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特許7089339放送及び双方向パケット交換通信のための共有スペクトルアクセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】放送及び双方向パケット交換通信のための共有スペクトルアクセス
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/14 20090101AFI20220615BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20220615BHJP
   H04H 60/76 20080101ALI20220615BHJP
   H04N 21/238 20110101ALI20220615BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W4/06 150
H04H60/76
H04N21/238
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020085102
(22)【出願日】2020-05-14
(62)【分割の表示】P 2017509717の分割
【原出願日】2015-08-10
(65)【公開番号】P2020127241
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】62/041,534
(32)【優先日】2014-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505000815
【氏名又は名称】コーヒレント・ロジックス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】シェルビー,ケヴィン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】プラサド,ドゥルガ・ピイ
(72)【発明者】
【氏名】マヴドュル・カナッパ,サンディープ
(72)【発明者】
【氏名】アーンショー,マーク
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-017474(JP,A)
【文献】特表2012-530415(JP,A)
【文献】特開2008-079312(JP,A)
【文献】特表2005-522931(JP,A)
【文献】特表2014-510479(JP,A)
【文献】国際公開第2013/116662(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04H 60/76
H04N 21/238
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのラジオトランスミッタ;
前記少なくとも1つのラジオトランスミッタに連結された1つ又は複数のプロセッサ
を備える、放送基地局であって、
前記放送基地局は:
ある特定の周波数帯域を用いて音声及びビデオデータを複数の放送レシーバデバイスに無線放送するよう構成され、前記放送基地局は、いずれかの放送レシーバデバイスからコンテンツデータを受信するようには構成されず、
予定された時間区間中に、前記特定の周波数帯域における放送を中断することによって、1つ又は複数のセルラー基地局が、前記特定の周波数帯域を用いて、双方向パケット交換無線データ通信を実施できるようにするよう構成され、
前記予定された時間区間中の予め決められた区分の間、制御信号を送信するよう構成され、前記制御信号は、1つまたは複数の放送レシーバデバイスが、前記予定された時間区間中、前記放送基地局に接続し続けることを可能にする同期情報を含み、前記同期情報を受信することによって前記放送レシーバデバイスは、前記予定された時間区間の終わりに、前記放送基地局と同期を維持し;並びに、
前記予定された時間区間後、および特定の周波数帯域を利用する双方向パケット交換無線データ通信を実行する1つまたは複数のセルラー基地局が前記特定の周波数帯域を利用した後に、前記特定の周波数帯域で放送を再開する、よう構成される
放送基地局。
【請求項2】
前記放送基地局は、前記1つ又は複数のセルラー基地局が、前記予定された時間区間中に前記特定の周波数帯域を利用することを示す情報に基づいて、前記特定の周波数帯域における放送を中断するよう構成される、請求項1に記載の放送基地局。
【請求項3】
前記放送基地局は、放送フレーム境界を、前記1つ又は複数のセルラー基地局が送信するフレームに関する境界と整合させるよう構成され、並びに、前記整合に基づいて、セルラーフレームの予め決められた部分を利用して前記制御信号を送信するよう構成される、請求項1に記載の放送基地局。
【請求項4】
前記予定された時間区間は、前記1つ又は複数のセルラー基地局が送信する双方向パケット交換無線データ通信データのフレームの一部分に対応する、請求項1に記載の放送基地局。
【請求項5】
前記放送基地局は、前記フレームの別の部分の間に、音声及びビデオデータを無線放送するよう構成される、請求項4に記載の放送基地局。
【請求項6】
前記フレームの前記別の部分は、マルチキャスト/放送単一周波数ネットワーク(multicast/broadcast single frequency network:MBSFN)サブフレームに対応する、請求項5に記載の放送基地局。
【請求項7】
前記放送基地局は、前記放送される音声及び/又はビデオデータの受信デバイスに、前記予定された時間区間を指示する空白化情報を送信するよう構成される、請求項1に記載の放送基地局。
【請求項8】
放送基地局によって、ある特定の周波数帯域を用いて音声及びビデオデータを複数の放送レシーバデバイスに無線放送するステップを含み、前記放送基地局は、いずれかの放送レシーバデバイスからコンテンツデータを受信するようには構成されず、
予定された時間区間中に、前記放送基地局による、前記特定の周波数帯域における放送を中断することによって、1つ又は複数のセルラー基地局が、前記特定の周波数帯域を用いて、双方向パケット交換無線データ通信を実施できるようにするステップ、並びに;
前記予定された時間区間中の予め決められた区分の間、制御信号を、前記放送基地局によって送信するステップを含み、前記制御信号は、1つまたは複数の放送レシーバデバイスが、前記予定された時間区間中、前記放送基地局に接続し続けることを可能にする同期情報を含み、前記同期情報を受信することによって前記放送レシーバデバイスは、前記予定された時間区間の終わりに、前記放送基地局と同期を維持し;並びに、
前記予定された時間区間後、および特定の周波数帯域を利用する双方向パケット交換無線データ通信を実行する1つまたは複数のセルラー基地局が前記特定の周波数帯域を利用した後に、前記放送基地局によって、前記特定の周波数帯域で放送を再開すステップ、
を含む、方法。
【請求項9】
前記双方向パケット交換無線データ通信は、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)通信である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記放送基地局が、放送データのフレームを、前記1つ又は複数のセルラー基地局が送信するフレームの境界と整合させるステップ;及び
前記放送基地局が、前記予定された時間区間を指示するスケジューリング情報を受信するステップ
を更に含み、
前記予定された時間区間は、前記1つ又は複数のセルラー基地局が送信する双方向パケット交換無線データ通信データのフレームの一部分に対応する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのアンテナ;
1つ又は複数のラジオ;及び
1つ又は複数の要素プロセッサ
を備える、移動体デバイスであって、
前記移動体デバイスは:
ある特定の周波数帯域を用いて、放送基地局から無線放送される音声及びビデオデータを受信するよう;
予定された時間区間中に、前記放送基地局が前記特定の周波数帯域における放送を中断した際に、前記特定の周波数帯域を用いて、セルラー基地局と双方向パケット交換無線データ通信を実施するよう;
前記予定された時間区間中の予め決められた区分の間、前記放送基地局が送信した制御信号を受信するよう構成され、前記制御信号は、前記移動体デバイスが、前記予定された時間区間中、前記放送基地局に接続し続けることを可能にする同期情報を含み、前記同期情報を受信することによって、前記移動体デバイスは、前記予定された時間区間の終わりに、前記放送基地局との同期を維持し;並びに、
前記予定された時間区間後、および前記特定の周波数帯域を利用する双方向パケット交換無線データ通信を実行する前記セルラー基地局が前記特定の周波数帯域を利用した後に、前記特定の周波数帯域で前記放送基地局から無線放送される音声及びビデオデータの受信を再開する、
よう構成される、移動体デバイス。
【請求項12】
前記移動体デバイスは更に、前記予定された時間区間外の前記1つ又は複数の時間区間中に、放送された音声及びビデオデータを受信するよう構成される、請求項11に記載の移動体デバイス。
【請求項13】
前記予定された時間区間は、パケット交換無線データ通信のフレームの一部分に対応する、請求項11に記載の移動体デバイス。
【請求項14】
前記移動体デバイスは、マルチキャスト/放送単一周波数ネットワーク(MBSFN)サブフレームの一部分の間に、放送された音声及びビデオデータを受信するよう構成される、請求項13に記載の移動体デバイス。
【請求項15】
前記予定された時間区間は、パケット交換無線データ通信のサブフレームの一部分に対応する、請求項11に記載の移動体デバイス。
【請求項16】
命令を記憶した、非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記命令は、移動体計算デバイスが:
ある特定の周波数帯域を用いて、放送基地局から無線放送される音声及びビデオデータを受信するステップ;
予定された時間区間中に、前記放送基地局が前記特定の周波数帯域における放送を中断した際に、前記特定の周波数帯域を用いて、セルラー基地局と双方向パケット交換無線データ通信を実施するステップ;
前記予定された時間区間中の予め決められた区分の間、前記放送基地局が送信した制御信号を受信し、前記制御信号は、前記移動体計算デバイスが、前記予定された時間区間中、前記放送基地局に接続し続けることを可能にする同期情報を含み、前記同期情報を受信することによって、前記移動体計算デバイスは、前記予定された時間区間の終わりに、前記放送基地局との同期を維持するステップ;並びに、
前記予定された時間区間後、および前記特定の周波数帯域を利用する双方向パケット交換無線データ通信を実行する前記セルラー基地局が前記特定の周波数帯域を利用した後に、前記特定の周波数帯域で前記放送基地局から無線放送される音声及びビデオデータの受信を再開するステップ、
を含む、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記予定された時間区間は、パケット交換無線データ通信のフレームの一部分に対応する、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線通信のための動的スペクトル共有に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムの使用は急速に成長している。更に無線通信技術は、音声のみの通信から、インターネット及びマルチメディアコンテンツ等のデータの送信も含むように進化している。無線通信の急増は、周波数スペクトルの不足につながり得る。更に、スペクトルの異なる複数の部分の利用は変化し得る。例えば、特定の周波数帯域における携帯電話の使用が、いくつかの区間中に大きくなることがある。同時に、放送テレビジョン(TV)プロバイダは、割り当てられた周波数リソースの全てを利用していない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従っていくつかの実施形態では、異なる複数のラジオ技術間での動的スペクトル共有のための技法が必要とされ得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
動的スペクトル共有に関する技法を開示する。いくつかの実施形態では、放送基地局は、特定の周波数帯域を用いて、音声及びビデオデータを放送レシーバデバイスに無線放送するよう構成される。これらの実施形態では、上記放送基地局は、予定された時間区間中、上記特定の周波数帯域における放送を中断することによって、1つ又は複数のセルラー基地局が、上記特定の周波数帯域を用いた双方向パケット交換無線データ通信を実施できるようにするよう構成される。
【0005】
いくつかの実装形態では、基地局(例えばロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)基地局)は、第1の周波数帯域を用いて、1つ又は複数の移動体デバイスと双方向パケット交換通信を実施するよう構成される。これらの実施形態では、上記基地局はまた、予定された時間区間中に、第2の周波数帯域を用いて、1つ又は複数の移動体デバイスと双方向パケット交換通信を実施するよう構成され、ここで上記第2の周波数帯域は、上記予定された時間区間以外の1つ又は複数の時間区間中に、音声及びビデオデータを複数のデバイスに無線放送するために使用される。
【0006】
いくつかの実装形態では、本開示の技法により、セルラー通信と放送通信との間での動的スペクトル共有を可能とすることができる。いくつかの実装形態では、単一の基地局が、放送基地局及びセルラー基地局の両方として構成される。
【0007】
いくつかの実装形態では、移動体デバイスは、共有されたスペクトルを利用するために複数の周波数帯域を切り替えるよう構成される。様々な実施形態において、移動体デバイスを、対応するラジオ技術のための空白区間(その間、別のラジオ技術による同一スペクトルにおける通信が発生し得る)の間に電源がオフになるよう構成してよい。様々な実施形態において、セルラー基地局及び/又は放送基地局が送信する制御信号により、無線レシーバデバイスが動的スペクトル共有中に接続を維持できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、いくつかの実施形態によるユーザ機器(UE)デバイスを示す図である。
図2図2は、いくつかの実施形態による、放送基地局及びセルラー基地局を含む例示的な無線通信環境を示すブロック図である。
図3図3は、いくつかの実施形態による例示的な基地局を示すブロック図である。
図4図4は、いくつかの実施形態による例示的なUEを示すブロック図である。
図5図5は、いくつかの実施形態による例示的な放送フレームを示す図である。
図6図6は、いくつかの実施形態による例示的なLTEラジオフレームを示す図である。
図7図7は、いくつかの実施形態による、LTEと放送送信との間のスペクトル共有のための例示的な制御信号を示す図である。
図8図8は、いくつかの実施形態による、スペクトル共有のためのLTE及び放送送信の例示的な空白期間を示す図である。
図9図9は、いくつかの実施形態による、放送基地局を動作させるための方法を示すフローチャートである。
図10図10は、いくつかの実施形態による、セルラー基地局を動作させるための方法を示すフローチャートである。
図11図11は、いくつかの実施形態による、UEを動作させるための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以上の実施形態についてかなり詳細に説明しているが、以上の開示を十分に理解すれば、多数の変形及び修正が当業者には明らかであろう。以下の請求項が、このような変形及び修正の全てを包含するものとして解釈されることが意図されている。
【0010】
様々なユニット、回路又は他の構成部品を、1つ又は複数のタスクを実施する「よう構成される(configured to)」として説明又は請求する場合がある。このような文脈では、「よう構成される」は、上記ユニット/回路/構成部品が動作中に上記1つ又は複数のタスクを実施する構造(例えば回路構成)を含むことを示すことによって、構造を内包するために使用される。従って、上記ユニット/回路/構成部品は、上記指定されたユニット/回路/構成部品が現在動作していない(例えばオンになっていない)場合であってもタスクを実施するよう構成されている、と言うことができる。「よう構成される」という語句と共に使用されるユニット/回路/構成部品としては、ハードウェア、例えば回路、動作を実装するために実行可能なプログラム命令を記憶したメモリ等が挙げられる。あるユニット/回路/構成部品が1つ又は複数のタスクを実施する「よう構成されている」という記述は、当該ユニット/回路/構成部品に対して米国特許法第112条(f)が適用されないことを明確に意図している。
【0011】
頭字語
本開示では、以下の頭字語を使用する:
3GPP:第三世代パートナーシッププロジェクト
ATSC:米国テレビジョン規格委員会
CDMA:符号分割多元アクセス
GSM:移動体通信用グローバルシステム
LTE:ロングタームエボリューション
NGBP:次世代放送プラットフォーム
RAT:ラジオアクセス技術
RX:受信
SIM:加入者識別モジュール
TX:送信
UE:ユーザ機器
UMTS:ユニバーサル移動体遠距離通信システム
【0012】
用語
以下は、本出願において使用される用語の用語集である。
【0013】
メモリ媒体‐いずれの様々な種類のメモリデバイス又はストレージデバイス。用語「メモリ媒体」は、インストール媒体(例えばCD-ROM、フロッピーディスク若しくはテープデバイス);コンピュータシステムメモリ若しくはDRAM、DDR、RAM、SRAM、EDO RAM、ラムバスRAM等のランダムアクセスメモリ;磁気メディア(例えばハードドライブ)、光学ストレージ若しくはROM、EPROM、FLASH等の不揮発性メモリ;レジスタ又は他の同様のタイプのメモリ素子等を含むことを意図している。メモリ媒体はその他のタイプのメモリ又はその組み合わせも同様に含んでよい。更に、メモリ媒体は、プログラムを実行する第1のコンピュータシステム内に配置してよく、又はインターネット等のネットワークを介して第1のコンピュータシステムに接続された第2の異なるコンピュータシステム内に配置してよい。後者の場合、第2のコンピュータシステムは第1のコンピュータシステムに、実行のためのプログラム命令を提供してよい。用語「メモリ媒体」は、異なる位置、例えばネットワークを介して接続された異なるコンピュータシステム内にあってよい2つ以上のメモリ媒体を含んでよい。メモリ媒体は、1つ又は複数のプロセッサが実行できる、(例えばコンピュータプログラムとして実現される)プログラム命令を記憶してよい。
【0014】
キャリア媒体‐上述のメモリ媒体、並びにバス、ネットワーク及び/又は電気信号、電磁気信号若しくはデジタル信号といった信号を搬送する他の物理送信媒体といった物理送信媒体。
【0015】
コンピュータシステム‐用語「コンピュータシステム」は、パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク家電、インターネット家電、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、個人用通信デバイス、スマートフォン、テレビジョンシステム、グリッドコンピューティングシステム又はその他のデバイス若しくはデバイスの組み合わせを含む、様々なタイプの計算又は処理システムのいずれかを指す。一般に、用語「コンピュータシステム」は、メモリ媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有するいずれのデバイス(又は複数のデバイスの組み合わせ)を包含するものとして広く定義できる。
【0016】
ユーザ機器(UE)(又は「UEデバイス」)‐移動可能又は携帯可能であり、無線通信を実施する、いずれの様々なタイプのコンピュータシステムデバイス。UEデバイスの例としては、携帯電話又はスマートフォン(例えばiPhone(商標)、Android(商標)ベースの電話)、携帯型ゲームデバイス(例えばNintendo DS(商標)、PlayStation Portable(商標)、Gameboy Advance(商標)、iPhone(商標))、ラップトップ、PDA、携帯型インターネットデバイス、音楽プレイヤー、データ記憶デバイス、他のハンドヘルドデバイス、及び腕時計、ヘッドホン、ペンダント、イヤホン等のウェアラブルデバイスが挙げられる。一般に、用語「UE」又は「UEデバイス」は、ユーザが容易に輸送でき、かつ無線通信が可能な、いずれの電子デバイス、計算デバイス及び/又は遠距離通信デバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するよう、広範に定義できる。
【0017】
基地局‐用語「基地局」は、この語が通常意味するところの全範囲を含み、少なくとも、固定位置に設置されて、無線電話システム又はラジオシステムの一部として通信に使用される、無線通信ステーションを含む。
【0018】
要素プロセッサ‐様々な要素又は要素の組み合わせを表す。要素プロセッサとしては例
えば、ASIC(特定用途向け集積回路)等の回路、個々のプロセッサコアの部分若しくは回路、複数のプロセッサコア全体、個々のプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のプログラマブルハードウェアデバイス、及び/又は多数のプロセッサを含むシステムの比較的大きな部分が挙げられる。
【0019】
自動的に(automatically)‐その作用又は動作を直接指定又は実施するユーザ入力を必要とせずに、コンピュータシステム(例えばコンピュータシステムが実行するソフトウェア)又はデバイス(例えば回路構成、プログラム可能なハードウェア要素、ASIC等)が実施する動作又は操作について用いる。従って用語「自動的に」は、ユーザが手動で実施又は指定する操作(ここでユーザが操作を直接実施するために入力を提供する)と対照的なものである。自動処理は、ユーザが提供する入力によって開始される場合があるが、これに続く「自動的に」実施される動作は、ユーザが指定するものではなく、即ち「手動で」実施される(ユーザが各動作の実施を指定する)ものではない。例えばユーザが、各フィールドを選択し、(例えば情報をタイピングすることによって、チェックボックスを選択することによって、無線選択によって等で)情報を指定する入力を提供することによって、電子フォームを埋める場合、仮にコンピュータシステムがユーザの動作に応答して上記フォームを更新しなければならないとしても、これは上記フォームを手動で埋めたことになる。このようなフォームはコンピュータシステムによって自動で埋めることができ、この場合コンピュータシステム(例えばコンピュータシステム上で実行されるソフトウェア)は、フォームのフィールドを分析して、フィールドへの回答を指定するいずれのユーザ入力を必要とせずにフォームを埋める。上述のように、ユーザはフォームを自動で埋める動作を発動する場合はあるが、実際にフォームを埋める動作には関わらない(例えばユーザはフィールドへの回答を手動で指定せず、回答は自動的に完了する)。本明細書は、ユーザが行う動作に応答して自動的に実施される操作の様々な例を提供する。
【0020】
図1‐ユーザ機器
図1は、いくつかの実施形態による例示的なユーザ機器(UE)106を示す。用語「UE」106は、上で定義した様々なデバイスのいずれであってよい。UEデバイス106は、様々な材料のいずれから構成してよいハウジング12を含んでよい。UE106はディスプレイ14を有してよく、これは容量性接触電極を組み込んだタッチスクリーンであってよい。UE106のハウジング12は、様々な要素のいずれのための開口を内包して、又は備えてよく、上記様々な要素は、ボタン16、スピーカポート18、並びにマイクロフォン、データポート及び様々なタイプのボタン、例えばボリュームボタン、リンガボタン等といった他の要素(図示せず)である。
【0021】
UE106は、複数のラジオアクセス技術(RAT)をサポートしてよい。例えばUE106は、汎欧州デジタル移動電話方式(Global System for Mobile Communications:GSM(登録商標))、ユニバーサル移動体遠距離通信システム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)、符号分割多元アクセスCDMA(例えばCDMA2000 1XRTT又は他のCDMAラジオアクセス技術)、LTE(ロングタームエボリューション)、LTEアドバンスド(LTE‐A)、及び/又は他のRATのうちの2つ以上等の、様々なRATのうちのいずれかを用いて通信するよう構成してよい。例えばUE106は、LTE及びGSM等の少なくとも2つのラジオアクセス技術をサポートしてよい。必要に応じて、様々な異なる又は他のRATをサポートしてよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、UE106は、音声及び/又はビデオコンテンツを搬送できる放送ラジオ送信を受信するようにも構成される。更に他の実施形態では、UE106は、放送ラジオ送信を受信するよう構成してよく、また基地局との双方向通信を実施するよ
う構成しなくてよい(例えばUE106はテレビジョンであってよい)。
【0023】
図2‐通信システム及びスペクトル共有の概要
図2は、複数の通信システムを含む例示的な(かつ簡略化された)無線環境を示す。図示されている実施形態では、異なる複数のUE及び放送レシーバは、放送ネットワーク及び/又はパケット交換セルラーネットワークを介して通信するよう構成される。図2のシステムは可能なシステムの単なる一例であり、必要に応じて様々なシステムのいずれにおいて実施形態を実装してよいことに留意されたい。
【0024】
図示されているように、上記例示的な無線通信システムは、基地局102A、102Bを含み、これらは、UE106A~106Cとして表されている1つ又は複数のユーザ機器(UE)デバイスと、送信媒体を介して通信する。
【0025】
セルラー基地局102Bは、トランシーバ基地局(base transceiver
station:BTS)又はセルサイト(cell site)であり、UE106B及びUE106Cとの無線通信を可能にするハードウェアを含んでよい。図示されている実施形態では、基地局102Bはまた、コアネットワーク100Bと通信するようにも構成される。コアネットワーク100Bは、1つ又は複数の外部ネットワーク(外部ネットワーク108等)にも連結してよく、上記外部ネットワークは、インターネット、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)及び/又は他のいずれのネットワークを含んでよい。従って基地局102Bは、UEデバイス106BとUEデバイス106Cとの間、並びに/又はUEデバイス106B及び/若しくは106Cとコアネットワーク100B及び/若しくは108との間の通信を促進できる。
【0026】
同一の又は異なるRAT又はセルラー通信規格に従って動作する基地局102B及び他の基地局は、複数のセルのネットワークとして提供してよく、上記ネットワークは、1つ又は複数のラジオアクセス技術(RAT)によって、広範な地理的領域にわたって、UE106B及び/又はUE106Cと、同様のデバイスとに、継続的な又は略継続的な重複するサービスを提供できる。
【0027】
放送基地局102Aは、UE106A、106B等の複数のレシーバにマルチメディアコンテンツ(例えばTV送信用のビデオ及び音声コンテンツ)を放送するよう構成してよい。図示されている実施形態では、放送基地局102Aは、外部ネットワーク108と通信するよう構成される。様々な実施形態では、放送基地局102Aはまた、1つ又は複数の内部ネットワークと通信するようにも構成される。
【0028】
用語「放送(broadcast)」は、ある特定のデバイスにアドレス指定されるのではなく、ある放送地域内の複数の受信デバイスに対して送信される、一対多の送信を指す。更に、放送送信は典型的には、一方向(トランスミッタからレシーバ)である。いくつかの状況において、制御信号(例えば視聴率情報)をレシーバから放送トランスミッタに返すことができるが、コンテンツデータは一方向にのみ送信される。対照的に、セルラー通信は典型的には双方向性である。「セルラー(cellular)」通信はまた、複数のセル間の引き渡し(handoff)を伴ってよい。例えばUE106C(及び/又はUE106B)が、セルラー基地局102Bが提供するセルの外に移動すると、上記UEは別のセルラー基地局に引き渡されてよい(また上記引き渡しは、基地局102B及び上記別のセルラー基地局が実施する動作を含めて、ネットワークによって処理されてよい)。対照的に、第1の放送基地局がカバーする範囲から第2の放送基地局がカバーする範囲へとユーザが移動すると、ユーザは第2の放送基地局からコンテンツを受信するように切り替えることができるが、基地局は引き渡しを促進する必要はない(例えば基地局は単
に放送を継続し、ある特定のUEがどの基地局を使用しているかは問題としない)。
【0029】
従来、放送送信は、セルラー放送とは異なる周波数リソースを用いて実施されている。しかしながらいくつかの実施形態では、これらの異なるタイプの送信の間で周波数リソースを共有する。例えばいくつかの実施形態では、放送基地局102Aは、予定された時間区間中に1つ又は複数の周波数帯域を、パケット交換通信のためのセルラー基地局102Bが使用するために譲渡するよう構成される。
【0030】
動的スペクトル共有は、シームレスなエンドユーザの接続を保証するための、ネットワーク間の明示的な調整の可能性を発生させる。動的スペクトル共有は、例えば個々のネットワークオペレータ間での明文化された合意の下で、放送オペレータがそのスペクトル占有分の一部又は全てを無線キャリアに一時的に譲渡することにより、追加の収入を引き出すための手段を提供する。基盤となる信号送信プロトコルの補足物に精通した、設定可能な基地局は、所与の時点において放送又はブロードバンドサービスアクセス(又はこれら両方)を探索するエンドユーザデバイスからの、中断のない接続を促進できる。
【0031】
いくつかの実施形態では、放送又はセルラー基地局が送信する制御信号により、エンドユーザデバイスは、完全な信号接続性(これはネットワークの混乱を除去できる)を維持すること、(例えば基地局が送信を行っていない場合に、低電力モードのまま保持する時間を決定することによって)バッテリ寿命を延長すること、及び/又は(例えばまだらになったカバー範囲若しくは一時的なネットワーク停止として、スペクトル共有期間を知覚するのではなく)能動的にカバー範囲検出を管理することが可能となる。
【0032】
様々な実施形態において、異なるレベルの調和を利用してよい。いくつかの実施形態では、放送オペレータは、放送レシーバへの信号送信を中断することなく、予定された時間期間にわたって、そのスペクトルをセルラーオペレータに譲渡してよい。これらの実施形態では、放送ネットワークは、繰り延べ期間中はアクセス不可となり、そのレシーバは、放送サービスが再開されるまで、ネットワーク状態を認識しないままとなる。これは一方的繰り延べと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、セルラーオペレータは、その送信を周期的に空白化することによって、放送オペレータが放送レシーバに、その休眠期間を通知する制御信号を送信できるようにしてよい。これは、放送レシーバに空白化期間を知らせることができる一方で、放送レシーバが放送データの受信を継続できないようにすることができる。これは、共同繰り延べと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、放送プロバイダ及びセルラープロバイダは完全に調和し、UE及び放送レシーバが、それぞれのネットワークに対する中断されない接続を維持できるようにすることができる。例えば放送送信のための制御信号は、放送レシーバがアクティブな区間(例えばセルラーデータが送信される、複数の放送空白化区間の間の区間)において放送コンテンツを受信できるようにするために十分な同期情報を含んでよい。いくつかの実施形態では、これは、セルラー同期及びセル構成パラメータを放送フレームパラメータに重畳するステップを伴ってよい。
【0033】
基地局102A、102B及びUE106A、106B、106Cは、UMTS、LTE‐A、CDMA2000(例えば1xRTT、1xEV‐DO、HRPD、eHRPD)、米国テレビジョン規格委員会(Advanced Television Systems Committee:ATSC)規格、デジタルビデオ放送(Digital Video Broadcasting:DVB)といった他の可能な選択肢の中でも特に、LTE、次世代放送プラットフォーム(Next Generation Broadcast Platform:NGBP)、W‐CDMA、TDS‐CDMA及びGSMのような、様々なRAT(無線通信技術又は遠距離通信規格とも呼ばれる)のうちのいずれを用いて、送信媒体を介して通信するよう構成してよい。
【0034】
本出願では、例示を容易にするために放送及びセルラーネットワークについて議論しているが、これらの技術は本開示の範囲を限定することを意図したものではなく、本開示のスペクトル共有技法は、他の実施形態において、様々なタイプの無線ネットワークのうちのいずれの間で使用してよい。
【0035】
図3‐基地局
図3は、基地局102の例示的なブロック図を示す。いくつかの実施形態では、基地局102は、図2の基地局102A等の放送基地局及び/又は図2の基地局102B等のセルラー基地局であってよい。図3の基地局は、可能な基地局の単なる一例であることに留意されたい。図示されているように、基地局102は、基地局102のためのプログラム命令を実行できる1つ又は複数のプロセッサ304を含んでよい。1つ又は複数のプロセッサ304はまた、メモリ管理ユニット(memory management unit:MMU)340にも連結でき、MMU340は、1つ又は複数のプロセッサ304からアドレスを受信して、これらのアドレスをメモリ(例えばメモリ360及び読み出し専用メモリ(read only memory:ROM)350)内の場所へ、又は他の回路若しくはデバイスへと移すよう構成してよい。
【0036】
基地局102は、少なくとも1つのネットワークポート370を含んでよい。ネットワークポート370は、電話網に連結して、UEデバイス106等の複数のデバイスに、上述のような上記電話網へのアクセスを提供するよう構成してよい。いくつかの実施形態では、ネットワークポート370(又は追加のネットワークポート)はテレビジョンネットワークに連結してよく、放送用コンテンツを受信するよう構成してよい。また、又はあるいは、ネットワークポート370(又は追加のネットワークポート)は、セルラーネットワーク、例えばセルラーサービスプロバイダのコアネットワークに連結するよう構成してよい。上記コアネットワークは、UEデバイス106等の複数のデバイスに、移動性関連サービス及び/又は他のサービスを提供してよい。場合によっては、ネットワークポート370はコアネットワークを介して電話網に連結してよく、及び/又はコアネットワークが、(例えばセルラーサービスプロバイダがサービス提供する他のUEデバイス106間に)電話網を提供してよい。
【0037】
基地局102は、少なくとも1つのアンテナ334を含んでよい。この少なくとも1つのアンテナ334は、無線トランシーバとして動作するよう構成してよく、更に、ラジオ330を介してUEデバイス106と通信するよう構成してよい。図示されている実施形態では、アンテナ334は通信チェーン332を介してラジオ330と通信する。通信チェーン332は、受信チェーン、送信チェーン又はこれら両方であってよい。ラジオ330は、様々なRATを介して通信するよう構成してよい。
【0038】
基地局102の1つ又は複数のプロセッサ304は、例えばメモリ媒体(例えば非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本出願に記載の方法の一部又は全てを実装するよう構成してよい。あるいはプロセッサ304は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又はASIC(特定用途向け集積回路)、又はこれらの組み合わせといった、プログラマブルハードウェア要素として構成してよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、基地局102は、放送通信及び双方向性パケット交換通信の両方を実施するよう構成される。これらの実施形態では、基地局102は例えば、複数のラジオ330、通信チェーン332及び/又はアンテナ334を含んでよい。他の実施形態では、本開示のスペクトル共有技法を、放送送信のみ又はパケット交換通信のみを実施するよう構成された異なる複数の基地局が実施してよい。
【0040】
図4‐ユーザ機器(UE)
図4は、UE106の例示的な簡略化されたブロック図を示す。図示されているように、UE106は、システム・オン・チップ(system on chip:SOC)400を含んでよく、このSOC400は、様々な目的のための複数の部分を含んでよい。SOC400は、UE106の様々な他の回路に連結してよい。例えばUE106は:(例えばNANDフラッシュ410を含む)様々なタイプのメモリ;(例えばコンピュータシステム、ドック、充電ステーション等に連結するための)コネクタインタフェース420;ディスプレイ460;LTE、GSM、Bluetooth(登録商標)、WLAN及び/又は放送等のための無線通信回路構成430を含んでよい。UE106は更に、SIM(加入者識別モジュール)機能を実装した1つ又は複数のスマートカードを備えてよい。無線通信回路構成430は、アンテナ435等の1つ又は複数のアンテナに連結してよい。
【0041】
図示されているように、SOC400は、UE106のためのプログラム命令を実行できる1つ又は複数のプロセッサ402と、グラフィックス処理を実施でき、ディスプレイ460にディスプレイ信号を提供できる、ディスプレイ回路構成404とを含んでよい。1つ又は複数のプロセッサ402はまた、メモリ管理ユニット(MMU)440に連結してよく、このMMU440は、1つ又は複数のプロセッサ402からアドレスを受信して、これらのアドレスをメモリ(例えばメモリ406、読み出し専用メモリ(ROM)450、NANDフラッシュメモリ410)内の場所へ、並びに/又はディスプレイ回路構成404、無線通信回路構成430、コネクタI/F420及び/若しくはディスプレイ460といった他の回路若しくはデバイスへと移すよう構成してよい。MMU440は、メモリ保護及びページテーブル変換又はセットアップを実施するよう構成してよい。いくつかの実施形態では、MMU440を、1つ又は複数のプロセッサ402の一部分として含めてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態(図示せず)では、UE106は、例えば図2の放送基地局102Aから、無線放送を受信するよう構成される。これらの実施形態では、UE106は放送ラジオレシーバを含んでよい。いくつかの実施形態では、UE106は、異なる周波数帯域を用いて同時に、及び/又は異なるタイムスライス中に同一の周波数リソースを用いて、放送データを受信し、パケット交換セルラー通信(例えばLTE)を実施するよう構成される。これにより、ユーザは、(例えばスプリットスクリーンモードでの)インターネットのブラウジング、ウェブアプリケーションの使用、又はストリーミング音声の聴取といった他のタスクを実施しながら、TV放送を視聴できる。他の実施形態では、本開示の技法を、放送レシーバとして又はセルラー通信用に構成され、かつこれら両方としては構成されていないデバイスを用いるシステムにおいて使用してよい。
【0043】
UEデバイス106のプロセッサ402は、例えばメモリ媒体(例えば非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本出願に記載の特徴の一部又は全てを実装するよう構成してよい。あるいは(又は更に)、プロセッサ402は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)といった、プログラマブルハードウェア要素として構成してよい。あるいは(又は更に)、UEデバイス106のプロセッサ402は、他の構成部品400、404、406、410、420、430、435、440、450、460のうちの1つ又は複数と併せて、本出願に記載の特徴の一部又は全てを実装するよう構成してよい。
【0044】
図5‐例示的な放送フレーム
図5は、いくつかの実施形態による、一般化された放送スーパーフレーム構造502を示す。図示されている実施形態では、上記スーパーフレームは、基盤となるフレーム構成
とは独立した1秒の持続時間を占有する。いくつかの実施形態では、この固定された持続時間により、セルラーネットワーク伝送層との調和を促進できる。図示されているスーパーフレーム502は、実際のペイロードデータを搬送するペイロード領域504と、制御又は他の信号送信情報を搬送できるゼロ個以上の非ペイロード領域506、508を含む。図示されている例では、別個の非ペイロード領域506、508は、スーパーフレーム502の始点及び終点において斜線付きの領域で示されている。この例示的な図では、各領域の相対的な時間長(水平軸)及びシンボルの個数は実際の通りでない場合がある。
【0045】
いくつかの実施形態では、最初の非ペイロード領域506は、レシーバデバイスに初期同期及びフレーム構成を提供するプリアンブルとして機能する。いくつかの実施形態では、ある特定のプリアンブルの検出により、残りのプリアンブルシンボルを検出できるコンテキストを設定できる。例えば、基地局102Aがそのスペクトルの一部分をLTEに譲渡する場合、基地局102Aは、放送プリアンブル内で信号送信される別個のコンテキストを「プライベート(private)」として示すことができる。いくつかの実施形態では、他のフィールドは、受信デバイスに、伝送がどの程度の長さを占有するか、及び信号の帯域幅といった様々な情報を示すことができる。例えば放送レシーバデバイスはこの情報を用いて、放送データの監視をいつ再開するかを決定できる。セルラーデバイスはこの情報を用いて、セルラーデバイスが、借用した周波数帯域においてデータを送信できる期間を決定できる。いくつかの実施形態では、放送レシーバは、放送デバイスが受信する準備をしているもの以外のサービスコンテクストに属するスーパーフレームを無視するよう構成される。
【0046】
図6‐例示的なセルラーフレーム
図6は、例示的なセルラーラジオフレーム(図示されている例ではLTEフレーム)を示す。図示されている実施形態では、セルラーラジオフレーム602は、複数のサブフレーム604を備える。図示されている実施形態では、各サブフレームは長さ1msであり、2つの0.5msスロット606で構成される。図示されているフレームは、様々な実施形態において、双方向パケット交換セルラー通信に使用できる。
【0047】
図示されている実施形態では、一次同期信号PSS及び二次同期信号SSSがスロット0、10のサブフレームに挿入される。PSSは両方のサブフレームにおいて同様に送信され得る。SSSコンテンツはフレーム毎に第2のインスタンスにおいて修正されてよく、これによりUEが10msラジオフレームの始点を一意に決定できる。いくつかの実施形態では、PSS及びSSSには、ラジオフレームの第1のサブフレームにおいてのみ、物理放送チャネル(physical broadcast channel:BCH)610が続く。BCHは、フレーム構成を放送レシーバに搬送してよい。BCHの文脈における用語「放送(broadcast)」は、LTEセル内の複数のレシーバに均一に分配される制御信号送信を指し、従って放送基地局が分配する放送データコンテンツとは異なることに留意されたい。
【0048】
図7‐スペクトル共有の調和のための例示的信号送信構造
図7は、LTEフレーム構造へのユニバーサル信号送信の組み込みを示す。様々な実施形態において、制御信号は、周波数帯域が利用可能である時間区間を示すために使用できる。これは、いずれの所与のフレーム期間におけるスペクトルリソースの意図された使用と同様に、放送及びブロードバンドレシーバに信号送信できる。
【0049】
図示されている実施形態では、プリアンブル702は、放送スーパーフレーム持続時間706の始点に対応する第1のLTEサブフレーム704において送信される。いくつかの実施形態では、これは、放送スーパーフレームとLTEフレームとの同期を必要とする場合がある(例えばいくつかの実施形態では、上記スーパーフレームはLTEフレームと
同時に開始しなければならない)。プリアンブル702は、放送及びセルラー制御信号の両方が各ネットワークによって上記プリアンブル区間中に送信されるという意味で、「ハイブリッド(hybrid)」プリアンブルであり得る。いくつかの実施形態では、干渉を回避するために、この信号を、異なる時間及び/又は周波数リソースを用いて送信してよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、プリアンブル702の放送部分は、初期同期情報と、ブロードバンドプロバイダが放送セル内において送達することを希望するいずれの追加の構成パラメータとを内包する。いくつかの実施形態では、第1の放送シンボルは、これが通常放送モードであるものとして送られ、これにより安定した信号検出を保証できる。図示されている実施形態では、放送基地局から送信される残りのシンボルは、(例えばこれらの区間中の周波数スペクトルの少なくとも一部分を空白化することによって)必要に応じて修正され、これにより、例えばPSS、SSS、BCHといった、セルラーレシーバ向けの信号送信フィールドが内包され、周囲に放送信号送信が存在するにもかかわらず継続的なネットワーク接続が可能となる。
【0051】
従っていくつかの実施形態では、放送信号送信フィールド708と重なる放送シンボルは、PSS、SSS、BCHを内包するようにノッチを付けられている。いくつかの実施形態では、これらのセルラーフィールドは、名目上、サブキャリア間隔15kHzにおいてセンターキャリアを取り囲む72個のサブキャリア(1.080MHz)を占有する。これらの実施形態では、放送基地局102Aは、同等の信号帯域幅をゼロにすることによって、上記セルラー信号フィールドの完全性が損なわれるのを回避できる。
【0052】
更に、セルラー基地局102Bは、放送プリアンブル702に重なる場合に、サブフレームゼロのユーザデータのスケジューリングを中断できる。ユーザデータのスケジューリングのために利用できるサブフレームにおけるデータ損失(図示されている実施形態では1/1000)は、放送基地局102Aと周波数スペクトルを共有する能力に対して低コストとなり得る。通常のセルラーデータスケジューリングは、サブフレームゼロの後、スーパーフレーム持続時間の残りの部分にわたって再開してよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、単一の基地局(例えば放送及びセルラー送信の両方のために構成された基地局)を、全プリアンブル702を送信するよう構成してよい。更にいくつかの実施形態では、スケジューリングを促進するために、セルラー基地局を、放送制御信号の一部分を送信するよう構成してよく、及び/又はその逆であってもよい。
【0054】
LTEとNGBPとの間での例示的なスペクトル共有
いくつかの実施形態では、設定可能なeNBは、NGBP(放送)信号及び次世代ユニバーサル地上波ラジオアクセス(Evolved Universal Terrestrial Radio Access:EUTRA)(LTE、ロングタームエボリューション)(セルラー)信号の両方を、2つの信号の時間インターリーブによって、同一の周波数スペクトルにおいて、同様の帯域幅を使用して送信するよう構成される。NGBP信号とEUTRA信号との間の正確な時間整合を維持することは、両方の信号を同一の基地局(eNB、次世代ノードB)が送信する場合、比較的簡単であり得る。これらの実施形態では、eNBは単一の信号を送信してよく、上記信号のある部分はNGBP波形に対応し、上記信号の他の部分はEUTRA波形に対応する。他の実施形態(例えば異なる複数の基地局が放送専用又はセルラー専用として構成されている実施形態)では、時間整合のために、上記異なるネットワーク間の調和が必要となり得る。
【0055】
以下において議論する実施形態では、例示を目的としてNGBP及びLTEを利用するが、他の放送及び/若しくはセルラープロトコル(例えばNGBP、GSM等)に対して
同様の技法を使用してよく、又は他の実施形態では、放送若しくはセルラー用ではないプロトコルに対して同様の技法を使用してよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、放送送信用スペクトルを残すための空白化のために、MBSFN(Multicast/Broadcast Single Frequency Network:マルチキャスト/放送単一周波数ネットワーク)サブフレームをセルラーネットワークが使用してよい。これらの実施形態では、EUTRAダウンリンク信号は、MBSFNサブフレームを有して構成してよい。FDD(Frequency Division Duplex:周波数分割複信)EUTRAシステムでは、10msのEUTRAラジオフレームそれぞれのサブフレーム1、2、3及び6、7、8を、MBSFNサブフレームとして構成してよい。MBSFNサブフレームは、EUTRA信号を、1msのサブフレームの最初の1個又は2個のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重化)シンボルにおいてしか送信する必要がなく、その一方で残りの13個又は12個のOFDMシンボルをそれぞれ、信号が送信されない空白状態のままとすることができる、という特性を有してよい。特に、あるMBSFNサブフレームのMBSFN領域に属するOFDMシンボルにおいて、EUTRA基準シンボルを送信する必要はない。これは、時間長0.857ms(OFDMシンボル12個)又は0.929ms(OFDMシンボル13個)の空白領域が各MBSFNサブフレームに存在し得ることを暗示している。
【0057】
NGBP信号に関して12.288Msps(Mega samples per second:1秒あたりのメガサンプル数)の例示的なサンプリングレートを想定すると、この空白領域を有するMBSFNサブフレームは、それぞれOFDMシンボル12個又は13個の長さの空白領域に対して、MBSFNサブフレームの空白領域におけるNGBPの使用のために利用できる、およそ10500サンプル又は11400サンプルに対応する。(これは例示的なサンプリングレートであり、NGBPに関するより高いサンプリングレートも提案されており、動的に選択できることに留意されたい。)例えばこのサンプルのセットは、4096FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)を用いる場合は2つのNGBP OFDMシンボルのいずれ、又は8192FFTを用いる場合は1つのNGBP OFDMシンボルに、適切なサイズのサイクリックプレフィクスを加えたものに対して十分なものである。
【0058】
NGBPフレームは複数のパーティションによって構成してよく、上記パーティションは、物理パーティションデータチャネル(Physical Partition Data CHannel:PPDCH)と呼ばれる場合がある。複数のPPDCHで放送フレームペイロードを形成するための例示的な技法は、2015年7月21日出願の米国特許出願第14/805004号「Multi‐Partition Radio Frames」において議論されており、上記特許出願はその全体が参照により本出願に援用される。NGBP及びEUTRA信号を時間インターリーブするために、1つ又は複数のPPDCHを、EUTRA MBSFNサブフレームの空白領域中にNGBPデータを搬送するよう構成してよく、その一方で1つ又は複数の空白状態のPPDCHを、EUTRA信号のアクティブ部分に対応するよう構成してよい。後者のNGBP PPDCHは、EUTRA信号に干渉しないよう、これらのPPDCHの間には一切のNGBP信号が送信されない(いずれのNGBP基準シンボルの抑制も含む)ように構成してよい。いくつかの実施形態では、放送基地局102Aは、NGBPレシーバに、NGBP基準シンボルが空白パーティションの間は送信されないことを通知するよう構成され、NGBPレシーバはチャネル推定を実施する間にこの情報を考慮に入れることができる。
【0059】
様々な実施形態又は状況において、本開示の技法を、LTE時間分割複信(time division duplex:TDD)ラジオフレーム、LTE周波数分割複信(F
DD)ラジオフレーム、及び/又は他のタイプのラジオフレームを用いて実装してよい。使用されるセルラーラジオフレームの構成に応じて、信号情報を、セルラーフレームの異なる時間及び/又は周波数部分の間に送信できる。
【0060】
図8は、いくつかの実施形態による、放送送信とセルラー送信との間の例示的な時間インターリーブを示す信号図である。この例は、NGBPに関して12.288Mspsのサンプリングレートを使用しているが、様々なサンプリングレートを適切なものとして使用できる。図8はある特定の周波数帯域を示しているが、放送送信は、図示されている帯域の譲渡中に他の周波数帯域において継続されてよく、又は継続されなくてもよいことに留意されたい。
【0061】
図示されている例では、PPDCH0、1、2はNGBP放送データを搬送する。この例では、これらのPPDCHはそれぞれ、512サンプルのサイクリックプレフィクス長で、4096のFFTサイズを使用するよう構成される。これにより、2つの連続するOFDMシンボルに関して合計9216サンプルが得られ、図示されている実施形態では、これはEUTRA MBSFNサブフレームの空白領域にフィットする。(あるいはFFTサイズが8192、サイクリックプレフィクス長が1024サンプルの1つのOFDMシンボルを、同じ合計長さ9216サンプルに対して使用してよい。)この例では、PPDCH0は、MBSFNサブフレーム1及び6をカバーするために5msの周期を有し、PPDCH1はMBSFNサブフレーム2及び7をカバーするために5msの周期を有し、PPDCH2はMBSFNサブフレーム3及び8をカバーするために5msの周期を有する。
【0062】
図示されている例では、PPDCH3は、(アクティブなEUTRA信号を搬送する)各MBSFNサブフレームの最初の部分に対応する空白パーティションである。1msのEUTRAサブフレームは、同一の時間期間中の12288個のNGBPサンプルに対応する。これらのサンプルのうち9216個は、問題となる実際のサブフレームインデックスに応じて、PPDCH0、1又は2に割り当てられる。これによりPPDCH3に3072サンプルが残され、従ってPPDCH3を、例えばFFTサイズが2048、サイクリックプレフィクス長が1024サンプルのOFDMシンボルを使用するように構成できる。PPDCH3は、各サブフレームの最初の部分(及びこの例では先行するサブフレームの最後の部分のごく一部)をカバーするために1msの周期を有してよい。
【0063】
図示されている例では、PPDCH4、5は、非MBSFNサブフレーム0、4、5、9のアクティブなEUTRA部分に対応する空白パーティションである。これら2つのパーティションは、データ搬送パーティション0、1、2と同一の構成(即ち周期が5msで、FFTサイズが4096、サイクリックプレフィクス長が512サンプルの2つのOFDMシンボル、又はFFTサイズが8192、サイクリックプレフィクス長が1024サンプルの1つのOFDMシンボル)を使用してよい。
【0064】
図示されている実施形態では、斜線付きの領域は、対応する波形に関するアクティブな送信を表し、斜線がない領域は、対応する波形に関する非アクティブな送信を表す。図から確認できるように、NGBP信号のアクティブな部分(PPDCH0、1、2)は、EUTRA信号の非アクティブ部分(EUTRAサブフレーム1、2、3及び6、7、8のMBSFN部分)に入り、これにより2つの波形間には衝突が存在しない。
【0065】
以下の表は、図8に対応する例示的なNGBP PPDCH構成をまとめたものである。
【0066】
【表1】
【0067】
いくつかの実施形態では、NGBPフレーム(の、例えば始点のプリアンブル)において送信される制御信号は、複数のLTEサブフレームに対応してよい。例えば、いずれも上述の米国特許出願第14/805004号において議論されているPFCCH(物理フォーマット制御チャネル:Physical Format Control CHannel)及びPCCCH(物理コンテンツ制御チャネル:Physical Content Control CHannel)の長さは共に、EUTRAサブフレームのうちのいくつかと干渉する場合がある。しかしながら、これはNGBPフレームあたり1回、例えば1秒あたり1回しか発生し得ない。更にいくつかの実施形態では、PFCCH及びPCCCHの位置は、EUTRAユーザデバイスへの影響を最小化するために、MBSFNサブフレームと時間整合される。いくつかの実施形態では、セルラー基地局102Bは、NGBP PFCCH及びPCCCHとのいずれの重複期間中、EUTRAデバイスへの送信のスケジューリングを回避することによって、潜在的な信号の衝突を低減するよう構成される。最後にいくつかの実施形態では、PFCCHに関するある特定のプリアンブル値を用いて、NGBPレシーバに、PCCCHフォーマットが通常のNGBP信号ではない、(例えば非MBSFNサブフレームとの干渉を回避するためのある程度の時間的ギャップを有する)特別なフォーマットであることを信号送信してよい。
【0068】
単一の基地局がEUTRA信号及びNGBP信号の両方を送信するよう構成された実施形態では、これらの信号は同一のキャリア周波数の同一の(又は同様の)帯域幅を占有してよく、これにより、2つの信号間の切り替え時にラジオを異なる周波数に再調整する必要がある等のRFに関する問題を回避できる。他の実施形態では、信号は異なる重複した帯域幅を占有してよく、及び/又は異なるキャリア周波数を使用してよい。
【0069】
ローカル/地域的放送のための例示的なスペクトル共有の実施形態
いくつかの実施形態では、スペクトル共有技法を用いて、ローカルコンテンツの放送と地域的コンテンツの放送との間でスペクトルを共有してよい(ここで地域的コンテンツ(regional content)は、ローカルコンテンツよりも大きな領域を標的としたコンテンツを指す)。いくつかの実施形態では、単一の基地局が両方のタイプのコンテンツを送信するよう構成され、また放送フレームのいくつかのパーティションにおいてローカルコンテンツを、そして放送フレームの他のパーティションにおいて地域的コンテンツを送信するよう構成される。これらの実施形態では、ローカル/地域的コンテンツは、例えば移動体デバイス、据え置き型デバイス等の特定のタイプのデバイスを標的として
いてもよい。
【0070】
他の実施形態では、1つの地域的放送基地局及び1つ又は複数のローカル放送基地局を、スペクトルを共有するよう構成してよい。例えば地域的放送基地局は、上記1つ又は複数のローカル基地局による送信に対応するパーティションを空白化するよう構成してよい。これらの実施形態では、これらの基地局は、放送フレームの同期を調和させるために、及び/又はどの基地局がどの区間中に送信若しくは空白化を行うかを構成するために、通信してよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、同一の周波数帯域のスペクトルの使用のための複数のタイムスライスを:ローカル放送コンテンツ、地域的放送コンテンツ、双方向パケット交換通信に配分してよい。
【0072】
スペクトル共有のための例示的な調和スキーム
いくつかの実施形態では、放送プロバイダが譲渡したいスペクトルをリストアップでき、セルラープロバイダがリストアップされたスペクトルの使用を購入できるような交換を用いて、スペクトルを配分してよい。放送プロバイダは、(例えば放送プロバイダが空白化したい放送フレームのパーティションのサイズに基づいて)放送プロバイダがスペクトルを譲渡したい時間のうちの特定の割合、放送プロバイダがスペクトルを譲渡したい特定の区間、等をリストアップしてよい。いくつかの実施形態では、上記交換により、プロバイダは、フレーム同期、及びどの基地局をどの時間区間中に空白化を行うよう構成するかの構成を調和させることもできる。
【0073】
いくつかの実施形態では、スペクトル共有構成を決定して指示するために集約システムを構成するが、集約システムを構成せずに交換によってこれを実施するようには構成されない。いくつかの実施形態では、スペクトルを共有する方法の決定は、分散式で実施してよい。例えば放送基地局は、現在の番組編成に基づいて放送基地局のスペクトル使用を決定し、放送基地局がスペクトルを譲渡できる能力を、近隣のセルラー基地局に通信してよい。上記近隣の基地局(例えば重複するカバー領域を有する基地局)は、集約的でない方法で、上記近隣の基地局間においてスペクトル共有パラメータを調和させてよい。放送基地局及び/又はセルラー基地局間でのこれらの通信は、無線で実施してもしなくてもよい。いくつかの実施形態では、このような通信のためのフィールドを、セルラー及び/又は放送フレーム構造に追加してよい。
【0074】
図9~11‐例示的な方法
ここで図9に移ると、放送基地局を動作させるための方法の1つの例示的実施形態を示すフローチャートが示されている。図9に示す方法は、他のデバイスの中でも特に、本出願に記載のコンピュータ回路構成、システム、デバイス、要素又は構成部品のうちのいずれと併せて使用してよい。様々な実施形態では、図示されている方法の要素のうちのいくつかは同時に実施してよく、図示されているものとは異なる順序で実施してよく、又は省略してよい。必要に応じて追加の方法の要素も実施してよい。
【0075】
910では、放送基地局102Aは、ある特定の周波数帯域を用いて、音声及びビデオデータを複数の放送レシーバに無線放送する。いくつかの実施形態では、これは、470~884MHzであるUHF帯域の一部分であってよい。他の実施形態では、様々な周波数帯域のいずれを利用してよい。
【0076】
920では、放送基地局102Aは、上記特定の周波数帯域における放送を、予定された時間区間だけ中断し、1つ又は複数のセルラー基地局(例えばセルラー基地局102B)が、上記特定の周波数帯域を用いて、双方向パケット交換無線データ通信を実施できる
ようにする。いくつかの状況では、上記特定の周波数帯域は、放送基地局が送信するよう構成されたスペクトルのごく一部分であってよいが、他の状況では、放送基地局はその全スペクトルを譲渡してよい。図8に示すように、いくつかの実施形態では、上記予定された時間区間は、1msのLTEサブフレームの一部分に対応してよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、上記基地局は、他の予定された時間区間中、例えばある特定のLTE、フレームの他のサブフレーム中に、上記特定の周波数帯域において送信を行うよう構成される。いくつかの実施形態では、上記基地局は、受信するユーザデバイスに制御信号を送信するよう構成され、また上記制御信号は、放送基地局が送信を空白化する時間区間を示す。
【0078】
ここで図10に移ると、セルラー基地局を動作させるための方法の1つの例示的実施形態を示すフローチャートが示されている。図10に示す方法は、他のデバイスの中でも特に、本出願に記載のコンピュータ回路構成、システム、デバイス、要素又は構成部品のうちのいずれと併せて使用してよい。様々な実施形態では、図示されている方法の要素のうちのいくつかは同時に実施してよく、図示されているものとは異なる順序で実施してよく、又は省略してよい。必要に応じて追加の方法の要素も実施してよい。
【0079】
1010では、セルラー基地局102Bは、第1の周波数帯域を用いて、1つ又は複数の移動体デバイスと双方向パケット交換通信を実施する。上記第1の周波数帯域は、セルラー通信のために基地局102Bに関連するセルラープロバイダに割り当てられた帯域であってよい。
【0080】
1020では、セルラー基地局102Bは、予定された時間区間中、第2の周波数帯域を用いて、1つ又は複数の移動体デバイスと通信を実施する。図示されている実施形態では、上記第2の周波数帯域は、上記予定された時間区間以外の1つ又は複数の時間区間中に、音声及びビデオデータを複数のデバイスに無線放送するために使用される。例えば上記第2の周波数帯域は、放送基地局102Aに関連する放送プロバイダに割り当てられてよい。しかしながら放送プロバイダは、上記予定された時間区間中は、そのスペクトルの少なくとも一部分を使用しないことに同意していてよい。いくつかの実施形態では、セルラー基地局102Bは、上記異なる第1及び第2の周波数帯域を用いて通信するよう構成された複数のラジオを含んでよい。セルラー基地局102Bは、上記予定された時間区間中に上記第2の周波数帯域を介して通信するよう、UEに通知してよい。
【0081】
ここで図11に移ると、UEを動作させるための方法の1つの例示的実施形態を示すフローチャートが示されている。図11に示す方法は、他のデバイスの中でも特に、本出願に記載のコンピュータ回路構成、システム、デバイス、要素又は構成部品のうちのいずれと併せて使用してよい。様々な実施形態では、図示されている方法の要素のうちのいくつかは同時に実施してよく、図示されているものとは異なる順序で実施してよく、又は省略してよい。必要に応じて追加の方法の要素も実施してよい。
【0082】
1110では、UEは、第1の周波数帯域を用いて、基地局と双方向パケット交換無線データ通信を実施する。いくつかの実施形態では、これは、国によって異なる場合があるセルラー周波数帯域内で実施してよいが、700MHzと3600MHzとの間の10~100MHzの帯域が指定される場合もある。
【0083】
1120では、UEは、基地局からの制御信号の受信に応答して、予定された時間区間中、第2の周波数帯域を用いて、双方向パケット交換無線データ通信を実施する。図示されている実施形態では、上記第2の周波数帯域は、上記予定された時間区間以外の1つ又は複数の時間区間中に、音声及びビデオデータを複数のデバイスに無線放送するために使
用される。これによりUEは、通常は放送送信用に予約されている周波数帯域を使用して通信を実施できるようになり、これにより、渋滞した周波数帯域での通信に比べて、データレートの増大、電力消費の低減、バッテリ寿命の増大等が可能となる。
【0084】
本開示に記載の様々な実施形態は、様々な形態のいずれにおいて実現できる。例えばいくつかの実施形態は、例えばコンピュータ実装型の方法、コンピュータ可読メモリ媒体又はコンピュータシステムとして実現できる。他の実施形態は、ASIC等の1つ又は複数の専用設計のハードウェアデバイスを用いて実現できる。他の実施形態は、FPGA等の1つ又は複数のプログラマブルハードウェア要素を用いて実現できる。
【0085】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するよう構成してよく、このプログラム命令は、コンピュータシステムによって実行された場合に、上記コンピュータシステムに、例えば本明細書に記載の方法実施形態のうちのいずれか、又は本明細書に記載の方法実施形態のうちのいずれかの組み合わせ、又は本明細書に記載の方法実施形態のうちのいずれかのいずれのサブセット、又はこのようなサブセットのいずれの組み合わせである、方法を実施させる。
【0086】
いくつかの実施形態では、デバイス(例えばUE、放送レシーバ又は基地局)は、プロセッサ(又はプロセッサのセット)及びメモリ媒体を含むよう構成してよく、メモリ媒体はプログラム命令を記憶し、ここでプロセッサは、メモリ媒体からプログラム命令を読み出して実行するよう構成され、プログラム命令は、本明細書に記載の様々な方法実施形態のうちのいずれか(又は本明細書に記載の方法実施形態のうちのいずれかの組み合わせ、又は本明細書に記載の方法実施形態のうちのいずれかのいずれのサブセット、又はこのようなサブセットのいずれの組み合わせ)を実装するために実行可能である。上記プロセッサは、中央演算処理装置(central processing unit:CPU)又はデジタル信号プロセッサ(digital signal processor:DSP)であってよい。上記デバイスは、様々な形態のいずれにおいて実現できる。
【0087】
以上の実施形態に関してかなり詳細に説明してきたが、以上の開示を十分に理解すれば、当業者には多数の変形及び修正が明らかとなるだろう。以下の請求項は、このような変形及び修正の全てを包含するよう解釈されることを意図したものである。
図1
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図11