(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ及びその戻り装置
(51)【国際特許分類】
A47B 88/467 20170101AFI20220614BHJP
A47B 88/453 20170101ALI20220614BHJP
A47B 88/40 20170101ALI20220614BHJP
【FI】
A47B88/467
A47B88/453
A47B88/40
(21)【出願番号】P 2020084892
(22)【出願日】2020-05-14
【審査請求日】2020-05-14
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 石龍
(72)【発明者】
【氏名】趙 乙▲しゅあん▼
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3193308(JP,U)
【文献】登録実用新案第3153765(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0160299(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレールと、
前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、
前記第1のレールに配置される戻り装置であって、該戻り装置は弾性部材及び可動部材を含み、該可動部材は第1のブロック部及び第2のブロック部を備え、該可動部材にはガイド部が配置され、該ガイド部は該第1のブロック部に隣接する、戻り装置と、
前記第2のレールに配置される接続装置であって、該接続装置は第1の接続部材及び第2の接続部材を含む、接続装置と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールを前記第1のレールに対して引っ込め位置から伸長方向に沿って動かす過程の間、前記第1の接続部材は、前記可動部材を駆動して第1の所定の位置から第2の所定の位置に動かし、第1の状態から第2の状態に切り替えるために、前記可動部材の第1のブロック部と接触するように構成され、
前記可動部材が前記第2の状態にある場合、前記第1の接続部材はもはや前記可動部材の第1のブロック部と接触しておらず、前記弾性部材は、前記可動部材が前記第2の所定の位置に位置することに対応して弾性力を生成するように構成され、前記第2のレールは、前記第1のレールに対して前記伸長方向に沿って伸長位置に動かすことができ、
前記第2のレールを前記第1のレールに対して前記伸長位置から引っ込め方向に沿って動かす過程の間、前記第2の接続部材は、前記可動部材を駆動して前記第2の状態から前記第1の状態に戻すために、前記可動部材の第2のブロック部と接触するように構成され、前記第2のレールは、前記弾性部材の弾性力により前記引っ込め位置に移動するように駆動されるように構成され、
前記可動部材が前記第1の状態にある状態で前記第2のレールを前記伸長位置から前記引っ込め方向に沿って動かす過程の間に、前記第2の接続部材は、前記第2のレールが前記伸長方向に沿ってさらに動かされた場合に、前記第2の接続部材が前記可動部材を駆動して、前記伸長方向に沿って前記第2の所定の位置に動かすように構成されるように、前記ガイド部によってガイドされて、前記可動部材の第1のブロック部に接触するように構成されている、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記第2のレールは、前記第1のレールに可動に取り付けられ、
前記戻り装置は、前記第1のレールに接続される筐体をさらに含み、該筐体は、前記弾性部材を収容するように構成された収容室を有する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
前記可動部材は支持部を含み、前記弾性部材は該支持部に対して弾性的に当接するように構成され、
前記スライドレールアセンブリは、前記筐体及び前記第1のレールのうちの一方に配置される位置決め部をさらに含み、
前記可動部材は係合部を備え、
前記可動部材が前記第2の所定の位置に位置する場合、前記可動部材は前記係合部を介して前記位置決め部と係合するように構成され、
前記筐体は、前記位置決め部から離れた後ろ側ブロック部を有し、該後ろ側ブロック部は、前記第1の所定の位置にある前記可動部材が前記引っ込め方向に沿って動くのを防止するように構成されている、請求項2に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項4】
第1のレールと
前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、
前記第1のレールに配置される戻り装置であって、該戻り装置は弾性部材及び可動部材を含み、該可動部材は、第1のブロック部及び第2のブロック部を備える、戻り装置と、
前記第2のレールに配置される接続装置であって、該接続装置は第1の接続部材及び第2の接続部材を含む、接続装置と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記可動部材にガイド部が配置され、該ガイド部は前記可動部材の前記第1のブロック部に隣接し、
前記可動部材が第1の状態にある状態で、前記第2のレールを伸長位置から引っ込め方向に沿って動かす過程の間に、前記第2の接続部材は、前記第2のレールが伸長方向に沿ってさらに動かされた場合に、前記第2の接続部材が前記可動部材を駆動して、前記可動部材が第2の状態になるまで前記可動部材を前記伸長方向に沿って動かすように、前記ガイド部によってガイドされて、前記可動部材の第1のブロック部と接触するように構成されている、スライドレールアセンブリ。
【請求項5】
前記可動部材が所定の位置に位置する場合、前記可動部材は前記第2の状態にあり、前記弾性部材は、前記可動部材が前記所定の位置に位置することに対応して弾性力を生成するように構成され、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記伸長位置から前記引っ込め方向に沿って動かされる過程の間に、前記第2の接続部材は、前記可動部材を駆動して前記第2の状態から前記第1の状態に戻すために、前記可動部材の前記第2のブロック部に接触するように構成され、前記第2のレールは前記弾性部材の弾性力によって駆動されて引っ込め位置に動かされるように構成されている、請求項4に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記第2のレールは、前記第1のレールに可動に取り付けられ、
前記戻り装置は、前記第1のレールに接続される筐体をさらに含み、該筐体は、前記弾性部材を収容するように構成された収容室を有する、請求項5に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
前記可動部材は支持部を含み、前記弾性部材は、該支持部に対して弾性的に当接するように構成され、
前記スライドレールアセンブリは、前記筐体及び前記第1のレールのうちの一方に配置される位置決め部をさらに含み、
前記可動部材は係合部を備え、前記可動部材が前記所定の位置に位置する場合、前記可動部材は、該係合部を介して前記位置決め部と係合するように構成されている、請求項6に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
弾性部材と
前記弾性部材を収容するように構成された収容室を有する筐体であって、該筐体は位置決め部を備える、筐体と、
第1の状態及び第2の状態のうちの一方になるように前記筐体に対して可動な可動部材であって、該可動部材は第1のブロック部、第2のブロック部、係合部及び該第1のブロック部に隣接するガイド部を含む、可動部材と、
を含む戻り装置であって、
当該戻り装置はスライドレールアセンブリの取り付けられるように構成され、該スライドレールアセンブリは第1のレールと、該第1のレールに対して可動な第2のレールとを含み、当該戻り装置は
該第1
のレールに配置され、該第2
のレールには第1の接続部材及び第2の接続部材を含む接続装置が配置され、
前記弾性部材は、前記可動部材を弾性的に支持するように構成され、
前記可動部材が前記第1の状態にある場合、前記第1のブロック部及び前記第2のブロック部は実質的に同じ水平位置に位置し、
前記可動部材が前記筐体に対して伸長方向に沿って所定の位置に動かされると、前記弾性部材は押圧されて弾性力を生成し、前記可動部材の係合部は、前記第2の状態になるように前記筐体の位置決め部と係合するように構成され、
前記可動部材が第2の状態にある場合、前記第1のブロック部及び前記第2のブロック部は異なる水平位置に位置し、
当該戻り装置が前記第1のレールに配置され、前記可動部材が第1の状態にある状態で、前記第2のレールを前記第1のレールに対して伸長位置から引っ込め方向に沿って動かす過程の間に、前記第2のレールが伸長方向に沿ってさらに動かされた場合に、前記ガイド部は前記第2の接続部材が前記可動部材の前部を横断するようガイドして、前記第2の接続部材を前記第1のブロック部と接触させるように構成されている、戻り装置。
【請求項9】
前記筐体には長手経路及び屈曲経路が形成され、該屈曲経路は該長手経路に対して屈曲され、前記可動部材は、該長手経路及び該屈曲経路に沿って前記筐体に対して可動である、請求項8に記載の戻り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールアセンブリに関し、より具体的には、自動閉鎖(self-closing)機能を有するスライドレールアセンブリ及びその戻り装置(returning device)に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、固定部材(キャビネット又は固定レール)及び可動部材(引き出し又は可動レール)に適用可能な閉鎖装置が開示されている。閉鎖装置は、固定部材に配置される通路と、通路に沿って可動な傾斜部材と、傾斜部材に接続されるバネとを有する。他方、可動部材はピン部材を備える。特許文献1の
図1~
図4に示すように、可動部材を伸長方向に沿って引っ込め位置から伸長位置に動かす過程の間、可動部材は、傾斜部材を駆動して、ピン部材を介して通路の直線状部分から弓状部分に動かすように構成されている。そのような状態において、バネは弾性力を蓄積するために伸長方向に沿って伸張される。可動部材が引っ込め方向に沿って伸長位置から動かされると、可動部材は、バネが弾性力を放って可動部材を引っ込め位置に戻すように傾斜部材を駆動し、ピン部材を介して弓状部分から直線状部分に戻すように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、様々な市場の要求に対して、特許文献1で提供される閉鎖装置は、固定部材及び可動部材の使用環境の制限のために特定のニーズを満たさない可能性がある。したがって、様々な製品を開発することが重要である。
【0005】
本発明は、自動閉鎖機能を有するスライドレールアセンブリ及びその戻り装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレールと、第2のレールと、戻り装置と、接続装置とを含む。第2のレールは第1のレールに対して可動である。戻り装置は第1のレールに配置され、戻り装置は弾性部材及び可動部材を含む。可動部材は第1のブロック部及び第2のブロック部を備える。接続装置は第2のレールに配置され、接続装置は第1の接続部材及び第2の接続部材を含む。第2のレールを第1のレールに対して引っ込め位置から伸長方向に沿って動かす過程の間、第1の接続部材は、可動部材を駆動して第1の所定の位置から第2の所定の位置に動かし、第1の状態から第2の状態に切り替えるために、可動部材の第1のブロック部と接触するように構成されている。可動部材が第2の状態にある場合、第1の接続部材はもはや可動部材の第1のブロック部と接触しておらず、弾性部材は、可動部材が第2の所定の位置に位置することに対応して弾性力を生成するように構成され、第2のレールは、第1のレールに対して伸長方向に沿って伸長位置に動かすことができる。第2のレールを第1のレールに対して伸長位置から引っ込め方向に沿って動かす過程の間、第2の接続部材は、可動部材を駆動して第2の状態から第1の状態に戻すために、可動部材の第2のブロック部と接触するように構成され、第2のレールは、弾性部材の弾性力により引っ込め位置に移動するように駆動されるように構成されている。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレールと、第2のレールと、戻り装置と、接続装置とを含む。第2のレールは第1のレールに対して可動である。戻り装置は第1のレールに配置され、該戻り装置は弾性部材及び可動部材を含む。可動部材は第1のブロック部及び第2のブロック部を備える。接続装置は第2のレールに配置され、接続装置は第1の接続部材及び第2の接続部材を含む。可動部材にガイド部が配置され、ガイド部は可動部材の第1のブロック部に隣接する。可動部材が第1の状態にある状態で、第2のレールを伸長位置から引っ込め方向に沿って動かす過程の間に、第2の接続部材は、第2のレールが伸長方向に沿ってさらに動かされた場合に、第2の接続部材が可動部材を駆動して、可動部材が第2の状態になるまで可動部材を伸長方向に沿って動かすように、ガイド部によってガイドされて、可動部材の第1のブロック部と接触するように構成されている。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、戻り装置は、弾性部材と、筐体と、可動部材とを含む。筐体は弾性部材を収容するように構成された収容室を有し、該筐体は位置決め部を備える。可動部材は第1の状態及び第2の状態のうちの一方になるように筐体に対して可動である。可動部材は第1のブロック部、第2のブロック部及び係合部を含む。弾性部材は、可動部材を弾性的に支持するように構成されている。可動部材が第1の状態にある場合、第1のブロック部及び第2のブロック部は実質的に同じ水平位置に位置する。可動部材が筐体に対して伸長方向に沿って所定の位置に動かされると、弾性部材は押圧されて弾性力を生成し、可動部材の係合部は、第2の状態になるように筐体の位置決め部と係合するように構成されている。可動部材が第2の状態にある場合、第1のブロック部及び第2のブロック部は異なる水平位置に位置する。
【0009】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る、第1のレール、第2のレール及び戻り装置を含むスライドレールアセンブリの分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る戻り装置の可動部材を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリの第1のレールに配置された戻り装置を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る、引っ込められた状態にあるスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る、第1のレールに対して伸長方向に沿って動かされたスライドレールアセンブリの第2のレールを示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る、第1のレールに対して伸長方向に沿ってさらに伸長位置へと動かされたスライドレールアセンブリの第2のレールを示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る、第1のレールに対して引っ込め方向に沿って動かされたスライドレールアセンブリの第2のレールを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る、第1のレールに対して引っ込め方向に沿ってさらに動かされたスライドレールアセンブリの第2のレールを示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリの戻り装置が機能しない状態にあり、第2のレールが第1のレールに対して引っ込め方向に沿って動かされた状態を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリの戻り装置が機能しない状態にあり、第2のレールの第2の接続部材が可動部材の第1のブロック部と接触できるように第2のレールが第1のレールに対して引っ込め方向に沿ってさらに動かされた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び
図2に示すように、本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリ20は、第1のレール22、第2のレール24、戻り装置26及び接続装置28を含む。
【0012】
第1のレール22は、長手通路30を定義する複数の壁を含む。第2のレール24は、第1のレール22に対して長手方向に可動なように第1のレール22の長手通路30に可動に取り付けられる。接続装置28は第2のレール24に配置され、接続装置28は、第1の接続部材56及び第2の接続部材58を含む。
【0013】
図2、
図3及び
図4に示すように、戻り装置26は第1のレール22に配置され、戻り装置26は弾性部材32及び可動部材34を含む。戻り装置26は筐体36をさらに含むことが好ましい。
【0014】
筐体36は第1のレール22に接続される。例えば、筐体36は、リベット留め、係合又はねじ留めにより第1のレール22に固定できる。本実施形態では、筐体36は第1の接続部38及び第2の接続部40を有し、第1の接続部38及び第2の接続部40は、第1のレール22の第1の対応部42及び第2の対応部44にそれぞれ固定される。第1の接続部38は、固定部材45を介して第1の対応部42に固定されている。筐体36は、弾性部材32を収容するように構成された収容室46を有する。収容室46は長手溝であることが好ましい。可動部材34は筐体36に可動に取り付けられ、可動部材34は第1のブロック部48及び第2のブロック部50を備える。可動部材34は、支持部52及び係合部54をさらに含むことが好ましい。第1のブロック部48及び第2のブロック部50は、可動部材34の前部及び後部にそれぞれ位置し、第1のブロック部48と第2のブロック部50との間に空間が定義されることが好ましい。支持部52は弾性部材32により弾性的に支持されている。係合部54は、第1のブロック部48に隣接して配置される。
【0015】
筐体36及び第1のレール22のうちの一方は位置決め部60を備えることが好ましい。本実施形態では、位置決め部60は筐体36に配置されるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0016】
筐体36には、長手経路62及び屈曲経路64が形成されていることが好ましい。屈曲経路64は長手経路62から延びるように構成され、屈曲経路64は長手経路62に対して屈曲されている。屈曲経路64の壁面は実質的に屈曲した断面を有し、位置決め部60は屈曲経路64の壁面によって定義される。可動部材34は、筐体36に対して長手経路62及び屈曲経路64に沿って可動である。
【0017】
第1のレール22及び筐体36のうちの少なくとも一方は後ろ側ブロック部を有することが好ましい。本実施形態では、第1のレール22が第1の後ろ側ブロック部66を有し、筐体36が第2の後ろ側ブロック部68を有する。第1の後ろ側ブロック部66及び第2の後ろ側ブロック部68の双方は、位置決め部60から離れ、可動部材34の係合部54に対応する位置に位置する。第1の後ろ側ブロック部66及び第2の後ろ側ブロック部68は、第1の所定の位置P1にある可動部材34が引っ込め方向D2に沿って動くのを防止するように構成されている。第2の後ろ側ブロック部68は、第2のレール24が可動物体(例えば、引き出し)に取り付けられる場合に第2のレール24を調整し易くするために、第1の後ろ側ブロック部66よりもわずか後方に位置することができる。しかしながら、本発明の他の実施形態では、筐体36のみが後ろ側ブロック部を有し、第1のレール22は後ろ側ブロック部を有していない。
【0018】
図5に示すように、スライドレールアセンブリ20は引っ込められた状態にある。第2のレール24は、第1のレール22に対して引っ込め位置Rに位置する。可動部材34は、支持部52を介して弾性部材32と接触する。可動部材34は、筐体36に対して第1の所定の位置P1に位置する。第2のレール24の第1の接続部材56及び第2の接続部材58は、可動部材34の第1のブロック部48と第2のブロック部50との間の空間に位置する。
【0019】
可動部材34は、係合部54を介して長手経路62に沿って可動であることが好ましく、可動部材34は、第1の状態S1で保持されるように、係合部54を介して長手経路62によって支持されるように構成されている。
【0020】
可動部材34が第1の状態S1にある場合、第1のブロック部48及び第2のブロック部50は実質的に同じ水平位置に位置することが好ましい。
【0021】
図5及び
図6に示すように、第1のレール22に対して第2のレール24を引っ込め位置Rから伸長方向D1に沿って動かす過程の間に、第1の接続部材56は可動部材34の第1のブロック部48と接触して可動部材34を駆動し、可動部材34を第1の所定の位置P1から伸長方向D1に沿って動かす。
【0022】
図7に示すように、第2のレール24を第1のレール22に対して伸長方向D1に沿ってさらに動かすプロセスの間、可動部材34が駆動されて筐体36に対して伸長方向D1に沿って第2の所定の位置P2に動かされ、可動部材34は回転されて第1の状態S1から第2の状態S2に切り替わる。可動部材34が第2の状態S2にある場合、第1の接続部材56は、もはや可動部材34の第1のブロック部48と接触しておらず、弾性部材32は、可動部材34が第2の所定の位置P2に位置することに対応して弾性力Fを生成する(例えば、弾性部材32は、引っ込め方向D2の方に弾性力Fを蓄積する)。第2のレール24は、スライドレールアセンブリ20が伸長状態になるように、第1のレール22に対して伸長方向D1に沿って伸長位置Eへとさらに動かすことができる。可動部材34が第2の所定の位置P2に位置する場合、可動部材34の係合部54は筐体36の屈曲経路64の位置決め部60と係合することが好ましい。
【0023】
可動部材34が第2の状態S2にある場合、第1のブロック部48及び第2のブロック部50は異なる水平位置に位置することが好ましい。すなわち、第1のブロック部48及び第2のブロック部50は異なる高さの位置に位置する。
【0024】
図7、
図8及び
図9に示すように、第2のレール24を第1のレール22に対して引っ込め方向D2に沿って伸長位置Eから動かす最後の過程の間、第2の接続部材58は、可動部材34の第1のブロック部48が第1の接触部材56と接触するようにするために、可動部材34の第2のブロック部50と接触して可動部材34を駆動し、(
図8に示す)第2の状態S2から(
図9に示すように)第1の状態S1に戻すように構成されている。さらに、可動部材34は、弾性部材32の弾性力(例えば、引っ込め方向D2に向かう弾性部材32の弾性力F)を用いることにより、第2のレール24を駆動して、引っ込め方向D2に沿って引っ込め位置Rに動かすように構成されている(
図5も参照されたい)。
【0025】
さらに、戻り装置26の弾性部材32の弾性力Fに対応して、可動部材34が第2のレール24を引っ込め方向D2に沿って引っ込め位置Rに動かす構成は、所謂スライドレール自動閉鎖機能である。
【0026】
図10及び
図11に示すように、スライドレール自動閉鎖機能が機能しない場合がある。例えば、第2のレール24が第1のレール22に対して伸長位置Eに位置する場合、外力の要因によって弾性部材32の弾性力Fが誤って放たれ、可動部材34が駆動されて引っ込め方向D2に沿って第2の所定の位置P2から1つの位置(係る位置は第1の所定の位置P1と実質的に同一であり得るが、本発明はこのような構成に限定されない)に動かされ第1の状態S1になる。そのような状態では、スライドレールアセンブリ20は、第2のレール24を第1のレール22に対して引っ込め方向D2に沿って伸長位置Eに動かす最終的な過程の間にスライドレール自動閉鎖機能を提供できない。
【0027】
さらに、本実施の形態では、ガイド部70が可動部材34に配置されるとともに、可動部材34の第1のブロック部48に隣接する。ガイド部70は傾斜面又は円弧面を有するが、本発明はこのような構成に限定されない。ガイド部70及び第1のブロック部48は、可動部材34の前部の両側にそれぞれ位置することが好ましい。
【0028】
可動部材34が第1の状態S1にあって、第2のレール24が伸長位置Eから引っ込め方向D2に沿って動かされる過程の間(スライドレール自動閉鎖機能が機能していない状態下)、第2の接続部材58は、(
図10に示すように)ガイド部70によってガイドされて可動部材34の前部を横断して、(
図11に示すように)可動部材34の第1のブロック部48と接触するように構成されている。そのため、第2のレール24が伸長方向D1に沿ってさらに動かされると、第2の接続部材58は、可動部材34の第1のブロック部48と接触して可動部材34を駆動し、伸長方向D1に沿って可動部材34を第2の所定の位置P2へと動かして(
図7も参照されたい)、再び第2の状態S2にするように構成されている。したがって、弾性部材32は、可動部材34が第2の所定の位置P2に位置することに対応して弾性力Fを生成するように構成されている。したがって、スライドレール自動閉鎖機能が再度回復する。このような構成によれば、スライドレール自動閉鎖機能は、第2のレール24を第1のレール22内に完全に引っ込めずに回復させることができる。すなわち、スライドレール自動閉鎖機能を回復させるために第2のレール24が再度引き出される前に第2のレール24と第1のレール22との間で所定の間隙Lを維持できるため、レールの前端近傍で指を挟むことを防止できる。
【0029】
戻り装置26及び/又は接続装置28は、ステンレス鋼等の金属材料でできていることが好ましい。したがって、スライドレールアセンブリ20は、特定の環境(例えば、高温環境)で用いられる場合に高温に対する耐熱性を有することができる。
【0030】
したがって、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリ20は以下のような特徴を有する。
【0031】
1)第2のレール24は第1の接続部材56及び第2の接続部材58を備える。可動部材34の第1のブロック部48が第1の接続部材56に接触するときに戻り装置26の弾性部材32の弾性力Fを用いることにより、可動部材34は、所謂スライドレール自動閉鎖機能を提供するために、第2のレール24を駆動して引っ込め方向D2に沿って引っ込め位置Rに動かすことができる。加えて、スライドレール自動閉鎖機能が機能しない場合、第2の接続部材58は、可動部材34の第1のブロック部48と接触して可動部材34を駆動し、伸長方向D1に沿って第2の所定の位置P2に動かして第2の状態S2にさせることができる。そのため、可動部材34が第2の所定の位置P2に位置することに対応して弾性部材32が弾性力Fを生成し、スライドレール自動閉鎖機能を回復させる。
【0032】
2)可動部材34が第1の状態S1にある場合、第1のブロック部48及び第2のブロック部50は実質的に同じ水平位置に位置する。可動部材34が第2の状態S2にある場合、第1のブロック部48及び第2のブロック部50は異なる水平位置に位置する。
【0033】
3)弾性部材32は、可動部材34が伸長方向D1に沿って動かされるのに対応して押圧される。可動部材34が筐体36に対して第2の所定の位置P2に位置している場合、弾性部材32は弾性力Fを生成するように構成されている。バネを伸長方向に沿って伸張させることにより弾性力を蓄積する先行技術(バネは頻繁に引っ張ると壊れやすくなる)とは対照的に、本発明の弾性部材32は押圧されることで弾性力Fを蓄積するように構成されているため、戻り装置26の耐用年数がより長くなる。
【0034】
4)戻り装置26及び/又は接続装置28は金属材料でできている。そのため、スライドレールアセンブリ20は、特定の環境で使用されるために高温に対する耐熱性を有することができる。
【0035】
5)戻り装置26のスライドレール自動閉鎖機能が機能しない場合、第2の接続部材58は(
図10に示すように)ガイド部70によってガイドされて、(
図11に示すように)可動部材34の第1のブロック部48と接触できるため、第2のレール24が伸長方向D1に沿って動かされた場合に、第2の接続部材58は、可動部材34の第1のブロック部48と接触して可動部材34を駆動し、可動部材34を伸長方向D1に沿って第2の所定の位置P2に動かして、再び第2の状態S2にさせるように構成されている(
図7を参照されたい)。したがって、弾性部材32は、可動部材34が第2の所定の位置P2にあるのに対応して弾性力Fを生成するように構成されている。したがって、スライドレール自動閉鎖機能が再び回復する。
【0036】
6)本発明のスライドレール自動閉鎖機能を回復させる作業は、レールの前端近傍で指を挟むのを防止できる。
【0037】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。