(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】窓ステー
(51)【国際特許分類】
E05C 17/28 20060101AFI20220615BHJP
E05C 17/34 20060101ALI20220615BHJP
E05D 15/30 20060101ALN20220615BHJP
E05D 15/44 20060101ALN20220615BHJP
【FI】
E05C17/28
E05C17/34
E05D15/30
E05D15/44
(21)【出願番号】P 2019529480
(86)(22)【出願日】2017-11-30
(86)【国際出願番号】 NZ2017050153
(87)【国際公開番号】W WO2018101845
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-09-07
(32)【優先日】2016-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(73)【特許権者】
【識別番号】505138978
【氏名又は名称】エイエスエスエイ・アブロイ・ニュージーランド・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】マグレガー,ダンカン・ダフ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウンリー,スーザン・マートル
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-190309(JP,A)
【文献】特開2015-190310(JP,A)
【文献】特開平10-025942(JP,A)
【文献】登録実用新案第3113655(JP,U)
【文献】特開2008-169669(JP,A)
【文献】米国特許第05381628(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 17/28
E05C 17/34
E05D 15/30
E05D 15/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠への取り付け用に構成された枠板と、
窓サッシへの取り付け用に構成されたサッシ板と、
前記枠板上をスライドするように構成されたキャリッジと、
前記キャリッジを前記サッシ板に接続する接続要素と、を含む窓ステーであって、
前記キャリッジは、
キャリッジ本体と、
ラッチ位置において前記枠板と係合して前記枠板上で前記キャリッジをロックし、ラッチ解除位置において前記キャリッジが前記枠板上をスライドすることを可能にするように構成されたラッチ要素と、を含み、
前記枠板は、キャリッジのいかなるスライド後にも前記ラッチ要素を前記ラッチ位置に戻すように構成された1つ以上のリセット要素を含
み、
前記ラッチ要素は、前記枠板の長手方向軸と平行な軸に沿ってスライドし、前記リセット要素と係合して、前記ラッチ解除位置と前記ラッチ位置との間を移動するように構成されている、窓ステー。
【請求項2】
前記1つ以上のリセット要素は、角度付き面を含む段差付き凹部を含む、請求項1に記載の窓ステー。
【請求項3】
前記角度付き面は前記キャリッジが移動するにつれて前記ラッチ要素を前記ラッチ位置に押し込む、請求項2に記載の窓ステー。
【請求項4】
前記段差付き凹部は少なくとも1つの傾斜面、及びロック面を更に備え、前記ラッチ要素は、前記ラッチ位置において前記ロック面の背後でロックされ、前記ラッチ解除位置において前記ロック面から解放されて前記傾斜面上をスライドする、請求項2又は請求項3に記載の窓ステー。
【請求項5】
前記ラッチ要素はばねによって支持されている、請求項4に記載の窓ステー。
【請求項6】
前記ばねは前記ラッチ要素が傾斜面を滑り上がるにつれて圧縮される、請求項5に記載の窓ステー。
【請求項7】
前記1つ以上のリセット要素が前記枠板と一体形成されている、請求項1から請求項6のいずれかに記載の窓ステー。
【請求項8】
前記窓ステーの第1の構成では、前記ラッチ要素は前記ラッチ位置にあり、前記キャリッジは前記枠板上の第1のキャリッジ位置にあり、前記窓ステーの第2の構成では、前記ラッチ要素は前記ラッチ解除位置にあり、前記キャリッジは前記枠板上でスライド可能である、請求項1から請求項7のいずれかに記載の窓ステー。
【請求項9】
前記第1の構成にある場合は、前記サッシ板を前記枠板に対して閉鎖位置と部分開放位置との間で移動させることができ、前記窓ステーが前記第2の構成にある場合は、前記サッシ板を前記枠板に対して前記部分開放位置と完全開放位置との間で移動させることができる、請求項8に記載の窓ステー。
【請求項10】
前記閉鎖位置は、前記窓サッシの平面が前記窓枠の平面と平行であることに対応し、前記部分開放位置は、前記窓サッシの前記平面が前記窓枠の前記平面に対して5~50度の角度にあることに対応し、前記完全開放位置は、前記窓サッシの前記平面が前記窓枠の前記平面に対して50~110度の角度にあることに対応する、請求項9に記載の窓ステー。
【請求項11】
前記枠板を前記サッシ板に接続する追加の接続要素を更に含む、請求項1から請求項10のいずれかに記載の窓ステー。
【請求項12】
前記ラッチ要素の前記ラッチ位置及び前記ラッチ解除位置は前記キャリッジの摺動軸に対して横軸上にある、請求項1から請求項11のいずれかに記載の窓ステー。
【請求項13】
前記ラッチ要素は前記キャリッジ本体内に実装され、前記ラッチ要素は、前記ラッチ解除位置と前記ラッチ位置との間で前記横軸に沿ってスライドするように構成されている、請求項12に記載の窓ステー。
【請求項14】
前記キャリッジが前記枠板上の第1のキャリッジ位置にある場合は、前記サッシ板は前記枠板に対して閉鎖位置と部分開放位置との間で移動するように構成され、前記キャリッジが前記枠板上の第2のキャリッジ位置にある場合は、前記サッシ板は前記枠板に対して完全開放位置まで移動するように構成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の窓ステー。
【請求項15】
前記閉鎖位置は、前記窓サッシの平面が前記窓枠の平面と平行であることに対応し、前記部分開放位置は、前記窓サッシの前記平面が前記窓枠の前記平面に対して10~60度の角度にあることに対応し、前記完全開放位置は、前記窓サッシの前記平面が前記窓枠の前記平面に対して60~110度の角度にあることに対応する、請求項14に記載の窓ステー。
【請求項16】
2つの対向する段差付き凹部を備え、前記各段差付き凹部はそれぞれ前記第1のキャリッジ位置及び前記第2のキャリッジ位置に対応する、請求項14又は請求項15に記載の窓ステー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は窓ステーに関し、特に本発明はスライド式窓ステーに関する。
【背景技術】
【0002】
窓ステー(窓ステーヒンジ又は摩擦ステーとしても知られる)は窓業界では良く知られている。典型的には、窓ステーは窓サッシを窓枠に接続し、窓を開閉できるようにヒンジとして機能する。多くの場合、窓ステーは、窓枠への取り付け用に構成された枠板、窓サッシへの取り付け用に構成されたサッシ板、及び枠板とサッシ板との間で枢動可能に接続された複数のアームを含む。窓のタイプ及び必要な開閉機構のタイプに応じて、多くの異なる構成の窓ステーが入手可能である。
【0003】
いくつかの窓ステーでは、枠板上でスライドできるキャリッジが存在し得る。アームのうちの1つ以上を、枠板に直接接続するのではなく、キャリッジに接続させてもよい。このとき、キャリッジは窓の開閉機構の一部としてスライドできる。
【0004】
例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、英国特許第2311324B号明細書は、いわゆる「4バー」窓ステーを開示している。この窓ステーは、枠板とサッシ板との間で枢動可能に接続された短アーム及び長アームを含む。短アームはスライド式キャリッジによって枠板に接続されている。通常操作では、キャリッジはロック手段によってスライドすることを制限され、アームの構成は、サッシ板が(窓が閉鎖位置から第1の開放位置に開くのに対応して)枠板に対して移動できるようになっている。更に操作すると、ロック手段が解放されて、キャリッジは枠板上をスライドすることができ、それにより窓を第1の開放位置から第2の開放位置に更に開けることができる。英国特許第2311324B号明細書によって教示されているロック手段は、突出部と一体形成されたボタンを含む。突出部は枠板と係合してキャリッジがスライドすることを制限する。突出部は、これもまたボタンと一体形成されたばね部品により、ロック位置に付勢される。
【0005】
英国特許第2311324B号明細書が開示する窓ステーに関連する問題は、ばね部品がプラスチック製であるため、(ばね部品と一体形成されている)ボタン及び突出部もまたプラスチック製である点である。突出部はその後摩耗に曝され、これは窓ステーの寿命全体にわたってロック手段の性能に影響を与える。
【0006】
スライド式キャリッジを含む窓ステーに関連する更なる問題は、キャリッジを保持するように枠板を構成しなければならない点である。1つのアプローチは、枠板がトラックとしての使用に好適な外形を有するように、押出成形プロセスを使用して枠板を形成することである。例えば英国特許第2311324B号明細書が開示する窓ステーの枠板は、略「U」字型の外形を有する押出成形された伸長部分であり、このU字型外形の中には、キャリッジがスライド式の構成で入れ子状に組み込まれている。
【0007】
本明細書におけるいずれの文献への参照も、そのような文献が技術常識の一部を成すことを容認するものではない。
【0008】
本発明は、改善された窓ステーを提供すること、又は少なくとも公衆に有用な選択を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【0010】
第1の態様では、本発明は、窓枠への取り付け用に構成された枠板と、窓サッシへの取り付け用に構成されたサッシ板と、枠板上をスライドするように構成されたキャリッジと、キャリッジをサッシ板に接続する接続要素とを含む窓ステーに関し、キャリッジは、キャリッジ本体と、ラッチ位置において枠板と係合して枠板上でキャリッジをロックし、ラッチ解除位置においてキャリッジが枠板上をスライドすることを可能にするように構成されたラッチ要素とを含み、枠板は、キャリッジ移動後にラッチ要素をラッチ位置に戻すように構成された1つ以上のリセット要素を含む。
【0011】
任意選択的に、ラッチ要素は、枠板の長手方向軸と平行な軸に沿ってスライドし、リセット要素と係合して、ラッチ解除位置とラッチ位置との間を移動するように構成されている。
【0012】
任意選択的に、1つ以上のリセット要素は角度付き面を含む段差付き凹部を含む。
【0013】
任意選択的に、角度付き面はキャリッジが移動するにつれてラッチ要素をラッチ位置に押し込む。
【0014】
任意選択的に、段差付き凹部は少なくとも1つの傾斜面、及びロック面を更に備え、ラッチ要素は、ラッチ位置においてロック面の背後でロックされ、ラッチ解除位置においてロック面から解放されて傾斜面上をスライドする。
【0015】
任意選択的に、ラッチ要素は、ラッチ要素がリセット要素上を移動するにつれて、枠板に入り、かつ枠板から出るように移動可能なばねによって支持されている。
【0016】
任意選択的に、ばねはラッチ要素が傾斜面を滑り上がるにつれて圧縮される。
【0017】
任意選択的に、1つ以上のリセット要素は枠板と一体形成されている。
【0018】
任意選択的に、窓ステーの第1の構成では、ラッチ要素はラッチ位置にあり、キャリッジは枠板上の第1のキャリッジ位置にあり、窓ステーの第2の構成では、ラッチ要素はラッチ解除位置にあり、キャリッジは枠板上でスライド可能である。
【0019】
任意選択的に、第1の構成にある場合は、サッシ板を枠板に対して閉鎖位置と部分開放位置との間で移動させることができ、窓ステーが第2の構成にある場合は、サッシ板を枠板に対して部分開放位置と完全開放位置との間で移動させることができる。
【0020】
任意選択的に、ラッチ要素のラッチ位置及びラッチ解除位置はキャリッジの摺動軸に対して横軸上にある。
【0021】
任意選択的に、ラッチ要素はキャリッジ本体内に実装され、ラッチ要素は、ラッチ解除位置とラッチ位置との間で横軸に沿ってスライドするように構成されている。
【0022】
任意選択的に、キャリッジが枠板上の第1のキャリッジ位置にある場合は、サッシ板は枠板に対して閉鎖位置と部分開放位置との間で移動するように構成され、キャリッジが枠板上の第2のキャリッジ位置にある場合は、サッシ板は枠板に対して完全開放位置まで移動するように構成されている。
【0023】
任意選択的に、閉鎖位置は、窓サッシの平面が窓枠の平面と平行であることに対応し、部分開放位置は、窓サッシの平面が窓枠の平面に対して5~50度の角度にあることに対応し、完全開放位置は、窓サッシの平面が窓枠の平面に対して50~110度の角度にあることに対応する。
【0024】
任意選択的に、閉鎖位置は、窓サッシの平面が窓枠の平面と平行であることに対応し、部分開放位置は、窓サッシの平面が窓枠の平面に対して10~60度の角度にあることに対応し、完全開放位置は、窓サッシの平面が窓枠の平面に対して60~110度の角度にあることに対応する。
【0025】
任意選択的に、窓ステーは2つの対向する段差付き凹部を備え、各段差付き状凹部はそれぞれ第1のキャリッジ位置及び第2のキャリッジ位置に対応する。
【0026】
第2の態様では、本発明は、窓枠への取り付け用に構成された枠板と、窓サッシへの取り付け用に構成されたサッシ板と、枠板上をスライドするように構成されたキャリッジと、キャリッジをサッシ板に接続する接続要素とを含む窓ステーに関し、キャリッジは、キャリッジ本体と、ラッチ位置において枠板と係合してキャリッジを枠板上にロックし、ラッチ解除位置においてキャリッジを枠板上でスライドさせることを可能にするように構成されたラッチ機構と、サッシ板がキャリッジ上で閉じるにつれてラッチ機構をラッチ位置に戻すように構成されたサッシ板上の1つ以上のリセット要素とを含む。
【0027】
任意選択的に、窓が閉じられるとサッシ板はキャリッジ上で閉じる。
【0028】
任意選択的に、ラッチ機構は、ラッチ要素と、枠板内の段差付き凹部とを備え、ラッチ要素は、枠板の長手方向軸と平行な軸に沿って、ラッチ位置とラッチ解除位置との間でスライドするように構成されている。
【0029】
任意選択的に、キャリッジは移動可能にラッチ要素と接続されたボタンを含む。
【0030】
任意選択的に、リセット要素は、サッシ板がキャリッジ上で閉じるにつれて、ボタンをラッチ位置に押し入れるように構成されている。
【0031】
任意選択的に、リセット要素はキャリッジに向かって隆起した隆起部である。
【0032】
任意選択的に、ボタンは、キャリッジの移動方向を横断するように、キャリッジの凹部内でラッチ位置とラッチ解除位置との間をスライドする。
【0033】
任意選択的に、キャリッジ凹部は、ボタンの特徴部と相互作用してボタンをラッチ位置に向かって付勢するように形作られている。
【0034】
任意選択的に、ラッチ要素はボタンにばね式に接続され、それによりラッチ要素は軸方向にキャリッジから離れるように、かつキャリッジに向かって移動可能である。
【0035】
任意選択的に、ボタンは、リセット要素と相互作用するように構成された変形可能部を含む。
【0036】
「備える(comprise)」、「備える(comprises)」、及び「備える(comprising)」という用語は、異なる管轄区域において、排他的意味又は包括的意味のいずれかに解釈され得ることが了解されている。本明細書の目的のため、かつ特に注記のない限り、これら用語は包括的意味を有することを意図しており、すなわちこれら用語は、直接的に使用が言及されるところの列挙された構成要素を、及び場合によっては明示されなかった構成要素又は要素をも包含することを意味すると解釈される。
【0037】
本発明を、添付の図面を参照して、あくまで一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】一実施形態による、部分開放位置にある窓ステーの等角図を示す。
【
図2】閉鎖位置にある
図1の窓ステーの等角図を示す。
【
図3】完全開放位置にある
図1の窓ステーの等角図を示す。
【
図5】ラッチ機構がラッチ位置にある
図1の窓ステーの一部の断面図を示す。
【
図6】ラッチ機構がラッチ解除位置にある
図1の窓ステーの一部の断面図を示す。
【
図10a】閉鎖位置にある窓ステーを含む窓の一部の等角図を示す。
【
図10b】部分開放位置にある窓ステーを含む窓の一部の等角図を示す。
【
図10c】完全開放位置にある窓ステーを含む窓の一部の等角図を示す。
【
図11】第2の実施形態による、部分開放位置にある窓ステーの等角図を示す。
【
図13】完全開放位置にある
図11の窓ステーの等角図を示す。
【
図15】ラッチ機構がラッチ位置にある
図11の窓ステーの一部の断面図を示す。
【
図16】ラッチ機構がラッチ解除位置にある
図11の窓ステーの一部の断面図を示す。
【
図18】第2の実施形態による枠板の等角図を示す。
【
図20a】第2の実施形態による、閉鎖位置にある窓ステーを含む窓の一部の等角図を示す。
【
図20b】第2の実施形態による、部分開放位置にある窓ステーを含む窓の一部の等角図を示す。
【
図20c】第2の実施形態による、完全開放位置にある窓ステーを含む窓の一部の等角図を示す。
【
図21】第3の実施形態による、部分開放位置にある窓ステーの等角図を示す。
【
図23】完全開放位置にある
図21の窓ステーの等角図を示す。
【
図25】ラッチ機構がラッチ位置にある
図21の窓ステーの一部の断面図を示す。
【
図26】ラッチ機構がラッチ解除位置にある
図21の窓ステーの一部の断面図を示す。
【
図28】第3の実施形態による枠板の等角図を示す。
【
図30a】第3の実施形態による、閉鎖位置にある窓ステーを含む窓の一部の等角図を示す。
【
図30b】第3の実施形態による、部分開放位置にある窓ステーを含む窓の一部の等角図を示す。
【
図30c】第3の実施形態による、完全開放位置にある窓ステーを含む窓の一部の等角図を示す。
【
図31】第4の実施形態によるステーの一部の正面図を示す。
【
図32a】第4の実施形態による枠板の斜視図を示す。
【
図33a】第4の実施形態によるキャリッジ移動シーケンスを示す。
【
図33b】第4の実施形態によるキャリッジ移動シーケンスを示す。
【
図33c】第4の実施形態によるキャリッジ移動シーケンスを示す。
【
図33d】第4の実施形態によるキャリッジ移動シーケンスを示す。
【
図33e】第4の実施形態によるキャリッジ移動シーケンスを示す。
【
図33f】第4の実施形態によるキャリッジ移動シーケンスを示す。
【
図33g】第4の実施形態によるキャリッジ移動シーケンスを示す。
【
図33h】第4の実施形態によるキャリッジ移動シーケンスを示す。
【
図41d】変形可能部分を有するボタンの上面図を示す。
【
図42a】変形可能部分を有するボタンの斜視図を示す。
【
図42b】変形可能部分を有するボタンの下面斜視図を示す。
【
図42c】変形可能部分を有するボタンの右側面図を示す。
【
図43b】ラッチ位置にあるボタンを有するキャリッジの上面図を示す。
【
図43c】ラッチ解除位置にあるボタンを有するキャリッジの上面図を示す。
【
図43d】キャリッジ及びボタンアセンブリの分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は一実施形態による窓ステー1を示す。窓ステー1は、窓枠に実装するための枠板2と、窓サッシに実装するためのサッシ板3とを含む。
図1には窓枠も窓サッシも示されていないが、当業者であれば、本発明の窓ステーを任意の好適なタイプの窓枠及び窓サッシと共に設置して、オーニングタイプの窓又は開き窓タイプの窓のいずれかを実現し得る方法を理解するであろう。
【0040】
キャリッジ4は枠板2上をスライドするように構成されている。短アーム5及びジョイント6、7の形態の接続要素がキャリッジをサッシ板に接続している。長アーム8及びジョイント9、10の形態の追加の接続要素が枠板をサッシ板に接続している。ジョイント6、7、9、10は、この用途では良く知られている摩擦リベットジョイントなどの任意の好適なタイプのピボットジョイントであってもよい。接続要素5、6とジョイント6、7、9、10との構成により、枠板2とサッシ板3との間の相対移動が可能になる。以下でより詳細に説明するように、この相対移動により、設置された窓サッシを閉鎖位置から開放位置に変化させることが可能になる。枠板を窓枠に取り付け、サッシ板を窓サッシに取り付けるための好適な締結具を収容するための1つ以上の穴11、12、13、14、15が枠板及びサッシ板に設けられている。
【0041】
図1は部分開放位置にある窓ステー1を示す。部分開放位置では、窓サッシ(図示せず)の平面は窓枠(図示せず)の平面に対して10~60度の角度にある。
図1の実施形態では、この角度は概ね破線の弧16で示されており、約32度である。
【0042】
図2は閉鎖位置にある
図1の窓ステー1を示す。閉鎖位置では、窓サッシ(図示せず)の平面は窓枠(図示せず)の平面と平行である。
【0043】
図1と
図2との比較から、接続要素5、6、及びジョイント6、7、9、10の構成が、枠板2とサッシ板3との間の相対移動を可能にする方法が理解されよう。従って、これにより、窓サッシを
図1の部分開放位置から
図2の閉鎖位置に変更することが(かつ再び元に戻すことが)可能であることが更に理解されよう。
図1の部分開放位置と
図2の閉鎖位置の両方において、キャリッジ4は枠板に対して同一の第1のキャリッジ位置に留まっていることが更に理解されよう。以下でより詳細に説明するように、キャリッジはラッチ機構17によって、枠板上をスライドすることが制限され得る。
【0044】
図3は完全開放位置にある
図1の窓ステー1を示す。完全開放位置では、窓サッシ(図示せず)の平面は窓枠(図示せず)の平面に対して60~110度の角度にある。
図3の実施形態では、この角度は概ね破線の弧18で示されており、約71度である。
【0045】
図1と
図3との比較から、接続要素5、6、ジョイント6、7、9、10、及びキャリッジ4の構成が、枠板2とサッシ板3との間の相対移動を可能にする方法が理解されよう。従って、これにより、窓サッシを
図1の部分開放位置から
図3の完全開放位置に変更することが(かつ再び元に戻すことが)可能であることが更に理解されよう。窓サッシを
図1の部分開放位置から完全開放位置に変更することを可能にするために、キャリッジ4は枠板2に沿って第1のキャリッジ位置から第2のキャリッジ位置にスライドすることが可能である。
【0046】
図4aは、キャリッジ4をより詳細に示すための、
図1の窓ステーの部分図を示す。キャリッジは、キャリッジ本体19とラッチ機構17とを含む。キャリッジ本体は枠板2上をスライドするように構成されている。キャリッジ4は、
図4bの下面図に示すように、キャリッジ4の側面に沿って延びるフランジ20を更に含む。フランジ20は枠板2の下側を効果的に取り巻き、よってキャリッジを枠板2に対して固定された関係に保つ一方で、依然として、(矢印Aで示すように)キャリッジを枠板の長さに沿ってスライドさせることを可能としている。キャリッジ本体は、任意の好適な材料から作製されてもよい。好ましくは、キャリッジ本体はプラスチック製である。これは容易に成形することができ、その結果、キャリッジ本体が枠板上をスライドする際の摩擦がより小さくなる。
【0047】
キャリッジ4のラッチ機構17は、ボタン21とラッチ要素22とを含む。ラッチ要素は、枠板2に設けられたノッチ23と係合する。これにより、キャリッジ4が枠板上をスライドすることが制限される。ボタン21が押されると、ラッチ要素22はノッチ23から解放され、よってキャリッジが枠板上をスライドすることが可能になる。使用中、利用者は窓サッシを部分開放状態から完全開放状態に開くことを希望する場合があり、そのためボタン21を押してラッチ機構を解除し、キャリッジを解放することができる。
【0048】
図5は、キャリッジの構造をより良く示すための、
図1のキャリッジ4の断面図を示す。
図1は、リベットジョイント7によってキャリッジに接続された短アーム5を示す。キャリッジ本体19は、枠板2の下側に示されるフランジ20によって枠板2の周りを取り巻いている。キャリッジ4は、インサート24を更に含んでもよい。短アーム5は、キャリッジ本体19とインサート24の両方に接続されている。このようなインサートは金属製であってもよく、これによりキャリッジの剛性を更に高めている。インサートはまた、キャリッジ本体が故障した場合(例えば、キャリッジ本体が火事で溶融した場合)に構造的安全装置として機能し得る。金属インサートは、短アームを保持し枠板2に取り付けられた状態を維持することになる。金属インサートはフランジ20の中に延びている。一実施形態では、フランジ20はインサートと一体形成されてもよい。
【0049】
図5は、ラッチ機構17を更に詳細に示す。ラッチ機構は、ボタン21とラッチ要素22とを含む。キャリッジ本体19は、ラッチ機構を収容するように構成されている。ボタンとラッチ要素は、ボタンが押されたときにラッチ要素が移動するように一緒に形成されていてもよい。
図5では、ラッチ機構17はラッチ位置で示されている。ラッチ位置では、ラッチ機構は枠板2と係合している。特に、ラッチ要素22は枠板に位置するノッチ23内で係合している。ラッチ要素がノッチ内で係合している状態では、キャリッジはラッチされ、枠板2上をスライドすることが制限される。ラッチ位置ではボタン21は押されていない。ラッチ機構は付勢要素25を含む。付勢要素は、ラッチ機構をラッチ位置に付勢する。付勢要素25はキャリッジ本体19と一体形成されている。好ましい実施形態では、キャリッジ本体と付勢要素の両方がプラスチックにより形成される。そのようなプラスチックは、付勢要素25に必要な復元力を与えるように(すなわち、ラッチ機構17を付勢してラッチ位置に入れるのに十分な力を付与するように)選択してもよい。付勢要素をキャリッジ本体と共に形成することによって、キャリッジの製造及び組み立てが簡略化される。以下でより詳細に説明するように、付勢要素をラッチ機構と共に形成しないことによって、ラッチ機構を金属などの耐摩耗性材料から形成することができる。
【0050】
図6は、
図5と同じキャリッジの図を示すが、ラッチ機構17はラッチ解除位置にある。ラッチ解除位置では、ラッチ機構は枠板2から解放されている。特に、ラッチ要素は枠板内のノッチ23から解放されている。ラッチ要素がノッチから解放された状態では、キャリッジは枠板2上をスライドすることができる。ラッチ解除位置では、ボタン21は押されている。一実施形態では、キャリッジ本体19は、ラッチ機構をラッチ解除位置に一時的に保持するように、ラッチ機構の縁部27と相互作用するように構成されたキャッチ26を含んでもよい。このようなキャッチを利用して、利用者がキャリッジ4をその第1のキャリッジ位置からスライドさせようとしながら、更に手動でボタン21を押し下げたままにする必要性を回避することができる。
【0051】
ラッチ解除位置では、付勢要素25が圧縮されているので、付勢要素はラッチ機構17をラッチ位置に付勢する傾向がある。キャッチ26は、付勢要素25がそれ自体でキャッチに打ち勝たないように構成されるべきであることが理解されよう。ラッチ機構は、ボタン21から離れる方向に延びる突出部28を含む。枠板2は、ボタンが押されたときにその突出部を収容するための凹部29を含んでもよい。キャリッジ4が枠板2に沿ってスライドし始めると、突出部28は凹部の縁部30にぶつかる。縁部は、キャッチ26に打ち勝つのに十分なように、付勢要素25と共に突出部を上向きに押すように適切に上反りしている。従って、キャリッジ4が枠板上をスライドすると、ラッチ機構17はもはやキャッチによって保持されない。次に、ラッチ要素22がノッチに遭遇すると、ラッチ機構はラッチ位置に戻る。
【0052】
好ましい実施形態では、ラッチ機構17は金属などの耐摩耗性材料から作製される。特定の窓ステーの寿命にわたって、ラッチ機構は多くの回数使用され得ることが理解されよう。これは構成要素であって、とりわけ特に窓ステー1の他の部分と境界を接する構成要素、例えば、
・それ自体が好ましくは金属製である枠板2のノッチ23と境界を接するラッチ要素22、
・キャッチ26と境界を接する、ラッチ機構17の縁部27、
・凹部の縁部30と境界を接する突出部28、
に、無視できない摩耗及び応力を加える可能性がある。
【0053】
更なる摩耗及び応力がラッチ要素によって支えられる。なぜなら、(特にオーニングタイプの窓の場合)ラッチ要素は短アームを介して窓サッシの重量の大部分を支えるからである。ラッチ機構を耐摩耗性材料で作製することによって、これらの構成要素は、同様に急速に摩耗及び劣化しない。これにより、窓ステーの寿命にわたって窓ステーが意図した通りに機能する能力が向上することになる。
【0054】
図1に戻ると、枠板2内に更なるノッチ31及び更なる凹部32も示されている。(
図3に示すように)キャリッジ4がスライドして完全開放構成の第2のキャリッジ位置に到ると、ラッチ要素は更なるノッチ31と係合し、よってキャリッジを第2のキャリッジ位置にラッチすることが理解されよう。
図7は
図3の窓ステーの断面を示す。
図7は、更なるノッチ31に係合しているラッチ要素22を示す。
【0055】
上記説明から、キャリッジが枠板上に固定される一方で、依然として枠板の長さに沿ってスライド可能であるよう、枠板2はキャリッジ4と協働するように構成されるべきであることが理解されよう。一実施形態では、枠板は、キャリッジの特定の幾何学的形状に適した形状で押出成形されてもよい。しかし、好ましい実施形態では、枠板はスタンピング加工、プレス加工又は同様のプロセスによってステンレス鋼から形成される。
【0056】
図8は、
図1~
図7に関連して上述した窓ステーの枠板2を示す。枠板は、略平坦な細長い部材から形成される。枠板は、枠板を窓枠(図示せず)に取り付けるための好適な締結具を収容するための穴11、13を含む。枠板は、好適なジョイントによって長アーム(図示せず)に接続するための更なる穴33を含む。枠板はまた、上述したノッチ23、凹部29、更なるノッチ31、及び更なる凹部32を含む。穴、ノッチ及び凹部は、例えば打抜き加工、穴あけ加工、又はスタンピング加工などの任意の好適なプロセスによって枠板に形成されてもよいことが理解されよう。
【0057】
枠板2は、第1の取付け部34と第2の取付け部35とを含む。第1の取付け部及び第2の取付け部は、枠板2を窓枠(図示せず)に取り付けるように構成されている。この目的のために、第1の取付け部34には穴11が設けられ、第2の取付け部には穴13が設けられている。
【0058】
枠板2はまた、第1の取付け部34と第2の取付け部35との間に延びるトラック部36を含む。トラック部は、第1の立上り部37によって第1の取付け部に接続され、第2の立上り部38によって第2の取付け部に接続されている。立上り部37、38は枠板の平面に対して概ね角度が付いているか又は垂直であり、トラック部36を第1の取付け部34及び第2の取付け部35に対して持ち上げる役割を担っている。トラック部は持ち上げられており、それにより、枠板が取り付けられるときに、
図8の矢印Bで示されるような間隙によって、トラック部が窓枠(図示せず)から隔てられている。トラック部36の長さの少なくとも一部において、間隙はトラック部39の一方の端部からトラック部の他方の端部まで延びている(すなわち、間隙はトラック部の横幅にわたって延びている)。
【0059】
トラック部36は、(
図1から
図7に関連して説明したように)キャリッジがスライドすることができる領域を提供する。特に、間隙はキャリッジのフランジを収容するのに十分なので、キャリッジはトラック部に沿ってスライドすることができ、同時にトラック部の上に保持される。トラック部は窪み41を含んでもよい。窪みは、窪みを窓枠に取り付けるための好適な締結具を収容するための更なる穴12を含んでもよい。窪みはトラック部の剛性を増加させてもよい。(矢印Cで示すように)キャリッジをトラック部上に保持するのに十分なだけのトラック部が残るように、窪みがトラック部の横幅の中央寄りに位置づけられていることが理解されよう。キャリッジが窪みの上をスライドする際に窪みがフランジを妨害しないように、窪みを位置づけてもよい。
【0060】
第1の立上り部37及び第2の立上り部38は、スタンピング加工プロセスによって形成してもよい。「スタンピング加工」は任意のプレスタイプの成形方法を含むと理解されよう。当業者は、スタンピング加工が一般にどのように機能するかを理解するであろうし、それを詳細に説明する必要はない。簡潔に言うと、スタンピング加工は、略平坦な細長い部材を好適な金型又はダイを有するスタンピングプレス機の中に配置することを含む。次に、スタンピングプレス機は略平坦な細長い部材に十分な圧力を加え、その結果、略平坦な細長い部材は金型又はダイの形状に変形する。この時点で、スタンピング加工プロセスによって第1の立上り部37と第2の立上り部38とが形成され、従って更にトラック部36が第1の取付け部34と第2の取付け部35とに対して持ち上げられる結果となる。同じスタンピング加工プロセスを同時に使用して、窪み41、穴11、12、13、33、ノッチ23、31及び凹部29、32の一部又は全てを形成してもよい。
【0061】
好ましくは、枠板は金属製である。特定の実施形態では、枠板はステンレス鋼製である。
【0062】
図9は、
図3の(すなわち完全開放位置にある)窓ステー1の下面図を示す。キャリッジ4はラッチされて第2のキャリッジ位置にある。図は、フランジ20が、枠板2のトラック部36上にキャリッジを保持するため、どのようにトラック部の外側縁部の周りを取り巻いているかを示す。
【0063】
第2の立上り部38によって、キャリッジ4がスライドしてトラック部36から一方向に外れることが防止されていてもよい。特に、キャリッジのフランジ20はスライドして第2の立上り部を通過することはできない。しかし、第1の立上り部は肩部44を画定する切欠き43を含んでもよく、それにより第1の立上り部は、キャリッジ4がスライドしてトラック部から外れることを防止していなくてもよい。特に、キャリッジのフランジはスライドして立上り部を通過することができる。すなわち、第1の立上り部の少なくとも一部は、枠板の長さを横断する幅を有し、その幅は、枠板の長さを横断するトラック部の幅よりも狭い。
図9に示す枠板2の実施形態では、切欠き43はトラック部236の中に部分的に延び、第1の部分34の中には完全に延びている。切欠き43により、窓ステー1の組立及び分解中にキャリッジをスライドさせてトラック部上に入れること、及びトラック部から外すことが可能になる。一実施形態では、(例えば窓ステーの製造中に)キャリッジ4をトラック部の上にスライドさせた後、枠板2の第1の部分34に適切に棒を差し込む(lanced)か又は杭を打ち(staked)、停止部を形成してもよい。従って、窓ステー1が設置される場合、停止部は、キャリッジ4がスライドして戻って切欠き43を過ぎてトラック部36から外れることを恒久的に防止することができる。
【0064】
図10a~
図10cは、窓45に設置された窓ステー1を示し、窓枠46と窓サッシ47の両方の一部を示す。窓ステーは、任意の好適なタイプの窓枠及び窓サッシを用いて設置することができ、結果としてオーニングタイプの窓又は開き窓タイプの窓のいずれかが得られることが理解されよう。更に、特定の窓サッシ毎に1つ以上(通常2つ以上)の窓ステーが設置されていてもよい。
【0065】
図10aでは、窓45と窓ステーは閉鎖位置にある。窓ステーは窓サッシ47で隠れているので見えない。
図10bでは、窓45及び窓ステー1は部分開放位置にある。キャリッジ4は、枠板2に対して第1のキャリッジ位置にある。
図10cでは、窓45及び窓ステー1は完全開放位置にある。キャリッジ4は、枠板2に対して第2のキャリッジ位置にある。
【0066】
図11~
図20cは、窓ステー1の第2の実施形態を示す。この構成は、
図1から
図10cのものよりも小さい窓ステーに関して示されている。しかし、各実施形態は、任意の所望のサイズの窓ステーに拡張することができる。この第2の実施形態は、概ね上述の第1の実施形態と同様である。
【0067】
図11は、枠板2とサッシ板3とを含む窓ステー1を示す。キャリッジ4は枠板2上をスライドするように構成されている。短アーム5及びジョイント6、7の形態の接続要素がキャリッジをサッシ板に接続している。長アーム8及びジョイント9、10の形態の追加の接続要素が枠板をサッシ板に接続している。枠板を窓枠に取り付け、サッシ板を窓サッシに取り付けるための好適な締結具を収容するための1つ以上の穴11、12、13、14、15が枠板及びサッシ板に設けられている。
【0068】
図11は部分開放位置にある窓ステー1を示す。
図12は閉鎖位置にある
図11の窓ステー1を示す。
図11の部分開放位置と
図12の閉鎖位置の両方において、キャリッジ4は枠板に対して同一の第1のキャリッジ位置に留まっている。
【0069】
図13は完全開放位置にある
図11の窓ステー1を示す。窓サッシを
図11の部分開放位置から
図13の完全開放位置に移動させることを可能にするために、キャリッジ4は枠板2に沿って第1のキャリッジ位置から第2のキャリッジ位置にスライドすることが可能である。
【0070】
図14aは、キャリッジ4をより詳細に示すための、
図1の窓ステーの部分図を示す。キャリッジは一般に
図1から
図10cのものと概ね同様に構築されている。しかし、
図4aと
図14aとの比較から分かるように、ラッチ機構17の向きは逆転している。
【0071】
キャリッジは、キャリッジ本体19とラッチ機構17とを含む。キャリッジ本体は枠板2上をスライドするように構成されている。キャリッジ4は、
図14bの下面図に示すように、キャリッジ4の側面に沿って延びるフランジ20を更に含む。フランジ20は枠板2の下側を効果的に取り巻き、よってキャリッジを枠板2に対して固定された関係に保つ一方で、依然として、キャリッジを枠板の長さに沿ってスライドさせることが可能となっている。この実施形態では、フランジは、キャリッジ本体19の材料内に形成されたインサート24及びリターン20aによって提供されてもよい。
【0072】
キャリッジ4のラッチ機構17は、ボタン21とラッチ要素22とを含む。ラッチ要素は、枠板2に設けられたノッチ23と係合する。これにより、キャリッジ4が枠板上をスライドすることが制限される。ボタン21が押されると、ラッチ要素22はノッチ23から解放され、よってキャリッジが枠板上をスライドすることが可能になる。
【0073】
図15及び
図16はキャリッジ4の断面図である。図に示すように、ラッチ機構17の突出部28には、
図16の位置においてキャッチ26と係合する段部28’が形成されている。更に、この実施形態では、枠板2内の凹部29はスタンピング操作又はパンチング操作によって形成され、それにより枠板材料はその場所に残されるものの、変形して、傾斜構造を有する凹部29が設けられ、よって突出部28が凹部29から抜け出る移動に対する抵抗を低減している。換言すれば、この実施形態では、凹部29は枠板を貫通する開口部で構成されてはいない。この構造は、例えば
図18からも明らかである。
【0074】
キャリッジ4は、
図1から
図10cのものと同様のインサート24を更に含んでもよい。ラッチ機構は、
図1から
図10cのものと同様の付勢要素25を含む。しかし、加えて、ラッチ要素22の端面に対して作用する更なるばね49を設けてもよい。このばね49はまた、ラッチ要素22の端部に対して(図に示すように)下向きに作用することによって、ラッチ要素22を
図15に示す解放位置に押し付ける傾向がある。
【0075】
図11はまた、枠板2内の更なるノッチ31及び更なる凹部32を示し、これらは
図1から
図10cのものと同様に動作する。
【0076】
この実施形態では、1つ以上の摩擦要素50を枠板2上に設けてもよい。これらの摩擦要素は、ステー及び窓が完全開放位置にありラッチ要素22が解放されている場合に、キャリッジ4が急速に上向きに動くことを止めるように作用する。完全開放位置では、ラッチ要素が解放された場合、摩擦要素50が窓サッシの動きを妨げるか又は遅らせる。しかし、サッシは、ラッチ機構をラッチ解除した後に、使用者によって制御された形で動かすことができる。使用者は、摩擦要素によって生じる摩擦力に打ち勝つために単に窓サッシに力を加える。
【0077】
摩擦要素50はまた、キャリッジ4が完全開放位置に近づくにつれてキャリッジ4の動きを遅らせる。これは、速すぎる速度で移動している間に、更なるノッチ31及び更なる凹部32との突然の係合によって引き起こされ得る機構への損傷を制限するのに役立つ。
【0078】
図示した実施形態では、摩擦要素50は、枠板2内にスタンピング加工された又はプレス加工された隆起したリッジのみからなり、これらはキャリッジ内に形成された溝51と係合する。しかし、他の実施形態では、高摩擦材料(例えばゴム又は好適なポリマー)のインサート又は追加の要素を使用することができる。
【0079】
図18は、
図11の窓ステーの枠板2を示す。
図19は、完全開放位置にある窓ステー1の下面図を示す。
【0080】
図20a~
図20cは、窓に設置された窓ステー1を示し、窓枠46と窓サッシ47の両方の一部を示す。
【0081】
図11~
図20cの実施形態は、上述の相違点を除いて、
図1~
図10cの実施形態と同様である。この実施形態は、
図1~
図10cを参照して上述したものと同様の方法で作製及び使用することができる。
【0082】
図21~
図30cは、窓ステー1の第3の実施形態を示す。
図1の構成要素と同様の構成要素は、同一の参照番号で示されている。窓ステー1は、窓枠に実装するための枠板2と、窓サッシに実装するためのサッシ板3とを含む。窓ステー1は、任意の好適なタイプの窓枠及び窓サッシを用いて設置することができ、結果としてオーニングタイプの窓又は開き窓タイプの窓のいずれかが得られる。
【0083】
キャリッジ4は枠板2上をスライドするように構成されている。短アーム5及びジョイント6、7の形態の接続要素がキャリッジ4をサッシ板3に接続している。長アーム8及びジョイント9、10の形態の追加の接続要素が枠板2をサッシ板3に接続している。ジョイント6、7、9、10は、用途に依存して、摩擦リベットジョイントなどの任意の好適なタイプのピボットジョイントであってもよい。接続要素5、6とジョイント6、7、9、10との構成により、枠板2とサッシ板3との間の相対移動が可能になる。この相対移動により、設置された窓サッシを閉鎖位置から開放位置に変化させることが可能になる。枠板2を窓枠に取り付け、サッシ板3を窓サッシに取り付けるための好適な締結具を収容するための1つ以上の穴11、12、13、14、15が枠板2及びサッシ板3に設けられている。
【0084】
図21は部分開放位置にある窓ステー1を示す。部分開放位置では、窓サッシ(図示せず)の平面は窓枠(図示せず)の平面に対して5~50度の角度にある。
図21の実施形態では、この角度は概ね破線の弧16で示されており、約30度である。
【0085】
図22は閉鎖位置にある
図21の窓ステー1を示す。閉鎖位置では、窓サッシ(図示せず)の平面は窓枠(図示せず)の平面と平行である。
【0086】
図21と
図22との比較から、接続要素5、6、及びジョイント6、7、9、10の構成が、枠板2とサッシ板3との間の相対移動を可能にする方法が示される。従って、これにより、窓サッシを
図21の部分開放位置から
図22の閉鎖位置に変更することが(かつ再び元に戻すことが)可能である。
図21の部分開放位置と
図22の閉鎖位置の両方において、キャリッジ4は枠板に対して同一の第1のキャリッジ位置に留まっている。キャリッジはラッチ機構217によって、枠板上をスライドすることを制限され得る。
【0087】
図23は完全開放位置にある
図21の窓ステー1を示す。完全開放位置では、窓サッシ(図示せず)の平面は窓枠(図示せず)の平面に対して50~100度の角度にある。
図23の実施形態では、この角度は概ね破線の弧18で示されており、約73度である。
【0088】
図21と
図23との比較から、接続要素5、6、ジョイント6、7、9、10、及びキャリッジ4の構成が、枠板2とサッシ板3との間の相対移動を可能にする方法が示される。従って、これにより、窓サッシを
図21の部分開放位置から
図23の完全開放位置に変更することが(かつ再び元に戻すことが)可能である。窓サッシを
図21の部分開放位置から完全開放位置に移動させるために、キャリッジ4は枠板2に沿って第1のキャリッジ位置から第2のキャリッジ位置に移動させている。
【0089】
図24aはキャリッジ4をより詳細に示す。キャリッジ4は、キャリッジ本体219とラッチ機構217とを含む。キャリッジ本体219は枠板2上をスライドするように構成されている。キャリッジ4は、
図4bの下面図に示すように、キャリッジ4の側面に沿って延びるフランジ220を更に含む。フランジ220は枠板2の下側に効果的に取り巻き、よってキャリッジを枠板2に対して固定する一方で、依然として、(矢印Aで示すように)キャリッジ4が枠板の長さに沿ってスライドすることを可能としている。キャリッジ本体は、任意の好適な材料から作製されてもよい。好ましくは、キャリッジ本体はプラスチック製である。これは容易に成形することができ、その結果、キャリッジ本体が枠板上をスライドする際の摩擦がより小さくなる。
【0090】
キャリッジ4のラッチ機構217は、選択スイッチ226とラッチ要素222とを含む。ラッチ要素222は、枠板2に設けられた段差付き凹部223と係合する。これにより、キャリッジ4が枠板上をスライドすることが制限される。選択スイッチ226を横に移動させると、ラッチ要素222は凹部223内の傾斜部221を自由に滑り上がることができ、よってキャリッジは枠板上をスライドすることが可能になる。使用中、利用者は窓サッシを部分開放状態から完全開放状態に開くことを希望する場合があり、そのため選択スイッチ226を横にスライドさせてラッチ機構217を解除し、キャリッジ4を解放することができる。
【0091】
図25は、キャリッジの構造をよりよく示すための、キャリッジ4の断面図を示す。キャリッジ4は、構造的インサート224を更に含んでもよい。短アーム5は、キャリッジ本体219とインサート224の両方に接続されている。このようなインサートは金属製であってもよく、これによりキャリッジの剛性を更に高めている。インサート224はまた、キャリッジ本体が故障した場合(例えば、キャリッジ本体が火事で溶融した場合)に構造的安全装置として機能し得る。インサート224は短アームを保持し、枠板2に取り付けられたままとなる。インサート224はフランジ220の中に延びる。一実施形態では、フランジ220はインサートと一体形成されてもよい。
【0092】
図25では、ラッチ機構217はラッチ位置で示されている。ラッチ位置では、ラッチ要素222は枠板2内に位置する凹部223内に係合している。ラッチ要素222が凹部223内に係合している状態では、キャリッジ4はラッチされ、枠板2上をスライドすることが制限される。ラッチ機構217は付勢要素225を含む。付勢要素は、ラッチ要素222を凹部223の中に付勢するか又は押し込む。付勢要素225は、付勢要素225に必要な復元力を与えるように(すなわち、ラッチ要素222を付勢してラッチ位置に入れるのに十分な力を付与するように)、ばね又はそれに類するものであってもよい。ばねは、選択スイッチ226の下側のリテーナ227に対して据え置かれた、ラッチ要素222内の円筒状凹部内に収容されていてもよい。ラッチ要素222は、枠板2に垂直な単一軸の移動に制限される。
【0093】
図26は、
図25と同じキャリッジの図を示すが、ラッチ機構217はラッチ解除位置にある。ラッチ解除位置では、ラッチ機構は枠板2から解放されている。特に、ラッチ要素222は枠板2内の凹部223から解放されている。ラッチ要素が凹部223から解放された状態では、キャリッジは枠板2上をスライドすることができる。ラッチ解除位置では、選択スイッチ226を横方向に移動させている。この位置において、利用者が窓を押して更に開けると、ラッチ要素222は傾斜部221を自由に滑り上がり枠板2上に到ることができる。
【0094】
選択スイッチ226は、キャリッジ本体219とインサート224との間に実装されている。これにより、キャリッジ4の摺動軸を横断する溝が設けられる。従って、利用者が選択スイッチ226を溝内でラッチ位置及びラッチ解除位置から移動させることができる。選択スイッチ226とキャリッジ本体219との間の戻り止めは予め定められた抵抗を提供し、これにより選択スイッチ226は所望のラッチ位置において所定位置に保持される。戻り止めは、利用者がラッチ位置間を移動させるときに容易に乗り越えられるように設計されている。この戻り止めはまた、新しいラッチ位置に到ったときに利用者に何らかの音のフィードバックを提供する。
【0095】
このようにして、窓をその完全開放位置に開ける間、利用者は選択スイッチ226を所定位置に保持し続ける必要はない。この操作は片手で行うことができ、すなわち最初に選択スイッチ226の位置を切り替え、次に窓をその完全開放位置まで開ける。
【0096】
好ましい実施形態では、ラッチ機構217はプラスチックなどの耐摩耗性材料から作製される。プラスチックは比較的安価であり、その中にばねを組み込むことは容易に可能である。
【0097】
図21に戻ると、枠板2内には第2の凹部231及び第2の傾斜部232も存在する。キャリッジ4がスライドして(
図3に示すように)完全開放構成の第2のキャリッジ位置に到ると、ラッチ要素222は更なる凹部231と係合し、よってキャリッジを第2のキャリッジ位置にラッチする。
図27は
図23の窓ステーの断面を示す。
図27は、更なる凹部231に係合したラッチ要素222を示す。
【0098】
図から分かるように、第1の凹部223と第2の凹部231とは概ね対向しており、これによりラッチ要素222のためのロック位置は、一方の側において部分開放位置であり、他方の側において完全開放位置である。キャリッジ4は、部分開放状態又は完全開放状態に対する、ラッチ要素222のためのロック位置を示す(
図24aに見られる)マーキング233を含んでもよい。
【0099】
キャリッジが枠板上に固定されている一方で、依然として枠板の長さに沿ってスライド可能なよう、枠板2はキャリッジ4と協働するように構成されていてもよい。一実施形態では、枠板は、キャリッジの特定の幾何学的形状に適した形状で押出成形されてもよい。しかし、好ましい実施形態では、枠板はスタンピング加工、プレス加工又は同様のプロセスによってステンレス鋼から形成される。
【0100】
図28は、
図21~
図27に関連して上述した窓ステーの枠板2を示す。枠板2は、略平坦な細長い部材から形成される。枠板は、枠板を窓枠(図示せず)に取り付けるための好適な締結具を収容するための穴11、13を含む。枠板2は、ジョイント10(図示せず)によって長アーム(図示せず)に接続するための更なる穴を含む。枠板2はまた、上述した第1の傾斜部221、第1の凹部223、第2の傾斜部232、及び第2の凹部231を含む。穴、ノッチ及び凹部は、例えば打抜き加工、穴あけ加工、又はスタンピング加工などの任意の好適なプロセスによって枠板に形成されてもよいことが理解されよう。
【0101】
枠板2は、第1の取付け部234と第2の取付け部235とを含む。第1の取付け部及び第2の取付け部は、枠板2を窓枠(図示せず)に取り付けるように構成されている。この目的のために、第1の取付け部234には穴11が設けられ、第2の取付け部235には穴13が設けられている。
【0102】
枠板2はまた、第1の取付け部234と第2の取付け部235との間に延びるトラック部236を含む。トラック部236は、第1の立上り部237によって第1の取付け部234に接続され、第2の立上り部238によって第2の取付け部235に接続されている。立上り部237、238は枠板の平面に対して概ね角度が付いているか又は垂直であり、トラック部236を第1の取付け部234及び第2の取付け部235に対して持ち上げる役割を担っている。トラック部は持ち上げられており、それにより、枠板が設置される場合に、トラック部は
図28の矢印Bで示されるような間隙によって窓枠(図示せず)から隔てられる。トラック部236の長さの少なくとも一部において、間隙はトラック部236の一方の縁部からトラック部の他方の縁部まで延びている(すなわち、間隙はトラック部の横幅にわたって延びている)。
【0103】
トラック部236は、その上部に、キャリッジ4がスライドし得る領域を提供する。特に、間隙はキャリッジのフランジ220を収容するのに十分であり、それによりキャリッジ4はトラック部236の上に保持され、一方でトラック部236に沿ってスライドすることができる。
【0104】
第1の立上り部237及び第2の立上り部238は、スタンピング加工プロセスによって形成されてもよい。「スタンピング加工」は任意のプレス加工タイプの成形プロセスを含み得る。当業者は、スタンピング加工が一般にどのように機能するかを理解するであろうし、それを詳細に説明する必要はない。簡潔に言うと、スタンピング加工は、略平坦な細長い部材を好適な金型又はダイを有するスタンピングプレス機の中に配置することを含む。次に、スタンピングプレス機は略平坦な細長い部材に十分な圧力を加え、その結果、略平坦な細長い部材は金型又はダイの形状に変形する。この時点で、スタンピング加工プロセスによって第1の立上り部237と第2の立上り部238とが形成され、従って更にトラック部236が第1の取付け部234と第2の取付け部235とに対して持ち上げられる結果となる。同一のスタンピング加工プロセスを同時に使用して、穴11、12、13、凹部223、231、及び傾斜部221、232の一部又は全てを形成してもよい。例えば、凹部223、231及び傾斜部221、232は傾斜領域の一端を枠板2に取り付け、枠板2から角度を付けて離れさせることによって形成されてもよい。傾斜部の他端は、枠板から打抜き加工で形成された矩形部に取り付けられているが、矩形部からは間隔を置いている。矩形部は凹部の基部を形成し、側面は開放されている。枠板2に形成された打抜き加工された開口部の縁部は、ラッチ位置においてラッチ要素222のための受板となる。
【0105】
好ましくは、枠板2は金属製である。特定の実施形態では、枠板2はステンレス鋼製である。枠板2の周りを取り巻くフランジ220をキャリッジ4に設けることにより、極めてより単純な及び/又はより安価な枠板の押出成形が可能になり得る。例えば、先行技術の設計においてキャリッジを拘束するために使用されるU字形断面とは対照的に、枠板2は横方向断面を実質的に平坦とすることができる。またフランジ20の弾性により、利用者が部分開放と完全開放との間を移動させるときの抵抗の低減、及び/又はより長い寿命/より大きな信頼性が実現し得る。
【0106】
図29は、
図23の(すなわち完全開放位置にある)窓ステー1の下面図を示す。キャリッジ4はラッチされて第2のキャリッジ位置にある。図は、枠板2のトラック部236上にキャリッジを保持するために、フランジ220がどのようにトラック部236の外側縁部の周りを取り巻いているかを示す。
【0107】
キャリッジのフランジがスライドして立上り部を通過できるように、第1の立上り部237は肩部244を画定する切欠き243を含んでもよい。すなわち、第1の立上り部の少なくとも一部は、枠板の長さを横断する幅を有し、この幅は、枠板の長さを横断するトラック部の幅よりも狭い。
図29に示す枠板2の実施形態では、切欠き243はトラック部236の中に部分的に延び、第1の部分234の中には完全に延びている。切欠き243により、窓ステー1の組立及び分解中にキャリッジをスライドさせてトラック部上に入れること、及びトラック部から外すことが可能になる。一実施形態では、(例えば窓ステーの製造中に)キャリッジ4をトラック部の上にスライドさせた後、枠板2の第1の部分234に適切に棒を差し込むか又は杭を打ち240、241(
図28)、停止部を形成してもよい。従って、窓ステー1を設置する場合に、停止部により、キャリッジ4がスライドして戻り、切欠き243を過ぎてトラック部236から外れることが恒久的に防止できる。
【0108】
図30a~
図30cは、窓45に設置された窓ステー1を示し、窓枠46と窓サッシ47の両方の一部を示す。窓ステーは、任意の好適なタイプの窓枠及び窓サッシと共に設置することができ、結果としてオーニングタイプの窓又は開き窓タイプの窓のいずれかが得られる。特定の窓サッシ毎に1つ以上(通常2つ以上)の窓ステーが設置されていてもよい。
【0109】
図30aでは、窓45と窓ステー1は閉鎖位置にある。窓ステー1は窓サッシ47で隠れているので見えない。
図30bでは、窓45及び窓ステー1は部分開放位置にある。キャリッジ4は、枠板2に対して第1のキャリッジ位置にある。
図30cでは、窓45及び窓ステー1は完全開放位置にある。キャリッジ4は、枠板2に対して第2のキャリッジ位置にある。
【0110】
上述の窓ステーは4バータイプの窓ステーであるが、当業者であれば、スライド式キャリッジを有する他の構成の窓ステーにおいて、ラッチ機構を有するキャリッジ及び枠板を使用し得る方法を理解するであろう。
【0111】
図31~
図33iは、第4の実施形態による窓ステーを示す。窓ステーは、ラッチ位置において枠板と係合してキャリッジを枠板上にロックし、ラッチ解除位置においてキャリッジを枠板上でスライドすることを可能にするように構成されたラッチ機構を含む。ラッチ機構は、キャリッジが上又は下に移動するにつれて自動的に再ラッチするように構成されている。枠板内に形成された形状により、ラッチ要素は自動的にそのラッチ位置に戻る。
【0112】
図31は、この第4の実施形態による窓ステーを示す。
図1の構成要素と同様の構成要素は、同一の参照番号で示されている。窓ステーは、窓枠に実装するための枠板2と、窓サッシに実装するためのサッシ板3とを含む。枠板を窓枠に取り付けるための好適な締結具を収容するための1つ以上の穴11、12が枠板に設けられている。窓ステー1は、任意の好適なタイプの窓枠及び窓サッシを用いて設置することができ、結果としてオーニングタイプの窓又は開き窓タイプの窓のいずれかが得られる。
【0113】
キャリッジ4は枠板2上をスライドするように構成されている。短アーム5の形態の接続要素がキャリッジ4をサッシ板3に接続している。先の実施形態と同様に、この構成により枠板2とサッシ板3との間の相対移動が可能になる。この相対移動により、設置された窓サッシを閉鎖位置から開放位置に変化させることが可能になる。キャリッジは、ラッチ要素401を含むラッチ機構400を含む。ラッチ要素401は、ラッチ要素がラッチ位置とラッチ解除位置との間でキャリッジと共に移動する際に、枠板の長手方向軸と平行な軸に沿ってスライドするように構成されている。ラッチ要素401はまた、ラッチ位置とラッチ解除位置との間で、キャリッジ本体の移動に対する横軸に沿ってスライドするように構成されている。利用者がラッチ要素401を手動でスライドさせてもよく、またキャリッジ4が移動するにつれて、リセット機構がラッチ要素401を横方向にスライドさせて自動的に再ラッチさせてもよい。枠板2には、第1のリセット要素406と第2のリセット要素408が設けられている。リセット要素406及び408は、キャリッジが上又は下に移動するにつれて、ラッチ要素401を自動的にスライドさせてラッチ機構を再ラッチするように構成されている。
【0114】
ばね(図示せず)がラッチ要素の背後に設けられ、ラッチ要素が枠板の輪郭に沿って、枠板に出入りするよう移動することを可能にしている。ばねは、任意の好適な種類のばねであってもよく、プラスチック、金属、又は任意の他の好適な材料から作製されていてもよい。ばねは、ラッチ要素の内側に収まっていてもよく、又はラッチ要素の背後にあってもよい。ばねは、ラッチ要素とキャリッジ本体との間に置かれていてもよい。一実施形態では、ばねはラッチ要素の中にプレス嵌めされるプラスチックばねである。他の実施形態では、ばねは、ラッチ要素の後ろに位置するコイルばねであってもよく、又はばね及びラッチ機構は2つの材料からなる一部品となり得るようにインサート成形されてもよく、又はばね及びラッチ機構はプラスチックで作製された一部品とすることができる。
【0115】
図32aは第4の実施形態による枠板2の斜視図を示す。
図32bは、
図32aの枠板の正面図を示し、
図32cは枠板32aの側面図を示す。枠板は、枠板の上部の近くに、第1のキャリッジ停止部402と第2のキャリッジ停止部404とを含む。ステーが通常の開放モードにある場合、キャリッジは第1のキャリッジ停止部402に当接する。ステーがクリーニングモードにある場合、キャリッジは第2のキャリッジ停止部404に当接する。
【0116】
上述した自動ラッチを実現するために、枠板2は第1のリセット要素406及び第2のリセット要素408を含む。リセット要素は、キャリッジのいかなる移動後にもラッチ機構をラッチ位置に戻すように構成されている。リセット要素406及び408は段差付き凹部405及び407を含む。段差付き凹部は、角度付き後面410及び412、傾斜面414、415、416及び417、並びにロック面422及び424によって画定される。図示した構成は一例に過ぎず、リセット要素の他の形状及び構成を使用して、ラッチ要素がリセット要素を通過する際にラッチをリセットしてもよい。図示した実施形態では、リセット要素は枠板2と一体形成されているが、他の実施形態では、リセット要素は別々に形成され好適な方法で枠板2に固定されてもよい。
【0117】
ねじ穴12は、ラッチ要素に引っ掛からないように十分に小さい。ラッチの背後のばねは、ラッチがばねの上を移動する際に僅かに圧縮及び弛緩されてもよい。
【0118】
通常の開放モードでは、ラッチ位置ではラッチ要素は右側にある。ロック面422は、ラッチ機構をラッチ位置に保持する。キャリッジを移動させるために利用者はラッチ要素を左に押すことができ、その結果、ラッチ要素が下に移動するにつれてラッチ要素はロック面422を越える。
【0119】
キャリッジが下に移動するにつれて、第1のリセット要素406はラッチ要素をラッチ位置に押し戻す。第1のリセット要素406の角度付き面410は、ラッチ要素をラッチ位置に向かって右にガイドするか又は押し付ける。この位置から、キャリッジを下に移動させ、傾斜部415を上昇させ、次に傾斜部416を下降させ、傾斜部417を越えさせて、底部のクリーニングモードにラッチすることができる。代替として、途中で利用者の気が変わった場合、キャリッジは、オープンモードに戻されれば、依然、ロックされる。
【0120】
同様に、クリーニングモードにおいて、ラッチ位置ではラッチ要素は右側にある。ロック面424は、ラッチ機構をラッチ位置に保持する。キャリッジを移動させるために、利用者は、キャリッジがロック面424を越えるようにラッチ要素を左に押すことができ、その結果、キャリッジを上に移動させることができる。キャリッジが上に移動するにつれて、第2のリセット要素408はラッチ要素をラッチ位置に押し戻す。第2のリセット要素408の角度付き面412(角度付き面410の鏡映となっている)は、ラッチ要素をラッチ位置に向かって右に押し込む。この位置から、キャリッジを上に移動させ、傾斜部416を上昇して越えさせ、傾斜部415を下降させ、次に傾斜部414を越えさせて、上部の開放モードにラッチすることができる。代替として、途中で利用者の気が変わった場合、キャリッジは、クリーニングモードに戻されれば、依然、ロックされる。
【0121】
ラッチ機構の下面は、枠板凹部上の平面と嵌合する平面である。
【0122】
図33a~
図33eは、枠板の上部における開放状態のラッチ位置から、枠板の底部におけるクリーニング用のラッチ位置へ下がり、次いで自動ラッチ位置へ上がって戻る、キャリッジ4の一連の移動を示す。
【0123】
図33aは、第4の実施形態による窓ステーの一部の正面図を示す。窓ステーは、ラッチ機構400がラッチ位置にあり、窓は開いている。キャリッジ4は、枠板2の上部の近くにある。ラッチ要素401はキャリッジ4の右側にある。キャリッジ4及びラッチ要素401はマーキング233を含んでもよい(が必ずしもそうとは限らない)。
図33aでは、マーキングは整列しておらず、ラッチ機構がラッチ位置にあることを示している。
【0124】
図33bは、ラッチ要素401を左側に移動させてラッチを解除させた状態の窓ステーを示す。この位置では、マーキング233は整列している。ラッチ要素401がこのラッチ解除位置にあるとき、キャリッジ4は自由に上下に移動することができる。
【0125】
図33cは、キャリッジ4が下に移動しつつある状態の窓ステーを示す。以下で更に詳細に説明するように、キャリッジ4が下に移動するにつれて、枠板に形成された形状(すなわちリセット要素)により、ラッチ要素401は自動的に右に移動してラッチ位置に戻る。
【0126】
図33dは、自動ラッチ位置にあるキャリッジを示す。ラッチ要素401が図示したように置かれると、キャリッジは(それを上に移動するか、又は下に移動するかに応じて)上部位置又は底部位置のいずれかにラッチする。
【0127】
図33eは、底部位置においてラッチされるために下方に移動している窓ステーを示す。
【0128】
図33fは、ラッチ位置にある窓ステーを示す。窓ステーは、窓のクリーニングに好適であり得る底部位置にラッチされている。
【0129】
図33gは、底部位置にある窓ステーを示し、ラッチ要素401が左に移動し、マーキングが整列した状態にある。マーキングは部品上にあってもよく、なくてもよい。ラッチ要素がこの位置にあるとき、ラッチ機構はラッチが解除されており、キャリッジは自由に上に戻ることができる。
【0130】
図33hは、ラッチ解除位置にあって上に移動している状態の窓ステーを示す。キャリッジが上に移動するにつれて、枠板内に形成された形状により、ラッチ要素401は自動的にラッチ位置に戻る。
【0131】
図33iは、自動ラッチ位置に戻った状態の窓ステーを示す。ラッチ要素401がこの自動ラッチ位置にあるとき、キャリッジは上部位置又は底部位置のいずれかにラッチする。
【0132】
図34~
図39はラッチ機構の様々な位置を示す。各図は、複数の位置にあるラッチ要素を示す。
【0133】
図34A及び
図34Bは、ステーを通常動作モードからロック解除する状態を示す。501Aはラッチがロック位置にあることを示す。ラッチの背後にあるばねは弛緩している。利用者は、位置501Bを横切ってボタン(及びそれに含まれるばね及びラッチ)をスライドさせてキャリッジを解放させる。ラッチはロック面から外れ、キャリッジは自由に下に移動できるようになる。ばねは依然として弛緩している。503は、キャリッジが下に移動しつつ、ラッチが枠板上の角度付き面と接触し、角度付き面がラッチ(及びボタン)をスライドさせ始めてロック側に戻す位置を示す。504は、キャリッジが下に移動するにつれて、ラッチが横方向に移動し続けている状態を示す。505は、ラッチがこのときロック側に戻り、傾斜面を上昇し、ばねを圧縮している状態を示す。この位置から、利用者は窓を閉じるか、又は窓を開け続けて窓をクリーニングモードにすることができる。
【0134】
図35A及び
図35Bは、ステーを通常動作位置に戻す状態を示す。505において、ラッチはロック側に戻り、傾斜面を上昇し、ばねを圧縮している。506において、キャリッジが上に移動するにつれて、ラッチはロック側を上に戻る。ばねはこの位置で弛緩している。507において、ラッチは傾斜面を上昇し、ばねを圧縮している。508において、キャリッジがなお更に上に移動すると、ラッチはばねによってロック面に押し付けられる。このとき、キャリッジ/ボタン/ラッチは
図34A及び
図34Bの501と同じ位置にある。
【0135】
図36A及び
図36Bは、ステーをクリーニングモードに移動させている状態を示す。505において、ラッチはロック側に戻り、傾斜面を上昇して、ばねを圧縮している。509において、キャリッジが下に移動するにつれて、ラッチ要素はねじ穴を含む枠板表面を乗り越える。ばねは圧縮されている。510において、ラッチは傾斜面を下降し、ばねは弛緩している。511において、ラッチは次の傾斜面を上昇し、ばねは圧縮される。512において、キャリッジが更に下に移動するにつれて、ラッチはばねによってロック面に押し付けられる。このときステーはクリーニングモードにロックされている。ばねは弛緩している。
【0136】
図37A及び
図37Bは、ステーをクリーニングモードからロック解除する状態を示す。512はラッチがロック位置にあることを示す。ラッチの背後にあるばねは弛緩している513。利用者は、ボタン(及びそれに含まれるばね及びラッチ)をこの位置に横断するようにスライドさせてキャリッジを解放する。ラッチはロック面から外れ、キャリッジは自由に上に移動できるようになる。ばねは依然として弛緩している。514において、キャリッジが上に移動するにつれて、ラッチは枠板上の角度付き面と接触し、角度付き面はラッチ(及びボタン)をスライドさせ始めてロック側へ戻す。515において、キャリッジが上に移動するにつれて、ラッチは横方向に移動し続ける。516において、ラッチはこのときロック側に戻り、傾斜面を上昇して、ばねを圧縮している。この位置から、利用者は窓を閉じ続けるか又はそれをクリーニングモードに戻すことができる。
【0137】
図38A及び
図38Bは、ステーをクリーニングモードに戻す状態を示す。516において、ラッチはロック側に戻り、傾斜面を上昇し、プラスチックばねを圧縮する。517において、キャリッジが下に移動するにつれて、ラッチはロック側を下に戻る。ばねはこの位置では弛緩している。518において、ラッチは傾斜面を上昇し、ばねを圧縮する。519において、キャリッジがなお更に下に移動するにつれて、ラッチはばねによってロック面に押し付けられる。このとき、キャリッジ/ボタン/ラッチは512と同じ位置にある。
【0138】
図39A及び
図39Bは、ステーを通常動作モードに移動させる状態を示す。516において、ラッチはロック側に戻り、傾斜面を上昇し、ばねを圧縮している。520において、キャリッジが上に移動するにつれて、ラッチ要素はねじ穴を含む枠板表面を乗り越える。ばねは圧縮されている。521において、ラッチは傾斜面を下降し、ばねは弛緩する。522において、ラッチは次の傾斜面を上昇し、ばねは圧縮される。523において、キャリッジが更に上に移動するにつれて、ラッチはばねによってロック面に押し付けられる。このときステーは通常動作モードにロックされている。ばねは弛緩している。これは501と同じ位置である。
【0139】
図40a~
図49bは、第5の実施形態による窓ステーの様々な構成要素を示す。第4の実施形態に示されたステーと同様に、第5の実施形態の窓ステーは、ラッチ位置において枠板と係合してキャリッジを枠板上にロックし、ラッチ解除位置においてキャリッジを枠板上でスライドすることを可能にするように構成されたラッチ機構を含む。第4の実施形態に対して説明した再ラッチ機構に加えて、第5の実施形態は、サッシ板がキャリッジ上で閉じるにつれてラッチを再ラッチするように構成された、追加の再ラッチ機構を有する。第5の実施形態に対して示した図では、ボタンはラッチ解除するために右に移動させている(これに対して、第4の実施形態を示す図では、左側にあるラッチ解除状態を示す)。
【0140】
第5の実施形態のラッチ機構は、サッシ板がラッチ機構上を又はラッチ機構の周りを移動するときに、サッシ板と境界を接して再ラッチするように構成されたボタン502を含む。従って、キャリッジ移動に伴う自動的なラッチに加えて、ステーが閉じられるにつれてステーは自動的にラッチする。これは、窓サッシが閉じられるにつれて、キャリッジ上のボタン502をラッチ位置に付勢するサッシ板の特徴部によって達成される。この自動ラッチ特徴部は、利用者がボタンをオーニング位置からラッチ解除位置に移動させたが、窓をクリーニング位置に動かしていない(オーニング位置にしたままにした)ときに機能し始める。窓が再び閉じられると、ステーはラッチしてオーニング位置に戻る。自動ラッチ特徴部は、ラッチ解除した状態を維持した場合、窓の予期せぬ動きによって利用者に起こり得る潜在的なリスク、並びに窓サッシ、フレーム、及びステーへの損傷を除去する。
【0141】
図40a~
図49bは、この第5の実施形態による窓ステーの様々な構成要素を示し、
図1の構成要素と同様の構成要素には同じ参照番号が示されている。窓ステー1は、任意の好適なタイプの窓枠及び窓サッシを用いて設置することができ、結果としてオーニングタイプの窓又は開き窓タイプの窓のいずれかが得られる。
【0142】
図40aはサッシ板3の斜視図を示す。
図40bは
図40aのサッシ板の下面斜視図である。サッシ板3は、隆起部500を含む。サッシ板3上の隆起部500はボタン502と相互作用してステーを自動ラッチする。
【0143】
フレーム及びサッシ板の厚さ、空洞の高さ、並びにアーム内のオフセットに依存して、隆起部500に必要な高さの範囲は変化することになる。隆起部500の高さは、設置空洞の高さ(枠板2の背面とサッシ板3の背面との間の距離)が許容誤差の最大値であるときはラッチ機構と境界を接するものの、許容誤差の最小値であるときはステー機能と干渉しないようにするのに十分なだけ、高くなっている。一般に、空洞許容誤差は±1.0mmであるが、これはステーの種類及び形状に依存して変化し得る。図示した実施形態では、隆起部500の高さがサッシ板2の上部から1.25mm上にあれば、この許容誤差内で境界を接するには十分である。
【0144】
隆起部500の幅は、その位置と、窓が閉じられる際のサッシ板3がラッチ機構に接近する角度とに基づいている。隆起部500の幅は、サッシ板3及び枠板2上の特徴部に依存して、ボタン502と境界を接する面積より広くても小さくてもよい。
【0145】
図示した実施形態では、隆起部500はサッシ板と一体形成されている。他の実施形態では、隆起部500は、サッシ板2上にクリップ式で留められた、又は別の方法でサッシ板2に接着された追加の部品であってもよい。この第2の変形形態では、隆起部500は他の材料、例えばプラスチックから作製することができる。
【0146】
図40a及び
図40bに図示した実施形態では、隆起部500の中に締結具頭部空洞524が含まれている。これは製造中に同時にスタンピング加工されてもよい。これは、締結具頭部空洞が、隆起部500を置く必要がある場所に近いので可能である。
【0147】
図41aは、第5の実施形態による自動ラッチボタン502の斜視図を示す。ボタン502は、直立部512及び基部514を含む。直立部512は、リセット要素(隆起部500)によって押され再ラッチする。ボタン502の基部514は、キャリッジの付勢傾斜部と相互作用するように構成された変形可能アーム534を含み(これについては以下で更に詳細に説明する)、ラッチをラッチ位置に付勢する。
図41bはボタン502の下面斜視図を示し、
図41cはボタン502の右側面図を示し、
図41dはボタン502の上面図を示す。
【0148】
図42aは変形可能部分608を有するボタン502の斜視図を示し、
図42bは
図42aのボタン502の下面斜視図を示し、
図42cはボタン502の右側面図を示し、
図42dはボタン502の上面図を示す。一般に、設置ステー空洞は、±1.0mmの許容誤差を有するが、ステーの種類及び形状に依存して変化し得る。設置時の誤差に対処するために、変形可能部608は、
図41a~
図41dに図示した実施形態に示すボタン502と相互作用するであろうよりも早くサッシ板の隆起部500と相互作用するように構成されており、設置エラーが自動ラッチ機能に影響しないことを確実にしている。変形可能部608は、
図41a~41dにおける直立部512と境界を接するのに必要とされる角度よりも大きい、窓開放角の位置において隆起部500と係合する。必要とされる変形量は、ラッチ解除位置からラッチ位置へのボタン502の総移動量と、閉鎖位置において変形可能部608に要求される圧縮量とによって決定される。窓が閉鎖位置にある場合に、設置空洞位置の幅に応じて、変形可能部608は隆起部500によって部分的に又は完全に圧縮される。最小の空洞幅において最大の圧縮が生じ、最大の空洞幅において最小の圧縮が生じる。直立部512を押し付ける隆起部500の圧縮量によって、ボタン502はラッチ位置に向かって確実に付勢されたままとなり、窓がより大きい開放角度に開くまで、ボタンはラッチ位置に保持される。
【0149】
図43aは、ボタン502が設置されていないキャリッジ4の底面図を示す。キャリッジ4は、ボタンが位置する凹部530を含む。凹部530は、ボタン502がラッチ位置以外の任意の位置にあるときに、キャリッジ4内のボタンのラッチ位置に向けてボタンを付勢する付勢傾斜部506を含む。
図43bはボタン502がラッチ位置にあるキャリッジの底面図を示す。
【0150】
図43Eは、付勢傾斜部506の詳細図である。傾斜部506は、ラッチ解除位置のための平坦部548、戻り止め停止部550用のための小さな隆起領域、及び戻り止め停止部から始まりラッチ位置に向かって角度が付いた角度付き面552を含む。角度付き面552は、ボタン502の変形可能アーム534の形状と相補関係にある。
【0151】
変形可能アーム534は、キャリッジ4の傾斜部506内に位置している。
図43cはボタン502がラッチ解除位置にあるキャリッジ4の底面図を示す。変形可能アーム534は、キャリッジ4内のボタンのラッチ解除位置のための戻り止めばねとして機能する。
【0152】
図43Dはキャリッジ4及びボタン502アセンブリの分解図を示す。ボタン502はキャリッジの凹部530内に位置する。開口部532は、ボタン502の直立部分が凹部530を貫通して突出することを可能にしている。
【0153】
窓が(ボタンの平面又はボタンの変形可能な特徴部のいずれかに対して)閉じられているとき、サッシ板がボタンを移動させるにつれて、ボタン上の変形可能アームはラッチ解除位置から離れるように移動する。変形可能アームのばね及び傾斜部設計により、ボタンの移動はラッチ位置に向かって付勢され、その結果、ラッチは移動して完全にラッチ位置に入る。
【0154】
図44a~
図46bは、直立部512を有する実施形態において、閉じつつある窓ステーの側面図をボタンと共に段階的に示す。
【0155】
図44aは半開きの窓ステーの側面図を示し、
図44bは
図44aのA-Aを通る断面図を示す。これは、サッシ板3がキャリッジ4に接近しつつある状態の、ラッチ解除位置にあるボタン502を示す。サッシ板3の隆起部500はボタン502の直立部512に接近している。ボタン502は、キャリッジ4の凹部523内の右側にある。
【0156】
図45aは、窓が十分に閉じられ、それによりサッシ板2上の隆起部500がボタン502上の直立部512に接触している状態の窓ステーの側面図を示す。
図45bは
図45aのB-Bを通る断面を示す。ボタン502は依然としてラッチ解除位置にある。
【0157】
図46aは閉じられた窓ステーの側面図を示し、
図46bは
図45aのC-Cを通る断面を示す。ラッチ機構は、キャリッジ4の凹部523内で左側に押されてラッチ位置に入っている。
【0158】
図47a~49bは、変形可能アームを有するボタンの実施形態において、閉じつつある窓ステーの側面図を段階的に示す。
【0159】
本発明が、本発明の実施形態の記載により示され、かつ実施形態が詳細に記載されたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限すること、又はいかなる形においても限定することは、出願人の意図するところではない。更に、上記の実施形態は、個別に実装してもよく、又は適合する場合には組み合わせてもよい。上述の実施形態の組合せを含む、追加の利点及び修正形態は、当業者には容易に明らかとなるであろう。従って本発明は、そのより広範な態様において、提示され記載された特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに例示的実施例に限定されない。それゆえに、出願人の一般的な発明概念の趣旨又は範囲から逸脱しない範囲で、そのような詳細から逸脱することができる。
【図 】