(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】複数のエンティティにわたる準免許無線周波数範囲の割当ておよび調整のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20220614BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20220614BHJP
【FI】
H04W72/04 132
H04W16/14
(21)【出願番号】P 2020538911
(86)(22)【出願日】2019-01-15
(86)【国際出願番号】 US2019013710
(87)【国際公開番号】W WO2019140461
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-09-14
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520040566
【氏名又は名称】チャーター コミュニケーションズ オペレーティング、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カキナダ、ウママヘスワール、エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヒミミー、ホッサム
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0165066(US,A1)
【文献】国際公開第2017/130494(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数範囲割当てのために構成されたコンピュータ化された装置であって、前記コンピュータ化された装置が、
デジタルプロセッサ装置と、
前記デジタルプロセッサ装置とデータ通信する少なくとも1つのデータインターフェースと、
前記デジタルプロセッサ装置とデータ通信するコンピュータ化された論理であって、前記コンピュータ化された論理が、実行されると、前記コンピュータ化された論理の収束アルゴリズムに従って、反復によって複数の無線ネットワークインフラストラクチャへの利用可能な無線周波数範囲の割当てを行わせるように構成され、前記収束アルゴリズムが、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのそれぞれによって生成された複数の割当て案を利用するように構成された、コンピュータ化された論理と
を含み、
前記反復が、
前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの1つに関するデータを第1の参加エンティティで取得することと、
前記第1の参加エンティティを介した、(i)前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つ、および(ii)第2の参加エンティティと関連付けられた無線ネットワークインフラストラクチャ、のための割当て案を示す第1のデータの生成と、
前記生成された第1のデータの少なくとも部分の前記第2の参加エンティティへの提供と、
前記第2の参加エンティティからの、前記第2の参加エンティティによって生成された、(i)前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つ、および(ii)前記第2の参加エンティティと関連付けられた無線ネットワークインフラストラクチャ、のための割当て案を示す第2のデータの受信と、
少なくとも前記第1および第2のデータに基づく、少なくとも1つの更新されたメトリックの計算を行わせることと、
前記更新されたメトリックの、前記利用可能な無線周波数範囲の最終割当てへのさらなる収束を可能にする前記収束アルゴリズムへの提供と
を含む、コンピュータ化された装置。
【請求項2】
前記更新されたメトリックの前記計算が、前記第1のデータと前記第2のデータとの間の差を特定するための、前記第1のデータの少なくとも部分と前記第2のデータの少なくとも部分との比較を含む、請求項1に記載のコンピュータ化された装置。
【請求項3】
前記第1のデータと前記第2のデータとの間の差を特定するための、前記第1のデータの少なくとも前記部分と前記第2のデータの少なくとも前記部分との前記比較が、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つのための前記割当て案を示す前記第1のデータの前記部分と、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つのための前記割当て案を示す前記第2のデータの前記部分との比較を含む、請求項2に記載のコンピュータ化された装置。
【請求項4】
前記無線周波数範囲が、3.550~3.700GHz帯域内の周波数範囲を含み、前記コンピュータ化された装置がコンテンツ配信のためのネットワークのコントローラエンティティで構成され、前記コンテンツ配信のためのネットワークも、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの1つの少なくとも部分を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載のコンピュータ化された装置。
【請求項5】
前記コントローラエンティティが、複数のユーザーデバイスと基地局に周波数
範囲を割り当てるように構成された周波数アクセスエンティティを含む、請求項4に記載のコンピュータ化された装置。
【請求項6】
前記コントローラエンティティが、共有周波数無線サービスシステムのコンピュータ化されたプロキシエンティティを含む、請求項4に記載のコンピュータ化された装置。
【請求項7】
無線周波数範囲割当てのために構成されたコンピュータ化された装置であって、前記コンピュータ化された装置が、
デジタルプロセッサ装置と、
前記デジタルプロセッサ装置とデータ通信する少なくとも1つのデータインターフェースと、
前記デジタルプロセッサ装置とデータ通信するコンピュータ化された論理であって、前記コンピュータ化された論理が、実行されると、前記コンピュータ化された論理の収束アルゴリズムに従って、反復によって複数の無線ネットワークインフラストラクチャへの利用可能な無線周波数範囲の割当てを行わせるように構成され、前記収束アルゴリズムが、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのそれぞれによって生成された複数の割当て案を利用するように構成された、コンピュータ化された論理と
を含み、
前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのそれぞれによって生成された前記複数の割当て案が、アクセスノードごとに計算された割当て案を含み、
前記コンピュータ化された論理の収束アルゴリズムに従った前記反復が、
複数の重み付き予測割当てを生成するための、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャの前記それぞれによって生成された前記割当て案のそれぞれへの複数の重みの適用と、
前記複数の重み付き予測割当てに少なくとも一部基づく複合値の生成と
を含む、コンピュータ化された装置。
【請求項8】
複数の無線ネットワークインフラストラクチャに利用可能な無線周波数範囲の割当てを提供するためのコンピュータ化された方法であって、前記コンピュータ化された方法が、
(i)第1の参加エンティティで、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの1つに関するデータを取得するステップと、
(ii)前記第1の参加エンティティを介して、(a)前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つのための割当て案を示すデータ、および(b)第2の参加エンティティと関連付けられた無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータ、を生成するステップと、
(iii)前記第2の参加エンティティに、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つのための前記割当て案を示す前記データ、および前記第2の参加エンティティと関連付けられた前記無線ネットワークインフラストラクチャのための前記割当て案を示す前記データを提供するステップと、
(iv)前記第2の参加エンティティから、(c)前記第2の参加エンティティによって生成された前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つのための割当て案を示すデータ、および(d)前記第2の参加エンティティによって生成された前記第2の参加エンティティと関連付けられた前記無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータ、を受信するステップと、
(v)少なくとも、(a)前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つのための割当て案を示す前記データ、および(b)第2の参加エンティティと関連付けられた前記無線ネットワークインフラストラクチャのための前記割当て案を示す前記データ、(c)前記第2の参加エンティティによって生成された前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つのための割当て案を示す前記データ、および(d)前記第2の参加エンティティによって生成された前記第2の参加エンティティと関連付けられた前記無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示す前記データに基づき、少なくとも1つの更新されたメトリックを計算するステップと、
(vi)前記少なくとも1つの更新されたメトリックに関して動的な割当てアルゴリズムを更新するステップと、
(vii)前記動的な割当てアルゴリズムが最終割当てに収束するまで前記ステップ(ii)~ステップ(vi)の後続の反復を行うステップであって、前記最終割当てが、前記利用可能な無線周波数範囲以下である無線周波数範囲の割当てを含む、ステップと
を含む、コンピュータ化された方法。
【請求項9】
割り当てられる前記無線周波数範囲が、3.1GHz以上の帯域内の共有された一般的用途または免許不要の周波数範囲を含み、前記第1の参加エンティティが、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つにサービスするコンピュータ化された周波数割当てエンティティを含む、請求項8に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項10】
前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャの前記1つが、複数の基地局を含み、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つに関する取得されたデータが、前記複数の基地局に関するデータを含む、請求項8乃至9のいずれかに記載のコンピュータ化された方法。
【請求項11】
割り当てられる前記無線周波数範囲が、3.10~4.20GHz帯域内の周波数範囲を含み、前記第1の参加エンティティが、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの前記1つにサービスするコンピュータ化された周波数割当てエンティティを含む、請求項8に記載のコンピュータ化された方法。
【請求項12】
非一時的な記憶媒体であって、前記非一時的な記憶媒体が、複数の命令を有する少なくとも1つのコンピュータプログラムを含み、前記複数の命令が、デジタル処理装置上で実行されると、無線周波数範囲割当てを実行するように構成され、前記無線周波数範囲割当てが、
割当てに利用可能な2つ以上の周波数帯域の識別と、
前記少なくとも1つのコンピュータプログラムの収束アルゴリズムに従った複数の無線ネットワークインフラストラクチャへの利用可能な無線周波数範囲の割当てであって、前記収束アルゴリズムが、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのそれぞれによって生成された、前記2つ以上の周波数帯域に関する複数の割当て案を利用するように構成される、前記割当てと
を含む、非一時的な記憶媒体を含み、
前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャの前記それぞれによって生成された、前記2つ以上の周波数帯域に関する前記複数の割当て案の前記利用が、(i)前記2つ以上の周波数帯域のうちの第1の周波数帯域のみに関し、前記2つ以上の周波数帯域の他のいずれにも関係しない第1の複数の割当て案、および(ii)前記2つ以上の周波数帯域のうちの第2の周波数帯域のみに関し、前記2つ以上の周波数帯域の他のいずれにも関係しない第2の複数の割当て案の利用を含む、コンピュータ可読装置。
【請求項13】
非一時的な記憶媒体であって、前記非一時的な記憶媒体が、複数の命令を有する少なくとも1つのコンピュータプログラムを含み、前記複数の命令が、デジタル処理装置上で実行されると、無線周波数範囲割当てを実行するように構成され、前記無線周波数範囲割当てが、
割当てに利用可能な2つ以上の周波数帯域の識別と、
前記少なくとも1つのコンピュータプログラムの収束アルゴリズムに従った複数の無線ネットワークインフラストラクチャへの利用可能な無線周波数範囲の割当てであって、前記収束アルゴリズムが、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのそれぞれによって生成された、前記2つ以上の周波数帯域に関する複数の割当て案を利用するように構成される、前記割当てと
を含む、非一時的な記憶媒体を含み、
前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャの前記それぞれによって生成された、前記2つ以上の周波数帯域に関する前記複数の割当て案の前記利用が、前記2つ以上の周波数帯域の第1の周波数帯域と前記2つ以上の周波数帯域の少なくとも1つの第2の周波数帯域の両方に関する複数の割当て案の集約周波数帯域としての利用を含む、コンピュータ可読装置。
【請求項14】
前記2つ以上の周波数帯域の前記第1の周波数帯域と前記2つ以上の周波数帯域の前記少なくとも1つの第2の周波数帯域とが周波数範囲において非連続である、請求項13に記載のコンピュータ可読装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権および関連出願
本出願は、2018年1月15日に出願された、「METHODS AND APPARATUS FOR ALLOCATION AND RECONCILIATION OF QUASI‐LICENSED WIRELESS SPECTRUM」という名称の米国仮特許出願第62/617549号、および2018年1月16日に出願された、「METHODS AND APPARATUS FOR ALLOCATION AND RECONCILIATION OF QUASI‐LICENSED WIRELESS SPECTRUM ACROSS MULTIPLE ENTITIES」という名称の米国仮特許出願第62/617976号の優先権を主張する、2018年2月22日に出願された同名称の共有の同時係属中の米国特許出願第15/902833号の優先権を主張するものであり、これらの出願は各々その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
また本出願は、共有の同時係属中の、2017年8月15日に出願された、「METHODS AND APPARATUS FOR DYNAMIC CONTROL AND UTILIZATION OF QUASI‐LICENSED WIRELESS SPECTRUM」という名称の米国特許出願第15/677940号、ならびに2017年10月16日に出願された、「METHODS AND APPARATUS FOR COORDINATED UTILIZATION OF QUASI‐LICENSED WIRELESS SPECTRUM」という名称の米国特許出願第15/785283号、および2017年11月15日に出願された、「METHODS AND APPARATUS FOR UTILIZATION OF QUASI‐LICENSED WIRELESS SPECTRUM FOR IOT(INTERNET‐OF‐THINGS)SERVICES」という名称の米国特許出願第15/814133号にも関し、これら出願は各々その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
著作権
本特許明細書の開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含んでいる。著作権所有者は、本特許明細書または本特許開示が特許商標庁の特許ファイルまたは記録に記載される際には、そのいかなる者による複写にも異議を申し出ないが、それ以外については一切の著作権を留保する。
【背景技術】
【0004】
1.技術分野
本開示は、一般に無線ネットワークの分野に関し、特に、1つまたは複数の例示的な実施形態では、例えば、市民ブロードバンド無線サービス(Citizens Broadband Radio Service(CBRS))技術を介して接続を提供するものなど、準免許無線周波数範囲の利用を動的に制御および最適化するための方法および装置に関する。
【0005】
2.関連技術の説明
無線アクセス技術(Radio Access Technologies(「RAT」))としても知られる、多数の無線ネットワーキング技術は、ユーザ機器に無線ベースの通信ネットワークのための基礎をなす接続手段を提供する。そのようなRATは、多くの場合、免許無線周波数範囲(すなわち、委員会規則2.106条で規定されている周波数割当て表に従いFCCによって割り当てられたものを利用する。米国では、無線周波数範囲の規制の責任が、米国連邦通信委員会(U.S.Federal Communications Commission(FCC))と米国電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration(NTIA))との間で分担されている。FCCは、独立した規制機関であり、連邦政府以外の使用(すなわち、州、地方自治体、商用、私的内部取引および個人の使用)のための周波数範囲を管理し、NTIAは、商務省の事業部門であり、連邦政府使用(軍、FAA、およびFBIによる使用など)のための周波数範囲を管理する。目下のところ、9kHz~275GHzの周波数帯域のみが割り当てられている(すなわち、指定の条件下での1つまたは複数の地上波もしくは衛星無線通信サービスまたは電波天文サービスによる使用に指定されている)。例えば、典型的なセルラ・サービス・プロバイダは、以下の表1に示されるようにいわゆる「3G」(第3世代)および「4G」(第4世代)の無線通信の周波数範囲を利用し得る。
【表1】
【0006】
あるいは、いわゆるISM帯域内の周波数範囲など、免許不要周波数範囲が利用されてもよい。ISM帯域は、ITU無線通信規則(第5条)により、無線通信規則の脚注5.138、5.150、および5.280において規定されている。米国では、ISM帯域の使用が、連邦通信委員会(FCC)規則のパート18で規定されており、パート15は、ISM周波数を共用する通信機器さえも、免許不要通信機器についての規則を含む。以下の表2に典型的なISM周波数割当てを示す。
【表2】
【0007】
ISM帯域は、915MHz帯域および2.450GHz帯域の無線センサネットワーク、ならびに915MHz帯域、2.450GHz帯域、および5.800GHz帯域の無線LANおよびコードレスフォンなどの(非ISM)免許不要通信用途とも共用されている。
【0008】
加えて、5GHz帯域は、以下の表3に示されるように、例えば、WLAN装置による使用にも割り当てられている。
【表3】
【0009】
ユーザクライアント機器(スマートフォン、タブレット、ファブレット、ラップトップ、スマートウォッチ、モバイルその他の、他の無線対応機器など)は、一般に、機器同士でまたはネットワーク(インターネット、イントラネット、エクストラネットなど)に接続することを可能にする、多くの場合免許と免許不要両方の周波数範囲と関連付けられたRATを含む、複数のRATをサポートする。特に、クライアント機器による他のネットワークへの無線アクセスは、サービス・プロバイダ・ネットワーク(ケーブルネットワークなど)のバックエンドまたはバックホール部分によってサービスされる、無線アクセスポイント(「WAP」もしくは「AP」)、スモールセル、フェムトセル、セルラタワーなどの、ネットワーク接続されたハードウェアを利用する無線技術によって可能になる。ユーザは、一般に、「ホットスポット」、すなわち、ユーザが、無線範囲内にあるモデム、ルータ、APなどに接続することによってアクセス権を得ることができる物理的位置でネットワークにアクセスし得る。
【0010】
CBRS
2016年に、FCCは、3550~3700MHz(3.5GHz)帯域における市民ブロードバンド無線サービス(CBRS)周波数範囲を供与し、150MHzの周波数範囲をモバイルブロードバンドその他の商用ユーザに供与した。追加の周波数範囲(3.10~4.2GHz帯域内など)もこれらの目的でFCCによって割り当てられ得る。CBRSは、高くつく競売を必要とせず、また特定のオペレータやサービスプロバイダとの関係なしで、比較的大量の周波数範囲(周波数帯域)を供与するという点で、ユニークなものである。
【0011】
さらに、CBRS周波数範囲は、国防総省(Department of Defense(DoD))サービスおよび静止衛星サービスを含む、既存の「既存免許者(incumbent)」のシステムに基づく、政府と商業的利益との間の共用に適する。具体的には、現在特定されている周波数範囲に関して、3.5GHzについての3層のアクセスフレームワーク、すなわち、(i)既存免許者アクセス層102、(ii)優先アクセス層104、および(iii)一般認可アクセス層106が使用される。
図1を参照されたい。これら3層は、
図2に示される1つまたは複数の動的な連邦周波数アクセスシステム(Federal Spectrum Access Systems(FSAS))202および(例えばその中の帯域48を含む)付録Iを通じて調整される。
【0012】
既存免許者アクセス(既存のDODおよび衛星)ユーザ102は、現在
図1に示される3.5GHz帯域で運営している認可された連邦政府および既得権の静止衛星サービス(Fixed Satellite Service(FSS))を含む。これらのユーザは優先アクセス免許(Priority Access License(PAL))ユーザおよび一般認可アクセス(General Authorized Access(GAA))ユーザからの有害な干渉から保護されることになる。センサネットワークは、電波環境検知機能(Environmental Sensing Capability(ESC))オペレータによって運営され、周波数範囲を利用する既存免許者その他が干渉から保護されているか確認する。
【0013】
優先アクセス層104(競売過程を経た最大3年間の周波数範囲の取得を含む)は、その帯域の例えば3550~3650MHz部分内で競争入札を使用して付与されることになる優先アクセス免許(PAL)からなる。各PALは、3年間にわたり単一の国勢統計区において10MHzチャネルを使用する非更新可能な認可として規定されている。合計最大7つまでのPALが任意の所与の国勢統計区において付与されてもよく、最大4つまでのPALが任意の単一の申請者に与えられる。申請者は、最初の競売時に任意の所与の免許エリアにおいて最大2つまでの連続したPAL条件を取得し得る。
【0014】
(認可された3.5GHz機器を有する任意のユーザのための)一般認可アクセス層106は、できる限り広範な潜在的ユーザグループにその帯域への自由で柔軟なアクセスを許可にするために規則により免許される。一般認可アクセスユーザは、上位層ユーザに付与されていない3550~3700MHz帯域の任意の部分の使用を許可され、未使用の優先アクセスチャネルでも日和見的に運用し得る。
図2aを参照されたい。
【0015】
図1のFCCの3層周波数範囲共用アーキテクチャは、PCASTおよびNTIAによって特定された「ファストトラック」帯域(3550~3700MHz)を利用するが、層2および層3は、新規の市民ブロードバンド無線サービス(CBRS)の下で規制される。CBSD(市民ブロードバンド無線サービスデバイス(Citizens Broadband radio Service Device)、事実上の無線アクセスポイント)206(
図2)は、集中型の周波数アクセスシステム(Spectrum Access System(SAS))202の権限の下でのみ動作することができる。規則はスモールセル用途のために最適化されているが、特に農村エリアではポイントツーポイントおよびポイントツーマルチポイントにも対応する。
【0016】
FCCシステムの下で、標準FSAS202は以下の要素を含む。(1)CBSD登録、(2)干渉解析、(3)既存免許者保護、(4)PAL免許検証、(5)CBSDチャネル付与、(6)CBSD電力限界、(7)PAL保護、および(8)FSAS対FSASの調整。
図2に示されるように、これらの機能は、特に、既存免許者による使用を検出するように構成された既存免許者検出(すなわち、電波環境検知)機能207、および別のユーザによる使用が発生した場合に既存免許者に通知するように構成された既存免許者情報機能209によって提供される。PAL免許検証、CBSD登録、および他の機能などのためのFCCデータベース211も提供される。
【0017】
FCCアーキテクチャにおいては任意選択のドメインプロキシ(Domain Proxy(DP))208も提供される。各DP208は、(1)セキュリティを含むSASインターフェースGW、(2)CBSD206とドメインコマンドとの間の指示変換、(3)バルクCBSD指示処理、および(4)FSASへの干渉寄与報告、を含む。
【0018】
ドメインは、大企業、会場、スタジアム、鉄道駅など、管理のためにグループ化される必要があるCBSD206の任意の集合体として規定される。ドメインは、例えば、地上波オペレータネットワークなどのような、さらにいっそう大規模/広範囲なものであり得る。さらに、ドメインは、プライベートアドレス指定を使用する場合もしない場合もある。ドメインプロキシ(DP)208は、制御情報フローを図示されていない商用SAS(Commercial SAS(CSAS))に集約し、性能報告、チャネル要求、ハートビートなどを生成することができる。
【0019】
CBSD206は、一般に、カテゴリAまたはカテゴリBのどちらかとして類別され得る。カテゴリAのCBSDは、30dBm(1ワット)/10MHz、固定の屋内または屋外の位置(屋外の場合は長さ6m未満のアンテナで)のEIRP、すなわち等価等方放射電力を有する。カテゴリBのCBSDは、47dBm EIRP(50ワット)/10MHz、および固定の屋外位置のみを有する。カテゴリBのCBSDの専門家による設置は必須であり、アンテナは長さ6m未満でなければならない。すべてのCBSDは、+/-3mの垂直位置決め精度要件を有する。端末(すなわち、UEと類似したユーザ機器)は、23dBm EIRP(0.2ワット)/10MHzの要件を有し、端末のモビリティが許容される。
【0020】
スペクトルアクセスに関して、CBRSは、時分割二重(TDD)多元接続アーキテクチャを利用する。
【0021】
対処されていない公正かつ公平な周波数範囲割当ての問題
現存するCBRSアーキテクチャは、周波数範囲の競合の低減の観点から見ると有望であるが、現時点では、ネットワーク内およびネットワーク外の調整および統合、ならびに、例えば、所与の地域または運営エリアの一部であり得る様々なSAS間(特に、2つ以上のSASが、互いに他のどんなSAS間通信もない可能性がある異なる/異種のエンティティによって制御される場合の)の公正、公平かつ効率的なGAA周波数範囲割当てのためのフレームワーク実施がなされていない。CBRS GAA周波数範囲について、現時点では、FCCによっていかなる割当て機構も義務付けられていない。
【0022】
公正かつ公平な周波数範囲割当ては、この周波数範囲を、特に商用目的で利用する者にとっては決定的に重要なものであり得る。サービスプロバイダが帯域幅/周波数範囲割当てから何度も追い出されると、特に、サービスプロバイダに(例えば、LTE/LTE‐Aなどのセルラ・データ・サービスのために)利用できる免許周波数範囲がない場合には、可用性の低下/データサービスの遅延というユーザの認識が、任意の所与のサービスプロバイダによるこのサービスの継続した使用および収益性にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。言い換えると、ケーブルや地上波のMSOなどのサービスプロバイダには利用できる免許周波数範囲がほとんどまたはまったくないため、CBRS GAAなどの免許不要周波数範囲に日常的かつ確実にアクセスできることが、特にローミングするユーザまたは加入者(例えば、その通常のサービスロケーションからローミングする、よってDOCSISケーブルモデムやWi‐Fi APなどといった、MSO加入者がサービスを受ける施設で通常アクセス可能な通信モダリティ以外の通信モダリティにアクセスしなければならないMSO加入者)のコンテキスト内では、非常に重要になる。
【発明の概要】
【0023】
本開示は、前述の必要に、いくつかの異なるネットワーク、ネットワークオペレータ、およびそれらと関連付けられたインフラストラクチャにわたるものを含む、特に、多様なCBSDにサービスする複数のSASにわたる無線周波数範囲割当ておよび調整を提供するための方法および装置を提供することによって対処する。
【0024】
一態様では、無線周波数範囲割当てを提供するための方法が開示される。一実施形態では、割り当てられる無線周波数範囲は、GAA部分を有するCBRS帯域周波数範囲を含み、本方法は、共通の地域またはエリアと関連付けられた複数のSASエンティティ間でデータを通信するステップを含む。
【0025】
一変形では、データの通信は、SASエンティティ間でGAA周波数範囲の割当て案を伝達すること、および共通合意プロトコルに従って割当てを調和させることを含む。
【0026】
別の態様では、利用可能な免許不要または準免許無線周波数範囲の複数の無線ネットワークインフラストラクチャへの割当てを提供するための方法が開示される。一実施形態では、本方法は、(i)前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの1つに関するデータを第1の参加エンティティで取得するステップと、(ii)第1の参加エンティティを介して、(a)1つの無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータ、および(b)第2の参加エンティティと関連付けられた無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータ、を生成するステップと、(iii)第2の参加エンティティに、該1つの無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータ、および第2の参加エンティティと関連付けられた無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータを提供するステップと、(iv)第2の参加エンティティから、(c)第2の参加エンティティによって生成された該1つの無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータ、および(d)第2の参加エンティティによって生成された第2の参加エンティティと関連付けられた無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータ、を受信するステップと、(v)少なくとも、(a)該1つの無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータ、(b)第2の参加エンティティと関連付けられた無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータ、(c)第2の参加エンティティによって生成された該1つの無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータ、および(d)第2の参加エンティティによって生成された第2の参加エンティティと関連付けられた無線ネットワークインフラストラクチャのための割当て案を示すデータに基づき、少なくとも1つの更新されたメトリックを計算するステップと、(vi)少なくとも1つの更新されたメトリックに関して動的な割当てアルゴリズムを更新するステップと、(vii)動的な割当てアルゴリズムが最終割当てに収束するまで前記ステップ(ii)~ステップ(vi)の後続の反復を行うステップであって、前記最終割当てが、前記利用可能な無線周波数範囲以下である無線周波数範囲の割当てを含む、ステップと、を含む。
【0027】
一変形では、割り当てられる無線周波数範囲は、3.550~3.700GHz帯域内のGAA CBRS周波数範囲(例えば、帯域48)を含み、第1の参加エンティティは、該1つの無線ネットワークインフラストラクチャにサービスするSASエンティティを含む。
【0028】
一実施態様では、該1つの無線ネットワークインフラストラクチャは複数のCBSDを含み、前記複数の無線ネットワークインフラストラクチャのうちの1つに関する取得データは、CBSDに関するデータを含む。
【0029】
さらなる変形では、免許不要または準免許周波数範囲の割当ては、市民ブロードバンド無線サービス(CBRS)帯域へのアクセスを取得するためにデータの少なくとも部分を周波数アクセスシステム(SAS)に伝達するように構成されたドメインプロキシ(DP)にそのデータを送信することと、DPから、CBRS帯域割当てを示すデータを受信することと、RANのアクセスポイントと通信する少なくとも1つのモバイルクライアント機器が使用するためにCBRS帯域割当ての少なくとも部分を割り当てることと、を含む。
【0030】
本開示の別の態様では、1つまたは複数のSASエンティティがSASごとに周波数範囲割当てを調整するための方法であって、一実施態様では各SASにその他のSASの特定の内部の(サービスされる)インフラストラクチャまたはその要素が見えないことを含む、方法が開示される。
【0031】
本開示のさらなる態様では、独立してかそれとも上記のSASごとの割当てと併用してかを問わず、1つまたは複数のSASエンティティがCBSDごとに周波数範囲割当てを調整するための方法が開示される。
【0032】
本開示の別の態様では、第1のネットワーク内で使用するためのネットワーク装置が開示される。一実施形態では、本ネットワーク装置は、地域規模の周波数範囲割当てを支援するために準免許周波数帯域内の周波数範囲の割当て案を生成するように構成され、デジタルプロセッサ装置と、デジタルプロセッサ装置とデータ通信し、かつ第2のネットワークの1つまたは複数のコンピュータ化されたエンティティと共にデータを処理するように構成されたネットワークインターフェース装置と、デジタルプロセッサ装置とデータ通信する、少なくとも1つのコンピュータプログラムを含む記憶装置と、を含む。
【0033】
本開示のさらなる態様では、コンピュータ可読装置が記載される。一実施形態では、本装置は、1つまたは複数のコンピュータプログラムを格納するように構成された記憶媒体を含む。一実施形態では、本装置は、MSOコントローラ、DP、SASエンティティなどの、コンピュータ化されたコントローラデバイス上のプログラムメモリまたはHDDまたはSDDを含む。別の実施形態では、本装置は、コンピュータ化されたアクセスノード(CBSDなど)上のプログラムメモリまたはHDDまたはSSDを含む。
【0034】
さらなる態様では、複数のオペレータ間での免許不要または準免許周波数範囲の割当てのためのシステムアーキテクチャが開示される。
【0035】
さらに別の態様では、アルゴリズムエンジンが開示される。一実施形態では、本エンジンは、実行されると、複数のネットワークオペレータおよびSASエンティティにわたるものを含む、運営地域全体にわたる周波数範囲割当てを支援する公正かつ公平な割当てルーチン(Fair and Equitable Allocation Routine(FEAR))を実施するように構成されている複数のコンピュータ実行可能命令を含む。
【0036】
さらなる態様では、無線周波数範囲割当てのために構成されたコンピュータ化された装置が開示される。一実施形態では、本コンピュータ化された装置は、デジタルプロセッサ装置と、デジタルプロセッサ装置とデータ通信する少なくとも1つのデータインターフェースと、デジタルプロセッサ装置とデータ通信するコンピュータ化された論理であって、コンピュータ化された論理が、実行されると、コンピュータ化された論理の収束アルゴリズムに従って、反復によって複数の無線ネットワークインフラストラクチャへの利用可能な無線周波数範囲の割当てを行わせるように構成され、収束アルゴリズムが、複数の無線ネットワークインフラストラクチャのそれぞれによって生成された複数の割当て案を利用するように構成された、コンピュータ化された論理と、を含む。
【0037】
上記その他の態様は、本明細書で提供される本開示に照らして考察すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】先行技術のCBRS(市民ブロードバンド無線サービス)ユーザおよびCBRSユーザの3.550~3.700GHz帯域における割り振られた周波数範囲に対する関係の説明図である。
【
図2】先行技術のCBRSシステムの一般的なアーキテクチャを示すブロック図である。
【
図2a】
図2の周波数帯域内のPALユーザ対GAAユーザの割当てを示す図である。
【
図3a】本開示の様々な態様に役立つ例示的なハイブリッド・ファイバ・ネットワーク構成を示す機能ブロック図である。
【
図3b】本明細書に記載される様々な原理との併用で役立つ例示的なパケット化コンテンツ・ネットワーク・アーキテクチャを示す機能ブロック図である。
【
図4a】本開示の様々な態様に役立つ準免許無線ネットワークインフラストラクチャの第1の例示的な実施形態を示す機能ブロック図である。
【
図4b】本開示の一実施形態による規定のサービス地域内の複数のSASエンティティおよびNOにわたるGAA周波数範囲割当てを示す図である。
【
図4b-1】オペレータドメインおよびSASベンダドメインを含む、本開示の様々な態様に役立つ準免許無線ネットワークアーキテクチャの第1の例示的な実施形態を示す機能ブロック図である。
【
図4b-2】オペレータドメインおよびSASベンダドメインを含む、本開示の様々な態様に役立つ準免許無線ネットワークアーキテクチャの第2の例示的な実施形態を示す機能ブロック図である。
【
図4c】周波数再利用を選択的に適用できるオーバーラップCBSDサービスカバレッジシナリオを示す図である。
【
図5】本開示による、複数のエンティティに準免許帯域周波数範囲(例えばCBRS GAA)割当てを提供するための例示的な汎用の方法を示す論理流れ図である。
【
図5a】例えば
図5の方法内で、本開示による、公正かつ公平な割当てルーチン(FEAR)処理のための方法の例示的な実施態様の論理流れ図である。
【
図5a-1】
図5aの方法の公正かつ公平な割当てルーチン(FEAR)処理の下での調整処理のための方法の1つの例示的な実施態様を示す論理流れ図である。
【
図5a-2】
図5aの方法の公正かつ公平な割当てルーチン(FEAR)処理の下での調整処理のための方法の別の例示的な実施態様を示す論理流れ図である。
【
図6】本開示の方法による、準免許帯域周波数範囲割当てを確立するための通信フローの例示的な実施形態を示すラダー図である。
【
図6a】本開示の一実施態様による、サービスエリアおよびその(1つまたは複数の)構成ネットワークオペレータ、すなわち(1つまたは複数の)NOと関連付けられた各参加SASエンティティによる、その参加SAS自体と他の参加SASエンティティ(およびそれら他の参加SASエンティティの(1つまたは複数の)NO)とのための周波数範囲割当ての計算を示す図である。
【
図7a】本開示の様々な実施形態に役立つMSO CBRSコントローラ装置および内部(MSOドメイン)FEARエンジンの第1の例示的な実施形態を示す機能ブロック図である。
【
図7b】本開示の様々な実施形態に役立つ、外部FEARエンジンと通信する、MSO CBRSコントローラ装置の第2の例示的な実施形態を示す機能ブロック図である。
【
図7c】NO(例えばMSO)のCBSDが外部FEARエンジンと直接通信する、MSO CBRSコントローラ装置の第3の例示的な実施形態を示す機能ブロック図である。 全図(著作権)の著作権2017~2018はCharter Communications Operating,LLC。すべての権利を留保する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
次に図面を参照する。図面において類似の数字は全体を通して類似の部分を指す。
【0040】
本明細書で使用される場合、「アクセスノード」という用語は、これに限定されないが一般に、ユーザまたはクライアント機器とネットワーク内の別のエンティティ、例えば、CBRS CBSD、Wi‐Fi AP、またはグループ所有者(Group Owner(GO))として働くWi‐Fi Direct対応のクライアントその他の機器との間の通信を可能にするネットワークノードを指す。
【0041】
本明細書で使用される場合、「アプリケーション(または「アプリ(app)」)」という用語は、これに限定されないが一般に、特定の機能またはテーマを実装する実行可能なソフトウェアの単位を指す。アプリケーションのテーマは、任意の数の(オンデマンドコンテンツ管理、電子商取引、委託取引、ホームエンターテインメント、計算器などの)領域および機能にわたって多種多様であり、1つのアプリケーションが複数のテーマを有する場合もある。実行可能なソフトウェアの単位は、一般に、所定の環境で動作し、例えば、この単位は、JavaTV(商標)環境内で動作するダウンロード可能なJava Xlet(商標)を含むこともできる。
【0042】
本明細書で使用される場合、「クライアント機器」または「ユーザ機器」または「UE」という用語は、これに限定されないが、セットトップボックス(例えばDSTB)、ゲートウェイ、モデム、デスクトップかラップトップかそれともそれ以外かを問わない、パーソナルコンピュータ(PC)、およびミニコンピュータ、ならびにハンドヘルドコンピュータ、PDA、パーソナル・メディア・デバイス(personal media device(PMD))、タブレット、「ファブレット」、スマートフォン、および車両情報システムまたはその部分などのモバイル機器を含む。
【0043】
本明細書で使用される場合、「コーデック」という用語は、MPEG(例えば、MPEG‐1、MPEG‐2、MPEG‐4/H.264、H.265など)、Real(RealVideo、など)、AC‐3(オーディオ)、DiVX、XViD/ViDX、Windows Media Video(WMV7、8、9、10、もしくは11など)、ATI Video codec、またはVC‐1(SMPTE規格421M)ファミリーのものを含むがこれに限定されない、ビデオ、オーディオ、または他のデータ符号化および/または復号アルゴリズム、プロセスまたは装置を指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「コンピュータプログラム」という用語は、ある機能を実行する任意のシーケンスまたは人間もしくは機械が認知可能なステップを含むことが意図されている。そのようなプログラムは、例えば、C/C++、Fortran、COBOL、PASCAL、アセンブリ言語、マークアップ言語(例えば、HTML、SGML、XML、VoXML)などを含む事実上あらゆるプログラミング言語または環境、ならびに、コモン・オブジェクト・リクエスト・ブローカ・アーキテクチャ(Common Object Request Broker Architecture(CORBA))、Java(商標)(J2ME、Java Beansなどを含む)などのオブジェクト指向環境でレンダリングされ得る。
【0045】
本明細書で使用される場合、「DOCSIS」という用語は、例えば、DOCSISバージョン1.0、1.1、2.0、3.0、および3.1を含む、データ・オーバ・ケーブル・サービス・インターフェース仕様(Data Over Cable Service Interface Specification)の既存のまたは予定される変形のいずれかを指す。
【0046】
本明細書で使用される場合、「ヘッドエンド」または「バックエンド」という用語は、一般に、クライアント機器を使用してMSO顧客にプログラミングを配布するオペレータによって制御されるネットワーク接続されたシステムを指す。そのようなプログラミングは、特に、無料テレビチャネル、有料テレビチャネル、インタラクティブテレビ、オーバーザトップサービス、ストリーミングサービス、およびインターネットを含む、文字通りあらゆる情報源/受信者を含み得る。
【0047】
本明細書で使用される場合、「インターネット(Internet)」および「インターネット(internet)」という用語は、これに限定されないが、インターネット(the Internet)を含む相互接続ネットワークを指すために区別なく使用される。他の一般的な例には、これに限定されないが、外部サーバ、「クラウド」エンティティ(例えば、機器にとってローカルではないメモリまたはストレージ、一般にネットワーク接続を介していつでもアクセス可能なストレージなど)、サービスノード、アクセスポイント、コントローラデバイス、クライアント機器などのネットワークが含まれる。
【0048】
本明細書で使用される場合、「LTE」という用語は、これに限定されないが該当する場合、LTE‐U(免許不要周波数範囲におけるロングタームエボリューション)、LTE‐LAA(ロングタームエボリューション、免許アシストアクセス(Licensed Assisted Access))、LTEーA(LTE アドバンスト(LTE Advanced))、4G LTE、WiMAX、およびGSM、UMTS、CDMA2000など(該当する場合)を含む、他の無線データ規格を含む、ロングタームエボリューション無線通信規格の変形またはリリースのいずれかを指す。
【0049】
本明細書で使用される場合、「メモリ」という用語は、これに限定されないが、ROM、PROM、EEPROM、DRAM、SDRAM、DDR/2 SDRAM、EDO/FPMS、RLDRAM、SRAM、「フラッシュ」メモリ(NAND/NORなど)、3Dメモリ、およびPSRAMを含む、デジタルデータを格納するように適合された任意のタイプの集積回路または他の記憶デバイスを含む。
【0050】
本明細書で使用される場合、「マイクロプロセッサ」および「プロセッサ」または「デジタルプロセッサ」という用語は、一般に、これに限定されないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、汎用(CISC)プロセッサ、マイクロプロセッサ、ゲートアレイ(FPGAなど)、PLD、再構成可能コンピュータファブリック(RCF)、アレイプロセッサ、セキュアマイクロプロセッサ、および特定用途向け集積回路(ASIC)を含むあらゆるタイプのデジタル処理デバイスを含むことが意図されている。そのようなデジタルプロセッサは、単一の一体のICダイ上に収容され得るか、または複数の構成要素にわたって分散され得る。
【0051】
本明細書で使用される場合、「MSO」または「複数システムオペレータ」という用語は、媒体上でプログラミングおよびデータを含むサービスを配信するために必要とされるインフラストラクチャを有するケーブル、衛星、または地上波ネットワークプロバイダを指す。
【0052】
本明細書で使用される場合、「MNO」または「モバイル・ネットワーク・オペレータ」という用語は、媒体上で、これに限定されないが、音声およびデータを含むサービスを配信するために必要とされるインフラストラクチャを有するセルラ、衛星電話、WMAN(802.16など)、または他のネットワーク・サービス・プロバイダを指す。本明細書で使用される「MNO」という用語は、MVNO、MNVA、およびMVNEを含むことがさらに意図されている。
【0053】
本明細書で使用される場合、「ネットワーク」および「ベアラネットワーク」という用語は、一般に、これに限定されないが、ハイブリッドファイバ同軸ケーブル(HFC)ネットワーク、衛星ネットワーク、電話会社ネットワーク、ならびにデータネットワーク(MAN、WAN、LAN、WLAN、インターネット、およびイントラネットを含む)を含む任意のタイプの遠隔通信またはデータネットワークを指す。そのようなネットワークまたはその各部分は、任意の1つまたは複数の異なるトポロジー(例えば、リング、バス、スター、ループなど)、伝送媒体(例えば、有線/RFケーブル、RF無線、ミリ波、光など)および/または通信もしくはネットワーキングプロトコル(例えば、SONET、DOCSIS、IEEE規格802.3、ATM、X.25、Frame Relay、3GPP、3GPP2、LTE/LTE‐A/LTE‐U/LTE‐LAA、WAP、SIP、UDP、FTP、RTP/RTCP、H.323など)を利用し得る。
【0054】
本明細書で使用される場合、「ネットワークインターフェース」という用語は、これに限定されないが、FireWire(例えば、FW400、FW800など)、USB(例えば、USB2.0、3.0.OTG)、イーサネット(例えば、10/100、10/100/1000(ギガビットイーサネット(Gigabit Ethernet))、10‐Gig‐Eなど)、MoCA、Coaxsys(TVnet(商標)など)、無線周波数チューナ(例えば、帯域内またはOOB、ケーブルモデムなど)、LTE/LTE‐A/LTE‐U/LTE‐LAA、Wi‐Fi(802.11)、WiMAX(802.16)、Z‐wave、PAN(802.15など)、または電力線搬送(PLC)ファミリーのものを含む構成要素またはネットワークとの任意の信号またはデータインターフェースを指す。
【0055】
本明細書で使用される場合、「QAM」という用語は、例えば、ケーブルその他のネットワーク上で信号を送るために使用される変調方式を指す。そのような変調方式は、ネットワークの詳細に応じて任意のコンステレーションレベル(例えば、QPSK、16QAM、64QAM、256QAMなど)を使用し得る。QAMは、各方式に従って変調された物理チャネルを指す場合もある。
【0056】
本明細書で使用される場合、「サーバ」という用語は、形態に関係なく、コンピュータネットワーク上の1つまたは複数の他のデバイスまたはエンティティにデータ、ファイル、アプリケーション、コンテンツ、または他のサービスを提供するように適合された任意のコンピュータ化された構成要素、システムまたはエンティティを指す。
【0057】
本明細書で使用される場合、「ストレージ」という用語は、これに限定されないが、コンピュータ・ハード・ドライブ、DVRデバイス、メモリ、RAIDデバイスもしくはアレイ、光メディア(例えば、CD‐ROM、レーザディスク、ブルーレイなど)、またはコンテンツその他の情報を格納することができる任意の他のデバイスもしくはメディアを指す。
【0058】
本明細書で使用される場合、「Wi‐Fi」という用語は、これに限定されないが該当する場合、IEEE規格802.11または802.11a/b/g/n/s/v/acもしくは802.11‐2012/2013、802.11‐2016を含む関連規格の変形、ならびにWi‐Fi Direct(特に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Wi‐Fiピア・ツー・ピア(P2P)仕様」を含む)のいずれかを指す。
【0059】
本明細書で使用される場合、「無線」という用語は、これに限定されないが、Wi‐Fi、ブルートゥース(登録商標)/BLE、3G(3GPP/3GPP2)、HSDPA/HSUPA、TDMA、CDMA(例えば、IS‐95A、WCDMA(登録商標)など)、FHSS、DSSS、GSM、PAN/802.15、WiMAX(802.16)、802.20、Zigbee(登録商標)、Z‐wave、ナローバンド/FDMA、OFDM、PCS/DCS、LTE/LTE‐A/LTE‐U/LTE‐LAA、アナログセルラ、CDPD、衛星システム、ミリ波またはマイクロ波システム、音響、および赤外線(すなわちIrDA)を含む任意の無線信号、データ、通信、または他のインターフェースを意味する。
【0060】
概要
1つの例示的な態様では、本開示は、本明細書で
図1に示されるような近年のCBRS技術イニシアチブ(例えば、GAAまたは一般認可アクセス)周波数範囲によって提供されるような「準免許」周波数範囲などの無線周波数範囲の割当てのための改善された方法および装置を提供する。
【0061】
1つの例示的な実施形態では、2つ以上のSASエンティティ(例えば、2つのFSAS、FSASとCSASなど)が、規定の割当てプロトコルに従ってデータおよびメトリックを交換することを可能にし、それによって、特に、所与の地域または運営エリアでの複数のユーザ(例えば、サービスプロバイダ/ネットワークオペレータ)にわたる利用可能なCBRS GAA周波数範囲の公正かつ公平な割当てが確保されるネットワークアーキテクチャが提供される。
【0062】
本開示の1つの例示的な手法では、1つまたは複数の参加SASエンティティが、例えば、その参加SASエンティティ自体のネットワーク内のCBSDに関するデータ(CBSDの数、CBSDに関する物理パラメータ、実際の帯域幅需要など)に基づいて、初期割当て案を生成する。参加SASエンティティは次いで、初期割当て案を交換し、(i)その参加CBSD自体の初期割当てと、(ii)受け取ったその他のSASエンティティの割当て案とに基づいてその他の参加SASエンティティの割当て案をさらに計算する。これらの割当て案に関するデータが再度交換され、例えば、GAA利用可能周波数範囲の公平な分配に到達するように、所与のSASエンティティの固有の割当て案と、1つまたは複数の他の参加SASエンティティによって生成された割当て案との差を調整するために必要に応じて「調整」アルゴリズムが適用される。
【0063】
前述の一実施態様では、調整アルゴリズムは、前述の公平なソリューションが達成されるように、例えば、1つまたは複数のパラメータの段階的増分変化として、反復して適用される。こうして、どの特定のSASエンティティも偏って他のSASエンティティよりも影響を受ける(または恩恵を受ける)ことがない。
【0064】
別の実施態様では、前述のプロセスは、例えば、(i)管轄するエンティティ(FSASなど)から伝えられたGAA割当ての変化、(ii)規定の期間の満了、(iii)オペレータドメイン内の1つもしくは複数のCBSDの追加/削除、および/または(iv)新しいオペレータ/ドメインの追加または削除などの、1つまたは複数の規定の基準に基づいて繰り返される。
【0065】
例示的な実施形態の詳細な説明
次に、本開示の装置および方法の例示的な実施形態を詳細に説明する。これらの例示的な実施形態は、(複数システムオペレータ(MSO)、デジタルネットワーク能力、IP配信能力、および複数のクライアント機器を有するハイブリッドファイバ同軸(HFC)ケーブルアーキテクチャなどの)マネージドネットワークなどと関連付けられた前述の無線アクセスポイント(CBSDなど)のコンテキストで説明されるが、本開示の一般原理および利点は、デジタルデータ(テキスト、画像、ゲーム、ソフトウェアアプリケーション、ビデオおよび/またはオーディオなど)を配信するように構成されている他のタイプの無線アクセス技術(「RAT」)、ネットワークおよびアーキテクチャにも拡張適用され得る。そのような他のネットワークまたはアーキテクチャは、ブロードバンド、ナローバンド、またはそれ以外であってもよく、したがって以下は本質的に単なる例示である。
【0066】
一般に、顧客または消費者またはエンドユーザまたは加入者にサービスを提供するネットワークのコンテキストで(すなわち、規定の会場、または他のタイプの施設内で)説明されているが、本開示は、例えば、屋外、商用/小売、または企業ドメイン(会社など)、または政府の使用、例えば、米国国防総省などといった非合法の「既存免許者」ユーザ以外さえも含む他のタイプの環境にも容易に適合され得ることも理解されるであろう。さらに別の適用も可能である。
【0067】
また、特定の態様が、主に周知のインターネットプロトコル(特に、インターネット・プロトコルDARPAインターネット・プログラム・プロトコル仕様(Internet Protocol DARPA Internet Program Protocol Specification)、IETF RCF 791(1981年9月)およびディーリングら、インターネットプロトコル、バージョン6(IPv6)仕様、IETF RFC 2460(1998年12月)、各々、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)のコンテキストで説明されているが、本開示は、記載の機能を実装するために他のタイプのプロトコル(ならびに実際には他のインターネットおよびイントラネットを含むべきベアラネットワーク)を利用し得ることが理解されるであろう。
【0068】
さらに、現在のSASフレームワークは3.5GHz帯域(具体的には3550~3700MHz)の周波数範囲を割り当てるように構成されているが、本開示が提供されれば、本明細書に記載される方法および装置は、これに限定されないが、4.0GHz超(例えば、現在の割当て案は最大4.2GHzまで)、および3.1GHzなどまでを含む、他の「準免許」または他の周波数範囲を利用するように構成され得ることが、当業者には理解されるであろう。
【0069】
加えて、主にGAA106周波数範囲割当て(
図1参照)に関して説明されているが、本明細書に記載される方法および装置は、これに限定されないが、例えば、いわゆる優先アクセス免許(PAL)周波数範囲104を含む、(GAA周波数範囲に関連しているか、それとも独立しているかを問わず)CBRSの他の層または他の免許不要周波数範囲の割当てにも適合され得る。
【0070】
さらに、免許不要周波数範囲のコンテキストで説明されているが、本開示が与えられた場合、本明細書に記載される様々な方法および装置は、免許周波数範囲コンテキスト内の2つ以上のエンティティ間の周波数範囲または帯域幅の割当てに、例えば、所与のサービスプロバイダがその利用可能周波数範囲の容量限界に接近または到達しつつある場合などに、例えば、セルラ音声やデータの帯域幅/周波数範囲割当てに適用され得ることが当業者には理解されるであろう。
【0071】
本開示の他の特徴および利点は、添付の図面および以下に記載される例示的な実施形態の詳細な説明を参照すれば当業者には直ちに理解されるであろう。
【0072】
サービス・プロバイダ・ネットワーク
図3aに、本明細書に記載される公正かつ公平な割当てシステムおよびCBRSベースの(1つまたは複数の)無線ネットワークの機能に役立つ典型的なサービス・プロバイダ・ネットワーク構成を示す。そのようなネットワーク構成に関して説明されているが、本明細書に記載される周波数範囲割当ての方法および装置は、有線かそれとも無線か、マネージドかそれともアンマネージドかを問わず、他のネットワークタイプおよびトポロジーとも容易に併用され得ることが理解されるであろう。
【0073】
例示的なサービス・プロバイダ・ネットワーク300は、本開示の一実施形態において、バックボーン、およびサービスプロバイダの無線アクセスノードから(例えば、サービスプロバイダもしくはその顧客/加入者によって運営もしくは維持されるCBSD、Wi‐Fi APもしくは基地局314)のインターネットアクセス、サービスプロバイダとのデータ通信における1つもしくは複数の独立型もしくは組込み式ケーブルモデム(CM)312、313、または(例えば、アクセスノードの所有者/オペレータ/ユーザからの適切な許可を伴う)例えばインターネット311などの介在ネットワークを介してサービスプロバイダにアクセス可能な第三者アクセスポイントさえも提供するために使用される。
【0074】
図4aに関して本明細書においてさらに詳細に後述するように、1つまたは複数のコントローラ310が、特に、少なくとも一部はMSOによる無線ネットワークアクセスノード314の制御に利用される。アンマネージドネットワークとは対照的に、
図3aのマネージド・サービス・プロバイダ・ネットワーク300は、有利には、特に、無線アクセスノードに適用される様々なアクセス「規則」または他の構成の強制および/または再構成を含めて、(1つまたは複数の)無線アクセスノード314を介して、所与のユーザ(ネットワーク加入者であり得るユーザや、サービスの単なる偶然の/日和見的なユーザなど)のアクセスの制御および管理を可能にする。例えば、サービス・プロバイダ・ネットワーク300は、関心対象の会場にある構成要素(例えば、CBSD、Wi‐Fi APおよびルータ、スイッチなどといった任意のサポートインフラストラクチャ)が、例えば、ネットワークにおける支配的な運営条件、会場におけるユーザ総数および/もしくはユーザ構成の変化、ビジネスモデル(例えば、以下で説明するように、収益性を最大化したり、ユーザ体験の強化などの他の利益を提供したりする)、周波数範囲チャネルの変化もしくは停止に基づいて、または単に、別のRAT(例えば、WLANが何らかの理由で準最適であるなどの)場合にあるRAT(CBRSなど)を使用して単にユーザ体験を強化するためにさえ、ネットワークMSOによってリモートで再構成されることを可能にする。サービス・プロバイダ・ネットワーク300は、
図4a‐1以下に関して本明細書においてさらに詳細に後述するように、公正かつ公平な周波数範囲割当てを目的とする個々のCBSDに関する構成および需要データを含む、CBSDからコントローラへ戻るデータの通信も可能にする。
【0075】
特定の実施形態では、サービス・プロバイダ・ネットワーク300は、有利には、本明細書に記載される例示的な配信モデルの下でのユーザへのサービスの提供の一部として、(特に、加入者やアカウントなどと関連付けられた特定のモバイル機器を含む)加入者別またはアカウント別のデータの集約および/または解析も可能にする。一例として、機器別のID(例えば、MACアドレスなど)を、例えば(1つまたは複数の)ネットワーク・ヘッド・エンド307で維持されるMSO加入者データと相互相関させて、特に、(i)ユーザ認証、(ii)例えば的を絞った広告配信のための、特定の加入者人口構成へのイベントまたは会場の局面の相関、ならびに(iii)加入レベル、よって、加入者の特権およびコンテンツ/機能へのアクセス権の決定を可能にするか、または少なくとも円滑化するようにすることができる。さらに、特定のユーザ機器のデバイスプロファイルを、MSO(またはその自動化されたプロキシプロセス)がそのユーザ機器の無線能力をモデル化できるように、MSOが維持することができる。
【0076】
(1つまたは複数の)サービスロケーション(関心対象のエリアや(1つまたは複数の)会場など)に配置された無線アクセスノード314を、例えば、ケーブルモデム終端システム(cable modem termination system(CMTS))および関連付けられたローカルDOCSISケーブルモデム(CM)312、313、無線ベアラ媒体(802.16 WiMAXやミリ波システムなど、図示されていない)、FiOSや類似のものなどのファイバベースのシステム、マネージド・ネットワーク・オペレータがアクセスできる第三者媒体(前述のもののいずれかを含み得る)、またはさらに別の手段を介してベアラ・マネージド・ネットワーク300(
図3a)に結合することができる。
【0077】
ネットワーク300の例示的な実施形態の様々な構成要素には、一般に、(i)1つもしくは複数のデータおよびアプリケーションの発信元302、(ii)1つもしくは複数のコンテンツソース303、(iii)1つもしくは複数のアプリケーション配布サーバ304、(iv)1つもしくは複数のビデオオンデマンド(VOD)サーバ305、(v)クライアント機器306、(vi)1つもしくは複数のルータ308、(vii)1つもしくは複数の無線アクセスノードコントローラ310(図示のようによりローカルで、もしくはネットワークのヘッドエンドもしくは「コア」部分に配置され得る)、(viii)1つもしくは複数のケーブルモデム312、313、および/または(ix)1つもしくは複数のアクセスノード314が含まれる。(1つまたは複数の)アプリケーションサーバ304、VODサーバ305および(1つまたは複数の)クライアント機器306はベアラ(HFCなど)ネットワーク301を介して接続される。
図3aには簡潔にするために特定の構成要素302、303、304、305、308、310の各々のうちの1つを含む単純なアーキテクチャが示されているが、複数の発信元、配布サーバ、VODサーバ、コントローラ、および/またはクライアント機器(ならびに異なるネットワークトポロジー)を有する同等のアーキテクチャが本開示と矛盾なく利用され得ることが理解されるであろう。
【0078】
ケーブル・ネットワーク・アーキテクチャは、典型的には、「ツリー・アンド・ブランチ」構造であり、よって、多層のアクセスノード314(および他の構成要素)が互いにリンクされるか、またはそのような構造を介してカスケード接続され得ることにも留意されたい。
【0079】
図3bに、本開示の様々な態様に役立ち得るパケット化コンテンツ(パケットまたはフレームの構造またはプロトコル内で搬送される符号化デジタルコンテンツなど)の配信のための例示的なハイレベルMSOネットワークアーキテクチャを示す。オンデマンドおよびブロードキャストコンテンツ(ライブ・ビデオ・プログラミングなど)に加えて、
図3bのシステムは、インターネットプロトコル(IP)およびTCPを介して(アクセスノード314のエンドユーザを含む)エンドユーザにインターネットデータおよびOTT(オーバーザトップ)サービスも配信し得るが、デジタル通信技術において周知のタイプの他のプロトコルおよび搬送機構も代用され得る。
【0080】
図3bのネットワークアーキテクチャ320は、一般に、光リング337を介して少なくとも1つのハブ317と通信する1つまたは複数のヘッドエンド307を含む。分配ハブ317は、介在するネットワークインフラストラクチャ345を介して、様々なユーザ/クライアント機器306、および該当する場合にはゲートウェイデバイス360にコンテンツを提供することができる。
【0081】
以下でさらに詳細に説明するように、様々なコンテンツソース303、303aが、コンテンツサーバ304、305およびオリジンサーバ321にコンテンツを提供するために使用される。例えば、コンテンツは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「APPARATUS AND METHODS FOR PACKETIZED CONTENT DELIVERY OVER A BANDWIDTH‐EFFICIENT NETWORK」という名称の共有の米国特許第8997136号で論じられているように、ローカル、地域、またはネットワークのコンテンツライブラリから受け取られ得る。あるいは、コンテンツは、リニアアナログまたはデジタルフィード、ならびに第三者コンテンツソースから受け取られてもよい。(例えばウェブサーバなどの)インターネット・コンテンツ・ソース303aはインターネットコンテンツを(1つまたは複数の)パケット化コンテンツ・オリジン・サーバ321に提供する。インターネットプロトコル上の音声(voice over IP(VoIP))および/またはIPTVコンテンツなどの他のIPコンテンツも(1つまたは複数の)オリジンサーバ321で受け取られ得る。コンテンツは、加入者および非加入者機器からも受け取られ得る(PCやスマートフォンから発信されたユーザ作成ビデオなど)。
【0082】
ヘッドエンド307に位置する(1つまたは複数の)集中型メディアサーバ321、304は、1つの代替構成では(1つまたは複数の)ハブ・メディア・サーバ(図示されていない)で置換されるかまたは(例えばバックアップとして)これとタンデムで使用され得る。サーバをハブステーション317に分散することにより、中央ヘッドエンド・メディア・サーバからのVODサービスの配信と関連付けられたファイバ・トランスポート・ネットワークのサイズが有利には縮小される。複数のパスおよびチャネルが各ユーザへのコンテンツおよびデータの配布に利用可能であり、高いシステム信頼性および資産可用性が確保される。(ハブサーバが格納および配布するコンテンツがより少なくてすむことによる)大規模なコンテンツ配布ネットワークの必要性の低下、およびハブサーバの記憶容量要件の低減により相当な費用便益が得られる。
【0083】
異種または混合サーバのアプローチが本開示と矛盾なく利用され得ることも理解されるであろう。例えば、1つのサーバ構成またはアーキテクチャが(例えばユーザのDSTBなどからの)ケーブル、衛星などの加入者CPEベースのセッション要求にサービスするために使用され、異なる構成またはアーキテクチャがモバイルクライアント要求にサービスするために使用され得る。同様に、コンテンツサーバ321、304は、単一目的/専用(例えば、所与のサーバが特定のタイプの要求へのサービスのみに向けられる)であり得るか、または代わりに多目的(例えば、所与のサーバが異なるソースからの要求にサービスすることができる)であり得る。
【0084】
図3bのネットワークアーキテクチャ320は、旧来のマルチプレクサ/エンクリプタ/モジュレータ(MEM、図示されていない)をさらに含み得る。このコンテキストでは、コンテンツサーバ304およびパケット化コンテンツサーバ321は、LANを介して802.3zギガビットイーサネット(または「10G」)デバイスなどのヘッドエンド・スイッチング・デバイス322に結合され得る。MSOインフラストラクチャを介したダウンストリーム配信(すなわちQAM)では、ビデオおよびオーディオコンテンツはヘッドエンド307で多重化され、光リング337を介して(やはり802.3zギガビット・イーサネット・デバイスを含み得る)エッジ・スイッチ・デバイス338に伝送される。
【0085】
1つの例示的なコンテンツ配信パラダイムでは、MPEGベースのビデオコンテンツ(MPEG‐2、H.264/AVC)が、関連する物理トランスポート(DOCSISチャネルなど)上でユーザのIPベースのクライアント機器に、すなわち、MPEG‐over‐IP‐over‐MPEGとして配信され得る。具体的には、上位層MPEGまたは他の符号化コンテンツがIPネットワーク層プロトコルを使用してカプセル化され、次いでこれが、当分野で周知のタイプのMPEGパケット化/コンテナフォーマットを利用して、多重化トランスポートストリーム(multiplexed transport stream(MPTS))などを介して、RFチャネルまたは他のトランスポート上で配信される。こうして、通常のブロードキャスト配信とのパラレル配信モード、例えば、ケーブルパラダイムにおける、ユーザのDSTBのチューナまたはテレビで見るための他の受信機器への従来のダウンストリームQAM上と、パケット化IPデータとしての、(アクセスノード314のエンドユーザを含む)ユーザのケーブルモデム312を介したユーザのPCまたは他のIP対応機器へのDOCSIS QAM上の両方でのビデオコンテンツの配信が存在する。そのようなパケット化モードでの配信は、ユニキャスト、マルチキャスト、またはブロードキャストであり得る。
【0086】
IPカプセル化データの配信は、例えば、IPTVやQoSが適用される同様のモデルを介して、非DOCSIS QAM上でも行われ得る。
【0087】
図3bの実施態様のケーブルモデム312などの個々のクライアント機器および関連付けられたエンドユーザ機器306a、306bは、それらがサービスする加入者の施設/アドレスに向けられたIPパケットに対して(例えば、ポートもしくはソケットID/アドレス、または他のそうした機構を介して)特定の付与されたRFチャネル監視するように構成され得る。インターネットサービスと関連付けられたIPパケットは、エッジスイッチによって受信され、ケーブルモデム終端システム(CMTS)339に転送される。CMTSは、パケットを検査し、ローカルネットワークに向けられたパケットをエッジスイッチに転送する。他のパケットは、一変形では廃棄されるかまたは別の構成要素に送られる。
【0088】
エッジスイッチは、CMTSから受信されたパケットをQAM変調器に転送し、QAM変調器はそれらのパケットを1つまたは複数の物理(QAM変調RF)チャネル上でクライアント機器に伝送する。IPパケットは通常、ブロードキャスビデオおよびオーディオプログラミングに使用される「帯域内」RFチャネルとは異なるRFチャネル上で伝送されるが、これは必須ではない。上記のように、ケーブルモデム312などの施設デバイスは、それらがサービスする加入者の施設/アドレスに向けられたIPパケットがないか(例えば、ポートもしくはソケットID/アドレス、または他のそうした機構を介して)特定の付与されたRFチャネル監視するように各々構成される。
【0089】
一実施形態では、IPデータコンテンツとIPパケット化オーディオ/ビデオコンテンツの両方が、1つまたは複数のユニバーサルエッジQAMデバイス340を介してユーザに配信される。本実施形態によれば、すべてのコンテンツがDOCSISチャネル上で配信され、DOCSISチャネルは構内ゲートウェイ360またはケーブルモデム312によって受信され、それらと通信する1つまたは複数のそれぞれのクライアント機器/UE306a、306b、306cに配布される。
【0090】
一実施態様では、
図3bに示されるCM312は、CBRS帯域(3.5GHz)アクセスのためのCBRSノード314a、および(例えば2.4GHz ISM帯域内の)WLANアクセスのためのWLAN(例えばWi‐Fi)ノード314bを含む、会議場や接客業構造物(ホテルなど)といった、会場を含み得るエリアにサービスする。特に、アクセスノード314a、314bと通信するクライアント機器306cは、本明細書においてさらに詳細に後述するように、特に、一方もしくは他方のアクセスノード314を介してMSOコントローラ310(
図3a)から受信された指示に応じたRAT(CBRSもしくはWLAN)、または一方もしくは他方のRATに選択的にアクセスすることを可能にするクライアント機器306c上の固有の論理さえも利用することができる。好都合には、どちらのRATも、それらが異なる周波数、変調器技術、干渉緩和技術、送信電力などを利用するので、タンデムで動作することができる。
【0091】
前述の配信機構と並列に(またはこれらの代わりに)、MSOバックボーン331および他のネットワーク構成要素を使用して、非MSOネットワークを介してユーザのモバイルクライアント機器306cにパケット化コンテンツを配信することができる。例えば、いわゆる「OTT」コンテンツを(緊密に結合されているかどうかにかかわらず)、取り込み、MSOのネットワークインフラストラクチャ内で格納し、介在するISP(インターネット・サービス・プロバイダ(Internet Service Provider))ネットワークおよび公衆インターネット311を介してユーザのモバイル機器に配信することができる(例えば、地方のコーヒーショップで、モデムを介してコーヒーショップのISPに接続されたWi‐Fi APを介して、インターネットブラウザまたはMSO/第三者アプリケーションを利用してHTTPベースのアプローチに従ってコンテンツをストリーミングするユーザのIP対応エンドユーザ機器306cで)。
【0092】
無線サービスアーキテクチャ
図4aに、本開示の免許不要周波数範囲割当ておよびCBRSベースの無線RATアクセスの方法を実装する際に役立つネットワークアーキテクチャ400の例示的な実施形態を示す。このコンテキストで使用される場合、「ユーザ」という用語は、これに限定されないが、エンドユーザ(MSOネットワークの加入者、MNOネットワーク、または他であるかどうかを問わない、個人)、会場運営者、第三者サービスプロバイダ、またはMSO自体の内部のエンティティ(特定の部門、システムもしくは処理エンティティなど)さえも含み得る。
【0093】
図示のように、このアーキテクチャは一般に、MSOによって維持されるCBRSコントローラ310(図示のようにMSOドメイン内のシステムのバックエンドもしくはヘッドエンド、あるいはサービスされる会場に、または中間サイトにリモートで配置されてもよい)、CBRSコア/ニュートラルホスト/プライベート・ネットワーク・コントローラ413、CBRSコントローラ310とデータ通信する公正かつ公平な割当てルーチン(FEAR)エンジン413、MSOによって維持される加入者およびCBRSデータベース404、(例えば、任意の有線または無線接続を含む既存のネットワークアーキテクチャを介して)CBRSコントローラ310とデータ通信する1つまたは複数のCBSDアクセスノード314、ならびに任意の数のクライアント機器306c(スマートフォン、ラップトップ、タブレット、ウォッチ、車両など)を含む。CBSD314は、図示の実施形態において、ケーブル電力およびバックホールインフラストラクチャ406を介してMSOの(ケーブルなどの)プラント300内の対応するCMTS339(
図3b)と通信するために使用される組込み式ケーブルモデム312を含み、MSOのバックボーン331への高データ帯域幅接続、およびCBSD用の電源を含む。MNO(モバイル・ネットワーク・オペレータ)ネットワーク411も、例えば、共通のユーザ/加入者に関するオペレータ間通信のために、バックホール406を介してMSOネットワークと通信し得る。
【0094】
図4aに示されるように、動作に際して、ドメインプロキシ(DP)408は、(図示のように直接、またはMSOバックエンド・ネットワーク・インフラストラクチャを介して)会場に配置されたCBSDおよびMSO CBRSコントローラ310と論理通信する。DP408は、特に、CBSD314とFSASコマンドとの間の指示変換、バルクCBSD指示処理、およびFSASへの干渉寄与報告を含む、CBSDのためのFSASインターフェースを提供する(すなわち、CBSDが配置された後にSASがその予測伝播モデルを調整または更新し、リアルな干渉問題を検出するのを助けるために、CBSDは信号強度および干渉レベルの測定値を提供することができる)。
【0095】
図示の実施形態におけるMSOコントローラ310は、MSO CBRSアクセスネットワーク410を介してDP208と通信し、MSO CBRSアクセスネットワーク410は、MSOおよび/またはSASによって義務付けられる任意のセキュリティおよび信頼性要件に応じて、公衆インターネットワーク(インターネットなど)、プライベートネットワーク、またはそれ以外であり得る。
【0096】
本明細書で使用される場合、CBRS「ドメイン」は、論理的にか、それとも他の方式によってか、例えば、ネットワークオペレータ(NO)に従って、サービングSASベンダに従って、かつ/または物理的配置(大企業内、会場、特定の地理的エリアなど)によってかを問わず、管理のためにグループ化されているか、またはグループ化される必要がある任意のCBSD314の集合体として定義される。
図4aの実施形態では、DP408は、FSAS1 402および/または任意の参加商用SAS(CSAS)403への制御情報フローを集約し、本明細書においてさらに詳細に後述するように周波数範囲割当てアルゴリズムの動作に必要なデータを含む、性能報告、チャネル要求、ハートビート、および他のタイプのデータを生成する。図示の実施形態では、DP408は第三者サービスプロバイダによって運営されるが、MSOは、チャネル要求処理、集約、報告、およびMSOの内部CBRSドメインのための上記の機能の他の機能、外部DP408とのインターフェースのなどのために、DP408を運営および維持し、かつ/または独自の内部DPを運営/維持し得ることが理解されるであろう。
【0097】
図4bは、その内部で複数のサービスプロバイダ(NOなど)がそのそれぞれのドメイン444内でCBRS帯域サービスを提供する例示的なサービス地域(地域A470)の説明図を示している。付随して、サービスエリア/カバレッジ(すなわち、所与のNOのユーザがそのクライアント機器またはUEを介してCBRS帯域サービスを取得し得る場所)は、必ずしも所与のNOのサービスドメインと同じ広がりを有するとは限らないことに留意されたい。例えば、所与のNOによって運営されるドメインは、5つのCBSD314を有するが、それらの2つ以上によるカバレッジがオーバーラップまたは重複しているため、ユーザに実際に提供されるサービスエリアは異なり得る。よって、本明細書で使用される「ドメイン」という用語は、これに限定されないが一般に、所与のベンダまたはNOの制御下にあるエンティティ(ハードウェアやソフトウェアなど)または他のプロセスを指し、「サービスエリア」または「サービス地域」は、これに限定されないが一般に、(1つまたは複数の)サービスプロバイダ(ベンダやNOなど)による地理的範囲またはカバレッジ、例えばサンディエゴ首都圏などを指す。さらに、いわゆる「SASベンダ」には、独自のカバレッジエリア(例えば、独自のCBSD314および関連したインフラストラクチャ)がある場合もそれがない場合もあり、SASベンダは、それらによってサービスされるNOによって保持されるカバレッジエリアのための「プロキシ」でもあり得る(例えば、SASベンダには独自のCBSDもインフラストラクチャもなく、SAS(および任意選択でDP)運営を介して支援を提供するにすぎない)。
【0098】
図4bで示唆されているように、様々なそれぞれのNOドメイン444は、共用または共通のインフラストラクチャも含み得る(例えば、所与のCBSD314が2つ以上のNO間で共用される、例えば所与のカバレッジエリアにただ1つのCBSDが物理的に位置し得る場合や、経済または効率を目的とするなど)。
【0099】
図4b‐1および
図4b‐2に、本明細書に記載される周波数範囲割当ての方法および装置の様々な実施形態に役立つFSAS402、CSAS403、およびDP408の例示的な代替の構成を示す。これらの構成は、本開示の前述の割当て方法および装置の運営を例示するためのものにすぎず、いかなる点においても限定的とみなされるべきではないことが理解されるであろう。本開示が与えられれば当業者は、本明細書に記載される方法および装置のさらに別のタイプの構成への適合を成し遂げることができる。
【0100】
図4b‐1に示されるように、複数のオペレータドメイン444がそれぞれのCBSD314によってサービスされる。3つのオペレータドメインの2つのドメイン444‐1は第1のSASベンダドメイン454‐1内のそれぞれのDP408によってサービスされる。2つのDP408は、図示のようにドメイン454‐1の外部のFSAF402とインターフェースする、共通のCSAS403によってサービスされる。第3のオペレータドメイン444‐2は、DPなしで、CSAS(CSAS1 403)によって直接サービスされる(例えば、このドメイン444‐2は、例えば、独自の内部DPを含み得るか、または他の方法でその機能を不要にしている)。FSAS‐SASインターフェースを介したデータ通信により、本明細書において後述される周波数範囲割当て技術の様々な態様の実装が可能になる。第1のベンダドメインのCSAS1 403は、FSAS402と同様に、本明細書において後述される周波数範囲割当てアルゴリズムおよび手順を支援する他のCSASエンティティ(例えば、第2のベンダドメイン454‐2内のCSAS2など)とのデータ通信も行い得る。
【0101】
次に
図4b‐2を参照すると、複数のオペレータドメイン444がやはりそれぞれのCBSD314によってサービスされる。2つのオペレータドメイン444‐1のうちの1つはそれぞれのSASベンダドメイン454‐1および454‐2内のそれぞれのDP408によってサービスされる。2つのDP408は異なるSAS、例えば、第1のドメイン454‐1のためのFSAS402によってサービスされ、FSAS402は、図示のように既存免許者検出装置207およびFCCデータベース211(ならびに既存免許者への通知)とインターフェースする。第2のオペレータドメイン444‐2およびそのDP408は、ベンダドメイン454‐2内のCSAS403によってサービスされる。
図4a‐1の構成と同様に、SAS‐SASインターフェースを介したデータ通信により、本明細書において後述される周波数範囲割当て技術の様々な態様の実装が可能になる。第2のベンダドメインのCSAS403は、FSAS402と同様に、本明細書において後述される周波数範囲割当てアルゴリズムおよび手順を支援する他のCSASエンティティ(図示されていない)とのデータ通信も行い得る。
【0102】
本明細書に記載される様々な方法および装置は、例えば、ユーザを空間的に所与の関心対象地域により密に詰め込み、かつ/またはそれがなければ生産的に使用され得るはずの周波数範囲の「ストランディング(stranding)」を回避するために、周波数/周波数範囲再利用アルゴリズムを選択的に利用し得ることが理解されるであろう。前述の一例として、
図4cに示される配置450を考察する。ここでは、2つのドメイン420、422が異なるドメインの2つのそれぞれのCBSD314(CBSD
A3およびCBSD
B1)のカバレッジエリア420‐3、422‐1間にエリアオーバーラップ430を有する。それ以外には、2つのドメインのカバレッジエリアはオーバーラップしない。よって、周波数再利用のために、割り当てられたGAA周波数範囲をドメインの他のすべてのエリア内で再利用することができる。というのは、地理的分離に基づき(1つまたは複数の)同じ周波数帯域の共通使用からの干渉の機会がないからである。この再利用の可能性は重要である。というのは、地域内のGAAユーザのための表向きの150MHzの最大割当て(最小で80MHz)により、そのような再利用がなければ地域内の追加ユーザへのサービスに対して著しい制約が生じ得るからである。
【0103】
図4aに戻って、MSO加入者およびCBRSデータベース404は、システム400の運営に役立ついくつかのタイプのデータを含む。その一部として、MSOデータベース404は、特に、(i)CBSD識別(MACなど)、(ii)CBSD位置、(iii)親または子のノードまたはネットワーク(もしあれば)との関連付け、および(iv)CBRS構成および能力データ、に関連するデータを含む。CBRSデータベース404は、MSOが、(1つまたは複数の)CBSD314が動作する関心対象の(1つまたは複数の)会場内でのチャネル使用および割当てを積極的に「計画」することを可能にする、周波数範囲使用および履歴パターン、チャネル停止、ならびに他のデータに関するMSOによって維持されるデータも含み得る。
【0104】
一変形では、MSO CBRSコントローラ310は、特に、ネットワーク状態およびトポロジー(例えば、2.4GHzのWi‐Fiアクセスネットワークを、2.5GHzおよび3.5GHzのLTEネットワーク、ケーブルバックホールおよびMSO(ケーブル)コアと一緒に、要求されたGAA周波数範囲割当てに関して最適化することができる場合のように、複数のアクセス帯域および技術、ケーブルバックホールおよびコアネットワークにまたがるアクセスネットワークのための)、負荷、およびユーザ要件を考慮に入れ、DP408を介したFSAS402またはCSAS403サービスへの標準化された要求または割当て案を生成する最適化機能を含む(以下の
図5~
図6aおよび
図7a~
図7cの考察を参照)。コントローラ310はまた、FSAS/CSASからの応答を、CBSD314に送信する前に「調整する」。具体的には、1つの特定の実施態様では、本明細書においてさらに詳細に後述するように、コントローラ310がFSAS/CSAS割当て、チャネルの変化、停止、および電力変化、ならびに他の自己最適化ネットワーク(self‐optimizing network(SON))機能を考慮に入れることによってモビリティ管理および最適化が行われる。FSAS/CSAS応答は、まず、制御論理によって、影響を受けるダウンストリームデバイスの数(例えば、いくつのスモールセルもしくは他のCBSDが影響を受けるか)、およびフェーズ/グループ内の個々のCBSDに送信された命令に関して、またはUEに対する影響を(しかもFSAS/CSASおよびCBRSシステム要件と矛盾せずに)軽減するようにいくつかの他の方式に従って解析される。こうして、個々のUEを可能な程度まで他のCBSDおよび/または周波数帯域に「あちこち移動」させ、ユーザ体験が保護される(すなわち、サービスの中断がほとんどまたはまったく知覚されない)。
【0105】
特定の実施形態では、各CBSD314が1つまたは複数の会場(商用、企業、学術目的のための建物、部屋、もしくはプラザ、および/または無線アクセスに適した任意の他の空間など)内の1つまたは複数のエリア内に位置し、かつ/またはそれらのエリアにサービスする。各CBSD314は、そのカバレッジまたは接続範囲内で無線ネットワークカバレッジを提供するように構成される。例えば、会場には、特に、LTE対応車両または車両の運転者のパーソナル機器を介した駐車場内の顧客を含む、見込みのある顧客が接続するための無線モデムが会場の入り口内に設置されていてもよい。特に、異なるクラスのCBSD314(eNBなど)が利用され得る。例えば、クラスAのeNBは最大30dbm(1ワット)まで伝送することができるが、クラスBのeNBは最大50dbmまで伝送することができ、そのため平均エリアは大きく変動し得る。実際面では、クラスA機器はおよそ数百フィートの動作範囲を有し、クラスB機器は数千フィート以上まで動作でき、伝播および動作範囲は、RFまたは他の干渉源の存在、会場/エリアの物理的トポロジー、受信機のエネルギー検出または感度などを含む、いくつかの要因によって決定される。
【0106】
この例示的な実施形態では、1つまたは複数のCBSD314がCBRSコントローラ310によって(すなわち、MSOネットワークのインフラストラクチャを介して)間接的に制御され得るか、または会場に配置されたローカルもしくは「クライアント」CBRSコントローラ(図示されていない)によって直接制御され得る。前述の直接制御および間接制御の様々な実施形態が、必要に応じて
図4aのアーキテクチャ400内で実装され得る。コントローラ310は、本例では、MSOドメイン内で、例えばMSOヘッドエンドやハブサイトで維持され、MSOコア機能412を介してMNOコア411と通信する実質的に統合された論理的物理的装置として実装される。
図4aの実施形態では、コントローラ310は、少なくとも、(ii)FEARエンジン413との通信およびFEARエンジン413によって行われた計算の使用を含む、GAA割当て案を生成させ、(ii)CBSD314を使用によってホスト環境内のRF条件および性能情報を動的に監視し、(iii)DP408への伝送(およびFSAS/CSASへの転送)のために(ii)のデータに基づいて干渉報告を発行させる、ように構成される。
【0107】
コントローラ310はまた、任意選択で、例えば、ターゲット会場またはエリア内などで、MSOによって維持される「ローカル」CBRSネットワークの動作を最適化するアルゴリズムを含む。これらの最適化には、例えば、以下が含まれ得る。(a)上記(i)の環境干渉データを利用した会場/エリアの(1つまたは複数の)CBRS帯域の特徴付け、(b)(a)の特徴を使用した、(例えば、会場内の干渉または競合を緩和することになる/それらの帯域内の)DP/SASへの(1つまたは複数の)CBRS帯域内の周波数範囲割当てを求める要求の構築、(c)参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「APPARATUS AND METHODS FOR PROVIDING WIRELESS SERVICE IN A VENUE」という名称の2017年6月2日に出願された同時係属の米国特許出願第15/612630号(整理番号第TWAR.226A/CHTR2017‐08)に記載される、上記(i)の干渉データ、および他の関連データ(例えば、入場者数、時間、CBSD位置の関数としての干渉/信号など)を使用した、会場/エリア自体に特有のプロファイルを含む、様々な変数の関数を使用する周波数範囲の履歴プロファイルの構築、(d)(国防総省資産が前に割り当てられた帯域の使用を必要とする場合などの)周波数範囲の可用性停止および他のイベントに関するデータを利用した、FEARモデルの下での割当て案の支援を含む、時間の関数としてのCBRS帯域利用に関する予測モデルまたは推測モデルの生成。
【0108】
以上に加えて、コントローラ310は、
図4cに関して以下でさらに詳細に説明するように、ユーザ体験を最適化するために、(おおよそ3.5GHzのCBRS割当て周波数範囲を使用した)CBSD間のMSOユーザ/加入者のRATおよび帯域割当て、ならびに、例えば、ISMの2.4または5GHz帯域のWi‐Fi使用を、能動的または受動的に調整するように構成され得る。例えば、前に本明細書に組み込まれた同時係属中の共有の米国特許出願第15/677940号に記載される例示的な方法および装置を参照されたい。
【0109】
この例示的な実施形態では、MSOコントローラ310内の最適化機能は、(i)ネットワーク状態(MSOネットワークとMNOネットワークの両方)、(ii)MSOスモールセル・ネットワーク・トポロジー、(iii)現在のMSOスモールセルネットワーク負荷、および(iv)ユーザ固有の要件を考慮に入れ、それらに基づいてSASサービスへの標準化された要求を生成する(「標準化」は、SASにコンタクトする際に使用されるプロトコル/要求機構を指す)。コントローラ310の最適化機能はまた、SASエンティティからの応答を、それをCBSD314およびMNOコア412に送信する前に「調整する」(
図4a参照)。例えば、SASは、特定のリソースを特定の期間にわたって割り当て、この割当ては、MSO CBRS RANの詳細についてコントローラ310によってまたさらに最適化され得る(例えば、既知の問題のある周波数帯域が割当てから削除されるなど)。一実施態様では、前述の調整は、(i)搬送されるトラフィックの量と(ii)CBRSネットワーク内で各個別セルによってサービスされるユーザ数の両方に関しての負荷を考慮に入れて、SASによって義務付けされた最大限界を守りながらCBRSネットワーク内の各個別のスモールセルの送信電力を調整することを含む。この情報に基づき、MNOパートナからのユーザを、CBRSネットワーク内の所与のスモールセルにおいて受け入れ、拒絶し、かつ/または他のセルに移行させることができる)。
【0110】
さらに、そのような調整は、加入者がその加入プランおよび/または他の要件に相応したサービスを受けるように、個々のサービスに適用されるQoSポリシーまたは要件(例えば、上りリンク/下りリンクスループット)を加入者ポリシーに相関させることを含むことができる。例えば、ネットワークの(少なくとも)MSO部分内の待ち時間を最小化するためにパケット・ルーティング・アルゴリズムが実装される場合には、前述のユーザプロファイルに基づくMSO/MNOネットワーク内の他のリソースの割当ても用いられ得る。
【0111】
方法
次に、本開示による準免許(例えばCBRS GAA)周波数範囲割当てのための様々な方法およびその実施形態を、
図5~
図6aに関して説明する。
【0112】
次に
図5を参照すると、本開示による周波数範囲割当ての一般的な方法の一実施形態が図示および説明されている。
【0113】
図5に示されるように、方法500は、ステップ502により、1つまたは複数のCBSD314をホストSAS402、403にまず登録するステップを含む。
図4b‐1に関して上述したように、(1つもしくは複数の)CBSDはホストSASと直接、またはコンピュータ化されたドメインプロキシ(DP)エンティティ408などの1つもしくは複数の介在エンティティを介してインターフェースし得る。例示のために、登録するCBSDの各々は共通のネットワークオペレータ(NO)ドメイン444と関連付けられていると仮定するが、これは方法500を実施するための要件ではない。
【0114】
次に、ステップ504により、(1つまたは複数の)CBSDに関する関連データがホストSASに提供される。CBSDデータは、例えば、各CBSDの空間位置に関するデータ(例えば、位置(緯度/経度)、海抜など)、使用されるアンテナ構成およびパターン(例えば、MIMO、SISO、主ローブアジマスおよび高度)、ならびにMCS(利用可能な変調および符号化方式)、CBSDバックホール能力、およびさらに別のデータなどの他のパラメータを含み得る。
【0115】
次に、ステップ506により、ホストSASは、例えば、(i)所与の地域内の任意の既知の既存免許者またはPALユーザの存在/帯域幅を含む、その運営の地域的な構成要素および局面に関するデータを取得する。おそらくは、SASは、その時点の関心対象地域に関するデータをすでに維持しているが、そうでない場合には、そのようなデータを、親もしくは兄弟SAS、または他のエンティティなどから、例えばそれらへのデータ問い合わせによって取得することができる。
【0116】
ステップ508により、ホストSASは、関心対象地域に表向き適用される利用可能な免許不要周波数範囲に関するデータも取得する。例えば、一変形では、ホストSASは、親FSASまたは他のエンティティから、その時点で利用可能な、例えばGAA周波数範囲に関するデータを受け取る。そのようなGAAデータは、利用可能周波数範囲の開始/終了に関するデータ、例えば、時間の関数としての利用可能GAA周波数範囲の時間周波数「マップ」を含み得る。当業者には理解されるように、本明細書に記載される様々な方法および装置は、そのような時間周波数リソースマップに対して動作するように、例えば、周波数範囲の「公正かつ公平な」割当てが時間の関数として変動し得るように容易に適合され得る。この属性は、GAA環境が、例えば、利用可能GAA周波数範囲の変化、運営エンティティもしくはネットワークの追加/削除、時間の関数として変化し得る国防総省その他の既存免許者のアクティビティ、または電磁伝播(高速フェージング環境など)および/もしくは干渉源の変化さえもが原因で、本質的に非常に動的であり得るという観点から特に重要である。
【0117】
ステップ510により、ホストSASは、他のSASが指定された関心対象地域内で運営しているかどうかを判断する。
図4~
図4a‐2に関して上述したように、所与のSASは、関心対象地域の部分内の運営を管轄する他のSASエンティティを制御できない場合がある。例えば、2つのSASエンティティが別々のNOドメインのホストであり得るかまたはそれらを管轄し得る。これらのNOドメインのユーザおよびRF信号伝播が潜在的にオーバーラップする大きさの程度まで、1つのドメインが別のドメインに干渉する可能性があり、よって、周波数範囲割当てが(少なくとも競合し得る各ドメインのCBSDに関して)必要である。1つまたは複数のSASエンティティが(少なくともその時点の割当ての予定された期間中に)同じ地域内で運営する程度まで、そのようなSASエンティティは、以下でさらに詳細に説明するように、システムによって実装された公正かつ効率的な割当てルーチン(FEAR)(ステップ512)内で参加することが必要になる。そのような他のSASエンティティがホストSASによって識別されない場合には、ホストSASは非FEARのアプローチを利用することができる(すなわち、ホストSASは、利用可能GAA周波数範囲をホストSAS自体のNOおよびそれらのNOそれぞれのCBSDに割り当てる際に他のSASおよび他のSASのCBSDを考慮しなくてもよい。
【0118】
図5の前述の論理500は、(後述するように、他のSASエンティティと協調した)ホストSAS、および/または1つもしくは複数の監督もしくは制御プロセスによって利用され得ることが理解されるであろう。具体的には、一変形では、前述のコントローラエンティティは、FEARに関与するそれぞれのSASエンティティから入力を取得し、それらのエンティティのための計算をしかるべく実行するために使用される。例えば、上位レベルのFSASがFEARアルゴリズムを備えていてもよく、それによってそのFSASは、GAA周波数範囲割当ての際に、各参加SASにそのそれぞれのCBSD/NOデータを問い合わせ(ステップ504参照)、FEARの少なくとも部分を実行して出力を生成することができる。例えば、1つのモデルでは、それぞれのSASの初期割当て案を制御/監督プロセスが生成することができ、その時点の後に個別のSASは、FEARを使用してさらに反復してSAS間の最終割当てに収束するように互いに直接やり取することができる。よって、監督エンティティ/コントローラは、2つ以上の参加SASを、収束プロセスが過度に長引いたり、または1つのSASもしくは別のSASに不適切に偏ったりしないように、それぞれの初期割当て案に境界を設定することによって事実上「較正」することができる。特定の規則が、例えば、最重要な既存免許者もしくは優先ユーザ割当て、または監督プロセス(および参加SASエンティティ)によってサービスされる様々なNOの業務もしくは運営上の考慮事項に基づいて、監督/制御プロセスによって維持され得る。
【0119】
あるいは、個々の参加SASエンティティは、それ自体の初期割当て案を各々が生成するように、FEARプロセス内でそれ自体のために「折衝」するように構成されてもよい。このアプローチは、有利には、監督プロセス(および監督プロセスとSASエンティティとの間のデータ通信)の必要をなくし、運営のためのSAS間のデータリンクだけで済む。
【0120】
2つ以上の参加SASが並行して
図5の方法を利用し得ること、すなわち、各々がそれぞれのNO/CBSD構成に関するデータを取得し、合計利用可能GAA周波数範囲を確定し、その他のSASの存在(よってFEARを実行する必要性)を判断し得ることも理解されるであろう。例えば、1つのそのようなモデルでは、各SASは、それによってサービスされるNO/CBSDの構成および動作と、利用可能GAA合計周波数範囲の両方に関する現在のデータを維持し、規定のイベント(例えば、GAA周波数範囲の利用可能な150MHzの部分の損失もしくは初期損失)が発生し次第、影響を受ける地域内の同様の状況のSASエンティティと並行して
図5の方法を開始するように構成される。こうして、一連の、または「連鎖」アプローチが不要になり、それによってFEARによる最終周波数範囲割当てへのより迅速な収束が可能になる。
【0121】
所与の関心対象地域内では、(i)複数のサービスプロバイダのCBSDが(例えば、SASごとに1つまたは複数のNOが)配置されている場合があること、(ii)そのような各NOが(例えば、そのユーザ/加入者へのサービスを「抑制」するか、またはその他の方法で制限する必要を回避するために)そのGAA周波数範囲の占有率を最大化しようとし得ること、および(iii)関心対象地域では、1つのSASベンダが複数のNOにサービスするか、または逆に1つのNOが2つ以上の異なるSASベンダによってサービスされるように、異なるオペレータ(NOなど)が1つもしくは複数の異なるSASベンダと連携している場合があることに留意されたい。
【0122】
よって、割当ての公正性を確保するために、本開示の例示的な構成は、各SASベンダが、それ自体によってサービスされるCBSDを認知していることに加えて、他のSASベンダによってサービスされるCBSDの認知(すなわち、SAS間通信)も維持しなければならないことを必要とする。上記の個別NOと同様に、そのような各SASベンダは同様に、例えば、各SASベンダ自体への利用可能GAA周波数範囲の過剰な割当てによって、(同じ地域内の競合するSASプロバイダよりもむしろ)各SASベンダ自体によってサービスされるCBSD/NOを優遇しようとする場合もある。
【0123】
次に
図5aを参照すると、本開示による公正かつ公平な割当てルーチン(FEAR)を実装する方法の一実施形態(すなわち、
図5の方法500のステップ512を実装するための1つのアプローチ)が説明されている。
【0124】
説明を明確にするために、以下の
図5aの考察は、異なるSASベンダと関連付けられていると推測される、2つの参加SASエンティティ(SAS‐1およびSAS‐2)に関して行われる。しかしながら、本開示が与えられれば当業者には、(i)FEARにはもっと多くのSASエンティティが参加する可能性があること、および/または(ii)FEARの少なくとも部分/サブルーチンが、例えば「ラウンドロビン」その他の方式で、FEARに参加する総数よりも少数のSASエンティティで実行され得ること(例えば、ルーチンの特定の部分が3つの合計参加エンティティのうちの2つだけの間で行われ得ること)が理解されるであろう。
【0125】
3つ以上のエンティティの場合には、後述される方程式およびアルゴリズムの数学的拡張を使用して、すべてのSASエンティティ間の「公正性」を確保することができる。例えば、3つのSASエンティティが割当てプロセスに参加している場合、各SAS(または後述するように、その処理プロキシ)は、それ自体(内部)の割当て案、ならびに他の2つのSASエンティティのための割当て案を生成することができ、計算されたデータは、各SASエンティティに他2つの参加エンティティのデータがあるように、各SASエンティティの間で交換され得る。
【0126】
図5aに示されるように、ステップ522により、第1のSAS(SAS‐1)またはその指定された処理プロキシがその加入ネットワークオペレータOP‐1に周波数範囲(FS
1‐OP
1)を割り当てる。同様に、ステップ524により、第2の参加SAS/プロキシ(SAS‐2)もその加入ネットワークオペレータOP‐2に周波数範囲(FS
2‐OP
2)を割り当てる。
【0127】
ステップ526により、SAS‐1はまた、OP‐2に割り当てられるべき周波数範囲の「公正な見方」を有し、そのための提案(すなわち、FS1‐OP2)を生成する。余談だが、所与の地域で運営している各SASは、例えば、異なるRF特性(伝播モデルなど)を計算するために、異なる数学モデルまたは他のモデルを利用する場合もあることに留意されたい。各SASは、アンテナパターン、アンテナ傾き、RF Tx電力などといった同じCBSD特性を使用し得るが、モデル精度の差ならびに例えば各SAS内の地形データなどの異なる前提が原因で、完全に異なる結果、例えば計算されたカバレッジエリアなどに到達する場合もある。したがって各SASは、その所与のCBSDの見方および評価を各SASの観点から正確かつ公正であるとみなし得るが、その結果はSAS間で著しく異なる可能性があり、1つのSASには所与のCBSDの公正または正確な評価に見えるものが、別のSASの観点から考察すると実際には不正確または「不公正」である可能性もある。これは、(上記の場合のように、SAS‐1がそのOP‐2のための「公正な見方」の提案を計算する場合と同様に)計算するSASがサービスSASではない場合に特に当てはまる。というのは、サービスSASは一般に、それ自体の(サービス対象の)CBSDおよびインフラストラクチャに関して、参加するが非サービスのSASと比較してより良いデータを有することになるからである。
【0128】
同様に、SAS‐2も、ステップ528により、OP‐1に割り当てられるべき周波数範囲の公正な見方を有し、そのためのSAS‐2の提案(すなわち、FS2‐OP1)を生成する。
【0129】
その後(または同時に)、SAS‐1とSAS‐2とは、ステップ530とステップ532とにより、OP‐1とOP‐2との公正な割当てのそれぞれの見方(提案)に関するメトリックを交換し、例示的な実施態様または
図5a‐1および
図5a‐2に関してさらに詳細に後述するように、FEAR(公正かつ公平な割当てルーチン)431が実行されて、すべての参加SASエンティティにわたる調整されたまたは調和した割当てに収束する。
【0130】
次に
図5a‐1を参照すると、
図5aの例示的なFEARプロセス532の一実施態様が図示され、説明されている。ステップ533により、FS
TOTと(FS
1‐OP
1+FS
2‐OP
2)との差がまず計算される。
【0131】
ステップ535により、ルーチンが、次の条件が満たされるかどうかを判断する。
式(1) (FSTOT-(FS1‐OP1+FS2‐OP2))>0
【0132】
そうである場合、割当て案は利用可能GAA周波数範囲内ですべて「適合」し、よって、これ以上の調整または調和は不要であり、すべてをカバーするのに十分な周波数範囲があるので、そのSASまたはOPもその割当て(案)を否定されないことになる。これにより、各SASは少なくとも、各SAS自体の(すなわち、それ自体によってサービスされるNO/CBSDに)必要な周波数範囲を、各SAS自体の周波数範囲の不足を「自ら招く」ことのないように、積極的に計算することになる。よって、各SASは事実上それ自体に注意を払うことになるので、各SASが他の参加SASのための「公正な見方」の提案を計算する必要はない。
【0133】
しかしながら、前述の条件の下では(本明細書の別の箇所で説明した理由で)割当て案に著しい不公平または不均衡が生じる場合もあり、よって、そのような偏った割当て案のバランスをより均等に平衡化することが求められる場合には、FEARまたは他の平衡化ルーチンが任意選択で実装され得ることに留意されたい。
【0134】
ステップ537により、FS1‐OP1とFS2‐OP1との差が計算される。ステップ539により、ルーチンが、次の条件が満たされるかどうかを判断する。
式(2) |FS1‐OP1-FS2‐OP1|>d1
【0135】
言い換えると、差の絶対値は規定の閾値d
1を超えるか(d
1が0以上であり得る場合、割当て案が「ホーム」SASと「評価」SASとの間で著しく相違することを示す)、である。そうである場合には、OP‐1のための調整が必要であり(ステップ541)、これは後続の調整アルゴリズムの実行で対処される(
図5a‐2)。そうでない場合には、ステップ543により、FS
2‐OP
2とFS
1‐OP
2との差が計算される。
【0136】
ステップ539により、ルーチンが、次の条件が満たされるかどうかを判断する。
式(3) |FS2‐OP2-FS1‐OP2|>d2
【0137】
上記と同様に、差の絶対値は規定の閾値d2を超えるか(割当て案が「ホーム」SASと「評価」SASとの間で著しく相違することを示す)、である。そうである場合には、OP‐2のための調整が必要であり(ステップ547)、これは後続の調整アルゴリズムの実行で対処される(後述する)。
【0138】
そうでない場合には、ステップ549により、可変因子または因子セットの値(デルタ(D))が増分される。以下でさらに詳細に説明されるように、Dの(1つまたは複数の)値は、例えば、任意の数の異なる割当て重み(調整プロセスに参加するその他のSASに対するSASごとの個々の重みなど)を含んでいてもよく、これらの重みは、SASごと(および各SASによってサービスされる個別CBSDごと)の割当てへの収束を可能にするように、調整処理の反復ごとに徐々に変更されてもよく、これらの割当ては、評価されるサービス地域470に割り当てられた合計利用可能GAA周波数範囲以下である。Dは、加えてまたは代替として、本開示が与えられれば当業者には理解されるように、他の因子を含んでいてもよい。
【0139】
次に、例示のために本開示による調整方法の1つの特定の実施態様を説明する。
【0140】
ハイレベルで、調整アルゴリズムの下で、所与のシナリオにおけるすべてのSASエンティティ/処理プロキシが、特定の量の周波数範囲(FSi‐CBSDj)を、所与のSASエンティティ/プロキシによってサービスされるCBSD314に割り当てることになり、ここでiはSASのインデックスであり、jは解析されるCBSDのインデックスである。一実施形態では、この調整は一般にCBSD単位のレベルで行われることに留意されたい。
【0141】
加えて、この調整モデルの下では、各SASエンティティ/プロキシは、調和プロセス内で他の参加SASエンティティ(例えば、先の2つのSASの例のSAS‐1およびSAS‐2)によってサービスされるCBSDへの特定の量の周波数範囲を計算することになる。
【0142】
そのようなSASごとに、そのSAS自体によってサービスされるCBSDに割り当てられる周波数範囲とその他の(1つまたは複数の)SASによってサービスされるCBSDのための計算された周波数範囲との合計は、合計利用可能GAA周波数範囲と(最終的に)等しくならなければならない。
【0143】
参加SAS間で、計算され割り当てられた周波数範囲が等しい(すなわち、所与のCBSDについて、上記の例でFCBSDiSAS1=FCBSDiSAS2である)CBSDについて、さらに調整する必要はない。
【0144】
逆に、SAS間で割り当てられた周波数範囲の量に差がある(すなわち、FCBSDiSAS1≠FCBSDiSAS2)所与のCBSDについては、調整が必要である。一実施態様では、調整プロセスは、SAS間の所定の相互合意に基づいて各SASの計算モデルに与えられた事前付与された重みの付与を含み、これらの重みは、すべての参加SASにわたる共通の周波数範囲割当てに到達するために使用される。例えば、一変形では、変数αおよび変数βが、それぞれ、SAS1およびSA2の相互に合意された重みである。この例示的な実施形態では、αおよびβの値は、(i)モデル精度、(ii)無線周波数信号伝播モデル、および(iii)SASによって使用されるパラメータ、に基づくものである。
【0145】
式(4)に従い、すべての重みの値(ここでは、αとβの2つ)の合計は1.0でなければならない。
式(4) α+β=1
【0146】
式(5)に従い、これらの重みは上記の2つのSASの例の所与のCBSD(すなわち、CBSDi)が「共通の」値(G)を生成するために、それぞれ、「ローカル」と「公正な見方」の周波数範囲の計算に適用される。
式(5) (α*FS1‐CBSDi)+(β*FS2‐CBSDi)=(Gcommon‐CBSDi)
【0147】
このプロセスを、その割当て周波数範囲の調整が必要なすべてのCBSD(すなわち、CBSD
i、ここでi=1~N)について、すべての参加SASエンティティのすべてのCBSDが処理されるまで繰り返すことができる(
図5a-2の例示的な流れを参照されたい)。例えば、ドメイン内の一部のCBSDは、例えば、
図4cと同様の周波数再利用の可用性により調整を必要としない場合があり、よってそれらを調整を受けるCBSDの「プール」から除去することができる(すなわち、それらのCBSDは、地理的に衝突/干渉の可能性がないため、他のオペレータの他のCBSDに割り当てられ得る周波数範囲を再利用することができる)。
【0148】
さらに、必要な場合には、前述の方法の第2の反復を、
図5aと同様に選択パラメータ(D)を変動させて、例えば、精度がより低いデータ/提案モデルを有する参加SASエンティティには低い重みを、より正確なSASエンティティには高い重みを付与して行うことができる。
【0149】
上記のように、一般に、前述の重み付けプロセスを、以下の式(6)に従って3つ以上のSASまで拡張することができる。
式(6) α+β+γ+…+ζ=1
【0150】
上記のように、αおよびβの値は、一実施態様では、(i)モデル精度、(ii)無線周波数信号伝播モデル、および(iii)SASによって使用されるパラメータ、に基づくものである。具体的には、(i)に関して、(例えば、データがNOから、よってサービスSASから容易に利用できないために)CBSD全体の特定のサブセットについて特別のCBSD属性が見えるかどうかがわからない可能性があるなどの場合、異なるSASエンティティは、FEARへの入力に関して異なる能力またはレベルの精度を有し得る。そうした事例では、SASまたは処理プロキシが、1つまたは複数のCBSDの特定の属性に関して「知識に基づく推測」を行わなければならず、それによって(少なくとも問題のネットワークのCBSDまたは部分に関して)その計算の信頼度が下がる場合がある。よって、そのようなSASは、他のSASに対してそれらの提案をあまり強調しない場合がある。
【0151】
同様に、(ii)に関して、サービスされるサービス地域またはエリア内のRF信号伝播に関してSAS(またはSASへの入力)によって使用されるモデルは限られるか、または単に高精度であり得ない可能性がある(例えば、多くのアーキテクチャ要素およびトポロジー考慮事項、例えば、都市内でのCBSDの使用や近くに丘や山があることなどにより、モデル化が非常に困難であり得る高度に複雑な高速フェージング/マルチパス環境が生じるなどの場合)。CBSDの中には、例えば、同じ周波数帯域での当該CBSDへの前のGAA割当ての間に、実際の伝播特性を評価するために、実際の信号強度または他の関連した測定値(RSSI、RSRQなど)を提供することができるものもあり、そうでないものもある。
【0152】
同様に、(iii)に関して、SASによってそのネットワーク/CBSDの需要の特徴付けにおいて使用されるパラメータまたは他の因子が重み付けに影響を及ぼす可能性もある。例えば、所与のSASは、高度の変動性を有するモデル、または場合によっては不正確なモデルを使用して、ネットワークGAA周波数範囲の需要をモデル化し得る。
【0153】
別の実施形態では、SASエンティティ(および/または、使用される場合には、制御プロセス)は、(例えば時間または他の条件の関数としての)ネットワーク帯域幅需要などの様々な推測されたパラメータに基づいて、(i)それ自体もしくは他のSASについてのGAA周波数範囲割当て案、および/または(ii)後続の割当て案(すなわち、FEAR実行レジーム内のさらに下)を推論的に生成するようにも構成され得る。周波数範囲の需要は時間と共に大きく変動する可能性があり、周波数範囲の計算および割当ては(例えば、提案流布の遅延、処理、調整、介在する既存免許者またはPALユーザの許容などにより)やや時間がかかるという点において、特定の状況下で順守すべき、割当ておよび後続のNO運営を行うためのMSOシステム(または各SAS/SASベンダ)内で生成および格納されたいくつかの「事前に準備された」モデルまたはテンプレートを有すること含む、予測が本開示と矛盾なく利用され得る。
【0154】
例えば、一変形では、テンプレートが、(i)例えば10MHz単位の(80~150MHzであると仮定される)規定の初期GAA割当てと、(ii)既知の数のNO(および、NOによってSASベンダに供給された最近のデータに基づく、NOの予測されるCBSD数)とに基づいて計算される。前述のテンプレートはまた、(例えば、GAA利用可能周波数範囲の既知の変動および/またはNOの周波数範囲の需要に基づいて、時刻、曜日などの関数としてなど)時間的変動を考慮に入れるようにも構成され得る。
【0155】
図6は、
図5以下の方法のための例示的な通信フローを示すラダー図である。
【0156】
図6aに、サービスエリア470およびその(1つまたは複数の)構成NOと関連付けられた各参加SASエンティティによる、その参加SASエンティティ自体と他の参加SASエンティティ(およびそれら他の参加SASエンティティの(1つまたは複数の)NO)とのための周波数範囲割当ての計算を図式的に示す。
【0157】
CBRSコントローラおよびFEARエンジンサーバ装置
図7a~
図7cに、本開示による動作に役立つ、コントローラ装置、例えば、
図4aのCBRSコントローラ310、ならびにFEARエンジン413の例示的なハードウェアおよびソフトウェアアーキテクチャの様々な例示的な構成を示す。
【0158】
図7aに示される1つの例示的な実施形態では、コントローラ310は、特に、プロセッサ装置またはサブシステム702と、プログラム・メモリ・モジュール704と、CBRSコントローラおよびマネージャモジュール706a(ここでは、プロセッサ702上で実行するように動作するソフトウェアまたはファームウェアとして実装される)と、内部MSO通信ならびに(1つまたは複数の)関連CBSD314およびFEARエンジンサーバ413との制御データ通信のためのバックエンド(内向き)ネットワークインターフェース710と、MSOによって維持されるファイアウォールまたは他のセキュリティアーキテクチャを介したDP408との(最終的には、例えば、セキュアなインターフェースネットワークを介してFSAS/CSAS402/403との)通信のためのフロントエンドまたは外向きのネットワークインターフェース708と、を含む。CBRSコントローラは不正なアクティビティに都合よく用いられる可能性があるので、各CBRSは、特に、公衆インターネット/ISPネットワーク311(
図3a)または他のソースから発せられる侵入攻撃や他のそのようなイベントから保護されるべきである。
【0159】
したがって、1つの例示的な実施形態では、コントローラ310は各々、MSOネットワークのCBRS「DMZ」内の非公開IPアドレスを利用するように構成される。余談だが、ネットワーク内のいわゆるDMZ(非武装地帯)とは、内部のLAN、WAN、PAN、または他のそのようなネットワークを他の信頼できないネットワーク、通常はインターネットと分離する物理的または論理的なサブネットワークである。外向きのサーバ、リソースおよびサービスは、インターネットから(よって、MSOによって開始されたCBRS周波数範囲割当て要求またはデータ交換に応答するDP408から)それらにアクセスできるように、DMZ内に配置されているが、それ以外の内部MSOインフラストラクチャは到達不能または分割されたままである。これにより、不正なエンティティまたはプロセスが、信頼できないネットワークを介して、例えば、DP「なりすまし」やMITM攻撃により内部MSOサーバおよびデータに直接アクセスする能力が制限されるので、内部インフラストラクチャにさらなるセキュリティ層が提供される。
【0160】
加えて、例示的な実施態様のコントローラ310は、制限されたプロトコル機能セット、すなわち、有効なDP408またはSAS402、403(すなわち、MSOによって維持される「ホワイトリスト」上のDPまたはSAS)からの認証チャレンジ、DPまたはSASからの干渉監視データの要求、リソース割当てACKなどのみに対応するように構成される。
【0161】
例示的なコントローラ310は本開示内に記載されるように使用され得るが、当業者は、本開示が与えられれば、コントローラ装置は、他のネットワークまたはサービス・ドメイン・エンティティ内で仮想化および/または分散されてもよく、よって、前述の装置310は純粋に例示であることを容易に理解するであろう。
【0162】
より詳細には、例示的なコントローラ装置310は、集中型オペレータネットワーク(例えばMSOネットワーク)の近くもしくはその内部、CBSD内もしくはCBSDと同じ場所、中間エンティティ内、例えば、WLAN APコントローラなどのデータセンタ内、および/またはMSOによって所有/運営されているか否かにかかわらず、そのうちの一部が(上記のような)無線ネットワークの残りの部分であるインフラストラクチャの「クラウド」エンティティもしくは他の部分内に、物理的に位置することができる。いくつかの実施形態では、CBRSコントローラ310は、例えば、階層内の、同等の有効性または異なる使用レベルを各々が有するいくつかのコントローラのうちの1つであり得る(例えば、コントローラ310は、各「スレーブ」が、例えば、そのそれぞれの(1つまたは複数の)会場内で機能を制御するように指定されている複数のスレーブまたは従属コントローラを管理する「親」コントローラの下にあり得る)。
【0163】
一実施形態では、プロセッサ装置702は、1つもしくは複数の基板上に搭載されたデジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、または複数の処理構成要素のうちの1つまたは複数を含み得る。プロセッサ装置702は、内部キャッシュメモリも含み得る。処理サブシステムはプログラム・メモリ・モジュールまたはサブシステム704と通信し、プログラム・メモリ・モジュールまたはサブシステム704は、SRAM、フラッシュおよび/またはSDRAMコンポーネントなどを含み得るメモリを含み得る。メモリモジュール704は、当分野で周知のようにデータアクセスを円滑化するために、ダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)タイプのハードウェアのうちの1つまたは複数を実装し得る。例示的な実施形態のメモリモジュールは、プロセッサ装置702によって実行可能な1つまたは複数のコンピュータ実行可能命令を含む。図示ように大容量記憶装置(HDDやSSD、NANDフラッシュなど)も設けられる。
【0164】
プロセッサ装置702は、メモリ704に格納された少なくとも1つのコンピュータプログラム(例えば、CBRS周波数範囲割当てに関して本明細書に記載される様々なコントローラ機能を実装するソフトウェアまたはファームウェアの形態のCBRSコントローラの論理など)を実行するように構成される。他の実施形態はそのような機能を、専用のハードウェア、論理、および/または専用のコプロセッサ(図示されていない)内で実装し得る。
【0165】
一実施形態では、CBRSコントローラ/マネージャ706aは、既知のダウンストリームデバイス(CBSDおよびWLAN APを含むアクセスノードなど)、他のバックエンドデバイスを登録し、より広範な無線ネットワーク(および任意の構成ピア・ツー・ピア・サブネットワーク)を集中管理するとともに、(ii)CBSDその他のインフラストラクチャ構成データを取得し、(ii)取得した構成データをFEARエンジン413(または、
図5~
図6aの割当て方法を実装する他の管轄する処理エンティティに報告する、ようにさらに構成される。
【0166】
さらに、先に本明細書に組み込まれた、「METHODS AND APPARATUS FOR COORDINATED UTILIZATION OF QUASI‐LICENSED WIRELESS SPECTRUM」という名称の同時係属の米国特許出願第15/785283号に記載されるように、MSOおよびMNOのネットワークおよびユーザポリシーは、制御論理706aを使用して実装され得る。一実施態様では、1つまたは複数の主因が、(1つまたは複数の)主因を最大化または最適化するために最適化を構築する基礎として使用される。例えば、所与の例における目標が、例えば下りリンク方向(DL)でより大量のデータ(すなわちスループット)をプッシュすることである場合、より良いシグナリングを有するUEまたはデバイスが、より多くのデータを効率的に処理するために、最適化論理によって選択され得る(事実上、「最小抵抗パス」論理)。これを、例えば、上位加入者サービス層対下位加入者層に適用することもできる。上位層には、上位層のユーザ体験が十分であるようにするために、帯域幅が下位層に割り当てられる前に(少なくとも規定の程度または値まで)利用可能な帯域幅が割り当てられ得る。あるいは、この目標は、異なるユーザ、アクセスネットワーク、パートナおよび/または異なるタイプのサービス(例えば音声対データ、QoS対非QoSなど)間でのリソース(すなわち無線/バックホール/コアリソース)のより公平な分配であってもよく、異なるユーザなどの間でリソースを平衡化する論理が用いられてもよい。本開示の様々な態様に役立つ例示的なSON実施態様については、例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年8月8日に発行された、「Method and apparatus for self organizing network」という名称のGormleyらの米国特許第9730143号、2017年3月7日に発行された、「Self‐organizing wireless backhaul among cellular access points」という名称のTapiaの米国特許第9591491号、および2017年8月8日に発行された、「Radio access network resource configuration for groups of mobile devices」という名称のRahmanの米国特許第9730135号を参照されたい。
【0167】
一実施形態では、コントローラおよびマネージャプロセス706aは、例えば、CBSD構成および能力に関する格納されたデータを取り出すために大容量記憶705(またはCBRS DB 404)にアクセスする。データまたは情報は、上述したように報告または構成ファイルに関連し得る。そのような報告またはファイルには、コントローラ/マネージャ706aおよび/またはプロセッサ702、ならびに他のネットワークエンティティ、例えば、CBSD314などの無線ノードによってアクセス可能であり得る。
【0168】
他の実施形態では、他の専有ソフトウェアと共にインストールされた、または(例えば、上記のコンピュータプログラムの一部としてや、コントローラ/マネージャ706aの内部のみの)コントローラ装置310上で元々利用可能な、MSOによって提供されるアプリケーションに含まれるものなどのアプリケーション・プログラム・インターフェース(API)も、内部キャッシュまたは他のメモリ704に存在し得る。そのようなAPIは、他のネットワークエンティティとの通信ならびに受信側デバイス(CBSD、WLAN AP、クライアント機器など)が解釈し得る信号の送受信を可能にするように構成された共通のネットワークプロトコルまたはプログラミング言語を含み得る。
【0169】
図7aに示される例示的な実施形態に戻って、図示の実施形態では、例えば、イーサネットや他の有線および/または無線のデータネットワークプロトコルを介して、外部(非MSO)ネットワークエンティティ、例えば、DP408と通信するために、1つまたは複数のネットワーク「フロントエンド」または外向きインターフェース708が利用される。
【0170】
この例示的な実施形態では、1つまたは複数のバックエンドインターフェース710が、1つまたは複数のアドレスパケットを他のMSOネットワーク接続デバイス、特に、ターゲットサービス会場またはエリア内のMSOにより運営されるCBSD314などのバックエンド装置と共に処理するように構成される。MSO CMTS、レイヤ3スイッチ、ネットワーク監視センタ、AAAサーバなどの他のMSOエンティティも、ネットワークプロトコルに従ってコントローラ310と通信し得る。ネットワーク・ルーティング・プロトコルの一般的な例には、例えば、インターネットプロトコル(IP)、インターネットワークパケット交換(IPX)、およびオープンシステム相互接続(OSI)ベースのネットワーク技術(非同期転送モード(ATM)、同期光ネットワーキング(SONET)、同期デジタルハイアラーキー(SDH)、フレームリレーなど)が含まれる。一実施形態では、(1つまたは複数の)バックエンド・ネットワーク・インターフェース710は、
図3~
図4aのネットワークのような、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)のバックボーンと信号通信して動作する。これらのインターフェースは、例えば、GbE(ギガビットイーサネット)や適切な帯域幅能力の他のインターフェースを含み得る。
【0171】
2つのインターフェース708、710は、例えば、コントローラ機能が、その機能を果たすMSOネットワークサーバなどの別の構成要素内で仮想化される場合には、他の現存するデータインターフェースと一緒に集約され、かつ/またはそれらと共用され得ることも理解されるであろう。
【0172】
特に、
図7aの構成では、FEARエンジン413は、MSOドメイン内のサーバ上で動作し、例えば、GAA周波数範囲割当てを支援するFEARの実行によって生成された計算やデータを提供するために、外部エンティティ(1つまたは複数の参加SASエンティティ402、403など)と通信するように構成される。例えば、一実施形態では、FEARエンジン413は、(1つまたは複数の)関連サービスドメイン内の1つまたは複数のCBSD314からデータを取得し、そのデータに基づいてFS
1‐OP
1およびFS
1‐OP2(
図5参照)の計算を実行し、このデータを(介在するMSOドメイン構成要素を介して(使用される場合はDP408を介して)外部SAS402、403にさらに提供する。
【0173】
同様に、FEARエンジン413がそのGAA周波数範囲割当て計算を行うためにMSOドメインの外部からの第三者データを必要とする程度まで、FEARエンジン413は、(例えば、
図4b‐1および
図4b‐2に示されるような他のSASとプロセス間データ通信する、図示されるSASベンダドメイン内の)外部SAS/DPから、またはそのようなデータを有するさらに別のエンティティから、データを受信し得る。例えば、1つまたは複数の他の(1つまたは複数の)参加SASからのメトリック/データを交換し次第、その他の(1つまたは複数の)SASからのデータを、例えば、割当て案の差、メトリック/デルタ値などを計算するためにMSOドメイン内のFEARエンジン413に転送することができる。
【0174】
図7bの構成では、FEARエンジン413は、(
図7aのMSOドメインとは対照的に)SASベンダドメイン内に配置される。(例えば、MSOサービスドメイン内のCBSDを含むそのインフラストラクチャからの)サービスされるMSOドメインに関するデータの論理通信が、MSOコントローラ/マネージャプロセス706aによって集められ、介在するMSOドメインおよび外部の構成要素を介してFEARエンジン413に転送される。
【0175】
本開示では、2つ以上の参加SASエンティティ402、403が、例えば、参加SAS「グループ」内の1つまたは複数のSASが「処理SAS」として指定され、よって、生のまたは部分的に前処理されたデータがFEAR割当て生成を支援するのに必要な計算を行うために指定されたSASに転送される、「委任」アプローチを利用することも企図している。例えば、各参加SASに完全なFEARエンジンスイートも処理能力もないか、各参加SASがオフラインもしくは部分的に妨害されているか、または指定されたSAS(別名「FEARプロキシ」)を利用する他のシナリオが望ましい場合もあり得る。よって、各参加SASエンティティは、FEARプロキシSASを委任または指定し次第、上述されたように収束するまでの計算およびアルゴリズム反復の実行を可能にするために、各参加SASエンティティ自体によってサービスされるインフラストラクチャからのデータをFEARプロキシSASに転送させる(
図7c参照)。
【0176】
本開示の特定の態様が方法ステップの特定の順序に関して説明されているが、これらの説明は本開示のより広範囲の方法の例示にすぎず、特定の用途による必要に応じて変更され得ることが理解されるであろう。特定のステップが特定の状況の下で不要または任意選択とされてもよい。加えて、開示の実施形態に特定のステップもしくは機能が付加されてもよく、または2つ以上のステップの実行順序が入れ替えられてもよい。そのようなすべての変更は本開示および特許請求の範囲内に包含されるとみなされる。
【0177】
2つ以上のエンティティ間の周波数範囲割当てに関して本明細書に記載される態様の多くは、現行の3.55~3.70GHz帯域内で行われるが、これらの態様は、上記の(1つまたは複数の)帯域と同時に他の帯域での使用にも容易に適合され得ることも理解されるであろう。例えば、一変形では、上記の周波数範囲割当て方法は、2つの帯域(例えば、3.55GHz~3.700GHzや、4.0GHz~4.2GHz)内で動作する所与のSAS/CBSDまたはSAS/CBSDのセットを両方の帯域に関して前述のFEARアプローチの下で評価できるように、クロスバンドであり得る。これは、例えば、(i)各異なる帯域を別々に考察し(例えば、3.55~3.70GHzには内部および公正な見方の割当て案、4.0~4.2GHzには内部および公正な見方の割当て案の第2のセット)、かつ/または(ii)異なる帯域を全体として考察する(例えば、周波数が連続しているか否かにかかわらず、3.55~3.70GHzおよび4.0~4.2GHzについての内部および公正な見方の割当て案の1つのセットが事実上1つの集約された帯域とみなされる)異なるエンティティごとの内部および「公正な見方」の割当て案の生成を含み得る。
【0178】
以上の詳細な説明で様々な実施形態に適用される本開示の新規の特徴を図示、説明、および指摘したが、本開示から逸脱することなく、当業者によって、例示のデバイスまたはプロセスの形態および詳細における様々な省略、置換、および変更が成され得ることが理解されるであろう。この説明は、いかなる点でも限定的であることを意図されておらず、むしろ、本開示の一般原理を例示するものみなされるべきである。本開示の範囲は、特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【0179】
本明細書に記載される様々な方法および装置の特定のステップおよび態様は人間によって実行され得るが、開示の態様ならびに個々の方法および装置は、一般に、コンピュータ化/コンピュータ実装されることがさらに理解されるであろう。コンピュータ化された装置および方法は、これに限定されないが、商用利用の可能性、実用性、および実行可能性さえも含む、任意の数の理由でこれらの態様を完全に実装するために必要である(すなわち、特定のステップ/プロセスはいかなる実行可能なやり方でも人間によっては実行され得ない)。