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  • 特許-マルチクラッド光ファイバ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】マルチクラッド光ファイバ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/036 20060101AFI20220614BHJP
   G02B 6/028 20060101ALI20220614BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20220614BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20220614BHJP
   G02F 1/365 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
G02B6/036
G02B6/028
G02B6/02 B
G02B6/02 376A
H01S3/067
G02F1/365
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019556947
(86)(22)【出願日】2018-04-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 US2018028698
(87)【国際公開番号】W WO2018195510
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2020-09-29
(31)【優先権主張番号】62/488,440
(32)【優先日】2017-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316003531
【氏名又は名称】ヌブル インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ゼディカー, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ステーゲマン, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】タッカー, ジェイムス
(72)【発明者】
【氏名】フェーヴ, ジャン-フィリップ
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-005813(JP,A)
【文献】特開2010-243869(JP,A)
【文献】特開2002-214466(JP,A)
【文献】特開平09-309742(JP,A)
【文献】特表2010-541006(JP,A)
【文献】特許第4667535(JP,B1)
【文献】国際公開第2010/146792(WO,A1)
【文献】特開2014-222353(JP,A)
【文献】特表2017-510832(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0181910(US,A1)
【文献】米国特許第03806224(US,A)
【文献】特開2000-039521(JP,A)
【文献】特開2006-317844(JP,A)
【文献】特開2015-128425(JP,A)
【文献】橋新裕一,紫外ファイバの水素ドープ効果,応用物理学関係連合講演会講演予稿集,日本,応用物理学会,1999年03月28日,p.1236
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02- 6/036
G02B 6/44
H01S 3/00- 4/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融シリカベースのマルチクラッド光ファイバであって、
第1のクラッディング層によって取り囲まれているコアであって、前記第1のクラッディング層及びコアがシリカガラスからなり、それにより前記光ファイバが0.2以上のNAを有し、前記光ファイバがM>>1.5の低いビーム品質の可視光又はUV光を、M<1.5を有する高いビーム品質の光へ変換するようにする第1のクラッディング層によって取り囲まれているコアと、
前記光ファイバが前記可視光又は前記UV光における約10dB/kmから約40dB/kmの伝搬損失を提供するようにする水素ドーパントと、を備え、
前記コアはGRIN(グレーデッドインデックス)構造を有している、
溶融シリカベースのマルチクラッド光ファイバ。
【請求項2】
請求項1に記載の光ファイバにおいて、前記GRIN構造は屈折率を改変するための前記シリカガラスへの改質剤を有し、当該光ファイバは前記第1のクラッディング層の外側に、前記コアをUV照射から遮蔽するための改質剤を含むシリカガラスからなる外側クラッディングを更に有している、光ファイバ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の光ファイバにおいて、前記第1のクラッディング層は第2のクラッディング層によって取り囲まれ、前記第2のクラッディング層は外側クラッディング層によって取り囲まれ、前記クラッディング層のそれぞれは溶融シリカガラスからなる、光ファイバ。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の光ファイバにおいて、前記第1のクラッディング層は第2のクラッディング層によって取り囲まれ、前記第2のクラッディング層は外側クラッディング層によって取り囲まれ、前記クラッディング層のそれぞれは化学的改質剤を含む溶融シリカガラスを有している、光ファイバ。
【請求項5】
請求項1に記載の光ファイバにおいて、前記低いビーム品質の光は希土類イオンの直接レージングを通じて前記高いビーム品質の光へ変換される、光ファイバ。
【請求項6】
請求項1に記載の光ファイバにおいて、前記低いビーム品質の光は非線形光学によって誘導されるエネルギー交換プロセスを通じて前記高いビーム品質の光へ変換される、光ファイバ。
【請求項7】
請求項1に記載の光ファイバにおいて、前記伝搬損失は可視光とUV光の両方で低い、光ファイバ。
【請求項8】
請求項1に記載の光ファイバにおいて、前記GRIN構造は、リン、アルミニウム、及びアルミニウムとリン、から成る群より選択された構成要素を備えている、光ファイバ。
【請求項9】
請求項1に記載の光ファイバにおいて、前記GRIN構造は、純粋溶融シリカの屈折率を増加させ、また、青色光によって照射されたときに感光変化しない材料から成る群より選択された構成要素を備えている、光ファイバ。
【請求項10】
請求項9に記載の光ファイバであって、前記光ファイバのLP01モードである基本モードに対する最も高い非線形利得を呈するように構成されている光ファイバ。
【請求項11】
請求項1に記載の光ファイバであって、前記第1のクラッディング層を取り囲む第2のクラッディング層を有していて、前記第2のクラッディング層は、前記第1のクラッディング層の屈折率より低い有効屈折率を有している、光ファイバ。
【請求項12】
請求項11に記載の光ファイバにおいて、前記第2のクラッディング層はシリカガラス及び前記シリカガラスへの改質剤を備え、それにより前記第2のクラッディング層の屈折率を前記第1のクラッディング層についての屈折率未満へ下げている、光ファイバ。
【請求項13】
請求項11に記載の光ファイバにおいて、前記第2のクラッディング層は非固体構造を備え、それにより前記第2のクラッディング層の屈折率を前記第1のクラッディング層についての屈折率未満へ下げている、光ファイバ。
【請求項14】
請求項11に記載の光ファイバにおいて、前記第2のクラッディング層は低屈折率ポリマーを備え、それにより前記第2のクラッディング層の屈折率を前記第1のクラッディング層についての屈折率未満へ下げている、光ファイバ。
【請求項15】
請求項1に記載の光ファイバであって、第2のクラッディング層及び第3のクラッディング層を備えていて、前記第2のクラッディング層及び第3のクラッディング層がシリカガラスからなり、前記第3のクラッディング層の有効屈折率は前記第2のクラッディング層の有効屈折率より高い、光ファイバ。
【請求項16】
請求項11に記載の光ファイバであって、シリカガラスからなる第3のクラッディング層を備えていて、前記第3のクラッディング層の有効屈折率は前記第2のクラッディング層の有効屈折率より高い、光ファイバ。
【請求項17】
請求項15に記載の光ファイバにおいて、前記第1のクラッディング層と前記第2のクラッディング層と前記第3のクラッディング層のうちの1つ又はそれ以上は、前記第1のクラッディング層及び前記コアをUV照射から保護するために化学的改質剤を備えている、光ファイバ。
【請求項18】
請求項11に記載の光ファイバであって、シリカガラスからなる第3のクラッディング層を備えていて、前記第3のクラッディング層の有効屈折率は前記第2のクラッディング層の有効屈折率より低い、光ファイバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本願は、合衆国法典第35巻第119条(e)(1)の下に、2017年4月21日出願の米国仮特許出願第62/488,440号の出願日の恩典を主張し、同仮出願の開示全体をここに参考文献として援用する。
【0002】
[0002]本発明の諸実施形態は、概括的には光ファイバに関しており、より具体的には、入来光のための高い開口数と可視レジーム(状態)で動作する出力光のための高いビーム品質係数とを有するマルチクラッド高パワー光ファイバに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]光ファイバは、他にも機能はあるが中でも特に、低いビーム品質(例えばM>>1.5)の入力光を高いビーム品質(例えばM<1.5)の出力光へ変える潜在能力を有している。しかしながら、この潜在能力は、本質的には光のIR(赤外)スペクトルでしか実現されたことがないと考えられ、900nmから2000nmの範囲でしか実現されていないということになる。
【0004】
[0004]低いビーム品質のレーザーダイオードの光を高いビーム品質の光へと変えるためのマルチクラッド光ファイバについての先行技術は幾つかの弱点を有していると考えられ、弱点には他の事柄もあるが中でも特に、可視レジームの光出力を提供する又は提案することができないということが含まれる。
【0005】
[0005]マルチクラッド光ファイバでの低いビーム品質の光を高いビーム品質の光へ変換するための先行技術は幾つかの弱点を有していると考えられ、弱点には他の事柄もあるが中でも特に、先行技術は可視光例えば青色光の効率的非線形変換のための非感光変化性(non-solarizing)ファイバ材料の使用という問題に対処できていない。
【0006】
[0006]本発明より前は、他にも特徴はあるが中でも特に、光ファイバの高パワー動作レーザーダイオードポンピング及び希土類ドープイオン又は誘導ラマン散乱を利用したモード変換プロセスのためのマルチクラッド構造、並びに本発明の他の特徴及び特質、を有するファイバ構成は実現されたことがないと考えられる。
【0007】
[0007]光ファイバの長い相互反応長さのせいで、高効率のためには低い伝搬損失が所望される。光学ガラスでの三次非線形テンソル要素の使用時、具体的にはラマンテンソル要素の使用時、低い伝搬損失は重要である。低い光損失と純粋溶融シリカより広い透明性ウインドーを主張する化学的及び機械的に安定したガラス組成物が開示されてはいる。但し、どの化学的及び機械的に安定したガラス組成物も、これまでのところ、光スペクトルの可視部分及びUV部分には純粋溶融シリカより高い光損失を有することが報告されていると考えられる。したがって、これらの先行の組成物は、長きに亘って存在する低い伝搬損失の必要性、特に可視光及びUV光についてシリカより低い伝搬損失を有するシリカ代替物の必要性、を満たすことができていないと考えられる。
【0008】
[0008]コア内の光を全内部反射により導く光ファイバを作るためには、コアの屈折率は周囲のクラッディング領域のそれより大きくなくてはならない。スペクトルの可視部分及びUV部分では、シリカクラッドを有するシリカコア中にアルミニウムを使用することが知られているが、この手法は幾つかの弱点を有しており、他にも弱点はあるが中でも特に、この手法はスペクトルの可視部分及びUV部分での伝播損失を増加させるという負の効果を有していると考えられる。
【0009】
[0009]溶融シリカ光ファイバでの光損失を更に低減する別の方法は、光スペクトルの可視部分及びUV部分での損失を低くするように純粋溶融シリカガラス母材の中へ過剰水素原子を導入するというものである。この手法は幾つかの弱点を有しており、他にも弱点はあるが中でも特に、この手法は溶融シリカガラスがアルミニウム又はリンの様な他の材料でドープされたときの青色光の光伝搬損失を改善することができないと考えられる。
【0010】
[0010]ここでの使用に際し、別途明示的に表明されていない限り、「UV」、「紫外線」、「UVスペクトル」、及び「スペクトルのUV部分」、及び類似の用語は、それらの最も広範な意味を与えられるべきであり、約10nmから約400nm、及び10nmから400nmの波長の光を含むものとする。
【0011】
[0011]ここでの使用に際し、別途明示的に表明されていない限り、「可視」、「可視スペクトル」、及び「スペクトルの可視部分」という用語、及び類似の用語は、それらの最も広範な意味を与えられるべきであり、約380nmから約750nm及び約400nmから約700nmの波長の光を含むものとする。
【0012】
[0012]ここでの使用に際し、別途明示的に表明されていない限り、「青色レーザービーム」、「青色レーザー」、及び「青色」という用語は、それらの最も広範な意味を与えられるべきであり、概して、レーザービームを提供するシステム、レーザービーム、レーザー源、例えばレーザー及びダイオードレーザーであって、約400nmから約500nmの波長を有するレーザービーム又は光を提供するもの、例えば伝搬させるもの、をいう。
【0013】
[0013]ここでの使用に際し、別途明示的に表明されていない限り、「緑色レーザービーム」、「緑色レーザー」、及び「緑色」という用語は、それらの最も広範な意味を与えられるべきであり、概して、レーザービームを提供するシステム、レーザービーム、レーザー源、例えばレーザー及びダイオードレーザーであって、約500nmから約575nmの波長を有するレーザービーム又は光を提供するもの、例えば伝搬させるもの、をいう。
【0014】
[0014]概して、ここでの使用に際し「約」という用語は、別途指定されていない限り、±10%の分散又は範囲、表明されている値を得ることに関連付けられる実験誤差又は計器誤差、及び望ましくはこれらのうちのより大きい方、を網羅するものとする。
【0015】
[0015]この発明の背景技術の項は、本発明の諸実施形態と関連付けられ得る技術の様々な態様を紹介することを意図している。したがって、本項での上記論考は、本発明をより深く理解するための枠組みを提供しており、先行技術の是認と見なされてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】米国仮特許出願第62/488,440号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
[0016]この様に、可視光、特に青色波長、青色-緑色波長、及び緑色波長を含む可視光のための、低損失高パワーマルチクラッド高ビーム品質光ファイバの必要性が長きに亘って存在し未だ成就されていない。本発明は、他にも事柄はあるが中でも特にこれらの必要性を、ここに教示され開示されている製造品、装置、及びプロセスの提供によって解決する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
[0017]かくして、光スペクトルの可視部分特に青色部分において高パワーで動作するマルチクラッド溶融シリカベースの光ファイバであって、青色レーザーダイオードからの低輝度高パワーの光を光ファイバの出力部からの高輝度高パワーの青色光へ変換するための光ファイバが提供されている。
【0019】
[0018]可視波長、UV波長、及び青色波長の1つ又はそれ以上又は全ての波長のレーザービームをより高いビーム品質及びより低い伝搬損失へ変換するファイバ及び当該ファイバを使用する方法が提供されており、つまり、溶融シリカベースのマルチクラッド光ファイバであって、当該光ファイバは:第1のクラッディング層によって取り囲まれているコアであって、光ファイバが高いNAを有し、ファイバがM>>1.5を有する低いビーム品質の可視光又はUV光をM<1.5を有する高いビーム品質の光へ変換するように構成される、コアと;ファイバが光スペクトルの可視部分又はUV部分における低い伝搬損失を提供するように構成される水素ドーパントと;を備え、コアはGRIN構造を有している;溶融シリカベースのマルチクラッド光ファイバが提供されている。
【0020】
[0019]加えて、次の特徴の1つ又はそれ以上を有するこれらのファイバ及び方法、即ち:GRIN構造は、屈折率を改変するためのシリカガラスへの改質剤を有し、当該ファイバが第1のクラッディング層の外側に、コアをUV照射から遮蔽するための改質剤を含むシリカガラスからなる外側クラッディングを有している;第1のクラッディングは第2のクラッディングによって取り囲まれ、第2のクラッディングは外側クラッディングによって取り囲まれ、それらクラッディングのそれぞれは溶融シリカガラスを有している;第1のクラッディングは第2のクラッディングによって取り囲まれ、第2のクラッディングは外側クラッディングによって取り囲まれ、クラッディングのそれぞれは溶融シリカガラスを化学的改質剤と共に有している;低いビーム品質の光は希土類イオンの直接レージングを通じて高いビーム品質の光へ変換される;低いビーム品質の光は非線形光学によって誘導されるエネルギー交換プロセスを通じて高いビーム品質の光へ変換される;光伝搬損失はスペクトルの可視部分とUV部分の両方で低い;GRIN構造は、リン、アルミニウム、及びアルミニウムとリン、から成る群より選択された構成要素を有している;GRIN構造は、純粋溶融シリカの屈折率を増加させ青色光によって照射されたときに感光変化しない材料から成る群より選択された構成要素を有している;ファイバは、ファイバの基本モードLP01モードに対する最も高い非線形利得を呈するように構成されている;ファイバは、第1のクラッディング層を取り囲む第2のクラッディング層を有している;第2のクラッディング層は、第1のクラッディング層の屈折率より低い有効屈折率を有している;第2のクラッディング層は、ガラス母材への改質剤を有し、それにより第2のクラッディング層の屈折率を第1のクラッディング層についての屈折率未満へ下げている;第2のクラッディング層は非固体構造を有し、それにより第2のクラッディング層の屈折率を第1のクラッディング層についての屈折率未満へ下げている;第2のクラッディング層は低屈折率ポリマーを有し、それにより第2のクラッディング層の屈折率を第1のクラッディング層についての屈折率未満へ下げている;ファイバは、第3のクラッディング層及び第2のクラッディング層を有していて、第3のクラッディング層の有効屈折率は第2のクラッディング層の有効屈折率より高い;ファイバは、第3のクラッディング層を有していて、第3のクラッディング層の有効屈折率は第2のクラッディング層の有効屈折率より高い;ファイバは、第3のクラッディング層を有していて、第3のクラッディング層の有効屈折率は第2のクラッディング層の有効屈折率より低い;及び、第1のクラッディング層と第2のクラッディング層と第3のクラッディング層のうちの1つ又はそれ以上は、第1のクラッディング及びコアをUV照射から保護するために化学的改質剤を有している;という特徴のうちの1つ又はそれ以上を有するファイバ及び方法が提供されている。
【0021】
[0020]更に、可視波長、UV波長、及び青色波長の1つ又はそれ以上又は全ての波長のレーザービームをより高いビーム品質及びより低い伝搬損失へ変換するファイバ及び当該ファイバを使用する方法が提供されており、つまり、以下を含んでいる溶融シリカベースのマルチクラッド光ファイバ、即ち:高いNAを現出させる1つ又はそれ以上のクラッディング層;低いビーム品質の光(M>>1.5)を高いビーム品質の光(M<1.5)へ変換する能力;水素ドーピングを通じた光スペクトルの可視部分及びUV部分における低い伝搬損失;光学コアのグレーデッドインデックス(GRIN)構造;屈折率を改変するためのシリカガラスへの改質剤;有効屈折率を改変するためのシリカガラスで構成される構造;コアをUV照射から遮蔽するためのシリカガラスへの改質剤;を含んでいる溶融シリカベースのマルチクラッド光ファイバが提供されている。
【0022】
[0021]加えて、次の特徴の1つ又はそれ以上を有するこれらのファイバ及び方法、即ち:光学コアと、内側クラッディング及び第2の内側クラッディングと、外側クラッディングと、を含んでいて、それらはみな溶融シリカガラス又は化学的改質剤を含む溶融シリカガラスをベースとしている;希土類イオンの直接レージングを通じて低いビーム品質の光(M>>1.5)を高いビーム品質の光(M<1.5)へ変換する;非線形光学によって誘導されるエネルギー交換プロセスを通じて低いビーム品質の光(M2>>1.5)を高いビーム品質の光(M2<1.5)へ変換する;シリカベースのガラスの水素ドーピングに因り、スペクトルのUV部分及び可視部分に低い光伝搬損失を含んでいる;ガラス母材への改質剤の添加によって光学コアにグレーデッドインデックス(GRIN)構造を含んでいる;リン、アルミニウム、又はアルミニウムとリンの何らかの組合せの添加によって、光学コアにグレーデッドインデックス(GRIN)を含んでいる;改質剤は、純粋溶融シリカの屈折率を増加させ青色光によって照射されたときに感光変化しない何れかの元素又は分子である;ファイバの基本モードLP01モードに対する最も高い非線形利得を呈する;内側クラッディング屈折率より低い有効屈折率を有する第2のクラッディング層を含んでいる;第2のクラッディング層の屈折率を下げるためにガラス母材へ化学的改質剤を使用している;第2のクラッディング層の屈折率を下げるために非固体構造を使用している;第2のクラッディング層の屈折率を下げるために低屈折率ポリマーを使用している;第2のクラッディング層より高い有効屈折率を有する第3のクラッディング層を含んでいる;及び、内側クラッディング及び光ファイバのコアをUV照射から保護するために化学的改質剤を含んでいる;という特徴のうちの1つ又はそれ以上を有するファイバ及び方法が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】[0022]本発明による光ファイバについての屈折率プロファイルの或る実施形態のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0023]本発明の諸実施形態は、低伝搬損失を有する光ファイバ、マルチクラッドファイバ、及び高パワー高輝度光のための光ファイバの構成に関する。
【0025】
[0024]本発明の一実施形態はマルチクラッド光ファイバである。マルチクラッド光ファイバは、光スペクトルの可視部分において高パワー低輝度光から高パワー高輝度光を現出させるために、幾つかの利点を含んでいる。したがって、この実施形態は、高いNA(例えば0.2>NA>0.8)へ閉じ込められる入来光を受け入れ、それを低いNA(例えば0.02<NA<0.1)でファイバを出てゆく光へ変換するために、複数のクラッディング層、例えば2層、3層、4層、5層、又はそれ以上のクラッディング層を含んでいる。コアは、純粋溶融シリカをリン及び/又はアルミニウムで作られたグレーデッドインデックス構造と組み合わせて作られており、クラッディング層は、例えば、純粋溶融シリカ、フッ素ドープ溶融シリカ、フッソゲルマニウムドープ純粋溶融シリカ、又は純粋溶融シリカから作られたフォトニック結晶構造、から作られることができる。
【0026】
[0025]次の表は、光ファイバの1つの実施形態についての相対屈折率を掲載している。
【表1】
*動作波長での溶融シリカに対比
【0027】
[0026]マルチクラッド構成の或る実施形態では、コア材料は、リン及び/又はアルミニウムで作られたグレーデッドインデックス構造と組み合わされた溶融シリカベースの母材であり、それが光スペクトルの可視部分及びUV部分での伝搬損失を減少させるようガラスの水素ドーピングを通して改質されている。
【0028】
[0027]低輝度光の高輝度光への変換のための狭い有効面積を提供する或る実施形態では、光ファイバの中央部分又は内側部分がグレーデッドインデックス(「GRIN」)構造になっている。GRIN構造は内側クラッディング構造へのドーパントの添加によって製作されるものであり、よって円対称性ファイバについては最内クラッディング層だけをドープすればよい。ドーパントは、非感光変化性で化学的及び機械的に安定している何れかの材料元素であって、光損失を劇的に増加させない材料元素であればよく、リンか又はアルミニウム若しくはリンとアルミニウムの両方が望ましいであろう。この様にして、GRIN構造はファイバの光学コアを形成する。
【0029】
[0028]入来光を受け入れる高いNAは、内側クラッディング領域を取り囲む領域の有効屈折率を下げる追加のドーパント及び/又はシリカベースの構造によって現出される。光は、更に、ファイバの外部の低屈折率ポリマーの様な低屈折率被覆によって閉じ込められることになる。
【0030】
[0029]次の表は、開示されている光ファイバの好適な実施形態のドーパント濃度及びサイズを掲載している。
【表2】
*領域は前の領域の終わりに始まり次の領域の始まりに終わる
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、6.2日間
***V(バブラーを介した単数又は複数のガス流れ):
V-GeCL/V-SiCl:0.359
V-SF/V-SiCl:0.072
V-Osur/V-SiCl:6.12
【0031】
[0030]次の表は、開示されている光ファイバの追加の実施形態のドーパント濃度範囲及びサイズ範囲を掲載している。
【表3】
*領域は前の領域の終わりに始まり次の領域の始まりに終わる
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、1-20日間
***V(バブラーを介した単数又は複数のガス流れ):
V-GeCL/V-SiCl:0.2-0.5
V-SF/V-SiCl:0.01-0.3
V-Osur/V-SiCl:0.5-15
【0032】
[0031]GRIN中のドーパントの感光変化(solarization)は、追加のドーパントを外側クラッディング層へ添加することによって防止される。好適なドーパントは、外側クラッディング層のより低い屈折率摂動のために水素と化合できるゲルマニウムである。これらの追加のドーパントが、コア中のドーパントを、環境からのUV照射からもまたファイバ製作プロセス中のUV照射からも遮蔽する。
【0033】
[0032]マルチクラッドファイバは、高パワー低輝度光を高パワー高輝度光へ変換するための手段を、希土類イオンの直接レージング遷移又は非線形光学を介した周波数シフティングにより提供する。狭いモード有効面積(例えば200um以下:uはミクロン)と長い相互反応長さ(例えば50メートル以下)とが、高輝度光を効率的に作り出せるようにする。注目は主にスペクトルの近赤外部分に集中されてきたのであり、近赤外部分では、光ファイバ半導体ポンプレーザーの伝播が容易に利用でき、希土類イオンが適切な吸収帯及び発光帯を有している。加えて、シリカベースのガラスによって乏しい非線形性しかまかなえない状態でも、低い伝搬損失が結果的に効率的な非線形光学プロセスをもたらすことができる。
【0034】
[0033]本発明の或る実施形態は、低輝度光の高輝度光への変換時に高パワーを現出させるべくスペクトルの可視部分及びUV部分での光ファイバの使用を可能にする。但し、スペクトルの可視部分及びUV部分には、長い上位状態(upper state)寿命と併せて実質的な吸収断面及び発光断面を有する希土類イオンがわずかしかなく、したがって、概して教示は非線形光学を使用しての効率的運用から隔たったままである。ミラーの法則によれば、好都合なことに殆どの非線形性は、λを光の波長として1/λの関数を増加させる。したがって、スペクトルの可視部分及びUV部分では、スペクトルの近赤外部分に比べ、非線形係数が高くなる。しかしながら、レーリー散乱による損失が1/λとして増加し、するとほどなくして光損失は効率的非線形光学が起こるのを妨げてしまう。加えて、多くの材料の電子吸収帯エッジのテールエッジはスペクトルのUV部分から可視部分へかけて延びている。
【0035】
[0034]発明の或る実施形態は、スペクトルのUV部分及び可視部分の光損失を減少させることと、光ファイバの有効非線形性を増加させるマルチクラッドファイバ設計との、併用による組合せを含んでいる。その結果が、光ファイバでのスペクトルの可視部分での低輝度光を高輝度光へ変換するための効率的手段である。
【0036】
[0035]低いビーム品質の光(M>>1.5)の高いビーム品質の光(M<1.5)への伝送及び変換のための光ファイバである。本システムによって変換される低品質レーザービーム、特に低品質の青色、緑色、及び青緑色のレーザービームは、約1.55から約10のM、約2から約5のM、約1.6から約15のM、及びそれより大きい値並びにこれらの範囲内の全ての値のMを有し得る。低品質青色レーザービームを含むこれらの低品質レーザービームの変換によって提供される高品質レーザービームは、約1.5から約1.1のM、1.5より小さいM、1.4より小さいM、1.3より小さいM、理論的には1のM、及びこれらの範囲内の全ての値のMを有し得る。加えて、本システムの諸実施形態によって提供される変換後のレーザービームのM値は、開始レーザービーム又は低品質レーザービームのM値を凌ぐこと少なくとも20%の改善M値、少なくとも30%の改善M値、少なくとも40%の改善M値、少なくとも50%の改善M値、及び約5%から約50%の改善M値を有し得る。
【0037】
[0036]本光ファイバの諸実施形態は、特に青色、青色-緑色、緑色の波長について、約0.1から0.8のNA、約0.2から0.8のNA、約0.22以上のNA、0.25以上のNA、約0.22のNA、約0.3のNA、約0.4から約0.5のNA、約0.5から約0.8のNA、及びより大きいNA及びより小さいNA、並びにこれらの範囲内の全ての値のNAを有する。ここでの使用に際し高いNAとはこの範囲内のNAであって0.22より大きいNAである。
【0038】
[0037]光ファイバの諸実施形態は、特に青色、青色-緑色、及び緑色の波長について、伝搬損失として、約10dB/kmから約40dB/km、約10dB/kmから約30dB/km、約20dB/kmから約40dB/km、約15dB/kmより大きい、約10dB/kmより大きい、及びより大きい値及びより小さい値並びにこれらの範囲内の全ての値、である低い伝搬損失をもたらす。
【0039】
[0038]図1を見ると、チャートが、光ファイバの或る実施形態のコアの中心から外側半径までの相対屈折率プロファイルの或る実施形態を示している。この実施形態では、屈折率プロファイルは開示されている光ファイバの放射対称性を呈している。点線は、意図される波長又は動作についての純粋溶融シリカの屈折率を表している。点線より高い値は、意図される動作波長での純粋溶融シリカの屈折率より高い屈折率を表す。点線より低い値は、意図される動作波長での純粋溶融シリカの屈折率より低い屈折率を表す。
【0040】
[0039]この実施形態では、ファイバは、20umのコア半径、11.25umの第1クラッド厚さ、6.25umの第2クラッド厚さ、及び25umの第3(且つ外側)クラッド厚さと、ポリイミド又はアクリレートで構成されていて60umの厚さを有している外側被覆と、を有している。純粋溶融シリカのベースライン屈折率は、動作波長にて、点線1によって示されている。光ファイバのコアの中心から始めて、GRIN領域2は、内側クラッディング領域3に対して増加した屈折率と共に示されている。第2クラッディング領域4は、大きな開口数を作り出すべく、内側クラッディング領域3に比べて落ち込んだ屈折率を有している。外側クラッディング領域5は光ファイバの最後のガラス部分であって、第2クラッディング領域4の外エッジ付近のUV吸収性改質剤の添加に因り、純粋溶融シリカより僅かに高い屈折率を持つ部分である。
【0041】
[0040]光ファイバのGRINコア2は、GRINコア2と内側クラッディング3の間に正の屈折率差を作り出すために純粋溶融シリカより高い屈折率を有する改質剤を含有している。正の屈折率は、ファイバの内部で、低次モードの有効面積が狭くなるように強いる固定レンズの役目を果たす。より狭い有効面積は、四光波混合、誘導ブリルアン散乱、及び誘導ラマン散乱の様な、放射照度依存非線形光学プロセス中のより大きなエネルギー交換につながる。改質剤は、可視光によって照射されたときに追加の損失を生じさせないように選択されるものであって、ゲルマニウムの様な元素を除外する。この制約は、或る好適な実施形態でのアルミニウム及び/又はリンの使用を許容する。
【0042】
[0041]改質剤は、更に、エネルギー交換プロセスで利用されることになる非線形係数が内側クラッディング層に対して増加されるように選択され、つまり、四光波混合のためのX(3)テンソルへの電子的寄与、誘導ラマン散乱のためのX(3)テンソルへの振電寄与、及び誘導ブリルアン散乱のためのX(3)テンソルへの電歪寄与、となるように選択される。或る好適な実施形態では、改質剤は、純粋溶融シリカのラマン利得曲線の効率的結合と増加を理由にリンと選定されている。
【0043】
[0042]改質剤の種類と量
【0044】
[0043]内側クラッディング(3)及び第2クラッディング(4)の目的は、最大屈折率差を提供することである。高い屈折率差は、画定された円錐体積内の光が光ファイバの内側クラッドへ結合されることを可能にする。ファイバのNAは、光ファイバ内側クラッディングの中へ導かれることになる入射光線の、ファイバ軸に対する最大角度のサインとして定義されている。光を空中からファイバの中へ結合するとき、NAは、NA=(ncl,inner -ncl,outer 0.5と定義され、ここにncl,innerは内側クラッディング(3)の屈折率であり、ncl,outerは第2クラッディング(4)の屈折率である。
【0045】
[0044]高いNAを得るには、内側クラッド領域(3)に対比してより低い屈折率を第2クラッディング(4)について使用することが必要になる。光損失を最小化するために、内側クラッド領域のための或る好適な実施形態は純粋溶融シリカの使用である。屈折率を低くするためには溶融シリカガラスへの改質剤を使用することができる。或る好適な実施形態では、改質剤は、第2クラッド(4)中のフッ素、ホウ素、又はフッ素とホウ素との組合せである。
【0046】
[0045]第2クラッド領域4のための別の好適な実施形態は、フォトニック結晶ファイバ(PCF)構造の使用である。PCF構造は、第2クラッドの有効屈折率が内側クラッドより低くなるように、そしてシリカガラス中のフッ素、ホウ素、又はフッ素とホウ素との組合せの様な改質剤の使用によって実施可能な屈折率より低くなり得るように設計される。
【0047】
[0046]次の表は、第2クラッド領域として使用されることになるPCF構造の関連パラメータ及びサイズを掲載している。
【表4】
第2クラッド領域4の更に別の好適な実施形態は、UV硬化性低屈折率ポリマーの使用である。ポリマーは、青色領域における最小吸収と、低い屈折率と、を有するポリマーが選定される。提案されるファイバの一例が次の表に与えられている。
【表5】
*領域は前の領域の終わりに始まり次の領域の始まりに終わる
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、1-20日間
【0048】
[0047]外側クラッド5は、何らの光学的な光も導くことを意図されていないが2つの機能を提供する。第1に、それは、可視光を、典型的には外側クラッドの外部に設置されている機械的に堅牢な外側被覆6と相互作用しないよう保護する。外側被覆6は、金属、有機、又は無機であり得る。第2に、外側クラッドは、UV光を、光ファイバの内側クラッド3、4、及びコア2と相互作用しないよう吸収する改質剤を含有している。
【0049】
[0048]別の青色ファイバレーザー実施形態は、ファイバ上の導光被覆がファイバコア内部にポンプ光を閉じ込めるのに使用される低屈折率ポリマーからなっている、という構成である。その様なポリマーの一例は、低屈折率ポリマーLUVANTIX PC373である。その様な材料は、非常に高い開口数、つまり、後に総内部反射によって導かれる光の非常に急勾配の入力円錐を可能にする。これらのポリマーは、高パワー光による光学的損傷に対する十分な耐性を有している。ポリマー被覆を用いて作り出される高い開口数(NA)は、総内部反射面を作り出すようクラッディングガラスをドープすることだけによって作り出される入力角度を凌ぐ。好適な諸実施形態では、ポリマー被覆の使用によって作り出されるNAファイバは0.22より大きいNAを有している。この実施形態では、ファイバコアは、前述のGRIN構造を含んでいてもよく、内部クラッディングを有していてもよいし、内部クラッディングを有していなくてもよく、即ち、外部被覆がポンプ光のための一次的な閉じ込め面又は二次的な閉じ込め面として働いていてもよい。
【0050】
[0049]青色ファイバレーザーについて、別の実施形態は、D字形コア又は楕円形コアの場合がそうである様にファイバコアがファイバのポンプガイディング部と非対称になっている事例である。これらの事例では、非対称コアの目的はポンプモードの抽出を最適化することである。
【0051】
[0050]ファイバ製作プロセスの間、外側被覆(6)は、液体の形態で塗布され、UV光への暴露が液体を固体へと固化させ、ガラス光ファイバへの機械的保護層を形成させる。コア中の改質剤へのUVの照射は、色中心欠陥の様な追加の損失メカニズムを引き起こさないとも限らない。単数又は複数の改質剤を外側クラッド中に含むことで、ファイバ製作プロセス中のUV光を吸収し、UV光がGRINコア中の及び存在する場合には第2クラッド中の改質剤と相互作用するのを阻止するはずである。或る好適な実施形態では、外側クラッド中の改質剤はゲルマニウムである。
【0052】
[0051]或る実施形態では、低い光損失、高い開口数(NA)、及び基本伝搬モードである直線偏光(LP)01モードについての高い光学利得を光スペクトルのUV部分及び可視部分において提供するために、マルチクラッド光ファイバ設計が記載されている。光ファイバ設計は、コア領域での光学利得を増加させると同時にファイバ製作プロセス中の追加の損失を回避するために、ドーパントを含有することができる。光ファイバ設計は、効率的レージングのために希土類ドーパントを組み入れることができる。加えて、光学コア内の伝搬モードのモード特性が、極めて効率的な非線形混合を促進し、放射光線の高いビーム品質(M<1.5)出力を提供する。
【0053】
[0052]次の表は、ファイバ長さ、光学パワー・イン、光学パワー・アウト、ビーム品質・イン、ビーム品質・アウトの範囲を提供している。
【表6】
【0054】
[0053]以下の諸実施例は、本レーザーシステム及び動作の様々な実施形態、特に電子貯蔵装置内の構成部品を含む構成部品類を溶接するための青色レーザーシステム、を例示するために提供されている。これらの実施例は、例示が目的であり、本発明の範囲と見なされてはならず、またそれ以外にも本発明の範囲を限定するものではない。
【0055】
[0054]実施例1
【0056】
[0055]
【表7】
*領域は前の領域の終わりに始まり次の領域の始まりに終わる
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、6.2日間
***V(バブラーを介した単数又は複数のガス流れ):
V-GeCL/V-SiCl:0.359
V-SF/V-SiCl:0.072
V-Osur/V-SiCl:6.12
【0057】
[0056]実施例2
【0058】
[0057]
【表8】
*領域は前の領域の終わりに始まり次の領域の始まりに終わる
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、6.2日間
***V(バブラーを介した単数又は複数のガス流れ):
V-GeCL/V-SiCl:0.359
V-SF/V-SiCl:0.072
V-Osur/V-SiCl:6.12
****掲載のエアホール直径/壁厚さを有するPCF領域
【0059】
[0058]実施例3
【0060】
[0059]
【表9】
*領域は前の領域の終わりに始まり次の領域の始まりに終わる
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、6.2日間
***V(バブラーを介した単数又は複数のガス流れ):
V-GeCL/V-SiCl:0.359
V-SF/V-SiCl:0.072
V-Osur/V-SiCl:6.12
****掲載のエアホール直径/壁厚さを有するPCF領域
【0061】
[0060]実施例4
【0062】
[0061]
【表10】
*領域は前の領域の終わりに始まり次の領域の始まりに終わる
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、6.2日間
***V(バブラーを介した単数又は複数のガス流れ):
V-GeCL/V-SiCl:0.359
V-SF/V-SiCl:0.072
V-Osur/V-SiCl:6.12
****掲載のエアホール直径/壁厚さを有するPCF領域
【0063】
[0062]実施例5
【0064】
[0063]
【表11】
*領域は前の領域の終わりに始まり次の領域の始まりに終わる
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、6.2日間
***V(バブラーを介した単数又は複数のガス流れ):
V-GeCL/V-SiCl:0.359
V-SF/V-SiCl:0.072
V-Osur/V-SiCl:6.12
【0065】
[0064]実施例6
【0066】
[0065]
【表12】
*領域は前の領域の終わりに始まり次の領域の始まりに終わる
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、6.2日間
***V(バブラーを介した単数又は複数のガス流れ):
V-GeCL/V-SiCl:0.359
V-SF/V-SiCl:0.072
V-Osur/V-SiCl:6.12
****掲載のエアホール直径/壁厚さを有するPCF領域
【0067】
[0066]実施例7
【0068】
[0067]
【表13】
*領域は前の領域の終わりに始まり次の領域の始まりに終わる
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、6.2日間
***V(バブラーを介した単数又は複数のガス流れ):
V-GeCL/V-SiCl:0.359
V-SF/V-SiCl:0.072
V-Osur/V-SiCl:6.12
****掲載のエアホール直径/壁厚さを有するPCF領域
【0069】
[0068]実施例7A
【0070】
[0069]
【表14】
**H過剰のH/O炎、プリフォーム温度~1000度(℃)、6.2日間
【0071】
[0070]実施例8
【0072】
[0071]1つの好適な実施形態では、内側クラッディングは、0.2<NA<0.8となるような高い開口数を有する。
【0073】
[0072]実施例9
【0074】
[0073]或る好適な実施形態では、希土類イオンはプラセオジムである。別の好適な実施形態では、希土類イオンはツリウムである。
【0075】
[0074]実施例10
【0076】
[0075]或る好適な実施形態では、非線形光学プロセスは、誘導ラマン散乱の様な位相整合を要しない。
【0077】
[0076]実施例11
【0078】
[0077]別の実施形態では、非線形光学プロセスは、四光波混合、誘導ブリルアン散乱、又は調波生成の様な位相整合を要する。
【0079】
[0078]実施例12
【0080】
[0079]或る好適な実施形態では、シリカベースのガラスの水素ドーピングはプリフォーム製作レベルにて遂行される。これは、プリフォーム製作の化学気相蒸着段階中にシリカベースへ水素豊富な火炎を導入することによって達成される。
【0081】
[0080]実施例13
【0082】
[0081]或る好適な実施形態では、化学的改質剤は、フッ素、ホウ素、又はフッ素とホウ素との何らかの組合せである。
【0083】
[0082]実施例14
【0084】
[0083]或る好適な実施形態では、非固体構造はフォトニック結晶構造である。
【0085】
[0084]実施例15
【0086】
[0085]或る好適な実施形態では、化学的改質剤はゲルマニウムである。
【0087】
[0086]実施例16
【0088】
[0087]別の実施形態では、化学的改質剤は、光ファイバの内側クラッディング及びコアのUV光への暴露を防止するためUV光を吸収する何れかの元素又は分子である。
【0089】
[0088]実施例17
【0090】
[0089]別の実施形態では、シリカガラスの水素ドーピングは、光ファイバの製作後に遂行される。これは、光ファイバを水素豊富な環境に設置し、熱又は圧力又はUV照射の何れかの組合せを適用してシリカベースのガラス母材内への水素の移入を促すことによって達成される。
【0091】
[0090]この明細書での項目名の使用は、明確にするという目的のためであり、如何様にも制限を課すものではないことを理解されたい。ゆえに、或る項目名の下に記述されているプロセス及び開示は、様々な実施例を含む本明細書の全体に係る文脈内において閲読されるべきである。この明細書での項目名の使用は、本発明に与えられる保護の範囲を限定するものではない。
【0092】
[0091]本発明の主題である又は本発明の実施形態と関連付けられる新規で画期的なプロセス、材料、性能、又は他の有益な特徴及び特性の根底にある理論を提供する又は提出する要求事項はないことを指摘しておく。それでもなお、本明細書にはこの分野の技術を更に進展させるために様々な理論が提供されている。本明細書に提言されているこれらの理論は、別途明示的に表明されていない限り、断じて、特許請求の範囲に記載の発明に与えられるべき保護の範囲を限定、制限、又は狭小化するものではない。本発明を利用するうえでこれらの理論は必要とならないかもしれないし又は実践されないかもしれない。更に理解しておきたいこととして、本発明は、本発明の方法、物品、材料、装置、及びシステムの実施形態の機能特徴を解説するための新しい理論及びこれまで知られていない理論へとつながる可能性があり、その様な後発理論は本発明に与えられる保護の範囲を限定するものではない。
【0093】
[0092]本明細書に示されているシステム、機器、技法、方法、活動、及び動作の様々な実施形態は、ここに示されているものに加え様々な他の活動のために及び他の分野で使用されてもよい。加えて、これらの実施形態は、例えば、将来開発され得る他の機器又は活動と共に、及び、本明細書の教示に基づき一部が修正され得る既存の機器又は活動と共に、使用されてもよい。更に、本明細書に示されている様々な実施形態は互いと一体に異なる組合せ及び様々な組合せで使用されてもよい。ゆえに、例えば、本明細書の様々な実施形態の中で提供されている構成は互いと一体に使用されてもよく、本発明に与えられる保護の範囲は、特定の実施形態、特定の実施例、又は特定の図にある実施形態に示されている特定の具現化、構成、又は配列に限定されてはならない。
【0094】
[0093]発明は、その精神又は本質的な特性から逸脱することなく、ここに具体的に開示されている以外の他の形態に具現化されることもできる。説明されている実施形態は、あらゆる点で、例示にすぎず制限を課すものではないと考えられるべきである。
【符号の説明】
【0095】
1 純粋溶融シリカのベースライン屈折率
2 GRINコア
3 内側クラッディング
4 第2クラッディング
5 外側クラッディング
6 外側被覆
図1