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特許7089074液体窒素を使用する天然ガスの液化のための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】液体窒素を使用する天然ガスの液化のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   F25J 3/02 20060101AFI20220614BHJP
【FI】
F25J3/02 B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020570393
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 US2019015819
(87)【国際公開番号】W WO2019177705
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】62/642,961
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517002476
【氏名又は名称】エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】ピエール フリッツ ジュニア
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/105679(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/011123(WO,A1)
【文献】特表2010-538234(JP,A)
【文献】特開2013-036676(JP,A)
【文献】特開2015-210079(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102013007208(DE,A1)
【文献】米国特許第06214258(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0289963(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0182109(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0050095(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25J 1/00 - 1/02
F25J 3/00 - 3/08
C10L 3/00 - 3/12
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流から液化天然ガス(LNG)を生成する方法であって、
LNG液化施設において、そのLNG液化施設とは異な場所で生産されている少なくとも1つの液体窒素(LIN)流を受け取ること;
窒素ベント流との間接熱交換により天然ガス流を液化して、窒素濃度が1モル%より高い加圧LNG流を形成すること;
前記加圧LNG流を上段及び下段を有する塔の1以上の段に送り、LNG流及び窒素ベント流を生成すること;及び
1以上のLIN流を前記塔の1以上の上段にること
を含み、
前記加圧LNG流を前記塔の1以上の段に送る前に、前記加圧LNG流を、加圧LNG流の窒素濃度より高い窒素濃度を有するLNG蒸気流と、加圧LNG流の窒素濃度より低い窒素濃度を有するLNG液体流とに分離することを更に含み、
ここで、前記加圧LNG流を前記塔の1以上の段に送ることは、
前記LNG液体流を前記塔の上段の1つに送ること;及び
前記LNG蒸気流を前記塔の下段の1つに送ること
を含む、方法。
【請求項2】
前記塔が分別塔、蒸留塔、又は吸収塔のうちの1つである、請求項に記載の方法。
【請求項3】
天然ガス流が、前記塔の下段の1つにられ、前記天然ガス流が、前記加圧LNG流よりも圧力が低い、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記天然ガス流がLNG貯蔵タンクからのボイルオフガスを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記天然ガス流がLNG運搬船の貯蔵タンクからのボイルオフガスを含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
塔にられる前に天然ガス流を圧縮することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記窒素ベント流と前記天然ガス流との間で間接的に熱交換して、温められた窒素ベント流を形成することを更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記LNG流の窒素濃度が1モル%より低い、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記窒素ベント流のメタン濃度が0.1モル%より低い、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記塔にられる前に前記加圧LNG流を液圧タービン内で膨張させること
を更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流から液化天然ガス(LNG)を生成する方法であって、
LNG液化施設において、そのLNG液化施設とは異な場所で生産されている第1の液化窒素(LIN)流及び第2のLIN流を受け取ること;
窒素ベント流と第2の液化窒素流との間接熱交換により前記天然ガス流を液化して、窒素濃度が1モル%より高い加圧LNG流を形成すること;
前記加圧LNG流を塔の1以上の段にること;
前記加圧LNG流の圧力より低い圧力を有する低圧天然ガス流を前記塔の1以上の下段にること;
第1の液化窒素流を前記塔の1以上の上段にること;及び
前記塔からLNG流及び前記窒素ベント流を生成すること
を含む、方法。
【請求項12】
窒素ベント流と第2の液化窒素流との間接熱交換により前記天然ガス流を液化することが熱交換器中で達成され、
第2の液体窒素流が前記熱交換器を通過した後に第2の液体窒素流から第1の温ガス冷媒流を形成すること;
第1の温ガス冷媒流を膨張させて、第1の冷ガス冷媒流を形成すること;及び
前記熱交換器を通るように第1の冷ガス冷媒流を送り、前記天然ガス流を液化すること
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1の冷ガス冷媒流が前記熱交換器を通過した後に第1の冷ガス冷媒流から第2の温ガス冷媒流を形成すること;
第2の温ガス冷媒流を圧縮及び冷却して、圧縮冷媒流を形成すること;
第2の熱交換器中で、第2の温ガス冷媒流と前記圧縮冷媒流との間で熱交換すること;
前記圧縮冷媒流を膨張させて、第2の冷ガス冷媒流を形成すること;及び
前記熱交換器を通るように第2の冷ガス冷媒流を送り、前記天然ガス流を液化すること
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記LNG流の窒素モル濃度が1モル%より低い、請求項1113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記窒素ベント流のメタンモル濃度が0.1モル%より低い、請求項1114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記塔が分別塔、蒸留塔、又は吸収塔のうちの1つである、請求項1115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記低圧天然ガス流がLNG貯蔵タンクから抽出されたボイルオフガスを含む、請求項1116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記低圧天然ガス流がLNG運搬船から貯蔵又は荷揚げ作業中にLNGから抽出されたボイルオフガスを含む、請求項1116のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年3月14日に出願された「液体窒素を使用する天然ガスの液化のための方法及びシステム(METHOD AND SYSTEM FOR LIQUEFACTION OF NATURAL GAS USING LIQUID NITROGEN)」という名称の米国特許出願第62/642,961号の優先権を主張するものであり、その全内容が本明細書の一部として援用される。
【背景技術】
【0002】
本開示は、全体として、液化天然ガス(LNG)を形成するための天然ガス液化の分野に関する。より詳細には、本開示は、液体窒素を使用することによる1モル%より高い窒素濃度を含む天然ガスの液化に関する。
【0003】
本節は、本開示に関連し得る分野の様々な態様を提示することを意図する。本記載は、本開示の特定の態様のより良い理解を助けるための枠組みを提供することを意図する。よって、本節はこの観点で読まれるべきであり、必ずしも先行技術を容認するものではないと理解されるべきである。
【0004】
LNGは、天然ガスの豊富な供給源のある場所から天然ガスの大きな需要のある遠隔地へ天然ガスを供給するための急速に成長している手段である。従来のLNGサイクルとしては、a)水、硫黄化合物及び二酸化炭素などの混入物を除去するための天然ガス資源の初期処理;b)自己冷却、外部冷却、リーンオイルなどを含む様々な潜在的方法によるプロパン、ブタン、ペンタンなどの数種の重質炭化水素ガスの分離;c)実質的に外部冷却による天然ガスの冷却による、大気圧又はその付近の圧力及び約-160℃での液化天然ガスの形成;d)LNGからの窒素及びヘリウムなどの軽質成分の除去;e)この目的で設計された船舶又はタンカーでの市場地へのLNG製品の輸送;及びf)天然ガス消費者に流通させ得る加圧天然ガス流を形成するための、再ガス化プラントでのLNGの再加圧及び再ガス化が含まれる。従来のLNGサイクルの工程c)は、通常、実質的炭素及び他の排気を放出する大型ガスタービン駆動装置を動力とする場合が多い大型冷却圧縮機の使用を要する。液化プラントの一部として何十億米ドルという多額の投資と大規模のインフラが必要である。従来のLNGサイクルの工程f)は、一般に、低温ポンプを用いて必要な圧力までLNGを再加圧すること、次いで、中間媒体を介し、最終的には海水と熱交換することによるか、又は天然ガスの一部を燃焼させてLNGを加熱及び気化させることによって、LNGを再ガス化して加圧天然ガスを形成することを含む。一般に、低温LNGの利用可能なエクセルギーは使用されない。
【0005】
LNGを生成するための比較的新しい技術は、フローティングLNG(FLNG)として知られる。FLNG技術は、バージ又は船舶などの浮体構造上でのガス処理・液化施設の建設を含む。FLNGは、ガスパイプラインを陸まで建設することが経済的にできない場合に海洋ストランテッドガスを収益化するための技術的解決策である。FLNGは又、遠隔地域、環境保護指定地域及び/又は政治的に困難な地域に位置する陸上及び沿岸ガス田にも検討される場合が増えている。この技術には、生産現場における環境フットプリントが小さいという点で、従来の陸上LNGに優るある種の利点がある。この技術は又、LNG施設の大部分が低い賃率及び低い実行リスクで造船所内に建設されることから、より迅速且つより低コストで事業を推進し得る。FLNG生産には、従来の陸上LNG生産に優るいくつかの利点があるものの、FLNG技術の適用には大きな技術的問題が残っている。例えば、FLNG構造は、陸上のLNGプラントに利用可能であるものの多くの場合で4分の1未満の面積に同レベルのガス処理及び液化を提供しなければならない。このため、総事業コストを低減するために、液化施設の能力を維持しつつFLNGプラントのフットプリントを縮小する技術を開発する必要がある。
【0006】
窒素は、多くの天然ガス貯留層に1モル%より高い濃度で見られる。これらの貯留層からの天然ガスの液化は、LNG中の窒素の濃度を1モル%未満に低減するために、生成されたLNGから窒素の分離を必要とする場合が多い。窒素濃度が1モル%より高い貯蔵LNGは、貯蔵タンク内で自己層状化及びロールオーバーのリスクが高くなる。この現象は、貯蔵タンク内でLNGからの急速な蒸気放出をもたらし、これは重大な安全上の問題である。窒素濃度が2モル%より低いLNGの場合には、LNGからの十分な窒素分離は、水車からの加圧LNGが、弁を通ってLNG貯蔵タンク圧又はそれ付近の圧力になるまで流れることによって膨張する際に起こり得る。得られた二相混合物は、エンドフラッシュガス分離装置にて、エンドフラッシュガスと呼ばれることが多い高窒素蒸気流と窒素濃度が1モル%より低いLNG流に分離される。エンドフラッシュガスは、プロセス熱を生成し、電力を生じ、且つ/又は圧縮力を生じるために使用可能な場合に、圧縮されて施設の燃料ガスシステムに組み込まれる。窒素濃度が2モル%より高いLNGの場合には、単純なエンドフラッシュガス分離装置の使用は、LNG流の窒素濃度を十分に減らすために過度なエンドフラッシュガス流量を必要とするであろう。このような場合、二相混合物をエンドフラッシュガスとLNG流とに分離するために分別塔が使用可能である。分別塔は、一般に、LNG流中の窒素レベルを1モル%未満に低減するように塔の下段に向けられるストリッピングガスを生成するためのリボイラシステムを含む、又はリボイラシステムが組み込まれる。リボイラを備えたこの分別塔の典型的な設計では、リボイラ熱負荷は、分別塔の吸入弁内で加圧LNG流が膨張する前に、塔の液体底部の加圧LNG流との間接熱交換により得られる。
【0007】
分別塔は、単純なエンドフラッシュ分離装置に比べてLNG流から窒素を分離するためのより効率的な方法を提供する。しかしながら、塔頂部から生じるエンドフラッシュガスは、相当な濃度の窒素を含むと思われる。エンドフラッシュガスは、典型的なLNGプラントにおけるガスタービンの主燃料として働く。航空転用型ガスタービンなどのガスタービン、燃料ガス中の窒素濃度に10又は20モル%以下という制限があり得る。分別塔の塔頂部からのエンドフラッシュガスは、典型的な航空転用型ガスタービンの濃度限界よりも著しく高い窒素濃度を有し得る。例えば、窒素濃度がおよそ4モル%の加圧LNG流は、窒素濃度が30モル%より高い塔頂部蒸気を生成する。窒素濃度が高いエンドフラッシュガスは、窒素除去装置(NRU)に向けられる場合が多い。NRUでは、メタンから窒素が分離されて、a)大気に放出できるように炭化水素中で十分低い窒素流、及びb)燃料ガスとして使用するのに適切となるように低い窒素濃度の高メタン流を生成する。このNRUの必要は、プロセス用機器の量及びLNGプラントのフットプリントを増し、この機器及びフットプリントの増加は、海洋LNG事業及び/又は遠隔地LNG事業の高資本コストに至る。エンドフラッシュガスの窒素濃度が高い場合のある特定の条件に関しては、このNRUの必要を避けることができる。一部の航空転用型ガスタービンは、エンドフラッシュガスがガスタービンによって一般に必要とされるものよりも高い圧力まで圧縮されれば、窒素濃度が高いエンドフラッシュガスを用いて運転可能であることが実証された。例えば、トレント-60航空転用型ガスタービンは、その燃焼圧が典型的な50バールからおよそ70バールに高められれば、最大40モル%の窒素を含む燃料ガスを用いて運転可能であることが示されている。この場合、より高圧の燃料ガスシステムがNRUの使用に代わるアプローチを提供する。この代替アプローチには、NRUの全ての機器と付加されるフットプリントを無くすという利点がある。しかしながら、エンドフラッシュガスの圧縮及び/又は燃料ガスの圧縮に必要な電力が増大するという欠点もある。加えて、この代替アプローチには、NRUにより提供される操作の柔軟性に比べて、LNGの窒素濃度の変化に対して柔軟でないという欠点もある。
【0008】
図1は、LNG液化システムと併用可能な従来のエンドフラッシュガスシステム100を示す。主要LNG低温熱交換器(示されていない)からの加圧LNG流102は、その圧力を部分的に弱め、且つ、加圧LNG流102を更に冷却するために水車104を通って流れる。次に、冷却された加圧LNG流106は、LNG分別塔110と接続されたリボイラ108内で過冷却される。LNG分別塔110の液体底流112は、リボイラ108内で、冷却された加圧LNG流106と熱交換することによって部分的に気化される。リボイラ108からの蒸気は液体流から分離され、ストリッピングガス流114としてLNG分別塔110に戻され、LNG流122の窒素レベルを1モル%未満に低減するために使用される。過冷却された加圧LNG流116は、LNG分別塔の吸入弁118内で膨張して、好ましくは蒸気分率が40モル%より低い、又はより好ましくは20モル%より低い二相混合物流120を生成する。この二相混合物流120は、LNG分別塔110の上段に向けられる。リボイラ108からの分離された液体は、窒素が1モル%より低いLNG流122である。次に、LNG流122は、貯蔵タンク124又は他の排出装置にポンプで送られる。LNG分別塔110の塔頂流中のガスは、エンドフラッシュガス流126と呼ばれる。エンドフラッシュガス流126は、熱交換器130内で処理済み天然ガス流128と熱交換して、天然ガスを凝縮し、更なる加圧LNG流132を生成し、この加圧LNG流は加圧LNG流102と混合されてもよい。温められたエンドフラッシュガス流134は熱交換器130を出、圧縮システム136内で、燃料ガス138として使用されるのに適切な圧力まで圧縮される。エンドフラッシュガスシステム100は、生成されるエンドフラッシュガスの量を減らしつつ、窒素濃度が1モル%より低いLNGを生成することができる。しかしながら、窒素濃度が3モル%より高い加圧LNG流の場合、エンドフラッシュガス窒素濃度は20モル%より高い場合がある。エンドフラッシュガス内の窒素濃度が高いと、航空転用型ガスタービンの燃料ガスとして使用するのに適切でない場合がある。ガスタービン内で使用するために適切なメタン濃度の燃料ガスを生成するためにNRUの追加が必要となる場合もある。
【0009】
図2は、エンドフラッシュガスシステム200においてLNGから窒素を分離するためのシステムを示し、米国特許出願第2012/0285196号に開示されているシステムと構造的に類似している。エンドフラッシュガスシステム100と同様に、主要LNG低温熱交換器(示されていない)からの加圧LNG流202は、その圧力を部分的に弱め、且つ、加圧LNG流202を更に冷却するために水車204を通って流れる。次に、冷却された加圧LNG流206は、LNG分別塔210と接続されたリボイラ208内で過冷却される。LNG分別塔210の液体底流212は、リボイラ208内で、冷却された加圧LNG流206と熱交換することによって部分的に気化される。塔リボイラからの蒸気は液体流から分離され、ストリッピングガス流214としてLNG分別塔210に戻され、LNG流の窒素レベルを1モル%未満に低減するために使用される。過冷却された加圧LNG流216は、LNG分別塔210の吸入弁218内で膨張し、好ましくは蒸気分率が40モル%より低い、又はより好ましくは20モル%より低い二相混合物流220を生成する。この二相混合物流220は、LNG分別塔210の上段に向けられる。リボイラ208からの分離された液体は、窒素が1モル%より低いLNG流222である。LNG流222は、第1の熱交換器224に向けられてもよく、そこで部分的に気化されて、塔還流流226の冷却能の一部を提供する。LNGタンク228で貯蔵される前にこのLNG流222が部分的に気化されることで、ボイルオフガス(BOG)圧縮機230の必要が著しく高まる。例えば、BOG圧縮機230へのBOG体積流量は、従来のエンドフラッシュガスシステムに従うBOG圧縮機の6倍であり得る。LNG分別塔210からのエンドフラッシュガス232はまず第1の熱交換器224に向けられ、そこで塔還流流226の凝縮を助けることによって中間温度にまで温められる。この中間温度のエンドフラッシュガス流234は、次に、還流流236と冷窒素ベント流238とに分かれる。還流流236は第1の還流圧縮機240で圧縮され、第1の冷却器242内の環境で冷却されてよく、第2の還流圧縮機244で更に圧縮され、第2の冷却器246内の環境で冷却されて、LNG分別塔210へ入る二相還流流226を生成するために必要とされる冷却の一部を提供してもよい。圧縮され、環境中で冷却された還流流248は、第2の熱交換器250中での冷窒素ベント流238との間接熱交換によって更に冷却されて冷還流流252を生成する。この冷還流流252は次に、第1の熱交換器224中でのLNG流222及びエンドフラッシュガス流234との間接熱交換によって凝縮及び過冷却される。この凝縮及び過冷却された還流流226は、分別塔210の吸入弁254内で膨張し、分別塔210に入る高窒素二相還流流256を生成する。図2に示されるシステムは、エンドフラッシュガス流が2モル%より低い、又はより好ましくは1モル%より低いメタン濃度を有することができ、エンドフラッシュガスの一部を窒素ベント流258として環境に排出することを実質的に可能とする修正部を加えたものである。図2に示されるシステムは、独立したNRUシステムを付加することなく、窒素ベント流と低窒素燃料ガス流を生成する。窒素濃度が5~3モル%の加圧LNG流の場合、従来のエンドフラッシュガスシステムでは、窒素濃度が20モル%より高く40モル%より低いエンドフラッシュガスを生成すると思われる。この高窒素含有エンドフラッシュガスは、適当な条件下にて航空転用型ガスタービンで使用するためになお適切であることが示された。しかしながら、従来のエンドフラッシュガスシステムがガスタービン内での燃焼に適切な燃料ガスをなお生産可能である場合には、図2に示されるシステムは、従来のエンドフラッシュガスシステムよりも3分の1増の圧縮力を必要とするという欠点がある。図2に示されるシステムには、LNGの生成が従来のエンドフラッシュガスシステムと比較しておよそ6%低下するという更なる欠点もある。
【発明の概要】
【0010】
陸上及び/又は遠隔地のLNG事業にとって、高モル濃度の窒素を含む天然ガスの既知の液化法は困難である。このために、天然ガスを液化し、得られたLNG流から窒素を分離するための方法を開発する必要があり、この方法では、従前に記載された方法よりも、生産現場のプロセス機器及びフットプリントが著しく少ない必要がある。LNG貯蔵タンク及び/又はタンカーのいずれかからのボイルオフガスなどの1以上の低圧炭化水素流を再凝縮することによりLNG生産を増す液化システムを開発する更なる必要がある。
【0011】
本開示は、窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流を液化するための方法を提供する。天然ガス流は、冷窒素ベント流との熱の間接交換により少なくとも部分的に液化され、加圧LNG流を形成する。LNG施設とは異なる地理的場所で生産されている少なくとも1つの液体窒素(LIN)流が貯蔵タンクから受け取られる。加圧LNG流は膨張した後、分離塔の1以上の段に向けられる。液体窒素流は、分離塔の最上段に向けられる。分離塔内で液体窒素流が分離塔内の天然ガスと直接的に熱交換し、これにより、分離塔からの液体出口としてLNG流及び分離塔からの蒸気出口として冷窒素ベント流が形成される。LNG貯蔵タンク及び/又は船舶タンクからのボイルオフガスなどの低圧天然ガス流は、場合により、前記低圧天然ガス流内の炭化水素を液化するために、分離塔の下段に向けることができる。本開示は又、窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流を液化するためのシステムを提供する。熱交換器により天然ガス流から冷窒素ベント流へ熱を伝達して加圧LNG流を形成する。分離塔により加圧LNG流をLNG流と冷窒素ベント流とに分離し、ここで、冷窒素ベント流の窒素濃度は加圧LNG流の窒素濃度より高く、LNG流の窒素濃度は加圧LNG流の窒素濃度より低い。LNG液化施設とは異なる地理的場所で生産された液化窒素(LIN)流が分離塔の上段に向けられる。分離塔は、場合により、前記低圧天然ガス流内の炭化水素を液化するために、LNG貯蔵タンク及び/又は船舶タンクからのボイルオフガスなどの低圧天然ガス流を分離塔の下段に受け取ることができる。
【0012】
上記は、以下の詳細な説明がよりよく理解され得るように、本開示の特徴を広く概説したものである。ここでは、更なる特徴についても説明する。本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び以下に簡単に説明する添付の図面から明らかになる。図面は例にすぎず、それによって本開示の範囲に対する制限が意図されていないことに留意されたい。更に、図面は全体として縮尺通りに描かれず、本開示の様々な態様を示す際の便宜と明確化のために描かれている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、既知のエンドフラッシュガスシステムを示す概略図である。
図2図2は、別の既知のエンドフラッシュガスシステム(end-flash as system)を示す概略図である。
図3図3は、開示される態様による液化システムの概略図である。
図4図4は、開示される態様による液化システムの概略図である。
図5図5は、開示される態様による液化システムの概略図である。
図6図6は、開示される態様による液化システムの概略図である。
図7図7は、開示される態様による方法を示すフローチャートである。
図8図8は、開示される態様による方法を示すフローチャートである。
図9図9は、開示される態様による方法を示すフローチャートである。
図10図10は、開示される態様による方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の原理の理解を促すために、ここで、図面に示されている特徴を参照し、特定の言葉を使用してそれを説明する。しかしながら、それによる本開示の範囲の限定が意図されていないことが理解されるであろう。本明細書に記載されるような本開示の原理のいかなる変更及び更なる修正も、並びにいかなる更なる応用も本開示が関係する分野の熟練者が通常行うように企図される。明確にするために、本開示に関連しないいくつかの特徴は、図面に示されていない場合がある。
【0015】
最初に、参照を容易にするために、本出願で使用される特定の用語とこの文脈で使用されるそれらの意味を示す。本明細書で使用される用語が以下で定義されていない限り、それには、当業者が、少なくとも1つの印刷刊行物又は発行特許に表されるような、その用語に与えた最も広い定義が与えられるべきである。更に、同じ又は類似の目的を果たすあらゆる均等物、同義語、新規開発、及び用語又は技術が本特許請求の範囲内にあると見なされるので、本技術は以下に示される用語の使用によって制限されない。当業者が理解するように、同じ特徴又は構成要素を人によって異なる名称で示されることがある。本明細書は、名称が異なるだけの構成要素又は特徴を区別することを意図していない。図面は必ずしも縮尺通りではない。本明細書の特定の特徴及び構成要素は、縮尺又は概略形態で誇張して示されている場合があり、明確化及び簡潔化のために従来の要素の細部が一部示されていない場合がある。本明細書で説明される図面を参照する際、簡略化のために、同じ参照番号が複数の図面に示される場合がある。以下の説明及び特許請求の範囲において、用語「を含む(including)」及び「を含む(comprising)」は、オープンエンド形式で使用され、従って、「限定されるものではないが含む」ことを意味すると解釈されるべきである。冠詞「その(the)」、「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、必ずしも1つだけを意味するように限定されるものではなく、場合によって、複数のそのような要素を含むように包括的且つオープンエンドである。本明細書で使用する場合、用語「およそ」、「約」、「実質的に」及び類似の用語は、本開示の主題が関係する分野の熟練者による一般的かつ受け入れられている用法と一致して広い意味を有するものとする。これらの用語が、記載及び特許請求された特定の特徴の説明を、示された厳密な数値範囲にこれらの特徴の範囲を制限することなく許容することを意図していることを、本開示を再検証する当業者は理解するべきである。従って、これらの用語は、記載された主題の実質的でない又は重要でない修正又は変更を示すものとして解釈されるべきであり、本開示の範囲内にあると見なされる。用語「熱交換器」は、ある物質から別の物質へ熱を効率的に伝達又は「交換」するように設計された装置を指す。例示的な熱交換器タイプには、並流若しくは向流熱交換器、間接熱交換器(例えば、コイル状熱交換器、アルミろう付プレートフィン型などのプレートフィン熱交換器、シェル&チューブ式熱交換器など)、直接接触式熱交換器、又はこれらのいくつかの組合せなどが含まれる。
【0016】
前述のように、従来のLNGサイクルには、a)水、硫黄化合物及び二酸化炭素などの混入物を除去するための天然ガス資源の初期処理;b)自己冷却、外部冷却、リーンオイルなどを含む様々な潜在的方法によるプロパン、ブタン、ペンタンなどの数種の重質炭化水素ガスの分離;c)実質的に外部冷却による天然ガスの冷却による、大気圧又はその付近の圧力及び約-160℃での液化天然ガスの形成;d)LNGからの窒素及びヘリウムなどの軽質成分の除去;e)この目的で設計された船舶又はタンカーでの市場地へのLNG製品の輸送;及びf)天然ガス消費者に流通させ得る加圧天然ガス流を形成するための、再ガス化プラントでのLNGの再加圧及び再ガス化が含まれる。本明細書で開示される態様は、一般に、液体窒素(LIN)を使用して天然ガスを液化することを含む。一般に、LINを使用してLNGを生成することは従来にないLNGサイクルであり、このサイクルでは、上記工程c)がオープンループ冷却源として大量のLINを使用する天然ガス液化工程に置き換えられ、上記工程f)は、窒素ガスの液化を促進してLINを形成するために低温LNGのエクセルギーを使用するように変更することができ、その後、このLINは資源地へ輸送され、LNGの生産のための冷却源として使用されてもよい。開示されるLIN-to-LNG概念は、船舶又はタンカーでの資源地(輸出ターミナル)から市場地(輸入ターミナル)へのLNGの輸送及び市場地から資源地へのLINの逆輸送を更に含み得る。
【0017】
開示される態様は、上記の工程c)及びd)が、天然ガスを液化しLNG流から窒素を分離するのを助けるための液体窒素の使用を含むように変更された方法をより詳細に記載する。開示される態様によれば、1つの方法はLNGプラントから地理的に離れた場所で生産された液体窒素を受け取ることを含む。窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流を冷窒素ベント流との熱の間接交換により少なくとも部分的に液化して、加圧LNG流と温窒素ベント流を形成する。温窒素ベント流は、環境に放出されてもよいし、又は使用のために当該施設の他の部分に向けられてもよい。LNG施設とは異なる地理的場所で生産されている少なくとも1つの液体窒素(LIN)流を貯蔵タンクから受け取る。加圧LNG流は、膨張装置で膨張した後、分離塔の1以上の段に向けられる。膨張装置は、膨張弁、液圧タービン、又はそれらの組合せであり得る。液体窒素流は、分離塔の最上段に向けられる。分離塔内で液体窒素流が分離塔内の天然ガスと直接的に熱交換し、これにより、分離塔からの液体出口としてLNG流及び分離塔からの蒸気出口として冷窒素ベント流が形成される。分離塔は、分別塔、蒸留塔、又は吸収塔であり得る。分離塔は、5段以上の分離段を含み得る。LNG流の窒素モル濃度は2モル%未満、又はより好ましくは、1モル%未満であり得る。冷窒素ベント流のメタン濃度は、1モル%未満、又はより好ましくは、0.1モル%未満であり得る。LNG貯蔵タンク及び/又は船舶タンクからのボイルオフガスなどの低圧天然ガス流は、場合により、前記低圧天然ガス流内の炭化水素を液化するために、分離塔の下段に向けることができる。圧力25バールで、窒素濃度が5.0モル%の天然ガス流の場合、提案されているこの液化システムでの液体窒素要件は、LNG 1トンの生産あたり液体窒素およそ2トンである。提案されているこの液化システムでは、およそ100%の炭化水素がLNG流内で液化される。天然ガス流が最初に液体窒素との間接熱交換により液化された後に従来のエンドフラッシュガスシステムが続く既知の液化システムの場合、エンドフラッシュガスでメタンのおよそ20%が除去される。従って、提案されている液化システムによりLNG生産はおよそ20%増加する。この液化システムは、エンドフラッシュガスの圧縮の必要がないために、機器数が大幅に削減されるという付加的利点がある。この既知システムとは対照的に、本明細書に開示されるボイルオフガスシステムは、提案されている液化システムによる影響が最小限である。開示される態様は、ガスタービンで使用される燃料ガスがボイルオフガス及び/又は供給ガスからのものであるという付加的利点もある。これらの燃料ガス流はどちらもエンドフラッシュガスよりも比較的低い窒素濃度を有し、ガスタービンの燃料ガスとしてより適切なものとなり得る。
【0018】
開示される態様では、1つの方法は、LNGプラントから地理的に離れた場所で生産された第1の液体窒素流及び第2の液体窒素流を受け取ることを含む。窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流を冷窒素ベント流及び第2の液体窒素流との間接熱交換により液化して、加圧LNG流、第1の温窒素ベント流、及び第2の温窒素ベント流を形成する。第1の温窒素ベント流及び第2の温窒素ベント流は、環境に放出されてもよいし、又は使用のために当該施設の他の部分に向けられてもよい。加圧LNG流は、ジェットポンプに向けられ、ジェットポンプ内で駆動流体として使用される。LNG貯蔵タンク及び/又は船舶タンクからのボイルオフガスなどの低圧天然ガス流は、ジェットポンプに向けられ、そこで加圧LNG流と混合されて、LNG二相流を形成する。LNG二相流は、LNG蒸気流とLNG液体流を形成するために、分離容器に向けることができる。LNG液体流は、分離塔の1以上の段に向けられる。LNG蒸気流は、分離塔の下段に向けられる。第1の液体窒素流は、分離塔の最上段に向けられる。分離塔内で第1の液体窒素流が分離塔内の天然ガスと直接的に熱交換し、これにより、分離塔からの液体出口としてLNG流及び分離塔からの蒸気出口として冷窒素ベント流が形成される。分離塔は、分別塔、蒸留塔、又は吸収塔であり得る。分離塔は、5段以上の分離段を含み得る。LNG流の窒素モル濃度は2モル%未満、又はより好ましくは、1モル%未満であり得る。冷窒素ベント流のメタンモル濃度は1モル%未満、又はより好ましくは、0.1モル%未満であり得る。提案されているこの液化システムには、従来の設計よりも多くのLNGを生産し、必要な装置が少ないという利点がある。提案されている液化システムには、この分離塔への液体窒素流れを少なくし、これにより分離塔のサイズを縮小するという付加的利益がある。
【0019】
開示される態様において、1つの方法は、LNGプラントから地理的に離れた場所で生産された液体窒素流を受け取ることを含む。窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流を冷窒素ベント流との間接熱交換により液化して、加圧LNG流及び温窒素ベント流を形成する。温窒素ベント流は、環境に放出されてもよいし、又は使用のために当該施設の他の部分に向けられてもよい。加圧LNG流は、分離容器に向けて、LNG蒸気流とLNG液体流を形成する。LNG液体流は、膨張装置で膨張した後、分離塔の1以上の段に向けられる。膨張装置は、膨張弁、液圧タービン、又はそれらの組合せであり得る。LNG蒸気流は、ジェットポンプに向けられ、ジェットポンプ内で駆動流体として使用される。LNG貯蔵タンク及び/又は船舶タンクからのボイルオフガスなどの第1の低圧天然ガス流は、ジェットポンプに向けられ、LNG蒸気流と混合されて、第2の低圧天然ガス流を形成する。第2の低圧天然ガス流は、分離塔の下段に向けられる。液体窒素流は、分離塔の最上段に向けられる。分離塔内で液体窒素流が分離塔内の天然ガスと直接的に熱交換し、これにより、分離塔からの液体出口としてLNG流及び分離塔からの蒸気出口として冷窒素ベント流が形成される。分離塔は、分別塔、蒸留塔、又は吸収塔であり得る。分離塔は、5段以上の分離段を含み得る。LNG流の窒素モル濃度は2モル%未満、又はより好ましくは、1モル%未満であり得る。冷窒素ベント流のメタンモル濃度は1モル%未満、又はより好ましくは、0.1モル%未満であり得る。提案されているこの液化システムには、従来の設計よりも多くのLNGを生産し、必要な装置が少ないという利点がある。この液化システムには、ジェットポンプ内での液体のフラッシングがないため、ジェットポンプの設計が簡素化されるという付加的利益がある。熱交換器設計も又、気相にあるのは単一の冷却流であるため、簡素化される。
【0020】
図3は、本開示の態様による液化システム300の図である。天然ガス流302を、熱交換器306中で冷窒素ベント流304との間接熱交換により少なくとも部分的に液化して、加圧LNG流308と温窒素ベント流310を形成する。温窒素ベント流310は、環境に放出されてもよいし、又は使用のために当該施設の他の部分に向けられてもよい。1以上のLIN貯蔵タンク313から液体窒素流312を受け取る。液体窒素流312は、液化システム300が配置されているLNG施設とは異なる地理的場所で生産され、既知の低温輸送技術を用いて液化施設300へ輸送されてもよい。加圧LNG流308は、膨張弁315で膨張した後、分離塔316の1以上の段に向けられる。分離塔316及び本明細書に開示される他の全て分離塔は、分別塔、蒸留塔、又は吸収塔であり得る。液体窒素流312は、分離塔の最上段に向けられる。分離塔内で液体窒素流312が分離塔316内の天然ガスと直接的に熱交換し、これにより、分離塔316からの液体出口としてLNG流318及び分離塔316の蒸気出口として冷窒素ベント流304が形成される。LNG流318の窒素モル濃度は2モル%未満、又はより好ましくは、1モル%未満であり得る。冷窒素ベント流304のメタンモル濃度は1モル%未満、又はより好ましくは、0.1モル%未満であり得る。低圧天然ガス流320は、場合により、低圧天然ガス流320内の炭化水素を液化するために、分離塔316の下段に向けることができる。低圧天然ガス流320は、その圧力が加圧LNG流308の圧力よりも相対的に低いことによって特徴付けることができる。低圧天然ガス流320は、LNG貯蔵タンク322からのボイルオフガスを含む場合があり、このLNG貯蔵タンクは、陸上貯蔵タンク又は海上LNG輸送容器の一部であり得る。ボイルオフガスは、LNG貯蔵タンク322へのLNGの貯蔵、荷積み、及び/又は荷揚げ中に生成され得る。
【0021】
図4は、本開示の別の態様による液化システム400の図である。液体窒素(LIN)源流402は、液化システム400から地理的に離れた場所で生産され、既知の低温輸送技術を用いて液化システム400の所在地へ輸送される。液体窒素源流402は、ポンプ404を用いて送り込まれ、第1の液体窒素流406と第2の液体窒素流408とに分かれる。天然ガス流410を、熱交換器414中で冷窒素ベント流412及び第2の液体窒素流408との間接熱交換により少なくとも部分的に液化して、加圧LNG流416、第1の温窒素ベント流418、及び第2の温窒素ベント流420を形成する。第1の温窒素ベント流418及び第2の温窒素ベント流420は、環境に放出されてもよいし、又は使用のために当該施設の他の部分に向けられてもよい。弁422又は他の減圧装置による減圧後、加圧LNG流416は、ジェットポンプ424に向けられ、そこでジェットポンプ424内で駆動流体として使用される。低圧天然ガス流426(LNG貯蔵タンク及び/又は船舶タンクからのボイルオフガスなど)は、ジェットポンプ424に向けられ、そこで加圧LNG流416と混合されて、二相LNG流428を形成する。二相LNG流428は、LNG蒸気流432とLNG液体流434を形成するために、分離容器430に向けることができる。LNG液体流434は、分離塔436の1以上の段に向けられる。LNG蒸気流432は、分離塔436の下段に向けられる。第1の液体窒素流406は、分離塔436の最上段に向けられる。分離塔436内で第1の液体窒素流406が分離塔436内の天然ガスと直接的に熱交換し、これにより、分離塔436からの液体出口としてLNG流438及び分離塔436からの蒸気出口として冷窒素ベント流412が形成される。LNG流438の窒素モル濃度は2モル%未満、又はより好ましくは、1モル%未満であり得る。冷窒素ベント流412のメタンモル濃度は1モル%未満、又はより好ましくは、0.1モル%未満であり得る。低圧天然ガス流426は、その圧力が加圧LNG流416の圧力よりも相対的に低いことによって特徴付けることができる。低圧天然ガス流426は、LNG貯蔵タンク322と同様のLNG貯蔵タンクからのボイルオフガスを含む場合があり、このLNG貯蔵タンクは、陸上貯蔵タンク又は海上LNG輸送容器の一部であり得る。ボイルオフガスは、LNG貯蔵タンクへのLNGの貯蔵、荷積み、及び/又は荷揚げ中に生成され得る。
【0022】
図5は、別の態様による液化システム500の図である。液体窒素流502は、LNGシステムから地理的に離れた場所で生産され、既知の低温輸送技術を用いて液化システムの所在地に輸送される。天然ガス流504を、熱交換器508中で冷窒素ベント流506との間接熱交換により少なくとも部分的に液化して、加圧LNG流510とび温窒素ベント流512を形成する。温窒素ベント流512は、環境に放出されてもよいし、又は使用のために液化システム500の他の部分又は他の施設に向けられてもよい。加圧LNG流510は分離容器513に向け、LNG蒸気流514とLNG液体流516を形成する。LNG液体流516は、膨張弁518で膨張した後、分離塔520の1以上の段に向けられる。LNG蒸気流514は、ジェットポンプ522に向けられ、そこでジェットポンプ522内で駆動流体として使用される。第1の低圧天然ガス流524(LNG貯蔵タンク及び/又は船舶タンクからのボイルオフガスなど)は、ジェットポンプ522に向けられ、そこでLNG蒸気流514と混合されて、第2の低圧天然ガス流526を形成する。第2の低圧天然ガス流526は、分離塔520の下段に向けられる。液体窒素流502は、分離塔520の最上段に向けられる。液体窒素流502は、蒸留塔内の天然ガスと直接的に熱交換し、これにより、分離塔520からの液体出口としてLNG流528及び分離塔520からの蒸気出口として冷窒素ベント流506が形成される。LNG流528の窒素モル濃度は2モル%未満、又はより好ましくは、1モル%未満であり得る。冷窒素ベント流506のメタンモル濃度は1モル%未満、又はより好ましくは、0.1モル%未満であり得る。低圧天然ガス流524は、その圧力が加圧LNG流510の圧力よりも相対的に低いことによって特徴付けることができる。低圧天然ガス流524は、LNG貯蔵タンク322と同様のLNG貯蔵タンクからのボイルオフガスを含む場合があり、このLNG貯蔵タンクは、陸上貯蔵タンク又は海上LNG輸送容器の一部であり得る。ボイルオフガスは、LNG貯蔵タンクへのLNGの貯蔵、荷積み、及び/又は荷揚げ中に生成され得る。
【0023】
図6は、本開示の更に別の態様による液化システム600の図である。液体窒素(LIN)源流602は、液化システム600から地理的に離れた場所で生産され、既知の低温輸送技術を用いて液化システム600の所在地へ輸送される。液体窒素源流602は、第1の液体窒素流606と第2の液体窒素流608とに分かれる。第2の液体窒素流608は、ポンプ604により送り込まれ、加圧液体窒素流610が生成する。天然ガス流612を、第1の熱交換器614中で冷窒素ベント流616、加圧液体窒素流610、第1の冷ガス冷媒流618、及び第2の冷ガス冷媒流620との間接熱交換により少なくとも部分的に液化して、加圧LNG流622、第1の温窒素ベント流624、第1の温ガス冷媒流626、第2の温ガス冷媒流628、及び第2の温窒素ベント流630を形成する。加圧液体窒素流610は、第2の液体窒素流608を200psiaよりも高い圧力までポンプで送り込むことによって生成し得る。第1の温窒素ベント流624及び第2の温窒素ベント流630は、環境に放出されてもよいし、又は使用のために当該施設の他の部分に向けられてもよい。第1の温ガス冷媒流626は、第1の膨張器632で膨張し、第1の冷ガス冷媒流618を生成する。第2の温ガス冷媒流628は、第2の熱交換器636中で第2の圧縮冷媒流634と熱交換して、第3の温ガス冷媒流638を形成する。第3の温ガス冷媒流638は、第1の圧縮器640で圧縮された後、第1の冷却器642で冷却され、第1の圧縮冷媒流644を形成する。第1の圧縮冷媒流644は、第2の圧縮器646で圧縮されたた後、第2の冷却器648で冷却され、第2の圧縮冷媒流634を形成する。第2の圧縮冷媒流634は、第2の熱交換器636内で更に冷却された後、第2の膨張器650で膨張し、第2の冷ガス冷媒流620を形成する。第1の圧縮器640は、第1の膨張器632と機械的に連結されていてよい。第2の圧縮器646は、第2の膨張器650と機械的に連結されていてよい。加圧LNG流622は、膨張弁652で膨張した後、分離塔654の1以上の段に向けられる。第1の液体窒素流606は、分離塔654の最上段に向けられる。分離塔654内で第1の液体窒素流606が分離塔654内の天然ガスと直接的に熱交換し、これにより、分離塔654からの液体出口としてLNG流656及び分離塔654からの蒸気出口として冷窒素ベント流616が形成される。LNG流656の窒素モル濃度は2モル%未満、又はより好ましくは、1モル%未満であり得る。冷窒素ベント流616のメタンモル濃度は1モル%未満、又はより好ましくは、0.1モル%未満であり得る。低圧天然ガス流658(LNG貯蔵タンク及び/又は船舶タンクからのボイルオフガスなど)は、場合により、低圧天然ガス流658内の炭化水素を液化するために、分離塔654の下段に向けることができる。低圧天然ガス流658は、その圧力が加圧LNG流622の圧力よりも相対的に低いことによって特徴付けることができる。低圧天然ガス流658は、LNG貯蔵タンク322と同様のLNG貯蔵タンクからのボイルオフガスを含む場合があり、このLNG貯蔵タンクは、陸上貯蔵タンク又は海上LNG輸送容器の一部であり得る。ボイルオフガスは、LNG貯蔵タンクへのLNGの貯蔵、荷積み、及び/又は荷揚げ中に生成され得る。ジェットポンプ424及び522は、エダクターとも呼ばれることがあり、加圧LNG流の高い圧力を使用して、低圧天然ガス流の圧力を上昇させる。この低圧天然ガス流は、前述のように、定置LNGタンク若しくはLNG輸送容器搭載のLNGタンクへの又は定置LNGタンク若しくはLNG輸送容器搭載のLNGタンクからのLNGの貯蔵、輸送、荷積み、及び/又は積出中に生成されたボイルオフガスを含む場合がある。エダクターは又、図3及び6に示される態様でも、それぞれ、加圧LNG流308、622のより高い圧力を使用して、低圧天然ガス流320、658の圧力を上昇させるために使用することができる。これらのエダクターの吐出混合物は、図4及び5に示されるように、塔316、654に直接送られる場合がある。
【0024】
図7は、開示される態様による、窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流から液化天然ガス(LNG)を生成するための方法700のフローチャートである。ブロック702でLNG液化施設において少なくとも1つの液体窒素(LIN)流を受け取る。少なくとも1つのLIN流はLNG液化施設とは異なる地理的場所で生産されてもよい。ブロック704で天然ガス流を窒素ベント流との間接熱交換により液化して、加圧LNG流を形成する。この加圧LNG流の窒素濃度は1モル%より高い。ブロック706で加圧LNG流を上段及び下段を有する塔の1以上の段に向けて、LNG流と窒素ベント流を生成する。ブロック708で、1以上のLIN流は塔の1以上の上段に向けられる。
【0025】
図8は、開示される態様による、窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流から液化天然ガス(LNG)を生成するための方法800のフローチャートである。ブロック802でLNG液化施設において第1の液化窒素(LIN)流及び第2のLIN流を受け取る。第1のLIN流及び第2のLIN流はLNG液化施設とは異なる地理的場所で生産されてもよい。ブロック804で天然ガス流を窒素ベント流及び第2の液化窒素流との間接熱交換により液化して、加圧LNG流を形成する。この加圧LNG流の窒素濃度は1モル%より高い。ブロック806で加圧LNG流はジェットポンプに向けられる。この加圧LNG流をジェットポンプの駆動流体として使用する。ブロック808で加圧LNG流と低圧天然ガス流とをジェットポンプ中で混合して、二相LNG流を生成する。低圧天然ガス流は加圧LNG流の圧力より低い圧力を有する。ブロック810で二相LNG流をLNG蒸気流とLNG液体流とに分離する。ブロック812でLNG液体流は塔の1以上の段に向けられる。ブロック814でLNG蒸気流は塔の1以上の下段に向けられる。ブロック816で第1の液化窒素流は塔の1以上の上段に向けられる。ブロック818で塔からLNG流及び窒素ベント流を生成する。
【0026】
図9は、開示される態様による、窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流から液化天然ガス(LNG)を生成するための方法900のフローチャートである。ブロック902でLNG液化施設において1以上の液化窒素(LIN)流を受け取る。1以上のLIN流はLNG液化施設とは異なる地理的場所で生産されてもよい。ブロック904で天然ガス流を窒素ベント流及び第2の液化窒素流との間接熱交換により少なくとも部分的に液化して、加圧LNG流を形成する。この加圧LNG流の窒素濃度は1モル%より高い。ブロック906で加圧LNG流を分離容器に向けて、LNG蒸気流とLNG液体流を生成する。ブロック908でLNG蒸気流はジェットポンプに向けられる。このLNG蒸気流をジェットポンプの駆動流体として使用する。ブロック910でLNG蒸気流と第1の低圧天然ガス流とをジェットポンプ中で混合して、第2の低圧天然ガス流を生成する。第1の低圧天然ガス流及び第2の低圧天然ガス流のそれぞれは、加圧LNG流の圧力より低い圧力を有する。ブロック912でLNG液体流は塔の1以上の段に向けられる。ブロック914で第2の低圧天然ガス流は塔の1以上の下段に向けられる。ブロック916で1以上のLIN流は塔の1以上の上段に向けられる。ブロック918で塔からLNG流及び窒素ベント流を生成する。
【0027】
図10は、開示される態様による、窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流から液化天然ガス(LNG)を生成するための方法1000のフローチャートである。ブロック1002でLNG液化施設において第1の液化窒素(LIN)流及び第2のLIN流を受け取る。第1のLIN流及び第2のLIN流はLNG液化施設とは異なる地理的場所で生産されてもよい。ブロック1004で天然ガス流は窒素ベント流及び第2の液化窒素流との間接熱交換により液化して、窒素濃度が1モル%より高い加圧LNG流を形成する。ブロック1006で加圧LNG流は塔の1以上の段に向けられる。ブロック1008で低圧天然ガス流は塔の1以上の下段に向けられる。低圧天然ガス流は加圧LNG流の圧力より低い圧力を有する。ブロック1010で第1のLIN流は塔の1以上の上段に向けられる。ブロック1012で塔からLNG流及び窒素ベント流を生成する。
【0028】
開示される態様は、以下の符番された項に示される方法及びシステムのいずれの組み合わせも含み得る。上記の説明からいくつもの変形を想定することができることから、これは考えられる全ての態様の完全に網羅するものと見なされるべきではない。
1.窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流から液化天然ガス(LNG)を生成する方法であって、
LNG液化施設において、そのLNG液化施設とは異なる地理的場所で生産されている少なくとも1つの液体窒素(LIN)流を受け取ること;
窒素ベント流との間接熱交換により天然ガス流を液化して、窒素濃度が1モル%より高い加圧LNG流を形成すること;
前記加圧LNG流を上段及び下段を有する塔の1以上の段に向けて、LNG流及び窒素ベント流を生成すること;及び
1以上のLIN流を前記塔の1以上の上段に向けること
を含む、方法。
2.前記加圧LNG流を前記塔の1以上の段に向ける前に、前記加圧LNG流を、加圧LNG流の窒素濃度より高い窒素濃度を有するLNG蒸気流と、加圧LNG流の窒素濃度より低い窒素濃度を有するLNG液体流とに分離することを更に含み;
ここで、前記加圧LNG流を前記塔の1以上の段に向けることは、
前記LNG液体流を前記塔の上段の1つに向けること;及び
前記LNG蒸気流を前記塔の下段の1つに向けること
を含む、第1項に記載の方法。
3.前記塔が分別塔、蒸留塔、又は吸収塔のうちの1つである、第1項又は第2項に記載の方法。
4.天然ガス流が、前記塔の下段の1つに向けられ、前記天然ガス流が、前記加圧LNG流よりも圧力が低い、第1項~第3項のいずれか一項に記載の方法。
5.前記天然ガス流がLNG貯蔵タンクからのボイルオフガスを含む、第4項に記載の方法。
6.前記天然ガス流がLNG運搬船の貯蔵タンクからのボイルオフガスを含む、第4項に記載の方法。
7.塔に向けられる前に天然ガス流を圧縮することを更に含む、第4項に記載の方法。
8.前記窒素ベント流と前記天然ガス流との間で間接的に熱交換して、温められた窒素ベント流を形成することを更に含む、第1項~第7項のいずれか一項に記載の方法。
9.前記LNG流の窒素濃度が1モル%より低い、第1項~第8項のいずれか一項に記載の方法。
10.前記窒素ベント流のメタン濃度が0.1モル%より低い、第1項~第9項のいずれか一項に記載の方法。
11.塔に向けられる前に前記加圧LNG流を液圧タービン内で膨張させること
を更に含む、第1項~第10項のいずれか一項に記載の方法。
12.窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流から液化天然ガス(LNG)を生成する方法であって、
LNG液化施設において、そのLNG液化施設とは異なる地理的場所で生産されている第1の液化窒素(LIN)流及び第2のLIN流を受け取ること;
窒素ベント流と第2の液化窒素流との間接熱交換により天然ガス流を液化して、窒素濃度が1モル%より高い加圧LNG流を形成すること;
前記加圧LNG流をジェットポンプに向け、ジェットポンプの駆動流体として前記加圧LNG流を使用すること;
前記加圧LNG流と、前記加圧LNG流の圧力より低い圧力を有する低圧天然ガス流とを前記ジェットポンプ中で混合して、二相LNG流を生成すること;
前記二相LNG流をLNG蒸気流とLNG液体流とに分離すること;
前記LNG液体流を塔の1以上の段に向けること;
前記LNG蒸気流を塔の1以上の下段に向けること;
第1の液化窒素流を塔の1以上の上段に向けること;及び
前記塔からLNG流及び窒素ベント流を生成すること
を含む、方法。
13.前記塔が分別塔、蒸留塔、又は吸収塔のうちの1つである、第12項に記載の方法。
14.前記低圧天然ガス流がLNG貯蔵タンクから抽出されたボイルオフガスを含む、第12項又は第13項に記載の方法。
15.前記低圧天然ガス流がLNG運搬船から貯蔵又は荷揚げ作業中にLNGから抽出されたボイルオフガスを含む、第12項又は第13項に記載の方法。
16.塔に向けられる前に前記低圧天然ガス流を圧縮することを更に含む、第項12項~第15項のいずれか一項に記載の方法。
17.前記窒素ベント流と前記天然ガス流との間で間接的に熱交換して、温められた窒素ベント流を形成すること
を更に含む、第12項~第16項のいずれか一項に記載の方法。
18.前記LNG流窒素モル濃度が1モル%より低い、第12項~第17項のいずれか一項に記載の方法。
19.前記窒素ベント流のメタンモル濃度が0.1モル%より低い、第12項~第18項のいずれか一項に記載の方法。
20.窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流から液化天然ガス(LNG)を生成するための方法であって、
LNG液化施設において、そのLNG液化施設とは異なる地理的場所で生産されている1以上の液化窒素(LIN)流を受け取ること;
前記窒素ベント流と第2の液化窒素流との間接熱交換により前記天然ガス流を少なくとも部分的に液化して、窒素濃度が1モル%より高い加圧LNG流を形成すること;
加圧LNG流を分離容器に向けて、LNG蒸気流及びLNG液体流を生成すること;
前記LNG蒸気流ジェットポンプに向け、そのジェットポンプの駆動流体として前記LNG蒸気流を使用すること;
前記LNG蒸気流と第1の低圧天然ガス流を前記ジェットポンプ中で混合して、第2の低圧ガス流を生成すること、ここで、第1の低圧天然ガス流及び第2の低圧天然ガス流はそれぞれ、前記加圧LNG流の圧力より低い圧力を有する;
LNG液体流を塔の1以上の段に向けること;
第2の低圧天然ガス流を塔の1以上の下段に向けること;
1以上のLIN流を塔の1以上の上段に向けること;及び
前記塔からLNG流及び窒素ベント流を生成すること
を含む、方法。
21.前記LNG流の窒素モル濃度が1モル%より低い、第20項に記載の方法。
22.前記窒素ベント流のメタンモル濃度が0.1モル%より低い、第20項又は第21項に記載の方法。
23.前記塔が分別塔、蒸留塔、又は吸収塔のうちの1つである、第20項~第22項のいずれか一項に記載の方法。
24.前記低圧天然ガス流がLNG貯蔵タンクから抽出されたボイルオフガスを含む、第20項~第23項のいずれか一項に記載の方法。
25.前記低圧天然ガス流がLNG運搬船から貯蔵又は荷揚げ作業中にLNGから抽出されたボイルオフガスを含む、第20項~第24項のいずれか一項に記載の方法。
26.窒素濃度が1モル%より高い天然ガス流から液化天然ガス(LNG)を生成する方法であって、
LNG液化施設において、そのLNG液化施設とは異なる地理的場所で生産されている第1の液化窒素(LIN)流及び第2のLIN流を受け取ること;
窒素ベント流と第2の液化窒素流との間接熱交換により天然ガス流を液化して、窒素濃度が1モル%より高い加圧LNG流を形成すること;
前記加圧LNG流を塔の1以上の段に向けること;
前記加圧LNG流の圧力より低い圧力を有する低圧天然ガス流を塔の1以上の下段に向けること;
第1の液化窒素流を塔の1以上の上段に向けること;及び
前記塔からLNG流及び窒素ベント流を生成すること
を含む、方法。
27.窒素ベント流と第2の液化窒素流との間接熱交換により天然ガス流を液化することが熱交換器中で達成され、
第2の液体窒素流が前記熱交換器を通過した後に第2の液体窒素流から第1の温ガス冷媒流を形成すること;
第1の温ガス冷媒流を膨張させて、第1の冷ガス冷媒流を形成すること;及び
前記熱交換器を通るように第1の冷ガス冷媒流を向けて、天然ガス流を液化すること
を更に含む、第26項に記載の方法。
28.第1の冷ガス冷媒流が前記熱交換器を通過した後に第1の冷ガス冷媒流から第2の温ガス冷媒流を形成すること;
第2の温ガス冷媒流を圧縮及び冷却して、圧縮冷媒流を形成すること;
第2の熱交換器中で、第2の温ガス冷媒流と前記圧縮冷媒流との間で熱交換すること;
前記圧縮冷媒流を膨張させて、第2の冷ガス冷媒流を形成すること;及び
前記熱交換器を通るように第2の冷ガス冷媒流を向けて、天然ガス流を液化すること
を更に含む、第27項に記載の方法。
29.前記LNG流の窒素モル濃度が1モル%より低い、第26項~第28項のいずれか一項に記載の方法。
30.前記窒素ベント流のメタンモル濃度が0.1モル%より低い、第26項~第29項のいずれか一項に記載の方法。
31.前記塔が分別塔、蒸留塔、又は吸収塔のうちの1つである、第26項~第30項のいずれか一項に記載の方法。
32.前記低圧天然ガス流がLNG貯蔵タンクから抽出されたボイルオフガスを含む、第26項~第31項のいずれか一項に記載の方法。
33.前記低圧天然ガス流がLNG運搬船から貯蔵又は荷揚げ作業中にLNGから抽出されたボイルオフガスを含む、第26項~第31項のいずれか一項に記載の方法。
【0029】
本開示の範囲から逸脱することなく、前述の開示に対する多数の変更、修正、及び代替をなし得るものと理解されるべきである。従って、前述の説明は、本開示の範囲を限定することを意味するものではない。むしろ、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ決定されるべきである。又、本実施例における構造及び特徴は、互いに対して変更、再配置、置換、削除、複製、組み合わせ、又は追加が可能であることも企図される。
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