混合物を供給するように構成された混合チャンバを備える。いくつかの用途において、第1及び/または第2の流体ポートは、第1それぞれ第2の流体剤を含む格納タンクと相互接続する。そのような格納タンクは、その後示されるようにインサートシステムを作り出すためのマシンシステムの作動装置と相互接続する。代わりに格納タンクは、分配キャリアと相互接続し、または格納タンクは、マシンベッドから離れた距離を置いて配置され、流体ラインによって接着剤分配機と流体相互接続する。
【0038】
本発明は、またインサートシステムを作り出すためのマシンシステムに関し、通常、パネルを保持するための少なくとも1つの保持装置とパネルに対して変位可能で、挿入ツールを受け入れるように構成された(パネルに対して変位可能で、開口に挿入されるインサートを支持するように構成された)第1のワークヘッドを備える。本発明のバリエーションにおいて、第1のワークヘッドは、第1の作動装置において配置される。第1の作動装置は、例えばCNCルータの橋またはロボットアームである。
【0039】
マシンシステムの性能を上げるために、マシンシステムは、第2の作動装置において配置され、第1のワークヘッドに対して変位可能である第2のワークヘッドを備える。第2の作動装置は、例えばCNCルータの橋またはロボットアームである。第2のワークヘッドは、パネルに開口を誘導するための開口ツールを備えることができる。
【0040】
第1のワークヘッドは、本明細書で記載されたようなワークヘッドである。いくつかの用途において、ワークマシンは、パネルに対して変位可能な接着剤分配ユニットを備える。いくつかの用途において、接着剤分配ユニットは、第1のワークヘッドと機械的に相互接続する。接着剤分配ユニットが、本明細書で記載されたような接着剤分配ユニットであるならばよい結果が得られる。
【0041】
マシンシステムが、接着剤分配装置と離れた距離において配置され、接着剤または多数化学成分の接着剤の少なくとも1つの化学成分を備える少なくとも1つの接着剤格納タンクと第1または第2の流体ポートを相互接続する少なくとも1つの流体ラインを備えるならば、よい性能が得られる。
【0042】
いくつかの用途において、マシンシステムは、ワークヘッドから離れた距離において配置された固定インサート受け入れポートから、ワークヘッドのインサート受け入れポートへ少なくとも1つのインサートを運ぶための少なくとも1つのインサート運搬手段を備えることができる。固定インサート受け入れポートは、保持装置から離れた距離において、固定された位置で配置される。インサート運搬手段は、取り付けられる1つまたは多数のインサートを例えば加圧空気などによって運ぶことができるチューブを備える。
【0043】
代わりにまたはさらに、マシンシステムは、ワークヘッドとワークヘッドのインサート受け入れポートと相互接続するインサート供給ポートおいて配置される、本明細書で記載されるような少なくとも1つのマガジンを備える。いくつかの用途において、マガジンは、ワークヘッド及びインサート運搬手段によってワークヘッドのインサート受け入れポートと相互接続するインサート供給ポートから離れた距離において配置される。
【0044】
上述のようなパネルと用途において特に利点があるが、本発明によるインサートとそのようなインサートを取り付ける装置は、これらに限定されず、この理由により、例えば宇宙技術のために用いられるパネル、例えばアルミニウムで作られたハニカム構造と炭素繊維強化プラスチックで作られたカバーシートを備えるパネルなど、他のタイプのパネルにおいて用いられることができる。
【0045】
本明細書で記載された発明は、本明細書で以下に与えられる詳細な説明と添付の図面からさらに完全に理解され、添付の請求項に記載された発明に限定するように考えられるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明によるインサートの実施形態の概略斜視図を示す。
図2図1のインサートの正面図を示す。
図3図2のD-D断面を示す。
図4】本発明によるインサートの実施形態の概略斜視図を示す。
図5】本発明によるインサートの実施形態の概略斜視図を示す。
図6】本発明によるインサートの実施形態の概略斜視図を示す。
図7】本発明によるインサートの実施形態の概略斜視図を示す。
図8】本発明によるインサートの実施形態の概略斜視図を示す。
図9】本発明によるインサートの実施形態の概略斜視図を示す。
図10】本発明によるインサートシステムの実施形態の概略断面図を示す。
図11】本発明によるインサートシステムの実施形態の概略断面図を示す。
図12】本発明によるワークヘッドの実施形態の概略図を示す。
図13】本発明によるワークヘッドの実施形態の概略図を示す。
図14】本発明によるマシンシステムの実施形態の概略上面図を示す。
図15】本発明によるマガジンの実施形態の概略斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
前述の概要及び続く好ましい実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれるとき、よりよく理解される。本発明を説明する目的において、現に好ましい実施形態であり、類似の符号は、図面のいくつかの図に渡って類似の部分を表し、しかしながら、本発明は、開示された特定の方法及び手段に限定されないことが理解される。
【0048】
図1から3は、本発明によるインサート100のバリエーションを示す。インサート100は、基礎部110と基礎部110から外側スカート端部121に延在する外側スカート120を備える。基礎部110及び外側スカート120は、図3に示されるようにチャンバ101を形成する。外側スカート120は、第1の内側スカート表面123と第1の外側スカート表面124が設けられる。インサート100のバリエーションは、第1の外側スカート表面124において配置され、パネルの開口に挿入されたときパネル(図示せず)と干渉し、それにより以下にさらに詳細に説明されるように初期挿入安定性を増加するように構成された固定手段180を備える。示されるように、固定手段180は、基礎部110と隣接する外側スカート120の領域において配置される。示されるバリエーションにおいて、固定手段180は、インサート100が取り付けられたとき、その後に示されるように締まりばめが得られるように、パネルの開口がパネルのカバーシートと干渉する厚い部分181を備える。厚い部分181は、第1の外側スカート表面124の周りに円周方向に延在する。さらに示されるインサート100のバリエーションは、外側スカート120の自由端121において配置され、内側スカート123から外側スカート124に延在する多数のスロット140を備える。スロットは、外側スカート表面124の周りに分配され円周に配置される。スロット140は、インサート100が開口に挿入されたとき、パネルの開口に存在する接着剤(図示せず)の分配を改善する。同時に、スロット140は、インサート100とパネルのフォームフィット接続を確立することを助け、それゆえ、特にインサートがねじれ負荷下にあるとき、インサート-パネル構造の機械的安定性を増加すること助ける。さらに示されるインサート100のバリエーションは、基礎部110において配置された外側スカート120の基端より外側スカート120の自由端121に近い第1の外側スカート表面124において配置された第1の溝125を備える。溝125は、インサート100の周りの円周に延在する。溝125は、とりわけインサート100の引き抜き強度を増加する。さらに、インサート100は、開口のインサート100の挿入を支持する面取りとして形成された、外側スカート120の自由端1212において配置された案内手段170を備える。多数のスロット140の間に配置された外側スカート120の一部150は、溝125によってさらに開口へのインサート100の挿入を支持する、インサート100の半径方向にゆがめられたときわずかに減少した剛性を有する弾力性のある舌部を形成する。インサートはさらに示されたバリエーションにおいて、例えばインサートと機器装置を機械的に相互接続するために、例えばねじ(図示せず)を受け入れるように構成された内側ねじ山である、接続手段160を備える。しかしながら、示されたバリエーションまたは本発明の他ののバリエーションは、そのような結合手段の種類を限定しない。その上、インサートは、基礎部110において配置された内側スカート130を有する。
【0049】
図4から8は、異なるタイプの固定手段180を備える本発明によるインサート100のさらなるバリエーションを概略的に示す。図4で示されるバリエーションにおいて、固定手段180は、ギザギザ、それぞれひだを備える。図5で概略的に示されるようにインサート100のバリエーションにおいて、固定手段は、第1の外側スカート表面124にコーティング層として配置され、外側スカート表面124の周りに分配され、円周に配置される部分に配置されるポリマ材料を備える。ポリマ材料は、第1の外側スカート表面124の非コーティング部の摩擦係数より大きい摩擦係数を有するシリコーンである。この理由により、いくつかのタイプのパネルにおいて、z方向のパネルへの相対的なインサート100のそのようなバリエーションの位置決めはよりよく制御され(それぞれ自動化され)、またパネルのインサート100の初期安定性を増加することができる。図6は、固定手段180がカバーシートのインサート周囲領域にノッチ効果及び結果の臨界応力を全く作り出さずに十分な初期挿入安定性を提供するために準楕円形状を有する突起を備えるインサート100のバリエーションを示す。図7は、インサート100の周りの円周方向に延在するひだとして形成される固定手段180を備えるインサート100の別のバリエーションを概略的に示す。図8は、固定手段180がインサート100の周りの円周方向に延在する凹部/溝を備える、インサート100のバリエーションを概略的に示す。そのような固定手段180のバリエーションは、パネルに対して相対的にインサート100の位置決めを支持するので、いくつかのタイプのパネルに適用されるインサート100に用いられることができる。
【0050】
図9は、図1乃至3に示されるようなインサート100のバリエーションを備える本発明によるインサートシステム1のバリエーションを示す。その上、インサートシステム1は、セル壁によって区切られた複数のセルを備えるハニカム構造であるコア構造250を有するパネル200を備える。しかしながら、本明細書に開示されるような本発明は、そのようなタイプのコア構造を備えるパネルに限定されない。パネルはさらにコア構造250を覆う第1のカバーシート210及び第2のカバーシート230を備える。取り付けられたとき、インサート100は、パネル200に配置された開口212に配置される。示されるようにインサートシステム1のバリエーションにおいて、コア250のインサート周囲領域において、接着剤(図示せず)は、存在し、インサート100とパネル200を相互接続する。概略的に示されるように、インサート100の固定手段180は、第1のカバーシート210と干渉し、それによってインサート100と第1のカバーシート210の間の締まりばめを誘導し、それにより初期挿入安定性を提供する。
【0051】
図10は、本発明によるインサートシステム1のバリエーションを概略的に示す。示されるように、取り付けられた状態のとき、インサート100は、パネル200に配置された開口212に配置される。開口212は、第1のカバーシート210に隣接し、バリエーションにおいて本質的に円筒形状を有する第1の部分を備える(コア構造250がハニカム構造であるならば、ハニカム構造の六角形状は、前記円筒形状を覆うかもしれない)。外側スカート120は、本質的に開口212のこの第1の部分に配置される。そのような開口を得る方法がよく知られている。開口212は、さらに第2のカバーシート230に向かって延在し、インサート100の内側スカートが配置される第2の部分をさらに備える。開口212とインサート100の境界壁の間の空間において、接着剤は、配置され(詳細に図示せず)、長期間の安定性(インサート100とパネル200の間のそれぞれの接合)を提供する。概略的に示されるように、本発明によるインサートシステム1は、インサートの安定性、特にインサート100の引き抜き強度を増加する逃げ溝225を有する開口212を備えることができる。概略的に示されるように、示されるインサート100のバリエーションは、締まりばめが得られるように、取り付け状態において第1のカバーシート210の開口212の境界と相互作用する厚い部分を備える固定手段180を有する。
【0052】
図11は、図10に示される実施形態と同様の本発明によるインサートシステム1の別の実施形態を概略的に示す。図10に示される実施形態とは対照的に、開口は、パネル200のコア構造250の一部がチャンバ101に配置されるように、形成される。そのようなインサートシステム1の実施形態は、いくつかのタイプのパネル200で有利である。
【0053】
図12は、本発明によるワークヘッド300の実施形態を概略的に示す。ワークヘッドは、パネル200に取り付けられる少なくとも1つのインサート100を支えるためにインサート保持手段310を備える。示される実施形態において、保持手段は、取り付ける間インサート100を支えるための真空システムを備える。ワークヘッド300は、さらに(取り外し可能な)マガジン400からパネル200に取り付けられるインサート100を受け入れるように構成されたインサート受け入れポート330(詳細に図示せず)を備える。ワークヘッド300は、さらにインサート受け入れポート330において受け入れられるインサート100をインサート保持手段310に運搬するように構成された案内手段350を備える。ワークヘッド300は、さらにインサート保持手段310と受け入れポート330と案内手段350が機械的に相互接続されるワークヘッドキャリア360を備える。ワークヘッドキャリア360は、ワークヘッドキャリア360を取り外し可能な方法で、マシンシステム(図示せず)の作動装置730、735の対になる連結手段と機械的に相互接続するように構成された機械的連結手段を備える。この理由により、ワークヘッド300は、例えばワークヘッドのメンテナンスまたはマシンシステムの変更のために容易に置換されることができる。さらに、示されるワークヘッド300の実施形態は、パネル200の開口212に接着剤を分配する接着剤分配ユニット500を備える。示される接着剤分配ユニット500の実施形態は、接着剤分配ユニット500をワークヘッドキャリア360と機械的に相互接続するための機械的相互接続インターフェースを有する接着剤分配キャリア510を備える。その上、接着剤分配ユニット500は、接着剤源として機能する格納タンク550と流体相互接続する第1の流体ポートを備える。接着剤分配ユニット500は、さらにパネル200の開口212に接着剤を分配するように構成されたノズル530を備える。
【0054】
図13は、図12に示される1つと同様の本発明によるワークヘッド300の実施形態を示す。しかしながら、後者とは対照的に、ワークヘッドは、インサート受け入れポート330にインサートを提供するように構成されたインサート運搬手段760と機械的相互接続する機械的インサート連結手段340を備える。そのためインサート100は、例えばワークヘッド300から離れた距離において配置されたマガジン(図示せず)から運ばれ、その結果、ワークヘッド300の総重量は減り、ワークヘッド300及び/または作動装置730、735の構造安定性に関する要求が低くなる。
【0055】
図14は、本明細書で記載されるようなインサートシステムの製造のためのマシンシステム700の実施形態を概略的に示す。マシンシステムは、パネル200を保持/支持するための保持装置710を備える。保持装置710は、例えばパネル200を保持するための真空システムを備えるテーブルとして形成されることができる。マシンシステム700は、さらにパネル200に対して取り外し可能である第1の作動装置730に配置され、パネル200の開口212に挿入されるインサート(詳細に図示せず)を支持するように構成された第1のワークヘッド300を備える。示されるように、第1のワークヘッド300は、パネル200の開口212にインサートを取り付けるように配置されたインサート保持手段310とインサート取り付けの前の開口212に接着剤を供給するための本明細書で記載されるような接着剤分配ユニット500を備える。ワークヘッド300は、インサートを供給するように構成され、マガジンからワークヘッド300にインサートを運ぶように構成されたインサート運搬手段760によってマガジン400と機械的に相互接続する。示されるように、マガジン400は、容易に例えば置換するためにアクセスできるが、保持装置710に沿って第1の作動装置730とともに動くことができるように、第1の作動装置730と機械的に相互接続するが、保持装置710から離れた距離において配置される。示されるようにマシンシステム700の実施形態は、さらに、第2の作動装置735において配置され、第1のワークヘッド300に対して取り外し可能な第2のワークヘッド300’を備える。第2のワークヘッド300’は、パネル200に開口212を誘導するための開口ツール720を備える。
【0056】
図15は、本発明によるマガジン400の実施形態を概略的に示す。マガジン400は、多数のインサート100が格納されるが、特定の方向に一列に並べられる格納部410を備える。マガジン400は、例えばワークヘッドなど、民生機器の対になる連結手段と機械的に相互接続を確立するように構成された機械的連結手段420(視認できず)を備える。マガジン400は、インサート100が特定の配置を有するように、格納部410から民生機器(例えばワークヘッドまたはインサート運搬手段)のインサート受け入れポート(図示せず)にインサート100を供給するように構成されたインサート供給ポート430を備える。
【符号の説明】
【0057】
1 インサートシステム
4 マガジンシステム
100 インサート
101 チャンバ
110 基礎部
120 外側スカート
121 外側スカート端部
123 第1の内側スカート表面
124 第1の外側スカート表面
125 溝
130 内側スカート
140 スロット
150 一部
170 案内手段
180 固定手段
181 厚い部分
182 凹部
200 パネル
210 第1のカバーシート
212 開口
225 逃げ溝
230 第2のカバーシート
250 コア構造
300、300’ ワークヘッド
310 インサート保持手段
330 インサート受け入れポート
340 機械的インサート連結手段
350 案内手段
360 ワークヘッドキャリア
400 マガジン
410 格納部
420 機械的連結手段
430 インサート供給ポート
500 接着剤分配ユニット
510 接着剤分配キャリア
530 ノズル
550 格納タンク
700 マシンシステム
710 保持装置
720 開口ツール
730 第1の作動装置
735 第2の作動装置
750 流体ライン
755 接着剤格納タンク
760 インサート運搬手段
761 固定インサート受け入れポート
765 チューブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15