(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20220615BHJP
E06B 9/74 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
E06B9/17 W
E06B9/74 Z
(21)【出願番号】P 2018122376
(22)【出願日】2018-06-27
【審査請求日】2021-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】福田 大悟
【審査官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-81494(JP,A)
【文献】実開昭54-166760(JP,U)
【文献】特開2017-25583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00
9/02
9/06- 9/18
9/40- 9/50
9/56- 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部の開閉を行う開閉体を収納するための収納手段と、
前記収納手段に収納された開閉機であって、前記開閉体の巻き取り又は巻き出しを行う開閉機と、
前記開閉機によって前記開閉体の開閉制御を行う制御手段と、
を備えた開閉装置であって、
前記収納手段に形成された点検孔であって、前記開閉機の点検を行うための点検孔と、
前記収納手段に収容された遮断手段であって、前記制御手段に対する電力供給を遮断するための遮断手段と、
前記収納手段に収容され、且つ前記開閉機に対して直接接続された取付手段であって、前記遮断手段を当該取付手段に取り付けることにより、前記遮断手段を前記開閉機の近傍に設置するための取付手段と、
を備え、
前記取付手段及び前記遮断手段を、前記開閉機を構成する開閉機本体の端部のうち前記開閉機の開放操作又は閉鎖操作を手動で行うための第1手動操作手段が取り付けられる側の取付端部の近傍に配置し、
前記取付手段及び前記遮断手段を、前記第1手動操作手段の操作が阻害されないように構成し、
前記取付手段又は前記遮断手段の少なくとも一部が前記開閉機本体の取付端部よりも前記第1手動操作手段側に突出しないように、前記取付手段及び前記遮断手段を構成した、
開閉装置。
【請求項2】
建物の開口部の開閉を行う開閉体を収納するための収納手段と、
前記収納手段に収納された開閉機であって、前記開閉体の巻き取り又は巻き出しを行う開閉機と、
前記開閉機によって前記開閉体の開閉制御を行う制御手段と、
を備えた開閉装置であって、
前記収納手段に形成された点検孔であって、前記開閉機の点検を行うための点検孔と、
前記収納手段に収容された遮断手段であって、前記制御手段に対する電力供給を遮断するための遮断手段と、
前記収納手段に収容され、且つ前記開閉機に対して直接接続された取付手段であって、前記遮断手段を当該取付手段に取り付けることにより、前記遮断手段を前記開閉機の近傍に設置するための取付手段と、を備え、
前記取付手段及び前記遮断手段を、前記開閉機を構成する開閉機本体の端部のうち前記開閉機の開放操作又は閉鎖操作を手動で行うための第1手動操作手段が取り付けられる側の取付端部の近傍に
配置し、
前記取付手段に、前記開閉機本体の取付端部に取り付けられる第2手動操作手段であって、前記開閉機のブレーキ部の解放操作を手動で行うための第2手動操作手段を挿通させるための切欠部を設けた、
開閉装置。
【請求項3】
前記取付手段及び前記遮断手段を、前記第1手動操作手段の操作が阻害されないように構成した、
請求項2に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記取付手段及び前記遮断手段の少なくとも一部が前記開閉機よりも前記収納手段における前記開閉体の出し入れ側の側部である出し入れ側部側とは反対側に位置するように、前記取付手段及び前記遮断手段を構成した、
請求項1又は3に記載の開閉装置。
【請求項5】
前記第1手動操作手段は、前記開閉機を構成する回転軸を回動操作することが可能な操作ハンドルである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の開閉装置。
【請求項6】
前記取付手段を、前記開閉機に対して着脱自在に接続した、
請求項1から5のいずれか一項に記載の開閉装置。
【請求項7】
前記取付手段は、
前記遮断手段を収容するための収容空間と、
前記収容空間に隣接した作業空間であって、前記遮断手段の結線作業を行うための作業空間と、を備えた、
請求項1から6のいずれか一項に記載の開閉装置。
【請求項8】
前記取付手段は、前記遮断手段の少なくとも一部を覆うように設けられたカバー手段であって、前記遮断手段に水がかかることを防止するためのカバー手段を備えた、
請求項1から7のいずれか一項に記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の壁の開口部に設けられるシャッター装置であって、操作スイッチを介して所定操作が受け付けられると、開閉機の駆動によってシャッターカーテンを開閉させる電動式のシャッター装置が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。このようなシャッター装置は、開閉機の駆動制御を行うための制御盤と、制御盤に対する電力供給を遮断するための遮断器とを備えており、これら制御盤及び遮断器は、シャッターカーテンを収容する収納部の内部に収容される。特に、遮断器は、設置性の観点から、収納部を構成するブラケットのうち開閉機側に位置するブラケットの上方部分に設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来の技術においては、上述したように、遮断器が収納部の内部において開閉機側に位置するブラケットの上方部分に設置されるので、遮断器の操作作業又は結線作業を行う際に、収納部の下方部分に形成された点検孔等の開口を介して作業を行うことが難しくなる。このため、例えば、収納部の一部(一例として、収納部を構成する正面側のプレート等)を取り外す作業等を行う必要が生じることから、これら操作作業又は結線作業を効率的に行うことが困難になる可能性があった。以上のことから、上記シャッター装置の如き開閉装置の使用におけるユーザの利便性の観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためのものであって、開閉装置の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能となる、開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の開閉装置は、建物の開口部の開閉を行う開閉体を収納するための収納手段と、前記収納手段に収納された開閉機であって、前記開閉体の巻き取り又は巻き出しを行う開閉機と、前記開閉機によって前記開閉体の開閉制御を行う制御手段と、を備えた開閉装置であって、前記収納手段に形成された点検孔であって、前記開閉機の点検を行うための点検孔と、前記収納手段に収容された遮断手段であって、前記制御手段に対する電力供給を遮断するための遮断手段と、前記収納手段に収容され、且つ前記開閉機に対して直接接続された取付手段であって、前記遮断手段を当該取付手段に取り付けることにより、前記遮断手段を前記開閉機の近傍に設置するための取付手段と、を備え、前記取付手段及び前記遮断手段を、前記開閉機を構成する開閉機本体の端部のうち前記開閉機の開放操作又は閉鎖操作を手動で行うための第1手動操作手段が取り付けられる側の取付端部の近傍に配置し、前記取付手段及び前記遮断手段を、前記第1手動操作手段の操作が阻害されないように構成し、前記取付手段又は前記遮断手段の少なくとも一部が前記開閉機本体の取付端部よりも前記第1手動操作手段側に突出しないように、前記取付手段及び前記遮断手段を構成した。
【0007】
請求項2に記載の開閉装置は、建物の開口部の開閉を行う開閉体を収納するための収納手段と、前記収納手段に収納された開閉機であって、前記開閉体の巻き取り又は巻き出しを行う開閉機と、前記開閉機によって前記開閉体の開閉制御を行う制御手段と、を備えた開閉装置であって、前記収納手段に形成された点検孔であって、前記開閉機の点検を行うための点検孔と、前記収納手段に収容された遮断手段であって、前記制御手段に対する電力供給を遮断するための遮断手段と、前記収納手段に収容され、且つ前記開閉機に対して直接接続された取付手段であって、前記遮断手段を当該取付手段に取り付けることにより、前記遮断手段を前記開閉機の近傍に設置するための取付手段と、を備え、前記取付手段及び前記遮断手段を、前記開閉機を構成する開閉機本体の端部のうち前記開閉機の開放操作又は閉鎖操作を手動で行うための第1手動操作手段が取り付けられる側の取付端部の近傍に配置し、前記取付手段に、前記開閉機本体の取付端部に取り付けられる第2手動操作手段であって、前記開閉機のブレーキ部の解放操作を手動で行うための第2手動操作手段を挿通させるための切欠部を設けた。
【0008】
請求項3に記載の開閉装置は、請求項2に記載の開閉装置において、前記取付手段及び前記遮断手段を、前記第1手動操作手段の操作が阻害されないように構成した。
【0009】
請求項4に記載の開閉装置は、請求項1又は3に記載の開閉装置において、前記取付手段及び前記遮断手段の少なくとも一部が前記開閉機よりも前記収納手段における前記開閉体の出し入れ側の側部である出し入れ側部側とは反対側に位置するように、前記取付手段及び前記遮断手段を構成した。
【0010】
請求項5に記載の開閉装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載の開閉装置において、前記第1手動操作手段は、前記開閉機を構成する回転軸を回動操作することが可能な操作ハンドルである。
【0011】
請求項6に記載の開閉装置は、請求項1から5のいずれか一項に記載の開閉装置において、前記取付手段を、前記開閉機に対して着脱自在に接続した。
【0012】
請求項7に記載の開閉装置は、請求項1から6のいずれか一項に記載の開閉装置において、前記取付手段は、前記遮断手段を収容するための収容空間と、前記収容空間に隣接した作業空間であって、前記遮断手段の結線作業を行うための作業空間と、を備えた。
【0013】
請求項8に記載の開閉装置は、請求項1から7のいずれか一項に記載の開閉装置において、前記取付手段は、前記遮断手段の少なくとも一部を覆うように設けられたカバー手段であって、前記遮断手段に水がかかることを防止するためのカバー手段を備えた。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の開閉装置によれば、収納手段に収容され、且つ開閉機に対して直接接続された取付手段であって、遮断手段を当該取付手段に取り付けることにより、遮断手段を開閉機の近傍に設置するための取付手段を備えたので、従来技術(遮断器を収納部のブラケットの上方部分に設置する技術)に比べて、遮断手段を開閉機の近傍に設置することができ、点検孔を介して遮断手段の操作作業や結線作業等を効率的に行うことができ、開閉装置の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。また、収納手段に収容される部品のうち開閉機以外の他の部品に取付手段を取り付ける場合に比べて、開閉機の近傍に設置しながら取付手段のコンパクト化を図りやすくなることから、取付手段の設置性を向上できる。
また、取付手段及び遮断手段を開閉機本体の取付端部の近傍に配置したので、取付手段及び遮断手段を開閉機本体の取付端部の近傍以外の位置に配置した場合に比べて、取付手段及び遮断手段の設置スペースを比較的確保しやすいことから、取付手段及び遮断手段の設置性を向上できる。また、例えば、第1手動操作手段又は遮断手段のいずれか一方の操作作業を行った後に第1手動操作手段又は遮断手段のいずれか他方の操作作業を行うことをスムーズに行うことができ、開閉装置の使用におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能になる。
また、取付手段及び遮断手段を第1手動操作手段の操作が阻害されないように構成したので、取付手段又は遮断手段によって第1手動操作手段の操作が阻害されることを回避でき、第1手動操作手段の操作性を維持できる。
また、取付手段又は遮断手段の少なくとも一部が開閉機本体の取付端部よりも第1手動操作手段側に突出しないように、取付手段及び遮断手段を構成したので、取付手段及び遮断手段が開閉機本体の取付端部よりも第1手動操作手段側に突出させる場合に比べて、取付手段又は遮断手段によって第1手動操作手段の操作が阻害されることを回避でき、第1手動操作手段の操作性を一層維持できる。
【0017】
請求項2に記載の開閉装置によれば、収納手段に収容され、且つ開閉機に対して直接接続された取付手段であって、遮断手段を当該取付手段に取り付けることにより、遮断手段を開閉機の近傍に設置するための取付手段を備えたので、従来技術(遮断器を収納部のブラケットの上方部分に設置する技術)に比べて、遮断手段を開閉機の近傍に設置することができ、点検孔を介して遮断手段の操作作業や結線作業等を効率的に行うことができ、開閉装置の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。また、収納手段に収容される部品のうち開閉機以外の他の部品に取付手段を取り付ける場合に比べて、開閉機の近傍に設置しながら取付手段のコンパクト化を図りやすくなることから、取付手段の設置性を向上できる。
また、取付手段及び遮断手段を開閉機本体の取付端部の近傍に配置したので、取付手段及び遮断手段を開閉機本体の取付端部の近傍以外の位置に配置した場合に比べて、取付手段及び遮断手段の設置スペースを比較的確保しやすいことから、取付手段及び遮断手段の設置性を向上できる。また、例えば、第1手動操作手段又は遮断手段のいずれか一方の操作作業を行った後に第1手動操作手段又は遮断手段のいずれか他方の操作作業を行うことをスムーズに行うことができ、開閉装置の使用におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能になる。
また、取付手段に切欠部を設けたので、切欠部を介して第2手動操作手段を挿通させることで第2手動操作手段を取付手段よりも外側に露出させることができる。よって、取付手段を取り外すことなく第2手動操作手段の操作を行うことができ、第2手動操作手段の操作性を維持できる。
【0018】
請求項3に記載の開閉装置によれば、取付手段及び遮断手段を第1手動操作手段の操作が阻害されないように構成したので、取付手段又は遮断手段によって第1手動操作手段の操作が阻害されることを回避でき、第1手動操作手段の操作性を維持できる。
【0019】
請求項4に記載の開閉装置によれば、取付手段及び遮断手段の少なくとも一部が開閉機よりも収納手段の出し入れ側部側とは反対側に位置するように、取付手段及び遮断手段を構成したので、遮断手段が開閉機よりも収納手段の出し入れ側部に位置する場合に比べて、取付手段又は遮断手段によって第1手動操作手段の操作が阻害されることを回避しながら、取付手段及び遮断手段の設置スペースを確保でき、第1手動操作手段の操作性を維持しながら、取付手段及び遮断手段の設置性を向上できる。
【0020】
請求項5に記載の開閉装置によれば、第1手動操作手段が、開閉機を構成する回転軸を回動操作することが可能な操作ハンドルであるので、取付手段又は遮断手段によって操作ハンドルの回動操作が阻害されることを回避でき、操作ハンドルの操作性を維持できる。
【0021】
請求項6に記載の開閉装置によれば、取付手段を開閉機に対して着脱自在に接続したので、取付手段を開閉機に対して容易に着脱できる。よって、例えば取付手段を開閉機から取り外した後に遮断手段の操作作業又は結線作業等を行うことができ、これら操作作業又は結線作業等を正確に行うことができる。
【0022】
請求項7に記載の開閉装置によれば、取付手段が、収容空間と、収容空間に隣接した作業空間とを備えたので、取付手段に遮断手段を収容した状態で遮断手段の結線作業を行うことができ、当該結線作業を効率的に行うことができる。
【0023】
請求項8に記載の開閉装置によれば、取付手段が、遮断手段の少なくとも一部を覆うように設けられたカバー手段を備えたので、遮断手段に水がかかることを防止することができ、遮断手段による漏電の発生を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施の形態に係る開閉装置の正面図である(一部図示省略)。
【
図2】
図1のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。
【
図3】
図1のB-B矢視断面図である(一部図示省略)。
【
図4】開閉機、制御ユニット、及び取付部を取り付けた状態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図である。
【
図5】取付部を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図である。
【
図6】開閉機の変形例を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図7】開閉機の変形例を示す図であって、
図4に対応する領域を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図である。
【
図8】取付部の変形例を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る開閉装置の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0028】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、建物の開口部の開閉を行う開閉体を収納するための収納手段と、収納手段に収納された開閉機であって、開閉体の巻き取り又は巻き出しを行う開閉機と、開閉機によって開閉体の開閉制御を行う制御手段と、を備えた開閉装置に関するものである。
【0029】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、床、天井等)において出入口や窓を設置するために形成された開口部である。また、「開閉装置」とは、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、軽量シャッター等を電動駆動可能な全ての形式のシャッター装置を含む概念である。また、開閉装置の開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。また「開閉体の状態」とは、例えば、開閉体によって開口部を全閉した「全閉状態」と、開閉体によって開口部を全開した「全開状態」と、開口部の一部を開いて当該開口部の他の一部を閉じている「半開状態」とを含む概念である。以下、実施の形態では、開閉装置が、戸建て住宅の如き建物のガレージの入出口に設けられた上下開閉式の軽量電動シャッターである場合について説明する。
【0030】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0031】
(構成)
最初に、実施の形態に係る開閉装置の構成について説明する。以下の説明では、
図1のX方向を開閉装置の左右方向(-X方向を開閉装置の左方向、+X方向を開閉装置の右方向)、
図2のY方向を開閉装置の前後方向(+Y方向を開閉装置の前方向(建物の屋外側の方向)、-Y方向を開閉装置の後方向(建物の屋内側の方向))、
図1のZ方向を開閉装置の上下方向(+Z方向を開閉装置の上方向、-Z方向を開閉装置の下方向)と称する。
【0032】
開閉装置1は、
図1、
図2に示すように、概略的に、収納部10、ガイドレール20、開閉体30、巻取軸40、駆動側軸受部41、従動側軸受部(図示省略)、開閉機50、操作部(図示省略)、遮断器60、及び制御ユニット70を備えて構成されている。ただし、開閉装置1に関する特記しない構成については、従来と同様であるものとして説明を省略する。なお、開閉装置1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)、溶接、接着剤、両面テープ等によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。
【0033】
また、この開閉装置1を構成する各装置の接続形態については、具体的には、制御ユニット70は、開閉機50、操作部、及び遮断器60の各々と図示しない配線を介して電気的に接続されている。これにより、制御ユニット70と、開閉機50、操作部、又は遮断器60との相互間で通信又は電力供給を直接的又は間接的に行うことができる。
【0034】
(構成-収納部)
図1に戻り、収納部10は、開閉装置1の各部を収納するための中空体である。この収納部10は、鋼製の中空体であり、
図1、
図2に示すように、建物の壁における開口部2の上端部よりも上方に設置されている。また、この収納部10の内部には、巻取軸40、開閉機50、遮断器60、及び制御ユニット70が収容されていると共に、巻取軸40にて開閉体30が巻上げられた状態では、開閉体30の少なくとも一部も、収納部10の内部に収容される。
【0035】
また、
図2に示すように、後述する収納部10の下側ケース板16には、開閉体30を中心とする建物の屋外側と建物の屋内側にそれぞれまぐさ(図示省略)が固定されている。そして、これらまぐさの相互間には、まぐさ開口10aが、開口部2の左右方向全長にわたって形成されていることで、このまぐさ開口10aを介して開閉体30の出し入れが行われる。なお、収納部10の構成の詳細については後述する。
【0036】
(構成-ガイドレール)
図1に戻り、ガイドレール20は、開閉体30を開口部2の開閉方向(上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール20は、例えば横断面形状が略コ字状となるように形成された長尺体であり、
図1に示すように、開閉装置1の左右の各端部において、上下方向に略沿う方向で配置されており、建物の壁に対して直接的に固定されており、又は下地材(図示省略)を介して間接的に固定されている。
【0037】
(構成-開閉体)
開閉体30は、開口部2の開閉を行うものであり、具体的には、巻取軸40の回転駆動によって閉鎖移動又は開放移動されることで、開閉体30の状態を全開状態、全閉状態、あるいは、半開状態にすることができる。この開閉体30は、例えば公知のシャッターカーテンを用いて構成されている。具体的には、
図1、
図2に示すように、複数のスラット31を備えて構成されており、各スラット31の上下の両端部に形成された嵌合部32を介して複数のスラット31が相互に嵌合接続されている。また、この開閉体30の左右方向の両端部の各々は、ガイドレール20のコ字状の開放端部を介してガイドレール20の内部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール20の内部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール20の外部に脱落しないように規制されている。また、この開閉体30の下端部には、座板33が接続されている。この座板33は、全閉状態において建物の床面と近接し、又は接触するように配置されたものであり、開閉体30の下端部の左右方向全長にわたって形成されている。
【0038】
(構成-巻取軸)
図1に戻り、巻取軸40は、開閉体30を開閉移動させるためのものである(なお、
図2では、巻取軸40の最大巻き径Mを図示している)。この巻取軸40は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、左右方向に沿って設置されている。また、この巻取軸40にはシャッターカーテンの上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸40を回転させることで、連結スラットを介して開閉体30を開閉移動させることができる。
【0039】
また、
図1に示すように、この巻取軸40には、駆動側フランジ部(図示省略)、及び従動側シャフト部40aが設けられている。このうち、駆動側フランジ部は、巻取軸40と駆動側軸受部41とを接続するための接続手段であり、略円柱状体にて形成されており、当該駆動側フランジ部の軸方向が左右方向に沿うように配置され、駆動側軸受部41(具体的には、後述する駆動側軸受部本体)に対して固定具等によって接続されている。従動側シャフト部40aは、巻取軸40と従動側軸受部とを接続するための接続手段であり、長尺な棒状体にて形成されており、従動側シャフト部40aの軸方向が左右方向に沿うように配置され、従動側軸受部に対して回転可能に挿入されている。
【0040】
(構成-駆動側軸受部)
駆動側軸受部41は、巻取軸40を回転可能に支持するための軸受部であり、
図2に示すように、駆動側軸受部本体(図示省略)及び巻取軸側スプロケット42を備えている。
【0041】
このうち、駆動側軸受部本体は、駆動側軸受部41の基本構造体であり、例えば公知の駆動軸等を用いて構成されており、駆動側フランジ部に対して固定具等によって接続されていると共に、後述する駆動側軸受板11に対して嵌合構造等によって回転可能に固定されている。また、巻取軸側スプロケット42は、開閉機50からの回転駆動力を伝達部材43(例えば、環状のローラチェーン等)を介して駆動側軸受部本体に伝達するためのものである。この巻取軸側スプロケット42は、例えば公知のスプロケット等を用いて構成されており、
図2に示すように、駆動側軸受部本体における巻取軸40側の端部とは反対側の端部(具体的には、駆動側軸受部本体の右端部)又はその近傍に設けられており、駆動側軸受部本体に対して固定具等によって固定されている。
【0042】
(構成-従動側軸受部)
従動側軸受部は、巻取軸40を回転可能に支持するためのものである。この従動側軸受部は、例えば従動側シャフト部40aを回転可能に接続可能な公知のベアリング部材等を用いて構成され、後述する従動側軸受板13の巻取軸40側の側面(具体的には、後述する従動側軸受板13の右側面)に設けられている。具体的には、従動側シャフト部40aを挿入した状態で配置され、後述する従動側軸受板13に対して固定具等によって固定されている。
【0043】
(構成-開閉機)
開閉機50は、開閉体30の巻き取り又は巻き出しを行うためのものであり、具体的には、巻取軸40を回転駆動することによって電動で開閉体30を閉鎖移動又は開放移動させる。この開閉機50は、例えば公知のシャッター用の開閉機等を用いて構成され、
図1から
図3に示すように、収納部10の内部において、巻取軸40よりも下側前方であり、且つ駆動側軸受部41の近傍に設けられている。より具体的には、後述する収納部10の下側ケース板16の近傍位置において、収納部10に収容された開閉体30と接触しないように前方側に傾斜して設けられている。
【0044】
また、この開閉機50は、
図4に示すように、入力軸51、出力軸52、開閉機側スプロケット53、開閉機本体54、第1手動操作部55、及び第2手動操作部56を備えている。
【0045】
このうち、入力軸51は、連結軸(図示省略)を介して回転駆動力を出力軸52に伝達するための回転軸である。この入力軸51は、
図4に示すように、当該入力軸51の一部が開閉機本体54の左端部から外部に向けて突出するように配置されており、開閉機本体54に対して固定具によって回転可能に固定されている。また、出力軸52は、入力軸51から連結軸を介して伝達された回転駆動力を巻取軸40に伝達するためのものである。この出力軸52は、
図4に示すように、当該出力軸52の一部が開閉機本体54の右端部から外部に向けて突出するように配置されており、開閉機本体54に対して固定具によって回転可能に固定されている。開閉機側スプロケット53は、出力軸52から伝達された回転駆動力を伝達部材43を介して巻取軸側スプロケット42に伝達するためのものであり、
図4に示すように、出力軸52の右端部に固定されている。
【0046】
また、開閉機本体54は、開閉機50の基本構造体であり、図示しない接続部材を介して駆動側軸受部41に対して固定具等によって固定されており、減速部、調速部、ブレーキ部、及び駆動部を備えている(いずれも図示省略)。このうち、減速部は、連結軸を介して出力軸52の回転速度を減速させるためのものであり、例えば公知の減速機等を用いて構成されている。また、調速部は、連結軸を介して出力軸52の回転速度を調整するためのものであり、例えば公知の調速機等を用いて構成されている。また、ブレーキ部は、開閉体30の自重降下を停止するためのものであり、例えば、公知のブレーキ部材等を用いて構成されている。また、駆動部は、出力軸52を電動で回転させるための駆動手段である。
【0047】
また、第1手動操作部55は、開閉機50の開放操作又は閉鎖操作を手動で行うための第1手動操作手段である。この第1手動操作部55は、入力軸51を回動操作することが可能な操作ハンドルとして構成されている。具体的には、
図4に示すように、第1手動操作部55を把持する把持部55aと、把持部55aよりも開閉機本体54側に位置し、且つ把持部55aに接続されている操作側接続部55bであって入力軸51(具体的には、入力軸51における開閉機本体54の左端部から外側に突出している部分)に対して着脱自在に取り付け可能な操作側接続部55bとを備えている。このような第1手動操作部55により、第1手動操作部55を入力軸51を回転中心として回動させることで、開閉機50の開放操作又は閉鎖操作を行うことができる。なお、実施の形態では、上述したように、開閉機本体54の左端部側に第1手動操作部55が取り付けられるので、以下では、この開閉機本体54の左端部を「開閉機本体54の取付端部54a」と称して説明する。
【0048】
また、第2手動操作部56は、ブレーキ部の解放操作を手動で行うための第2手動操作手段である。この第2手動操作部56は、例えばワイヤ式の操作手段を用いて構成されており、
図4に示すように、第2手動操作部56の一部が開閉機本体54の取付端部54aから外部に露出するように設けられていると共に、第2手動操作部56の他の一部がブレーキ部に接続されている。このような第2手動操作部56により、第2手動操作部56を引張ることで、ブレーキ部の解放操作を行うことができる。
【0049】
(構成-操作部)
操作部は、開閉体30の閉鎖移動又は開放移動に関する操作入力を受け付ける操作手段であり、例えば、公知のシャッター装置用の操作手段(一例として、押しボタン式スイッチ等)を用いて構成されており、収納部10の外部において開口部2の近傍位置に設けられている。なお、実施の形態では、操作部は、制御ユニット70と有線で通信するものとして説明するが、これに限らず、例えば、制御ユニット70と無線で通信するものであってもよい。また、これら有線式及び無線式の操作部の両方を設置してもよい。
【0050】
(構成-遮断器)
遮断器60は、制御ユニット70に対する電力供給を遮断するための遮断手段であり、例えば公知のシャッター装置用の遮断器等を用いて構成されている。
【0051】
(構成-制御ユニット)
図1に戻り、制御ユニット70は、開閉装置1の各部を相互に連動させるものであって、開閉機50によって開閉体30の開閉制御を行う制御手段である。この制御ユニット70は、例えば公知のシャッター装置用の制御盤(一例として、長尺な直方体状の制御盤等)を用いて構成されており、
図1、
図2、
図4に示すように、開閉機50よりも下方に配置されており、開閉機50に対して固定具等によって固定されている。
【0052】
また、この制御ユニット70は、通信部、電源部、制御部、及び記憶部を備えている(いずれも図示省略)。このうち、通信部は、操作部又は外部装置との間で通信するための通信手段である。電源部は、図示しない商用電源又は電池(例えば、バッテリ等)から供給された電力を、制御ユニット70の各部に供給すると共に、開閉機50にも供給する電源手段である。制御部は、制御ユニット70の各部を制御する制御手段である。この制御部は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。記憶部は、制御ユニット70の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いることができる。
【0053】
また、この制御ユニット70の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、
図4に示すように、制御ユニット70の左右方向の長さが開閉機本体54の左右方向の長さと略同一に設定され、制御ユニット70の前後方向の長さが開閉機本体54の前後方向の長さと略同一に設定され、制御ユニット70の上下方向の長さが開閉機本体54の上下方向の長さよりも短く設定されている。
【0054】
(構成-収納部の構成の詳細)
図1に戻り、次に、収納部10の構成の詳細について説明する。この収納部10は、
図1から
図3に示すように、駆動側軸受板11、駆動側取付片12、従動側軸受板13、従動側取付片(図示省略)、上側ケース板14、前側ケース板15、及び下側ケース板16を備えている。なお、この収納部10は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
【0055】
(構成-収納部の構成の詳細-駆動側軸受板、駆動側取付片)
駆動側軸受板11は、収納部10の収容空間の右端部を覆うための板材であり、
図1から
図3に示すように、上記収容空間の右端部を覆うように略垂直に設けられ、駆動側取付片12に対して固定具等によって接続されている。駆動側取付片12は、図示しない支持対象(具体的には、収納部10を支持可能な建物の柱や壁等)に対して駆動側軸受板11を取り付けるための板材であり、
図2に示すように、駆動側軸受板11よりも後方において支持対象と対向するように設けられており、支持対象に対して固定具等によって接続されている。なお、これら駆動側軸受板11及び駆動側取付片12の形成方法については任意であるが、例えば、駆動側軸受板11及び駆動側取付片12が一体に形成されてもよい。あるいは、駆動側軸受板11及び駆動側取付片12が別体に形成した後に固定具等によって相互に接続してもよい(なお、従動側軸受板及び従動側取付片の形成方法についても同様とする)。
【0056】
(構成-収納部の構成の詳細-従動側軸受板、従動側取付片)
従動側軸受板13は、上記収容空間の左端部を覆うための板材であり、
図1、
図3に示すように、上記収容空間の左端部を覆うように略垂直に設けられ、従動側取付片に対して固定具等によって接続されている。従動側取付片は、支持対象に対して従動側軸受板13を取り付けるための板材であり、従動側軸受板13よりも後方において支持対象と対向するように設けられており、支持対象に対して固定具等によって接続されている。
【0057】
(構成-収納部の構成の詳細-上側ケース板、前側ケース板、下側ケース板)
上側ケース板14は、上記収容空間の上端部を覆うための板材であり、
図1、
図2に示すように、上記収容空間の上端部を覆うように非水平(又は略水平)に設けられ、駆動側軸受板11及び従動側軸受板13に対して固定具等によって接続されている。前側ケース板15は、上記収容空間のうち前端部を覆うための板材であり、
図1、
図2に示すように、上記収容空間の前端部を覆うように略垂直に設けられ、駆動側軸受板11及び従動側軸受板13に対して固定具等によって接続されている。下側ケース板16は、上記収容空間の下端部を覆うための板材であり、
図1から
図3に示すように、上記収容空間の下端部を覆うように略水平に設けられ、駆動側軸受板11及び従動側軸受板13に対して固定具等によって接続されている。
【0058】
また、
図2、
図3に示すように、下側ケース板16には、点検孔16aが形成されている。点検孔16aは、開閉機50を点検するための貫通孔であり、
図2、
図3に示すように、下側ケース板16の部分のうち開閉機50と対応する部分に配置されている。この点検孔16aの具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態では、ユーザが点検孔16aを介して収納部10の内部に手を入れることで開閉機50の第1手動操作部55を操作することが可能となるように設定している。具体的には、
図3に示すように、点検孔16aの形状については、長方形状に設定している。また、点検孔16aの左右方向の長さについては、開閉機50の左右方向の長さよりも短く(あるいは、同一又はそれ以上)に設定しており、点検孔16aの前後方向の長さについては、開閉機50の前後方向の長さよりも長く(又は同一)に設定している。
【0059】
(構成-遮断器の設置構造)
図1に戻り、次に、遮断器60の設置構造について説明する。この開閉装置1は、収納部10の内部において遮断器60を開閉機50の近傍に設置するための設置構造を備えており、この設置構造の特徴については、実施の形態では、以下に示す通りとなる。
【0060】
(構成-遮断器の設置構造-第1の特徴)
まず、遮断器60の設置構造の第1の特徴については、収納部10の内部において取付部80が設けられている。取付部80は、遮断器60を当該取付部80に取り付けることにより、遮断器60を開閉機50の近傍に設置するための取付手段であり、開閉機50の近傍に配置されており、具体的には、
図1から
図4に示すように、開閉機本体54の取付端部54aの近傍に配置されている。また、この取付部80は、
図4、
図5に示すように、取付部本体81、第1取付側接続部82、及び第2取付側接続部83を備えている。
【0061】
(構成-遮断器の設置構造-第1の特徴-取付部本体)
取付部本体81は、取付部80の基本構造体である。この取付部本体81は、略平坦な長方形状の板状体にて形成されており、
図4、
図5に示すように、開閉機本体54の取付端部54aの近傍において略垂直に設けられ、具体的には、取付部本体81の長手方向が開閉機本体54の高さ方向に略沿うように設けれている(すなわち、
図4に示すように、遮断器60は、開閉機本体54の取付端部54aの近傍に配置されることになる)。また、
図5に示すように、取付部本体81には、遮断器60を取付部80に対して取り付けるための
図4(b)の第1固定具F1(例えば、ビス等)を接続するためのビス孔81aが設けられており、このビス孔81aは、遮断器60(具体的には、遮断器60の側面のうち、操作面側とは反対側の側面)と対向する位置に複数配置されている。これにより、遮断器60の操作面が外部に露出するように遮断器60を設置でき、遮断器60の操作性を確保できる。
【0062】
(構成-遮断器の設置構造-第1の特徴-第1取付側接続部)
また、第1取付側接続部82は、取付部本体81を開閉機50(具体的には、開閉機本体54)に接続するためのものである。この第1取付側接続部82は、略平坦な矩形状の板状体にて形成されており、
図4、
図5に示すように、取付部本体81よりも左側の位置であり、且つ第1取付側接続部82の少なくとも一部(
図4では、第1取付側接続部82の下方部分)が開閉機本体54の取付端部54aと当接可能な位置において、略垂直に設けられている。
【0063】
(構成-遮断器の設置構造-第1の特徴-第2取付側接続部)
第2取付側接続部83は、取付部本体81と第1取付側接続部82とを接続するためのものである。この第2取付側接続部83は、略平坦な矩形状の板状体にて形成されており、
図4、
図5に示すように、取付部本体81と第1取付側接続部82との相互間において略水平に設けられており、取付部本体81と第1取付側接続部82とに接続されている。
【0064】
このような第1の特徴により、従来技術(遮断器を収納部のブラケットの上方部分に設置する技術)に比べて、遮断器60を開閉機50の近傍に設置することができ、点検孔16aを介して遮断器60の操作作業や結線作業等を効率的に行うことができ、開閉装置1の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。また、収納部10に収容される部品のうち開閉機50以外の他の部品に取付部80を取り付ける場合に比べて、開閉機50の近傍に設置しながら取付部80のコンパクト化を図りやすくなることから、取付部80の設置性を向上できる。さらに、取付部80及び遮断器60を開閉機本体54の取付端部54aの近傍に配置したので、取付部80及び遮断器60を開閉機本体54の取付端部54aの近傍以外の位置に配置した場合に比べて、取付部80及び遮断器60の設置スペースを比較的確保しやすいことから、取付部80及び遮断器60の設置性を向上できる。また、例えば、第1手動操作部55又は遮断器60のいずれか一方の操作作業を行った後に第1手動操作部55又は遮断器60のいずれか他方の操作作業を行うことをスムーズに行うことができ、開閉装置1の使用におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能になる。
【0065】
(構成-遮断器の設置構造-第2の特徴)
図1に戻り、次に、遮断器60の設置構造の第2の特徴については、取付部80及び遮断器60は、開閉機50の第1手動操作部55の操作が阻害されないように構成されている。
【0066】
具体的には、まず、
図1、
図2に示すように、取付部80及び遮断器60の少なくとも一部が開閉機50よりも収納部10における開閉体30の出し入れ側の側部である出し入れ側部側(すなわち、下側ケース板16側)とは反対側に位置するように、取付部80及び遮断器60は構成されている。より具体的には、
図4に示すように、取付部80の取付部本体81及び遮断器60が開閉機50よりも上方側であり、且つ第1手動操作部55(具体的には、操作側接続部55b)の回動操作の軌跡L(
図4の想像線で示す部分)よりも上方側に位置するように、取付部80及び遮断器60は配置されている。このような構成により、遮断器60が開閉機50よりも収納部10の出し入れ側部に位置する場合に比べて、取付部80又は遮断器60によって第1手動操作部55の操作が阻害されることを回避しながら、取付部80及び遮断器60の設置スペースを確保でき、第1手動操作部55の操作性を維持しながら、取付部80及び遮断器60の設置性を向上できる。
【0067】
また、
図4(a)に示すように、取付部80又は遮断器60の少なくとも一部が開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側に突出しないように、取付部80及び遮断器60は構成されている。より具体的には、取付部本体81と遮断器60の下方部分とが開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側とは反対側(
図4(a)では、右側)に位置するように、取付部80及び遮断器60は配置されている。ただし、これに限らず、例えば、取付部80全体又は遮断器60全体が開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側に突出しないように配置されてもよい。特に、遮断器60全体が開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側に突出しないように配置することで、第1手動操作部55の操作時に遮断器60が誤操作されることを回避できる。あるいは、取付部80全体及び遮断器60全体が開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側に突出しないように配置されてもよい。この場合には、取付部80及び遮断器60によって第1手動操作部55の操作が阻害されることがなくなることから、例えば、取付部80の取付部本体81及び遮断器60が開閉機50よりも上方側に位置するように、取付部80及び遮断器60を配置させずに、開閉機50と同じ高さに配置してもよい。このような構成により、取付部80及び遮断器60が開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側に突出させる場合に比べて、取付部80又は遮断器60によって第1手動操作部55の操作が阻害されることを回避でき、第1手動操作部55の操作性を一層維持できる。
【0068】
このような第2の特徴により、取付部80又は遮断器60によって第1手動操作部55の操作が阻害されることを回避でき、第1手動操作部55の操作性を維持できる。特に、第1手動操作部55が、開閉機50を構成する入力軸51を回動操作することが可能な操作ハンドルである場合でも、取付部80又は遮断器60によって操作ハンドルの回動操作が阻害されることを回避でき、操作ハンドルの操作性を維持できる。
【0069】
(構成-遮断器の設置構造-第3の特徴)
次に、遮断器60の設置構造の第3の特徴については、取付部80の構成の詳細について下記に示す工夫が施されている。
【0070】
すなわち、まず、取付部80は、開閉機50に対して着脱自在に接続されている。具体的には、
図5(a)に示すように、第1取付側接続部82には、取付部80を開閉機50に対して取り付けるための
図4(b)の第2固定具F2(例えば、ビス等)を挿通するための挿通孔82a(貫通孔)が複数設けられている。そして、第2固定具F2を挿通孔82aを介して開閉機50に形成されたビス孔(図示省略)に取り付けることにより、取付部80が開閉機50に対して接続されている。このような構成により、第2固定具F2の取付の有無によって取付部80を開閉機50に対して容易に着脱できる。よって、例えば取付部80を開閉機50から取り外した後に遮断器60の操作作業又は結線作業等を行うことができ、これら操作作業又は結線作業等を正確に行うことができる。なお、上記開閉機50のビス孔は、例えば、既設のビス孔であってもよく、あるいは、新設されたビス孔であってもよい。
【0071】
また、
図4、
図5に示すように、取付部80には、切欠部84、カバー部85、収容空間86、第1作業空間87、及び第2作業空間88がさらに設けられている。
【0072】
このうち、切欠部84は、第2手動操作部56を挿通させるためのものである。この切欠部84は、取付部80の一部を切り欠くことにより形成されており、具体的には、
図4(b)、
図5(a)に示すように、第1取付側接続部82及び第2取付側接続部83の各々のうち第2手動操作部56に対応する部分(
図5(a)では、第1取付側接続部82及び第2取付側接続部83の各々の左右方向の中央部及びその近傍)を切り欠くことにより形成されている。ただし、これに限らず、例えば、第1取付側接続部82の一部のみ又は第2取付側接続部83の一部のみを切り欠くことにより形成されてもよく、あるいは、取付部本体81の一部のみを切り欠くことにより形成されてもよい。このような切欠部84により、切欠部84を介して第2手動操作部56を挿通させることで第2手動操作部56を取付部80よりも外側(
図4(a)では、左側)に露出させることができる。よって、取付部80を取り外すことなく第2手動操作部56の操作を行うことができ、第2手動操作部56の操作性を維持できる。
【0073】
また、カバー部85は、遮断器60に水がかかることを防止するためのカバー手段である。ここで、「遮断器60に水がかかる」とは、例えば、開閉体30の巻き上げ時に開閉体30に付着した水滴が飛散することで当該水滴が遮断器60にかかること、収納部10の上方部分に付着した水滴が落下することで当該水滴が遮断器60にかかること等を含む概念である。このカバー部85は、略平坦な矩形状の板状体にて形成されており、遮断器60の少なくとも一部を覆うように設けられており、具体的には、
図4、
図5に示すように、取付部本体81よりも上方において、遮断器60の上面の略全体を覆うように配置されており、取付部本体81の上端部に対して接続されている。このようなカバー部85により、遮断器60に水がかかることを防止することができ、遮断器60による漏電の発生を回避できる。
【0074】
収容空間86は、遮断器60を収容するための空間である(
図4では、縦置きに収容する空間である)。この収容空間86は、
図4(b)、
図5に示すように、取付部本体81、第2取付側接続部83、及びカバー部85によって囲繞される空間の一部から形成されており、具体的には、上記囲繞される空間のうち、取付部本体81の複数のビス孔81aの対応する空間から形成されている。このような収容空間86により、遮断器60を収容するスペースを確保しやすくなる。
【0075】
第1作業空間87は、遮断器60の結線作業(具体的には、遮断器60と商用電源との結線作業)を行うための空間であり、第2作業空間88は、遮断器60の結線作業(具体的には、遮断器60と制御ユニット70との結線作業)を行うための空間である。これら第1作業空間87及び第2作業空間88は、上記囲繞される空間の他の一部から形成されている。具体的には、
図4、
図5に示すように、第1作業空間87は、上記囲繞される空間のうち収容空間86に隣接する空間であって収容空間86よりも上方に位置する空間から形成されている。また、第2作業空間88は、上記囲繞される空間のうち収容空間86に隣接する空間であって収容空間86よりも下方に位置する空間から形成されている。このような第1作業空間87及び第2作業空間88により、取付部80に遮断器60を収容した状態で遮断器60の結線作業を行うことができ、当該結線作業を効率的に行うことができる。
【0076】
このような第3の特徴により、取付部80の使用性を向上させることができ、開閉装置1の使用におけるユーザの利便性をさらに一層向上させることが可能になる。
【0077】
なお、取付部80の形成方法については任意であるが、実施の形態では、スチール製の板状体を折り曲げ成形することで、取付部本体81、第1取付側接続部82、第2取付側接続部83、及びカバー部85を一体に成形することにより、形成している。ただし、これに限らず、例えば、取付部本体81、第1取付側接続部82、第2取付側接続部83、及びカバー部85をそれぞれ別体で形成した後に、溶接等によって第2取付側接続部83を介して取付部本体81と第1取付側接続部82とを接続すると共に、カバー部85と取付部本体81とを接続することにより、形成してもよい。
【0078】
(開閉装置の作用について)
続いて、このように構成された開閉装置1の作用について説明する。
【0079】
すなわち、例えば、遮断器60の操作作業を行う場合には、上述したように、取付部80によって遮断器60が開閉機50の近傍に設置されているので、ユーザが点検孔16aを介して収納部10の内部に手を入れて遮断器60を操作することにより、当該操作作業を行うことができる。また、この操作作業を正確に行う場合には、ユーザが点検孔16aを介して収納部10の内部に手を入れて、取付部80を開閉機50から取り外してから遮断器60及び取付部80を収納部10の外部に取り出した後に遮断器60を操作することにより、当該操作作業を行ってもよい。
【0080】
また、遮断器60の結線作業を行う場合には、上述したように、取付部80によって遮断器60が開閉機50の近傍に設置されていると共に、取付部80に第1作業空間87及び第2作業空間88が設けられているので、ユーザが点検孔16aを介して収納部10の内部に手を入れて制御ユニット70又は商用電源に接続された配線(図示省略)を遮断器60に接続することにより、当該結線作業を行うことができる。また、この結線作業を正確に行う場合には、ユーザが点検孔16aを介して収納部10の内部に手を入れて、取付部80を開閉機50から取り外してから遮断器60及び取付部80を収納部10の外部に取り出した後に上記配線を遮断器60に接続することにより、当該結線作業を行ってもよい。
【0081】
また、開閉機50の第1手動操作部55の操作作業を行う場合には、ユーザが点検孔16aを介して収納部10の内部に手を入れて、第1手動操作部55を回動させることにより、当該操作作業を行うことができる。特に、上述したように、取付部80及び遮断器60が、第1手動操作部55の操作が阻害されないように構成されているので、第1手動操作部55が取付部80及び遮断器60と接触することを回避できることから、この操作作業をスムーズに行うことができる。
【0082】
また、開閉機50の第2手動操作部56の操作作業を行う場合には、ユーザが点検孔16aを介して収納部10の内部に手を入れて、第2手動操作部56を引張ることにより、当該操作作業を行うことができる。特に、上述したように、取付部80に切欠部84が設けられているので、取付部80を取り外すことなく作業を行うことができ、この操作作業を簡易に行うことができる。
【0083】
(構成-その他の構成)
また、この他にも、実施の形態に係る開閉装置1は、できる限りにおいて任意の構造にて構成可能である。
【0084】
具体的には、実施の形態では、開閉機50が、開閉体30と接触しないように前方側に傾斜して設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、収納部10の内部において開閉機50が開閉体30と接触しないスペースを確保できる場合には、
図6に示すように、開閉機50は、前後方向に傾斜させずに設けられてもよい。
【0085】
また、実施の形態では、開閉機50の第1手動操作部55が、入力軸51を回動操作することが可能な操作ハンドルであると説明したが、これに限らない。例えば、
図7に示すように、第1手動操作部58は、入力軸51を回動操作することが可能なチェーン式の操作手段であってもよい。この場合において、第1手動操作部58の取付方法については任意であるが、例えば、入力軸51にホイール部57(例えば、公知のチェーンホイル)を接続した後に、ホイール部57の回動部の外縁に第1手動操作部58を引掛けることにより、取り付けてもよい。
【0086】
また、実施の形態では、取付部80及び遮断器60の少なくとも一部が開閉機50よりも上方側に位置するように、取付部80及び遮断器60が構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、収納部10の内部において取付部80及び遮断器60の設置スペースを開閉機50よりも上方側以外の場所で確保できる場合には、取付部80及び遮断器60の少なくとも一部が当該場所に位置するように構成されてもよい。一例として、収納部10の内部において取付部80及び遮断器60の設置スペースを開閉機50よりも前方側で確保できる場合には、取付部80及び遮断器60の少なくとも一部が開閉機50よりも前方側に位置するように構成されてもよい。
【0087】
また、実施の形態では、取付部80のカバー部85が遮断器60の上面を覆うように配置されていると説明したが、これに限らない。例えば、
図8に示すように、カバー部85が遮断器60の上面に加えて、遮断器60の前面及び後面を覆うように複数配置されてもよい。これにより、遮断器60に水がかかることを一層防止することができ、遮断器60による漏電の発生を回避できる。
【0088】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、収納部10に収容され、且つ開閉機50に対して直接接続された取付部80であって、遮断器60を当該取付部80に取り付けることにより、遮断器60を開閉機50の近傍に設置するための取付部80を備えたので、従来技術(遮断器を収納部のブラケットの上方部分に設置する技術)に比べて、遮断器60を開閉機50の近傍に設置することができ、点検孔16aを介して遮断器60の操作作業や結線作業等を効率的に行うことができ、開閉装置1の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。また、収納部10に収容される部品のうち開閉機50以外の他の部品に取付部80を取り付ける場合に比べて、開閉機50の近傍に設置しながら取付部80のコンパクト化を図りやすくなることから、取付部80の設置性を向上できる。
【0089】
また、取付部80及び遮断器60を開閉機本体54の取付端部54aの近傍に配置したので、取付部80及び遮断器60を開閉機本体54の取付端部54aの近傍以外の位置に配置した場合に比べて、取付部80及び遮断器60の設置スペースを比較的確保しやすいことから、取付部80及び遮断器60の設置性を向上できる。また、例えば、第1手動操作部55又は遮断器60のいずれか一方の操作作業を行った後に第1手動操作部55又は遮断器60のいずれか他方の操作作業を行うことをスムーズに行うことができ、開閉装置1の使用におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能になる。
【0090】
また、取付部80及び遮断器60を第1手動操作部55の操作が阻害されないように構成したので、取付部80又は遮断器60によって第1手動操作部55の操作が阻害されることを回避でき、第1手動操作部55の操作性を維持できる。
【0091】
また、取付部80及び遮断器60の少なくとも一部が開閉機50よりも収納部10の出し入れ側部側とは反対側に位置するように、取付部80及び遮断器60を構成したので、遮断器60が開閉機50よりも収納部10の出し入れ側部に位置する場合に比べて、取付部80又は遮断器60によって第1手動操作部55の操作が阻害されることを回避しながら、取付部80及び遮断器60の設置スペースを確保でき、第1手動操作部55の操作性を維持しながら、取付部80及び遮断器60の設置性を向上できる。
【0092】
また、取付部80又は遮断器60の少なくとも一部が開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側に突出しないように、取付部80及び遮断器60を構成したので、取付部80及び遮断器60が開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側に突出させる場合に比べて、取付部80又は遮断器60によって第1手動操作部55の操作が阻害されることを回避でき、第1手動操作部55の操作性を一層維持できる。
【0093】
また、第1手動操作部55が、開閉機50を構成する回転軸を回動操作することが可能な操作ハンドルであるので、取付部80又は遮断器60によって操作ハンドルの回動操作が阻害されることを回避でき、操作ハンドルの操作性を維持できる。
【0094】
また、取付部80に切欠部84を設けたので、切欠部84を介して第2手動操作部56を挿通させることで第2手動操作部56を取付部80よりも外側に露出させることができる。よって、取付部80を取り外すことなく第2手動操作部56の操作を行うことができ、第2手動操作部56の操作性を維持できる。
【0095】
また、取付部80を開閉機50に対して着脱自在に接続したので、取付部80を開閉機50に対して容易に着脱できる。よって、例えば取付部80を開閉機50から取り外した後に遮断器60の操作作業又は結線作業等を行うことができ、これら操作作業又は結線作業等を正確に行うことができる。
【0096】
また、取付部80が、収容空間86と、収容空間86に隣接した作業空間とを備えたので、取付部80に遮断器60を収容した状態で遮断器60の結線作業を行うことができ、当該結線作業を効率的に行うことができる。
【0097】
また、取付部80が、遮断器60の少なくとも一部を覆うように設けられたカバー部85を備えたので、遮断器60に水がかかることを防止することができ、遮断器60による漏電の発生を回避できる。
【0098】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0099】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0100】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0101】
(収納部について)
上記実施の形態では、収納部10が、駆動側軸受板11、駆動側取付片12、従動側軸受板13、従動側取付片、上側ケース板14、前側ケース板15、及び下側ケース板16を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、収納部10が、建物の天井部よりも上方に設置する場合には、駆動側軸受板11、駆動側取付片12、従動側軸受板13、及び従動側取付片のみを備えてもよい(いわゆる、天井納まり式の構造で構成されてもよい)。この場合には、天井部に点検孔16aが形成される。
【0102】
また、上記実施の形態では、下側ケース板16に点検孔16aが形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、駆動側軸受板11、上側ケース板14、又は前側ケース板15に形成されてもよい。
【0103】
(制御ユニットについて)
上記実施の形態では、制御ユニット70が開閉機50よりも下方に配置されていると説明したが、これに限らない。例えば、開閉機50よりも上方に配置されてもよく、又は開閉機50よりも左方に配置されもよい。
【0104】
(遮断器の設置構造について)
上記実施の形態では、取付部80及び遮断器60が、開閉機本体54の取付端部54aの近傍に配置されていると説明したが、これに限らない。例えば、ユーザが点検孔16aを介して遮断器60が操作可能な位置であれば、開閉機本体54の前端部、上端部、又は後端部の近傍に配置されてもよい。
【0105】
また、上記実施の形態では、取付部80及び遮断器60が、第1手動操作部55の操作が阻害されないように構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、取付部80が開閉機50に対して着脱自在に接続されている場合には、第1手動操作部55の操作が阻害されなるように構成されてもよい。
【0106】
また、上記実施の形態では、取付部80又は遮断器60の少なくとも一部が開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側に突出しないように、取付部80及び遮断器60が構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、取付部80が開閉機50に対して着脱自在に接続されている場合、又は取付部80及び遮断器60が第1手動操作部55の操作が阻害されない位置に配置されている場合には、取付部80及び遮断器60が開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側に突出するように構成されてもよい。
【0107】
また、上記実施の形態では、取付部80は、第2取付側接続部83を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、第2取付側接続部83を省略してもよい。この場合には、取付部本体81の下端部と第1取付側接続部82の上端部が接続されるように、取付部80が構成されてもよい(すなわち、平坦状の取付部80が構成されてもよい)。この場合において、例えば、取付部80及び遮断器60によって第1手動操作部55の操作が阻害されないように、取付部80の取付部本体81及び遮断器60が開閉機50よりも上方側(具体的には、
図4の回動操作の軌跡Lよりもさらに上側)に位置するように、取付部80及び遮断器60が構成されてもよい。一例として、取付部本体81の上下方向の長さが
図4に示す取付部本体81の上下方向の長さよりも長く設定されると共に、遮断器60が取付部本体81の上側部分に取り付けられてもよい。あるいは、取付部80全体及び遮断器60全体が開閉機本体54の取付端部54aよりも第1手動操作部55側に突出しないように、取付部80及び遮断器60が配置されてもよい。これにより、例えば、取付部本体81及び遮断器60が開閉機50よりも上方側に位置するように、取付部80及び遮断器60を配置させずに、開閉機50と同じ高さに配置することが可能となる。
【0108】
また、上記実施の形態では、取付部80に切欠部84が設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、取付部80が開閉機50に対して着脱自在に接続されている場合には、切欠部84を省略してもよい。
【0109】
また、上記実施の形態では、取付部80が、開閉機50に対して着脱自在に接続されていると説明したが、これに限らない。例えば、取付部80及び遮断器60が第1手動操作部55の操作が阻害されない位置に配置されている場合には、開閉機50に対して着脱できないように接続されてもよく、一例として、開閉機50に対して溶接等によって接続されてもよい。
【0110】
また、上記実施の形態では、取付部80に第1作業空間87及び第2作業空間88が設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、取付部80が開閉機50に対して着脱自在に接続されている場合には、第1作業空間87又は第2作業空間88を省略してもよい。
【0111】
また、上記実施の形態では、取付部80にカバー部85が設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、遮断器60に水がかかるおそれがない場合には、カバー部85を省略してもよい。
【0112】
また、上記実施の形態では、遮断器60が縦置きとなるように取付部80に取り付けられていると説明したが、これに限らず、例えば、横置きとなるように取付部80に取り付けられてもよい。
【0113】
(取付部について)
上記実施の形態では、取付部本体81の長手方向が開閉機本体54の高さ方向に略沿うように、取付部80が設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、取付部80が開閉体30と接触しなければ、取付部本体81の長手方向が開閉機本体54の高さ方向に沿わないように、取付部80が設けられてもよい。
【0114】
(付記)
付記1の開閉装置は、建物の開口部の開閉を行う開閉体を収納するための収納手段と、前記収納手段に収納された開閉機であって、前記開閉体の巻き取り又は巻き出しを行う開閉機と、前記開閉機によって前記開閉体の開閉制御を行う制御手段と、を備えた開閉装置であって、前記収納手段に形成された点検孔であって、前記開閉機の点検を行うための点検孔と、前記収納手段に収容された遮断手段であって、前記制御手段に対する電力供給を遮断するための遮断手段と、前記収納手段に収容され、且つ前記開閉機に対して直接接続された取付手段であって、前記遮断手段を当該取付手段に取り付けることにより、前記遮断手段を前記開閉機の近傍に設置するための取付手段と、を備えた。
【0115】
付記2の開閉装置は、付記1に記載の開閉装置において、前記取付手段及び前記遮断手段を、前記開閉機を構成する開閉機本体の端部のうち前記開閉機の開放操作又は閉鎖操作を手動で行うための第1手動操作手段が取り付けられる側の取付端部の近傍に配置した。
【0116】
付記3の開閉装置は、付記2に記載の開閉装置において、前記取付手段及び前記遮断手段を、前記第1手動操作手段の操作が阻害されないように構成した。
【0117】
付記4の開閉装置は、付記3に記載の開閉装置において、前記取付手段及び前記遮断手段の少なくとも一部が前記開閉機よりも前記収納手段における前記開閉体の出し入れ側の側部である出し入れ側部側とは反対側に位置するように、前記取付手段及び前記遮断手段を構成した。
【0118】
付記5の開閉装置は、付記3又は4に記載の開閉装置において、前記取付手段又は前記遮断手段の少なくとも一部が前記開閉機本体の取付端部よりも前記第1手動操作手段側に突出しないように、前記取付手段及び前記遮断手段を構成した。
【0119】
付記6の開閉装置は、付記2から5のいずれか一項に記載の開閉装置において、前記第1手動操作手段は、前記開閉機を構成する回転軸を回動操作することが可能な操作ハンドルである。
【0120】
付記7の開閉装置は、付記2から6のいずれか一項に記載の開閉装置において、前記取付手段に、前記開閉機本体の取付端部に取り付けられる第2手動操作手段であって、前記開閉機のブレーキ部の解放操作を手動で行うための第2手動操作手段を挿通させるための切欠部を設けた。
【0121】
付記8の開閉装置は、付記1から7のいずれか一項に記載の開閉装置において、前記取付手段を、前記開閉機に対して着脱自在に接続した。
【0122】
付記9の開閉装置は、付記1から8のいずれか一項に記載の開閉装置において、前記取付手段は、前記遮断手段を収容するための収容空間と、前記収容空間に隣接した作業空間であって、前記遮断手段の結線作業を行うための作業空間と、を備えた。
【0123】
付記10の開閉装置は、付記1から9のいずれか一項に記載の開閉装置において、前記取付手段は、前記遮断手段の少なくとも一部を覆うように設けられたカバー手段であって、前記遮断手段に水がかかることを防止するためのカバー手段を備えた。
【0124】
(付記の効果)
付記1に記載の開閉装置によれば、収納手段に収容され、且つ開閉機に対して直接接続された取付手段であって、遮断手段を当該取付手段に取り付けることにより、遮断手段を開閉機の近傍に設置するための取付手段を備えたので、従来技術(遮断器を収納部のブラケットの上方部分に設置する技術)に比べて、遮断手段を開閉機の近傍に設置することができ、点検孔を介して遮断手段の操作作業や結線作業等を効率的に行うことができ、開閉装置の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。また、収納手段に収容される部品のうち開閉機以外の他の部品に取付手段を取り付ける場合に比べて、開閉機の近傍に設置しながら取付手段のコンパクト化を図りやすくなることから、取付手段の設置性を向上できる。
【0125】
付記2に記載の開閉装置によれば、取付手段及び遮断手段を開閉機本体の取付端部の近傍に配置したので、取付手段及び遮断手段を開閉機本体の取付端部の近傍以外の位置に配置した場合に比べて、取付手段及び遮断手段の設置スペースを比較的確保しやすいことから、取付手段及び遮断手段の設置性を向上できる。また、例えば、第1手動操作手段又は遮断手段のいずれか一方の操作作業を行った後に第1手動操作手段又は遮断手段のいずれか他方の操作作業を行うことをスムーズに行うことができ、開閉装置の使用におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能になる。
【0126】
付記3に記載の開閉装置によれば、取付手段及び遮断手段を第1手動操作手段の操作が阻害されないように構成したので、取付手段又は遮断手段によって第1手動操作手段の操作が阻害されることを回避でき、第1手動操作手段の操作性を維持できる。
【0127】
付記4に記載の開閉装置によれば、取付手段及び遮断手段の少なくとも一部が開閉機よりも収納手段の出し入れ側部側とは反対側に位置するように、取付手段及び遮断手段を構成したので、遮断手段が開閉機よりも収納手段の出し入れ側部に位置する場合に比べて、取付手段又は遮断手段によって第1手動操作手段の操作が阻害されることを回避しながら、取付手段及び遮断手段の設置スペースを確保でき、第1手動操作手段の操作性を維持しながら、取付手段及び遮断手段の設置性を向上できる。
【0128】
付記5に記載の開閉装置によれば、取付手段又は遮断手段の少なくとも一部が開閉機本体の取付端部よりも第1手動操作手段側に突出しないように、取付手段及び遮断手段を構成したので、取付手段及び遮断手段が開閉機本体の取付端部よりも第1手動操作手段側に突出させる場合に比べて、取付手段又は遮断手段によって第1手動操作手段の操作が阻害されることを回避でき、第1手動操作手段の操作性を一層維持できる。
【0129】
付記6に記載の開閉装置によれば、開閉機を構成する回転軸を回動操作することが可能な操作ハンドルであるので、取付手段又は遮断手段によって操作ハンドルの回動操作が阻害されることを回避でき、操作ハンドルの操作性を維持できる。
【0130】
付記7に記載の開閉装置によれば、取付手段に切欠部を設けたので、切欠部を介して第2手動操作手段を挿通させることで第2手動操作手段を取付手段よりも外側に露出させることができる。よって、取付手段を取り外すことなく第2手動操作手段の操作を行うことができ、第2手動操作手段の操作性を維持できる。
【0131】
付記8に記載の開閉装置によれば、取付手段を開閉機に対して着脱自在に接続したので、取付手段を開閉機に対して容易に着脱できる。よって、例えば取付手段を開閉機から取り外した後に遮断手段の操作作業又は結線作業等を行うことができ、これら操作作業又は結線作業等を正確に行うことができる。
【0132】
付記9に記載の開閉装置によれば、取付手段が、収容空間と、収容空間に隣接した作業空間とを備えたので、取付手段に遮断手段を収容した状態で遮断手段の結線作業を行うことができ、当該結線作業を効率的に行うことができる。
【0133】
付記10に記載の開閉装置によれば、取付手段が、遮断手段の少なくとも一部を覆うように設けられたカバー手段を備えたので、遮断手段に水がかかることを防止することができ、遮断手段による漏電の発生を回避できる。
【符号の説明】
【0134】
1 開閉装置
2 開口部
10 収納部
10a まぐさ開口
11 駆動側軸受板
12 駆動側取付片
13 従動側軸受板
14 上側ケース板
15 前側ケース板
16 下側ケース板
16a 点検孔
20 ガイドレール
30 開閉体
31 スラット
32 嵌合部
33 座板
40 巻取軸
40a 従動側シャフト部
41 駆動側軸受部
42 巻取軸側スプロケット
43 伝達部材
50 開閉機
51 入力軸
52 出力軸
53 開閉機側スプロケット
54 開閉機本体
54a 取付端部
55 第1手動操作部
55a 把持部
55b 操作側接続部
56 第2手動操作部
57 ホイール部
58 第1手動操作部
60 遮断器
70 制御ユニット
80 取付部
81 取付部本体
81a ビス孔
82 第1取付側接続部
82a 挿通孔
83 第2取付側接続部
84 切欠部
85 カバー部
86 収容空間
87 第1作業空間
88 第2作業空間
F1 第1固定具
F2 第2固定具
L 軌跡
M 最大巻き径