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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】建築用の電動式シャッター装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20220615BHJP
【FI】
E06B9/17 W
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018101669
(22)【出願日】2018-05-28
(65)【公開番号】P2019206815
(43)【公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(74)【代理人】
【識別番号】100206106
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 巧
(72)【発明者】
【氏名】山藤 義広
(72)【発明者】
【氏名】青木 駿介
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-204972(JP,A)
【文献】特開2015-081494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0272367(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/17
9/56-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部の開閉をするシャッターカーテンと、該シャッターカーテンを巻装する巻取りドラムと、該巻取りドラムの左右両端部を支持する支持ブラケットと、前記巻取りドラムの開閉駆動をする電動式の開閉機と、該開閉機の駆動制御をする制御部とを備えて構成される建築用の電動式シャッター装置において、
前記支持ブラケットは、取付け体が延出するようにして設けられ、該取付け体に制御部が取付けられ
開閉機は、左右支持ブラケットのうちの一方に設けられ、取付け体は、開閉機が設けられる側の支持ブラケットに設けられることを特徴とする建築用の電動式シャッター装置。
【請求項2】
開閉機は、巻取りドラムに対して前後方向一方に偏倚するようにして支持ブラケットに設けられ、取付け体は、開閉機よりもさらに前後方向一方に偏倚するようにして支持ブラケットに設けられることを特徴とする請求項記載の建築用の電動式シャッター装置。
【請求項3】
取付け体は、支持ブラケットに支持される支持部と、該支持部から延出する取付け部とを備えて構成され、前記取付け部に制御部が設けられるものであることを特徴とする請求項1または2記載の建築用の電動式シャッター装置。
【請求項4】
取付け体の支持部は板状体であって、該支持部を支持ブラケットに固着することで取付け体が支持ブラケットに支持されることを特徴とする請求項記載の建築用の電動式シャッター装置。
【請求項5】
取付け体の支持部はアングル材であって、該支持部を支持ブラケットの上端部に形成のアングル受け部に固着することで取付け体が支持ブラケットに支持されることを特徴とする請求項記載の建築用の電動式シャッター装置。
【請求項6】
取付け体の支持部は筒状体であって、該支持部を支持ブラケットに設けた筒受け部に嵌合組込みすることで取付け体が支持ブラケットに支持されることを特徴とする請求項記載の建築用の電動式シャッター装置。
【請求項7】
開口部の開閉をするシャッターカーテンと、該シャッターカーテンを巻装する巻取りドラムと、該巻取りドラムの左右両端部を支持する支持ブラケットと、前記巻取りドラムの開閉駆動をする電動式の開閉機と、該開閉機の駆動制御をする制御部とを備えて構成される建築用の電動式シャッター装置において、
前記支持ブラケットは、取付け体が延出するようにして設けられ、該取付け体に制御部が取付けられ、
取付け体は、板状の支持ブラケットに延出するようにして一体に設けられていることを特徴とする建築用の電動式シャッター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の出入り口等の開口部に建て付けられる建築用の電動式シャッター装置の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、ビル、マンション等の建築物の出入口等の開口部の開閉をするため、建築用の電動式シャッター装置を建て付けることがあるが、このような電動式シャッター装置は、電動式の開閉機の駆動により巻取りドラムを回転させることで、該巻取りドラムに巻装されたシャッターカーテンを開閉自在に移動するように構成されている。そして電動式シャッター装置には、前記開閉機の正逆駆動の制御をするための制御部(制御盤)が設けられることになるが、このような制御部は、開閉機の制御をするに必要な電気系統の部材装置が設けられることもあって開閉機の近傍(巻取りドラムの近傍)に配設し、これにより制御部を開閉機に近しい配置にして電気系統の点検整備(メンテナンス)をする際に集中的なメンテナンス作業が必要においてできるようにすることが試みられている。
そこで制御部を、開閉機の上部に設けたり、巻取りドラムの左右端部が支持される支持ブラケットに設けたりすることが提唱されている(例えば特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-96952号公報
【文献】特開2001-254580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが近時、開閉機の駆動制御が複雑化してきているだけでなく、制御部の安定性(信頼性)を確保することが要求され、このため制御部に設けられる部品点数が多くなったり大型になったりして制御部自体が大型化する傾向にある。このように大型化した制御部を、前述したように開閉機や支持ブラケットに設けようとするときに、組付け性、メンテナンス性等の妨げにならない状態で制御部を取付けることが要求され、このため、制御部を取付けるにあたり、それなりに広いスペースを確保することが要求されるが、このような広いスペースを、巻取りドラムの近傍、特に開閉機の近傍に確保できない場合があり、そこでこのような場合に、前記特許文献2のように制御部を複数に分割し、これらをそれぞれ別箇所に各別に取付けるようにすることが試みられている。
しかしながらこのように制御部を分割型にした場合、複数の制御部が必要になって部品点数が多くなるだけでなく、メンテナンス作業も分散して行わなければならない場合が発生し、作業性を損なうことになる等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、開口部の開閉をするシャッターカーテンと、該シャッターカーテンを巻装する巻取りドラムと、該巻取りドラムの左右両端部を支持する支持ブラケットと、前記巻取りドラムの開閉駆動をする電動式の開閉機と、該開閉機の駆動制御をする制御部とを備えて構成される建築用の電動式シャッター装置において、前記支持ブラケットは、取付け体が延出するようにして設けられ、該取付け体に制御部が取付けられ、開閉機は、左右支持ブラケットのうちの一方に設けられ、取付け体は、開閉機が設けられる側の支持ブラケットに設けられることを特徴とする建築用の電動式シャッター装置である
請求項2の発明は、開閉機は、巻取りドラムに対して前後方向一方に偏倚するようにして支持ブラケットに設けられ、取付け体は、開閉機よりもさらに前後方向一方に偏倚するようにして支持ブラケットに設けられることを特徴とする請求項記載の建築用の電動式シャッター装置である。
請求項の発明は、取付け体は、支持ブラケットに支持される支持部と、該支持部から延出する取付け部とを備えて構成され、前記取付け部に制御部が設けられるものであることを特徴とする請求項1または2記載の建築用の電動式シャッター装置である。
請求項の発明は、取付け体の支持部は板状体であって、該支持部を支持ブラケットに固着することで取付け体が支持ブラケットに支持されることを特徴とする請求項記載の建築用の電動式シャッター装置である。
請求項の発明は、取付け体の支持部はアングル材であって、該支持部を支持ブラケットの上端部に形成のアングル受け部に固着することで取付け体が支持ブラケットに支持されることを特徴とする請求項記載の建築用の電動式シャッター装置である。
請求項の発明は、取付け体の支持部は筒状体であって、該支持部を支持ブラケットに設けた筒受け部に嵌合組込みすることで取付け体が支持ブラケットに支持されることを特徴とする請求項記載の建築用の電動式シャッター装置である。
請求項の発明は、開口部の開閉をするシャッターカーテンと、該シャッターカーテンを巻装する巻取りドラムと、該巻取りドラムの左右両端部を支持する支持ブラケットと、前記巻取りドラムの開閉駆動をする電動式の開閉機と、該開閉機の駆動制御をする制御部とを備えて構成される建築用の電動式シャッター装置において、前記支持ブラケットは、取付け体が延出するようにして設けられ、該取付け体に制御部が取付けられ、取付け体は、板状の支持ブラケットに延出するようにして一体に設けられていることを特徴とする建築用の電動式シャッター装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、制御部の配設部位が、支持ブラケットから延出するよう設けられた取付け体となって専用の制御部配設スペースが延出部位に確保され、この結果、制御部を、大型になったとしても分割することなく、巻取りドラムや開閉機が邪魔にならない状態での取付けができることになる。しかも、取付け体が、開閉機が設けられる側の支持ブラケットに設けられることになる結果、該取付け体に取付けられる制御部が開閉機に近い部位に配されることとなって、例えば、制御部と開閉機とを併せての配線、結線等の電気系統の作業を、これらの組付け時(施工時)、メンテナンス時において近傍でできることになって作業性が向上する。
請求項の発明とすることにより、制御部が、巻取りドラムに対して前後方向一方に偏倚するように設けられる開閉機に対し、さらに前後方向一方に偏倚するよう設けられた取付け体に取付けられることになり、この結果、開閉機と制御部とが前後方向に順序立てられた配設となって施工性、メンテナンス性が向上する。
請求項の発明とすることにより、制御部を取付けるための取付け体が、支持ブラケットに支持するための支持部と、制御部が取付けられる取付け部とを存するものになって構造の簡略化が図れることになる。
請求項の発明とすることにより、取付け体を構成する支持部が単純な板状体で構成され、このものを支持ブラケットに固着するだけで取付け体の支持ブラケットへの取付けができることになって構造の簡略化が図れ、施工性が向上する。
請求項の発明とすることにより、取付け体を構成する支持部が単純なアングル材で構成され、このものを支持ブラケットに形成のアングル受けに固着するだけで取付け体の支持ブラケットへの取付けができることになって構造の簡略化が図れ、施工性が向上する。
請求項の発明とすることにより、取付け体を構成する支持部が単純な筒状体で構成され、このものを支持ブラケットに設けた筒受け部に嵌合組込みするだけで取付け体の支持ブラケットへの取付けができることになって構造の簡略化が図れ、施工性が向上する。
請求項の発明とすることで、取付け体が板状の支持ブラケットから延出された一体物となり、この結果、取付け体を支持ブラケットの構成部材とすることができ、取付け体がありながら、部品点数の増加がないものにできることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】建築用の電動式シャッター装置の全体正面図である。
図2】建築用の電動式シャッター装置の全体側面図である。
図3】建築用の電動式シャッター装置の全体平面図である。
図4】建築用の電動式シャッター装置の要部側面図である。
図5】建築用の電動式シャッター装置の要部正面図である。
図6】(A)(B)(C)は取付け体の正面図、平面図、側面図、(D)は変形例を示す取付け体の正面図である。
図7】第二の実施の形態を示す建築用の電動式シャッター装置の要部側面図である。
図8】(A)(B)は同上要部拡大側面図、正面図である。
図9】(A)(B)(C)は同上取付け体の正面図、平面図、側面図である。
図10】第三の実施の形態を示す建築用の電動式シャッター装置の要部側面図である。
図11】(A)(B)(C)は同上要部の拡大正面図、縦断拡大側面図、縦断拡大正面図である。
図12】(A)(B)(C)は同上取付け体に制御部を取り付けた状態の正面図、平面図、側面図である。
図13】第四の実施の形態を示す建築用の電動式シャッター装置の要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1はビル、マンション等の建築物の出入口等の開口部に建て付けられる建築用の電動式シャッター装置であって、該電動式シャッター装置1は、本実施の形態のものは重量式であるが、開口部の左右両側部に設けられるガイドレール2と、該ガイドレール2に昇降案内されることで開口部の開閉移動をするシャッターカーテン3と、天井板Hの上方空間(天井部空間)Sに配設(内装)されていて、前記シャッターカーテン2が巻装される巻取りドラム4と、該巻取りドラム4の左右各端部を支持する前後方向一端縁部が躯体側の縦壁Wに支持される左右一対の支持ブラケット5、6と、前記巻取りドラム4の開閉駆動をするべくチエン伝動機構7を介して巻取りドラム4側の入力ギア4aと出力軸8aに設けた出力ギア8bとが連動連結される電動式の開閉機8と、該開閉機8の開閉駆動制御をする制御部9とを備えていること等の一般的構成は何れも従来通りである。
【0009】
前記支持ブラケット5、6は四角板形状をし、上下両端縁部には左右方向外方に向けて折曲する折曲片5a、5b、6a、6bがそれぞれ形成されている。また支持ブラケット5、6の後端縁部(本実施の形態では、建築用シャッター装置が建て付けられる躯体縦壁Wを正面視したときに、「前側」を躯体縦壁Wから手前側に離間する側、「後側」を躯体縦壁Wに近接する側として便宜上「前後」の定義をするが、これに限定されるものではない。)には上下方向に長いL字形をしたアングル材5c、6cが熔着等の適宜固定手段によって固定されているが、一方の支持ブラケット(本実施の形態では、前記正面視したときの図1において右側の支持ブラケット)5の左右方向外側面に固着されるアングル材5cの左右方向外方に向いた辺部と、他方の支持ブラケット6の左右方向内側面に固着されたアングル材6cの左右方向内方に向いた辺部とがそれぞれボルト(アンカーボルト)10を介して縦壁Wに固定されており、このようにして左右各支持ブラケット5、6が躯体に取付け支持されている。
【0010】
さらに前記左右の支持ブラケット5、6のうち、一方の支持ブラケット(本実施の形態では、電動式シャッター装置1を正面視したときの図1において右側の支持ブラケット)5は、他方の支持ブラケット6に対して前側に向けて少し長くなるよう延出形成され、該延出部5dに前記開閉機8が取付けられており、このように構成することにより、開閉機8は、巻取りドラム4に対して前方に偏倚する状態で一方の支持ブラケット5に取付けられた構成になっている。
尚、前記一方の支持ブラケット5の上下側折曲片5a、5b間には、巻取りドラム4のドラム軸4bの支持をする補強板5fが設けられている。
【0011】
また、左右の支持ブラケット5、6間には、ガイドレール2の上端部前後両側に位置する状態で前後方向に間隙(隙間、空間(マグサ空間))Mを存する状態で前後(内外)一対のマグサ部を構成するためのマグサ材11、12が設けられているが、本実施の形態のものは該マグサ材11、12に前記天井板Hが設けられた構成になっている。そして巻取りドラム4から繰出されたシャッターカーテン3は、該前後一対のマグサ材11、12間の間隙Mを移動経路として上下方向に移動(通過)するようになっており、シャッターカーテン3が全開した場合に、シャッターカーテン3の最下端に設けられる座板(座板スラット)3aがマグサ材11、12位置に略位置する設定になっている。
因みに、前記マグサ材11、12のうち、間隙Mに対して躯体側(間隙Mの後側)に配される一方のマグサ材11を「外マグサ」、躯体とは反対側(間隙Mの前側)に配される他方のマグサ材12を「内マグサ」と称することがある。
そして前記他方のマグサ材12は、左右方向中間部が上端部が躯体縦壁W側に固定支持されたコ字形の補強材12aによって補強されていると共に、左右支持ブラケット5、6に架け渡されるようにして設けた角パイプ14に連結材15を介して連結されることでさらに補強されている。
【0012】
17は前記制御部9を支持ブラケット5または6に取付けるための取付け体であって、該取付け体17は、本実施の形態では前記一方の支持ブラケット5側に制御部9を取付けるべく一方の支持ブラケット5に取付けられることになるが、板状体を加工することによって一体形成されたものであって、一方の支持ブラケット5に支持される支持部17aと、該支持部17aから前方に延出するようにして設けられる取付け部17bとを備えて構成される。そして取付け部17bは、支持部17aからそのまま前方に延長するようにして形成されたものをさらに下方に垂下した状態で平板状になっており、しかも取付け体17の上端縁部は、支持部17a、取付け部17bを含めて左右方向外方に向けて折曲されることで逆L字形になった上辺部17cを備えて構成されている。
【0013】
そして取付け体17は、支持部17aを一方の支持ブラケット5の左右方向外側面の上端部に当てがい、かつ上辺部17cの支持部17aに対応する部位を、一方の支持ブラケット5の上側折曲片5aに下側から当てがう状態で、該支持部17aを支持ブラケット5に固着する(固着手段としては溶着(熔着)、ボルト等、通常知られた適宜手段を採用することができる。)ことで該一方の支持ブラケット5に取付けられることになるが、このようにして一方の支持ブラケット5に取付けられることで、取付け体17は、支持部17aが一方の支持ブラケット5の延出部5dの上端部位に取付けられ、取付け部17bが延出部5dからさらに前方に延出するようにして配されることになる。この場合に、本実施の形態の取付け部17bは、下端縁が一方の支持ブラケット5の下端縁部にまでは至ることがなく、上下方向中間部位(本実施の形態では略半分)までの垂下長さとなっている。
【0014】
このようにして一方の支持ブラケット5に取付けられた取付け体17には、取付け部17bの左右方向内側面部に当てがわれる状態で制御部9がボルト(固定具)9aを介して取付けられており、このように制御部9が取付けられることで、天井板Hの上方空間Sには、躯体縦壁W側から前方に向けて順に偏倚するようにして、巻取りドラム4、開閉機8、そして制御部9が配設された構成になっている。
因みに本実施の形態では、制御部9は、底板9bをボルト9aを介して取付け部17bに固定する構成になっているが、制御部9の取付け構造としてはこのものに限定されることはなく、例えば制御部9の外周から耳板部(フランジ部、取付け片部等)を延出し、該耳板部を取付け部17bに固定する等、適宜の手段を採用できることは言うまでもない。
【0015】
尚、図中、2aはガイドレール2の上端部に形成されるシャッターカーテン3の呑み込みガイド、16は前記支持ブラケット5、6の大きさ(外形)内に納まる状態で、巻取りドラム4に巻装された最大径のシャッターカーテン3を囲撓するようにして設けられる略半円弧筒形状をしたシャッターケース、18はシャッターカーテン3の左右方向中間部位を案内するべく角パイプ14に支持されるスムーサーローラ、19はシャッターカーテン3の巻取り異常があったことを検知するべく図示しない検知スイッチに設けられる検知バー、23は躯体側縦壁Wと支持ブラケット5、6先端部とのあいだに設けられた補強材である。
【0016】
叙述の如く構成された本実施の形態において、開閉機8の駆動制御をするための制御部9は、開閉機8が取付けられる側である左右方向一方の支持ブラケット5から前方に向けて延出するようにして設けられる取付け体17に取付けられることになり、この結果、制御部9の配設スペースが、天井部上方空間S内において、開閉機8の配設スペースよりも前方であって、取付け体17における取付け部17bの左右方向内側部位に確保できることになって、制御部9を、巻取りドラム4や開閉機8の邪魔にならない状態での配設取付けができることになって、制御部9が大型になったとしても十分な配設スペースの確保ができて分割して設けるような配慮が不要になる。
【0017】
しかもこの場合に、制御部9が取付けられる取付け体17は、開閉機8が設けられる側である一方の支持ブラケット5側に取付けられることになるため、制御部9は、左右方向において開閉機8に近い側に配されることとなって、電気系統のメンテナンスをする際に、制御部9と開閉機8とを併せてのメンテナンス作業を近傍において纏めてできることになって作業性が向上する。
【0018】
そのうえこのものでは、一方の支持ブラケット5側において、巻取りドラム4、開閉機8、そして制御部9がこの順に躯体縦壁Wから前方に偏倚する状態で配されることになって整然とした配置構成を達成することができ、配線を含めた施工性、メンテナンス性が向上する。
しかも取付け体17としては、一方の支持ブラケット5に支持される支持部17aと、該支持部17aから延出する取付け部17bとを備えて構成され、前記取付け部17bに制御部9が設けられるものであるため、制御部9を取付けるため設けられる取付け体17の構造が簡単なものになって加工しやすいものとなる。
【0019】
そして本実施の形態の取付け体17は、一方の支持ブラケット5に取付けるための支持部17a、制御部9を取付けるための取付け部17bが共に板状体で一体形成されているため、取付け体17自体の構造が簡単で単純化されたものになり、しかも支持部17aの一方の支持ブラケット5への取付けが、単純な板状体の取付け固定だけで良いことになって取付けが簡単にでき、構造の簡略化が図れると共に、施工性が向上する。
【0020】
尚、本発明は前記実施の形態のものに限定されないことは勿論であって、取付け部17bとしては、図6(D)に示す変形例のように、一方の支持ブラケット5の下側折曲片5b位置にまで至る上下方向に長いものとし、その下端部を、上側の支持部17aと対称状にして形成した下側の支持部17d、下辺部17eを有するものとし、そして下側支持部17dを一方の支持ブラケット5に支持する構成とすることもでき、このようにすることで強度がアップしたものにできる。
【0021】
また本発明は、取付け体17を、前記一方側ではなく他方側の支持ブラケット6に設けたものとしても実施することができ、この場合に、該他方側の支持ブラケット6には開閉機8が設けられていないため、開閉機8の配設スペースに相当するスペースを利用して取付け体17を取付けるように構成することで、開閉機8と制御部9とは、左右に分割されることにはなるが、前後方向には同じ部位での配置とすることができることになり、この結果、前記実施の形態のように制御部9が開閉機8より前方に延出することがなく、左右共に同程度の延出構造にできるため、電動式シャッター装置1が天井板上方空間S内の配置ではなく、外部から直接視認される外部配置のものである場合に、支持ブラケットを含めて装置全体を左右対称形状にできることになって、開閉機8と制御部9とが同じ左右方向一方側に配されることにより該左右方向一方側が突出した変則形状になることを回避できるという利点がある。
【0022】
さらに本発明は、図7図9に示す第二の実施の形態のもののようにすることもできる。この第二の実施の形態において実施される取付け体20は、上下一対の逆L字形をした前後方向に長いアングル材20dの後側半部を支持部20aとし、該アングル材20dの前側半部の縦片部間に短冊板状の取付け材20eを設ける(本実施の形態では前後一対が設けられている。)ことで、一方の支持ブラケット5に支持するための支持部20aと、該支持部20aから前方に向けて延出していて制御部9を設けるための取付け部20bとを備えたものとして構成されている。
そしてこのように構成された取付け体20は、上下支持部20aの上片部を、一方の支持ブラケット5の上下側折曲片5a、5bに下側から当てがう(当接する)状態で溶着等の固定手段により固定支持されたものであり、このように構成することで、取付け体20は、上下が支持ブラケット5に支持されたものとなってさらに強度的に強いものになっているが、支持部20aを構成するためのアングル材としては上側だけのものであっても本発明を実施することができる。
さらにまた、該第二の実施の形態においては、支持部20aを構成するアングル材に取付け部20bを別途設けた構成にしているが、アングル材の前側半部自体を制御部9の取付け部として利用することができ、このようにした場合には、前記した取付け体20bが不要になる、という利点がある。
【0023】
また本発明は、図10図12に示す第三の実施の形態のようにしても実施することができる。このものは、取付け体21を、前後方向に長い円筒体(中実の棒状体であってもよい。)21dを用いて構成している。
この場合に円筒体21dは、後側半部が支持部21aに、前側半部が取付け部21bとして構成されるが、該支持部21aは、外周が後端側(先端側)ほど細径(先細形状)になるよう設定されている。そして支持部21aを、一方の支持ブラケット5に、逆L字形の補強材5gを介して設けた円筒状の筒受け部5eに嵌合(嵌入)組込みすることで取付け体21が一方の支持ブラケット5に取付けられる構成になっており、このように構成することで、取付け体21の支持ブラケット5への取付けが簡単になるが、支持部21aが先細形状になっているため、筒受け部5eへの嵌合作業が容易になる。
ところでこのものでは、支持部21aを先細形状にして筒受け部5eへの嵌合作業の容易化を図っているが、このような嵌合作業の容易化を達成するためには、逆に、筒受け部5eを、前端側(開口端側)ほど内径が大きい円錐筒形状ものとして実施することができ、さらには支持部21aの外径と筒受け部5eの内径とのあいだに然るべき寸法差を設けたものとして支持部21aが筒受け部5eに遊嵌する構成としてもよい。
さらにこのものにおいて、支持部21aの筒受け部5eからの抜止めを考慮する必要がある場合、筒受け部5eから貫通した支持部21aの先端に、例えば止めピン等の抜止め具21cを設けるよう構成することができ、このような抜け止め対策のさらなる一例として、支持部21aの筒受け部5eに対する嵌合方向を、躯体側ほど低くなるよう傾斜状にすることで抜止め具を用いないでの抜止めができることになる。
【0024】
さらに本発明が実施された取付け体としては、前記各実施の形態のように支持ブラケットとは別部材とし、現場で後付けできるようにしたものではなく、始めから支持ブラケットと一体化したものとしても実施することができる。例えば図13に示す第四の実施の形態の取付け体のように、巻取りドラム4を支持する支持ブラケット22の支持部22aから、開閉機8が取付けられる延出部22bを前方に延出し、さらに該延出部22bから取付け部22dが前方に延出された前後方向に長いものとし、このようにすることで、取付け体を構成する取付け部22dを、支持ブラケット22と一体形成したものとしても実施することができ、このようにすることで制御部用の取付け体を設けたものであっても部品点数の増加を回避できることになる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、建築物の出入り口等の開口部に建て付けられる建築用の電動式シャッター装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 電動式シャッター装置
2 ガイドレール
3 シャッターカーテン
4 巻取りドラム
5 支持ブラケット
5d 延出部
5e 筒受け部
8 開閉機
9 制御部
17 取付け体
17a 支持部
17b 取付け部
20 取付け体
20a 支持部
20b 取付け部
21 取付け体
21a 支持部
21b 取付け部
W 縦壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13