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特許7089212車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20220615BHJP
   B60R 19/50 20060101ALI20220615BHJP
   B60Q 1/26 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
B60Q1/04 A
B60R19/50 C
B60Q1/26 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017154637
(22)【出願日】2017-08-09
(65)【公開番号】P2019031248
(43)【公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174366
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 史郎
(72)【発明者】
【氏名】恩田 英治
(72)【発明者】
【氏名】葵 義弘
(72)【発明者】
【氏名】澤田 達郎
(72)【発明者】
【氏名】武居 昌史
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏之
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-095024(JP,A)
【文献】特開2009-108887(JP,A)
【文献】特開2010-047183(JP,A)
【文献】特開平11-314546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00
B60R 19/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられ、車体側に固定され前記車両の前方または後方に向けて発光するランプ装置と、
前記ランプ装置に対応して開口したランプ孔を有し、前記ランプ装置の周囲を囲んで前記車両に取付けられる外装部品と、
前記外装部品の裏面側の前記ランプ孔の周縁に設けられ、前記ランプ装置側と係合する第1係合部を有する第1係合部材と、
前記ランプ装置の外周部に取付けられ、前記第1係合部と係合する第2係合部と先端部が車両の前後方向に延びて前記第1係合部を前記第2係合部へ導くガイド部とを有する第2係合部材と、を備え、
前記外装部品が前記車両に組み付けられた状態で、前記第1係合部と前記第2係合部とが係合することにより、前記ランプ装置と前記ランプ孔との相対位置が規制され
前記第1係合部は、対応する前記第2係合部材の前記ガイド部が屈曲する方向に向けて突出する係止部を有し、
前記第2係合部は、前記ガイド部の一部として車両前後方向に延びて先端に前記係止部が係止される被係止部を有し、
前記外装部品が取付けられた状態で、前記係止部が前記被係止部に係止することで前記ランプ装置に対する前記ランプ孔の相対位置を車両前後方向で規制する、
ことを特徴とする車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造。
【請求項2】
前記第2係合部および前記ガイド部は、少なくとも前記ランプ装置の上側と左右両側とに位置して設けられ、
前記第1係合部は、前記ランプ装置の前記上側と前記左右両側の各第2係合部にそれぞれ対応して設けられ、
前記ランプ装置の上側に位置する前記ガイド部は、下方に傾斜するよう屈曲され、前記ランプ装置の左右に位置する前記ガイド部は、車両左右方向に傾斜するよう屈曲されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造。
【請求項3】
前記ランプ装置の左右に位置する前記ガイド部は、車両左右方向で互いに反対方向に傾斜するよう屈曲されている
ことを特徴とする請求項2に記載の車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造。
【請求項4】
前記第2係合部の少なくとも一つは、前記第2係合部材に開口された係止孔を有し、
前記被係止部が前記係止孔の前後の縁部から延設され、
前記係止部は、前記係止孔内に嵌入された状態で前記被係止部の先端に係止される、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造。
【請求項5】
前記ランプ装置の左右に位置する前記第2係合部に対応する前記第1係合部の前記係止部の上端には、該係止部の突出する方向に向けて下方に傾斜する傾斜部が形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造。
【請求項6】
前記第2係合部材が可撓性を有して弾性変形可能とされている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造。
【請求項7】
前記ランプ装置の外周縁には、該ランプ装置の外方に向けて延びる位置規制部が設けられ、
前記第1係合部材には、前記位置規制部に対応するよう位置する被規制部が設けられ、
前記被規制部は、前記第1係合部と前記第2係合部とが係合状態のとき、前記車両の前後方向で前記位置規制部と近接する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はランプ装置の周囲が外装部品に囲まれた車両に係り、特にランプ装置が露出される外装部品の開口との相対位置を位置決めする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の前部にはラジエータを挟んでヘッドランプが一対に設けられている。ヘッドランプは、例えば夜間のような暗い場所で車両を走行させるときに、車両の前方を照らすことで、運転手の視認性を向上させることを目的としたランプである。
最近では、車両の前部のデザイン性を向上させるため、ヘッドランプの周囲をバンパで囲むデザインのものがある。このような車両の場合、ヘッドランプの位置に合わせてバンパに開口部(ランプ孔)を設け、該開口部からヘッドランプが露出するようにヘッドランプを嵌合させている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-297356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のようにバンパの開口部にヘッドランプを嵌合させる構造の場合、バンパを車両に組み付けるときにバンパの左右に設けた開口部(ランプ孔)と左右それぞれのヘッドランプとの位置合わせが難しく艤装性が悪かった。また、バンパを組み付ける際に、バンパでヘッドランプのレンズ面を傷つけてしまう虞があった。
また、バンパの取付け後においても、日射やヘッドランプ等の熱の影響によってバンパが膨張して歪むことで嵌合するバンパの開口部とヘッドランプとの相対位置がずれ、隙間ができるなど見栄えが悪化する虞や、バンパがヘッドランプに接触して異音やヘッドランプのレンズ面の傷つきの原因になる虞があった。すなわち、従来の技術には、艤装性および見栄えの点で改善の余地があった。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バンパ等の外装部品によってランプ装置の周囲が囲まれた車両において、車体側に設けたランプ装置と外装部品の開口部(ランプ孔)との相対位置のずれを抑制するとともに、外装部品の艤装性を向上することができる車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造は、車両に設けられ、車体側に固定され前記車両の前方または後方に向けて発光するランプ装置と、前記ランプ装置に対応して開口したランプ孔を有し、前記ランプ装置の周囲を囲んで前記車両に取り付けられる外装部品と、前記外装部品の裏面側の前記ランプ孔の周縁に設けられ、前記ランプ装置側と係合する第1係合部を有する第1係合部材と、前記ランプ装置の外周部に取付けられ、前記第1係合部と係合する第2係合部と先端部が車両の前後方向に延びて前記第1係合部を前記第2係合部へ導くガイド部とを有する第2係合部材と、を備え、前記外装部品が前記車両に組み付けられた状態で、前記第1係合部と前記第2係合部とが係合することにより、前記ランプ装置と前記ランプ孔との相対位置が規制され、前記第1係合部は、対応する前記第2係合部材の前記ガイド部が屈曲する方向に向けて突出する係止部を有し、前記第2係合部は、前記ガイド部の一部として車両前後方向に延びて先端に前記係止部が係止される被係止部を有し、前記外装部品が取付けられた状態で、前記係止部が前記被係止部に係止することで前記ランプ装置に対する前記ランプ孔の相対位置を車両前後方向で規制することを特徴とする。
【0007】
これにより、車体側に固定されたランプ装置の周囲が外装部品で囲まれた車両において、外装部品が取付けられた状態で、ランプ孔の周囲に設けた第1係合部材の第1係合部と、ランプ装置の外周部に設けた第2係合部材の第2係合部とが係合されてランプ装置に対する外装部品のランプ孔の相対位置が位置決めされるので、外装部品の取付け時や取付け後においてランプ孔とランプ装置との相対位置のずれが抑制でき、隙間管理が確実かつ容易となり、見栄えが悪化することを抑制することができる。また、第2係合部材に前後方向に延びるガイド部が設けられており、外装部品の取付け工程において、第1係合部材の第1係合部をガイド部に当てて押し込むことで第1係合部を第2係合部へ誘導することができるので、作業者は、嵌合部分を注視することなく、ランプ装置とランプ孔とを的確な位置で嵌合させながら外装部品を取付けることが可能とされる。このため、外装部品の艤装性を向上させることが可能とされる。 更に、ランプ装置に対するランプ孔の前後方向での相対位置を確実に規制することができるので、外気等の熱によって外装部品が膨張して前後に歪むようなことがあっても、ランプ孔とランプ装置との相対位置のずれを抑制して隙間ができるのを防止することができ、見栄えが悪化することを確実に抑制することが可能とされる。
【0008】
その他の態様として、前記第2係合部および前記ガイド部は、少なくとも前記ランプ装置の上側と左右両側とに位置して設けられ、前記第1係合部は、前記ランプ装置の前記上側と前記左右両側の各第2係合部にそれぞれ対応して設けられ、前記ランプ装置の上側に置する前記ガイド部は、下方に傾斜するよう屈曲され、前記ランプ装置の左右に位置する前記ガイド部は、車両左右方向に傾斜するよう屈曲されているのが好ましい。
【0009】
これにより、ランプ装置の上側および左右両側の3箇所で位置が規制されるので、より確実かつ正確にランプ孔の位置決めを行うことができる。また、ランプ装置の上側のガイド部が下方へ傾斜するよう屈曲され、ランプ装置の左右のガイド部が左右方向へ傾斜するよう屈曲されているので、外装部品の取付け工程において、ランプ装置にランプ孔を嵌合させる際に、ランプ孔の第1係合部材の位置がランプ装置に対して多少ずれていても第1係合部を確実にガイド部に当てることでき、ガイド部で第1係合部を第2係合部へ誘導してランプ装置とランプ孔との相対位置を位置決めすることが可能とされる。
【0010】
その他の態様として、前記ランプ装置の左右に位置する前記ガイド部は、車両左右方向で互いに反対方向に傾斜するよう屈曲されているのが好ましい。
これにより、第2係合部材によってランプ装置に対するランプ孔の左右方向での相対位置を左右両方向から規制することができるので、ランプ装置に対してランプ孔の位置決めをより正確に行うことが可能とされる。
【0011】
その他の態様として、前記第1係合部は、対応する前記第2係合部材の前記ガイド部が屈曲する方向に向けて突出する係止部を有し、前記第2係合部は、前記ガイド部の一部として車両前後方向に延びて先端に前記係止部が係止される被係止部を有し、前記外装部品が取り付けられた状態で、前記係止部が前記被係止部に係止することで前記ランプ装置に対する前記ランプ孔の相対位置を車両前後方向で規制するのが好ましい。
【0012】
の他の態様として、前記第2係合部の少なくとも一つは、前記第2係合部材に開口された係止孔を有し、前記被係止部が前記係止孔の前後の縁部から延設され、前記係止部は、前記係止孔内に嵌入された状態で前記被係止部の先端に係止されるのが好ましい。
【0013】
これにより、係止部が係止孔内に嵌り込んだ状態で被係止部に係止されるので、第1係合部の係止部と第2係合部の被係止部との係止位置がずれることがない。そのため第1係合部と第2係合部の係合をより確実に行うことが可能となる。したがって、ランプ装置に対するランプ孔の相対位置のずれをより確実に抑制することが可能とされる。
その他の態様として、前記ランプ装置の左右に位置する前記第2係合部に対応する前記第1係合部の前記係止部の上端には、該係止部の突出する方向に向けて下方に傾斜する傾斜部が形成されているのが好ましい。
【0014】
これにより、外装部品の取外し時にバンパを上方に移動することで傾斜部を被係止穴の上側の縁に接触させ、係止部と被係止爪とを離間する方向に移動させながら係止部と被係止爪とを脱離状態にすることができる。ゆえに、外装部品の取外し作業が容易となり、作業性が向上することが可能とされる。
その他の態様として、前記第2係合部材が可撓性を有して弾性変形可能とされているのが好ましい。
【0015】
これにより、第2係合部材が弾性変形可能とされているので、外装部品取付け時に第1係合部材と第2係合部材との相対位置のずれが生じる場合であっても、ガイド部を撓ませながら第1係合部を第2係合部に良好に誘導して係止させることが可能とされ、外装部品のランプ孔の位置決めを容易にすることが可能とされる。
その他の態様として、前記ランプ装置の外周縁には、該ランプ装置の外方に向けて延びる位置規制部が設けられ、前記第1係合部材には、前記位置規制部に対応するよう位置する被規制部が設けられ、前記被規制部は、前記第1係合部と前記第2係合部とが係合状態のとき、前記車両の前後方向で前記位置規制部と近接するのが好ましい。
【0016】
これにより、第1係合部材と第2係合部材とが係合状態のとき、ランプ装置の外周縁の位置規制部と第1係合部材側の被規制部とが前後方向で近接した位置とされるので、外装部品を取付ける際に必要以上に押し込まれた場合や、外装部品が熱膨張により変形してランプ孔が後方側(ランプ装置側)へ移動するような場合であっても、第1係合部材の被規制部がランプ装置の位置規制部に当接して外装部品のランプ孔の縁部が後方にずれるのを抑制することができる。したがって、組み付け時や熱膨張による変形時に、ランプ孔の縁部がランプ装置の透過面に接触して透過面を傷つけることを抑制することが可能とされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造によれば、外装部品に設けたランプ孔からランプ装置が露出される車両において、車体側に固定されたランプ装置に対する外装部品のランプ孔の位置決めを容易かつ的確に行うことができる上、外装部品の熱膨張等によるランプ孔とランプ装置との相対位置のずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】車両前部の概略構成図である。
図2】第1実施形態に係る位置決め構造の構成図である。
図3】バンパを車両に取付ける前における、図中のI-I断面の断面図である。
図4】枠部材の係止部がガイド部材と接触している、図中のI-I断面の断面図である。
図5】バンパが車両に取付けられた状態の、図中のI-I断面の断面図である。
図6】バンパ取付け時の作業者の視点を示した概略図である。
図7】バンパを車両から取り外すときの左側のガイド部材および左側の係止部の詳細図である。
図8】バンパを車両から取り外すときの上側のガイド部材および上側の係止部の詳細図である。
図9】第2実施形態に係る位置決め構造の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1を参照すると、車両1前部の概略構成図が示されている。
第1実施形態に係る車両1は、バンパ(外装部品)3が装着される部位に左右のヘッドランプ(ランプ装置)5、105が配設され、ヘッドランプ5、105の周囲がバンパ3で囲まれている。
【0020】
ヘッドランプ5、105は、主に夜間において車両1の前方を照らすランプ装置であり、ラジエータ7を挟むようにして車両1の左右方向(車幅方向)両側に取付けられている。
バンパ3は、例えばポリプロピレン等の柔軟な材質で構成されており、車両1の左右方向に跨って配設されている。バンパ3のヘッドランプ5、105に対応する箇所、即ちヘッドランプ5、105と車両1の前後方向で対向する位置には、ヘッドランプ5、105の前面(アウタレンズ12)を露出するランプ孔3a、103aが開口されている。このランプ孔3a、103aによりヘッドランプ5、105の発する光が車両1の前方へ照射可能とされている。
【0021】
即ち、バンパ3は、ヘッドランプ5、105を覆う様にして車両1の前部に配設されており、ヘッドランプ5、105がランプ孔3a、103aから露出するようにランプ孔3a、103aに嵌合している。
図2を参照すると、第1実施形態に係る位置決め構造の構成図が示されている。なお、ここでは車両1左側のヘッドランプ5について説明するが、車両1右側のヘッドランプ105についてもヘッドランプ5と左右対称である以外は同様の構造である。
【0022】
ヘッドランプ5は、ランプハウジング10およびアウタレンズ12を含んで構成されている。
ランプハウジング10は、車両1前方に向かって前部が開口された箱状を成しており、内部に光源であるLED14が車両1の前方を照らすように設けられている。ランプハウジング10は、図示しない取付け部によって車両1に取付いている。
【0023】
アウタレンズ12は、ランプハウジング10の内部に設けられたLED14の光を透過可能な透過面12aを有する、透明かつ硬質の樹脂でできており、ランプハウジング10の前部(開口)を塞ぐように設けられている。また、アウタレンズ12の外周縁は、LED14の雨や砂埃等による劣化を防止するためにランプハウジング10の外周部と隙間なく溶着している。また更に、アウタレンズ12の前部であって、透過面12aの外周縁には、全周に亘って外方に拡径されたレンズリブ(位置規制部)16が設けられている。本実施形態では、アウタレンズ12の透過面12aの外周縁に透過面12aの表面よりも車両1後方側に一段凹んだ段差部を形成し、この段差部でレンズリブ16を構成している。
【0024】
ヘッドランプ5とバンパ3のランプ孔3aとの間には、ヘッドランプ5とランプ孔3aとの位置をずらすことなくバンパ3を組み付けるために、ヘッドランプ5とランプ孔3aとの相対位置を規制するガイド部材(第2係合部材)20と枠部材(第1係合部材)30とが配設されている。
ガイド部材20は、可撓性を有する弾性変形可能な樹脂製の矩形平板部材であり、ヘッドランプ5の外周部分、本実施形態では、ランプハウジング10の上部と左右側部の3箇所に取付けられている。
【0025】
これら3つのガイド部材20は、車両1の前後方向に延びて構成され、延設方向の後部(基部)がランプハウジング10に固定され、前部(先端部)がアウタレンズ12の前面(透過面12a)の近傍の位置まで延びている。ガイド部材20は、その延設方向(車両1前後方向)の前端(先端)側の部位を傾斜するよう屈曲させ、後述する枠部材30を係合箇所まで導くガイド部28を有している。また、ガイド部材20には、枠部材30が係合される被係止穴(係止孔、第2係合部)22および被係止爪(被係止部、第2係合部)26と、ランプハウジング10に固定される固定穴24とが設けられている。
【0026】
説明の便宜上、ガイド部材20をランプハウジング10(ヘッドランプ5)の左右方向左側に位置するガイド部材20Lと、上下方向上側に位置するガイド部材20Uと、左右方向右側に位置するガイド部材20Rとに分けて説明する。但し、総称的に適宜L、R、Uを外してガイド部材20も使用する。以下、同様に、他の符号についてもL、R、Uを付して説明するが、総称的に適宜L、R、Uを外しても使用する。
【0027】
ガイド部材20Lは、面を車両1の左右方向に向けてランプハウジング10(ヘッドランプ5)の左側に設けられている。そして、ガイド部材20Lの延設方向(車両1前後方向)の前端(先端)側のガイド部28Lは、ランプハウジング10の中心側(LED14側)、即ち車両1の左右方向の内側(車幅方向中央側)に傾斜するよう屈曲されている。本実施形態では、ガイド部28Lは、例えば略10度、車両1の左右方向右側に傾斜するように曲がっている。
【0028】
ガイド部材20Lのガイド部28Lの後方には、左右方向に開口した被係止穴22Lが設けられている。また、被係止穴22Lの前縁(前端側の縁)には、ガイド部28Lの一部として連続して形成され、被係止穴22L内を車両1後方に向かって延びる被係止爪26Lが設けられている。
固定穴24Lは、ランプハウジング10にガイド部材20Lを固定するための穴であり、ガイド部材20Lは、固定穴24Lに挿通したネジ部材(図示なし)をランプハウジング10に設けられた雌ネジ部10aに螺合することで固定される。
【0029】
ガイド部材20Uは、ガイド部材20Lとほぼ同様の構成をしており、面を車両1の上下方向に向けてランプハウジング10(ヘッドランプ5)の上側に設けられている。本実施形態では、ガイド部材28Uが略10度、車両1の上下方向下側(ランプハウジング10の中心側)に傾斜するように曲がっている。また、被係止穴22Uは、上下方向に開口されている。
【0030】
ガイド部材20Rもまたガイド部材20Lとほぼ同様の構成をしており、面を車両1の左右方向に向けてランプハウジング10(ヘッドランプ5)の右側でガイド部材20Lと対向して設けられている。本実施形態では、ガイド部28Rが略10度、ランプハウジング10の中心側とは反対側、即ちガイド部材20Lのガイド部28Lと同様、車両1左右方向右側(車幅方向の中央側)に曲がっている。なお、被係止穴22Rも左右方向に開口されている。
【0031】
枠部材30は、硬質樹脂製で略環状の部材であり、バンパ3裏面のランプ孔3aの周囲に例えば両面テープによって留め付けられている。また、枠部材30には、各ガイド部材20に対応する位置に係止部(第1係合部)32が設けられている。係止部32は、枠部材30におけるガイド部材20の被係止穴22に対応する位置で、ガイド部28が曲げられた(傾斜した)方向と同じ方向に突出されている。そして係止部32は、バンパ3を車両1に取付けた状態、即ちランプ孔3aにヘッドランプ5を嵌合した状態で、被係止穴22内に嵌入されて被係止爪26の先端(後端部)と前後方向で係止されるよう構成されている。
【0032】
本実施形態の各係止部32について詳しく説明する。枠部材30のガイド部材20Lに対応する位置(枠部材30の左側部)に設けられた係止部32Lは、ガイド部28Lの曲がる方向と同じ枠部材30の車両1左右方向左側から右側、即ち枠部材30の左側部から内周側に向かって突出されている。そして、係止部32Lは、バンパ3を取付けた状態でガイド部材20Lの被係止穴22Lに車両1左側から臨んで被係止爪26Lに係止される。
【0033】
ガイド部材20Uに対応する位置(枠部材30の上部)に設けられた係止部32Uもまた、係止部32Lとほぼ同様の構成をしており、ガイド部28Uの曲がる方向と同じ車両1上下方向下側、即ち枠部材30の上部から内周側に向かって突出されている。そして、係止部32Uは、バンパ3を取付けた状態でガイド部材20Uの被係止穴22Uに車両1上方側から臨んで被係止爪26Uに係止される。
【0034】
ガイド部材20Rに対応する位置(枠部材30の右側部)に設けられた係止部32Rもまた、係止部32Lとほぼ同様の形状をしており、ガイド部28Rの曲がる方向と同じ枠部材30の車両1左右方向右側から左側に、即ち枠部材30の右側部から外周側に向かって突出されている。そして、係止部32Rは、バンパ3を取付けた状態でガイド部材20Rの被係止穴22Rに車両1左側から臨んで被係止爪26Rに係止される。
【0035】
また、枠部材30の左右の係止部32Lおよび係止部32Rの車両1上下方向上側の角には、各突出方向に向かうにつれて下方に傾くように傾斜部34L、34Rが設けられている。枠部材30のアウタレンズ12に設けられたレンズリブ16に対応する部分には、車両1後方に延びる枠リブ(被規制部)36が設けられている。枠リブ36は、バンパ3を取付ける時に、ランプ孔3aの端縁がアウタレンズ12に接触しないようにアウタレンズ12のレンズリブ16とで前後方向での位置(間隔)を規制している。なお、バンパ3を車両1から取り外すときに枠リブ36がアウタレンズ12を傷つけないために、枠リブ36の端部には、コーティング剤を塗布するようにしてもよい。
【0036】
図3を参照すると、バンパ3を車両1に取付ける前における、図2中のI-I断面の断面図が示されている。また、図4を参照すると、枠部材30の係止部32がガイド部材20Lと接触している、図2中のI-I断面の断面図が示されている。また更に、図5を参照すると、バンパ3が車両1に取付けられた状態の、図2中のI-I断面の断面図が示されている。
【0037】
以下、図3図5を用いて、バンパ3を車両1に取付ける作業工程において、ヘッドランプ5に対してランプ孔3aを嵌合させるときの枠部材30(係止部32L)とガイド部材20Lとの作用を説明する。
バンパ3を車両1に取付ける、即ちバンパ3が車両1の前方から車両1に向かって移動するとき、バンパ3のランプ孔3aに組み付けられた枠部材30もまた車両1に向かって移動する(図3)。
【0038】
バンパ3が車両1の前方から車両1に向かって移動すると、枠部材30に設けられた係止部32Lがガイド部材20Lのガイド部28Lと接触する。さらにバンパ3が車両1側へ移動されるとガイド部材20Lのガイド部28Lが枠部材30の係止部32Lに押されて被係止爪26Lとともにアウタレンズ12側に撓む(図4)。
その後、バンパ3が車両1に組み付いたとき、係止部32Lがガイド部材20Lの被係止爪26Lを乗り越えて被係止穴22Lに臨む位置とされる。そして、ガイド部28Lが元の状態に戻ると、係止部32Lが被係止穴22L内に嵌入された状態となるとともに被係止爪26Lに前後方向で係止される(図5)。
【0039】
即ち、係止部32Lが被係止爪26Lの先端(後端縁)に後方側から係止し、被係止爪26Lと係止部32Lとが係合することで、バンパ3が車両1の前方向に移動すること、換言すれば、ランプ孔3aがヘッドランプ5対して車両1前方側にずれることを規制している。なお、係止部32Lが被係止穴22L内に嵌入されているので、被係止爪26Lに対して係止部32Lの位置が上下方向にずれることなく係止状態が維持される。
【0040】
またこのとき、アウタレンズ12のレンズリブ16と枠部材30の枠リブ36とが対向されて互いに近接または当接された状態となる。これによって、バンパ3が車両1の後ろ方向に移動すること、換言すれば、ランプ孔3aがヘッドランプ5対して車両1の後方側にずれることを規制することができるので、ランプ孔3aの縁部がアウタレンズ12に当たることを防止することができる。更に、ガイド部材20Lと枠部材30とが車両1左右方向に重なった状態で接しており、ランプ孔3aがヘッドランプ5に対して車両1の右方向にずれることを規制している。
【0041】
このように、ガイド部材20Lと枠部材30(係止部32L)とが係合することで、ランプ孔3aとヘッドランプ5との相対位置が規制され、ヘッドランプ5に対するランプ孔3aのずれを抑制することができる。
ここでは、図3図5を用いてガイド部材20Lと枠部材30(係止部32L)との係合を説明したが、ガイド部材20Uおよびガイド部材20Rもまた同様にして枠部材30(係止部32Uおよび係止部32R)と係合される。
【0042】
即ち、ランプ孔3aとヘッドランプ5との相対位置は、ガイド部材20Uによって車両1前後方向と上下方向(下方側)とにずれることが抑制され、ガイド部材20L、20Rによって車両1前後方向と車両1左右方向右側とにずれることが抑制される。
これにより、各ガイド部材20と枠部材30によって、ランプ孔3aがヘッドランプ5に対し、車両1前後方向、上下方向および左右方向にずれることを抑制することができる。
【0043】
また、図6を参照すると、バンパ3取付け時の作業者の視点で示した概略図が示されており、取付け作業者は、ランプ孔3aとヘッドランプ5との相対位置が見づらくなっている。しかしながら、ガイド部材20Lのガイド部28Lおよびガイド部材20Rのガイド部28Rが車両1の左右方向右側(車幅方向内側)に曲がっており、ガイド部材20Uのガイド部28Uが車両1の下方側に曲がっていることにより、ガイド部28に枠部材30の係止部32が接触するように押し込めば、係止部32がガイド部28によって被係止穴22(被係止爪26)まで案内されるので、作業者は、ランプ孔3aとヘッドランプ5との相対位置を注視することなくバンパ3を取付けることができる。
【0044】
その後、バンパ3の図示しない任意の箇所を固定部材で車両1に固定することで、バンパ3の車両1への取付けが終了する。
次にバンパ3を車両1から取り外す場合について説明する。バンパ3の固定部材を取外したあと、バンパ3を上方向に持ち上げて車両1とバンパ3とを相対的に上下方向にずらすことでバンパ3を車両1から取り外すことができる。即ち、バンパ3と共に枠部材30がガイド部材20に対して上方に移動することで、ガイド部材20と枠部材30とを脱離することができる。
【0045】
図7を参照すると、バンパ3を車両1から取り外すときのガイド部材20L(被係止穴22Lおよび被係止爪26L)と枠部材30の係止部32Lとの状態が図中の部分Aの拡大図とともに時系列的に示されている。また、図8を参照すると、バンパ3を車両1から取り外すときのガイド部材20U(被係止穴22Uおよび被係止爪26U)と枠部材30の係止部32Uとの状態が、図中のII-II断面の断面図とともに時系列的に示されている。 なお、図7および図8中では、ガイド部材20L、20Uと枠部材30とを見分けるためにガイド部材20L、20Uを斜線で表しており、断面を示すものではない。
【0046】
まず図7を使って、バンパ3を取り外す際のガイド部材20Lと枠部材30の作用について詳しく説明する。ガイド部材20Lの被係止爪26Lと枠部材30の係止部32Lとが係止している状態(係止状態)から枠部材30が上方に移動すると、ガイド部材20Lの被係止穴22Lの上側の縁と係止部32Lの傾斜部34Lが接触する(接触)。
その後、更に枠部材30が上方に移動すると、ガイド部材20Lは、傾斜部34Lによって次第に車両1左右方向右側に押し込まれて撓む。
【0047】
その後も更に、枠部材30が上方に移動すると、係止部32Lがガイド部材20Lに乗り上げて被係止穴22Lから脱離した状態となり、係止部32Lと被係止爪26Lとの係止が外れる。
このとき、ガイド部材20Rの被係止爪26Rと係止部32Rとの係止状態も、ガイド部材20Lの被係止爪26Lと係止部32Lと同様、係止部32Rが被係止爪26Rから脱離されて係止が外れる。
【0048】
次に図8を使って、バンパ3を取り外す際のガイド部材20Uと枠部材30の作用について詳しく説明する。ガイド部材20Uの被係止爪26Uと枠部材30の係止部32Uとが係止している状態(係止状態)から枠部材30が上方に移動すると、係止部32Uが被係止穴22Uの縁と摺動しながら上昇する(上昇)。
その後、更に、枠部材30が上方に移動すると、係止部32Uが被係止穴22Uより脱離されて係止部32Uと被係止爪26Uとの係止が外れる。
【0049】
このようにして、バンパ3を上方に持ち上げると、各ガイド部材20と枠部材30との係止が外れて脱離状態となり、バンパ3を前方側へ移動させることが可能となるので、バンパ3を車両1から取り外すことが可能となる。なお、枠リブ36の後方側の端部が透過面12aに触れないようにバンパ3を前側に引きながら上方に持ちあげるようにしてもよい。
【0050】
以上説明したように、本発明に係る車両のランプ装置と外装部品との位置決め構造は、車両1に設けられ、車両1の前方または後方に向けて発光するヘッドランプ5と、ヘッドランプ5に対応して開口したランプ孔3aを有し、ヘッドランプ5の周囲を囲んで車両1に取り付けられるバンパ3と、バンパ3の裏面側のランプ孔3aの周縁に設けられ、ヘッドランプ5側と係合する枠部材30を有する枠部材30と、ヘッドランプ5の外周部に取付けられ、枠部材30と係合するガイド部材20と先端部が車両1の前後方向に延びて枠部材30をガイド部材20へ導くガイド部28とを有するガイド部材20とを備え、バンパ3が車両1に組み付けられた状態で、枠部材30とガイド部材20とが係合することにより、ヘッドランプ5とランプ孔3aとの相対位置が規制されている。
【0051】
従って、ヘッドランプ5の周囲がバンパ3で囲まれた車両1において、バンパ3が取付けられた状態で、ランプ孔3aの周囲に設けた枠部材30の係止部32と、ヘッドランプ5の外周部に設けたガイド部材20の被係止穴22とが係合されてヘッドランプ5に対するバンパ3のランプ孔3aの相対位置が位置決めされるので、バンパ3の取付け時や取付け後においてランプ孔3aとヘッドランプ5との相対位置のずれが抑制でき、隙間管理が確実かつ容易となり、見栄えが悪化することを抑制することができる。また、ガイド部材20に前後方向に延びるガイド部28が設けられており、バンパ3の取付け工程において、枠部材30の係止部32をガイド部28に当てて押し込むことで係止部32を被係止穴22へ誘導することができるので、作業者は、嵌合部分を注視することなく、ヘッドランプ5とランプ孔3aとを的確な位置で嵌合させながらバンパ3を取付けることが可能とされる。このため、バンパ3の艤装性を向上させることができる。
【0052】
特に、被係止穴22およびガイド部28は、少なくともヘッドランプ5の上側と左右両側とに位置して設けられ、被係止穴22は、ヘッドランプ5の上側と左右側の各係止部32にそれぞれ対応して設けられ、ヘッドランプ5の上側に位置するガイド部28は、下方に傾斜するよう屈曲され、ヘッドランプ5の左右に位置するガイド部28は、車両1左右方向に傾斜するよう屈曲されている。
【0053】
従って、ヘッドランプ5の上側および左右両側の3箇所で位置が規制されるので、より確実かつ正確にランプ孔3aの位置決めを行うことができる。また、ヘッドランプ5の上側のガイド部28が下方へ傾斜するよう屈曲され、ヘッドランプ5の左右のガイド部28が左右方向へ傾斜するよう屈曲されているので、バンパ3の取付け工程において、ヘッドランプ5にランプ孔3aを嵌合させる際に、ランプ孔3aの枠部材30の位置がヘッドランプ5に対して多少ずれていても係止部32を確実にガイド部28に当てることでき、ガイド部28で係止部32を被係止穴22へ誘導してヘッドランプ5とランプ孔3aとの相対位置を位置決めすることができる。
【0054】
そして、ヘッドランプ5の左右に位置するガイド部28は、車両1左右方向で互いに反対方向に傾斜するよう屈曲されている。
従って、被係止穴22によってヘッドランプ5に対するランプ孔3aの左右方向での相対位置を左右両方向から規制することができるので、ヘッドランプ5に対してランプ孔3aの位置決めをより正確に行うことができる。
【0055】
そして、係止部32は、対応するガイド部材20のガイド部28が屈曲する方向に向けて突出する係止部32を有し、被係止穴22は、ガイド部28の一部として車両1前後方向に延びて先端に係止部が係止される被係止爪26を有し、バンパ3が取り付けられた状態で、係止部32が被係止爪26に係止することでヘッドランプ5に対するランプ孔3aの相対位置を車両1前後方向で規制している。
【0056】
従って、ヘッドランプ5に対するランプ孔3aの前後方向での相対位置を確実に規制することができるので、外気等の熱によってバンパ3が膨張して前後に歪むようなことがあっても、ランプ孔3aとヘッドランプ5との相対位置のずれを抑制して隙間ができるのを防止することができ、見栄えが悪化することを確実に抑制することができる。
そして、被係止穴22の少なくとも一つは、ガイド部材20に開口された被係止穴22を有し、被係止爪26が被係止穴22の前後の縁部から延設され、係止部32は、被係止穴22内に嵌入された状態で被係止爪26の先端に係止されている。
【0057】
従って、係止部32が被係止穴22内に嵌り込んだ状態で被係止爪26に係止されるので、係止部32の係止部32と被係止穴22の被係止爪26との係止位置がずれることがない。そのため係止部32と被係止穴22の係合をより確実に行うことが可能となる。したがって、ヘッドランプ5に対するランプ孔3aの相対位置のずれをより確実に抑制することができる。
【0058】
そして、ヘッドランプ5の左右に位置する被係止穴22に対応する係止部32の係止部32の上端には、該係止部32の突出する方向に向けて下方に傾斜する傾斜部34が形成されている。
従って、バンパ3の取外し時にバンパを上方に移動することで傾斜部34を被係止穴22の上側の縁に接触させ、係止部32と被係止爪26とを離間する方向に移動させながら係止部32と被係止爪26とを脱離状態にすることができる。ゆえに、バンパ3の取外し作業が容易となり、作業性が向上することができる。
【0059】
そして、ガイド部材20が可撓性を有して弾性変形可能とされている。
従って、ガイド部材20が弾性変形可能とされているので、バンパ3取付け時に枠部材30とガイド部材20との相対位置のずれが生じる場合であっても、ガイド部28を撓ませながら係止部32を被係止穴22に良好に誘導して係止させることが可能とされ、バンパ3のランプ孔3aの位置決めを容易にすることができる。
【0060】
そして、ヘッドランプ5の外周縁には、該ヘッドランプ5の外方に向けて延びるレンズリブ16が設けられ、枠部材30には、レンズリブ16に対応するよう位置する枠リブ36が設けられ、枠リブ36は、係止部32と被係止穴22とが係合状態のとき、車両1の前後方向でレンズリブ16と近接している。
従って、係止部32と被係止穴22とが係合状態のとき、ヘッドランプ5の外周縁のレンズリブ16と係止部32側の枠リブ36とが前後方向で近接した位置とされるので、バンパ3を取付ける際に必要以上に押し込まれた場合や、バンパ3が熱膨張により変形してランプ孔3aが後方側(ヘッドランプ5側)へ移動するような場合であっても、枠部材30の枠リブ36がヘッドランプ5のレンズリブ16に当接してバンパ3のランプ孔3aの縁部が後方にずれるのを抑制することができる。したがって、組み付け時や熱膨張による変形時に、ランプ孔3aの縁部がヘッドランプ5の透過面12aに接触して透過面12aを傷つけることを抑制することができる。
【0061】
<第2実施形態>
以下、図9に基づき第2実施形態について説明する。
なお、上記第1実施形態と共通の構成については説明を省略し、ここでは第1実施形態と異なる部分について説明する。
図9を参照すると、第2実施形態に係るヘッドランプ5の構成図が示されている。
【0062】
第1実施形態との相違点は、ヘッドランプ5のランプハウジング10の左右方向両側部に設けられるガイド部材120Lおよびガイド部材120Rのガイド部128Lおよびガイド部128Rの傾斜する(曲げられる)方向と、枠部材130の係止部132Lおよび係止部132Rの突出方向が互いに反対方向とされている点である。
詳しくは、ガイド部材120Lが、ガイド部材120Lを180度回転させる(裏返す)ようにして構成されており、ガイド部材120Rのガイド部128Rは、ガイド部材120Lのガイド部128Lと反対方向となるようにヘッドランプ5の中心側(LED14側)、即ち車両1左右方向右側から左側へ傾斜するように例えば略10度曲がっている。
【0063】
一方、枠部材130は、ガイド部材120Rの被係止爪126Rに係止される車両1右側の係止部132Rが車両1左側の係止部132Lと反対側へ突出するようにヘッドランプ5方向(左側)に延びて設けられている。また、係止部132Rには、上下方向上方側の端部がヘッドランプ5方向に延びるにつれて上下方向下方側に傾斜する傾斜部134Rが設けられている。これによって、ランプハウジング10の左側部に設けられるガイド部材120Lによって枠部材130の右方向での位置が規制され、ランプハウジング10の右側部に設けられるガイド部材120Rによって枠部材130の左方向での位置が規制される。即ち枠部材130は、左右のガイド部材120Lおよび120Rによって左右方向の両側の位置が確実に規制されることとなる。つまり、第1実施形態ではランプ孔3a(枠部材130)がヘッドランプ5に対して左右方向の一方向(右側)のみにずれるのを抑制しているのに対して、本実施形態では、左右両方向でランプ孔3a(枠部材130)のヘッドランプ5に対する位置を規制して相対位置のずれを抑制している。
【0064】
なお、本実施形態のガイド部材120Lおよびガイド部材120U、枠部材130の係止部132Lおよび係止部132Uは、第1の実施形態と同一の形状をなしている。
また、ここでは、バンパ3の取付けおよび取外し作業時における枠部材130(係止部132L)とガイド部材120Lとの作用は、ガイド部材120Rの撓み方向が異なるだけで、基本的に第一実施形態と同様のため説明を省略する。
【0065】
以上説明したように、第2実施形態に係る位置決め構造によれば、第1の実施形態の効果に加えて、ランプ孔3a、103aのヘッドランプ5、105に対する左右方向での位置を左右両側から規制することができるので、ヘッドランプ5,10に対してランプ孔3a、103aの位置決めをより正確に行うことが可能となる。したがってヘッドランプ5,10に対するランプ孔3a、103aの相対位置のずれをより確実に抑制することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、ガイド部材120Lのガイド部128Lとガイド部材120Rのガイド部128Rの傾斜方向、および枠部材130の係止部132Lと係止部132Rの突出方向を互いにヘッドランプ5側、即ち互いに近付く方向としたが、ヘッドランプ5と反対側、即ち互いに離れる方向であってもよく、効果も同等の効果をえることができる。
【0067】
以上で本発明に係る位置決め構造についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記施形態では、ヘッドランプ5、105を用いて説明したが、テールランプでもよい。
また、上記実施形態では、枠部材30、130に係止部32、132を設け、ガイド部材20、120に被係止穴22、122および被係止爪26、126を設けるようにしたが、枠部材30、130およびガイド部材20、120のいずれか一方に係止部を設け、他方に被係止穴および被係止爪を設けるようにしてもよく、枠部材30、130に被係止穴および被係止爪を設け、ガイド部材20、120に係止部を設けるようにしてもよい。
【0068】
更に、上記実施形態では、傾斜部34、134を係止部32、132の重力方向で視て上方に設けるようにしたが、係止部がガイド部材20、120に設けられるような場合には、係止部の重力方向で視て下側に傾斜部を設け、枠部材30、130が重力方向で視て上方に移動するときに被係止穴22、122および被係止爪26、126に傾斜部が当たるようにすればよい。
【0069】
また、上記実施形態では、レンズリブ16および枠リブ36の形状を説明したが、透過面12aとバンパ3が接触しないようにすればよく、形状はこの限りでない。
また、上記実施形態では、ガイド部材20、120を可撓性を有して弾性変形可能とし、ガイド部材20、120が撓むことで枠部材30、130との係止および脱離を可能としているが、ガイド部材20、120または枠部材30、130の何れか一方が弾性変形可能であればよく、枠部材30、130が弾性変形する構成であってもよいし、ガイド部材20、120および枠部材30、130の両方が弾性変形可能な構成であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 車両
3 バンパ(外装部品)
3a、103a ランプ孔
5、105 ヘッドランプ(ランプ装置)
12a 透過面
16 レンズリブ(位置規制部)
20、120 ガイド部材(第2係合部材)
22、122 被係止穴(係止孔、第2係合部)
26,126 被係止爪(被係止部、第2係合部)
28 ガイド部
30、130 枠部材(第1係合部材)
32、132 係止部(第1係合部)
34,134 傾斜部
36 枠リブ(被規制部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9