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特許7089400チャットルーム整列方法、コンピュータプログラムおよびチャットルーム整列システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】チャットルーム整列方法、コンピュータプログラムおよびチャットルーム整列システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/04 20220101AFI20220615BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20220615BHJP
【FI】
H04L51/04
G06F3/0481
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018095447
(22)【出願日】2018-05-17
(65)【公開番号】P2019003624
(43)【公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】10-2017-0076613
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】321003371
【氏名又は名称】LINE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヒョクジェ
【審査官】佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-123478(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0115189(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1586688(KR,B1)
【文献】特開2001-051931(JP,A)
【文献】特表2017-502374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/04
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列方法であって、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する段階、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する段階、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する段階
を含み、前記格納する段階は、前記対話関連イベントが検知されたチャットルーム情報を時間順に格納したチャットルームタイムテーブル、および前記ユーザの位置情報を時間順に格納した位置タイムテーブルを前記状況情報として構築する段階を含む、チャットルーム整列方法。
【請求項2】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列方法であって、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する段階、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する段階、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する段階
を含み、前記算出する段階は、
前記チャットルームでの対話数全体と前記ユーザの対話数とを対比した割合、チャットルーム全体での前記ユーザの対話数の総計と前記チャットルームでの前記ユーザの対話数とを対比した割合、および前記チャットルームでの対話数全体と話し手が変わった回数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記活動性スコアを算出する、チャットルーム整列方法。
【請求項3】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列方法であって、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する段階、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する段階、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する段階
を含み、前記算出する段階は、
前記チャットルームで最後の対話の後に前記ユーザが対話を開始した回数、前記チャットルームでマルチメディアコンテンツを送受信した回数、および前記チャットルームが生成された後に経過した日数と対話があった日数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記活動性スコアを算出する、チャットルーム整列方法。
【請求項4】
前記算出する段階は、
前記チャットルーム別に前記状況情報が現在時点の状況と類似する対話履歴を利用して前記類似性スコアを算出する、請求項1ないし3のうちの何れか一項に記載のチャットルーム整列方法。
【請求項5】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列方法であって、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する段階、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する段階、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する段階
を含み、前記算出する段階は、
現在時点の状況と対応する時間になされた前記チャットルームでの対話数全体と前記ユーザの対話数とを対比した割合、および現在時点の状況と対応する時間になされたチャットルーム全体での前記ユーザの対話数の総計と前記チャットルームでの前記ユーザの対話数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記類似性スコアを算出する、チャットルーム整列方法。
【請求項6】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列方法であって、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する段階、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する段階、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する段階
を含み、前記算出する段階は、
現在時点の状況と対応する場所でなされた前記チャットルームでの対話数全体と前記ユーザの対話数とを対比した割合、および現在時点の状況と対応する場所でなされたチャットルーム全体での前記ユーザの対話数の総計と前記チャットルームでの前記ユーザの対話数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記類似性スコアを算出する、チャットルーム整列方法。
【請求項7】
前記整列する段階は、
前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを利用してチャットルーム全体のうちから一部のチャットルームを選定し、前記の選定されたチャットルームをリストの上位に配置する、請求項1ないし6のうちの何れか一項に記載のチャットルーム整列方法。
【請求項8】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列方法であって、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する段階、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する段階、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する段階
を含み、前記整列する段階は、
前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを利用して前記チャットルーム別の確率スコアを計算する段階、
前記チャットルーム間の前記確率スコアの差を利用してチャットルーム全体のうちからN個のチャットルームを選定する段階、および
前記チャットルーム全体のうちの前記N個のチャットルームをリストの上位に配置する段階
を含む、チャットルーム整列方法。
【請求項9】
コンピュータシステムにチャットルーム整列方法を実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記チャットルーム整列方法は、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する段階、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する段階、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する段階
を含み、前記格納する段階は、前記対話関連イベントが検知されたチャットルーム情報を時間順に格納したチャットルームタイムテーブル、および前記ユーザの位置情報を時間順に格納した位置タイムテーブルを前記状況情報として構築する段階を含む、コンピュータプログラム。
【請求項10】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列システムであって、
コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する格納部、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する算出部、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する整列部
を備え、前記格納部は、前記対話関連イベントが検知されたチャットルーム情報を時間順に格納したチャットルームタイムテーブル、および前記ユーザの位置情報を時間順に格納した位置タイムテーブルを前記状況情報として構築する、チャットルーム整列システム。
【請求項11】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列システムであって、
コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する格納部、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する算出部、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する整列部
を備え、前記算出部は、
前記チャットルームでの対話数全体と前記ユーザの対話数とを対比した割合、チャットルーム全体での前記ユーザの対話数の総計と前記チャットルームでの前記ユーザの対話数とを対比した割合、および前記チャットルームでの対話数全体と話し手が変わった回数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記活動性スコアを算出する、チャットルーム整列システム。
【請求項12】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列システムであって、
コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する格納部、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する算出部、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する整列部
を備え、前記算出部は、
前記チャットルームで最後の対話の後に前記ユーザが対話を開始した回数、前記チャットルームでマルチメディアコンテンツを送受信した回数、および前記チャットルームが生成された後に経過した日数と対話があった日数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記活動性スコアを算出する、チャットルーム整列システム。
【請求項13】
前記算出部は、
前記チャットルーム別に前記状況情報が現在時点の状況と類似する対話履歴を利用して前記類似性スコアを算出する、請求項10ないし12のうちの何れか一項に記載のチャットルーム整列システム。
【請求項14】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列システムであって、
コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する格納部、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する算出部、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する整列部
を備え、前記算出部は、
現在時点の状況と対応する時間になされた前記チャットルームでの対話数全体と前記ユーザの対話数とを対比した割合、および現在時点の状況と対応する時間になされたチャットルーム全体での前記ユーザの対話数の総計と前記チャットルームでの前記ユーザの対話数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記類似性スコアを算出する、記載のチャットルーム整列システム。
【請求項15】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列システムであって、
コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する格納部、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する算出部、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する整列部
を備え、前記算出部は、
現在時点の状況と対応する場所でなされた前記チャットルームでの対話数全体と前記ユーザの対話数とを対比した割合、および現在時点の状況と対応する場所でなされたチャットルーム全体での前記ユーザの対話数の総計と前記チャットルームでの前記ユーザの対話数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記類似性スコアを算出する、チャットルーム整列システム。
【請求項16】
前記整列部は、
前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを利用してチャットルーム全体のうちから一部のチャットルームを選定し、前記の選定されたチャットルームをリストの上位に配置する、請求項10ないし15のうちの何れか一項に記載のチャットルーム整列システム。
【請求項17】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列システムであって、
コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する格納部、
前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する算出部、および
前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する整列部
を備え、前記整列部は、
前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを利用して前記チャットルーム別の確率スコアを計算した後、
前記チャットルーム間の前記確率スコアの差を利用してチャットルーム全体のうちからN個のチャットルームを選定し、
前記チャットルーム全体のうちの前記N個のチャットルームをリストの上位に配置す、チャットルーム整列システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、チャットルームを整列する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なコミュニケーションツールであるインスタントメッセンジャー(instant messenger)は、リアルタイムでメッセージやデータを送受信することのできるソフトウェアであって、ユーザがメッセンジャー上に対話相手を登録し、対話相手リストに登録された相手とリアルタイムでメッセージをやり取りすることができる。
【0003】
このようなメッセンジャー機能は、PCだけではなく、移動通信端末のモバイル環境でも一般的に使用されるようになった。例えば、特許文献1には、携帯端末にインストールされたモバイルメッセンジャー間にメッセンジャーサービスを提供することができるようにした、無線通信網を利用した携帯端末のモバイルメッセンジャーサービスシステムおよび方法が開示されている。
【0004】
一般的に、メッセンジャー上のチャットルーム整列方法としては、メッセージ受信時間、既読メッセージの件数、お気に入り(favorite)設定などのような単純な条件が利用されている。
【0005】
ユーザが特定のチャットルームを検索するためには、チャットルームリストでキーワードを入力して検索するか、リストのスクロールを利用して検索しなければならず、スクロールの場合には、チャットルーム数が多いほど検索に不便をきたすようになる。
【0006】
ユーザが、お気に入りやピン(pin)設定機能を利用して特定のチャットルームをリストの上端に固定させることもできるが、これはユーザが特定のチャットルームをそのつど直接設定しなければならず、手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2002-0074304号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
チャットルーム内での活動性および/または活動時の状況情報に基づいてチャットルームを自動整列することができる方法およびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列方法であって、チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する段階、前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する段階、および前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する段階を含む、チャットルーム整列方法を提供する。
【0010】
一側面によると、前記格納する段階は、前記対話関連イベントが検知された時点の時間情報および位置情報のうちの少なくとも1つを含む状況情報を格納してよい。
【0011】
他の側面によると、前記格納する段階は、前記対話関連イベントが検知されたチャットルーム情報を時間順に格納したチャットルームタイムテーブル、および前記状況情報として前記ユーザの位置情報を時間順に格納した位置タイムテーブルを構築してよい。
【0012】
また他の側面によると、前記算出する段階は、前記チャットルームでの対話数全体と前記ユーザの対話数とを対比した割合、チャットルーム全体での前記ユーザの対話数の総計と前記チャットルームでの前記ユーザの対話数とを対比した割合、および前記チャットルームでの対話数全体と話し手が変わった回数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記活動性スコアを算出してよい。
【0013】
また他の側面によると、前記算出する段階は、前記チャットルームで最後の対話の後に前記ユーザが対話を開始した回数、前記チャットルームでマルチメディアコンテンツを送受信した回数、および前記チャットルームが生成された後に経過した日数と対話があった日数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記活動性スコアを算出してよい。
【0014】
また他の側面によると、前記算出する段階は、前記チャットルーム別に前記状況情報が現在時点の状況と類似する対話履歴を利用して前記類似性スコアを算出してよい。
【0015】
また他の側面によると、前記算出する段階は、現在時点の状況と対応する時間になされた前記チャットルームでの対話数全体と前記ユーザの対話数とを対比した割合、および現在時点の状況と対応する時間になされたチャットルーム全体での前記ユーザの対話数の総計と前記チャットルームでの前記ユーザの対話数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記類似性スコアを算出してよい。
【0016】
また他の側面によると、前記算出する段階は、現在時点の状況と対応する場所でなされた前記チャットルームでの対話数全体と前記ユーザの対話数とを対比した割合、および現在時点の状況と対応する場所でなされたチャットルーム全体での前記ユーザの対話数の総計と前記チャットルームでの前記ユーザの対話数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して前記類似性スコアを算出してよい。
【0017】
また他の側面によると、前記整列する段階は、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを利用してチャットルーム全体のうちから一部のチャットルームを選定し、前記の選定されたチャットルームをリストの上位に配置してよい。
【0018】
また他の側面によると、前記整列する段階は、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを利用して前記チャットルーム別の確率スコアを計算する段階、前記チャットルーム間の前記確率スコアの差を利用してチャットルーム全体のうちからN個のチャットルームを選定する段階、および前記チャットルーム全体のうちの前記N個のチャットルームをリストの上位に配置し、残りのチャットルームを既存の整列基準にしたがって配置する段階を含んでよい。
【0019】
コンピュータシステムにチャットルーム整列方法を実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記チャットルーム整列方法は、チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する段階、前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する段階、および前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する段階を含む、コンピュータプログラムを提供する。
【0020】
コンピュータで実現されるチャットルーム整列システムであって、コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、チャットルームリストに含まれるチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知して前記対話関連イベントと関連付けて格納する格納部、前記チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、および現在時点の状況と前記状況情報との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出する算出部、および前記チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、前記活動性スコアおよび前記類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列する整列部を備える、チャットルーム整列システムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施形態によると、チャットルーム内での活動性および/または活動時の状況情報に基づいてチャットルームを自動整列することにより、特定のチャットルームをそのつど設定しなくても、ユーザが活発に使用するか、時と場所によってユーザが使用すると予想されるチャットルームを自動で上端に位置させることで、チャットルームを容易かつ便利に検索し、スムーズな対話をサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムの内部構成の一例を説明するためのブロック図である。
図2】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムのプロセッサが含むことのできる構成要素の例を示した図である。
図3】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムが実行することのできるチャットルーム整列方法の例を示したフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態における、対話関連イベントの状況情報を格納する過程を説明するための例示図である。
図5】本発明の一実施形態における、チャットルームを整列する過程の例示を示したフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態における、チャットルームスコア分布によるチャットルーム選定過程を説明するための例示図である。
図7】本発明の一実施形態における、チャットルームスコア分布によるチャットルーム選定過程を説明するための例示図である。
図8】本発明の一実施形態における、チャットルームスコア分布によるチャットルーム選定過程を説明するための例示図である。
図9】本発明の一実施形態における、チャットルームを整列する画面を示した例示図である。
図10】本発明の一実施形態における、選定されたチャットルームを整列して表示する画面を示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
本発明の実施形態は、チャットルームを整列する技術に関し、より詳細には、チャットルーム内での活動性および/または活動時の状況情報に基づいてチャットルームを自動整列する方法およびシステムに関する。
【0025】
本明細書で具体的に開示される事項などを含む実施形態は、ユーザ活動に基づいてチャットルームを整列することができ、これにより、効率性、便宜性、容易性、コスト節減などの側面において相当な長所を達成する。
【0026】
本明細書において「チャットルーム」とは、ユーザ間でやり取りするメッセージを提供するためのインタフェース画面を意味してよい。例えば、メッセンジャーにおいて、ユーザのアカウント間に設定された通信セッションを介してやり取りしたメッセージを表示するためのインタフェース画面はもちろん、SMS(short message service)やMMS(multimedia message service)のようなメッセージ機能で電話番号に基づいて該当の電話番号の相手とやり取りしたメッセージを表示するためのインタフェース画面などもチャットルームの代表的な例に該当する。メッセンジャーではアカウント間に設定された通信セッションに基づいてチャットルームが生成され、メッセージ機能の場合には電話番号に基づいてチャットルームが生成されるようになるが、該当の機能は、生成されたすべてのチャットルームに対して所定の整列基準によるリストが提供可能である。
【0027】
一実施形態として、メッセンジャーのチャットルーム整列について説明しているが、これに限定されてはならず、上述したように、SMSやMMSのようなメッセージ機能はもちろん、この他にも対話関連インタフェースで生成されて整列対象となる客体であればすべて適用可能である。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムの内部構成の一例を説明するためのブロック図である。例えば、本発明の実施形態に係るチャットルーム整列システムが、図1のコンピュータシステム100によって実現されてよい。図1に示すように、コンピュータシステム100は、チャットルーム整列方法を実行するための構成要素として、プロセッサ110、メモリ120、永続的記憶装置130、バス140、入力/出力インタフェース150、およびネットワークインタフェース160を含んでよい。
【0029】
プロセッサ110は、命令語のシーケンスを処理することのできる任意の装置を含んでもよいし、その一部であってもよい。プロセッサ110は、例えば、コンピュータプロセッサ、移動装置、または他の電子装置内のプロセッサおよび/またはデジタルプロセッサを含んでよい。プロセッサ110は、例えば、サーバコンピュータデバイス、サーバコンピュータ、一連のサーバコンピュータ、サーバファーム、クラウドコンピュータ、コンテンツプラットフォーム、移動コンピュータ装置、スマートフォン、タブレット、セットトップボックスなどに含まれてよい。プロセッサ110は、バス140を介してメモリ120に接続されてよい。
【0030】
メモリ120は、コンピュータシステム100によって使用されたり出力されたりする情報を格納したりするための揮発性メモリ、永続的メモリ、仮想メモリ、またはその他のメモリを含んでよい。メモリ120は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)および/またはダイナミックRAM(DRAM:dynamic RAM)を含んでよい。メモリ120は、コンピュータシステム100の状態情報のような任意の情報を格納するのに使用されてよい。メモリ120は、例えば、顔認識カメラを制御するための命令語を含むコンピュータシステム100の命令語を格納するのに使用されてもよい。コンピュータシステム100は、必要な場合または適切な場合には、1つ以上のプロセッサ110を含んでもよい。
【0031】
バス140は、コンピュータシステム100の多様なコンポーネント間の相互作用を可能にする通信基盤構造を含んでよい。バス140は、コンピュータシステム100のコンポーネント間で、例えば、プロセッサ110とメモリ120との間でデータを転送してよい。バス140は、コンピュータシステム100のコンポーネント間の無線および/または有線通信媒体を含んでよく、パラレル、シリアル、または他のトポロジー配列を含んでよい。
【0032】
永続的記憶装置130は、(例えば、メモリ120に比べて)所定の延長された期間内にデータを格納するために、コンピュータシステム100によって使用されるようなメモリまたは他の永続的格納装置のようなコンポーネントを含んでよい。永続的記憶装置130は、コンピュータシステム100内のプロセッサ110によって使用されるような不揮発性メインメモリを含んでよい。永続的記憶装置130は、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク、光ディスク、または他のコンピュータ読み取り可能媒体を含んでよい。
【0033】
入力/出力インタフェース150は、キーボード、マウス、音声命令入力、ディスプレイ、または他の入力または出力装置に対するインタフェースを含んでよい。構成命令および/または顔認識カメラと関連する入力が、入力/出力インタフェース150を通じて受信されてよい。
【0034】
ネットワークインタフェース160は、近距離ネットワークまたはインターネットのようなネットワークに対する1つ以上のインタフェースを含んでよい。ネットワークインタフェース160は、有線または無線接続に対するインタフェースを含んでよい。構成命令は、ネットワークインタフェース160を通じて受信されてよい。また、顔認識カメラと関連する情報は、ネットワークインタフェース160を通じて受信または送信されてよい。
【0035】
また、他の実施形態において、コンピュータシステム100は、図1の構成要素よりも多くの構成要素を含んでもよい。しかし、大部分の従来技術的構成要素を明確に図に示す必要はない。例えば、コンピュータシステム100は、上述した入力/出力装置150と連結する入力/出力装置のうちの少なくとも一部を含むように実現されてもよいし、トランシーバ、GPS(Global Positioning System)モジュール、カメラ、各種センサ、データベースなどのような他の構成要素をさらに含んでもよい。より具体的な例として、コンピュータシステム100がスマートフォンのようなモバイル機器の形態で実現される場合、一般的にモバイル機器が含んでいるカメラ、加速度センサやジャイロセンサ、物理的な各種ボタン、タッチパネルを利用したボタン、入力/出力ポート、振動のための振動器などのような多様な構成要素がコンピュータシステム100にさらに含まれるように実現されてよい。
【0036】
本発明は、チャットルーム内でのユーザの活動性および/またはチャットルームでの活動時の状況情報とユーザの現在状況情報との類似性に基づいてチャットルームを自動整列するものである。このための技術シナリオの一例は、以下のとおりである。
【0037】
(1)チャットルームそれぞれに対して対話関連イベント(例えば、メッセージ送受信、マルチメディアコンテンツ送受信など)が検知された場合、イベント検知時点の現在位置や時間などを含む状況情報を認知した後、該当のイベントと関連付けて格納する。
【0038】
(2)メッセンジャー上の対話内訳が格納された対話データベース(DB)にアクセスし、チャットルーム別にユーザの活動性スコアを算出して格納する。
【0039】
(3)チャットルーム整列が必要な場合(3-1)、チャットルーム別にユーザの現在状況情報と過去イベント状況との類似性スコアを算出し(3-2)、チャットルーム別に格納されている活動性スコアを照会する。
【0040】
(4)各チャットルームの活動性スコアおよび/または類似性スコアに基づいて一定個数のチャットルームを選定し、リスト上端に整列する。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムのプロセッサが含むことができる構成要素の例を示した図であり、図3は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムが実行することのできるチャットルーム整列方法の例を示したフローチャートである。
【0042】
図2に示すように、プロセッサ110は、格納部210、算出部220、および整列部230を含んでよい。このようなプロセッサ110の構成要素は、少なくとも1つのプログラムコードに基づいて提供される制御命令にしたがってプロセッサ110によって実行される、互いに異なる機能の表現であってよい。例えば、プロセッサ110が対話関連イベントと関連付けて状況情報を格納するようにコンピュータシステム100を制御するために動作する機能的表現として、格納部210が使用されてよい。プロセッサ110およびプロセッサ110の構成要素は、図3のチャットルーム整列方法が含む段階310~340を実行してよい。例えば、プロセッサ110およびプロセッサ110の構成要素は、メモリ120が含むオペレーティングシステムのコード、および上述した少なくとも1つのプログラムコードによる命令を実行するように実現されてよい。ここで、少なくとも1つのプログラムコードは、チャットルーム整列方法を処理するために実現されたプログラムのコードに対応してよい。
【0043】
チャットルーム整列方法は、図に示す順のとおりに発生しないこともあるし、段階のうちの一部が省略されることもあるし、追加の段階がさらに含まれることもある。
【0044】
段階310で、プロセッサ110は、チャットルーム整列方法のためのプログラムファイルに格納されたプログラムコードをメモリ120にロードしてよい。例えば、チャットルーム整列方法のためのプログラムファイルは、図1を参照しながら説明した永続的記憶装置130に格納されていてよく、プロセッサ110は、バスを介して永続的記憶装置130に格納されたプログラムファイルからプログラムコードがメモリ120にロードされるようにコンピュータシステム110を制御してよい。このとき、プロセッサ110およびプロセッサ110が含む格納部210、算出部220、および整列部230それぞれは、メモリ120にロードされたプログラムコードのうちの対応する部分の命令を実行し、以後の段階320~340を実行するためのプロセッサ110の互いに異なる機能的表現であってよい。段階320~340の実行のために、プロセッサ110およびプロセッサ110の構成要素は、制御命令による演算を直接処理してもよいし、コンピュータシステム100を制御してもよい。
【0045】
段階320で、格納部210は、メッセンジャー上のチャットルームそれぞれに対して対話関連イベントが検知された場合、イベント検知時点と関連する状況情報を認知した後、該当のイベントと関連付けて格納してよい。ここで、対話関連イベントとは、チャットルームでメッセージやマルチメディアコンテンツ(例えば、スタンプ、ステッカー、絵文字、写真、イメージ、動画など)などのような各種のデータのやり取りによって発生する、すべてのイベントを意味してよい。また、状況情報は、対話関連イベントが発生した時点の時間情報、対話関連イベントが発生した時点にコンピュータシステム100で取得可能な位置情報などを含んでよい。位置情報の場合、GPSなどを利用した緯度/経度情報や、Wi-Fi(登録商標) AP(access point)情報のようなネットワーク接続情報を利用した場所情報などを活用してよい。格納部210は、ユーザが各チャットルームで活動するときの状況情報として、対話関連イベントが検知された時点の時間や位置などを含む状況情報を該当のイベントと関連付けて格納してよい。
【0046】
段階330で、算出部220は、チャットルーム別にユーザの対話参加と関連する活動性スコア、およびユーザの現在状況と以前の対話関連イベントの状況との類似性スコアのうちの少なくとも1つを算出してよい。このとき、算出部220は、メッセンジャー上の対話内訳が格納された対話DBを利用してチャットルームごとにユーザの対話参加による活動性を測定してスコアに換算することにより、活動性スコアを算出してよい。活動性の一例としては、チャットルーム内でユーザがどのくらい多くまたはどのくらい頻繁に対話をしたかに関するものであって、チャットルーム内でのユーザの対話の割合、ユーザの対話数全体と該当のチャットルームでの対話とを対比した割合などによって算出されてよい。活動性の他の例としては、ユーザがどのくらい対話を先に開始したかに関するものであって、最後の対話から一定時間が経過した後、ユーザが新たな対話を先に始めた回数などによって算出されてよい。活動性のさらに他の例としては、ユーザが一方的に対話するのではなく、相手とどのくらい均等に対話をやり取りしたか、スタンプ、ステッカー、写真、動画などのようなマルチメディアコンテンツをどのくらい使用したか、対話が途切れることなくどのくらい持続的になされたかなどに関する特徴をスコアに換算してよい。また、算出部220は、各チャットルーム別に、チャットルーム整列が必要な時点の現在時間や現在位置などを含むユーザの現在状況情報と以前に対話関連イベントが発生した時点の状況情報とを比較し、その類似性をスコアに換算してよい。チャットルーム別の活動性スコアおよび状況情報に対する類似性スコアを算出するにあたり、過去の対話履歴や対話関連イベントに対して時間の経過に応じてスコア反映の比重を低く適用してよい。言い換えれば、チャットルーム別の活動性スコアおよび状況情報に対する類似性スコアは、ここ最近の対話時間から経過した時間に応じて減少してよい。
【0047】
段階340で、整列部230は、チャットルームリストに含まれる少なくとも一部のチャットルームを、活動性スコアおよび類似性スコアのうちの少なくとも1つを基準として整列してよい。整列部230は、チャットルーム別の活動性スコアおよび状況情報に対する類似性スコアのうちの少なくとも1つに基づいて各チャットルームに対してユーザが現在使用するかに対する確率スコアを算出してよく、チャットルーム別の確率スコアを基準としてチャットルームリストを整列してよい。整列部230は、チャットルームリストを整列するための基準として活動性スコアおよび類似性スコアを同時に使用してもよいし、活動性スコアおよび類似性スコアをそれぞれ個別に使用してもよい。例えば、活動性スコアによるチャットルーム整列および類似性スコアによるチャットルーム整列をそれぞれ提供してよい。一例として、整列部230は、チャットルーム全体を確率スコアにしたがって降順に整列し、チャットルームの確率スコアの減少値にしたがって上位に配置するN個のチャットルームを選定した後、選定されたチャットルームを確率スコア順にリスト上端に配置し、残りのチャットルームを既存の整列基準にしたがって並べてよい。このとき、N個のチャットルームを選定するためのクラスタリングとして最適な個数Kを発見する問題として、エルボー法(elbow method)などが使用されてよい。また、上位に配置するN個のチャットルームを選定するにあたり、コンピュータシステム100のディスプレイの一画面に表示されるチャットルームの個数を考慮して最大値を制限してよい。言い換えれば、上位に配置するチャットルームの個数は、最大値以内に定められてよい。既存の整列方式は、チャットルームに対してメッセージを送信または受信した時間が最近であるほど、あるいは未確認メッセージの件数が多いほど、あるいはお気に入りに登録された場合、リストの上位に整列されてよい。他の例として、整列部230は、リストに含まれるチャットルーム全体を、チャットルーム別の確率スコアにしたがって降順に整列してよい。また他の例として、整列部230は、確率スコア順に上位から一定個数(固定個数、例えば3個)のチャットルームを選定し、チャットルーム全体のうちから選定されたチャットルームを確率スコア順にリスト上端に配置し、残りのチャットルームを既存の整列基準にしたがって並べてよい。また、整列部230は、チャットルームリストを既存の整列方式で維持している間、ユーザから要求があったときには、チャットルーム別の活動性スコアおよび状況情報に対する類似性スコアのうちの少なくとも1つを利用して制限的に(例えば、1分)チャットルーム整列を変更してもよい。
【0048】
したがって、本発明は、チャットルーム内での活動性および/または活動時の状況情報に基づき、ユーザが活発に使用するか、時と場所に応じてユーザが使用すると予想されるチャットルームを自動で上端に位置させ、チャットルームを整列することができる。
【0049】
図4は、本発明の一実施形態における、対話関連イベントの状況情報を格納する過程を説明するための例示図である。
【0050】
図4を参照すると、対話DBは、対話履歴として、対話関連イベントが発生したチャットルーム情報を時間40順に格納したチャットルームタイムテーブル410を含んでよい。また、コンピュータシステム100は、システムで認知されたユーザの位置変化を時間40順に記録するための別途のDBとして、位置タイムテーブル420を構築してよい。例えば、Wi-Fi(登録商標) AP情報によって場所別のイン(in)/アウト(out)状態を記録したり、あるいは緯度/経度値を周期的あるいは対話関連イベント別に記録したりすることにより、位置タイムテーブル420を構築してよい。このようなチャットルームタイムテーブル410および/または位置タイムテーブル420を利用することにより、特定状況(特定時間および/または特定場所)での対話履歴があるチャットルーム情報を確認したり、特定のチャットルーム内での以前の対話履歴に対して該当となる時点の状況情報を確認したりできるようになる。
【0051】
チャットルーム別の活動性スコアおよび状況情報に対する類似性スコアを算出する具体的な過程は、以下のとおりとなる。
【0052】
算出部220は、個別のチャットルームでの対話数全体とユーザの対話数とを対比した割合、チャットルーム全体でのユーザの対話数の総計と個別のチャットルームでのユーザの対話数とを対比した割合、個別のチャットルームでの対話数全体と話し手が変わった回数とを対比した割合、個別のチャットルームで最後の対話の後にユーザが対話を開始した回数、個別のチャットルームでマルチメディアコンテンツを送受信した回数、および個別のチャットルームが生成された後に経過した日数と対話があった日数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して活動性スコアを算出してよい。
【0053】
チャットルーム別の活動性スコアを算出する過程の一例は、以下の表1のとおりである。
【0054】
【表1】
【0055】
上記ではscoreとscoreとを合計して活動性スコアを算出すると説明しているが、scoreおよびscoreのうちの少なくとも1つを利用してもよく、scoreおよびscoreそれぞれに互いに異なる加重値を付与することも可能である。
【0056】
また、算出部220は、ユーザの現在状況と対応する状況情報を有する過去対話履歴を利用して類似性スコアを算出してよい。このとき、算出部220は、現在時点の状況と対応する時間や場所でなされた対話履歴だけを対象に、個別のチャットルームでの対話数全体とユーザの対話数とを対比した割合、およびチャットルーム全体でのユーザの対話数の総計と個別のチャットルームでのユーザの対話数とを対比した割合のうちの少なくとも1つを利用して状況情報に対する類似性スコアを算出してよい。
【0057】
状況情報に対する類似性スコアを算出する過程の一例は、以下の表2のとおりである。
【0058】
状況情報に対する類似性スコアを算出するためには、チャットルーム整列が必要な時点の現在状況(例えば、時間:木曜日午後5時27分、位置:自宅)を認知する。その後、単位時間(例えば、一週間など)を一定サイズのタイムスロット(timeslot)に分けるようになるが、例えば、20分を1つのタイムスロットと考え、1週間を合計504個(7(日)×24(時間)×3(60分/20分)=504)のタイムスロットに分ける。
【0059】
以下の表2で、「現タイムスロット」は、チャットルーム整列が必要な現在時間「木曜日午後5時27分」に該当するタイムスロットであり、「現場所」は、チャットルーム整列が必要な現在場所「自宅」を意味する。
【0060】
【表2】
【0061】
類似性スコアを算出するとき、タイムスロットを利用せずに、現在時刻と各対話時刻との差を利用する方法も可能である。例えば、チャットルーム整列が必要な現在時間「木曜日午後5時27分」の一定時間前後の時間帯(木曜日午後5時12分から5時42分まで)の過去対話イベントを利用してよい。
【0062】
自宅や会社などのように頻繁に行く場所を基準として状況情報を記録し、ユーザの現在場所で起こった過去対話イベントを利用して類似性スコアを算出してよい。このとき、個別の場所ではなく、緯度/経度を使用した距離を基準として類似性スコアを算出することも可能である。例えば、ユーザの現在位置を示す経度/緯度値を中心に一定半径(例えば、1km)以内での過去対話イベントを利用してよい。
【0063】
上記ではscoreとscoreとを乗算して類似性スコアを算出すると説明しているが、scoreおよびscoreのうちの少なくとも1つを利用してもよく、scoreおよびscoreそれぞれに互いに異なる加重値を付与することも可能である。
【0064】
上記の表1および上記の表2の活動性スコアおよび類似性スコアの算出式は例示的なものであり、これに限定されてはならず、チャットルーム内での活動性および/または状況情報に対する類似性を示す特徴をスコアに換算することのできる他の算出方式も適用可能であることは当然である。
【0065】
図5は、本発明の一実施形態における、チャットルームを整列する過程を示したフローチャートである。
【0066】
段階501で、整列部230は、チャットルーム別の活動性スコアおよび状況情報に対する類似性スコアのうちの少なくとも1つに基づき、各チャットルームに対してユーザが現在使用するかに対する確率スコアを計算してよい。例えば、整列部230は、各チャットルーム別に該当のチャットルームの活動性スコアと状況情報に対する類似性スコアとを合計してチャットルーム別の確率スコアを計算してよい。
【0067】
段階502で、整列部230は、チャットルーム間の確率スコアの差を利用してリスト上位に配置するN個のチャットルームを選定してよい。画面に表示されるチャットルームの個数に応じて、あるいはチャットルーム管理ポリシーに応じて、Nに対する最大値および最小値を予め指定してよい。具体的な例として、図6を参照すると、整列部230は、チャットルーム全体(A~L)を確率スコアにしたがって降順に整列した後(S61)、チャットルーム間の確率スコアの差を計算してよい(S62)。このとき、確率スコアにしたがって降順に整列されたチャットルーム(A~L)に対し、チャットルーム間のスコア差は{1、1、3、1、1、1、1、4、1、1、1}のとおりとなる。次に、整列部230は、チャットルーム間で確率スコアの差が大きい順にチャットルームを分離してクラスタ化してよい。図7に示すように、確率スコアにしたがって降順に整列されたチャットルーム(A~L)のうちで点数の減少差が最も大きいチャットルーム(チャットルームK、J)を基準としてリストを一次分離する(S73)。次に、図8に示すように、点数の減少差が2番目に大きいチャットルーム(チャットルームF、A)を基準としてリストを二次追加分離する(S84)。言い換えれば、整列部230は、初期過程(stage1)でチャットルーム別の確率スコアを降順に整列したリスト[20、19、18、15、14、13、12、11、7、6、5、4]を構成した後、次の過程(stage2)で点数の減少差が最も大きい地点を基準として[20、19、18、15、14、13、12、11]、[7、6、5、4]に分離し、次の過程(stage3)で点数の減少差が2番目に大きい地点を基準として[20、19、18]、[15、14、13、12、11]、[7、6、5、4]に分離する。分離されたそれぞれのクラスタ間の変化量(inter-variance、intra-variance)を計算し、それぞれの最大または最小の地点を見つけるようになるが、このとき、該当の地点の結果が3番目の過程(stage3)になるとすれば、上位グループに属する個数に応じてNは3になる。
【0068】
再び図5において、段階503で、整列部230は、チャットルーム全体のうちのN個のチャットルームをリストの上端に配置し、残りのチャットルームを既存の整列基準にしたがって配置してよい。整列部230は、上述した例において、上位グループである[20、19、18]のスコアを有するチャットルームD、L、Fを選別してリストの上端に配置してよい。一例として、リスト上端に配置されるチャットルームD、L、Fは、確率スコアにしたがって降順に整列されてよい。
【0069】
図9は、メッセンジャーのチャットルームリスト画面900を示している。図9に示すように、チャットルームリスト画面900には、ユーザが他のユーザとメッセージをやり取りするチャットルームを整列したチャットルームリスト910が含まれてよい。例えば、チャットルームリスト910は、既存の整列基準のうちの1つであるメッセージの送受信時間を基準として降順に整列されてよい。言い換えれば、ユーザがメッセージを送信または受信した時間が最近であるほど、チャットルームがリストの上位に整列されてよい。このとき、チャットルームリスト画面900には、チャットルームリスト910に対してユーザが活発に使用するか、現在状況でユーザが使用すると予想されるチャットルームを別途整列するための「選好チャットルーム」メニュー901が含まれてよい。
【0070】
チャットルームが既存の整列基準にしたがって整列された初期チャットルームリスト画面900において、ユーザが「選好チャットルーム」メニュー901を操作した場合、図10に示すように、チャットルーム別の活動性スコアおよび状況情報に対する類似性スコアのうちの少なくとも1つに基づいて選定されたN個のチャットルーム、すなわち選好チャットルーム1011が、チャットルームリスト910の最上位から確率スコアによる降順に整列されて表示されてよい。図5図8を参照しながら説明した上位グループである[20、19、18]のスコアを有するチャットルームD、L、Fが選好チャットルーム1011としてリストの上端に整列されてよく、それ以外の残りのチャットルーム1012は、選好チャットルーム1011の下側に既存の整列基準、例えば、メッセージ送受信時間を基準として降順に整列されてよい。選好チャットルーム1011がチャットルームリスト910の上端に整列された状態でユーザが再び「選好チャットルーム」メニュー901を操作するか、一定時間(例えば、1分)が経過した場合、図9に示されている既存の整列状態に戻ってよい。
【0071】
他の例として、チャットルームリスト画面900には、「選好チャットルーム」メニュー901を、活動性スコアに基づいてチャットルームを整列するための第1メニューと、状況情報に対する類似性スコアに基づいてチャットルームを整列するための第2メニューと、でそれぞれ構成して提供することも可能である。チャットルームリスト画面900でユーザが第1メニューを操作した場合には、平常時にユーザが活発に活動したチャットルームをリスト上端に整列してよく、第2メニューを操作した場合には、ユーザの現在状況(時間および/または位置)と類似する状況で対話したチャットルームをリスト上端に整列してよい。
【0072】
このように、本発明の実施形態によると、チャットルーム内での活動性および/または活動時の状況情報に基づいてチャットルームを自動整列することにより、特定のチャットルームをそのつど設定しなくても、ユーザが活発に使用するか、時と場所に応じてユーザが使用すると予想されるチャットルームを自動で上端に位置させることによって、チャットルームを簡単かつ便利に検索し、スムーズな対話をサポートすることができる。
【0073】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、および/またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを格納、操作、処理、および生成してよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者は、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでもよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0074】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、コンピュータ格納媒体または装置に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で格納されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてよい。
【0075】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。ここで、媒体は、コンピュータ実行可能なプログラムを継続して格納するものであっても、実行またはダウンロードのために一時的に格納するものであってもよい。また、媒体は、単一または複数のハードウェアが結合された形態の多様な記録手段または格納手段であってよいが、あるコンピュータシステムに直接接続される媒体に限定されることはなく、ネットワーク上に分散されて存在するものであってもよい。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどを含んでプログラム命令が格納されるように構成されたものが挙げられる。また、他の媒体の例として、アプリケーションを配布するアプリストアやその他の多様なソフトウェアを供給または配布するサイト、サーバなどで管理する記録媒体ないし格納媒体が挙げられる。
【0076】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態と図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0077】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0078】
210:格納部
220:算出部
230:整列部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10