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  • 特許-コンピュータ保有データ取出し装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】コンピュータ保有データ取出し装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/00 20060101AFI20220615BHJP
   G06F 13/14 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
G06F3/00 A
G06F13/14 310F
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019107533
(22)【出願日】2019-06-09
(65)【公開番号】P2020201682
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2020-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】709000239
【氏名又は名称】株式会社エネサイバー
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭二
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-021691(JP,A)
【文献】特開2015-158742(JP,A)
【文献】特開2005-276075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/00
G06F 3/06-3/08
G06F 13/10-13/14
G06F 16/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得すべきデータを保有し、USBポートであるデータ受渡し用ポートを具備するデータ保有コンピュータと、
メモリデータ収集機能を含むデータ取得コンピュータと、
USBメモリであるデータ保存用メモリと、
データ保存用メモリの接続先を、データ保有コンピュータが具備するデータ受渡し用ポート、及び、データ取得コンピュータのメモリデータ収集機能のそれぞれに切り替え可能な回路切替用スィッチボックスと、
通信ケーブルを用いて、回路切替用スィッチボックスに切替信号を発行する回路切替用スィッチボックスの操作機能と、
データ保有コンピュータから発せられる画像信号、及び、データ保有コンピュータに入力されるマウス信号ならびにキーボード信号の中継機能とを備え、
第1に、回路切替用スィッチボックスの操作機能が発行した切替信号に従い、回路切替用スィッチボックスがデータ保存用メモリの接続先を、データ保有コンピュータのデータ受渡し用ポートに切り替え、
第2に、前記画像信号、及び、前記マウス信号の中継によりオペレーターがコピー、ペースト操作を行うことで、データ保有コンピュータが保有するデータをデータ保存用メモリに書き込み、
第3に、回路切替用スィッチボックスの操作機能が発行した切替信号に従い、回路切替用スイッチボックスがデータ保存用メモリの接続先を、データ保有コンピュータからメモリデータ収集機能に切り替え、データ保存用メモリからのデータ読み取りを開始する
ことを特徴とするコンピュータ保有データ取り出し装置。
【請求項2】
前記データ保有コンピュータが保有するデータは、建物設備、生産設備、プラント設備のデータであり、
前記メモリデータ収集機能は、データ保有コンピュータの通信ネットワーク機能環境から切り離された通信環境を通じて建物設備、生産設備、プラント設備のデータを収集する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ保有データ取り出し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コンピュータには、入出力装置を利用して収集したデータをそのまま保存する機能や、一定の演算処理を施した結果を保存する機能がある。
これらの保存データを、他のコンピュータに容易に移動やコピーをさせる方法について記載する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ間で各々が保有するデータの移動やコピーをするには、両者間にデータ交換用ソフトを設けて、通信機能例えばTCP/IPと呼ばれる広く普及した方法を利用して実施する方法が用いられている。この場合、データを保有するコンピュータとデータを収集するコンピュータに、データ交換用のソフトの組込をすればいいのであるが、特に前者のコンピュータには、組み込むことが困難なものが多数存在するのが実態である。
【0003】
例えば、重要なプラントを制御するために設けられるコンピュータでは、厳格なセキュリティー管理が要求されており、新たなプログラムの組込みを行うためにはプラントへの影響に関する安全のための検証など事前の作業や組込み後のプラント制御に関する再試験を行う必要があるほか、ここでは、データを収集するコンピュータとの間で通信手段を設けることにも同様の事前の検証や試験が必要となる場合が多い。
【0004】
結果として、保有するデータを、通信手段を用いて他のコンピュータに安全な方法で取出すことが困難な状況となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
データを保有するコンピュータ(データ保有コンピュータという)を対象に、機能追装を行わずに、また通信のセキュリティー機能に影響を及ぼさずに、これらのコンピュータから安全な方法で保有データを他のコンピュータ(データ取得コンピュータという)に取出す方法を実現することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
データ保有コンピュータには、標準で具備されている次の入出力ポートがある。その1は、モニター表示信号出力用ポートであり、その2は、マウスやキーボードでオペレータがコンピュータの画面を使用してデータ保有コンピュータとの対話を行うための信号入力用ポートである。その3は、メモリに蓄えられたデータの入出力を行うためのポートで、例えば、USBポートがある。
【0008】
一方、これらのデータ保有コンピュータに組込まれるオペレ―ティンシステム(OS)には、エクスプローラと呼ばれ、オペレータがマウスやキーボードを操作してコンピュータの画面を操作する方法で、データ保有コンピュータのファイルデータと、USBポートに接続されるUSBメモリとの間でデータのコピーやペーストを行う機能が標準的に具備されている。
【0009】
本発明では、データ取得コンピュータが、データ保有コンピュータが持つ標準機能である、マウスやキーボードを操作して、データ保有コンピュータのファイルを、USBメモリにコピーとペースト操作を行うという方法を採る。
【0010】
また、このUSBメモリに収録されたデータは、データ保有コンピュータの通信ネットワーク機能環境から切り離された通信環境を設ける方法でデータ取得コンピュータにデータを送信する手段を採用する方法で、データ保有コンピュータの改造を行わず、セキュリティー機能に抵触することもなく、安全にデータの移動を実施する手段で課題を解決する。
【発明の効果】
【0011】
通常のコンピュータが保有する機能を活用することで、新たな機能の追装を伴わないで、データ保有コンピュータのデータをデータ取得コンピュータに移動させることができる。
データ保有コンピュータ機能への影響はほとんどなく、またデータ保有コンピュータに設けられるネットワーク環境のセキュリティーへの影響も皆無である。
【実施例1】
【0012】
図1には、データ保有コンピュータ(1)、画像信号・マウス信号・キーボード信号中継機能(7)、回路切替用スイッチボックス(11)、データ保存用メモリ(12)、メモリデータ読出し機能および通信装置(13)、回路切替用スイッチボックスの操作機能(14)、メモリデータ収集機能(15)、画面操作機能(16)より構成される発明を示す。
【0013】
以下、本発明の作用について説明する。ここでは、データ保有コンピュータ(1)のデータは、一旦データ保存用メモリ(15)に収集して、その後に、メモリデータ収集機能(15)に再転送する。したがって、データ保存用メモリ(12)は最初にデータ保有コンピュータ(1)に接続後、最後はメモリデータ収集機能(15)に接続する方法を採る。
【0014】
ここでは回路切替用スイッチボックス(11)を設け接続先の切替を含む、3つの操作を順に実施する。はじめに、データ保有コンピュータ(1)が有するデータ受け渡し用ポート(2)とデータ保存用メモリ(12)を、互いに接続するため回路切替用スイッチボックス(11)を切替える。このために回路切替用スイッチボックスの操作機能(14)と通信ケーブル(17)を用いて、回路切替用スイッチボックス(11)に切替信号を発行する。
【0015】
2番目は、画面操作機能(16)を使用して、データ保有コンピュータ(1)のモニター画面を操作して、データファイル(2)のデータを、データ受け渡し用ポート(3)からデータ保存用メモリ(12)に収集する。
【0016】
ここでは、データ保有コンピュータ(1)が有する標準機能、たとえば、エクスプローラを使用する。第3番目は、メモリデータ収集機能(15)と、データ保存用メモリ(12)を、互いに回路切替用スイッチボックスを切替えて接続するため、回路切替用スイッチボックスの操作機能(14)と通信ケーブル(17)を用いて、回路切替用スイッチボックス(11)に切替信号を発行する。ここで、メモリデータ収集機能(15)が接続されたデータ保存用メモリ(15)を読取る。
【産業上の利用可能性】
【0017】
ビルや工場、病院、学校などには、コンピュータが設けられ、建物設備のほか、生産設備などのデータを保有しているが、残念ながら、十分な有効活用が図られているケースを見かけるのが稀な状況とおもわれる。
【0018】
理由の一つが、これらのコンピュータのデータを取出す方法が整備されていないことが挙げられる。本発明は、コンピュータが保有するデータを、容易に取出す方法であり、データ活用促進に寄与できる。たとえば、ビッグデータの収集にも効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】構成図
【符号の説明】
【0020】
1 データ保有コンピュータ
2 データファイル
3 データ受け渡し用ポート
たとえば、USBポートなど
4 マウス信号ケーブル
5 キーボード信号ケーブル
6 画像信号ケーブル
7 画像信号・マウス信号・キーボード信号中継機能
11 回路切替用スイッチボックス
12 データ保存用メモリ
13 メモリデータ読出し機能および通信装置
14 回路切替用スイッチボックスの操作機能
15 メモリデータ収集機能
16 画面操作機能
17 通信ケーブル
18 通信ケーブル
19 通信ケーブル
図1