(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】設備機器作動システム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20220615BHJP
B66B 1/14 20060101ALI20220615BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
E05B49/00 R
B66B1/14 L
B66B3/00 M
(21)【出願番号】P 2017237157
(22)【出願日】2017-12-11
【審査請求日】2020-07-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社フルタイムシステムのホームページにおける発明の掲載ページ http://www.fts.co.jp/about/oshirase/detail.php?id=423 平成29年10月3日掲載 株式会社穴吹工務店のホームページにおける発明の掲載ページ http://www.anabuki.co.jp/news/2017/pdf/news1003.pdf 平成29年10月3日掲載 株式会社日本経済新聞社のウェブサイト「日本経済新聞の電子版」における発明の掲載ページ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21840370T01C17A0XM1000/平成29年10月3日掲載 株式会社ロジスティクス・パートナーのウェブサイト「Lnews」における発明の掲載ページ https://lnews.jp/2017/10/j100317.html 平成29年10月3日掲載 株式会社リクルート住まいカンパニーのウェブサイト「SUUMOジャーナル」における発明の掲載ページ http://suumo.jp/journal/2017/10/04/142842/ 平成29年10月4日掲載 株式会社マイナビのウェブサイト「マイナビニュース」における発明の掲載ページ https://news.mynavi.jp/article/20171004-a038/ 平成29年10月4日掲載 株式会社十勝毎日新聞社のウェブサイト「十勝毎日新聞の電子版」における発明の掲載ページ http://kachimai.jp/article/index.php?no=2017108125655 平成29年10月8日掲載 株式会社住宅新報社のウェブサイト「住宅新報」における発明の掲載ページ http://www.jutaku-s.com/newsp/id/0000033865 平成29年10月10日掲載 株式会社日本経済新聞社のウェブサイト「日本経済新聞の電子版」における発明の掲載ページ https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2232222016102017LA0000/ 平成29年10月16日掲載 株式会社四国新聞社のウェブサイト「四国新聞の電子版」における発明の掲載ページ http://www.shikoku-np.co.jp/bl/di
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】300076563
【氏名又は名称】原 周平
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】原 周平
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-29384(JP,A)
【文献】特開2016-187158(JP,A)
【文献】特開2015-132109(JP,A)
【文献】特開2006-190137(JP,A)
【文献】特開2017-91129(JP,A)
【文献】特開2009-3659(JP,A)
【文献】特開2006-137572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00
B66B 1/14
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置され、該施設の居住者又は利用者であるユーザの物品を一時的に収納する施錠可能であり、各種キーにより情報の入力を行う操作部を備えた収納装置と、
前記施設内の設備機器を作動させるための生体情報の管理を行う生体情報管理装置と、
前記生体情報又は該生体情報の元となるデータを入力し、前記生体情報管理装置へ送信する生体情報登録装置と、
前記収納装置とネットワークを介して接続され、前記生体情報を登録するための第1の認証情報及び第2の認証情報を格納する管理サーバと、
前記第1の認証情報が書き込まれた情報記録媒体
と、
前記施設に設置され、生体情報又は該生体情報の元となるデータを入力する生体情報入力装置とを有し、
前記収納装置は、前記情報記録媒体から前記第1の認証情報を読み出すとともに、前記操作部の操作により前記第2の認証情報が入力されると、該第1の認証情報及び第2の認証情報を前記管理サーバへ送信し、
前記管理サーバは、前記第1の認証情報及び第2の認証情報を前記収納装置から受信すると、該受信した第1の認証情報及び第2の認証情報と、前記管理サーバに格納されている第1の認証情報及び第2の認証情報とに基づいて認証を行い、該第1の認証情報及び第2の認証情報による認証が双方ともに成功すると、前記生体情報登録装置から受信した生体情報を前記設備機器を作動させるための作動用認証情報として前記生体情報管理装置に登録することを許可
し、
前記生体情報入力装置は、前記ユーザの生体情報又は該生体情報の元となるデータを入力すると、該入力した生体情報又は元となるデータを前記生体情報管理装置へ送信し、
前記生体情報管理装置は、前記生体情報又は元となるデータを前記生体情報入力装置から受信すると、該受信した生体情報又は元となるデータに基づいて生成した生体情報と前記登録した生体情報とに基づいて認証を行い、該認証が成功すると、前記生体情報を送信した生体情報入力装置に対応付けられている前記設備機器を利用可能に制御する信号を送出し、
前記収納装置は、前記生体情報による認証が成功したことを示す認証成功情報を前記生体情報管理装置から受信すると、該認証成功情報を前記管理サーバへ送信し、
前記管理サーバは、前記認証成功情報を前記収納装置から受信すると、前記成功した認証の際に前記生体情報を入力したユーザが居住する前記施設内に帰宅したことを示す帰宅情報を該ユーザの関係者の連絡先の通信装置に送信することを特徴とする設備機器作動システム。
【請求項2】
前記生体情報入力装置は、前記施設の共用部の扉近傍に設けられ、該扉に接近する前記ユーザの生体情報又は該生体情報の元となるデータを入力すると、該入力した生体情報又は生体情報の元となるデータを前記生体情報管理装置へ送信し、
前記生体情報管理装置は、前記生体情報又は元となるデータを前記生体情報入力装置から受信すると、該受信した生体情報又は前記元となるデータに基づいて生成した生体情報と前記登録した生体情報に基づいて認証を行い、該認証が成功すると、前記施設の共用部の扉を解錠し開扉するための制御信号を送出することを特徴とする
請求項1記載の設備機器作動システム。
【請求項3】
前記生体情報入力装置は、前記施設のエレベータ乗り場近傍に設けられ、該エレベータ乗り場に接近する前記ユーザの生体情報又は該生体情報の元となるデータを入力すると、該入力した生体情報又は生体情報の元となるデータを前記生体情報管理装置へ送信し、
前記生体情報管理装置は、前記生体情報又は元となるデータを前記生体情報入力装置から受信すると、該受信した生体情報又は前記元となるデータに基づいて生成した生体情報と前記登録した生体情報に基づいて認証を行い、該認証が成功すると、前記エレベータ乗り場へエレベータかごを移動させ、該エレベータかごに前記ユーザが乗り込んだ後には、前記ユーザに対応付けられて予め登録されている階へ該エレベータかごを移動させるための制御信号を送出することを特徴とする
請求項1又は2記載の設備機器作動システム。
【請求項4】
前記生体情報登録装置は、前記収納装置自体又はその近傍に設けられ、該収納装置に接近する前記ユーザの生体情報又は該生体情報の元となるデータを入力すると、該入力した生体情報又は生体情報の元となるデータを前記生体情報管理装置へ送信し、
前記生体情報管理装置は、前記生体情報を該当するユーザのユーザIDに対応付けて格納しており、前記生体情報又は元となるデータを前記生体情報登録装置から受信すると、
該受信した生体情報又は前記元となるデータに基づいて生成した生体情報と前記登録した生体情報に基づいて認証を行い、該認証が成功すると、前記生体情報に対応付けられたユーザIDを前記収納装置へ送信し、
前記収納装置は、自装置に備えられた収納ボックスにおける前記ユーザの物品の収納状況の情報を前記ユーザIDに対応付けて管理しており、前記ユーザIDを前記生体情報管理装置から受信すると、該受信したユーザIDのユーザの物品が収納されている収納ボックスの解錠を行うことを特徴とする
請求項1から3のいずれか1項に記載の設備機器作動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備機器作動システムに関し、特に、認証を行って集合住宅等の施設の設備を作動させるための設備機器作動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
マンションにおける共同玄関扉は、通常施錠されており、居住者は帰宅すると、その共同玄関扉の近傍に設けられているテンキーを用いて部屋番号や認証情報の入力を行う。
マンションシステム側は、上記帰宅した居住者により入力された認証情報等と、予め管理している認証情報等とを照合して認証を行い、認証成功であれば、共同玄関扉を解錠する。
このように、マンションシステムは、居住者以外の第三者がマンション内に勝手に侵入しないよう、通常は共同玄関扉を施錠し、認証情報等を設定して、防犯上のセキュリティを確保している。
【0003】
上記のようなマンション等への第三者の侵入を防止するセキュリティシステムの技術として、特許文献1が開示するところの指紋照合連動マンションHAシステムが開示されている。
特許文献1に開示のシステムにおいては、マンションの居住者が指紋データを登録しておき、マンションに入室する際、指紋照合端末器によって指紋データを読み取ることにより、共同玄関の電気錠が解錠さるようになっている。
また、特許文献1のシステムにおいては、指紋照合端末器によって指紋データを読み取ることにより、エレベータホールにエレベータを移送させることができる。
特許文献1のシステムでは、このように構成されていることから、従来のようなキー操作を軽減でき、防犯面で優れ、且つ利便性にも優れたシステムを提供することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のシステムは、マンションの共同玄関扉を解錠するためには、事前に居住者の指紋の登録が必要であり、その指紋の登録を行う装置は、マンションの管理人室に設置されているため、居住者は、指紋登録のために、管理人が在室している時間帯をねらってわざわざ管理人室を訪れなければならず、その指紋登録手続きが煩雑であるというという問題がある。
また、仮に無人で居住者の指紋の登録を行うシステムを構築したとしても、悪意のある第三者が居住者になりすまして登録を行う恐れもある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、マンションの共同玄関扉等、施設の設備機器を作動させるための認証情報を容易かつ高度なセキュリティ環境下で登録する設備機器作動システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため、本発明における設備機器作動システムは、施設に設置され、施設の居住者又は利用者であるユーザの物品を一時的に収納する施錠可能であり、各種キーにより情報の入力を行う操作部を備えた収納装置と、施設内の設備機器を作動させるための生体情報の管理を行う生体情報管理装置と、生体情報又は生体情報の元となるデータを入力し、生体情報管理装置へ送信する生体情報登録装置と、収納装置とネットワークを介して接続され、生体情報を登録するための第1の認証情報及び第2の認証情報を格納する管理サーバと、第1の認証情報が書き込まれた情報記録媒体と、施設に設置され、生体情報又は生体情報の元となるデータを入力する生体情報入力装置とを有し、収納装置は、情報記録媒体から第1の認証情報を読み出すとともに、操作部の操作により第2の認証情報が入力されると、第1の認証情報及び第2の認証情報を管理サーバへ送信し、管理サーバは、第1の認証情報及び第2の認証情報を収納装置から受信すると、受信した第1の認証情報及び第2の認証情報と、管理サーバに格納されている第1の認証情報及び第2の認証情報とに基づいて認証を行い、第1の認証情報及び第2の認証情報による認証が双方ともに成功すると、生体情報登録装置から受信した生体情報を設備機器を作動させるための作動用認証情報として生体情報管理装置に登録することを許可し、生体情報入力装置は、ユーザの生体情報又は生体情報の元となるデータを入力すると、入力した生体情報又は元となるデータを生体情報管理装置へ送信し、生体情報管理装置は、生体情報又は元となるデータを生体情報入力装置から受信すると、受信した生体情報又は元となるデータに基づいて生成した生体情報と登録した生体情報とに基づいて認証を行い、認証が成功すると、生体情報を送信した生体情報入力装置に対応付けられている設備機器を利用可能に制御する信号を送出し、収納装置は、生体情報による認証が成功したことを示す認証成功情報を生体情報管理装置から受信すると、認証成功情報を管理サーバへ送信し、管理サーバは、認証成功情報を収納装置から受信すると、成功した認証の際に生体情報を入力したユーザが居住する施設内に帰宅したことを示す帰宅情報をユーザの関係者の連絡先の通信装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明における設備機器作動システムによれば、生体情報入力装置は、施設の共用部の扉近傍に設けられ、扉に接近するユーザの生体情報又は生体情報の元となるデータを入力すると、入力した生体情報又は生体情報の元となるデータを生体情報管理装置へ送信し、生体情報管理装置は、生体情報又は元となるデータを生体情報入力装置から受信すると、受信した生体情報又は元となるデータに基づいて生成した生体情報と登録した生体情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、施設の共用部の扉を解錠し開扉させるための制御信号を送出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明における設備機器作動システムによれば、生体情報入力装置は、施設のエレベータ乗り場近傍に設けられ、エレベータ乗り場に接近するユーザの生体情報又は生体情報の元となるデータを入力すると、入力した生体情報又は生体情報の元となるデータを生体情報管理装置へ送信し、生体情報管理装置は、生体情報又は元となるデータを生体情報入力装置から受信すると、受信した生体情報又は元となるデータに基づいて生成した生体情報と登録した生体情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、エレベータ乗り場へエレベータかごを移動させ、エレベータかごにユーザが乗り込んだ後には、ユーザに対応付けられて予め登録されている階へエレベータかごを移動させるための制御信号を送出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明における設備機器作動システムによれば、生体情報登録装置は、収納装置自体又はその近傍に設けられ、収納装置に接近するユーザの生体情報又は生体情報の元となるデータを入力すると、入力した生体情報又は生体情報の元となるデータを生体情報管理装置へ送信し、生体情報管理装置は、生体情報を該当するユーザのユーザIDに対応付けて格納しており、生体情報又は元となるデータを生体情報登録装置から受信すると、受信した生体情報又は元となるデータに基づいて生成した生体情報と登録した生体情報に基づいて認証を行い、認証が成功すると、生体情報に対応付けられたユーザIDを収納装置へ送信し、収納装置は、自装置に備えられた収納ボックスにおけるユーザの物品の収納状況の情報をユーザIDに対応付けて管理しており、ユーザIDを生体情報管理装置から受信すると、受信したユーザIDのユーザの物品が収納されている収納ボックスの解錠を行うことを特徴とする。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本発明における設備機器作動システムによれば、施設の共用部等に設置される収納装置は、施設内の設備機器を作動させるための作動用認証情報として、ユーザの生体情報を入力し、入力したユーザの生体情報を管理サーバへ送信して登録し、管理サーバは、生体情報が入力されると、入力された生体情報と登録した生体情報とに基づいて認証を行い、認証が成功すると、設備機器を利用可能に制御する信号を送出するので、ユーザは、煩雑な事務手続きを行うことなく、設備機器を作動させるための生体情報いつでも容易に登録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における設備機器作動システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態における収納装置の構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態における収納装置の正面側の外観図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの認証DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの収納ボックスDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態における設備機器の構成を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの構成を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態における管理サーバのユーザDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態における生体情報入力装置の構成を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態における連絡先端末の構成を示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態における生体情報管理装置の構成を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの生体情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図13】本発明の第1の実施の形態における生体情報登録装置の構成を示す図である。
【
図14】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが生体情報を登録するときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図15】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが生体情報を登録するときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図16】本発明の第1の実施の形態における生体情報の登録画面の一例を示す図である。
【
図17】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが設備機器(集合玄関扉)を利用するときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図18】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが設備機器(集合玄関扉)を利用するときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図19】本発明の第1の実施の形態におけるユーザの帰宅の様子の一例を示す図である。
【
図20】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが設備機器(エレベータ)を利用するときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図21】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが設備機器(エレベータ)を利用するときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図22】本発明の第1の実施の形態におけるユーザがエレベータを利用する様子の一例を示す図である。
【
図23】本発明の第1の実施の形態において、配送業者等の作業員が物品を収納装置に入庫するときの収納装置による動作の流れを示すフローチャートである。
【
図24】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが物品を収納装置から取り出すときの収納装置による動作の流れを示すフローチャートである。
【
図25】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが生体情報を利用して物品を収納装置から取り出すときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図26】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが生体情報を利用して物品を収納装置から取り出すときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1の実施の形態〕
(第1の実施の形態の概要)
本発明の第1の実施の形態における設備機器作動システムは、施設に居住又は当該施設を利用するユーザに対して所定のサービスを提供する設備機器を、ユーザが利用可能とするために認証情報として使用する生体情報を、上記施設に設置されている収納装置を用いて生体情報管理装置に登録するものである。
また、管理サーバは当該生体情報とは別のユーザの認証情報を用いて上記ユーザの認証を行い、当該認証が成功した場合に、ユーザが自身の生体情報を上記生体情報管理装置に登録することを許可する。
【0017】
以下、本実施の形態では、上記施設を一例として集合住宅とし、上記ユーザは当該集合住宅に居住する居住者であるとして説明を進める。
【0018】
(第1の実施の形態の構成)
(1)設備機器作動システムの全体構成
図1は、本発明の第1の実施の形態における設備機器作動システムの構成を示す図である。
図に示すように、設備機器作動システムは、集合住宅等の施設の共用部等に設置され、複数の居住者宛の物品を施錠状態で保管する等、当該複数の居住者等により共同で使用される収納装置10と、集合住宅等の共同玄関扉やエレベータ等の設備機器20と、上記設備機器20を作動させるための生体情報を登録するための第1,第2の認証情報及び上記収納装置10を解錠する第3の認証情報を管理する管理サーバ30と、上記設備機器20を作動させる際に生体情報等を入力する生体情報入力装置40と、ユーザが施設に入って来たことの連絡先であるユーザの関係者が操作する連絡先端末50と、上記生体情報を管理する生体情報管理装置60と、上記生体情報を生体情報管理装置60に登録する際に入力する生体情報登録装置70と、上記生体情報の登録の際に用いられる第1の認証情報及び収納装置10の収納ボックスを解錠させるための第3の認証情報が記録されている認証媒体90とを有して構成される。
これら第1~第3の認証情報については後述する。
【0019】
図に示すように、管理サーバ30は、インターネット又はLAN等のネットワーク100を介して、収納装置10及び連絡先端末50とそれぞれ通信可能に接続されている。
また、収納装置10は、上記ネットワーク100を介して管理サーバ30及び連絡先端末50とそれぞれ通信可能に接続されているとともに、LAN等のネットワークを介して、設備機器20及び生体情報管理装置60とそれぞれ通信可能に接続されている。
また、生体情報管理装置60は、上述のように、収納装置10と通信可能に接続されているとともに、生体情報入力装置40及び生体情報登録装置70ともLAN等のネットワークを介してそれぞれ通信可能に接続されている。
【0020】
ユーザは、顔認証により使用する自身の顔画像データを収納装置10を用いて事前に生体情報として生体情報管理装置60に登録する。
登録後、ユーザは、設備機器20近傍に設置された生体情報入力装置40又は生体情報登録装置70に接近すると、生体情報入力装置40又は生体情報登録装置70がユーザの顔画像を読み取り、生体情報管理装置60はその読み取った顔画像に基づく生体情報と上記登録済みの生体情報との間で認証を行い、認証が成功すると、当該ユーザによる設備機器20利用が許可される。
【0021】
(2)収納装置10の構成
収納装置10は、複数の施錠可能な収納ボックスを備え、当該収納ボックスにユーザ宛の物品を収納するものである。収納装置10は、例えば、居住利用施設の共用部(エントランス)に設置される。
【0022】
図2は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
また、
図3は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の正面側の外観図である。
図に示すように、収納装置10は、CPU等から構成され収納装置10全体を制御する制御部11と、各種情報を格納する情報格納部12と、ネットワーク100を介して管理サーバ30と通信を行う通信部13と、各種情報を表示する表示部14と、各種キーを備え情報入力が可能であるとともに、収納ボックスの解錠用の認証情報の読取り等をする操作部15と、ユーザ宛の物品を収納する収納ボックスを複数備えた収納部16とを有して構成される。
各部11~16は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部11の制御の下、種々の処理が実行される。
【0023】
制御部11は、収納装置10全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部11は、情報格納部12から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部12に情報の書込みを実行する。
【0024】
情報格納部12は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部12は、制御部11で実行するプログラムを記憶する領域や制御部11が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部11は、その情報格納部12に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0025】
図2に示すように、情報格納部12は、収納装置10の収納ボックスを解錠するための認証情報(第3の認証情報を含む)を管理する認証DB121と、収納装置10の収納ボックスにおける物品の収納状況を管理する収納ボックスDB122とを格納する。
【0026】
図4は、発明の第1の実施の形態における収納装置10の認証DB121のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、認証DB121は、収納ボックスを解錠するための認証情報である第3の認証情報と、ユーザの居住又は利用する部屋の部屋番号情報と、ユーザが利用可能な設備機器20を示すユーザの設備機器の利用許可情報と、ユーザの居住する階又は利用する階を示す各ユーザの居住階/利用階情報とを各ユーザを識別するユーザID又は各作業員を識別する作業員IDに対応付けて管理している。
【0027】
ユーザは、操作部15を操作することにより第3の認証情報を入力すると、制御部11は、その入力された第3の認証情報と、上記認証DB121で管理されている第3の認証情報とを照合し、認証処理を行う。
認証が成功した場合、制御部11は、該当する収納部16の収納ボックスを解錠させ、ユーザは、その解錠した収納ボックスから物品(例えば自分宛の配送物)を取り出すことができる。
【0028】
設備機器の利用許可情報は、各ユーザが集合住宅内において利用可能な設備機器20を示す情報であり、予め認証DB121に登録されている。
例えば、認証DB121は、上記設備機器の利用許可情報として、設備機器20個々を特定する設備機器20の識別情報あるいはその設備機器20の利用の際に生体情報を入力する生体情報入力装置40又は生体情報登録装置70の識別情報を管理してもよい。
例えば、あるユーザが、集合玄関扉からの入場及び1階及び5階からのエレベータの利用が許可されている場合には、認証DB121は、当該集合玄関扉ならびに1階及び5階のエレベータ乗り場に設置されている生体情報入力装置40の識別情報を、当該ユーザのユーザIDに対応付けて上記設備機器の利用許可情報として管理する。
認証DB121は、集合玄関扉については、上記設備機器の利用許可情報として、当該集合玄関扉を示す設備機器20の識別情報又は集合玄関扉近傍に設置されている生体情報入力装置40の識別情報を管理してもよい。
また、認証DB121は、エレベータ乗り場に設置されている生体情報入力装置40の識別情報に代えて、当該エレベータを示す設備機器20の識別情報及び生体情報入力装置40の設置階の情報を上記設備機器の利用許可情報として管理してもよい。
【0029】
また、居住階/利用階情報は、集合住宅内における各ユーザの居住階や利用する階を示す情報であり、予め生体情報DB621にユーザを識別するユーザIDに対応付けて登録されている。
収納装置10の制御部11は、ユーザがエレベータを利用する際に生体情報の認証において成功した旨の情報を生体情報管理装置60から受信すると、当該生体情報の認証に成功したユーザが、生体情報を入力した生体情報入力装置40の設置階からエレベータを利用することが許可されているか否かを上記設備機器の利用許可情報に基づいて判断する。
収納装置10の制御部11は、当該ユーザが、生体情報を入力した生体情報入力装置40の設置階からエレベータを利用することが許可されていると判断した場合には、上記居住階/利用階情報に示される階へエレベータかごを移動させる又は移動を許可する制御信号を設備機器20であるエレベータへ送信する。
【0030】
図5は、発明の第1の実施の形態における収納装置10の収納ボックスDB122のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、収納ボックスDB122は、各収納ボックスを示すボックス番号に対応付けて、収納ボックスの種類(保冷機能付きの有無等)と、収納ボックスのサイズと、収納ボックスに物品を入庫した入庫者と、収納ボックス内の物品の取出し(解錠)が許可されている取出許可者と、物品の収納状況(「使用中(入庫)」か「未使用(空き)」か)とをそれぞれ示す情報を管理している。
【0031】
上記収納ボックスが「使用中」とは、当該収納ボックスに物品が収納されており、新たに物品が入庫不可能な状態を示し、「未使用」とは、当該収納ボックスに物品が収納されておらず、新たに物品が収納可能な状態を示す。
上記入庫者及び取出許可者がユーザの場合には、当該ユーザの部屋番号が記録されている。また、上記入庫者及び取出許可者が配送事業者の場合には、当該配送事業者のIDが記録されている。
これはあくまでも一例であり、入庫者及び取出許可者がある程度特定できる情報であれば、他の情報でもよく、部屋番号に代えてユーザIDでもよい。
【0032】
通信部13は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ30との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部13は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0033】
表示部14は、ディスプレイやランプ等の表示装置である。
制御部11は、情報格納部12から画像を読み出し、画像出力処理を実行して画面情報を生成する。また、制御部11は、通信部13が管理サーバ30から受信した画像情報に対して画像出力処理を実行して画面情報を生成する。
制御部11は、上記生成した画像情報を表示部14へ出力する。
表示部14は、上記入力した画像情報をディスプレイ等に画面表示する。
また、制御部11は、制御信号を表示部14へ出力し、表示部14が有するランプを点灯させることもできる。
【0034】
操作部15は、例えば各種キー等から構成される情報入力装置を備え、当該情報入力装置は表示部14と連携してポインティングデバイスを提供する。操作部15は、ユーザ等による各種操作を受け付けて、その操作内容を示す信号を制御部11等に出力する。
制御部11は、上記操作内容を示す信号を入力すると、当該信号の内容に応じて、表示部14へその操作内容に応じた画面表示を行う旨の制御信号を表示部14へ出力する。
表示部14は、その制御信号を入力すると、当該制御信号に応じて画面表示を行う。
なお、上記表示部14と操作部15は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい。
【0035】
また、操作部15は、赤外線通信等の近距離無線通信を行って情報記録媒体(後述の認証媒体90)から情報を読み取る情報読取装置を備えている。
ユーザは、上記収納ボックスの解錠用の第3の認証情報が記録されている認証媒体90を操作部15(情報読取装置)にかざす等して所定距離内まで接近させると、操作部15は、上記認証媒体90から上記第3の認証情報を読み取る。
【0036】
収納部16は、配送物等の物品を収納する箱型の1以上の施解錠可能な収納ボックスを有して構成される。
各収納ボックスは、例えば、少なくとも一部に扉等が設けられており、扉が解錠及び開扉することにより、当該扉の部分が開口し、ユーザ又は事業者は当該開口部から物品を取り出したり、入庫したりすることが可能に構成されている。
【0037】
収納ボックスは、閉扉時には庫内における物品の入庫の有無によらず施錠されている。
制御部11は、物品が未入庫の収納ボックスについては、ユーザ又は事業者が例えば所定のキーを押下する等して操作部15が操作されると、認証処理を行うことなく、当該収納ボックスを解錠する。
一方、制御部11は、物品が入庫されている収納ボックスについては、操作部15により入力されたユーザ又は事業者(作業員)の第3の認証情報に基づいて認証処理を行い、成功したときのみ、該当する収納ボックスを解錠する。
ユーザは、当該解錠した収納ボックス内の自身宛の配送物やクリーニング済みの衣類を取り出したり、配送を希望する配送物や未クリーニングの衣類等を入庫したりすることができる。
また、事業者は、ユーザ宛の配送物やクリーニング品等を入庫したり、上記ユーザが入庫した配送を希望する配送物や未クリーニングの衣類等を取り出したりすることができる。
【0038】
収納部16には、収納ボックスを施解錠する施解錠装置が備えられている。
施解錠装置は、例えば、制御部11から送出される制御信号により施解錠される電気錠で、収納ボックスの扉の施錠・解錠状態を検知することができる。
収納ボックスの扉には、開く方向に付勢力が作用しており、施解錠装置により解錠されると、扉は自動で開くようになっている。
また、ユーザ又は事業者が収納ボックスの扉を上記記付勢力に抗して閉じると、施錠が自動で行われる。
【0039】
上記施解錠装置は、施錠用のレバーを備えていて、ユーザ又は事業者が収納ボックスの扉を閉扉するときに施錠用のレバーを操作することで扉が閉扉し施錠されるよう構成されていてもよい。
施解錠装置は、上記のような電気錠又は施錠用のレバー機構に限らず、従来から存在するあらゆる一般的な施解錠装置を適用することが可能である。
【0040】
収納ボックスの庫内には、物品が収納されていることを検知する物品検知センサ(図示せず)が設けられ、当該物品検知センサは制御部11と接続されるよう構成されていてもよい。
この場合、制御部11は、当該物品検知センサからの入力信号に基づいて、物品が収納ボックスに収納されていることを確認(検出)することができる。
上記物品検知センサは、例えば、赤外線等の光学センサや重量センサ等により構成される。
【0041】
収納装置10の収納ボックスは、上述のとおり、全ユーザが共用可能である。すなわち、収納装置10の収納ボックスには、全てのユーザ宛の物品が収納可能である。
ユーザ又は作業員は、収納装置10に設けられている1以上の収納ボックスのうち、空いている未使用のものを解錠して配送物(物品)を入庫する。
その後、ユーザ又は作業員は、当該収納装置10の収納ボックスに入庫された配送物を取り出す。
【0042】
収納装置10の収納ボックスは、配送物等の物品が収納されていないとき、閉扉及び施錠されてはいるが、ユーザであっても作業員であっても認証なしで、例えば操作部15の所定のボタンを押下するだけで解錠及び開扉することができる。
一方、収納装置10の収納ボックスにユーザ宛の配送物が既に入庫され、閉扉及び施錠されている場合には、当該ユーザ(同じ住戸のユーザを含む)のみが当該収納装置10の収納ボックスを解錠可能であり、他の住戸のユーザ及び作業員は解錠することができない。
収納装置10の収納ボックスは、収納中の物品を1度取り出して空の状態になってはじめて、他の物品を収納することが許可される。
【0043】
(3)設備機器20の構成
設備機器は、集合住宅等の施設に設置される設備又は機器であり、認証が成功した場合に当該施設において居住者等のユーザに対して所定のサービスを提供するものである。
例えば、設備機器20は、集合玄関扉、エレベータ、電動車両等の充電器、宅配ボックス等の収納装置(収納装置10)等である。
本実施の形態では、設備機器20は、一例として、集合玄関扉、エレベータ及び収納装置(収納装置10)であるとして、以下、説明を進める。
【0044】
図6は、本発明の第1の実施の形態における設備機器20の構成を示す図である。
図に示すように、設備機器20は、CPU等から構成され設備機器20全体を制御する制御部21と、物理的に作動することによりユーザに対してサービスを提供する作動部22と、ネットワークを介して収納装置10と通信を行う通信部23とを有して構成される。
各部21~23は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部21の制御の下、種々の処理が実行される。
【0045】
例えば、設備機器20が集合玄関扉である場合、上記作動部22は、扉本体、扉を開閉する開閉機構、扉を施解錠する施解錠装置及びその他一般的な集合玄関扉を構成する部品等から構成され、制御部21が入力される制御信号に基づいて、集合玄関扉の開閉及び施解錠を行う。
また、例えば、設備機器20がエレベータである場合、上記作動部22は、エレベータかご、駆動機構及びその他一般的なエレベータを構成する部品等から構成され、制御部21からの制御信号により、エレベータかごを現在ユーザがいる階まで呼び込み、また、ユーザがエレベータかごに乗った後は、ユーザが居住又は利用する階まで自動的に昇降する。
また、例えば、設備機器20が収納装置(収納装置10)である場合、上記作動部22は収納装置本体及びその他一般的な収納装置を構成する部品等から構成され、制御部21からの制御信号により、収納装置の収納ボックスを解錠する。
【0046】
(4)管理サーバ30の構成
管理サーバ30は、設備機器20を作動させるための生体情報を管理する情報処理装置であって、居住/利用施設の内部又は外部いずれに設置されていてもよい。
【0047】
図7は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ30の構成を示す図である。
図に示すように、管理サーバ30は、管理サーバ30全体を制御する制御部31と、ユーザの情報及び物品の状況等の情報を格納する情報格納部32と、収納装置10及び連絡先端末50との間で各種情報の送受信を行う通信部33とを有して構成される。
各部31~33は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部31の制御の下、種々の処理が実行される。
【0048】
制御部31は、管理サーバ30全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部31は、情報格納部32から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部32に情報の書込みを実行する。
【0049】
情報格納部32は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部32は、制御部31で実行するプログラムを記憶する領域や制御部31が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部31は、その情報格納部32に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0050】
通信部33は、ネットワーク100を介して行う収納装置10又は連絡先端末50との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部33は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0051】
(5)管理サーバ30の情報格納部32の構成
また、
図7には、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ30の情報格納部32が格納する各データベース321,323,324が示されている。
図に示すように、情報格納部32は、設備機器20を作動させるために必要な生体情報の登録の際に用いられるパスワード等の認証情報等を管理するユーザDB321と、収納装置10の収納ボックスを解錠するための認証情報(第3の認証情報を含む)を管理する認証DB323と、収納装置10の収納ボックスにおける物品の収納状況を管理する収納ボックスDB324とを格納する。
【0052】
収納装置10の各データベース121,122及び管理サーバ30の各データベース323,324で管理される各情報は、例えば、定期的にあるいは少なくとも収納装置10が更新されるごとに、管理サーバ30と収納装置10との間で通信が行われ、最新の内容に同期がとられる。
すなわち、認証DB121,323同士、収納ボックスDB122,324同士で情報の同期がとられ、最新の情報に更新される。
【0053】
図8は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ30のユーザDB321のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、ユーザDB321は、ユーザ名と、ユーザの住所情報(部屋番号、施設の居住階・利用階を含む)と、認証媒体90に記録されている認証情報であって生体情報の登録の際に用いられる第1の認証情報と、ユーザが記憶しているパスワード等の認証情報であって生体情報の登録の際に用いられる第2の認証情報と、収納ボックス解錠用の認証情報である第3の認証情報と、ユーザ帰宅時の連絡先を示す連絡先情報(メールアドレス等)とをそれぞれユーザを識別するID(ユーザID)に対応付けて管理している。
【0054】
認証DB323及び収納ボックスDB324が管理するデータは、収納装置10の認証DB121及び収納ボックスDB122と同様であるので、説明は省略する。
【0055】
(6)生体情報入力装置40の構成
生体情報入力装置40は、集合住宅等の施設内に設置され、近傍にいる又は通過するユーザの生体情報又は生体情報の元となるデータを入力する。
生体情報入力装置40は、その入力した生体情報又は生体情報の元となるデータを生体情報管理装置60へ送信する。
生体情報管理装置60は、その生体情報入力装置40から受信した生体情報又は受信した元となるデータに基づいて生成した生体情報と、生体情報DB621内の生体情報とを照合して認証を行い、認証成功であれば、認証成功であることを示す情報を収納装置10へ送信する。
収納装置10は、上記認証成功の情報を生体情報管理装置60から受信すると、該当する設備機器20を作動させるよう制御信号を設備機器20へ出力する。
【0056】
設備機器20が集合玄関扉やエレベータである場合、例えば、生体情報入力装置40はその集合玄関扉又はエレベータの近傍に設置され、ユーザがその集合玄関扉やエレベータに近づくと、そのユーザの顔画像等を入力する。
【0057】
図9は、本発明の第1の実施の形態における生体情報入力装置40の構成を示す図である。
図に示すように、生体情報入力装置40は、生体情報入力装置40全体を制御する制御部41と、各種情報を格納する情報格納部42と、生体情報管理装置60との間で各種情報の送受信を行う通信部43と、カメラ等から構成され生体情報を入力する生体情報入力部44とを有して構成される。
各部41~44は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部41の制御の下、種々の処理が実行される。
【0058】
各生体情報入力装置40は、設備機器20を作動させるためにユーザの顔画像データを入力するが、情報格納部42には、自装置の識別情報又は自装置が対応する設備機器20を識別する識別情報が格納されている。
例えば、設備機器20である集合玄関扉を作動させるために顔画像データを入力する生体情報入力装置40の情報格納部42には、当該集合玄関扉の識別情報が格納されている。
また、例えば、設備機器20であるエレベータを作動させるために顔画像データを入力する生体情報入力装置40の情報格納部42には、当該エレベータの識別情報及び自装置の設置階の情報が格納されている。
【0059】
(7)連絡先端末50の構成
連絡先端末50は、顔認証を行うユーザの関係者により操作される情報処理装置である。
ユーザの関係者とは、例えば、ユーザの家族や友人、同僚等といったユーザが施設に入ったことの連絡先となる者である。
例えば、ユーザは集合住宅に帰宅し、集合玄関扉を開扉したとき、その帰宅した旨の情報が、ユーザの関係者の操作する連絡先端末へ通知される。
連絡先端末50は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、携帯電話、PDA、PHS、PC等の携帯型情報処理装置である。
また、連絡先端末50は、専用部内(住戸やオフィス等)に設置されるインターホンであってもよい。
連絡先端末50は、通信機能を用いてネットワークを介して管理サーバ30と通信を行い、管理サーバ30からユーザの帰宅を示す帰宅情報の通知を受ける。
【0060】
図10は、本発明の第1の実施の形態における連絡先端末50の構成を示す図である。
図に示すように、連絡先端末50は、CPU等から構成され連絡先端末50全体を制御する制御部51と、各種情報を格納する情報格納部52と、ネットワーク100を介して管理サーバ30と通信を行う通信部53と、各種情報を表示する表示部54と、各種キー等を備え情報入力を行うために用いられる操作部55とを有して構成される。
また、上記表示部54と操作部55は、一体に構成され、タッチパネルを構成してもよい。
各部51~55は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部51の制御の下、種々の処理が実行される。
【0061】
制御部51は、連絡先端末50全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部51は、情報格納部52から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部52に情報の書込みを実行する。
【0062】
情報格納部52は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部52は、制御部51で実行するプログラムを記憶する領域や制御部51が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部51は、その情報格納部52に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0063】
通信部53は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ30との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部53は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0064】
表示部54は、ディスプレイやランプ等の表示装置である。
制御部51は、情報格納部52から画像を読み出し、画像出力処理を実行して画面情報を生成する。また、制御部51は、通信部53が管理サーバ30から受信した画像情報に対して画像出力処理を実行して画面情報を生成する。
制御部51は、上記生成した画像情報を表示部54へ出力する。
表示部54は、上記入力した画像情報をディスプレイ等に画面表示する。
また、制御部51は、制御信号を表示部54へ出力し、表示部54が有するランプを点灯させることもできる。
【0065】
操作部55は、例えば各種キー等から構成される情報入力装置を備え、当該情報入力装置は表示部54と連携してポインティングデバイスを提供する。操作部55は、ユーザ等による各種操作を受け付けて、その操作内容を示す信号を制御部51等に出力する。
制御部51は、上記操作内容を示す信号を入力すると、当該信号の内容に応じて、表示部54へその操作内容に応じた画面表示を行う旨の制御信号を表示部54へ出力する。
表示部54は、その制御信号を入力すると、当該制御信号に応じて画面表示を行う。
なお、上記表示部54と操作部55は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい。
【0066】
連絡先端末50は、Webサーバとして機能する管理サーバ30から画面情報、例えばWebページを受信して表示することができる。
連絡先端末50は、制御部51がユーザの要求に応じてHTTP(Hypertext Transfer Protocol)要求を生成して送信する機能と、HTTP応答(応答の一例)を解釈して利用者に提示する機能とを有する。
例えば、情報格納部52は、一例としてWebブラウザを格納する。
制御部51は、HTTP応答を解釈して画像データや音声データを生成し、表示部54に表示したり、音声を連絡先端末50が有するスピーカから出力したりすることで、HTTP応答をユーザに提示する。
【0067】
(8)生体情報管理装置60の構成
生体情報管理装置60は、設備機器20を作動させるための生体情報を管理する情報処理装置であって、居住/利用施設の内部又は外部いずれに設置されていてもよい。
本実施の形態では、生体情報管理装置60は、一例として、収納装置10の筐体内に内蔵されているものとする。
【0068】
図11は、本発明の第1の実施の形態における生体情報管理装置60の構成を示す図である。
図に示すように、生体情報管理装置60は、生体情報管理装置60全体を制御する制御部61と、生体情報を格納する情報格納部62と、収納装置10、生体情報入力装置40及び生体情報登録装置70との間で各種情報の送受信を行う通信部63とを有して構成される。
各部61~63は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部61の制御の下、種々の処理が実行される。
【0069】
制御部61は、生体情報管理装置60全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部61は、情報格納部62から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部62に情報の書込みを実行する。
【0070】
情報格納部62は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部62は、制御部61で実行するプログラムを記憶する領域や制御部61が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部61は、その情報格納部62に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0071】
通信部63は、ネットワークを介して行う収納装置10、生体情報入力装置40又は生体情報登録装置70との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部63は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0072】
(9)生体情報管理装置60の情報格納部62の構成
また、
図11に示すように、情報格納部62は、設備機器20を作動させるための各ユーザの生体情報を管理する生体情報DB621を格納する。
【0073】
図12は、本発明の第1の実施の形態における生体情報管理装置60の生体情報DB621のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、生体情報DB621は、顔画像に基づいて作成された設備機器20を作動させるための認証用の生体情報と、各ユーザの居住階又は利用階の情報とを各ユーザのユーザIDに対応付けて管理している。
【0074】
生体情報は、元となる画像データ(顔画像データ等)それ自身、又はその元となる画像データに基づいて抽出した特徴点及び特徴量を示すデータである。
【0075】
また、各ユーザの居住階又は利用階の情報は、予め生体情報DB621において管理されている。
【0076】
ユーザは、収納装置10に入力した第1,第2の認証情報による認証が成功した後、自身の顔画像を生体情報管理装置60に生体情報として登録するために、当該自身の顔画像を当該収納装置10に内蔵されている、又は近傍に設置されている生体情報登録装置70に撮影させ、生体情報管理装置60の生体情報DB621に登録させる。
【0077】
(10)生体情報登録装置70の構成
生体情報登録装置70は、収納装置10の筐体内部に設置されるか、又は収納装置10の近傍に設置されている。
生体情報登録装置70は、設備機器20を作動させるために必要な生体情報を生体情報管理装置60に登録する際に、ユーザの生体情報又は生体情報の元となるデータを入力する機器である。
【0078】
本実施の形態では、生体情報の元となるデータとは、例えば、顔、指紋、虹彩、静脈パターン又はほくろの位置・数等の画像をいい、生体情報とは、これらの元となるデータに基づいて特徴点及び特徴量を抽出して生成したデータである。
上記生体情報又は生体情報の元となるデータは、ユーザを特定可能なものであれば上記例に限定されない。
以下、本実施の形態では、一例として、生体情報登録装置70が入力する生体情報の元となるデータを顔画像とし、生体情報登録装置70はその顔画像を読み取るカメラ等から構成されるものとする。
【0079】
生体情報登録装置70は、上記の通り、ユーザの顔画像を撮影してその顔画像データを入力すると、当該入力した顔画像データを生体情報管理装置60へ送信する。
生体情報管理装置60は、その生体情報登録装置70から受信した生体情報又は受信した元となるデータ(顔画像データ等)に基づいて生成した生体情報を、生体情報DB621に登録する。
登録後、生体情報の認証が可能となる。
【0080】
また、生体情報登録装置70は、生体情報入力装置40と同様に、設備機器としての収納装置10を作動させるための生体情報の入力機器としても機能する。
生体情報登録装置70は、収納装置10に内蔵又はその近傍に設置されており、ユーザの生体情報又は生体情報の元となるデータを入力する。
生体情報登録装置70は、その入力した生体情報又は生体情報の元となるデータを生体情報管理装置60へ送信する。
生体情報管理装置60は、その生体情報登録装置70から受信した生体情報又は受信した元となるデータに基づいて生成した生体情報と、生体情報DB621内の生体情報とを照合して認証を行い、認証成功であれば、認証成功であることを示す情報を収納装置10へ送信する。
収納装置10は、上記認証成功の情報を生体情報管理装置60から受信すると、収納ボックスを解錠する等の動作を実行する。
【0081】
図13は、本発明の第1の実施の形態における生体情報登録装置70の構成を示す図である。
図に示すように、生体情報登録装置70は、生体情報登録装置70全体を制御する制御部71と、各種情報を格納する情報格納部72と、管理サーバ30との間で各種情報の送受信を行う通信部73と、カメラ等から構成され生体情報を入力する生体情報入力部74とを有して構成される。
各部71~74は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部71の制御の下、種々の処理が実行される。
【0082】
各生体情報登録装置70は、設備機器20を作動させるためにユーザの顔画像データを入力するが、情報格納部72には、自装置が対応する設備機器、すなわち収納装置10を識別する識別情報が格納されている。
【0083】
(11)認証媒体90の構成
認証媒体90は、ユーザが携帯する認証媒体であり、設備機器20を作動させるための生体情報を生体情報管理装置60に登録するための第1の認証情報が記録されている。
認証媒体90は、例えば、磁気、光磁気又は電気的にメモリ等に認証情報が記録されたICカード等の媒体であってもよいし、文字情報やコード情報が表面に印刷又は形成された媒体であってもよい。
【0084】
ユーザは、認証媒体90を収納装置10の操作部15に接近させると、認証媒体90と操作部15との間で近距離無線通信等が確立し、操作部15は認証媒体90に記録されている第1の認証情報を読み取る。
その後、第1の認証情報は管理サーバ30へ送信され、管理サーバ30は、その第1の認証情報と、ユーザDB321内の第1の認証情報との照合を行って認証を行い、認証が成功であれば、生体情報登録装置70により撮影されたユーザの顔画像に基づいた情報が認証用の生体情報として生体情報管理装置60の生体情報DB621に登録される。
【0085】
なお、認証媒体90は、携帯電話機等のユーザが携帯する携帯端末と一体に構成されてもよい。一体に構成される場合には、その携帯端末内のメモリ等に第1の認証情報が格納され、近距離無線通信機能等を用いて、携帯端末から収納装置10の操作部15に当該第1の認証情報を送信して入力する。
【0086】
(第1の実施の形態の動作)
(1)ユーザが生体情報を登録するときの動作
図14,15は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが生体情報を登録するときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って説明を進める。
【0087】
まず、ユーザは、収納装置10が設置される集合住宅のエントランスを訪れる。
このとき、収納装置10の表示部14には、使用目的の選択画面が表示されている。
その使用目的の選択画面には、「物品の入庫」、「物品の取出」及び「生体情報の登録」等の選択アイコンが表示されている。
ここで、ユーザは、収納装置10の使用目的として、収納装置10の操作部15を用いて「生体情報の登録」を選択すると、操作部15は、ユーザの使用目的が「生体情報の登録」であることを示す選択信号を制御部11へ入力する(ステップS101)。
【0088】
制御部11は、上記使用目的の選択信号が入力されると、認証媒体90を操作部15に接近させるなどの第1の認証情報の入力を促す画面情報を生成し、表示部14へ出力し、表示させる(ステップS102)。
ユーザがその画面表示に従って、認証媒体90を操作部15に接近させると、操作部15は、赤外線等の近距離無線通信機能やコードリーダ機能を用いて、ユーザが携帯する認証媒体90に書き込まれている第1の認証情報を読み取る(ステップS103)。
【0089】
次に、操作部15は、その読み取った第1の認証情報を示す信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記第1の認証情報を示す信号が入力されると、パスワード等の第2の認証情報の入力を促す画面情報を生成し、表示部14へ出力し、表示させる(ステップS104)。
ユーザがその画面表示に従って、操作部15を操作して、テンキー入力等により第2の認証情報を入力する(ステップS105)。
操作部15は、上記入力された第2の認証情報を示す信号を制御部11へ出力する。
【0090】
制御部11は、上記第2の認証情報を示す信号が操作部15から入力されると、上記第1及び第2の認証情報を通信部13に管理サーバ30へ送信させる(ステップS106)。
【0091】
管理サーバ30の通信部33は、上記第1の認証情報及び第2の認証情報を収納装置10から受信すると、当該受信した第1及び第2の認証情報を示す信号を制御部31へ入力する。
制御部31は、上記第1,第2の認証情報を示す信号が入力されると、ユーザDB321を参照し、当該入力信号に示される第1及び第2の認証情報が、ユーザDB321において互いに対応付けられて管理されているか否かを判断して認証を行う(ステップS107)。
【0092】
ここで、制御部31は、収納装置10から送信された第1及び第2の認証情報が、ユーザDB321において対応付けて管理されていない場合には(ステップS107/No)、認証失敗と判断し、その認証失敗の認証結果の情報を通信部33に収納装置10へ送信させる(ステップS108)。
【0093】
収納装置10の通信部13は、上記認証失敗の認証結果の情報を管理サーバ30から受信すると、その認証失敗を示す信号を制御部11へ入力する。
制御部11は、その認証失敗を示す信号が入力されると、生体情報の登録が不可であることを示す画面情報を生成し、表示部14に表示させ、動作を終了する(ステップS109)。
【0094】
ここで、ステップS107に戻り、制御部31は、収納装置10から送信された第1及び第2の認証情報が、ユーザDB321において対応付けて管理されている場合には(ステップS107/Yes)、認証成功と判断し、当該認証が成功したユーザのユーザIDをユーザDB321から抽出し、当該抽出したユーザIDを含む認証成功の認証結果の情報を通信部33に収納装置10へ送信させる(ステップS110)。
【0095】
収納装置10の通信部13は、上記認証成功の認証結果の情報を管理サーバ30から受信すると、その認証成功を示す信号を制御部11へ入力する。
制御部11は、その認証成功を示す信号が入力されると、その認証成功の情報を通信部13に生体情報管理装置60へ送信させる(ステップS111)。
【0096】
生体情報管理装置60の通信部63は、上記認証成功の認証結果の情報を収納装置10から受信すると、その認証成功を示す信号を制御部61へ入力する。
制御部61は、その認証成功を示す信号が入力されると、上記収納装置10に内蔵されている、又は近傍に設置されている生体情報登録装置70を作動させるための制御信号を通信部63に、当該生体情報登録装置70へ送信させる(ステップS112)。
当該制御信号には、上記認証成功の情報に含まれるユーザIDが含まれている。
【0097】
生体情報登録装置70の通信部73は、上記自装置を作動させるための制御信号を生体情報管理装置60から受信すると、当該制御信号を制御部71へ出力する。
制御部71は、当該制御信号が入力されると、生体情報入力部74を作動させ、生体情報又は生体情報の元となるデータ(ここでは一例として、ユーザの顔画像)の動画撮影を開始させる(ステップS113)。
【0098】
生体情報登録装置70の制御部71は、生体情報入力部74により撮影された動画画像、すなわち、ユーザの顔画像の動画を、通信部73に生体情報管理装置60へ送信させる(ステップS114)。
上記顔画像の動画には、上記生体情報管理装置60からの制御信号に含まれていたユーザIDが含まれる。
【0099】
生体情報管理装置60の通信部63が上記ユーザの顔画像の動画を受信すると、制御部61は、通信部63に、当該受信した顔画像の動画を収納装置10へ送信させる(ステップS115)。
【0100】
収納装置10の通信部13は、上記ユーザの顔画像の動画を生体情報管理装置60から受信すると、その顔画像の動画を示す信号を制御部11へ入力する。
制御部11は、その顔画像の動画を示す信号が入力されると、情報格納部12から所定の情報を抽出し、当該抽出した情報に基づいて生体情報の登録画面を生成し、表示部14に表示させる(ステップS116)。
【0101】
図16は、本発明の第1の実施の形態における生体情報の登録画面の一例を示す図である。
図の例では、生体情報の登録画面には、生体情報の登録開始ボタン1001と、ユーザの顔画像の表示画面1002とが示されている。
顔画像の表示画面1002には、上記生体情報登録装置70から収納装置10が受信したユーザの顔画像の動画が表示される。
ユーザは、顔画像の表示画面1002に自身の顔画像全体が表示されるように、生体情報登録装置70のカメラとの向きや位置を調節する。
ユーザは、顔画像の表示画面1002に自身の顔画像全体が表示されている状態で、操作部15を操作して登録開始ボタン1001を選択し、又はタッチパネルである表示部14上の登録開始ボタン1001を選択すると(ステップS117/Yes)、生体情報の登録開始が要求された旨の信号を制御部11へ出力する。
【0102】
制御部11は、生体情報の登録開始が要求された旨の信号が入力されると、その生体情報の登録開始が要求された旨の情報を、通信部13に生体情報管理装置60へ送信させる(ステップS118)。
上記生体情報の登録開始が要求された旨の情報には、上記顔画像の動画に含まれていたユーザIDが含まれている。
【0103】
生体情報管理装置60の通信部63は、上記生体情報の登録開始が要求された旨の情報等を収納装置10から受信すると、これら受信した情報を示す信号を制御部61へ入力する。
制御部61は、上記信号が入力されると、生体情報管理装置60が生体情報登録装置70から受信しているユーザの顔画像の動画に基づいて静止画像である顔画像データを生成する(ステップS119)。
【0104】
次に、制御部61は、上記生成した顔画像データに対して特徴点及び特徴量の抽出処理を行う(ステップS120)。
なお、上記特徴点とは、顔画像を認識するうえで特徴となりうる点をいい、例えば、顔器官(鼻、眉、目、口等)等の局所パターンを特徴点といい、その特徴点周囲の画像の濃淡特徴を特徴量と定めてもよい。
また、顔認証は、上記技術に限定されず、その他、一般的な顔認証の技術を用いるとしてよい。
【0105】
次に、制御部61は、ユーザDB321を参照し、上記生体情報の登録開始が要求された旨の情報に含まれていたユーザIDを対応付けて、上記特徴点及び特徴量の抽出処理を行った顔画像データを生体情報として生体情報DB621に記録する(ステップS121)。
以上で、生体情報の登録動作が終了する。
【0106】
このように、ユーザは、自身の顔画像である生体情報を登録する際、わざわざ、特別な場所に赴き、複雑な手続きを取ることなく、自宅(自身の住戸)と同一施設内のエントランス等に設置され、24時間いつでも訪れることが可能な収納装置10を利用し、さらに、収納装置10に内蔵又はその近傍に設置されている生体情報登録装置70のカメラの前に立って撮影するだけで、簡単に生体情報を容易に登録することが可能となる。
また、ユーザは、生体情報を登録する際に、認証媒体90に記録されている第1の認証情報と、自身が記憶している第2の認証情報の2つの認証情報を収納装置10を用いて入力し、当該第1、第2の認証情報の認証が成功した場合のみ生体情報を登録することが許可されるので、高度なセキュリティを確保し、第三者による顔認証サービスの悪用等を防止することが可能となる。
【0107】
(2)設備機器20(集合玄関扉)の利用動作
図17,18は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが設備機器20(集合玄関扉)を利用するときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、ユーザが集合住宅に帰宅し、集合玄関扉を開扉するときの設備機器作動システムの動作について説明を進める。
【0108】
まず、ユーザは、帰宅し、集合玄関扉前に向かう。
図19は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザの帰宅の様子の一例を示す図である。
図の例では、ユーザはまず施錠されていない扉を開扉して通過し、施錠されている集合玄関扉前に向かっている。
図の例では、ユーザの生体情報を読み取って入力する生体情報入力装置40が、集合玄関扉横のユーザの顔の高さ近傍に設置されている。
ユーザは、その生体情報入力装置40がユーザの顔を入力可能な位置まで接近すると、生体情報入力装置40の生体情報入力部44は、ユーザの顔画像を読み取る(ステップS201)。
生体情報入力部44は、その読み取った顔画像データを制御部41へ入力する。
【0109】
次に、制御部41は、情報格納部42から自装置に対応付けられている集合玄関扉を示す設備機器20の識別情報を読み込み、当該設備機器20の識別情報とともに、その読み取った顔画像データを通信部43に生体情報管理装置60へ送信させる(ステップS202)。
【0110】
生体情報管理装置60の通信部63は、上記顔画像データ等を収納装置10から受信すると、これら受信した情報を示す信号を制御部61へ入力する。
制御部61は、顔画像データ等が入力されると、入力された顔画像データに対して特徴点及び特徴量の抽出処理を行う(ステップS203)。
この特徴点及び特徴量の抽出を行った顔画像データを生体情報とする。
【0111】
次に、生体情報管理装置60の制御部61は、上記生体情報入力装置40からの生体情報と、生体情報DB621に登録されている生体情報とを照合し、認証を行う(ステップS204)。
【0112】
ここで、制御部61は、生体情報入力装置40からの生体情報が、生体情報DB621に登録されていない場合(ステップS204/No)、認証失敗と判断し、このまま動作を終了する。
この場合、設備機器20は作動しない。すなわち、集合玄関扉は開扉せず、ユーザは集合住宅内に入ることはできない。
【0113】
一方、制御部61は、生体情報入力装置40からの生体情報が、生体情報DB621に登録されている場合(ステップS204/Yes)、認証成功と判断し、生体情報DB621において認証成功した生体情報に対応付けられているユーザIDを抽出し、当該抽出したユーザIDと、上記生体情報入力装置40から受信した生体情報入力装置40の識別情報(又は設備機器20の識別情報)を含む認証成功の情報を生成し、生成した認証成功の情報を通信部63に収納装置10へ送信させる(ステップS205)。
【0114】
収納装置10の通信部13は、上記生体情報の認証成功の情報を生体情報管理装置60から受信すると、当該受信した認証成功の情報を制御部11へ出力する。
制御部11は、その入力された認証成功の情報に含まれる、生体情報入力装置40の識別情報及びユーザIDに基づいて、認証DB121を参照し、当該ユーザIDのユーザが当該集合玄関扉を利用すること、すなわち解錠することが許可されているか否かを判断する(ステップS206)。
ここで、制御部11は、当該ユーザが集合玄関扉の解錠を許可されていないと判断した場合には(ステップS206/No)、集合玄関扉を解錠することなく、そのまま動作を終了する。
【0115】
一方、制御部11は、当該ユーザが集合玄関扉の解錠を許可されていると判断した場合には(ステップS206/Yes)、当該集合玄関扉を作動させる制御信号を通信部63に、該当する設備機器20へ送信させる(ステップS207)。
【0116】
設備機器20の通信部23は、上記制御信号を収納装置10から受信すると、当該受信した制御信号を制御部21へ出力する。
制御部21は、その入力された制御信号に基づいて、作動部22を作動させる(ステップS208)。
この場合は、制御部21は、集合玄関扉を解錠し、開扉させる。
ユーザは、開扉した集合玄関扉を通過して集合住宅内へ入ることができる。
ユーザ通過後、集合玄関扉は自動的に閉扉し施錠される。
【0117】
また、収納装置10の制御部11は、上記生体情報管理装置60から受信した認証成功の情報を、通信部13に管理サーバ30へ送信させる(ステップS209)。
【0118】
管理サーバ30の通信部33は、上記認証成功の情報を収納装置10から受信すると、当該認証成功の情報を示す信号を制御部31へ入力する。
制御部31は、上記認証成功の情報を示す信号が入力されると、ユーザDB321を参照し、当該信号に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザの氏名や連絡先情報を抽出する(ステップS210)。
【0119】
次に、制御部31は、ユーザが帰宅したことを示す帰宅情報を生成し、通信部33に上記抽出した連絡先情報に示されるメールアドレス宛等に当該帰宅情報を送信させる(ステップS211)。
例えば、この帰宅情報には、帰宅したユーザの氏名や現在時刻等が示される。
ここでは、そのメールアドレスは連絡先端末50宛であるものとする。
【0120】
連絡先端末50の通信部53は、上記帰宅情報を受信すると、当該受信した帰宅情報を制御部51へ出力する。
制御部51は、当該帰宅情報が入力されると、当該帰宅情報を表示部54に表示させる(ステップS212)。
ユーザの関係者は、連絡先端末50に表示された帰宅情報を見て、当該ユーザが帰宅し、数分後等にユーザの専有部(住戸等)に到着する事実を容易に把握することが可能となる。
以上で動作が終了する。
【0121】
このように、ユーザは集合住宅内に入るとき、集合玄関扉に接近するだけで、その集合玄関扉近傍に設置されている生体情報入力装置40がユーザの顔画像を読み取り、集合玄関扉が自動的に解錠及び開扉するので、キーを用いて解錠したり、オートロックの操作パネル上のテンキーを用いてパスワードを入力したりといった煩雑な作業を行うことなく、自然に集合住宅内に入ることが可能となる。
【0122】
以上、本実施の形態では、一例として、設備機器20が集合玄関扉の場合における設備機器作動システムの動作について説明したが、扉は集合玄関に限らず、会議室など施設(集合住宅)内の他の共用部の扉であってもよい。
また、共用部の扉に限らず、ユーザの個人住戸の扉など専有部に設置されている扉であってもよい。
【0123】
(3)設備機器20(エレベータ)の利用動作
次に、ユーザが集合住宅における自身の住戸に帰宅する途中に、集合住宅内の共用部にあるエレベータを利用するときの動作について説明する。
図20,21は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが設備機器20(エレベータ)を利用するときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って説明を進める。
【0124】
まず、ユーザは、帰宅し、集合玄関扉前に向かう。
図22は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザがエレベータを利用する様子の一例を示す図である。
図の例では、ユーザは集合住宅内のエレベータ前に立って、エレベータかごが到着するのを待っている。
図の例では、ユーザの生体情報を読み取って入力する生体情報入力装置40が、エレベータ乗り場、すなわち、エレベータ扉及びエレベータの昇降ボタン近傍であって、ユーザの顔の高さ近傍に設置されている。
ユーザは、その生体情報入力装置40がユーザの顔を入力可能な位置まで接近すると、生体情報入力装置40の生体情報入力部44は、ユーザの顔画像を読み取る(ステップS301)。
生体情報入力部44は、その読み取った顔画像データを制御部41へ入力する。
【0125】
次に、制御部41は、自装置に対応付けられているエレベータ及び生体情報入力装置40が設置されている階を示す設備機器20の識別情報を情報格納部42から読み込み、当該設備機器20の識別情報とともに、その読み取った顔画像データを通信部43に生体情報管理装置60へ送信させる(ステップS302)。
【0126】
生体情報管理装置60の通信部63は、上記顔画像データ等を収納装置10から受信すると、これら受信した情報を示す信号を制御部61へ入力する。
制御部61は、顔画像データ等が入力されると、入力された顔画像データに対して特徴点及び特徴量の抽出処理を行う(ステップS303)。
この特徴点及び特徴量の抽出を行った顔画像データを生体情報とする。
【0127】
次に、生体情報管理装置60の制御部61は、上記生体情報入力装置40からの生体情報と、生体情報DB621に登録されている生体情報とを照合し、認証を行う(ステップS304)。
【0128】
ここで、制御部61は、生体情報入力装置40からの生体情報が、生体情報DB621に登録されていない場合(ステップS304/No)、認証失敗と判断し、このまま動作を終了する。
この場合、設備機器20は作動しない。すなわち、エレベータかごはユーザの現在いる階へ自動的に移動しない。
【0129】
一方、制御部61は、生体情報入力装置40からの生体情報が、生体情報DB621に登録されている場合(ステップS304/Yes)、認証成功と判断し、生体情報DB621において認証成功した生体情報に対応付けられているユーザIDを抽出し、当該抽出したユーザIDと、上記生体情報入力装置40から受信した生体情報入力装置40の識別情報(又は設備機器20の識別情報及び利用階情報)を含む認証成功の情報を生成し、生成した認証成功の情報を通信部63に収納装置10へ送信させる(ステップS305)。
【0130】
収納装置10の通信部13は、上記生体情報の認証成功の情報を生体情報管理装置60から受信すると、当該受信した認証成功の情報を制御部11へ出力する。
制御部11は、その入力された認証成功の情報に含まれる、生体情報入力装置40の識別情報及びユーザIDに基づいて、認証DB121を参照し、生体情報入力装置40がユーザの顔画像を読み取った階(利用階)、すなわち現在ユーザのいる階を特定するとともに、当該ユーザIDのユーザが設備機器20であるエレベータを利用すること、すなわち上記ユーザの顔画像を読み取った階からエレベータかごに乗り込むことが許可されているか否かを判断する(ステップS306)。
ここで、制御部11は、上記ユーザが当該ユーザの顔画像を読み取った階からエレベータかごに乗り込むことを許可されていないと判断した場合には(ステップS306/No)、集合玄関扉を解錠することなく、そのまま動作を終了する。
【0131】
一方、制御部11は、上記ユーザが当該ユーザの顔画像を読み取った階からエレベータかごに乗り込むことを許可されていると判断した場合には(ステップS306/Yes)、認証DB121を参照し、当該ユーザの居住階/利用階情報を抽出し、当該居住階又は利用階を特定する(ステップS307)。
【0132】
次に、制御部11は、通信部13に、上記生体情報入力装置40の識別情報が示す設備機器20である上記エレベータにおける当該エレベータかごを現在ユーザのいる階まで移動させた後、ユーザの居住階又は利用階まで移動させる制御信号を、上記生体情報入力装置40の識別情報が示す設備機器20(エレベータ)へ送信させる(ステップS308)。
【0133】
設備機器20の通信部23は、上記制御信号を収納装置10から受信すると、当該受信した制御信号を制御部21へ出力する。
制御部21は、その入力された制御信号に基づいて、作動部22を作動させる(ステップS309)。
この場合は、制御部21は、エレベータかごをユーザの顔画像を読み取った生体情報入力装置40の設置階まで呼び出し、エレベータ扉が開扉し、ユーザがエレベータかご内に乗り込み、閉扉後、ユーザが移動先の階ボタンを押さなくてもユーザの居住階まで移動させる。
【0134】
また、収納装置10の制御部11は、上記生体情報管理装置60から受信した認証成功の情報を、通信部13に管理サーバ30へ送信させる(ステップS310)。
【0135】
管理サーバ30の通信部33は、上記認証成功の情報を収納装置10から受信すると、当該認証成功の情報を示す信号を制御部31へ入力する。
制御部31は、上記認証成功の情報を示す信号が入力されると、ユーザDB321を参照し、当該信号に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザの氏名や連絡先情報を抽出する(ステップS311)。
【0136】
次に、制御部31は、ユーザが帰宅したことを示す帰宅情報を生成し、通信部33に上記抽出した連絡先情報に示されるメールアドレス宛等に当該帰宅情報を送信させる(ステップS312)。
例えば、この帰宅情報には、帰宅したユーザの氏名や現在時刻等が示される。
ここでは、そのメールアドレスは連絡先端末50宛であるものとする。
【0137】
連絡先端末50の通信部53は、上記帰宅情報を受信すると、当該受信した帰宅情報を制御部51へ出力する。
制御部51は、当該帰宅情報が入力されると、当該帰宅情報を表示部54に表示させる(ステップS313)。
ユーザの関係者は、連絡先端末50に表示された帰宅情報を見て、当該ユーザが帰宅し、数分後等にユーザの専有部(住戸等)に到着する事実を容易に把握することが可能となる。
以上で動作が終了する。
【0138】
このように、ユーザは、エレベータ扉の前に立って待っているだけで、そのエレベータ扉近傍に設置されている生体情報入力装置40がユーザの顔画像を読み取り、エレベータかごがユーザの待っている階まで自動的に移動し、ユーザがエレベータかごに乗り込んだ後にはユーザの居住階まで自動的に移動するので、ユーザは、エレベータの呼び出しボタン及びかご内の移動先の階ボタンを押すといった煩雑な動作を行うことなく、容易に自身の居住階まで移動することができる。
【0139】
なお、本例では、集合住宅に居住するユーザが自身の居住階までエレベータを利用する例について説明したが、エレベータの行先階は居住階に限定されず、職場の階やサービスの利用を受ける階等様々な階が適用される。
【0140】
(4)作業員が収納装置10へ物品を入庫するときの動作
図23は、本発明の第1の実施の形態において、配送業者等の作業員が物品を収納装置10に入庫するときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、作業員が収納ボックスにユーザ宛の物品を入庫するときの収納装置10による動作について説明を進める。
なお、上記作業員が入庫しようとしている物品は宅配物等である。
【0141】
まず、作業員は、ユーザ宛の配送物を持って集合住宅のエントランス等の収納装置10の設置場所を訪れる。
このとき、収納装置10の表示部14には、使用目的の選択画面が表示されている。
例えば、その使用目的の選択画面には、「物品の入庫」、「物品の取出」及び「生体情報の登録」等の選択アイコンが表示されている。
ここで、作業員は、収納装置10の使用目的として、収納装置10の操作部15を用いて「物品の入庫」を選択すると、操作部15は、作業員の使用目的が「物品の入庫」であることを示す選択信号を制御部11へ入力する(ステップS1101)。
【0142】
制御部11は、上記使用目的の選択信号が入力されると、収納ボックスDB122を参照し、各収納ボックスごとに、収納ボックスの使用状況(使用中か使用されていないか)を特定し、当該特定した収納ボックスの使用状況に基づいて収納ボックスの選択画面の情報を生成して表示部14へ出力し、表示部14は、その収納ボックスの選択画面を表示する(ステップS1102)。
上記収納ボックスの選択画面には、物品を入庫する収納ボックスを選択するためのアイコン等が表示される。このとき、表示部14上には、収納ボックスへの入庫の可否が判別できるような表示が行われていることが好ましい。例えば、収納装置10が有する複数の収納ボックスのうち入庫可能な収納ボックスを、入庫不可能な収納ボックスと色等を区別して表示したり、使用されていない収納ボックスの位置等を表示したりして、作業員が、入庫可能な収納ボックスを簡単に判別できるようにする。
【0143】
次に、作業員は、操作部15を用いて、上記収納ボックスの選択画面上に表示された1以上の入庫候補の収納ボックスの表示のうち、今回入庫する収納ボックスを選択すると、操作部15はその選択信号を制御部11へ入力する(ステップS1103)。
制御部11は、上記選択された収納ボックスを示す選択信号が入力されると、情報格納部12から読み込んだ各種情報を用いて、部屋番号の入力画面の情報を生成して表示部14へ出力し、表示部14は、その部屋番号の入力画面を表示する(ステップS1104)。
【0144】
上記部屋番号の入力画面には、作業員が配送する物品の宛先の部屋番号を入力するための入力欄が設けられている。
作業員は、上記部屋番号の入力画面において、操作部15を用いて、配送物の宛先のユーザの部屋番号を入力すると、操作部15は、入力された部屋番号を示す入力信号を制御部11へ入力する(ステップS1105)。
なお、ここで、部屋番号の代わりに、宛先のユーザを特定できる情報であれば他の情報を入力するようにしてもよい。
また、作業員は、ここで、操作部15を用いて、上記ユーザの部屋番号に加え、自身を特定する情報を入力するようにしてもよい。例えば、表示部14上に「宅配業者A」,「宅配業者B」,「クリーニング店C」,「店舗D」,・・・といったような作業員が所属し得る(配送)業者名が表示されており、作業員は、操作部15を用いて、これらから自身が所属する(配送)業者名を選択して、自身(作業員)を特定する情報を入力するようにしてもよい。
【0145】
制御部11は、上記入力信号が入力されると、上記収納ボックスの選択信号により選択された収納ボックスを解錠させる解錠信号を収納部16へ出力する。
収納部16は、上記解錠信号が入力されると、当該解錠信号で特定される収納ボックスの解錠を実行する(ステップS1106)。
【0146】
次に、制御部11は、作業員が収納装置10を解錠し、配送物を収納装置10の収納ボックスに収納した旨の履歴を収納ボックスDB122に記録する(ステップS1107)。
具体的には、ステップS1105で入力された部屋番号又はこれに対応するユーザIDが、収納ボックスDB122における該当する収納ボックスの専有部情報(部屋番号)の欄に記録される。
また、収納ボックスDB122において、入庫時の時間情報と、入力されていれば作業員の所属する業者名とが、該当する収納ボックスの履歴情報の欄に記録される。
また、収納ボックスDB122における該当する収納ボックスの収納状況の欄は、「空き」から「入庫」に書き替えられる。
【0147】
そして、作業員は、解錠された収納ボックスを開扉し、当該収納ボックスに配送物(物品)を収納し、閉扉すると、収納部16は当該収納ボックスを施錠する(ステップS1108)。
以上で、動作が終了する。
【0148】
以上説明したように、作業員は、ユーザ宛の配送物を配送するとき、集合住宅のエントランス等に設置されている複数の住戸の居住者共用の収納装置10に入庫することにより、作業員は、ユーザが不在の場合でも配送物を持ち帰り、再配送する等の煩雑な作業を削減することができ、作業の効率化を実現することが可能となる。
【0149】
なお、以上、作業員が収納装置10に物品(配送物)を入庫するときの収納装置10の動作について説明したが、ユーザが物品(配送物)を入庫することもできる。この場合の収納装置10の基本動作は作業員の場合と同様である。
ユーザが入庫する場合、ユーザは、作業員の場合と同様に「物品の入庫」を選択した後、自身の住戸の部屋番号を入力するとともに、収納ボックスを選択し、その選択した収納ボックスに宛先が明記された物品を入庫する。
また、このとき、ユーザは、その物品の取出しを許可する配送事業者を示す情報も入力し、その配送事業者を示す情報は、物品が入庫された収納ボックスの情報に対応付けられて収納ボックスDB122において管理される。
上記ユーザの物品が入庫された収納ボックスは、上記収納ボックスDB122において対応付けられた配送事業者の認証情報でなければ解錠することはできない。
【0150】
ユーザが入庫する物品は、例えば、配送を希望する宅配物や郵送物、クリーニング店宛の未クリーニング品又はネットスーパーの配達時に商品が収納されていた容器等、様々なものがあり、さらにこれらに限定されない。
配送事業者が宅配業者の作業員の場合、当該作業員は、収納装置10からその宅配物を取出し、物品に明記された宛先へ物品を配送する。
また、配送事業者がクリーニング店の作業員の場合、当該作業員は、収納装置10からその未クリーニング品を取出し、クリーニング後、収納装置10に再度入庫する。
また、配送事業者がネットスーパーの作業員の場合、当該作業員は、収納装置10から容器を回収する。ユーザ宛にネットスーパーの商品を配送する場合には、作業員はユーザから受注した商品を容器に収納し、収納装置10の収納ボックスへ入庫する。
【0151】
(5)ユーザが収納装置10から物品を取り出すときの動作
以上のように、作業員が収納装置10の収納ボックスにユーザ宛の物品を入庫すると、収納装置10は、ユーザの端末に直接、又は管理サーバ30を介して、物品が入庫されたことをメールや専用ホームページ等で上記宛先のユーザの端末へ通知する。
当該通知により、自身宛の物品が収納装置10に収納されていることを知ったユーザは収納装置10の設置場所を訪れ、上記収納ボックスから自身宛の物品を取り出す。
図24は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが物品を収納装置10から取り出すときの収納装置10による動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って説明を進める。
【0152】
まず、ユーザは、自身宛の物品が収納されている収納装置10が設置される集合住宅のエントランスを訪れる。
このとき、収納装置10の表示部14には、使用目的の選択画面が表示されている。
その使用目的の選択画面には、「物品の入庫」、「物品の取出」及び「生体情報の登録」等の選択アイコンが表示されている。
ここで、ユーザは、収納装置10の使用目的として、収納装置10の操作部15を用いて「物品の取出し」を選択すると、操作部15は、ユーザの使用目的が「物品の取出し」であることを示す選択信号を制御部11へ入力する(ステップS1201)。
【0153】
制御部11は、上記使用目的の選択信号が入力されると、認証情報の入力を促す画面情報を生成し、表示部14へ出力し、表示させる(ステップS1202)。
ユーザは、操作部15を操作して、自身の認証情報(パスワード等)を入力する(ステップS1203)。
当該認証情報の入力方法としては、例えば、操作部15は、ユーザが携帯する認証媒体90に書き込まれている第3の認証情報を赤外線等の近距離無線通信機能やコードリーダ機能を用いて読み取って入力する。
また、上記認証媒体90からの第3の認証情報の入力に代えて、ユーザは、操作部15に備えられているテンキー等を用いてパスワード等の第3の認証情報を入力するようにしてもよい。
操作部15は、上記入力された第3の認証情報を示す入力信号を制御部11へ出力する。
【0154】
制御部11は、上記第3の認証情報の入力信号が操作部15から入力されると、当該入力された第3の認証情報と、認証DB121に管理されている第3の認証情報とを照合して認証を行う(ステップS1204)。
ここで、認証が失敗した場合(ステップS1204/No)、すなわち、上記入力された第3の認証情報が認証DB121において管理されていない場合には、そのまま動作を終了する。
【0155】
一方、認証が成功した場合には(ステップS1204/Yes)、制御部11は、上記入力された第3の認証情報に該当するユーザを特定するとともに、収納ボックスDB122を参照し、当該ユーザ宛の物品が収納されている収納ボックスがあるか否かを判断する(ステップS1205)。
すなわち、制御部11は、収納ボックスDB122においてユーザの部屋番号(専有部情報)が対応付けられ「使用中」である収納ボックスがあるか否かを判断する。
ここで、制御部11は、当該ユーザの物品が収納されている収納ボックスがないと判断した場合には(ステップS1205/No)、当該ユーザ宛の物品は収納装置10から全て取り出されたことになるので、そのまま動作を終了する。
【0156】
一方、制御部11は、当該ユーザ宛の物品が収納されている収納ボックスがあると判断された場合には(ステップS1205/Yes)、当該収納ボックスの位置を示す画面情報を生成し、当該生成した画面情報を表示部14へ出力して表示させる(ステップS1206)。
【0157】
次に、ユーザは、上記表示部14に表示された画面情報を確認し、自身宛の物品が収納されている収納ボックスの位置を把握する。
ここで、ユーザは、その収納ボックスに収納されている物品を取り出す場合には、操作部15を操作して(ボタンを押す等して)、当該収納ボックスの解錠を要求する旨の情報を入力する(ステップS1207/Yes)。
操作部15は、上記解錠要求を示す入力信号を制御部11へ出力する。
【0158】
制御部11は、上記解錠要求を示す入力信号が入力されると、上記収納ボックスの解錠要求の情報が入力されたと判断し、当該収納ボックスを解錠させる解錠信号を収納部16へ出力し、当該収納ボックスを解錠させる(ステップS1208)。
【0159】
次に、制御部11は、ユーザが収納装置10を解錠し、配送物を収納装置10から取り出した旨の履歴を収納ボックスDB122に記録する(ステップS1209)。
具体的には、収納ボックスDB122において、取り出したユーザのユーザIDや取出時の時間情報が、該当する収納ボックスの履歴情報の欄に記録される。
また、収納ボックスDB122における該当する収納ボックスの収納状況の欄は、「入庫」から「空き」に書き替えられる。
【0160】
そして、ユーザは、上記解錠された収納ボックスを開扉して自身宛の物品を取り出し、閉扉する。
収納部16は、上記収納ボックスの閉扉を認識すると、当該収納ボックスを施錠して(ステップS1210)、動作を終了する。
【0161】
一方、ユーザは、今回、収納ボックスから自身宛の物品を取り出さない場合には、操作部15を操作して(ボタンを押す等して)、当該収納ボックスから物品を取り出さない旨の情報を入力する(ステップS1207/No)。
操作部15は、上記収納ボックスから物品を取り出さない旨の情報が入力されると、その旨の入力信号を制御部11へ出力する。
【0162】
制御部11は、上記収納ボックスから物品を取り出さない旨の入力信号が操作部15から入力されたと判断すると(ステップS1207/No)、当該収納ボックスを解錠させることなく、そのまま動作を終了する。
なお、制御部11は、当該収納ボックスの位置を表示部14に表示させてから、上記収納ボックスの解錠要求の入力信号が入力されないまま所定時間経過した場合に、上記収納ボックスから物品を取り出さない旨の入力信号が入力されたものとみなし、当該収納ボックスを解錠させることなく、そのまま動作を終了するようにしてもよい。
【0163】
以上説明したように、ユーザは、集合住宅のエントランス等に設置されている複数の住戸の居住者共用の収納装置10に入庫されたユーザ宛の配送物を取出すことができるので、ユーザは、ユーザが不在の場合でも配送物を再配送する等の煩雑な作業を削減することが可能となる。
【0164】
以上説明したように、収納装置10は、ユーザ宛の物品が収納ボックスに収納されている場合、第3の認証情報で各収納ボックスを解錠するので、ユーザは、簡単な操作で自身宛の物品を容易に受け取ることが可能となる。
【0165】
(6)ユーザが生体情報を用いて収納装置10から物品を取り出すときの動作
以上のように、ユーザは、収納装置10の収納ボックスから自身宛の物品を取り出すとき、収納装置10の操作部15を用いて第3の認証情報を入力し、制御部11は当該入力された第3の認証情報と、ユーザDB121に登録済みの第3の認証情報とを照合して認証を行うものである。
これとともに、ユーザは、収納装置10の収納ボックスから自身宛の物品を取り出すとき、自身の生体情報を用いて認証を行い、収納ボックスを解錠させることができる。
この場合、収納装置10は、生体情報管理装置60により設備機器20の1つとして取り扱われる。
【0166】
図25,24は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが生体情報を利用して物品を収納装置10から取り出すときの設備機器作動システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、ユーザが生体情報を利用して収納装置10の収納ボックスを解錠し、物品を取り出すときの設備機器作動システムによる動作について説明を進める。
【0167】
まず、ユーザは、自身宛の物品が収納されている収納装置10が設置される集合住宅のエントランスを訪れる。
収納装置10の近傍には、ユーザの顔の高さあたりにユーザの生体情報を読み取って入力する生体情報登録装置70が設置されている。
【0168】
まず、ユーザは、収納装置10の操作部15を操作して、収納ボックスを解錠させるために、自身の顔画像を入力の開始を要求することを示す情報を入力する(ステップS1301)。
操作部15は、上記顔画像の入力開始要求を示す情報が入力されると、当該入力された情報を示す信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、当該信号が入力されると、上記顔画像の入力開始要求を示す情報を通信部13に生体情報管理装置60へ送信させる(ステップS1302)。
【0169】
生体情報管理装置60の通信部63は、上記顔画像の入力開始要求を示す情報を収納装置10から受信すると、当該受信情報を示す信号を制御部61へ出力する。
制御部61は、当該信号が入力されると、上記顔画像の入力を開始させる制御情報を通信部63に生体情報登録装置70へ送信させる(ステップS1303)。
【0170】
生体情報登録装置70の通信部73は、上記顔画像の入力を開始させる制御情報を生体情報管理装置60から受信すると、当該受信情報を示す信号を制御部71へ出力する。
制御部71は、当該信号が入力されると、生体情報入力部74に、ユーザの顔画像の読み取りを開始させる(ステップS1304)。
このとき、ユーザは、自身の顔の画像が生体情報入力部74により入力可能な位置まで接近する。
生体情報入力部74は、その読み取った顔画像データを制御部71へ入力する。
【0171】
次に、制御部71は、情報格納部72から自装置に対応付けられている収納装置10を示す設備機器20の識別情報を読み込み、当該設備機器20(収納装置10)の識別情報とともに、その読み取った顔画像データを通信部73に生体情報管理装置60へ送信させる(ステップS1305)。
【0172】
生体情報管理装置60の通信部63は、上記顔画像データ等を生体情報登録装置70から受信すると、これら受信した情報を示す信号を制御部61へ入力する。
制御部61は、顔画像データ等が入力されると、入力された顔画像データに対して特徴点及び特徴量の抽出処理を行う(ステップS1306)。
この特徴点及び特徴量の抽出を行った顔画像データを生体情報とする。
【0173】
次に、生体情報管理装置60の制御部61は、上記生体情報登録装置70からの生体情報と、生体情報DB621に登録されている生体情報とを照合し、認証を行う(ステップS1307)。
【0174】
ここで、制御部61は、生体情報登録装置70からの生体情報が、生体情報DB621に登録されていない場合(ステップS1307/No)、認証失敗と判断し、このまま動作を終了する。
この場合、収納装置10は作動しない。すなわち、収納装置10の収納ボックスは解錠及び開扉せず、ユーザは収納装置10から物品を取り出すことはできない。
【0175】
一方、制御部61は、生体情報登録装置70からの生体情報が、生体情報DB621に登録されている場合(ステップS1307/Yes)、認証成功と判断し、上記生体情報入力装置40から受信した設備機器20の識別情報に基づいて設備機器である収納装置10を特定するとともに、生体情報DB621において、上記認証成功となった生体情報に対応付けられているユーザIDを抽出する。
そして、制御部61は、当該抽出したユーザIDを含み、上記収納装置10を作動、すなわち収納ボックスを解錠させる制御信号を通信部63に、該当する設備機器である収納装置10へ送信させる(ステップS1308)。
【0176】
収納装置10の通信部13は、上記制御信号を生体情報管理装置60から受信すると、当該受信した制御信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記制御信号が通信部13から入力されると、当該制御信号に含まれるユーザIDを抽出し、上記抽出したユーザIDに該当するユーザを特定するとともに(ステップS1309)、収納ボックスDB122を参照し、当該ユーザ宛の物品が収納されている収納ボックスがあるか否かを判断する(ステップS1310)。
すなわち、制御部11は、収納ボックスDB122においてユーザの部屋番号(専有部情報)が対応付けられ「使用中」である収納ボックスがあるか否かを判断する。
ここで、制御部11は、当該ユーザの物品が収納されている収納ボックスがないと判断した場合には(ステップS1310/No)、当該ユーザ宛の物品は収納装置10から全て取り出されたことになるので、そのまま動作を終了する。
【0177】
一方、制御部11は、当該ユーザ宛の物品が収納されている収納ボックスがあると判断された場合には(ステップS1310/Yes)、当該収納ボックスの位置を示す画面情報を生成し、当該生成した画面情報を表示部14へ出力して表示させる(ステップS1311)。
【0178】
次に、ユーザは、上記表示部14に表示された画面情報を確認し、自身宛の物品が収納されている収納ボックスの位置を把握する。
ここで、ユーザは、その収納ボックスに収納されている物品を取り出す場合には、操作部15を操作して(ボタンを押す等して)、当該収納ボックスの解錠を要求する旨の情報を入力する(ステップS1312/Yes)。
操作部15は、上記解錠要求を示す入力信号を制御部11へ出力する。
【0179】
制御部11は、上記解錠要求を示す入力信号が入力されると、上記収納ボックスの解錠要求の情報が入力されたと判断し、当該収納ボックスを解錠させる解錠信号を収納部16へ出力し、当該収納ボックスを解錠させる(ステップS1313)。
【0180】
次に、制御部11は、ユーザが収納装置10を解錠し、配送物を収納装置10から取り出した旨の履歴を収納ボックスDB122に記録する(ステップS1314)。
具体的には、収納ボックスDB122において、取り出したユーザのユーザIDや取出時の時間情報が、該当する収納ボックスの履歴情報の欄に記録される。
また、収納ボックスDB122における該当する収納ボックスの収納状況の欄は、「入庫」から「空き」に書き替えられる。
【0181】
そして、ユーザは、上記解錠された収納ボックスを開扉して自身宛の物品を取り出し、閉扉する。
収納部16は、上記収納ボックスの閉扉を認識すると、当該収納ボックスを施錠する(ステップS1315)。
【0182】
一方、ユーザは、今回、収納ボックスから自身宛の物品を取り出さない場合には、操作部15を操作して(ボタンを押す等して)、当該収納ボックスから物品を取り出さない旨の情報を入力する(ステップS1312/No)。
操作部15は、上記収納ボックスから物品を取り出さない旨の情報が入力されると、その旨の入力信号を制御部11へ出力する。
【0183】
制御部11は、上記収納ボックスから物品を取り出さない旨の入力信号が操作部15から入力されたと判断すると(ステップS1312/No)、当該収納ボックスを解錠させることなく、そのまま動作を終了する。
なお、制御部11は、当該収納ボックスの位置を表示部14に表示させてから、上記収納ボックスの解錠要求の入力信号が入力されないまま所定時間経過した場合に、上記収納ボックスから物品を取り出さない旨の入力信号が入力されたものとみなし、当該収納ボックスを解錠させることなく、そのまま動作を終了するようにしてもよい。
【0184】
次に、収納装置10の制御部11は、ユーザが収納装置10から物品を取出したことを示す取出完了情報を生成し、通信部13に管理サーバ30へ送信させる(ステップS1316)。
上記取出完了情報には、上記生体情報管理装置60から受信した制御信号に含まれていた認証を行ったユーザのユーザIDが含まれている。
【0185】
管理サーバ30の通信部33は、上記取出完了情報を収納装置10から受信すると、当該取出完了情報を示す信号を制御部31へ入力する。
制御部31は、上記取出完了情報を示す信号が入力されると、ユーザDB321を参照し、当該情報に含まれるユーザIDに基づいて、ユーザの氏名や連絡先情報を抽出する(ステップS1317)。
【0186】
次に、制御部31は、通信部33に、上記抽出した連絡先情報に示されるメールアドレス宛等に上記取出完了情報を送信させる(ステップS1318)。
例えば、この取出完了情報には、ユーザが物品を取出した時刻等も示される。
ここでは、そのメールアドレスは連絡先端末50宛であるものとする。
【0187】
連絡先端末50の通信部53は、上記取出完了情報を受信すると、当該受信した取出完了情報を制御部51へ出力する。
制御部51は、当該取出完了情報が入力されると、当該取出完了情報を表示部54に表示させる(ステップS1319)。
ユーザの関係者は、連絡先端末50に表示された取出完了情報を見て、当該ユーザが自身宛の物品を既に取り出したことを知ることができ、その後ユーザの関係者が物品を取り出すために収納装置10の設置場所を訪れるという無駄を省くことが可能となる。
以上で動作が終了する。
【0188】
このように、ユーザは収納装置10から自身宛の物品を取り出すとき、収納装置10に接近するだけで、その収納装置10近傍に設置されている生体情報登録装置70がユーザの顔画像を読み取り、収納装置10の収納ボックスが自動的に解錠及び開扉するので、キーを用いて解錠したり、オートロックの操作パネル上のテンキーを用いてパスワードを入力したりといった煩雑な作業を行うことなく、簡単に物品を取り出すことが可能となる。
【0189】
以上、本実施の形態では、収納装置10の近傍に設置された生体情報登録装置70が、収納装置10に接近したユーザの顔画像を読み取っていたが、収納装置10自体が当該顔画像の読取機能を備えていてもよい。
例えば、収納装置10は、生体情報登録装置70に代えて、収納装置10に接近してきたユーザの顔画像を読み取る。
この場合、収納装置10の通信部13は、上記読み取った顔画像データを管理サーバ30へ送信し、管理サーバ30の制御部31は、上記収納装置10から受信した顔画像データに基づく生体情報と、生体情報DB621に格納されている生体情報とを照合して認証を行う。
当該認証方法及びその後の設備機器作動システムの動作については、上記説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
【0190】
(第1の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態における設備機器作動システムによれば、ユーザは、生体情報を用いた設備機器20を利用するために事前に生体情報を管理サーバ30に登録する際に、認証媒体90に記録されている第1の認証情報と自身が記憶している第2の認証情報を入力し、管理サーバ30は認証成功の場合のみ生体情報の登録を許可するので、第三者により生体情報が登録され設備機器20が悪用されることを防止することが可能となる。
また、ユーザは、管理人を介するといった複雑な手続きを経ることなく、いつでも容易に生体情報を登録することができ、設備機器20によるサービスをすぐに利用することが可能となる。
【0191】
また、生体情報として顔画像を採用した場合には、ユーザは、設備機器20を利用する際、所定の機器を操作することなく、自動的にその利用を開始することが可能となる。
【0192】
上記の収納装置10、設備機器20、管理サーバ30、生体情報入力装置40、連絡先端末50、生体情報管理装置60及び生体情報登録装置70は、主にCPUとメモリにロードされたプログラムによって実現される。ただし、それ以外の任意のハードウェアおよびソフトウェアの組合せによってこの装置またはサーバを構成することも可能であり、その設計自由度の高さは当業者には容易に理解されるところである。
また、上記の収納装置10、設備機器20、管理サーバ30、生体情報入力装置40、連絡先端末50、生体情報管理装置60又は生体情報登録装置70をソフトウェアモジュール群として構成する場合、このプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
【0193】
なお、上記の実施の形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施の形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
【0194】
第1の実施の形態においては、収納装置10において、認証媒体90により第3の認証情報を入力すると、その入力された第3の認証情報と、収納装置10の認証DB121において管理されている第3の認証情報との間で認証を行うものであった。
この第1の実施の形態における構成に代えて、収納装置10は、認証媒体90から第3の認証情報の入力があると、その入力された第3の認証情報を管理サーバ30へ送信し、管理サーバ30が、その収納装置10から受信した第3の認証情報と、認証DB323において管理されている第3の認証情報とを照合し、認証を行うようにしてもよい。
この場合、管理サーバ30は、その認証結果を収納装置10へ送信し、当該認証結果を受信した収納装置10は、当該認証結果に基づいて、それぞれ自装置の収納ボックスの解錠の許可/不許可の判断を行う。
【0195】
また、本実施の形態における設備機器作動システムによれば、生体情報管理装置60が顔画像データ(生体情報の元になるデータ)に基づいて生体情報を生成していたが、収納装置10、生体情報入力装置40又は生体情報登録装置70が顔画像データ(生体情報の元になるデータ)に基づいて、特徴点及び特徴量を抽出し、生体情報を生成するよう構成してもよい。
この場合、収納装置10、生体情報入力装置40又は生体情報登録装置70は、生成した生体情報を生体情報管理装置60へ送信し、生体情報管理装置60は、その収納装置10、生体情報入力装置40又は生体情報登録装置70から受信した生体情報について登録し、又は認証を行う。
【0196】
また、集合住宅に居住するユーザが、同じ集合住宅の他の居住者宛の物品を収納装置10に預け入れるようにしてもよい。その後、受取側の他の居住者は、その預けられた自分宛の物品を収納装置10から取り出して受け取る。
このように、ユーザが物品を入庫する側、取り出す側となり、収納装置10を利用することもできる。
【0197】
また、上述のとおり、物品を預かる者は、集合住宅の他、オフィス、商業施設又は公共施設・機関等において、当該預かりサービスを提供してもよく、この場合、利用者(ユーザ)は集合住宅の居住者に限定されない。
また、専有部としては、上記実施の形態で例示したような住戸の他、例えば、オフィススペース、テナント、教室等が適用可能である。
また、このような物理的に共通のスペース(専有部)を利用又は居住するユーザのグループに対してだけでなく、共通の所定のグループには所属するが必ずしも物理的なスペースを物理的に共有していない複数のユーザに対しても共通の認証情報を割り当て、認証DB121において管理するようにしてもよい。
当該グループの一例としては、同一の会社、部署、チェーン店、学校、クラブ又はその他の組織や機関等であってもよく、また、これらの例に限定されない。
【符号の説明】
【0198】
10 収納装置
11,21,31,41,51,61,71 制御部
12,32,42,52,62,72 情報格納部
13,23,33,43,53,63,73 通信部
14,54 表示部
15,55 操作部
16 収納部
20 設備機器
22 作動部
30 管理サーバ
40 生体情報入力装置
44,74 生体情報入力部
50 連絡先端末
60 生体情報登録装置
70 生体情報登録装置
90 認証媒体
100 ネットワーク
121,323 認証DB
122,324 収納ボックスDB
321 ユーザDB
621 生体情報DB
1001 登録開始ボタン
1002 顔画像の表示画面