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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】パイロット形電磁弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20220614BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20220614BHJP
   F16K 31/124 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
F16K31/06 305K
F16K27/00 B
F16K31/124
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020085457
(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公開番号】P2021042851
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-04-07
(31)【優先権主張番号】P 2019161100
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-089847(JP,A)
【文献】独国特許発明第102007040929(DE,B3)
【文献】特開平02-138502(JP,A)
【文献】実開昭61-024582(JP,U)
【文献】特開平09-100932(JP,A)
【文献】特開昭49-075968(JP,A)
【文献】実開昭52-091467(JP,U)
【文献】特開2018-071526(JP,A)
【文献】実公平6-43590(JP,Y2)
【文献】米国特許第5597015(US,A)
【文献】特開2020-186781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
F16K 31/06-31/11
F16K 31/12-31/165
F16K 31/36-31/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポートを有するケーシング内を往復移動することで前記各ポート間の連通を切り換えるスプール弁体と、
前記ケーシング内において前記スプール弁体の両端部側にそれぞれ設けられる第1パイロット圧作用室及び第2パイロット圧作用室と、
前記第1パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する第1パイロット弁と、
前記第2パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する第2パイロット弁と、を備え、
前記第1パイロット弁と前記第2パイロット弁とが互いに連接した状態で配置され、
前記第1パイロット弁及び前記第2パイロット弁は、第1面、及び前記第1面とは反対側の第2面を有する矩形ブロック状のボディをそれぞれ有し、
前記各ボディは、
前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第1面と前記第2パイロット弁の前記ボディの前記第2面とが当接し、且つ前記第2パイロット弁の前記ボディの前記第1面が前記ケーシングに当接するように配置され、
前記各ボディには、パイロット流体が流れる複数の流路が形成され、
前記複数の流路には、前記各ボディの前記第2面に開口する流路が含まれているパイロット形電磁弁であって、
前記第1パイロット弁及び前記第2パイロット弁を前記ケーシングに固定する固定クリップを備え、
前記固定クリップは、
前記ケーシングに固定される一対の延設部と、
前記一対の延設部が前記ケーシングに固定されることにより前記ケーシングと協働して前記第1パイロット弁及び前記第2パイロット弁を挟み込んだ状態で前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第2面に開口する前記流路を閉塞する閉塞部と、
前記閉塞部を前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第2面に向けて付勢する付勢力を付与する付勢部と、を有し、
前記閉塞部と前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第2面との間には、前記閉塞部と前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第2面との間をシールするシール部材が配置されていることを特徴とするパイロット形電磁弁。
【請求項2】
前記固定クリップは、
前記一対の延設部同士を接続する接続部を有し、
前記付勢部は、
前記接続部から前記一対の延設部の間に向けて折り曲げられる折り曲げ部であり、
前記閉塞部は、前記折り曲げ部における前記接続部とは反対側の端部から前記一対の延設部の間に向けて延びて前記一対の延設部の間に配置される板状であり、
前記固定クリップを前記ケーシングに固定する前の状態を第1状態とし、前記固定クリップにより前記第1パイロット弁及び前記第2パイロット弁を前記ケーシングに固定した状態を第2状態とすると、少なくとも前記第1状態では、前記閉塞部は、前記接続部から離間しており、前記第2状態では、前記閉塞部が前記接続部に対して前記第1状態よりも接近していることを特徴とする請求項1に記載のパイロット形電磁弁。
【請求項3】
前記各ボディの前記第1面と前記第2面とを連結する一対の側面、及び前記第2パイロット弁の前記ボディにおける前記一対の側面のそれぞれに連結する前記ケーシングの各側面には、前記一対の延設部における前記閉塞部が前記折り曲げ部から延びる方向とは反対側に位置する部分を案内するための案内壁が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のパイロット形電磁弁。
【請求項4】
前記折り曲げ部は、円弧状に折り曲げられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のパイロット形電磁弁。
【請求項5】
前記接続部は、板状であり、
前記接続部には、前記第2状態において前記閉塞部を前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第2面に対して押し付けるネジが前記接続部を板厚方向に貫通するように螺合されていることを特徴とする請求項2~請求項4のいずれか一項に記載のパイロット形電磁弁。
【請求項6】
前記接続部は、平板状であり、
前記折り曲げ部は、前記接続部における前記一対の延設部とは反対側に位置する板面に沿って延びる仮想面よりも前記一対の延設部側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のパイロット形電磁弁。
【請求項7】
前記閉塞部は、前記一対の延設部同士を接続する板状であり、
前記付勢部は、
前記一対の延設部のそれぞれに設けられ、且つ前記一対の延設部の延びる方向に対して波形状をなすように延びるばね部であり、
前記固定クリップを前記ケーシングに固定する前の状態を第1状態とし、前記固定クリップにより前記第1パイロット弁及び前記第2パイロット弁を前記ケーシングに固定した状態を第2状態とすると、前記第2状態では、前記ばね部は前記第1状態よりも伸びていることを特徴とする請求項1に記載のパイロット形電磁弁。
【請求項8】
前記一対の延設部は、平板状であることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のパイロット形電磁弁。
【請求項9】
前記延設部は、前記ケーシングの係止部に係止される被係止部を有し、
前記被係止部は、前記延設部の板厚方向に貫通する円孔状の貫通孔であり、
前記係止部は、前記ケーシングの側面から突出するとともに前記貫通孔に嵌め込まれる柱状の係止突起であり、
前記係止突起の外面のうち前記第2パイロット弁の前記ボディとは反対側の部分は、前記貫通孔の内面に倣う円弧状をなしていることを特徴とする請求項8に記載のパイロット形電磁弁。
【請求項10】
前記係止突起の外面のうち前記第2パイロット弁の前記ボディ側の部分は、前記閉塞部から離間するほど前記係止突起の突出量が増大するように傾斜するテーパ面となっていることを特徴とする請求項9に記載のパイロット形電磁弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイロット形電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
パイロット形電磁弁は、複数のポートを有するケーシング内を往復移動することで各ポート間の連通を切り替えるスプール弁体を有している。ケーシング内において、スプール弁体の両端部側には第1パイロット圧作用室及び第2パイロット圧作用室がそれぞれ設けられている。また、パイロット形電磁弁は、第1パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する第1パイロット弁と、第2パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する第2パイロット弁と、を有している。そして、第1パイロット弁における第1パイロット圧作用室に対するパイロット流体の給排、及び第2パイロット弁における第2パイロット圧作用室に対するパイロット流体の給排が行われることにより、スプール弁体が往復移動して、各ポート間の連通が切り替えられる。
【0003】
ところで、第1パイロット弁及び第2パイロット弁にそれぞれ設けられるソレノイドに電力を供給するための配線構造としては、プラグイン構造が従来から知られている。プラグイン構造では、例えば、第1パイロット弁及び第2パイロット弁がマニホールドブロックに組み付けられると同時に、第1パイロット弁の接続端子、及び第2パイロット弁の接続端子が、マニホールドブロックに設けられた主電源に繋がる接続端子と接続されるようになっている。このようなプラグイン構造は、配線が外部に露出しないため美観上好ましく、結線作業の簡略化を図ることが可能である。
【0004】
また、例えば特許文献1に開示されているように、第1パイロット弁と第2パイロット弁とが互いに連接した状態で配置されているパイロット形電磁弁が従来から知られている。特許文献1のパイロット形電磁弁は、ケーシングに対して、第1パイロット弁及び第2パイロット弁を片側に寄せて配置した片側ソレノイド型電磁弁である。このような片側ソレノイド型電磁弁において、プラグイン構造を採用した場合、マニホールドブロックの接続端子等の給電構造が1箇所に集約し易くなるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許発明第102007040929号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のような片側ソレノイド型電磁弁の場合において、第1パイロット弁及び第2パイロット弁は、第1面、及び第1面とは反対側の第2面を有する矩形ブロック状のボディをそれぞれ有している。各ボディは、第1パイロット弁のボディの第1面と第2パイロット弁のボディの第2面とが当接し、且つ第2パイロット弁のボディの第1面がケーシングに当接するように配置されている。ここで、第1パイロット弁のボディに形成されるとともにパイロット流体が流れる流路が、第1パイロット弁のボディの第2面に開口している場合を考える。この場合、第1パイロット弁のボディの第2面に開口する流路を閉塞する必要がある。このとき、第1パイロット弁のボディの第2面に開口する流路を流れるパイロット流体が外部に洩れないように、高いシール性を確保した状態で第1パイロット弁のボディの第2面に開口する流路を閉塞することが望まれている。
【0007】
また、各ボディに形成された流路の流路断面積を拡大することが望まれているが、例えばネジを用いて第1パイロット弁及び第2パイロット弁をケーシングに固定する場合、各ボディにはネジが挿通されるネジ挿通孔を形成する必要がある。そのため、各ボディの流路の流路断面積を拡大しようとすると、ネジ挿通孔が邪魔をして流路の流路断面積の拡大を制限してしまう。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高いシール性を確保しつつパイロット流体の外部への洩れを抑制できるとともに流路の流路断面積を拡大できるパイロット形電磁弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するパイロット形電磁弁において、複数のポートを有するケーシング内を往復移動することで前記各ポート間の連通を切り換えるスプール弁体と、前記ケーシング内において前記スプール弁体の両端部側にそれぞれ設けられる第1パイロット圧作用室及び第2パイロット圧作用室と、前記第1パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する第1パイロット弁と、前記第2パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する第2パイロット弁と、を備え、前記第1パイロット弁と前記第2パイロット弁とが互いに連接した状態で配置され、前記第1パイロット弁及び前記第2パイロット弁は、第1面、及び前記第1面とは反対側の第2面を有する矩形ブロック状のボディをそれぞれ有し、前記各ボディは、前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第1面と前記第2パイロット弁の前記ボディの前記第2面とが当接し、且つ前記第2パイロット弁の前記ボディの前記第1面が前記ケーシングに当接するように配置され、前記各ボディには、パイロット流体が流れる複数の流路が形成され、前記複数の流路には、前記各ボディの前記第2面に開口する流路が含まれているパイロット形電磁弁であって、前記第1パイロット弁及び前記第2パイロット弁を前記ケーシングに固定する固定クリップを備え、前記固定クリップは、前記ケーシングに固定される一対の延設部と、前記一対の延設部が前記ケーシングに固定されることにより前記ケーシングと協働して前記第1パイロット弁及び前記第2パイロット弁を挟み込んだ状態で前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第2面に開口する前記流路を閉塞する閉塞部と、前記閉塞部を前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第2面に向けて付勢する付勢力を付与する付勢部と、を有し、前記閉塞部と前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第2面との間には、前記閉塞部と前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第2面との間をシールするシール部材が配置されている。
【0010】
上記パイロット形電磁弁において、前記固定クリップは、前記一対の延設部同士を接続する接続部を有し、前記付勢部は、前記接続部から前記一対の延設部の間に向けて折り曲げられる折り曲げ部であり、前記閉塞部は、前記折り曲げ部における前記接続部とは反対側の端部から前記一対の延設部の間に向けて延びて前記一対の延設部の間に配置される板状であり、前記固定クリップを前記ケーシングに固定する前の状態を第1状態とし、前記固定クリップにより前記第1パイロット弁及び前記第2パイロット弁を前記ケーシングに固定した状態を第2状態とすると、少なくとも前記第1状態では、前記閉塞部は、前記接続部から離間しており、前記第2状態では、前記閉塞部が前記接続部に対して前記第1状態よりも接近しているとよい。
【0011】
上記パイロット形電磁弁において、前記各ボディの前記第1面と前記第2面とを連結する一対の側面、及び前記第2パイロット弁の前記ボディにおける前記一対の側面のそれぞれに連結する前記ケーシングの各側面には、前記一対の延設部における前記閉塞部が前記折り曲げ部から延びる方向とは反対側に位置する部分を案内するための案内壁が設けられているとよい。
【0012】
上記パイロット形電磁弁において、前記折り曲げ部は、円弧状に折り曲げられているとよい。
上記パイロット形電磁弁において、前記接続部は、板状であり、前記接続部には、前記第2状態において前記閉塞部を前記第1パイロット弁の前記ボディの前記第2面に対して押し付けるネジが前記接続部を板厚方向に貫通するように螺合されているとよい。
【0013】
上記パイロット形電磁弁において、前記接続部は、平板状であり、前記折り曲げ部は、前記接続部における前記一対の延設部とは反対側に位置する板面に沿って延びる仮想面よりも前記一対の延設部側に配置されているとよい。
【0014】
上記パイロット形電磁弁において、前記閉塞部は、前記一対の延設部同士を接続する板状であり、前記付勢部は、前記一対の延設部のそれぞれに設けられ、且つ前記一対の延設部の延びる方向に対して波形状をなすように延びるばね部であり、前記固定クリップを前記ケーシングに固定する前の状態を第1状態とし、前記固定クリップにより前記第1パイロット弁及び前記第2パイロット弁を前記ケーシングに固定した状態を第2状態とすると、前記第2状態では、前記ばね部は前記第1状態よりも伸びているとよい。
【0015】
上記パイロット形電磁弁において、前記一対の延設部は、平板状であるとよい。
上記パイロット形電磁弁において、前記延設部は、前記ケーシングの係止部に係止される被係止部を有し、前記被係止部は、前記延設部の板厚方向に貫通する円孔状の貫通孔であり、前記係止部は、前記ケーシングの側面から突出するとともに前記貫通孔に嵌め込まれる柱状の係止突起であり、前記係止突起の外面のうち前記第2パイロット弁の前記ボディとは反対側の部分は、前記貫通孔の内面に倣う円弧状をなしているとよい。
【0016】
上記パイロット形電磁弁において、前記係止突起の外面のうち前記第2パイロット弁の前記ボディ側の部分は、前記閉塞部から離間するほど前記係止突起の突出量が増大するように傾斜するテーパ面となっているとよい。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、高いシール性を確保しつつパイロット流体の外部への洩れを抑制できるとともに流路の流路断面積を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態における電磁弁マニホールドを示す断面図。
図2】ケーシング及びマニホールドブロックを拡大して示す断面図。
図3】第1パイロット弁及び第2パイロット弁を示す断面図。
図4】第1パイロット弁及び第2パイロット弁を模式的に示す斜視図。
図5】流路形成ブロックを第1面側から見た断面図。
図6】流路形成ブロックを第2面側から見た断面図。
図7】第1パイロット弁及び第2パイロット弁の断面図。
図8】第1の実施形態における固定クリップの斜視図。
図9】第1パイロット弁及び第2パイロット弁を部分的に示す斜視図。
図10】ケーシングの係止突起の側面図。
図11】第1パイロット弁及び第2パイロット弁がケーシングに固定された状態を示す斜視図。
図12】(a)は、固定クリップをケーシングに固定する前の状態である第1状態における折り曲げ部と接続部との距離を示した断面図、(b)は、固定クリップにより第1パイロット弁及び第2パイロット弁をケーシングに固定した状態である第2状態における折り曲げ部と接続部との距離を示した断面図。
図13】第2の実施形態における固定クリップの斜視図。
図14】第2の実施形態における固定クリップにより第1パイロット弁及び第2パイロット弁がケーシングに固定された状態を示す斜視図。
図15】第3の実施形態におけるパイロット形電磁弁の分解斜視図。
図16】第4の実施形態における固定クリップの斜視図。
図17】(a)は、第4の実施形態の固定クリップをケーシングに固定する前の状態である第1状態における折り曲げ部と接続部との距離を示した断面図、(b)は、第4の実施形態の固定クリップをケーシングに固定した状態である第2状態における折り曲げ部と接続部との距離を示した断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
以下、パイロット形電磁弁を具体化した一実施形態を図1図12にしたがって説明する。本実施形態のパイロット形電磁弁は、マニホールドブロックと共に電磁弁マニホールドを構成している。
【0020】
図1に示すように、パイロット形電磁弁10は、マニホールドブロックMBの載置面B1に搭載されている。パイロット形電磁弁10は、主弁部V1、第1パイロット弁41、及び第2パイロット弁42を備えている。主弁部V1のケーシング11は、マニホールドブロックMBの載置面B1に搭載される細長四角ブロック状である。
【0021】
ケーシング11は、細長四角ブロック状のケーシング本体12と、ケーシング本体12の長手方向の第1端に連結される第1連結ブロック13と、ケーシング本体12の長手方向の第2端に連結される第2連結ブロック14と、を有している。ケーシング本体12、第1連結ブロック13、及び第2連結ブロック14は、例えば、合成樹脂材料製である。ケーシング本体12は、マニホールドブロックMBの載置面B1と対向する本体対向面12aを有している。第1連結ブロック13は、マニホールドブロックMBの載置面B1と対向する第1対向面13aを有している。第2連結ブロック14は、マニホールドブロックMBの載置面B1と対向する第2対向面14aを有している。
【0022】
第1連結ブロック13は、第1ブロック本体131及び第1アダプタ132を有している。第1ブロック本体131は、ケーシング本体12の長手方向の第1端に連結されている。第1アダプタ132は、第1ブロック本体131におけるケーシング本体12とは反対側の面に連結されている。第2連結ブロック14は、第2ブロック本体141及び第2アダプタ142を有している。第2ブロック本体141は、ケーシング本体12の長手方向の第2端に連結されている。第2アダプタ142は、第2ブロック本体141におけるケーシング本体12とは反対側の面に連結されている。
【0023】
図2に示すように、ケーシング本体12には、スプール弁体15が収容される円孔状の弁孔16が形成されている。弁孔16は、ケーシング本体12の長手方向に延びている。弁孔16の第1端は、ケーシング本体12の長手方向の第1端面に開口するとともに、弁孔16の第2端は、ケーシング本体12の長手方向の第2端面に開口している。よって、弁孔16は、ケーシング本体12の長手方向に貫通している。スプール弁体15は、弁孔16内を往復移動可能に弁孔16に収容されている。
【0024】
ケーシング本体12には、供給ポート17、第1出力ポート18、第2出力ポート19、第1排出ポート20、及び第2排出ポート21が形成されている。したがって、ケーシング11は、複数のポートを有している。本実施形態のパイロット形電磁弁10は、5ポート電磁弁である。
【0025】
供給ポート17、第1出力ポート18、第2出力ポート19、第1排出ポート20、及び第2排出ポート21は、ケーシング本体12の長手方向の第1端から第2端に向かうにつれて、第1排出ポート20、第1出力ポート18、供給ポート17、第2出力ポート19、第2排出ポート21の順に並んでケーシング本体12に形成されている。供給ポート17、第1出力ポート18、第2出力ポート19、第1排出ポート20、及び第2排出ポート21それぞれの第1端は弁孔16に連通している。供給ポート17、第1出力ポート18、第2出力ポート19、第1排出ポート20、及び第2排出ポート21それぞれの第2端は、ケーシング本体12の本体対向面12aに開口している。
【0026】
弁孔16の内周面において、供給ポート17と第1出力ポート18との間には、第1弁座部22が設けられている。また、弁孔16の内周面において、第1出力ポート18と第1排出ポート20との間には、第2弁座部23が設けられている。さらに、弁孔16の内周面において、供給ポート17と第2出力ポート19との間には、第3弁座部24が設けられている。また、弁孔16の内周面において、第2出力ポート19と第2排出ポート21との間には、第4弁座部25が設けられている。第1弁座部22、第2弁座部23、第3弁座部24、及び第4弁座部25は、弁孔16の内周面の一部を形成する環状である。
【0027】
また、弁孔16は、第1排出ポート20に連通するとともに第2弁座部23とは反対側に位置する弁孔16の第1端部を形成する第1孔部16aを有している。さらに、弁孔16は、第2排出ポート21に連通するとともに第4弁座部25とは反対側に位置する弁孔16の第2端部を形成する第2孔部16bを有している。第1弁座部22、第2弁座部23、第3弁座部24、第4弁座部25、第1孔部16a、及び第2孔部16bの内径は同じである。
【0028】
スプール弁体15には、スプール弁体15の軸線方向において互いに離間する第1弁部151、第2弁部152、第3弁部153、第4弁部154、第5弁部155、及び第6弁部156を有している。第1弁部151、第2弁部152、第3弁部153、第4弁部154、第5弁部155、及び第6弁部156は、スプール弁体15の軸線方向の第1端から第2端に向かうにつれて、第5弁部155、第2弁部152、第1弁部151、第3弁部153、第4弁部154、及び第6弁部156の順に配列されている。第1弁部151は、第2弁部152、第3弁部153、第4弁部154、第5弁部155、及び第6弁部156の外径は同じである。
【0029】
スプール弁体15は、第1弁部151と第3弁部153とを連結する第1軸部15aと、第1弁部151と第2弁部152とを連結する第2軸部15bと、第3弁部153と第4弁部154とを連結する第3軸部15cと、を有している。また、スプール弁体15は、第2弁部152と第5弁部155とを連結する第4軸部15dと、第4弁部154と第6弁部156とを連結する第5軸部15eと、を有している。
【0030】
スプール弁体15は、第5弁部155における第4軸部15dとは反対側の端面から突出する柱状の第1突出部15fを有している。第1突出部15fは、スプール弁体15の軸線方向の第1端部である。また、スプール弁体15は、第6弁部156における第5軸部15eとは反対側の端面から突出する柱状の第2突出部15gを有している。第2突出部15gは、スプール弁体15の軸線方向の第2端部である。
【0031】
第1軸部15a、第2軸部15b、第3軸部15c、第4軸部15d、第5軸部15e、第1突出部15f、及び第2突出部15gの外径は同じである。第1弁部151、第2弁部152、第3弁部153、第4弁部154、第5弁部155、及び第6弁部156の外径は、第1軸部15a、第2軸部15b、第3軸部15c、第4軸部15d、第5軸部15e、第1突出部15f、及び第2突出部15gの外径よりも大きい。
【0032】
第1弁部151の外周面には、第1弁部151が第1弁座部22に着座して供給ポート17と第1出力ポート18との間をシールする第1スプールパッキン26が装着されている。第2弁部152の外周面には、第2弁部152が第2弁座部23に着座して第1出力ポート18と第1排出ポート20との間をシールする第2スプールパッキン27が装着されている。第3弁部153の外周面には、第3弁部153が第3弁座部24に着座して供給ポート17と第2出力ポート19との間をシールする第3スプールパッキン28が装着されている。第4弁部154の外周面には、第4弁部154が第4弁座部25に着座して第2出力ポート19と第2排出ポート21との間をシールする第4スプールパッキン29が装着されている。第1スプールパッキン26、第2スプールパッキン27、第3スプールパッキン28、及び第4スプールパッキン29は、ゴム製の環状である。
【0033】
第1連結ブロック13の第1ブロック本体131には、第1孔部16aに連通する円孔状の第1ピストン収容凹部31が形成されている。スプール弁体15の第1突出部15fは、第1孔部16aから第1ピストン収容凹部31内に出没可能である。第1ピストン収容凹部31内には、円板状の第1ピストン32が往復動可能に収容されている。第1ピストン32は、スプール弁体15の第1突出部15fの先端部に取り付けられている。第1ピストン32の外周面には第1リップパッキン33が装着されている。第1リップパッキン33は、第1ピストン32と第1ピストン収容凹部31の内周面との間をシールする。そして、第1ピストン32により第1ピストン収容凹部31内に第1パイロット圧作用室34が区画されている。第1パイロット圧作用室34にはパイロット流体が給排される。
【0034】
第2連結ブロック14の第2ブロック本体141には、第2孔部16bに連通する円孔状の第2ピストン収容凹部35が形成されている。第2ピストン収容凹部35の内径は、第1ピストン収容凹部31と同じである。スプール弁体15の第2突出部15gは、第2孔部16bから第2ピストン収容凹部35内に出没可能である。第2ピストン収容凹部35内には、円板状の第2ピストン36が往復動可能に収容されている。第2ピストン36は、スプール弁体15の第2突出部15gの先端部に取り付けられている。第2ピストン36の外径は、第1ピストン32の外径と同じである。第2ピストン36の外周面には第2リップパッキン37が装着されている。第2リップパッキン37は、第2ピストン36と第2ピストン収容凹部35の内周面との間をシールする。そして、第2ピストン36により第2ピストン収容凹部35内に第2パイロット圧作用室38が区画されている。第2パイロット圧作用室38にはパイロット流体が給排される。したがって、第1パイロット圧作用室34及び第2パイロット圧作用室38は、ケーシング11内においてスプール弁体15の両端部側にそれぞれ設けられている。第2パイロット圧作用室38には、パイロット流体が給排される。
【0035】
第1ピストン32の外径と第2ピストン36の外径とが同じであるため、第1ピストン32における第1パイロット圧作用室34内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積と、第2ピストン36における第2パイロット圧作用室38内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積とは同じである。
【0036】
第5弁部155の外周面には、第5弁部155と第1孔部16aとの間をシールする第1シール部材39aが装着されている。第1シール部材39aは、環状のゴム製である。そして、第1シール部材39aによって、第1排出ポート20から第1孔部16aを介した第1ピストン収容凹部31への流体の洩れが抑制されている。
【0037】
第6弁部156の外周面には、第6弁部156と第2孔部16bとの間をシールする第2シール部材39bが装着されている。第2シール部材39bは、環状のゴム製である。そして、第2シール部材39bによって、第2排出ポート21から第2孔部16bを介した第2ピストン収容凹部35への流体の洩れが抑制されている。
【0038】
図3に示すように、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42は、同一構成である。第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42は、矩形ブロック状のボディ60をそれぞれ有している。各ボディ60は、有底四角筒状のソレノイドケース43と、ソレノイドケース43に連結される四角ブロック状の流路形成ブロック44と、をそれぞれ有している。ソレノイドケース43及び流路形成ブロック44は、例えば合成樹脂材料製である。よって、ソレノイドケース43及び流路形成ブロック44は非磁性材成である。
【0039】
ソレノイドケース43は、四角板状の底壁43aと、底壁43aの外周部から四角筒状に延びる周壁43bと、を有している。流路形成ブロック44は、周壁43bにおける底壁43aとは反対側の端部である開口端部に連結されている。流路形成ブロック44は、周壁43bの開口を閉塞している。ソレノイドケース43には、磁性材製である磁気フレーム45が固定されている。磁気フレーム45は、ソレノイドケース43の底壁43aの内面に沿って延びる板状の底部45aと、底部45aの周縁部からソレノイドケース43の周壁43bの内周面に沿って延びる筒状の延在部45bとを有している。
【0040】
第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42は、ソレノイド46をそれぞれ備えている。各ソレノイド46は、コイル47、固定鉄心48、プランジャ49、及びプランジャばね50を有している。固定鉄心48及びプランジャ49は、磁性材製である。ソレノイドケース43内には、コイル47が巻回された筒状のボビン51が収容されている。ボビン51の軸線は、磁気フレーム45の延在部45bの軸線に一致している。
【0041】
固定鉄心48は、ソレノイドケース43内に収容されている。固定鉄心48は柱状である。固定鉄心48は、ボビン51の内側に挿入された状態でボビン51に対して固定されている。固定鉄心48の軸線は、ボビン51の軸線に一致している。固定鉄心48の軸線方向の長さは、ボビン51の軸線方向の長さよりも短い。固定鉄心48における磁気フレーム45の底部45aとは反対側の端面48eは、平坦面状である。固定鉄心48の端面48eは、ボビン51の内側に位置している。
【0042】
プランジャ49は、ボビン51の内側に挿入される柱状である。プランジャ49は、固定鉄心48よりも流路形成ブロック44側に位置している。プランジャ49の軸線は、固定鉄心48の軸線と一致している。プランジャ49における固定鉄心48側の端面49eは平坦面状である。プランジャ49の端面49eは、固定鉄心48の端面48eに面接触可能である。プランジャ49における固定鉄心48とは反対側の端部は、ボビン51から突出している。プランジャ49の外周面における固定鉄心48とは反対側の端部には、環状の鍔部49fが突出している。
【0043】
磁気フレーム45の延在部45bにおける底部45aとは反対側の端部の内側には、筒状の磁性コア52が配置されている。磁性コア52は、ボビン51よりも流路形成ブロック44側に位置している。磁性コア52の外周面は、磁気フレーム45の延在部45bの内周面に接触している。プランジャ49は、磁性コア52の内側を通過している。
【0044】
プランジャばね50は、磁性コア52とプランジャ49の鍔部49fとの間に介在されている。プランジャばね50の第1端は、磁性コア52の端面に支持されるとともに、プランジャばね50の第2端は、プランジャ49の鍔部49fに支持されている。プランジャばね50は、プランジャ49の端面49eが固定鉄心48の端面48eに対して離間する方向へプランジャ49を付勢している。
【0045】
流路形成ブロック44におけるソレノイドケース43とは反対側の端面には、有底円孔状の収容孔44hが形成されている。収容孔44hの軸線は、プランジャ49の軸線に一致している。各ボディ60は、収容孔44hに取り付けられる円柱状のプラグ54をそれぞれ有している。各プラグ54は、シール部材53を介して各収容孔44hにそれぞれ取り付けられている。プラグ54は、収容孔44hの開口を閉塞している。プラグ54は、収容孔44hと協働して弁室55を区画している。
【0046】
弁室55内には、パイロット弁体56が収容されている。プラグ54における弁室55内に臨む端面には、パイロット弁体56が着座する第1弁座57が形成されている。また、収容孔44hの底面には、パイロット弁体56が着座する第2弁座58が形成されている。パイロット弁体56は、第1弁座57及び第2弁座58に接離可能になっている。したがって、パイロット弁体56は、第1弁座57と第2弁座58との間で移動可能に弁室55内に収容されている。そして、第1弁座57及び第2弁座58は、弁室55内におけるパイロット弁体56の移動方向で互いに対向配置されている。
【0047】
弁室55内において、パイロット弁体56とプラグ54との間には、弁体ばね59が介在されている。弁体ばね59は、パイロット弁体56が第1弁座57に対して離間する方向へパイロット弁体56を付勢している。弁体ばね59の付勢力は、プランジャばね50の付勢力よりも小さい。
【0048】
プランジャ49は、長板状の一対の弁押圧部49aを有している。一対の弁押圧部49aは、プランジャ49における固定鉄心48とは反対側の端面から突出している。一対の弁押圧部49aは、流路形成ブロック44を貫通して弁室55内に突出している。そして、一対の弁押圧部49aの先端は、パイロット弁体56に当接している。
【0049】
図3及び図4に示すように、各流路形成ブロック44は、供給流路61、第1出力流路62、第2出力流路63、第1排出流路64、及び第2排出流路65をそれぞれ有している。供給流路61は、第1孔611、第2孔612、第3孔613、溝614、及び貫通孔615により形成されている。第1孔611は、流路形成ブロック44の第1面441に第1端が開口するとともに第2端が収容孔44hに開口している。第1孔611は、流路形成ブロック44の第1面441から収容孔44hに向けて真っ直ぐに延びて流路形成ブロック44を貫通している。第2孔612は、流路形成ブロック44における第1面441とは反対側の第2面442に第1端が開口するとともに第2端が収容孔44hに開口している。なお、第1面441及び第2面442は互いに平行に延びている。第2孔612は、流路形成ブロック44の第2面442から収容孔44hに向けて真っ直ぐに延びて流路形成ブロック44を貫通している。
【0050】
溝614は、プラグ54の外周面の全周に亘って形成されている。第1孔611及び第2孔612は、溝614内に連通している。貫通孔615は、溝614に連通するとともにプラグ54の径方向に延びてプラグ54を貫通している。第3孔613は、貫通孔615に第1端が開口するとともに第2端が第1弁座57の先端に開口している。第3孔613は、貫通孔615から第1弁座57の先端に向けて真っ直ぐに延びてプラグ54を貫通している。第3孔613は、弁室55に連通している。したがって、供給流路61は、流路形成ブロック44の第1面441及び第2面442に開口するとともに弁室55に連通している。
【0051】
第1排出流路64は、第1孔641及び第2孔642により形成されている。第1孔641は、流路形成ブロック44の第1面441に第1端が開口するとともに第2端が流路形成ブロック44の内部まで延びている。第2孔642は、第1端が第1孔641の第2端に連通するとともに第2端が第2弁座58の先端に開口している。第2孔642は、弁室55に連通している。したがって、第1排出流路64は、流路形成ブロック44の第1面441に開口するとともに弁室55に連通している。
【0052】
図5に示すように、供給流路61、第1出力流路62、及び第1排出流路64は、パイロット弁体56の移動方向にこの順序で並んでそれぞれ配置されている。供給流路61における第1面441に対する開口、及び第1排出流路64における第1面441に対する開口は、第1出力流路62における第1面441に対する開口に対して、パイロット弁体56の移動方向の両側に位置している。
【0053】
図4及び図5に示すように、第2出力流路63は、流路形成ブロック44の第1面441に第1端が開口するとともに第2端が流路形成ブロック44の第2面442に向かって延びるように流路形成ブロック44に形成されている。第2出力流路63は、第1面441から第2面442に向けて真っ直ぐに延びている。第2出力流路63の延設方向は、第1面441及び第2面442に対して直交する方向である。図5に示すように、第2出力流路63は、第1排出流路64に対して、パイロット弁体56の移動方向に対して直交する方向で流路形成ブロック44の第1面441と第2面442とを連結する一対の側面443の一方寄りに位置している。
【0054】
図4及び図5に示すように、第2排出流路65は、流路形成ブロック44の第1面441に第1端が開口するとともに第2端が流路形成ブロック44の第2面442に向かって延びるように流路形成ブロック44に形成されている。第2排出流路65は、第1面441から第2面442に向けて真っ直ぐに延びている。第2排出流路65の延設方向は、第1面441及び第2面442に対して直交する方向である。第2排出流路65は、第2出力流路63と平行に延びている。図5に示すように、第2排出流路65は、第1排出流路64に対して、一対の側面443の他方寄りに位置している。
【0055】
図4図6及び図7に示すように、各流路形成ブロック44は、出力流路連通凹部66をそれぞれ有している。出力流路連通凹部66は、流路形成ブロック44の第2面442において、第1出力流路62における第1面441に開口する開口領域Z1と重なる部位、及び第2出力流路63と重なる部位を含む部分に凹設されている。出力流路連通凹部66は、第2出力流路63の第2端に連通している。
【0056】
また、流路形成ブロック44は、排出流路連通凹部67を有している。排出流路連通凹部67は、流路形成ブロック44の第2面442において、第1排出流路64における第1面441に開口する開口領域Z2と重なる部位、及び第2排出流路65と重なる部位を含む部分に凹設されている。排出流路連通凹部67は、第2排出流路65の第2端に連通している。
【0057】
図3に示すように、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42は、第1パイロット弁41と第2パイロット弁42とが互いに隣接した状態でケーシング11に対して配置されている。第2パイロット弁42は、第1パイロット弁41よりもケーシング11の第1連結ブロック13寄りに配置されている。第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42は、第1連結ブロック13に対してケーシング本体12とは反対側に寄せて配置されている。したがって、本実施形態のパイロット形電磁弁10は、ケーシング11に対して、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42を片側に寄せて配置した片側ソレノイド型電磁弁である。
【0058】
第2パイロット弁42は、第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の第1面441が、第1連結ブロック13の第1アダプタ132におけるケーシング本体12とは反対側の面に突き合わさった状態で第1アダプタ132に対して配置されている。また、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42は、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第1面441と、第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の第2面442とが突き合さった状態で互いに配置されている。したがって、第1パイロット弁41のボディ60及び第2パイロット弁42のボディ60は、第1パイロット弁41のボディ60の第1面441と第2パイロット弁42のボディ60の第2面442とが当接し、且つ第2パイロット弁42のボディ60の第1面441がケーシング11に当接するように配置されている。
【0059】
そして、図4に示すように、第1パイロット弁41の供給流路61と第2パイロット弁42の供給流路61とは連通している。また、第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の出力流路連通凹部66は、第1パイロット弁41の第1出力流路62に連通している。したがって、第1パイロット弁41の第1出力流路62は、第2パイロット弁42の出力流路連通凹部66を介して第2パイロット弁42の第2出力流路63に連通している。また、第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の排出流路連通凹部67は、第1パイロット弁41の第1排出流路64に連通している。したがって、第1パイロット弁41の第1排出流路64は、第2パイロット弁42の排出流路連通凹部67を介して第2パイロット弁42の第2排出流路65に連通している。したがって、第1パイロット弁41のボディ60及び第2パイロット弁42のボディ60には、パイロット流体が流れる複数の流路が形成されている。そして、当該複数の流路には、第1パイロット弁41のボディ60及び第2パイロット弁42のボディ60の第2面442に開口する流路が含まれている。
【0060】
図3に示すように、第1パイロット弁41の供給流路61における第2面442に開口する部分、第1パイロット弁41の出力流路連通凹部66及び排出流路連通凹部67は、固定クリップ70によって閉塞されている。なお、第1パイロット弁41の供給流路61における第2面442に開口する部分、第1パイロット弁41の出力流路連通凹部66及び排出流路連通凹部67は、パイロット形電磁弁10の外部に開口するパイロット流体の流路である。
【0061】
図8に示すように、固定クリップ70は、金属製である。固定クリップ70は、一対の延設部70a、閉塞部70b、接続部70c、及び折り曲げ部70dを有している。接続部70cは、長四角平板状をなしている。一対の延設部70aは、互いに平行に延びる細長薄板平板状である。接続部70cは、一対の延設部70aの長手方向に位置する第1端同士を接続する薄板平板状である。接続部70cの長手方向に位置する端部には、一対の延設部70aの長手方向に位置する第1端が接続されている。接続部70cは、一対の延設部70aと直交するように一対の延設部70aと接続されている。接続部70cから一対の延設部70aの延びる方向を第1方向Aとし、接続部70cが一対の延設部70aの間で延びる方向を第2方向Bとし、第1方向Aと第2方向Bとに直交する方向を第3方向Cとする。各延設部70aにおける接続部70cとは反対側の端部には、被係止部としての係止孔70hがそれぞれ設けられている。係止孔70hは、延設部70aの板厚方向に貫通する円孔状の貫通孔である。
【0062】
接続部70cの長手が第2方向Bに延び、短手が第3方向Cに延びている。折り曲げ部70dは、湾曲板状をなしている。折り曲げ部70dは、接続部70cの第3方向Cにおける第1端から延びている。折り曲げ部70dは、接続部70cにおける一対の延設部70aとは反対側に位置する板面70iに沿って延びる仮想面Vpよりも一対の延設部70aとは反対側に一部突出するように形成されている。折り曲げ部70dは、一対の延設部70aの間に向けて折り曲げられている。折り曲げ部70dは、円弧状に折り曲げられている。閉塞部70bは、板状をなしている。閉塞部70bは、折り曲げ部70dにおける接続部70cとは反対側の端部から一対の延設部70aの間に向けて延びている。閉塞部70bは、一対の延設部70aの間に配置されている。閉塞部70bの先端は、接続部70cの第3方向Cにおける第2端よりも外側に位置している。なお、図8は、固定クリップ70がケーシング11に固定される前の状態である第1状態を示している。
【0063】
図9に示すように、各流路形成ブロック44の一対の側面443には第1案内溝71aがそれぞれ形成されている。一対の第1案内溝71aは互いに平行に延びている。一対の第1案内溝71aは、第1面441から第2面442にかけて延びている。第1アダプタ132における第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の一対の側面443それぞれと連結する各側面には、各第1案内溝71aに連結する第2案内溝71bが形成されている。各第1案内溝71aと各第2案内溝71bとは互いに同一平面上に位置している。
【0064】
図5に示すように、一対の第1案内溝71aは、第1面441から見たときに、供給流路61における第1面441に対する開口及び第1出力流路62における第1面441に対する開口を挟む位置に配置されている。
【0065】
図9に示すように、各第2案内溝71bには、係止孔70hに係止される係止部としての柱状の係止突起71fがそれぞれ突設されている。係止突起71fの外面のうち第2パイロット弁42のボディ60とは反対側の部分は、係止孔70hの内面に倣う円弧状をなしている。
【0066】
図10に示すように、係止突起71fの外面のうち第2パイロット弁42のボディ60側の部分は、テーパ面71gとなっている。テーパ面71gは、第2パイロット弁42のボディ60側から第1アダプタ132に向かうほど係止突起71fの突出量が増大するように傾斜している。
【0067】
図11に示すように、第1パイロット弁41と第2パイロット弁42とが互いに隣接した状態で、一対の延設部70aが、一対の第1案内溝71aを介して一対の第2案内溝71bに案内され、各係止孔70hが各係止突起71fに係止されている。すなわち、第1案内溝71a及び第2案内溝71bにより一対の延設部70aを案内する案内溝が構成されている。このように、各係止孔70hが各係止突起71fに係止され、一対の延設部70aが第1アダプタ132に固定されることにより、固定クリップ70がケーシング11に固定される。
【0068】
図5に示すように、一対の延設部70aは、第1面441から見たときに、供給流路61における第1面441に対する開口、及び第1出力流路62における第1面441に対する開口を挟む位置に配置されている。
【0069】
図3に示すように、固定クリップ70の閉塞部70bは、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に当接している。閉塞部70bは、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に開口する供給流路61、出力流路連通凹部66、及び排出流路連通凹部67を閉塞している。そして、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42は、一対の延設部70aが第1アダプタ132に固定されることにより、固定クリップ70の閉塞部70bと第1アダプタ132とによって挟み込まれた状態で、固定クリップ70により第1アダプタ132に固定されている。したがって、固定クリップ70は、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定する。また、閉塞部70bは、一対の延設部70aがケーシング11に固定されることによりケーシング11と協働して第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42を挟み込んだ状態で第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に開口する流路を閉塞する。なお、図3は、固定クリップ70により第1パイロット弁41弁及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定した状態である第2状態を示している。
【0070】
次に、固定クリップ70の第1状態及び第2状態について説明する。
図12(a)に示すように、第1状態では、固定クリップ70の閉塞部70bは、接続部70cから離間している。第1状態では、閉塞部70bと接続部70cとの間の間隔D1が第3方向Cにおいて折り曲げ部70dから離間するほど徐々に大きくなる。すなわち、第1状態において、閉塞部70bは、傾斜した状態である。
【0071】
図12(b)に示すように、第2状態では、固定クリップ70の閉塞部70bが接続部70cに対して第1状態よりも接近している。また、第2状態においても閉塞部70bは、接続部70cから離間している。すなわち、第2状態において、閉塞部70bと接続部70cとの間の間隔D2は第1状態のときの閉塞部70bと接続部70cとの間隔D1よりも小さい。第2状態では、閉塞部70bと接続部70cとは平行である。すなわち、閉塞部70bと接続部70cとの間隔は、閉塞部70bと接続部70cとの間の空間の全域において一定である。
【0072】
図12(a)及び図12(b)に示すように、第1状態から第2状態に遷移するにあたって、固定クリップ70の閉塞部70bが折り曲げ部70dの接続部70cとは反対側に位置する端部を起点として変形しているため、閉塞部70bには第1状態に戻ろうとする復元力が作用する。よって、折り曲げ部70dによりばね構造が形成されているため、第2状態において閉塞部70bは、第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に押し付けられている。したがって、折り曲げ部70dは、閉塞部70bを第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に向けて付勢する付勢力を付与する付勢部として機能している。
【0073】
図3に示すように、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第1面441と第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の第2面442との間、及び第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の第1面441とケーシング11との間には、ガスケット72がそれぞれ配置されている。
【0074】
第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に配置されたガスケット72は、固定クリップ70の閉塞部70bによって第1パイロット弁41の流路形成ブロック44に押し付けられている。したがって、固定クリップ70の閉塞部70bにおける一対の延設部70a側の面は、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44に対してガスケット72を押し付ける押圧面になっている。なお、閉塞部70bと第1パイロット弁41のボディ60の第2面442との間に設けられているガスケット72は、閉塞部70bと第1パイロット弁41のボディ60の第2面442との間をシールするシール部材である。
【0075】
図5及び図6に示すように、ガスケット72は、第1ガスケット孔72a、第2ガスケット孔72b、第3ガスケット孔72c、第4ガスケット孔72d、及び第5ガスケット孔72eを有している。第1ガスケット孔72aは、第1面441を平面視したときに、供給流路61の開口を囲っている。第2ガスケット孔72bは、第1面441を平面視したときに、第1出力流路62の開口を囲っている。第3ガスケット孔72cは、第1面441を平面視したときに、第1排出流路64の開口を囲っている。第4ガスケット孔72dは、第1面441を平面視したときに、第2出力流路63の開口を囲っている。第5ガスケット孔72eは、第1面441を平面視したときに、第2排出流路65の開口を囲っている。
【0076】
第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の第1面441とケーシング11との間に配置されているガスケット72は、第1面441側で第2パイロット弁42の供給流路61、第1出力流路62、第2出力流路63、第1排出流路64、及び第2排出流路65それぞれの間をシールする。第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第1面441と第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の第2面442との間に配置されているガスケット72は、第1面441側で第1パイロット弁41の供給流路61、第1出力流路62、第2出力流路63、第1排出流路64、及び第2排出流路65それぞれの間をシールする。また、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第1面441と第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の第2面442との間に配置されているガスケット72は、第2面442側で第2パイロット弁42の供給流路61、出力流路連通凹部66、及び排出流路連通凹部67それぞれの間をシールする。第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442と固定クリップ70の閉塞部70bとの間に配置されているガスケット72は、第2面442側で第1パイロット弁41の供給流路61、出力流路連通凹部66、及び排出流路連通凹部67それぞれの間をシールする。
【0077】
図1に示すように、ケーシング11には、弁孔16を介して供給ポート17に連通するパイロット流体供給流路73が形成されている。パイロット流体供給流路73は、弁孔16において、スプール弁体15の位置とは無関係に供給ポート17に連通する位置に開口している。そして、パイロット流体供給流路73は、第2パイロット弁42の供給流路61に接続されている。
【0078】
また、ケーシング11には、第2パイロット弁42の第1出力流路62と第2パイロット圧作用室38とを接続するパイロット流体出力流路74が形成されている。なお、図示の都合上、パイロット流体出力流路74の具体的な経路の図示は省略している。さらに、ケーシング11には、第2パイロット弁42の第1排出流路64に連通するパイロット流体排出流路75が形成されている。パイロット流体排出流路75における第2パイロット弁42とは反対側の流路は、第1連結ブロック13におけるケーシング本体12側の端面に開口する流路と、第1連結ブロック13の第1対向面13aに開口する流路とに分岐している。
【0079】
図1及び図7に示すように、ケーシング11には、第2パイロット弁42の第2出力流路63と第1パイロット圧作用室34とを接続するパイロット流体出力流路76が形成されている。さらに、ケーシング11には、第2パイロット弁42の第2排出流路65に連通するパイロット流体排出流路77が形成されている。パイロット流体排出流路77における第2パイロット弁42の第2排出流路65とは反対側の端部は、パイロット流体排出流路75に連通している。なお、図示の都合上、パイロット流体出力流路76及びパイロット流体排出流路77の具体的な経路の図示は省略している。
【0080】
図1に示すように、ケーシング11の第2連結ブロック14には、パイロット流体排出流路78が形成されている。パイロット流体排出流路78は、第2連結ブロック14におけるケーシング本体12側の端面に開口する流路と、第2連結ブロック14の第2対向面14aに開口する流路とに分岐している。パイロット流体排出流路78は、例えば、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42が、第2連結ブロック14に対してケーシング本体12とは反対側に寄せて配置されており、第2パイロット弁42が、第1パイロット弁41よりも第2連結ブロック14寄りに配置されている場合に、第2パイロット弁42の第1排出流路64に連通する。
【0081】
図1及び図2に示すように、マニホールドブロックMBには、ブロック供給流路81、第1ブロック出力流路82、第2ブロック出力流路83、第1ブロック排出流路84、及び第2ブロック排出流路85が形成されている。ブロック供給流路81、第1ブロック出力流路82、第2ブロック出力流路83、第1ブロック排出流路84、及び第2ブロック排出流路85は、載置面B1に開口している。ブロック供給流路81における載置面B1に開口する端部は、供給ポート17に連通している。第1ブロック出力流路82における載置面B1に開口する端部は、第1出力ポート18に連通している。第2ブロック出力流路83における載置面B1に開口する端部は、第2出力ポート19に連通している。第1ブロック排出流路84における載置面B1に開口する端部は、第1排出ポート20に連通している。第2ブロック排出流路85における載置面B1に開口する端部は、第2排出ポート21に連通している。
【0082】
ブロック供給流路81における載置面B1とは反対側の端部は、例えば配管等を介して、図示しない流体供給源に接続されている。第1ブロック出力流路82における載置面B1とは反対側の端部、及び第2ブロック出力流路83における載置面B1とは反対側の端部は、例えば配管等を介して、図示しない流体圧機器に接続されている。第1ブロック排出流路84における載置面B1とは反対側の端部、及び第2ブロック排出流路85における載置面B1とは反対側の端部は、例えば配管等を介して、大気に連通している。
【0083】
さらに、マニホールドブロックMBには、第1ブロック側パイロット流体排出流路86及び第2ブロック側パイロット流体排出流路87が形成されている。第1ブロック側パイロット流体排出流路86の第1端は、載置面B1において、第1連結ブロック13の第1対向面13aと対向する部分に開口するとともにパイロット流体排出流路75に連通している。第1ブロック側パイロット流体排出流路86の第2端は、第1ブロック排出流路84に連通している。第2ブロック側パイロット流体排出流路87の第1端は、載置面B1において、第2連結ブロック14の第2対向面14aと対向する部分に開口するとともに、パイロット流体排出流路78に連通している。第2ブロック側パイロット流体排出流路87の第2端は、第2ブロック排出流路85に連通している。
【0084】
マニホールドブロックMBの載置面B1とケーシング本体12との間には、ブロック側ガスケット88が設けられている。ブロック側ガスケット88は、マニホールドブロックMBの載置面B1とケーシング本体12との間をシールする。
【0085】
第1ブロック側パイロット流体排出流路86の第1端には、第1チェック弁89aが取り付けられている。第1チェック弁89aは、第1チェック弁89a内の圧力が所定の圧力に達すると開弁し、パイロット流体排出流路75から第1ブロック側パイロット流体排出流路86に向けて流れる流体の流れを許容する。また、第1チェック弁89aは、第1チェック弁89a内の圧力が所定の圧力よりも小さい場合に閉弁し、第1ブロック側パイロット流体排出流路86からパイロット流体排出流路75への流体の流れを阻止する。
【0086】
第2ブロック側パイロット流体排出流路87の第1端には、第2チェック弁89bが取り付けられている。第2チェック弁89bは、第2チェック弁89b内の圧力が所定の圧力に達すると開弁し、パイロット流体排出流路78から第2ブロック側パイロット流体排出流路87に向けて流れる流体の流れを許容する。また、第2チェック弁89bは、第2チェック弁89b内の圧力が所定の圧力よりも小さい場合に閉弁し、第2ブロック側パイロット流体排出流路87からパイロット流体排出流路78への流体の流れを阻止する。
【0087】
図1に示すように、第1パイロット弁41は、第1接続端子91を有している。第1接続端子91は、第1パイロット弁41のソレノイド46のコイル47に電気的に接続されている。第1接続端子91は、第1パイロット弁41のソレノイドケース43における流路形成ブロック44とは反対側の端面から突出している。また、第2パイロット弁42は、第2接続端子92を有している。第2接続端子92は、第2パイロット弁42のソレノイド46のコイル47に電気的に接続されている。第2接続端子92は、第2パイロット弁42のソレノイドケース43における流路形成ブロック44とは反対側の端面から突出している。
【0088】
マニホールドブロックMBは、回路基板93、第1端子94、及び第2端子95を有している。回路基板93には、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の外部制御機器からの電力が供給される。第1端子94及び第2端子95は、回路基板93に電気的に接続されている。そして、第1接続端子91は、パイロット形電磁弁10が、マニホールドブロックMBの載置面B1に搭載されると同時に、第1端子94に接続されるようになっている。また、第2接続端子92は、パイロット形電磁弁10が、マニホールドブロックMBの載置面B1に搭載されると同時に、第2端子95に接続されるようになっている。本実施形態の電磁弁マニホールドは、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42がマニホールドブロックMBに組み付けられると同時に、第1パイロット弁41の第1接続端子91及び第2パイロット弁42の第2接続端子92が、マニホールドブロックMBの第1端子94及び第2端子95にそれぞれ接続されるプラグイン構造になっている。
【0089】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図3に示すように、例えば、回路基板93からの第1端子94及び第1接続端子91を介した第1パイロット弁41のソレノイド46のコイル47への電力の供給が遮断されており、回路基板93からの第2端子95及び第2接続端子92を介した第2パイロット弁42のソレノイド46のコイル47への電力の供給が行われているとする。
【0090】
この場合、第2パイロット弁42のコイル47が励磁され、コイル47の周りに、磁気フレーム45、固定鉄心48、プランジャ49、及び磁性コア52を通過する磁束が発生する。そして、コイル47の励磁作用によって、固定鉄心48に吸引力が発生し、プランジャ49がプランジャばね50の付勢力に抗して固定鉄心48に吸着され、第2パイロット弁42のパイロット弁体56が弁体ばね59の付勢力によって第1弁座57から離間する方向へ移動するとともに、第2弁座58に着座する。
【0091】
これにより、第2パイロット弁42の供給流路61と第1出力流路62とが弁室55を介して連通するとともに、弁室55を介した第1出力流路62と第1排出流路64との連通が遮断される。そして、流体供給源からの圧縮された流体が、パイロット流体供給流路73、第2パイロット弁42の供給流路61、弁室55、第1出力流路62、パイロット流体出力流路74を介して第2パイロット圧作用室38にパイロット流体として供給される。
【0092】
一方、第1パイロット弁41のソレノイド46のコイル47には電力が供給されておらず、第1パイロット弁41では、コイル47の励磁作用による固定鉄心48の吸引力が消滅している。これにより、プランジャ49がプランジャばね50の付勢力により固定鉄心48から離間する方向へ移動する。そして、プランジャ49の一対の弁押圧部49aにより、第1パイロット弁41のパイロット弁体56が弁体ばね59の付勢力に抗して第1弁座57に向けて押圧されて、第1弁座57に着座する。
【0093】
これにより、第1パイロット弁41の第1出力流路62と第1排出流路64とが弁室55を介して連通するとともに、弁室55を介した供給流路61と第1出力流路62との連通が遮断される。第1パイロット圧作用室34内のパイロット流体は、パイロット流体出力流路76、第2パイロット弁42の第2出力流路63、出力流路連通凹部66、第1パイロット弁41の第1出力流路62、弁室55、第1排出流路64、第2パイロット弁42の排出流路連通凹部67、及び第2排出流路65を介してパイロット流体排出流路77に排出される。パイロット流体排出流路77に排出されたパイロット流体は、パイロット流体排出流路75、第1チェック弁89a、第1ブロック側パイロット流体排出流路86、及び第1ブロック排出流路84を介して大気に排出される。
【0094】
このようにして、第1パイロット弁41による第1パイロット圧作用室34内のパイロット流体の排出、及び第2パイロット弁42による第2パイロット圧作用室38に対するパイロット流体の供給が行われることにより、スプール弁体15が第1ピストン収容凹部31に向けて移動する。その結果、供給ポート17と第2出力ポート19とが連通するとともに第1出力ポート18と第1排出ポート20とが連通する。また、供給ポート17と第1出力ポート18との間が第1弁部151の第1スプールパッキン26によってシールされるとともに、第2出力ポート19と第2排出ポート21との間が第4弁部154の第4スプールパッキン29によってシールされる。
【0095】
スプール弁体15が第1ピストン収容凹部31に向けて移動したとき、第1ピストン収容凹部31における第1ピストン32よりも第1パイロット圧作用室34とは反対側の空間には、パイロット流体排出流路75内の流体が、第1連結ブロック13とケーシング本体12との間を介して流れ込む。また、スプール弁体15が第1ピストン収容凹部31に向けて移動したとき、第2ピストン収容凹部35における第2ピストン36よりも第2パイロット圧作用室38とは反対側の空間の流体が、第2連結ブロック14とケーシング本体12との間を介してパイロット流体排出流路78へ流れ込む。
【0096】
そして、流体供給源からの流体が、ブロック供給流路81、供給ポート17、第2出力ポート19、及び第2ブロック出力流路83を介して流体圧機器に供給される。また、流体圧機器からの流体が、第1ブロック出力流路82、第1出力ポート18、第1排出ポート20、及び第1ブロック排出流路84を介して大気に排出される。
【0097】
例えば、回路基板93からの第1端子94及び第1接続端子91を介した第1パイロット弁41のソレノイド46のコイル47への電力の供給が行われており、回路基板93からの第2端子95及び第2接続端子92を介した第2パイロット弁42のソレノイド46のコイル47への電力の供給が遮断されているとする。
【0098】
この場合、第1パイロット弁41のコイル47が励磁され、コイル47の周りに、磁気フレーム45、固定鉄心48、プランジャ49、及び磁性コア52を通過する磁束が発生する。そして、コイル47の励磁作用によって、固定鉄心48に吸引力が発生し、プランジャ49がプランジャばね50の付勢力に抗して固定鉄心48に吸着され、第1パイロット弁41のパイロット弁体56が弁体ばね59の付勢力によって第1弁座57から離間する方向へ移動するとともに、第2弁座58に着座する。
【0099】
これにより、第1パイロット弁41の供給流路61と第1出力流路62とが弁室55を介して連通するとともに、弁室55を介した第1出力流路62と第1排出流路64との連通が遮断される。流体供給源からの圧縮された流体は、パイロット流体供給流路73、第2パイロット弁42の供給流路61、第1パイロット弁41の供給流路61、弁室55、第1出力流路62、第2パイロット弁42の出力流路連通凹部66、第2出力流路63、パイロット流体出力流路76を介して第1パイロット圧作用室34にパイロット流体として供給される。
【0100】
一方、第2パイロット弁42のソレノイド46のコイル47には電力が供給されておらず、第2パイロット弁42では、コイル47の励磁作用による固定鉄心48の吸引力が消滅している。これにより、プランジャ49がプランジャばね50の付勢力により固定鉄心48から離間する方向へ移動する。そして、プランジャ49の一対の弁押圧部49aにより、第2パイロット弁42のパイロット弁体56が弁体ばね59の付勢力に抗して第1弁座57に向けて押圧されて、第1弁座57に着座する。
【0101】
これにより、第2パイロット弁42の第1出力流路62と第1排出流路64とが弁室55を介して連通するとともに、弁室55を介した供給流路61と第1出力流路62との連通が遮断される。第2パイロット圧作用室38内のパイロット流体は、パイロット流体出力流路74、第2パイロット弁42の第1出力流路62、弁室55、第1排出流路64、パイロット流体排出流路75、第1チェック弁89a、第1ブロック側パイロット流体排出流路86、及び第1ブロック排出流路84を介して大気に排出される。
【0102】
このようにして、第1パイロット弁41による第1パイロット圧作用室34に対するパイロット流体の供給、及び第2パイロット弁42による第2パイロット圧作用室38内のパイロット流体の排出が行われることにより、スプール弁体15が第2ピストン収容凹部35に向けて移動する。その結果、供給ポート17と第1出力ポート18とが連通するとともに、第2出力ポート19と第2排出ポート21とが連通する。また、供給ポート17と第2出力ポート19との間が第3弁部153の第3スプールパッキン28によってシールされるとともに、第1出力ポート18と第1排出ポート20との間が第2弁部152の第2スプールパッキン27によってシールされる。
【0103】
スプール弁体15が第2ピストン収容凹部35に向けて移動したとき、第1ピストン収容凹部31における第1ピストン32よりも第1パイロット圧作用室34とは反対側の空間の流体が、第1連結ブロック13とケーシング本体12との間を介してパイロット流体排出流路75へ流れ込む。また、スプール弁体15が第2ピストン収容凹部35に向けて移動したとき、第2ピストン収容凹部35における第2ピストン36よりも第2パイロット圧作用室38とは反対側の空間には、パイロット流体排出流路78内の流体が、第2連結ブロック14とケーシング本体12との間を介して流れ込む。
【0104】
そして、流体供給源からの流体が、ブロック供給流路81、供給ポート17、第1出力ポート18、及び第1ブロック出力流路82を介して流体圧機器に供給される。また、流体圧機器からの流体が、第2ブロック出力流路83、第2出力ポート19、第2排出ポート21、及び第2ブロック排出流路85を介して大気に排出される。
【0105】
したがって、第1パイロット弁41は、第1パイロット圧作用室34に対してパイロット流体を給排する。第2パイロット弁42は、第2パイロット圧作用室38に対してパイロット流体を給排する。第1出力流路62及び第2出力流路63は、第1パイロット圧作用室34又は第2パイロット圧作用室38に対するパイロット流体の給排を行う。また、第1排出流路64及び第2排出流路65は、第1パイロット圧作用室34又は第2パイロット圧作用室38のパイロット流体を排出する。
【0106】
本実施形態のパイロット形電磁弁10は、供給ポート17に供給された流体の一部を第1パイロット圧作用室34及び第2パイロット圧作用室38に供給する内部パイロット式である。そして、パイロット形電磁弁10においては、スプール弁体15がパイロット流体によりケーシング11内を往復移動することによって各ポート間の連通が切り換えられる。
【0107】
ところで、供給流路61、第1パイロット弁41の出力流路連通凹部66及び排出流路連通凹部67が第1パイロット弁41の第2面442に対して開口した状態となっている。そのため、本実施形態では、固定クリップ70の閉塞部70bにより第1パイロット弁41の供給流路61における第2面442に開口する部分、第1パイロット弁41の出力流路連通凹部66及び排出流路連通凹部67を閉塞している。固定クリップ70の折り曲げ部70dは、自身の復元力を付勢力として第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に閉塞部70bを押し付けた状態にしている。よって、固定クリップ70の閉塞部70bにより第1パイロット弁41の第2面442に開口する流路を閉塞しつつ、折り曲げ部70dの付勢力により閉塞部70bと第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442との間でガスケット72を圧縮させた状態にしている。
【0108】
本実施形態の効果について説明する。
(1-1)パイロット形電磁弁10の外部に開口する流路である第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に開口する流路が固定クリップ70の閉塞部70bにより閉塞され、且つ折り曲げ部70dにより閉塞部70bを第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に対して押し付けた状態にしている。よって、閉塞部70bと第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442との間でガスケット72を圧縮させた状態となるため、高いシール性を確保しつつパイロット流体の外部への洩れを抑制できる。また、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42は、固定クリップ70によってケーシング11に固定されている。これによれば、例えば、ネジを用いて第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定する場合のように、流路形成ブロック44にネジが挿通されるネジ挿通孔を形成する必要が無い。したがって、流路形成ブロック44にネジ挿通孔を形成するためのスペースを省くことができるため、その分、各流路の流路断面積を拡大できる。したがって、高いシール性を確保しつつパイロット流体の外部への洩れを抑制できるとともに流路の流路断面積を拡大できる。
【0109】
(1-2)固定クリップ70の折り曲げ部70dはばね構造を有している。よって、固定クリップ70により第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定した状態である第2状態では、折り曲げ部70dに作用する復元力を付勢力として第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に開口する流路に閉塞部70bが密着する。すなわち、第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に開口する流路をより強固に閉塞することができる。したがって、固定クリップ70による第1パイロット弁41のシール性を向上させることができる。
【0110】
(1-3)閉塞部70bが第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に対して押し付けられた状態になるためには、折り曲げ部70dの接続部70cとは反対側に位置する端部を起点として閉塞部70bが回動するように変形することが好ましい。
【0111】
その点、本実施形態では、折り曲げ部70dが円弧状に折り曲げられているため、固定クリップ70が第1状態から第2状態に遷移するあたり、閉塞部70bが回動し易くなる。ひいては、折り曲げ部70dに復元力を発生させやすくなるため、第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に開口する流路を閉塞部70bにより強固に閉塞することができる。
【0112】
(1-4)一対の延設部70aが平板状をなしているため、矩形ブロック状の各ボディ60を一対の延設部70aにより挟み込むときに各ボディ60に対して面接触させることができる。すなわち、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に対して安定的に固定することができる。
【0113】
(1-5)各ボディ60の一対の側面443、及び第2パイロット弁42のボディ60における一対の側面443のそれぞれに連結するケーシング11の側面である第1アダプタ132の各側面には、第1案内溝71a及び第2案内溝71bにより構成される案内溝が設けられている。そのため、一対の延設部70aにより第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定しやすくすることができる。
【0114】
(1-6)固定クリップ70により第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定するときに、固定クリップ70の一対の延設部70aとケーシング11の係止突起71fとが位置ずれした状態となるときがある。その場合、一対の延設部70aに形成された円形の係止孔70hの所望の位置に係止突起71fが嵌め込まれなくても、一対の延設部70aの係止孔70hの内面が係止突起71fの円弧状の外面に沿って移動するため、係止突起71fが係止孔70hの所望の位置に相対的に移動する。すなわち、一対の延設部70aが所望の位置に移動するため、固定クリップ70により第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42のケーシング11に対する固定状態を安定させることができる。
【0115】
(1-7)係止突起71fの外面のうち第2パイロット弁42のボディ60側の部分は、テーパ面71gとなっているため、固定クリップ70の一対の延設部70aの係止孔70hにケーシング11の係止突起71fを嵌合させるときに一対の延設部70aは、係止突起71fのテーパ面71gに案内されるように広がる。そして、係止突起71fが係止孔70hと重なる位置に到達した場合、係止突起71fが係止孔70hに嵌め込まれ、一対の延設部70aがケーシング11に固定される。すなわち、固定クリップ70の一対の延設部70aを自力で広げて、係止突起71fを係止孔70hに嵌め込む必要がなく、固定クリップ70をケーシング11に固定しやすくなる。
【0116】
(1-8)流路形成ブロック44にネジ挿通孔を形成するためのスペースを省くことができるため、その分、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42を小型化することができる。
【0117】
(1-9)第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42の各流路形成ブロック44が同じ流路構造を有している。そのため、第1パイロット圧作用室34に対するパイロット流体の給排、及び第2パイロット圧作用室38に対するパイロット流体の給排を行うために、流路構造が異なる2種類の流路形成ブロックを用意する必要が無く、パイロット形電磁弁10の生産効率を向上させることができる。
【0118】
(1-10)ネジを用いて第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定する場合、ネジの締結力により第1パイロット弁41の流路形成ブロック44に局所的な歪が生じてしまい、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に配置されたガスケット72のシール性が安定しない虞がある。
【0119】
その点、本実施形態では、第1パイロット弁41は、閉塞部70bにより固定クリップ70の付勢力を平面で受けるため、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の歪が抑制できる。よって、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に配置されたガスケット72のシール性が安定する。
【0120】
<第2の実施形態>
以下、パイロット形電磁弁を具体化した第2の実施形態を図13及び図14にしたがって説明する。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号付して詳細な説明は割愛する。
【0121】
図13に示すように、固定クリップ70は、第1の実施形態と異なり、一対の延設部70aと、接続部70cと、ばね部70gとにより構成されている。接続部70cは、第3方向Cに延びている。接続部70cは、平面視すると、流路形成ブロック44の第2面442と同一の形状である。
【0122】
ばね部70gは、一対の延設部70aのそれぞれに設けられている。各ばね部70gは、第2方向Bにおいて互いに対向する位置に設けられている。ばね部70gは、第1方向Aに対して波形状をなすように延びている。ばね部70gは、第2方向Bにおける延設部70aの第1縁部と第2縁部との間を蛇行するように構成されることにより波形状をなしている。固定クリップ70がケーシング11に固定される前の第1状態では、ばね部70gの波の第1方向Aにおける間隔は、常に一定になっている。すなわち、ばね部70gには、第3方向Cに平行に延びる部分が存在する。
【0123】
図14に示すように、固定クリップ70により第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定した状態である第2状態では、固定クリップ70の接続部70cは、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442の全面に当接している。接続部70cは、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に開口する流路を閉塞している。すなわち、接続部70cは、第2状態で第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に開口する流路を閉塞する閉塞部である。そして、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42は、一対の延設部70aが第1アダプタ132に固定されることにより、固定クリップ70の接続部70cと第1アダプタ132とによって挟み込まれた状態で、固定クリップ70により第1アダプタ132に固定されている。したがって、固定クリップ70は、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定する。第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に配置されたガスケット72は、固定クリップ70の接続部70cによって第1パイロット弁41の流路形成ブロック44に押し付けられている。
【0124】
また、第2状態では、ばね部70gの波の第1方向Aにおける間隔は、第1状態におけるばね部70gの間隔よりも大きい。
図13及び図14に示すように、第2状態では、ばね部70gの波の第1方向Aにおける間隔は、第1状態におけるばね部70gの間隔よりも大きいため、第2状態におけるばね部70gの長さL2は、第1状態におけるばね部70gの長さL1よりも長い。すなわち、第2状態では、ばね部70gは第1状態よりも伸びている。
【0125】
本実施形態の作用について説明する。
ばね部70gには、第1状態に戻るために縮む復元力が作用する。そのため、固定クリップ70のばね部70gの復元力により第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に接続部70cが押し付けられた状態となる。すなわち、ばね部70gは、接続部70cを第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に付勢するための付勢力を付与する付勢部として機能する。よって、固定クリップ70の接続部70cにより第1パイロット弁41の第2面442に開口する流路を閉塞しつつ、ばね部70gの付勢力により閉塞部70bと第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442との間でガスケット72を圧縮させた状態にしている。
【0126】
本実施形態の効果について説明する。
(2-1)固定クリップ70のばね部70gはばね構造を有している。よって、固定クリップ70により第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定した状態である第2状態において、ばね部70gに作用する復元力を付勢力として第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に開口する流路に接続部70cが密着する。すなわち、第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に開口する流路をより強固に閉塞することができる。したがって、固定クリップ70による第1パイロット弁41のシール性を向上させることができる。
【0127】
<第3の実施形態>
以下、パイロット形電磁弁を具体化した第3の実施形態を図15にしたがって説明する。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号付して詳細な説明は割愛する。
【0128】
図15に示すように、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42の各ボディ60の一対の側面443には、第1案内壁71cが設けられている。第1案内壁71cは、各ボディ60の第3方向Cにおける縁部から突出している。第1案内壁71cは、第1方向Aに延びる矩形板状をなしている。第1案内壁71cは、第1案内溝71aの一部を構成するように配置されている。第1案内壁71cは、一対の延設部70aにおける閉塞部70bが折り曲げ部70dから延びる方向とは反対側に位置する部分に沿って設けられている。第1アダプタ132における第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の一対の側面443それぞれと連結する各側面には、第1案内壁71cに連結されるように延びる第2案内壁71dが設けられている。第2案内壁71dは、第1アダプタ132の第3方向Cにおける縁部から突出している。第2案内壁71dは、第1方向Aに延びる矩形板状をなしている。第2案内壁71dは、第2案内溝71bの一部を構成するように配置されている。第2案内壁71dは、一対の延設部70aにおける閉塞部70bが折り曲げ部70dから延びる方向とは反対側に位置する部分に沿って設けられている。第1案内壁71cと第2案内壁71dとが連結された状態において、第1案内壁71cの内面と第2案内壁71dの内面とは面一である。よって、第1案内壁71c及び第2案内壁71dにより各ボディ60の一対の側面443、及び第2パイロット弁42のボディ60における一対の側面443のそれぞれに連結するケーシング11の各側面には、一対の延設部70aにおける閉塞部70bが折り曲げ部70dから延びる方向とは反対側に位置する部分を案内するための案内壁が構成されている。
【0129】
本実施形態の作用について説明する。
固定クリップ70をケーシング11に固定するときを考える。固定クリップ70の一対の延設部70aは、一対の延設部70aにおける閉塞部70bが折り曲げ部70dから延びる方向とは反対側の部分が第1案内壁71c及び第2案内壁71dにより案内される。固定クリップ70の一対の延設部70aの係止孔70hが係止突起71fに嵌め込まれる前に、固定クリップ70の閉塞部70bの折り曲げ部70dとは反対側の端部が第1パイロット弁41のボディ60の第2面に対して当接する。この状態で、固定クリップ70をケーシング11側に移動させると、閉塞部70bが接続部70cに接近するように変形する。このとき、閉塞部70bには、折り曲げ部70dの接続部70cとは反対側の端部を起点として、回動するように変形する。それに伴い、一対の延設部70aには、閉塞部70bを起点として閉塞部70bが折り曲げ部70dから延びる方向とは反対側に向けて回動する回転力が付与される。ここで、一対の延設部70aに対して当該回転力が付与されたとしても、一対の延設部70aにおける閉塞部70bが折り曲げ部70dから延びる方向とは反対側に位置する部分が第1案内壁71c及び第2案内壁71dに当接し、一対の延設部70aの回動を規制する。
【0130】
本実施形態の効果について説明する。
(3-1)閉塞部70bに作用する復元力に起因する一対の延設部70aの回動を第1案内壁71c及び第2案内壁71dにより規制することができる。したがって、固定クリップ70をより正確にケーシング11に固定することができる。
【0131】
(3-2)一対の延設部70aが案内壁により案内されているときに閉塞部70bに作用する復元力に起因して回動し、一対の延設部70aが第1方向Aに対して傾いた状態であったとしても、係止突起71fが係止孔70hに嵌め込まれたときに、一対の延設部70aの係止孔70hの内面が係止突起71fの円弧状の外面に沿って移動するため、係止突起71fが係止孔70hの所望の位置に相対的に移動する。すなわち、一対の延設部70aが所望の位置に移動するため、一対の延設部70aをケーシング11に固定したときに、一対の延設部70aの第1方向Aに対する傾きを矯正することができる。したがって、第1案内壁71c及び第2案内壁71dと、係止突起71f及び係止孔70hとによって、固定クリップ70のケーシング11への取り付け精度が向上する。
【0132】
<第4の実施形態>
以下、パイロット形電磁弁を具体化した第4の実施形態を図16及び図17にしたがって説明する。第1の実施形態と同様の構成については同一の符号付して詳細な説明は割愛する。
【0133】
図16に示すように、接続部70cの長手が第3方向Cに延び、短手が第2方向Bに延びる長四角板状をなしている。接続部70cの第2方向Bに位置する両端部において、接続部70cの第3方向Cに位置する第1端寄りの部分には、一対の延設部70aが接続されている。接続部70cの第3方向Cに位置する第2端は、第3方向Cにおいて、一対の延設部70aから離間した位置に配置されている。
【0134】
接続部70cのうち一対の延設部70aに挟み込まれている部分において、接続部70cの板面70iには、接続部70cの板厚方向に凹む凹部70eが形成されている。凹部70eの底面には、ネジ孔70fが形成されている。ネジ孔70fは、接続部70cを板厚方向に貫通している。ネジ孔70fには、ネジ80が螺合される。ネジ80は、円柱状をなすとともに外周面に雄ねじ811aが形成される軸部811と、軸部811の第1端側に設けられる頭部812と、を有している。
【0135】
図17(a)に示すように、ネジ80は、不完全ネジ部813を有している。不完全ネジ部813は、軸部811の第1端に一体的に形成されている。頭部812は、不完全ネジ部813に一体的に形成されている。不完全ネジ部813は、円錐台状をなしている。不完全ネジ部813の外周面には、雄ねじは形成されていない。不完全ネジ部813の外周面は、軸部811から頭部812に向かうほど拡径されるように傾斜している。
【0136】
接続部70cの第3方向Cに位置する第2端には、折り曲げ部70dが設けられている。折り曲げ部70dは、接続部70cの板面70iに沿って延びる仮想面Vpよりも一対の延設部70a側に設けられている。すなわち、折り曲げ部70dは、仮想面Vpよりも一対の延設部70aとは反対側に突出しないように円弧状に折り曲げられている。
【0137】
閉塞部70bの先端は、接続部70cの第3方向Cにおける第1端と同じ位置に配置されている。なお、図16は、固定クリップ70がケーシング11に固定される前の状態である第1状態を示している。
【0138】
図17(a)に示すように、第1状態では、固定クリップ70の閉塞部70bは、接続部70cから離間している。第1状態では、閉塞部70bと接続部70cとの間の間隔D1が第3方向Cにおいて折り曲げ部70dから離間するほど徐々に大きくなる。すなわち、第1状態において、閉塞部70bは、傾斜した状態である。
【0139】
図17(b)に示すように、第2状態では、固定クリップ70の閉塞部70bが接続部70cに対して第1状態よりも接近している。また、第2状態においても閉塞部70bは、接続部70cから離間している。すなわち、第2状態において、閉塞部70bと接続部70cとの間の間隔D2は第1状態のときの閉塞部70bと接続部70cとの間隔D1よりも小さい。第2状態では、閉塞部70bと接続部70cとは平行である。すなわち、閉塞部70bと接続部70cとの間隔は、閉塞部70bと接続部70cとの間の空間の全域において一定である。
【0140】
図17(a)及び図17(b)に示すように、第1状態から第2状態に遷移するにあたって、固定クリップ70の閉塞部70bが折り曲げ部70dの接続部70cとは反対側に位置する端部を起点として変形しているため、閉塞部70bには第1状態に戻ろうとする復元力が作用する。よって、折り曲げ部70dによりばね構造が形成されているため、第2状態において閉塞部70bは、第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に押し付けられている。したがって、折り曲げ部70dは、閉塞部70bを第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に向けて付勢する付勢力を付与する付勢部として機能している。また、第2状態においてネジ80の軸部811がネジ孔70fに挿通されている。軸部811がネジ孔70fに挿通されるとき、軸部811の雄ねじ811aがネジ孔70fに螺合される。このとき、ネジ80の不完全ネジ部813は、接続部70cの凹部70e内に入り込む。すなわち、凹部70eは、ネジ80における不完全ネジ部813を逃がす空間として機能する。軸部811の第2端が閉塞部70bに当接した状態で軸部811がネジ孔70fに対して螺進することによりネジ80の軸力が閉塞部70bを介して第2面442に伝達される。すなわち、ネジ80の軸力は、閉塞部70bを第2面442に押し付ける付勢力となる。
【0141】
本実施形態の作用及び効果について以下説明する。
(4-1)折り曲げ部70dの付勢力に加えて、ネジ80の軸力でも閉塞部70bを第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に対して押し付けることができるため、パイロット流体の外部への洩れをより抑制できる。
【0142】
(4-2)折り曲げ部70dが接続部70cの一対の延設部70aとは反対側の板面から突出しないように構成されるため、固定クリップ70を小型化でき、パイロット形電磁弁10の体格の増大を抑制できる。
【0143】
(4-3)ネジ80をネジ孔70fに挿通したとき、不完全ネジ部813が凹部70eの内部に入り込むため、不完全ネジ部813が接続部70cの板面70iに干渉することなく、ネジ80をネジ孔70fに螺合することができる。よって、ネジ80の軸力を閉塞部70bに伝達し易くなり、ひいては第2面442に対して付勢力が伝達され易くなる。したがって、パイロット流体の外部への洩れをより抑制できる。
【0144】
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0145】
・第1の実施形態において、折り曲げ部70dが付勢部として機能し、第2の実施形態において、ばね部70gが付勢部として機能したが、例えば、折り曲げ部70d及びばね部70gが付勢部として機能してもよい。この場合、固定クリップ70の折り曲げ部70d及びばね部70gによりばね構造が構成される。よって、固定クリップ70により第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42をケーシング11に固定した状態である第2状態において、折り曲げ部70d及びばね部70gに作用する復元力を付勢力として第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に開口する流路に閉塞部70bが密着する。すなわち、第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に開口する流路をより強固に閉塞することができる。したがって、固定クリップ70による第1パイロット弁41のシール性を向上させることができる。
【0146】
・上記各実施形態において、係止突起71fのテーパ面71gを、例えば、ケーシング11の第1アダプタ132の側面に直交する垂直面に変更してもよい。すなわち、第3方向Cから見て係止突起71fは、半月状をなすように変更してもよい。本変更例を採用する場合、固定クリップ70の一対の延設部70aがケーシング11に固定しやすくなるように係止突起71fの突出量を変更するとよい。
【0147】
・上記各実施形態において、係止突起71fを円柱状に変更してもよい。この場合、係止突起71fの外面のうち第2パイロット弁42のボディ60とは反対側の部分は、係止孔70hの内面に倣う円弧状であってもよいし、係止孔70hの内面に倣わない円弧状であってもよい。すなわち、係止突起71fの形状は、係止孔70hに係止突起71fが嵌め込まれたときに固定クリップ70がケーシング11に固定できるのであればどのように変更してもよい。
【0148】
・上記各実施形態において、係止孔70hに係止突起71fが嵌め込まれたときに固定クリップ70がケーシング11に固定できるのであれば、係止孔70hの形状も円孔状に限らず、どのような形状に変更してもよく、例えば矩形孔状をなしていてもよい。
【0149】
・上記各実施形態において、一対の延設部70aは、平板状をなしていたが、例えば棒状をなしていてもよい。また、接続部70cは長四角平板状であったが、第4の実施形態においては板状をなしていればよい。また、第1~第3の実施形態において、接続部70cは、棒状をなしていてもよい。さらに、上記の各実施形態において、折り曲げ部70dは、棒状であってもよい。
【0150】
・上記各実施形態において、第1案内溝71a及び第2案内溝71bにより構成される案内溝を割愛してもよい。この場合、固定クリップ70の一対の延設部70aは、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42のボディ60の一対の側面443と、一対の側面443に連結する第1アダプタ132の各側面とに取り付けられる。また、係止突起71fは、第1アダプタ132における一対の側面443に連結する各側面に設けるように変更する。
【0151】
・第1の実施形態及び第3の実施形態において、折り曲げ部70dは、円弧状に折り曲げられていたが、これに限らない。例えば、折り曲げ部70dは、接続部70cの第3方向Cに位置する両縁部の一方から第3方向Cの外側に向けて延びる第1延出部と、第1延出部の接続部70cとは反対側に位置する端部から接続部70cとは反対側に向けて延びる第2延出部と、第2延出部の第1延出部とは反対側に位置する端部から一対の延設部70aの間に向けて折り曲げられる第3延出部とにより構成されていてもよい。すなわち、折り曲げ部70dは、第2方向Bから見たときに断面コの字形状となるように構成されていてもよい。また、折り曲げ部70dの形状は、閉塞部70bを第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に向けて押し付けるための付勢力を発生させることができれば、どのような形状に変更してもよい。
【0152】
・第1の実施形態及び第3の実施形態において、第2状態においても閉塞部70bは、接続部70cから離間していたが、これに限らない。例えば、第2状態において閉塞部70bが接続部70cに接触するように変更してもよい。要は、第1状態及び第2状態のうち少なくとも第1状態では、閉塞部70bは接続部70cから離間していればよい。
【0153】
・第3の実施形態において、案内壁は第1案内壁71cのみで構成されてもよい。また、例えば、第1パイロット弁41の一対の側面443に設けられた第1案内壁71cと、第2案内壁71dとにより案内壁を構成してもよい。
【0154】
・上記各実施形態において、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42の各流路形成ブロック44が、第1排出流路64、第2排出流路65、及び排出流路連通凹部67を有していない構成であってもよい。そして、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42は、各流路形成ブロック44に、第1面441及び第2面442に開口するとともに弁室55に連通する排出流路が形成されている構成であってもよい。
【0155】
・上記各実施形態において、例えば、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に配置されるガスケット72が、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第1面441と第2パイロット弁42の流路形成ブロック44の第2面442との間に配置されるガスケット72と別形状のガスケットであってもよい。要は、第1パイロット弁41の流路形成ブロック44の第2面442に配置されるガスケットは、第2面442側で供給流路61、出力流路連通凹部66、及び排出流路連通凹部67それぞれの間をシールすることができる形状であればよい。
【0156】
・上記各実施形態において、固定クリップ70が、例えば、樹脂製であってもよい。
・上記各実施形態において、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42の各流路形成ブロック44が同じ流路構造を有しているが、これに限らず、第1パイロット弁41及び第2パイロット弁42の各流路形成ブロック44が異なる流路構造を有していてもよい。このように変更しても、例えば第1パイロット弁41のボディ60の第2面442に開口する流路が存在すれば、上記各実施形態及び上記変更例における固定クリップ70により閉塞することができる。
【0157】
・上記各実施形態において、パイロット形電磁弁10の主弁部V1が、例えば、弁孔16に二つのスプール弁体が収容されたデュアル3ポート型の方向制御弁である構成であってもよい。二つのスプール弁体は、第1パイロット弁41における第1パイロット圧作用室34に対するパイロット流体の給排、及び第2パイロット弁42における第2パイロット圧作用室38に対するパイロット流体の給排によってそれぞれ独立して動作する。
【符号の説明】
【0158】
10…パイロット形電磁弁、11…ケーシング、15…スプール弁体、17…ポートである供給ポート、18…ポートである第1出力ポート、19…ポートである第2出力ポート、20…ポートである第1排出ポート、21…ポートである第2排出ポート、34…第1パイロット圧作用室、38…第2パイロット圧作用室、41…第1パイロット弁、42…第2パイロット弁、55…弁室、56…パイロット弁体、57…第1弁座、58…第2弁座、60…ボディ、61…供給流路、62…第1出力流路、63…第2出力流路、64…第1排出流路、65…第2排出流路、66…出力流路連通凹部、67…排出流路連通凹部、70…固定クリップ、70a…延設部、70b…閉塞部、70c…接続部、70d…折り曲げ部、70g…ばね部、70h…係止孔、70i…板面、71c…第1案内壁、71d…第2案内壁、71f…係止突起、71g…テーパ面、72…ガスケット、80…ネジ、441…第1面、442…第2面、443…側面、Z1,Z2…開口領域、A…第1方向、B…第2方向、C…第3方向、Vp…仮想面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17