(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20220615BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220615BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2020132831
(22)【出願日】2020-08-05
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】山田 健司
【審査官】大隈 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特許第6624329(JP,B1)
【文献】特開2016-67531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00~13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体抽選が要求されたことを契機として、複数種類のゲーム媒体のうちから前記ユーザの識別情報に関連づける当選媒体を決定する媒体抽選実行手段、
として機能させ、
前記媒体抽選実行手段は、前記媒体抽選が要求されたことに基づいて算出される所定のポイントが所定値以上となった場合に所定期間継続する特別状態で実行される前記媒体抽選を、前記所定のポイントが前記所定値未満である場合である通常状態で実行される前記媒体抽選よりも優遇
し、
前記コンピュータは、複数の端末装置とネットワークを介して接続されており、
前記所定期間継続する前記特別状態で実行される前記媒体抽選は、各端末装置を操作するユーザごとに要求され、
前記所定のポイントは、前記ユーザ全体の前記媒体抽選の要求に基づいて算出される、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記媒体抽選実行手段は、
前記媒体抽選の要求を、前記ユーザの識別情報ごとに管理し、
前記特別状態となった場合の優遇度合を前記ユーザごとに異ならせる、
請求項
1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
1人のユーザによる前記媒体抽選の要求に基づいてそのユーザについてのみの前記所定のポイントが算出されるシングルユーザ処理と、複数の前記ユーザによる前記媒体抽選の要求に基づいて複数の前記ユーザ全体についての前記所定のポイントが算出されるマルチユーザ処理とが用意されており、
前記媒体抽選実行手段は、前記所定のポイントの算出方法および前記特別状態における前記媒体抽選のいずれかについて、前記ユーザにより前記マルチユーザ処理が選択されている場合を、前記ユーザにより前記シングルユーザ処理が選択されている場合よりも優遇する、
請求項
1または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記媒体抽選実行手段は、前記媒体抽選の結果に基づいて、算出される前記所定のポイントを変動させる、
請求項1~
3のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラムおよびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによる1回の抽選要求(ガチャ要求)が受けつけられたことを契機として、ユーザに付与するゲーム媒体を選択するガチャが実行されるゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ガチャによって選択されたゲーム媒体に関する情報は、ユーザの識別情報と関連づけられる。そして、ユーザの識別情報と関連づけられたゲーム媒体に関する情報は、ユーザのゲーム装置へ送信される。これにより、複数のゲーム媒体がユーザに付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のガチャは、抽選により当選したキャラクタがユーザに付与されるだけであった。そのため、従来のガチャはゲーム性に乏しく、ガチャに対するユーザの興味が失われてしまうおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、興趣に富んだガチャを提供することのできるコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体抽選が要求されたことを契機として、複数種類のゲーム媒体のうちから前記ユーザの識別情報に関連づける当選媒体を決定する媒体抽選実行手段、
として機能させ、
前記媒体抽選実行手段は、前記媒体抽選が要求されたことに基づいて算出される所定のポイントが所定値以上となった場合に所定期間継続する特別状態で実行される前記媒体抽選を、前記所定のポイントが前記所定値未満である場合である通常状態で実行される前記媒体抽選よりも優遇する、
コンピュータプログラムである。
【0008】
また、第1の発明において、
前記コンピュータは、複数の端末装置とネットワークを介して接続されており、
前記所定期間継続する前記特別状態で実行される前記媒体抽選は、各端末装置を操作するユーザごとに要求され、
前記所定のポイントは、前記ユーザ全体の前記媒体抽選の要求に基づいて算出される、
ことができる。
【0009】
また、第1の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、
前記媒体抽選の要求を、前記ユーザの識別情報ごとに管理し、
前記特別状態となった場合の優遇度合を前記ユーザごとに異ならせる、
ことができる。
【0010】
また、第1の発明において、
1人のユーザによる前記媒体抽選の要求に基づいてそのユーザについてのみの前記所定のポイントが算出されるシングルユーザ処理と、複数の前記ユーザによる前記媒体抽選の要求に基づいて複数の前記ユーザ全体についての前記所定のポイントが算出されるマルチユーザ処理とが用意されており、
前記媒体抽選実行手段は、前記所定のポイントの算出方法および前記特別状態における前記媒体抽選のいずれかについて、前記ユーザにより前記マルチユーザ処理が選択されている場合を、前記ユーザにより前記シングルユーザ処理が選択されている場合よりも優遇する、
ことができる。
【0011】
また、第1の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、前記媒体抽選の結果に基づいて、算出される前記所定のポイントを変動させる、
ことができる。
【0012】
第2の発明は、
第1の発明のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、興趣に富んだガチャを提供することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態における、ゲームシステムの構成を示す図である。
【
図2】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態における、フィーバータイムガチャ処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
本発明の実施形態にかかるゲームシステム1について、
図1~
図5を参照して説明する。ゲームシステム1は、
図1のとおり、サーバ装置2とゲーム装置3とを備える。
【0016】
<ゲームの説明>
サーバ装置2により、ゲーム装置3で実行される下記のゲームが提供される。具体的には、ゲーム装置3では、ユーザがタッチパッド350を介して仮想ゲーム空間上のプレイヤキャラクタを操作して進行する複数のイベント(以下、「クエスト」という。)を備える所定のゲームが実行される。
【0017】
本実施形態において、ゲーム装置3にて実行されるゲームには、ユーザの操作に基づいて使用キャラクタとして設定されるとともにユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタであるモンスターを討伐するクエストパートがある。例えば、ゲーム中の1つのクエストでは、制限時間内にプレイヤキャラクタがモンスターを討伐すればそのクエストのクリア条件が満たされる。このクエストは、ユーザがタッチパッド350を操作することで進行する。
【0018】
クエストパートでは、ユーザは、ユーザが所有する(ユーザの識別情報に関連づけられた)キャラクタで構成されるデッキを構成してゲームを進行させる。具体的には、このデッキに組み込まれたキャラクタが、ユーザの操作に基づいて敵キャラクタと戦う。
【0019】
また、このゲームには、前記クエストパートのほか、媒体抽選(ガチャ)パートがある。このガチャパートでは、複数種類のゲーム媒体のうちからいずれかのゲーム媒体が選択される。具体的には、ガチャパートでは、ユーザがゲームを有利に進めることができるよう、より強力な装備、あるいは、より能力値の高いキャラクタなどのゲーム媒体に関する情報とユーザの識別情報とが関連づけられる。
【0020】
本実施形態のガチャパートにおいては、複数のガチャイベントが用意されている。ガチャイベントには、例えば、期間限定で実施されるガチャイベント、あるいは常時実施されるガチャイベントなどがある。ユーザは、いずれかのガチャイベントを選択したのち、そのガチャイベントのために用意された選択テーブル(ガチャテーブル)に基づいてガチャを実行することができる。
【0021】
また、それぞれのガチャイベントにおいては、1回の抽選要求(ガチャ要求)で1体のゲーム媒体が選択される単発ガチャと、1回のガチャ要求で10回のガチャが行われて10体のゲーム媒体が選択される10連ガチャとが用意されている。
【0022】
本実施形態においてガチャで選択されるゲーム媒体、あるいは、例えばクエストのクリア報酬で付与されるゲーム媒体はキャラクタである。また、ユーザに付与されるキャラクタには、それぞれパラメータの種類として体力値、攻撃力、防御力、スキル値のほか、属性、レアリティ(希少度)が設けられている。
【0023】
例えば、本実施形態では、キャラクタに設定される属性には、火属性、水属性、風属性などがパラメータとして設けられている。
【0024】
レアリティには、ノーマル、レア、激レア、超激レアがパラメータとして設けられている。レアリティは、超激レア、激レア、レア、ノーマルの順に希少度が高いことを示している。
【0025】
各キャラクタには、いずれか1つの属性およびレアリティが設定されている。
【0026】
以下では、キャラクタとユーザの識別情報とが関連づけられ、ユーザの識別情報が関連づけられたキャラクタに関する情報が当該ユーザのゲーム装置3へ送信されることを、「キャラクタがユーザに付与される」という場合がある。
【0027】
ユーザは、ガチャあるいはクエストのクリア報酬によって得られたキャラクタをデッキに組み込んで使用キャラクタとして設定することができる。
【0028】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成および機能的構成、ならびに前記ゲームが実行されるゲーム装置3のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0029】
なお、ゲーム装置3には、そのゲーム装置3に対応づけてユーザアカウントが付与される。このユーザアカウントはユーザアカウント情報(ユーザの識別情報)として管理される。
【0030】
ゲーム装置3が通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、そのゲーム装置3からユーザの識別情報が送信される。送信されたユーザの識別情報は、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2とゲーム装置3との通信が可能となる。
【0031】
また、ユーザには、ゲームをプレイするにあたってゲームアカウントが付与される。ゲームアカウントは、ゲームアカウント情報として管理される。
【0032】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、
図1のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0033】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス29を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0034】
制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。
【0035】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などで構成される。
【0036】
記憶部21には、例えば、ゲーム装置3にてプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータが記憶される。
【0037】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2とゲーム装置3との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。
【0038】
<サーバ装置2の制御部20の機能的構成>
サーバ装置2の制御部20は、
図1のとおり、本発明のコンピュータプログラムを実行することにより、照合手段201、ゲーム進行管理手段202、媒体抽選実行手段203、および通信手段204として機能する。
【0039】
<照合手段201の説明>
照合手段201は、ゲーム装置3から送信されるユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0040】
<ゲーム進行管理手段202の説明>
ゲーム進行管理手段202は、時間ごとに発生する複数のクエスト(例えば、午後1時~午後3時に敵キャラクタが登場するクエスト)、期間ごとに発生するクエスト、あるいは常時発生しているクエストをユーザに提供する。
【0041】
各クエストには、クエストの難易度、クエストの内容、およびクエストのクリア報酬の設定がなされている。
【0042】
ゲーム進行管理手段202は、後述のクエスト開始要求情報を受信する。
【0043】
また、ゲーム進行管理手段202は、後述のパラメータ管理手段302からクエスト選択に必要なスタミナ量が消費された旨の情報を受信したのちに、選択されたクエストを開始する。
【0044】
また、ゲーム進行管理手段202は、ゲーム装置3のユーザからの操作信号を受信して、ユーザが設定したデッキの構成に基づいた、ゲームの本編(クエスト)の進行状況を管理する。
【0045】
具体的には、ゲーム進行管理手段202は、例えば、仮想ゲーム空間でキャラクタを動作させたり、キャラクタの体力値を管理したりする。
【0046】
また、ゲーム進行管理手段202は、後述の通信手段204を介してゲームの本編(クエスト)の進行状況をゲーム装置3へ送信する。
【0047】
<媒体抽選実行手段203の説明>
媒体抽選実行手段203は、通信手段204を介してゲーム装置3から後述のガチャ要求情報を受信したことを契機としてガチャを実行する。
【0048】
媒体抽選実行手段203は、常時開催されているガチャイベント、および、開催期間(例えば、1か月間)があらかじめ定められているガチャイベントを提供する。
【0049】
なお、ユーザは、例えば、
図2における仮想ボタン341を押下することにより「ガチャイベント1」を選択することができ、
図2における仮想ボタン342を押下することにより「ガチャイベント2」を選択することができる。
【0050】
ユーザがガチャイベントを選択したのち、「単発ガチャ」を要求した場合(
図3における仮想ボタン343がタッチされた場合)には、媒体抽選実行手段203は、ユーザによる1回のガチャ要求で1回のガチャを実行し、1体の当選キャラクタを排出する。
【0051】
一方、ユーザがガチャイベントを選択したのち、「10連ガチャ」を要求した場合(
図3における仮想ボタン344がタッチされた場合)には、媒体抽選実行手段203は、ユーザによる1回のガチャ要求で連続して10回のガチャを実行し、10体のキャラクタを排出する。
【0052】
また、媒体抽選実行手段203は、後述のガチャ要求情報に従って、ゲーム内通貨である石とユーザの識別情報との関連づけを解除する。
【0053】
図4は、ガチャが実行されたあとのゲーム画面を示す例である。ゲーム装置3の液晶画面340には、当選キャラクタのキャラクタ名(例えば、「キャラクタ23」)、当選キャラクタの属性(例えば、「水属性」)、当選キャラクタのレアリティ(例えば、「激レア」)が表示されている。
【0054】
また、本実施形態においては、通常状態において実行される通常状態ガチャ処理、および、後述のフィーバータイム(特別状態の一例)において実行されるフィーバータイムガチャ処理がある。
【0055】
媒体抽選実行手段203は、通常状態において、所定の条件(キャンペーンイベントが実行されるとき、ユーザの登録数が所定数となったときなど)が満たされた場合に、ガチャを要求したユーザ全体で累計されるガチャポイント(所定のポイント)を算出するカウント期間を開始する。ガチャポイントは、各ユーザによるガチャの要求回数に基づいて算出される。また、カウント期間は、例えば、3か月間で設定される。
【0056】
媒体抽選実行手段203は、通常状態において、ガチャポイントを算出するための通常状態ガチャ処理を実行する。例えば、単発ガチャについて、ガチャポイントは1回のガチャ要求により1ポイントが加算される。一方、10連ガチャについて、ガチャポイントは1回のガチャ要求により10ポイントが加算される。
【0057】
そして、媒体抽選実行手段203は、ガチャポイントが100万ポイント(所定値の一例)以上となった場合に、発動から24時間(所定期間の一例)継続するフィーバータイムガチャ処理を実行する。
【0058】
媒体抽選実行手段203は、フィーバータイムで実行されるガチャを、ガチャポイントが100万ポイント未満である場合に実行される通常状態で実行されるガチャよりも優遇する。
【0059】
具体的には、媒体抽選実行手段203は、フィーバータイムにおけるガチャテーブルの激レア以上のキャラクタの当選確率を、通常状態におけるガチャテーブルの激レア以上のキャラクタの当選確率よりも高くする。
【0060】
なお、サーバ装置2は、通信ネットワーク4を介して複数のゲーム装置3と接続されている。そして、ガチャは、各ゲーム装置3を操作するユーザごとに要求されうる。
【0061】
媒体抽選実行手段203は、ユーザによるガチャの要求回数をそのユーザの識別情報ごとに記憶部21に記憶させて、管理する。具体的には、媒体抽選実行手段203は、ユーザごとにガチャの要求回数を累積して、ガチャポイントへの貢献度であるガチャ貢献度(合計ポイント)をユーザごとに算出する。
【0062】
このガチャ貢献度は、ユーザの識別情報と関連づけられて、記憶部21に記憶される。なお、カウント期間において、ガチャを要求しなかったユーザのガチャ貢献度は0(ゼロ)である。
【0063】
また、媒体抽選実行手段203は、ユーザごとのガチャ貢献度に応じて、フィーバータイムにおける優遇度合をユーザごとに異ならせる。
【0064】
例えば、ある1人のユーザのガチャの要求回数が50回未満である場合には、ガチャが要求されるごとにフィーバータイムとなった場合のガチャテーブルにおける激レア以上のキャラクタの当選確率が0.01%ずつ高くなる。一方、そのユーザのガチャの要求回数が50回以上である場合には、ガチャが要求されるごとに激レア以上のキャラクタの当選確率が0.02%ずつ高くなる。このように、媒体抽選実行手段203は、フィーバータイムにおいては、ユーザのガチャ貢献度に応じて、ユーザごとにガチャテーブルを書き換えてガチャを実行する。
【0065】
<通信手段204の説明>
通信手段204は、ゲーム装置3との間で、ユーザの識別情報、ゲームプログラム、ゲームアカウント情報などのゲームデータなどを送受信する。
【0066】
また、通信手段204は、ユーザによる操作信号、クエスト開始要求情報、ガチャ要求情報などをゲーム装置3から受信する。
【0067】
また、通信手段204は、クエストの進行状況に関する情報、当選キャラクタに関する情報などをゲーム装置3へ送信する。
【0068】
<ゲーム装置3のハードウェア構成>
ゲーム装置3は、
図1のとおり、スピーカ330、液晶画面340、およびタッチパッド350が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このゲーム装置3において、サーバ装置2から配信されたゲームに関するゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0069】
また、ゲーム装置3は、サーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク4を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0070】
ゲーム装置3は、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35を備える。
【0071】
記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35は、バス39を介して、制御部30に接続される。
【0072】
制御部30は、ゲーム装置3の動作を制御する。
【0073】
記憶部31は、主にHDD、RAM、ROM、SSDなどで構成される。記憶部31には、例えば、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0074】
ネットワークインターフェース32は、ゲーム装置3とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。これにより、ゲーム装置3にゲームプログラムおよびゲームデータがダウンロードされる。
【0075】
オーディオ処理部33は、制御部30の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部33には、スピーカ330が接続される。ゲーム音声は、スピーカ330から出力される。
【0076】
グラフィック処理部34は、制御部30の指示に従って仮想ゲーム空間およびプレイヤキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部34にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面340に表示される。
【0077】
操作部35には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部35には、入力位置検出装置であるタッチパッド350を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザはタッチパッド350をタッチすることによって、キャラクタの編成(デッキの構成)、クエストの選択、あるいは、プレイヤキャラクタの操作等を行う。
【0078】
<ゲーム装置3の制御部30の機能的構成>
ゲーム装置3の制御部30は、サーバ装置2からダウンロードされたゲームプログラムを実行することで、
図1のとおり、ゲーム実行手段301、媒体抽選要求手段302、および通信手段303として機能する。
【0079】
<ゲーム実行手段301の説明>
ゲーム実行手段301は、ユーザによるタッチパッド350の操作に基づいて、クエストパートおよびガチャパートを備えるゲームをゲーム装置3に実行させる。
【0080】
ゲーム実行手段301は、ユーザの操作およびサーバ装置2のゲーム進行管理手段202から送信される情報などに基づいてゲームを進行させる。
【0081】
具体的には、ゲーム実行手段301は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部31から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0082】
また、ゲーム実行手段301は、仮想ゲーム空間にプレイヤキャラクタを配置する。そして、ゲーム実行手段301は、ユーザによるタッチパッド350の操作、および、ゲーム進行管理手段202から送信されるゲームの進行状況に応じて、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0083】
また、ゲーム実行手段301は、仮想ゲーム空間、プレイヤキャラクタ、および仮想操作ボタンをゲーム画面として液晶画面340に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部34が液晶画面340上にゲーム画像を描画する。
【0084】
例えば、液晶画面340には、
図2のとおり、画面上部から「ユーザランク」、「石」(石の所有数)などが表示される。石は、ユーザが購入することにより、または、ログインボーナスなどにより、ユーザに付与される。
【0085】
また、ゲーム実行手段301は、ユーザの操作に基づいてクエストの開始を要求するためのクエスト開始要求情報を生成する。クエスト開始要求情報は、通信手段303を介してゲーム進行管理手段202へ送信される。
【0086】
<媒体抽選要求手段302の説明>
媒体抽選要求手段302は、ユーザの操作に基づいてガチャ要求が行われると、ガチャ要求情報を生成する。ガチャ要求情報には、ユーザが選択したガチャイベントの情報、ガチャの種類に関する情報のほか、消費される石の量に関する情報が含まれる。このガチャ要求情報は通信手段303を介してサーバ装置2へ送信される。
【0087】
具体的には、媒体抽選要求手段302は、ユーザが「単発ガチャ」のボタン343を押下した場合には、単発ガチャ用のガチャ要求情報を生成する。
【0088】
一方、媒体抽選要求手段302は、ユーザが「10連ガチャ」のボタン344を押下した場合には、10連ガチャ用のガチャ要求情報を生成する。
【0089】
サーバ装置2が受信したガチャ要求情報の種類により、サーバ装置2にて、対応するガチャが実行される。
【0090】
<通信手段303の説明>
通信手段303は、例えば、サーバ装置2からゲームに関するゲームプログラム、当選キャラクタに関する情報などの情報を受信する。
【0091】
また、通信手段303は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ユーザの識別情報、ゲームアカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、クエスト開始要求情報、およびガチャ要求情報などの情報をサーバ装置3へ送信する。
【0092】
<フィーバータイムガチャ処理の説明>
以下、
図5を参照して、本発明のフィーバータイムガチャ処理について説明する。なお、後述の処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0093】
まず、ゲーム装置3の媒体抽選要求手段302が、ユーザの操作に基づいて、ガチャ要求を実行する(ステップS1)。
【0094】
ついで、サーバ装置2の媒体抽選実行手段203が、ガチャの要求に必要な量の石とユーザの識別情報との関連づけを解除する。これにより、ガチャに必要な量の石が消費される(ステップS2)。
【0095】
ついで、媒体抽選実行手段203が、現在の状態がフィーバータイム中であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0096】
現在の状態がフィーバータイム中ではない(通常状態中である)と判定された場合(S3:NO)には、媒体抽選実行手段203は、ガチャの種類(単発ガチャまたは10連ガチャ)に応じたポイントをガチャポイントに加算する(ステップS8)。具体的には、媒体抽選実行手段203は、ユーザが要求したガチャが単発ガチャである場合には、ガチャポイントに1ポイントを加算し、ユーザが要求したガチャが10連ガチャである場合には、ガチャポイントに10ポイントを加算する。
【0097】
ついで、媒体抽選実行手段203が、ユーザによるガチャの要求回数に基づいて、そのユーザに関するガチャ貢献度を算出し、記憶部21に記憶させる(ステップS9)。その後、処理は、後述のステップS6へと進む。なお、この場合には、媒体抽選実行手段203は、後述のステップS5とは異なり、ガチャテーブルにおけるキャラクタの当選確率を書き換えない。
【0098】
一方、現在の状態がフィーバータイム中であると判定された場合(S3:YES)には、媒体抽選実行手段203は、ガチャを要求したユーザに関するガチャ貢献度を記憶部21から読み出す(ステップS4)。
【0099】
ついで、媒体抽選実行手段203は、通常状態用に用意されたガチャテーブルにおける激レア以上のキャラクタの当選確率を、ガチャを要求したユーザのガチャ貢献度に応じて書き換える(ステップS5)。具体的には、媒体抽選実行手段203は、ガチャ貢献度に応じて、ガチャテーブルにおけるレア以下のキャラクタの当選確率を下げ、代わりに激レア以上のキャラクタの当選確率を上げて、ガチャテーブルを書き換える。このガチャテーブルは、ユーザの識別情報に関連づけられる。
【0100】
ついで、媒体抽選実行手段203が、ユーザの識別情報に関連づけられているガチャテーブルに基づいて、ガチャを実行し(ステップS6)、ガチャの種類に応じた数量の当選キャラクタを決定する。具体的には、ユーザが要求したガチャが単発ガチャである場合には、1体の当選キャラクタを決定し、ユーザが要求したガチャが10連ガチャである場合には、10体の当選キャラクタを決定する。
【0101】
ついで、媒体抽選実行手段203が、当選キャラクタに関する情報をゲーム装置3へ送信する。これにより、当選キャラクタがユーザに付与される(ステップS7)。その後、本発明のフィーバータイムガチャ処理は終了する。
以上の手順により、本発明のフィーバータイムガチャ処理が実行される。
【0102】
以上をまとめると、本実施形態のコンピュータプログラムは、
サーバ装置2を、
ユーザの操作に基づいてガチャが要求されたことを契機として、複数種類のキャラクタのうちからユーザの識別情報に関連づける当選キャラクタを決定する媒体抽選実行手段203、
として機能させ、
媒体抽選実行手段203は、ガチャが要求されたことに基づいて算出されるガチャポイントが100万ポイント以上となった場合に24時間継続するフィーバータイムで実行されるガチャを、ガチャポイントが100万ポイント未満である場合である通常状態で実行されるガチャよりも優遇する。
【0103】
<発明の効果>
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、興趣に富んだガチャを提供することができる。
【0104】
[他の実施形態]
前記実施形態では、発動から24時間継続するフィーバータイムにおいては、激レア以上のキャラクタの当選確率が高くなるようガチャテーブルが書き換えられる例が記載されているが、本発明はこれには限られない。
【0105】
例えば、フィーバータイムにおいては、通常状態用に用意されたガチャテーブルに代えて、超激レアのキャラクタのみが当選するガチャテーブルが使用されてもよい。
【0106】
また、1回のガチャ要求で例えば超激レア以上のキャラクタが当選するまで繰り返しガチャが実行されてもよい。
【0107】
また、フィーバータイム中は、ガチャに必要な石の量が変更されてもよい。例えば、通常状態において単発ガチャを要求する場合には10個の石が必要となるのに対し、フィーバータイムにおいて単発ガチャを要求する場合には5個(または15個)の石が必要となってもよい。
【0108】
また、前記実施形態では、カウントアップされたガチャポイントのみに基づいてフィーバータイムの実行可否が判定される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。
【0109】
例えば、カウント期間が開始された際に100万ポイントのポイントが付与されており、すべてのユーザによるガチャの要求回数(または、ガチャの結果。以下、同じ)に基づいて算出されたガチャポイントが100万ポイントから減算されてもよい。そして、100万ポイントからガチャポイントを差し引いた値が最終的に0ポイントとなったときに、フィーバータイムが実行されればよい。
【0110】
また、カウント期間が開始された際にガチャポイントがユーザ全体に100万ポイント付与され、そのガチャポイントがガチャの要求回数に基づいてカウントダウンされてもよい。そして、ガチャポイントが0ポイントとなったときに、フィーバータイムが実行されればよい。
【0111】
また、前記実施形態とは異なり、1人のユーザによる要求回数に基づいてそのユーザについてのみのガチャポイントが算出されるシングルユーザ処理と、複数のユーザによる要求回数に基づいて複数のユーザ全体についてのガチャポイントが算出されるマルチユーザ処理とが用意されていてもよい。
【0112】
この場合には、媒体抽選実行手段は、ガチャポイントの算出方法およびフィーバータイムにおけるガチャのいずれか(ガチャの抽選方法、ガチャの結果など)について、ユーザによりマルチユーザ処理が選択されている場合を、ユーザによりシングルユーザ処理が選択されている場合よりも優遇してもよい。
【0113】
例えば、媒体抽選実行手段は、マルチユーザ処理の単発ガチャが実行されることによりガチャポイントに1ポイントを加算し、シングルユーザ処理の単発ガチャが実行されることによりガチャポイントに1.5ポイントを加算してもよい。
【0114】
また、媒体抽選実行手段は、マルチユーザ処理ではフィーバータイムが24時間継続するのに対し、シングルユーザ処理ではフィーバータイムが4時間しか継続しないようにすることもできる。
【0115】
また、媒体抽選実行手段は、ガチャの結果に基づいて、ガチャポイントに加算されるポイントおよびガチャ貢献度を変動させてもよい。例えば、単発ガチャが実行された場合において、当選キャラクタのレアリティが超激レアであった場合にはガチャポイントに5ポイントが加算され、当選キャラクタのレアリティがノーマルであった場合にはガチャポイントに1ポイントが加算されてもよい。
【0116】
また、ガチャポイントに加算されるポイント、ガチャ貢献度などは、ガチャが実行されるたびに抽選で決定されてもよい。
【0117】
また、ガチャポイントを累計するカウント期間が開始されてからフィーバータイムが発動するまでの期間に応じて、ガチャの優遇度合が変わってもよい。例えば、カウント期間が開始されてから3か月でフィーバータイムが発動した場合には、激レア以上のキャラクタの当選確率が2%上昇したガチャテーブルが用いられるのに対し、カウント期間が開始されてから1か月でフィーバータイムが発動した場合には、激レア以上のキャラクタの当選確率が3%上昇したガチャテーブルが用いられてもよい。
【0118】
また、前記実施形態では、フィーバータイムが発動されるためにガチャポイントが100万ポイント必要である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、カウント期間が開始される前に、媒体抽選実行手段が、ガチャポイントの目標値を抽選で決定してもよい。この場合には、カウント期間ごとにガチャポイントの目標値が異なるため、より興趣のあるガチャが提供されうる。
【0119】
またさらに、前回のカウント期間における目標値が所定値(例えば、50万ポイント)以上であった場合には、次の目標値をそれよりも低く設定することもできる。
【0120】
また、前記実施形態では、カウント期間は3か月である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、カウント期間の開始前に抽選によりカウント期間の長さが決定されてもよい。さらに、抽選により決定されたカウント期間の長さに基づいて目標値が決定されてもよい。
【0121】
また、前記実施形態においては、ユーザのガチャ貢献度に応じて、フィーバータイムにおける優遇度合をユーザごとに異ならせる例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ユーザごとのガチャ貢献度にかかわらず、カウント期間中にガチャを要求したすべてのユーザに対して、同一条件のフィーバータイムが実行されてもよい。
【0122】
また、前記実施形態では、フィーバータイムが24時間継続する例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、フィーバータイムは、1日のうち1時間実行され、その状態が1か月間続いてもよい。
【0123】
また、前記実施形態とは異なり、加算あるいは減算されるポイントは、テーブル管理あるいは確率管理がなされてもよい。例えば、所定の確率で会心の一撃が出るなどにより、ポイントの特殊な加算処理等が実行されてもよい。
【0124】
また、前記実施形態とは異なり、前回のガチャから今回のガチャを行うまでの期間が短いほど加算等されるポイントが優遇されてもよい。例えば、前回ガチャの実行から今回のガチャの実行までの期間が短いほど、高いポイントが加算されることができる。
【0125】
ランクの高いユーザあるいは課金履歴を参照してヘビーユーザであると判定されたユーザは、加算等されるポイントが優遇されてもよい。
【0126】
また、ガチャで選択されるゲーム媒体は、キャラクタに限らず、武器あるいは装備などのアイテムなど、ゲーム内で使用されるものであれば何であってもよい。
【0127】
また、1回のガチャ要求で10回のガチャが行われて10体のキャラクタが当選する10連ガチャではなく、1回のガチャ要求で5回のガチャが行われて1回のガチャにつき2体ずつのキャラクタが当選する10連ガチャに本発明が適用されてもよい。
【0128】
また、1回のガチャ要求で1回のガチャが行われて10体のキャラクタが同時に当選する10連ガチャに前記発明が適用されてもよい。
【0129】
また、前記実施形態において、媒体抽選実行手段が、ユーザによるガチャの要求回数をそのユーザの識別情報ごとに記憶部に記憶させて管理する例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、媒体抽選実行手段は、そのユーザによるガチャポイントへの貢献度をユーザの識別情報ごとに管理してもよい。この場合には、1回のガチャ要求によって、例えば、単発ガチャにおいては1ポイントが貢献度となり、10連ガチャにおいては15ポイント(すなわち、単発ガチャを10回要求するよりも、10連ガチャを1回要求するほうが、貢献度が大きい)が貢献度となるようにすることもできる。
【0130】
また、前記実施形態では、コンピュータがサーバ装置である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、一のユーザのゲーム装置がサーバ装置として機能してもよい。さらにこの場合には、BLUETOOTH(登録商標)で一方のゲーム装置と他方のゲーム装置とが接続されていてもよい。また、ゲーム装置単体で本発明のプログラムが実行されてもよく、また、サーバ装置とゲーム装置との協働により、本発明のプログラムが実行されてもよい。
【0131】
また、前記実施形態においては、ゲーム装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本発明は、これには限られない。ゲーム装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
201 照合手段
202 ゲーム進行管理手段
203 媒体抽選実行手段
204 通信手段
3 ゲーム装置
301 ゲーム実行手段
302 媒体抽選要求手段
303 通信手段
4 通信ネットワーク