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特許7089251情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20220615BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021087409
(22)【出願日】2021-05-25
【審査請求日】2021-05-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502332474
【氏名又は名称】eBASE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100121223
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 悟道
(72)【発明者】
【氏名】常包 浩司
(72)【発明者】
【氏名】木口 奈美
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-079209(JP,A)
【文献】特開2003-067504(JP,A)
【文献】特開2014-241044(JP,A)
【文献】特開2019-023829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の食材から構成される料理に対応する栄養素の量に関する栄養素情報及びアレルギー物質の有無に関するアレルギー情報の少なくとも一方を有する成分情報を含む料理情報が料理ごとに記憶される料理情報記憶部と、
料理情報に対応する料理を構成する食材の削除を少なくとも含む食材の変更を示す変更指示を複数のユーザから受け付ける受付部と、
前記変更指示に応じて食材が変更された料理であるカスタム料理に対応する成分情報を含むカスタム料理情報を、変更前の料理に対応する料理情報を用いて取得する取得部と、
前記カスタム料理情報を出力する出力部と、
受け付けられた変更指示に応じた変更を示す変更情報を蓄積する蓄積部と、
前記蓄積部によって蓄積された複数のユーザの変更情報から、より多く行われた変更を示す変更情報を特定する特定部と、を備え、
前記出力部は、前記特定部によって特定された変更情報をも出力する、情報処理装置。
【請求項2】
食材に対応する成分情報を含む食材情報が複数記憶される食材情報記憶部をさらに備え、
前記取得部は、前記受付部によって変更対象の食材を示す変更指示が受け付けられた場合に、当該変更指示によって示される食材に対応する食材情報を用いてカスタム料理情報を取得する、請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記変更指示を入力するユーザを識別するユーザ識別子をも受け付け、
ユーザを識別するユーザ識別子と、当該ユーザの食材に関する適合性を示す適合性情報とを含むユーザ情報が複数記憶されるユーザ情報記憶部をさらに備え、
前記取得部は、受け付けられたユーザ識別子に対応する適合性情報を用いて、カスタム料理がユーザに適合するかどうかを示す適合判定結果をも取得し、
前記出力部は、前記適合判定結果をも出力する、請求項1または請求項記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の食材から構成される料理に対応する栄養素の量に関する栄養素情報及びアレルギー物質の有無に関するアレルギー情報の少なくとも一方を有する成分情報を含む料理情報が料理ごとに記憶される料理情報記憶部と、受付部と、取得部と、出力部と、蓄積部と、特定部とを用いて処理される情報処理方法であって、
前記受付部が、料理情報に対応する料理を構成する食材の削除を少なくとも含む食材の変更を示す変更指示を受け付けるステップと、
前記取得部が、前記変更指示に応じて食材が変更された料理であるカスタム料理に対応する成分情報を含むカスタム料理情報を、変更前の料理に対応する料理情報を用いて取得するステップと、
前記出力部が、前記カスタム料理情報を出力するステップと、
前記蓄積部が、受け付けられた変更指示に応じた変更を示す変更情報を蓄積するステップと、を備え、
前記変更指示を受け付けるステップ、前記カスタム料理情報を取得するステップ、前記カスタム料理情報を出力するステップ、及び前記変更情報を蓄積するステップは繰り返され、
前記変更指示を受け付けるステップでは、複数のユーザから変更指示を受け付け、
前記特定部が、蓄積された複数のユーザの変更情報から、より多く行われた変更を示す変更情報を特定するステップと、
前記出力部が、特定された変更情報を出力するステップと、をさらに備えた情報処理方法。
【請求項5】
複数の食材から構成される料理に対応する栄養素の量に関する栄養素情報及びアレルギー物質の有無に関するアレルギー情報の少なくとも一方を有する成分情報を含む料理情報が料理ごとに記憶される料理情報記憶部にアクセス可能なコンピュータを、
料理情報に対応する料理を構成する食材の削除を少なくとも含む食材の変更を示す変更指示を複数のユーザから受け付ける受付部、
前記変更指示に応じて食材が変更された料理であるカスタム料理に対応する成分情報を含むカスタム料理情報を、変更前の料理に対応する料理情報を用いて取得する取得部、
前記カスタム料理情報を出力する出力部、
受け付けられた変更指示に応じた変更を示す変更情報を蓄積する蓄積部、
前記蓄積部によって蓄積された複数のユーザの変更情報から、より多く行われた変更を示す変更情報を特定する特定部として機能させ、
前記出力部は、前記特定部によって特定された変更情報をも出力する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材が変更された料理に対応する成分情報を取得する情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康意識の高まりに応じて、料理に含まれる栄養素やアレルギー物質に関する情報がウェブサイト等において公開されることが多くなってきている。そのため、例えば、レストランで食べる料理や、店舗で購入した料理について、栄養素やアレルギー物質などの情報を容易に取得することができる。
【0003】
また、人々の嗜好の多様化に対応するため、料理の食材を変更できることも多くなってきている。例えば、コーヒー飲料に関して牛乳を豆乳に変更したり、ハンバーガーのバンズを低糖質のバンズに変更したりすることができる。
【0004】
なお、料理の基準レシピ情報の食材や分量を、ユーザからの要求に従って変更することができるシステムも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-139694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、既定の料理については、栄養素やアレルギー物質に関する情報を容易に取得することができる。また、既定の料理を構成する各食材及びそれらの量が分かっていれば、食材が変更された料理についても栄養素やアレルギー物質の情報について取得することができるが、既定の料理を提供している企業や料理店は、既定の料理を構成する各食材及びそれらの量を公開したくないと考えられる。隠し味などのノウハウが流出する恐れがあるからである。
【0007】
そのため、既定の料理に含まれる一部の食材について変更、特に食材の削除を含む変更を行った場合には、変更後の料理に含まれる栄養素及びアレルギー物質の少なくとも一方に関する情報を容易に取得することができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、既定の料理に含まれる一部の食材について変更を行った場合に、その既定の料理を構成する各食材及びそれらの量が分かっていなかったとしても、その変更後の料理に含まれる栄養素及びアレルギー物質の少なくとも一方に関する情報を取得することができる情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一態様による情報処理装置は、複数の食材から構成される料理に対応する栄養素の量に関する栄養素情報及びアレルギー物質の有無に関するアレルギー情報の少なくとも一方を有する成分情報を含む料理情報が料理ごとに記憶される料理情報記憶部と、料理情報に対応する料理を構成する食材の削除を少なくとも含む食材の変更を示す変更指示を受け付ける受付部と、変更指示に応じて食材が変更された料理であるカスタム料理に対応する成分情報を含むカスタム料理情報を、変更前の料理に対応する料理情報を用いて取得する取得部と、カスタム料理情報を出力する出力部と、を備えたものである。
このような構成により、料理を構成する食材の削除を含む変更を行った後のカスタム料理に対応する成分情報を取得して出力することができる。したがって、ユーザは、カスタム料理に関する栄養素及びアレルギー物質の少なくとも一方に関する情報を容易に知ることができるようになる。
【0010】
また、本発明の一態様による情報処理装置では、料理を構成する食材の削除を少なくとも含む食材のあらかじめ決められた変更に対応する成分情報の差分を含む差分情報が複数記憶される差分情報記憶部をさらに備え、取得部は、受付部によって、あらかじめ決められた変更を特定する変更指示が受け付けられた場合に、変更に対応する差分情報を用いてカスタム料理情報を取得してもよい。
このような構成により、例えば、店舗があらかじめ設定している既定の変更を行ったカスタム料理に対応する成分情報を、高精度に取得することができるようになる。
【0011】
また、本発明の一態様による情報処理装置では、食材に対応する成分情報を含む食材情報が複数記憶される食材情報記憶部をさらに備え、取得部は、受付部によって変更対象の食材を示す変更指示が受け付けられた場合に、変更指示によって示される食材に対応する食材情報を用いてカスタム料理情報を取得してもよい。
このような構成により、例えば、差分情報が設定されていない料理に対応する変更内容であっても、その変更内容に応じた変更の行われたカスタム料理に対応する成分情報を取得することができるようになる。
【0012】
また、本発明の一態様による情報処理装置では、受付部は、変更指示を入力するユーザを識別するユーザ識別子をも受け付け、ユーザを識別するユーザ識別子と、ユーザの食材に関する適合性を示す適合性情報とを含むユーザ情報が複数記憶されるユーザ情報記憶部をさらに備え、取得部は、受け付けられたユーザ識別子に対応する適合性情報を用いて、カスタム料理がユーザに適合するかどうかを示す適合判定結果をも取得し、出力部は、適合判定結果をも出力してもよい。
このような構成により、変更後のカスタム料理が、ユーザに適合するかどうかを容易に知ることができるようになる。例えば、ユーザが摂取してはならないアレルギー物質がカスタム料理に含まれるかどうかを容易に知ることができるようになる。
【0013】
また、本発明の一態様による情報処理装置では、受付部は、変更指示を入力するユーザを識別するユーザ識別子をも受け付け、ユーザを識別するユーザ識別子と、ユーザの食材に関する適合性を示す適合性情報とを含むユーザ情報が複数記憶されるユーザ情報記憶部と、受け付けられたユーザ識別子に対応する適合性情報を用いて、ユーザ識別子で識別されるユーザに適合する差分情報を選択する選択部と、をさらに備え、出力部は、選択部によって選択された差分情報に対応する変更を示す情報をも出力し、受付部は、出力部によって出力されたいずれかの変更を特定する変更指示を受け付けてもよい。
このような構成により、カスタム料理が、ユーザに適合したものになるようにすることができる。例えば、ユーザが摂取してはならないアレルギー物質が料理に含まれるようになる変更に対応する差分情報が選択されないことにより、カスタム料理にユーザが摂取してはならないアレルギー物質が含まれないようにすることができる。
【0014】
また、本発明の一態様による情報処理装置では、受け付けられた変更指示に応じた変更を示す変更情報を蓄積する蓄積部と、蓄積部によって蓄積された変更情報から、より多く行われた変更を示す変更情報を特定する特定部と、をさらに備え、出力部は、特定部によって特定された変更情報をも出力してもよい。
このような構成により、料理に対して行われる変更の傾向について知ることができるようになる。その結果、例えば、より多くのユーザが料理に対して同じ変更を行っている場合には、その変更が行われたカスタム料理を、新たな料理として提供するようにすることができる。また、新しい料理を開発する際に、特定された変更情報を参考にすることができる。
【0015】
また、本発明の一態様による情報処理装置では、成分情報には、少なくとも栄養素情報が含まれてもよい。
このような構成により、カスタム料理に対応する栄養素情報について知ることができるようになる。
【0016】
また、本発明の一態様による情報処理方法は、複数の食材から構成される料理に対応する栄養素の量に関する栄養素情報及びアレルギー物質の有無に関するアレルギー情報の少なくとも一方を有する成分情報を含む料理情報が料理ごとに記憶される料理情報記憶部で記憶されている料理情報に対応する料理を構成する食材の削除を少なくとも含む食材の変更を示す変更指示を受け付けるステップと、変更指示に応じて食材が変更された料理であるカスタム料理に対応する成分情報を含むカスタム料理情報を、変更前の料理に対応する料理情報を用いて取得するステップと、カスタム料理情報を出力するステップと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様による情報処理装置等によれば、料理に含まれる一部の材料について変更が行われる場合に、その変更後の料理に含まれる栄養素及びアレルギー物質の少なくとも一方に関する情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態による情報処理装置の構成を示すブロック図
図2】同実施の形態による情報処理装置の動作を示すフローチャート
図3】同実施の形態における料理情報の一例を示す図
図4】同実施の形態における食材情報の一例を示す図
図5】同実施の形態における差分情報の一例を示す図
図6】同実施の形態におけるユーザ情報の一例を示す図
図7】同実施の形態における蓄積された変更情報の一例を示す図
図8】同実施の形態による情報処理装置の構成の他の一例を示すブロック図
図9】同実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図
図10】同実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明による情報処理装置、及び情報処理方法について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態による情報処理装置、及び情報処理方法は、変更指示に応じて食材が変更されたカスタム料理に対応する栄養素情報及びアレルギー情報の少なくとも一方を含む成分情報を取得するものである。
【0020】
図1は、本実施の形態による情報処理装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による情報処理装置1は、料理情報記憶部11と、食材情報記憶部12と、差分情報記憶部13と、ユーザ情報記憶部14と、受付部15と、取得部16と、出力部17と、蓄積部18と、変更情報記憶部19と、特定部20とを備える。なお、本実施の形態では、情報処理装置1がサーバ・クライアントシステムにおけるサーバである場合について主に説明する。したがって、情報処理装置1は、有線または無線の通信回線500を介して、情報処理端末2から情報を受信したり、情報処理端末2に情報を送信したりしてもよい。通信回線500は、例えば、インターネットやイントラネット、公衆電話回線網等であってもよい。また、情報処理端末2は、例えば、スマートフォンやタブレット端末であってもよく、パーソナルコンピュータであってもよく、その他の情報処理端末であってもよい。
【0021】
料理情報記憶部11では、複数の食材から構成される料理に対応する成分情報を含む料理情報が料理ごとに記憶される。料理情報は、例えば、料理を識別する料理識別子と、その料理の成分情報とを含む情報であってもよい。本実施の形態では、この場合について主に説明する。
【0022】
料理は、複数の食材から構成されるものであれば、どのようなものであってもよい。料理は、例えば、ハンバーガーやサンドイッチなどのファーストフードの食品であってもよく、弁当、総菜であってもよく、レストランや食堂で提供される料理であってもよく、コーヒーチェーンなどで提供される飲み物であってもよく、複数の食材から構成されるその他の料理であってもよい。
【0023】
成分情報は、栄養素情報及びアレルギー情報の少なくとも一方を有する情報である。成分情報は、例えば、栄養素情報であってもよく、アレルギー情報であってもよく、栄養素情報及びアレルギー情報の両方を含んでいてもよい。なお、成分情報には、少なくとも栄養素情報が含まれていてもよい。本実施の形態では、成分情報に、栄養素情報及びアレルギー情報の両方が含まれる場合について主に説明する。
【0024】
栄養素情報は、栄養素の量に関する情報である。栄養素情報は、例えば、熱量を含んでいてもよく、各栄養素の量を含んでいてもよい。栄養素は、例えば、タンパク質、脂質、炭水化物であってもよく、食塩相当量、ミネラル、ビタミン、コレステロール、食物繊維などの1以上を含んでもよい。なお、食品分野においては、栄養成分にエネルギーも含まれることが一般的であるため、以下の説明においても、栄養素の量に熱量が含まれると考えてもよい。本実施の形態では、栄養素情報に熱量が含まれる場合について主に説明する。この栄養素情報によって、料理の熱量や、料理に含まれる各栄養素の量について知ることができる。
【0025】
アレルギー情報は、アレルギー物質の有無に関する情報である。アレルギー情報は、例えば、アレルギー物質の有無を示す情報であってもよく、アレルギー物質の量を示す情報であってもよい。後者の場合であっても、アレルギー物質の有無について知ることができるからである。本実施の形態では、前者の場合について主に説明する。アレルギー物質は、食物アレルギーの原因となる物質であり、本実施の形態では、卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、そばの7品目である場合について主に説明するが、あわび、いかなども含む27品目などであってもよく、その他の品目数であってもよい。このアレルギー情報によって、料理に各アレルギー物質が含まれているのかどうかについて知ることができる。
【0026】
食材情報記憶部12では、複数の食材情報が記憶される。食材情報は、食材に対応する成分情報を含む情報である。食材情報は、例えば、食材を識別する食材識別子と、その食材の成分情報とを含む情報であってもよい。本実施の形態では、この場合について主に説明する。なお、食材は、料理を構成するものであればどのようなものであってもよく、例えば、牛肉、大豆、人参などの料理の材料として用いられる一般的な食品であってもよく、ハムやソースなどの加工食品であってもよく、コロッケや煮豆などの総菜であってもよい。
【0027】
なお、食材情報に含まれる成分情報は、上記と同様の情報であり、その説明を省略する。食材情報に含まれる成分情報と、料理情報に含まれる成分情報とは、同じ種類の情報であることが好適である。例えば、食材情報に含まれる成分情報に栄養素情報が含まれる場合には、料理情報に含まれる成分情報にも栄養素情報が含まれることが好適である。他の情報に成分情報が含まれている場合にも同様であるとする。
【0028】
なお、食材情報に含まれる成分情報に栄養素情報が含まれている場合には、その栄養素情報は、食材の単位量当たりの栄養素等の量を示す情報(例えば、100グラム当たりの量を示す情報や、1個当たりの量を示す情報)であってもよい。食材に関する栄養素情報としては、例えば、日本食品標準成分表(八訂)などによって示される一般食品の栄養素情報などが用いられてもよい。
【0029】
食材情報に含まれる成分情報にアレルギー情報が含まれている場合には、そのアレルギー情報は、食材の単位量当たりのアレルギー物質の量を示す情報であってもよく、食材におけるアレルギー物質の有無を示す情報であってもよい。
【0030】
差分情報記憶部13では、複数の差分情報が記憶される。差分情報は、料理を構成する食材のあらかじめ決められた変更に対応する成分情報の差分を含む情報である。すなわち、ある料理に対して所定の食材の変更が行われる場合に、変更前の料理の成分情報と、変更後の料理の成分情報との差が差分情報によって示されることになる。食材の変更は、料理を構成する食材の削除を少なくとも含む食材の変更である。食材の削除は、例えば、ある食材をすべてなくすことであってもよく、ある食材の一部をなくすことであってもよい。後者の場合には、ある食材の量が減少されることになる。食材の変更は、例えば、ある食材の量を減らすことであってもよく、ある食材をすべてなくすことであってもよく、ある食材を別の食材に置き換えることであってもよく、ある食材の量を減らすと共に、別の食材を追加することであってもよい。差分情報は、例えば、変更対象の料理を識別する料理識別子と、その料理を構成する食材について行われる変更内容と、その料理にその変更が行われた際の成分情報の差分とを含む情報であってもよい。本実施の形態では、この場合について主に説明する。差分情報は、通常、あらかじめ決められた変更を設定している企業や料理店等から提供されるものである。
【0031】
ユーザ情報記憶部14では、複数のユーザ情報が記憶される。ユーザ情報は、ユーザを識別するユーザ識別子と、そのユーザの食材に関する適合性を示す適合性情報とを含む情報である。適合性情報は、食材に関連している適合性を示すものであればどのようなものであってもよく、例えば、ユーザの栄養素情報に関する適合性を示す情報を含んでいてもよく、ユーザのアレルギー情報に関する適合性を示す情報を含んでいてもよく、ユーザの栄養素情報の変化に関する適合性を示す情報を含んでいてもよい。適合性情報は、例えば、摂取制限情報を含んでもよく、嗜好情報を含んでもよい。摂取制限情報は、例えば、成分情報に関するユーザの摂取制限を示す情報である。摂取制限を示す情報は、例えば、摂取してはいけないアレルギー物質(禁止アレルギー物質)を示す情報を含んでもよく、多く摂取しない方がよい栄養素(例えば、熱量や糖質、タンパク質など)を示す情報を含んでもよい。嗜好情報は、例えば、成分情報の差分等に関するユーザの嗜好を示す情報である。嗜好情報は、例えば、熱量の低減が好ましいことを示す低カロリー嗜好や、糖質の低減が好ましいことを示す低糖質嗜好などであってもよい。
【0032】
料理情報記憶部11、食材情報記憶部12、差分情報記憶部13、ユーザ情報記憶部14に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が各記憶部で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が各記憶部で記憶されるようになってもよく、または、入力デバイスを介して入力された情報が各記憶部で記憶されるようになってもよい。
【0033】
料理情報記憶部11、食材情報記憶部12、差分情報記憶部13、ユーザ情報記憶部14は、不揮発性の記録媒体によって実現されることが好適であるが、揮発性の記録媒体によって実現されてもよい。記録媒体は、例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなどであってもよい。
【0034】
受付部15は、料理情報に対応する料理を構成する食材の削除を少なくとも含む食材の変更を示す変更指示を受け付ける。この変更指示は、ユーザによって入力されるものである。その入力は、例えば、情報処理装置1において行われてもよく、または、他の装置(例えば、情報処理端末2等)において行われてもよい。受付部15は、変更指示を入力するユーザを識別するユーザ識別子をも受け付けてもよい。ユーザ識別子は、例えば、変更指示と一緒に受け付けられてもよく、または、変更指示とは別のタイミングで受け付けられてもよい。後者の場合であっても、受け付けられたユーザ識別子と変更指示との対応関係が分かるようになっていることが好適である。変更後の料理は、変更対象の料理と、その料理に対する食材の変更内容とによって特定することができる。したがって、変更指示は、例えば、変更対象の料理を識別する料理識別子と、その料理の変更内容とを含む情報であってもよい。なお、料理識別子と変更内容とは、例えば、一緒に受け付けられてもよく、または、別々のタイミングで受け付けられてもよい。後者の場合には、例えば、まず料理識別子が受け付けられ、その後にその料理識別子で識別される料理を構成する食材に関する変更内容が受け付けられることによって、変更指示が受け付けられたと判断されてもよい。なお、変更指示に含まれる料理識別子と変更内容とが別々のタイミングで受け付けられる場合であっても、両者の対応関係が分かるようになっていることが好適である。
【0035】
変更内容は、例えば、変更対象の食材を示す情報であってもよい。例えば、食材Aの削除を指示する変更指示は、削除対象の食材Aを示す変更内容を含んでいてもよい。また、例えば、食材Aを食材Bに変更することを指示する変更指示は、削除対象の食材A及び追加対象の食材Bを示す変更内容を含んでいてもよい。また、この変更内容は、削除対象の食材の量や、追加対象の食材の量をも含んでいてもよい。この食材の量は、例えば、重量(例えば、20gなど)や個数(例えば、1個、2個など)などによって示されてもよい。このように、変更内容は、例えば、削除対象の食材を識別する食材識別子を含んでおり、必要に応じて、削除対象の食材の量と、追加対象の食材を識別する食材識別子と、追加対象の食材の量とを含んでいてもよい。
【0036】
変更指示は、例えば、あらかじめ決められた変更を特定する情報であってもよい。例えば、変更指示は、差分情報記憶部13において記憶されている複数の差分情報にそれぞれ対応する料理識別子及び変更内容の複数の組から、ユーザが選択した組を示す情報であってもよい。この場合には、変更指示は、例えば、変更対象の料理を識別する料理識別子と、その料理に対して行われる変更内容とを示す情報であってもよく、料理識別子及び変更内容の組を識別する情報であってもよい。この場合には、例えば、出力部17によって、料理識別子とあらかじめ決められた変更内容との複数の組が出力されてもよい。そして、受付部15は、出力部17によって出力されたいずれかの変更を特定する変更指示、すなわちその出力された組を特定する変更指示を受け付けてもよい。出力部17によって出力される料理識別子や変更内容は、例えば、差分情報記憶部13において記憶されている複数の差分情報に対応するものであってもよい。この場合には、変更指示の受け付けは、出力された料理識別子と変更内容との複数の組から一つの組を選択することであってもよい。差分情報に対応する料理識別子及び変更内容は、例えば、差分情報に含まれる料理識別子及び変更内容であってもよい。
【0037】
なお、受付部15は、上記した以外の情報を受け付けてもよい。また、受付部15は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された情報を受け付けてもよく、有線または無線の通信回線を介して送信された情報を受信してもよい。本実施の形態では、上記したように、後者の場合について主に説明する。また、受付部15は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、通信デバイスなど)を含んでもよく、または含まなくてもよい。また、受付部15は、ハードウェアによって実現されてもよく、または所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0038】
取得部16は、受付部15によって受け付けられた変更指示に応じて食材が変更された料理であるカスタム料理に対応する成分情報を含むカスタム料理情報を、変更前の料理に対応する料理情報を用いて取得する。なお、変更前の料理をベース料理と呼ぶこともある。取得部16は、例えば、変更指示に含まれている料理識別子、または変更指示によって特定された料理識別子と、料理情報記憶部11で記憶されている料理情報とを用いて、ベース料理に対応する成分情報を特定することができる。この成分情報が、食材の変更前の成分情報である。
【0039】
また、取得部16は、受け付けられた変更指示を用いて、食材の変更に応じた成分情報の差分を特定する。例えば、差分情報記憶部13において、あらかじめ決められた変更に対応する成分情報の差分を含む差分情報が複数記憶されており、受付部15によって、あらかじめ決められた変更を特定する変更指示が受け付けられた場合には、取得部16は、受け付けられた変更指示によって特定される変更に対応する成分情報の差分を特定してもよい。また、例えば、受付部15によって変更対象の食材等を示す変更内容を含む変更指示が受け付けられた場合には、取得部16は、受け付けられた変更内容によって示される食材に対応する食材情報を用いて、食材の変更内容に対応する成分情報の差分を特定してもよい。具体的には、取得部16は、変更指示に含まれる削除対象の食材を識別する食材識別子と、削除対象の食材の量と、その食材識別子で識別される食材の成分情報とを用いて、変更対象の料理の成分情報から減算する成分情報を特定してもよい。なお、変更指示に削除対象の食材の量が含まれていない場合には、その食材の標準的な量を、削除対象の食材の量としてもよい。その標準的な量は、例えば、食材情報記憶部12において食材ごとに記憶されていてもよい。また、取得部16は、変更指示に含まれる追加対象の食材を識別する食材識別子と、追加対象の食材の量と、その食材識別子で識別される食材の成分情報とを用いて、変更対象の料理の成分情報に加算する成分情報を特定してもよい。なお、変更指示に追加対象の食材の量が含まれていない場合には、その食材の標準的な量を、追加対象の食材の量としてもよい。このように、取得部16は、減算を行う成分情報と、加算を行う成分情報とを用いて、食材の変更に対応する成分情報の差分を特定してもよい。
【0040】
食材の変更内容に対応する成分情報の差分を特定すると、取得部16は、変更対象の料理の成分情報と、成分情報の差分とを用いて、カスタム料理の成分情報を特定する。この成分情報の特定は、例えば、ベース料理の成分情報と、成分情報の差分とを、成分情報に含まれる情報(例えば、栄養素やアレルギー物質など)ごとに加算することによって行われてもよい。このようにして、取得部16は、カスタム料理の成分情報を含むカスタム料理情報を取得することができる。なお、カスタム料理情報は、変更前の料理を識別する料理識別子を含んでいてもよい。また、カスタム料理情報は、変更前の料理に対して行われる食材の変更内容も含んでいてもよい。
【0041】
なお、ベース料理の成分情報にアレルギー物質Xが含まれており、成分情報の差分に減算対象として同じアレルギー物質Xが含まれている場合であっても、通常、取得部16は、カスタム料理の成分情報として、アレルギー物質Xを含む成分情報を取得することになる。それらの情報だけからは、ベース料理からアレルギー物質Xが完全に除去されたのかどうかが分からないからである。一方、ベース料理において食材Aにのみアレルギー物質Xが含まれることが分かっており、その食材Aのすべてを削除する変更が行われる場合には、取得部16は、カスタム料理の成分情報として、アレルギー物質Xを含まない成分情報を取得してもよい。
【0042】
取得部16は、受け付けられたユーザ識別子に対応する適合性情報を用いて、カスタム料理が、受付部15によって受け付けられたユーザ識別子で識別されるユーザに適合するかどうかを示す適合判定結果をも取得する。なお、カスタム料理がユーザに適合するかどうかとは、カスタム料理が、そのユーザのユーザ識別子に対応する適合性情報に適合するかどうかということである。ユーザに適合していないことを示す適合判定結果は、ユーザに対する警告であると考えることもできる。
【0043】
例えば、適合性情報に禁止アレルギー物質を示す摂取制限情報が含まれている場合には、取得部16は、受付部15によって受け付けられたユーザ識別子に対応する変更指示に応じた変更の行われたカスタム料理の成分情報に、そのユーザ識別子に対応する適合性情報に含まれる摂取制限情報によって示される禁止アレルギー物質が含まれるときには、カスタム料理が適合性情報に適合しない旨の適合判定結果を取得してもよい。なお、適合判定結果には、適合しない理由、すなわちカスタム料理に禁止アレルギー物質が含まれることが含まれてもよい。
【0044】
また、例えば、適合性情報に、多く摂取しない方がよい栄養素を示す摂取制限情報が含まれている場合には、取得部16は、受付部15によって受け付けられたユーザ識別子に対応する変更指示に応じた変更の行われたカスタム料理の成分情報と、ベース料理の成分情報とによって、そのユーザ識別子に対応する適合性情報に含まれる摂取制限情報によって示される多く摂取しない方がよい栄養素が増加したことが示されるときには、カスタム料理が適合性情報に適合しない旨の適合判定結果を取得してもよい。この適合判定結果は、例えば、成分情報の差分を用いて取得されてもよい。なお、適合判定結果には、適合しない理由、すなわちカスタム料理において、多く摂取しない方がよい栄養素が増加したことが含まれてもよい。
【0045】
また、例えば、適合性情報に「低カロリー嗜好」であることを示す嗜好情報が含まれている場合には、取得部16は、受付部15によって受け付けられたユーザ識別子に対応する変更指示に応じた変更の行われたカスタム料理の成分情報と、ベース料理の成分情報とによって、熱量が増加したことが示されるときには、カスタム料理が適合性情報に適合しない旨の適合判定結果を取得してもよい。この適合判定結果は、例えば、成分情報の差分を用いて取得されてもよい。なお、適合判定結果には、適合しない理由、すなわち熱量が増加したことが含まれてもよい。例えば、適合性情報に「低糖質嗜好」であることを示す嗜好情報が含まれている場合にも、成分情報に含まれる糖質の量を用いて、同様にして適合判定結果を取得することができる。
【0046】
なお、適合性情報に複数の判定対象(例えば、禁止アレルギー物質を示す摂取制限情報、及び、低カロリー嗜好であるかどうかを示す嗜好情報)が含まれている場合には、取得部16は、例えば、適合性情報に含まれる判定対象ごとに適合判定結果を取得してもよく、適合性情報に含まれるすべての判定対象に適合しているかどうかを示す適合判定結果を取得してもよい。後者の場合には、例えば、カスタム料理が、摂取制限情報には適合するが、「低カロリー嗜好」であることを示す嗜好情報には適合しないときには、カスタム料理がユーザに適合しない旨の適合判定結果が取得されることになる。
【0047】
また、取得部16は、上記した以外の情報の取得を行ってもよい。例えば、ユーザから料理識別子が受け付けられた場合に、取得部16は、その料理識別子に対応する変更内容を、差分情報を用いて取得してもよい。この取得された変更内容は、出力部17によって出力されてもよい。
【0048】
出力部17は、取得部16によって取得されたカスタム料理情報を出力する。また、出力部17は、取得部16によって取得された適合判定結果をも出力する。カスタム料理情報と適合判定結果とは、一緒に出力されてもよく、またはそうでなくてもよい。また、出力部17は、後述する特定部20によって特定された変更情報をも出力する。これらの出力は、通常、ユーザに対して行われる。
【0049】
また、出力部17は、差分情報記憶部13で記憶されている差分情報に対応する変更を示す情報をユーザに出力してもよい。差分情報に対応する変更を示す情報とは、例えば、差分情報に対応する料理識別子と変更内容とを含む情報であってもよい。このように変更を示す情報が出力される場合には、ユーザは、出力された情報から、希望する変更を示す情報を選択し、その選択した変更を示す情報を特定する変更指示を入力してもよい。このように変更を示す情報が出力される場合には、例えば、出力部17は、まず、複数の料理識別子を出力し、その複数の料理識別子からユーザによって選択された料理識別子に対応する変更内容を出力してもよい。このように、変更を示す情報の出力は、複数回の情報の出力によって行われてもよい。一方、このような変更を示す情報の出力が行われない場合には、例えば、情報処理端末2等において、差分情報記憶部13で記憶されている差分情報に対応する変更を示す情報があらかじめ記憶されており、そこから選択された変更を示す情報を特定する変更指示が受け付けられてもよい。なお、料理識別子や変更内容が出力される場合であって、料理識別子や変更内容が、ユーザが理解できない情報(例えば、複数の数字の並びなど)である場合には、その料理識別子が、ユーザが理解できる料理名などに変換されて出力されてもよい。また、変更内容が出力される場合に、例えば、ある食材を30%減少させることを示す変更内容は、その食材を少なめにすることを示す変更内容として出力されてもよい。
【0050】
なお、出力部17は、上記した以外の情報を出力してもよい。ここで、出力部17による出力は、例えば、表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど)への表示でもよく、所定の機器への通信回線を介した送信でもよく、プリンタによる印刷でもよく、スピーカによる音声出力でもよく、記録媒体への蓄積でもよく、他の構成要素への引き渡しでもよい。本実施の形態では、上記したように、出力部17が出力対象を送信する場合について主に説明する。また、出力部17は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスや通信デバイスなど)を含んでもよく、または含まなくてもよい。また、出力部17は、ハードウェアによって実現されてもよく、または、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0051】
蓄積部18は、受付部15によって受け付けられた変更指示に応じた変更を示す変更情報を変更情報記憶部19に蓄積する。受け付けられた変更指示に料理識別子と変更内容とが含まれる場合には、変更指示に含まれる料理識別子と変更内容とを含む変更情報が変更情報記憶部19に蓄積されてもよい。受け付けられた変更指示が、あらかじめ決められた変更を特定するものである場合には、その変更指示によって特定された変更を示す変更情報が変更情報記憶部19に蓄積されてもよい。例えば、変更指示によって特定された変更に対応する差分情報に含まれる料理識別子と変更内容とを含む変更情報が変更情報記憶部19に蓄積されてもよい。
【0052】
変更情報記憶部19では、蓄積部18によって蓄積された変更情報が記憶される。変更情報記憶部19は、不揮発性の記録媒体によって実現されることが好適であるが、揮発性の記録媒体によって実現されてもよい。記録媒体は、例えば、半導体メモリや磁気ディスクなどであってもよい。
【0053】
特定部20は、蓄積部18によって変更情報記憶部19に蓄積された変更情報から、より多く行われた変更を示す変更情報を特定する。より多く行われた変更を示す変更情報とは、他の変更情報と比較してより多く行われた変更を示す変更情報のことである。特定部20は、まず、変更情報記憶部19で記憶されている複数の変更情報についてユニーク処理を行うと共に、ユニーク処理後の各変更情報の個数をそれぞれカウントしてもよい。そして、例えば、受付部15によって受け付けられた変更指示に応じた変更を示す変更情報のうち、個数や割合の多い変更情報が特定されてもよい。また、例えば、受付部15によって受け付けられた変更指示に応じた変更を示す変更情報のうち、変更情報に対応するベース料理及びカスタム料理の販売総数に対する数の割合が多い変更情報が特定されてもよい。また、例えば、受付部15によって受け付けられた変更指示に応じた変更を示す変更情報のうち、変更情報に対応するカスタム料理の販売総数に対する数の割合が多い変更情報が特定されてもよい。ここで、ある変更情報に対応するカスタム料理の販売総数とは、その変更情報に対応するベース料理に何らかの変更が行われたすべてのカスタム料理の販売総数であってもよい。すなわち、そのカスタム料理には、ベース料理に対してその変更情報とは異なる変更の行われたカスタム料理も含まれてもよい。変更情報の特定にベース料理やカスタム料理の販売総数が用いられる場合には、ベース料理やカスタム料理の販売総数は、あらかじめ受付部15によって受け付けられ、情報処理装置1のいずれかの記憶部において記憶されていてもよい。また、個数や割合が多いとは、例えば、個数や割合があらかじめ決められた閾値を超えていることであってもよく、個数や割合が上位N位以内であることであってもよい。Nは、あらかじめ決められている1以上の整数である。このようにして、特定部20によって、より多く行われる変更を示す変更情報を特定することができる。特定部20による特定結果は、出力部17によって出力される。この出力先は、例えば、情報処理装置1の管理者等であってもよい。また、この特定結果を用いて、例えば、企業や料理店などは、特定された変更情報によって示される変更の行われたカスタム料理を、販売対象の既定の料理として提供するようにしてもよい。また、この特定結果を用いて、新たな料理の開発等が行われてもよい。
【0054】
なお、料理情報記憶部11、食材情報記憶部12、差分情報記憶部13、ユーザ情報記憶部14、変更情報記憶部19のうち、任意の2以上の記憶部は、同一の記録媒体によって実現されてもよく、または、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、例えば、料理情報を記憶している領域が料理情報記憶部11となり、食材情報を記憶している領域が食材情報記憶部12となってもよい。
【0055】
次に、情報処理装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)受付部15は、変更指示やユーザ識別子を受け付けたかどうか判断する。そして、変更指示等を受け付けた場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS108に進む。
【0056】
(ステップS102)蓄積部18は、受け付けられた変更指示に応じた変更を示す変更情報を変更情報記憶部19に蓄積する。
【0057】
(ステップS103)取得部16は、受け付けられた変更指示が、あらかじめ決められた変更を特定するものであるかどうか判断する。そして、受け付けられた変更指示が、あらかじめ決められた変更を特定するものである場合には、ステップS104に進み、そうでない場合には、ステップS105に進む。
【0058】
(ステップS104)取得部16は、受付部15で受け付けられた変更指示によって特定されるあらかじめ決められた変更に対応する差分情報を差分情報記憶部13から読み出し、その読み出した差分情報を用いてカスタム料理情報を取得する。
【0059】
(ステップS105)取得部16は、受付部15で受け付けられた変更指示に含まれる変更内容によって示される食材に対応する食材情報を食材情報記憶部12から読み出し、その読み出した食材情報を用いてカスタム料理情報を取得する。
【0060】
(ステップS106)取得部16は、受付部15で受け付けられたユーザ識別子に対応する適合性情報をユーザ情報記憶部14から読み出し、その読み出した適合性情報を用いて、取得したカスタム料理情報がユーザに適合するかどうかを示す適合判定結果を取得する。
【0061】
(ステップS107)出力部17は、カスタム料理情報及び適合判定結果を出力する。そして、ステップS101に戻る。
【0062】
(ステップS108)特定部20は、より多く行われた変更を示す変更情報の特定を行うかどうか判断する。そして、その特定を行う場合には、ステップS109に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。なお、特定部20は、より多く行われた変更を示す変更情報の特定を行うと定期的に判断してもよい。例えば、特定部20は、その特定を行うと1週間に1回や、1か月に1回判断してもよい。
【0063】
(ステップS109)特定部20は、変更情報記憶部19で記憶されている変更情報を用いて、より多く行われた変更を示す変更情報を特定する。
【0064】
(ステップS110)出力部17は、ステップS109で特定された、より多く行われた変更を示す変更情報を出力する。なお、ステップS109において変更情報の特定が行われなかった場合には、変更情報の出力は行われなくてもよい。そして、ステップS101に戻る。
【0065】
なお、図2のフローチャートにおいて、変更指示とユーザ識別子とはそれぞれ異なるタイミングで受け付けられてもよい。また、変更指示に料理識別子と変更内容とが含まれる場合に、両者もそれぞれ異なるタイミングで受け付けられてもよい。また、図2のフローチャートにおける処理の順序は一例であり、同様の結果を得られるのであれば、各ステップの順序を変更してもよい。また、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0066】
次に、本実施の形態による情報処理装置1の動作について、具体例を用いて説明する。
この具体例において、料理情報記憶部11では、図3で示される複数の料理情報が記憶されているものとする。図3の料理情報には、料理を識別する料理識別子と、その料理の成分情報とが含まれている。成分情報には、栄養素情報と、アレルギー情報とが含まれている。本具体例では、栄養素情報は熱量(kcal)を示す情報であるとする。また、アレルギー情報は、アレルギー物質「卵」「乳」「小麦」「えび」「かに」「落花生」「そば」の有無を示す情報であるとする。また、アレルギー物質が料理に含まれる場合に、何に含まれているのかが括弧書きで示されている。図3の料理情報では、例えば、料理識別子「ABCラテ」で識別される料理(以下、この料理を「ABCラテ」と呼ぶこともある。他の料理についても同様であるとする。)に対応する成分情報によって、料理「ABCラテ」の熱量が250(kcal)であり、アレルギー物質「乳」が牛乳に含まれていることが示される。
【0067】
また、この具体例において、食材情報記憶部12では、図4で示される複数の食材情報が記憶されているものとする。図4の食材情報には、食材を識別する食材識別子と、その食材の成分情報とが含まれている。成分情報には、栄養素情報と、アレルギー情報とが含まれている。なお、栄養素情報は、単位量当たりの熱量(kcal)を示す情報であるとする。単位量は、例えば、コロッケなどのように個数をカウントできるものは1個であり、白飯や煮豆のように個数をカウントできないものは100gであるとする。図4の食材情報では、例えば、食材識別子「白飯」で識別される食材(以下、この食材を「白飯」と呼ぶこともある。他の食材についても同様であるとする。)に対応する成分情報によって、食材「白飯」の熱量が、100g当たり150(kcal)であり、アレルギー物質が含まれていないことが示される。
【0068】
また、この具体例において、差分情報記憶部13では、図5で示される複数の差分情報が記憶されているものとする。図5の差分情報には、変更対象の料理を識別する料理識別子と、その料理に対して行われる変更内容と、その料理及び変更内容に対応する成分情報の差分とが含まれている。成分情報の差分には、栄養素情報の差分と、アレルギー情報の差分とが含まれている。なお、栄養素情報の差分は、対応する料理識別子で識別される料理に対して、対応する変更内容に応じた食材の変更が行われた場合における栄養素情報である熱量の増減を示す情報である。栄養素情報の差分が正の値である場合には、食材の変更によって熱量が増加することが示されることになり、栄養素情報の差分が負の値である場合には、食材の変更によって熱量が減少することが示されることになる。また、アレルギー情報の差分は、対応する変更内容に応じた食材の変更が行われた場合におけるアレルギー物質の追加または削除を示す情報である。追加されるアレルギー物質は「+」で示され、削除されるアレルギー物質は「-」で示されるものとする。図5の差分情報では、例えば、料理「ABCラテ」に対して、変更内容「牛乳を低脂肪乳に変更」に応じた食材の変更が行われた場合には、熱量が25(kcal)だけ減少し、アレルギー物質に変化はないことが示されている。また、例えば、料理「ABCラテ」に対して、変更内容「牛乳を豆乳に変更」に応じた食材の変更が行われた場合には、熱量が30(kcal)だけ減少し、アレルギー物質「乳」がなくなることが示されている。
【0069】
また、この具体例において、ユーザ情報記憶部14では、図6で示される複数のユーザ情報が記憶されているものとする。図6のユーザ情報には、ユーザを識別するユーザ識別子と、そのユーザの適合性情報とが含まれている。適合性情報には、摂取制限情報である禁止アレルギー物質と、ユーザの嗜好を示す嗜好情報である低カロリー嗜好とが含まれている。禁止アレルギー物質では、ユーザが摂取してはならないアレルギー物質が示されている。また、低カロリー嗜好では、ダイエット中などのように、低カロリーであること好むユーザに対しては、フラグ「1」が設定されており、そうでないユーザに対してはフラグ「0」が設定されている。図6のユーザ情報では、例えば、ユーザ識別子「U001」で識別されるユーザ(以下、このユーザを「U001」と呼ぶこともある。他のユーザについても同様であるとする。)に対応する適合性情報によって、禁止アレルギー物質「乳」と、低カロリー嗜好「0」とが示されている。したがって、ユーザU001は、アレルギー物質「乳」を含む料理を摂取することができず、また、低カロリー嗜好ではないことが示される。
【0070】
この具体例において、まず、ユーザU001が情報処理端末2を操作して、カスタム料理情報を取得するサーバである情報処理装置1にログインしたとする。すると、受付部15は、ユーザU001のユーザ識別子「U001」やパスワードを受け付ける。そして、情報処理装置1において、その受け付けられたユーザ識別子等を用いて認証処理が行われる。その認証において、ユーザU001が正当であると判断されたとする。すると、出力部17は、料理の一覧をユーザU001の情報処理端末2に送信する。この料理の一覧は、例えば、料理情報記憶部19で記憶されている料理識別子の一覧であってもよい。送信された料理の一覧は、ユーザU001の情報処理端末2で受信され、表示される。
【0071】
その後、ユーザU001が、情報処理端末2に表示された料理の一覧において、料理「ABCラテ」を選択したとすると、その料理識別子「ABCラテ」を特定する情報が受付部15で受け付けられる。また、取得部16は、その料理識別子「ABCラテ」に対応する変更内容が差分情報記憶部13で記憶されているかどうか判断する。この場合には、図5で示されるように料理識別子「ABCラテ」に対応する複数の変更内容が記憶されているため、取得部16は、その複数の変更内容を読み出して出力部17に渡す。すると、出力部17は、その複数の変更内容をユーザU001の情報処理端末2に送信する。送信された複数の変更内容は、ユーザU001の情報処理端末2で受信され、表示される。そして、その表示された複数の変更内容において、ユーザU001が、変更内容「牛乳を豆乳に変更」を選択したとする。すると、その変更内容を特定する情報が受付部15で受け付けられる。このようにして、受付部15によって、料理識別子「ABCラテ」と、変更内容「牛乳を豆乳に変更」とを特定する変更指示が受け付けられたことになる(ステップS101)。なお、受付部15は、ユーザから受け付けたユーザ識別子と変更内容とを取得部16に渡す。このようにして、取得部16にユーザ識別子と、料理識別子及び変更内容を含む変更指示とが渡されたことになる。また、受付部15は、変更指示を蓄積部18に渡す。
【0072】
変更指示を受け取ると、蓄積部18は、その変更指示によって特定される料理識別子「ABCラテ」と、変更内容「牛乳を豆乳に変更」とを含む変更情報を変更情報記憶部19に蓄積する(ステップS102)。
【0073】
また、変更指示等を受け取ると、取得部16は、変更指示によって特定された変更が、あらかじめ決められた変更であるかどうか判断する(ステップS103)。この場合には、出力部17によって出力された複数の変更内容から、変更内容「牛乳を豆乳に変更」が選択されたため、取得部16は、変更指示によって特定された変更が、あらかじめ決められた変更であると判断し、変更指示によって特定された料理識別子「ABCラテ」及び変更内容「牛乳を豆乳に変更」に対応する成分情報の差分を、差分情報記憶部13から読み出す。そして、取得部16は、料理情報記憶部11から、料理識別子「ABCラテ」に対応する成分情報を読み出し、その料理「ABCラテ」の成分情報と、特定された変更に対応した成分情報の差分とを用いて、カスタム料理の成分情報を含むカスタム料理情報を取得する(ステップS104)。具体的には、取得部16は、料理「ABCラテ」の成分情報に含まれる栄養素情報「250(kcal)」及びアレルギー情報「乳(牛乳)」と、変更内容に対応した成分情報の差分に含まれる栄養素情報の差分「-30(kcal)」及びアレルギー情報の差分「-乳(牛乳)」とを用いて、栄養素情報と栄養素情報の差分とを加算し、アレルギー情報とアレルギー情報の差分とを加算する。その結果、カスタム料理の成分情報に含まれる栄養素情報「220(kcal)」及びアレルギー情報「(なし)」が取得され、出力部17に渡される。したがって、カスタム料理情報には、栄養素情報「220(kcal)」と、アレルギー物質が含まれない旨のアレルギー情報とが含まれることになる。なお、カスタム料理情報には、ベース料理を識別する料理識別子「ABCラテ」や、ベース料理に対して行われた変更内容「牛乳を豆乳に変更」が含まれてもよい。
【0074】
また、取得部16は、受付部15によって受け付けられたユーザ識別子「U001」に対応する適合性情報を、ユーザ情報記憶部14から読み出す。この場合には、禁止アレルギー物質「乳」及び低カロリー嗜好「0」を含む適合性情報が読み出されることになる。そして、取得部16は、変更前の料理「ABCラテ」の成分情報と、カスタム料理の成分情報とを用いて、カスタム料理がユーザU001の適合性情報に適合しているかどうかを判定する。具体的には、カスタム料理情報に含まれる成分情報のアレルギー情報に、禁止アレルギー物質「乳」が含まれるかどうか判断する。この場合には、カスタム料理情報に含まれる成分情報のアレルギー情報に、禁止アレルギー物質「乳」は含まれないため、禁止アレルギー物質については適合していることになる。また、低カロリー嗜好は、その嗜好のないことを示す「0」であるため、取得部16は、低カロリー嗜好に関する判定は行わない。その結果、取得部16は、カスタム料理が、ユーザの適合性情報に適合している旨の適合判定結果を取得して出力部17に渡す(ステップS106)。
【0075】
カスタム料理情報と適合判定結果とを受け取ると、出力部17は、それらの情報をユーザU001の情報処理端末2に送信する(ステップS107)。送信されたカスタム料理情報や適合判定結果は、ユーザU001の情報処理端末2で受信され、表示される。その結果、ユーザU001は、カスタム料理の成分情報に含まれる栄養素情報「220(kcal)」及びアレルギー物質が含まれない旨のアレルギー情報と、そのカスタム料理がユーザの適合性情報に適合している旨とを知ることができる。
【0076】
次に、ユーザU002が情報処理端末2を操作して、カスタム料理情報を取得するサーバである情報処理装置1にログインしたとする。すると、受付部15は、ユーザU002のユーザ識別子「U002」やパスワードを受け付ける。そして、情報処理装置1において、その受け付けられたユーザ識別子等を用いて認証処理が行われる。その認証において、ユーザU002が正当であると判断されたとする。すると、出力部17は、料理の一覧をユーザU002の情報処理端末2に送信する。そして、料理の一覧が、ユーザU002の情報処理端末2で表示される。
【0077】
その後、ユーザU002が、情報処理端末2に表示された料理の一覧において、料理「AAA弁当」を選択したとすると、その料理識別子「AAA弁当」を特定する情報が受付部15で受け付けられる。また、取得部16は、その受け付けられた料理識別子「AAA弁当」に対応する変更内容が差分情報記憶部13で記憶されているかどうか判断する。この場合には、その変更内容が記憶されていなかったとする。すると、あらかじめ決められた変更がない旨が取得部16から出力部17に渡され、出力部17からユーザU002の情報処理端末2に送信される。そして、情報処理端末2において、あらかじめ決められた変更がない旨が表示される。
【0078】
この場合には、あらかじめ決められた変更がないため、ユーザU002は、料理「AAA弁当」に対して行う変更内容を示す変更指示を入力する。ここでは、削除する食材を識別する食材識別子「白飯」と、その量「50(g)」とが入力され、それらを含む変更内容が情報処理装置1に送信されたとする。このようにして、受付部15によって、料理識別子「AAA弁当」と変更内容とを含む変更指示が受け付けられたことになる(ステップS101)。なお、受付部15は、ユーザから受け付けたユーザ識別子と変更内容とを取得部16に渡し、料理識別子及び変更内容を含む変更指示を蓄積部18に渡す。
【0079】
変更指示を受け取ると、蓄積部18は、その変更指示によって特定される料理識別子「AAA弁当」と変更内容とを含む変更情報を変更情報記憶部19に蓄積する(ステップS102)。
【0080】
また、変更指示等を受け取ると、取得部16は、変更指示によって特定された変更が、あらかじめ決められた変更であるかどうか判断する(ステップS103)。この場合には、出力部17によって変更内容の出力は行われていないため、取得部16は、変更指示によって特定された変更内容が、あらかじめ決められた変更ではないと判断する。そして、変更指示に含まれる削除対象の食材を識別する食材識別子「白飯」と、その量「50(g)」とを用いて、成分情報の差分を取得する。具体的には、食材識別子「白飯」に対応する成分情報を、食材情報記憶部12から読み出す。そして、その読み出した成分情報の栄養素情報に含まれる単位量(100(g))当たりの熱量「150(kcal)」と、削除された量「50(g)」とを用いて、栄養素情報の差分「-75(kcal)」を取得する。なお、食材「白飯」にはアレルギー物質は含まれていないため、アレルギー情報に関する差分は取得されないことになる。
【0081】
その後、取得部16は、料理情報記憶部11から、料理識別子「AAA弁当」に対応する成分情報を読み出し、その料理「AAA弁当」の成分情報と、取得した成分情報の差分とを用いて、カスタム料理の成分情報を含むカスタム料理情報を取得する(ステップS105)。この場合には、カスタム料理の成分情報に含まれる栄養素情報「445(kcal)」及びアレルギー情報「卵、乳、小麦」が取得され、それらを含むカスタム料理情報が出力部17に渡される。
【0082】
また、取得部16は、受付部15によって受け付けられたユーザ識別子「U002」に対応する適合性情報を、ユーザ情報記憶部14から読み出す。この場合には、禁止アレルギー物質「(なし)」及び低カロリー嗜好「1」を含む適合性情報が読み出されることになる。そして、取得部16は、変更前の料理「AAA弁当」の成分情報と、カスタム料理の成分情報とを用いて、カスタム料理がユーザU001の適合性情報に適合しているかどうかを判定する。具体的には、禁止アレルギー物質がないため、アレルギー物質に関する判断は行われない。また、低カロリー嗜好が「1」であるため、取得部16は、変更前の料理「AAA弁当」から、カスタム料理への変更において、熱量が減少したかどうか判断する。この場合には、栄養素情報の差分は「-75(kcal)」であり、熱量が減少しているため、取得部16は、カスタム料理が低カロリー嗜好に適合していると判定する。そして、取得部16は、カスタム料理が、ユーザの適合性情報に適合している旨の適合判定結果を取得して出力部17に渡す(ステップS106)。
【0083】
カスタム料理情報と適合判定結果とを受け取ると、出力部17は、それらの情報をユーザU002の情報処理端末2に送信する(ステップS107)。そのカスタム料理情報や適合判定結果は、情報処理端末2で表示される。その結果、ユーザU002は、カスタム料理の成分情報である栄養素情報及びアレルギー情報と、そのカスタム料理がユーザの適合性情報に適合している旨とを知ることができる。
【0084】
図7は、蓄積部18によって蓄積された変更情報の一例を示す図である。変更情報の蓄積が繰り返して行われることによって、変更情報記憶部19で記憶されている変更情報は、例えば、図7で示されるようになる。そして、より多く行われた変更を示す変更情報を特定するあらかじめ決められたタイミングになると、特定部20は、変更情報記憶部19から図7で示される変更情報を読み出し、より多く行われた変更を示す変更情報を特定する(ステップS108,S109)。ここでは、料理「AAA弁当」に対する変更内容「削除食材:白飯;削除量:50g;追加食材:-;追加量;-」が、より多く行われた変更を示す変更情報として特定されたとする。すると、出力部17は、その特定された料理識別子「AAA弁当」と、変更内容「削除食材:白飯;削除量:50g;追加食材:-;追加量;-」とを含む変更情報を出力する(ステップS110)。このようにして、より多く行われる変更を示す変更情報が出力されることによって、例えば、料理「AAA弁当」において、白飯の量を削減するなどの改良を行うことができるようになる。
【0085】
なお、本実施の形態による情報処理装置1は、例えば、複数の企業が提供している料理に対応するカスタム料理情報を取得するために用いられてもよく、または、ある企業が、自社が提供している料理に関する成分情報を提供するサイトやアプリケーション等において、あらかじめ決められた変更の行われたカスタム料理に対応するカスタム料理情報を提供するために用いられてもよい。
【0086】
以上のように、本実施の形態による情報処理装置1によれば、料理に含まれる一部の食材について変更を行う場合に、その変更後のカスタム料理に含まれる栄養素及びアレルギー物質の少なくとも一方に関する情報を容易に取得することができるようになる。そのため、例えば、食材の削除や、食材の置換を行ったカスタム料理に関する熱量や、その料理に含まれるアレルギー物質について容易に知ることができるようになり、その情報を用いて、ユーザは、カスタム料理を購入するかどうか、摂取するかどうかなどを決めることができるようになる。
【0087】
また、通常、料理を提供する企業や料理店は、ベース料理を構成するすべての食材とその分量については公開を望まないことが多いと思われる。ノウハウの流出を回避するためである。一方、ベース料理について行われるあらかじめ決められた変更に対応する成分情報の差分については公開しても問題ないと考える企業や料理店も多いと考えられる。そのような状況において、本実施の形態による情報処理装置1では、ベース料理の成分情報と、あらかじめ決められた食材の変更に応じた成分情報の差分が分かればカスタム料理の成分情報を取得することができるため、ベース料理を構成する食材や分量が公開されていなくてもよいことになり、それらの情報を公開したくない企業や料理店のノウハウの流出を防止しながらも、カスタム料理の成分情報を取得することができるようになる。また、成分情報の差分が用いられることによって、カスタム料理の成分情報を、より高い精度で取得できることになる。
【0088】
また、食材情報を用いることによってカスタム料理の成分情報を取得することもできるため、ユーザが、あらかじめ決められた変更とは異なる変更を行った場合や、あらかじめ決められた変更が設定されていない料理について食材の変更を行った場合であっても、その変更後のカスタム料理の成分情報を取得することができるようになる。
【0089】
また、カスタム料理がユーザの適合性情報に適合するのかどうかを示す適合判定結果が出力されることによって、ユーザは、カスタム料理に、摂取してはならないアレルギー物質が含まれているかどうかや、カスタム料理がより低カロリーになっているかどうかなどについて知ることができるようになり、ユーザの利便性が高まることになる。
【0090】
さらに、より多く行われた変更を示す変更情報が特定されて出力されることによって、料理に対する変更内容の傾向について知ることができるようになり、新たな料理を作る際の参考にすることができるようになる。
【0091】
なお、本実施の形態では、変更対象の料理についてあらかじめ決められた変更を示す情報が出力される際には、あらかじめ決められた変更を示すすべての情報が出力される場合について説明したが、そうでなくてもよい。変更対象の料理に対応するあらかじめ決められた変更を示す情報のうち、適合性情報に適合する変更を示す情報のみが出力されてもよい。この場合には、情報処理装置1は、図8で示されるように、選択部21をさらに備えていてもよい。以下、この選択部21に関連する動作について説明する。
【0092】
選択部21は、受付部15によって受け付けられたユーザ識別子に対応する適合性情報を用いて、そのユーザ識別子で識別されるユーザに適合する差分情報を選択する。なお、ユーザに適合する差分情報は、そのユーザのユーザ識別子に対応する適合性情報に適合する差分情報のことである。また、受付部15によって料理識別子が受け付けられている場合には、選択部21は、その料理識別子に対応する差分情報であって、受け付けられたユーザ識別子に対応する適合性情報に適合する差分情報を選択してもよい。
【0093】
例えば、適合性情報に摂取制限情報が含まれている場合には、選択部21は、例えば、追加される食材に禁止アレルギー物質が含まれる差分情報は選択せず、追加される食材に禁止アレルギー物質が含まれない差分情報を選択してもよい。この場合には、アレルギー情報の差分によって、禁止アレルギー物質が追加されることが示される差分情報は選択されないことになる。なお、選択部21は、例えば、ベース料理に対して、差分情報に対応する変更を行った後のカスタム料理に禁止アレルギー物質が含まれる場合、すなわちカスタム料理情報のアレルギー情報に禁止アレルギー物質が含まれる場合には、その差分情報を選択しなくてもよい。
【0094】
また、例えば、適合性情報に嗜好情報が含まれている場合には、選択部21は、変更内容が嗜好情報に合っている差分情報を選択し、そうでない差分情報を選択しなくてもよい。より具体的には、低カロリー嗜好であることを示す嗜好情報が適合性情報に含まれている場合には、栄養素情報の差分によって、熱量が低減することが示される差分情報のみが選択されてもよい。
【0095】
この場合には、出力部17は、選択部21によって選択された差分情報に対応する変更を示す情報をも出力してもよい。この変更を示す情報は、例えば、料理識別子と変更内容とを含んでいてもよく、すでに料理識別子が受け付けられている場合には、料理識別子を含んでいなくてもよい。また、受付部15は、出力部17によって出力されたいずれかの変更を特定する変更指示をユーザから受け付けてもよい。そして、取得部16は、その受け付けられた変更指示によって特定された変更に対応する差分情報を用いて、カスタム料理情報を取得してもよい。このカスタム料理情報の取得は、上記したとおりであり、その説明を省略する。このようにして、ユーザに適合した変更をユーザに提案できるようになり、ユーザが自らの摂取制限や嗜好に合う変更を容易に選択することができるようになる。
【0096】
また、本実施の形態では、より多く行われた変更を示す変更情報の特定が行われる場合について説明したが、そうでなくてもよい。そのような特定が行われない場合には、情報処理装置1は、蓄積部18や変更情報記憶部19、特定部20を有していなくてもよい。
【0097】
また、本実施の形態では、カスタム料理がユーザに適合するかどうかを示す適合判定結果が取得される場合について説明したが、そうでなくてもよい。そのような判定が行われない場合には、情報処理装置1は、ユーザ情報記憶部14を有していなくてもよい。
【0098】
また、本実施の形態では、変更対象の食材等を示す変更指示が受け付けられ、その変更指示によって示される食材等に対応する食材情報を用いてカスタム料理情報が取得される場合について説明したが、そうでなくてもよい。そのような食材情報を用いたカスタム料理情報の取得が行われない場合には、情報処理装置1は、食材情報記憶部12を有していなくてもよい。
【0099】
また、本実施の形態では、あらかじめ決められた変更を特定する変更指示が受け付けられ、その変更に対応する差分情報を用いてカスタム料理情報が取得される場合について説明したが、そうでなくてもよい。そのような差分情報を用いたカスタム料理情報の取得が行われない場合には、情報処理装置1は、差分情報記憶部13を有していなくてもよい。
【0100】
また、本実施の形態では、情報処理装置1がサーバ・クライアントシステムにおけるサーバである場合について主に説明したが、上記したように、情報処理装置1は、スタンドアロンの装置であってもよい。
【0101】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、または、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0102】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、または、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、または長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、または、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、または、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0104】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、または、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0105】
また、上記実施の形態において、情報処理装置1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、または、別々のデバイスを有してもよい。
【0106】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、または、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。なお、上記実施の形態における情報処理装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、複数の食材から構成される料理に対応する栄養素の量に関する栄養素情報及びアレルギー物質の有無に関するアレルギー情報の少なくとも一方を有する成分情報を含む料理情報が料理ごとに記憶される料理情報記憶部にアクセス可能なコンピュータを、料理情報に対応する料理を構成する食材の削除を少なくとも含む食材の変更を示す変更指示を受け付ける受付部、変更指示に応じて食材が変更された料理であるカスタム料理に対応する成分情報を含むカスタム料理情報を、変更前の料理に対応する料理情報を用いて取得する取得部、カスタム料理情報を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。
【0107】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を受け付ける受付部や、情報を取得する取得部、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
【0108】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD-ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0109】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、または分散処理を行ってもよい。
【0110】
図9は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による情報処理装置1を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0111】
図9において、コンピュータシステム900は、CD-ROMドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0112】
図10は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図10において、コンピュータ901は、CD-ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0113】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による情報処理装置1の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM921に記憶されて、CD-ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD-ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、CD-ROM921に代えて他の記録媒体(例えば、DVD等)を介して、プログラムがコンピュータシステム900に読み込まれてもよい。
【0114】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による情報処理装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0115】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0116】
以上より、本発明の一態様による情報処理装置等によれば、一部の食材が変更された料理に含まれる栄養素及びアレルギー物質の少なくとも一方に関する情報を取得できるという効果が得られ、そのような情報を取得する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0117】
1 情報処理装置
11 料理情報記憶部
12 食材情報記憶部
13 差分情報記憶部
14 ユーザ情報記憶部
15 受付部
16 取得部
17 出力部
18 蓄積部
19 変更情報記憶部
20 特定部
21 選択部
【要約】
【課題】一部の食材が変更された料理に含まれる栄養素及びアレルギー物質の少なくとも一方に関する情報を取得する情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、複数の食材から構成される料理に対応する栄養素の量に関する栄養素情報及びアレルギー物質の有無に関するアレルギー情報の少なくとも一方を有する成分情報を含む料理情報が料理ごとに記憶される料理情報記憶部11と、料理情報に対応する料理を構成する食材の削除を少なくとも含む食材の変更を示す変更指示を受け付ける受付部15と、変更指示に応じて食材が変更された料理であるカスタム料理に対応する成分情報を含むカスタム料理情報を、変更前の料理に対応する料理情報を用いて取得する取得部16と、カスタム料理情報を出力する出力部17とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10