(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】収納装置発注システム及び発注方法
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20220615BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220615BHJP
【FI】
G06T19/00 600
G06Q30/06 340
(21)【出願番号】P 2018101766
(22)【出願日】2018-05-28
【審査請求日】2020-12-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社フルタイムシステムのホームページにおける発明の掲載ページ http://www.fts.co.jp/about/oshirase/detail.php?id=442 平成30年5月1日掲載 http://www.fts.co.jp/lp/okerun/ 平成30年5月1日掲載 株式会社フルタイムロッカーのホームページにおける発明の掲載ページ http://fulltimelocker.co.jp/news/ 平成30年5月1日掲載 グローバルインデックス株式会社のウェブサイト「Dream News」における発明の掲載ページ http://www.dreamnews.jp/press/0000173047/ 平成30年5月1日掲載 株式会社朝日新聞社のウェブサイト「朝日新聞デジタル」における発明の掲載ページ http://www.asahi.com/and_M/information/pressrelease/Cdpress000173047.html 平成30年5月1日掲載 株式会社アスクラストのウェブサイト「月刊スマートハウス」における発明の掲載ページ http://smarthouse-web.jp/2018/05/01/0111688/ 平成30年5月1日掲載 マーケティングパートナー株式会社 Logistics Today運営事務局のウェブサイト「Logistics Today」における発明の掲載ページ https://www.logi-today.com/315688 平成30年5月7日掲載 マンションリサーチ株式会社のウェブサイト「マンション.navi」における発明の掲載ページ https://t23m-navi.jp/news/view/11621 平成30年5月8日掲載 株式会社あいうえおのウェブサイト「マンションニュース」における発明の掲載ページ http://www.mansion-news.info/news_baGvzfAMrm.html 平成30年5月8日掲載 株式会社日本経済新聞社発行の日本経済産業新聞における発明の掲載記事 日本経済産業新聞 第12面 平成30年5月1日掲載 株式会社カーゴ・ジャパン発行のカーゴニュースにおける発明の掲載記事 カーゴニュース(第4666号) 19ページ 平成30年5月10日掲載記事
(73)【特許権者】
【識別番号】300076563
【氏名又は名称】原 周平
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】原 周平
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-136376(JP,A)
【文献】特開2006-244329(JP,A)
【文献】特表2014-535112(JP,A)
【文献】特開2008-128983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納装置の設置
予定場所となる背景を撮影する撮影手段を有する携帯端末と、収納装置のサイズ情報及び画像を格納しているサーバとが、通信網を介して接続されて構成する収納装置発注システムであって、
前記携帯端末は、前記撮影手段によって撮影した背景画像に、前記サーバから取得した前記収納装置の画像を重畳させて表示する表示手段と、
該表示手段によって表示される前記収納装置の画像を操作する操作手段と、
該操作手段の操作によって、前記収納装置の画像を前記設置
予定場所に重畳させて重畳画像を前記表示手段に出力する重畳画像出力手段と、
該重畳画像出力手段により
前記表示手段に出力された前記収納装置の発注を行う発注手段と、を有し、
前記撮影手段は、前記収納装置の設置予定場所となる位置の壁面までの距離と、該設置予定場所の逆方向の壁面までの距離を測定する測定手段を備え、
該測定手段の測定結果から前記収納装置が設置予定場所に設置可能かつ、設置予定場所以外における通路幅の確保及び防火設備の障害にならない位置であるといった条件を満たした場合に、
前記撮影手段によって撮影した背景画像の設置予定場所に対して前記重畳画像出力手段が前記収納装置の画像を重畳させた重畳画像を前記表示手段に出力し、
前記発注手段が該重畳画像に表示される前記収納装置の発注を行うことを特徴とする収納装置発注システム。
【請求項2】
前記操作手段は、前記表示手段によって表示される前記収納装置の画像を移動または回転操作、前記収納装置が備える扉の開閉操作を行うことができることを特徴とする請求項1記載の収納装置発注システム。
【請求項3】
収納装置の設置予定場所となる背景を撮影する撮影手段を有する携帯端末と、
前記収納装置のサイズ情報及び画像を格納しているサーバとが、通信網を介して接続されて構成し、
前記収納装置を発注するための収納装置発注方法であって、
前記携帯端末の撮影手段が備える測定手段によって、前記収納装置の前記設置予定場所となる位置の壁面までの距離と、前記設置予定場所の逆方向の壁面までの距離を測定し、
測定結果から前記収納装置が前記設置予定場所に設置可能かつ、設置予定場所以外における通路幅の確保及び防火設備の障害にならない位置であるといった条件を満たした場合に、
前記撮影手段によって撮影した背景画像の設置予定場所に対して前記サーバから取得した前記収納装置の画像を重畳表示させ、
重畳表示させた前記収納装置を発注することを特徴とする収納装置発注方法。
【請求項4】
前記携帯端末は操作手段と表示手段を備え、前記サーバから取得した前記収納装置の画像を該表示手段に表示し、該操作手段によって前記収納装置の画像を移動または回転操作、前記収納装置が備える扉の開閉操作を行うことができることを特徴とする請求項
3記載の収納装置発注方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置発注システム及び発注方法に関し、特に、収納装置の設置イメージを容易に得ることが可能な収納装置発注システム及び発注方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マンション等の集合住宅の共用部等には、いわゆる宅配ロッカーと称される宅配物の収納装置が設置されることが多くなってきている。
この宅配物の収納装置は、居住者が共用で使用可能な収納ボックスを複数備え、共用の収納ボックスにおいて、宅配便等により集合住宅の居住者宛に配送された配送物を、一時的に預かり、施錠可能に収納することで、居住者は自身が不在の場合であっても、再配達を依頼することなく、スムーズに配送物を受け取ることができるというものである。
【0003】
また、近年の新築マンションには、共用部に宅配物の収納装置の導入が当然となっているものの、収納装置が設置されていない既存の集合住宅や分譲住宅でも不在時に宅配物の受け取りを希望する入居者が増えているおり、これから収納装置の導入を検討しているケースが多くある。
【0004】
さらに、インターネットを利用した通信販売の拡大により宅配物の取扱個数が増加している一方で、宅配物の再配達も増加しており、宅配業者の負担が現在問題になっている。このようなことから自宅以外でも宅配物を受け取ることができるようにと、駅や商業施設等に設置された収納装置で宅配物を受け取るといったサービスが促進されており、様々な公共施設などで収納装置の設置の検討がなされている。
【0005】
通常、収納装置の導入を検討するにあたっては、まず、収納装置を設置する場所を測定し、測定結果に基づいたサイズの収納装置をカタログなど見て選択し導入することが一般的であるが、実際に収納装置を導入してみると、当初想定していた設置イメージと異なったり、収納ボックスの扉が設置場所の構造から完全に開くことができなかったりといった問題も多くある。
【0006】
そこで、家具や家電の配置をシミュレーションすることができる方法についてのものであり、特許文献1に記載されるような物品の配置シミュレーション方法が提案されている。この特許文献1は、携帯端末は撮像部を備え、撮像部から出力された画像を用いて、部屋などの背景画像と、部屋に配置する物が画像である物体画像を生成し、生成した背景画像と物体画像を合成し、シミュレーション画像を表示するとともに、ユーザが設定した範囲に物品を配置することが可能であるか否かの判定結果を通知するものである。
【0007】
上記した発明を利用すれば、設置したい場所に収納装置を設置することができるか否かのシミュレーションをすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、収納装置は、上記したように集合住宅の共用部に設置することが大半であり、また、共用部に設置する場合には、通路幅の確保の必要性、非常扉や排煙口、スプリンクラーなどの防火設備等付近に設置することができないなどの消防法等による規制があるため、これらを考慮して収納装置を設置しなければならず、特許文献1にはこのようなことを考慮する記載がなく、実際に現場に赴かずに収納装置の設置シミュレーションを行うことは困難である。
【0010】
本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであり、収納装置を設置予定の場所に設置可能か否かを判定することができ、設置可能な場合に収納装置を発注することが可能な収納装置発注システム及び発注方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明の収容装置発注システムは、収納装置の設置予定場所となる背景を撮影する撮影手段を有する携帯端末と、収納装置のサイズ情報及び画像を格納しているサーバとが、通信網を介して接続されて構成する収納装置発注システムであって、前記携帯端末は、前記撮影手段によって撮影した背景画像に、前記サーバから取得した前記収納装置の画像を重畳させて表示する表示手段と、該表示手段によって表示される前記収納装置の画像を操作する操作手段と、該操作手段の操作によって、前記収納装置の画像を前記設置予定場所に重畳させて重畳画像を前記表示手段に出力する重畳画像出力手段と、該重畳画像出力手段により前記表示手段に出力された前記収納装置の発注を行う発注手段と、を有し、前記撮影手段は、前記収納装置の設置予定場所となる位置の壁面までの距離と、該設置予定場所の逆方向の壁面までの距離を測定する測定手段を備え、
該測定手段の測定結果から前記収納装置が設置予定場所に設置可能かつ、設置予定場所以外における通路幅の確保及び防火設備の障害にならない位置であるといった条件を満たした場合に、前記撮影手段によって撮影した背景画像の設置予定場所に対して前記重畳画像出力手段が前記収納装置の画像を重畳させた重畳画像を前記表示手段に出力し、前記発注手段が該重畳画像に表示される前記収納装置の発注を行うことを特徴とする。
【0013】
また、前記操作手段は、前記表示手段によって表示される前記収納装置の画像を移動または回転操作、前記収納装置が備える扉の開閉操作を行うことができることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の収納装置発注方法は、収納装置の設置予定場所となる背景を撮影する撮影手段を有する携帯端末と、前記収納装置のサイズ情報及び画像を格納しているサーバとが、通信網を介して接続されて構成し、前記収納装置を発注するための収納装置発注方法であって、前記携帯端末の撮影手段が備える測定手段によって、前記収納装置の前記設置予定場所となる位置の壁面までの距離と、前記設置予定場所の逆方向の壁面までの距離を測定し、測定結果から前記収納装置が前記設置予定場所に設置可能かつ、設置予定場所以外における通路幅の確保及び防火設備の障害にならない位置であるといった条件を満たした場合に、前記撮影手段によって撮影した背景画像の設置予定場所に対して前記サーバから取得した前記収納装置の画像を重畳表示させ、重畳表示させた前記収納装置を発注することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の収納装置発注方法は、前記携帯端末は操作手段と表示手段を備え、前記サーバから取得した前記収納装置の画像を該表示手段に表示し、該操作手段によって前記収納装置の画像を移動または回転操作、前記収納装置が備える扉の開閉操作を行うことができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、収納装置の設置を検討するにあたって、撮影した設置場所の背景に収納装置の画像を重畳させることで設置可能か否かの判定を容易にすることが可能となる。
また、設置場所と逆方向の壁面までの距離を測定することにより、収納装置を設置した場合における通路幅の確保ができているか、防火設備の障害になっていないかなどの確認も容易に行うことができ、これらをふまえた上で収納装置の発注をその場で行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】収納装置の発注システムの構成を示した図である。
【
図4】管理サーバに登録したユーザ情報を示した表である。
【
図5】収納装置のサイズ情報及び画像情報を示した表である。
【
図7】ユーザ情報の登録を示したフローチャートである。
【
図8】収納装置の発注方法の流れを示したフローチャートであり、
【
図9】携帯端末による収納装置の設置予定場所を撮影した図であり、
【
図10】携帯端末による設置予定場所と対向する位置を撮影した図であり、
【
図11】携帯端末の表示部に表示される収納装置の3D画像一覧を示した図であり、
【
図12】収納装置の3D画像を移動または回転させたりする状態を示した図であり、
【
図13】収納装置の3D画像を設置予定場所に設置した状態を示した図であり、
【
図14】発注情報を入力するための画像を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、図面を参照して、本実施形態に係る収納装置の発注システム及び発注方法について説明する。
図1は、収納装置の発注システムの構成を示した図であり、
図2は、携帯端末の構成を示した図であり、
図3は、管理サーバの構成を示した図であり、
図4は、管理サーバに登録したユーザ情報を示した表であり、
図5は、収納装置のサイズ情報及び画像情報を示した表であり、
図6は、発注情報を示した表である。
【0020】
図1に示すように、収納装置の発注システムは複数の携帯端末10と、管理サーバ20とがインターネット1を介して接続されている。携帯端末10は、携帯電話機やスマートフォン、PHS、PDA、タブレット型PC、ノート型PC等の移動可能な通信端末である。
図2に示すように、携帯端末10は、操作部11と、表示部12と、記憶部13と、撮影部14と、制御部15と、通信部16とから構成されている。
【0021】
操作部11は、キー操作部やタッチパネルで構成される入力装置であり、ユーザは、この操作部11を操作して指示やデータ等の入力を行う。表示部12は、画像や文字を出力する液晶ディスプレイ等で構成されており、操作部11と一体した構成でもよい。記憶部13は、各種情報を格納する装置でありメモリやハードディスク等で構成されている。
【0022】
撮影部14は、例えばカメラなどで構成されており、撮像した画像を表示部12に出力する装置である。制御部15は、CPUなどの処理装置で構成され、操作部11からの入力や記憶部13に格納されているプログラムに応じて携帯端末10全体を制御する。また、制御部15は、距離測定部15aを有している。
【0023】
距離測定部15aは、オートフォーカスセンサーを用いて、撮影位置から撮影部14により撮影する被写体までの距離を測定するものである。なお、距離の取得方法について、例えば、撮影部14に2つのカメラを備えることによって、あるいは撮影位置の異なる複数の画像を取得することにより、三角測量の原理を利用して距離を測定するようにしてもよく、また、超音波センサや赤外線センサを利用して距離を測定するようにしてもよい。
【0024】
また、距離測定部15aは、上記した技術を利用することにより、撮影部14によって撮影された背景画像の任意の箇所のサイズ(幅・奥行・高さ)を測定することも可能である。例えば、収納装置の配置を意図した床及び壁の幅や奥行、高さを測定することで所望する収納装置を配置することができるか否かの判断を行うことが可能となる。通信部16は、管理サーバ20と情報の送受信を行う。
【0025】
管理サーバ20は、
図3に示すように、制御部21と、通信部22と、情報処理部23と、記憶部24とから構成されている。制御部21は、CPUなどで管理サーバ20全体を制御するものであり、通信部22は、ネットワーク1を介して携帯端末10と情報の送受信を行うものである。情報処理部23は、携帯端末から受信した情報を記憶部24に格納したり、携帯端末10から要求された情報を携帯端末10に送信したりする。
【0026】
記憶部24は、ユーザ情報を格納するためのユーザ情報データベース24aと、収納装置のサイズ情報や画像情報を格納するための収納装置データベース24bと、収納装置の発注情報を格納するための発注情報データベース24cと、アプリケーションデータベース24dといった各情報を格納するための複数のデータベースを有している。
【0027】
ユーザ情報データベース24aは、ユーザの氏名や住所などといったユーザ情報を格納しており、このユーザ情報は、
図4に示すように、ユーザごとのユーザID、氏名、住所、電話番号といった情報から構成されている。このユーザ情報は、予め管理サーバ20から携帯端末10へ送信される登録フォーム(図示せず)にユーザが携帯端末10を操作して必要事項を入力し、管理サーバ20へ送信することでユーザ情報がこのデータベース24aに格納される。
【0028】
収納装置データベース24bは、複数の収納装置のサイズ情報及び画像情報が格納されている。
図5に示すように、収納装置ごとの3D画像、タイプ名、ボックス構成、サイズの情報が格納されている。
【0029】
この収納装置は、例えば、居住者宛ての配送物を収納し、施錠可能に構成されるものであり、配送物を配送宛に届けるまで一時預け入れる宅配用の収納装置として機能するものである。本実施形態では、収納装置は、一例として集合住宅の共用部に設置されるものであるが、マンション等の集合住宅の他、オフィス、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗や商業施設、又は駅や病院等の公共施設・期間等に設置されてもよく、設置場所はこれらに限定されるものではない。
【0030】
発注情報データベース24cは、顧客からの発注情報を格納しており、
図6に示すように、発注情報は、発注者のユーザID、氏名、ロッカーの設置場所、選択したロッカー、扉の開く方向、設置予定日等から構成されている。
【0031】
アプリケーションデータベース24dは、携帯端末10からの要求に応じて提供するアプリケーションを格納している。このアプリケーションは、携帯端末10で撮影した背景画像に上記した収納装置の3D画像を重畳させる機能を有している。
【0032】
次に、収納装置の発注システム及び発注方法の動作について説明する。
<ユーザ情報の登録及びアプリケーションの取得>
図7は、ユーザ情報の登録を示したフローチャートである。
ユーザは、収納装置を発注する前に管理サーバ20にユーザ情報を登録する必要がある。そこで、ユーザは携帯端末10を操作して管理サーバ20にユーザ情報が登録されているかを確認する(ステップS1)。登録されている場合には(ステップS1/YES)、次に、管理サーバ20からアプリケーションを取得する(ステップS3)。
【0033】
また、管理サーバ20にユーザ情報を登録していない場合(ステップS1/NO)、ユーザは、携帯端末10を操作して管理サーバ20に登録フォーム(図示せず)を要求し、携帯端末10を操作して登録フォームに必要事項を入力し、管理サーバ20へ送信することでユーザ情報を管理サーバ20に登録することができる(ステップS2)。そして、上記と同様に、管理サーバ20からアプリケーションを取得する(ステップS3)。
【0034】
<発注方法について>
次に、収納装置の発注方法について説明する。
図8は、収納装置の発注方法の流れを示したフローチャートであり、
図9は、携帯端末による収納装置の設置予定場所を撮影した図であり、
図10は、携帯端末による設置予定場所と対向する位置を撮影した図であり、
図11は、携帯端末の表示部に表示される収納装置の3D画像一覧を示した図であり、
図12は、収納装置の3D画像を移動または回転させたりする状態を示した図であり、
図13は、収納装置の3D画像を設置予定場所に設置した状態を示した図であり、
図14は、発注情報を入力するための画像を示した図である。
【0035】
図8に示すように、まず、ユーザは、携帯端末10を操作して管理サーバ20から取得した制御部10によって記憶部13に格納されているアプリケーションを呼び出して起動させる(ステップS10)。アプリケーションが起動すると、次に、制御部によって撮影部14が起動する(ステップS11)。そして、
図9に示すように、ユーザは、撮影部14が起動した状態の携帯端末10を収納装置100の設置予定場所の方向に向けて撮影する(ステップS12)。
【0036】
設置予定場所を撮影する場合に、例えば、ユーザは設置予定場所の壁面から2~3m離れて設置予定場所の床面と天井が同時に撮影できる位置に立つ必要がある。
なお、建築基準法によると、収納装置を集合住宅の共用部や廊下、商業施設などの通路に設置する場合に、通路幅を1.2m以上確保する必要があるほか、さらに、消防法においては、排煙口を塞ぐ位置やスプリンクラーの下部に設置することは禁止されている。
【0037】
従って、設置予定場所がこのような条件を満たす位置にあるかどうかの確認をする必要がある。
そこで、ユーザは、まず、上記したように、設置予定場所の床面及び天井が撮影できる位置(例えば、2~3m)まで壁面から離れて立ち、撮影を行う。このとき、携帯端末10が備える距離測定部15aによって壁面からユーザの立ち位置までの距離を測定することで撮影位置を決めてもよい。
【0038】
次に、ユーザは、撮影位置から反転し、反転した方向の壁面または設置物等までの距離を測定する(ステップS13)。測定する方法としては、携帯端末10の表示部12に表示された「距離を測定」ボタン12bを押下(タップ又はクリック)することで、携帯端末10が備える距離測定部15aによってユーザの立ち位置から壁面または設置物等までの距離を測定するとともに、表示部12に壁面または設置物までの距離を表示する(
図10)。
【0039】
このようにして、収納装置100の設置予定場所が上記の条件を満たす位置にあるか否かを確認することが可能となる。
【0040】
そして、携帯端末10の表示部12には、撮影部14によって撮影された設置予定場所の背景が表示されるとともに、表示部12の右上には「画像を表示」のボタンが表示される。
ユーザは、この「画像を表示」のボタン12aを押下(タップ又はクリック)すると、表示部12に表示される画面が収納装置100の3D画像一覧の画面に遷移する。
【0041】
表示部12には、収納装置100の3D画像一覧(Aタイプ~Dタイプ)が表示される(
図11)。ユーザは、この中から所望の収納装置100の3D画像を選択することができる。また、例えば、3D画像を押下するなどして収納装置100の規格(サイズなど)を見ることも可能である。
【0042】
そして、ユーザは、表示部12に表示された収納装置100の3D画像一覧(Aタイプ~Dタイプ)から所望の3D画像を選択する(ステップS14)。図示するように、ユーザによってAタイプの収納装置が選択されると、再び、表示部12には撮影部14によって撮影される背景の表示に切り替わるとともに、ユーザによって選択された収納装置100(Aタイプ)の3D画像が重畳して表示される。
【0043】
ユーザは、
図12に示すように、収納装置100の3D画像を表示部12内で移動させることができ、設置予定場所まで3D画像を移動させる(ステップS15)。この3D画像は移動させることができるほか、回転させたり、収納装置100の扉を開閉させたりすることが可能である。このため、ユーザは、3D画像を設置予定場所まで移動させ、回転させたり扉を開閉させたりすることで設置イメージをつかむことが容易となる。また、例えば、設置予定場所の壁面の色に合わせて収納装置100の色を変更できるようにしてもよい。
【0044】
次に、収納装置100の設置場所及び収納装置100を設置する向きが決定したら、ユーザは操作部11を操作して背景画像と収納装置100の3D画像が重畳した重畳画像を撮影する(ステップS16)。
【0045】
重畳画像を撮影すると、次に、収納装置100の発注処理を行う。
発注処理では、
図14に示すように表示部12に発注情報を入力する。
発注情報としては、収納装置100を設置する物件名、物件の郵便番号及び住所、選択した収納装置のタイプ、収納装置の扉の開閉方向、収納装置の価格、発注者名、収納装置100の設置予定日、設置画像である。
【0046】
ユーザは、それぞれの項目を入力する(ステップS17)。入力する際に、携帯端末10が有する位置情報取得手段(図示せず)による位置情報から郵便場号や住所を自動的に入力するようにしてもよい。
【0047】
また、設置画像については、上記の撮影した重畳画像がこの欄に自動的に反映され表示される。
【0048】
発注情報を全て入力した後、ユーザは、携帯端末10を操作して発注情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS18)。管理サーバ20は、受信した発注情報を情報処理部23によって発注情報データベース24cに格納する。そして、発注情報に基づき納品処理を行う。
【0049】
以上のことから、本実施形態における収納装置の発注システム及び発注方法では、収納装置の設置予定場所の背景を撮影し、撮影した背景画像に収納装置の3D画像を重畳させることで、設置予定場所に収納装置を設置することが可能か否かを判定することが容易にできる。また、収納装置を設置する際に、通路幅の確保することや防火設備の障害にならないかを確認することが可能である。
そして、設置予定場所に収納装置を設置することが決定した場合に、その場で収納装置の発注を行うことができる。
【0050】
これにより、従来行っていた設置場所をメジャーなどで設置範囲を測定して、設置できる収納装置を決定する行為と比べて、容易にかつ正確に収納装置の設置を決定することができる。また、例えば、収納装置の販売業者は、マンションのオーナーなどへ理解しやすいプレゼンテーションを行うことができるほか、迅速な営業活動を行うことも可能となる。
【符号の説明】
【0051】
1 ネットワーク
10 携帯端末
11 操作部
12 表示部
13、24 記憶部
14 撮影部
15、21 制御部
15a 距離測定部
16、22 通信部
20 管理サーバ
23 情報処理部
24a ユーザ情報データベース
24b 収納装置データベース
24c 発注情報データベース
24d アプリケーションデータベース