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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】半導体発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20220615BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20220615BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20220615BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/54
H01L33/60
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2017079553
(22)【出願日】2017-04-13
(65)【公開番号】P2018182062
(43)【公開日】2018-11-15
【審査請求日】2020-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 大
【審査官】大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-225917(JP,A)
【文献】特開平09-162208(JP,A)
【文献】特開平05-226505(JP,A)
【文献】特開2014-067846(JP,A)
【文献】特開2010-003994(JP,A)
【文献】特開2008-166462(JP,A)
【文献】特開2004-235232(JP,A)
【文献】特開2003-324214(JP,A)
【文献】特開2001-244384(JP,A)
【文献】特開平10-098076(JP,A)
【文献】特開平06-021624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0212082(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01L 21/52 - 21/607
H01L 23/00 - 23/31
H05K 1/00 - 1/02
H05K 3/32 - 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板主面を有する基材および配線部を含む基板と、
前記基板の前記基板主面に搭載されたLEDチップと、
前記配線部の少なくとも一部を覆う絶縁層と、
前記LEDチップを覆う透光樹脂と、を備えた半導体発光装置であって、
前記配線部は、ワイヤボンディング部を含み、
一端が前記LEDチップに接続され、他端が前記ワイヤボンディング部に接続されたワイヤを備え、
前記絶縁層は、前記基板主面から起立し且つ平面視において前記LEDチップに対向する第1面、前記第1面に繋がり且つ前記基板主面と同じ側を向く第2面、前記第2面に対して前記第1面とは反対側に繋がり且つ前記第2面から起立する第3面および前記第3面に繋がり且つ前記基板主面と同じ側を向く第4面を含み、前記第1面と前記第2面との境界によって構成された第1屈曲部および前記第3面と前記第4面との境界によって構成された第2屈曲部を有し、
前記絶縁層は、前記第1面および前記第2面をなす第1層と、前記第1層に積層され且つ前記第3面および前記第4面をなす第2層と、を含み、
前記第1面、前記第2面、前記第3面および前記第4面は、前記透光樹脂に覆われており、
前記第1屈曲部および前記第2屈曲部は、平面視において前記LEDチップと前記ワイヤボンディング部との間に位置する部分をそれぞれ有し、
前記基板は、第1方向および第2方向に沿う四辺を有する平面視矩形状であり、
前記LEDチップと前記ワイヤボンディング部は、前記第1方向において離間しており、
前記第2屈曲部は、前記LEDチップと前記ワイヤボンディング部との間に位置する部分を含み且つ前記第1屈曲部との距離が一定である主部を有し、
前記第2屈曲部は、前記主部の端部に繋がる中間部を有し、
前記中間部と前記第1屈曲部との距離は、前記主部と前記第1屈曲部との距離よりも大きいことを特徴とする、半導体発光装置。
【請求項2】
前記主部は、平面視円弧形状である、請求項に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記主部の平面視円弧形状の中心は、前記LEDチップの中心と一致する、請求項に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記第2屈曲部は、前記主部に対して前記第1方向において前記ワイヤボンディング部とは反対側に延びる前記第1方向に沿った直線状の第1延出部を有する、請求項ないしのいずれかに記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記第2屈曲部は、前記第1延出部から前記第2方向外方に延びる前記第2方向に沿った直線状の第2延出部を有する、請求項に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記第2屈曲部は、前記第2方向に離間した一対の前記第1延出部と、当該一対の第1延出部の前記第1方向における前記ワイヤボンディング部とは反対側の一端どうしを繋ぐ連結部と、を有する、請求項に記載の半導体発光装置
【請求項7】
記中間部は、前記主部と前記第1延出部との間に介在し前記第2方向に沿う直線状である、請求項ないしのいずれかに記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記第1屈曲部は、平面視において前記LEDチップを囲む閉じた形状である、請求項ないしのいずれかに記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記第1屈曲部は、平面視においてその中心が前記LEDチップの中心と一致する円形状である、請求項に記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記絶縁層は、前記第2層によって構成され且つ前記第4面に対して前記第3面とは反対側に繋がる第5面、前記第1層によって構成され且つ前記基板主面と同じ側を向くとともに前記第5面に繋がる第6面および前記第1層によって構成され且つ前記第6面と前記基板主面との間に介在する第7面を有する、請求項1ないしのいずれかに記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記透光樹脂は、前記第2屈曲部のすべてを覆っている、請求項1ないし10のいずれかに記載の半導体発光装置。
【請求項12】
前記透光樹脂は、前記LEDチップからの光を屈折させるレンズ部を有する、請求項1ないし11のいずれかに記載の半導体発光装置。
【請求項13】
前記基板主面に形成され且つ前記LEDチップを囲む反射面を有するケースを備える、請求項1ないし10のいずれかに記載の半導体発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDチップを光源として備える半導体発光装置は、種々の電子機器等の発光デバイスとして用いられている。特許文献1には、従来の半導体発光装置の一例が開示されている。同文献に開示された半導体発光装置は、基材および配線部を有する基板と、当該基板に搭載されたLEDチップとを備える。LEDチップは、ワイヤによって配線部に接続されている。
【0003】
このような半導体発光装置の製造方法においては、種々の接合材を用いてLEDチップが基板に接合される。この接合材は、基板に沿って広がりやすい樹脂成分を含むものがある。この樹脂成分が、配線部に広がると、ワイヤを適切にボンディングできないという不具合を生じうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-208150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ワイヤボンディングをより適切に行うことが可能な半導体発光装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される半導体発光装置は、基板主面を有する基材および配線部を含む基板と、前記基板の前記基板主面に搭載されたLEDチップと、前記配線部の少なくとも一部を覆う絶縁層と、前記LEDチップを覆う透光樹脂と、を備えた半導体発光装置であって、前記配線部は、ワイヤボンディング部を含み、一端が前記LEDチップに接続され、他端が前記ワイヤボンディング部に接続されたワイヤを備え、前記絶縁層は、前記基板主面から起立し且つ平面視において前記LEDチップに対向する第1面、前記第1面に繋がり且つ前記基板主面と同じ側を向く第2面、前記第2面に対して前記第1面とは反対側に繋がり且つ前記第2面から起立する第3面および前記第3面に繋がり且つ前記基板主面と同じ側を向く第4面を含み、前記第1面と前記第2面との境界によって構成された第1屈曲部および前記第3面と前記第4面との境界によって構成された第2屈曲部を有することを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基板は、第1方向および第2方向に沿う四辺を有する平面視矩形状であり、前記LEDチップと前記ワイヤボンディング部は、前記第1方向において離間している。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2屈曲部は、前記LEDチップと前記ワイヤボンディング部との間に位置する部分を含む主部を有する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記主部は、平面視円弧形状である。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記主部の平面視円弧形状の中心は、前記LEDチップの中心と一致する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2屈曲部は、前記該主部に対して前記第1方向において前記ワイヤボンディング部とは反対側に延びる第1延出部を有する。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2屈曲部は、前記第1延出部から前記第2方向外方に延びる第2延出部を有する。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2屈曲部は、前記第2方向に離間した一対の前記第1延出部と、当該一対の第1延出部を繋ぐ連結部と、を有する。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2屈曲部は、前記主部と前記第1延出部との間に介在し前記第2方向に沿う中間部を有する。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1屈曲部は、平面視において前記LEDチップを囲む閉じた形状である。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1屈曲部は、平面視においてその中心が前記LEDチップの中心と一致する円形状である。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記絶縁層は、前記第1面および前記第2面をなす第1層と、前記第1層に積層され且つ前記第3面および前記第4面をなす第2層と、を含む。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記絶縁層は、前記第2層によって構成され且つ前記第4面に対して前記第3面とは反対側に繋がる第5面、前記第1層によって構成され且つ前記基板主面と同じ側を向くとともに前記第5面に繋がる第6面および前記第1層によって構成され且つ前記第6面と前記基板主面との間に介在する第7面を有する。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記透光樹脂は、前記第2屈曲部のすべてを覆っている。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記透光樹脂は、前記LEDチップからの光を屈折させるレンズ部を有する。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記基板主面に形成され且つ前記LEDチップを囲む反射面を有するケースを備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、前記絶縁層が前記第1屈曲部および前記第2屈曲部を有することにより、より適切にワイヤのボンディングを行うことができる。
【0023】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置を示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置を示す底面図である。
図4図2のIV-IV線に沿う断面図である。
図5図2のIV-IV線に沿う要部拡大断面図である。
図6図2のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図2のVI-VI線に沿う要部拡大断面図である。
図8】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置の製造方法の一例を示す平面図である。
図9】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図10】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図11】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図12】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図13】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図14】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図15】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置の製造方法の一例を示す要部拡大平面図である。
図16図15のXVI-XVI線に沿う要部拡大断面図である。
図17】本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置の製造方法の一例を示す要部平面図である。
図18】本発明の第2実施形態に基づく半導体発光装置を示す平面図である。
図19】本発明の第3実施形態に基づく半導体発光装置を示す平面図である。
図20】本発明の第4実施形態に基づく半導体発光装置を示す平面図である。
図21】本発明の第5実施形態に基づく半導体発光装置を示す要部拡大断面図である。
図22】本発明の第6実施形態に基づく半導体発光装置を示す断面図である。
図23】本発明の第7実施形態に基づく半導体発光装置を示す平面図である。
図24図23のXXIV-XXIV線に沿う要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0026】
図1図8は、本発明の第1実施形態に基づく半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置A1は、基板1、LEDチップ4、ワイヤ48、絶縁層5および透光樹脂6を備えている。半導体発光装置A1は、たとえば、種々の電子機器の光源モジュールとして用いられる。
【0027】
図1は、半導体発光装置A1を示す斜視図である。図2は、半導体発光装置A1を示す平面図である。図3は、半導体発光装置A1を示す底面図である。図4は、図2のIV-IV線に沿う断面図である。図5は、図2のIV-IV線に沿う要部拡大断面図である。図6は、図2のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図2のVI-VI線に沿う要部拡大断面図である。なお、これらの図において、x方向が本発明の第1方向に相当し、y方向が本発明の第2方向に相当し、z方向がx方向およびy方向に直角な方向である。
【0028】
基板1は、半導体発光装置A1の土台となるものであり、LEDチップ4が搭載されている。基板1は、LEDチップ4を支持するとともに、LEDチップ4に電力を供給するための導通経路を構成している。本実施形態の基板1は、z方向視においてx方向に沿う一対の第1辺21およびy方向に沿う一対の第2辺22を有する矩形状である。また、基板1は、基板主面11および基板裏面12を有する。基板主面11および基板裏面12は、z方向において互いに反対側を向く面である。
【0029】
基板1は、基材2および配線部3からなる。
【0030】
基材2は、たとえば絶縁性材料からなり、その具体例としてたとえばガラスエポキシ樹脂が挙げられる。本実施形態においては、基材2は、z方向視矩形状である。基材2の大きさ等は特に限定されず、基材2のz方向厚さは、たとえば0.3mm~1.0mmであり、本実施形態においては、0.5mmである。また、基材2のx方向およびy方向寸法は、たとえば2.0mm~4.0mmであり、本実施形態においては、x方向寸法が2.9mmであり、y方向寸法が2.4mmである。
【0031】
配線部3は、基材2に形成されており、LEDチップ4への導通経路を構成している。本実施形態においては、配線部3は、ダイボンディング部31、ワイヤボンディング部32、一対の側部33および一対の裏面電極部34を有する。
【0032】
配線部3の材質は、導電性を有するものであれば特に限定されず、Cu、Ni、Au、Fe、Al等の金属が適宜採用される。本実施形態においては、図5および図7に示すように、配線部3は、第1めっき層301、第2めっき層302および第3めっき層303からなる。第1めっき層301は、基材2上に直接形成された層であり、たとえばCuからなる。第2めっき層302は、第1めっき層301のうち絶縁層5から露出した領域に形成されており、たとえばNiからなる。第3めっき層303は、第2めっき層302上に積層されており、たとえばAuからなる。第1めっき層301は、主に導通経路を構成する機能を果たし、第2めっき層302および第3めっき層303は、主にLEDチップ4やワイヤ48との接合強度を高める機能を果たす。第1めっき層301、第2めっき層302および第3めっき層303の厚さは特に限定されず、その一例を挙げると、第1めっき層301の厚さが7μm~25μm、第2めっき層302の厚さが3μm~10μm、第3めっき層303の厚さが0.1μm~0.5μmである。
【0033】
ダイボンディング部31は、図2および図4図7に示すように、LEDチップ4が搭載される部位であり、本実施形態においては、z方向視において基材2の中央を含む領域に形成されている。図示された例においては、ダイボンディング部31は、2つの開口部311、延出部312および延出部313を有する。
【0034】
2つの開口部311は、x方向において基材2の中央よりも図中右側(ワイヤボンディング部32とは反対側)に形成されており、y方向に並んで配置されている。開口部311は、ダイボンディング部31を貫通しており、たとえばz方向視矩形状である。延出部312は、基材2のz方向視中央からx方向における図中左側(ワイヤボンディング部32側)に延出した部位であり、たとえばz方向視矩形状である。延出部313は、延出部312に対してy方向に離間して配置されており、x方向における図中左側(ワイヤボンディング部32側)に延出している。また、本実施形態のダイボンディング部31は、基材2のx方向右側端部を露出させている。
【0035】
ワイヤボンディング部32は、ダイボンディング部31に対してx方向図中左方に離間して設けられており、ワイヤ48がボンディングされる部位である。本実施形態においては、ワイヤボンディング部32は、y方向において基材2の中心よりも図中上側に離間して設けられている。
【0036】
一対の側部33は、基材2の第2辺22に沿って形成されており、基板主面11と基板裏面12とに繋がっている。一方の側部33は、ダイボンディング部31に繋がっており、他方の側部33は、ワイヤボンディング部32に繋がっている。一対の裏面電極部34は、基板裏面12に形成されており、一対の側部33に各別に繋がっている。一対の裏面電極部34は、たとえば半導体発光装置A1を電子機器等の回路基板(図示略)に実装する際にはんだ付け等を行うための部位として用いられる。
【0037】
LEDチップ4は、半導体発光装置A1の発光源であり、活性層と、これを挟むn形半導体層およびp形半導体層とを含み、基板1の配線部3のダイボンディング部31に搭載されている。LEDチップ4を構成する半導体は特に限定されず、GaN系半導体、InGaN系半導体、GaAs系半導体等が挙げられる。本実施形態においては、LEDチップ4は、z方向における両面に電極(図示略)が設けられている。ダイボンディング部31に対向する電極は、接合材49によってダイボンディング部31に接合されている。接合材49は特に限定されず、本実施形態においては、たとえばAgおよび樹脂成分491を含むペーストによって形成された導電性接合材が用いられる。他方の電極には、ワイヤ48がボンディングされている。本実施形態においては、図2に示すように、LEDチップ4は、基材2の中心に重なるように配置されている。
【0038】
絶縁層5は、基板1上に形成されており、絶縁性材料からなる、配線部3の適所を覆うものである。本実施形態においては、絶縁層5は、第1層51および第2層52からなる。第1層51は、基板1の基板主面11上に直接形成された層である。第2層52は、第1層51上に積層された層である。第1層51および第2層52は、たとえば感光性の樹脂材料によって形成されたレジスト膜からなる。第1層51および第2層52の厚さは特に限定されず、本実施形態においては、たとえば15μm~20μmである。
【0039】
図2図7に示すように、第1層51は、ダイボンディング部被覆部511およびワイヤボンディング部被覆部512を有する。ダイボンディング部被覆部511は、配線部3のダイボンディング部31を部分的に覆う部位である。図示された例においては、ダイボンディング部被覆部511は、開口部5111を有する。開口部5111は、ダイボンディング部31のうちLEDチップ4を搭載すべき領域を第1層51から露出させている。図示された例においては、開口部5111は、z方向視において基板1の中心を含む位置に設けられている。開口部5111は、その中心がLEDチップ4の中心と一致する円形状である。また、図示された例においては、第1層51は、ダイボンディング部31の延出部312および延出部313を露出させている。
【0040】
ワイヤボンディング部被覆部512は、ダイボンディング部被覆部511に対してx方向に離間して設けられており、ワイヤボンディング部32を部分的に覆う部位である。図示された例においては、ワイヤボンディング部被覆部512は、y方向に延びる帯状に形成されている。
【0041】
第2層52は、少なくともその一部が第1層51上に形成されており、図示された例においては、そのすべてが第1層51上に形成されている。また、第2層52は、図示された例において、ダイボンディング部被覆部511上に形成されている。第2層52は、主部521、一対の中間部522、一対の第1延出部523および一対の第2延出部524を有する。
【0042】
主部521は、LEDチップ4に対してx方向における図中左側(ワイヤボンディング部32が存在する側)に位置する部分を有している。図示された例においては、主部521は、z方向視円弧形状の帯状である。また、図示された例においては、主部521の円弧形状は、その中心がLEDチップ4の中心と一致している。
【0043】
一対の中間部522は、主部521の両端からy方向にそれぞれ延びている。図示された例においては、中間部522は、y方向に沿う帯状である。一対の第1延出部523は、主部521に対してx方向において図中右側(ワイヤボンディング部32とは反対側)に延びている。図示された例においては、第1延出部523は、x方向に沿う帯状である。一対の第2延出部524は、一対の第1延出部523のx方向右端からy方向外側に向けて延びている。図示された例においては、第2延出部524は、y方向に沿う帯状であり、基板1の第1辺21に到達している。
【0044】
また、絶縁層5は、第1面531、第2面532、第3面533、第4面534、第5面535、第6面536および第7面537を含み、第1屈曲部54、第2屈曲部55、第3屈曲部56および第4屈曲部57を有する。
【0045】
第1面531は、基板1の基板主面11から起立し、z方向視においてLEDチップ4と対向している。本実施形態においては、第1面531は、第1層51の開口部5111の内側面によって構成されており、z方向視においてLEDチップ4の中心を中心とする円形状である。
【0046】
第2面532は、第1面531に繋がり、基板主面11と同じ側を向く面である。本実施形態においては、第2面532は、第1層51によって構成されている。
【0047】
第3面533は、第2面532に対して第1面531とは反対側に繋がっており、第2面532から起立する面である。本実施形態においては、第3面533は、第2層52の端面によって構成されている。
【0048】
第4面534は、第3面533に繋がり、基板主面11と同じ側を向く面である。本実施形態においては、第4面534は、第2層52によって構成されており、z方向視における形状が第2層52と同じである。
【0049】
第5面535は、第4面534に対して第3面533とは反対側に繋がり、平面視においてワイヤボンディング部32と対向する部位を有する。本実施形態においては、第5面535は、第2層52の端面によって構成されている。
【0050】
第6面536は、第5面535に繋がっており、基板主面11と同じ側を向く面である。本実施形態においては、第6面536は、第1層51によって構成されている。
【0051】
第7面537は、第6面536と基板主面11との間に介在し、基板主面11から起立する面である。本実施形態においては、第7面537は、第1層51の端面によって構成されている。
【0052】
第1屈曲部54は、第1面531と第2面532との境界によって構成されており、断面形状が屈曲した形状である。第2屈曲部55は、第3面533と第4面534との境界によって構成されており、断面形状が屈曲した形状である。第3屈曲部56は、第4面534と第5面535との境界によって構成されており、断面形状が屈曲した形状である。第4屈曲部57は、第6面536と第7面537との境界によって構成されており、断面形状が屈曲した形状である。
【0053】
図2に示すように、本実施形態においては、第1屈曲部54、第2屈曲部55、第3屈曲部56および第4屈曲部57は、z方向視において互いに離間している。また、第1屈曲部54の一部と、第2屈曲部55、第3屈曲部56および第4屈曲部57は、z方向視において互いに平行である。
【0054】
より具体的には、第2屈曲部55は、z方向視において第1屈曲部54を挟んでLEDチップ4とは反対側に位置している。本実施形態の第2屈曲部55は、主部551、一対の中間部552、一対の第1延出部553および一対の第2延出部554を有する。
【0055】
主部551は、主部521の端面に沿って構成されており、LEDチップ4に対してx方向における図中左側(ワイヤボンディング部32が存在する側)に位置する部分を有している。図示された例においては、主部551は、z方向視円弧形状である。また、図示された例においては、主部551の円弧形状は、その中心がLEDチップ4の中心と一致している。
【0056】
一対の中間部552は、一対の中間部522の端面に沿って構成されており、主部551の両端からy方向にそれぞれ延びている。図示された例においては、中間部552は、y方向に沿う直線状である。一対の第1延出部553は、一対の第1延出部523の端面に沿って構成されており、主部551に対してx方向において図中右側(ワイヤボンディング部32とは反対側)に延びている。図示された例においては、第1延出部553は、x方向に沿う直線状である。一対の第2延出部554は、一対の第2延出部524の端面に沿って構成されており、一対の第1延出部553のx方向右端からy方向外側に向けて延びている。図示された例においては、第2延出部554は、y方向に沿う直線状であり、基板1の第1辺21に到達している。
【0057】
また、本実施形態においては、第2屈曲部55の主部551のうち最もLEDチップ4からx方向左側(ワイヤボンディング部32側)に離間した部分と基板1の一対の第2辺22のうちLEDチップ4側の第2辺22との距離L1が、他方の第2辺22との距離L2よりも大である。また、基板1のうち第2屈曲部55に対してワイヤボンディング部32とは反対側に位置する領域のx方向視における面積は、x方向視において第2屈曲部55とワイヤボンディング部被覆部512とに挟まれた領域の面積よりも大である。これらの点は、後述の実施形態においても同様である。
【0058】
透光樹脂6は、基板1の基板主面11上に形成されており、LEDチップ4および絶縁層5を覆っている。透光樹脂6は、LEDチップ4からの光を透過させる材質からなり、たとえば透明なエポキシ樹脂やシリコーン樹脂からなる。また、透光樹脂6は、LEDチップ4からの光によって励起されることにより波長が異なる光を発する蛍光材料を含んでいてもよい。
【0059】
図1図2図4および図6に示すように、透光樹脂6は、レンズ部61を有する。レンズ部61は、z方向に膨出した形状であり、LEDチップ4からの光を屈折させることにより、指向性を高める機能を果たす。また、本実施形態においては、透光樹脂6は、z方向視において基板1のうち一対の第1辺21に到達しており、一対の第2辺22から離間している。また、透光樹脂6は、絶縁層5のすべてを覆っている。
【0060】
次に、半導体発光装置A1の製造方法の一例について、図8図17を参照しつつ、以下に説明する。
【0061】
図8は、半導体発光装置A1の製造に用いられる基板材料20を示している。基板材料20は、複数の半導体発光装置A1を形成可能な大きさであり、複数の基材2の集合体である。基板材料20は、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる。また、基板材料20は、複数のスリット201を有する。複数のスリット201は、各々がy方向に延びる細長形状の貫通孔であり、x方向に等ピッチで配置されている。
【0062】
次いで、図9に示すように、基板材料20に金属膜30を形成する。金属膜30は、たとえば基板材料20の全面にCuからなるめっき膜を形成した後に、このめっき膜をエッチング等によってパターニングすることによって形成される。金属膜30は、複数のダイボンディング部31および複数のワイヤボンディング部32を有している。また、ダイボンディング部31には、一対の開口部311、延出部312および延出部313が形成されている。y方向において隣り合うダイボンディング部31どうしは、互いに繋がっている。また、y方向において隣り合うワイヤボンディング部32同士は、互いに繋がっている。
【0063】
次いで、図10に示すように、第1絶縁膜510を形成する。第1絶縁膜510の形成は、たとえばフォトレジスト材料をスピンコート法等によって基板材料20の基板主面11に塗布することによって行う。次いで、フォトリソグラフィの手法等によって、図11に示すように第1絶縁膜510にパターニングを施す。これにより、第1絶縁膜510は、複数のダイボンディング部被覆部511および複数のワイヤボンディング部被覆部512を含むものとなる。ダイボンディング部被覆部511には、開口部5111が形成されている。
【0064】
次いで、図12に示すように、第2絶縁膜520を形成する。第2絶縁膜520の形成は、たとえばフォトレジスト材料をスピンコート法等によって基板材料20の基板主面11に第1絶縁膜510を覆うように塗布することによって行う。次いで、フォトリソグラフィの手法等によって、図13に示すように第2絶縁膜520にパターニングを施す。これにより、第2絶縁膜520は、上述した複数の主部521、複数の中間部522、複数の第1延出部523および複数の第2延出部524を含むものとなる。また、第1絶縁膜510および第2絶縁膜520によって、第1屈曲部54、第2屈曲部55、第3屈曲部56および第4屈曲部57が構成されている。
【0065】
次いで、図14に示すように、ダイボンディング部31のうち開口部5111から露出した部分にLEDチップ4を搭載する。LEDチップ4の搭載は、たとえばAgペースト等の接合材49を用いて行う。LEDチップ4を搭載すべき部位に接合材49を塗布すると、図15および図16に示すように、接合材49は、樹脂成分491を含んでいる。樹脂成分491は、ダイボンディング部31への塗布後に、ダイボンディング部31や絶縁層5に沿って広がりやすい性質を有する。このため、樹脂成分491は、ダイボンディング部31から絶縁層5へとはみ出す可能性がある。ただし、発明者の研究によれば、樹脂成分491が第1屈曲部54を超えた後に、第2屈曲部55において樹脂成分491の広がりが阻止される傾向があることが確認されている。このため、図15によく表れているように、ダイボンディング部31の露出部分からはみ出した樹脂成分491は、第2屈曲部55に到達すると、第2屈曲部55に沿って広がることとなる。次いで、LEDチップ4とワイヤボンディング部32とにワイヤ48をボンディングする。この際、ワイヤボンディング部32には、接合材49の樹脂成分491が到達することが抑制されているため、ワイヤ48のワイヤボンディング部32へのボンディングを適切に行うことができる。
【0066】
次いで、図17に示すように、透光樹脂体60を形成する。透光樹脂体60の形成は、たとえば基板材料20に取付けた金型に液体の樹脂材料を充填し、この樹脂材料を硬化させることによって行う。あるいは、予め成形しておいた透光樹脂体60を基板材料20に接合しても良い。この後は、切断線81に沿って基板材料20および透光樹脂体60を一括して切断する。これにより、複数の半導体発光装置A1が得られる。
【0067】
次に、半導体発光装置A1の作用について説明する。
【0068】
本実施形態によれば、図5図7および図16に示すように、絶縁層5に第1屈曲部54および第2屈曲部55が形成されている。第2屈曲部55は、LEDチップ4に対して第2屈曲部55を挟んで配置されている。LEDチップ4を搭載するための接合材49が樹脂成分491を含んでいても、樹脂成分491が第1屈曲部54を超えて第2屈曲部55に到達すると、樹脂成分491は、第2屈曲部55を超えるよりも第2屈曲部55に沿って広がる傾向を示す。これにより、樹脂成分491が第2屈曲部55を超えてワイヤボンディング部32へと到達することを抑制可能であり、ワイヤボンディング部32が樹脂成分491に覆われることによってワイヤ48との接合が困難となることを回避することができる。したがって、より適切にワイヤ48のボンディングを行うことができる。
【0069】
絶縁層5が、第1層51および第2層52からなることにより、明瞭な形状の第1屈曲部54および第2屈曲部55を形成することがかのである。これは、樹脂成分491を堰き止める効果を高めるのに適している。
【0070】
図2および図15に示すように、第2屈曲部55が主部551を有しており、主部551は、LEDチップ4の中心を中心とする円弧形状である。これにより、主部551は、いずれかの部位が極端にLEDチップ4に近いといった形状とはなっておらず、LEDチップ4からの距離が平均化されている。これにより、主部551のいずれかの部位に、過大な量の樹脂成分491が到達することを回避可能であり、樹脂成分491をより適切に堰き止めることができる。
【0071】
一対の中間部552は、主部551の両端からy方向に延びている。これにより、主部551によって堰き止められた樹脂成分491を、y方向へと逃がすことが可能である。
【0072】
一対の第1延出部553は、一対の中間部552からx方向においてワイヤボンディング部32とは反対側に延びている。これにより、主部551から一対の中間部552へと広がってきた樹脂成分491を、x方向において32とは反対側に逃がすことができる。
【0073】
一対の第2延出部554は、一対の第1延出部553からy方向における外側に延びている。これにより、一対の第1延出部553に沿って広がってきた樹脂成分491をy方向外側へと逃がすことができる。
【0074】
図2に示すように、距離L1が距離L2よりも大きいことにより、第2屈曲部55によって堰き止めた樹脂成分491を滞留させうる領域の面積を拡大することが可能であり、ワイヤボンディング部32に樹脂成分491が到達することをより確実に阻止することができる。
【0075】
図18図24は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0076】
図18は、本発明の第2実施形態に基づく半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置A2は、第2層52の形状が上述した実施形態と異なっている。
【0077】
本実施形態においては、第2層52は、主部521、一対の中間部522、一対の第1延出部523と、連結部526とを有している。連結部526は、一対の第1延出部523の一端どうしを繋いでおり、z方向視においてy方向に沿う帯状である。また、第2層52に連結部526が形成されていることにより、第2屈曲部55は、主部551、一対の中間部552、一対の第1延出部553と、連結部556とを有している。連結部556は、一対の第1延出部553を繋いでおり、z方向視においてy方向に沿う直線状である。また、第2屈曲部55は、z方向視において閉じた形状となっている。
【0078】
このような実施形態によっても、より適切にワイヤ48のボンディングを行うことができる。また、第2屈曲部55に沿って広がった樹脂成分491が、意図しない領域に過度に広がってしまうことを防止することができる。
【0079】
図19は、本発明の第3実施形態に基づく半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置A3は、第2層52の形状が、上述した実施形態と異なっている。
【0080】
本実施形態においては、第2層52は、主部521、一対の中間部522、一対の第1延出部523および連結部526と、一対の第3延出部525とを有している。一対の第3延出部525は、z方向視において円弧形状であり、主部551とともに、LEDチップ4の中心を中心とする円弧形状をなしている。第2層52が一対の第3延出部525を有することにより、本実施形態の第2屈曲部55は、一対の第3延出部555を有している。一対の第3延出部555は、主部551と一対の中間部552とを繋いでおり、各々が折返し部位を介して繋がる一対の円弧形状部分を有する。
【0081】
このような実施形態によっても、より適切にワイヤ48のボンディングを行うことができる。また、第2屈曲部55が一対の第3延出部555を有することにより、第2屈曲部55の長さが長くなっている。これにより、樹脂成分491が、たとえば連結部556に到達しにくくするといった効果が期待できる。
【0082】
図20は、本発明の第4実施形態に基づく半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置A4は、第2層52の形状が、上述した実施形態と異なっている。
【0083】
本実施形態においては、第2層52は、主部521と一対の第1延出部523とを有している。一対の第1延出部523は、主部521の両端に繋がっており、x方向に延びる帯状である。また、第2屈曲部55は、主部551と一対の第1延出部553とを有している。このような実施形態によっても、より適切にワイヤ48のボンディングを行うことができる。
【0084】
図21は、本発明の第5実施形態に基づく半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置A5は、絶縁層5の構成が上述した実施形態と異なっている。
【0085】
本実施形態においては、絶縁層5は、単一の層によって構成されており、上述の第1屈曲部54、第2屈曲部55、第3屈曲部56および第4屈曲部57を有している。このような絶縁層5は、たとえばエッチング等の手法によって端縁を除去加工することにより、第1屈曲部54、第2屈曲部55、第3屈曲部56および第4屈曲部57を生じさせたり、2層に塗布したレジスト材料を一括して硬化させること等によって適宜形成される。このような実施形態によっても、より適切にワイヤ48のボンディングを行うことができる。
【0086】
図22は、本発明の第6実施形態に基づく半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置A6は、ケース7を備える点が上述した実施形態と異なっている。
【0087】
ケース7は、基板1に取付けられており、たとえば白色の樹脂からなる。ケース7は、z方向視においてLEDチップ4を囲む反射面71を有する。反射面71は、z方向に対して傾いており、LEDチップ4からの光をz方向上方へと反射する機能を果たす。本実施形態の透光樹脂6は、ケース7によって囲まれた空間に充填されており、z方向上面が平坦である。本実施形態においては、絶縁層5の構成として、上述したすべての実施形態の構成をはじめ、様々な構成を採用しうる。このような実施形態によっても、より適切にワイヤ48のボンディングを行うことができる。
【0088】
図24および図25は、本発明の第7実施形態に基づく半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置A7は、絶縁層5の構成が上述した実施形態と異なっている。
【0089】
本実施形態の絶縁層5は、第1層51のみによって構成されている。本実施形態の第1層51は、z方向視における形状が半導体発光装置A1の第2層52と類似しており、主部516、一対の中間部517、一対の第1延出部518および一対の第2延出部519を有する。主部516は、半導体発光装置A1の主部521と同様の形状であり、一対の中間部517は、半導体発光装置A1の一対の中間部522と同様の形状であり、一対の第1延出部518は、半導体発光装置A1の一対の第1延出部523と同様の形状であり、一対の第2延出部519は、半導体発光装置A1の一対の第2延出部524と同様の形状である。
【0090】
第1層51が半導体発光装置A1の第2層52と同様の形状であることにより、本実施形態の第1屈曲部54は、半導体発光装置A1の第2屈曲部55と同様の形状である。すなわち、本実施形態の第1屈曲部54は、主部546、一対の中間部547、一対の第1延出部548および一対の第2延出部549を有する。主部546は,半導体発光装置A1における主部551と同様の形状であり、一対の中間部547は、半導体発光装置A1の一対の中間部552と同様の形状であり、一対の第1延出部548は、半導体発光装置A1の一対の第1延出部553と同様の形状であり、一対の第2延出部549は、半導体発光装置A1の一対の第2延出部554と同様の形状である。
【0091】
また、第1屈曲部54の主部546のうち最もLEDチップ4からx方向左側(ワイヤボンディング部32側)に離間した部分と基板1の一対の第2辺22のうちLEDチップ4側の第2辺22との距離L1が、他方の第2辺22との距離L2よりも大である。また、基板1のうち第1屈曲部54に対してワイヤボンディング部32とは反対側に位置する領域のx方向視における面積は、x方向視において第1屈曲部54とワイヤボンディング部被覆部512とに挟まれた領域の面積よりも大である。
【0092】
このような実施形態によっても、より適切にワイヤ48のボンディングを行うことができる。
【0093】
本発明に係る半導体発光装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る半導体発光装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0094】
A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7:半導体発光装置
1 :基板
2 :基材
3 :配線部
4 :LEDチップ
5 :絶縁層
6 :透光樹脂
7 :ケース
11 :基板主面
12 :基板裏面
20 :基板材料
21 :第1辺
22 :第2辺
30 :金属膜
31 :ダイボンディング部
32 :ワイヤボンディング部
33 :側部
34 :裏面電極部
48 :ワイヤ
49 :接合材
51 :第1層
52 :第2層
54 :第1屈曲部
55 :第2屈曲部
56 :第3屈曲部
57 :第4屈曲部
60 :透光樹脂体
61 :レンズ部
71 :反射面
81 :切断線
201 :スリット
301 :第1めっき層
302 :第2めっき層
303 :第3めっき層
311 :開口部
312 :延出部
313 :延出部
491 :樹脂成分
510 :第1絶縁膜
511 :ダイボンディング部被覆部
512 :ワイヤボンディング部被覆部
516 :主部
517 :中間部
518 :第1延出部
519 :第2延出部
520 :第2絶縁膜
521 :主部
522 :中間部
523 :第1延出部
524 :第2延出部
525 :第3延出部
526 :連結部
531 :第1面
532 :第2面
533 :第3面
534 :第4面
535 :第5面
536 :第6面
537 :第7面
546 :主部
547 :中間部
548 :第1延出部
549 :第2延出部
551 :主部
552 :中間部
553 :第1延出部
554 :第2延出部
555 :第3延出部
556 :連結部
5111 :開口部
L1,L2:距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24