(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】ゲーミング仮想空間の制御方法および装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/56 20140101AFI20220614BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20220614BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20220614BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20220614BHJP
【FI】
A63F13/56
A63F13/58
A63F13/30
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2020555424
(86)(22)【出願日】2018-07-31
(86)【国際出願番号】 KR2018008682
(87)【国際公開番号】W WO2020027347
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2020-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】521146621
【氏名又は名称】株式会社クラフトン
【氏名又は名称原語表記】KRAFTON,Inc.
【住所又は居所原語表記】117,Bundangnaegok-ro, Bundang-gu, Seongnam-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】スンジン イム
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-120755(JP,A)
【文献】特開2008-136665(JP,A)
【文献】いまこそ始める『PUBG』!”ドン勝”までの流れを解説(2杯目),[online],PCゲーム DMM通.com,2017年10月11日,<URL:https://www.famitsu.com/news/201710/11143796.html>,[令和3年9月7日検索]
【文献】Steam::PUBG:BATTLERounDS::PC 1.0 Update#15,[online],2018年06月19日,<URL:https://steamcommunity.com/games/578080/announcements/detail/3077529898696206477>,[令和3年9月7日検索]
【文献】Ahn Jin-kyoung,A Study on Game Dyamics of Battle Royale Genre,Journal of Korea Game Society,2017年10月20日,vol.17, no.5,pp.27-38
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーミング仮想空間制御方法において、
少なくとも一つのクライアントアカウントにゲーミング仮想空間を提供し、少なくとも一つの前記クライアントアカウントのキャラクタに前記ゲーミング仮想空間での位置を割り当てる段階と、
前記ゲーミング仮想空間内の安全地域を設定する設定段階であって、前記安全地域は前記ゲーミング仮想空間で制限境界内の地域として、前記キャラクタが前記制限境界外に位置する場合、追加的なダメージが前記キャラクタに印加される、前記設定段階と、
前記安全地域を表示および調整する段階とを含
み、
前記安全地域を表示および調整する段階は、
第1段階の安全地域を表す(representing)第1制限境界を表示する(indicating)段階と、
第2段階の安全地域を表す第2制限境界を表示する段階と、
前記第1制限境界を前記第2制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第2段階の安全地域に調整する段階とを含み、
前記第2段階の安全地域への調整のための最小有効生存者数および最大有効生存者数のうち少なくとも一つが設定され、
前記第2段階の安全地域への調整のための前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数がすべて設定され、前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数の間の有効範囲に含まれない場合、前記第2制限境界の表示および前記第2段階の安全地域への調整の代わりに、生存キャラクタの数を含む有効範囲を有する第3段階の安全地域を表す第3制限境界を表示する段階と、前記第1制限境界を前記第3制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第3段階の安全地域に調整する段階とを含む、ゲーミング仮想空間の制御方法。
【請求項2】
前記第2制限境界は前記第1制限境界の表示後、遅延時間経過後に表示され、
前記第1制限境界の移動は前記第2制限境界の表示後、待機時間経過後に開始され、
前記第1制限境界の前記第2制限境界への移動は移動時間の間行われる、請求項
1に記載のゲーミング仮想空間の制御方法。
【請求項3】
前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最小有効生存者数未満である場合、待機時間および遅延時間のうち少なくとも一つを減少させる段階をさらに含む、請求項
1に記載のゲーミング仮想空間の制御方法。
【請求項4】
前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最大有効生存者数超過である場合、移動時間を増加させる段階をさらに含む、請求項
1に記載のゲーミング仮想空間の制御方法。
【請求項5】
前記第3制限境界は、前記第1制限境界に基づいて位置される、請求項
1に記載のゲーミング仮想空間の制御方法。
【請求項6】
前記第3制限境界は、前記第1制限境界と中心を共有する外郭マージン内に位置する、請求項
5に記載のゲーミング仮想空間の制御方法。
【請求項7】
無線または有線でデータを送受信する通信ユニットと、
ゲーム関連データを保存するストレージユニットと、
前記通信ユニットおよび前記ストレージユニットを制御するプロセッサと、を含むゲーミング仮想空間制御装置であって、
前記プロセッサは、
少なくとも一つのクライアントアカウントにゲーミング仮想空間を提供し、少なくとも一つの前記クライアントアカウントのキャラクタに前記ゲーミング仮想空間での位置を割り当て、
前記ゲーミング仮想空間内の安全地域を設定し、前記安全地域は前記ゲーミング仮想空間で制限境界内の地域として、前記キャラクタが前記制限境界外に位置する場合、追加的なダメージが前記キャラクタに印加され、
前記安全地域を表示および調整
し、
前記安全地域の表示および調整は、
第1段階の安全地域を表す(representing)第1制限境界を表示し(indicating)、
第2段階の安全地域を表す第2制限境界を表示し、
前記第1制限境界を前記第2制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第2段階の安全地域に調整することによって行われ、
前記第2段階の安全地域への調整のための最小有効生存者数および最大有効生存者数のうち少なくとも一つが設定され、
前記第2段階の安全地域への調整のための前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数がすべて設定され、前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数の間の有効範囲に含まれない場合、前記第2制限境界の表示および前記第2段階の安全地域への調整の代わりに、生存キャラクタの数を含む有効範囲を有する第3段階の安全地域を表す第3制限境界を表示し、前記第1制限境界を前記第3制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第3段階の安全地域に調整する、ゲーミング仮想空間制御装置。
【請求項8】
前記第2制限境界は前記第1制限境界の表示後、遅延時間経過後に表示され、
前記第1制限境界の移動は前記第2制限境界の表示後、待機時間経過後に開始され、
前記第1制限境界の前記第2制限境界への移動は移動時間の間行われる、請求項
7に記載のゲーミング仮想空間制御装置。
【請求項9】
前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最小有効生存者数未満である場合、待機時間および遅延時間のうち少なくとも一つを減少させる、請求項
7に記載のゲーミング仮想空間制御装置。
【請求項10】
前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最大有効生存者数超過である場合、移動時間を増加させる、請求項
7に記載のゲーミング仮想空間制御装置。
【請求項11】
前記第3制限境界は、前記第1制限境界に基づいて位置される、請求項
7に記載のゲーミング仮想空間制御装置。
【請求項12】
前記第3制限境界は、前記第1制限境界と中心を共有する外郭マージン内に位置する、請求項
11に記載のゲーミング仮想空間制御装置。
【請求項13】
コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体であって、前記記憶媒体に保存された少なくとも一つの命令が少なくとも一つのプロセッサによって実行されて行われる動作は、
少なくとも一つのクライアントアカウントにゲーミング仮想空間を提供し、少なくとも一つの前記クライアントアカウントのキャラクタに前記ゲーミング仮想空間での位置を割り当てる段階と、
前記ゲーミング仮想空間内の安全地域を設定する設定段階であって、前記安全地域は前記ゲーミング仮想空間で制限境界内の地域として、前記キャラクタが前記制限境界外に位置する場合、追加的なダメージが前記キャラクタに印加される、前記設定段階と、
前記安全地域を表示および調整する段階と、を含
み、
前記安全地域を表示および調整する段階は、
第1段階の安全地域を表す(representing)第1制限境界を表示する(indicating)段階と、
第2段階の安全地域を表す第2制限境界を表示する段階と、
前記第1制限境界を前記第2制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第2段階の安全地域に調整する段階を含み、
前記第2段階の安全地域への調整のための最小有効生存者数および最大有効生存者数のうち少なくとも一つが設定され、
前記第2段階の安全地域への調整のための前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数がすべて設定され、前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数の間の有効範囲に含まれない場合、前記第2制限境界の表示および前記第2段階の安全地域への調整の代わりに、生存キャラクタの数を含む有効範囲を有する第3段階の安全地域を表す第3制限境界を表示する段階と、前記第1制限境界を前記第3制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第3段階の安全地域に調整する段階とを含む、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーミング仮想空間の制御方法およびその装置に関し、特にゲーミング性能および効果を向上させるためのゲーミング仮想空間の適応的制御方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
個人用端末の性能の高度化に伴って、ゲームの仮想効果のリアリティーも顕著に増加した。最近登場するゲームは非常に現実に近い仮想空間をユーザ/プレーヤに提供する。ただし、ユーザ/プレーヤのレベルも共に向上し、ゲーム性を維持するために多様な仮想空間の制御および制限方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
リアリティーが極度に高い仮想空間がゲームのために提供され得る。ただし、リアリティーがゲーム性、すなわちゲームの面白味に直結するものではない。ゲーム性のためには、リアリティーとは別に速度および緊張感などに対する制御が必要であり得る。特に、1人称シューティングゲームの場合、プレーヤのゲーム性を向上させるために時間/空間に対する追加的な制御が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した技術的課題を解決するために、本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法が提供される。
本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法は、少なくとも一つのクライアントアカウントにゲーミング仮想空間を提供し、前記少なくとも一つのクライアントアカウントのキャラクタに前記ゲーミング仮想空間での位置を割り当てる段階と、前記ゲーミング仮想空間内の安全地域を設定する段階であって、前記安全地域は前記ゲーミング仮想空間で制限境界内の地域として、前記キャラクタが前記制限境界外に位置する場合、追加的なダメージが前記キャラクタに印加される、前記設定段階と、前記安全地域を表示および調整する段階を含み、前記安全地域を表示および調整する段階は、第1段階の安全地域を表す(representing)第1制限境界を表示する(indicating)段階と、第2段階の安全地域を表す第2制限境界を表示する段階と、前記第1制限境界を前記第2制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第2段階の安全地域に調整する段階とを含み、前記第2段階の安全地域への調整のための最小有効生存者数および最大有効生存者数のうち少なくとも一つが設定され、前記第2段階の安全地域への調整のための前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数がすべて設定され、前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数の間の有効範囲に含まれない場合、前記第2制限境界の表示および前記第2段階の安全地域への調整の代わりに、生存キャラクタの数を含む有効範囲を有する第3段階の安全地域を表す第3制限境界を表示する段階と、前記第1制限境界を前記第3制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第3段階の安全地域に調整する段階とを含む。
【0006】
本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法において、前記第2制限境界は前記第1制限境界の表示後遅延時間経過後に表示され、前記第1制限境界の移動は前記第2制限境界の表示後待機時間経過後に開始され、前記第1制限境界の前記第2制限境界への移動は移動時間の間行われる。
【0008】
本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法は、前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最小有効生存者数未満である場合、前記待機時間および前記遅延時間のうち少なくとも一つを減少させる段階をさらに含む。
【0009】
本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法は、前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最大有効生存者数超過である場合、前記移動時間を増加させる段階をさらに含む。
【0011】
本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法において、前記第3制限境界は前記第1制限境界に基づいて位置される。
【0012】
本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法において、前記第3制限境界は前記第1制限境界と中心を共有する外郭マージン内に位置する。
【0013】
上述した技術的課題を解決するために、ゲーミング仮想空間制御装置が開示される。本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御装置は、無線または有線でデータを送受信する通信ユニット、ゲーム関連データを保存するストレージユニット、および前記通信ユニットおよび前記ストレージユニットを制御するプロセッサを含み、前記プロセッサは、少なくとも一つのクライアントアカウントにゲーミング仮想空間を提供し、前記少なくとも一つのクライアントアカウントのキャラクタに前記ゲーミング仮想空間での位置を割り当てて、前記ゲーミング仮想空間内の安全地域を設定し、前記安全地域は前記ゲーミング仮想空間で制限境界内の地域として、前記キャラクタが前記制限境界外に位置する場合、追加的なダメージが前記キャラクタに印加され、前記安全地域を表示および調整し、前記安全地域の表示および調整は、第1段階の安全地域を表す(representing)第1制限境界を表示し(indicating)、第2段階の安全地域を表す第2制限境界を表示し、前記第1制限境界を前記第2制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第2段階の安全地域に調整することによって行われ、前記第2段階の安全地域への調整のための最小有効生存者数および最大有効生存者数のうち少なくとも一つが設定され、前記第2段階の安全地域への調整のための前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数がすべて設定され、前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数の間の有効範囲に含まれない場合、前記第2制限境界の表示および前記第2段階の安全地域への調整の代わりに、生存キャラクタの数を含む有効範囲を有する第3段階の安全地域を表す第3制限境界を表示し、前記第1制限境界を前記第3制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第3段階の安全地域に調整する。
【0014】
上述した技術的課題を解決するために、本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法は、非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に保存されることができる。本発明の実施形態によるコンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体において、前記記憶媒体に保存された少なくとも一つの命令が少なくとも一つのプロセッサによって実行されて行われる動作は、少なくとも一つのクライアントアカウントにゲーミング仮想空間を提供し、前記少なくとも一つのクライアントアカウントのキャラクタに前記ゲーミング仮想空間での位置を割り当てる段階と、前記ゲーミング仮想空間内の安全地域を設定する段階であって、前記安全地域は前記ゲーミング仮想空間で制限境界内の地域として、前記キャラクタが前記制限境界外に位置する場合、追加的なダメージが前記キャラクタに印加される、前記設定段階と、前記安全地域を表示および調整する段階を含み、前記安全地域を表示および調整する段階は、第1段階の安全地域を表す(representing)第1制限境界を表示する(indicating)段階と、第2段階の安全地域を表す第2制限境界を表示する段階と、前記第1制限境界を前記第2制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第2段階の安全地域に調整する段階を含み、前記第2段階の安全地域への調整のための最小有効生存者数および最大有効生存者数のうち少なくとも一つが設定され、前記第2段階の安全地域への調整のための前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数がすべて設定され、前記第2制限境界の表示前生存キャラクタの数が前記最小有効生存者数および前記最大有効生存者数の間の有効範囲に含まれない場合、前記第2制限境界の表示および前記第2段階の安全地域への調整の代わりに、生存キャラクタの数を含む有効範囲を有する第3段階の安全地域を表す第3制限境界を表示する段階と、前記第1制限境界を前記第3制限境界に移動することによって前記第1段階の安全地域を前記第3段階の安全地域に調整する段階とを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ゲームの生存者数に基づいてゲーミング仮想空間が適応的に調整されることによってゲーム性が最大化される。また、ゲーミング仮想空間の調整速度がゲームの生存者数に基づいて適応的に調整されることによって、ゲーム進行の退屈な様相および過度な競争強要を解決することができる。ゲーミング仮想空間は、段階的に調整されるが、ゲーム生存者数に基づいて段階がスキップされ得、ゲーム速度による娯楽性を顕著に改善することができる。また、段階別の安全地域の位置に対して外郭マージンを設定することによって段階省略によって引き起こされるユーザ間の不公平性を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間を地図形態に示す。
【
図3】本発明の実施形態によるゲームシステムを示す。
【
図4】本発明の実施形態による制限境界および安全地域を示す。
【
図5】本発明の実施形態によるユーザ視野の制限境界を示す。
【
図6】本発明の実施形態による安全地域調整方法を示す。
【
図7】本発明の実施形態による安全地域調整方法を示す。
【
図8】本発明の実施形態による安全地域調整方法に対するタイムラインを示す。
【
図9】本発明の実施形態による段階別10秒当たりゲーム死亡者数を示す。
【
図10】本発明の実施形態による安全地域調整の進行時間を動的に調整する方法を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の実施形態による外郭マージンの調整方法を示す。
【
図12】本発明の実施形態による外郭マージンの調整方法を示す。
【
図13】本発明の実施形態による外郭マージンの調整方法を示す。
【
図14】本発明の実施形態による安全地域調整の段階を適応的に省略する方法を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御装置を示す。
【
図16】本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法を示す。
【
図17】本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法における特定段階の安全地域の表示および調整方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好ましい実施形態について具体的に説明し、その例は添付する図面に示す。添付する図面を参照した以下の詳細な説明は本発明の実施形態により具現できる実施形態のみを示すものではなく、本発明の好ましい実施形態を説明するためである。以下の詳細な説明は本発明に対する徹底した理解を提供するために細部事項を含むが、本発明はこのような細部事項をすべて必要とするものではない。本発明は以下で説明される実施形態をそれぞれ別に使用されるべきではない。複数の実施形態またはすべての実施形態が共に使用され得、特定の実施形態は組み合わせて使用されることもできる。
【0018】
本発明で使用される多くの用語は、該当分野で広く使われる一般的な用語から選択されるが、一部の用語は出願人によって任意に選択され、その意味は必要に応じて次の説明で詳しく叙述する。したがって、本発明は用語の単純な名称や意味でない用語の意図された意味に基づいて理解されなければならない。
【0019】
本発明はゲーミング仮想空間の提供および制御方法に関するものである。本発明はゲームの以外の用途の仮想空間の制御に使用することもできる。ただし、以下の明細書ではバトルロイヤルジャンルのゲームを例として説明する。バトルロイヤルジャンルのゲームは、制限された空間で複数の使用者/ユーザが競争して最後に生存する1人または1チームが勝者になるゲームをいう。本明細書におけるゲームは、FPS(First Person Shooting)ゲームであり得る。FPSゲームは、ゲームプレーヤが1人称視点でゲームをプレイするシューティングゲームを指す。バトルロイヤルジャンルのゲームの場合、時間の流れに伴ってゲーム空間を制限することによって、ユーザ間の競争を触発して緊張感を向上させてゲーム性が向上することができる。
【0020】
図1は本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間を地図形態に示す。
ユーザ端末の性能向上により大変精巧でかつ膨大なゲーミング仮想空間が提供され得る。従来の閉空間または狭い空間でなく、
図1のように、膨大な地形のゲーミング仮想空間が提供され得る。ゲーミング仮想空間は多様な地形を具現する。地、木、森、建物、車両、草など多様な地形地物がゲーミング仮想空間に具現され得る。ゲーミング仮想空間はソフトウェアで具現され、ユーザ端末に表示(ディスプレイ)され得る。
【0021】
図2はユーザキャラクタ視点のゲーミング仮想空間を示す。
ユーザは選択されたキャラクタを有してゲームに参加する。ユーザ視点(view)は、キャラクタのゲーミング仮想空間に対する1人称視点をいう。1人称視点で、キャラクタは画面に見えても見えなくてもよい。1人称視点はキャラクタの方向、動き、視線などを反映し得る。
【0022】
キャラクタは一定量のHPを有する。HPは、Health Power、Health Point、Hit Pointなどの略字に該当する。HPは敵の攻撃や環境の災害などを受けて耐える能力を指す。HPを減少させる効果を被害/ダメージという。他のキャラクタの攻撃、ゲーミング仮想空間内環境の災害などによってダメージが印加され、HPが減少し得る。
【0023】
図3は本発明の実施形態によるゲームシステムを示す。
図3のゲームシステムは、データベース3010、ゲームサーバ3020、ネットワーク3030、少なくとも一つのユーザ端末3040を含む。
【0024】
ユーザ端末(3040-1~n)は、ユーザがゲームをプレイするために使用する端末であり得る。ユーザ端末は、イメージを表示(ディスプレイ)し得、ゲームプレイのためのユーザ入力を受信できる任意の電子装置に該当する。すなわち、ユーザ端末はディスプレイおよびユーザ入力手段を含み得る。ユーザ端末はディスプレイおよびユーザ入力手段は一体型であるか、または分離型であり得る。ユーザ端末は、PC(Personal Computer)、ノートブック、携帯電話、タブレットPCなどの電子装置に該当し得る。FPSゲームの特性上、複数のユーザがゲームに参加するが、1人のユーザが仮想のユーザとゲームをプレイすることもできる。
【0025】
ユーザ端末3040は、ネットワーク3030を通じてゲームサーバ3020と通信を樹立(establish)および維持し得る。ネットワークは複数のネットワークを含むこともできる。データは多様な通信プロトコルに基づいてネットワーク上で交換され得る。ネットワークは、有線または無線またはこれらの組み合わせで構成することができる。
【0026】
ゲームサーバ3020は、データベース3010と通信を樹立および維持し得る。
図3は一つのデータベース3010および一つのゲームサーバ3020を図示したが、これは概念的な図面であり、データベース3010およびゲームサーバ3020の数は具現によって異なるように構成することができる。データベース3010およびゲームサーバ3020は一つの装置に含まれることもできる。本発明を行う装置は、データベース3010またはゲームサーバ3020のうち少なくとも一つを含み得る。
【0027】
データベース3010は、ゲームアカウントに対するデータまたはゲームインスタンスに対するデータを含み得る。データベース3010はゲームを提供するための多様な情報/データを保存し得る。データベース3010は、ユーザ認証、キャラクタ、アイテム、ゲームヒストリのようなデータを保存し得る。
【0028】
ゲームサーバ3020は、ユーザ端末3040とデータベース3010との間のリアルタイムデータ交換を遂行し得る。ゲームサーバ3020はユーザ端末3040に
図1および
図2のような仮想空間を提供し得る。ゲームサーバ3020は、上述した仮想空間でユーザの位置、すなわち座標を配置し、該当位置での視野を
図2のようにユーザ端末3040に提供し得る。
【0029】
本発明でゲーミング仮想空間を制御する装置は、ゲームサーバに該当し、またはデータベースおよびゲームサーバに該当し得る。ただし、本発明のゲーミング仮想空間を制御する装置は、プロセッサとメモリを含む任意の電子装置として、本発明の方法を具現または実施する装置に該当する。
【0030】
ゲーミング仮想空間は、予め設定された変数に基づいて静的に制限または制御され得る。ただし、この場合は空間変化が予測されるので、ゲームが退屈になるか、またはゲームでの競争が過度に触発され得る。例えば、序盤に競争が激しく発生し、短時間に多くの人員が脱落する場合、ゲーム空間が充分に狭まるまで競争が発生せずゲームが退屈になり得る。または、ユーザの実力が高い場合は序盤には競争が頻繁に起きないが、中盤以後に急激に競争が発生し得る。E-スポーツ中継の立場では、序盤は退屈な画面が続いて突然多くの競争が発生して中継が難しい状況が発生し得る。
【0031】
ユーザ間の競争を奨励するために、本発明は仮想の制限境界(limiting border)を使用してゲーミング仮想空間を制限する。仮想の境界内の領域を安全地域(safe area)またはセーフゾーン(safe zone)という。実施形態として、安全地域をブルーゾーン(blue zone)ともいう。そして仮想の制限境界を磁場ともいう。
【0032】
図4は本発明の実施形態による制限境界および安全地域を示す。
図4で、実線の円4010が制限境界(limiting border)に該当する。制限境界はキャラクタにダメージを印加する領域を視角化して示す。ユーザキャラクタが制限境界外に位置したり、制限境界に接触したりするとHPにダメージが印加され得る。または、制限境界外に位置したり、制限境界に接触したりしたキャラクタは特定時間後にすぐにアウトされ得る。ユーザは制限境界内に入った場合のみ生存することができ、ゲーム実行に有利である。結局、制限境界はユーザ間の距離を狭めてゲームの競争を触発する役割を有する。このような意味で、制限境界は、制限(limiting)境界またはダメージ(damaging)境界ともいう。
【0033】
制限境界内のキャラクタは、他のユーザの攻撃または環境によってのみダメージを受ける。したがって、制限境界内の領域を安全地域ともいう。
制限境界はユーザによって確認が可能でなければならない。確認が不可能な場合、ユーザは不測のダメージを受けることになるので、ゲームの公正性が顕著に劣る。制限境界は
図4のように地図で2次元の閉じられた領域で表示され得る。
図4では円形に示されているが、制限境界は2次元の地図ビューで任意の単一閉曲線に示され得る。制限境界に対する情報は視覚的またはユーザに聴覚的に表示/提供され得る。
【0034】
図4において、制限境界が図示され、安全地域は別に視角化して表示されなくてもよい。ただし、制限境界内の領域が安全地域として定義されるので、制限境界が安全地域も共に表示すると見ることができる。
【0035】
図5は本発明の実施形態によるユーザ視野の制限境界を示す。
図5において、制限境界は電気が流れる面のように図示される。ただし、制限境界は任意の方法で視角化され得る。ユーザは
図4のような地図視野(view)だけでなく
図5のようなユーザ視野でも制限境界を確認できるので、安全地域でゲームを行うことができる。制限境界は視覚的効果としてユーザに提供されることもできる。例えば、特定サウンドが制限境界に近いほど大きくユーザに提供されることによってユーザが制限境界との距離を認識するようにすることができる。
【0036】
制限境界は特定時点から表示され得る。ただし、ユーザの視点によって制限境界はディスプレイに現れたり、現れなかったりし得る。ユーザが地図をオン-スクリーンで見る場合、制限境界は
図4のように地図に表示され得る。ユーザが1人称視点でゲームを行い、地図はオフ-スクリーンである場合、ユーザが制限境界近くに位置し、ユーザ視野に制限境界が入る場合にのみ
図5のように制限境界がスクリーン上にディスプレイされ得る。
【0037】
ゲームサーバは、制限境界を段階的に縮小することによって安全地域の広さを縮小し得る。ただし、安全地域の縮小がゲーミング状況の適応的な反映なしに周期的に減る場合、上述した問題が発生し得る。すなわち、特定時点でユーザの数が顕著に減り、残ったユーザが非常に遠い距離に位置する場合、ゲーム進行が長くかかって退屈になり得る。したがって、本発明は制限境界および安全地域を適応的に調整することによってゲーム性をより向上させる方法を提案する。以下では制限境界を適応的に調整することによって安全地域を調整する方法について詳細に説明する。
【0038】
本発明は制限境界を使用することによってゲーミング仮想空間を制限する。
図4のような一定の大きさの空間中に特定数のユーザがゲームを行う。特定の時間間隔に制限境界の段階(phase)が設定され、段階別に制限境界が移動して安全地域が縮小され得る。
【0039】
表1は本発明の実施形態による制限境界制御の実施形態を示す。
【0040】
【0041】
表1の各パラメーターに対する説明は下記のとおりである。
遅延時間(delay time):次の段階の安全地域が表示される前までの期間(duration/period)
待機時間(waiting time):次の段階の安全地域が表示された後、現在段階の安全地域で次の段階の安全地域までゲーミング仮想空間を縮小する動作が開始される前までの期間(duration/period)
移動時間(moving time):制限境界が移動することによって安全地域が調整される期間(duration/period)。現段階の安全地域から次の段階の安全地域までゲーミング仮想空間を縮小する動作が進行される時間の意味で、縮小時間ともいう。
半径比率:現在段階の安全地域に対する次の段階の安全地域の半径比率
制限境界ダメージ:制限境界外の地域にキャラクタが位置することによってキャラクタが単位時間当たり受けるダメージ/被害
【0042】
安全地域は円で表され、この場合、その大きさは半径比率として表現または設定され得る。ただし、前述したように安全地域を囲む制限境界は任意の閉曲線に設定され得、内部領域は面積単位で表現または設定されることもできる。
【0043】
図6および
図7は本発明の実施形態による安全地域調整方法を示す。
図4はn段階(phase n)の遅延時間内の制限境界を示す(nは任意の自然数)。
図4の制限境界4010が表示(indicate)され、遅延時間が経過すると、
図6のようにn+1段階(phase n+1)の制限境界6010が設定および表示される。遅延時間経過後次の段階の制限境界6010は
図6のように地図時点に表示され得る。待機時間の間、
図6のようにn番目の段階の制限境界4010とn+1番目の段階の制限境界6010が共に表示される。
【0044】
待機時間が経過すると、
図7のようにn段階の制限境界4010がn+1段階の制限境界6010に移動する。制限境界の移動によって安全地域はn+1段階のサイズに縮小される。移動時間が経過すると、制限境界はn+1段階に整列され、安全地域の縮小が完了する。
【0045】
本発明は、ゲーム進行段階別に遅延時間が経過すると次の段階の安全地域位置を表示し、待機時間の間境界移動はしない。ただし、待機時間のような安全地域に対する情報はユーザに提供する。ユーザはゲームを進行しながら移動経路やアイテム取得に対する戦略をたてて、ゲームを進行することができる。待機時間が経過した後には制限境界が移動するので、ユーザの次の段階の安全地域への移動が強制される。したがって、ユーザを持続的にさらに狭い制限された空間でプレイするように強制することによって競争を奨励してゲームの緊張感と面白味を向上させることができる。
【0046】
図8は本発明の実施形態による安全地域調整方法に対するタイムラインを示す。
図8は安全地域調整のn段階の進行時間を示す。n段階の総進行時間は、遅延時間、待機時間および移動時間を含む。
【0047】
n段階が開始されると、
図4のようにn段階の安全地域が表示された状態でゲームが進行される。遅延時間が経過すると、
図6のようにn+1段階の安全地域が表示される。待機時間の間、n段階の安全地域とn+1段階の安全地域が共に地図に表示される。待機時間が経過すると、
図7のように安全地域が縮小される。移動時間の間、制限境界が移動することによってn段階の安全地域がn+1段階の安全地域に整される。
【0048】
遅延時間および待機時間より、移動時間の間キャラクタの移動が本格的に発生する。すなわち、安全地域の縮小によって面積に対する生存者密度が急激に上昇し、ユーザ間の競争が触発される。
【0049】
図9は本発明の実施形態による段階別10秒当たりゲーム死亡者数を示す。各段階で、移動時間に該当する時点に10秒当たり死亡者数が増加することを見ることができる。バトルロイヤルジャンルのゲームでの移動はリスクを伴い、移動時間の間戦闘が発生する。遅延時間および待機時間は、整備、次の段階の準備および戦略樹立のために使用され得る。したがって、ゲームの円滑な進行およびゲームの緊張感維持のために本発明は遅延時間、待機時間および移動時間を動的に制御することができる。
【0050】
以下では安全地域調整の進行時間を動的に調整する方法について説明する。
前述したように安全地域調整は複数の段階を経て行われ、各段階は進行時間に基づいて行われる。各段階の進行時間は、遅延時間、待機時間、縮小時間を含む。本発明は、各段階ごとに適切なゲーム参加人員を設定し、この有効人員に基づいて進行時間を動的に調節する方法を提案する。例えば、特定段階に設定された最小有効人員未満にユーザが生存した場合は、面積に対するユーザ密度が低くなる。したがって、この場合は、遅延時間、待機時間、または縮小時間を短縮することによって競争を促進してゲーム速度を向上させることができる。逆に、特定段階に設定された最大有効人員を超過してユーザが生存した場合には、面積に対するユーザ密度が高くなる。したがって、この場合は、遅延時間、待機時間、または縮小時間を増加させることによってゲーム速度を適正に維持することができる。
【0051】
表2は本発明の実施形態による進行時間の動的調整方法を示す。
【0052】
【0053】
表2の実施形態において、1段階が終了して2段階が開始される場合、2段階の有効人員は70~80%に設定される。100名のユーザがゲームを始めた場合、2段階の有効人員は70~80名に該当する。2段階開始時70~80名のユーザが生存した場合、2段階の遅延時間(80)、待機時間(150)、移動時間(120)によって2段階が進行される。表における有効人員は生存者数を意味する。
【0054】
2段階開始時の生存人員が70%未満である65名の場合、遅延時間(90秒)が動的遅延時間(30秒)に調整されたり、待機時間(170秒)が動的待機時間(60秒)に調整され得る。2段階開始時の生存人員が80%以上である85名の場合、縮小時間(120秒)が動的縮小時間(150秒)に調整され得る。したがって、生存人員によりゲーム速度を適正に調整することができる。
【0055】
動的遅延時間、動的待機時間、または動的縮小時間は、表2のように予め設定された値が適用され得る。他の実施形態として動的遅延時間、動的待機時間、または動的縮小時間は、有効人員範囲および現在生存者数に基づいて決定されることもできる。例えば、有効人員範囲と現在生存者数の差が大きいと、変化幅が大きくなり、差が小さいと、変化幅が小さくなるように動的遅延時間、動的待機時間、または動的縮小時間が設定され得る。
【0056】
適正の生存者密度範囲と比較して、範囲を超える密度数値を入力として使用して動的遅延時間、動的待機時間、または動的縮小時間を算出し得る。動的遅延時間、動的待機時間、または動的縮小時間それぞれを算出するための関数の入力として、予め設定された範囲を外れる人員数、面積に対する人口密度などが使用される。例えば、表2で3段階の最大有効人員比率は70%である。現在生存人員が77%である場合、有効人員範囲(60~70%)を外れる人員パーセンテージは7%である。7%は有効人員範囲70%に比べて10%が超過する値である。したがって、3段階の移動時間も10%が増加し、150秒から165秒に調整され得る。
【0057】
図10は本発明の実施形態による安全地域調整の進行時間を動的に調整する方法を示すフローチャートである。
図10は表2と関連して上述した方法をフローチャートに示すが、本発明の
図10のフローチャートに限定されるものではない。
【0058】
ゲームサーバは、段階別有効人員の範囲を設定し得る(S10010)。ゲームサーバは表2の実施形態のように、安全地域を調整する各段階に対して段階別の有効人員範囲を設定し得る。
【0059】
ゲームサーバは、時間経過によりn段階の安全地域調整を開始し得る(S10020)。
【0060】
ゲームサーバは、現在生存者数がn段階の最大有効人員より大きい場合(S10030)、移動時間を増加させ得る(S10040)。ゲームサーバは、現在生存者数がn段階の最小有効人員より小さい場合(S10050)、遅延時間または待機時間のうち少なくとも一つを短縮させ得る(S10060)。本発明の実施形態で、段階(S10030~S10040)および段階(S10050~10060)は、選択的に行われたり、順序が変わって行われたりすることもできる。
【0061】
ゲームサーバは、n段階が最後の段階でなければ(S10070)、次の段階を行う(S10080)。
【0062】
安全地域調整の進行時間を動的に制御する方法の他の実施形態として、特定段階を省略する方法が使用され得る。有効人員と現在人員に基づいて、少なくとも一つの特定段階が省略され得る。以下では安全地域調整の特定段階をスキップすることによりゲームの進行を制御する方法について説明する。
【0063】
表3は本発明の実施形態による進行段階の省略方法を示す。
【0064】
【0065】
表3の実施形態において、1段階終了後2段階を開始するための最小有効人員は70%である。1段階終了後の生存人員が65%である場合は、2段階が省略される。3段階開始のための有効人員範囲は60~70%である。したがって、表3の実施形態において、1段階終了後の生存人員が65%である場合、1段階後に3段階が開始される。
【0066】
段階は1個ずつ省略されたり、複数個ずつ省略されたりすることもできる。例えば、1段階終了後の生存人員が45%になる。45%は5段階の開始条件、すなわち5段階開始のための有効人員範囲に該当する。したがって、1段階以後すぐに5段階が開始され得る。
【0067】
各段階を開始するための最小人数を設定し、生存人員数が該当人数未満である場合、該当段階が省略され得る。段階省略によってゲーム性が向上してゲームの緊張感が維持されて退屈さを最小化することができる。
【0068】
複数の段階が省略される場合、移動時間は省略される複数の段階の移動時間を合算して設定し得る。表3の実施形態で2段階および3段階が省略されて4段階が開始される場合、移動時間は330秒になる。これは、安全地域が急激に小さくなるので、ユーザの移動時間を確保するためである。さらに、複数の段階を省略しても、ユーザ間の移動距離の不公平性を低くするために外郭マージンが適用され得る。
【0069】
図11ないし
図13は本発明の実施形態による外郭マージンの調整方法を示す。
図11は段階を省略せず1段階~3段階の安全地域調整が順に行われる実施形態を示す。安全地域の位置はランダムに決定され得る。
図10の例のように3段階の安全地域の位置が1段階の安全地域の左側下段に決定されても、段階別の移動時間が提供されるのでユーザ別に不公平であるとは言えない。
【0070】
図12は2段階が省略されて1段階の後すぐに3段階が開始される実施形態を示す。
図12の実施形態において、1段階の安全地域の右側上段地域に位置するユーザは他のユーザに比べて長い距離を短時間で移動しなければならないので、他のユーザに比べて攻撃される可能性が高い。したがって、ユーザ間のゲームの公平性が劣る。
【0071】
図13は2段階が省略されて1段階の後すぐに3段階が開始される実施形態を示す。
図13の実施形態の問題を解決するために、本発明は2段階の安全地域を1段階と同心円に配置し、2段階の安全地域内に3段階の安全地域を設定し得る。3段階の安全地域は2段階の安全地域内でランダムな位置に設定され得る。
図13の実施形態は省略された段階の次の段階の安全地域が省略前段階の安全地域の中心から大きく外れることを防止することによって、ユーザ間の不公平性を最小化することができる。
【0072】
複数の段階が省略される場合、省略される段階のうち安全地域が最も大きい段階の安全地域を外郭マージンとして使用し得る。例えば、2~4段階が省略される場合、2段階の安全地域を外郭マージンに設定し、その内部に5段階の安全地域を位置させ得る。外郭マージンは省略される段階のうち最も大きい安全地域と中心を共有する任意の境界に該当する。
【0073】
安全地域に関連した変数のうち、2段階が省略されて1段階の後すぐに3段階が進行され得る。この場合、予め設定された3段階の遅延時間、待機時間、ダメージが使用されるが、移動時間および半径比率は2段階の設定が考慮される。ただし、本発明は省略された2段階の安全地域を省略前安全地域の中央に位置させ、この省略された2段階の安全地域を外郭マージンに設定する。そして外郭マージン内で3段階の安全地域がランダムに位置される。
【0074】
図14は本発明の実施形態による安全地域調整の段階を適応的に省略する方法を示すフローチャートである。
図14は表3と関連して上述した方法をフローチャートに示すが、本発明の
図14のフローチャートに限定されるものではない。
【0075】
ゲームサーバは段階別の有効人員範囲を設定し得る(S14010)。ゲームサーバは表3の実施形態のように、安全地域を調整する各段階に対して、段階別の有効人員範囲を設定することができる。
【0076】
ゲームサーバは、時間経過によりn段階の安全地域調整を開始し得る(S14020)。
ゲームサーバは、現在生存者数がn段階の最小有効人員より大きい場合(S14030)、n段階の安全地域を表示してゲーム空間を制限し得る(S14050)。現在生存者数がn段階の最小有効人員より小さい場合(S14030)、ゲームサーバは、n段階が最後の段階でなければ(S14060)、次の段階を行う(S14070)。
【0077】
図14で、ゲームサーバは最小有効人員を満たす段階まで到達すると安全地域を調整する。したがって、前述したように最小有効人員を満たすことができない段階は省略される。安全地域調整は上述した外郭マージンに基づいて行われる。
【0078】
図15は本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御装置を示す。
本明細書において、ゲーミング仮想空間制御装置はゲームサーバともいう。ゲームサーバは、本発明のゲーミング仮想空間制御方法を具現および実施する任意の電子装置をいう。ゲームサーバは、
図15の構成を含む任意の固定型/モバイル電子装置に該当する。
ゲームサーバ15000は、通信ユニット15010、プロセッサ15020、ストレージユニット
15030を含む。
【0079】
通信ユニット15010は、プロセッサ15020と連結されて無線/有線信号を送信/受信し得る。通信ユニット15010は、プロセッサ15020から伝達されたデータを伝送したり、受信データを通信ユニットに伝達したりし得る。本発明において、通信ユニット15010はゲーミング仮想空間に該当するデータをクライアントアカウントに伝送することができる。そして、通信ユニット15010は本発明の方法を実行するためのデータをクライアントアカウントに伝送し得る。また、通信ユニット15010はゲームを進行するクライアントアカウントのデータを受信してプロセッサ15020に伝達し得る。
【0080】
ストレージユニット15030はプロセッサ15020と連結され、プロセッサ15020を駆動するための多様な情報を保存する。ストレージユニット15030は、ゲーミング仮想空間の提供のための多様なデータ、情報、インスタンス及び命令を保存し得る。ストレージユニット15030は、ゲームサーバ15000に外部データベースとして連結され、ゲームサーバ15000にデータを提供することもできる。
【0081】
プロセッサ15020は、通信ユニット15010およびストレージユニット15030と連結されて上述した図面および説明による本発明の多様な実施形態による動作を遂行し得る。上述した本発明の多様な実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法を具現するモジュール、データ、プログラムまたはソフトウェアのうち少なくとも一つがストレージユニット15030に保存され、プロセッサ15020によって実行され得る。
【0082】
ゲームサーバ15000のプロセッサ15020は、本発明で説明したゲーミング仮想空間制御方法を遂行し得る。ゲームサーバ15000のゲーミング仮想空間制御方法については以下で説明する。
【0083】
図16は本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法を示す。
ゲームサーバは、少なくとも一つのクライアントアカウントにゲーミング仮想空間を提供し、少なくとも一つのクライアントのキャラクタにゲーミング仮想空間での位置を割り当て得る(S16010)。
【0084】
ゲーミング仮想空間は、クライアントアカウントが接続したユーザ端末にデータとして伝送される。そしてクライアントアカウントのキャラクタの位置がゲーミング仮想空間での座標にマッピングされ得る。
【0085】
ゲームサーバは安全地域を設定し得る(S16020)。
安全地域はゲーミング仮想空間で制限境界内の地域に該当する。キャラクタが制限境界に接触したり、近接したり、制限境界の外に位置する場合、追加的なダメージがキャラクタに印加され得る。実施形態として、制限境界によってキャラクタが死亡し得る。安全地域と関連するパラメーターが設定され得る。上述した最大有効人員、最小有効人員または有効人員の範囲が設定されることもできる。安全地域は複数の段階および各段階別のパラメーターとして設定されることもできる。
【0086】
ゲームサーバは安全地域を表示および調整し得る(S16030)。
ゲームサーバは制限境界によって安全地域を表示し、制限境界を移動することによって安全地域を調整することができる。
【0087】
図17は本発明の実施形態によるゲーミング仮想空間制御方法における特定段階の安全地域の表示および調整方法を示す。
図16の安全地域の表示および変更段階は
図17のフローチャートのように行われ得る。
【0088】
ゲームサーバは、n段階の安全地域を表す(representing)第n制限境界を表示(indicate)し得る(S17010)。nは任意の自然数である。
【0089】
第n制限境界はすぐに表示(ディスプレイ)すべきではない。第n制限境界が表示されることは、ユーザが第n制限境界およびn段階の安全地域を確認できる状態になったことを意味し得る。すなわち、第n制限境界がゲームサーバによって表示されると、ユーザはマップまたはユーザ視点で第n制限境界を確認することができる。
図17のフローチャートにおいて、第n制限境界が表示されたことは、第n-1制限境界が移動して第n制限境界に整列されたことを意味する。表示された第n制限境界は有効な制限境界として、該当境界を基準として追加的なダメージが印加され得る。
【0090】
ゲームサーバは、n+1段階の安全地域を表す第n+1制限境界を表示し得る(S17020)。
【0091】
第n+1制限境界は臨時制限境界である。第n+1制限境界は、n段階が完了した場合のみ有効にダメージを印加する。すなわち、n段階で表示されるn+1段階の制限境界はユーザに次の段階の安全地域を公知するためである。
【0092】
ゲームサーバは、第n制限境界を第n+1制限境界に移動することによって第n安全地域を第n+1安全地域に調整する(S17030)。
【0093】
第n制限境界が第n+1制限境界と重なると、第n+1制限境界は有効な制限境界となる。第n+1制限境界はダメージを印加する制限境界となる。
【0094】
図8で説明したように、安全地域の表示および調整する段階は遅延時間、待機時間および移動時間を含む。ゲームサーバは第n制限境界表示から遅延期間経過後、第n+1制限境界を表示する。ゲームサーバは第n+1制限境界表示後、待機時間経過後に第n制限境界の移動を開始する。第n制限境界の第n+1制限境界への移動は移動時間の間行われる。
【0095】
上述した実施形態のように、第n+1段階の安全地域への調整のための最小有効生存者数および最大有効生存者数のうち少なくとも一つが設定され得る。最小有効生存者数および最大有効生存者数は範囲として設定されることもできる。
【0096】
表2および
図10と関連して前述したように、ゲームサーバは、第n+1制限境界の表示前生存キャラクタの数が最小有効生存者数未満である場合、待機時間および遅延時間のうち少なくとも一つを減少させ得る。待機時間または遅延時間は、第n+1制限境界の表示前または第n制限境界の表示前に減少して設定され得る。ゲームサーバは第n+1制限境界の表示前生存キャラクタの数が最大有効生存者数超過である場合、移動時間を増加させ得る。移動時間は第n+1制限境界の表示前または第n制限境界の表示前に増加して設定され得る。
【0097】
表3および
図11乃至
図14と関連して前述したように、特定段階の安全地域調整が省略され得る。第n+1段階の安全地域への変更のための最小有効生存者数および最大有効生存者数がすべて設定され、第n+1制限境界の表示前生存キャラクタの数が設定された最小有効生存者数および最大有効生存者数の間の有効範囲に含まれなくてもよい。この場合、ゲームサーバは、第n+1制限境界の表示および第n+1段階の安全地域への調整の代わりに、第n+m制限境界の表示および第n+m段階の安全地域への調整を遂行し得る。mは任意の自然数である。説明と関連して、mは特に1より大きい自然数であり得る。第n+m制限境界の表示および第n+m段階の安全地域への調整は、生存キャラクタの数を含む有効範囲を有する第n+m段階の安全地域を表す第n+m制限境界を表示する段階と、第n制限境界を第n+m制限境界に移動することによって第n段階の安全地域を前記第n+m段階の安全地域に調整する段階を含み得る。
【0098】
図11乃至
図13と関連して前述したように、n+m段階の制限境界は第n制限境界に基づいて位置され得る。第n+m制限境界は第n制限境界と中心を共有する外郭マージン内に位置し得る。
【0099】
本発明のゲーミング仮想空間制御方法は、非一時的記憶媒体に保存されたデータによって行われることもできる。非一時的記憶媒体に保存された少なくとも一つの命令は少なくとも一つのプロセッサによって実行され、上述した本発明の実施形態を具現することができる。
【0100】
以上で説明された実施形態は本発明の構成要素と特徴が所定形態で結合されたものである。各構成要素または特徴は別途の明示的言及がない限り選択的であると考慮されなければならない。各構成要素または特徴は他の構成要素や特徴と結合されない形態で実施されることができる。また、一部の構成要素および/または特徴を結合して本発明の実施形態を構成することも可能である。本発明の実施形態で説明される動作の順序は調整され得る。ある実施形態の一部構成や特徴は他の実施形態に含まれ得、または他の実施形態の対応する構成または特徴と交替され得る。特許請求の範囲で明示的な引用関係がない請求項を組み合わせて実施形態を構成したり出願後の補正によって新規の請求項に含めたりすることは自明である。
【0101】
本発明による実施形態は多様な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせなどによって具現されることができる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施形態は、一つまたはそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現されることができる。
【0102】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施形態は、以上で説明された機能または動作を行うモジュール、プロセス、関数などの形態に具現されることができる。ソフトウェアコードはメモリに保存されてプロセッサによって駆動され得る。前記メモリは前記プロセッサの内部または外部に位置し、すでに公知された多様な手段によって前記プロセッサとデータをやり取りすることができる。
【0103】
本発明は、本発明の必須の特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化できることは当業者に自明である。したがって、上述した詳細な説明はすべての面で制限的に解釈されるべきではなく、例示的なものと考慮されるべきである。本発明の範囲は添付する請求項の合理的解釈によって決定されるべきであり、本発明の等価的範囲内でのすべての調整は本発明の範囲に含まれる。
【0104】
本発明の思想や範囲を逸脱せず本発明で多様な調整および変形が可能であることは当業者に理解される。したがって、本発明は添付する請求項およびその同等範囲内で提供される本発明の調整および変形を含むと意図される。
【0105】
本明細書において装置および方法発明がすべて言及され、装置および方法発明のすべての説明は互いに補完して適用されることができる。
【0106】
多様な実施形態が本発明を実施するための形態で説明された。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は一連のゲームおよびエンターテインメント分野で使用させることができる。
本発明の思想や範囲を逸脱せず本発明で多様な調整および変形が可能であることは当業者に自明である。したがって、本発明は添付する請求項およびその同等範囲内で提供される本発明の調整および変形を含むと意図される。