(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20220615BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20220615BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20220615BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20220615BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/79
A63F13/822
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2020070568
(22)【出願日】2020-04-09
【審査請求日】2021-02-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年4月1掲載、掲載アドレス https://apps.apple.com/jp/app/id1179915619 https://play.google.com/store/apps/details?id=com.nintendo.zaca 令和2年4月1日掲載、掲載アドレス https://twitter.com/pokemori_jp/status/1245259607573848064
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】泉水 一慶
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-119030(JP,A)
【文献】特開2019-211820(JP,A)
【文献】特開2002-224438(JP,A)
【文献】あつまれ どうぶつの森、試着室でコーディネートを色々簡単に試せる,ゲームメモ [online],2020年03月06日,https://ga-m.com/n/atumare-doubutu-no-mori-sityakusitu-coordinate/,[2022年3月1日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
第1のモードにおいて、着用するアイテムオブジェクトに応じて外観が変化する複数のゲームオブジェクトが同時に表示部に表示されるように、当該複数のゲームオブジェクトを仮想空間に配置する配置手段と、
ユーザの指示に基づき、複数種類の前記アイテムオブジェクトのうち少なくとも1種類の前記アイテムオブジェクトに対応する画像を指定オブジェクトとして指定する指定手段と、
前記指定オブジェクトが指定された場合、前記表示部に表示されている前記複数のゲームオブジェクトの各々が、当該指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを着用可能である着用可能ゲームオブジェクト、または当該指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを着用不可能である着用不可能ゲームオブジェクトのいずれであるかを判定する判定手段と、
前記表示部に表示されている前記着用可能ゲームオブジェクトの数にかかわらず、前記指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを当該着用可能ゲームオブジェクトの全てに対して着用するとともに、当該表示部に表示されている前記着用不可能ゲームオブジェクトに対しては、当該指定オブジェクトに対応する当該アイテムオブジェクトを着用しない着用手段として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記ゲームオブジェクトは、少なくとも1つの着用部位を有し、
前記アイテムオブジェクトの前記複数種類の各々は、少なくとも1つの前記着用部位に関連付けられており、
前記着用手段は、前記着用可能ゲームオブジェクトについて、前記指定オブジェクトの前記複数種類のいずれかに関連付けられた前記着用部位に、当該指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを着用する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記配置手段は、前記アイテムオブジェクトを着用できる前記着用部位が互いに異なる複数のゲームオブジェクトが前記表示部に同時に表示されるように、当該複数のゲームオブジェクトを、前記仮想空間に配置する、請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
第2のモードにおいて、1つの前記ゲームオブジェクトが前記表示部に表示されるように、当該ゲームオブジェクトを前記仮想空間に配置する単数配置手段と、
1つの前記ゲームオブジェクトが着用不可能な前記アイテムオブジェクトを指定できないようにしたうえで、前記ユーザの指示に基づき、前記複数種類のアイテムオブジェクトのうち少なくとも1種類の前記アイテムオブジェクトに対応する画像を第2モード指定オブジェクトとして指定する第2モード指定手段として更に機能させ、
前記着用手段は、前記第2モード指定オブジェクトが指定された場合、1つの前記ゲームオブジェクトに、当該第2モード指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを着用する、請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記着用手段は、前記指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトであって、複数の前記ゲームオブジェクトの間で同一のアイテムとして扱われるアイテムオブジェクトを、前記着用可能ゲームオブジェクトに着用する、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記着用手段は、前記指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトであって、前記ゲームオブジェクトに応じて異なる当該アイテムオブジェクトを、前記着用可能ゲームオブジェクトに着用する、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを前記着用可能ゲームオブジェクトに着用したときに、前記着用不可能ゲームオブジェクトに、前記着用可能ゲームオブジェクトに対するアクションを行わせる第1アクション手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを前記着用可能ゲームオブジェクトに着用するときに、当該着用可能ゲームオブジェクトに着用アクションを行わせる第2アクション手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項1乃至7のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記着用手段は、前記表示部に表示される前記着用可能ゲームオブジェクトの数が、前記ユーザが所有する前記指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトの数を超える場合であっても、当該アイテムオブジェクトを当該着用可能ゲームオブジェクトの全てに対して装着する、請求項1乃至8のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記着用手段は、前記指定オブジェクトを指定したとき、前記表示部に表示されている前記複数のゲームオブジェクトに当該指定オブジェクトを着用できない前記着用不可能ゲームオブジェクトが含まれている場合、当該着用不可能ゲームオブジェクトが着用可能な所定の前記アイテムオブジェクトを当該着用不可能ゲームオブジェクトに着用させる、請求項1乃至9のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記配置手段は、前記仮想空間に配置された前記ゲームオブジェクトを別のゲームオブジェクトに入れ替え、
前記着用手段は、前記別のゲームオブジェクトへの入れ替えが行われるとき、前記配置手段により入れ替えられる直前に前記ゲームオブジェクトが着用していた前記指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを、入れ替え後の前記別のゲームオブジェクトに自動的に着用させる、請求項1乃至10のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記複数のゲームオブジェクトは、プレイヤオブジェクト及びノンプレイヤオブジェクトを含む、請求項1乃至11のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
第1のモードにおいて、着用するアイテムオブジェクトに応じて外観が変化する複数のゲームオブジェクトが同時に表示部に表示されるように、当該複数のゲームオブジェクトを仮想空間に配置する配置手段と、
ユーザの指示に基づき、複数種類の前記アイテムオブジェクトのうち少なくとも1種類の前記アイテムオブジェクトに対応する画像を指定オブジェクトとして指定する指定手段と、
前記指定オブジェクトが指定された場合、前記表示部に表示されている前記複数のゲームオブジェクトの各々が、当該指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを着用可能である着用可能ゲームオブジェクト、または当該指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを着用不可能である着用不可能ゲームオブジェクトのいずれであるかを判定する判定手段と、
前記表示部に表示されている前記着用可能ゲームオブジェクトの数にかかわらず、前記指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを当該着用可能ゲームオブジェクトの全てに対して着用するとともに、当該表示部に表示されている前記着用不可能ゲームオブジェクトに対しては、当該指定オブジェクトに対応する当該アイテムオブジェクトを着用しない着用手段とを備える、情報処理装置。
【請求項14】
第1のモードにおいて、着用するアイテムオブジェクトに応じて外観が変化する複数のゲームオブジェクトが同時に表示部に表示されるように、当該複数のゲームオブジェクトを仮想空間に配置する配置手段と、
ユーザの指示に基づき、複数種類の前記アイテムオブジェクトのうち少なくとも1種類の前記アイテムオブジェクトに対応する画像を指定オブジェクトとして指定する指定手段と、
前記指定オブジェクトが指定された場合、前記表示部に表示されている前記複数のゲームオブジェクトの各々が、当該指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを着用可能である着用可能ゲームオブジェクト、または当該指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを着用不可能である着用不可能ゲームオブジェクトのいずれであるかを判定する判定手段と、
前記表示部に表示されている前記着用可能ゲームオブジェクトの数にかかわらず、前記指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを当該着用可能ゲームオブジェクトの全てに対して着用するとともに、当該表示部に表示されている前記着用不可能ゲームオブジェクトに対しては、当該指定オブジェクトに対応する当該アイテムオブジェクトを着用しない着用手段とを備える、情報処理システム。
【請求項15】
情報処理装置を制御するコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記コンピュータに、
第1のモードにおいて、着用するアイテムオブジェクトに応じて外観が変化する複数のゲームオブジェクトが同時に表示部に表示されるように、当該複数のゲームオブジェクトを仮想空間に配置させ、
ユーザの指示に基づき、複数種類の前記アイテムオブジェクトのうち少なくとも1種類の前記アイテムオブジェクトに対応する画像を指定オブジェクトとして指定させ、
前記指定オブジェクトが指定された場合、前記表示部に表示されている前記複数のゲームオブジェクトの各々が、当該指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを着用可能である着用可能ゲームオブジェクト、または当該指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを着用不可能である着用不可能ゲームオブジェクトのいずれであるかを判定させ、
前記表示部に表示されている前記着用可能ゲームオブジェクトの数にかかわらず、前記指定オブジェクトに対応する前記アイテムオブジェクトを当該着用可能ゲームオブジェクトの全てに対して着用するとともに、当該表示部に表示されている前記着用不可能ゲームオブジェクトに対しては、当該指定オブジェクトに対応する当該アイテムオブジェクトを着用させる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観を変更可能なゲームオブジェクトが表示される情報処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤキャラクタやノンプレイヤキャラクタの外観を変更することが可能なゲームが知られている(例えば非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】任天堂株式会社、”どうぶつの森 ポケットキャンプ”、[online]、[令和2年3月30日検索]、インターネット(URL:https://twitter.com/pokemori_jp/status/962159191673614337)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームでは、1体のプレイヤキャラクタ、あるいは1体のノンプレイヤキャラクタを対象にして、ユーザが所有する服アイテムの中から所望の服アイテムを着せ替える操作を行うことで、これらキャラクタの外観を変更することができるものであった。この点につき、従来のゲームでは、複数の服アイテムおよび複数体のキャラクタが存在し、かつ、着用可能な服アイテムがキャラクタ毎に異なっているような場合については、特に考慮されていなかった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、キャラクタ毎に着用可能なアイテムが異なる場合に、複数のキャラクタに対して効率よく着せ替えを行うことができる情報処理プログラム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
構成例の一例は、情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、コンピュータを、配置手段と、指定手段と、判定手段と、着用手段として機能させる。配置手段は、第1のモードにおいて、着用するアイテムオブジェクトに応じて外観が変化する複数のゲームオブジェクトが同時に表示部に表示されるように、当該複数のゲームオブジェクトを仮想空間に配置する。指定手段は、ユーザの指示に基づき、複数種類のアイテムオブジェクトのうち少なくとも1種類のアイテムオブジェクトに対応する画像を指定オブジェクトとして指定する。判定手段は、指定オブジェクトが指定された場合、表示部に表示されている複数のゲームオブジェクトの各々が、当該指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトを着用可能である着用可能ゲームオブジェクト、または当該指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトを着用不可能である着用不可能ゲームオブジェクトのいずれであるかを判定する。着用手段は、表示部に表示されている着用可能ゲームオブジェクトの数にかかわらず、指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトを当該着用可能ゲームオブジェクトの全てに対して着用するとともに、当該表示部に表示されている着用不可能ゲームオブジェクトに対しては、当該指定オブジェクトに対応する当該アイテムオブジェクトを着用しない。
【0008】
上記構成例によれば、複数体のゲームオブジェクトに対してアイテムオブジェクトを着用させたい場合に、当該着用にかかる操作や作業を効率よく行うことが可能となる。
【0009】
他の構成例として、ゲームオブジェクトは、少なくとも1つの着用部位を有し、アイテムオブジェクトの複数種類の各々は、少なくとも1つの着用部位に関連付けられていてもよい。そして、着用手段は、着用可能ゲームオブジェクトについて、指定オブジェクトの上記種類に関連付けられた着用部位に当該指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトを着用してもよい。
【0010】
他の構成例として、配置手段は、アイテムオブジェクトを着用できる着用部位が互いに異なる複数のゲームオブジェクトが表示部に同時に表示されるように、当該複数のゲームオブジェクトを仮想空間に配置してもよい。
【0011】
上記構成例によれば、複数のゲームオブジェクトの間でアイテムオブジェクトを着用可能な部位に差がある場合でも、これらを同時に表示部に表示する。そのため、画面の切り替え等を発生させること無く、これらの複数のゲームオブジェクトに対する着用操作をまとめて行うことができる。例えば、このような差がある2つのゲームオブジェクトが表示されている場合、両者ともに着用可能な部位については同時に着用させることが可能であり、ユーザの利便性を高めることができる。また、両者に差がある部位については、少なくとも着用可能なゲームオブジェクトについては着用が行われるため、双方とも着用できないようにする場合に比べ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0012】
更に他の構成例として、コンピュータを、第2のモードにおいて、1つのゲームオブジェクトが表示部に表示されるように、当該ゲームオブジェクトを仮想空間に配置する単数配置手段と、1つのゲームオブジェクトが着用不可能なアイテムオブジェクトを指定できないようにしたうえで、ユーザの指示に基づき、複数種類のアイテムオブジェクトのうち少なくとも1種類のアイテムオブジェクトに対応する画像を第2モード指定オブジェクトとして指定する第2モード指定手段として更に機能させても良い。そして、第2モード指定オブジェクトが指定された場合、1つのゲームオブジェクトに、当該第2モード指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトを着用してもよい。
【0013】
上記構成例によれば、1体だけのゲームオブジェクトを着用対象とするモードも提供でき、ゲーム等の局面に応じてユーザが使い分け可能とすることができる。また、着用不可能なアイテムオブジェクトは指定できないようにしておくことで、不要な着用操作の発生を防ぎ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0014】
更に他の構成例として、着用手段は、指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトであって、複数のゲームオブジェクトの間で同一のアイテムオブジェクトを、着用可能ゲームオブジェクトに着用してもよい。
【0015】
上記構成例によれば、アイテムオブジェクトにかかるデータ容量を削減することができる。
【0016】
更に他の構成例として、着用手段は、指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトであって、ゲームオブジェクトに応じて異なる当該アイテムオブジェクトを、着用可能ゲームオブジェクトに着用してもよい。
【0017】
上記構成例によれば、ある指定オブジェクトの着用操作を行うだけで、ゲームオブジェクトに応じた異なるアイテムオブジェクトを着用させることができ、複数のゲームオブジェクトに対するアイテムオブジェクトの着用を行う場合の効率性を高めることができる。
【0018】
更に他の構成例として、指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトを着用可能ゲームオブジェクトに着用したときに、着用不可能ゲームオブジェクトに、当該着用可能ゲームオブジェクトに対するアクションを行わせてもよい。
【0019】
上記構成例によれば、着用不可能ゲームオブジェクトについて、指定オブジェクトが着用できないことをユーザにわかりやすく提示することができる。特に、アイテムオブジェクトのサイズが小さいためにユーザが視認しにくい場合でも、ゲームオブジェクトの動きによって、ユーザは、そのアイテムオブジェクトが着用できなかったことが把握しやすくなる。
【0020】
更に他の構成例として、着用手段は、指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトを着用可能ゲームオブジェクトに着用するときに、当該着用可能ゲームオブジェクトに着用アクションを行わせてもよい。
【0021】
上記構成例によれば、指定オブジェクトが着用できたことをユーザが把握しやすいように表示できる。特に、着用されたアイテムオブジェクトのサイズが小さいため視認しにくい場合でも、ゲームオブジェクトの動きによってそのアイテムオブジェクトが着用できたことが示されるため、着用できたのかどうかをユーザが把握しやすくなる。
【0022】
更に他の構成例として、着用手段は、表示部に表示される着用可能ゲームオブジェクトの数が、ユーザが所有する指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトの数を超える場合であっても、当該アイテムオブジェクトを当該着用可能ゲームオブジェクトの全てに対して装着してもよい。
【0023】
上記構成例によれば、ユーザのアイテムオブジェクトの所有状況に関わらず、様々なアイテムオブジェクトをゲームオブジェクトに着用させることができる。
【0024】
更に他の構成例として、指定オブジェクトを指定したとき、表示部に表示されている複数のゲームオブジェクトに当該指定オブジェクトを着用できない着用不可能ゲームオブジェクトが含まれている場合、当該着用不可能ゲームオブジェクトが着用可能な所定のアイテムオブジェクトを当該着用不可能ゲームオブジェクトに着用させてもよい。
【0025】
更に他の構成例として、配置手段は、仮想空間に配置されたゲームオブジェクトを別のゲームオブジェクトに入れ替え、着用手段は、この入れ替えが行われるとき、配置手段により入れ替えられる直前にゲームオブジェクトが着用していた指定オブジェクトに対応するアイテムオブジェクトを、入れ替え後の別のゲームオブジェクトに自動的に着用させてもよい。
【0026】
上記構成例によれば、ゲームオブジェクトを変更することができ、変更した際、変更前のゲームオブジェクトにかかる着用状態を変更後のゲームオブジェクトに引き継ぐことができる。そのため、変更後に再度着用にかかる操作を行わずとも済み、ユーザの利便性を向上できる。
【0027】
更に他の構成例として、複数のゲームオブジェクトは、プレイヤオブジェクト及びノンプレイヤオブジェクトを含んでいてもよい。
【0028】
上記構成例によれば、ユーザの直接的な操作対象となるプレイヤオブジェクトだけでなく、ノンプレイヤオブジェクトも一緒に表示部に表示することができる。そのため、ゲームオブジェクトの着用について、プレイヤオブジェクトとノンプレイヤオブジェクトとをまとめて行うことができる。これにより、ユーザの利便性や操作の効率性を高めることができる。
【発明の効果】
【0029】
本実施形態によれば、複数体のゲームオブジェクトに対してアイテムオブジェクトを着用させる場合のユーザの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】情報処理装置102の構成の一例を示すブロック図
【
図7】情報処理装置102のメモリ113に格納されるプログラムおよびデータの一例
【
図10】PC着用状態データ306のデータ構成の一例
【
図11】第2の試着シーン処理の詳細を示すフローチャート
【
図13】NPC側試着処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、一実施形態について説明する。
【0032】
[情報処理装置のハードウェア構成]
まず、本実施形態に係る情報処理装置の構成について説明する。本実施形態では、情報処理装置102として、例えば、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスや、据置型ゲーム装置や携帯型のゲーム装置や、パーソナルコンピュータ等を想定している。以下の説明では、表示画面とタッチパネルを一体型の態様で備えている情報処理装置(例えばスマートフォン)を一例として説明する。そのため、主に、入力操作は、タッチパネルへの入力となっている。但し、他の実施形態では、入力操作については、情報処理装置と無線あるいは有線で接続された物理的なコントローラを用いる形態でもよいし、例えば、情報処理装置と一体となるよう構成された入力装置を用いる形態でもよい。
【0033】
図2は、情報処理装置102の機能ブロック図である。
図2において、情報処理装置102は、プロセッサ111と、メモリ113と、操作部115と、表示部116とを備えている。プロセッサ111は、後述する情報処理を実行したり、情報処理装置102の全体的な動作を制御したりするためのシステムプログラム(図示せず)を実行することで、情報処理装置102の動作を制御する。なお、プロセッサ111は、単一のプロセッサを搭載してもよいし、複数のプロセッサを搭載するようにしてもよい。メモリ113は、プロセッサ111によって実行される各種プログラムおよび当該プログラムで利用される各種データが格納される。メモリ113は、例えば、フラッシュEEPROMやハードディスク装置である。操作部115は、例えば、ユーザからの操作を受け付けるための入力装置である。表示部116は、典型的には液晶表示装置である。なお、本実施形態に係る処理では、操作部115及び表示部116として、液晶画面と一体化したタッチパネルを想定する。他の実施形態では、操作部115として、タッチパネル以外の所定のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0034】
[本実施形態のゲーム処理の概要]
次に、本実施形態で実行される情報処理の概要について説明する。本実施形態では、情報処理の一例としてゲーム処理を例に説明する。まず、当該ゲーム処理によって実現されるゲームの概要について説明する。本実施形態で想定するゲームは、様々な仮想キャラクタ(以下、NPCと呼ぶ)が生活している仮想ゲーム世界内で、プレイヤキャラクタ(以下、PCと呼ぶ)として仮想的に生活するゲームである。例えば、様々な素材アイテムを集めて自分の家を建てたり、庭を整備したりできる。また、ゲーム内で収穫や釣り等を行ったり、NPCと会話等を行ったりすることで、様々なアイテムを得ることもできる。また、本ゲームでは、上記素材アイテムを消費して「衣服オブジェクト」(以下、単に衣服と呼ぶ)というアイテムを制作することができる。この衣服は、PCやNPCに着用させることができる。この衣服の着用によって、PCやNPCの外観を変化させることができる。また、本実施形態では、「着せ替え」という体裁で、PCやNPCに着用させる衣服を変更することもできる。
【0035】
ここで、本実施形態では、PCやNPCについて、各衣服を着用する「部位」が定義されている。一例として、本実施形態では、「頭」、「顔」、「上半身」、「下半身」、「足首」、「足」という6つの部位が定義されているものとする。また、本実施形態では、上記衣服を複数の種類(カテゴリ)に分類している。一例として、「帽子」、「めがね」、「トップス」、「ボトムス」、「靴下」、「靴」の6つの種類に分類される場合を例とする。更に、本実施形態では、この種類毎に、着用対象となる部位(以下、着用対象部位)が設定されている。具体的には、種類が「帽子」の場合は、着用対象部位として「頭」が設定されている。種類が「めがね」の場合は、着用対象部位として「顔」が設定されている。種類が「トップス」の場合は、着用対象部位として「上半身」が設定されている。種類が「ボトムス」の場合は、着用対象部位として「下半身」が設定されている。種類が「靴下」の場合は、着用対象部位として「足首」が設定されている。種類が「靴」の場合は、着用部位として「足」が設定されている。
【0036】
また、本実施形態では、PCとNPCとで、着用可能な部位に差が設けられている。具体的には、PCは上記6つの部位全てに所定の衣服を着用することができるが、NPCは、原則として、「頭」、「顔」、「上半身」の3つの部位についてのみ、所定の衣服が着用可能となっている。つまり、NPCについては、「下半身」、「足首」、「足」については衣服を着用することができない。
【0037】
ところで、本実施形態では、上記のような衣服をPCが入手するための手段の一つとして、「服職人」の役割を有するNPCに所定の材料を渡して、所望の衣服を「注文」する、という手段がある。注文後、所定時間が経過すれば、PCは、注文した衣服を入手することができる。このような注文に際して、本実施形態では、「試着」という形で、PCやNPCが所定の衣服を着用した状態を、注文する前にプレビューすることも可能となっている。なお、本実施形態では、この「試着」においては、PC(ユーザ)が実際に所有しているか否かにかかわらず、ゲーム内に登場する全ての衣装を試着対象として選ぶことができるものとする。
【0038】
本実施形態では、この「試着」について、2つの試着モードをユーザに提供している。1つめのモード(以下、第1の試着モード)では、PCまたはNPC単体を対象として上記衣服を試着させることができる。2つめのモード(以下、第2の試着モード)では、複数体のキャラクタを対象として、まとめて試着させることができる。これらのモードには、所定の画面から所定の操作をユーザが行うことで遷移可能である。例えば、上記衣服を注文するための画面において「試着室」というボタンがユーザに提示され、ユーザがこのボタンを操作することで、(試着室に入るという体裁で)試着用の画面(以下、試着シーン)に遷移することができる。この際、第1の試着モードとなる「第1試着室」と第2の試着モードである「第2試着室」のいずれに入るかをユーザに選択させることで、いずれかの試着モードに遷移することができる。以下、各モードについて画面例を用いて説明する。
【0039】
図2は、第1の試着モードにおける試着シーンの画面例である。ここでは、PCを試着対象キャラクタとする例を示す。
図2に示す画面例では、キャラクタ表示領域201と衣服一覧領域202とが含まれている。キャラクタ表示領域201は、試着対象キャラクタが表示される領域であり、
図2では、PC203のみが表示されている。なお、本実施形態では、試着対象キャラクタは3Dオブジェクトで表現されるものとする。また、
図2において、PC203は、トップスの1つである「TシャツA」と、ボトムスの1つである「パンツA」を着用している状態であるとする。衣服一覧領域202は、本ゲーム内で用意されている各衣服に対応するアイコン画像(以下、衣服アイコン)204が一覧形式で表示される、スクロール可能な領域である。
図2の例では、衣服A~衣服Iの9つの衣服アイコン204が表示されている。なお、
図2では、便宜上、衣服アイコン204のそれぞれを丸印で示しているが、実際は、各衣服アイコン204としては、各衣服の外観画像が表示され得る。また、具体的な外観画像の代わりに、各衣服の名称を示す文字列をこの衣服アイコン204として表示するようにしてもよい。その他、例えば、ハイパーリンクのような態様で衣服アイコン204を提示してもよい。つまり、具体的な衣服を指定できるような態様であれば、衣服アイコン204として表示する内容はどのような画像(文字列だけの場合も含む)でもよい。また、本例では、衣服一覧領域202にゲーム内に登場する全ての衣服を一覧表示する場合を例とするが、他の実施例では、その時点で注文可能な衣服(作成のための材料が揃っているもの)だけを表示するようにしてもよい。
【0040】
ここで、試着させる操作の一例を示す。
図2の状態で、ユーザは、衣服一覧領域202から「衣服A」の衣服アイコン204をタップ操作したとする。すると、
図3に示すように、当該タップ操作された衣服アイコン204の表示態様が変化して「選択状態」となり、キャラクタ表示領域201におけるPC203の外観が、この選択状態の衣服を着用したものに変化する。つまり、当該選択状態の衣服を「試着」させることができる。なお、本実施形態では、この試着の際に、PC203が横に一回転するようなアクションを行い、この回転の前後で衣服を変更することで、衣服を着替える演出を行っている。以下の説明では、この演出のことを「着替え演出」と呼び、このアクションのことを「着替えアクション」と呼ぶ。なお、この例では、衣服Aはトップスである「セーターA」であるとする。つまり、
図3の例では、「TシャツA」から「セーターA」に着替えた(試着した)状態を示している。このように、第1の試着モードでは、単体のキャラクタを試着対象にして、所定の衣服を試着させることができる。この例ではPC203を試着対象としているが、もちろん、(所定の操作等に基づき)NPC211を試着対象とすることも可能である。
【0041】
また、本実施形態では、試着対象が変更された場合、同じ種類の衣服が変更されない限りは、その直前までの試着状態を維持する。例えば、セーターAを試着した状態でトップス以外の種類の衣服が試着指示されたときは、セーターAを着用したまま他の衣服の試着を行うことができる。
【0042】
次に、第2の試着モードについて説明する。第2の試着モードでは、複数体のキャラクタに対して同時に試着させることができる。ここでは、1体のPCと1体のNPCとの計2体のキャラクタを同時試着対象とする例を説明するが、他の例では、3体以上のキャラクタを同時試着対象としてもよい。また、キャラクタの内訳についても、PC203とNPC211の組み合わせに限らず、NPCのみを複数体、同時試着対象にしてもよい。
【0043】
図4は、第2の試着モードにおける画面例である。図では、PC203は、トップスである「TシャツA」と、ボトムスである「パンツA」を着用している状態である。NPC211は、トップスである「麻シャツZ」を着用している状態である。この状態で、「セーターA」を試着させる操作を行うとする。このセーターAは、PC203、NPC211のいずれも着用可能な衣服である。この場合は、PC203、NPC211共に、着替え演出として上述した「着替えアクション」を行い、
図5に示すように、双方共にセーターAを着用した状態の画像が表示されることになる。
【0044】
ここで、
図4の状態で、ボトムスの1つである「ジーンズA」を試着させる操作を行う場合を想定する。当該「ジーンズA」は、PC203は着用可能だが、NPC211は着用不可の衣服であるとする(NPC211は下半身への衣服着用はできないため)。この場合は、PC203については、上記「着替えアクション」が行われ、
図6に示すように、「ジーンズA」を着用した状態になる。一方、NPC211については、「ジーンズA」の着用は行われないことになる。更に、NPC211は、「着替えアクション」は行わないが、代わりに、PC203に対して拍手するようなアクションを行う(以下、「拍手アクション)と呼ぶ)。いわば、NPC211が着用できない衣服に対して試着操作が行われた場合は、NPC211は、PC203が着替えたことに対するリアクションを行うことになる。これにより、NPC211に何もアクションをさせない場合よりも、NPC211に対する親近感を高めてゲームの興趣性を向上できる。また、このように「着替えアクション」とは異なるアクションを行わせることで、NPC211は着用できない衣服であることをわかりやすくユーザに提示できる。
【0045】
なお、上記NPC211は、例えば、ゲーム内でPC203の「パートナー」や「仲間キャラクタ」等として設定されているキャラクタである。例えばNPC211は、ゲーム世界内でPC203が移動する際に、PC203に追従するようにして移動する。このパートナーや仲間キャラクタは複数設定することができる。そして、本実施形態では、第2の試着モードで試着対象とするNPC211を他のNPCに変更することも可能である。ここで、この第2の試着モードでのNPCの変更を行った場合は、そのときのNPC211の着用状態が変更後のNPCに引き継がれる。例えば
図5のような状態で、NPC211を他のNPCに変更した場合、セーターAを着用した状態が引き継がれることになり、画面には、セーターAを着用した状態の変更後のNPCが表示されることになる。
【0046】
上記のようにして、所定の衣服をPC203やNPC211に試着させることで、ユーザは衣服の注文前にその着用イメージを確認することができる。そして、所望の衣服を選択状態にして、上記
図2等の「注文する」ボタン207をタップ操作すれば、その衣服の制作を注文することができる。
【0047】
このように、本実施形態では、第2の試着モードとして、複数キャラクタについて同時に試着を行うことが可能である。この際、一部のキャラクタが着用できない衣服が選ばれたときは、その着用不可のキャラクタの外観は変化させないようにしている。これにより、着用可能部位に差がある複数のキャラクタに対する衣服の着せ替えを効率的に行える。
【0048】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図7~
図13を参照して本実施形態のゲーム処理をより詳細に説明する。
【0049】
[使用データについて]
まず、本ゲーム処理にて用いられる各種データに関して説明する。
図10は、情報処理装置102のメモリ113に格納されるプログラムおよびデータの一例を示している。メモリ113には、ゲームプログラム301、衣服データ302、種類定義データ303、PCデータ304、NPCデータ305、PC着用状態データ306、NPC着用状態データ307、PC試着状態データ308、NPC試着状態データ309、試着演出フラグ310、PC演出動作情報311、NPC演出動作情報312、操作データ313、等が格納される。
【0050】
ゲームプログラム301は、本実施形態に係るゲーム処理を実行するためのゲームプログラムである。このプログラムには、上述したような試着シーンを実現するためのプログラム(コード)も含まれている。
【0051】
衣服データ302は、ゲーム中に登場する各衣服について定義したデータである。
図8に、当該衣服データ302のデータ構成の一例を示す。衣服データ302は、テーブル形式のデータであり、衣服識別番号331、種類情報332、衣服画像データ333という項目を少なくとも有している。衣服識別番号331は、各衣服を一意に識別するためのIDである。種類情報332は、その衣服が上述した6つの種類のうちどれに該当するかを示す情報である。衣服画像データ333は、その衣服の画像データである。ここで、当該衣服画像データ333について、本実施形態では、1つの衣服について1つの画像データを用意し、これに基づき実際に画面に表示されるPC203とNPC211の双方の着用状態の画像を生成しているとする。基本的には、衣服画像データ333はPC203に着用することを前提に作成されている。そして、NPC211の着用画像を生成する際は、この画像をNPC211の体型に合わせて拡大・縮小等の加工処理を施すことで、NPC211の着用状態の画像を生成している。なお、他の実施形態では、PC用の画像データとNPC用の画像データとを別個にもたせるようなデータ構成としてもよい。例えば「TシャツA」という衣類について、PC用の画像データとNPC用の画像データとを有する構成である。また、この場合は、衣服画像データとしては複数あるものの、ゲーム内では、同一の「衣服」として扱ってもよい。
【0052】
その他、図示は省略するが、衣服データ302には、衣服毎に、その衣服の名称や、制作に必要な材料を示す情報等が含まれている。
【0053】
図7に戻り、次に、種類定義データ303は、衣服の種類と、その着用可能な部位との対応付けを定義したデータである。
図9に、種類定義データ303のデータ構成の一例を示す。種類定義データ303は、テーブル形式のデータであり、種類名称341、対象部位情報342、PC着用可否情報343、NPC着用可否情報344という項目を少なくとも有している。種類名称341は、上記の衣服の種類の名称を示す。本例では上記のような6つの種類が定義される場合を例とする。対象部位情報342は、その種類の衣服がどの着用対象部位に対応づけられているのかを示す情報である(具体的な対応付けの内容は上述したとおりである)。PC着用可否情報343、および、NPC着用可否情報344は、各種類の衣服(着用対象部位)が着用可能であるか否かを示す情報である。換言すれば、PC、NPCそれぞれの着用対象部位について、衣服が着用可能か着用不可かを定義したデータである。なお、このようなデータの定義手法は一例であり、他の実施形態では、各部位の着用可否を定義するデータについては、当該種類定義データ303とは別に持たせるようにしてもよい。またこの場合、複数のNPCのそれぞれについて、各部位の着用可否を個別に定義するようにしてもよい。例えばNPC-Aは下半身は着用不可だが、NPC-Bは下半身は着用可である、等である。また、更に他の実施形態では、各キャラクタへの着用可否を示す情報については、上記衣服データ302に持たせるような構成としてもよい。
【0054】
図7に戻り、PCデータ304は、プレイヤキャラクタに関するデータである。PCデータ304には、PC203の外観を示す情報(例えば3Dモデルデータやテクスチャデータ等)が含まれている。その他、PC203の名前等、ゲーム処理で必要となる各種情報も含まれている。NPCデータ305は、ゲーム内に登場するNPCについて定義したデータである。各NPCの外観を示す情報や各NPCの名称、ゲーム内での役割や動作内容等の、ゲーム処理で必要となる各種情報が定義されている。
【0055】
PC着用状態データ306は、上記試着シーンを開始した時点における、PCの衣服の着用状態を示すデータである。いわば、「試着室」に入場したときにPCが着ている衣服を示すデータである。同様に、NPC着用状態データ307は、NPCについての、試着シーンを開始した時点における衣服の着用状態を示すデータである。
図10に、PC着用状態データ306のデータ構成の一例を示す。PC着用状態データ306は、部位情報351と着用衣服情報352との項目を有するテーブル形式のデータである。部位情報351は、上述した6つの部位を示す情報であり、着用衣服情報352は、各部位に着用されている衣服の衣服識別番号331が格納されたものである。NPC着用状態データ307も同様のデータ構成であるため、その説明は割愛する。なお、他の実施形態では、PC着用状態データ306に相当する情報を上記PCデータ304に含める構成としてもよい。NPC着用状態データ307に相当する情報も、上記NPCデータ305に含める構成としてもよい。
【0056】
PC試着状態データ308は、試着シーンにおいて、PC203の現在試着状態を示すデータである。つまり、試着中の衣服を示すデータであり、試着シーンにおける上記キャラクタ表示領域201で表示される画像は、当該データに基づいて生成され得る。NPC試着状態データ309も同様であり、(第2の試着シーンにおける)NPCについての現在の試着状態を示すデータである。その基本的なデータ構成は、上記PC着用状態データ306と同じであるため、説明は割愛する。
【0057】
試着演出フラグ310は、上記「着替えアクション」や「拍手アクション」を行わせるか否かを示すためのデータである。本例では、当該フラグがオンに設定されている間は、「着替えアクション」や「拍手アクション」のような演出動作を表示するための処理が行われる。PC演出動作情報311および、NPC演出動作情報312は、試着演出フラグ310がオンの時にPC203およびNPC211が行う動作内容を示す情報である。本実施形態では、PC演出動作情報311には常に「着替えアクション」を示す情報が設定されるが、NPC演出動作情報312には、「着替えアクション」か「拍手アクション」かのいずれかが設定され得る。また、各アクションのモーションを示す情報や、衣服を変更する(着替える)場合は、変更前の衣服と変更後の衣服を示す情報等も含まれる。なお、他の実施形態では、例えば「着替えアクション」として複数のパターンを用意しておき、ゲームの局面等に応じて、異なる動きの「着替えアクション」を使い分けるようにしてもよい。また、NPC211が着用不可である場合の動作として、上記「拍手アクション」以外の動作も行い得るようにしてもよい。例えば、サムズアップする動作や、笑顔で大喜びするような動作等、PC203の着替えに対する各種リアクションを定義しておき、適宜使い分けるようにしてもよい。
【0058】
次に、操作データ313は、操作部115に対して行われた各種操作内容を示すデータである。本実施形態では、操作部115としてのタッチパネルへの入力の有無、タッチ座標等を示すデータや、図示しない各種ボタンの押下状態等を示すデータが含まれている。当該操作データ313の内容は、操作部115からの信号に基づき、所定の周期で更新されるものとする。
【0059】
その他、メモリ113には、ゲーム処理に必要な各種データが必要に応じて適宜生成され、また、格納される。
【0060】
[ゲーム処理の詳細]
次に、フローチャートを参照して、本実施形態にかかるゲーム処理の詳細を説明する。なお、ここでは、上述した第2の試着シーンに関する処理について説明し、その他のゲーム処理の説明については割愛する。なお、上記第1の試着シーンについては、基本的には、以下に説明する第2の試着シーンの処理からNPCに関する処理を省き、また、キャラクタ表示領域201に表示するキャラクタとして1体のキャラクタだけを仮想空間に配置するような処理となる。
【0061】
図11は、第2の試着シーン処理の詳細を示すフローチャートである。ユーザが第2の試着シーンを開始するための所定の操作を行うことで、
図11に示す処理が開始される。
【0062】
まず、ステップS1で、プロセッサ111は、初期画面生成処理を実行する。具体的には、プロセッサ111は、第2試着シーンの処理で用いる各種データを初期化する。次に、当該処理が開始された時点のPC203およびNPC211の衣服着用状態をPC着用状態データ306、NPC着用状態データ307として保存する。そして、この時点の着用状態に基づき、PC203およびNPC211を生成する。そして、当該PC203、NPC211を仮想空間内に配置し、これを仮想カメラで撮像した画像をキャラクタ表示領域201の表示内容として設定する。その他、衣服データ302等に基づき、衣服一覧領域202等の表示内容も適宜設定して、上記
図4で示したような第2試着シーン画像を生成する。そして、プロセッサ111は、当該第2試着シーン画像を表示部116に出力し、ユーザの操作を待ち受ける。
【0063】
次に、ステップS2で、プロセッサ111は、操作データ313に基づき、衣服一覧領域202で提示されている衣服のいずれかを試着を指示する試着操作が行われたか否かを判定する。例えば、衣服一覧領域202から(未選択状態の)所定の衣服アイコン204が選択されたか否かを判定する。以下、試着が指示された衣服のことを「指定衣服」と呼ぶ。当該判定の結果、試着操作が行われていた場合は(ステップS2でYES)、ステップS3でプロセッサ111は試着処理を実行する。
【0064】
図12は、上記試着処理の詳細を示すフローチャートである。
図12において、まず、ステップS21で、プロセッサ111は、衣服一覧領域202における上記指定衣服を「選択状態」にする処理を実行する。具体的には、プロセッサ111は、衣服一覧領域202において、指定衣服にかかる衣服アイコン204の表示態様を変更する設定を行う。
【0065】
次に、ステップS22で、プロセッサ111は、PCの現在の試着状態を更新する処理を行う。具体的には、プロセッサ111は、PC試着状態データ308に、指定衣服を示す情報を設定する。初めて試着される部位については当該指定衣服を示す情報が追加され、既に試着済みの部位に対する試着指示の場合は、試着する衣服の情報を変更する処理が実行される。
【0066】
次に、ステップS23で、プロセッサ111は、現在着用中の衣服から今回指定された指定衣服へ着替えるような「着替えアクション」を実行するための各種情報を、PC演出動作情報311に設定する。
【0067】
次に、ステップS24で、プロセッサ111は、NPC側試着処理を実行する。
図13は、当該処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS41で、プロセッサ111は、衣服データ302および種類定義データ303に基づき、試着対象のNPCが指定衣服を着用可能であるか否かについて判定する。例えば、指定衣服の種類がボトムスであれば、NPCは着用不可と判定される。当該判定の結果、着用可能な場合は(ステップS41でYES)、ステップS42で、プロセッサ111は、NPC211の現在の試着状態を更新する処理を行う。具体的には、プロセッサ111は、NPC試着状態データ309に、指定衣服を示す情報を設定することで、試着状態を更新する。続くステップS43で、プロセッサ111は、NPC演出動作情報312に上記のような「着替えアクション」を示す情報を設定する。その結果、NPCが着用できる衣服が試着指示された場合、着替え演出として、NPC211はPC203と同じ「着替えアクション」を行うことになる。
【0068】
一方、ステップS41の判定の結果、指定衣服をNPC211が着用できない場合は(ステップS41でNO)、ステップS44で、プロセッサ111は、試着状態は変化させることなく(現状維持のまま)、NPC演出動作情報312に上記「拍手アクション」を示す情報を設定する。その結果、NPCが着用できない衣服が試着指示された場合、着替え演出として、NPC211はPC203に対して拍手するようなアクションを行うことになる。以上で、NPC側試着処理は終了する。
【0069】
図12に戻り、次に、ステップS25で、プロセッサ111は、試着演出フラグ310にオンを設定する。以上で、試着処理は終了する。
【0070】
図11に戻り、次に、上記ステップS2の判定の結果、試着操作が行われていない場合(ステップS2でNO)について説明する。この場合は、ステップS4で、プロセッサ111は、操作データ313で示される操作内容に基づき、その他のゲーム処理を実行する。この処理としては、例えば以下のような処理が行われる。まず、試着させた衣服を「注文」する操作が行われた場合は、その衣服を制作するための処理が適宜実行される。また、試着した服を「脱ぐ」指示がなされていた場合は、その衣服の着用を解除するように、PC試着状態データ308およびNPC試着状態データ309が適宜更新される。この際、「選択状態」として変更された衣服アイコン204の表示態様を元に戻す処理も行われる。また、試着対象のNPCを変更するための操作が行われた場合は、その操作内容に基づいて、試着対象のNPC211を変更する処理が行われる。この際、NPC試着状態データ309の内容(つまり、そのときの試着状態)がそのまま変更後のNPCの衣服の着用状態に引き継がれる。また、衣服一覧領域202をスクロールする操作が行われていれば、当該領域をスクロールする処理が行われる。また、試着シーンを終了するための操作が行われた場合は、プロセッサ111は、当該第2の試着シーン処理を終了する。その他、操作内容に応じたゲーム処理が適宜実行される。
【0071】
次に、ステップS5で、プロセッサ111は、試着演出フラグ310がオンであるか否かを判定する。当該判定の結果、オンの場合は(ステップS5でYES)、ステップS6で、プロセッサ111は、PC演出動作情報311およびNPC演出動作情報312に基づいた着替え演出を表示する処理を実行する。つまり、PC203およびNPC211に着替え演出を行わせる処理を実行する。続くステップS7で、プロセッサ111は、着替え演出が終了したか否かを判定し、まだ終わっていない場合は(ステップS7でNO)、ステップS6に戻り、着替え演出の表示処理を続ける。着替え演出が終了した場合は(ステップS7でYES)、次に、ステップS8で、プロセッサ111は、試着演出フラグ310にオフを設定する。そして、上記ステップS2に戻り、処理を繰り返す。
【0072】
一方、上記ステップS5の判定の結果、試着演出フラグ310がオフの場合は(ステップS5でNO)、ステップS9で、プロセッサ111は、上記ステップS4におけるその他のゲーム処理の結果を反映したゲーム画像を生成して表示する処理を実行する。この場合、キャラクタ表示領域201に表示されるPC203およびNPC211の外観は、PC試着状態データ308およびNPC試着状態データ309に基づいたものになる。その後、上記ステップS2に戻り、処理を繰り返す。
【0073】
以上で、本実施形態の第2の試着シーン処理の詳細説明を終了する。
【0074】
このように、本実施形態では、複数のキャラクタに対して同時に試着を行うことが可能な第2の試着モードを提供している。そして、第2の試着モードにおいて、同時試着対象のうち複数が着用できる衣服を試着させた場合は、当該試着を行うキャラクタについては「着替えアクション」が行われ、衣服が変更される。一方、NPC211は着用できない衣服を試着させた場合は、NPC211についてはその衣服は着用させず、更に「着替えアクション」とは異なるアクションを行わせている。これにより、複数体のキャラクタをまとめて試着できることによるプレビューの効率性の向上を図りつつ、各キャラクタが着用可能な衣服と着用不可の衣服とをユーザにわかりやすく提示することもできる。
【0075】
[変形例]
なお、上述の実施形態では、上記衣服一覧領域202については、全ての衣服を試着可能な衣服として表示される例を挙げた。この他、他の実施形態では、衣装変更が可能な衣服として、PC203が所有している衣服だけを対象にしてもよい。この場合は、上記衣服一覧領域202には、PC203が所有している衣服に対応する衣服アイコン204のみを表示するようにすればよい。あるいは、所有していない衣服に対応する衣服アイコン204をグレーアウト状態で衣服一覧領域202に表示はしておき、その選択はできないような構成としてもよい。また、所有している衣服については、その衣服の所有数にかかわらず、試着対象キャラクタの全員に着用させてもよい。例えばある衣服の所有数が1着だけという場合でも、第2の試着モードにおいては、PC203およびNPC211の双方に当該1着しか所有していない衣服を着用させてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、PC203については全ての衣服が着用可能である例を示したが、他の実施形態では、PC203についても着用不可の衣服を設けてもよい。この場合は、上記NPC211の場合と同様に、試着指示された衣服がPC203に着用可能か否かを判定する処理を行えばよい。そして、着用できない場合は、PC203に上記「拍手アクション」等、着用できないことに対応する所定のアクションを行わせてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、衣服の例として、いずれか1つの部位のみを着用の対象とする衣服を例に説明した、この他、他の実施形態では、複数の部位を着用対象とする衣服を用いてもよい。例えば、その着用対象部位が「上半身」および「下半身」として設定されている、「ワンピース」という衣服の種類を定義してもよい。この「ワンピース」については、着用対象部位に下半身が含まれるところ、上記のようにNPCは下半身について衣服が着用できないため、この「ワンピース」類は試着できないという扱いになる。ここで、上記
図5のような状態から、「ワンピース」類の衣服を試着指示した場合を想定する。この場合、
図14に示すように、PC203は、上半身及び下半身に「ワンピース」の衣服を着用するが、NPC211については、試着シーン開始時の衣服(
図4のときの服)に戻すようにしてもよい。この点について、仮にNPC211を、(上記
図5のような)セーターAを試着したままの状態とすると、PC203とNPC211との間で、着用可能な部位同士(この場合は上半身)についての試着中の衣服が異なってしまい、今はどの衣服を試着しているのかがユーザにとってわかりにくくなる可能性がある。そのため、NPCが着用できない衣服であって、他の部位に影響を及ぼすような衣服が試着指示されたときは、NPC211については初期状態の衣服に戻している。つまり、そのNPC211が着用可能な衣服を着用させた状態としている。なお、更に他の実施形態では、この場合は、該当部位についてはNPC211に衣服を着用させない状態としてもよい。
【0078】
また、更に他の実施形態では、上記のような「着用対象部位」や衣服の「種類」ではなく、キャラクタ単位等で衣服の着用可否を管理するようにしてもよい。また、上記のような「衣服」ではなく、所定のアイテムを「装備」あるいは「装着」するようなゲームに上記の処理を適用してもよい。例えば、ロールプレイングゲーム等、複数のキャラクタでパーティーを組んでプレイするゲームを想定する。そして、武器や防具のような装備品について上述のような処理を適用してもよい。この場合は、キャラクタ表示領域201には複数人のパーティメンバーを表示する。そして、ある武器について試着指示された場合は、その武器を装備できるキャラクタだけ、その外観画像を変化させるようにすればよい。この場合は、装備等の着用可否を、キャラクタ毎に設定してもよいし、例えば、各キャラクタの「職業」を定義し、その職業単位で着用可否を管理するようにしてもよい。この「職業」の例は、例えば「戦士」や「魔法使い」等である。そして、武器種が「剣」の武器を試着させる場合は「戦士」だけに試着され、武器種が「杖」の武器であれば、「魔法使い」だけに試着されるようにすればよい。
【0079】
また、上記実施形態では、例えば衣服一覧領域202から所定の衣服アイコン204を選択した場合、その衣服アイコン204に対応する衣服は1つの衣服であって、PC、NPCとで共用され得る衣服であった。例えば、「セーターA」の衣服アイコン204を選択した場合、同一の衣服である「セーターA」がPC203、NPC211に着用されていた。他の実施形態では、1つの衣服アイコン204の選択に対して、PC203とNPC211とて異なる衣服を着用するようにしてもよい。一例を挙げると、まず、衣服一覧領域202において、「どうぶつTシャツ」という文字列の衣服アイコン204が示されているとする。また、試着対象となっているNPC211が「猫」をモチーフにしたキャラクタである場合と、「犬」をモチーフにしたキャラクタである場合を想定する。このような場合に、「どうぶつTシャツ」の試着指示を行うと、「犬」のNPCの場合は犬の顔のマークがプリントされた「TシャツX」が着用され、「猫」のNPCの場合は猫の顔のマークがプリントされた「TシャツY」が着用されるようにしてもよい。この場合、「TシャツX」と「TシャツY」は、ゲーム内では異なる衣服(異なるアイテム)として扱えばよい。また、この異なる衣服の間には、その外観にある程度類似性があってもよい。例えば、形状や模様は同じで色だけ異なっている、等である。もちろん、同じ衣服アイコン204の指定によって着用される衣服ではあるが、その外観には類似性がない衣服を着用させてもよい。
【0080】
また、上記実施形態においては、ゲーム処理にかかる一連の処理が単一の装置において実行される場合を説明したが、他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。
【0081】
その他、いわゆるクラウドゲーミングの構成を採用してもよい。例えば、情報処理装置102は、ユーザの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声として情報処理装置102にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0082】
102 情報処理装置
111 プロセッサ
113 メモリ
115 操作部
116 表示部