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特許7089468都市計画ツールを提供するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】都市計画ツールを提供するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20220615BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220615BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
G08G1/01 D
G08G1/00 A
G08G1/09 F
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018519411
(86)(22)【出願日】2016-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-10-18
(86)【国際出願番号】 US2016057151
(87)【国際公開番号】W WO2017066646
(87)【国際公開日】2017-04-20
【審査請求日】2019-10-15
(31)【優先権主張番号】14/885,578
(32)【優先日】2015-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513020939
【氏名又は名称】ウーバー テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】クネプフル,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ホール,ジョナサン
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0095830(US,A1)
【文献】米国特許第08996286(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0106416(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0002195(US,A1)
【文献】特開2012-150016(JP,A)
【文献】特開2004-110185(JP,A)
【文献】特開2008-059181(JP,A)
【文献】特開2012-256277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G09B 23/00 - 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークシステムにおいて、
1以上のプロセッサと、
指示を格納した1以上のメモリリソースであって、前記1以上のプロセッサによって前記指示が実行された際に、前記ネットワークシステムに、
所与の地理的領域内において動作する対応する車輌内において各コンピューティング装置が運ばれているまたは前記対応する車輌と各コンピューティング装置が関連付けられている複数のコンピューティング装置からネットワークを介して受信した1組のセンサデータを維持する工程と、
前記1組のセンサデータを解析し、第1の期間中における第1の道路に沿った第1の平均車両速度および第2の期間中における前記第1の道路に沿った第2の平均車両速度を計算する工程と、
ユーザのユーザ装置から、前第1の道路に対応するインタラクティブな地図ユーザインターフェース機能内で呈示される、領域のユーザ選択に対応する第1のユーザ入力を受信する工程と、
前記ユーザ選択に対応する第1のユーザ入力の受信に応答して、前記ユーザ装置に、前記第1の期間中における第1の道路に沿った第1の平均車両速度および前記第2の期間中における前記第1の道路に沿った第2の平均車両速度を含む第1の1組の交通情報を呈示させる工程と
を行わせる前記指示を格納した1以上のメモリリソースと
を含むことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項2】
前記インタラクティブな地図ユーザインターフェース機能内で表示される1以上の道路のうちの各道路が、前記1以上の道路のうちの前記各道路に沿った車輌の平均速度にそれぞれ基づき対応する色で呈示される、請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記第1の1組の交通情報を呈示させる前記工程が、前記第1の期間中における前記第1の道路に沿った第1の平均車両速度と、前記第2の期間中における前記第1の道路に沿った第2の平均車両速度との比較を呈示させることを含む、請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記第1の道路が、前記インタラクティブな地図ユーザインターフェース機能内に、前記比較に基づく第1の色で表示される、請求項3記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記第1の1組の交通情報を呈示させる工程が、前記第1の期間中における第1の道路に沿った前記第1の平均車両速度および前記第2の期間中における前記第1の道路に沿った前記第2の平均車両速度を示す1以上の棒グラフを呈示させる工程を含む、請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記1以上の棒グラフが、前記第1の期間中における第1の道路に沿った前記第1の平均車両速度を示す第1の1組の1以上の視覚的な棒と、前記第2の期間中における前記第1の道路に沿った前記第2の平均車両速度を示す第2の1組の1以上の視覚的な棒とを含む、請求項5記載のネットワークシステム。
【請求項7】
前記実行される指示が、前記ネットワークシステムに、前記ユーザ装置から前記所与の地理的領域を指定する第2のユーザ入力をさらに受信させる、請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記実行される指示が、前記ネットワークシステムに、前記ユーザ装置から道路名を指定する第2のユーザ入力をさらに受信させる、請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記インタラクティブな地図ユーザインターフェース機能が、前記所与の地理的領域の少なくとも一部分を表示する、請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項10】
ネットワークシステムによって実施される方法であって、
所与の地理的領域内において動作する対応する車輌内において各コンピューティング装置が運ばれているまたは前記対応する車輌と各コンピューティング装置が関連付けられている複数のコンピューティング装置からネットワークを介して受信した1組のセンサデータを維持する工程と、
前記1組のセンサデータを解析し、第1の期間中における第1の道路に沿った第1の平均車両速度および第2の期間中における前記第1の道路に沿った第2の平均車両速度を計算する工程と、
ユーザのユーザ装置から、前第1の道路に対応するインタラクティブな地図ユーザインターフェース機能内で呈示される、領域のユーザ選択に対応する第1のユーザ入力を受信する工程と、
前記ユーザ選択に対応する第1のユーザ入力の受信に応答して、前記ユーザ装置に、前記第1の期間中における第1の道路に沿った第1の平均車両速度および前記第2の期間中における前記第1の道路に沿った第2の平均車両速度を含む第1の1組の交通情報を呈示させる工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
指示を格納した非一過性コンピュータ可読媒体であって、ネットワークシステムの1以上のプロセッサによって前記指示が実行された際に、前記ネットワークシステムに、
所与の地理的領域内において動作する対応する車輌内において各コンピューティング装置が運ばれているまたは前記対応する車輌と各コンピューティング装置が関連付けられている複数のコンピューティング装置からネットワークを介して受信した1組のセンサデータを維持する工程と、
前記1組のセンサデータを解析し、第1の期間中における第1の道路に沿った第1の平均車両速度および第2の期間中における前記第1の道路に沿った第2の平均車両速度を計算する工程と、
ユーザのユーザ装置から、前第1の道路に対応するインタラクティブな地図ユーザインターフェース機能内で呈示される、領域のユーザ選択に対応する第1のユーザ入力を受信する工程と、
前記ユーザ選択に対応する第1のユーザ入力の受信に応答して、前記ユーザ装置に、前記第1の期間中における第1の道路に沿った第1の平均車両速度および前記第2の期間中における前記第1の道路に沿った第2の平均車両速度を含む第1の1組の交通情報を呈示させる工程と、
を行わせる前記指示を格納したことを特徴とする非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記実行される指示が、前記ネットワークシステムに、1以上の時間パラメータを指定する第2のユーザ入力をさらに受信させる、請求項1記載のネットワークシステム。
【請求項13】
前記実行される指示が、前記ネットワークシステムに、前記1以上の時間パラメータに基づいて指定する前記1組のセンサデータのサブセットをさらに読み出させる、請求項12記載のネットワークシステム。
【請求項14】
前記第1の1組の交通情報を呈示させる工程が、前記第1の期間中における第1の道路に沿った前記第1の平均車両速度および前記第2の期間中における前記第1の道路に沿った前記第2の平均車両速度を示す1以上の棒グラフを呈示させる工程を含む、請求項11記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記1以上の棒グラフが、前記第1の期間中における第1の道路に沿った前記第1の平均車両速度を示す第1の1組の1以上の視覚的な棒と、前記第2の期間中における前記第1の道路に沿った前記第2の平均車両速度を示す第2の1組の1以上の視覚的な棒とを含む、請求項14記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2015年10月16日に出願された米国特許出願第14/885,578号による利益を主張するものであり、上記の特許出願の全体を参照して本明細書に組み込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、都市計画ツールを提供するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
オンデマンドサービスシステムは、要求しているユーザに、サービス提供者によってオンデマンドサービスが提供されるように手配し得る。幾つかの例では、サービス提供者の自動車に、様々な車載センサが備えられ得る。これらのセンサは、サービス提供者の自動車から電力を引いて、オンデマンドサービスシステムと関連づけられたサーバにセンサデータを中継するために、モバイルハンドセットと無線通信し得る。オンデマンドサービスシステムは、センサデータを用いて、サービス提供者の状況および/または位置をモニタリングし得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載される例は、オンデマンドサービス環境で用いられる車輌から収集されたセンサデータに基づいて、交通情報レポートを生成可能なシステムを提供する。このシステムは、例えば、都市計画担当者が、道路計画および/もしくは建設計画、並びに/または、選択された道路および近隣における他の変化の効果を見ることを可能にすることにより、都市計画ツールとして用いられ得る。より具体的には、交通情報レポートは、都市計画担当者が、特定の建設計画が意図された効果を達成したか否かを決定することを可能にし得ると共に、将来の建設計画の(例えば、都市交通に対する)効果を予測するためにも用いられ得る。
【0005】
一部の態様では、システムは、少なくとも地理的領域、第1の期間、および第2の期間を指定する1組の入力を受信し得る。例えば、地理的領域は、建設計画が行われた領域に対応し得る。第1の期間は、建設開始前のサンプリング持続時間に対応し得るものであり、第2の期間は、建設完了後のサンプリング持続時間に対応し得る。システムは、指定された地理的領域の少なくとも閾値近接範囲内にある1以上の道路を識別して、1以上の道路について、第1の期間および第2の期間にそれぞれわたる交通情報を集計し得る。例えば、交通情報は、輸送サービスと関連づけられた1以上の車輌から受信されたセンサデータを含み得る。次に、システムは、第1の期間について集計された交通情報と第2の期間について集計された交通情報との比較に少なくとも部分的に基づいて、その地理的領域についての交通情報レポートを生成し得る。
【0006】
幾つかの例によれば、交通情報は、1以上の道路を走行中の(例えば、輸送サービスの)1以上の車輌の平均速度を含み得る。一部の態様では、交通情報レポートは、第1の期間中の1以上の道路のうちの各道路における平均速度と、第2の期間中の1以上の道路のうちの各道路における平均速度とを比較するグラフィカルな表示を含み得る。他の態様では、交通情報レポートは、1以上の道路のうちの各道路について、第1の期間から第2の期間までの平均速度の変化の程度をハイライトする、地理的領域の地図表示を含み得る。更に、地図表示は、1以上の道路のうちの各道路について、第1の期間から第2の期間までに平均速度が増加したかまたは減少したかを示し得る。
【0007】
更に、幾つかの例によれば、交通情報は、1以上の道路を走行中の1以上の車輌についての加速度情報を含み得る。一部の態様では、システムは、加速度情報に少なくとも部分的に基づいて、1以上の道路のうちの各道路についての安全性レベルを決定し得る。例えば、「急ブレーキ」統計(例えば、7mph/秒(約11kph/秒)を超える減速)は、1以上の道路における事故の発生および/または確率を推定するために用いられ得る。従って、より高い急ブレーキの発生は、より低い安全性レベルと相関し得る。交通情報レポートは、1以上の道路のうちの各道路について、第1の期間から第2の期間までに安全性レベルが増加したかまたは減少したかを示し得る。
【0008】
一部の態様では、1以上の道路は、指定された地理的領域内に位置する道路、および/または、これらの道路の近隣の、指定された地理的領域内に位置する道路における交通パターンの変化による影響を別様で受け得る道路を含み得る。例えば、システムは、地理的領域内に位置する、第1のサブセットの道路を識別し得る。システムは、第1のサブセットの道路について、1組の代替ルートを更に決定し得る。1組の代替ルートは、第1のサブセット内の道路と交差するまたは平行に走る(例えば、従って、交通に建設および/または他の変化による影響を直接受ける領域を迂回されるために用いられ得る)道路を含み得る。次に、システムは、1組の代替ルートに属する第2のサブセットの道路を識別し得る。
【0009】
他の利益および長所の中でも特に、記載される例は、特定の道路建設計画によって生じた都市交通に対する実際の効果についての価値ある洞察を提供し得る。例えば、オンデマンド輸送サービスによって用いられる実際の車輌からの車輌センサデータを利用することにより、交通情報レポートは、特定の地理的領域内における建設計画による影響を直接および/または間接的に受ける道路の交通パターンに生じた何らかの変化(例えば、平均速度、事故の確率等)をハイライトし得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】オンデマンドサービスに関連して交通情報レポートを生成するための例示的なシステムを示す
図2】指定された地理的領域についての交通情報レポートを生成する例示的な方法を示す
図3】建設計画の前後の選択された道路における平均車輌速度を比較する例示的な方法を示す
図4】建設計画の前後の選択された道路の安全性レベルを比較する例示的な方法を示す
図5】交通情報レポートを生成するためにユーザ入力を受信し得る例示的なユーザインターフェースを示す
図6A】交通情報レポートと共に提供され得るコンテンツを表示するための例示的なユーザインターフェースを示す
図6B】交通情報レポートと共に提供され得るコンテンツを表示するための例示的なユーザインターフェースを示す
図6C】交通情報レポートと共に提供され得るコンテンツを表示するための例示的なユーザインターフェースを示す
図6D】交通情報レポートと共に提供され得るコンテンツを表示するための例示的なユーザインターフェースを示す
図6E】交通情報レポートと共に提供され得るコンテンツを表示するための例示的なユーザインターフェースを示す
図7】本明細書に記載される例が実装され得るコンピュータシステムを示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において用いられる「運転手」、「提供者」、「サービス提供者」、「供給者」、または「ベンダー」は、常に、オンデマンドサービスを提供可能な個人または事業体を参照するために用いられる。また、本明細書において用いられる「クライアント装置」、「ユーザ装置」、および/または「コンピューティング装置」は、ネットワークを介して輸送手配システムおよび/または交通情報レポート生成システムと通信するためのネットワーク接続性および処理リソースを提供できるデスクトップコンピュータ、セルラー装置またはスマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、タブレット装置、テレビ(IPテレビ)等に対応する装置を参照する。また、運転手装置は、輸送物体の他の装置(例えば、車載コンピューティングシステム、またはカスタムハードウェア等)に対応し得る。運転手装置は、オンデマンドサービスシステムおよび/または輸送個人化システムと通信するよう構成された指定されているサービスアプリケーションを操作し得る。更に、本明細書に記載される幾つかの例は輸送サービスに関するものであるが、本明細書に記載されるシステムは、例えば、フードトラックサービス、配達サービス、エンターテインメントサービス等の他のオンデマンドサービスを提供するために用いられてもよい。
【0012】
本明細書に記載される1以上の例は、コンピューティング装置によって行われる方法、技術、および動作が、プログラムによって行われる、またはコンピュータによって実装される方法として行われるものとしている。本明細書において用いられる「プログラムによって」とは、コードまたはコンピュータが実行可能な指示を用いることを意味する。これらの指示は、コンピューティング装置の1以上のメモリリソースに格納され得る。プログラムによって行われる工程は、自動であってもよく、または自動でなくてもよい。
【0013】
本明細書に記載される1以上の例は、プログラムモジュール、エンジン、またはコンポーネントを用いて実装され得る。プログラムモジュール、エンジン、またはコンポーネントは、1以上の記載されたタスクまたは機能を行う能力があるプログラム、サブルーチン、プログラムの一部、またはソフトウェアコンポーネントもしくはハードウェアコンポーネントを含み得る。本明細書において用いられる「モジュール」または「コンポーネント」は、ハードウェアコンポーネント上に、他のモジュールまたはコンポーネントから独立して存在し得る。或いは、モジュールまたはコンポーネントは、他のモジュール、プログラム、または機器と共有された要素または処理であり得る。
【0014】
本明細書に記載される幾つかの例は、一般的に、処理リソースおよびメモリリソースを含むコンピューティング装置の使用を必要とし得る。本明細書に記載される例は、全体的にまたは部分的に、例えばサーバ、デスクトップコンピュータ、携帯電話もしくはスマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(例えば、PDA)、ラップトップコンピュータ、プリンタ、ネットワーク機器(例えば、ルーター)、およびタブレット装置等のコンピューティング装置上で実装され得る。メモリリソース、処理リソース、およびネットワークリソースは全て、本明細書に記載される任意の例の構築、使用、または実行に関して(何らかの方法の実行に関する場合、または何らかのシステムの実装に関する場合を含む)用いられ得る。
【0015】
更に、本明細書に記載される1以上の例は、1以上のプロセッサによって実行可能な指示を用いて実装され得る。これらの指示は、コンピュータ可読媒体上に担持され得る。以下の図面と共に示される、または説明される装置は、例を実装するための指示を担持および/または実行し得る処理リソースおよびコンピュータ可読媒体の例を提供するものである。具体的には、例と共に示されている多くの機器は、プロセッサと、データおよび指示を保持するための様々な形態のメモリとを含む。コンピュータ可読媒体の例は、例えばパーソナルコンピュータまたはサーバ上のハードドライブ等の永久的なメモリストレージ装置を含む。コンピュータストレージ媒体の他の例としては、例えばCDもしくはDVDユニット、(例えばスマートフォン、多機能装置、またはタブレット等に搭載された)フラッシュメモリ、および磁気メモリ等の携帯型ストレージ装置が挙げられる。コンピュータ、端末、ネットワークを使用可能な装置(例えば、携帯電話等のモバイル装置)は全て、プロセッサ、メモリ、およびコンピュータ可読媒体に格納された指示を用いる機器および装置の例である。更に、例は、コンピュータ-プログラム、またはそのようなプログラムを担持できるコンピュータが使用可能なキャリア媒体の形態で実装され得る。
【0016】
システムの説明
図1は、オンデマンドサービスに関連して交通情報レポートを生成するための例示的なシステム100を示す。実装に応じて、システム100の1以上の構成要素は、1以上のネットワークを介してクライアント装置160および1以上の提供者装置170と通信可能なコンピューティング装置上(例えば、サーバ、ラップトップ、PC等)で、または、複数のコンピューティング装置上で実装され得る。幾つかの例では、コンピューティング装置は、システム100の様々な構成要素によって説明される処理のうちの1以上を行うために、アプリケーションを操作または実行し得る。また、システム100は、代わりのアーキテクチャ(例えば、ピアツーピアネットワーク等)で他のコンピュータシステムを介して実装されてもよい。
【0017】
本明細書に記載されるように、システム100はオンデマンドサービスシステムの一部であってもよく、またはオンデマンドサービスシステムと通信してもよい(例えば、オンデマンドサービスシステムの輸送手配システム等)。オンデマンドサービスの例としては、輸送サービス、フードトラックサービス、配達サービス、移動エンターテインメントサービス等が挙げられる。輸送サービス用の輸送手配システムは、例えば、要求側の装置を操作しているユーザからの要求を受信して、そのユーザに、サービス提供者(例えば、運転手)によって輸送サービスが提供されるよう手配し得る。
【0018】
例示的な実装例では、システム100は、クライアントインターフェース101、提供者インターフェース102、道路選択器110、交通情報レポート生成器120、センサデータフィルタ130、集計器140、およびデータストア150を含む。システム100は、1以上の提供者装置170から受信された提供者データ171に少なくとも部分的に基づいて、カスタマイズされた交通情報レポート163を生成して、クライアント装置160に提供し得る。実装に応じて、システム100の1以上の構成要素は、例えば、1以上のサーバ等のネットワーク側リソース上で実装され得る。それに加えて、またはその代わりに、システム100の構成要素の一部または全ては、例えば、クライアント装置160上で動作するアプリケーションを介して、クライアント装置上で実装され得る。例えば、クライアントアプリケーションは、システム100の様々な構成要素によって説明される処理のうちの1以上を行うよう実行され得る。
【0019】
システム100は、1以上のネットワークを介して(例えば、無線で、または有線接続を介して)、提供者インターフェース102を用いて、提供者装置170と通信し得る。幾つかの例では、提供者装置170は、システム100と通信するために、提供者インターフェース102とのインターフェースを行い得るアプリケーションを個々に操作し得る。幾つかの例によれば、アプリケーションは、提供者インターフェース102とデータ通信するためのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)(例えば、外向きのAPI等)を含み得る、または用い得る。外向きのAPIは、例えばウェブに基づくフォーム、RESTfulAPIを介したプログラムでのアクセス、シンプル・オブジェクト・アクセス・プロトコル(SOAP)、遠隔手続呼び出し(RPC)、スクリプトアクセス等の任意の数の方法を用いた、ネットワークを介したセキュアアクセスチャネルを用いて、システム100へのアクセスを提供し得るものであり、システム100がセキュアな状態に保たれることを確実にするためのキーに基づくアクセスを含み、権限を与えられたユーザ、サービス提供者、および/または第三者のみがシステム100へのアクセス権を得ることができる、セキュアなアクセス方法を提供する。
【0020】
システム100は、提供者インターフェース102を介して、複数の提供者装置170からの提供者アップデート171を受信し得る。提供者アップデート171は、それぞれの装置および/またはそれらのそれぞれのユーザに関する現在の情報を提供し得る。例えば、各提供者装置170について、提供者アップデート171は、サービス提供者または提供者装置の識別情報、サービス提供者が運転する車輌のタイプ、サービス提供者が提供するサービス、サービス提供者の空き状況(例えば、サービス提供者がサービスを提供可能である、勤務時間外である、もしくは、現在、他のユーザにサービスを提供中であることを示す)、および/または、提供者装置170の現在の状態を示すセンサデータを含み得る。例えば、各提供者装置170は、サービス提供者の車輌の現在の状態および/または状況を検出するために、1以上のセンサ(例えば、全地球測位システム(GPS)、慣性計測装置(IMU)、加速度計、高度計、フォトセンサ等)を含み得るか、またはそれらのセンサに別様で結合され得る。
【0021】
幾つかの例では、サービス提供者がそれぞれの提供者装置170上でサービスアプリケーションを起動または開始したときに、提供者アップデート171が受信され得る。他の例では、サービス提供者がサービスアプリケーションを用いて特定の動作を行ったとき(例えば、サービス提供者が、サービスを提供可能であること、または、オンデマンドサービスに関連する1以上の活動がたった今完了したことを通知したとき)に、提供者アップデート171が受信され得る。また、サービス提供者がサービスアプリケーションを起動または開始した後、提供者インターフェース102は、周期的に、異なる時間の過程において、または設定されたスケジュールに基づいて、提供者アップデート171を受信し得る。更に、提供者装置170は、提供者が輸送サービスを行う過程で移動中の持続時間の間に(例えば、要求しているユーザの乗車位置および/または目的地へと移動している間に)提供者アップデート171を送信し得る。システム100は、例えば、提供者アップデート171を周期的に受信することにより、少なくともサービス提供者が移動した道路および/またはルートについてのリアルタイムの交通情報を決定し得る。
【0022】
センサデータフィルタ130は、提供者インターフェース102から提供者アップデート171を受信し、センサデータ131について、提供者アップデート171を解析し得る。上述のように、提供者アップデート171は、GPSモジュール、IMUセンサ、および/または1以上の加速度計からのセンサデータを含み得る。GPSセンサデータは、サービス提供者の車輌の居場所を検出するために用いられ得る場所および/または位置の情報を含み得る。IMUセンサデータは、車輌の相対的位置を検出するために、および/または推定到着時間を計算するために用いられ得る速度、向き、および/または重力の情報を含み得る。更に、加速度計データは、任意の所与の時間における対応する車輌の加速度または減速度を示し得る。
【0023】
センサデータフィルタ130は、センサデータ131を取得して、データストア150に格納し得る。一部の態様では、各1組のセンサデータ131は、センサデータ131が(例えば、提供者装置170の1以上のセンサによって)生成された、またはシステム100によって受信された時刻および/または日付を示す対応するタイムスタンプと共に格納され得る。例えば、一部の実装例では、提供者アップデート171は、送信時刻に基づくタイムスタンプと共に送信され得る。他の実装例では、センサデータフィルタ130(または提供者インターフェース102)は、提供者アップデート171を受信した際に、受信時刻に基づいて、センサデータ131にタイムスタンプを加え得る。
【0024】
また、システム100は、1以上のネットワークを介して、クライアントインターフェース101を用いて、クライアント装置160と通信し得る。クライアント装置160は、特定の地理的領域および/または期間についての交通情報レポート163を要求および/または表示するために用いられ得る。例えば、交通情報レポート163は、特定の建設計画が、建設ゾーンを通る、および/または建設ゾーンの周囲を走る道路における交通にどのように影響しているかを示し得る。従って、交通情報レポート163は、(例えば、都市計画担当者または都市計画担当省庁によって)過去の建設計画の効果を評価するため、および/または、将来の建設計画の影響を予測するために用いられ得る。図1の例では、クライアント装置160は、1以上のネットワークを介してシステム100と通信するものとして示されているが、幾つかの例では、クライアント装置160はシステム100と共に含まれてもよく、またはシステム100の一部であってもよい。
【0025】
幾つかの例では、クライアント装置160は、システム100と通信するために、クライアントインターフェース101とのインターフェースを行い得るアプリケーションを操作し得る。幾つかの例によれば、アプリケーションは、クライアントインターフェース101とデータ通信するためのAPI(例えば、外向きのAPI等)を含み得る、または用い得る。外向きのAPIは、例えばウェブに基づくフォーム、RESTfulAPIを介したプログラムでのアクセス、SOAP、RPC、スクリプトアクセス等の任意の数の方法を用いた、ネットワークを介したセキュアアクセスチャネルを用いて、システム100へのアクセスを提供し得るものであり、システム100がセキュアな状態に保たれることを確実にするためのキーに基づくアクセスを含み、権限を与えられたユーザ、サービス提供者、および/または第三者のみがシステム100へのアクセス権を得ることができる、セキュアなアクセス方法を提供する。
【0026】
システム100は、クライアントインターフェース101を介して、クライアント装置160からのユーザ入力データ161を受信し得る。ユーザ入力データ161は、特定の交通情報レポート163を生成するために用いられ得る、ユーザによって定義された1組のパラメータを含み得る。例えば、一部の態様では、ユーザ入力データ161は、少なくとも地理的領域、第1の期間(例えば、開始期間)、および第2の期間(例えば、終了期間)を指定し得る。幾つかの例では、地理的領域は、建設計画による影響を直接または間接的に受ける領域または位置(例えば、地図上の領域)に対応し得る。例えば、地理的領域は、建設中および/または補修中だった道路の部分を含み得る。第1の期間は、建設開始前の期間(例えば、時間範囲)に対応し、第2の期間は、建設完了後の期間(例えば、時間範囲)に対応し得る。
【0027】
クライアント装置160からユーザ入力データ161を受信した際、クライアントインターフェース101は、地理的領域111に関する情報を道路選択器111に転送し得る。地理的領域111は、経度/緯度座標、近隣の名称、および/または道路の名称に基づいて識別され得る。道路選択器110は、指定された地理的領域111に少なくとも部分的に基づいて、建設計画による影響を受け得る1以上の道路を識別し得る。例えば、道路選択器110は、少なくとも部分的に地理的領域111内に位置するまたは地理的領域111によって境界されている第1の1組の道路を識別し得る。第1の1組の道路は、地理的領域111内における建設計画による影響を直接受け得る。
【0028】
一部の態様では、道路選択器110は、更に、地理的領域111の外側にあるが、依然として建設計画による影響を受け得る第2の1組の道路を識別し得る。例えば、道路選択器110は、第1の1組の道路についての、1以上の代替ルートを決定するための代替ルート決定論理112を含み得る。代替ルートは、第1の1組の道路に対して平行および/または垂直に走る第2の1組の道路を含み得るものであり、従って、交通に地理的領域111を迂回させるために(例えば、迂回路として)用いられ得る。従って、第2の1組の道路は、地理的領域111における建設計画による影響を間接的に受け得る。
【0029】
道路選択器110は、地理的領域111と関連づけられた第1および/または第2の1組の道路を識別する道路情報117を、集計器140に送信する。集計器140は、更に、クライアントインターフェース101から、ユーザ入力データ161と共に供給された開始期間113および終了期間115に関する情報を受信し得る。一部の実装例では、期間113および115は、クライアント装置160のユーザによって任意に定義され得る。例えば、開始期間113は、複数の時間数、日数、週数、および/または月数にわたる時間範囲を含み得る。同様に、終了期間115は、複数の時間数、日数、週数、および/または月数にわたる時間範囲を含み得る。更に、開始期間113の長さまたは持続時間は、終了期間115の長さまたは持続時間とは異なっていてもよい。
【0030】
例示的な態様では、集計器140は、指定された期間中に選択された道路を走行していた車輌から取得されたセンサデータに基づいて、交通情報141を生成および/または集計し得る。例えば、集計器140は、受信された道路情報117によって識別される、選択された道路を走行していた車輌から取得されたセンサデータ(例えば、GPSデータ、IMUデータ、および/または加速度計データ)を求めて、データストア150を検索し得る。一部の実装例では、選択された道路は、データストア150に格納されているGPSデータに基づいて検索され得る。
【0031】
更に、集計器140は、第1の期間および第2の期間に基づいて、検索結果をフィルタリングし得る。例えば、集計器140は、開始期間113または終了期間115中に(例えば、選択された道路を走行していた車輌から)送信または受信されたセンサデータのみを読み出し得る。一部の実装例では、集計器140は、データストア150に格納されているセンサデータと関連づけられたタイムスタンプに基づいて、検索結果をフィルタリングし得る。
【0032】
一部の実装例では、交通情報141は、データストア150に格納されているセンサデータのサブセットのみを考慮し得る。例えば、上述のように、提供者アップデート171は、1以上の道路における交通パターンの検出に関連していない場合がある幾つかのセンサデータ131(例えば、高度計データ、フォトセンサデータ等)を含み得る。従って、集計器140は、選択された道路および期間についての関連するセンサデータ(例えば、GPSデータ、IMUデータ、および/または加速度計データ)のみを読み出しおよび/または集計し得る。
【0033】
交通情報レポート生成器120は、集計された交通情報141を集計器140から受信し、集計された交通情報141に基づいて交通情報レポート163を生成する。交通情報レポート163は、建設計画によって生じた、または別様で建設計画に起因する、地理的領域111内における交通に対する効果を、ハイライトするかまたは別様で示し得る。例えば、交通情報レポート163は、開始期間113から集計された交通情報141と終了期間115から集計された交通情報141とを比較するグラフィカルな表示および/または地図表示を含み得る。
【0034】
一部の態様では、交通情報レポート生成器120は、道路情報117によって識別される選択された道路における車輌の平均速度を決定するための平均速度計算器122を含み得る。例えば、特定の車輌の速度および/または進行方向を含む速度が、選択された道路のうちの1以上を走行中にその車輌によって(例えば、システム100に)送信されたIMUセンサデータと共に含まれ得る。その代わりに、またはそれに加えて、特定の車輌の速度および/または進行方向を含む速度は、選択された道路のうちの1以上を走行中にその車輌によって(例えばシステム100に)送信されたGPSデータに基づいて(例えば、GPSデータによって示される車輌の位置または場所の変化率を計算することによって)決定され得る。次に、平均速度計算器122は、選択された各道路について決定された速度を、開始期間113および終了期間115のそれぞれに関して平均し得る。
【0035】
他の態様では、交通情報レポート生成器120は、道路情報117によって識別される選択された道路の安全性レベル(例えば、または事故の確率)を決定するための安全性レベル計算器124を含み得る。例えば、加速度計データを用いて、車輌が、選択された道路においてどのくらい急速に加速したか、またはブレーキをかけたかが決定され得る。少なくとも7mph/秒(約11kph/秒)の減速度によって特徴づけられ得る「急ブレーキ」は、典型的には、車輌の操作者が、道路上の別の物体との事故または衝突を回避することを試みてブレーキペダルを急に踏み込んだときに生じる。従って、急ブレーキの統計は、選択された道路における事故の確率を推定するために有用であり得る。より具体的には、より高い急ブレーキの発生は、より低い安全性の値(例えば、より高い事故の確率)に相関し得るものであり、その逆も然りである。
【0036】
幾つかの例では、交通情報レポート163は、開始期間113中の第1の1組の道路の平均速度および/または安全性レベルと、終了期間115中の第1の1組の道路の平均速度とのグラフィカルな比較を含み得る。他の例では、交通情報レポート163は、開始期間113中の第1および第2の組の道路の平均速度および/または安全性レベルと、終了期間115中の第1および第2の組の道路の平均速度とのグラフィカルな比較を含み得る。更に、幾つかの例では、交通情報レポート163は、選択された道路のうちの1以上の道路の開始期間113と終了期間115との間における平均速度および/または安全性レベルの変化または差異の程度またはをハイライトする地図表示を含み得る。更に、地図表示は、平均速度および/または安全性レベルが全体的に上昇した道路を、平均速度が全体的に低下した道路から区別し得る。
【0037】
交通情報レポート163は、クライアントインターフェース101を介して、クライアント装置160に送信され得る。次に、交通情報レポート163は、クライアント装置160上で実行されるアプリケーションを介してユーザに表示されるかまたは別様で提示され得る。
【0038】
方法論
図2は、指定された地理的領域についての交通情報レポートを生成する例示的な方法200を示す。図1の例によって説明されたような方法は、例えば、図1のシステム100によって実装可能である。従って、図1の要素に対する参照は、説明されているステップまたはサブステップを行うための適切な要素または構成要素を説明することを目的としたものである。
【0039】
システム100は、まず、少なくとも地理的領域、第1の期間、および第2の期間を指定する1組の入力を受信する(210)。例えば、地理的領域は、建設計画による影響を直接または間接的に受ける領域または位置に対応し得る。第1の期間は建設開始前の期間に対応し、第2の期間は建設完了後の期間に対応し得る。一部の態様では、システム100は、クライアント装置160から(例えば、クライアントインターフェース101を介して)1組の入力を受信し得る。
【0040】
システム100は、指定されている地理的領域の少なくとも閾値近接範囲内にある1以上の道路を識別する(220)。例えば、地理的領域は、経度/緯度座標、近隣の名称、および/または道路の名称に基づいて識別され得る。一部の態様では、道路選択器110は、少なくとも部分的に地理的領域111内に位置する、または地理的領域111によって境界されている第1の1組の道路を識別し得る。他の態様では、道路選択器110および/または代替ルート決定論理112は、更に、第1の1組の道路についての1以上の代替ルートを決定し得る。代替ルートは、第1の1組の道路に対して平行および/または垂直に走る第2の1組の道路を含み得るものであり、従って、交通に地理的領域111を迂回させるために(例えば、迂回路として)用いられ得る。
【0041】
次に、システム100は、第1の期間にわたる1以上の道路についての交通情報を集計する(230)。例えば、集計器140は、第1の期間(例えば、開始期間113)中に選択された道路を走行していた車輌から取得されたセンサデータに基づいて、交通情報141を生成および/または集計し得る。より具体的には、集計器140は、データストア150から、開始期間113に対応する時間範囲内に(例えば、選択された道路を走行していた車輌から)送信または受信された関連するセンサデータ(例えば、交通情報)のみを読み出し得る。
【0042】
システム100は、更に、第2の期間にわたる1以上の道路についての交通情報を集計する(240)。例えば、集計器140は、第2の期間(例えば、終了期間115)中に選択された道路を走行していた車輌から取得されたセンサデータに基づいて、交通情報141を生成し得る。より具体的には、集計器140は、データストア150から、終了期間115に対応する時間範囲内に(例えば、選択された道路を走行していた車輌から)送信または受信された関連するセンサデータ(例えば、交通情報)のみを読み出し得る。
【0043】
最後に、システム100は、第1の期間について集計された交通情報と第2の期間について集計された交通情報との比較に少なくとも部分的に基づいて、地理的領域についての交通情報レポートを生成し得る(250)。交通情報レポート163は、建設計画によって生じた、または別様で建設計画に起因する、地理的領域111内における交通に対する効果をハイライトするかまたは別様で示し得る。例えば、交通情報レポート163は、開始期間113から集計された交通情報141と終了期間115から集計された交通情報141とを比較するグラフィカルな表示および/または地図表示を含み得る。
【0044】
上述のように、交通情報レポートは、特定の建設計画が、建設ゾーンを通る、および/または建設ゾーンの周囲を走る道路における交通にどのように影響しているかを示し得る。従って、交通情報レポートは、(例えば、都市計画担当者または都市計画担当省庁によって)指定された地理的領域および/または周囲の領域に対する過去の建設計画の効果を評価するため、および/または、将来の建設計画の影響を予測するために用いられ得る。
【0045】
図3は、建設計画の前後の選択された道路における平均車輌速度を比較する例示的な方法300を示す。図3の例によって説明されるような方法は、例えば、図1の交通情報レポート生成器120によって実装可能である。従って、図1の要素に対する参照は、説明されているステップまたはサブステップを行うための適切な要素または構成要素を説明することを目的としたものである。
【0046】
交通情報レポート生成器120は、第1の期間中および第2の期間中の1組の選択された道路における車輌の平均速度をそれぞれ決定し得る(310)。例えば、特定の車輌の速度および/または進行方向を含む速度は、選択された道路のうちの1以上を走行中にその車輌によって(例えば、システム100に)送信されたIMUセンサデータと共に含まれ得る。その代わりに、またはそれに加えて、特定の車輌の速度および/または進行方向を含む速度は、選択された道路のうちの1以上を走行中にその車輌によって(例えば、システム100に)送信されたGPSデータに基づいて(例えば、GPSデータによって示される車輌の位置または場所の変化率を計算することによって)決定され得る。一部の態様では、交通情報レポート生成器120および/または平均速度計算器122は、第1の期間(例えば、開始期間113)に関して、および第2の期間(例えば、終了期間115)に関して、選択された各道路について決定された速度を平均し得る。
【0047】
交通情報レポート生成器120は、第1の期間中の選択された道路における平均速度と、第2の期間中の選択された道路における平均速度とを比較するグラフィカルな表示を生成し得る(320)。1組の選択された道路は、少なくとも部分的にユーザによって指定された地理的領域内に位置する、またはその地理的領域によって境界されている第1のサブセットの道路と、第1のサブセット内の1以上の道路に対して平行または垂直に走るが、その地理的領域の外側にある第2のサブセットの道路とを含み得る。幾つかの例では、交通情報レポートは、第1の期間中の第1のサブセットの道路のみにおける平均速度と、第2の期間中の第1のサブセットの道路における平均速度とのグラフィカルな比較を含み得る。他の例では、交通情報レポートは、第1の期間中の第1および第2のサブセットの道路における平均速度と、第2の期間中の第1および第2のサブセッの道路における平均速度とのグラフィカルな比較を含み得る。
【0048】
交通情報レポート生成器120は、更に、選択された各道路について、第1の期間から第2の期間までの平均速度の変化または差異の程度をハイライトする地図表示を生成し得る(330)。例えば、交通情報レポートは、選択された各道路における平均速度の相対変化を示す「色分け地図」を含み得る。平均速度の変化がより大きい道路は、平均速度の変化がより小さい道路とは異なるようにハイライトされるかまたは別様で区別され得る。更に、平均速度が全体的に上昇した道路は、平均速度が全体的に低下した道路とは異なるようにハイライトされるかまたは別様で区別され得る。本明細書において参照される「ハイライトする」とは、色、パターン、シェーディング等のうちの1以上を用いて、特定の特徴を他の特徴から(例えば、或る道路を別の道路から、或る変化の程度を別の変化の程度から、等)区別することに対応し得る。
【0049】
図4は、建設計画の前後の選択された道路の安全性レベルを比較する例示的な方法400を示す。図4の例によって説明されるような方法は、例えば、図1の交通情報レポート生成器120によって実装可能である。従って、図1の要素に対する参照は、説明されているステップまたはサブステップを行うための適切な要素または構成要素を説明することを目的としたものである。
【0050】
交通情報レポート生成器120は、第1の期間中および第2の期間中の1組の選択された道路における車輌についての加速度(または減速度)情報をそれぞれ決定し得る(410)。例えば、特定の車輌についての加速度情報は、選択された道路のうちの1以上を走行中にその車輌によって(例えば、システム100に)送信された加速度計データに対応し得る。
【0051】
次に、交通情報レポート生成器120は、車輌加速度情報に基づいて、それぞれの期間中の選択された道路の安全性レベルを決定し得る(420)。一部の態様では、交通情報レポート生成器120および/または安全性レベル計算器124は、加速度計データに基づいて、車輌が、選択された道路においてどのくらい急速に加速したか、またはブレーキをかけたかを決定し得る。上述のように、(例えば、車輌が少なくとも7mph/秒(約11kph/秒)の速度で原則したときの)急ブレーキの統計は、選択された道路における事故の確率を推定するために用いられ得る。従って、より高い急ブレーキの発生は、より低い安全性の値(例えば、より高い事故の確率)に相関し得るものであり、その逆も然りである。
【0052】
最後に、交通情報レポート生成器120は、第1の期間中の選択された道路の安全性レベルと第2の期間中の選択された道路の安全性レベルとを比較し得る(430)。幾つかの例では、交通情報レポートは、第1の期間中の選択された道路の安全性レベルと第2の期間中の選択された道路の安全性レベルとのグラフィカルな比較を含み得る。他の例では、交通情報レポートは、第1の期間と第2の期間との間における選択された道路の安全性レベルの変化または差異の程度をハイライトする地図表示を含み得る。更に、地図表示は、安全性レベルが全体的に上昇した道路を安全性レベルが全体的に低下した道路から区別し得る。
【0053】
ユーザインターフェースの例
図5および図6A図6Eは、交通情報レポートを作成および/または表示する目的でコンピューティング装置に提供され得る例示的なユーザインターフェースを示す。例えば、図1のシステム100を参照すると、ユーザインターフェース500および610~650は、それぞれ、クライアント装置160上で実行されるアプリケーションによって提供され得るユーザインターフェースを示す。このアプリケーションは、クライアント装置160のユーザが、システム100によって提供される交通情報レポートを閲覧できるように、クライアント装置160とシステム100との間でのデータの交換を可能にし得る。より具体的には、ユーザインターフェース500は、ユーザ入力データ161を受信するために用いられ得るものであり、ユーザインターフェース610~650は、ユーザ入力データ161に基づいて生成された対応する交通情報レポート163からのコンテンツを表示するために用いられ得るものである。
【0054】
図5は、交通情報レポートを生成するためのユーザ入力を受信し得る例示的なユーザインターフェース500を示す。ユーザインターフェース500は、地理的入力機能510および時間入力機能520を含む。地理的入力機能510は、交通情報レポートを生成する対象の地理的領域をユーザが選択し得るインタラクティブな地図表示を含む。地理的領域は、建設および/または他の変化による影響を受けた都市の領域に対応し得る。例えば、ユーザは、地図の領域をクリック(またはタップ)することで、特定の道路、ブロック、または(例えば、その領域と関連づけられた)近隣を地理的領域として選択し得る。その代わりに、またはそれに加えて、ユーザは、カーソルまたはポインタを地図の所望の領域にわたってクリック・アンド・ドラッグ(またはタップ・アンド・ドラッグ)することで、1以上の道路、ブロック、または、少なくとも部分的に所望の領域内に位置するもしくは所望の領域によって境界されている近隣を選択し得る。図5の例では、選択された地理的領域512は、北側を17番通りによって、および南側を19番通りによって境界されているCastro通りの一部を含む。
【0055】
時間入力機能520は、交通情報レポートを生成するための少なくとも2つの時間範囲をユーザが指定するのを可能にする。例えば、時間入力機能520は、ユーザが第1の期間522および第2の期間524を選択するための入力を含む。例えば、ユーザは、時間範囲522および524の各々について、(例えば、それぞれのボックスの「乃至」という文字の左側および右側をクリックすることにより)プルダウンメニューから上方時間境界および下方時間境界を選択し得る。その代わりに、またはそれに加えて、ユーザは、例えば、キーボードまたは他の数値/文字入力装置を用いて、上方時間境界および下方時間境界を手動で入力してもよい。第1の期間522は、選択された地理的領域512内において行われた建設計画および/または変化の前の時間範囲に対応し得る。第2の期間524は、選択された地理的領域512内において行われた建設計画および/または変化の後の時間範囲に対応し得る。図5の例では、建設計画は、Castro通りにおいて、14/3/13から14/10/30まで行われた。従って、第1の期間522は14/1/1である下方境界と14/3/12である上方境界とを有し、第2の期間524は14/10/31である下方境界と15/1/1である上方境界とを有する。
【0056】
図5の例は、単に説明の目的で述べたものである。従って、例示的なユーザインターフェース500において供給され得るユーザ入力は、図5に示されているものに限定されない。例えば、一部の態様では、ユーザは、選択された地理的領域512として複数の道路を選択し得る。更に、他の態様では、期間522および524は、日付の範囲に限定されなくてよい。むしろ、ユーザは、期間522および524の各々について、任意の時間範囲(例えば、時間数、日数、月数、年数等を含む)を指定し得る。
【0057】
図6A図6Eは、交通情報レポートと共に提供され得るコンテンツを表示するための例示的なユーザインターフェース610~650をそれぞれ示す。(例えば、ユーザインターフェース610~650に示されているような)交通情報レポートのコンテンツは、図5の例のユーザ入力データに基づくものであり得る。例えば、交通情報レポートは、(例えば、14/3/13~14/10/30に)Castro通りにおいて行われた建設計画の交通に対する効果をハイライトし得る。より具体的には、交通計画は、Castro通りに沿った歩道の幅を拡張するためのものであり、それにより、車輌交通のために用いられる道路の部分の全体的な幅および/または車線数が減少した。意図された効果は、歩行者の安全性を高めること、および/または、Castro通りにおける車輌交通の速度を低下させることであり得る。
【0058】
図6Aは、行われた建設の前後の選択された地理的領域における車輌交通の平均速度を比較している例示的なユーザインターフェース610を示す。より具体的には、ユーザインターフェース610は、Castro通りにおける経時的な車輌交通の重み付き平均速度(例えば、単位はMPH)を示す棒グラフを含む。棒グラフの中心を通る点線は、Castro通りにおいて行われた道路建設の期間(例えば、14/3/13~14/10/30)を示す。点線の左側の棒は、建設が行われる前の指定された期間中(例えば、14/1/1~14/3/12)のCastro通りにおける車輌交通の平均速度(例えば、約17mph)を示す。点線の右側の棒は、建設が行われた後の指定された期間中(例えば、14/10/31~15/1/1)のCastro通りにおける車輌交通の平均速度(例えば、約13mph)を示す。このように、図6Aの例からは、建設計画が、Castro通りにおける車輌交通の速度を(例えば、約4mphだけ)下げるという所望の効果を達成したように見え得る。
【0059】
図6Bは、行われた建設の前後の選択された地理的領域の周囲の近隣における車輌交通の平均速度を比較している例示的なユーザインターフェース620を示す。より具体的には、ユーザインターフェース620は、Castro通りおよびCastro通りに平行に走る近隣の通り(例えば、Diamond通り、Collingwood通り、Hartford通り、およびNoe通り)における車輌交通の重み付き平均速度(例えば、単位はMPH)を示す幾つかの棒グラフを含む。上述のように、近隣の通りは、Castro通りの代わりにとられ得る(例えば、17番通り、18番通り、および19番通りの間の)代替ルートとしての役割をし得る。
【0060】
図6Bに関して示されている例では、建設が行われた後、(例えば、Castro通りに加えて)近隣の通りの各々において、平均速度が全体的に低下した。例えば、Diamondにおける平均速度は約2mphだけ低下し、Collingwoodにおける平均速度は約1mphだけ低下し、Hartfordにおける平均速度は約2mphだけ低下し、Noeにおける平均速度は約1mphだけ低下した。このように、図6Bの例からは、建設計画が、(例えば、可能性として、人々が、より大きい遅延を回避するためにCastro通りを迂回することを試みた結果として)Castro通りに平行に走る近隣の通りにおける車輌交通の増加を生じたように見え得る。
【0061】
図6Cは、行われた建設の前後の選択された地理的領域内における車輌交通の平均速度の時間帯毎の変化を比較している例示的なユーザインターフェース630を示す。より具体的には、ユーザインターフェース630は、Castro通りにおける経時的な車輌交通の重み付き平均速度(例えば、単位はMPH)を示す折れ線グラフを含む。この結果は、(例えば、建設が行われた後の)午前3時~午前6時の時間帯における車輌速度の急上昇を示しているが、折れ線グラフの全体的な傾向は、建設計画がCastro通りにおける平均車輌速度を全体的に低下させたという結論を支持するものである。車輌速度の最も有意な低下は、午前10時~午後10時の時間帯に生じている(例えば、この間、通りに出る歩行者数が最も多い可能性がある)。このように、図6Cの例からは、建設計画が、Castro通りにおける歩行者の安全性を高めるという所望の効果を達成したように見え得る。
【0062】
図6Dは、行われた建設の前後の選択された地理的領域の周囲の近隣における、北に向かう車輌交通および南に向かう車輌交通の平均速度を比較している例示的なユーザインターフェース640を示す。より具体的には、ユーザインターフェース640は、Castro通りと交差するまたは別様で垂直に走る近隣の通り(例えば、Market、18番、19番、20番、Liberty、21番、Hill、22番、Alvarado、23番、Elizabeth、24番、Jersey、25番、Clipper、26番、Cesar Chavez、および27番)におけるにおける車輌交通の重み付き平均速度(例えば、単位はMPH)を示す幾つかの折れ線グラフを含む。
【0063】
左側のグラフは、行われた建設の前後の、近隣の通りの各々における北に向かう交通の平均を示す。右側のグラフは、行われた建設の前後の、近隣の通りの各々における南に向かう交通の平均を示す。北に向かうグラフおよび南に向かうグラフの左手側にあるグレーの領域642および644はそれぞれ、建設が行われた地理的領域512を表す。例えば、Market通り、18番通り、および19番通りは、建設による影響を直接受けた地理的領域512を通る。通りの名称は、グレーの領域642および644から遠くに挙げられているものほど、建設による影響を直接受けた地理的領域512から遠く離れている。
【0064】
図6Dに関して示されている例では、北に向かう車輌交通の平均速度は、建設が行われた後も比較的変わらないままであった。一方、同じ通りにおいて南に向かう車輌交通の平均速度は顕著に低下している。南に向かう交通の速度の最も有意な低下は、Market通りとHill通りとの間(例えば、地理的領域512に最も近い通り)において生じており、一方、22番通りの南にある通りにおける平均速度はほとんどまたは全く変化していない。このように、図6Dの例からは、建設計画が、(例えば、可能性として、人々が、より大きい遅延を回避するためにCastro通りを迂回することを試みた結果として)Castro通りと交差するまたは別様で垂直に走る近隣の通りの一部における車輌交通を増加させたように見え得る。
【0065】
図6Eは、建設計画の結果としての、選択された地理的領域の周囲の近隣における車輌交通の平均速度の変化の程度をハイライトしている例示的なユーザインターフェース650を示す。より具体的には、ユーザインターフェース650は、地理的領域512(例えば、Castro通り)の周囲の近隣の地図を含む。各通りは、行われた建設の前から後までの平均速度の変化の程度を反映するために、特定の方法でハイライト(例えば、シェーディングまたは色付け)され得る。例えば、凡例652を参照すると、統計的に有意な速度の変化の各々が、異なる色、シェード、および/またはパターンによってハイライトされ得る。図6Eの例では、0.1mph台の速度増加は統計的に有意であると見なされ得るものであり、一方、0.5mph台の速度減少は統計的に有意であると見なされ得る。これは、(例えば、歩行者の安全性を高めるために)近隣における平均速度を上げるのではなく下げるというユーザの目標を反映したものである。
【0066】
図6Eに関して示されている例では、17番通りおよび19番通りによって境界されているCastro通りの部分では、平均速度の全体的な低下が最も大きく(例えば、2.5~3mphの低下)、Castro通りの残りの部分(例えば、19番通りの南)では、平均速度が全体的に上昇している(例えば、0.2~0.3mphの増加)。一方、Collingswood通りおよび19番通りにおける平均速度は、建設の結果、比較的変わらないままである。Diamond通りおよびHartford通りの両方では速度が中程度に減少し(例えば、1.5~2mphの減少)、Noe通りではより僅かな速度の減少が生じている(例えば、1~1.5mphの減少)。20番通りでは平均速度の全体的な増加が最も大きく(例えば、0.5mphを超える増加)、次に大きいのは18番通りである(例えば、0.3~0.4mphの増加)。
【0067】
ハードウェア図
図7は、本明細書に記載される例が実装され得るコンピュータシステム700を示すブロック図である。例えば、図1の文脈では、システム100は、図7によって説明されるようなコンピュータシステムを用いて実装され得る。また、システム100は、図7によって説明されるような複数のコンピュータシステムの組合せを用いて実装されてもよい。
【0068】
1つの実装例では、コンピュータシステム700は、処理リソース710、主メモリ720、読み出し専用メモリ(ROM)730、ストレージ装置740、および通信インターフェース750を含む。主メモリ720に格納された情報および/または指示を処理するためのプロセッサ710。主メモリ720は、プロセッサ710によって実行される情報および指示を格納するための、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的ストレージ装置であり得る。主メモリ720は、プロセッサ710による指示の実行中に、一時変数または他の中間情報を格納するためにも用いられ得る。ROM730は、プロセッサ710用の静的な情報および指示を格納するための静的ストレージ装置であり得る。
【0069】
ストレージ装置740は、情報および指示を格納するためのソリッドステート装置、磁気ディスク、または光ディスクであり得る。例えば、ストレージ装置740は、コンピュータシステム700と通信する1以上の提供者装置から受信されたセンサデータ742を格納し得る。更に、ストレージ装置740は、図1図4に関して述べた処理を行うための交通情報レポート指示744を格納したコンピュータ可読媒体に対応し得る。従って、プロセッサ710は、例えば図1図4に関して説明したように、無線ネットワーク780を介してクライアント装置から受信されたユーザ入力データ752に基づいて、カスタマイズされた交通情報レポート754を生成し得る。
【0070】
通信インターフェース750は、コンピュータシステム700がネットワークリンク(例えば、無線または有線)を用いて1以上の無線ネットワーク780(例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク等)と通信するのを可能にし得る。コンピュータシステム700は、ネットワークリンクを用いて、1以上のコンピューティング装置および/または1以上のサーバと通信し得る。幾つかの例によれば、コンピュータシステム700は、ネットワークリンクを介して、(例えば、サービス提供者に属する)1以上のコンピューティング装置から提供者アップデートを受信し得る。プロセッサ710によって、提供者アップデートからセンサデータ742が取得され、例えば、ストレージ装置740に格納され得る。プロセッサ710は、更に、ネットワーク780を介してクライアント装置から受信されたユーザ入力データ752と共に含まれている1以上のパラメータ(例えば、地理的領域、第1の期間、および第2の期間)に少なくとも部分的に基づいて交通情報レポート754を生成するために、センサデータ742を処理し得る。交通情報レポート754は、ネットワーク780を介してクライアント装置に送信され得る。
【0071】
コンピュータシステム700は、グラフィックおよび情報をユーザに対して表示するためのディスプレイ装置760(例えば陰極線管(CRT)、LCDモニタ、またはテレビ等)も含み得る。情報およびコマンド選択をプロセッサ710に通信するために、入力機構770(例えば、英数字キーおよび他のキーを含むキーボード等)がコンピュータシステム700に接続され得る。入力機構770の他の限定しない説明的な例としては、方向情報およびコマンド選択をプロセッサ710に通信するため、および、ディスプレイ760上でのカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、タッチセンサスクリーン、またはカーソル方向キーが挙げられる。
【0072】
本明細書に記載される例は、本明細書に記載される技術を実装するためのコンピュータシステム700の使用に関する。一例によれば、これらの技術は、コンピュータシステム700によって、主メモリ720に収容されている1以上の指示(例えば、交通情報レポート指示744等)の1以上のシーケンスをプロセッサ710が実行することに応答して行われる。そのような指示は、別の機械可読媒体(例えば、ストレージ装置740等)から主メモリ720に読み込まれ得る。主メモリ720に収容されている指示のシーケンスの実行は、プロセッサ710に、本明細書に記載される処理工程を行わせる。別の実装例では、本明細書に記載される例を実装するために、ソフトウェア指示の代わりに、またはそれと組み合わせて、配線された回路が用いられ得る。従って、記載される例は、ハードウェア回路およびソフトウェアのいかなる具体的な組合せにも限定されない。
【0073】
本明細書に記載されている例は、本明細書に記載されている他の概念、アイデア、またはシステムから独立して、本明細書に記載されている個々の要素および概念にまで及ぶと共に、例えば、本願のどこかに記載されている要素の組合せを含むことが意図される。本明細書には、添付の図面を参照して複数の例が詳細に記載されているが、本概念は、それらの正確な例に限定されないことを理解されたい。従って、本概念の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって定められることが意図される。更に、個々にまたは例の一部として記載された特定の特徴は、たとえ他の特徴および例が、その特定の特徴に言及していなくても、他の個々に記載された特徴、または他の例の一部と組み合わされ得ることが意図される。従って、組合せが記載されていないことによって、そのような組合せに対する権利を有することが除外されるべきではない。
【符号の説明】
【0074】
100 システム
101 クライアントインターフェース
102 提供者インターフェース
110 道路選択器
111 地理的領域
112 代替ルート決定論理
113 開始期間(第1の期間)
115 終了期間(第2の期間)
117 道路情報
120 交通情報レポート生成器
130 センサデータフィルタ
131 センサデータ
140 集計器
141 交通情報
150 データストア
160 クライアント装置
163 交通情報レポート
170 提供者装置
171 提供者アップデート(提供者データ)
500、610~650 ユーザインターフェース
510 地理的入力機能
512 選択された地理的領域
520 時間入力機能
522 第1の期間
524 第2の期間
700 コンピュータシステム
710 プロセッサ
720 主メモリ
744 交通情報レポート指示
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7