IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプリックスの特許一覧

<>
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図1
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図2
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図3
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図4A
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図4B
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図5
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図6A
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図6B
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図7A
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図7B
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図8
  • 特許-締結デバイスを形成するための成形装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】締結デバイスを形成するための成形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 41/36 20060101AFI20220615BHJP
   B29C 59/04 20060101ALI20220615BHJP
   B29C 41/28 20060101ALI20220615BHJP
   A44B 18/00 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
B29C41/36
B29C59/04 B
B29C41/28
A44B18/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018556286
(86)(22)【出願日】2017-04-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 FR2017051016
(87)【国際公開番号】W WO2017187103
(87)【国際公開日】2017-11-02
【審査請求日】2020-03-11
(31)【優先権主張番号】1653870
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1653872
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1653873
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1653888
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1653894
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1653897
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1653866
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170996
【氏名又は名称】アプリックス
【氏名又は名称原語表記】APLIX
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボセール、ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】マエ、アンソニー
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-504736(JP,A)
【文献】特開2016-30379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 41/36
B29C 59/04
B29C 41/28
A44B 18/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持具を形成するための成形装置(10)であって、前記成形装置(10)は、帯状成形型(12)と、成形支持体(24)とを備え、前記帯状成形型(12)は、内面(14)と、外面(16)と、前記外面(16)から前記内面(14)へ延びる複数の貫通空胴(18)とを有し、前記帯状成形型(12)は、長手方向(X)に延び、かつ前記長手方向(X)に対して垂直な横方向(Y)および前記長手方向(X)および前記横方向(Y)に対して垂直な高さ方向(Z)の双方を呈し、前記内面(14)は、前記成形支持体(24)の成形面(26)を押圧するように構成され、前記帯状成形型(12)の前記内面(14)および/または前記成形支持体(24)の前記成形面(26)は、通路(46)のアレイを含み、前記通路(46)のアレイは、ベント(50)を形成し、かつ前記帯状成形型(12)が前記成形支持体(24)に押圧されると複数の前記空胴(18)同士を連結し、前記帯状成形型の前記内面(14)および/または前記成形支持体(24)の前記成形面(26)は、1.0μm以上かつ50.0μm以下である最大表面粗さRzを呈する、成形装置(10)。
【請求項2】
前記内面(14)は、各空胴(18)の開放部分を囲みかつ前記内面(14)から突き出すリム(52)を呈し、前記リム(52)は、リム間に通路(46)の前記アレイを画定し、各リム(52)は、様々な高さ(HR1、HR2、HR3、HR4)を呈し、よって、前記帯状成形型(12)が前記成形支持体(24)へ押圧されても、各リム(52)の少なくとも一部分は、前記成形支持体(24)へ押し付けられず、よって、各空胴(18)は、前記通路(46)のアレイを介して大気と連接している、請求項に記載の成形装置(10)。
【請求項3】
空胴(18)の所与の1つのリム(52)の2つの高さ間の最大差は、1.0μm以上、好ましくは2.0μm以上、より好ましくは4.0μm以上、かつ100.0μm以下、好ましくは50.0μm以下である、請求項に記載の成形装置(10)。
【請求項4】
前記通路(46)のアレイは、前記長手方向(X)に延びる、請求項1~のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項5】
前記通路(46)のアレイは、前記横方向(Y)に延びる、請求項1~のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項6】
各空胴(18)は、前記外面(16)から前記内面(14)へ向かって延びるステムを画定し、かつ前記ステムから前記帯状成形型(12)の前記内面(14)へ向かって延びるヘッド形成端部を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項7】
前記帯状成形型(12)の各空胴(18)は、保持要素(38)の予備成形物を形成するように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項8】
前記成形支持体(24)は、成形ローラ(20、22)である、請求項1~のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項9】
前記帯状成形型(12)は、10空胴/cm~500空胴/cmを有する、請求項1~のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項10】
各空胴(18)は、前記高さ方向(Z)に5.0μm以上、好ましくは、20.0μm以上、さらに好ましくは、100.0μm以上、かつ5000.0μm以下、好ましくは、800.0μm以下、さらに好ましくは、500.0μm以下の高さを有する、請求項1~の一項に記載の成形装置(10)。
【請求項11】
前記帯状成形型(12)は、ニッケルベースの材料を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項12】
前記帯状成形型(12)は、前記長手方向(X)に0.5m~5mの範囲内の長さを呈する、請求項1~11のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項13】
前記帯状成形型(12)は、前記横方向(Y)に5mm~3000mmの範囲内の幅を呈する、請求項1~12のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項14】
各空胴(18)は、前記高さ方向に平行な軸(C)を中心とする回転対称性を呈する、請求項1から13のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項15】
前記空胴(18)のうちの少なくとも1つを囲む前記通路(46)のアレイの一部分(64)は、略六角形の形状を呈する、請求項3との組合せで解釈される請求項1~14のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【請求項16】
前記リム(52)のうちの少なくとも1つの高さと、前記リム(52)に隣接する通路(46)の高さとの最大差は、100.0μm以下である、請求項3との組合せで解釈される請求項1~15のいずれか一項に記載の成形装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保持具の分野に関し、具体的には、フックを有する保持具を製造する装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
フック等の自己把持要素を備える留め具を製造するための従来装置は、通常、プラスチック材料を、成形ローラまたは帯状成形型内に形成された空胴へ計量分配するための手段を利用する。
【0003】
さらに、プラスチック材料は、空胴内へ、材料がプラスチック材料のディスペンサ手段側に、空胴内に成形されるフックまたはフックの予備成形物のベースを形成する連続テープを形成するように、分布する。
【0004】
プラスチック材料は、空胴内へ、押し出されたプラスチック材料を例えば加圧ローラを用いて空胴内に押圧することによって、または、プラスチック材料を空胴内へ直に注入することによって、計量分配され得る。
【0005】
フックを有する保持具の製造装置であって、閉ループを形成しかつ回転駆動手段、例えば2つのローラ、の上にピンと張られるストリップである帯状成形型を含む製造装置が知られている。プラスチック材料は、駆動ローラの一方に面する、または成形支持体に面する、帯状成形型内の空胴へ注入または押圧される。したがって、駆動ローラまたは成形支持体は、フックの予備成形物またはフック自体を形成することになる所与の体積のプラスチック材料を画定するように、プラスチック材料が注入または押圧される場所に面する帯状成形型の空胴を閉鎖する。
【0006】
とは言え、経済的必要性から、帯状成形型の移動速度は、プラスチック材料が空胴内へ計量分配される間、各空胴(またはそれらの一部のみ)がプラスチック材料で完全には充填されず、空胴内に空気ポケットが閉じ込められることになる可能性がある、といった類のものである。その結果、予備成形物またはフックの全てがベース上へ最適に形成されるわけではなく、よって、フックを備える保持具の性能が低下することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の目的は、これらの欠点を少なくとも部分的に改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本開示は、保持具を形成するための成形装置を提供し、本成形装置は、帯状成形型と、成形支持体とを備え、帯状成形型は、内面と、外面と、外面から内面へ延びる複数の貫通空胴とを有し、帯状成形型は、長手方向に延び、かつ長手方向に対して垂直な横方向、および長手方向および横方向に対して垂直な高さ方向の双方を呈し、内面は、成形支持体の成形面を押圧するように構成され、帯状成形型の内面および/または成形支持体の成形面は、通路のアレイを含み、通路のアレイは、ベントを形成し、かつ帯状成形型が成形支持体に押圧されると空胴を連結する。
【0009】
一例として、帯状成形型は、帯状成形型の回転駆動手段、例えば2つの回転駆動ローラ、の上にピンと張られる閉ループを形成する帯状成形型である。帯状成形型の一方の回転駆動ローラは、成形支持体として作用してもよい。その一方で、成形支持体は、回転駆動手段とは等しく異なる可能性もある。
【0010】
本成形装置において、プラスチック材料は、空胴へ、成形支持体に面する帯状成形型の外面を介して、すなわち帯状成形型の内面が成形支持体の成形面に押圧される間に、注入される。
【0011】
帯状成形型が成形支持体に押圧されると、すなわち帯状成形型の内面が成形支持体の成形面に押圧されると空胴を互いに連結させる、ベントを形成する通路のアレイに起因して、プラスチック材料を注入する間、空胴は、完全には閉鎖されない。したがって、空胴は、気密ではない。
【0012】
従って、プラスチック材料が空胴内へ再注入される間、帯状成形型が高速で移動している場合でも、各空胴に注入されるプラスチック材料は、空胴内に存在する空気を通路のアレイへ押し出し、よって空気は、帯状成形型と成形支持体との間の通路のアレイにより形成されるベントを介して大気へと逃げる。空気は、プラスチック材料でいっぱいでなく、充填されつつある空胴へ通路のアレイを介して連結される空胴を介して、大気へ逃げることができる。また、空気は、帯状成形型のストリップ側を介して大気へ逃げることもできる。したがって、保持具を高速で製造すること、かつ成形空胴を充填するために必要な圧力、および予備成形物および/またはフックを型から抜くために供給される必要がある力も大幅に減らすことが可能である。
【0013】
もはや、空気は、プラスチック材料によって空胴内に閉じ込められず、よって、プラスチック材料による空胴の充填を妨げないことが理解され得る。また、空胴がプラスチック材料で最適に充填され、ひいては、例えば、ループを有する相手方および/またはフックを有する相手方との良好なフッキング性能を提示するフックを有する保持具を取得することが可能にされる点も保証される。よって、フックおよび/または予備成形物を型から抜く間の「吸盤」効果は、低減され、またはなくされもする。型抜きの間にテープに加わる応力は、大幅に低減される。
【0014】
帯状成形型の内面および/または成形支持体の成形面は、1.0マイクロメートル(μm)以上、好ましくは3.0μm以上、かつ50.0μm以下、である最大表面粗さRzを呈し得る。
【0015】
通路のアレイは、帯状成形型の内面の粗さ、および/または成形支持体の成形面の粗さによって形成される。この粗さは、プラスチック材料が注入されつつある空胴から空気を排出する働きをするベントを形成することに役立つ。とは言え、この粗さは、帯状成形型の内面を介して空胴を出ることができるプラスチック材料の量を制御する役目を果たす。
【0016】
この粗さは、帯状成形型の内面および/または成形支持体の成形面を紙やすりで、例えば粒度が16~400の範囲、具体的には240である紙やすりで磨くことによって得られてもよい。
【0017】
この粗さは、帯状成形型の内面および/または成形支持体の成形面をサンドブラストすることによっても得られることがある。
【0018】
また、この粗さは、化学研磨またはレーザ研磨によって、ローレット切りによって、または実際にはプラズマ溶射によっても得られることがある。
【0019】
内面は、各空胴の開放部分を囲みかつ内面から突き出すリムを呈し、リムは、リム間に通路のアレイを画定し、各リムは、おそらくは様々な高さを呈し、よって、帯状成形型が成形支持体へ押圧されても、各リムの少なくとも一部分は、成形支持体へ押し付けられず、よって、各空胴は、通路のアレイを介して大気と連接している。
【0020】
各空胴の開放部分は、帯状成形型の内面から突き出すリムによって囲まれることから、通路のアレイの一部分は、帯状成形型の内面によってリム間に形成される。さらに、各リムは、可変高さを呈することから、帯状成形型が成形支持体へ押圧されると、リムの少なくとも一部は、成形支持体へ押し付けられず、よって、通路のアレイの一部は、リムによっても形成される。
【0021】
リムの高さが、帯状成形型の外面に対して測定されること、および、この高さが、高さ方向に平行な、すなわち空胴の軸に平行な、かつ空胴を通る平面上の断面で測定されるリムの最大高さであることは、理解され得る。
【0022】
空胴の所与の1つのリムの2つの高さ間の最大差は、1.0μm以上、好ましくは2.0μm以上、より好ましくは4.0μm以上、かつ100.0μm以下、好ましくは50.0μm以下であってもよい。
【0023】
リムは、可変高さを呈することから、ある所定のリムの複数の最大高さは、高さ方向に平行な様々な異なる断面において測定されたものとして比較され、最大差は、これらの全ての高さの間で決定される。この最大差は、空胴と通路のアレイの残りの部分との間に空気通路が形成されるように、1.0μm以上である。
【0024】
好ましくは、この最大差は、6.0μm以上、より好ましくは、8.0μm以上である。
【0025】
好ましくは、この最大差は、50μm以下である。
【0026】
通路のアレイは、長手方向に延びてもよい。
【0027】
帯状成形型が成形支持体へ押圧されると、通路のアレイにより、空気を長手方向へ排出できるようにするベントを形成できることは、理解され得る。通路のアレイが、長手方向へ厳密に平行する通路のみによって形成され得ることは、理解され得る。
【0028】
通路のアレイは、横方向に延びてもよい。
【0029】
帯状成形型が成形支持体へ押圧されると、通路のアレイにより、空気を横方向および/または長手方向へ排出できるようにするベントを形成できることは、理解され得る。通路のアレイが、横方向へ厳密に平行する通路のみによって形成され得ることは、理解され得る。
【0030】
また、通路のアレイは、長手方向へ平行に延びる通路と、横方向へ平行に延びる通路とによって形成されてもよい。
【0031】
各空胴は、外面から内面へ向かって延びるステムを画定してもよく、かつステムから帯状成形型の内面へ向かって延びるヘッド形成端部を有してもよい。また、各空胴は、帯状成形型の厚さ全体に渡って外面と内側空間との間に延びるステムも画定することがある。
【0032】
したがって、ステムとヘッドとを提示する保持要素を形成することが可能であって、ヘッドは、テープのベースへステムによって連結される。
【0033】
帯状成形型の各空胴は、保持要素の予備成形物を形成するように構成されてもよい。
【0034】
その後、予備成形物は、保持要素を形成するために既知の手段によって、または、参照により援用される仏国特許出願第1653894号明細書に詳述されているように、変形されてもよい。
【0035】
成形支持体は、成形ローラであってもよい。
【0036】
従って、帯状成形型の一方の駆動ローラは、成形支持体として使用される。
【0037】
帯状成形型は、1平方センチメートル当たり10個の空胴(空胴/cm)~500空胴/cm、具体的には、250空胴/cm±75空胴/cm、を含んでもよい。
【0038】
各空胴の高さ方向の高さは、5.0μm以上、好ましくは、20.0μm以上、さらに好ましくは、100.0μm以上、かつ5000.0μm以下、好ましくは、800.0μm以下、さらに好ましくは、500.0μm以下、であってもよい。
【0039】
空胴が個々のリムで囲まれていない場合、空胴の高さは、帯状成形型の内面と外面との間で、例えば、各面を画定する2つの中央平面に対して測定される。
【0040】
空胴が個々のリムで囲まれている場合、空胴の高さは、帯状成形型の外面から、高さ方向に平行な、すなわち空胴の軸に平行な断面、かつ空胴内に包含される断面内で測定されるリムの最大点に対して測定される。
【0041】
帯状成形型は、ニッケルベースの材料を含んでもよい。
【0042】
ニッケルは、具体的には、連続的なエンドレスまたは「ループ型の」帯状成形型を、完全にニッケルで製造される単一部品として形成することを可能にする。したがって、帯状成形型は、材料の不連続性を提示せず、よって、帯状成形型を弱める場合もある接合部を作らない。具体的には、帯状成形型が溶接によってループを形成する場合、溶接ゾーンは、帯状成形型における弱いゾーンとなる。
【0043】
「ニッケルベースの材料」という用語は、その質量の大部分をニッケルが占める材料を包含して使用される。したがって、ニッケルが、材料において質量含有量が最も高い元素であることは、理解され得る。一例として、ニッケルベースの材料は、ニッケルの質量含有量が少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、さらに好ましくは少なくとも80%である、ニッケルベースの金属合金である。
【0044】
また、帯状成形型は、ニッケルメッキ鋼製であることもあり、すなわち、帯状成形型は、内部に空胴が穿たれている鋼ストリップから作られ、続いて、鋼ストリップは、例えば電気メッキによって複数のニッケル層で覆われる。
【0045】
ニッケルメッキ鋼から製造されるこの帯状成形型は、5~20質量%のニッケルを含む。
【0046】
帯状成形型は、積層造形方法によって、例えば、化学または電気化学析出、レーザによる粉末焼結、リソグラフィ、ガルバノプラスティ、電鋳...によって、得られてもよい。
【0047】
長手方向において、帯状成形型は、0.5メートル(m)~5mの範囲の長さを呈してもよい。
【0048】
横方向において、帯状成形型は、5ミリメートル(mm)~3000mmの範囲の幅を呈してもよい。
【0049】
各空胴は、高さ方向に平行な軸を中心とする回転対称性を呈してもよい。
【0050】
したがって、テープのベースに垂直な軸を中心とする回転対称性を呈する保持要素または予備成形物が形成される。テープを型から抜く間、保持要素または予備成形物は、型抜き後に回転対称性でなくなるように塑性変形されてもよいことは、理解され得る。
【0051】
空胴のうちの少なくとも1つを囲む通路のアレイの一部分は、略六角形状を呈してもよい。
【0052】
この六角形状は、空胴同士を「ハニカム」または互い違いの形状に配置することを可能にする。空胴のこの配置は、保持要素の高密度配置を達成することを可能にする。
【0053】
リムのうちの少なくとも1つの高さと、前記リムに隣接する通路の高さとの最大差は、100.0μm以下であってもよい。
【0054】
好ましくは、リムのうちの少なくとも1つの高さと、前記リムに隣接する通路の高さとの最大差は、75.0μm以下、さらに好ましくは、50.0μm以下、であってもよい。
【0055】
通路の高さは、通路の高さが高さ方向に平行な異なる多様な断面において測定される場合の最小通路高さを呈するポイントにおいて、帯状成形型の外面から測定される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な例として、かつ添付の図面を参照して行なう本発明の実施形態の以下の説明から明らかとなる。
図1】保持具を形成するための成形装置を示す概略断面図である。
図2】保持具を形成するための別の成形装置を示す概略断面図である。
図3】帯状成形型の第1の実施形態における、帯状成形型の内面を示す概略図である。
図4A図3の断面IV-IVにおける空胴上に心合わせされた帯状成形型の断面図である。
図4B】帯状成形型が成形支持体へ押圧された状態である、図3の断面IV-IVにおける空胴上に心合わせされた帯状成形型の断面図である。
図5】帯状成形型の第2の実施形態における、帯状成形型の内面を上から見た概略図である。
図6A図5の断面VI-VIにおける帯状成形型を示す部分斜視断面図である。
図6B】帯状成形型が成形支持体へ押圧された状態である、図5の断面VI-VIにおける空胴上に心合わせされた帯状成形型の断面図である。
図7A図5の断面VII-VIIにおける帯状成形型を示す部分斜視断面図である。
図7B】帯状成形型が成形支持体へ押圧された状態である、図5の断面VII-VIIにおける空胴上に心合わせされた帯状成形型の断面図である。
図8】帯状成形型が成形支持体へ押圧された状態である、帯状成形型の別の実施形態における空胴を示す部分断面図である。
図9】帯状成形型が成形支持体へ押圧された状態である、成形支持体の別の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、保持具を形成するための成形装置10を示す概略断面図である。前記成形装置10は、閉鎖ループを形成する、内面14と、外面16と、外面16から内面14まで延びる複数の貫通空胴18とを有する帯状成形型12を含む。
【0058】
帯状成形型12は、帯状成形型12へ回転駆動を与えるための手段、例えば2つの回転駆動ローラ20および22、の上にピンと張られる。帯状成形型12の一方の回転駆動ローラ20は、成形支持体24として作用してもよい。具体的には、モータ駆動手段により回転を駆動される必要があるのは、2つのローラのうちの一方のみ、例えばローラ20、であって、もう一方のローラ22は、アイドル状態(モータ駆動手段なし)であり、それ自体はローラ20により駆動される帯状成形型によって回転を駆動される。
【0059】
成形支持体24は、帯状成形型12の内面14を押圧する成形面26を有する。帯状成形型12の内面14は、回転駆動ローラ20を押圧して帯状成形型12を駆動する。
【0060】
成形装置10は、プラスチック材料30を帯状成形型12の空胴18内へ計量分配するためのディスペンサデバイス28も有する。図1において、例えばプラスチック材料30である材料を計量分配するためのディスペンサデバイス28は、帯状成形型12の外面16側へ成形支持体24に面して配置され、すなわち、プラスチック材料30は、帯状成形型12の内面14が成形支持体24の成形面26へ押圧される間に、帯状成形型の空胴18内へ計量分配される。
【0061】
例えば、ディスペンサデバイス28は、プラスチック材料注入器のヘッドであってもよい。プラスチック材料注入器のヘッド(または押出機ヘッド)は、帯状成形型12の横方向の幅以下である横方向の幅の開口を有する。
【0062】
図1において、ディスペンサデバイス28は、帯状成形型12とディスペンサデバイス28との間に隙間32を形成するように、帯状成形型12の外面16から所定の距離に配置されている。
【0063】
プラスチック材料30を帯状成形型12の空胴18内に計量分配する間、帯状成形型12の外面16上にはベース34も形成され、よって、型抜き後に、上に複数の保持要素38または複数の保持要素予備成形物を有するベース34を備えたテープ36が形成される。
【0064】
成形装置10は、型抜きローラ40も有する。一例として、型抜きローラ40は、テープ36のベース34を帯状成形型12から、テープ36の張力およびその方向変更の効果によって分離するように構成されてもよい。型抜きローラ40は、吸引ローラであってもよく、かつ型抜きを容易にするためにゴムコーティングを有してもよい。
【0065】
また、成形装置10は、図1の例において帯状成形型12の内面14側に帯状成形型12の移動方向における成形支持体24の後に配置されているスクレーパ42等の、過剰なプラスチック材料を取り除くためのデバイスも有し得ることは、観察されるべきである。したがって、スクレーパ42がディスペンサデバイス28より後に配置されることは、理解され得る。
【0066】
図2は、保持具を形成するための別の成形装置10を示す概略断面図である。
【0067】
以下、様々な実施形態に共通する要素は、同じ参照数字で識別する。
【0068】
図2の成形装置10と、図1の成形装置10との相違は、図2では、成形支持体24が帯状成形型12の回転駆動ローラ20とは異なることにある。
【0069】
長手方向Xは、帯状成形型12の移動方向に画定され、横方向Yは、長手方向Xに垂直であり、かつ高さ方向Zは、長手方向Xおよび横方向Yの双方に垂直である。XY平面は、帯状成形型の2つの回転駆動ローラ20、22間の帯状成形型12の平面を画定する。
【0070】
長手方向において、帯状成形型12は、帯状成形型12が切断されて平らに置かれた場合に、0.5m~5mの範囲の長さ(または周囲)を呈し得る。
【0071】
横方向において、帯状成形型12は、5mm~3000mmの範囲の幅を呈し得る。帯状成形型12の幅は、例えば、50mm、100mmまたは200mmであってもよい。
【0072】
また、帯状成形型12は、10空胴/cm~500空胴/cmも有し得る。例として、帯状成形型12は、250空胴/cm±75空胴/cmを有してもよい。
【0073】
図3は、帯状成形型12の内面14を示す図である。この帯状成形型12は、空胴18を有し、かつ、ISO4287規格およびISO4288規格に準拠した測定値である3.23μmの最大表面粗さRzを呈する。この粗さは、形状44に沿って測定されている。さらに、所与の形状44に沿って、粗さ形状の算術平均偏差Raは、同様にISO4287規格およびISO4288規格に準拠した測定で532.21ナノメートル(nm)である。この粗さは、帯状成形型12の内面14を紙やすりで、例えば粒度240の紙やすりで、磨くことによって得られる。内面14の研磨は、研磨傷を形成し、帯状成形型12の内面14に通路46のアレイが形成される。
【0074】
図3において、各空胴18は、高さ方向Zに平行な軸Cを中心とする回転対称性を提示している。
【0075】
図3では、空胴18が長手方向Xに沿って整列していて、長手方向Xに複数の列を形成していることが分かる。図3の実施形態において、1つの列の空胴18は、互いからピッチP1だけ離間され、ピッチP1は、同じ列内の隣り合った2つの空胴18の軸C間で測定される。隣り合った2つの列は、互いからピッチP2だけ離間され、ピッチP2は、横方向に測定され、かつ2つの列の空胴は、長手方向へ互い違いにピッチP1の半分だけ、すなわちP1/2とも記されるピッチP1を2で割ったもので、ずらされている。このオフセット値は、如何なる場合も限定的ではない。図3の例では、ピッチP1は、完全にピッチP2より大きい。
【0076】
図4Aは、図3の断面IV-IV上の部分における、空胴18上に心合わせされた帯状成形型12を示す部分断面図である。この断面IV-IVは、ZY平面に平行であって、空胴18の軸Cを含む。帯状成形型12は、外面16および内面14を提示している。内面14は、先に規定した粗さを呈する。高さ方向Zで測定される空胴18の高さH1は、各々が一方の面を画定する2つの中央平面の面に対して測定され、よって本例では、膜の外面16と、図4Aでは内面14の中央平面によって表されている仮想面48との間で測定される。
【0077】
高さ方向Zにおいて、各空胴18は、5.0μm以上、好ましくは、20.0μm以上、さらに好ましくは、100μm以上、かつ5000.0μm以下、好ましくは、800.0μm以下、さらに好ましくは、500.0μm以下である高さH1を有する。
【0078】
空胴18は、保持要素38のステムを画定する第1の部分18Aと、保持要素38のヘッド(または、予備成形物)を形成するためにステムから帯状成形型12の内面14へ向かって延びる、空胴18の一端を形成する第2の部分18Bとを有する。ステムを画定する第1の部分18Aは、円筒または円錐台形状であってもよい。例えば、第1の部分18Aは、外面16から離れて内面14へ向かうにつれて減少する直径を呈してもよい。ヘッドを形成する第2の直径18Bは、典型的には、ステムの軸に平行な、すなわち高さ方向に平行な軸に対して半径方向または横方向に延びる。具体的には、ヘッドの直径は、部分18Aから離れて帯状成形型12の内面14へ向かうにつれて大きくなる。より具体的には、ヘッドは、略円錐台形状である。ある変形例では、六面体の形状を呈するヘッドの形成を想定することが可能である。ある変形例では、空胴が回転双曲面または回転の双曲面の少なくとも一部分を呈するものと想定することも可能である。
【0079】
帯状成形型12の内面14の粗さは、通路46のアレイを形成し、通路46のアレイは、ベント50を形成し、かつ図4Bに示すように、帯状成形型12が成形支持体24へ押圧されると、すなわち、帯状成形型12の内面14が成形支持体24の成形面26へ押圧されると、空胴18同士を連接する。
【0080】
図5は、帯状成形型12の別の実施形態における、帯状成形型12の内面14を示す図である。この帯状成形型12は、空胴18を有する。図3の実施形態の場合と同様に、図5においても、空胴18は、長手方向Xに複数の列を形成するように、長手方向Xに整列していることが分かる。図5の実施形態において、1つの列の空胴18は、互いからピッチP1で離間され、ピッチP1は、同じ列内の隣接する2つの空胴18の軸C間で測定される。隣り合った2つの列は、互いからピッチP2だけ離間され、ピッチP2は、横方向に測定され、かつ2つの列の空胴は、長手方向へ互い違いにピッチP1の半分だけ、すなわちP1/2とも記されるピッチP1を2で割ったもので、ずらされている。同じ参照数字で識別されているが、図5の実施形態のピッチP1およびP2は、図3の実施形態のそれと相違することは、理解され得る。したがって、図5の例では、ピッチP1は、完全にピッチP2より大きい。
【0081】
リム52間に形成される通路46のアレイが、空胴18を取り囲みかつ略六角形状である、通路46のアレイの一部分64を含むことは、観察されるべきである。より具体的には、この略六角形状を呈するものは、空胴18を囲む通路46のアレイの底である。
【0082】
図5において、帯状成形型12の内面14は、各空胴18の開放部分を囲む、かつ帯状成形型12の内面14から突き出すリム52を呈する。
【0083】
図5において、各空胴18は、高さ方向Zに平行な軸Cを中心とする回転対称性を提示している。とは言え、リム52が回転対称性を示す必要はない。
【0084】
したがって、帯状成形型12の内面14から突き出すリム52のように、通路46のアレイの一部分は、帯状成形型12の内面14によってリム52間に形成される。さらに、各リム52は、可変高さHR1、HR2、HR3およびHR4を呈することから、帯状成形型12が成形支持体24へ押圧されると、リム52の少なくとも一部分は、成形支持体24へ押し付けられず、よって、通路46のアレイの一部分は、リム52の一部分によっても形成される。成形支持体の面へ押圧される帯状成形型の面積は、厳密には100%未満(空胴の面積を考慮しない)であり、より具体的には98%未満である。押圧される面積は、5%超である。所定の実施形態において、成形支持体の面へ押圧される帯状成形型の面積は、15%~45%の範囲内である。所定の実施形態において、成形支持体の面へ押圧される帯状成形型の面積は、55%~90%の範囲内である。
【0085】
図6A図6B図7Aおよび図7Bに示すように、各リム52は、可変高さHR1、HR2、HR3およびHR4を呈する。これらの高さは、帯状成形型12の外面16に対して測定される。さらに、これらの高さHR1、HR2、HR3およびHR4は、高さ方向Zに平行な、すなわち空胴18の軸Cに平行で空胴18を通過する断面で測定される、リム52の最大高さである。好ましくは、この断面は、軸Cを含む。具体的には、この断面では、断面図において、リム52が最大高さを呈する。
【0086】
高さ方向Zにおいて、各空胴18は、5.0μm以上、好ましくは、20.0μm以上、さらに好ましくは、100.0μm以上、かつ5000.0μm以下、好ましくは、800.0μm以下、さらに好ましくは、500.0μm以下である少なくとも1つの高さHR1、HR2、HR3またはHR4を有する。
【0087】
図5の実施形態において、リム52は、2つの最大54、56と、2つの最小58、60を呈し、2つの最大54、56は、最小で分離され、2つの最小58、60は、最大で分離される。従って、リム52を回る場合、最大高さのライン62に沿って、すなわち空胴18の断面内で測定される形状の最大高さの連続に沿って、第1の最大54、次に第1の最小58が越され、その後、第2の最大56、次に第2の最小60が越されて第1の最大54へと戻る。
【0088】
図5図6A図6B図7Aおよび図7Bの例において、最大54および56は、各々高さHR1およびHR2に対応し、かつ最小58および60は、各々高さHR3およびHR4に対応する。
【0089】
図5図6A図6B図7Aおよび図7Bの例において、第1の最大54の高さHR1は、第2の最大56の高さHR2とは異なる。同様に、第1の最小58の高さHR3は、第2の最小60の高さHR4とは異なる。
【0090】
例えば、空胴18の所与の1つのリム52の2つの高さ間の最大差は、1.0μm以上、好ましくは2.0μm以上、さらに好ましくは4.0μm以上、かつ100.0μm以下、好ましくは50.0μm以下であってもよい。例えば、HR1がHR2より大きく、かつHR3がHR4より大きいとされれば、最大差はHR1とHR4との間で測定され、例えば14.0μmに等しくてもよい。
【0091】
したがって、リム52は、可変高さを呈することから、比較は、所与のリム52の複数の最大高さ間、すなわち、高さ方向に平行な様々な異なる断面において測定されるリム52の最大高さ間、言い換えれば、最大高さのライン62に沿って測定されるリム52の高さ間で行われる。これら全ての高さ間の最大差は、空胴18と通路46のアレイの残りとの間に空気通路を形成するように決定され、この最大差は、例えば1.0μm以上である。
【0092】
また、リム52のうちの少なくとも1つの高さと、前記リム52に隣接する通路46の高さHPとの最大差は、100.0μm以下であり、例えば、35.0μmに等しいことも観察されるべきである。
【0093】
リム52は、最大54に水平域66を有することが分かる。図5において、水平域66は、略長円形状であって、約150.0μmの長手方向のサイズおよび約45.0μmの横方向サイズを呈する。
【0094】
帯状成形型12が使用される間、これらの水平域66の大きさは、帯状成形型12と成形支持体24との間の摩擦摩耗の結果として増す傾向がある。したがって、新しい帯状成形型12上には、これらの水平域66が存在する必要はなく、または、リム52の最大の1つにのみ存在してもよい。その後は、帯状成形型12と成形支持体24および/または帯状成形型12を駆動するための回転駆動ローラ20、22との間で接触が繰り返される結果として、水平域66がリム52のすべての最大に存在することになり得、その大きさも、リム毎に、かつ経時的に変わり得る。
【0095】
図8は、帯状成形型12の別の実施形態における空胴18の部分的な断面図および斜視図であり、帯状成形型12は、成形支持体24へ押圧されている。
【0096】
図8の例において、空胴18を囲みかつ帯状成形型12の内面14から突き出すリム52は、連続する最大および最小を含む最大高さのライン62を呈し、よって、帯状成形型12が成形支持体24へ押圧されると、空胴18は、ベント50を形成する通路46のアレイを介して大気と、および他の空胴と連接する。
【0097】
また、図8は、空胴18を囲みかつ帯状成形型12の内面14から突き出すリム52が、略一定の最大高さの、すなわち外面16から測定される高さHRが略等しい、ライン62を呈し、1.0μm以上、好ましくは3.0μm以上、かつ50.0μm以下の最大表面粗さRzが提示される、帯状成形型12も表している。
【0098】
図9は、成形支持体24が1.0μm以上、好ましくは3.0μm以上、かつ50.0μm以下の最大表面粗さRzを呈する、成形装置10の一実施形態を示す。
【0099】
図9の実施形態では、帯状成形型12にリムがない。とは言え、図9の成形支持体24と、これまでに述べた帯状成形型の実施形態のいずれかとの組合せを想定することは可能である。
【0100】
したがって、帯状成形型12の内面14も等しく、1.0μm以上、好ましくは3.0μm以上、かつ50.0μm以下の最大表面粗さRzを呈する可能性があり、かつ/または、帯状成形型12が、空胴18の各々を囲むリム52を呈する可能性もある。
【0101】
本開示は、特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態に対しては、特許請求の範囲が規定する本発明の一般的範囲を逸脱することなく様々な変更および改変が行われ得ることは明らかである。また、言及した様々な実施形態の個々の特性は、追加の実施形態において組み合わされることが可能である。したがって、明細書本文および図面は、限定的ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。例えば、図1および図2の成形装置10は、帯状成形型12用に2つの回転駆動ローラ20を有するが、3つを有することもできる。ローラの数、およびこれらの配置方法が限定的でないことは、理解され得る。ローラの数およびこれらの配置方法は、帯状成形型12の長さ、および/または成形装置10のステーションの様々な構成に適応するために変えられてもよい。例えば、ローラ22にも、ローラ20のようにモータ駆動手段を装備することができる。さらに、ピッチP1は、ピッチP2に等しいことも可能であり、リムが各空胴を囲んでいれば、ピッチP1は、完全にピッチP2より小さいことも可能であり、逆に、帯状成形型12の内面14が空胴18を囲むリムを呈していない場合、ピッチP1は、完全にピッチP2より大きいことも可能である。また、長手方向に置かれかつ互いに隣合せである2つの列が、互いから長手方向へピッチP1の半分とは異なるピッチだけずらされ得ると想定することも可能である。図5図6A図6B図7Aおよび図7Bの例において、リム52は、2つの最大および2つの最小を呈する。これらの例は、限定的ではない。
【0102】
また、図は、縮尺通りに再現されていないことも観察されるべきである。したがって、理解を深めるために、所定の詳細は、表示を目的として任意に拡大されている。
【0103】
ある実施形態において、帯状成形型は、ニッケル製であって、ニッケル含有量が90%を超える。銅製、真鍮製または金属合金製のストリップの使用を想定することも、等しく可能である。さらに、鋼のみで製造されて穿孔される帯状成形型、例えばステンレス鋼製の帯状成形型、の使用を想定することも、等しく可能である。また、帯状成形型の、場合により強化された有機材料からの製造、例えば、ゴムをベースとする帯状成形型、またはエポキシ炭素または織りまたは編み繊維ベルトまたはさらに織りまたは編み金属繊維ベルトで製造される帯状成形型、を想定することも、等しく可能である。
【0104】
本明細書の例において、フック付きの保持具は、プラスチック材料で製造される。「プラスチック材料」という用語は、熱可塑性材料を意味して、より具体的には、ホモポリマーまたはコポリマーをベースとするポリオレフィン材料を意味して使用されている。
【0105】
以下のリストは、プラスチック材料の例である:線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、メタロセンポリエチレン(m-PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレンビニルアセテート(EVA)、および単峰性または多峰性(例えば、二峰性)である分子量分布を有するポリプロピレン(PP)、具体的には、LLDPEおよびプラストマ、具体的にはポリエチレンベースのプラストマ、を含む組成物。また、ポリイミド(PA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノアート(PHA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリブタジエンスチレン(PBS)を使用することも可能であると思われる。
【0106】
本開示と適合する種々のシステムおよび方法は、仏国特許出願第16/53866号明細書、同第16/53870号明細書、同第16/53872号明細書、同第16/53873号明細書、同第16/53888号明細書、同第16/53894号明細書および同第16/53897号明細書に記載されている。これらは全て、本明細書において参照により援用される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9