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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】抗体およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20220615BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20220615BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20220615BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220615BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220615BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C07K16/28
C07K16/46
A61K39/395 N
A61P35/00
A61P31/00
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018528585
(86)(22)【出願日】2016-12-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-01-24
(86)【国際出願番号】 US2016064642
(87)【国際公開番号】W WO2017096179
(87)【国際公開日】2017-06-08
【審査請求日】2019-12-02
(31)【優先権主張番号】62/262,369
(32)【優先日】2015-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/419,911
(32)【優先日】2016-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515124598
【氏名又は名称】アジェナス インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】500213834
【氏名又は名称】メモリアル スローン ケタリング キャンサー センター
(73)【特許権者】
【識別番号】516029470
【氏名又は名称】ルドウイグ インスティテュート フォー キャンサー リサーチ エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン, ニコラス エス.
(72)【発明者】
【氏名】ワイト, ジェレミー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】リッター, ゲルト
(72)【発明者】
【氏名】スカエル, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ヒルシュホルン-サイマーマン, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】メルゴウブ, タハ
(72)【発明者】
【氏名】ブレオス-ニストロム, エカテリーナ ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】シーベルト, フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】辻 武正
(72)【発明者】
【氏名】レジェ, オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】アンダーウッド, デニス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ファン ダイク, マルク
【審査官】小林 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-527814(JP,A)
【文献】国際公開第2015/153513(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/133822(WO,A1)
【文献】特開2008-278814(JP,A)
【文献】特表2008-533993(JP,A)
【文献】国際公開第2014/165771(WO,A2)
【文献】特表2010-518873(JP,A)
【文献】特表2014-523248(JP,A)
【文献】特表2013-538057(JP,A)
【文献】国際公開第03/106498(WO,A2)
【文献】特表2011-505836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
C12N 15/00-15/90
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合領域であって、前記第1の抗原結合領域は、VH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3のCDRを含む第1のVHと、VL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3のCDRを含む第1のVLとを含み、前記第1のVHが、配列番号54のVHアミノ酸配列のVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3のアミノ酸配列を含み、前記第1のVLが、配列番号55のVLアミノ酸配列のVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3のアミノ酸配列を含む、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合領域;ならびに
(b)ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合領域であって、前記第2の抗原結合領域は、VH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3のCDRを含む第2のVHと、VL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3のCDRを含む第2のVLとを含み、前記第2のVHが、配列番号18のVHアミノ酸配列のVH-CDR1、VH-CDR2およびVH-CDR3のアミノ酸配列を含み、前記第2のVLが、配列番号19のVLアミノ酸配列のVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3のアミノ酸配列を含む、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合領域
を含む、単離された多特異性抗体。
【請求項2】
(a)前記第1の抗原結合領域のVH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3がそれぞれ、配列番号47、48、49、50、51および52のアミノ酸配列を含み;かつ
(b)前記第2の抗原結合領域のVH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3がそれぞれ、配列番号7、10、3、14、5および16のアミノ酸配列を含む、
請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項3】
前記第1のVHが、配列番号54のアミノ酸配列を含み、前記第1のVLが、配列番号55のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項4】
前記第2のVHが、配列番号18のアミノ酸配列を含み、前記第2のVLが、配列番号19のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項5】
前記第1のVHが、配列番号54のアミノ酸配列を含み、前記第1のVLが、配列番号55のアミノ酸配列を含む、請求項4に記載の多特異性抗体。
【請求項6】
前記第1の抗原結合領域および/または前記第2の抗原結合領域が、ヒトカッパ軽鎖定常領域またはヒトラムダ軽鎖定常領域からなる群より選択される軽鎖定常領域を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項7】
前記第1の抗原結合領域および/または前記第2の抗原結合領域が、ヒトIgG、IgG、IgG、IgG、IgAおよびIgAからなる群より選択される重鎖定常領域を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項8】
前記重鎖定常領域が、ヒトIgG重鎖定常領域である、請求項7に記載の多特異性抗体。
【請求項9】
前記第2の抗原結合領域が、配列番号37に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、 前記第1の抗原結合領域が、配列番号67に記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項1に記載の多特異性抗体。
【請求項10】
前記第2の抗原結合領域が、配列番号74のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、ならびに
前記第1の抗原結合領域が、配列番号118のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、
請求項5に記載の多特異性抗体。
【請求項11】
前記多特異性抗体が、カッパ-ラムダボディ、二重親和性再ターゲティング分子(DART)、ノブ・イン・ホール抗体、または鎖交換操作ドメインボディ(SEEDbody)である、請求項1~10のいずれか1項に記載の多特異性抗体。
【請求項12】
T366W変異が一方の重鎖のアミノ酸配列に導入されており、
T366S、L368AおよびY407V変異が前記多特異性抗体の他方の重鎖に導入されており、ここで、アミノ酸位置は、EU番号制に従い番号付けられる、請求項1~10のいずれか1項に記載の多特異性抗体。
【請求項13】
前記多特異性抗体が、一方の重鎖にS239D/A330L/I332E変異を含み、ここで、アミノ酸位置は、EU番号制に従い番号付けられる、請求項1~10のいずれか1項に記載の多特異性抗体。
【請求項14】
(i)請求項1~13のいずれか1項に記載の多特異性抗体の前記第1の抗原結合領域の前記軽鎖可変ドメイン(VL)または軽鎖をコードする核酸分子、(ii)請求項1~13のいずれか1項に記載の多特異性抗体の前記第1の抗原結合領域の前記重鎖可変ドメイン(VH)または重鎖をコードする核酸分子、(iii)請求項1~13のいずれか1項に記載の多特異性抗体の前記第2の抗原結合領域の前記VLまたは軽鎖をコードする核酸分子、および(iv)請求項1~13のいずれか1項に記載の多特異性抗体の前記第2の抗原結合領域の前記VHまたは重鎖をコードする核酸分子を含む、組成物。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか1項に記載の多特異性抗体、および医薬的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項16】
対象における癌の処置のための方法において使用するための請求項1~13のいずれか1項に記載の多特異性抗体または請求項15に記載の医薬組成物であって、前記方法は、前記対象に、有効量の前記多特異性抗体または前記医薬組成物を投与することを含む、多特異性抗体または医薬組成物。
【請求項17】
前記癌が、メラノーマ、腎臓癌、前立腺癌、結腸癌、および肺癌からなる群から選択される、請求項16に記載の多特異性抗体または医薬組成物。
【請求項18】
対象における感染性疾患の処置のための方法において使用するための請求項1~13のいずれか1項に記載の多特異性抗体または請求項15に記載の医薬組成物であって、前記方法は、前記対象に、有効量の前記多特異性抗体または前記医薬組成物を投与することを含む、多特異性抗体または医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願
本出願は、2015年12月2日に提出した米国仮出願第62/262,369号、および2016年11月9日に提出した第62/419,911号の優先権を主張し、その開示は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
2.配列表
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出し、参照により全体が本明細書に組み込まれる配列表を含む(2016年12月1日に作製した、当該ASCIIコピーは、3617_016PC02_SEQLISTING.TXTと命名し、サイズ274,675バイトである)。
【0003】
3.技術分野
本開示は、ヒトグルココルチコイド誘導性TNFRファミリー関連受容体(GITR)および/またはヒトOX40受容体(「OX40」)に特異的に結合する多特異性抗体、例えば、二重特異性抗体、かかる抗体を含む組成物、ならびにそれらの抗体を製造および使用する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
4.背景技術
ヒト腫瘍成長の制御における自然および適応免疫応答の寄与は、十分に特徴付けられている(Vesely MD et al.,(2011)Annu Rev Immunol 29:235-271)。結果として、T細胞により発現される刺激性受容体のアゴニスト抗体での、または抑制性受容体の機能的アンタゴニストでのターゲティングのような、癌治療の目的でT細胞応答を増強することを目指す、抗体ベースのストラテジーが登場した(Mellman I et al.,(2011)Nature 480:480-489)。抗体により仲介されるアゴニストおよびアンタゴニストアプローチは、前臨床を示し、さらに最近では臨床的な活動を明らかにした。
【0005】
免疫応答の2つの重要な刺激因子は、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質(GITR)およびOX40受容体(「OX40」)である。GITRおよびOX40両方が、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)のメンバーである。
【0006】
GITR(活性化誘導可能なTNFRファミリー受容体(AITR)、GITR-D、CD357、および腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)としても公知)は、自然および適応免疫システムの多くの成分において発現され、獲得および自然免疫両方を刺激する(Nocentini G et al.,(1994)PNAS 94:6216-6221;Hanabuchi S et al.,(2006)Blood 107:3617-3623;Nocentini G & Riccardi C(2005)Eur J Immunol 35:1016-1022;Nocentini G et al.,(2007)Eur J Immunol 37:1165-1169)。それは、T、B、樹状(DC)およびナチュラルキラー(NK)細胞を含む、幾つかの細胞ならびに組織において発現され、抗原提示細胞(APC)上、内皮細胞上、およびまた腫瘍細胞において主に発現される、そのリガンド、GITRLにより活性化される。GITR/GITRLシステムは、自己免疫/炎症応答の発生に関与し、炎症および腫瘍への応答を強化する。例えば、動物のGITR-Fc融合タンパク質での処置は、自己免疫/炎症性疾患を改善し、一方、GITRトリガーは、ウイルス、細菌、および寄生虫感染を処置する際、その上、腫瘍に対する免疫応答をブースとする際に有効である(Nocentini G et al.,(2012)Br J Pharmacol 165:2089-99)。これらの効果は、エフェクターT細胞の同時活性化、制御性T(Treg)細胞の阻害、NK細胞同時活性化、マクロファージの活性化、樹状細胞機能の調整、および血管外漏出過程の調節を含む幾つかの同時メカニズムによる。GITRの膜発現は、T細胞活性化の後に増大する(上記Hanabuchi S et al.,(2006);上記Nocentini G & Riccardi C)。そのトリガーは、エフェクターTリンパ球を同時活性化する(McHugh RS et al.,(2002)Immunity 16:311-323;Shimizu J et al.,(2002)Nat Immunol 3:135-142;Roncheti S et al.,(2004)Eur J Immunol 34:613-622;Tone M et al.,(2003)PNAS 100:15059-15064)。GITR活性化は、腫瘍およびウイルス感染に対する抵抗性を増大し、自己免疫/炎症過程に関与し、白血球血管外漏出を調節する(上記Nocentini G & Riccardi C(2005);Cuzzocrea S et al.,(2004)J Leukoc Biol 76:933-940;Shevach EM & Stephens GL(2006)Nat Rev Immunol 6:613-618;Cuzzocrea S et al.,(2006)J Immunol 177:631-641;Cuzzocrea S et al.,(2007)FASEB J 21:117-129)。
【0007】
ヒトGITRは、抹消(活性化されていない)T細胞において非常に低いレベルで発現される。T細胞活性化後、GITRは、数日間、CD4およびCD8細胞両方において強く上方調節され(Kwon B et al.,(1999)J Biol Chem 274:6056-6061;Gurney AL et al.,(1999)Curr Biol 9:215-218;上記Ronchetti S et al.,(2004);上記Shimizu J et al.,(2002);上記Ji HB et al.,(2004);Ronchetti S et al.,(2002)Blood 100:350-352;Li Z et al.,(2003)J Autoimmun 21:83-92)、CD4細胞はCD8細胞より高いGITR発現を有する(Kober J et al.,(2008)Eur J Immunol 38(10):2678-88;Bianchini R et al.,(2011)Eur J Immunol 41(8):2269-78)。
【0008】
OX40(CD134、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4)、TXGP1L、ACT35、およびACT-4としても公知)は、T細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、およびNK細胞機能を調整する(Sugamura K et al.,(2004)Nat Rev Immunol 4:420-431)。OX40は、同族ペプチドを負荷されたMHCクラスIまたはII分子を提示する専門の抗原提示細胞(APC)によるT細胞受容体(TCR)刺激後に、抗原特異的T細胞により上方調節され得る(Sugamura K et al.,(2004)Nat Rev Immunol 4:420-431)。成熟の際、樹状細胞(DC)のようなAPCは、刺激性B7ファミリーメンバー(例えば、CD80およびCD86)、並びにOX40リガンド(OX40L)を含むアクセサリー同時刺激性分子を上方調節し、T細胞免疫応答の動態および規模、並びに有効なメモリー細胞分化を形作ることを助ける。特に、B細胞、血管内皮細胞、マスト細胞、およびある場合では活性化されたT細胞のような、他の細胞タイプはまた、OX40Lの恒常的および/または誘導可能なレベルも発現し得る(Soroosh P et al.,(2006)J Immunol 176:5975-5987)。OX40:OX40L同時会合は、受容体3量体の高次クラスター形成、続くシグナル伝達をもたらすと考えられている(Compaan DM et al.,(2006)Structure 14:1321-1330)。
【0009】
腫瘍微小環境内でのT細胞によるOX40発現が、マウスおよびヒト腫瘍組織において観察された(Bulliard Y et al.,(2014)Immunol Cell Biol 92:475-480およびPiconese S et al.,(2014)Hepatology 60:1494-1507)。OX40は、従来のT細胞集団と比べ制御性T細胞(Treg)の腫瘍内集団により高発現され、それらの増殖状態に起因する特性である(Waight JD et al.,(2015)J Immunol 194:878-882およびBulliard Y et al.,(2014)Immunol Cell Biol 92:475-480)。初期の研究は、OX40アゴニスト抗体が、マウスモデルにおいて腫瘍拒絶を誘発することができたことを示した(Weinberg AD et al.,(2000)J Immunol 164:2160-2169およびPiconese S et al.,(2008)J Exp Med 205:825-839)。ヒトOX40シグナル伝達を刺激するマウス抗体はまた、癌患者において免疫機能を増強することが示された(Curti BD et al.,(2013)Cancer Res 73:7189-7198)。
【0010】
OX40とOX40Lの相互作用はまた、喘息/アトピー、脳脊髄炎、関節リウマチ、大腸炎/炎症性腸疾患、移植片対宿主疾患(例えば、移植片拒絶)、非肥満糖尿病マウスにおける糖尿病、およびアテローム性動脈硬化症のマウスモデルを含む、炎症ならびに自己免疫疾患ならびに障害における免疫応答と関連付けられた(Croft M et al.,(2009)Immunol Rev 229(1):173-191、およびそこで引用される参考文献)。疾患および障害と関連する総体症状の低減は、OX40およびOX40L欠損マウスにおいて、細胞分裂阻害薬を負荷された抗OX40リポソームを受けたマウスにおいて、およびOX40とOX40Lの相互作用が、抗OX40Lブロッキング抗体またはヒト免疫グロブリンのFc部分に融合された組換えOX40で阻害されたマウスにおいて報告された(Croft M et al.;Boot EPJ et al.,(2005)Arthritis Res Ther 7:R604-615;Weinberg AD et al.,(1999)J Immunol 162:1818-1826)。ブロッキング抗OX40L抗体での処置はまた、喘息のアカゲザルモデルにおいてTh2炎症を阻害することが示された(Croft M et al.,Seshasayee D et al.,(2007)J Clin Invest 117:3868-3878)。加えて、OX40Lにおける多型は、ループスと関連付けられた(Croft M et al.)。
免疫応答の調整におけるヒトGITRおよびOX40の役割を考えると、GITRおよび/またはOX40に特異的に結合する抗体、ならびにGITRおよび/またはOX40活性を調整するためのこれらの抗体の使用が、本明細書において提供される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【文献】Vesely MD et al.,(2011)Annu Rev Immunol 29:235-271
【文献】Mellman I et al.,(2011)Nature 480:480-489
【文献】Nocentini G et al.,(1994)PNAS 94:6216-6221
【文献】Hanabuchi S et al.,(2006)Blood 107:3617-3623
【文献】Nocentini G & Riccardi C(2005)Eur J Immunol 35:1016-1022
【文献】Nocentini G et al.,(2007)Eur J Immunol 37:1165-1169
【文献】Nocentini G et al.,(2012)Br J Pharmacol 165:2089-99
【文献】McHugh RS et al.,(2002)Immunity 16:311-323
【文献】Shimizu J et al.,(2002)Nat Immunol 3:135-142
【文献】Roncheti S et al.,(2004)Eur J Immunol 34:613-622
【文献】Tone M et al.,(2003)PNAS 100:15059-15064
【文献】Cuzzocrea S et al.,(2004)J Leukoc Biol 76:933-940
【文献】Shevach EM & Stephens GL(2006)Nat Rev Immunol 6:613-618
【文献】Cuzzocrea S et al.,(2006)J Immunol 177:631-641
【文献】Cuzzocrea S et al.,(2007)FASEB J 21:117-129
【文献】Kwon B et al.,(1999)J Biol Chem 274:6056-6061
【文献】Gurney AL et al.,(1999)Curr Biol 9:215-218
【文献】Ronchetti S et al.,(2002)Blood 100:350-352
【文献】Li Z et al.,(2003)J Autoimmun 21:83-92
【文献】Kober J et al.,(2008)Eur J Immunol 38(10):2678-88
【文献】Bianchini R et al.,(2011)Eur J Immunol 41(8):2269-78
【文献】Sugamura K et al.,(2004)Nat Rev Immunol 4:420-431
【文献】Soroosh P et al.,(2006)J Immunol 176:5975-5987
【文献】Compaan DM et al.,(2006)Structure 14:1321-1330
【文献】Bulliard Y et al.,(2014)Immunol Cell Biol 92:475-480
【文献】Piconese S et al.,(2014)Hepatology 60:1494-1507
【文献】Waight JD et al.,(2015)J Immunol 194:878-882
【文献】Weinberg AD et al.,(2000)J Immunol 164:2160-2169
【文献】Piconese S et al.,(2008)J Exp Med 205:825-839
【文献】Curti BD et al.,(2013)Cancer Res 73:7189-7198
【文献】Croft M et al.,(2009)Immunol Rev 229(1):173-191
【文献】Boot EPJ et al.,(2005)Arthritis Res Ther 7:R604-615
【文献】Weinberg AD et al.,(1999)J Immunol 162:1818-1826
【文献】Seshasayee D et al.,(2007)J Clin Invest 117:3868-3878
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
5.概要
1つの態様において、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体が、本明細書において提供される。一例において、単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン、およびGITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含む。
【0013】
一例において、抗体は、ヒトOX40およびTNFスーパーファミリータンパク質に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインを含む。一例において、抗体は、TNFスーパーファミリータンパク質、およびヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含む。TNFスーパーファミリータンパク質は、本明細書において提供される任意の多特異性(例えば、二重特異性)抗体において第1の抗原結合ドメインまたは第2の抗原結合ドメインを置換し得る。
【0014】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)(i)GSAMH(配列番号47)のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)-相補性決定領域(CDR)1;(ii)RIRSKANSYATAYAASVKG(配列番号48)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;(iii)GIYDSSGYDY(配列番号49)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3;(iv)RSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号50)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)-CDR1;(v)LGSNRAS(配列番号51)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および(vi)MQGSKWPLT(配列番号52)またはMQALQTPLT(配列番号53)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン;ならびに(b)第2の抗原結合ドメインを含む。
【0015】
一例では、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)配列番号54のアミノ酸配列を含むVH、および配列番号55または56のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体と、ヒトOX40の同じエピトープに特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン;ならびに(b)第2の抗原結合ドメインを含む。
【0016】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)ヒトOX40に特異的に結合し、配列番号72のヒトOX40配列への結合と比較して、配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、P115A、およびその組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸変異の存在を除き配列番号72と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する第1の抗原結合ドメイン;ならびに(b)第2の抗原結合ドメインを含む。
【0017】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)VHおよびVLを含むヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン、ここで、VHは、配列番号54のアミノ酸配列を含む;ならびに(b)第2の抗原結合ドメインを含む。
【0018】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)VHおよびVLを含むヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン、ここで、VLは、配列番号55または配列番号56のアミノ酸配列を含む;(b)第2の抗原結合ドメインを含む。
【0019】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)第1の抗原結合ドメイン;ならびに(b)(i)XYXMX3(配列番号87)(式中、Xは、D、EまたはGであり;Xは、AまたはVであり;は、YまたはHである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR1;(ii)XIXTXSGXYNQKFX(配列番号88)(式中、X1は、VまたはLであり;Xは、R、KまたはQであり;Xは、YまたはFであり;Xは、D、EまたはGであり;Xは、VまたはLであり;Xは、TまたはSであり;Xは、K、RまたはQであり;Xは、D、EまたはGである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;(iii)SGTVRGFAY(配列番号3)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3;(iv)KSSQSLLNSXNQKNYLX2(配列番号90)(式中、Xは、GまたはSであり;Xは、TまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR1;(v)WASTRES(配列番号5)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および(vi)QNXYSXPYT(配列番号92)(式中、Xは、DまたはEであり;Xは、Y、FまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含むヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含む。
【0020】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)第1の抗原結合ドメイン;ならびに(b)配列番号18のアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号19のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体と、ヒトGITRの同じエピトープに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含む。
【0021】
一例では、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)第1の抗原結合ドメイン;および(b)配列番号41の残基60~63における少なくとも1つのアミノ酸を含むヒトGITRのエピトープに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含む。
【0022】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)第1の抗原結合ドメイン;ならびに(b)i)配列番号41の残基26~241を含むヒトGITR、およびii)配列番号46の残基26~234を含む、カニクイザルGITRのバリアントのいずれかに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含み、ここで、抗体は、配列番号44の残基26~234を含むカニクイザルGITRに特異的に結合しない。
【0023】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)第1の抗原結合ドメイン;および(b)ヒトGITRに特異的に結合し、配列番号41の残基26~241のヒトGITR配列への結合と比較して、配列番号41に従い番号付けられた、D60AまたはG63Aアミノ酸置換の存在を除き配列番号41の残基26~241に同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する第2の抗原結合ドメインを含む。
【0024】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)第1の抗原結合ドメイン;ならびに(b)ヒトGITRに特異的に結合し、VHおよびVLを含む第2の抗原結合ドメインを含み、ここで、VHは、配列番号18、20、22、24、および25からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0025】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、(a)第1の抗原結合ドメイン;ならびに(b)ヒトGITRに特異的に結合し、VHおよびVLを含む第2の抗原結合ドメインを含み、ここで、VLは、配列番号19、21、23、および26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0026】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、第2の抗原結合ドメインを含む。一例において、第2の抗原結合ドメインは、TNFRスーパーファミリータンパク質に特異的に結合する。一例において、TNFRスーパーファミリータンパク質は、GITR、OX40(例えば、ここで、第2の抗原結合ドメインは、第1の抗原結合ドメインと異なるOX40エピトープに結合する)、CD137、DR3、CD40、BAFFR、CD27、およびHVEMからなる群から選択される。
【0027】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、第1の抗原結合ドメインを含む。一例において、第1の抗原結合ドメインは、TNFRスーパーファミリータンパク質に特異的に結合する。一例において、TNFRスーパーファミリータンパク質は、GITR(例えば、ここで、第1の抗原結合ドメインは、第2の抗原結合ドメインと異なるGITRエピトープに結合する)、OX40、CD137、DR3、CD40、BAFFR、CD27、およびHVEMからなる群から選択される。
【0028】
一例において、第2の抗原結合ドメインは、TNFRスーパーファミリータンパク質ヒトGITRに特異的に結合する。一例において、ヒトGITRに結合する第2の抗原結合ドメインは、(i)XYXMX(配列番号87)(式中、Xは、D、EまたはGであり;Xは、AまたはVであり;Xは、YまたはHである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR1;(ii)XIXTXSGXYNQKFX(配列番号88)(式中、Xは、VまたはLであり;Xは、R、KまたはQであり;Xは、YまたはFであり;は、D、EまたはGであり;Xは、VまたはLであり;Xは、TまたはSであり;Xは、K、RまたはQであり;Xは、D、EまたはGである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;(iii)SGTVRGFAY(配列番号3)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3;(iv)KSSQSLLNSXNQKNYLX(配列番号90)(式中、Xは、GまたはSであり;Xは、TまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR1;(v)WASTRES(配列番号5)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および(vi)QNXYSXPYT(配列番号92)(式中、Xは、DまたはEであり;Xは、Y、FまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号18のアミノ酸配列を含むVH、および配列番号19のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体と、ヒトGITRの同じエピトープに結合する。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号41の残基60~63における少なくとも1つのアミノ酸を含むヒトGITRのエピトープに結合する。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、i)配列番号41の残基26~241を含むヒトGITR、およびii)配列番号46の残基26~234を含む、カニクイザルGITRのバリアントのいずれかに結合し、ここで、第2の抗原結合ドメインは、配列番号44の残基26~234を含むカニクイザルGITRに特異的に結合しない。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号41の残基26~241のヒトGITR配列への結合と比較して、配列番号41に従い番号付けられた、D60AまたはG63Aアミノ酸置換の存在を除き配列番号41の残基26~241と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、VHおよびVLを含み、ここで、VHは、配列番号18、20、22、24、および25からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、VHおよびVLを含み、ここで、VLは、配列番号19、21、23、および26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0029】
一例において、第1の抗原結合ドメインは、TNFRスーパーファミリータンパク質ヒトOX40に特異的に結合する。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、(i)GSAMH(配列番号47)のアミノ酸配列を含むVH-CDR1;(ii)RIRSKANSYATAYAASVKG(配列番号48)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;(iii)GIYDSSGYDY(配列番号49)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3;(iv)RSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号50)のアミノ酸配列を含むVL-CDR1;(v)LGSNRAS(配列番号51)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および(vi)MQGSKWPLT(配列番号52)またはMQALQTPLT(配列番号53)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH、および配列番号55または56のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体と、ヒトOX40の同じエピトープに結合する。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号72のヒトOX40配列への結合と比較して、配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、P115A、およびその組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸変異の存在を除き配列番号72と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、VHおよびVLを含み、VHは、配列番号54のアミノ酸配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、VHおよびVLを含み、VLは、配列番号55または配列番号56のアミノ酸配列を含む。
【0030】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、(i)XYAMX(配列番号1)(式中、Xは、D、G、またはEであり;Xは、YまたはHである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR1;(ii)XIRTYSGXVXYNQKFX(配列番号2)(式中、Xは、VまたはLであり;Xは、DまたはGであり;Xは、TまたはSであり;Xは、K、R、またはQであり;Xは、D、E、またはGである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;(iii)SGTVRGFAY(配列番号3)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3;(iv)KSSQSLLNSXNQKNYLT(配列番号4)(式中、Xは、GまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR1;(v)WASTRES(配列番号5)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および(vi)QNXYSXPYT(配列番号6)(式中、Xは、DまたはEであり;Xは、YまたはFである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0031】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号7~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号10~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号14または15のアミノ酸配列を含むVL-CDR1を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号16または17のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。
【0032】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、それぞれ、配列番号7、10、および3;配列番号8、11、および3;配列番号9、12、および3;もしくは配列番号9、13、および3において記載されるVH-CDR1、VH-CDR2、ならびにVH-CDR3配列;ならびに/またはそれぞれ、配列番号14、5、および16;もしくは配列番号15、5、および17において記載されるVL-CDR1、VL-CDR2、ならびにVL-CDR3配列を含む。
【0033】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、それぞれ、配列番号7、10、3、14、5、および16において記載されるVH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、ならびにVL-CDR3配列を含む。
【0034】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号25において記載されるアミノ酸配列を含むVHを含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号18、20、22、および24からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一のアミノ酸配列を含むVHを含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号18、20、22、および24からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号18のアミノ酸配列を含むVHを含む。
【0035】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号29~36からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号74~81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号31のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号76のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号32のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号77のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号79のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号35のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号80のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0036】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、ヒトIGHV1-2生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVHを含む。
【0037】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号26のアミノ酸配列を含むVLを含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号19、21、および23からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一のアミノ酸配列を含むVLを含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号19、21、および23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVLを含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号19のアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0038】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0039】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、ヒトIGKV4-1生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0040】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、それぞれ、配列番号18および19、配列番号20および21、配列番号22および23、または配列番号24および23において記載されるVHならびにVL配列を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号18において記載される配列を含むVH、および配列番号19において記載される配列を含むVLを含む。
【0041】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号31のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号76のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号32のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号77のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号79のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号35のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号80のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号74のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号30のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号75のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0042】
一例において、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、ヒトIGHV1-2生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、およびヒトIGKV4-1生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0043】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号54のアミノ酸配列を含むVHを含む。
【0044】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号59~66からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号118~125からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号120のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号62のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号121のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号64のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号123のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号65のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号124のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0045】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、ヒトIGHV3-73生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVHを含む。
【0046】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号55もしくは配列番号56のアミノ酸配列に少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一のアミノ酸配列を含むVLを含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号52のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号55のアミノ酸配列を含むVLを含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号67のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0047】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号53のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号56のアミノ酸配列を含むVLを含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0048】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、ヒトIGKV2-28生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0049】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、それぞれ、配列番号54および55、または配列番号54および56において記載されるVHならびにVL配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号59のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号118のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号64のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号123のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号65のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号124のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号120のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号62のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号121のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0050】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、ヒトIGHV3-73生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVH、およびヒトIGKV2-28生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVLを含む。
【0051】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号54において記載されるVH配列、および配列番号55または56において記載されるVL配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号18において記載されるVH配列、および配列番号19において記載されるVL配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号59において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号29において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号118において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号74において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号61において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号31において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号120において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ここで、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号76において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号62において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号32において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号121において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ここで、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号77において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号64において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号34において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号123において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ここで、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号79において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号65において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号35において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号124において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ここで、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号80において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号67において記載される軽鎖配列を含む。一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、配列番号69において記載される軽鎖配列を含む。
【0052】
一例において、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメインは、ヒトIGHV3-73生殖系列配列に由来するVH、およびヒトIGKV2-28生殖系列配列に由来するVLを含み、ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインは、ヒトIGHV1-2生殖系列配列に由来するVH、およびヒトIGKV4-1生殖系列配列に由来するVLを含む。
【0053】
一例において、抗体は、カッパ-ラムダボディ、二重親和性再ターゲティング分子(DART)、ノブ・イン・ホール抗体、鎖交換操作ドメインボディ(SEEDbody)またはDuoBody(登録商標)抗体(ジェンマブ)である。
【0054】
一例において、第1の抗原結合ドメインは、ヒトIgG、ヒトIgG、ヒトIgG、ヒトIgG、ヒトIgA、およびヒトIgAからなる群から選択される重鎖定常領域を含み、第2の抗原結合ドメインは、ヒトIgG、ヒトIgG、ヒトIgG、ヒトIgG、ヒトIgA、およびヒトIgAからなる群から選択される重鎖定常領域を含む。一例において、第1の抗原結合ドメインの重鎖定常領域は、ヒトIgGであり、第2の抗原結合ドメインの重鎖定常領域は、ヒトIgGである。
【0055】
一例において、(a)第1の抗原結合ドメインは、EU番号制に従い番号付けられた、F405Lアミノ酸変異を含む第1の重鎖定常領域を含み、(b)第2の抗原結合ドメインは、EU番号制に従い番号付けられた、K409Rアミノ酸変異を含む第2の重鎖定常領域を含む。一例において、(a)第1の抗原結合ドメインは、EU番号制に従い番号付けられた、K409Rアミノ酸変異を含む第1の重鎖定常領域を含み、(b)第2の抗原結合ドメインは、EU番号制に従い番号付けられた、F405Lアミノ酸変異を含む重鎖定常領域を含む。一例において、第1の抗原結合ドメインの重鎖定常領域は、IgGである。一例において、第2の抗原結合ドメインの重鎖定常領域は、IgGである。
【0056】
一例において、第1の抗原結合ドメインは、ヒトIgGκおよびIgGλからなる群から選択される軽鎖定常領域を含み、第2の抗原結合ドメインは、ヒトIgGκおよびIgGλからなる群から選択される軽鎖定常領域を含む。
【0057】
一例において、第2の抗原結合ドメインは、配列番号41の残基26~241のヒトGITR配列への結合と比較して、配列番41に従い番号付けられた、D60A置換の存在を除き配列番号41の残基26~241と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する。一例において、第2の抗原結合ドメインは、配列番号41の残基26~241のヒトGITR配列への結合と比較して、配列番号41に従い番号付けられた、G63A置換の存在を除き配列番号41の残基26~241と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する。一例において、ヒトGITRに結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号41の残基60、62、および63からなる群から選択される少なくとも1つの残基に結合する。一例において、ヒトGITRに結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号41の残基62および63からなる群から選択される少なくとも1つの残基に結合する。一例において、ヒトGITRに結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号41の残基60および63からなる群から選択される少なくとも1つの残基に結合する。一例において、ヒトGITRに結合する第2の抗原結合ドメインは、配列番号41の残基60~63を含むエピトープに結合する。
【0058】
一例において、抗体は、(i)ヒトGITRに結合し、ヒトGITRに結合する第2の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、ヒトGITRおよびヒトOX40を発現する細胞への増大した結合を示し、ならびに/または(ii)ヒトOX40に結合し、ヒトOX40に結合する第1の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、ヒトGITRおよびヒトOX40を発現する細胞への増大した結合を示す。
【0059】
一例において、抗体は、(i)ヒトGITRに結合し、ヒトGITRに結合する第2の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、GITR陽性、OX40陰性細胞への低下した結合を示し、ならびに/または(ii)ヒトOX40に結合し、ヒトOX40に結合する第1の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、GITR陰性、OX40陽性細胞への低下した結合を示す。
【0060】
一例において、抗体は、(i)ヒトGITRに結合し、ヒトGITRに結合する第2の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、制御性T細胞に対してより強いナチュラルキラー細胞介在性細胞毒性を誘導し、ならびに/または(ii)ヒトOX40に結合し、ヒトOX40に結合する第1の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、制御性T細胞に対してより強いナチュラルキラー細胞介在性細胞毒性を誘導する。
【0061】
一例において、抗体は、ヒトGITRリガンドのヒトGITRへの結合を阻害する。一例において、抗体は、ヒトOX40リガンドのヒトOX40への結合を阻害する。
【0062】
一例において、抗体は、活性化された制御性T細胞に結合したとき、抗体が、活性化されたエフェクターT細胞に結合したとき、CD16、CD32AおよびCD64からなる群から選択される活性化しているFcガンマ受容体に結合するより高い程度まで、CD16、CD32AおよびCD64からなる群から選択される活性化しているFcガンマ受容体に結合する。一例において、活性化しているFcガンマ受容体は、骨髄由来エフェクター細胞およびリンパ球由来エフェクター細胞からなる群から選択される細胞上で発現される。
【0063】
一例において、抗体は、ヒトGITRおよび/またはヒトOX40に対してアゴニストである。一例において、抗体は、ヒトGITRの活性を誘導するか、活性化するか、または増強する。一例において、抗体は、ヒトOX40の活性を誘導するか、活性化するか、または増強する。
【0064】
一例において、第1の抗原結合ドメインは、EU番号制に従い番号付けられた、N297A変異もしくはN297Q変異を含むヒトIgG重鎖定常領域を含み、および/または第2の抗原結合ドメインは、EU番号制に従い番号付けられた、N297A変異もしくはN297Q変異を含むヒトIgG重鎖定常領域を含む。
【0065】
一例において、抗体は、ヒトGITRおよび/またはヒトOX40に対してアンタゴニストである。一例において、抗体は、ヒトGITRの活性を不活性化するか、低減するか、または阻害する。一例において、抗体は、ヒトOX40の活性を不活性化するか、低減するか、または阻害する。一例において、抗体は、ヒトGITRシグナル伝達を阻害するか、または低減する。一例において、抗体は、ヒトOX40シグナル伝達を阻害するか、または低減する。一例において、抗体は、ヒトGITRリガンドにより誘導されるヒトGITRシグナル伝達を阻害するか、または低減する。一例において、抗体は、ヒトOX40リガンドにより誘導されるヒトOX40シグナル伝達を阻害するか、または低減する。
【0066】
一例において、抗体は、関節リウマチ患者由来の滑液により誘導されるCD4+T細胞増殖を低下させる。一例において、抗体は、ヒトPBMCを移植されたNOGマウスの生存を増大する。一例において、抗体は、GVHDモデルにおいて制御性T細胞の増殖を増大する。
【0067】
一例において、抗体は、検出可能な標識をさらに含む。
【0068】
組成物もまた、本明細書において提供される。一例において、組成物は、(i)本明細書において提供される抗体の第1の抗原結合フラグメントの軽鎖可変領域または軽鎖をコードする核酸分子、(ii)本明細書において提供される抗体の第1の抗原結合フラグメントの重鎖可変領域または重鎖をコードする核酸分子、(iii)本明細書において提供される抗体の第2の抗原結合フラグメントの軽鎖可変領域または軽鎖をコードする核酸分子、および(iv)本明細書において提供される抗体の第2の抗原結合フラグメントの重鎖可変領域または重鎖をコードする核酸分子を含む。
【0069】
宿主細胞もまた、本明細書において提供される。一例において、宿主細胞は、(i)本明細書において提供される抗体の第1の抗原結合フラグメントの軽鎖可変領域または軽鎖をコードする核酸分子、(ii)本明細書において提供される抗体の第1の抗原結合フラグメントの重鎖可変領域または重鎖をコードする核酸分子、(iii)本明細書において提供される抗体の第2の抗原結合フラグメントの軽鎖可変領域または軽鎖をコードする核酸分子、および(iv)本明細書において提供される抗体の第2の抗原結合フラグメントの重鎖可変領域または重鎖をコードする核酸分子を含む。一例において、宿主細胞は、エシェリキア・コリ(E.coli)、シュードモナス(Pseudomonas)、バチルス(Bacillus)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、酵母、CHO、YB/20、NS0、PER-C6、HEK-293T、NIH-3T3、HeLa、BHK、Hep G2、SP2/0、R1.1、B-W、L-M、COS1、COS7、BSC1、BSC40、BMT10細胞、植物細胞、昆虫細胞、および組織培養中のヒト細胞からなる群から選択される。GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体を作製する方法もまた、本明細書において提供される。一例において、方法は、核酸分子が発現され、抗体が産生されるように、本明細書において提供される宿主細胞を培養することを含む。
【0070】
GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体を使用する方法もまた、本明細書において提供される。一例において、試料においてGITRおよびOX40を発現する細胞を検出する方法は、試料を本明細書において提供される抗体と接触させることを含む。
【0071】
医薬組成物もまた、本明細書において提供される。一例において、医薬組成物は、本明細書において提供される抗体、および医薬的に許容し得る賦形剤を含む。
【0072】
キットもまた、本明細書において提供される。一例において、キットは、本明細書において提供される抗体または医薬組成物、ならびにa)検出試薬、b)GITRおよび/もしくはOX40抗原、c)ヒト投与のための使用もしくは販売についての許可を示す注意書き、またはd)その組み合わせを含む。
【0073】
本明細書において提供される抗体および医薬組成物を使用する方法もまた、提供される。一例において、対象において免疫応答を調整する方法は、対象に、有効量の本明細書において提供される抗体または医薬組成物を投与することを含む。一例において、対象において免疫応答を増強するか、または誘導する方法は、対象に、有効量の本明細書において提供される抗体または医薬組成物を投与することを含む。
【0074】
一例において、対象において癌を処置する方法は、対象に、有効量の本明細書において提供される抗体または医薬組成物を投与することを含む。一例において、癌は、メラノーマ、腎臓癌、前立腺癌、結腸癌、および肺癌からなる群から選択される。一例において、方法は、対象に、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の阻害剤を投与することをさらに含む。一例において、阻害剤はエパカドスタットである。一例において、阻害剤はF001287である。一例において、阻害剤はインドキシモドである。一例において、阻害剤はNLG919である。一例において、方法は、対象にワクチンを投与することをさらに含む。一例において、ワクチンは、抗原ペプチドと複合体を形成した熱ショックタンパク質を含む熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)を含む。一例において、熱ショックタンパク質は、hsp70またはhsc70であり、腫瘍関連抗原ペプチドと複合体を形成する。一例において、熱ショックタンパク質は、gp96タンパク質であり、腫瘍関連抗原ペプチドと複合体を形成し、ここで、HSPPCは、対象から得られた腫瘍に由来する。一例において、方法は、対象にチェックポイント標的薬剤を投与することをさらに含む。一例において、チェックポイント標的薬剤は、アンタゴニスト抗PD-1抗体、アンタゴニスト抗PD-L1抗体、アンタゴニスト抗PD-L2抗体、アンタゴニスト抗CTLA-4抗体、アンタゴニスト抗TIM-3抗体、アンタゴニスト抗LAG-3抗体、アンタゴニスト抗CEACAM1抗体、アゴニスト抗GITR抗体、およびアゴニスト抗OX40抗体からなる群から選択される。
【0075】
一例において、感染性疾患を処置する方法は、対象に、有効量の本明細書において提供される抗体または医薬組成物を投与することを含む。
【0076】
一例において、対象において免疫応答を低減するか、または阻害する方法は、対象に、有効量の本明細書において提供される抗体または医薬組成物を投与することを含む。
【0077】
一例において、対象において自己免疫または炎症性疾患もしくは障害を処置する方法は、対象に、有効量の本明細書において提供される抗体または医薬組成物を投与することを含む。一例において、自己免疫または炎症性疾患もしくは障害は、移植片拒絶、移植片対宿主疾患、脈管炎、喘息、関節リウマチ、皮膚炎、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎、ループス、大腸炎、糖尿病、多発性硬化症、および気道炎症からなる群から選択される。
【0078】
一例において、対象はヒトである。
特定の実施形態では、例えば、以下が提供される:
(項目1)
(a)(i)GSAMH(配列番号47)のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)-相補性決定領域(CDR)1;
(ii)RIRSKANSYATAYAASVKG(配列番号48)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;
(iii)GIYDSSGYDY(配列番号49)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3;
(iv)RSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号50)のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)-CDR1;
(v)LGSNRAS(配列番号51)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および
(vi)MQGSKWPLT(配列番号52)またはMQALQTPLT(配列番号53)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3
を含む、ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン;ならびに
(b)第2の抗原結合ドメイン
を含む、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目2)
(a)配列番号54のアミノ酸配列を含むVH、および配列番号55または56のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体と、ヒトOX40の同じエピトープに特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン;ならびに
(b)第2の抗原結合ドメイン
を含む、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目3)
(a)ヒトOX40に特異的に結合し、配列番号72のヒトOX40配列への結合と比較して、配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、P115A、およびその組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸変異の存在を除き配列番号72と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する第1の抗原結合ドメイン;
(b)第2の抗原結合ドメイン
を含む、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目4)
(a)VHおよびVLを含むヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン、ここで、前記VHは、配列番号54のアミノ酸配列を含む;ならびに
(b)第2の抗原結合ドメイン
を含む、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目5)
(a)VHおよびVLを含むヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン、ここで、前記VLは、配列番号55または配列番号56のアミノ酸配列を含む;
(b)第2の抗原結合ドメイン
を含む、ヒトOX40に特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目6)
(a)第1の抗原結合ドメイン;ならびに
(b)(i)X YX MX (配列番号87)(式中、X は、D、EまたはGであり;X は、AまたはVであり;X は、YまたはHである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR1;
(ii)X IX TX SGX YNQKFX (配列番号88)(式中、X は、VまたはLであり;X は、R、KまたはQであり;X は、YまたはFであり;X はD、EまたはGであり;X は、VまたはLであり;X は、TまたはSであり;X は、K、RまたはQであり;X は、D、EまたはGである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;
(iii)SGTVRGFAY(配列番号3)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3;
(iv)KSSQSLLNSX NQKNYLX (配列番号90)(式中、X は、GまたはSであり;X は、TまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR1;
(v)WASTRES(配列番号5)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および
(vi)QNX YSX PYT(配列番号92)(式中、X は、DまたはEであり;X は、Y、FまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3
を含むヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメイン
を含む、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目7)
(a)第1の抗原結合ドメイン;ならびに
(b)配列番号18のアミノ酸配列を含むVH、および配列番号19のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体と、ヒトGITRの同じエピトープに特異的に結合する第2の抗原結合ドメイン
を含む、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目8)
(a)第1の抗原結合ドメイン;および
(b)配列番号41の残基60~63における少なくとも1つのアミノ酸を含むヒトGITRのエピトープに特異的に結合する第2の抗原結合ドメイン
を含む、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目9)
(a)第1の抗原結合ドメイン;ならびに
(b)i)配列番号41の残基26~241を含むヒトGITR、およびii)配列番号46の残基26~234を含む、カニクイザルGITRのバリアントのそれぞれに特異的に結合する第2の抗原結合ドメイン
を含み、配列番号44の残基26~234を含むカニクイザルGITRに特異的に結合しない、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目10)
(a)第1の抗原結合ドメイン;および
(b)ヒトGITRに特異的に結合し、配列番号41の残基26~241のヒトGITR配列への結合と比較して、配列番号41に従い番号付けられた、D60AまたはG63Aアミノ酸置換の存在を除き配列番号41の残基26~241と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する、第2の抗原結合ドメイン
を含む、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目11)
(a)第1の抗原結合ドメイン;ならびに
(b)ヒトGITRに特異的に結合し、VHおよびVLを含む、第2の抗原結合ドメイン、ここで、前記VHは、配列番号18、20、22、24、および25からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、
を含む、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目12)
(a)第1の抗原結合ドメイン;ならびに
(b)ヒトGITRに特異的に結合し、VHおよびVLを含む、第2の抗原結合ドメイン、ここで、前記VLは、配列番号19、21、23、および26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、
を含む、ヒトGITRに特異的に結合する単離された多特異性抗体。
(項目13)
(a)ヒトOX40に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン;および(b)腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリータンパク質を含む、ヒトOX40に特異的に結合する単離された抗体。
(項目14)
前記第2の抗原結合ドメインが、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリータンパク質に特異的に結合する、項目1~5のいずれか1項の抗体。
(項目15)
前記TNFRスーパーファミリータンパク質が、GITR、CD137、DR3、CD40、BAFFR、CD27、およびHVEMからなる群から選択される、項目14の抗体。
(項目16)
ヒトGITRに特異的に結合する単離された抗体であって、(a)TNFスーパーファミリータンパク質、および(b)ヒトGITRに特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含む、抗体。
(項目17)
前記第1の抗原結合ドメインが、TNFRスーパーファミリータンパク質に特異的に結合する、項目6~12のいずれか1項の抗体。
(項目18)
前記TNFRスーパーファミリータンパク質が、OX40、CD137、DR3、CD40、BAFFR、CD27、およびHVEMからなる群から選択される、項目17の単離された抗体。
(項目19)
前記第2の抗原結合ドメインが、ヒトGITRに特異的に結合する、項目1~5、14、または15のいずれか1項の抗体。
(項目20)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、
(i)X YX MX (配列番号87)(式中、X は、D、EまたはGであり;X は、AまたはVであり;X は、YまたはHである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR1;
(ii)X IX TX SGX YNQKFX (配列番号88)(式中、X は、VまたはLであり;X は、R、KまたはQであり;X は、YまたはFであり;X は、D、EまたはGであり;X は、VまたはLであり;X は、TまたはSであり;X は、K、RまたはQであり;X は、D、EまたはGである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;
(iii)SGTVRGFAY(配列番号3)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3;
(iv)KSSQSLLNSX NQKNYLX (配列番号90)(式中、X は、GまたはSであり;X は、TまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR1;
(v)WASTRES(配列番号5)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および
(vi)QNX YSX PYT(配列番号92)(式中、X は、DまたはEであり;X は、Y、FまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3
を含む、項目16または19の抗体。
(項目21)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号18のアミノ酸配列を含むVH、および配列番号19のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体と、ヒトGITRの同じエピトープに結合する、項目16、19、または20の抗体。
(項目22)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号41の残基60~63における少なくとも1つのアミノ酸を含むヒトGITRのエピトープに結合する、項目16または19~21のいずれか1項の抗体。
(項目23)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、i)配列番号41の残基26~241を含むヒトGITR、およびii)配列番号46の残基26~234を含む、カニクイザルGITRのバリアントのそれぞれに結合し、配列番号44の残基26~234を含むカニクイザルGITRに特異的に結合しない、項目16または19~2
2のいずれか1項の抗体。
(項目24)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号41の残基26~241のヒトGITR配列への結合と比較して、配列番号41に従い番号付けられた、D60AもしくはG63Aアミノ酸置換の存在を除き配列番号41の残基26~241と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する、項目16または19~23のいずれか1項の抗体。
(項目25)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、VHおよびVLを含み、前記VHが、配列番号18、20、22、24、および25からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、項目16または19~24のいずれか1項の抗体。
(項目26)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、VHおよびVLを含み、前記VLが、配列番号19、21、23、および26からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、項目16または19~25のいずれか1項の抗体。
(項目27)
前記第1の抗原結合ドメインが、ヒトOX40に特異的に結合する、項目6~12、17、または18のいずれか1項の抗体。
(項目28)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、
(i)GSAMH(配列番号47)のアミノ酸配列を含むVH-CDR1;
(ii)RIRSKANSYATAYAASVKG(配列番号48)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;
(iii)GIYDSSGYDY(配列番号49)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3;
(iv)RSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号50)のアミノ酸配列を含むVL-CDR1;
(v)LGSNRAS(配列番号51)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および

(vi)MQGSKWPLT(配列番号52)またはMQALQTPLT(配列番号53)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3
を含む、項目13または27の抗体。
(項目29)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号54のアミノ酸配列を含むVH、および配列番号55または56のアミノ酸配列を含むVLを含む抗体と、ヒトOX40の同じエピトープに結合する、項目13、27、または28の抗体。
(項目30)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号72のヒトOX40配列への結合と比較して、配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、P115A、およびその組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸変異の存在を除き配列番号72と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する、項目13、または27~29のいずれか1項の抗体。
(項目31)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、VHおよびVLを含み、前記VHが、配列番号54のアミノ酸配列を含む、項目13、または27~30のいずれか1項の抗体。
(項目32)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、VHおよびVLを含
み、前記VLが、配列番号55または配列番号56のアミノ酸配列を含む、項目13または27~31のいずれか1項の抗体。
(項目33)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、
(i)X YAMX (配列番号1)(式中、X は、D、G、またはEであり;X は、YまたはHである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR1;
(ii)X IRTYSGX VX YNQKFX (配列番号2)(式中、X は、VまたはLであり;X は、DまたはGであり;X は、TまたはSであり;X は、K、R、またはQであり;X は、D、E、またはGである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;
(iii)SGTVRGFAY(配列番号3)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3;
(iv)KSSQSLLNSX NQKNYLT(配列番号4)(式中、X は、GまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR1;
(v)WASTRES(配列番号5)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および
(vi)QNX YSX PYT(配列番号6)(式中、X は、DまたはEであり;X は、YまたはFである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3
を含む、項目6~12、16、または19~32のいずれか1項の抗体。
(項目34)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号7~9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1を含む、項目6~12、16、または19~33のいずれか1項の抗体。
(項目35)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号10~13からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2を含む、項目6~12、16、または19~34のいずれか1項の抗体。
(項目36)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインは、配列番号14または15のアミノ酸配列を含むVL-CDR1を含む、項目6~12、16、または19~35のいずれか1項の抗体。
(項目37)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号16または17のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む、項目6~12、16、または19~36のいずれか1項の抗体。
(項目38)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、
配列番号7、10、および3;配列番号8、11、および3;配列番号9、12、および3;もしくは配列番号9、13、および3にそれぞれ記載されるVH-CDR1、VH-CDR2、ならびにVH-CDR3配列;ならびに/または
配列番号14、5、および16;もしくは配列番号15、5、および17にそれぞれ記載されるVL-CDR1、VL-CDR2、ならびにVL-CDR3配列を含む、項目6~12、16、または19~37のいずれか1項の抗体。
(項目39)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号7、10、3、14、5、および16にそれぞれ記載されるVH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、ならびにVL-CDR3配列を含む、項目6~12、16、または19~38のいずれか1項の抗体。
(項目40)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号25において記載されるアミノ酸配列を含むVHを含む、項目6~12、16、または19~39のいずれか1項の抗体。
(項目41)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号18、20、22、および24からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一のアミノ酸配列を含むVHを含む、項目6~12、16、または19~40のいずれか1項の抗体。
(項目42)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号18、20、22、および24からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVHを含む、項目41の抗体。
(項目43)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号18のアミノ酸配列を含むVHを含む、項目42の抗体。
(項目44)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号29~36からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目43の抗体。
(項目45)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号74~81からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目43の抗体。
(項目46)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号31のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目43の抗体。
(項目47)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号76のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目43の抗体。
(項目48)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号32のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目43の抗体。
(項目49)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号77のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目43の抗体。
(項目50)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目43の抗体。
(項目51)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号79のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目43の抗体。
(項目52)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号35のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目43の抗体。
(項目53)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号80のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目43の抗体。
(項目54)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、ヒトIGHV1-2生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVHを含む、項目6~10、12、16~24、または26~37のいずれか1項の抗体。
(項目55)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号26のアミノ酸配列を含むVLを含む、項目6~12、または16~54のいずれか1項の抗体。
(項目56)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号19、21、および23からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一のアミノ酸配列を含むVLを含む、項目6~12、または16~55のいずれか1項の抗体。
(項目57)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号19、21、および23からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むVLを含む、項目56の抗体。
(項目58)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号19のアミノ酸配列を含むVLを含む、項目56の抗体。
(項目59)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目58の抗体。
(項目60)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目58の抗体。
(項目61)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、ヒトIGKV4-1生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVLを含む、項目6~11、14~25、または27~54のいずれか1項の抗体。
(項目62)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号18および19、配列番号20および21、配列番号22および23、または配列番号24および23にそれぞれ記載されるVHおよびVL配列を含む、項目6~12、16~53、または55~60のいずれか1項の抗体。
(項目63)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号18において記載される配列を含むVH、および配列番号19において記載される配列を含むVLを含む、項目62の抗体。
(項目64)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号31のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目65)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号76のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目66)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号32のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目67)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号77のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目68)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号34のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目69)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号79のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目70)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号35のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目71)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号80のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目72)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目73)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号74のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目74)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号30のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目75)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号75のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目63の抗体。
(項目76)
ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、ヒトIGHV1-2生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、およびヒトIGKV4-1生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域を含む、項目54または61の抗体。
(項目77)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一であるアミノ酸配列を含むVHを含む、項目1~5、13~15、または19~76のいずれか1項の抗体。
(項目78)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号54のアミノ酸配列を含むVHを含む、項目77の抗体。
(項目79)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号59~66からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目78の抗体。
(項目80)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号118~125からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目78の抗体。
(項目81)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目79または80の抗体。
(項目82)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号120のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目79または80の抗体。
(項目83)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号62のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目79または80の抗体。
(項目84)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号121のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目79または80の抗体。
(項目85)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号64のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目79または80の抗体。
(項目86)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号123のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目79または80の抗体。
(項目87)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号65のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目79または80の抗体。
(項目88)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号124のアミノ酸配列を含む重鎖を含む、項目79または80の抗体。
(項目89)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、ヒトIGHV3-73生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVHを含む、項目1~3、5、13~15、19~30、または32~76のいずれか1項の抗体。
(項目90)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号55または配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一のアミノ酸配列を含むVLを含む、項目1~5、13~15、または19~89のいずれか1項の抗体。
(項目91)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号52のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む、項目1~5、13~15、または19~90のいずれか1項の抗体。
(項目92)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号55のアミノ酸配列を含むVLを含む、項目1~5、13~15、または19~91のいずれか1項の抗体。
(項目93)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号67のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目92の抗体。
(項目94)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目92の抗体。
(項目95)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号53のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む、項目1~5、13~15、または19~90のいずれか1項の抗体。
(項目96)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号56のアミ
ノ酸配列を含むVLを含む、項目1~5、13~15、19~90、または95のいずれか1項の抗体。
(項目97)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目96の抗体。
(項目98)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目96の抗体。
(項目99)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、ヒトIGKV2-28生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVLを含む、項目1~4、13~15、19~31、または33~89のいずれか1項の抗体。
(項目100)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号54および55、または配列番号54および56にそれぞれ記載されるVHおよびVL配列を含む、項目1~5、13~15、19~88、または90~98のいずれか1項の抗体。
(項目101)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号59のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目100の抗体。
(項目102)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号118のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目100の抗体。
(項目103)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号64のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目100の抗体。
(項目104)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号123のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目100の抗体。
(項目105)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号65のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目100の抗体。
(項目106)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号124のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目100の抗体。
(項目107)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目100の抗体。
(項目108)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号120のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目100の抗体。
(項目109)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号62のアミ
ノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目100の抗体。
(項目110)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号121のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号67または69のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目100の抗体。
(項目111)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、ヒトIGHV3-73生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVH、およびヒトIGKV2-28生殖系列配列に由来するアミノ酸配列を含むVLを含む、項目89または99の抗体。
(項目112)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号54において記載されるVH配列、および配列番号55または56において記載されるVL配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号18において記載されるVH配列、および配列番号19において記載されるVL配列を含む、項目100~110のいずれか1項の抗体。
(項目113)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号59において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号29において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む、項目112の抗体。
(項目114)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号118において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号74において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む、項目112の抗体。
(項目115)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号61において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号31において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む、項目112の抗体。
(項目116)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号120において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号76において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む、項目112の抗体。
(項目117)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号62において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号32において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む、項目112の抗体。
(項目118)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号121において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号77に
おいて記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む、項目112の抗体。
(項目119)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号64において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号34において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む、項目112の抗体。
(項目120)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号123において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号79において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む、項目112の抗体。
(項目121)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号65において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号35において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む、項目112の抗体。
(項目122)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号124において記載される重鎖配列、および配列番号67または69において記載される軽鎖配列を含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号80において記載される重鎖配列、および配列番号37において記載される軽鎖配列を含む、項目112の抗体。
(項目123)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号67において記載される軽鎖配列を含む、項目112~122のいずれか1項の抗体。
(項目124)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、配列番号69において記載される軽鎖配列を含む、項目112~122のいずれか1項の抗体。
(項目125)
ヒトOX40に特異的に結合する前記第1の抗原結合ドメインが、ヒトIGHV3-73生殖系列配列に由来するVH、およびヒトIGKV2-28生殖系列配列に由来するVLを含み、ヒトGITRに特異的に結合する前記第2の抗原結合ドメインが、ヒトIGHV1-2生殖系列配列に由来するVH、およびヒトIGKV4-1生殖系列配列に由来するVLを含む、項目111の抗体。
(項目126)
前記抗体が、カッパ-ラムダボディ、二重親和性再ターゲティング分子(DART)、ノブ・イン・ホール抗体、鎖交換操作ドメインボディ(SEEDbody)、またはDuoBodyである、項目1~43、54~58、61~63、76~78、89~92、95、96、99、100、111、112、または125のいずれか1項の抗体。
(項目127)
前記第1の抗原結合ドメインが、ヒトIgG 、ヒトIgG 、ヒトIgG 、ヒトIgG 、ヒトIgA 、およびヒトIgA からなる群から選択される重鎖定常領域を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、ヒトIgG 、ヒトIgG 、ヒトIgG 、ヒトIgG 、ヒトIgA 、およびヒトIgA からなる群から選択される重鎖定常領域を含む、項目1~43、54~58、61~63、76~78、89~92、95、96、99、100、111、112、125、または126のいずれか1項の抗体。
(項目128)
前記第1の抗原結合ドメインの前記重鎖定常領域がヒトIgG であり、前記第2の抗原結合ドメインの前記重鎖定常領域がヒトIgG である、項目127の抗体。
(項目129)
(a)前記第1の抗原結合ドメインが、EU番号付けシステムに従い番号付けられた、F405Lアミノ酸変異を含む第1の重鎖定常領域を含み;
(b)前記第2の抗原結合ドメインが、EU番号付けシステムに従い番号付けられた、K409Rアミノ酸変異を含む第2の重鎖定常領域を含む、項目1~12、14、15、17~43、54~58、61~63、76~78、89~92、95、96、99、100、111、112、125、または126のいずれか1項の抗体。
(項目130)
(a)前記第1の抗原結合ドメインが、EU番号付けシステムに従い番号付けられた、K409Rアミノ酸変異を含む第1の重鎖定常領域を含み;
(b)前記第2の抗原結合ドメインが、EU番号付けシステムに従い番号付けられた、F405Lアミノ酸変異を含む重鎖定常領域を含む、項目1~12、14、15、17~43、54~58、61~63、76~78、89~92、95、96、99、100、111、112、125、または126のいずれか1項の抗体。
(項目131)
前記第1の抗原結合ドメインの前記重鎖定常領域が、ヒトIgG である、項目128~130のいずれか1項の抗体。
(項目132)
前記第2の抗原結合ドメインの前記重鎖定常領域が、ヒトIgG である、項目128~130のいずれか1項の抗体。
(項目133)
前記第1の抗原結合ドメインが、ヒトIgG κ およびIgG λ からなる群から選択される軽鎖定常領域を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、ヒトIgG κ およびIgG λ からなる群から選択される軽鎖定常領域を含む、項目1~12、14、15、および17~43、54~58、61~63、76~78、89~92、95、96、99、100、111、112、または125~132のいずれか1項の抗体。
(項目134)
前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号41の残基26~241のヒトGITR配列への結合と比較して、配列番号41に従い番号付けられた、D60A置換の存在を除き配列番号41の残基26~241と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する、項目10、または24~133のいずれか1項の抗体。
(項目135)
前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号41の残基26~241のヒトGITR配列への結合と比較して、配列番号41に従い番号付けられた、G63A置換の存在を除き配列番号41の残基26~241と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する、項目10、または24~133のいずれか1項の抗体。
(項目136)
ヒトGITRに結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号41の残基60、62、および63からなる群から選択される少なくとも1つの残基に結合する、項目8、または22~135のいずれか1項の抗体。
(項目137)
ヒトGITRに結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号41の残基62および63からなる群から選択される少なくとも1つの残基に結合する、項目8、または22~135のいずれか1項の抗体。
(項目138)
ヒトGITRに結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号41の残基60および63からなる群から選択される少なくとも1つの残基に結合する、項目8、または2
2~135のいずれか1項の抗体。
(項目139)
ヒトGITRに結合する前記第2の抗原結合ドメインが、配列番号41の残基60~63を含むエピトープに結合する、項目8または22~135のいずれか1項の抗体。
(項目140)
前記抗体が、(i)ヒトGITRに結合し、ヒトGITRに結合する前記第2の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、ヒトGITRおよびヒトOX40を発現する細胞への増大した結合を示し、ならびに/または(ii)ヒトOX40に結合し、ヒトOX40に結合する前記第1の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、ヒトGITRおよびヒトOX40を発現する細胞への増大した結合を示す、項目19~139のいずれか1項の抗体。
(項目141)
前記抗体が、(i)ヒトGITRに結合し、ヒトGITRに結合する前記第2の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、GITR陽性、OX40陰性細胞への低下した結合を示し、ならびに/または(ii)ヒトOX40に結合し、ヒトOX40に結合する前記第1の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、GITR陰性、OX40陽性細胞への低下した結合を示す、項目19~140のいずれか1項の抗体。
(項目142)
前記抗体が、(i)ヒトGITRに結合し、ヒトGITRに結合する前記第2の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、制御性T細胞に対してより強いナチュラルキラー細胞介在性細胞毒性を誘導し、ならびに/または(ii)ヒトOX40に結合し、ヒトOX40に結合する前記第1の抗原結合ドメインと同じVHおよびVLを含有する単一特異性二価抗体と比較して、制御性T細胞に対してより強いナチュラルキラー細胞介在性細胞毒性を誘導する、項目19~141のいずれか1項の抗体。
(項目143)
前記抗体が、ヒトGITRリガンドのヒトGITRへの結合を阻害する、項目6~12、または16~142のいずれか1項の抗体。
(項目144)
前記抗体が、ヒトOX40リガンドのヒトOX40への結合を阻害する、項目1~5、13~15、または19~143のいずれか1項の抗体。
(項目145)
前記抗体が、活性化されたエフェクターT細胞に結合したときに、CD16、CD32AおよびCD64からなる群から選択される活性化しているFcガンマ受容体に結合するより高い程度まで、前記抗体が、活性化された制御性T細胞に結合したときに、CD16、CD32AおよびCD64からなる群から選択される活性化しているFcガンマ受容体に結合する、項目1~144のいずれか1項の抗体。
(項目146)
前記活性化しているFcガンマ受容体が、骨髄由来エフェクター細胞およびリンパ球由来エフェクター細胞からなる群から選択される細胞上で発現される、項目145の抗体。
(項目147)
前記抗体が、ヒトGITRおよび/またはヒトOX40に対してアゴニスト性である、項目1~47、50、51、54~65、68、69、72、73、76~81、89~104、107、108、111~116、119、120、または123~146のいずれか1項の抗体。
(項目148)
前記抗体が、ヒトGITRの活性を誘導するか、活性化するか、または増強する、項目147の抗体。
(項目149)
前記抗体が、ヒトOX40の活性を誘導するか、活性化するか、または増強する、項目147または148の抗体。
(項目150)
前記第1の抗原結合ドメインが、ヒトIgG 重鎖を含み、前記第2の抗原結合ドメインが、ヒトIgG 重鎖定常領域を含み、前記重鎖定常領域が、EU番号付けシステムに従い番号付けられた、N297A、N297Q、D265A、L234F/L235E/D265A、およびその組み合わせからなる群から選択される同一の変異を含む、項目1~12、14~43、54~58、61~63、76~78、89~92、95、96、99、100、111、112、または125~146のいずれか1項の抗体。
(項目151)
前記抗体が、ヒトGITRおよび/またはヒトOX40に対してアンタゴニスト性である、項目1~45、48、49、52~63、66、67、70、71、74~80、83、84、87~100、105、106、109~112、117、118、または121~146のいずれか1項の抗体。
(項目152)
前記抗体が、ヒトGITRの活性を不活性化するか、低減するか、または阻害する、項目151の抗体。
(項目153)
前記抗体が、ヒトOX40の活性を不活性化するか、低減するか、または阻害する、項目151または152の抗体。
(項目154)
前記抗体が、ヒトGITRシグナル伝達を阻害するか、または低減する、項目151~153のいずれか1項の抗体。
(項目155)
前記抗体が、ヒトOX40シグナル伝達を阻害するか、または低減する、項目151~154のいずれか1項の抗体。
(項目156)
前記抗体が、ヒトGITRリガンドにより誘導されるヒトGITRシグナル伝達を阻害するか、または低減する、項目151~155のいずれか1項の抗体。
(項目157)
前記抗体が、ヒトOX40リガンドにより誘導されるヒトOX40シグナル伝達を阻害するか、または低減する、項目151~156のいずれか1項の抗体。
(項目158)
前記抗体が、関節リウマチ患者由来の滑液により誘導されるCD4+T細胞増殖を低下させる、項目151~157のいずれか1項の抗体。
(項目159)
前記抗体が、ヒトPBMCを移植されたNOGマウスの生存を増大する、項目151~158のいずれか1項の抗体。
(項目160)
前記抗体が、GVHDモデルにおいて制御性T細胞の増殖を増大する、項目151~159のいずれか1項の抗体。
(項目161)
検出可能な標識をさらに含む、項目1~160のいずれか1項の抗体。
(項目162)
(i)項目1~160のいずれか1項の抗体の前記第1の抗原結合フラグメントの前記軽鎖可変領域または軽鎖をコードする核酸分子、(ii)項目1~160のいずれか1項の抗体の前記第1の抗原結合フラグメントの前記重鎖可変領域または重鎖をコードする核酸分子、(iii)項目1~160のいずれか1項の抗体の前記第2の抗原結合フラグメントの前記軽鎖可変領域または軽鎖をコードする核酸分子、および(iv)項目
1~160のいずれか1項の抗体の前記第2の抗原結合フラグメントの前記重鎖可変領域または重鎖をコードする核酸分子を含む、組成物。
(項目163)
(i)項目1~160のいずれか1項の抗体の前記第1の抗原結合フラグメントの前記軽鎖可変領域または軽鎖をコードする核酸分子、(ii)項目1~160のいずれか1項の抗体の前記第1の抗原結合フラグメントの前記重鎖可変領域または重鎖をコードする核酸分子、(iii)項目1~160のいずれか1項の抗体の前記第2の抗原結合フラグメントの前記軽鎖可変領域または軽鎖をコードする核酸分子、および(iv)項目1~160のいずれか1項の抗体の前記第2の抗原結合フラグメントの前記重鎖可変領域または重鎖をコードする核酸分子を含む、宿主細胞。
(項目164)
エシェリキア・コリ、シュードモナス、バチルス、ストレプトマイセス、酵母、CHO、YB/20、NS0、PER-C6、HEK-293T、NIH-3T3、HeLa、BHK、Hep G2、SP2/0、R1.1、B-W、L-M、COS1、COS7、BSC1、BSC40、BMT10細胞、植物細胞、昆虫細胞、および組織培養中のヒト細胞からなる群から選択される、項目163の宿主細胞。
(項目165)
前記核酸分子が発現され、前記抗体が産生されるように、項目163または164の前記宿主細胞を培養することを含む、ヒトGITRおよびヒトOX40に特異的に結合する抗体を製造する方法。
(項目166)
試料を項目1~161のいずれか1項の抗体と接触させることを含む、前記試料においてGITRおよびOX40を発現する細胞を検出する方法。
(項目167)
項目1~161のいずれか1項の抗体、および医薬的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。
(項目168)
項目1~161のいずれか1項の抗体または項目167の医薬組成物、ならびにa)検出試薬、b)GITRおよび/もしくはOX40抗原、c)ヒト投与のための使用もしくは販売についての許可を示す注意書き、またはd)その組み合わせを含む、キット。
(項目169)
対象に、有効量の項目1~160のいずれか1項の抗体または項目167の医薬組成物を投与することを含む、前記対象において免疫応答を調整する方法。
(項目170)
対象に、有効量の項目1~47、50、51、54~65、68、69、72、73、76~82、85、86、89~104、107、108、111~116、119、120、もしくは123~149のいずれか1項の抗体、または項目167の医薬組成物を投与することを含む、前記対象において免疫応答を増強するか、または誘導する方法。
(項目171)
対象に、有効量の項目1~47、50、51、54~65、68、69、72、73、76~82、85、86、89~104、107、108、111~116、119、120、もしくは123~149のいずれか1項の抗体、または項目167の医薬組成物を投与することを含む、前記対象において癌を処置する方法。
(項目172)
前記癌が、メラノーマ、腎臓癌、前立腺癌、結腸癌、および肺癌からなる群から選択される、項目171の方法。
(項目173)
前記対象に、インドールアミン-2、3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の阻害剤を投与することをさらに含む、項目171または172の方法。
(項目174)
前記阻害剤が、エパカドスタットである、項目173の方法。
(項目175)
前記阻害剤が、F001287である、項目173の方法。
(項目176)
前記阻害剤が、インドキシモドである、項目173の方法。
(項目177)
前記阻害剤が、NLG919である、項目173の方法。
(項目178)
前記対象にワクチンを投与することをさらに含む、項目171または172の方法。
(項目179)
前記ワクチンが、抗原ペプチドと複合体を形成する熱ショックタンパク質を含む熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)を含む、項目178の方法。
(項目180)
前記熱ショックタンパク質が、hsp70またはhsc70であり、腫瘍関連抗原ペプチドと複合体を形成する、項目179の方法。
(項目181)
前記熱ショックタンパク質が、gp96であり、腫瘍関連抗原ペプチドと複合体を形成し、前記HSPPCが、前記対象から得られた腫瘍に由来する、項目180の方法。
(項目182)
前記対象にチェックポイント標的薬剤を投与することをさらに含む、項目171または172の方法。
(項目183)
前記チェックポイント標的薬剤が、アンタゴニスト抗PD-1抗体、アンタゴニスト抗PD-L1抗体、アンタゴニスト抗PD-L2抗体、アンタゴニスト抗CTLA-4抗体、アンタゴニスト抗TIM-3抗体、アンタゴニスト抗LAG-3抗体、アンタゴニスト抗CEACAM1抗体、アゴニスト抗GITR抗体、およびアゴニスト抗OX40抗体からなる群から選択される、項目182の方法。
(項目184)
対象に、有効量の項目1~160のいずれか1項の抗体または項目167の前記医薬組成物を投与することを含む、前記対象において感染性疾患を処置する方法。
(項目185)
対象に、有効量の項目1~160のいずれか1項の抗体または項目167の前記医薬組成物を投与することを含む、前記対象において免疫応答を低減するか、または阻害する方法。
(項目186)
対象に、有効量の項目1~160のいずれか1項の抗体または項目167の前記医薬組成物を投与することを含む、前記対象において自己免疫または炎症性疾患もしくは障害を処置する方法。
(項目187)
前記自己免疫または炎症性疾患もしくは障害が、移植片拒絶、移植片対宿主疾患、脈管炎、喘息、関節リウマチ、皮膚炎、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎、ループス、大腸炎、糖尿病、多発性硬化症、および気道炎症からなる群から選択される、項目186の方法。
(項目188)
前記対象がヒトである、項目169~187のいずれか1項の方法。
【図面の簡単な説明】
【0079】
6.図面の簡単な説明
図1図1Aおよび1B:図1Aは、子宮内膜癌腫瘍組織、腎細胞癌腫(RCC)腫瘍組織、および非小細胞肺癌(NSCLC)腫瘍組織由来の腫瘍内エフェクターT細胞(Teff:CD4+CD127+CD25+/-FOXP3-)ならびに制御性T細胞(Treg:CD4+CD127-CD25+FOXP3+)上でのGITRならびにOX40上での発現を示すヒストグラムのセットである。図1Bは、卵巣癌腫瘍組織、結腸直腸癌(CRC)腫瘍組織、子宮内膜癌腫瘍組織、RCC腫瘍組織、およびNSCLC腫瘍組織由来のTregならびにTeff細胞の表面上でのGITRならびにOX40受容体の予想数を示す棒グラフのセットである。
【0080】
図2-1】図2A、2B、および2Cは、GITRおよびOX40を同時発現した活性化Hut102細胞(図2A)、GITRを発現するジャーカット細胞(図2B)、ならびにOX40を発現するジャーカット細胞(図2C)への試験抗体の結合を示すグラフである。平均蛍光強度(MFI)は、広範囲の抗体濃度に対してプロットされる。使用された試験抗体は、DuoBody pab1876×pab2049(図2A~2C)、二価単一特異性抗体pab1876(図2Aおよび2B)、二価単一特異性抗体pab2049(図2Aおよび2C)、DuoBody pab1876×アイソタイプ(図2A)、DuoBody pab2049×アイソタイプ(図2A)、ならびにアイソタイプ対照抗体(図2A~2C)であった。
図2-2】同上。
【0081】
図3-1】図3Aは、活性化天然制御性T(nTreg)細胞上でのGITRおよびOX40の発現を示すヒストグラムのセットである。図3Bは、抗体が活性化nTregに結合したとき、試験抗体が、FcγRIIIAV158を発現するレポーター細胞株を活性化するそれらの能力について調べられた、レポーターアッセイの結果である。使用された試験抗体は、DuoBody pab1876×pab2049、二価単一特異性抗体pab1876、二価単一特異性抗体pab2049、およびアイソタイプ対照抗体であった。相対的光単位(RLU)は、試験された最高濃度のアイソタイプ対照抗体で処理された試料におけるRLU値に標準化され、試験抗体の用量タイトレーションに対してプロットされる。図3Cおよび3Dは、抗体が、GITRを発現するジャーカット細胞(図3C)、またはOX40を発現するジャーカット細胞(図3D)に結合したとき、試験抗体が、FcγRIIIAV158発現レポーター細胞を活性化するそれらの能力について調べられる、同様のレポーターアッセイの結果である。使用された試験抗体は、DuoBody pab1876×pab2049、二価単一特異性抗体pab1876(F405L/F405L)、二価単一特異性抗体pab2049(K409R/K409R)、およびアイソタイプ対照抗体であった。RLUは、広範囲の抗体濃度に対してプロットされる。図3E、3F、および3Gは、アイソタイプ対照抗体、pab1876、pab2049、DuoBody pab1876×pab2049、もしくはpab1876とpab2049の組み合わせの存在下での、活性化エフェクターT細胞または活性化TregのNK細胞介在性溶解を測定するアッセイの結果である。図3Eは、フローサイトメトリーにより測定される通り、活性化エフェクターT細胞もしくはTreg上でのGITR(左)またはOX40(右)の発現を示すヒストグラムのペアである。図3Fおよび3Gにおいて、%細胞毒性は、抗体濃度のタイトレーションに対してプロットされる。
図3-2】同上。
図3-3】同上。
図3-4】同上。
【0082】
図4図4Aおよび4Bは、スタフィロコッカス(Staphylococcus)エンテロトキシンA(SEA)刺激後の2人のドナー由来の初代ヒトT細胞上でのDuoBody pab1876×pab2049の機能活性を描写するグラフである。IL-2の濃度は、DuoBody pab1876×pab2049、DuoBody pab2049×アイソタイプ、およびアイソタイプ対照抗体の用量タイトレーションにてプロットされる。
【0083】
図5図5Aおよび5B:図5Aは、DuoBody pab1876×pab2049、3量体GITRL、およびアイソタイプ対照抗体が、ジャーカットhuGITR-NF-κBルシフェラーゼレポーター細胞を活性化するそれらの能力について試験された、レピーターアッセイの結果である。相対的光単位(RLU)は、広範囲の抗体またはGITRL濃度に対してプロットされる。図5Bは、DuoBody pab1876×pab2049、およびアイソタイプ対照抗体が、GITRL誘導性NF-κBシグナル伝達をブロックするそれらの能力について調べられる、レポーターアッセイの結果である。このレポーターアッセイにおいて、3量体GITRLにより活性化される前に、ジャーカットhuGITR-NF-κBルシフェラーゼレポーター細胞は、DuoBody pab1876×pab2049、またはアイソタイプ対照抗体と共に事前インキュベーションされた。抗体濃度の用量タイトレーションの存在下での%GITRL活性が示される。
【0084】
図6図6Aおよび6B:図6Aは、多量体OX40L、DuoBody pab1876×pab2049、またはアイソタイプ対照抗体により引き金を引かれたジャーカットhuOX40-NF-κBルシフェラーゼレポーター細胞由来のNF-κBルシフェラーゼシグナルを描写する。RLUは、OX40Lまたは抗体濃度の用量タイトレーションに対してプロットされる。図6Bは、多量体OX40Lにより活性化される前に、ジャーカットhuOX40-NF-κBルシフェラーゼレポーター細胞が、DuoBody pab1876×pab2049、またはアイソタイプ対照抗体と共に事前インキュベーションされた、レポーターアッセイの結果である。%OX40L活性は、広範囲の抗体濃度に対してプロットされる。
【0085】
図7図7は、GITR-bioが、キメラ親231-32-15、pab1875、またはpab1876抗体と共に事前インキュベーションされたとき、ビオチン化GITR(GITR-bio)へのキメラ親231-32-15抗体を発現する1624-5前B細胞の結合の喪失を示すヒストグラムである。図7の右側の特性は、GITR-bioへのキメラ親231-32-15抗体を発現する1624-5前B細胞の結合を描写する。しかしながら、左側の特性において、キメラ親231-32-15、pab1875、またはpab1876抗体のいずれかとのGITR-bioの事前インキュベーション後に、GITR-bioへのキメラ親231-32-15抗体を発現する1624-5細胞の結合の喪失が存在する。
【0086】
図8図8は、表面プラズモン共鳴(BIAcore(登録商標)T100/200)により測定されたエピトープ競合アッセイの結果を示す。GITR抗原は、CM5センサーチップ上に固定され、抗GITR抗体は、300nMの濃度にて適用された。キメラ親231-32-15抗体がまず適用され、続いて、マウス抗体6C8が適用された。
【0087】
図9A図9Aおよび9Bは、エラープローンPCRにより作り出された、GITRバリアントを発現する細胞ライブラリーを使用した、エピトープマッピングの結果である。図9Aおよび9Bにおいて、ポリクローナル抗GITR抗体に結合するが、抗GITRキメラ親231-32-15抗体に結合しない、GITRバリアント由来の配列アライメントが示される。
図9B】同上。
【0088】
図10A図10Aおよび10Bは、アラニンスキャニングを使用したエピトープマッピングの結果である。ヒトGITRにおける以下の位置(配列番号41に従い番号付けた):P28A、T29A、G30A、G31A、P32A、T54A、T55A、R56A、C57A、C58A、R59A、D60A、Y61A、P62A、G63A、E64A、E65A、C66A、C67A、S68A、E69A、W70A、D71A、C72A、M73A、C74A、V75AおよびQ76Aを、アラニンに別々に変異させた。図10Aにおいて示される実験において試験された抗体は、モノクローナル抗GITR抗体pab1876、pab1967、pab1975、pab1979、およびm6C8;ならびにポリクローナル抗GITR抗体(AF689、R&Dシステムズ)を含んでいた。図10Aは、ヒトGITRアラニン変異体を発現する1624-5細胞へのpab1876、pab1967、pab1975、pab1979、および参照抗体m6C8の結合を要約する表である。図10Bは、モノクローナル抗体231-32-15、pab1876、もしくはm6C8、またはポリクローナル抗体を使用した、野生型ヒトGITR、D60A変異体、あるいはG63A変異体を発現する1624-5細胞の染色を示すフローサイトメトリーのセットである。GITR陽性細胞の百分率が、それぞれのプロットにおいて示される。
図10B】同上。
【0089】
図11A図11Aは、ヒトGITR、V1MカニクイザルGITR、およびV1M/Q62P/S63GカニクイザルGITRの配列アライメントであり、カニクイザルGITR由来の2つのアミノ酸(GlnSer)が、ヒトGITRにおける対応する残基(ProGly)によって置換された位置62および63を強調する。図11Bは、モノクローナル抗体231-32-15、pab1876、もしくはm6C8、またはポリクローナル抗GITR抗体を使用した、ヒトGITR、V1MカニクイザルGITR、あるいはV1M/Q62P/S63GカニクイザルGITRを発現する1624-5細胞の染色を示すフローサイトメトリープロットのセットである。
図11B】同上。
【0090】
図12図12は、ヒトOX40アラニン変異体を発現する1624-5細胞へのモノクローナル抗OX40抗体pab1949w、pab2049、およびpab1928の結合を要約する表である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
7.発明を実施するための形態
GITR(例えば、ヒトGITR)および/またはOX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)が、本明細書において提供される。
【0092】
例えば、OX40に結合する第1の抗原結合ドメイン、および第2の抗原結合ドメインを含有し得る多特異性(例えば、二重特異性)抗体が、本明細書において提供される。第2の抗原結合ドメインは、第1の抗原結合ドメインと異なり得る。第2の抗原結合ドメインは、第1の抗原結合ドメインと異なる抗原(すなわち、OX40ではない抗原)に結合し得る。第2の抗原結合ドメインは、第1の抗原結合ドメインと異なるエピトープに結合し得る。一例において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン、およびTNFRスーパーファミリータンパク質に特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含有する抗体が、本明細書において提供される。TNFRスーパーファミリータンパク質は、例えば、GITR、OX40、CD137、DR3、CD40、BAFFR、CD27、またはHVEMであり得る。一例において、本明細書において提供される抗体は、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン、およびGITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含有する。
【0093】
別の例において、本明細書において提供される抗体は、第1の抗原結合ドメイン、およびGITRに結合する第2の抗原結合ドメインを含有し得る。第1の抗原結合ドメインは、第2の抗原結合ドメインと異なり得る。第1の抗原結合ドメインは、第1の抗原結合ドメインと異なる抗原(すなわち、GITRではない抗原)に結合し得る。第2の抗原結合ドメインは、第1の抗原結合ドメインと異なるエピトープに結合し得る。一例において、本明細書において提供される抗体は、TNFRスーパーファミリータンパク質に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン、およびGITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含有する。TNFRスーパーファミリータンパク質は、例えば、GITR、OX40、CD137、DR3、CD40、BAFFR、CD27、またはHVEMであり得る。別の例において、本明細書において提供される抗体は、OX40に結合する第1の抗原結合ドメイン、およびGITRに結合する第2の抗原結合ドメインを含有する。一例において、本明細書において提供される抗体は、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する第1の抗原結合ドメイン、およびGITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する第2の抗原結合ドメインを含有する。
【0094】
OX40(例えば、ヒトOX40)およびTNFスーパーファミリータンパク質に特異的に結合する抗原結合ドメインを含む抗体もまた、本明細書において提供される。かかる抗体は、OX40(例えば、ヒトOX40)を発現する細胞、およびTNFスーパーファミリータンパク質の受容体に結合し得る。TNFスーパーファミリータンパク質、およびGITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する抗原結合ドメインを含む抗体もまた、本明細書において提供される。かかる抗体は、TNFスーパーファミリータンパク質の受容体を発現する細胞、およびGITR(例えば、ヒトGITR)に結合し得る。TNFスーパーファミリータンパク質は、例えば、GITRリガンド、OX40リガンド、CD137リガンド、DR3リガンド、CD40リガンド、BAFFRリガンド、CD27リガンド、またはHVEMリガンドであり得る。TNFスーパーファミリータンパク質は、本明細書において提供される任意の多特異性(例えば、二重特異性)抗体における第1の抗原結合ドメインまたは第2の抗原結合ドメインを置換し得る。
【0095】
1つの態様において、GITRおよびOX40に特異的に結合し、1つもしくは複数のGITRおよび/またはOX40活性を増強するか、誘導するか、あるいは増大する多特異性(例えば、二重特異性)抗体が、本明細書において提供される。別の態様において、GITRおよびOX40に特異的に結合し、1つもしくは複数のGITRまたはOX40活性を低減するか、阻害するか、あるいは低下させる多特異性(例えば、二重特異性)抗体が、本明細書において提供される。特定の実施形態において、抗体は単離される。
【0096】
かかる抗体をコードする、相補DNA(cDNA)のような、単離された核酸(ポリヌクレオチド)もまた、提供される。かかる抗体をコードする核酸(ポリヌクレオチド)を含むベクター(例えば、発現ベクター)および細胞(例えば、宿主細胞)が、さらに提供される。かかる抗体を作製する方法もまた、提供される。他の態様において、GITRおよび/もしくはOX40活性を誘導する、増大するか、または増強する、ならびに癌のような、ある種の状態を処置する方法ならびに使用が、本明細書において提供される。GITRおよび/またはOX40活性を阻害する、低下させる、または低減する、ならびに炎症性または自己免疫疾患および障害のような、ある種の状態を処置する方法ならびに使用が、さらに提供される。関連する組成物(例えば、医薬組成物)、キット、および検出方法もまた、提供される。
【0097】
7.1 専門用語
本明細書において使用される、用語「約」および「およそ」は、数値または数値範囲を修飾するために使用されるとき、値または範囲の5%~10%上および5%~10%下の逸脱が、列挙される値または範囲の意図される意味にとどまることを示す。
【0098】
本明細書において使用される通り、Aが例えば、所定の実験において、または複数の実験の平均値を使用して、特定の領域について増大するにつれ、Bが実質的に増大するなら、Bは、A値の特定の領域についてAの「実質的に増加関数」である。この定義により、Aの特定の値に対応するBの値が、Aの任意のより低い値に対応するBの値と比べ、最大1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、または20%低いことを可能にする。
【0099】
本明細書において使用される通り、Aが例えば、所定の実験において、または複数の実験の平均値を使用して、特定の領域について増大するにつれ、Bが実質的に低下されるなら、Bは、A値の特定の領域についてAの「実質的な減少関数」である。この定義により、Aの特定の値に対応するBの値が、Aの任意のより低い値に対応するBの値と比べ、最大1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、または20%高いことを可能にする。
【0100】
本明細書において使用される、用語「抗体」および「抗体(複数形)」は、当該技術分野の用語であり、本明細書において互換的に使用され得、抗原に特異的に結合する抗原結合部位を有する分子を指す。
【0101】
抗体は、例えば、モノクローナル抗体、組換えで製造された抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、表面再処理された抗体、キメラ抗体、免疫グロブリン、合成抗体、2つの重鎖および2つの軽鎖分子を含む4量体抗体、抗体軽鎖1量体、抗体重鎖1量体、抗体軽鎖2量体、抗体重鎖2量体、抗体軽鎖-抗体重鎖対、細胞内抗体、ヘテロ接合抗体、単一ドメイン抗体、一価抗体、単鎖抗体または単鎖Fvs(scFv)、ラクダ化抗体、アフィボディー、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、抗抗Id抗体を含む)、二重特異性抗体、および多特異性抗体を含み得る。ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、ポリクローナル抗体集団を指す。抗体は、免疫グロブリン分子の任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY)、任意のクラス(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、もしくはIgA2)、または任意のサブクラス(例えば、IgG2aもしくはIgG2b)のものであり得る。ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、IgG抗体、あるいはそのクラス(例えば、ヒトIgG、IgG、もしくはIgG)またはサブクラスである。特定の実施形態において、抗体は、ヒト化モノクローナル抗体である。別の特定の実施形態において、抗体は、ヒトモノクローナル抗体、例えば、つまり、免疫グロブリンである。ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、IgG、IgG、またはIgG抗体である。
【0102】
「多特異性」抗体は、少なくとも2つの異なる抗原結合部位を有する抗体である。多特異性抗体は、2つの異なる抗原結合部位(Fc領域を除く)を含有する二重特異性抗体を含む。多特異性抗体は、例えば、組換えで製造された抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、表面再処理された抗体、キメラ抗体、免疫グロブリン、合成抗体、2つの重鎖および2つの軽鎖分子を含む4量体抗体、抗体軽鎖1量体、ヘテロ接合抗体、結合単鎖抗体または結合単鎖Fvs(scFv)、ラクダ化抗体、アフィボディー、結合Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、化学結合Fvs、およびジスルフィド結合Fvs(sdFv)を含み得る。多特異性抗体は、免疫グロブリン分子の任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY)、任意のクラス(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、もしくはIgA)、または任意のサブクラス(例えば、IgG2aもしくはIgG2b)のものであり得る。ある実施形態において、本明細書において記載される多特異性抗体は、IgG抗体、あるいはそのクラス(例えば、ヒトIgG、IgG、もしくはIgG)またはサブクラスである。
【0103】
本明細書において使用される、用語「抗原結合ドメイン」、「抗原結合領域」、「抗原結合部位」、および同様の用語は、抗体分子に抗原に対するその特異性を与えるアミノ酸残基を含む抗体分子の部分(例えば、相補性決定領域(CDR))を指す。抗原結合領域は、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、またはハムスター)およびヒトのような、任意の動物種に由来し得る。
【0104】
本明細書において使用される、用語「抗GITR/OX40」抗体は、GITR(例えば、ヒトGITR)に結合する抗原結合ドメイン、およびOX40(例えば、ヒトOX40)に結合する抗原結合ドメインを含有する多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)を指す。
【0105】
本明細書において使用される、用語「可変領域」または「可変ドメイン」は、互換的に使用され、当該技術分野において一般的である。可変領域は、典型的には、抗体の部分、一般的には、軽または重鎖の部分、典型的には、成熟重鎖におけるアミノ末端の約110~125個のアミノ酸および成熟軽鎖における約90~115個のアミノ酸を指し、抗体の間で配列が大々的に異なり、特定の抗体のその特定の抗原に対する結合および特異性において使用される。配列における可変性は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれるその領域に集中し、一方、可変ドメインにおけるより高度に保存された領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。任意の特定のメカニズムまたは理論により結び付けられることを望まないが、軽および重鎖のCDRが、抗体の抗原との相互作用および特異性の主な原因であると考えられている。ある実施形態において、可変領域は、ヒト可変領域である。ある実施形態において、可変領域は、げっ歯類またはマウスCDRおよびヒトフレームワーク領域(FR)を含む。ある実施形態において、可変領域は、霊長類(例えば、非ヒト霊長類)可変領域である。ある実施形態において、可変領域は、げっ歯類またはマウスCDRおよび霊長類(例えば、非ヒト霊長類)フレームワーク領域(FR)を含む。
【0106】
用語「VL」および「VLドメイン」は、抗体の軽鎖可変領域を指すように互換的に使用される。
【0107】
用語「VH」および「VHドメイン」は、抗体の重鎖可変領域を指すように互換的に使用される。
【0108】
用語「Kabat番号制」ならびに同様の用語は、当該技術分野において認識され、抗体の重および軽鎖可変領域、またはその抗原結合部分におけるアミノ酸残基を番号付けるシステムを指す。特定の態様において、抗体のCDRは、Kabat番号制に従い決定され得る(例えば、Kabat EA & Wu TT(1971)Ann NY Acad Sci 190:382-391およびKabat EA et al.,(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242を参照)。Kabat番号制を使用し、抗体重鎖分子内のCDRは、典型的には、場合により、35の後に、1つまたは2つのさらなるアミノ酸(Kabat番号付けスキームにおいて35Aおよび35Bとして言及される)を含み得る、アミノ酸位置31~35(CDR1)、アミノ酸位置50~65(CDR2)、ならびにアミノ酸位置95~102(CDR3)に存在する。Kabat番号制を使用し、抗体軽鎖分子内のCDRは、典型的には、アミノ酸位置24~34(CDR1)、アミノ酸位置50~56(CDR2)、およびアミノ酸位置89~97(CDR3)に存在する。特定の実施形態において、本明細書において記載される抗体のCDRは、Kabat番号付けスキームに従い決定された。
【0109】
本明細書において使用される、用語「定常領域」または「定常ドメイン」は、互換可能であり、当該技術分野において一般的なその意味を有する。定常領域は、抗体部分、例えば、抗体の抗原との結合に直接的には関与しないが、Fc受容体との相互作用のような、様々なエフェクター機能を提示し得る、軽および/または重鎖のカルボキシル末端部分である。免疫グロブリン分子の定常領域は、一般的には、免疫グロブリン可変ドメインと比べ、より保存されたアミノ酸配列を有する。
【0110】
本明細書において使用される、用語「重鎖」は、抗体に関して使用されるとき、定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、任意の異なる種類、例えば、アルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)、およびミュー(μ)を指し、それは、それぞれ、IgGのサブクラス、例えば、IgG、IgG、IgG、およびIgGを含む、抗体のIgA、IgD、IgE、IgG、ならびにIgMクラスを生じる。
【0111】
本明細書において使用される、用語「軽鎖」は、抗体に関して使用されるとき、定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、任意の異なる種類、例えば、カッパ(κ)またはラムダ(λ)を指すことができる。軽鎖アミノ酸配列は、当該技術分野において周知である。特定の実施形態において、軽鎖はヒト軽鎖である。
【0112】
本明細書において使用される、用語「EU番号制」は、Edelman,G.M.et al.,Proc.Natl.Acad.USA,63,78-85(1969)およびKabat et al,Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Dept.Health and Human Services,5th edition,1991そのそれぞれが、参照により全体が本明細書に組み込まれるにおいて記載される通り、抗体の定常領域についてのEU番号付け慣習を指す。
【0113】
「結合親和性」は、一般的に、分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)の間での非共有結合性相互作用の合計の強さを指す。別の方法で示されない限り、本明細書において使用される、「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば、抗体および抗原)の間での1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は、一般的に、解離定数(K)により表され得る。親和性は、平衡解離定数(K)、および平衡結合定数(K)を含むが、これらに限定されない、当該技術分野において公知の多数の方法で測定され、および/または表され得る。Kは、koff/konの割合から計算され、一方、Kは、kon/koffの割合から計算される。konは、例えば、抗体の抗原への結合率定数を指し、koffは、例えば、抗体の抗原への解離を指す。konおよびkoffは、BIAcore(登録商標)またはKinExAのような、当業者に公知の技術により決定され得る。
【0114】
本明細書において使用される、「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置換されているものである。側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野において定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族性側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。ある実施形態において、抗体のCDR(複数を含む)内もしくはフレームワーク領域(複数を含む)内の1つまたは複数のアミノ酸残基は、同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置換され得る。
【0115】
本明細書において使用される、「エピトープ」は、当該技術分野における用語であり、抗体が特異的に結合し得る抗原の限局した領域を指す。エピトープは、例えば、ポリペプチドの連続アミノ酸(直鎖または連続エピトープ)であり得るか、あるいはエピトープは、例えば、ポリペプチドまたは複数のポリペプチドの2つ以上の不連続領域から一体となり得る(立体構造、非直線、非連続、もしくは不連続エピトープ)。ある実施形態において、抗体が結合するエピトープは、例えば、NMR分光法、X線回折結晶学研究、ELISAアッセイ、質量分析連結水素/ジュウテリウム交換(例えば、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析)、アレイベースのオリゴ-ペプチドスキャニングアッセイ、および/または変異誘発マッピング(例えば、部位特異的変異誘発マッピング)により決定され得る。X線結晶解析のため、結晶化は、当該技術分野において公知の方法のいずれかを使用して成し遂げられてもよい(例えば、Giege R et al.,(1994)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 50(Pt 4):339-350;McPherson A(1990)Eur J Biochem 189:1-23;Chayen NE(1997)Structure 5:1269-1274;McPherson A(1976)J Biol Chem 251:6300-6303)。抗体:抗原結晶は、周知のX線回折技術を使用して研究され得、X-PLOR(エール大学、1992年、Molecular Simulations,Inc.により配布;例えば、Meth Enzymol(1985)volumes 114 & 115,eds Wyckoff HW et al.,;米国公開第2004/0014194号を参照)、およびBUSTER(Bricogne G(1993)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 49(Pt 1):37-60;Bricogne G(1997)Meth Enzymol 276A:361-423,ed Carter CW;Roversi P et al.,(2000)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 56(Pt 10):1316-1323)のようなコンピューターソフトウエアを使用して精密化され得る。変異誘発マッピング研究は、当業者に公知の任意の方法を使用して、成し遂げられ得る。アラニンスキャニング変異誘発技術を含む、変異誘発技術の説明について、例えば、Champe M et al.,(1995)J Biol Chem 270:1388-1394およびCunningham BC & Wells JA(1989)Science 244:1081-1085を参照。特定の実施形態において、抗体のエピトープは、アラニンスキャニング変異誘発研究を使用して決定される。
【0116】
本明細書において使用される、用語「免疫特異的に結合する」、「免疫特異的に認識する」、「特異的に結合する」、および「特異的に認識する」は、抗体の文脈において類似の用語であり、かかる結合が当業者により理解される通り、抗原(例えば、エピトープまたは免疫複合体)に結合する分子を指す。例えば、抗原に特異的に結合する分子は、例えば、イムノアッセイ、BIAcore(登録商標)、KinExA 3000 instrument(Sapidyne Instruments、ボイシ、アイダホ州)、または当該技術分野において公知の他のアッセイにより決定される通り、一般的により低い親和性で他のペプチドまたはポリペプチドに結合し得る。特定の実施形態において、抗原に免疫特異的に結合する分子は、分子が別の抗原に非特異的に結合するとき、Kより少なくとも2log、2.5log、3log、4log以上であるKで抗原に結合する。多特異性(例えば、二重特異性)抗体の文脈において、用語「免疫特異的に結合する」、「免疫特異的に認識する」、「特異的に結合する」、および「特異的に認識する」は、1つより多くの抗原に対して、または単一抗原上の1つより多くのエピトープに対して異なる特異性を有する抗体を指す。例えば、二重特異性抗体は、例えば、ヒトOX40およびヒトGITRのそれぞれに、例えば、異なる抗原結合ドメインで特異的に結合してもよい。
【0117】
別の特定の実施形態において、抗原に免疫特異的に結合する抗原結合ドメインは、同様の結合条件下で他のタンパク質と交差反応しない。別の特定の実施形態において、GITR抗原に免疫特異的に結合する抗原結合ドメインは、他の非GITRタンパク質と交差反応しない。別の特定の実施形態において、OX40抗原に免疫特異的に結合する抗原結合ドメインは、他の非OX40タンパク質と交差反応しない。特定の実施形態において、別の無関連の抗原より高い親和性でGITRまたはOX40に結合する抗原結合ドメインを含有する抗体が、本明細書において提供される。ある実施形態において、例えば、ラジオイムノアッセイ、表面プラズモン共鳴、または動態排除アッセイにより測定される通り、別の無関連の抗原より20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%以上の親和性で、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはヒトOX40)に結合する抗原結合ドメインを含有する抗体が、本明細書において提供される。特定の実施形態において、本明細書において記載される抗GITR抗原結合ドメインの無関連の非GITRタンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイにより測定される通り、抗原結合ドメインのGITRタンパク質への結合の10%、15%、または20%より低い。特定の実施形態において、本明細書において記載される抗OX40抗原結合ドメインの無関連の非OX40タンパク質への結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイにより測定される通り、抗原結合ドメインのOX40タンパク質への結合の10%、15%、または20%より低い。
【0118】
特定の実施形態において、別の種のGITRより高い親和性でヒトGITRに結合する抗原結合ドメイン、および/または別の種のOX40より高い親和性でヒトOX40に結合する抗原結合ドメインを含有する抗体が、本明細書において提供される。ある実施形態において、例えば、ラジオイムノアッセイ、表面プラズモン共鳴、または動態排除アッセイにより測定される通り、別の種のGITRより5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%以上の親和性でヒトGITRに結合し、および/または別の種のOX40より5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%以上の親和性でヒトOX40に結合する抗原結合ドメインを含有する抗体が、本明細書において提供される。特定の実施形態において、ヒトGITRおよびヒトOX40に結合する、本明細書において記載される抗体は、例えば、ラジオイムノアッセイ、表面プラズモン共鳴、または動態排除アッセイにより測定される通り、抗体のヒトGITRおよび/もしくはOX40タンパク質への結合の10%、15%、または20%未満で別の種のGITRならびに/あるいはOX40タンパク質に結合する。
【0119】
本明細書において使用される、用語「グルココルチコイド誘導性TNFRファミリー関連受容体」または「GITR」または「GITRポリペプチド」は、天然のGITR、GITRのアイソフォーム、またはGITRの種間GITR相同体を含むが、これらに限定されない、GITRを指す。GITRはまた、活性化誘導可能なTNFRファミリー受容体(AITR)、GITR-D、CD357、および腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)としても知られている。GenBank(商標)受託番号BC152381およびBC152386は、ヒトGITR核酸配列を提供する。Swiss-Prot受託番号Q9Y5U5-1(TNR18_HUMAN;配列番号41)、およびGenBank(商標)受託番号NP_004186は、アイソフォーム1についての典型的なヒトGITRアミノ酸配列を提供する。このアミノ酸配列は、シグナル配列をコードする最初の25個のアミノ酸残基を有する241アミノ酸長である。アイソフォーム1は、タイプI膜タンパク質である。ヒトGITRの典型的な成熟アミノ酸配列は、配列番号40として提供される。対照的に、アイソフォーム2は、ヒトGITRの分泌された形態であり、およそ255アミノ酸長である。Swiss-Prot受託番号Q9Y5U5-2、およびGenBank(商標)受託番号NP_683699は、アイソフォーム2についての典型的なヒトGITRアミノ酸配列を提供する。ヒトGITRのアイソフォーム3は、およそ234アミノ酸長である。Swiss-Prot受託番号Q9Y5U5-3、およびGenBank(商標)受託番号NP_683700(アイソフォーム3前駆体)は、アイソフォーム3についての典型的なヒトGITRアミノ酸配列を提供する。特定の実施形態において、GITRはヒトGITRである。別の特定の実施形態において、GITRは、ヒトGITRアイソフォーム1(配列番号41)である。ある実施形態において、GITRは、ヒトアイソフォーム2(配列番号42)またはアイソフォーム3(配列番号43)である。ヒトGITRは、Entrez GeneによりGeneID:8784と命名される。配列番号44は、カニクイザルGITRアミノ酸配列を提供し、配列番号44のアミノ酸26~234は、カニクイザルGITRの成熟形態を表す。本明細書において使用される、用語「ヒトGITR」は、配列番号40のポリペプチド配列を含むGITRを指す。
【0120】
本明細書において使用される、用語「GITRリガンド」および「GITRL」は、グルココルチコイド誘導性TNFR関連タンパク質リガンドを指す。GITRLは、そうでなければ、活性化誘導性TNF関連リガンド(AITRL)および腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー18(TNFSF18)として知られている。GenBank(商標)受託番号AF125303は、典型的なヒトGITRL核酸配列を提供する。GenBank(商標)受託番号NP_005083およびSwiss-Prot受託番号Q9UNG2は、典型的なヒトGITRLアミノ酸配列を提供する。
【0121】
本明細書において使用される、用語「OX40受容体」または「OX40」または「OX40ポリペプチド」は、天然のOX40、OX40のアイソフォーム、またはOX40の種間OX40相同体を含むが、これらに限定されない、OX40を指す。OX40はまた、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4(TNFRSF4)、ACT35、CD134、IMD16、およびTXGP1Lとしても知られている。GenBank(商標)受託番号BC105070およびBC105072は、ヒトOX40核酸配列を提供する。参照配列番号NP_003318.1は、ヒトOX40のアミノ酸配列を提供する。ヒトOX40の未熟アミノ酸配列は、配列番号73として提供される。ヒトOX40の成熟アミノ酸配列は、配列番号72として提供される。ヒトOX40は、Entrez GeneによりGeneID:7293と命名される。参照配列番号XM_005545122.1およびXP_005545179.1は、それぞれ、推定カニクイザルOX40核酸配列およびアミノ酸配列を提供する。ヒトOX40の可溶性アイソフォームもまた、報告されている(Taylor L et al.,(2001)J Immunol Methods 255:67-72)。本明細書において使用される、用語「ヒトOX40」は、配列番号72のポリペプチド配列を含むOX40を指す。
【0122】
本明細書において使用される、用語「OX40リガンド」および「OX40L」は、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー4(TNFSF4)を指す。OX40Lは、そうでなければ、CD252、GP34、TXGP1、およびCD134Lとして知られている。GenBank(商標)受託番号D90224.1およびAK297932.1は、典型的なヒトOX40L核酸配列を提供する。参照配列番号NP_003317.1およびSwiss-Prot受託番号P23510-1は、アイソフォーム1についての典型的なヒトOX40Lアミノ酸配列を提供する。参照配列番号NP_001284491.1およびSwiss-Prot受託番号P23510-2は、アイソフォーム2についての典型的なヒトOX40Lアミノ酸配列を提供する。ヒトOX40Lは、Entrez GeneによりGeneID:7292と命名される。
【0123】
本明細書において使用される、用語「宿主細胞」は、任意の種類の細胞、例えば、初代細胞、培養中の細胞、または細胞株由来の細胞であることができる。特定の実施形態において、用語「宿主細胞」は、核酸分子で遺伝子導入された細胞、およびかかる細胞の子孫または可能性のある子孫を指す。かかる細胞の子孫は、例えば、後世において生じ得る変異もしくは環境上の影響、または核酸分子の宿主ゲノムへの統合に起因して、核酸分子を遺伝子導入された親細胞と必ずしも同一ではない。
【0124】
本明細書において使用される、対象への治療の投与の文脈における用語「有効量」は、所望の予防または治療効果を達成する治療の量を指す。
【0125】
本明細書において使用される、用語「対象」および「患者」は、互換的に使用される。対象は動物であり得る。幾つかの実施形態において、対象は、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットなど)または霊長類(例えば、サルもしくはヒト)のような哺乳類であり、最も好ましくは、ヒトである。幾つかの実施形態において、対象はカニクイザルである。ある実施形態において、かかる用語は、非ヒト動物(例えば、ブタ、ウマ、ウシ、ネコまたはイヌのような非ヒト動物)を指す。幾つかの実施形態において、かかる用語は、ペットまたは家畜を指す。特定の実施形態において、かかる用語はヒトを指す。
【0126】
本明細書において使用される、試験抗体と第1の抗原の間の結合は、例えば、次の工程:(a)細胞(例えば、1624-5細胞)の表面上で第1の抗原または第2の抗原を発現させること;(b)例えば、フローサイトメトリー解析において2μg/ml試験抗体もしくはポリクローナル抗体を使用して、第1の抗原または第2の抗原を発現する細胞を染色すること、および平均蛍光強度(MFI)値を、例えば、1つより多くの測定値の平均として記録すること、ここで、ポリクローナル抗体は、第1の抗原と第2の抗原両方を認識する;(c)第2の抗原を発現する細胞についての試験抗体のMFI値を、第2の抗原を発現する細胞についてのポリクローナル抗体のMFI値で割ること(MFI比);(d)第1の抗原を発現する細胞についての試験抗体のMFI値を、第1の抗原を発現する細胞についてのポリクローナル抗体のMFIで割ること(MFI比);および(e)100%×(1-(MFI比/MFI比))を計算することにより、結合の低減の百分率を決定することを含むアッセイにより評価される通り、例えば、フローサイトメトリー解析において、もしくは所定の実験において、または複数の実験の平均値を使用して測定される通り、試験抗体と第1の抗原の間の結合が、試験抗体と第2の抗原の間の結合と比べて少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、または80%低減されるなら、試験抗体と第2の抗原の間の結合と比べて「実質的に,減弱されている」。
【0127】
2つの配列(例えば、アミノ酸配列または核酸配列)間の「パーセント同一性」の決定はまた、数学的アルゴリズムを使用して成し遂げられ得る。2つの配列の比較のため利用される数学的アルゴリズムの特定の非限定的な例は、Karlin S & Altschul SF(1993)PNAS 90:5873-5877において改変されたKarlin S & Altschul SF(1990)PNAS 87:2264-2268のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムは、Altschul SF et al.,(1990)J Mol Biol 215:403のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれる。BLASTヌクレオチド検索は、本明細書において記載される核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得るためのNBLASTヌクレオチドプログラムパラメーターセット、例えば、スコア=100についてワード長=12で行われ得る。BLASTタンパク質検索は、本明細書において記載されるタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得るためのXBLASTプログラムパラメーターセット、例えば、スコア=50に対して、ワード長=3で行われ得る。比較目的でギャップアライメントを得るために、Altschul SF et al.,(1997)Nuc Acids Res 25:3389 3402において記載される通り、Gapped BLASTが利用され得る。あるいは、PSI BLASTを使用して、分子間の距離関係を検出する反復検索を行うことができる(同上)。BLAST、Gapped BLAST、およびPSI Blastプログラムを利用するとき、それぞれのプログラムの(例えば、XBLASTおよびNBLASTの)デフォルトパラメーターが使用され得る(例えば、ワールドワイドウェブ、ncbi.nlm.nih.gov上の全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)を参照)。配列の比較のため利用される数学的アルゴリズムの別の特定の非限定的な例は、Myers and Miller,1988,CABIOS 4:11 17のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムは、GCG配列アライメントソフトウエアパッケージの一部である、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれる。アミノ酸配列を比較するためALIGNプログラムを利用するとき、PAM120重量残基表、ギャップ長ペナルティ12、およびギャップペナルティ4が使用され得る。
【0128】
2つの配列間のパーセント同一性は、ギャップを許可して、または許可しないで、上で記載されたものと同様の技術を使用して決定され得る。パーセント同一性を計算する際、典型的には、完全一致のみがカウントされる。
【0129】
7.2 GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性抗体
特有の態様において、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよびヒトOX40)に特異的に結合する多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)が、本明細書において提供される。例えば、本明細書において提供される多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、OX40に結合する第1の抗原結合ドメイン、および第2の抗原結合ドメインを含み得る。本明細書において提供される多特異性(例えば、二重特異性)抗体はまた、第1の抗原結合ドメイン、およびGITRに結合する第2の抗原結合ドメインを含み得る。これらの多特異性(例えば、二重特異性)抗体はまた、他の腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリータンパク質に結合し得、例えば、GITRおよび/またはOX40で同時調節されるものである。かかる多特異性抗体は、有利には、1つのTNFRスーパーファミリータンパク質に結合するだけである単一特異性二価抗体より、標的タンパク質の組み合わせを含有する免疫細胞のある種のサブセットに対してより高い特異性を示す。
【0130】
例えば、OX40に結合する第1の抗原結合ドメイン、およびGITR、OX40、CD137、またはDR3のような、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリータンパク質に結合する第2の抗原結合ドメインを含む抗体が、本明細書において提供される。別の例において、GITR、OX40、CD137、またはDR3のような、TNFRスーパーファミリータンパク質に結合する第1の抗原結合ドメイン、およびGITRに結合する第2の抗原結合ドメインを含む抗体が、本明細書において提供される。
【0131】
OX40に結合する第1の抗原結合ドメイン、およびGITRに結合する第2の抗原結合ドメインを含む多特異性(例えば、二重特異性)抗体もまた、本明細書において提供される。
【0132】
OX40抗原結合ドメインならびにGITR抗原結合ドメインを含有する、本明細書において提供される抗体は、例えば、GITRに結合し、同じGITR抗原結合ドメインを含有する単一特異性二価抗体と比較して、および/またはOX40に結合し、同じOX40抗原結合ドメインを含有する単一特異性二価抗体と比較して、GITRならびにOX40を発現する細胞(例えば、T制御性細胞)への増大した結合を示し得る。
【0133】
OX40抗原結合ドメインおよびGITR抗原結合ドメインを含有する、本明細書において提供される抗体はまた、GITRに結合し、同じGITR抗原結合ドメインを含有する単一特異性二価抗体と比較して、(例えば、低濃度にて)GITR陽性、OX40陰性細胞への低下した結合を示し得る。
【0134】
OX40抗原結合ドメインおよびGITR抗原結合ドメインを含有する、本明細書において提供される抗体はまた、OX40に結合し、同じOX40抗原結合ドメインを含有する単一特異性二価抗体と比較して、(例えば、低濃度にて)GITR陰性、OX40陽性細胞への低下した結合を示し得る。
【0135】
ある実施形態において、GITRならびにOX40に特異的に結合する、本明細書において記載される多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、ヒトCD4+T細胞およびヒトCD8+T細胞に結合し得る。ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、ヒトCD4+細胞およびカニクイザルCD4+T細胞に結合する。GITRおよびOX40に特異的に結合する、本明細書において提供される抗体は、エフェクターT細胞と比較して、制御性T細胞への増強した結合を示し得る。ある場合では、GITRおよびOX40に特異的に結合する、本明細書において提供される抗体は、腫瘍内エフェクターT細胞と比較して、腫瘍内制御性T細胞への増強した結合を示す。
【0136】
GITRおよびOX40に特異的に結合する、本明細書において提供される多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、ヒトGITRリガンドのヒトGITRへの結合を阻害し、および/またはヒトOX40リガンドのヒトOX40への結合を阻害し得る。
【0137】
一例において、GITRおよびOX40に特異的に結合する、本明細書において提供される抗体は、以下の表1の1列において示されるCDRの組み合わせを含む。
【表1】
【0138】
一例において、GITRおよびOX40に特異的に結合する、本明細書において提供される抗体は、以下の表2の1列において示される、2つの重鎖可変ドメインと2つの軽鎖可変ドメインの組み合わせを含む。
【表2】
【0139】
一例において、GITRおよびOX40に特異的に結合する、本明細書において提供される抗体は、以下の表3の1列において示される、2つの重鎖と2つの軽鎖の組み合わせを含む。
【表3-1】

【表3-2】

【表3-3】
【0140】
本明細書において提供される、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性抗体、例えば、二重特異性抗体は、2つの異なるモノクローナル抗体を化学的に結合させることにより、もしくは2つのハイブリドーマ細胞株を融合させて、ハイブリッドハイブリドーマを製造することにより、調製され得る。使用され得る他の多価フォーマットは、例えば、Κλボディ、dAb、二重特異性抗体、TandAb、ナノボディ、SMIP、DNL、鎖交換操作ドメイン体(SEEDbodies)、アフィボディー、フィノマー、クニッツドメイン、Albu-dab、DART、DVD-IG、Covxボディ、ペプチボディ、scFv-Ig、SVD-Ig、dAb-Ig、ノブ・イン・ホール、DuoBody抗体およびtriomAbを含む。典型的な二重特異性フォーマットは、Garber et al.,Nature Reviews Drug Discovery 13:799-801(2014)(参照により全体が本明細書において組み込まれる)において考察される。
【0141】
本発明の典型的な二重特異性抗体分子は、(i)異なる抗原結合領域を含む2つのアーム、1つはOX40のような第1の抗原に対する特異性を有し、1つはGITRのような第2の抗原に対する特異性を有する、を有する単一抗体、(ii)OX40のような第1の抗原に特異的な1つの抗原結合領域またはアーム、およびGITRのような第2の抗原に特異的な第2の抗原結合領域またはアームを有する単一抗体、(iii)例えば、外部ペプチドリンカーによりタンデムに結合した2つのscFvを介して、OX40のような第1の抗原に対する第1の特異性、およびGITRのような第2の抗原に対する第2の特異性を有する単鎖抗体;(iv)それぞれの軽鎖および重鎖が、短いペプチド連鎖を通じてタンデムに2つの可変ドメインを含有する、二重可変ドメイン抗体(DVD-Ig)(Wu et al.,Generation and Characterization of a Dual Variable Domain Immunoglobulin(DVD-Ig.TM.)Molecule,In:Antibody Engineering,Springer Berlin Heidelberg(2010));(v)化学的に結合した二重特異性(Fab’)2フラグメント;(vi)標的抗原のそれぞれについての2つの結合部位を有する四価二重特異性抗体をもたらす2つの単鎖二重特異性抗体の融合物である、Tandab;(vii)多価分子をもたらす、scFvの二重特異性抗体との組み合わせである、フレキシボディ;(viii)Fabに適用されたとき、異なるFabフラグメントに結合した2つの同一のFabフラグメントからなる三価二重特異性結合タンパク質を生じ得る、タンパク質キナーゼAにおける「2量体化およびドッキングドメイン」に基づく、いわゆる「鍵と鍵穴」分子;(ix)例えば、ヒトFabアームの末端両方に融合した2つのscFvを含む、いわゆるサソリ分子;ならびに(x)二重特異性抗体を含む。
【0142】
二重特異性抗体の異なるクラスの例は、ヘテロ2量体化を強制する相補CH3ドメインを有するIgG様分子;組換えIgG様二重ターゲティング分子、ここで、分子の2つの鎖、それぞれが、少なくとも2つの異なる抗体のFabフラグメントまたはFabフラグメントの一部を含有する;IgG融合分子、ここで、全長IgG抗体は、外部FabフラグメントまたはFabフラグメントの一部に融合される;Fc融合分子、ここで、単鎖Fv分子または安定化二重特異性抗体は、重鎖定常ドメイン、Fc領域またはその一部に融合される;Fab融合分子、ここで、異なるFabフラグメントは一体となって融合される;ScFvおよび二重特異性抗体ベースならびに重鎖抗体(例えば、ドメイン抗体、ナノボディ)、ここで、異なる単鎖Fv分子または異なる二重特異性抗体または異なる重鎖抗体(例えば、ドメイン抗体、ナノボディ)は、互いに、または別のタンパク質もしくは担体分子に融合される、を含むが、これらに限定されない。
【0143】
Fab融合二重特異性抗体の例は、F(ab)(Medarex/アムジェン)、Dual-ActionまたはBis-Fab(ジェネンテック)、Dock-and-Lock(DNL)(イミュノメディクス)、二価二重特異性(Biotecnol)およびFab-Fv(UCB-Celltech)を含むが、これらに限定されない。ScFv、二重特異性抗体ベースおよびドメイン抗体の例は、Bispecific T Cell Engager(BITE)(Micromet、Tandem Diabody(Tandab)(Affimed)、Dual Affinity Retargeting Technology(DART)(MacroGenics)、単鎖二重特異性抗体(Academic)、TCR様抗体(AIT、ReceptorLogics)、ヒト血清アルブミンScFv融合(Merrimack)およびCOMBODY(Epigen Biotech)、二重ターゲティングナノボディ(Ablynx)、ならびに二重ターゲティング重鎖のみのドメイン抗体を含むが、これらに限定されない。
【0144】
ある実施形態において、多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体であり得る。ある実施形態において、多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、F(ab’)フラグメントであり得る。
【0145】
ある実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する、多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、DuoBody抗体である。
【0146】
ある実施形態において、本明細書において記載される、OX40に結合する第1の抗原結合ドメインは、EU番号制に従い番号付けられた、F405L変異を含むヒトIgG重鎖定常領域を含み、本明細書において記載される、GITRに結合する第2の抗原結合ドメインは、EU番号制に従い番号付けられた、K409R変異を含むヒトIgG重鎖定常領域を含む。
【0147】
ある実施形態において、本明細書において記載される、OX40に結合する第1の抗原結合ドメインは、EU番号制に従い番号付けられた、K409R変異を含むヒトIgG重鎖定常領域を含み、本明細書において記載される、GITRに結合する第2の抗原結合ドメインは、EU番号制に従い番号付けられた、F405L変異を含むヒトIgG重鎖定常領域を含む。
【0148】
本明細書において提供される、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)は、GITRおよび/もしくはOX40活性を刺激するか、または弱め得る。GITRおよび/またはOX40機能を刺激する抗体は、GITRおよび/またはOX40をクラスター形成する抗体を含む。クラスター形成は、例えば、FcとFc受容体(FcR)の相互作用の結果として生じ得る。従って、GITRおよび/またはOX40を刺激する抗体は、増大したFc受容体結合を有する抗体を含む。Fc受容体結合を増大する変異は、当該技術分野において公知であり、例えば、アフコシル化Fcを有する抗体、ならびにEU番号制に従い番号付けられた、S267E/L328F(SELF変異体)およびS239D/A330L/I332Eのような変異を有する抗体を含む。幾つかの実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)アゴニスト抗体は、Kabatに従い番号付けられた、C127Sを含有するIgG2定常領域を含む。GITRおよび/またはOX40機能を弱める抗体は、減少したFc受容体結合を有する抗体を含む。Fc受容体結合を減少させる変異は、当該技術分野において公知であり、例えば、EU番号制に従い番号付けられた、N297A;N297Q;D265A;L234F/L235E;L234F/L235E/N297Q;L234F/L235E/P331S;D265A/N297Q;およびL234F/L235E/D265A/N297Q/P331Sを含む。幾つかの実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)アンタゴニスト抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、N297Aを含有するIgG1定常領域を含む。幾つかの実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)アンタゴニスト抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、N297Qを含有するIgG1定常領域を含む。幾つかの実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)アンタゴニスト抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、D265Aを含有するIgG1定常領域を含む。幾つかの実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)アンタゴニスト抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、L234F/L235E/D265Aを含有するIgG1定常領域を含む。幾つかの実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)アンタゴニスト抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、D265A、P329A、およびその組み合わせからなる群から選択される変異を含有するIgG1定常領域を含む。
【0149】
幾つかの実施形態において、1つ、2つ、またはそれ以上の変異(例えば、アミノ酸置換)を、本明細書において記載される抗体のFc領域(例えば、EU番号付けシステムによる番号付けで、CH2ドメイン(ヒトIgGの残基231~340)および/もしくはCH3ドメイン(ヒトIgGの残基341~447))ならびに/またはヒンジ領域に導入して、例えば、エフェクター細胞の表面上のFc受容体(例えば、活性化Fc受容体)に対する抗体の親和性が増大されるか、あるいは低下する。Fc受容体に対する抗体の親和性を低下させるか、または増大する抗体のFc領域における変異、およびかかる変異をFc受容体またはそのフラグメントに導入する技術は、当業者に公知である。Fc受容体に対する抗体の親和性を変更するように作製され得る抗体のFc受容体における変異の例は、例えば、Smith P et al.,(2012)PNAS 109:6181-6186、米国特許第6,737,056号、ならびに国際公開第02/060919号;第98/23289号;および第97/34631号(参照により本明細書に組み込まれる)において記載される。
【0150】
特定の実施形態において、1つ、2つ、または複数のアミノ酸変異(すなわち、置換、挿入もしくは欠損)を、IgG定常ドメイン、またはそのFcRn結合フラグメント(好ましくは、Fcもしくはヒンジ-Fcドメインフラグメント)に導入して、インビボでの抗体の半減期が変更される(例えば、低下されるか、または増大される)。例えば、インビボでの抗体の半減期を変更する(例えば、低下させるか、または増大する)変異の例について、国際公開第02/060919号;第98/23289号;および第97/34631号;ならびに米国特許第5,869,046号、第6,121,022号、第6,277,375号および第6,165,745号を参照。ある実施形態において、1つ、2つ、または複数のアミノ酸変異(すなわち、置換、挿入もしくは欠損)を、IgG定常ドメイン、またはそのFcRn結合フラグメント(好ましくは、Fcもしくはヒンジ-Fcドメインフラグメント)に導入して、インビボでの抗体の半減期が低下される。他の実施形態において、1つ、2つ、または複数のアミノ酸変異(すなわち、置換、挿入もしくは欠損)を、IgG定常ドメイン、またはそのFcRn結合フラグメント(好ましくは、Fcもしくはヒンジ-Fcドメインフラグメント)に導入して、インビボでの抗体の半減期が増大される。特定の実施形態において、抗体は、EU番号付けシステムによる番号付けで、第2の定常(CH2)ドメイン(ヒトIgGの残基231~340)および/もしくは第3の定常(CH3)ドメイン(ヒトIgGの残基341~447)における1つまたは複数のアミノ酸変異(例えば、置換)を有してもよい。特定の実施形態において、本明細書において記載される抗体のIgGの定常領域は、Eu番号制に従い番号付けられた、位置252におけるメチオニン(M)からチロシン(Y)への置換、位置254におけるセリン(S)からスレオニン(T)への置換、および位置256におけるスレオニン(T)からグルタミン酸(E)への置換を含む。米国特許第7,658,921号(参照により本明細書に組み込まれる)を参照。「YTE変異体」と呼ばれる、この種類の変異体IgGは、同じ抗体の野生型バージョンと比較して、4倍増大した半減期を提示することが示された(Dall’Acqua WF et al.,(2006)J Biol Chem 281:23514-24を参照)。ある実施形態において、抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、位置251~257、285~290、308~314、385~389、および428~436のアミノ酸残基の1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のアミノ酸置換を含むIgG定常ドメインを含む。
【0151】
さらなる実施形態において、1つ、2つ、または複数のアミノ酸置換を、IgG定常ドメインFc領域に導入して、抗体のエフェクター機能(複数を含む)が変更される。例えば、抗体が、エフェクターリガンドに対する変更された親和性を有するが、親抗体の抗原結合能を保持するように、EU番号制に従い番号付けられた、アミノ酸残基234、235、236、237、297、318、320および322から選択される1つまたは複数のアミノ酸が、異なるアミノ酸残基で置換され得る。親和性が変更されているエフェクターリガンドは、例えば、Fc受容体または補体のC1成分であり得る。このアプローチは、米国特許第5,624,821号および第5,648,260号においてさらに詳細に記載される。幾つかの実施形態において、定常領域ドメインの欠損または不活性化(点変異もしくは他の手段を通じた)は、循環抗体のFc受容体結合を低減し、それにより、腫瘍局在性が増大されてもよい。定常ドメインを欠損させるか、または不活性化し、それにより、腫瘍局在性を増大する変異の記載について、例えば、米国特許第5,585,097号および第8,591,886号を参照。ある実施形態において、1つまたは複数のアミノ酸置換を、本明細書において記載される抗体のFc領域に導入して、Fc領域上の可能性のあるグリコシル化部位を取り除き、Fc受容体結合を低減してもよい(例えば、Shields RL et al.,(2001)J Biol Chem 276:6591-604を参照)。様々な実施形態において、本明細書において記載される抗体の定常領域における以下の変異:EU番号制に従い番号付けられた、N297A置換;N297Q置換;L235A置換およびL237A置換;L234A置換およびL235A置換;E233P置換;L234V置換;L235A置換;C236欠損;P238A置換;D265A置換;A327Q置換;またはP329A置換の1つまたは複数が作製されてもよい。
【0152】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、N297QまたはN297Aアミノ酸置換を有するIgGの定常ドメインを含む。
【0153】
ある実施形態において、抗体が、変更されたC1q結合および/または低減もしくは無効にされた補体依存性細胞傷害(CDC)を有するように、EU番号制に従い番号付けられた、本明細書において記載される抗体の定常領域におけるアミノ酸残基329、331、および322から選択される1つまたは複数のアミノ酸が、異なるアミノ酸残基で置換され得る。このアプローチは、米国特許第6,194,551号(Idusogie et al)においてさらに詳細に記載される。幾つかの実施形態において、本明細書において記載される抗体のCH2メインのN末端領域におけるアミノ酸位置231~238内の1つまたは複数のアミノ酸残基を変更して、それにより、抗体の補体を固定する能力が変更される。このアプローチは、国際公開第94/29351号においてさらに記載される。ある実施形態において、本明細書において記載される抗体のFc領域を修飾して、抗体の抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を仲介する能力が増大され、および/あるいはEU番号制に従い番号付けられた、次の位置:238、239、248、249、252、254、255、256、258、265、267、268、269、270、272、276、278、280、283、285、286、289、290、292、293、294、295、296、298、301、303、305、307、309、312、315、320、322、324、326、327、328、329、330、331、333、334、335、337、338、340、360、373、376、378、382、388、389、398、414、416、419、430、434、435、437、438、もしくは439の1つまたは複数のアミノ酸を変異させること(例えば、アミノ酸置換を導入すること)により、抗体のFcγ受容体に対する親和性が増大される。このアプローチは、国際公開第00/42072号においてさらに記載される。
【0154】
ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、位置267、328、またはその組み合わせにおける変異(例えば、置換)を有するIgGの定常ドメインを含む。ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、S267E、L328F、およびその組み合わせからなる群から選択される変異(例えば、置換)を有するIgGの定常ドメインを含む。ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、S267E/L328F変異(例えば、置換)を有するIgGの定常ドメインを含む。ある実施形態において、S267E/L328F変異(例えば、置換)を有するIgGの定常ドメインを含む、本明細書において記載される抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、FcγRIIA、FcγRIIB、またはFcγRIIAおよびFcγRIIBに対する増大した結合親和性を有する。
【0155】
ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、IgG抗体の定常領域を含み、EU番号制に従い番号付けられた、重鎖のアミノ酸残基228のセリンは、プロリンに置換される。
【0156】
ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、IgG抗体の定常領域を含み、Kabatに従い番号付けられた、重鎖のアミノ酸残基127のシステインは、セリンに置換される。
【0157】
低減したフコース含量を有する抗体は、例えば、FcγRIIIaのような、Fc受容体に対して増大した親和性を有することが報告された。従って、ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、低減したフコース含量を有するか、またはフコース含量を有しない。かかる抗体は、当業者に公知の技術を使用して、製造され得る。例えば、抗体は、フコシル化の能力を欠損または欠く細胞において発現され得る。特定の例において、α1,6-フコシルトランスフェラーゼの対立遺伝子両方のノックアウトを有する細胞株を使用して、低減したフコース含量を有する抗体が製造され得る。Potelligent(登録商標)system(ロンザ)は、低減したフコース含量を有する抗体を製造するために使用され得る、かかるシステムの例である。あるいは、低減したフコース含量を有するか、あるいはフコース含量を有しない抗体は、例えば、(i)フコシル化を防ぐか、もしくは低減する条件下で、細胞を培養すること;(ii)(例えば、フコシダーゼ酵素での)フコースの翻訳後除去;(iii)例えば、グリコシル化されていない糖タンパク質の組換え発現後の所望の炭水化物の翻訳後負荷;または(iv)フコシル化されていないその抗体を選択するための、糖タンパク質の精製により、製造され得る。フコース含量を有しないか、または低減したフコース含量を有するその抗体を製造する方法について、例えば、Longmore GD & Schachter H(1982)Carbohydr Res 100:365-92およびImai-Nishiya H et al.,(2007)BMC Biotechnol.7:84を参照。
【0158】
操作されたグリコフォームは、エフェクター機能を増強すること、または低減することを含むが、これらに限定されない、様々な目的に有用であるかもしれない。本明細書において記載される抗体における操作されたグリコフォームを創出する方法は、例えば、Umana P et al.,(1999)Nat Biotechnol 17:176-180;Davies J et al.,(2001)Biotechnol Bioeng 74:288-294;Shields RL et al.,(2002)J Biol Chem 277:26733-26740;Shinkawa T et al.,(2003)J Biol Chem 278:3466-3473;Niwa R et al.,(2004)Clin Cancer Res 1:6248-6255;Presta LG et al.,(2002)Biochem Soc Trans 30:487-490;Kanda Y et al.,(2007)Glycobiology 17:104-118;米国特許第6,602,684号;第6,946,292号;および第7,214,775号;米国特許公開第2007/0248600号;第2007/0178551号;第2008/0060092号;および第2006/0253928号;国際公開第00/61739号;第01/292246号;第02/311140号;および第02/30954号;Potillegent(商標)technology(Biowa、Inc.プリンストン、ニュージャージー州);ならびにGlycoMAb(登録商標)glycosylation engineering technology(Glycart biotechnology AG、チューリッヒ、スイス)において開示されるものを含むが、これらに限定されない。例えば、Ferrara C et al.,(2006)Biotechnol Bioeng 93:851-861;国際公開第07/039818号;第12/130831号;第99/054342号;第03/011878号;および第04/065540号も参照。
【0159】
ある実施形態において、本明細書において記載される抗体のFcドメインを操作するために使用されるテクノロジーは、Xencor(モンロビア、カリフォルニア州)のXmab(登録商標)Technologyである。例えば、米国特許第8,367,805号;第8,039,592号;第8,124,731号;第8,188,231号;米国特許公開第2006/0235208号;国際公開第05/077981号;第11/097527号;およびRichards JO et al.,(2008)Mol Cancer Ther 7:2517-2527を参照。
【0160】
ある実施形態において、EU番号制に従い番号付けられた、ヒトIgG1重鎖における位置L234、L235、およびにD265に対応する位置の本明細書において記載される抗体の定常領域におけるアミノ酸残基は、それぞれ、L、L、およびDではない。このアプローチは、国際公開第14/108483号において詳細に記載される。ある実施形態において、EU番号制に従い番号付けられた、ヒトIgG1重鎖における位置L234、L235、およびD265に対応するアミノ酸は、それぞれ、F、E、およびA;またはA、A、およびAである。
【0161】
ある実施形態において、1つ、2つ、または複数の変異(例えば、アミノ酸置換)を、本明細書において記載される抗体のFc領域(例えば、EU番号付けシステムによる番号付けで、CH2ドメイン(ヒトIgGの残基231~340)および/もしくはCH3ドメイン(ヒトIgGの残基341~447))ならびに/またはヒンジ領域に導入して、例えば、血清半減期、補体固定化、Fc受容体結合および/もしくは抗原依存性細胞傷害活性のような、抗体の1つまたは複数の機能特性が変更される。
【0162】
ある実施形態において、ヒンジ領域におけるシステイン残基の数が、例えば、米国特許第5,677,425号において記載される通り、変更される(例えば、増大されるか、または低下する)ように、1つ、2つ、または複数の変異(例えば、アミノ酸置換)が、Fc領域(CH1ドメイン)のヒンジ領域に導入される。CH1ドメインのヒンジ領域におけるシステイン残基の数を変更して、例えば、軽および重鎖のアセンブリが促進されるか、または抗体の安定性が変更され得る(例えば、増大されるか、もしくは低下され得る)。
【0163】
ある実施形態において、GITRならびにOX40(例えば、ヒトGITRおよびOX40)に免疫特異的に結合する、多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、抗体なし、または無関連の抗体(例えば、GITRもしくはOX40に免疫特異的に結合しない抗体)でのGITRならびに/あるいはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/またはOX40)活性と比べ、本明細書において記載される方法および/または当業者に公知の方法により評価される通り、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)活性を、少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、あるいは100倍増大する。例えば、GITRならびにOX40に結合する抗体、例えば、GITRおよびOX40に結合し、本明細書において特定されるCDR配列の組み合わせ、本明細書において特定されるVHおよび/またはVL配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するVHおよび/またはVL配列、あるいは本明細書において特定される重および/または軽鎖を含む抗体は、抗体なし、または無関連の抗体(例えば、GITRもしくはOX40に免疫特異的に結合しない抗体)でのGITRならびに/あるいはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/またはOX40)活性と比べ、本明細書において記載される方法および/または当業者に公知の方法により評価される通り、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)活性を、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、あるいは99%増大し得る。GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)活性の非限定的な例は、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)シグナル伝達、細胞増殖、細胞生存、ならびにサイトカイン産生(例えば、IL-2、TNF-α、IFN-γ、IL-4、IL-10、および/またはIL-13)を含み得る。
【0164】
本明細書において提供される通り、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)は、例えば、以下の実施例において例示される通り、例えば、SEAアッセイにおいてIL-2放出を刺激することにより、GITRおよび/またはOX40機能を刺激し得る。例えば、GITRならびにOX40に結合する抗体、例えば、GITRおよびOX40に結合し、本明細書において特定されるCDR配列の組み合わせ、本明細書において特定されるVHおよび/またはVL配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するVHおよび/またはVL配列、あるいは本明細書において特定される重および/または軽鎖を含む抗体は、スタフィロコッカスエンテロトキシンA(SEA)(例えば、100ng/ml)と組み合わせて、例えば、電気化学発光により測定される通り、例えば、PBMCにおいて、例えば、5日間、例えば、37℃、5%COおよび97%湿度での刺激の際、IL-2産生を誘導し得る。幾つかの実施形態において、IL-2産生は、抗体濃度、例えば、0.08μg/ml~20μg/ml、0.25μg/ml~20μg/ml、0.74μg/ml~20μg/ml、2.2μg/ml~20μg/ml、または6.7μg/ml~20μg/mlの実質的な増加関数である。ある実施形態において、GITRならびにOX40に結合する抗体、例えば、GITRおよびOX40に結合し、本明細書において特定されるCDR配列の組み合わせ、本明細書において特定されるVHおよび/またはVL配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するVHおよび/またはVL配列、あるいは本明細書において特定される重および/または軽鎖を含む抗体は、スタフィロコッカスエンテロトキシンA(SEA)と組み合わせて、例えば、PBMCにおいてIL-2産生を誘導し得、ここで、IL-2産生は、例えば、次の工程:(a)PBMC(例えば、ウェル中10個の細胞)を、変動する濃度(例えば、20、46.7、2.2、0.74、0.25、および0.08μg/ml)の抗体、ならびに例えば、100ng/ml SEAの不存在または存在下で、例えば、5日間、例えば、37℃、5%CO、および97%湿度にて培養すること;ならびに(b)清透化された上清を集め、例えば、電気化学発光により、IL-2のタイターを測定することを含むアッセイにおいて評価される通り、抗体濃度、例えば、0.08μg/ml~20μg/ml、0.25μg/ml~20μg/ml、0.74μg/ml~20μg/ml、2.2μg/ml~20μg/ml、または6.7μg/ml~20μg/mlの実質的な増加関数である。
【0165】
ある実施形態において、GITRならびにOX40に結合する抗体、例えば、GITRおよびOX40に結合し、本明細書において特定されるCDR配列の組み合わせ、本明細書において特定されるVHおよび/またはVL配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するVHおよび/またはVL配列、あるいは本明細書において特定される重および/または軽鎖を含む抗体は、スタフィロコッカスエンテロトキシンA(SEA)(例えば、100ng/ml)と組み合わせて、例えば、電気化学発光により測定される通り、例えば、PBMCにおいて、例えば、5日間、例えば、37℃、5%COおよび97%湿度での刺激の際、IL-2産生を誘導し得る。幾つかの実施形態において、抗体が、例えば、0.08μg/ml~20μg/ml、0.25μg/ml~20μg/ml、0.74μg/ml~20μg/ml、2.2μg/ml~20μg/ml、または6.7μg/ml~20μg/mlであるとき、IL-2産生は、シグモイド用量応答曲線を示す。ある実施形態において、GITRならびにOX40に結合する抗体、例えば、GITRおよびOX40に結合し、本明細書において特定されるCDR配列の組み合わせ、本明細書において特定されるVHおよび/またはVL配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するVHおよび/またはVL配列、あるいは本明細書において特定される重および/または軽鎖を含む抗体は、スタフィロコッカスエンテロトキシンA(SEA)と組み合わせて、例えば、PBMCにおいてIL-2産生を誘導し得、ここで、IL-2産生は、抗体が、次の工程:(a)PBMC(例えば、ウェル中10個の細胞)を、変動する濃度(例えば、20、6.7、2.2、0.74、0.25、および0.08μg/ml)の抗体、ならびに例えば、100ng/ml SEAの不存在または存在下で、例えば、5日間、例えば、37℃、5%CO、および97%湿度にて培養すること;ならびに(b)清透化された上清を集め、例えば、電気化学発光により、IL-2のタイターを測定することを含むアッセイにおいて評価される通り、例えば、0.08μg/ml~20μg/ml、0.25μg/ml~20μg/ml、0.74μg/ml~20μg/ml、2.2μg/ml~20μg/ml、または6.7μg/ml~20μg/mlであるとき、シグモイド用量応答曲線を示す。ある実施形態において、GITRならびにOX40に結合する抗体、例えば、GITRおよびOX40に結合し、本明細書において特定されるCDR配列の組み合わせ、本明細書において特定されるVHおよび/またはVL配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するVHおよび/またはVL配列、あるいは本明細書において特定される重および/または軽鎖を含む抗体は、スタフィロコッカスエンテロトキシンA(SEA)(例えば、100ng/ml)と組み合わせて、例えば、電気化学発光により測定される通り、例えば、PBMCにおいて、例えば、5日間、例えば、37℃、5%COおよび97%湿度での刺激の際、IL-2産生を誘導し得、ここで、IL-2産生は、抗体濃度、例えば、0.08μg/ml~20μg/ml、0.25μg/ml~20μg/ml、0.74μg/ml~20μg/ml、2.2μg/ml~20μg/ml、または6.7μg/ml~20μg/mlの実質的な増加関数である。ある実施形態において、GITRならびにOX40に結合する抗体、例えば、GITRおよびOX40に結合し、本明細書において特定されるCDR配列の組み合わせ、本明細書において特定されるVHおよび/またはVL配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するVHおよび/またはVL配列、あるいは本明細書において特定される重および/または軽鎖を含む抗体は、スタフィロコッカスエンテロトキシンA(SEA)と組み合わせて、例えば、PBMCにおいてIL-2産生を誘導し得、ここで、IL-2産生は、例えば、次の工程:(a)PBMC(例えば、ウェル中10個の細胞)を、変動する濃度(例えば、20、6.7、2.2、0.74、0.25、および0.08μg/ml)の抗体、ならびに例えば、100ng/ml SEAの不存在または存在下で、例えば、5日間、例えば、37℃、5%CO、および97%湿度にて培養すること;ならびに(b)清透化された上清を集め、例えば、電気化学発光により、IL-2のタイターを測定することを含むアッセイにおいて評価される通り、抗体濃度、例えば、0.08μg/ml~20μg/ml、0.25μg/ml~20μg/ml、0.74μg/ml~20μg/ml、2.2μg/ml~20μg/ml、または6.7μg/ml~20μg/mの実質的な増加関数である。
【0166】
特有の態様において、GITRならびにOX40(例えば、ヒトGITRおよびOX40)に免疫特異的に結合する多特異性(例えば、二重特異性)アンタゴニスト抗体が、本明細書において提供される。
【0167】
特有の態様において、GITRならびにOX40(例えば、ヒトGITRおよびOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、ヒト免疫グロブリンIgG重鎖定常領域を含み、ここで、IgG重鎖定常領域のアミノ酸配列は、EU番号制に従い番号付けられた、N297A、D265A、L234F、L235E、N297Q、およびP331Sからなる群から選択される変異を含む。ある実施形態において、変異は、EU番号制に従い番号付けられた、N297AまたはD265Aである。ある実施形態において、変異は、EU番号制に従い番号付けられた、L234FおよびL235Eである。ある実施形態において、変異は、EU番号制に従い番号付けられた、L234F、L234E、およびD265Aである。ある実施形態において、変異は、EU番号制に従い番号付けられた、L234F、L234E、およびN297Qである。ある実施形態において、変異は、EU番号制に従い番号付けられた、L234F、L235E、およびP331Sである。ある実施形態において、変異は、EU番号制に従い番号付けられた、D265AおよびN297Qである。ある実施形態において、変異は、EU番号制に従い番号付けられた、L234F、L235E、D265A、N297Q、およびP331Sである。特有の態様において、GITRならびにOX40(例えば、ヒトGITRおよびOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、ヒト免疫グロブリンIgG重鎖定常領域を含み、ここで、IgG重鎖定常領域のアミノ酸配列は、EU番号制に従い番号付けられた、D265A、P329A、およびその組み合わせからなる群から選択される変異を含む。ある実施形態において、抗体はアンタゴニストである。
【0168】
ある実施形態において、GITRならびにOX40(例えば、ヒトGITRおよびOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載されるアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、抗体なし、または無関連の抗体(例えば、GITRもしくはOX40に免疫特異的に結合しない抗体)でのGITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)活性に比べて、本明細書において記載される方法、および/または当業者に公知の方法により評価される通り、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)活性を、少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、または100倍低下させる。ある実施形態において、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載されるアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、抗体なし、または無関連の抗体(例えば、GITRもしくはOX40に免疫特異的に結合しない抗体)でのGITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)活性に比べて、本明細書において記載される方法、および/または当業者に公知の方法により評価される通り、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)活性を、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%低下させる。GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)活性の非限定的な例は、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)シグナル伝達、細胞増殖、細胞生存、ならびにサイトカイン産生(例えば、IL-2、TNF-α、IFN-γ、IL-4、IL-10、および/もしくはIL-13)を含み得る。特定の実施形態において、GITRおよび/またはOX40活性は、以下の実施例において記載される通り、評価される。
【0169】
本明細書において提供される通り、GITRおよび/またはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)は、例えば、以下の実施例において例示される通り、例えば、GITRL誘導性シグナル伝達を無効にすることにより、GITRおよび/またはOX40機能を弱め得る。例えば、GITRならびにOX40に結合するアンタゴニスト抗体、例えば、GITRおよびOX40に結合し、本明細書において特定されるCDR配列の組み合わせ、本明細書において特定されるVHおよび/またはVL配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%配列の同一性を有するVHおよび/またはVL配列、あるいは本明細書において特定される重および/または軽鎖を含むアンタゴニスト抗体は、例えば、ルシフェラーゼアッセイにより測定される通り、GITRL誘導性シグナル伝達を無効にし得る。ある実施形態において、GITRならびにOX40に結合するアンタゴニスト抗体、例えば、GITRおよびOX40に結合し、本明細書において特定されるCDR配列の組み合わせ、本明細書において特定されるVHおよび/またはVL配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%もしくは100%の配列同一性を有するVHおよび/またはVL配列、あるいは本明細書において特定される重および/または軽鎖を含むアンタゴニスト抗体は、例えば、次の工程:(a)ジャーカットhuGITR-NF-κBルシフェラーゼ細胞を、変動する濃度の抗体(例えば、12箇所の用量タイトレーション、0.05~10,000ng/ml)および3量体GITRLの不存在または存在下で、2時間、10%熱失活FBSを添加したRPMI培地において、37℃および5%COにて培養すること、ならびに(b)ルシフェラーゼ活性を検出することを含むルシフェラーゼアッセイにおいて評価される通り、GITRL誘導性シグナル伝達を無効にし得る。
【0170】
ある実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する、本明細書において記載されるアンタゴニスト多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)は、GITRならびに/またはOX40のGITRLならびに/またはOX40Lとの相互作用を阻害する(例えば、GITRLとGITRおよび/もしくはOX40LとOX40の互いとの結合を阻害する)。ある実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する、本明細書において記載されるアンタゴニスト多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)は、GITRLおよび/もしくはOX40Lにより誘導されるGITRならびに/またはOX40活性(例えば、GITRおよび/もしくはOX40シグナル伝達)を低下させる。ある実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する、本明細書において記載されるアンタゴニスト多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)は、T細胞増殖を抑制する。ある実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する、本明細書において記載されるアンタゴニスト多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)は、サイトカイン(例えば、IL-2、TNFα、IFNγ、IL-4、IL-10、IL-13、またはその組み合わせ)の産生を抑制する。
【0171】
GITRおよび/またはOX40に結合する、本明細書において提供される抗体は、検出可能な標識もしくは物質に融合または結合され得る(例えば、共有または非共有結合され得る)。検出可能な標識または物質の例は、グルコース酸化酵素のような酵素標識;ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(H)、インジウム(121In)、およびテクネシウム(99Tc)のようなラジオアイソトープ;ルミノールのような発光標識;ならびにフルオレセインおよびローダミン、ならびにビオチンのような蛍光標識を含む。かかる標識された抗体を使用して、OX40(例えば、ヒトOX40)タンパク質が検出され得る。例えば、以下のセクション7.5.2を参照。
【0172】
7.2.1 OX40抗原結合ドメイン
ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載されるOX40抗原結合ドメインは、表4において示される通り、
(a)アミノ酸配列RSSQSLLHSNGYNYLD(配列番号50)を含む、からなる、または本質的にからなるVL CDR1、
(b)アミノ酸配列LGSNRAS(配列番号51)を含む、からなる、または本質的にからなるVL CDR2、および
(c)アミノ酸配列MQALQTPLT(配列番号52)もしくはMQALQTPLT(配列番号53)を含む、からなる、または本質的にからなるVL CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
幾つかの実施形態において、OX40抗原結合ドメインは、本明細書において記載されるVLフレームワーク領域を含む。
【0173】
別の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、表4において示される通り、
(a)アミノ酸配列GSAMH(配列番号47)を含む、からなる、または本質的にからなるVH CDR1、
(b)アミノ酸配列RIRSKANSYATAYAASVKG(配列番号48)を含む、からなる、または本質的にからなるVH CDR2、および
(c)アミノ酸配列GIYDSSGYDY(配列番号49)を含む、からなる、または本質的にからなるVH CDR3 を含む重鎖可変領域(VH)を含む。
幾つかの実施形態において、OX40抗原結合ドメインは、本明細書において記載されるVHフレームワークを含む。特定の実施形態において、OX40抗原結合ドメインは、本明細書において記載される抗体のVHフレームワーク領域を含む。
【表4】

【表5】
【0174】
ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合し、例えば、表4ならびに5において記載される、pab1949w、またはpab2049wの軽鎖可変領域(VL)CDRならびに重鎖可変領域(VH)CDR(すなわち、配列番号47~52もしくは配列番号47~51および53)を含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。
【0175】
ある実施形態において、OX40抗原結合ドメインは、ヒトIGKV2-28生殖系列配列(例えば、配列番号58のアミノ酸配列を有する、例えば、IGKV2-28*01)に由来する軽鎖可変フレームワーク領域を含む。
【0176】
ある実施形態において、OX40抗原結合ドメインは、ヒトIGHV3-73生殖系列配列(例えば、配列番号57のアミノ酸配列を有する、例えば、IGHV3-73*01)に由来する重鎖可変フレームワーク領域を含む。
【0177】
特定の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、配列番号55または56のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。特定の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、配列番号55もしくは56のアミノ酸配列からなる、または本質的にからなるVLドメインを含む。
【0178】
ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、配列番号54のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。幾つかの実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、配列番号54のアミノ酸配列からなる、または本質的にからなるVHドメインを含む。
【0179】
ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、VHドメインおよびVLドメインを含み、ここで、VHドメインおよびVLドメインは、それぞれ、配列番号54、および配列番号55または56のアミノ酸配列を含む。ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、VHドメインおよびVLドメインを含み、ここで、VHドメインおよびVLドメインは、例えば、表6において示される通り、それぞれ、配列番号54、および配列番号55もしくは56のアミノ酸配列からなる、または本質的にからなる。
【表6】

特有の態様において、軽鎖ならびに重鎖、例えば、別々の軽鎖および重鎖を含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。軽鎖に関して、特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインの軽鎖は、カッパ軽鎖である。別の特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインの軽鎖は、ラムダ軽鎖である。なお別の特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインの軽鎖は、ヒトカッパ軽鎖またはヒトラムダ軽鎖である。ある実施形態において、OX40ポリペプチド(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、軽鎖を含み、ここで、VLドメインのアミノ酸配列は、配列番号55または56において記載される配列を含み、ここで、軽鎖の定常領域は、ヒトカッパ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。別のある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、軽鎖を含み、ここで、VLドメインのアミノ酸配列は、配列番号55または56において記載される配列を含み、ここで、軽鎖の定常領域は、ヒトラムダ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、軽鎖を含み、ここで、VLドメインのアミノ酸配列は、配列番号55または56において記載される配列を含み、ここで、軽鎖の定常領域は、ヒトカッパまたはラムダ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。ヒト定常領域配列の非限定的な例は、当該技術分野において記載されており、例えば、米国特許第5,693,780号、および上記Kabat EA et al.,(1991)を参照。
【0180】
ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号67または69において記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0181】
重鎖に関して、特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインの重鎖は、アルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)またはミュー(μ)重鎖であり得る。別の特定の実施形態において、記載される抗原結合ドメインの重鎖は、ヒトアルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)またはミュー(μ)重鎖を含み得る。ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖を含み、ここで、VHドメインのアミノ酸配列は、配列番号54において記載される配列を含み得、ここで、重鎖の定常領域は、ヒトガンマ(γ)重鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖を含み、ここで、VHドメインのアミノ酸配列は、配列番号54において記載される配列を含み、ここで、重鎖の定常領域は、本明細書において記載されるか、または当該技術分野において公知のヒト重鎖のアミノ酸を含む。ヒト定常領域配列の非限定的な例は、当該技術分野において記載されており、例えば、米国特許第5,693,780号、および上記Kabat EA et al.,(1991)を参照。
【0182】
ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号61において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号62において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号63において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号64において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号65において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号71において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0183】
特定の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、本明細書において記載される任意のアミノ酸配列を含むVLドメインおよびVHドメインを含み、ここで、定常領域は、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY免疫グロブリン分子、またはヒトIgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY免疫グロブリン分子の定常領域のアミノ酸配列を含む。別の特定の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、本明細書において記載される任意のアミノ酸配列を含むVLドメインおよびVHドメインを含み、ここで、定常領域は、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY免疫グロブリン分子、免疫グロブリン分子の任意のクラス(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、およびIgA)、または任意のサブクラス(例えば、IgG2aおよびIgG2b)の定常領域のアミノ酸配列を含む。ある実施形態において、定常領域は、ヒトIgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY免疫グロブリン分子、免疫グロブリン分子の任意のクラス(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、およびIgA)、または任意のサブクラス(例えば、IgG2aおよびIgG2b)の定常領域のアミノ酸配列を含む。
【0184】
別の特定の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、本明細書において記載される任意のアミノ酸配列を含むVLドメインおよびVHドメインを含み、ここで、定常領域は、ヒトIgG(例えば、アロタイプG1m3、G1m17,1またはG1m17,1,2)、ヒトIgG、またはヒトIgGの定常領域のアミノ酸配列を含む。ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、本明細書において記載される任意のアミノ酸配列を含むVLドメインおよびVHドメインを含み、ここで、定常領域は、ヒトIgG(アロタイプGlm3)の定常領域のアミノ酸配列を含む。ヒト定常領域の非限定的な例は、当該技術分野において記載され、例えば、上記Kabat EA et al.,(1991)を参照。
【0185】
別の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号67において記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号61、62、63、64、65、または71において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号69において記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号61、62、63、64、65、または71において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0186】
ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、pab1949wまたはpab2049wのVLドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号55もしくは56)と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有するVLドメインを含み、例えば、ここで、抗原結合ドメインは、pab1949wまたはpab2049wのVL CDR同一であるVL CDRを含む。
【0187】
ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、pab1949wまもしくはpab2049wのVHドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号54)と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%の配列同一性を有するVHドメインを含み、例えば、ここで、抗原結合ドメインは、pab1949wまたはpab2049wのVH CDRと同一であるVH CDRを含む。
【0188】
ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、(i)pab1949wまたはpab2049wのVLドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号55もしくは56)と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有するVLドメイン;および(ii)pab1949wまたはpab2049wのVHドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号54)と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有するVHドメインを含み、例えば、ここで、抗体は、pab1949wまたはpab2049wのVL CDRおよびVH CDRと同一であるVL CDRならびにVH CDRを含む。
【0189】
特有の態様において、OX40(例えば、ヒトOX40)への特異的結合について、配列番号55または56において記載されるアミノ酸配列を有するVLドメイン、および配列番号54において記載されるアミノ酸配列を有するVHドメインを含む抗原結合ドメインと(例えば、用量に依存した方法で)競合する抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。
【0190】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号55または56において記載されるアミノ酸配列を有するVLドメイン、および配列番号54において記載されるアミノ酸配列を有するVHドメインを含む抗原結合ドメインにより、OX40(例えば、ヒトOX40)への特異的結合について、(例えば、用量に依存した方法で)競合的にブロックされるものである。
【0191】
当業者に公知のアッセイ、または本明細書において記載されるアッセイ(例えば、X線結晶解析、質量分析連結水素/ジュウテリウム交換(例えば、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析)、アラニンスキャニング、ELISAアッセイなど)を使用して、2つの抗体が同じエピトープに結合するかが決定され得る。
【0192】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、pab1949wもしくはpab2049wにより結合されるものと、またはエピトープと重複するエピトープと同じエピトープに免疫特異的に結合する。
【0193】
特有の態様において、本明細書において記載される抗原結合ドメインとバリアントOX40の間の結合は、抗原結合ドメインと配列番号72のヒトOX40配列の間の結合と比べて実質的に減弱され、ここで、バリアントOX40は、配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、P115A、およびその組み合わせからなる群から選択される、または配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、およびP93Aからなる群から選択されるアミノ酸変異(例えば、置換)を除き配列番号72の配列を含む。
【0194】
幾つかの実施形態において、バリアントOX40は、配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、およびP115Aからなる群から選択される、または配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、およびP93Aからなる群から選択される任意の1つの変異を除き配列番号72の配列を含む。幾つかの実施形態において、バリアントOX40は、配列番号72に従い番号付けられた、W58A、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、およびP115Aからなる群から選択される、もしくは配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、およびP93Aからなる群から選択される任意の2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの変異を除き配列番号72の配列を含む。幾つかの実施形態において、バリアントOX40は、配列番号72に従い番号付けられた、アミノ酸変異W58A、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、およびP115Aを除き、または配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、およびP93Aのアミノ酸変異を除き配列番号72の配列を含む。
【0195】
特有の態様において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、58、60、62、80、88、93、99、115、およびその組み合わせからなる群から選択される、もしくは60、62、80、88、93、およびその組み合わせからなる群から選出される配列番号72の残基を含む、本質的にからなる、またはからなるヒトOX40配列のエピトープに結合する。幾つかの実施形態において、エピトープは、配列番号72の58、60、62、80、88、93、99、および115からなる群から選択される、もしくは配列番号72の60、62、80、88、および93からなる群から選択される、任意の1つの残基、または任意の2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、もしくは7つの残基を含む、からなる、あるいは本質的にからなる。幾つかの実施形態において、エピトープは、配列番号72の残基58、60、62、80、88、93、99、および115を含む、本質的にからなる、もしくはからなる、または配列番号72の残基60、62、80、88、および93を含む。
【0196】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、58、60、62、80、88、93、99、115、およびその組み合わせからなる群から選択される残基を含む、本質的にからなる、もしくはからなる配列番号72のエピトープ、または60、62、80、88、93、およびその組み合わせからなる群から選択される残基を含む、本質的にからなる、もしくはからなる配列番号72のエピトープに結合する。幾つかの実施形態において、エピトープは、配列番号72の58、60、62、80、88、93、99、および115からなる群から選択される、または配列番号72の60、62、80、88、および93からなる群から選択される任意の1つの残基、または任意の2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、もしくは7つの残基を含む。幾つかの実施形態において、エピトープは、配列番号72の残基58、60、62、80、88、93、99、および115を含む、からなる、もしくは本質的にからなる、または配列番号72の残基60、62、80、88、および93を含む。
【0197】
特有の態様において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、58、60、62、80、88、93、99、115、およびその組み合わせからなる群から選択される、または60、62、80、88、93、およびその組み合わせからなる群から選択される配列番号72の少なくとも1つの残基に結合する。幾つかの実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号72の58、60、62、80、88、93、99、および115からなる群から選択される、もしくは配列番号72の60、62、80、88、および93からなる群から選択される任意の1つの残基、あるいは任意の2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの残基に結合する。幾つかの実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号72の残基58、60、62、80、88、93、99、および115に結合する。幾つかの実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号72の残基60、62、80、88、および93に結合する。
【0198】
特有の態様において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号72のヒトOX40配列への結合と比較して、配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、P115A、およびその組み合わせからなる群から選択される、もしくは配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、およびその組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸変異(例えば、置換)の存在を除き配列番号72と同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する。幾つかの実施形態において、タンパク質は、配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、およびP115Aからなる群から選択される、または配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、およびP93Aからなる群から選択される任意の1つの変異を含むアミノ酸変異を除き配列番号72の配列と同一である。幾つかの実施形態において、タンパク質は、配列番号72に従い番号付けられた、W58A、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、およびP115Aからなる群から選択される、もしくは配列番号72に従い番号付けられた、N60A、R62A、R80A、L88A、およびP93Aからなる群から選択される任意の2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つの変異を除き配列番号72と同一である。幾つかの実施形態において、タンパク質は、配列番号72に従い番号付けられた、アミノ酸置換W58A、N60A、R62A、R80A、L88A、P93A、P99A、およびP115Aの存在を除き、または配列番号72に従い番号付けられた、アミノ酸置換N60A、R62A、R80A、L88A、およびP93Aの存在を除き配列番号72と同一である。
【0199】
ある実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインのエピトープを免疫原として使用して、抗体が製造される。抗体を製造する方法について、例えば、以下のセクション7.3を参照。
【0200】
特有の態様において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、単一特異性二価フォーマットで存在するとき、アゴニストとして機能する。
【0201】
ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、単一特異性二価形態で存在するとき、抗体なし、もしくは無関連の抗体(例えば、OX40に免疫特異的に結合しない抗体)でのOX40(例えば、ヒトOX40)活性と比べて、本明細書において記載される方法、および/または当業者に公知の方法により評価される通り、OX40(例えば、ヒトOX40)活性を、少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、あるいは100倍増大する。ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、単一特異性二価形態で存在するとき、抗体なし、もしくは無関連の抗体(例えば、OX40に免疫特異的に結合しない抗体)でのOX40(例えば、ヒトOX40)活性と比べて、本明細書において記載される方法、および/または当業者に公知の方法により評価される通り、OX40(例えば、ヒトOX40)活性を、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%増大する。OX40(例えば、ヒトOX40)活性の非限定的な例は、OX40(例えば、ヒトOX40)シグナル伝達、細胞増殖、細胞生存、ならびにサイトカイン産生(例えば、IL-2、TNF-α、IFN-γ、IL-4、IL-10、および/またはIL-13)を含み得る。ある実施形態において、OX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、単一特異性二価形態で存在するとき、OX40(例えば、ヒトOX40)活性を誘導するか、増強するか、または増大する。特定の実施形態において、OX40活性における増大は、以下の実施例において記載される通り、評価される。
【0202】
ある実施形態において、本明細書において提供される多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、米国出願第62/161,198号(参照により全体が本明細書に組み込まれる)において記載される通り、OX40に結合する抗原結合ドメインを含む。
7.2.2 GITR抗原結合ドメイン
【0203】
ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、表7において示される通り、
(a)KSSQSLLNSXNQKNYLX(配列番号90)(式中、Xは、GまたはSであり;Xは、TまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR1;
(b)WASTRES(配列番号5)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および
(c)QNXYSXPYT(配列番号92)(式中、Xは、DまたはEであり;Xは、Y、FまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0204】
別の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載されるGITR抗原結合ドメインは、表8において示される通り、
(a)XYXMX(配列番号87)(式中、Xは、D、EまたはGであり;Xは、AまたはVであり;Xは、YまたはHである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR1;
(b)XIXTXSGXYNQKFX(配列番号88)(式中、Xは、VまたはLであり;Xは、R、KまたはQであり;Xは、YまたはFであり;Xは、D、EまたはGであり;Xは、VまたはLであり;Xは、TまたはSであり;Xは、K、RまたはQであり;Xは、D、EまたはGである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;
(c)SGTVRGFAY(配列番号3)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3を含む重鎖可変領域(VH)を含む。
【0205】
別のある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、表7において示される通り、
(a)KSSQSLLNSXNQKNYLT(配列番号4)(式中、は、GまたはSである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR1;
(b)WASTRES(配列番号5)のアミノ酸配列を含むVL-CDR2;および
(c)QNXYSXPYT(配列番号6)(式中、Xは、DまたはEであり;Xは、YまたはFである)のアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0206】
別の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載されるGITR抗原結合ドメインは、表8において示される通り、
(a)XYAMX(配列番号1)(式中、Xは、D、G、またはEであり;Xは、YまたはHである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR1;
(b)XIRTYSGXVXYNQKFX(配列番号2)(式中、Xは、VまたはLであり;Xは、DまたはGであり;Xは、TまたはSであり;Xは、K、R、またはQであり;Xは、D、E、またはGである)のアミノ酸配列を含むVH-CDR2;
(c)SGTVRGFAY(配列番号3)のアミノ酸配列を含むVH-CDR3を含む重鎖可変領域(VH)を含む。
【表7】

【表8】
【0207】
ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合し、例えば、表1ならびに2(すなわち、配列番号14、5、16、7、10、および3;配列番号15、5、17、8、11、および3;配列番号14、5、16、9、12、および3;もしくは配列番号14、5、16、9、13、および3)において記載される、pab1876、pab1967、pab1975、またはpab1979の軽鎖可変領域(VL)CDRならびに重鎖可変領域(VH)CDRを含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。
【0208】
ある実施形態において、GITR抗原結合ドメインは、ヒトIGKV4-1生殖系列配列(例えば、配列番号28のアミノ酸配列を有する、例えば、IGKV4-1*01)に由来する軽鎖可変フレームワーク領域を含む。
【0209】
ある実施形態において、GITR抗原結合ドメインは、ヒトIGHV1-2生殖系列配列(例えば、配列番号27のアミノ酸配列を有する、例えば、IGHV1-2*02)に由来する重鎖可変フレームワーク領域を含む。
【0210】
特定の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、配列番号19、21、23、または26のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。特定の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、配列番号19、21、23、もしくは26のアミノ酸配列からなる、または本質的にからなるVLドメインを含む。
【0211】
ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、配列番号18、20、22、24、または25のアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。幾つかの実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、配列番号18、20、22、24、もしくは25のアミノ酸配列からなる、または本質的にからなるVHドメインを含む。
【0212】
ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、VHドメインおよびVLドメインを含み、ここで、VHドメインおよびVLドメインは、それぞれ、配列番号18および19;配列番号20および21;配列番号22および23;配列番号24および23;または配列番号25および26のアミノ酸配列を含む。ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、VHドメインおよびVLドメインを含み、ここで、VHドメインおよびVLドメインは、例えば、表9において示される通り、それぞれ、配列番号18および19;配列番号20および21;配列番号22および23;配列番号24および23;もしくは配列番号25および26のアミノ酸配列からなる、または本質的にからなる。
【表9】
【0213】
特有の態様において、軽鎖ならびに重鎖、例えば、別々の軽鎖および重鎖を含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。軽鎖に関して、特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインの軽鎖は、カッパ軽鎖である。別の特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインの軽鎖は、ラムダ軽鎖である。なお別の特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインの軽鎖は、ヒトカッパ軽鎖またはヒトラムダ軽鎖である。ある実施形態において、GITRポリペプチド(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、軽鎖を含み、ここで、VLドメインのアミノ酸配列は、配列番号19、21、23、または26において記載される配列を含み、ここで、軽鎖の定常領域は、ヒトカッパ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。別のある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、軽鎖を含み、ここで、VLドメインのアミノ酸配列は、配列番号19、21、23、または26において記載される配列を含み、ここで、軽鎖の定常領域は、ヒトラムダ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、軽鎖を含み、ここで、VLドメインのアミノ酸配列は、配列番号19、21、23、または26において記載される配列を含み、ここで、軽鎖の定常領域は、ヒトカッパまたはラムダ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。ヒト定常領域配列の非限定的な例は、当該技術分野において記載されており、例えば、米国特許第5,693,780号、および上記Kabat EA et al.,(1991)を参照。
【0214】
ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号37または38において記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0215】
重鎖に関して、特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインの重鎖は、アルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)またはミュー(μ)重鎖であり得る。別の特定の実施形態において、記載される抗原結合ドメインの重鎖は、ヒトアルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)またはミュー(μ)重鎖を含み得る。ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖を含み、ここで、VHドメインのアミノ酸配列は、配列番号18、20、22、24、または25において記載される配列を含み得、ここで、重鎖の定常領域は、ヒトガンマ(γ)重鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖を含み、ここで、VHドメインのアミノ酸配列は、配列番号18、20、22、24、または25において記載される配列を含み、ここで、重鎖の定常領域は、本明細書において記載されるか、または当該技術分野において公知のヒト重鎖のアミノ酸を含む。ヒト定常領域配列の非限定的な例は、当該技術分野において記載されており、例えば、米国特許第5,693,780号、および上記Kabat EA et al.,(1991)を参照。
【0216】
ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号31において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号32において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号33において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号34において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号35において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。別の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号39において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0217】
特定の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、本明細書において記載される任意のアミノ酸配列を含むVLドメインおよびVHドメインを含み、ここで、定常領域は、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY免疫グロブリン分子、またはヒトIgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY免疫グロブリン分子の定常領域のアミノ酸配列を含む。別の特定の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、本明細書において記載される任意のアミノ酸配列を含むVLドメインおよびVHドメインを含み、ここで、定常領域は、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY免疫グロブリン分子、免疫グロブリン分子の任意のクラス(例えば、IgG,IgG、IgG、IgG、IgA、およびIgA)、または任意のサブクラス(例えば、IgG2aおよびIgG2b)の定常領域のアミノ酸配列を含む。ある実施形態において、定常領域は、ヒトIgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY免疫グロブリン分子、免疫グロブリン分子の任意のクラス(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、およびIgA)、または任意のサブクラス(例えば、IgG2aおよびIgG2b)の定常領域のアミノ酸配列を含む。
【0218】
別の特定の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、本明細書において記載される任意のアミノ酸配列を含むVLドメインおよびVHドメインを含み、ここで、定常領域は、ヒトIgG(例えば、アロタイプG1m3、G1m17,1もしくはG1m17,1,2)、ヒトIgG、またはヒトIgGの定常領域のアミノ酸配列を含む。ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、本明細書において記載される任意のアミノ酸配列を含むVLドメインおよびVHドメインを含み、ここで、定常領域は、ヒトIgG(アロタイプGlm3)の定常領域のアミノ酸配列を含む。ヒト定常領域の非限定的な例は、当該技術分野において記載され、例えば、上記Kabat EA et al.,(1991)を参照。
【0219】
別の実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号37において記載されるアミノ酸配列を含む軽鎖、および配列番号31、32、33、34、35、または39において記載されるアミノ酸配列を含む重鎖を含む。
【0220】
ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、pab1876w、pab1967w、pab1975w、またはpab1979wのVLドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号19、21もしくは23)と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有するVLドメインを含み、例えば、ここで、抗原結合ドメインは、pab1876w、pab1967w、pab1975w、またはpab1979wのVL CDRと同一であるVL CDRを含む。
【0221】
ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、pab1876w、pab1967w、pab1975w、またはpab1979wのVHドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号18、20、22、もしくは24)と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有するVHドメインを含み、例えば、ここで、抗原結合ドメインは、pab1876w、pab1967w、pab1975w、またはpab1979wのVH CDRと同一であるVH CDRを含む。
【0222】
ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、(i)pab1876w、pab1967w、pab1975w、またはpab1979wのVLドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号19、21、もしくは23)と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有するVLドメイン;および(ii)pab1876w、pab1967w、pab1975w、またはpab1979wのVHドメインのアミノ酸配列(すなわち、配列番号18、20、22、もしくは24)と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、あるいは少なくとも98%の配列同一性を有するVHドメインを含み、例えば、ここで、抗体は、pab1876w、pab1967w、pab1975w、またはpab1979wのVL CDRおよびVH CDRと同一であるVL CDRならびにVH CDRを含む。
【0223】
特有の態様において、GITR(例えば、ヒトGITR)への特異的結合について、それぞれ、配列番号18および19;配列番号20および21、配列番号22および23、または配列番号24および23において記載されるアミノ酸配列を有するVHならびにVLドメインを含む抗原結合ドメインと(例えば、用量に依存した方法で)競合する抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。
【0224】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、GITR(例えば、ヒトGITR)への特異的結合について、それぞれ、配列番号18および19;配列番号20および21、配列番号22および23、または配列番号24および23において記載されるアミノ酸配列を有するVHならびにVLドメインを含む抗原結合ドメインにより、(例えば、用量に依存した方法で)競合的にブロックされるものである。
【0225】
当業者に公知のアッセイ、または本明細書において記載されるアッセイ(例えば、X線結晶解析、質量分析連結水素/ジュウテリウム交換(例えば、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析)、アラニンスキャニング、ELISAアッセイなど)を使用して、2つの抗体が同じエピトープに結合するかが決定され得る。
【0226】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wにより結合されるものと、またはエピトープと重複するエピトープと同じエピトープに免疫特異的に結合する。
【0227】
特有の態様において、本明細書において記載される抗原結合ドメインとバリアントGITRの間の結合は、抗原結合ドメインと配列番号41の残基26~241のヒトGITR配列の間の結合と比べて実質的に減弱され、ここで、バリアントGITRは、配列番号41に従い番号付けられた、D60AまたはG63A変異の存在を除き配列番号41の残基26~241の配列を含む。幾つかの実施形態において、バリアントGITRは、配列番号41に従い番号付けられた、D60AおよびG63A変異の存在を除き配列番号41の残基26~241の配列を含む。
【0228】
特有の態様において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号41のアミノ酸60~63における少なくとも1つの残基を含む、本質的にからなる、またはからなるヒトGITR配列のエピトープに結合する。幾つかの実施形態において、エピトープは、配列番号41のアミノ酸60~63を含む、本質的になる、またはからなる。
【0229】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号41の残基60、62、および63、ならびにその組み合わせからなる群から選択される残基を含む、本質的になる、またはからなるヒトGITRのエピトープに結合する。幾つかの実施形態において、エピトープは、配列番号41の残基60、62、および63からなる群から選択される任意の1つの残基、または任意の2つ、もしくは3つの残基を含む、本質的になる、あるいはからなる。
【0230】
特有の態様において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、配列番号41の残基26~241のヒトGITR配列への結合と比較して、配列番号41に従い番号付けられた、D60AおよびG63Aからなる群から選択されるアミノ酸変異(例えば、置換)の存在を除き配列番号41の残基26~241に同一のタンパク質への低減したまたは不在の結合を提示する。幾つかの実施形態において、置換は、配列番号41に従い番号付けられた、D60Aである。幾つかの実施形態において、置換は、配列番号41に従い番号付けられた、G63Aである。
【0231】
ある実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインのエピトープを免疫原として使用して、抗体が製造される。抗体を製造する方法について、例えば、以下のセクション7.3を参照。
【0232】
特有の態様において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、単一特異性二価フォーマットで存在するとき、アゴニストとして機能する。
【0233】
ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、単一特異性二価形態で存在するとき、抗体なしで、もしくは無関連の抗体(例えば、GITRに免疫特異的に結合しない抗体)でのGITR(例えば、ヒトGITR)活性と比べて、本明細書において記載される方法、および/または当業者に公知の方法により評価される通り、GITR(例えば、ヒトGITR)活性を、少なくとも約1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、あるいは100倍増大する。ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、単一特異性二価形態で存在するとき、抗体なしで、もしくは無関連の抗体(例えば、GITRに免疫特異的に結合しない抗体)でのGITR(例えば、ヒトGITR)活性と比べて、本明細書において記載される方法、および/または当業者に公知の方法により評価される通り、GITR(例えば、ヒトGITR)活性を、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、あるいは99%増大する。GITR(例えば、ヒトGITR)活性の非限定的な例は、GITR(例えば、ヒトGITR)シグナル伝達、細胞増殖、細胞生存、ならびにサイトカイン産生(例えば、IL-2、TNF-α、IFN-γ、IL-4、IL-10、および/またはIL-13)を含み得る。ある実施形態において、GITR(例えば、ヒトGITR)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、単一特異性二価形態で存在するとき、GITR(例えば、ヒトGITR)活性を誘導するか、増強するか、または増大する。特定の実施形態において、GITR活性における増大は、以下の実施例において記載される通り、評価される。
【0234】
ある実施形態において、本明細書において提供される多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、国際出願第PCT/US2015/032895号(参照により全体が本明細書に組み込まれる)において記載される通り、GITRに結合する抗原結合ドメインを含む。
【0235】
7.2.3 抗原結合ドメイン
特定の態様において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、そのVLドメイン単独、もしくはそのVHドメイン単独により、またはその3つのVL CDR単独、もしくはその3つのVH CDR単独により表されてもよい。例えば、オリジナルの抗体の親和性と同じくらい高い、もしくはそれより高い親和性を有するヒト化抗体バリアントをもたらす、それぞれ、ヒト軽鎖または重鎖ライブラリーから、補完する軽鎖あるいは重鎖を同定することによる、マウス抗αvβ3抗体のヒト化を記載する、Rader C et al.,(1998)PNAS 95:8910-8915(参照により全体が本明細書に組み込まれる)を参照。特異的VLドメイン(またはVHドメイン)を使用すること、および相補可変ドメインについてライブラリーをスクリーニングすることによる、特異的な抗原に結合する抗体を製造する方法を記載する、Clackson T et al.,(1991)Nature 352:624-628(参照により全体が本明細書に組み込まれる)も参照。選別により、ELISAにより決定される、強力なバインダーである、特異的VHドメインについて14種の新規パートナー、および特異的VLドメインについて13種の新規パートナーが作製された。特異的VHドメインを使用すること、および相補VLドメインについてライブラリー(例えば、ヒトVLライブラリー)をスクリーニングすることによる、特異的な抗原に結合する抗体を製造する方法であって、順に、選択されたVLドメインを使用して、さらなる相補(例えば、ヒト)VHドメインのセレクションが導かれる、を記載する、Kim SJ & Hong HJ,(2007)J Microbiol 45:572-577(参照により全体が本明細書に組み込まれる)も参照。
【0236】
特定の態様において、抗原結合ドメインのCDRは、免疫グロブリン構造ループの位置を指す、Chothia番号付けスキームに従い決定され得る(例えば、Chothia C & Lesk AM,(1987),J Mol Biol 196:901-917;Al-Lazikani B et al.,(1997)J Mol Biol 273:927-948;Chothia C et al.,(1992)J Mol Biol 227:799-817;Tramontano A et al.,(1990)J Mol Biol 215(1):175-82;および米国特許第7,709,226号を参照)。典型的には、Kabat番号付け慣習を使用するとき、ChothiaのCDR-H1ループは、重鎖アミノ酸26~32、33、または34に存在し、ChothiaのCDR-H2ループは、重鎖アミノ酸52~56に存在し、ChothiaのCDR-H3ループは、重鎖アミノ酸95~102に存在し、一方、ChothiaのCDR-L1ループは、軽鎖アミノ酸24~34に存在し、ChothiaのCDR-L2ループは、軽鎖アミノ酸50~56に存在し、ChothiaのCDR-L3ループは、軽鎖アミノ酸89~97に存在する。Kabat番号付け慣習を使用して番号付けられるとき、ChothiaのCDR-H1ループの末端は、ループの長さに依存して、H32~H34で変動する(これは、Kabat番号付けスキームが、H35AおよびH35Bにおいて挿入を生じる、35Aも35Bも存在しないなら、ループは32において終わり、35Aのみが存在するなら、ループは33において終わり、35Aと35B両方が存在するなら、ループは34において終わる、ためである)。
【0237】
特定の態様において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に特異的に結合し、pab1876w、pab1967w、pab1975w、pab1979w、pab2049w、またはpab1949wのVLのChothiaのVL CDRを含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。特定の態様において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に特異的に結合し、pab1876、pab1967、pab1975、pab1979、pab2049、またはpab1949のVHのChothiaのVH CDRを含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。特定の態様において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に特異的に結合し、pab1876、pab1967、pab1975w、pab1979w、pab2049w、またはpab1949wのVLのChothiaのVL CDRを含み、pab1876w、pab1967w、pab1975w、pab1979w、pab2049w、またはpab1949wのVHのChothiaのVH CDRを含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。ある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に特異的に結合する抗原結合ドメインは、1つまたは複数のCDRを含み、ここで、ChothiaおよびKabatのCDRは、同じアミノ酸配列を有する。ある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に特異的に結合し、KabatのCDRとChothiaのCDRの組み合わせを含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。
【0238】
特定の態様において、抗原結合ドメインのCDRは、Lefranc M-P,(1999)The Immunologist 7:132-136およびLefranc M-P et al.,(1999)Nucleic Acids Res 27:209-212において記載される通り、IMGT番号付けシステムに従い決定され得る。IMGT番号付けスキームに従い、VH-CDR1は、位置26~35にあり、VH-CDR2は、位置51~57にあり、VH-CDR3は、位置93~102にあり、VL-CDR1は、位置27~32にあり、VL-CDR2は、位置50~52にあり、VL-CDR3は、位置89~97にある。ある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に特異的に結合し、例えば、上記Lefranc M-P(1999)および上記Lefranc M-P et al.,(1999)において記載される通り、IMGT番号付けシステムに従い決定される、pab1876w、pab1967w、pab1975w、pab1979w、pab2049w、またはpab1949wのCDRを含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。
【0239】
特定の態様において、抗原結合ドメインのCDRは、MacCallum RM et al.,(1996)J Mol Biol 262:732-745に従い決定され得る。例えば、Martin A.“Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains,” in Antibody Engineering,Kontermann and Dubel,eds.,Chapter 31,pp.422-439,Springer-Verlag,Berlin(2001)もまた参照。ある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に特異的に結合し、MacCallum RM et alにおける方法により決定される、pab1876w、pab1967w、pab1975w、pab1979w、pab2049w、またはpab1949wのCDRを含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。
【0240】
特定の態様において、抗体のCDRは、KabatのCDRとChothiaの構造ループの間の歩み寄りを表し、Oxford Molecular’s AbM antibody modeling software(Oxford Molecular Group、Inc.)により使用される、AbM高頻度可変領域を指す、AbM番号付けスキームに従い決定され得る。ある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に特異的に結合し、AbM番号付けスキームにより決定されるpab1876w、pab1967w、pab1975w、pab1979w、pab2049w、またはpab1949wのCDRを含む抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。
【0241】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインのVH(例えば、CDR1、CDR2、もしくはCDR3)および/またはVL(例えば、CDR1、CDR2、もしくはCDR3)領域に沿った1つあるいは複数のCDRの位置は、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への免疫特異的結合が維持される(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、例えば、実質的に維持される)限り、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのアミノ酸位置で変動してもよい。例えば、1つの実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインのCDRを定義する位置は、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への免疫特異的結合が、維持される(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、例えば、実質的に維持される)限り、本明細書において記載される抗原結合ドメインのCDR位置と比べて、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、もしくは6つのアミノ酸、CDRのN末端および/またはC末端境界をシフトすることにより、変動し得る。別の実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインのVH(例えば、CDR1、CDR2、もしくはCDR3)および/またはVL(例えば、CDR1、CDR2、もしくはCDR3)領域に沿った1つあるいは複数のCDRの長さは、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への免疫特異的結合が、維持される(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、例えば、実質的に維持される)限り、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のアミノ酸、変動してもよい(例えば、より短いか、もしくはより長い)。
【0242】
1つの実施形態において、本明細書において記載されるVL CDR1、VL CDR2、VL CDR3、VH CDR1、VH CDR2、および/またはVH CDR3は、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への免疫特異的結合が、維持される(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、例えば、実質的に維持される)限り、本明細書において記載されるCDR(例えば、配列番号1~6、配列番号87、88、3、90、5、および92;配列番号7、10、3、14、5、および16;配列番号8、11、3、15、5、および17;配列番号9、12、3、14、5、および16;配列番号9、13、3、14、5、および16;配列番号47~52、もしくは配列番号47~51および53)の1つまたは複数より1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、あるいはそれ以上のアミノ酸分短くてもよい。別の実施形態において、本明細書において記載されるVL CDR1、VL CDR2、VL CDR3、VH CDR1、VH CDR2、および/またはVH CDR3は、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への免疫特異的結合が、維持される(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、例えば、実質的に維持される)限り、本明細書において記載されるCDR(例えば、配列番号1~6、配列番号87、88、3、90、5、および92;配列番号7、10、3、14、5、および16;配列番号8、11、3、15、5、および17;配列番号9、12、3、14、5、および16;配列番号9、13、3、14、5、および16;配列番号47~52、もしくは配列番号47~51および53)の1つまたは複数より1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、あるいはそれ以上のアミノ酸分長くてもよい。別の実施形態において、本明細書において記載されるVL CDR1、VL CDR2、VL CDR3、VH CDR1、VH CDR2、および/またはVH CDR3のアミノ末端は、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への免疫特異的結合が、維持される(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、例えば、実質的に維持される)限り、本明細書において記載されるCDR(例えば、配列番号1~6、配列番号87、88、3、90、5、および92;配列番号7、10、3、14、5、および16;配列番号8、11、3、15、5、および17;配列番号9、12、3、14、5、および16;配列番号9、13、3、14、5、および16;配列番号47~52、もしくは配列番号47~51および53)の1つまたは複数と比較して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、あるいはそれ以上のアミノ酸、拡大されていてもよい。別の実施形態において、本明細書において記載されるVL CDR1、VL CDR2、VL CDR3、VH CDR1、VH CDR2、および/またはVH CDR3のカルボキシ末端は、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への免疫特異的結合が、維持される(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、例えば、実質的に維持される)限り、本明細書において記載されるCDR(例えば、配列番号1~6)の1つもしくは複数と比較して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のアミノ酸、拡大されていてもよい。別の実施形態において、本明細書において記載されるVL CDR1、VL CDR2、VL CDR3、VH CDR1、VH CDR2、および/またはVH CDR3のアミノ末端は、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への免疫特異的結合が、維持される(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、例えば、実質的に維持される)限り、本明細書において記載されるCDR(例えば、配列番号1~6)の1つもしくは複数と比較して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のアミノ酸、短くされていてもよい。1つの実施形態において、本明細書において記載されるVL CDR1、VL CDR2、VL CDR3、VH CDR1、VH CDR2、および/またはVH CDR3のカルボキシ末端は、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への免疫特異的結合が、維持される(例えば、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、例えば、実質的に維持される)限り、本明細書において記載されるCDR(例えば、配列番号1~6、配列番号87、88、3、90、5、および92;配列番号7、10、3、14、5、および16;配列番号8、11、3、15、5、および17;配列番号9、12、3、14、5、および16;配列番号9、13、3、14、5、および16;配列番号47~52、もしくは配列番号47~51および53)の1つまたは複数と比較して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、あるいはそれ以上のアミノ酸、短くされていてもよい。当該技術分野において公知の任意の方法、例えば、本明細書において提供される「実施例」セクション(セクション8)において記載される結合アッセイおよび条件を使用して、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への免疫特異的結合が維持されるかどうかが確認され得る。
【0243】
別のある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖および軽鎖を含み、ここで、(i)重および軽鎖は、それぞれ、VHドメインおよびVLドメインを含み、ここで、VHならびにVLドメインのVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3は、それぞれ、配列番号1~6、配列番号87、88、3、90、5、および92;配列番号7、10、3、14、5、および16;配列番号8、11、3、15、5、および17;配列番号9、12、3、14、5、および16;配列番号9、13、3、14、5、および16;配列番号47~52、または配列番号47~51および53において記載されるアミノ酸配列を含み;(ii)軽鎖は、ヒトカッパ軽鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常軽鎖ドメインをさらに含み;ならびに(iii)重鎖は、ヒトIgG(場合により、IgG(アロタイプGlm3))重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常重鎖ドメインをさらに含む。
【0244】
別のある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖および軽鎖を含み、ここで、(i)重および軽鎖は、それぞれ、配列番号18および19、配列番号20および21、配列番号22および23、配列番号24および23、配列番号25および26、配列番号54および55、または配列番号54および56において記載されるアミノ酸配列を、それぞれ含むVHドメインならびにVLドメインを含み;(ii)軽鎖は、ヒトカッパ軽鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常ドメインをさらに含み;(iii)重鎖は、ヒトIgG(場合により、IgG(アロタイプGlm3))重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常ドメインをさらに含む。
【0245】
別のある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖および軽鎖を含み、ここで、(i)重および軽鎖は、それぞれ、VHドメインおよびVLドメインを含み、ここで、VHならびにVLドメインのVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3は、それぞれ、配列番号1~6、配列番号87、88、3、90、5、および92;配列番号7、10、3、14、5、および16;配列番号8、11、3、15、5、および17;配列番号9、12、3、14、5、および16;配列番号9、13、3、14、5、および16;配列番号47~52、または配列番号47~51および53において記載されるアミノ酸配列を含み;(ii)軽鎖は、ヒトカッパ軽鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常軽鎖ドメインをさらに含み;ならびに(iii)重鎖は、ヒトIgG重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常重鎖ドメインをさらに含む。
【0246】
別のある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖および軽鎖を含み、ここで、(i)重および軽鎖は、それぞれ、配列番号18および19、配列番号20および21、配列番号22および23、配列番号24および23、配列番号25および26、配列番号54および55、または配列番号54および56において記載されるアミノ酸配列をそれぞれ含むVHドメインならびにVLドメインを含み;(ii)軽鎖は、ヒトカッパ軽鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常ドメインをさらに含み;ならびに(iii)重鎖は、ヒトIgG重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常ドメインをさらに含む。
【0247】
別のある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖および軽鎖を含み、ここで、(i)重および軽鎖は、それぞれ、VHドメインおよびVLドメインを含み、ここで、VHならびにVLドメインのVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、およびVL CDR3は、それぞれ、配列番号1~6、配列番号87、88、3、90、5、および92;配列番号7、10、3、14、5、および16;配列番号8、11、3、15、5、および17;配列番号9、12、3、14、5、および16;配列番号9、13、3、14、5、および16;配列番号47~52、または配列番号47~51および53において記載されるアミノ酸配列を含み;(ii)軽鎖は、ヒトカッパ軽鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常軽鎖ドメインをさらに含み;ならびに(iii)重鎖は、ヒトIgG重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常重鎖ドメインをさらに含む。
【0248】
別のある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖および軽鎖を含み、ここで、(i)重および軽鎖は、それぞれ、配列番号18および19、配列番号20および21、配列番号22および23、配列番号24および23、配列番号25および26、配列番号54および55、または配列番号54および56において記載されるアミノ酸配列をそれぞれ含むVHドメインならびにVLドメインを含み;(ii)軽鎖は、ヒトカッパ軽鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常ドメインをさらに含み;ならびに(iii)重鎖は、ヒトIgG重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列を含む定常ドメインをさらに含む。
【0249】
別のある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、重鎖および軽鎖を含み、ここで、(a)重鎖は、アミノ酸位置297のNからAまたはQへのアミノ酸置換を有する配列番号59のアミノ酸配列を含み;および(b)軽鎖は、配列番号67または69のアミノ酸配列を含む。
【0250】
別のある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、(a)アミノ酸位置267のSからE、アミノ酸位置328のLからF、ならびにアミノ酸位置267のSからEとアミノ酸位置328のLからF両方からなる群から選択されるアミノ酸置換を有する配列番号59または29のアミノ酸配列を含む重鎖;ならびに(b)配列番号67もしくは69、または配列番号37のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0251】
特定の実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、ヒトフレームワーク領域であるか、またはヒトフレームワーク領域に由来するフレームワーク領域(例えば、VLドメインおよび/もしくはVHドメインのフレームワーク領域)を含む。ヒトフレームワーク領域の非限定的な例は、当該技術分野において記載され、例えば、上記Kabat EA et al.,(1991)を参照。ある実施形態において、本明細書において記載される抗原結合ドメインは、霊長類(例えば、非ヒト霊長類)フレームワーク領域であるか、または霊長類(例えば、非ヒト霊長類)フレームワーク領域に由来するフレームワーク領域(例えば、VLドメインおよび/もしくはVHドメインのフレームワーク領域)を含む。
【0252】
たとえば、典型的には、げっ歯類起源(例えば、マウスまたはラット)の、抗原特異的非ヒト抗体由来のCDRは、相同なヒトまたは非ヒト霊長類アクセプターフレームワークに結び付けられる。1つの実施形態において、非ヒト霊長類アクセプターフレームワークは、旧世界類人猿由来である。特定の実施形態において、旧世界類人猿アクセプターフレームワークは、パン・トログロディテス(Pan troglodytes)、パン・パニスクス(Pan paniscus)、またはゴリラ・ゴリラ(Gorilla gorilla)由来である。ある実施形態において、非ヒト霊長類アクセプターフレームワークは、チンパンジーパン・トログロディテス由来である。ある実施形態において、非ヒト霊長類アクセプターフレームワークは、旧世界サルアクセプターフレームワークである。特定の実施形態において、旧世界サルアクセプターフレームワークは、マカク(Macaca)属由来である。ある実施形態において、非ヒト霊長類アクセプターフレームワークは、カニクイザルマカク・シノモルグス(Macaca cynomolgus)に由来する。非ヒト霊長類フレームワーク配列は、米国特許出願公開第2005/0208625号において記載される。
【0253】
別の態様において、本明細書において記載される抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、もしくはpab1876w)と、GITRまたはOX40のエピトープ(例えば、ヒトGITRもしくはOX40のエピトープ)と同じあるいは重複するエピトープに結合する抗原結合ドメインを含有する抗体が、本明細書において提供される。ある実施形態において、抗体のエピトープは、例えば、NMR分光法、X線回折結晶学研究、ELISAアッセイ、質量分析連結水素/ジュウテリウム交換(例えば、液体クロマトグラフィーエレクトロスプレー質量分析)、アレイベースのオリゴ-ペプチドスキャニングアッセイ、および/または変異誘発マッピング(例えば、部位特異的変異誘発マッピング)により決定され得る。X線結晶解析のため、結晶化は、当該技術分野において公知の方法のいずれかを使用して成し遂げられてもよい(例えば、Giege R et al.,(1994)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 50(Pt 4):339-350;McPherson A(1990)Eur J Biochem 189:1-23;Chayen NE(1997)Structure 5:1269-1274;McPherson A(1976)J Biol Chem 251:6300-6303)。抗体:抗原結晶は、周知のX線回折技術を使用して研究されてもよく、X-PLOR(エール大学、1992年、Molecular Simulations,Inc.により配布;例えば、Meth Enzymol(1985)volumes 114 & 115,eds Wyckoff HW et al.,;米国出願第2004/0014194号を参照)、およびBUSTER(Bricogne G(1993)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 49(Pt 1):37-60;Bricogne G(1997)Meth Enzymol 276A:361-423,ed Carter CW;Roversi P et al.,(2000)Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 56(Pt 10):1316-1323)のようなコンピューターソフトウエアを使用して精密化されてもよい。変異誘発マッピング研究は、当業者に公知の任意の方法を使用して、行われてもよい。アラニンスキャニング変異誘発技術を含む、変異誘発技術の記載について、例えば、上記Champe M et al.,(1995)および上記Cunningham BC & Wells JA(1989)を参照。特定の実施形態において、抗原結合フラグメントのエピトープは、アラニンスキャニング変異誘発研究を使用して決定される。加えて、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)の同じあるいは重複するエピトープを認識し、結合する抗原結合フラグメントは、例えば、1つの抗体の、別の抗体の標的抗原への結合をブロックする能力を示すこと、すなわち、競合的結合アッセイによる、イムノアッセイのような日常的技術を使用して同定され得る。競合結合アッセイをまた使用して、2つの抗体が、エピトープに対して同様の結合特異性を有するかどうかが決定される。競合結合は、免疫グロブリンが、試験下で、参照抗体の、GITRまたはOX40のような共通抗原への特異的結合を阻害するアッセイにおいて決定され得る。多数の種類の競合結合アッセイ、例えば、固相直接または間接ラジオイムノアッセイ(RIA)、固相直接または間接酵素イムノアッセイ(EIA)、サンドイッチ競合アッセイ(Stahli C et al.,(1983)Methods Enzymol 9:242-253を参照);固相直接ビオチン-アビジンEIA(Kirkland TN et al.,(1986)J Immunol 137:3614-9を参照);固相直接標識アッセイ、固相直接標識サンドイッチアッセイ(Harlow E & Lane D,(1988)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Pressを参照);I-125標識を使用する固相直接標識RIA(Morel GA et al.,(1988)Mol Immunol 25(1):7-15を参照);固相直接ビオチン-アビジンEIA(Cheung RC et al.,(1990)Virology 176:546-52);および直接標識RIA(Moldenhauer G et al.,(1990)Scand J Immunol 32:77-82)が、公知である。典型的には、かかるアッセイは、これらの未標識試験免疫グロブリンと標識参照免疫グロブリンのいずれかを生じる、固体表面または細胞に結合される精製された抗原(例えば、ヒトGITRもしくはOX40のようなGITRまたはOX40)の使用を含む。競合的阻害は、試験免疫グロブリンの存在下で固体表面または細胞に結合される標識の量を決定することにより、測定され得る。通常、試験免疫グロブリンは、過剰に存在する。通常、競合する抗体が過剰に存在するとき、それは、参照抗体の共通の抗原への特異手的結合を、少なくとも50~55%、55~60%、60~65%、65~70%、70~75%またはそれ以上阻害するだろう。競合的結合アッセイは、標識抗原または標識抗体のいずれかを使用して、多数の異なるフォーマットで設計され得る。一般的なバージョンのこのアッセイにおいて、抗原は、96ウェルプレートに固定される。次に、未標識抗体の、標識抗体の抗原への結合をブロックする能力が、放射性または酵素標識を使用して測定される。さらなる詳細について、例えば、Wagener C et al.,(1983)J Immunol 130:2308-2315;Wagener C et al.,(1984)J Immunol Methods 68:269-274;Kuroki M et al.,(1990)Cancer Res 50:4872-4879;Kuroki M et al.,(1992)Immunol Invest 21:523-538;Kuroki M et al.,(1992)Hybridoma 11:391-407および上記Antibodies:A Laboratory Manual,Ed Harlow E & Lane D editors,pp.386-389を参照。
【0254】
1つの実施形態において、競合アッセイは、表面プラズモン共鳴(BIAcore(登録商標))を使用して、例えば、Abdiche YN et al.,(2009)Analytical Biochem 386:172-180により記載されるもののような、「2段階のアプローチ」により行われ、これにより、GITRまたはOX40抗原は、チップ表面、例えば、CM5センサーチップに固定され、抗GITRまたはOX40抗体は、次に、チップ上を流される。抗体が、本明細書において記載される抗GITRまたはOX40抗原結合ドメインと競合するかを決定するために、抗GITRまたはOX40抗原結合ドメインを含有する抗体を、まずチップ表面上に流して、飽和が達成され、次に、可能性のある競合抗体が加えられる。次に、競合抗体の結合が決定され、非競合対照と比べて定量され得る。
【0255】
特定の態様において、競合結合アッセイを使用して、抗体が、例えば、用量に依存した方法で、別の抗体により競合的にブロックされ、例えば、2つの抗体が、標識抗原または標識抗体のいずれかを使用する全ての数の異なるフォーマットで設計され得る、競合ELISAアッセイのような競合結合アッセイにおいて同一または立体的に重複するエピトープを認識するとき、参照抗体と同じエピトープまたは重複するエピトープに本質的に結合する。ある実施形態において、抗体は、本明細書において記載される抗体(例えば、抗体pab1949w、pab2049w、もしくはpab1876w)、またはそのキメラもしくはFab抗体、あるいは本明細書において記載される抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、またはpab1876w)のVH CDRおよびVL CDRを含む抗体での競合結合アッセイにおいて試験され得る。
【0256】
別の態様において、当業者に公知、または本明細書において記載されるアッセイ(例えば、ELISA競合アッセイもしくは表面プラズモン共鳴)を使用して決定される、GITRまたはOX40(例えば、ヒトOX40)への結合について、本明細書において記載される抗原結合ドメインと(例えば、用量に依存した方法で)競合する抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。別の態様において、当業者に公知、あるいは本明細書において記載されるアッセイ(例えば、ELISA競合アッセイ、または懸濁アレイもしくは表面プラズモン共鳴)を使用して決定される、本明細書において記載される抗原結合ドメイン(例えば、pab1949w、pab2049w、またはpab1876w)が、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に結合するのを(例えば、用量に依存した方法で)競合的に阻害する抗原結合ドメインが、本明細書において提供される。特有の態様において、当業者に公知、または本明細書において記載されるアッセイ(例えば、ELISA競合アッセイ、または懸濁アレイもしくは表面プラズモン共鳴)を使用して決定される、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への特異的結合について、本明細書において記載されるアミノ酸配列(例えば、pab1949w、pab2049w、もしくはpab1876wのVLおよび/またはVHアミノ酸配列)を含む抗体と(例えば、用量に依存した方法で)競合する抗原結合フラグメントが、本明細書において提供される。
【0257】
ある実施形態において、本明細書において記載される抗原結合フラグメントが、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への結合について自己競合するのと同じ程度まで、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への結合について、本明細書において記載される抗原結合フラグメントと競合する抗原結合フラグメントが、本明細書において提供される。幾つかの実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への結合について、本明細書において記載される抗原結合抗体フラグメントと競合する第1の抗原結合抗体フラグメントが、本明細書において提供され、ここで、第1の抗原結合抗体フラグメントは、次の工程:(a)GITRおよび/またはOX40を遺伝子導入した細胞を、未標識の形態の第1の抗原結合抗体フラグメントと共に容器内でインキュベーションすること;ならびに(b)容器内の標識形態の本明細書において記載される抗原結合抗体フラグメントを加え、容器内で細胞をインキュベーションすること;ならびに(c)標識形態の本明細書において記載される抗原結合抗体フラグメントの細胞への結合を検出することを含むアッセイにおいて、結合について競合する。ある実施形態において、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への結合について、本明細書において記載される抗原結合抗体フラグメントと競合する第1の抗原結合抗体フラグメントが、本明細書において提供され、ここで、競合は、80%より多く(例えば、85%、90%、95%、もしくは98%、または80%~85%、80%~90%、85%~90%、もしくは85%~95%)で、第1の抗原結合抗体フラグメントのGITRあるいはOX40への低減した結合として提示される。
【0258】
7.3 抗体製造
GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよびヒトOX40)に免疫特異的に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、抗体の合成について当該技術分野において公知の任意の方法により、例えば、化学合成により、または組換え発現技術により製造され得る。本明細書において記載される方法は、別段示されない限り、分子生物学、マイクロ生物学、遺伝子解析、組換えDNA、有機化学、生化学、PCR、オリゴヌクレオチド合成および修飾、核酸ハイブリダイゼーション、ならびに当業者内の関連する分野における従来の技術を利用する。これらの技術は、例えば、本明細書において引用される参考文献において記載され、文献において完全に説明される。例えば、Maniatis T et al.,(1982)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Sambrook J et al.,(1989),Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Sambrook J et al.,(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;Ausubel FM et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1987および年次更新);Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons(1987および年次更新)Gait(ed.)(1984)Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,IRL Press;Eckstein(ed.)(1991)Oligonucleotides and Analogues:A Practical Approach,IRL Press;Birren B et al.,(eds.)(1999)Genome Analysis:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照。
【0259】
特定の実施形態において、本明細書において記載される多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、例えば、DNA配列の合成、遺伝子操作を介した、創出を含む任意の手段により調製され、発現され、作られ、または単離された多特異性(例えば、二重特異性)抗体(例えば、組換え抗体)である。ある実施形態において、かかる多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、インビボで動物または哺乳類(例えば、ヒト)の抗体生殖系列レパートリー内に天然で存在しない配列(例えば、DNA配列もしくはアミノ酸配列)を含む。
【0260】
多特異性二価抗体、およびそれらを作製する方法は、例えば、米国特許第5,731,168号、第5,807,706号、第5,821,333号、ならびに米国出願公開第2003/020734号および第2002/0155537号において記載され、そのそれぞれが、参照により全体が本明細書に組み込まれる。多特異性四価抗体、およびそれらを作製する方法は、例えば、国際出願公開第02/096948号および第00/44788号において記載され、その両方の開示が、参照により全体が本明細書に組み込まれる。一般に、国際出願公開第93/17715号、第92/08802号、第91/00360号、および第92/05793号;Tutt et al.,J.Immunol.147:60-69(1991);米国特許第4,474,893号;第4,714,681号;第4,925,648号;第5,573,920号;および第5,601,819号;ならびにKostelny et al.,J.Immunol.148:1547-1553(1992)(そのそれぞれが、参照により全体が本明細書に組み込まれる)を参照。
【0261】
本明細書において記載される二重特異性抗体は、例えば、国際公開第2011/131746、第2011/147986号、第2008/119353号、および第2013/060867号、ならびにLabrijn AF et al.,(2013)PNAS 110(13):5145-5150において記載される、DuoBody technology platform(ジェンマブ)に従い作り出され得る。DuoBodyテクノロジーを使用して、2つの重および2つの軽鎖を含有する第1の単一特異性抗体の半分が、2つの重および2つの軽鎖を含有する第2の単一特異性抗体の半分と合わせられ得る。得られたヘテロ2量体は、第2の抗体由来の1つの重鎖および1つの軽鎖と対形成された第1の抗体由来の1つの重鎖ならびに1つの軽鎖を含有する。単一特異性抗体の両方が、異なる抗原上の異なるエピトープを認識するとき、得られたヘテロ2量体は二重特異性抗体である。
【0262】
DuoBodyテクノロジーは、単一特異性抗体のそれぞれが、CH3ドメインにおける単一の点変異を有する重鎖定常領域を含むことを必要とする。点変異により、単一特異性抗体のいずれかにおけるCH3ドメイン間より、得られた二重特異性抗体におけるCH3ドメイン間のより強い相互作用が可能になる。それぞれの単一特異性抗体における単一の点変異は、例えば、国際公開第2011/131746号において記載される通り、重鎖定常領域のCH3ドメインにおける、EU番号制に従い番号付けられた、残基366、368、370、399、405、407、または409にある。さらに、単一の点変異は、他の単一特異性抗体と比較して、一方の単一特異性抗体における異なる残基に位置する。例えば、一方の単一特異性抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、変異F405L(すなわち、残基405のフェニルアラニンからロイシンへの変異)を含み得、一方、他の単一特異性抗体は、EU番号制に従い番号付けられた、変異K409R(すなわち、残基409のリジンからアルギニンへの変異)を含み得る。単一特異性抗体の重鎖定常領域は、IgG、IgG、IgG、またはIgGアイソタイプ(例えば、ヒトIgGアイソタイプ)であり得、DuoBodyテクノロジーにより製造された二重特異性抗体は、Fc介在性エフェクター機能を保持し得る。
【0263】
二重特異性抗体を作り出す別の方法は、「ノブ・イン・ホール」ストラテジー(例えば、国際公開第2006/028936号を参照)と呼ばれている。Ig重鎖の誤対合は、IgGにおけるCH3ドメインの界面を形成する選択されたアミノ酸を変異誘発することにより、このテクノロジーにおいて低減される。2つの重鎖が直接相互作用するCH3ドメイン内の位置において、短い側鎖(ホール)を有するアミノ酸が、一方の重鎖の配列に導入され、長い側鎖(ノブ)を有するアミノ酸が、他の重鎖上の残基位置と相互作用する対応物に導入される。幾つかの実施形態において、本発明の組成物は、CH3ドメインが、二重特異性抗体を優先的に形成するように、2つのポリペプチド間の界面にて相互作用する、選択されたアミノ酸を変異誘発することにより修飾された免疫グロブリン鎖を有する。二重特異性抗体は、同じサブクラス(例えば、IgG1もしくはIgG3)または異なるサブクラス(例えば、IgG1およびIgG3、もしくはIgG3およびIgG4)の免疫グロブリン鎖からなり得る。
【0264】
1つの実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する二重特異性抗体は、「ノブ鎖」におけるT366W変異、および「ホール鎖」におけるT366S、L368A、Y407V変異、ならびに場合により、例えば、Y349C変異を「ノブ鎖」に、およびE356C変異またはS354C変異を「ホール鎖」に導入することによる、CH3ドメイン間のさらなる鎖間ジスルフィド架橋;「ノブ鎖」におけるR409D、K370E変異、および「ホール鎖」におけるD399K、E357K変異;「ノブ鎖」におけるR409D、K370E変異、および「ホール鎖」におけるD399K、E357K変異;「ノブ鎖」におけるT366W変異、および「ホール鎖」におけるT366S、L368A、Y407V変異;「ノブ鎖」におけるR409D、K370E変異、および「ホール鎖」におけるD399K、E357K変異;鎖の1つにおけるY349C、T366W変異、および対応の鎖におけるE356C、T366S、L368A、Y407V変異;1つの鎖におけるY349C、T366W変異、および対応の鎖におけるS354C、T366S、L368A、Y407V変異;ならびに1つの鎖におけるY349C、T366W変異、および対応の鎖におけるS354C、T366S、L368A、Y407V変異(EU番号付けシステムに従い番号付ける)を含む。
【0265】
GITRおよび/またはOX40に結合する二重特異性抗体は、ある場合では、IgG4とIgG1、IgG4とIgG2、IgG4とIgG2、IgG4とIgG3、またはIgG1とIgG3鎖ヘテロ2量体を含有し得る。かかるヘテロ2量体重鎖抗体は、例えば、ヘテロ2量体重鎖形成を支持するように、ヒトIgG4およびIgG1またはIgG3におけるCH3ドメインの界面を形成する選択されたアミノ酸を修飾することにより、日常的に操作され得る。
【0266】
ある実施形態において、多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体であり得る。ある実施形態において、多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、F(ab’)フラグメントであり得る。F(ab’)フラグメントは、ヒンジ領域におけるジスルフィド結合により結合された4量体抗体分子の2つの抗原結合アームを含有する。
【0267】
本明細書において記載される多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、当業者に公知の任意の技術により作り出され得る。例えば、本明細書において記載されるF(ab’)フラグメントは、ペプシンのような酵素を使用した、免疫グロブリン分子のタンパク分解性切断により製造され得る。
【0268】
特定の態様において、本明細書において記載される細胞または複数の細胞を培養することを含む、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)に免疫特異的に結合する抗体あるいは抗原結合フラグメントを作製する方法が、本明細書において提供される。特定の態様において、本明細書において記載される細胞または宿主細胞(例えば、本明細書において記載される抗体をコードするポリヌクレオチドを含む細胞もしくは宿主細胞)を使用して、抗体あるいは抗原結合フラグメントを発現させること(例えば、組換え発現させること)を含む、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)に免疫特異的に結合する抗体あるいは抗原結合フラグメントを作製する方法が、本明細書において提供される。ある実施形態において、細胞は単離された細胞である。ある実施形態において、外来ポリヌクレオチドが、細胞に導入されている。ある実施形態において、方法は、細胞もしくは宿主細胞から得られた抗体または抗原結合フラグメントを精製する工程をさらに含む。
【0269】
抗体の抗原結合フラグメントは、ハイブリドーマ、組換え体、およびファージディスプレイ技術、またはその組み合わせの使用を含む当該技術分野において公知の多種多様な技術を使用して、例えば、モノクローナル抗体から調製され得る。例えば、モノクローナル抗体は、当該技術分野において公知の、および例えば、Harlow E & Lane D,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988);Hammerling GJ et al.,in:Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563 681(Elsevier,N.Y.,1981)において教示されるものを含むハイブリドーマ技術を使用して製造され得る。本明細書において使用される用語「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマテクノロジーを通じて製造される抗体に制限されない。例えば、モノクローナル抗体は、本明細書において記載される抗体を外来性に発現する宿主細胞から組換え的に製造され得る。本明細書において記載されるモノクローナル抗体は、例えば、Kohler G & Milstein C(1975)Nature 256:495において記載されるハイブリドーマ方法により作製され得るか、または例えば、本明細書において記載される技術などを使用して、ファージライブラリーから単離され得る。クローン細胞株、およびそれにより発現されるモノクローナル抗体の他の製造方法は、当該技術分野において周知である(例えば、Chapter 11 in:Short Protocols in Molecular Biology,(2002)5th Ed.、上記Ausubel FM et al.,を参照)。
【0270】
さらに、本明細書において記載される抗体またはその抗原結合フラグメントはまた、当該技術分野において公知の様々なファージディスプレイ方法を使用して、作り出され得る。ファージディスプレイ方法において、タンパク質は、それらをコードするポリヌクレオチド配列を有するファージ粒子の表面上に提示される。特に、VHおよびVLドメインをコードするDNA配列は、動物cDNAライブラリー(例えば、冒された組織のヒトまたはマウスcDNAライブラリー)から増幅される。VHおよびVLドメインをコードするDNAは、PCRによりscFvリンカーと一緒に組換えられ、ファージミドベクターにクローニングされる。ベクターは、エシェリキア・コリにエレクトロポレーションされ、エシェリキア・コリは、ヘルパーファージに感染する。これらの方法において使用されるファージは、典型的には、fdおよびM13を含む糸状ファージであり、VHおよびVLドメインは、通常、ファージ遺伝子IIIまたは遺伝子VIIIのいずれかに組換え融合される。特定の抗原に結合する抗体またはフラグメントを発現するファージは、例えば、標識抗原、あるいは固体表面もしくはビーズに結合または捕獲された抗原を使用して、抗原で選択されるか、あるいは同定され得る。本明細書において記載される抗体を作製するために使用され得るファージディスプレイ方法の例は、Brinkman U et al.,(1995)J Immunol Methods 182:41-50;Ames RS et al.,(1995)J Immunol Methods 184:177-186;Kettleborough CA et al.,(1994)Eur J Immunol 24:952-958;Persic L et al.,(1997)Gene 187:9-18;Burton DR & Barbas CF(1994)Advan Immunol 57:191-280;PCT出願第PCT/GB91/001134号;国際公開第90/02809号、第91/10737号、第92/01047号、第92/18619号、第93/11236号、第95/15982号、第95/20401号、および第97/13844号;ならびに米国特許第5,698,426号、第5,223,409号、第5,403,484号、第5,580,717号、第5,427,908号、第5,750,753号、第5,821,047号、第5,571,698号、第5,427,908号、第5,516,637号、第5,780,225号、第5,658,727号、第5,733,743号、および第5,969,108号において開示されるものを含む。
【0271】
上記参考文献において記載される通り、ファージ選択後、抗体コード領域が、ファージから単離され、それを使用して、ヒト抗体を含む抗体が作り出され、例えば、後述される通り、哺乳類細胞、昆虫細胞、植物細胞、酵母、および細菌を含む任意の所望の宿主において発現され得る。Fab、Fab’およびF(ab’)フラグメントのような抗体を組換えで製造するための技術はまた、PCT公開第92/22324号;Mullinax RL et al.,(1992)BioTechniques 12(6):864-9;Sawai H et al.,(1995)Am J Reprod Immunol 34:26-34;およびBetter M et al.,(1988)Science 240:1041-1043において開示されるもののような、当該技術分野において公知の方法を使用して用いられ得る。
【0272】
1つの態様において、抗体を作り出すために、VHまたはVLヌクレオチド配列、制限酵素部位、および制限酵素部位を保護するための隣接配列を含むPCRプライマーを使用して、鋳型、例えば、scFvクローンからVHまたはVL配列が増幅され得る。当業者に公知のクローニング技術を使用して、PCRにより増幅されたVHドメインが、VH定常領域を発現するベクターにクローニングされ得、PCRにより増幅されたVLドメインが、VL定常領域、例えば、ヒトカッパまたはラムダ定常領域を発現するベクターにクローニングされ得る。VHおよびVLドメインはまた、必要な定常領域を発現する1つのベクターにクローニングされ得る。次に、重鎖変換ベクターおよび軽鎖変換ベクターを、細胞株に同時遺伝子導入して、当業者に公知の技術を使用して、抗体、例えば、IgGを発現する安定または一過性細胞株が作り出される。
【0273】
キメラ抗体は、抗体の異なる部分が、異なる免疫グロブリン分子に由来する分子である。例えば、キメラ抗体は、ヒト抗体の定常領域に融合されたマウスまたはラットモノクローナル抗体の可変領域を含有し得る。キメラ抗体を製造する方法は、当該技術分野において公知である。例えば、Morrison SL(1985)Science 229:1202-7;Oi VT & Morrison SL(1986)BioTechniques 4:214-221;Gillies SD et al.,(1989)J Immunol Methods 125:191-202;ならびに米国特許第5,807,715号、第4,816,567号、第4,816,397号、および第6,331,415号を参照。
【0274】
ヒト化抗体は、予め決定された抗原と結合する能力があり、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を実質的に有するフレームワーク領域、および非ヒト免疫グロブリン(例えば、マウス免疫グロブリン)のアミノ酸配列を実質的に有するCDRを含む。ある実施形態において、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも部分、典型的には、ヒト免疫グロブリンのものを含む。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびCH4領域を含み得る。ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgAおよびIgEを含む免疫グロブリンの任意のクラス、ならびにIgG、IgG、IgGおよびIgGを含む任意のアイソタイプから選択され得る。ヒト化抗体は、CDRグラフト(欧州特許第239400号;国際公開第91/09967号;ならびに米国特許第5,225,539号、第5,530,101号、および第5,585,089号)、ベニアリングまたはリサーフェシング(欧州特許第592106号および第519596号;Padlan EA(1991)Mol Immunol 28(4/5):489-498;Studnicka GM et al.,(1994)Prot Engineering 7(6):805-814;ならびにRoguska MA et al.,(1994)PNAS 91:969-973)、鎖シャッフリング(米国特許第5,565,332号)、ならびに例えば、米国特許第6,407,213号、米国特許第5,766,886号、国際公開第93/17105号;Tan P et al.,(2002)J Immunol 169:1119-25;Caldas C et al.,(2000)Protein Eng.13(5):353-60;Morea V et al.,(2000)Methods 20(3):267-79;Baca M et al.,(1997)J Biol Chem 272(16):10678-84;Roguska MA et al.,(1996)Protein Eng 9(10):895 904;Couto JR et al.,(1995)Cancer Res.55(23 Supp):5973s-5977s;Couto JR et al.,(1995)Cancer Res 55(8):1717-22;Sandhu JS(1994)Gene 150(2):409-10およびPedersen JT et al.,(1994)J Mol Biol 235(3):959-73において開示される技術を含むが、これらに限定されない、当該技術分野において公知の様々な技術を使用して製造され得る。米国出願公開第2005/0042664A1号(2005年2月24日)(参照により全体が本明細書に組み込まれる)も参照。
【0275】
ある実施形態において、ヒト抗体は、本明細書において記載されるその抗GITRまたはOX40抗原結合フラグメントと、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)の同じエピトープに結合する、本明細書において記載される抗原結合ドメインを含む。ある実施形態において、ヒト抗体は、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)への結合から、本明細書において記載される抗原結合フラグメント(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、またはpab1979w)の任意の1つを(例えば、用量に依存した方法で)競合的にブロックする抗原結合フラグメントを含む。ヒト抗体は、当該技術分野において公知の任意の方法を使用して、製造され得る。例えば、機能的内在性免疫グロブリンを発現する能力はないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現し得る遺伝子導入マウスが、使用され得る。特に、ヒト重および軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体は、無作為に、またはマウス胚性幹細胞への相同組換えにより、導入され得る。あるいは、ヒト可変領域、定常領域、および多様性領域は、ヒト重および軽鎖遺伝子に加えて、マウス胚性幹細胞に導入され得る。マウス重および軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、相同組換えによるヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入と非機能的に別々にまたは同時に与えられ得る。特に、J領域のホモ接合欠失は、内在性抗体産生を妨げる。修飾された胚性幹細胞を拡大し、胚盤胞に微量注入して、キメラマウスが製造される。次に、キメラマウスを繁殖させて、ヒト抗体を発現するホモ接合子孫が生み出される。遺伝子導入マウスは、通常の様式で、選択された抗原、例えば、抗原(例えば、OX40)の全てまたは部分で免疫される。抗原に対して指向されたモノクローナル抗体は、従来のハイブリドーマ技術を使用して、免疫された遺伝子導入マウスから得られ得る。遺伝子導入マウスが宿すヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞分化中に再構成し、クラススイッチおよび体細胞変異を実質的に経験する。従って、かかる技術を使用し、治療上有用なIgG、IgA、IgMおよびIgE抗体を製造することが可能である。ヒト抗体を製造するこの技術の概説について、Lonberg N & Huszar D(1995)Int Rev Immunol 13:65-93を参照。ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を製造するこのテクノロジー、ならびにかかる抗体を製造するプロトコールの詳細な考察について、例えば、国際公開第98/24893号、第96/34096号および第96/33735号;ならびに米国特許第5,413,923号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,569,825号、第5,661,016号、第5,545,806号、第5,814,318号および第5,939,598号を参照。ヒト抗体を産生する能力があるマウスの例は、Xenomouse(商標)(Abgenix,Inc.;米国特許第6,075,181号および第6,150,184号)、HuAb-Mouse(商標)(Mederex,Inc./Gen Pharm;米国特許第5,545,806号および第5,569、825号)、Trans Chromo Mouse(商標)(キリン)およびKM Mouse(商標)(Medarex/キリン)を含む。
【0276】
GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITもしくはOX40)に特異的に結合するヒト抗体あるいは抗原結合フラグメントは、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリーを使用する上記のファージディスプレイ方法を含む当該技術分野において公知の様々な方法により作製され得る。米国特許第4,444,887号、第4,716,111号、および第5,885,793号;ならびに国際公開第98/46645号、第98/50433号、第98/24893号、第98/16654号、第96/34096号、第96/33735号、および第91/10741号も参照。
【0277】
幾つかの実施形態において、ヒト抗体は、マウスとヒトのハイブリドーマを使用して製造され得る。例えば、エプスタイン・バーウイルス(EBV)で形質転換されたヒト末梢血リンパ球を、マウスミエローマ細胞と融合させて、ヒトモノクローナル抗体を分泌するマウスとヒトのハイブリドーマが産生され得、これらのマウスとヒトのハイブリドーマをスクリーニングして、標的抗原(例えば、OX40(例えば、ヒトOX40))に免疫特異的に結合するヒトモノクローナル抗体を分泌するものが決定され得る。かかる方法は、当該技術分野において公知であり、記載されており、例えば、Shinmoto H et al.,(2004)Cytotechnology 46:19-23;Naganawa Y et al.,(2005)Human Antibodies 14:27-31を参照。
【0278】
7.3.1 ポリヌクレオチド
特定の態様において、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)抗原に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗体あるいはそのフラグメント(例えば、可変軽鎖領域および/または可変重鎖領域)をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、ならびにベクター、例えば、宿主細胞(例えば、エシェリキア・コリおよび哺乳類細胞)における組換え発現のためかかるポリヌクレオチドを含むベクターが、本明細書において提供される。本明細書において提供される抗体のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド、ならびにかかるポリヌクレオチド配列を含むベクター、宿主細胞、例えば、哺乳類細胞におけるそれらの効率的発現のための発現ベクターが、本明細書において提供される。
【0279】
本明細書において使用される、「単離された」ポリヌクレオチドまたは核酸分子は、核酸分子の天然の供給源に(例えば、マウスまたはヒトに)存在する他の核酸分子から分離されるものである。さらに、cDNA分子のような「単離された」核酸分子は、組換え技術により製造されるとき、他の細胞材料もしくは培地を実質的に含み得ないか、または化学的に合成されるとき、化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含み得ない。例えば、専門用語「実質的に含まない」は、他の材料、例えば、細胞材料、培地、他の核酸分子、化学前駆体および/もしくは他の化学物質の約15%、10%、5%、2%、1%、0.5%、または0.1%未満(特に、約10%未満)を有するポリヌクレオチドあるいは核酸分子の調製を含む。特定の実施形態において、本明細書において記載される抗体をコードする核酸分子(複数を含む)が、単離され、または精製される。
【0280】
特定の態様において、GITRならびに/またはOX40ポリペプチド(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)に免疫特異的に結合し、本明細書において記載されるアミノ酸配列を含む抗体、ならびにGITRならびに/またはOX40ポリペプチドへの結合についてかかる抗体と(例えば、用量に依存した方法で)競合するか、あるいはかかる抗体のものと同じエピトープに結合する抗体をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドが、本明細書において提供される。
【0281】
特定の態様において、本明細書において記載される抗体の軽鎖または重鎖をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドが、本明細書において提供される。ポリヌクレオチドは、本明細書において記載される(例えば、表1、4、および7を参照)抗体のVL CDRを含む軽鎖または軽鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含み得る。ポリヌクレオチドは、本明細書において記載される抗体(例えば、表1、5、および8を参照)のVH CDRを含む重鎖または重鎖可変ドメインをコードするヌクレオチド配列を含み得る。特定の実施形態において、本明細書において記載されるポリヌクレオチドは、配列番号19、21、23、26、55、または56において記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインをコードする。特定の実施形態において、本明細書において記載されるポリヌクレオチドは、配列番号18、20、22、24、25、および54において記載されるアミノ酸配列を含むVHドメインをコードする。
【0282】
ある実施形態において、例えば、本明細書において記載される(例えば、表1、4、および7を参照)抗体のいずれか1つのVL CDR1、VL CDR2、ならびにVL CDR3を含有する、3つのVL鎖CDRを含む抗GITRまたはOX40抗原結合ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドが、本明細書において提供される。特定の実施形態において、例えば、本明細書において記載される(例えば、表1、5、および8を参照)抗体のいずれか1つのVH CDR1、VH CDR2、ならびにVH CDR3を含有する、3つのVH鎖CDRを含むポリヌクレオチドが、本明細書において提供される。特定の実施形態において、例えば、本明細書において記載される(例えば、表1、4、および7を参照)抗体のいずれか1つのVL CDR1、VL CDR2、ならびにVL CDR3を含有する、3つのVH鎖CDR、ならびに例えば、本明細書において記載される(例えば、表1、5、および8を参照)抗体のいずれか1つのVH CDR1、VH CDR2、ならびにVH CDR3を含有する、3つのVH鎖CDRを含む抗GITRまたはOX40抗原結合ドメインをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドが、本明細書において提供される。
【0283】
ある実施形態において、本明細書において記載されるポリヌクレオチドは、本明細書において記載されるアミノ酸配列(例えば、配列番号19、21、23、26、55、もしくは56)を含む軽鎖可変領域を含む本明細書において提供される抗体または抗原結合ドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、抗体または抗原結合ドメインは、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する。
【0284】
ある実施形態において、本明細書において記載されるポリヌクレオチドは、本明細書において記載されるアミノ酸配列(例えば、配列番号18、20、22、24、25、もしくは54)を含む重鎖可変領域を含む本明細書において提供される抗体または抗原結合ドメインをコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、抗体または抗原結合ドメインは、GITRまたはOX40(例えば、ヒトGITRもしくはOX40)に免疫特異的に結合する。
【0285】
特有の態様において、軽鎖ならびに重鎖、例えば、別々の軽鎖および重鎖を含む抗体をコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドが、本明細書において提供される。軽鎖に関して、特定の実施形態において、本明細書において提供されるポリヌクレオチドは、カッパ軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む。別の特定の実施形態において、本明細書において提供されるポリヌクレオチドは、ラムダ軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む。なお別の特定の実施形態において、本明細書において提供されるポリヌクレオチドは、ヒトカッパ軽鎖またはヒトラムダ軽鎖を含む本明細書において記載される抗体をコードするヌクレオチド配列を含む。ある実施形態において、本明細書において提供されるポリヌクレオチドは、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)に免疫特異的に結合する、抗体をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、抗体は、軽鎖を含み、ここで、VLドメインのアミノ酸配列は、配列番号19、21、23、26、55、または56において記載されるアミノ酸配列を含み得、ここで、軽鎖の定常領域は、ヒトカッパ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。別のある実施形態において、本明細書において提供されるポリヌクレオチドは、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)に免疫特異的に結合し、軽鎖を含む抗体をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、VLドメインのアミノ酸配列は、配列番号19、21、23、26、55、または56において記載されるアミノ酸配列を含み得、ここで、軽鎖の定常領域は、ヒトラムダ軽鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。例えば、ヒト定常領域配列は、米国特許第5,693,780号において記載されるものであり得る。
【0286】
ある実施形態において、本明細書において提供されるポリヌクレオチドは、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗体をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、抗体は重鎖を含み、ここで、VHドメインのアミノ酸配列は、配列番号18、20、22、24、25、または54において記載されるアミノ酸配列を含み得、ここで、重鎖の定常領域は、ヒトガンマ(γ)重鎖定常領域のアミノ酸配列を含む。
【0287】
ある実施形態において、本明細書において提供されるポリヌクレオチドは、GITRおよび/またはOX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗体のVHドメインならびに/あるいはVLドメイン(例えば、VHドメインについて配列番号18、20、22、24、25、もしくは54、および/またはVLドメインについて配列番号19、21、23、26、55、もしくは56)をコードするヌクレオチド配列(複数を含む)を含む。
【0288】
なお別の特定の実施形態において、本明細書において提供されるポリヌクレオチドは、GITRおよび/またはOX40(例えば、ヒトOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗体をコードするヌクレオチド配列を含み、ここで、抗体は、本明細書において記載される任意のアミノ酸配列を含むVLドメインおよびVHドメインを含み、ここで、定常領域は、ヒトIgG(例えば、アロタイプ1、17、もしくは3)、ヒトIgG、またはヒトIgGの定常領域のアミノ酸配列を含む。
【0289】
特定の実施形態において、本明細書において指定される(例えば、表1~9を参照)抗OX40抗体またはそのドメインをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドが、本明細書において提供される。
【0290】
例えば、コドン/RNA最適化、異種性シグナル配列での置換、およびmRNA不安定性エレメントの除去により最適化される抗GITRならびに/もしくはOX40抗体またはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチドがまた、本明細書において提供される。mRNAにおいてコドン変更を導入すること、および/もしくは阻害性領域を除外することによる、組換え発現のための抗GIRならびに/またはOX40抗体あるいはそのフラグメント(例えば、軽鎖、重鎖、VHドメイン、またはVLドメイン)をコードする最適化された核酸を作り出す方法は、例えば、米国特許第5,965,726号;第6,174,666号;第6,291,664号;第6,414,132号;および第6,794,498号において記載される最適化方法を適切に適用することにより実行され得る。例えば、RNA内の可能性のあるスプライス部位および不安定性エレメント(例えば、A/TまたはA/Uリッチエレメント)は、組換え発現のためRNAの安定性を増大するために核酸配列によりコードされるアミノ酸を変更することなく、変異誘発され得る。変更は、例えば、同一のアミノ酸についての代替コドンを使用する、遺伝子コードの縮重を利用する。幾つかの実施形態において、保存的変異、例えば、オリジナルのアミノ酸と同様の化学構造および特性、ならびに/もしくは機能を有する同様のアミノ酸をコードする1つまたは複数のコドンを変更させることが所望であり得る。
【0291】
ある実施形態において、本明細書において記載される抗GITRおよび/あるいはOX40抗体またはそのフラグメント(例えば、VLドメインもしくはVHドメイン)をコードする最適化されたポリヌクレオチド配列は、本明細書において記載される抗GITRおよび/あるいはOX40抗体またはそのフラグメント(例えば、VLドメインもしくはVHドメイン)をコードする最適化されていないポリヌクレオチド配列のアンチセンス(例えば、相補)ポリヌクレオチドにハイブリダイズし得る。特定の実施形態において、本明細書において記載される抗GITRおよび/もしくはOX40抗体またはフラグメントをコードする最適化されたヌクレオチド配列は、高度に厳密な条件下で、本明細書において記載される抗GITRおよび/もしくはOX40抗体またはそのフラグメントをコードする最適化されていないポリヌクレオチド配列のアンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズする。特定の実施形態において、本明細書において記載される抗GITRおよび/もしくはOX40抗体またはそのフラグメントをコードする最適化されたヌクレオチド配列は、高度に厳密な、中程度に厳密な、もしくはより低度に厳密なハイブリダイゼーション条件下で、本明細書において記載される抗GITRおよび/またはOX40抗体あるいはそのフラグメントをコードする最適化されていないヌクレオチド配列のアンチセンスポリヌクレオチドにハイブリダイズする。ハイブリダイゼーション条件に関する情報は記載されており、例えば、米国特許出願公開第2005/0048549(例えば、段落72~73)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照。
【0292】
DNAはまた、例えば、マウス配列の代わりに、ヒト重および軽鎖定常ドメインのコード配列を置換することにより、または免疫グロブリンコード配列に、非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全てもしくは一部を共有結合させることにより、修飾され得る。
【0293】
高度に厳密、中程度またはより低度に厳密なハイブリダイゼーション条件下で、本明細書において記載される抗体をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドがまた、提供される。特定の実施形態において、本明細書において記載されるポリヌクレオチドは、高度に厳密、中程度またはより低度に厳密なハイブリダイゼーション条件下で、本明細書において提供されるVHドメインをコードするポリヌクレオチド(例えば、配列番号18、20、22、24、25、54)および/またはVLドメインをコードするポリヌクレオチド(例えば、配列番号19、21、23、25、55、もしくは56)にハイブリダイズする。
【0294】
ハイブリダイゼーション条件は、当該技術分野において記載されており、当業者に公知である。例えば、厳密な条件下でのハイブリダイゼーションは、フィルター結合したDNAへの、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)における約45℃でのハイブリダイゼーション、続いて、0.2×SSC/0.1%SDSにおける約50~65℃での1回または複数回の洗浄を含み得、高度に厳密な条件下でのハイブリダイゼーションは、フィルター結合した核酸への、6×SSCにおける約45℃でのハイブリダイゼーション、続いて、0.1×SSC/0.2%SDSにおける約68℃での1回または複数回の洗浄を含み得る。他の厳密なハイブリダイゼーション条件下でのハイブリダイゼーションは、当業者に公知であり、記載されており、例えば、Ausubel FM et al.,eds.,(1989)Current Protocols in Molecular Biology,Vol.I,Green Publishing Associates,Inc.and John Wiley & Sons,Inc.,New York p.6.3.1-6.3.6および2.10.3を参照。
【0295】
7.3.2 細胞およびベクター
特定の態様において、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗体を(例えば、組換えで)発現する細胞(例えば、宿主細胞)、ならびに関連するポリヌクレオチドおよび発現ベクターが、本明細書において提供される。宿主細胞における、好ましくは、哺乳類細胞における組換え発現のため、抗GITRおよび/もしくはOX40抗体またはフラグメントをコードするヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを含むベクター(例えば、発現ベクター)が、本明細書において提供される。本明細書において記載される抗GITRおよび/またはOX40抗体(例えば、ヒトもしくはヒト化抗体)を組換え発現させるためかかるベクターを含む宿主細胞もまた、本明細書において提供される。特定の態様において、宿主細胞においてかかる抗体を発現させることを含む、本明細書において記載される抗体を製造する方法が、本明細書において提供される。
【0296】
GITRおよび/もしくはOX40(例えば、ヒトOX40)に特異的に結合する、本明細書において記載される抗体またはそのフラグメント(例えば、本明細書において記載される抗体の重もしくは軽鎖)の組換え発現は、抗体またはフラグメントをコードするポリヌクレオチドを含有する発現ベクターの構築を含む。本明細書において記載される抗体またはそのフラグメント(例えば、重もしくは軽鎖可変ドメイン)をコードするポリヌクレオチドが得られると、抗体分子の製造のためのベクターが、当該技術分野において周知の技術を使用する組換えDNA技術により製造され得る。従って、ヌクレオチド配列をコードする抗体または抗体フラグメント(例えば、軽鎖もしくは重鎖)を含有するポリヌクレオチドを発現させることにより、タンパク質を調製する方法が、本明細書において記載される。当業者に周知である方法を使用して、抗体または抗体フラグメント(例えば、軽鎖もしくは重鎖)コード配列、ならびに適当な転写および翻訳制御シグナルを含有する発現ベクターが構築され得る。これらの方法は、例えば、インビトロ組換えDNA技術、合成技術、およびインビボ遺伝子組換えを含む。本明細書において記載される抗体分子、抗体の重または軽鎖、抗体もしくはそのフラグメントの重または軽鎖可変ドメイン、あるいはプロモーターに作動可能に結合した重または軽鎖CDRをコードするヌクレオチド配列を含む複製可能なベクターもまた、本明細書において提供される。かかるベクターは、例えば、抗体分子の定常領域をコードするヌクレオチド配列を含み得(例えば、国際公開第86/05807号および第89/01036号;ならびに米国特許第5,122,464号を参照)、抗体の可変ドメインは、重鎖全体、軽鎖全体、または重鎖と軽鎖全体両方の発現のためかかるベクターにクローニングされ得る。
【0297】
発現ベクターは、従来の技術により細胞(例えば、宿主細胞)に導入され得、次に、得られた細胞を、従来の技術により培養して、本明細書において記載される抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wのCDRを含む抗体)またはそのフラグメントが製造され得る。従って、宿主細胞におけるかかる配列の発現のため、プロモーターに作動可能に結合された本明細書において記載される抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wのCDRを含む抗体)あるいはそのフラグメント(例えば、その重もしくは軽鎖、またはそのフラグメント)をコードするポリヌクレオチドを含有する宿主細胞が、本明細書において提供される。ある実施形態において、2本鎖抗体の発現のため、重および軽鎖両方を個々にコードするベクターは、以下に詳述される通り、免疫グロブリン分子全体の発現のため、宿主細胞において同時発現され得る。ある実施形態において、宿主細胞は、本明細書において記載される抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wのCDRを含む抗体)、またはそのフラグメントの重鎖および軽鎖両方をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを含有する。特定の実施形態において、宿主細胞は、2つの異なるベクター、本明細書において記載される抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wのCDRを含む抗体)、またはそのフラグメントの重鎖あるいは重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む第1のベクター、および本明細書において記載される抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wのCDRを含む抗体)、またはそのフラグメントの軽鎖あるいは軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む第2のベクターを含有する。他の実施形態において、第1の宿主細胞は、本明細書において記載される抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wのCDRを含む抗体)、またはそのフラグメントの重鎖あるいは重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む第1のベクターを含み、第2の宿主細胞は、本明細書において記載される抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wのCDRを含む抗体)の軽鎖あるいは軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む第2のベクターを含む。特定の実施形態において、第1の細胞により発現される重鎖/重鎖可変領域は、第2の細胞の軽鎖/軽鎖可変領域と関連して、本明細書において記載される抗GITRおよび/またはOX40抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wのCDRを含む抗体)を形成する。ある実施形態において、かかる第1の宿主細胞およびかかる第2の宿主細胞を含む宿主細胞の集団が、本明細書において提供される。
【0298】
ある実施形態において、本明細書において記載される抗GITRおよび/またはOX40抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wのCDRを含む抗体)の軽鎖/軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む第1のベクター、および本明細書において記載される抗OX40抗体(例えば、pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、もしくはpab1979wのCDRを含む抗体)の重鎖/重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを含む第2のベクターを含むベクターの集団が、本明細書において提供される。
【0299】
様々な宿主発現ベクターシステムを利用して、本明細書において記載される抗体分子が発現され得る(例えば、米国特許第5,807,715号を参照)。かかる宿主発現系は、対象のコード配列が製造され、続いて精製される得るビークルを表すが、適当なヌクレオチドコード配列で形質転換されるか、または遺伝子導入されるとき、本明細書において記載される抗体分子をインサイツで発現し得る細胞も表す。これらは、抗体コード配列を含有する組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAもしくはコスミドDNA発現ベクターで遺伝子導入された細菌(例えば、エシェリキア・コリおよびバチルス・スブチリス(B.subtilis))のような微生物;抗体コード配列を含有する組換え酵母発現ベクターで遺伝子導入された酵母(例えば、サッカロマイセス・ピキア(Saccharomyces Pichia));抗体コード配列を含有する組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染させた昆虫細胞システム;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染させた、もしくは抗体コード配列を含有する組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で遺伝子導入された植物細胞システム(例えば、クラミドモナス・ラインハーディ(Chlamydomonas reinhardtii)のような緑藻);または哺乳類細胞のゲノムに由来するプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)もしくは哺乳類ウイルスに由来するプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含有する組換え発現コンストラクトを有する哺乳類細胞システム(例えば、COS(例えば、COS1またはCOS)、CHO、BHK、MDCK、HEK293、NS0、PER.C6、VERO、CRL7O3O、HsS78Bst、HeLa、およびNIH3T3、HEK-293T、HepG2、SP210、R1.1、B-W、L-M、BSC1、BSC40、YB/20、およびBMT10細胞)を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、本明細書において記載される抗体(例えば、抗体pab1949w、pab2049w、pab1876w、pab1967w、pab1975w、またはpab1979wの任意の1つのCDRを含む抗体)を発現するための細胞は、CHO細胞、例えば、CHO GS System(商標)(ロンザ)のCHO細胞である。ある実施形態において、本明細書において記載される抗体を発現するための細胞は、ヒト細胞、例えば、ヒト細胞株である。特定の実施形態において、哺乳類発現ベクターは、pOptiVEC(商標)またはpcDNA3.3である。ある実施形態において、エシェリキア・コリのような細菌細胞、または真核生物の細胞(例えば、哺乳類細胞)が、組換え抗体分子の発現のため、特に、組換え抗体分子全体の発現のため使用される。例えば、ヒトサイトメガロウイルス由来の主要な中間早期遺伝子プロモーターエレメントのようなベクターと関連する、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような哺乳類細胞は、抗体のための有効な発現系である(Foecking MK & Hofstetter H(1986)Gene 45:101-105;およびCockett MI et al.,(1990)Biotechnology 8:662-667)。ある実施形態において、本明細書において記載される抗体は、CHO細胞またはNS0細胞により製造される。特定の実施形態において、GITRならびに/またはOX40(例えば、ヒトGITRおよび/もしくはOX40)に免疫特異的に結合する、本明細書において記載される抗体をコードするヌクレオチド配列の発現は、恒常的プロモーター、誘導可能なプロモーターまたは組織特異的プロモーターにより制御される。
【0300】
加えて、挿入された配列の発現を調整するか、または所望の特定の様式で遺伝子産物を修飾するか、もしくは処理する宿主細胞株が、選択され得る。タンパク質産物のかかる修飾(例えば、グリコシル化)およびプロセッシング(例えば、切断)は、タンパク質の機能に重要であり得る。異なる宿主細胞は、タンパク質および遺伝子産物の翻訳後プロセッシングならびに修飾の特徴的かつ特異的な機序を有する。適当な細胞株または宿主システムを選択して、発現される外来タンパク質の正しい修飾およびプロセッシングが確かにされ得る。この目的で、遺伝子産物の最初の転写物、グリコシル化、およびリン酸化の適切なプロセッシングの細胞機構を有する真核生物宿主細胞が、使用され得る。かかる哺乳類宿主細胞は、CHO、VERO、BHK、Hela、MDCK、HEK293、NIH3T3、W138、BT483、Hs578T、HTB2、BT2OおよびT47D、NS0(任意の免疫グロブリン鎖を内在性に産生しないマウスミエローマ細胞株)、CRL7O3O、COS(例えば、COS1またはCOS)、PER.C6、VERO、HsS78Bst、HEK-293T、HepG2、SP210、R1.1、B-W、L-M、BSC1、BSC40、YB/20、BMT10およびHsS78Bst細胞を含むが、これらに限定されない。ある実施形態において、本明細書において記載される抗GITRおよび/またはOX40抗体は、CHO細胞のような、哺乳類細胞において製造される。
【0301】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗体は、低減したフコース含量を有するか、またはフコース含量を有しない。かかる抗体は、当業者に公知の技術を使用して、製造され得る。例えば、抗体は、フコシル化する能力を欠損するか、または欠く細胞において発現され得る。特定の例において、α1,6-フコシルトランスフェラーゼの対立遺伝子両方のノックアウトを有する細胞株を使用して、低減したフコース含量を有する抗体が製造され得る。Potelligent(登録商標)system(ロンザ)は、低減したフコース含量を有する抗体を製造するために使用され得る、かかるシステムの例である。
【0302】
組換えタンパク質の長期間の高収率の製造のため、安定な発現細胞が作り出され得る。例えば、本明細書において記載される抗GITRおよび/またはOX40抗体を安定的に発現する細胞株が、操作され得る。
【0303】
本明細書において記載される抗体分子が、組換え発現により製造されると、それは、免疫グロブリン分子の精製について当該技術分野において公知の任意の方法により、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、具体的には、タンパク質A後の特異的な抗原に対する親和性、およびサイズ分類カラムクロマトグラフィー)、遠心分離、示差溶解度により、またはタンパク質の精製のための任意の他の標準的な技術により精製され得る。さらに、本明細書において記載される抗体を、本明細書において記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の異種性ポリペプチド配列に融合して、精製が促進され得る。
【0304】
特定の実施形態において、本明細書において記載される抗体は、単離されるか、または精製される。一般的に、単離された抗体は、単離された抗体と異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まないものである。例えば、ある実施形態において、本明細書において記載される抗体の調製物は、細胞材料および/または化学前駆体を実質的に含まない。専門用語「細胞材料を実質的に含まない」は、抗体が、それが単離されるか、または組換え産生される細胞の細胞成分から分離される、抗体の調製を含む。従って、細胞材料を実質的に含まない抗体は、約30%、20%、10%、5%、2%、1%、0.5%、もしくは0.1%(乾燥重量)未満の、異種性タンパク質(本明細書において「混入しているタンパク質」としても言及される)、および/または抗体のバリアント、例えば、抗体の異なる翻訳後修飾された形態を有する抗体の調製物を含む。抗体またはフラグメントは、組換え産生されるとき、それはまた、一般的に、培地を実質的に含まない、すなわち、培地は、タンパク質調製物の体積の約20%、10%、2%、1%、0.5%、または0.1%未満を表す。抗体またはフラグメントは、化学合成により製造されるとき、それは、一般的に、化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない、すなわち、それは、タンパク質の合成に関与する化学前駆体または他の化学物質から分離される。従って、抗体またはフラグメントのかかる調製物は、約30%、20%、10%、または5%(乾燥重量)未満の、対象の抗体またはフラグメント以外の化学前駆体または成分を有する。特定の実施形態において、本明細書において記載される抗体は、単離されるか、または精製される。
【0305】
7.4 医薬組成物
生理的に許容可能な担体、賦形剤または安定剤において所望の程度の純度を有する本明細書において記載される抗体を含む組成物が、本明細書において提供される(Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)Mack Publishing Co.,Easton,PA)。許容可能な担体、賦形剤、または安定剤は、利用される投薬量および濃度にて受取人に無毒である。
【0306】
本明細書において記載されるアゴニスト抗体を含む、本明細書において記載される医薬組成物は、GITRおよび/もしくはOX40活性を増強する、誘導するか、または活性化する際に、ならびに癌または感染性疾患のような、状態を処置する際に有用であり得る。本明細書において記載される方法に従い処置され得る癌の例は、B細胞リンパ腫(例えば、B細胞慢性リンパ性白血病、B細胞非ホジキンリンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、基底細胞癌、膀胱癌、芽細胞腫、脳転移、乳癌、バーキットリンパ腫、癌腫(例えば、(例えば、食道胃接合部の)腺癌)、頸部癌、結腸癌、結腸直腸癌(結腸癌および直腸癌)、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、濾胞性リンパ腫、胃癌、食道胃接合部の癌、胃腸癌、神経膠芽腫(例えば、多形神経膠芽腫、例えば、新たに診断された、または再発性)、グリオーマ、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌)、肝転移、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、腎臓癌(例えば、腎細胞癌およびウィルムス腫瘍)、喉頭癌、白血病(例えば、慢性骨髄性白血病、ヘアリーセル白血病)、肝臓癌(例えば、肝癌および肝細胞腫)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌および小細胞肺癌)、リンパ芽球性リンパ腫、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、転移性脳腫瘍、転移性癌、ミエローマ(例えば、多発性骨髄腫)、ニューロブラストーマ、眼メラノーマ、中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌(例えば、膵管腺癌)、前立腺癌(例えば、ホルモン不応性(例えば、去勢抵抗性)、転移性、転移性ホルモン不応性(例えば、去勢抵抗性、アンドロゲン非依存性))、腎細胞癌(例えば、転移性)、唾液腺癌、肉腫(例えば、横紋筋肉腫)、皮膚癌(例えば、メラノーマ(例えば、転移性メラノーマ))、軟部組織肉腫、固形腫瘍、扁平上皮癌、滑膜肉腫、精巣癌、甲状腺癌、移行上皮癌(尿路上皮細胞癌)、ぶどう膜黒色腫(例えば、転移性)、疣状癌、外陰癌、ならびにワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症を含むが、これらに限定されない。
【0307】
本明細書において記載されるアンタゴニスト抗体を含む、本明細書において記載される医薬組成物は、GITRおよび/またはOX40活性を低減するか、阻害するか、または不活性化する際、および炎症性または自己免疫疾患もしくは障害あるいは感染性疾患のような状態を処置する際に有用であり得る。
【0308】
本明細書において記載されるアンタゴニスト抗体を含む、本明細書において記載される医薬組成物は、GITRおよび/またはOX40活性を低減するか、不活性化するか、または阻害する際、ならびに感染(ウイルス、細菌、真菌および寄生虫)、感染と関連する内毒素性ショック、関節炎、関節リウマチ、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、骨盤内炎症性疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、ペロニー病、セリアック病、胆嚢疾患、毛巣病、腹膜炎、乾癬、脈管炎、外科的癒着、脳卒中、I型糖尿病、ライム病、関節炎、髄膜脳炎、ぶどう膜炎、自己免疫ぶどう膜炎、多発性硬化症、ループス(例えば、全身性エリテマトーデス)およびギラン・バレー症候群のような中枢および末梢神経系の免疫介在性炎症性疾患、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、線維性肺胞炎、グレーブス病、IgAネフロパシー、特発性血小板減少性紫斑病、メニエール病、天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、サルコイドーシス、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、膵炎、外傷(手術)、移植片対宿主疾患、移植片拒絶、心筋梗塞ならびにアテローム性動脈硬化症のような虚血性疾患を含む心疾患(すなわち、心血管疾患)、血管内凝固、骨吸収、骨粗鬆症、骨関節炎、歯周炎、低酸症、ならびに視神経脊髄炎からなる群から選択される状態を処置する際に有用であり得る。
【0309】
インビボ投与のため使用されるべき組成物は、無菌であり得る。これは、例えば、無菌濾過膜を通した濾過により容易に成し遂げられる。
【0310】
7.5 使用および方法
7.5.1 治療上の使用および方法
1つの態様において、それを必要とする対象に、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはかかる抗体を含む組成物を投与することを含む、対象において1つもしくは複数の免疫機能または応答を調整する方法が、本明細書において提示される。特有の態様において、それを必要とする対象に、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはかかる抗体を含む組成物を投与することを含む、対象において1つもしくは複数の免疫機能または応答を活性化するか、増強するか、または誘導する方法が、本明細書において提示される。特定の実施形態において、それを必要とする対象に、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、1つもしくは複数の免疫機能または応答を活性化するか、または増強することが望まれる、疾患を予防および/または処置する方法が、本明細書において提示される。ある実施形態において、それを必要とする対象に、GITRおよび/もしくはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、感染性疾患を処置する方法が、本明細書において提示される。ある実施形態において、それを必要とする対象に、GITRおよび/もしくはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、癌を処置する方法が、本明細書において提示される。癌は、メラノーマ、腎臓癌、および前立腺癌からなる群から選択され得る。癌は、メラノーマ、腎臓癌、前立腺癌、結腸癌、および肺癌からなる群から選択され得る。ある実施形態において、それを必要とする対象に、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、メラノーマを処置する方法が、本明細書において提示される。ある実施形態において、それを必要とする対象に、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、腎臓癌を処置する方法が、本明細書において提示される。ある実施形態において、それを必要とする対象に、GITRおよび/もしくはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、前立腺癌を処置する方法が、本明細書において提示される。ある実施形態において、それを必要とする対象に、GITRおよび/もしくはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、結腸癌を処置する方法が、本明細書において提示される。ある実施形態において、それを必要とする対象に、GITRおよび/もしくはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、肺癌を処置する方法が、本明細書において提示される。ある実施形態において、それを必要とする対象に、GITRおよび/もしくはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、非小細胞肺癌(NSCLC)を処置する方法が、本明細書において提示される。
【0311】
ある実施形態において、B細胞リンパ腫(例えば、B細胞慢性リンパ性白血病、B細胞非ホジキンリンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、基底細胞癌、膀胱癌、芽細胞腫、脳転移、乳癌、バーキットリンパ腫、癌腫(例えば、(例えば、食道胃接合部の)腺癌)、頸部癌、結腸癌、結腸直腸癌(結腸癌および直腸癌)、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、濾胞性リンパ腫、胃癌、食道胃接合部の癌、胃腸癌、神経膠芽腫(例えば、多形神経膠芽腫、例えば、新たに診断された、または再発性の)、グリオーマ、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌)、肝転移、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、腎臓癌(例えば、腎細胞癌およびウィルムス腫瘍)、喉頭癌、白血病(例えば、慢性骨髄性白血病、ヘアリーセル白血病)、肝臓癌(例えば、肝癌および肝細胞腫)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌および小細胞肺癌)、リンパ芽球性リンパ腫、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、転移性脳腫瘍、転移性癌、ミエローマ(例えば、多発性骨髄腫)、ニューロブラストーマ、眼メラノーマ、中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌(例えば、膵管腺癌)、前立腺癌(例えば、ホルモン不応性(例えば、去勢抵抗性)、転移性、転移性ホルモン不応性(例えば、去勢抵抗性、アンドロゲン非依存性))、腎細胞癌(例えば、転移性)、唾液腺癌、肉腫(例えば、横紋筋肉腫)、皮膚癌(例えば、メラノーマ(例えば、転移性メラノーマ))、軟部組織肉腫、固形腫瘍、扁平上皮癌、滑膜肉腫、精巣癌、甲状腺癌、移行上皮癌(尿路上皮細胞癌)、ぶどう膜黒色腫(例えば、転移性)、疣状癌、外陰癌、ならびにワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症からなる群から選択される癌を処置する方法が、本明細書において提示される。
【0312】
別の実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体を、癌と診断された患者に投与して、患者において、1つもしくは複数の免疫細胞集団(例えば、CD4かつCD8T細胞のようなT細胞エフェクター細胞)の増殖および/またはエフェクター機能が増大される。
【0313】
特定の実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、当該技術分野において周知のアッセイ、例えば、ELISPOT、ELISA、および細胞増殖アッセイを使用して、本明細書において記載されるGITRならびに/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体を投与されない対象における免疫機能と比べて、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、もしくは少なくとも10%、あるいは10%~25%、25%~50%、50%~75%、または75%~95%の範囲で、対象において1つもしくは複数の免疫機能または応答を活性化するか、あるいは増強するか、あるいは誘導する。特定の実施形態において、免疫機能は、サイトカイン産生(例えば、IL-2、TNF-α、IFN-γ、IL-4、IL-10、および/またはIL-13産生)である。別の実施形態において、免疫機能は、T細胞のマーカー(例えば、CD3、CD4、またはCD8)を発現する細胞の数を検出するために例えば、フローサイトメトリーによりアッセイされ得る、T細胞増殖/拡大である。別の実施形態において、免疫機能は、例えば、ELISAによりアッセイされ得る、抗体産生である。幾つかの実施形態において、免疫機能は、例えば、細胞毒性アッセイまたは当該技術分野において周知の他のアッセイによりアッセイされ得る、エフェクター機能である。別の実施形態において、免疫機能は、Th1応答である。別の実施形態において、免疫機能は、Th2応答である。別の実施形態において、免疫機能は、メモリー応答である。
【0314】
特定の実施形態において、GITRおよび/もしくはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体により増強されるか、または誘導され得る免疫機能の非限定的な例は、エフェクターリンパ球の増殖/拡大(例えば、エフェクターTリンパ球の数の増大)、およびエフェクターリンパ球(例えば、エフェクターTリンパ球)のアポトーシスの阻害である。ある実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/もしくはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体により増強されるか、または誘導される免疫機能は、CD4T細胞(例えば、Th1およびTh2ヘルパーT細胞)、CD8T細胞(例えば、細胞傷害性Tリンパ球、アルファ/ベータT細胞、およびガンマ/デルタT細胞)、B細胞(例えば、血漿細胞)、メモリーT細胞、メモリーB細胞、腫瘍常在性T細胞、CD122T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞)、マクロファージ、単球、樹状細胞、マスト細胞、好酸球、好塩基球、もしくは多形核白血球の数における増殖/拡大、またはその活性化である。1つの実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、リンパ球前駆細胞の増殖/拡大もしくは数を活性化するか、または増強する。幾つかの実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、陰性対照(例えば、本明細書において記載されるGITRおよび/もしくはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体で処理されていないか、培養されていない、または接触されていないそれぞれの細胞の数)と比べ、およそ少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、もしくは少なくとも10%、または10%~25%、25%~50%、50%~75%、もしくは75%~95%で、CD4T細胞(例えば、Th1およびTh2ヘルパーT細胞)、CD8T細胞(例えば、細胞傷害性Tリンパ球、アルファ/ベータT細胞、およびガンマ/デルタT細胞)、B細胞(例えば、プラズマ細胞)、メモリーT細胞、メモリーB細胞、腫瘍常在性T細胞、CD122T細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、マクロファージ、単球、樹状細胞、マスト細胞、好酸球、好塩基球、または多形核白血球の数を増大する。
【0315】
幾つかの実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、IDO(インドールアミン-(2,3)-ジオキシゲナーゼ)およびTDO(トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ)のような、免疫調節性酵素(複数を含む)を標的にする化合物と組み合わせて、対象に投与される。ある実施形態において、かかる化合物は、エパカドスタット(Incyte Corp)、F001287(Flexus Biosciences)、インドキシモド(NewLink Genetics)、およびNLG919(NewLink Genetics)からなる群から選択される。1つの実施形態において、化合物はエパカドスタットである。別の実施形態において、化合物はF001287である。別の実施形態において、化合物はインドキシモドである。別の実施形態において、化合物はNLG919である。
【0316】
幾つかの実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、ワクチンと組み合わせて対象に投与される。
【0317】
幾つかの実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、熱ショックタンパク質ベースの腫瘍ワクチンまたは熱ショックタンパク質ベースの病原体ワクチンと組み合わせて、対象に投与される。特定の実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、熱ショックタンパク質ベースの腫瘍ワクチンと組み合わせて、対象に投与される。熱ショックタンパク質(HSP)は、全ての種に渡り一様に見出される高度に保存されたタンパク質のファミリーである。それらの発現は、熱ショック、または毒素への曝露、酸化ストレスもしくはグルコース欠乏を含む他の形態のストレスの結果として、ずっと高いレベルまで強力に誘導され得る。5つのファミリーが、分子量に従い、HSP-110、-90、-70、-60および-28に分類されている。HSPは、T細胞活性化を導く、マクロファージおよび樹状細胞(DC)のような抗原提示細胞(APC)における交差提示経路を通じて免疫原性ペプチドをもたらす。HSPは、腫瘍特異的免疫を誘導することができる複合体を形成する、腫瘍関連抗原性ペプチドのシャペロン担体として機能する。瀕死の腫瘍細胞からの放出の際、HSP-抗原複合体は、抗原提示細胞(APC)により持ち上げられ、ここで、抗原は、抗腫瘍CD8+およびCD4+T細胞の活性化を導く、MHCクラスIおよびクラスII分子に結合するペプチドに処理される。腫瘍調製物に由来するHSP複合体により引き出された免疫は、それぞれの対象の癌により発現される固有の抗原性ペプチドレパートリーに対して特異的に指向される。
【0318】
熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)は、抗原性ペプチドと非共有結合で複合体を形成した熱ショックタンパク質からなるタンパク質ペプチド複合体である。HSPPCは、自然および適応免疫応答両方を誘発する。特定の実施形態において、抗原性ペプチド(複数を含む)は、処置されている癌に対する抗原性を提示する。HSPPCは、膜受容体(主に、CD91)を介してAPCにより、またはToll様受容体への結合により、効率的にサイズ分類される。HSPPC内部移行は、ナチュラルキラー細胞(NK)、単球ならびにTh1およびTh-2介在性免疫応答の活性化を導く、ケモカインならびにサイトカイン産生を伴うAPCの機能的成熟をもたらす。幾つかの実施形態において、本明細書において開示される方法において使用されるHSPPCは、抗原性ペプチドと複合体を形成させたストレスタンパク質のhsp60、hsp70、もしくはhsp90ファミリー由来の1つまたは複数の熱ショックタンパク質を含む。幾つかの実施形態において、HSPPCは、hsc70、hsp70、hsp90、hsp110、grp170、gp96、カルレティキュリン、またはその2つもしくはそれ以上の組み合わせを含む。
【0319】
特定の実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体を、熱ショックタンパク質ペプチド複合体(HSPPC)、例えば、熱ショックタンパク質ペプチド複合体96(HSPPC-96)と組み合わせて対象に投与して、癌が処置される。HSPPC-96は、抗原性ペプチドと複合体を形成させた、96kDa熱ショックタンパク質(Hsp)、gp96を含む。HSPPC-96は、対象の腫瘍から製造された癌免疫療法であり、癌の抗原性「フィンガープリント」を含有する。幾つかの実施形態において、このフィンガープリントは、特定の対象の特異的な癌細胞においてのみ存在する固有の抗原を含有し、ワクチンの注射は、特異的な癌フィンガープリントで任意の細胞を認識し、攻撃するように、対象の免疫系を刺激することが意図される。
【0320】
幾つかの実施形態において、HSPPC、例えば、HSPPC-96は、対象の腫瘍組織から産生される。特定の実施形態において、HSPPC(例えば、HSPPC-96)は、処置される癌またはその転移のタイプの腫瘍から産生される。別の特定の実施形態において、HSPPC(例えば、HSPPC-96)は、処置される対象にとって自己である。幾つかの実施形態において、腫瘍組織は、非壊死性腫瘍組織である。幾つかの実施形態において、非壊死性腫瘍組織少なくとも1グラム(例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10グラム)を使用して、ワクチン投薬計画が生み出される。幾つかの実施形態において、外科的切除後、非壊死性腫瘍組織は、ワクチン調製における使用に先立ち凍結される。幾つかの実施形態において、HSPPC、例えば、HSPPC-96は、精製技術により、腫瘍組織から単離され、濾過され、注射可能なワクチン用に調製される。幾つかの実施形態において、対象は、HSPPC、例えば、HSPCC-96 6~12用量を投与される。かかる実施形態において、HSPPC、例えば、HSPPC-96用量は、最初4用量を毎週、次に、2~8追加用量を隔週で投与されてもよい。
【0321】
本明細書において記載される方法に従い使用され得るHSPPCのさらなる例は、全目的のため参照により全体が本明細書に組み込まれる、以下の特許ならびに特許出願、米国特許第6,391,306号、第6,383,492号、第6,403,095号、第6,410,026号、第6,436,404号、第6,447,780号、第6,447,781号および第6,610,659号において開示される。
【0322】
1つの態様において、本明細書において提示される対象において1つもしくは複数の免疫機能または応答を調整する方法は、それを必要とする対象に、GITRおよび/もしくはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、対象において1つもしくは複数の免疫機能または応答を不活性化するか、低減するか、あるいは阻害する方法である。特定の実施形態において、それを必要とする対象に、GITRおよび/またはOX40に結合する多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、1つもしくは複数の免疫機能または応答を不活性化するか、低減するか、あるいは阻害することが望まれる、疾患を予防および/あるいは処置する方法が、本明細書において提示される。
【0323】
ある実施形態において、それを必要とする対象に、有効量の、GITRおよび/またはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体、またはその組成物を投与することを含む、自己免疫または炎症性疾患もしくは障害を処置する方法が、本明細書において提示される。ある実施形態において、疾患または障害は、感染(ウイルス、細菌、真菌および寄生虫)、感染と関連する内毒素性ショック、関節炎、関節リウマチ、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、骨盤内炎症性疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、ペロニー病、セリアック病、胆嚢疾患、毛巣病、腹膜炎、乾癬、脈管炎、外科的癒着、脳卒中、I型糖尿病、ライム病、関節炎、髄膜脳炎、ぶどう膜炎、自己免疫ぶどう膜炎、多発性硬化症、ループス(例えば、全身性エリテマトーデス)およびギラン・バレー症候群のような中枢および末梢神経系の免疫介在性炎症性疾患、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、線維性肺胞炎、グレーブス病、IgAネフロパシー、特発性血小板減少性紫斑病、メニエール病、天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、サルコイドーシス、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、膵炎、外傷(手術)、移植片対宿主疾患、移植片拒絶、心筋梗塞ならびにアテローム性動脈硬化症のような虚血性疾患を含む心疾患(すなわち、心血管疾患)、血管内凝固、骨吸収、骨粗鬆症、骨関節炎、歯周炎、低酸症、ならびに視神経脊髄炎からなる群から選択される。ある実施形態において、自己免疫または炎症性疾患もしくは障害は、移植片拒絶、移植片対宿主疾患、脈管炎、喘息、関節リウマチ、皮膚炎、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎、ループス、大腸炎、糖尿病、多発性硬化症、または気道炎症である。ある実施形態において、対象はヒトである。
【0324】
別の実施形態において、GITRおよび/またはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体を、自己免疫または炎症性疾患もしくは障害と診断された患者に投与して、患者において、1つもしくは複数の免疫細胞集団(例えば、CD4およびCD8T細胞のようなT細胞エフェクター細胞)の増殖および/またはエフェクター機能が低下される。ある実施形態において、自己免疫または炎症性疾患もしくは障害は、移植片拒絶、移植片対宿主疾患、脈管炎、喘息、関節リウマチ、皮膚炎、炎症性腸疾患、ぶどう膜炎、ループス、大腸炎、糖尿病、多発性硬化症、または気道炎症である。
【0325】
特定の実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、当該技術分野において周知のアッセイ、例えば、ELISPOT、ELISA、および細胞増殖アッセイを使用して、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体を投与されない対象における免疫機能と比べて、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、もしくは少なくとも10%、または10%~25%、25%~50%、50%~75%、もしくは75%~95%の範囲で、対象において1つもしくは複数の免疫機能または応答を不活性化するか、あるいは低減するか、あるいは阻害する。特定の実施形態において、免疫機能は、サイトカイン産生(例えば、IL-2、TNF-α、IFN-γ、IL-4、IL-10、および/またはIL-13産生)である。別の実施形態において、免疫機能は、T細胞のマーカー(例えば、CD3、CD4、またはCD8)を発現する細胞の数を検出するために、例えば、フローサイトメトリーによりアッセイされ得る、T細胞増殖/拡大である。別の実施形態において、免疫機能は、例えば、ELISAによりアッセイされ得る、抗体産生である。幾つかの実施形態において、免疫機能は、エフェクター機能であり、例えば、細胞毒性アッセイまたは当該技術分野において周知の他のアッセイによりアッセイされ得る。別の実施形態において、免疫機能は、Th1応答である。別の実施形態において、免疫機能は、Th2応答である。別の実施形態において、免疫機能は、メモリー応答である。
【0326】
特定の実施形態において、GITRおよび/もしくはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体により低減されるか、または阻害され得る免疫機能の非限定的な例は、エフェクターリンパ球の増殖/拡大(例えば、エフェクターTリンパ球の数の低下)、およびエフェクターリンパ球(例えば、エフェクターTリンパ球)のアポトーシスの刺激である。ある実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/もしくはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体により低減されるか、または阻害される免疫機能は、CD4T細胞(例えば、Th1およびTh2ヘルパーT細胞)、CD8T細胞(例えば、細胞傷害性Tリンパ球、アルファ/ベータT細胞、およびガンマ/デルタT細胞)、B細胞(例えば、プラズマ細胞)、メモリーT細胞、メモリーB細胞、腫瘍常在性T細胞、CD122T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞)、マクロファージ、単球、樹状細胞、マスト細胞、好酸球、好塩基球、もしくは多形核白血球の数における増殖/拡大、またはその活性化である。1つの実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、リンパ球前駆細胞の増殖/拡大もしくは数を不活性化するか、または低減する。幾つかの実施形態において、本明細書において記載されるGITRおよび/またはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体は、陰性対照(例えば、本明細書において記載されるGITRおよび/もしくはOX40に結合するアンタゴニスト多特異性(例えば、二重特異性)抗体で処理されていない、培養されていない、または接触されないそれぞれの細胞の数)と比べ、およそ少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、もしくは少なくとも10%、または10%~25%、25%~50%、50%~75%、もしくは75%~95%で、CD4T細胞(例えば、Th1およびTh2ヘルパーT細胞)、CD8T細胞(例えば、細胞傷害性Tリンパ球、アルファ/ベータT細胞、およびガンマ/デルタT細胞)、B細胞(例えば、プラズマ細胞)、メモリーT細胞、メモリーB細胞、腫瘍常在性T細胞、CD122T細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、マクロファージ、単球、樹状細胞、マスト細胞、好酸球、好塩基球、または多形核白血球の数を低下させる。
【0327】
7.5.1.1 投与および投薬の経路
本明細書において記載される抗体または組成物は、様々な経路により、対象にデリバリーされ得る。
【0328】
状態の処置および/もしくは予防において有効であるであろう抗体または組成物の量は、疾患の性質に依存するであろうし、標準的な臨床技術により決定され得る。
【0329】
組成物において利用されるべき正確な用量はまた、投与の経路、および疾患の重症度に依存するであろうし、施術者の判断およびそれぞれの対象の状況に従い、決定されるべきである。例えば、有効な用量はまた、投与の手段、標的部位、患者の生理学的状態(年齢、体重および健康状態を含む)、患者がヒトもしくは動物であるかどうか、投与される他の医薬、または処置が予防または治療であるかどうかに依存して変動してもよい。通常、患者はヒトであるが、遺伝子導入哺乳類を含む非ヒト哺乳類もまた処置され得る。処置投薬量を、最適にタイトレーションして、安全性および有効性が最適化される。
【0330】
ある実施形態において、インビトロアッセイを利用して、最適な投薬範囲を同定することが助けられる。有効な用量は、インビトロまたは動物モデル試験システムに由来する用量応答曲線から推定されてもよい。
【0331】
一般的に、ヒト抗体は、外来ポリペプチドへの免疫応答に起因して、他の種由来の抗体より、ヒト抗体内でより長い半減期を有する。従って、より少ない用量のヒト抗体およびより低い頻度の投与が、頻繁に可能である。
【0332】
7.5.2 検出および診断上の使用
本明細書において記載される抗OX40抗体(例えば、セクション7.2を参照)を使用して、酵素結合免疫吸着(ELISA)のようなイムノアッセイ、免疫沈降、またはウエスタンブロッティングを含む、当業者に公知の古典的な免疫組織学的方法を使用して、生物学的試料においてOX40タンパク質レベルがアッセイされ得る。安定な抗体アッセイ標識は、当該技術分野において公知であり、グルコース酸化酵素のような酵素標識;ヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(H)、インジウム(121In)、およびテクネシウム(99Tc)のようなラジオアイソトープ;ルミノールのような発光標識;ならびにフルオレセインおよびローダミン、およびビオチンのような蛍光標識を含む。かかる標識を使用して、本明細書において記載される抗体が標識され得る。あるいは、本明細書において記載される抗OX40抗体を認識する2次抗体が、標識され、それを、抗OX40抗体と組み合わせて使用して、OX40タンパク質レベルが検出され得る。
【0333】
OX40タンパク質の発現レベルについてアッセイすることは、直接的(例えば、絶対的タンパク質レベルを決定するか、もしくは推定することにより)、または比較的(例えば、第2の生物学的試料における疾患関連タンパク質レベルと比較することにより)のいずれかで、第1の生物学的試料におけるOX40タンパク質のレベルを定性的もしくは定量的に測定または推定することを含むことが意図される。第1の生物学的試料におけるOX40ポリペプチド発現レベルが、測定されるか、または推定され、標準的OX40タンパク質レベル、障害を有していない個体から得られた第2の生物学的試料から解釈されている、または障害を有していない個体の集団からレベルを平均化することにより決定されている標準と比較され得る。当該技術分野において理解される通り、「標準的な」OX40ポリペプチドレベルが公知であると、それは、比較用の標準として繰り返し使用され得る。
【0334】
本明細書において使用される、用語「生物学的試料」は、対象、細胞株、組織、またはOX40を潜在的に発現する細胞の他の供給源から得られる任意の生物学的試料を指す。動物(例えば、ヒト)から組織生検および体液を得る方法は、当該技術分野において周知である。生物学的試料は、抹消単核血液細胞を含む。
【0335】
本明細書において記載される抗OX40抗体は、技術者に周知および標準的な、ならびに本記載に基づくインビトロならびにインビボ適用を含む、予後適用、診断適用、モニタリングならびにスクリーニング適用のため使用され得る。免疫系の状態および/または免疫応答のインビトロ判断および評価のための、予後アッセイ、診断アッセイ、モニタリングおよびスクリーニングアッセイならびにキットは、免疫不全を有することが分かっているか、もしくは有することが疑われるもの、あるいは予想されるもしくは所望の免疫系応答、抗原応答、またはワクチン応答に関するものを含む患者試料を評価するために予想し、診断し、モニタリングするために利用されてもよい。免疫系状態および/または免疫応答の判断ならびに評価はまた、異なる薬剤もしくは抗体に対抗した、薬物の臨床試験について、または特定の化学療法剤もしくは抗体の投与について(その組み合わせを含む)、患者の適合性を決定する際に有用である。この種の予後および診断のモニタリングならびに判断は、アッセイが、Herceptin(登録商標)を使用する抗体療法について患者を評価するためにも使用される、乳癌においてHER2タンパク質に対する抗体を利用して、既に実施中である(HercepTest(商標)、Dako)。インビボ適用は、指向された細胞療法、および免疫系調整、および免疫応答の放射線画像化を含む。
【0336】
1つの実施形態において、抗OX40抗体は、生検試料の免疫組織化学において使用され得る。
【0337】
別の実施形態において、抗OX40抗体を使用して、OX40のレベル、または膜表面にOX40を含有する細胞のレベルが検出され得、次に、そのレベルが、ある種の疾患症状と結び付けられ得る。本明細書において記載される抗OX40抗体は、検出可能または機能的標識を有してもよい。蛍光標識が使用されるとき、当該技術分野において公知の、現在利用可能な顕微鏡および蛍光活性化細胞選別解析(FACS)または両方の方法手法の組み合わせを利用して、特異的な結合メンバーが同定され、定量されてもよい。本明細書において記載される抗OX40抗体は、蛍光標識を有し得る。典型的な蛍光標識は、例えば、反応性および結合したプローブ、例えば、アミノクマリン、フルオレセインおよびテキサスレッド、Alexa Fluor色素、Cy色素、ならびにDyLight色素を含む。抗OX40抗体は、アイソトープH、14C、32P、35S、36Cl、51Cr、57Co、58Co、59Fe、67Cu、90Y、99Tc、111In、117Lu、121I、124I、125I、131I、198Au、211At、213Bi、225Acおよび186Reのような、放射性標識を有し得る。放射性標識が使用されるとき、当該技術分野において公知の、現在入手可能なカウント手法を利用して、OX40(例えば、ヒトOX40)への抗OX40抗体の特異的結合が同定され、定量されてもよい。標識が酵素である場合において、検出は、当該技術分野において公知の、現在利用される比色分析技術、分光光度技術、蛍光分光光度技術、電流測定技術、または気体定量技術のいずれかにより成し遂げられてもよい。これは、試料または対照試料を抗OX40抗体と、抗体とOX40の間での複合体の形成を可能にする条件下で接触させることにより、達成され得る。抗体とOX40の間で形成される任意の複合体は、検出され、試料と対照において比較される。OX40について本明細書において記載される抗体の特異的結合に照らして、その抗体を使用して、細胞の表面上でのOX40発現が特異的に検出され得る。本明細書において記載される抗体をまた使用して、免疫親和性精製を介してOX40が精製され得る。
【0338】
例えば、OX40またはOX40/OX40L複合体の存在の程度の定量的解析のための試験キットの形態で調製されてもよいアッセイシステムはまた、本明細書において含まれる。システムまたは試験キットは、標識された成分、例えば、標識された抗体、および1つまたは複数のさらなる免疫化学試薬を含んでもよい。例えば、キットの詳細については以下のセクション7.6を参照。
【0339】
7.6 キット
本明細書において記載される1つもしくは複数の抗体、またはその結合物を含むキットが、本明細書において提供される。特定の実施形態において、本明細書において提供される1つもしくは複数の抗体のような、本明細書において記載される医薬組成物の成分の1つまたは複数を充填した1つあるいは複数の容器を含む医薬パックあるいはキットが、本明細書において提供される。幾つかの実施形態において、キットは、本明細書において記載される医薬組成物、および本明細書において記載されるもののような、任意の予防または治療剤を含有する。ある実施形態において、キットは、例えば、植物性凝集素(PHA)および/もしくはホルボールミリスチン酸アセテート(PMA)のようなT細胞マイトジェン、または抗CD3抗体および抗CD28抗体のようなTCR複合体刺激抗体を含有してもよい。ヒト投与のための製造、使用、または販売の機関による承認を示す、医薬もしくは生物学的製品の製造、使用、または販売を規制する政府機関により規定された形態の通知が、場合により、かかる容器(複数を含む)と結び付けられ得る。
【0340】
上記の方法において使用され得るキットもまた、本明細書において提供される。1つの実施形態において、キットは、1つまたは複数の容器において、本明細書において記載される抗体、好ましくは、精製された抗体を含む。特定の実施形態において、本明細書において記載されるキットは、対照として使用され得る、実質的に単離されたOX40抗原(例えば、ヒトOX40)を含有する。別の特定の実施形態において、本明細書において記載されるキットは、OX40抗原と反応しない対照抗体をさらに含む。別の特定の実施形態において、本明細書において記載されるキットは、OX40抗原への抗体の結合を検出するため1つまたは複数のエレメントを含有する(例えば、抗体は、蛍光化合物、酵素基質、放射性化合物もしくは発光化合物のような検出可能な基質に結合され得る抗体、または1次抗体を認識する2次抗体に、検出可能な基質を結合させ得る)。特定の実施形態において、本明細書において提供されるキットは、組換え製造された、または化学的に合成されたOX40抗原を含み得る。キットにおいて提供されるOX40抗原はまた、固体支持体に結合され得る。より特定の実施形態において、上記キットの検出手段は、OX40抗原が結合される固体支持体を含む。かかるキットはまた、結合していないレポーター標識抗ヒト抗体または抗マウス/ラット抗体を含み得る。この実施形態において、抗体のOX40抗原への結合は、当該レポーター標識抗体の結合により検出され得る。
【0341】
以下の実施例は、制限の目的ではなく、説明の目的で与えられる。
【実施例
【0342】
8.実施例
このセクション(すなわち、セクション8)における実施例は、説明の目的だが、制限の目的ではなく、提示される。
【0343】
8.1 実施例1 腫瘍内制御性T細胞上のGITRおよびOX40発現の特徴決定
腫瘍内制御性T細胞(Treg)およびエフェクターT細胞(Teff)上でのGITRならびにOX40の発現を、フローサイトメトリーを使用して特徴付けた。簡単に言うと、複数の腫瘍種類(卵巣、ステージIIC;結腸直腸、ステージIIIB;子宮内膜、ステージIB;腎臓、ステージIII;および非小細胞肺癌、ステージII)由来の冷凍保存した腫瘍細胞を、Conversant Bio,LLCから得た。治療介入に先立ち、腫瘍細胞を単離した。解凍後、細胞を、ヒトFc受容体ブロック(FcR block、Biolegend(登録商標))で15分間室温にて処理して、非特異的結合を低減した。試料を2回洗浄した。全て2.5μg/mlの、CD4を認識する抗体(BV605、OKT4、ロット番号B185762)、CD127を認識する抗体(APC、A019D5、ロット番号B193084)およびCD25を認識する抗体(PECy7、M-A251、ロット番号B190207)、Zombie Green(商標)fixable viability dye(FITC、ロット番号B201900)、ならびに抗OX40抗体(PE、BER-ACT35、ロット番号B203538)、抗GITR抗体(PE、110416、ロット番号LAV0614061)、または同族のアイソタイプ対照抗体(PE、MOPC-21、ロット番号B197832)を含有する抗体カクテルを、FACSバッファー(PBS、2mM EDTA、0.5%BSA、pH7.2)において希釈し、それぞれの試料に加えた。試料を、30分間4℃にてインキュベーションした。染色に先立ち、単一染色補償対照(CD45-FITC、CD45-PE、CD45-PECy7、CD45-APC、およびCD45-BV605;全てクローンH130)のため、さらなる試料を別にセットした。次に、試料を、FACSバッファーにおいて3回洗浄し、1X fix-perm buffer(Foxp3 staining kit、eBioscience)において45分間室温にて暗所でインキュベーションした。固定後、細胞を、1X permeabilization buffer(Foxp3 staining kit、eBioscience)において3回洗浄し、1X permeabilization bufferにおいて希釈した2.5μg/mlの抗FOXP3またはラットIgG2a抗体と共に、45分間4℃にてインキュベーションした。試料を、1X permeabilization bufferにおいて2回洗浄し、FACSバッファーに再懸濁し、LSRFortessa flow cytometer(ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)を使用して解析した。FACSプロットを、FACS DIVAとWEHI Weaselソフトウエアの組み合わせを使用して解析した。
【0344】
エフェクターT細胞を、CD4+CD127+CD25+/-FOXP3-と定義した。制御性T細胞を、CD4+CD127-CD25+FOXP3+と定義した。図1Aにおいて示す通り、子宮内膜癌腫瘍組織、腎細胞癌(RCC)腫瘍組織、および非小細胞肺癌(NSCLC)腫瘍組織由来の腫瘍内制御性T細胞は、GITRおよびOX40の上昇した発現を示し、一方、同じ腫瘍組織由来の腫瘍内エフェクターT細胞は示さなかった。
【0345】
受容体の定量のため、予め定義した数のPE分子を有するビーズ(Quantum(商標)R-PE MESF;バングスラボラトリーズ社)を、定義した装置設定を使用して解析した。ビーズと既に解析したGITR/OX40抗体両方についての平均蛍光強度(MFI)を使用して、腫瘍内制御性T細胞およびエフェクターT細胞について予想した数のGITRおよびOX40受容体を計算した。
【0346】
卵巣腫瘍組織、結腸直腸癌(CRC)腫瘍組織、子宮内膜癌腫瘍組織、RCC腫瘍組織、およびNSCLC腫瘍組織由来の制御性T細胞全てが、同じ腫瘍組織由来のエフェクターT細胞より、GITRおよびOX40の高い発現を示した(図1B)。
【0347】
8.2 実施例2 抗GITR/OX40二重特異性抗体の特徴決定
この実施例において、ジェンマブのDuoBodyテクノロジーを使用して構築した抗GITR/OX40二重特異性抗体を、それらの結合および機能特徴について調べた。DuoBody pab1876×pab2049およびDuoBody pab1876×pab1949両方が、GITR結合アーム(pab1876)およびOX40結合アーム(pab2049またはpab1949)を含む。3つのさらなるDuoBody抗体:DuoBody pab1876×アイソタイプ、DuoBody pab2049×アイソタイプ、およびDuoBody pab1949×アイソタイプを対照として使用した。これらのDuoBody抗体の重鎖および軽鎖配列に対応する配列番号を、表10において列挙する。加えて、二価単一特異性抗体pab1876、pab2049、およびpab1949wをまた、幾つかの実験において使用した。pab1876wは、配列番号29の重鎖、および配列番号37の軽鎖を含むIgG抗体である。pab1876は、それが、フレームにおける可変領域の定常領域へのクローニングを促進する、Kabatに従い番号付けられた、軽鎖定常ドメインにおけるT109S置換(すなわち、野生型軽鎖定常ドメインと比べて、位置109のスレオニンのセリンでの置換)を含有することを除き、pab1876wと同じ重および軽鎖配列を含む。この変異は、抗体結合または機能に影響しない保存的修飾である。pab2049wは、配列番号59の重鎖、および配列番号67の軽鎖を含むIgG抗体である。pab2049は、Kabatに従い番号付けられた、軽鎖定常領域におけるT109S変異を除きpab2049wと同じ重および軽鎖配列を含む。pab1949wは、配列番号59の重鎖、および配列番号69の軽鎖を含むIgG抗体である。pab1949は、Kabatに従い番号付けられた、軽鎖定常領域におけるT109S変異を除きpab1949wと同じ重および軽鎖配列を含む。
【表10】
【0348】
8.2.1 抗GITR/OX40二重特異性抗体の選択性
GITRおよびOX40に対するDuoBody pab1876×pab2049の選択性を、懸濁アレイテクノロジーを使用して、TNFRスーパーファミリーの他のメンバーに対して評価した。組換えヒトGITR-His(Sino Biological、50μg/ml)、組換えヒトOX40-His(Sino Biological、50μg/ml)、組換えヒトリンホトキシンベータ受容体(LTBR)-Fc(アクロバイオシステムズ社、65μg/ml)、組換えヒト死受容体6(DR6)-bio(Sino Biological、50μg/ml)、アポトーシス受容体の組換えヒト腫瘍壊死因子様弱インデューサー(TWEAKR)-Fc(Sino Biological、50μg/ml)、組換えヒトCD137-Fc(SrtA-bio、50μg/ml)、および組換えヒトB細胞活性化因子受容体(BAFFR)-Fc(R&Dシステムズ、50μg/ml)を含む、TNFRスーパーファミリーの多数の組換えタンパク質を、ヤギ抗ヒトIgGF(ab’)(Jackson Immuno Research、COOH結合、100μg/ml、pH5.0)を使用して、Luminex(登録商標)ビーズに結合させた。次に、複数の濃度(8333、833.3、83.3、および8.33ng/ml、終)のDuoBody pab1876×pab2049を、抗原結合ビーズと共に、1時間20℃にて(暗所において650RPM)インキュベーションした。非特異的結合を取り除くための洗浄(PBSにおいて2回)後、ビーズを、検出抗体(フィコエリトリンでコートしたヤギ抗huIgG F(ab’)、2.5μg/ml、終)と共に、1時間20℃にて(暗所において650RPM)インキュベーションした。次に、ビーズを2回洗浄し、Luminex 200(登録商標)上で読み取った。閾値より上(+)または下(-)の結合を、(LX200対照に基づく)カットオフ検出値により決定した。
【0349】
DuoBody pab1876×pab2049は、ヒトGITRおよびOX40への特異的結合を示し、他のTNFRファミリーメンバーへの有意な結合を、試験した濃度で観察しなかった(表11)。
【表11】
【0350】
8.2.2 GITRおよびOX40を発現する細胞への抗GITR/OX40二重特異性抗体の結合
GITRおよびOX40を同時発現する細胞、GITRのみを発現する細胞、およびOX40のみを発現する細胞へのDuoBody pab1876×pab2049の結合を、フローサイトメトリーにより調べた。
【0351】
Hut102細胞(ヒトT細胞リンパ腫、ATCC)を、72時間、1μg/ml植物性凝集素(PHA)および10%熱失活FBSを添加したRPMI培地において、37℃および5%COにてインキュベーションして、GITRおよびOX40発現を誘導した。ジャーカット細胞へのレンチウイルスベクター(EF1aプロモーター)の伝達により、GITRまたはOX40を異所性に発現する細胞を作り出した。シングルセルソーティング(FACS ARIA Fusion)を介して、安定なクローンを作り出した。フローサイトメトリーにより、発現を検証した。結合解析のため、安定なジャーカット細胞または活性化Hut102細胞を、FACSバッファー(PBS、2mM EDTA、0.5%BSA、pH7.2)において希釈した試験抗体(12箇所の用量タイトレーション、0.01~10,000ng/ml)と共に、30分間4℃にてインキュベーションした。試料をFACSバッファーにおいて2回洗浄し、次に、APC結合マウス抗ヒトカッパ検出抗体(ライフテクノロジーズ、HP6062)と共に、30分間4℃にてインキュベーションした。次に、試料を2回洗浄し、LSRFortessa flow cytometer(ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)を使用して解析した。FACSプロットを、FACS DIVAとWEHI Weaselソフトウエアの組み合わせを使用して解析した。Graphpad Prismソフトウエアで、データをプロットした。
【0352】
図2Aにおいて示す通り、DuoBody pab1876×pab2049は、二価単一特異性抗体pab1876およびpab2049と比較して、GITRならびにOX40を同時発現する細胞への増強した結合を示した。いずれかのアームの、2つの対照DuoBody抗体、pab1876×アイソタイプ、およびpab2049×アイソタイプにおけるアイソタイプアームでの置換が、活性化Hut102細胞への低減した結合を導いたので、アーム両方が、GITRおよびOX40を同時発現する細胞への増強した結合に関与する。予想した通り、GITRまたはOX40のみを発現するが、両方を発現しない細胞に対して、試験した最高濃度を除き全てで、DuoBody pab1876×pab2049は、二価単一特異性抗体pab1876およびpab2049より弱く結合した(図2Bおよび2C)。
【0353】
8.2.3 FcγRIIIAレポーター細胞株に対する抗GITR/OX40二重特異性抗体の効果
次に、GITRおよびOX40に関与し、FcγRIIIAを介してシグナル伝達するDuoBody pab1876×pab2049の能力を、FcγRIIIAを発現するレポーター細胞株(プロメガ)を、GITRおよびOX40を同時発現する標的細胞と一緒に使用して、評価した。FcγRIIIA V158バリアント、およびホタルルシフェラーゼの発現をもたらすNFAT応答エレメントを安定的に発現する、操作したジャーカット細胞を、エフェクター細胞として使用した。抗原が標的細胞の表面に位置する、抗体/抗原複合体のFcγRIIIAへの結合は、エフェクター細胞のプロモーター/レポーターにシグナル伝達し、ルシフェラーゼ遺伝子転写をもたらす。
【0354】
天然の制御性T細胞(nTreg)を活性化して、GITRおよびOX40を同時発現する細胞を作り出した。Ficoll gradient(Research Blood Components,LLC)を介して健常ドナーバフィーコートからPBMCを単離し、磁気ベースのnTreg濃縮(Mitenyi Biotec、130-093-631、ロット5150629039)の対象にした。次に、Miltenyi Biotec’s Treg Expansion Kit(130-095-345、ロット5150420196)を使用して、8日間、10%熱失活FBSを添加したRPMI培地において、37℃および5%COにて、細胞を活性化した。Treg Expansion Kitを含有する新鮮培地を、単離したnTregに3~4日毎に加えた。8日目に、フローサイトメトリーにより、GITRおよびOX40の細胞発現を確認した。簡単に言うと、20,000個の細胞を、ヒトFc受容体ブロックで15分間室温にて処理して、非特異的結合(FcR block、Biolegend)を低減した。試料を2回洗浄し、全て2.5μg/mlの、CD4を認識する抗体(BV605、OKT4、ロットB185762)、CD127を認識する抗体(APC、A019D5、ロットB193084)、およびCD25を認識する抗体(PECy7、M-A251、ロットB195168)、ならびにZombie Green(商標)fixable viability dye(FITC、ロットB201900)、ならびに抗OX40抗体(PE、BER-ACT35、ロット番号B203538)、抗GITR抗体(PE、110416、ロット番号LAV0614061)、または同族のアイソタイプ対照抗体(PE、MOPC-21、ロット番号B197832)を含有する抗体カクテルを、FACSバッファー(PBS、2mM EDTA、0.5%BSA、pH7.2)において希釈し、それぞれの試料に加え、30分間4℃にてインキュベーションした。染色に先立ち、単一染色補償対照(CD45-FITC、CD45-PE、CD45-PECy7、CD45-APC、およびCD45-BV605;全てクローンH130)のため、さらなる試料を別にセットした。次に、試料を、FACSバッファーにおいて3回洗浄し、1X fix-perm buffer(Foxp3 staining kit、eBioscience、ロットE00029-1691)において45分間室温にて暗所でインキュベーションした。固定後、細胞を、1X permeabilization buffer(Foxp3 staining kit、eBioscience)において3回洗浄し、1X permeabilization bufferにおいて希釈した2.5μg/mlの抗FOXP3(eFluor450、PCH101、ロットE11056-1635)またはラットIgG2a(eFluor450、eBR2a、ロットE08519-1633)抗体と共に、45分間4℃にてインキュベーションした。試料を、1X permeabilization bufferにおいて2回洗浄し、FACSバッファーに再懸濁し、LSRFortessa flow cytometer(ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)を使用して解析した。
【0355】
図3Aにおいて示す通り、活性化したnTregは、細胞表面上でGITRとOX40両方を発現した。
【0356】
FcγRIIIAレポーター細胞に対する影響を評価するために、8日間活性化した125,000個のnTregを、増加する濃度(6箇所の用量タイトレーション、0.04~10μg/ml)のDuoBody pab1876×pab2049、二価単一特異性抗体pab1876、二価単一特異性抗体pab2049、またはアイソタイプ対照抗体と共にインキュベーションした。FcγRIIIAV158発現NFATレポーター細胞を、4%熱失活低IgG FBSを添加したRPMI培地中1:1の比の抗体とnTregの混合物(125,000個の細胞)に、37℃および5%COにて加えた。20時間のインキュベーション後、Bio-Glo(商標)Luciferase Assay Substrate(プロメガ、G720A)を、それぞれの試料に加えた(1:1v/v)。EnVision(登録商標)Multilabel Plate Reader(パーキンエルマー)を使用して、発光を測定した。FACS DIVAとWEHI Weaselソフトウエアの組み合わせを使用して、FACSプロットを解析した。Graphpad Prismソフトウエアで、データをプロットした。
【0357】
DuoBody pab1876×pab2049が、二価単一特異性抗体pab1876およびpab2049と比較して、GITRおよびOX40を同時発現する細胞への増強した結合を示した(図2A)という知見と一致して、GITRおよびOX40を同時発現するnTregに結合したとき、DuoBody pab1876×pab2049は、pab1876およびpab2049が示したものより、FcγRIIIAのより強い活性化を示した(図3B)。
【0358】
さらに、GITRまたはOX40に関与し、FcγRIIIAを介してシグナル伝達するDuoBody pab1876×pab2049の能力を、上記FcγRIIIA発現レポーター細胞株をGITRまたはOX40を発現するが、両方を発現しない標的細胞と一緒に使用して、評価した。簡単に言うと、GITRまたはOX40を発現するジャーカット標的細胞をカウントし、4%低IgG FBSを含むRPMI-1640中の濃度6×10細胞/mlにて再懸濁した。複数の96ウェル白色アッセイプレートの内側の60ウェルのそれぞれのウェルに、細胞懸濁液25μlを加えた。試験抗体を、10μg/mlの開始終濃度と共に3倍希釈で連続希釈した。2重のウェルにおいて、それぞれの抗体希釈液25μlを標的細胞に加えた。最後に、FcγRIIIAV158を発現するNFATレポーター細胞を、4%低IgG FBSを含むRPMI-1640中6×10細胞/mlの濃度にて再懸濁した。これらのレポーター細胞25μlを、それぞれのウェルに加え、これは、1:1の標的に対するエフェクター比をもたらした。プレートを、20時間37℃および5%COにてインキュベーションした。このインキュベーション後、Bio-Glo Luciferase Assay Reagent(プロメガ)を室温にて解凍し、75μlを、96ウェル白色アッセイプレートのそれぞれのウェルに加えた。5~10分以内に、EnVision multilabel plate reader(パーキンエルマー)を使用して、発光を測定した。それぞれの試料の測定値からバックグラウンドの発光(ウェルの外側のブランク)を引き、調節した相対的光単位(RLU)を記録した。Graphpad Prismソフトウエアで、データをプロットした。試験した抗体は、DuoBody pab1876×pab2049、二価抗GITR抗体pab1876(F405L/F405L)、二価抗OX40抗体pab2049(K409R/K409R)、DuoBody pab1876×アイソタイプ、DuoBody pab2049×アイソタイプ、およびアイソタイプ対照抗体であった。抗体pab1876(F405L/F405L)は、重鎖定常領域両方において、EU番号制に従い番号付けられた、F405L置換を含み、抗体pab2049(K409R/K409R)は、重鎖定常領域両方において、EU番号制に従い番号付けられた、K409R置換を含む。
【0359】
GITRまたはOX40のみを発現するが、両方を発現しない細胞について、DuoBody pab1876×pab2049が、pab1876ならびにpab2049がしたものより弱く結合した(図2Bおよび2C)という知見と一致して、GITRまたはOX40を発現するが、両方を発現しないジャーカット細胞に結合したとき、DuoBody pab1876×pab2049は、pab1876(F405L/F405L)ならびにpab2049(K409R/K409R)が試験した最高濃度を除き全ての濃度にて示したものより、FcγRIIIAの弱い活性化を示した(図3Cおよび3D)。
【0360】
8.2.4 NK細胞介在性ADCC活性に対する抗GITR/OX40二重特異性抗体の効果
この実施例において、GITRおよびOX40を同時発現する細胞に対するナチュラルキラー(NK)細胞介在性抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を誘導するDuoBody pab1876×pab2049の能力を調べた。
【0361】
健常ドナーバフィーコート(Research Blood Components,LLC)からフィコール密度勾配を介して単離したヒトPBMCを、磁気ビーズ単離(MACS、Miltenyi、130-094-775)を使用して、エフェクターT細胞または天然のTregについて濃縮した。濃縮したエフェクターT細胞またはTregを、CD3-CD28マイクロビーズ(1:1のビーズ:細胞、インビトロジェン、11132D)および組換えヒトIL-2(エフェクターT細胞について20U/ml;Tregについて100U/ml)(Peprotech、200-02)で、7日間、10%熱失活FBSを添加したRPMI培地において37℃および5%COにて活性化した。刺激後、フローサイトメトリーを介してGITRおよびOX40発現について、細胞を評価した。非特異的結合を低減するために、細胞を、FcγRブロッキング抗体(Biolegend、422302)と共に15分間周囲温度にてインキュベーションした。次に、試料を2回洗浄し、CD3、CD4、CD8、およびCD25の系統抗体パネル、ならびに固定可能な生/死マーカーと共に30分間4℃にてインキュベーションした。Treg描写のため、次に、試料を2回洗浄し、固定し、透過処理し、抗FOXP3抗体(eBiosciences、クローン番号PCH101)と共に30分間4℃にてインキュベーションした。次に、試料を、2回洗浄し、LSRFortessaフローサイトメーター(ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)を使用して解析した。フローサイトメトリープロットを、FACS DIVAとWEHI Weaselソフトウエアの組み合わせを使用して解析した。ADCC活性を評価するために、磁気ビーズ分離(MACS、Miltenyi、130-092-657)を介して健常ドナーPBMCから、初代NK細胞を単離した。NK細胞を、一晩、20U/ml組換えヒトIL-2(Peprotech、200-02)で休ませた。NK細胞を、標的細胞(エフェクターT細胞またはTreg)と共に同時培養し、抗体(タイトレーション範囲:0.0004~1.9μg/ml)と共に4時間、0.5%熱失活FBSを添加したフェノールレッドを含まないRPMI1640中10:1のE:T比にてインキュベーションした。5つの処理群:アイソタイプ対照、pab1876単独、pab2049単独、DuoBody pab1876×pab2049、およびpab1876とpab2049の組み合わせが存在した。最後の群において、pab1876およびpab2049を、等モル濃度にて加えて、他の群のものと同じ終濃度を達成した。計2×10標的細胞(エフェクターT細胞またはTreg)、および2×10NK細胞を、それぞれのウェルにおいて総体積100μlで加えた。インキュベーション後、乳酸脱水素酵素(LDH)放出により評価される、細胞溶解を、CytoTox 96非放射性細胞毒性アッセイ(プロメガ、G1780)を使用して、製造元の指示に従い測定した。以下の式:%細胞毒性=(実験の、自発エフェクター-自発標的)/(標的最大値-自発標的)×100 を使用して、細胞毒性(%細胞溶解)を決定した。
【0362】
図3Eにおいて示す通り、活性化Tregは、活性化エフェクターT細胞より高いレベルのGITRおよびOX40を発現した。この差次的発現パターンと一致し、GITRおよび/またはOX40に対する抗体は、バックグラウンドレベルより上の活性化エフェクターT細胞の有意な溶解を誘導せず(図3F)、一方、同じ抗体は、用量に依存した方法で、活性化Tregに対して強いNK細胞介在性ADCC活性を誘導した(図3G)。特に、DuoBody pab1876×pab2049は、pab1876単独、pab2049単独、またはpab1876とpab2049の組み合わせより、高いレベルの、活性化Tregの溶解を誘導した。
【0363】
8.2.5 スタフィロコッカスエンテロトキシンA(SEA)刺激後のヒトT細胞に対する抗GITR/OX40二重特異性抗体の効果
初代ヒトT細胞に対するDuoBody pab1876×pab2049の機能活性を、スタフィロコッカスエンテロトキシンA(SEA)刺激後に評価した。簡単に言うと、健常ドナーバフィーコート(Research Blood Components,LLC)からフィコール密度勾配を介して単離したPBMCを、100ng/ml SEAスーパー抗原(シグマ・アルドリッチ)および10%熱失活FBSを添加したRPMI培地において、増加する濃度の試験抗体(7箇所の用量タイトレーション、0.02~20μg/ml)と一緒に、5日間37℃および5%COにてインキュベーションした。インキュベーション後、細胞を含まない上清を、AlphaLISAイムノアッセイ(パーキンエルマー)を使用して、IL-2産生につていアッセイした。EnVision(登録商標)Multilabel Plate Reader(パーキンエルマー)を使用して、データを集め、IL-2標準曲線を使用して、IL-2の濃度を決定した。値を補間し、Graphpad Prismソフトウエアを使用してプロットした。
【0364】
DuoBody pab1876×pab2049は、2人のドナー由来の細胞を使用したこの初代ヒトPBMCアッセイにおいてIL-2産生を誘導した(図4Aおよび4B)。重要なことに、DuoBody pab1876×pab2049は、高いレベルのIL-2産生を、医薬的に関連する抗体濃度にて誘導することができた。DuoBody pab1876×pab2049が誘導したIL-2産生は、広範囲の抗体濃度(例えば、図4Aにおいて0.08~20μg/ml、および図4Bにおいて0.009~20μg/ml)に渡る抗体濃度の実質的な増加関数である。
【0365】
8.3 実施例3 アンタゴニスト抗体としての抗GITR/OX40二重特異性抗体
GITRおよびOX40シグナル伝達の活性化は、尖端のアダプタータンパク質を効率的に補充して、細胞内シグナル伝達をもたらす高次受容体複合体を形成するための受容体クラスター形成に依存する。理論が結び付けることなく、セクション8.2.4において示したDuoBody pab1876×pab2049のアゴニスト活性の1つの可能性のある機序は、アクセサリー骨髄またはリンパ球系細胞、例えば、樹状細胞、単球、マクロファージ、ナチュラルキラー(NK)細胞、および/もしくはB細胞上でのFc-Fc受容体(FcR)同時関与を介して、GITRならびに/あるいはOX40受容体をクラスター形成させることによる。FcRを発現する幾つかの腫瘍細胞、例えば、血液系癌(急性骨髄性白血病(AML)、形質細胞癌および非ホジキンリンパ腫(NHL))、ならびにある種の固形(上皮性)腫瘍細胞(例えば、メラノーマ)はまた、抗体クラスター形成を仲介し得る。結果として、抗GITR/OX40二重特異性アンタゴニスト抗体を発生させる1つのアプローチは、GITRリガンド(GITRL)およびOX40リガンド(OX40L)とそれらのそれぞれの受容体への結合について競合する二重特異性抗体、ならびにFc受容体への二重特異性抗体のFc領域の結合を減少させるか、または除去することである。この実施例において、2つのレポーターアッセイを開発して、第1に、FcR相互作用の不存在下でDuoBody pab1876×pab2049のアゴニスト活性の喪失を確認し、第2に、GITRおよびOX40受容体を通じたGITRLならびにOX40L誘導性シグナル伝達を弱めるDuoBody pab1876×pab2049の能力を調べた。
【0366】
8.3.1 GITR NF-κB-ルシフェラーゼレポーター細胞に対する抗GITR/OX40二重特異性抗体の効果
第1に、GITRレポーターアッセイを使用して、DuoBody pab1876×pab2049を、そのアゴニスト活性について評価した。GITR分子のFcR介在性クラスター形成の可能性を減少させる、少量の、もしあれば、FcRを発現したジャーカット細胞を使用する、このレポーターアッセイを構築した。
【0367】
レンチウイルスベクター(EF1aプロモーター)のジャーカット細胞への伝達により、GITRならびにNF-κBルシフェラーゼ(Nano luciferase、NanoLuc(登録商標))レポーターを異所性に発現する細胞を作り出した。シングルセルソーティング(FACS ARIA Fusion)を介して、安定なクローンを作り出した。フローサイトメトリーにより、GITRの発現を検証した。アゴニスト活性を評価するために、ジャーカットhuGITR-NF-κBルシフェラーゼ細胞を、増加する濃度のDuoBody pab1876×pab2049または3量体GITRL(12箇所の用量タイトレーション、0.05~10,000ng/ml)と共に、2時間、10%熱失活FBSを添加したRPMI培地において、37℃および5%COにてインキュベーションした。ルシフェラーゼ活性の検出のため、試料を、調製したNano-Glo(登録商標)Luciferase Assay Substrate(プロメガ、1:1v/v)と共に、受動的溶解バッファーにおいて、5分間室温にてインキュベーションした。EnVision(登録商標)Multilabel Plate Reader(パーキンエルマー)を使用して、データを集めた。Graphpad Prismソフトウエアを使用して、値をプロットした。
【0368】
RLU(相対的ルシフェラーゼ単位)により表される、高レベルのNF-κBルシフェラーゼ活性を誘導した、3量体GITRLと対照的に、DuoBody pab1876×pab2049は、試験した最高濃度においてでさえ、GITRレポーター細胞の最小のアゴニスト活性を示した(図5A)。
【0369】
次に、GITRL誘導性NF-κBシグナル伝達を中和するDuoBody pab1876×pab2049の能力を、DuoBodyのリガンドブロッキング活性の代替読み取りとして調べた。
【0370】
簡単に言うと、ジャーカットhuGITR-NF-κBルシフェラーゼ細胞を、増加する濃度のDuoBody pab1876×pab2049またはアイソタイプ対照抗体(10箇所の用量タイトレーション、0.5~10,000ng/ml)と共に、30分間インキュベーションした。次に、試料を、2回RPMIで洗浄し、1μg/ml3量体GITRLに再懸濁し、さらに2時間、37℃にてインキュベーションした。ルシフェラーゼ活性を検出し、上記の通り解析した。%GITRL活性を決定するために、抗体を加えていないGITRL(1μg/ml)のRLU値を、100%活性と規定した。DuoBody pab1876×pab2049およびアイソタイプ対照の相対値を、適切に計算した。
【0371】
図5Bにおいて示す通り、増加する濃度のDuoBody pab1876×pab2049とのジャーカットhuGITR-NF-κBルシフェラーゼレポーター細胞の事前インキュベーションは、用量に依存した方法で、GITRL誘導性NF-κBルシフェラーゼ活性を有意に低減した。
【0372】
8.3.2 OX40 NF-κB-ルシフェラーゼレポーター細胞に対する抗GITR/OX40二重特異性抗体の効果
同様に、OX40発現細胞上でのDuoBody pab1876×pab2049のアゴニスト活性を試験するOX40レポーターアッセイを開発した。FcR発現が最小である、ジャーカット細胞を使用する、このOX40レポーターアッセイをまた構築した。
【0373】
レンチウイルスベクター(EF1aプロモーター)のジャーカット細胞への伝達により、OX40ならびにNF-κBルシフェラーゼ(Nano luciferase、NanoLuc(登録商標))レポーターを異所性に発現する細胞を作り出した。シングルセルソーティング(FACS ARIA Fusion)を介して、安定なクローンを作り出した。フローサイトメトリーにより、OX40の発現を検証した。アゴニスト活性を評価するために、ジャーカットhuOX40-NF-κBルシフェラーゼ細胞を、増加する濃度の多量体OX40L、DuoBody pab1876×pab2049またはアイソタイプ対照抗体(10箇所の用量タイトレーション、0.5~10,000ng/ml)と共に、2時間、10%熱失活FBSを添加したRPMI培地において、37℃および5%COにてインキュベーションした。ルシフェラーゼ活性の検出のため、試料を、調製したNano-Glo(登録商標)Luciferase Assay Substrate(プロメガ、1:1v/v)と共に、受動的溶解バッファーにおいて、5分間室温にてインキュベーションした。EnVision(登録商標)Multilabel Plate Reader(パーキンエルマー)を使用して、データを集めた。Graphpad Prismソフトウエアを使用して、値をプロットした。
【0374】
多量体OX40Lは、広範囲の濃度に渡りNF-κBルシフェラーゼ活性を誘導した一方、DuoBody pab1876×pab2049とのインキュベーション後に、最小のルシフェラーゼシグナルを観察した(図6A)。
【0375】
次に、DuoBody pab1876×pab2049を、OX40L誘導性NF-κBシグナル伝達をブロックするその能力について評価した。ジャーカットhuOX40-NF-κBルシフェラーゼ細胞を、増加する濃度のDuoBody pab1876×pab2049またはアイソタイプ対照抗体(10箇所の用量タイトレーション、0.5~10,000ng/ml)と共に、30分間インキュベーションした。次に、試料を、2回RPMIで洗浄し、1μg/ml多量体OX40Lに再懸濁し、さらに2時間、37℃にてインキュベーションした。ルシフェラーゼ活性を検出し、上記の通り解析した。%OX40L活性を決定するために、抗体を加えていないOX40L(1μg/ml)のRLU値を、100%活性と規定した。DuoBody pab1876×pab2049およびアイソタイプ対照の相対値を、適切に計算した。
【0376】
図6Bにおいて示す通り、増加する濃度のDuoBody pab1876×pab2049とのジャーカットhuOX40-NF-κBルシフェラーゼレポーター細胞の事前インキュベーションは、用量に依存した方法で、OX40L誘導性NF-κBルシフェラーゼ活性を有意に低減した。
【0377】
8.4 実施例4 抗GITR抗体のエピトープマッピング
この実施例は、抗GITR抗体:キメラ親231-32-15抗体ならびにそのヒト化バージョン(pab1876、pab1875、pab1967、pab1975、およびpab1979)の結合エピトープを特徴付ける。加えて、m6C8と名前を付けた参照抗GITR抗体をまた、比較のため幾つかの研究において使用した。PCT出願公開第2006/105021号(参照により本明細書に組み込まれる)において提供される抗体6C8の可変領域に基づき、抗体m6C8を作り出した。これらの抗GITR抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域に対応する配列番号を、表12において列挙する。
【表12】
【0378】
8.4.1 エピトープ競合細胞結合アッセイ
ヒト化バリアント抗体が、キメラ231-32-15親抗体のエピトープ特異性を保持したこを確認するために、細胞結合アッセイを行った。キメラ親231-32-15抗体を発現する1624-5前B細胞を回収し、1x10個の細胞を、FACSバッファー200μl、およびi)15分間、キメラ親231-32-15抗体2μgと共に事前インキュベーションしたビオチン化GITR(GITR-bio)(1:1000);ii)15分間、pab1875 2μgと共に事前インキュベーションしたGITR-bio(1:1000);iii)15分間、pab1876 2μgと共に事前インキュベーションしたGITR-bio(1:1000);またはiv)GITR-bio(1:1000)に再懸濁した。細胞を、20分間4Cにてインキュベーションし、次に、FACSバッファー4mlで洗浄し、5分間300gで4Cにて遠心分離した。細胞ペレットを、FACSバッファー200μlおよびストレプトアビジン-PE(1:1000)に再懸濁し、次に、上と同様に、インキュベーションし、洗浄した。次に、FACS-AriaII(ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)を使用した解析のため、細胞をFACSバッファー200μlに再懸濁した。
【0379】
図7は、ヒト化バリアント抗体が、キメラ親231-32-15抗体のエピトープ特異性を保持したことを示す。右側の特性は、キメラ親231-32-25抗体を発現する1624-5前B細胞へのGITR-bioの結合を示す。しかしながら、GITR-bioを、キメラ親231-32-15、pab1875またはpab1876抗体のいずれかと共に事前インキュベーションしたとき、1624-5細胞へのGITR-bioの結合の喪失が存在した(左側の特性)。重複するFACS特性は、ヒト化バリアントがまた、互いに、またはキメラ親231-32-15抗体への非常に類似するGITR結合特性を示すことを示している。
【0380】
8.4.2 エピトープ競合懸濁アレイテクノロジー
抗GITR抗体(25μl)を、アッセイバッファー(ロッシュ、11112589001)中2μg/mlまで希釈し、抗ヒトIgG(F(ab)特異的、JIR、105-006-097と結合した1500 Luminex(登録商標)ビーズ(5μl、ルミネックス株式会社、5番LC10005-01)と共に、一晩、0.5mlのLoBindチューブ(エッペンドルフ、0030108.116)において、振盪条件下、暗所でインキュベーションした。次に、この混合物を、予め濡らした96ウェルフィルタープレート(ミリポア、MABVN1250)に移した。プレートを2回200μl/ウェルPBSで洗浄して、未結合の抗体を取り除いた。同時に、20μg/mlの、同じ抗GITR抗体、異なる抗GITR抗体、またはアッセイバッファーのいずれかを、R-PE標識GITR抗原(R&Dシステムズ、ジスルフィド結合ホモ2量体;689-GR;AbDSerotec LYNX Kitで自家標識、LNK022RPE)20μl(1μg/ml)と共に、1時間、暗所で、650rpmにおいてインキュベーションした。ビーズ混合物と抗原/抗体混合物を、1:1(それぞれから20μl)混合し、さらに1時間、振盪条件下(20℃、650rpm)でインキュベーションした。測定の直前に、アッセイバッファー40μlを、それぞれのウェルに加え、Luminex(登録商標)200 system(ミリポア)、および試料体積48μl中の100個のビーズの読み取りを使用して、解析を行った。競合させていない対照(100%結合、競合化合物としてアッセイバッファーのみ)のMFI値を用いて、結合を決定した。
【0381】
キメラ親231-32-15抗体を、捕獲抗体として使用したとき、ヒト化抗体pab1875とpab1876両方で、完全な結合競合を観察した。抗GITR抗体m6C8を捕獲抗体として使用したとき、キメラ親231-32-15抗体または2つのヒト化バリアントpab1875およびpab1876で、結合の競合を観察しなかった(データは示していない)。これらの結果は、m6C8および本明細書において記載する抗GITR抗体が、ヒトGITR上の異なるエピトープを認識することを示す。
【0382】
8.4.3 エピトープ競合表面プラズモン共鳴
表面プラズモン共鳴を使用するエピトープ結合のため、「2段階のアプローチ」を使用した(Abdiche YN et al.,(2009)Analytical Biochemistry,386:172-180)。その目的のため、異なる密度のGITR抗原(R&Dシステムズ、ジスルフィド結合ホモ2量体;689-GR)の固定を使用して、CM5センサーチップ(GEヘルスケア、Series S CM5、BR-1005-30)上に異なるチップ表面を作り出した。フローセル2は、GITR抗原を低密度(667RU)で含有し、中程度の密度を、フローセル3(1595RU)において、およびフローセル4において評価し、高密度を達成した(4371RU)。フローセル1において、参照のため、卵白アルブミン(1289RU、Pierce ThermoFisher 77120)を固定した。アミン結合(0.4M EDCおよび0.1M NHSでの表面の活性化、GEヘルスケアアミン結合キット、BR-1000-50)のため、製造元(GEヘルスケア)の標準的プロトコールに従い、固定を行った。無反応群を、1Mエタノール-アミン-HCl、pH8.5で不活性化した。後に、抗GITR抗体を、300nM(45μg/ml)の濃度で、240秒間、5μl/分にて、異なる表面を通過させた。これらの条件を使用し、GITR表面の飽和を達成すべきだった。競合する抗体(300nM、5μl/分)を加える前に、解離時間60秒を含めた。10mMグリシン、pH2.0(GEヘルスケア、BR-1003-55)を60秒間10μl/分にて使用して、チップ表面の再生を行った。応答単位(RU)の競合しない対照(100%結合、飽和条件)を使用して、ビニングを行った。
【0383】
図8において示す通り、キメラ親231-32-15抗体をまずGITRに結合させるとき、この抗体のさらなる結合は生じない。しかしながら、キメラ親231-32-15抗体をまずGITRに結合させ、抗体m6C8を適用するとき、この抗体は、依然としてGITRに結合することができる。
【0384】
8.4.4 エピトープマッピング-PCR変異誘発およびアラニンスキャニング
本明細書において記載する抗GITR抗体が結合するGITR上のエピトープをマッピングするために、エラープローンPCRを使用して、ヒトGITR抗原のバリアントを作り出した。バリアントGITRタンパク質を、細胞ライブラリーにおける細胞の表面上で発現させ、これらの細胞を、抗GITR抗体の結合についてスクリーニングした。陽性対照として、ポリクローナル抗GITR抗体を使用して、GITRタンパク質の適切なフォールディングを確認した。低減した抗体結合が生じたか、または工程結合が生じない、ヒトGITR抗原のバリアントについて、アラニンスキャニング変異誘発を行い、本明細書において記載する抗GITR抗体が結合のため必要とする正確なエピトープ残基を決定した。
【0385】
8.4.4.1 ヒトGITRバリアントの創出
エラープローンPCR変異誘発を使用して、細胞外ドメインにおいてランダムな変異を有するヒトGITRのバリアントを作り出した。エラープローンPCRのため、製造元の指示に従い、GeneMorphII Random Mutagenesis Kit(ストラタジーン)を使用した。簡単に言うと、自家コンストラクトを鋳型(13ng、コンストラクト番号4377、pMA-T-huGITR)、0.05U/μl Mutazyme II DNAポリメラーゼ、1×Mutazyme II反応バッファー、0.2μM各プライマー、ならびに0.2mM各デオキシヌクレオシド三リン酸(dATP、dCTP、dGTP、およびdTTP)を使用して、20回のPCRサイクルを50μlの体積で行った。以下のプログラム:95℃、2分間;95℃、30秒間、56℃、30秒間、72℃、1分間の20サイクル;および72℃、10分間の最終伸長工程を使用するPCR(エッペンドルフ、ドイツ)により、試料を増幅した。1%アガロースゲルを使用して、PCR産物をゲル精製し、予想したサイズの720bpに対応するDNAバンドを切り出し、製品マニュアルに従い、Macherey&NagelのNucleoSpin GelおよびPCR精製キットを使用して、ゲル抽出を行った。T4 DNAリガーゼおよび1:3(ベクター:インサート)の比を使用して、XhoI/EcoRI部位を介して、精製したDNAを自家発現ベクターにライゲーションした。2時間後、10分間、65Cでの熱変性工程で、ライゲーション(25C)を停止させた。酵母t-RNAを使用して、ライゲーション反応物由来のDNAを、EtOH沈殿させた。標準的な消化およびライゲーション技術を使用した。ライゲーション反応物を、DH10B細胞(エシェリキア・コリElectroMax DH10Bエレクトロコンピテント細胞、インビトロジェン;1900V/5ms)にエレクトロポレーションした。エレクトロポレーションした細菌を、LB寒天および100μg/mlアンピシリンプレートに播種し、およそ1.9x10個のコロニーを得た。
【0386】
次に、全てのエレクトロポレーションした細菌をプレートから掻爬し、製造元の指示に従い、大規模DNAプラスミド調製(Macherey&Nagel、NucleoBond Xtra Maxi Plus Kit)について使用し、DNAライブラリーを作り出した。XhoI/EcoRIおよびBsrGI/EcoRIでの制限酵素消化を行い、ライブラリーを品質制御した。単一コロニーをピックアップし、配列決定に送り、最終的なライブラリーの多様性を決定した。
【0387】
8.4.4.2 ヒトGITRバリアントを含む細胞ライブラリーの創出
標準的な技術の遺伝子導入、続いて形質導入を使用して、1624-5細胞の表面上にヒトGITR変異体を発現させた。レトロウイルス粒子の創出のため、X-tremeGENE 9 DNA遺伝子導入試薬(ロシュ・ダイアグノスティックスGmbH、ドイツ)を使用して、DNAライブラリー、ならびにレトロウイルスタンパク質Gag、PolおよびEnvを発現するベクターを、レトロウイルスパッケージング細胞株(HEK細胞)に遺伝子導入した。得られたレトロウイルス粒子は、レトロウイルスパッケージング細胞の細胞培養上清に蓄積した。遺伝子導入の2日後、細胞を含まないウイルスベクター粒子を含有する上清を回収し、1624-5細胞のスピンインフェクションの対象にした。およそ4%の形質導入効率(%ヒトGITR発現細胞)を得た。さらに少なくとも1日間の連続培養の際、ピューロマイシン(1.5μg/ml)を使用して、細胞を選択した。形質導入していない細胞は、陰性対照(NC)として機能した。抗生物質セレクション後、大部分の細胞が、細胞表面上にヒトGITR抗原ライブラリーを安定的に発現した。Ficoll分離工程を介して、生存可能でない細胞を取り除いた。
【0388】
FACSを使用して、ポリクローナル抗GITR抗体を使用して、正しくフォールディングされたヒトGITR変異体を発現する細胞を選択し、続いて、抗GITRキメラ親231-32-15抗体に結合しないヒトGITRバリアントを発現する個々の細胞を選択した。簡単に言うと、抗体結合細胞をFACSにより解析し、予備高速FACS(FACSAriaII、ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)により、特異的な抗体結合を提示する細胞を、未結合細胞集団から分離した。抗体反応性または非反応性細胞プールを、組織培養において再度拡大し、レトロウイルスで形質導入した細胞の安定的な発現表現型により、明らかに検出可能な抗GITR抗体(キメラ親231-32-15)非反応性細胞集団を得るまで、抗体指向性細胞ソーティングおよび組織培養拡大のサイクルを繰り返した。この抗GITR抗体(キメラ親231-32-15)非反応性細胞集団を、最終的なシングルセルソーティング工程の対象にした。数日の細胞拡大後、シングルセルソーティングした細胞を、FACSCalibur(ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)での96ウェルプレート解析を使用して、抗GITRキメラ親231-32-15抗体への非結合、およびポリクローナル抗GITR抗体への結合について再度試験した。
【0389】
8.4.4.3 エピトープ解析
表現型(ポリクローナル抗GITR+、キメラ親231-32-15-)を遺伝子型と結び付けるために、シングルセルソーティングしたhuGITRバリアントの配列決定を行った。図9Aおよび9Bは、これらのバリアント由来の配列アライメントを示す。図9Aおよび9Bにおけるアミノ酸残基は、ヒトGITRの未成熟アミノ酸配列(配列番号41)に従い番号を付けた。配列決定により、増大した変異または「ホットスポット」を有する領域(例えば、P62およびG63)を同定し、抗GITRキメラ親231-32-15抗体が認識するヒトGITR上のエピトープの表示をもたらす。
【0390】
抗GITR抗体への結合に関与するヒトGITRの正確なアミノ酸を確認するために、ホットスポットアミノ酸のアラニン置換を行った。以下の位置(配列番号41に従い番号付けた):P28A、T29A、G30A、G31A、P32A、T54A、T55A、R56A、C57A、C58A、R59A、D60A、Y61A、P62A、G63A、E64A、E65A、C66A、C67A、S68A、E69A、W70A、D71A、C72A、M73A、C74A、V75A、およびQ76Aを、アラニンに別々に変異させた。標準的な技術の遺伝子導入、続いて形質導入を使用して、1624-5細胞の表面上にこれらのヒトGITR変異体を発現させた。
【0391】
最後に、1624-5細胞上で発現させたアラニン変異体を、フローサイトメトリー(FACSCalibur;ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)において、抗GITRヒト化抗体pab1876、pab1967、pab1975およびpab1979、ならびに参照抗体m6C8の結合について試験した。簡単に言うと、個々のヒトGITRアラニン変異体を発現する1624-5細胞を、2μg/mlモノクローナル抗GITR抗体pab1876、pab1967、pab1975、pab1979、もしくはm6C8;またはAPCと結合したポリクローナル抗GITR抗体(AF689、R&Dシステムズ)、およびFACSバッファー(PBS+2%FCS)100μlにおいて希釈したFc受容体ブロック(1:200;BDカタログ番号553142)と共に、20分間、4Cにてインキュベーションした。洗浄後、細胞を、検出のため必要であれば、FACSバッファー(PBS+2%FCS)100μlにおいて希釈した2次抗IgG抗体(APC結合;BDカタログ番号109-136-097)と共に、20分間、4Cにてインキュベーションした。次に、細胞を洗浄し、フローサイトメーター(ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)を使用して、獲得した。試験したモノクローナル抗体の平均蛍光強度(MFI)値を、ポリクローナル抗体のMFI値で割り、これにより、個々のGITRアラニン変異体についてのMFI比(モノクローナル抗体/ポリクローナル抗体)を作り出した。全ての変異体についての個々のMFI比に基づき、平均MFI比(「AMFI比」)を計算した。図10Aは、ヒトGITRアラニン変異体を発現する1624-5細胞へのpab1876、pab1967、pab1975、pab1979、および参照抗体m6C8の結合を要約する表である。AMFI比の60%より上である個々のMFI比は、標準化後、ポリクローナル抗体のものと同様の結合を示すとみなし、図10Aにおける「+」により表される。図10Aにおける「+/-」は、AMFI比の30%~60%である個々のMFI比を表す。図10Aにおける「-」は、AMFI比の30%より下である個々のMFI比を表す。
【0392】
図10Aにおいて示す通り、配列番号41に従い番号付けた、D60A変異体およびG63A変異体は、pab1876、pab1967、pab1975およびpab1979の結合を特異的に妨害するか、または減弱するが、参照抗体m6C8のものを妨害せず、減弱しなかった。C58A変異体は、全5つの抗体の結合を妨害し、エピトープ特異的なものよりむしろ、恐らく構造変異である。C74A変異体は、発現を減弱し、結合比較のため使用することができなかった。
【0393】
さらに、抗GITR抗体231-32-15、pab1876、およびm6C8を、野生型対変異体ヒトGITRへのそれらの結合について比較した。簡単に言うと、野生型ヒトGITR、ならびに2つのGITRアラニン変異体(配列番号41に従い番号付けた、D60A変異体およびG63A変異体)を、上記の通り、1624-5細胞の表面上で発現させ、細胞を、2μg/mlの、APCに結合した、モノクローナル抗体231-32-15、pab1876、およびm6C8、またはポリクローナル抗体でまず染色し、次に、検出のため必要であれば、2次抗IgG抗体(APC結合;1:1000;BDカタログ番号109-136-097)を使用して染色し、上記の通り、フローサイトメトリー解析において試験した。全ての平均蛍光強度(MFI)値を、2つの測定値の平均として計算した。特定の細胞種類についての試験したモノクローナル抗体のMFI値を、同じ細胞種類についてのポリクローナル抗体のMFI値で割り、それにより、9つのMFI比(モノクローナル抗体/ポリクローナル抗体):MFI比231-32-15、WT、MFI比pab1876、WT、MFI比m6C8、WT、MFI比231-32-15、D60A、MFI比pab1876、D60A、MFI比m6C8、D60A、MFI比231-32-15、G63A、MFI比pab1876、G63A、およびMFI比m6C8、G63Aの合計を作り出した。野生型GITRと比べ、GITRアラニン変異体への抗体の結合の百分率を、GITRアラニン変異体についての特定のMFI比を、野生型についての対応するMFI比で割ること(例えば、MFI比pab1876、D60Aを、MFI比pab1876、WTで割ること)により計算した。結合における低減の百分率を、例えば、100%×(1-(MFI比pab1876、D60A/MFI比pab1876、WT))を計算することにより、決定した。
【0394】
図10Bにおいて示す通り、D60A変異体およびG63A変異体は、231-32-15およびpab1876を特異的に妨害するか、または減弱したが、m6C8のものを妨害も、減弱もしなかった。図10Bにおいて示す百分率は、それぞれのプロットにおけるGITR陽性細胞の百分率である。GITR D60Aを発現する細胞を使用して試験したとき、m6C8についての10%の低減と比較して、231-32-15およびpab1876について、それぞれ、82%ならびに88%、抗体結合を低減した。同様に、GITR G63Aを発現する細胞を使用して試験したとき、231-32-15およびpab1876の結合を、それぞれ、37%ならびに59%低減し、一方、m6C8の結合を、62%増大した。
【0395】
抗GITR抗体の結合特徴のさらなる証拠として、カニクイザルGITRへの抗体の結合を比較した。カニクイザルGITRの未成熟タンパク質は、配列番号44のアミノ酸配列を含む。タンパク質発現を増大するために、カニクイザルGITRのシグナルペプチドの最初の残基をメチオニンによって置換し、V1MカニクイザルGITRを作り出した。次に、配列番号44に従い番号付けた、位置62および63のアミノ酸残基(GlnSer)を、ヒトGITRにおける対応する残基(ProGly)によって置換した、変異体カニクイザルGITR V1M/Q62P/S63Gを作り出した。図11Aは、ヒトGITR、V1MカニクイザルGITR、およびV1M/Q62P/S63GカニクイザルGITRの間の配列アライメントである。図11Aにおいて示す3つのタンパク質を、上記の通り、1624-5細胞の表面上で発現させ、細胞を、2μg/mlの、APCに結合した、モノクローナル抗体231-32-15、pab1876、およびm6C8、またはポリクローナル抗体でまず染色し、次に、2次抗IgG抗体(APC結合;1:1000;BDカタログ番号109-136-097)を使用して染色し、上記の通り、フローサイトメトリー解析において試験した。
【0396】
図11Bにおいて示す通り、抗GITR抗体231-32-15およびpab1876は、V1M/Q62P/S63GカニクイザルGITRを発現する細胞への結合のみを提示し、V1MカニクイザルGITRを発現する細胞への結合は提示しなかった。
【0397】
8.5 実施例5 抗OX40抗体のエピトープマッピング
この実施例は、抗OX40抗体pab1949w、pab2049、および参照抗OX40抗体pab1928のエピトープを特徴付ける。米国特許公開第2013/0280275号(参照により本明細書に組み込む)において提供される抗体Hu106-122の可変領域に基づき、抗体pab1928を作り出した。pab1928は、配列番号106のアミノ酸配列の重鎖、および配列番号107のアミノ酸配列の軽鎖を含む。
【0398】
8.5.1 エピトープマッピング-アラニンスキャニング
pab1949w、pab2049、および参照抗体pab1928の結合特徴を、アラニンスキャニングにより評価した。簡単に言うと、アジレント・テクノロジーのQuikChange HT Protein Engineering System(G5901A)を使用して、細胞外ドメインにおいてアラニン置換を有するヒトOX40変異体を作り出した。上記の通り、標準的な遺伝子導入、続いて、形質導入を使用して、1624-5細胞の表面上で、ヒトOX40変異体を発現させた。
【0399】
フローサイトメトリーにおいて、ポリクローナル抗OX40抗体への結合により証明した、正しくフォールディングされたヒトOX40変異体を発現する細胞を、モノクローナル抗OX40抗体pab1949w、pab2049、またはpab1928に結合しないヒトOX40変異体を発現させた亜集団についてさらに選択した。予備高速FACS(FACSAriaII、ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)により、特異的な抗体結合を提示した細胞を、未結合細胞集団から分離した。抗体反応性または非反応性細胞プールを、組織培養において再度拡大し、レトロウイルスで形質導入した細胞の安定的な発現表現型により、明らかに検出可能な抗OX40抗体(pab1949w、pab2049、またはpab1928)非反応性細胞集団を得るまで、抗体指向性セルソーティングおよび組織培養拡大のサイクルを繰り返した。この抗OX40抗体非反応性細胞集団を、最終的なシングルセルソーティング工程の対象にした。数日の細胞拡大後、シングルセルソーティングした細胞を、フローサイトメトリーを使用して、ポリクローナル抗OX40抗体への結合、およびモノクローナル抗体pab1949w、pab2049またはpab1928への非結合について再度試験した。簡単に言うと、個々のヒトOX40アラニン変異体を発現する1624-5細胞を、モノクローナル抗OX40抗体pab1949w、pab2049またはpab1928と共にインキュベーションした。それぞれの抗体について、2種の抗体濃度を試験した(pab1949w:2μg/mlおよび0.5μg/ml;pab2049:1.8μg/mlおよび0.3μg/ml;pab1928:1.1μg/mlおよび0.4μg/ml)。APCと結合したポリクローナル抗OX40抗体(AF3388、R&Dシステムズ)を、1:2000で希釈した。Fc受容体ブロック(1:200;BDカタログ番号553142)を加え、試料を、20分間4Cにてインキュベーションした。洗浄後、細胞を、検出のため必要であれば、2次抗IgG抗体(PE結合;BDカタログ番号109-116-097)と共に、20分間、4Cにてインキュベーションした。次に、細胞を洗浄し、フローサイトメーター(ベクトン・デッキンソンバイオサイエンス)を使用して、獲得した。
【0400】
表現型(ポリクローナル抗OX40抗体+、モノクローナル抗OX40抗体-)を遺伝子型と結び付けるために、シングルセルソーティングしたヒトOX40変異体の配列決定を行った。図12は、依然として、ポリクローナル抗OX40抗体に結合するが、モノクローナル抗OX40抗体pab1949w、pab2049、またはpab1928に結合しない、ヒトOX40アラニン変異体を示す表である。全ての残基を、ヒトOX40の成熟アミノ酸配列(配列番号72)に従い番号付ける。フローサイトメトリー解析に基づき、「+」は、結合を示し、「-」は、結合の喪失を示す。
* * *
【0401】
本発明は、本明細書において記載される特定の実施形態により、範囲において制限されるべきではない。実際に、記載されるものに加えて、本発明の様々な修飾は、前述の記載および添付の図面から当業者に明らかとなるだろう。かかる修飾は、添付の請求の範囲内にあることが意図される。
【0402】
本明細書において引用される全ての参考文献(例えば、公報または特許または特許出願)は、それぞれ個々の参考文献(例えば、公報または特許または特許出願)が、全目的のため、参照により全体が組み込まれることを具体的かつ個別に示されるのと同程度まで、参照により全体が、全目的のため、本明細書に組み込まれる。
【0403】
他の実施形態は、以下の請求項内である。
図1
図2-1】
図2-2】
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図3-4】
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
【配列表】
0007089470000001.app