IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ベーリンガー インゲルハイム アニマル ヘルス ユーエスエイ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7089564イソオキサゾリン活性薬剤を含む長時間作用性注射製剤、方法及びこれらの使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】イソオキサゾリン活性薬剤を含む長時間作用性注射製剤、方法及びこれらの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/42 20060101AFI20220615BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20220615BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20220615BHJP
   A61P 33/10 20060101ALI20220615BHJP
   A61P 33/14 20060101ALI20220615BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220615BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220615BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
A61K31/42
A61K47/34
A61P33/00
A61P33/10
A61P33/14
A61K47/10
A61K9/08
A61K31/7048
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020165901
(22)【出願日】2020-09-30
(62)【分割の表示】P 2017545568の分割
【原出願日】2016-02-26
(65)【公開番号】P2021008485
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2020-10-28
(31)【優先権主張番号】62/121,350
(32)【優先日】2015-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519064665
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム アニマル ヘルス ユーエスエイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】キャディ スーザン マンシーニ
(72)【発明者】
【氏名】シェイフェツ ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ガレスカ イザベラ
(72)【発明者】
【氏名】ド ファロワ ロイク ル ヒール
【審査官】高橋 樹理
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-531883(JP,A)
【文献】特表2014-527081(JP,A)
【文献】特表2013-508381(JP,A)
【文献】特表2003-509350(JP,A)
【文献】特開2002-322056(JP,A)
【文献】特許第6789232(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00
A61K 9/00
A61K 47/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)殺寄生虫有効量の少なくとも一種の式 (Ib)のイソオキサゾリン活性薬剤又はその医薬上許される塩:
【化1】
(Ib)
(式中、
R 2 は独立にハロゲン、C 1 -C 6 アルキル又はC 1 -C 6 ハロアルキルであり、
R 4 はH又はC 1 -C 6 アルキルであり、
R 5 は1個以上のR 7 で置換されていてもよいC 1 -C 4 アルキルであり、かつR 7 はC 2 -C 7 アルキルカルボニル、C 2 -C 7 アルコキシカルボニル、C 2 -C 7 アルキルアミノカルボニル、C 3 -C 9 ジアルキルアミノカルボニル、C 2 -C 7 ハロアルキルカルボニル、C 2 -C 7 ハロアルコキシカルボニル、C 2 -C 7 ハロアルキルアミノカルボニル、C 3 -C 9 ジハロアルキルアミノカルボニルであり、かつ
nは0、1又は2である)、
b)ポロキサマー 181である医薬上許されるポリマー、
c)任意で、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール及び液体ポリエチレングリコール又はこれらの混合物から選ばれた少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含み、その他の医薬上許されるポリマーが存在しないことを特徴とする、動物の寄生虫外寄生又は感染症の治療又は予防のための長時間作用性注射製剤であって、前記寄生虫はノミ又はマダニである、長時間作用性注射製剤。
【請求項2】
イソオキサゾリン活性薬剤が式 (Ia):
【化2】
(Ia)
の化合物又はその医薬上許される塩である、請求項記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項3】
イソオキサゾリン活性薬剤が鏡像体に濃縮されている、請求項1からのいずれか1項記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項4】
イソオキサゾリン活性薬剤が式(S)-(Ia):
【化3】
(S)-(Ia)
の化合物又はその医薬上許される塩に濃縮されている、請求項記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項5】
a)約5~30% (w/v) の式 (Ib)のイソオキサゾリン活性薬剤又はその医薬上許される塩、
b)ポロキサマー 181である医薬上許されるポリマー、
c)約5%~40% (w/v) の液体ポリエチレングリコール、エタノール及びイソプロパノール又はこれらの混合物からなる群から選ばれた補助溶媒、
d)任意で、約0.01% ~約2.0% (w/v)の酸化防止剤、及び
e)任意で、約0.01% ~約5.0% (w/v)の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物を含み、
前記長時間作用性注射製剤中に存在する唯一の医薬上許されるポリマーが前記ポロキサマーであり、かつそのポロキサマーがその製剤の100%への補充に相当する比率で全製剤中に存在することを特徴とする、請求項1記載の長時間作用性注射組成物。
【請求項6】
製剤が約3~6ヶ月にわたって寄生虫外寄生又は感染症を治療又は予防する、請求項1からのいずれか1項記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項7】
製剤が約5~6ヶ月にわたって寄生虫外寄生又は感染症を治療又は予防する、請求項1からのいずれか1項記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項8】
製剤が約6ヶ月にわたって寄生虫外寄生又は感染症を治療又は予防する、請求項1からのいずれか1項記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項9】
製剤が約7ヶ月又はそれより長きにわたって寄生虫外寄生又は感染症を治療又は予防する、請求項1からのいずれか1項記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項10】
a)約5~30% (w/v) の式(Ia)
【化4】
(Ia)
のイソオキサゾリン活性薬剤又はその医薬上許される塩、
b)ポロキサマー 181である医薬上許されるポリマー、
c)約5%~40% (w/v) の液体ポリエチレングリコール、エタノール及びイソプロパノール又はこれらの混合物からなる群から選ばれた補助溶媒、
d)任意で、約0.01% ~約2.0% (w/v)の酸化防止剤、及び
e)任意で、約0.01% ~約5.0% (w/v)の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物を含み、
前記長時間作用性注射製剤中に存在する唯一の医薬上許されるポリマーが前記ポロキサマーであり、かつそのポロキサマーがその製剤の100%への補充に相当する比率で全製剤中に存在することを特徴とする請求項1記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項11】
イソオキサゾリン活性薬剤が
【化5】
(S)-Ia
又はその医薬上許される塩である、請求項10記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項12】
有効量の少なくとも一種の付加的な医薬活性薬剤を更に含む、請求項1から11のいずれか1項記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項13】
付加的な医薬活性薬剤が大環状ラクトンである、請求項12記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項14】
大環状ラクトンがアバメクチン、ジマデクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、ラチデクチン、レピメクチン、セラメクチン、ML-1,694,554、ミルベメクチン、ミルベマイシンD、モキシデクチン又はネマデクチンである、請求項13記載の長時間作用性注射製剤。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項記載の長時間作用性注射製剤を非ヒト動物に投与することを含む、3~6ヶ月にわたってそれを要する非ヒト動物の寄生虫外寄生又は感染症治療又は予防するための方法であって、前記寄生虫はノミ及び/又はマダニである、方法。
【請求項16】
非ヒト動物がイヌ、ネコ、ヒツジ又はウシである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
寄生虫外寄生又は感染症を約5~6ヶ月にわたって治療又は予防する、請求項15又は16記載の方法。
【請求項18】
寄生虫外寄生又は感染症を約6ヶ月にわたって治療又は予防する、請求項15から17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
非ヒト動物の寄生虫外寄生又は感染症の治療又は予防のための請求項1記載の長時間作用性注射製剤の調製におけるイソオキサゾリンの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は2015年2月26日に出願された、米国仮特許出願第62/121,350号(これが参考として本明細書に含まれる)の利益を主張する。
本発明は少なくとも一種のイソオキサゾリン活性薬剤、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロックコポリマー(ポロキサマー)及び任意で補助溶媒を含む長時間作用性注射製剤、寄生虫(外部寄生虫(例えば、ノミ又はマダニ(ticks))及び/又は内部寄生虫を含む)に対するこれらの製剤の使用、及び動物の寄生虫感染症及び外寄生を予防又は治療するための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
哺乳類及び鳥類の如き動物は寄生虫外寄生/感染をしばしば受け易い。これらの寄生虫は外部寄生虫、例えば、ノミ、マダニ及び寄生虫のハエ、並びに内部寄生虫、例えば、線虫及びその他のぜん虫であってもよい。家畜、例えば、ネコ及びイヌは、しばしば下記の外部寄生虫の一種以上で外寄生される:
-ノミ(例えば、イヌノミ属種、例えば、ネコノミ等);
-マダニ(例えば、リピセファルス属種、イキソデス属種、デルマセントール属種、キララマダニ属種等);
-ダニ(例えば、ニキビダニ属種、ヒゼンダニ属種、オトデクテス属種等);
-シラミ(例えば、ケモノハジラミ属種、ツメダニ属種、リノグナツス属種等);
-蚊(例えば、ヤブカ属種、イエカ属種、ハマダラカ属種等);及び
-ハエ(例えば、ヘマトビア属種、ムスカ属種、サシバエ属種、ヒフバエ属種、コクリオミヤ属種等)。
ノミは特別な問題である。何とならば、それらは動物又はヒトの健康に悪影響するだけでなく、それらは多大の精神的ストレスを生じるからである。更に、ノミ、例えば、条虫(瓜実条虫)はまた病原性物質を動物及びヒトに伝播し得る。
同様に、マダニはまた動物又はヒトの肉体的かつ精神的健康に有害である。しかしながら、マダニと関連する最も重大な問題はそれらがヒト及び動物の両方の病原性物質の媒介体であることである。マダニにより伝播し得る主要な疾患として、ライム病関節炎(ボレリア・ブルグドルフェリにより生じられるライム病)、バベシア症(又はバベシア属種により生じられるピロプラズマ病)及びリケッチア病(例えば、ロッキー山紅斑熱)が挙げられる。マダニはまた宿主に炎症又は麻痺を生じる毒物を放出する。時折、これらの毒物は宿主に致死性である。
同様に、家畜はまた寄生虫外寄生を受け易い。例えば、ウシは多数の寄生虫により冒される。或る領域のウシの中で流行している寄生虫はコイタマダニ属のマダニ、特にウシマダニ種(ウシマダニ)、デコロラタス及びアニュラタスのマダニである。オウシマダニの如きマダニは防除し難い。何とならば、それらは家畜が生草を食う牧草地で卵を産むからである。マダニのこの種は一宿主マダニと考えられ、1匹の動物で未熟段階及び成虫段階を過ごし、その後に雌が飽食し、宿主から落下して卵を環境に産む。マダニの生活環はほぼ3~4週である。ウシに加えて、オウシマダニはバッファロー、ウマ、ロバ、ヤギ、ヒツジ、シカ、ブタ及びイヌに外寄生し得る。動物の重度のマダニ負担は生産を低下し、皮を損傷するだけでなく、バベシア症(“ウシ熱”)及びアナプラズマ病の如き疾患を伝播し得る。
【0003】
動物及びヒトはまた、例えば、条虫類(サナダムシ)、線虫類(線形動物)及び吸虫類(扁形動物又は吸虫)と類別される寄生虫により生じられるぜん虫病を含む内部寄生虫感染症を問題としている。これらの寄生虫は動物の栄養に悪影響し、ブタ、ヒツジ、ウマ、及びウシで重大な経済的損失を生じるだけでなく、伴侶動物及び家禽を冒す。動物及びヒトの胃腸道中に生じるその他の寄生虫として、十二指腸虫、アメリカ鉤虫、回虫、ストロンギロイデス、旋毛虫、キャピラリア、トキソカラ、トキサスカリス、トリキリス、ギョウチュウ並びに血液又はその他の組織及び器官中に見られる寄生虫、例えば、フィラリア虫並びにストロンギロイデス、トキソカラ及び旋毛虫の腸外段階が挙げられる。
最近、イソオキサゾール及びイソオキサゾリン含有化合物は動物に有害な寄生虫に対して有効であることが実証されていた。例えば、米国特許第7,964,204 号(デュポン社;参考として本明細書にそのまま含まれる)は下記の式 (I)のイソオキサゾリン化合物を開示しており、これらは外部寄生虫及び/又は内部寄生虫に対して活性である。
【0004】
【化1】
(I)
【0005】
加えて、公開された米国特許出願第2010/0254960 A1号、WO 2007/070606 A2、WO 2007/123855 A2 、WO 2010/003923 A1 、米国特許第7951828 号及び同第7662972 号、US 2010/0137372 A1、US 2010/0179194 A2、US 2011/0086886 A2、US 2011/0059988 A1、US 2010/0179195 A1及びWO 2007/075459 A2 並びに米国特許第8,410,153 号、同第7,947,171 号、同第8,618,126 号、同第8,466,115 号、同第8,383,659 号、同第8,853,186 、同第7,951,828 及び同第7,662,972 号(全て参考として本明細書にそのまま含まれる)は種々のその他の殺寄生虫イソオキサゾリン化合物を開示している。種々のその他の殺寄生虫イソオキサゾリン化合物及びこれらを含む製剤を記載するその他の公開された特許出願としてWO 2007/079162 A1 、WO 2008/154528 A1 、WO 2009/002809 A2 、WO 2011/149749 A1 、WO 2013/078070、WO 2014/439475 A1 、米国特許第8,466,115 号、WO 2012/120399、WO 2014/039484、WO 2014/189837 (Zoetis) 及びWO2012 120135A1 (Novartis)が挙げられる。WO 2012/089623はグリコフロールを含む局所イソオキサゾリン製剤を記載している。WO 2013/039948 A1 は少なくとも一種のイソオキサゾリン活性薬剤を含む局所獣医薬組成物を提供し、またWO 2013/119442 A1 は少なくとも一種のイソオキサゾリン活性薬剤を含む経口獣医薬組成物、例えば、軟質咀嚼剤を提供している。先の刊行物の全てが参考として本明細書にそのたま含まれる。
局所剤形及び経口剤形に加えて、活性薬剤を、例えば、個々の活性薬剤の生理化学的性質に応じて、長時間作用性製剤として製剤化することが時折可能であり、これらの性質として、例えば、溶解性、生物利用能等が挙げられる。例えば、米国特許第6,733,767 号及び同第8,362,086 号(両方とも参考として本明細書にそのまま含まれる)は生物活性物質、例えば、アベルメクチン又はミルベマイシン及び生物学上許されるポリマーを含む長時間作用性注射製剤を提供している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
イソオキサゾリン活性薬剤を単独で、又は先の書類に記載されたその他の活性薬剤と組み合わせて含む組成物にもかかわらず、改良された効力、生物利用能、及び動物を内部寄生虫及び/又は外部寄生虫に対して保護するための被度の範囲を有する獣医薬組成物及び方法についての要望がある。更に詳しくは、良好な生物利用能を有し、かつ注射部位で低減された刺激を示すとともに長期間(例えば、3ヶ月から6ヶ月まで、又はそれより長き)にわたって寄生虫(例えば、ノミ及びマダニ)に対して依然として有効である、イソオキサゾリン化合物を含む長時間作用性注射製剤を開発するようにとの要望がある。
参照による組み入れ
上記出願、及びそれらの中に、又はそれらの手続追行中に引用された全ての書類(“出願引用書類”)並びに出願引用書類中に引用又は参照された全ての書類、並びに本明細書で引用又は参照された全ての書類(“本明細書で引用された書類”)、並びに本明細書で引用された書類中で引用又は参照された全ての書類は、本明細書に、又は本明細書に参考として含まれるあらゆる書類に記載されたあらゆる製品についてのあらゆる製造業者の指示、記載、製品仕様、及び製品シートと一緒に、本明細書に参考として含まれ、本発明の実施に使用されてもよい。
この出願におけるあらゆる書類の引用又は同定はこのような書類が本発明の先行技術として利用できるという許可ではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は殺寄生虫有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物、ポロキサマー、及び任意で補助溶媒を含む動物の寄生虫感染症又は外寄生の治療又は予防のための新規かつ創作的長時間作用性注射製剤(その製剤がポロキサマー以外の、本明細書に特定される、医薬上許されるポリマーを含まない)を提供する。本明細書に使用される“ポロキサマー”という用語はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロックコポリマーを意味する。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロックコポリマーの異なる銘柄、源、及びブランドが本発明の長時間作用性注射製剤中に使用されてもよい。同様に、この出願の目的のために、液体ポリエチレングリコール (PEG)が補助溶媒であると考えられ、医薬上許されるポリマーであると考えられない。
本発明に従って、本発明の製剤は一般に望ましい生物利用能及び効力の期間を示すとともに、注射部位で最小の刺激を生じることが発見された。これらの組成物はまた温血動物及び鳥類動物のレシピエントについて望ましい安全性プロフィールを提示する。加えて、このような製剤の単一投与は一般に一種以上の寄生虫(例えば、外部寄生虫)に対する強力な活性を呈するとともに、また活性の速い発生、活性の長期間、及び/又は望ましい安全性プロフィールを呈する傾向がある。
【0008】
本発明は家畜及び伴侶動物、例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ニワトリ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シチメンチョウ及びウシを含む、動物(野生又は馴致)の寄生虫感染症及び外寄生の治療又は阻止もしくは予防のためのイソオキサゾリン組成物の使用又は獣医上の使用(このような動物により普通に遭遇される寄生虫をこれらの宿主から駆除する目的での)を含む。
また、本発明はポロキサマー及び補助溶媒と一緒に殺寄生虫有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物を含む有効量の長時間作用性注射製剤を投与することを含む、動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療又は予防のための方法を提供し、その製剤は本明細書に特定される医薬上許される生分解性ポリマーを含まない。驚くことに、本明細書に記載される本発明のイソオキサゾリン含有製剤は有害な寄生虫(例えば、外部寄生虫、例えば、ノミ及びマダニ)に対する優れた広いスペクトル効力を当業界で知られているイソオキサゾリン活性薬剤を含むその他の注射製剤と較べて一層迅速に、かつ長い期間にわたって示すとともに注射部位で最小の刺激を示すことがわかった。
また、本発明は寄生虫に対する動物の治療又は予防のための長時間作用性注射製剤の調製におけるイソオキサゾリンの使用を提供する。
一実施態様において、本発明は医薬上又は獣医薬上許される液体担体と組み合わせて、殺寄生虫有効量の下記の式 (I)の少なくとも一種のイソオキサゾリンを含む長時間作用性注射製剤を提供し、式中、変数A1、A2、A3、A4、A5、A6、B1、B2、B3、R1、R2、R4、R5、W及びnは本明細書に定義される。
【0009】
【化2】
(I)
【0010】
或る実施態様において、長時間作用性注射製剤及び方法は活性薬剤として4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミドを含む。
その他の実施態様において、長時間作用性注射製剤が全身で活性である一種以上の付加的な活性薬剤を更に含んでもよい。全身作用性活性薬剤として、異なる構造のイソオキサゾリン活性薬剤、全身作用性ネオニコチノイド活性薬剤、全身作用性1-N-アリールピラゾール活性薬剤、大環状ラクトン、例えば、アベルメクチン化合物及びミルベマイシン化合物、環状デプシペプチド、例えば、エモデプシドもしくはPF1022A 又はこれらの類似体、ベンゾイミダゾール、イミダゾチアゾール、テトラヒドロピリミジン活性薬剤、有機リン酸塩活性薬剤、レバミソール、パラヘルカミド活性薬剤及び/又はマークフォルチン活性薬剤、プラジカンテル、クロサンテル、クロルスロン、スピノシン又はスピノソイド活性薬剤、アミノアセトニトリル活性薬剤、アリーロアゾール-2-イルシアノエチル活性薬剤、全身作用性昆虫成長レギュレーターが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様において、長時間作用性注射製剤がアベルメクチン又はミルベマイシンを含むが、これらに限定されない少なくとも一種の大環状ラクトンを含む。或る実施態様において、アベルメクチン又はミルベマイシン活性薬剤がエプリノメクチン、イベルメクチン、セラメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシンD、ミルベマイシンオキシム、又はモキシデクチンである。
その他の実施態様において、組成物及び方法がチアベンダゾール、オキシベンダゾール、メベンダゾール、フェンベンダゾール、オクスフェンダゾール、アルベンダゾール、トリクラベンダゾール、フェバンテル、レバミソール、ピランテル、モランテル、プラジカンテル、クロサンテル、クロルスロン、アミノアセトニトリル活性薬剤、又はアリーロアゾール-2-イルシアノエチルアミノ活性薬剤の少なくとも一種を含む。
本発明の対象は本発明内に既に知られている生成物、生成物の製造方法又は生成物の使用方法を含まず、その結果、本件出願人はその権利を保有し、これにより既に知られている生成物、プロセス又は方法の放棄を開示する。本発明は本発明の範囲内にUSPTO (35 U.S.C.112,第一パラグラフ) 又はEPO (EPC の83条)の記述要件及び実施可能要件を満足しない、生成物、生成物の製造方法又は生成物の使用方法を含まないことを意図していることが更に注目され、その結果、本件出願人はその権利を保有し、これにより既に記載された生成物、生成物の製造方法又は生成物の使用方法の放棄を開示する。
これらの実施態様及びその他の実施態様が開示され、又は以下の詳細な記載から明らかであり、しかもそれにより含まれる。
例のために示されるが、本発明を記載される特別な実施態様のみに限定することを意図していない、以下の詳細な説明は、添付図面と関連して最良に理解し得る。
【0011】
図面の簡単な説明
図1は、実施例23の治療グループ番号3、4及び5についての72時間、184 日目及び185 日目にコームカウントを使用してのマダニ付着(クリイロコイタマダニ)の減少%を示す。
図2は、193 日目におけるノミ(ネコノミ)に対する実施例23の治療グループ番号3、4及び5についての効力を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は殺寄生虫有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物、ポロキサマー及び任意で補助溶媒を含む動物の寄生虫感染症又は外寄生の治療又は予防のための新規かつ創作的長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、本明細書に特定される、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
また、殺寄生虫有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物、ポロキサマー及び任意で補助溶媒を含む長時間作用性製剤を必要とする動物に投与することを含む、動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための方法及び使用が提供され、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
別の実施態様において、本発明は殺寄生虫有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物及び有効量の少なくとも一種の付加的な全身作用性活性薬剤、ポロキサマー及び任意で補助溶媒を含む動物の寄生虫感染症又は外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
本発明の好ましい実施態様において、長時間作用性注射製剤が室温(20-25 ℃)で液体のポロキサマーを含む。
別の実施態様において、本発明は
a) 殺寄生虫有効量の
i)式 (I)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【0013】
【化3】
(I)
【0014】
(式中、
A1、A2、A3、A4、A5及びA6は独立にCR3 及びNからなる群から選ばれ、但し、A1、A2、A3、A4、A5及びA6の最大で三つがNであることを条件とし、
B1、B2及びB3は独立にCR2 及びNからなる群から選ばれ、
WはO又はSであり、
R1はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル又はC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR6から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのR2は独立にH、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、C2-C4 アルコキシカルボニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR3は独立にH、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C3-C6 シクロアルキル、C3-C6 ハロシクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、-CN 又は-NO2であり、
【0015】
R4はH、C1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル、C4-C7 シクロアルキルアルキル、C2-C7 アルキルカルボニル又はC2-C7 アルコキシカルボニルであり、
R5はH、OR10、NR11R12 もしくはQ1、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、又は
R4及びR5はそれらが結合されている窒素と一緒にされて、2~6個の炭素の原子と、任意でN、S及びOからなる群から選ばれた1個の付加的な原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2 アルキル、ハロゲン、-CN 、-NO2及びC1-C2 アルコキシからなる群から独立に選ばれた1~4個の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのR6は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR7は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C3-C6 シクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C8 ジアルキルアミノ、C3-C6 シクロアルキルアミノ、C2-C7 アルキルカルボニル、C2-C7 アルコキシカルボニル、C2-C7 アルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7 ハロアルキルカルボニル、C2-C7 ハロアルコキシカルボニル、C2-C7 ハロアルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジハロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、-NH2、-CN もしくは-NO2、又はQ2であり、
【0016】
それぞれのR8は独立にハロゲン、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、C2-C4 アルコキシカルボニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR9は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C3-C6 シクロアルキル、C3-C6 ハロシクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、-CN 、-NO2、フェニル又はピリジニルであり、
R10 はH、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれ1個以上のハロゲンで置換されていてもよく、
R11 はH、C1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル、C4-C7 シクロアルキルアルキル、C2-C7 アルキルカルボニル又はC2-C7 アルコキシカルボニルであり、
R12 はH、Q3、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、又は
R11 及びR12 はそれらが結合されている窒素と一緒にされて、2~6個の炭素の原子と、任意でN、S及びOからなる群から選ばれた1個の付加的な原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2 アルキル、ハロゲン、-CN 、-NO2及びC1-C2 アルコキシからなる群から独立に選ばれた1~4個の置換基で置換されていてもよく、
Q1はフェニル環、5員もしくは6員複素環、又は8員、9員もしくは10員融合二環式環系であり、1個までのO、1個までのS及び3個までのNから選ばれた1~3個のヘテロ原子を含んでもよく、それぞれの環又は環系がR8から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのQ2は独立にフェニル環又は5員もしくは6員複素環であり、それぞれの環がR9から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
Q3はフェニル環又は5員もしくは6員複素環であり、それぞれの環がR9から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、かつ
nは0、1又は2である)、及び/又は
【0017】
ii) 式(II)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩:
【化4】
(II)
【0018】
(式中、
R1はアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2で置換されており、
Xはアリール又はヘテロアリールであり、これは置換されていなくてもよく、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2により置換されていてもよく、
A1は酸素であり、かつ
A2は酸素、NR2 又はCR7R8 であり、
GはG-1 又はG-2 であり、
【0019】
【化5】
【0020】
B1、B2、B3、B4及びB5は独立にN又はC-R9であり、
Yは水素、ハロゲン、-CN であり、又はYはアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくは複素環、又はヘテロアリールであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2で置換されており、又はYはY-1 、Y-2 、Y-3 、Y-4 、Y-5 、Y-6 、Y-7 、Y-8 、Y-9 、Y-10、Y-11、Y-12もしくはY-13であり、
【0021】
【化6】
【0022】
R2、R3は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、R10S(O)-、R10S(O)2-、R10C(O)-、R10C(S)-、R10R11NC(O)-、R10R11NC(S)-、R10OC(O)- であり、
R4、R5及びR6は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、
R7及びR8は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル又はハロアルキニルであり、
R9は水素、ハロゲン、-CN 、又はアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルキルシクロアルキルもしくはシクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN 又は-NO2で置換されており、
R10 、R11 、R12 及びR13 はそれぞれ独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル又はハロアルキニルであり、又は
R10 はR11 と一緒に=O、=S又は=NR2を形成し、又は
R12 はR13 と一緒に=O、=S又は=NR2を形成し、
WはO、S又はNR2 であり、
nは1-4 であり、かつ
mは0、1又は2である)、及び/又は
【0023】
iii)式(III) のオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【化7】
(III)
及び/又は
【0024】
iv) 式(IV)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【化8】
(IV)
及び/又は
【0025】
v)式(v) のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【化9】
(V)
【0026】
(式中、
R1、R2及びR3は独立にH、Cl、F又はCF3 であり、
Yはジラジカル基
【化10】
であり、かつ
TはC1-C6-アルキル基であり、これは置換されておらず、又はハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルチオ、カルボキシ、カルバモイル又はC2-C6-アルカノイル基(これは置換されていなくてもよく、又はアルキル部分中でハロゲンにより置換されていてもよい)により置換されている)
及び/又は
【0027】
vi) 式(VI)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【化11】
(VI)
【0028】
(式中、Yは水素、フルオロ、クロロ又はブロモであり、
R1はハロゲン、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ又はトリフルオロエトキシから選ばれた2-4 個の置換基で置換されたフェニルであり、
R2はメチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル又はペルフルオロエチルであり、
R3a 及びR3b は独立に水素、メチル、エチル又はフルオロメチルから選ばれ、又はR3a 及びR3b はそれらが結合されている炭素と合わせてシクロペンチル環又はシクロヘキシル環を形成する)
である、少なくとも一種のイソオキサゾリン活性薬剤、
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
【0029】
一実施態様において、補助溶媒が水と混和性である極性有機溶媒である。一実施態様において、補助溶媒がアルコール(例えば、エタノール又はイソプロパノール)の如きプロトン性溶媒である。別の実施態様において、補助溶媒が極性非プロトン性溶媒、例えば、N-メチルピロリドン、プロピレンカーボネート等である。別の実施態様において、補助溶媒が水と混和性ではない有機溶媒である。
別の実施態様において、本発明は
a)殺寄生虫有効量の式 (I)の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩:
【0030】
【化12】
(I)
【0031】
(式中、
A1、A2、A3、A4、A5及びA6は独立にCR3 及びNからなる群から選ばれ、但し、A1、A2、A3、A4、A5及びA6の最大で三つがNであることを条件とし、
B1、B2及びB3は独立にCR2 及びNからなる群から選ばれ、
WはO又はSであり、
R1はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル又はC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR6から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのR2は独立にH、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、C2-C4 アルコキシカルボニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR3は独立にH、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C3-C6 シクロアルキル、C3-C6 ハロシクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、-CN 又は-NO2であり、
【0032】
R4はH、C1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル、C4-C7 シクロアルキルアルキル、C2-C7 アルキルカルボニル又はC2-C7 アルコキシカルボニルであり、
R5はH、OR10、NR11R12 もしくはQ1、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、又は
R4及びR5 はそれらが結合されている窒素と一緒にされて、2~6個の炭素の原子と、任意でN、S及びOからなる群から選ばれた1個の付加的な原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2 アルキル、ハロゲン、-CN 、-NO2及びC1-C2 アルコキシからなる群から独立に選ばれた1~4個の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのR6は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR7は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C3-C6 シクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C8 ジアルキルアミノ、C3-C6 シクロアルキルアミノ、C2-C7 アルキルカルボニル、C2-C7 アルコキシカルボニル、C2-C7 アルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7 ハロアルキルカルボニル、C2-C7 ハロアルコキシカルボニル、C2-C7 ハロアルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジハロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、-NH2、-CN もしくは-NO2、又はQ2であり、
それぞれのR8は独立にハロゲン、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、C2-C4 アルコキシカルボニル、-CN 又は-NO2であり、
【0033】
それぞれのR9は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C3-C6 シクロアルキル、C3-C6 ハロシクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、-CN 、-NO2、フェニル又はピリジニルであり、
R10 はH、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれ1個以上のハロゲンで置換されていてもよく、
R11 はH、C1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル、C4-C7 シクロアルキルアルキル、C2-C7 アルキルカルボニル又はC2-C7 アルコキシカルボニルであり、
R12 はH、Q3、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、又は
R11 及びR12 はそれらが結合されている窒素と一緒にされて、2~6個の炭素の原子と、任意でN、S及びOからなる群から選ばれた1個の付加的な原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2 アルキル、ハロゲン、-CN 、-NO2及びC1-C2 アルコキシからなる群から独立に選ばれた1~4個の置換基で置換されていてもよく、
Q1はフェニル環、5員もしくは6員複素環、又は8員、9員もしくは10員融合二環式環系であり、1個までのO、1個までのS及び3個までのNから選ばれた1~3個のヘテロ原子を含んでもよく、それぞれの環又は環系がR8から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのQ2は独立にフェニル環又は5員もしくは6員複素環であり、それぞれの環がR9から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
Q3はフェニル環又は5員もしくは6員複素環であり、それぞれの環がR9から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、かつ
nは0、1又は2である)、
【0034】
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
別の実施態様において、本発明は
a)殺寄生虫有効量の式(Ia)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【0035】
【化13】
(Ia)
【0036】
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
別の実施態様において、本発明は
a)殺寄生虫有効量の式(II)の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【0037】
【化14】
(II)
【0038】
(式中、
R1はアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2で置換されており、
Xはアリール又はヘテロアリールであり、これは置換されていなくてもよく、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2により置換されていてもよく、
A1は酸素であり、かつ
A2は酸素、NR2 又はCR7R8 であり、
GはG-1 又はG-2 であり、
【0039】
【化15】
【0040】
B1、B2、B3、B4及びB5は独立にN又はC-R9であり、
Yは水素、ハロゲン、-CN であり、又はYはアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくは複素環、又はヘテロアリールであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2で置換されており、又はYはY-1 、Y-2 、Y-3 、Y-4 、Y-5 、Y-6 、Y-7 、Y-8 、Y-9 、Y-10、Y-11、Y-12又はY-13であり、
【0041】
【化16】
【0042】
R2、R3は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、R10S(O)-、R10S(O)2-、R10C(O)-、R10C(S)-、R10R11NC(O)-、R10R11NC(S)-、R10OC(O)- であり、
R4、R5及びR6は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、
R7及びR8は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル又はハロアルキニルであり、
R9は水素、ハロゲン、-CN 、又はアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルキルシクロアルキルもしくはシクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN 又は-NO2で置換されており、
R10 、R11 、R12 及びR13 はそれぞれ独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル又はハロアルキニルであり、又は
R10 はR11 と一緒に=O、=S又は=NR2を形成し、又は
R12 はR13 と一緒に=O、=S又は=NR2を形成し、
WはO、S又はNR2 であり、
nは1-4 であり、かつ
mは0、1又は2である)、
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
【0043】
別の実施態様において、本発明は
a)殺寄生虫有効量の式II-1.001~II-1.025及びII-2.00-II-2.018の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【化17】
化合物II-1.001~II-1.025
【0044】
【化18】
化合物II-2.001~II-2.018
【0045】
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
別の実施態様において、本発明は
a)殺寄生虫有効量の式 (III)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【0046】
【化19】
(III)
【0047】
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
別の実施態様において、本発明は
iv) 殺寄生虫有効量の式(IV)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【0048】
【化20】
(IV)
【0049】
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
別の実施態様において、本発明は
a)殺寄生虫有効量の式 (V)の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【0050】
【化21】
(V)
【0051】
(式中、R1、R2及びR3は独立にH、Cl、F又はCF3 であり、
Yは下記のジラジカル基
【化22】
であり、かつ
TはC1-C6-アルキル基であり、これは置換されておらず、又はハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルチオ、カルボキシ、カルバモイル又はC2-C6-アルカノイル基(これは置換されていなくてもよく、又はそのアルキル部分中でハロゲンにより置換されていてもよい)により置換されている)
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
【0052】
別の実施態様において、本発明は
a)殺寄生虫有効量の式(Va)のイソオキサゾリン化合物
【化23】
(Va)
【0053】
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
別の実施態様において、本発明は
a)殺寄生虫有効量の少なくとも一種の式(VI)の化合物又はその医薬上許される塩
【0054】
【化24】
(VI)
【0055】
(式中、
Yは水素、フルオロ、クロロ又はブロモであり、
R1はハロゲン、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ又はトリフルオロエトキシから選ばれた2-4 個の置換基で置換されたフェニルであり、
R2はメチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル又はペルフルオロエチルであり、
R3a 及びR3b は独立に水素、メチル、エチルもしくはフルオロメチルから選ばれ、又はR3a 及びR3b はそれらが結合されている炭素と合わせてシクロペンチル環もしくはシクロヘキシル環を形成する)
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
別の実施態様において、本発明は
a)殺寄生虫有効量の少なくとも一種の式 (VIa)の化合物
【0056】
【化25】
【0057】
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、この場合、その他の医薬上許されるポリマーが存在しない。
別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が殺寄生虫有効量の少なくとも一種の式 (I)のイソオキサゾリン又はその医薬上許される塩を含み、これが式(Ib)を有する。
【0058】
【化26】
(Ib)
【0059】
式中、
R2は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル又はC1-C6 ハロアルキルであり、
R4はH又はC1-C6 アルキルであり、
R5は1個以上のR7で置換されていてもよいC1-C4 アルキルであり、かつR7はC2-C7 アルキルカルボニル、C2-C7 アルコキシカルボニル、C2-C7 アルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7 ハロアルキルカルボニル、C2-C7 ハロアルコキシカルボニル、C2-C7 ハロアルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジハロアルキルアミノカルボニル (例えば、-CH2C(O)NHCH2CF3) であり、かつ
nは0、1又は2である。
別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が殺寄生虫有効量の4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミド(式Iaの化合物)を含む。
式 (I)~式 (VIa)の化合物はキラル中心がある場合に立体異性体として存在することができ、これらの個々の立体異性体は本明細書に示された構造式により含まれる。それ故、別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が殺寄生虫有効量の式 (I)、式(Ia)、式(II)、式 (II-1.1001)~式 (II-1.025) 、式 (II-2.001) ~式 (II-018) 、式 (III)、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の少なくとも一種のイソオキサゾリン(これは一種の鏡像体に濃縮されている)、又はその医薬上許される塩を含む。実施態様において、本発明の組成物中に存在する式 (I)~式 (VIa)の化合物が少なくとも1.5 、少なくとも2、少なくとも5又は少なくとも10の質量:質量比で一種の鏡像体((S)-又は(R)-配置)に濃縮されている。別の実施態様において、本発明の組成物中に存在する式 (I)~式 (VIa)の化合物が実質的に純粋な鏡像体である。
【0060】
式 (I)~式 (VIa)の化合物の個々の立体異性体(例えば、下記の式I-1a及び式I-1bについての立体異性体)をこれらを含むラセミ体混合物から調製するための方法は当業者のスキルレベル内に良くある。これらの方法として、例えば、再結晶又は、例えば、キラルパック(登録商標)ADカラムを使用するキラルクロマトグラフィーが挙げられ、イソオキサゾリン化合物の個々の立体異性体を調製するための方法が従来技術(例えば、WO 2014/090918 A1 、WO 2011/104089 A1 又はUS 2010/0254959 A1を参照のこと)に見られる。
種々の立体異性体として、鏡像体、ジアステレオマー及びアトロプ異性体が挙げられる。当業者は一種の立体異性体がその他の鏡像体に対して濃縮された場合に一層活性であり、かつ/又は有益な性質を示し得ることを理解するであろう。加えて、当業者は本明細書に記載されたイソオキサゾリン化合物の立体異性体を分離し、濃縮し、かつ/又は選択的に調製する方法を知っている。本明細書に記載された式 (I)~式 (VIa)のイソオキサゾリン化合物は5員イソオキサゾリン環中にキラル四級炭素原子(アステリスク (*)により示される)を含み、それ故、これらの化合物は少なくとも2種の可能な立体異性体(例えば、鏡像体)を含むであろう。式(Ia)の化合物についての例として、その四級炭素から生じる2種の可能な立体異性体が式 (S)-Ia 及び(R)-Iaとして示される。
【0061】
【化27】
【0062】
上記の式(S)-Iaの化合物はイソオキサゾリン環中のキラル炭素原子の位置で(S) 配置を有し、また式(R)-Iaの化合物はその環中のキラル炭素の位置で(R) 配置を有する。
一実施態様において、本発明の組成物が実質的に鏡像体に濃縮されている式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。実質的に濃縮されるという用語は質量:質量比が所望の鏡像体に有利に少なくとも約1.5 ~1又はそれより高いことを意味する。別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射組成物が実質的に(S)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射組成物が実質的に(R)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。
本発明の別の実施態様において、組成物が(S)-鏡像体対(R)-鏡像体、少なくとも約2対1、又はそれより大きい質量:質量比で(S)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が(S)-鏡像体対(R)-鏡像体、少なくとも約5対1又はそれより大きい質量比で(S)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が(S)-鏡像体対(R)-鏡像体、少なくとも約10対1又はそれより大きい質量:質量比で(S)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が実質的に純粋な(S)-鏡像体である式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。
本発明の別の実施態様において、組成物が(R)-鏡像体対(S)-鏡像体、少なくとも約2:1又はそれより大きい質量:質量比で(R)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が(R)-鏡像体対(S)-鏡像体、少なくとも約5:1又はそれより大きい質量:質量比で(R)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が(R)-鏡像体対(S)-鏡像体、少なくとも約10:1又はそれより大きい質量:質量比で(R)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が実質的に純粋な(R)-鏡像体である式 (I)、(Ia)又は(Ib)の化合物を含む。
本明細書に描かれる分子表示は立体化学を示すための通常の通例に従う。立体配置を示すために、図の面から見る人に向かって立ち上がる結合が中実のくさびにより表され、この場合、くさびの広い端部が見る人に向かって図の面から立ち上がって原子に結合される。見る人から離れて図の面から下に行く結合がダッシュくさびにより表わされ、この場合、くさびの狭い端部が見る人から更に離れて原子に結合される。一定幅の線は中実くさび又はダッシュくさびで示された結合に対して反対又はニュートラルの方向で結合を示し、一定幅の線はまた特別な立体配置が明記されることを意図されない分子又は分子の部分中の結合を示す。
【0063】
本発明の一実施態様において、生物学上一層活性な鏡像体は式I-1aであると考えられる。式I-1aはイソオキサゾリン環のキラル炭素の位置に(S) 配置を有し、また式I-1bはキラル炭素の位置に(R) 配置を有する。同様に、式(II)~(VIa) のイソオキサゾリン化合物の生物学上一層活性な鏡像体はイソオキサゾリン環のキラル炭素の位置に(S)-配置を有すると考えられる。或る実施態様において、本発明の化合物又はその化合物を含む組成物は有利な毒性プロフィールとともに有意なin vitro活性及びin vivo 活性を示す鏡像体(ユートマー)に濃縮されており、一方、その他の相当する鏡像体で濃縮されている化合物又は組成物はかなり小さいin vitro活性及びin vivo 活性を示す(ジストマー)。
本発明はラセミ体混合物、例えば、等しい量の式 (I)~ (VIa)のイソオキサゾリン化合物の鏡像体を含む。本発明はラセミ体混合物と較べて一鏡像体に濃縮されている式 (I)、式(Ia)、式(Ib)、式(II)、式 (II-1.1001)~式 (II-1.025) 、式 (II-2.001) ~式 (II-018) 、式 (III)、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の化合物を含む。また、式 (I)、式(Ia)、式(Ib)、式(II)、式 (II-1.1001)~式 (II-1.025) 、式 (II-2.001) ~式 (II-018) 、式 (III)、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の化合物の実質的に純粋な鏡像体が含まれる。
鏡像体が濃縮される場合、一種の鏡像体が他の鏡像体よりも多い量で存在し、その濃縮の程度が鏡像体過剰(“ee”)の表現により定義されてもよく、これは(2x-l)・100 %と定義され、この場合、xは混合物中の優勢な鏡像体のモル分率である(例えば、20%のeeは鏡像体の60:40の比に相当する)。或る実施態様において、本発明の組成物が少なくとも50%の鏡像体過剰を有する化合物を含む。その他の実施態様において、本発明の組成物が少なくとも75%の鏡像体過剰、少なくとも90%の鏡像体過剰、又は少なくとも94%の鏡像体過剰の一層活性な異性体を有する化合物を含む。一層活性な異性体(ユートマー)の鏡像体上純粋な実施態様が特に注目される。
【0064】
本発明の化合物はアリール又はヘテロアリール環に結合されたアミド結合(例えば、式 (I)中でナフチル基に結合されたアミド)のまわりの制限された回転のために一つ以上の配座異性体として存在し得る。本発明は配座異性体の混合物を含む。加えて、本発明はその他のコンホーマーに対して一種のコンホーマーに濃縮されている化合物を含む。
式(Ia)の化合物に加えて、式 (I)、式(Ib)、式(II)、式(II-1.1001) ~式(II-1.025)、式(II-2.001)~式(II-018)、式 (III)、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)及び式 (VIa) のその他のイソオキサゾリン化合物はまたイソオキサゾリン環の四級炭素原子の結果として少なくとも2種の可能な異性体を有することが認められるであろう。加えて、或る化合物は1個以上の置換基中にその他のキラル中心を含み得る。
一実施態様において、本発明の組成物が実質的に鏡像体に濃縮されている式(Ia)の化合物を含む。実質的に濃縮されているという用語は質量:質量比が所望の鏡像体に有利に少なくとも約1.5 対1又はそれより高いことを意味する。別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射組成物が実質的に(S)-鏡像体に濃縮されている式(Ia)の化合物を含む。別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射組成物が実質的に(R)-鏡像体に濃縮されている式(Ia)の化合物を含む。
従って、本発明の一実施態様において、組成物が(S)-鏡像体対(R)-鏡像体、少なくとも約2対1、又はそれより大きい質量:質量比で(S)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、式(Ia)、式(Ib)、式(II)、式(II-1.1001) ~式(II-1.025)、式(II-2.001)~式(II-018)、式(III) 、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が(S)-鏡像体対(R)-鏡像体、少なくとも約5対1、又はそれより大きい質量:質量比で(S)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、式(Ia)、式(Ib)、式(II)、式(II-1.1001) ~式(II-1.025)、式(II-2.001)~式(II-018)、式(III) 、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が(S)-鏡像体対(R)-鏡像体、少なくとも約10対1、又はそれより大きい質量:質量比で(S)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、式(Ia)、式(Ib)、式(II)、式(II-1.1001) ~式(II-1.025)、式(II-2.001)~式(II-018)、式(III) 、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が実質的に純粋な(S)-鏡像体である式 (I)、式(Ia)、式(Ib)、式(II)、式(II-1.1001) ~式(II-1.025)、式(II-2.001)~式(II-018)、式(III) 、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の化合物を含む。
【0065】
本発明の別の実施態様において、組成物が(R)-鏡像体対(S)-鏡像体、少なくとも約2対1、又はそれより大きい質量:質量比で(R)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、式(Ia)、式(Ib)、式(II)、式(II-1.1001) ~式(II-1.025)、式(II-2.001)~式(II-018)、式(III) 、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が(R)-鏡像体対(S)-鏡像体、少なくとも約5対1、又はそれより大きい質量:質量比で(R)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、式(Ia)、式(Ib)、式(II)、式(II-1.1001) ~式(II-1.025)、式(II-2.001)~式(II-018)、式(III) 、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が(R)-鏡像体対(S)-鏡像体、少なくとも約10対1、又はそれより大きい質量:質量比で(R)-鏡像体に濃縮されている式 (I)、式(Ia)、式(Ib)、式(II)、式(II-1.1001) ~式(II-1.025)、式(II-2.001)~式(II-018)、式(III) 、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の化合物を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が実質的に純粋な(R)-鏡像体である式 (I)、式(Ia)、式(Ib)、式(II)、式(II-1.1001) ~式(II-1.025)、式(II-2.001)~式(II-018)、式(III) 、式(IV)、式 (V)、式(Va)、式(VI)又は式 (VIa)の化合物を含む。
【0066】
別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が殺寄生虫有効量のUS7,964,204 、US 2010/0254960 A1、US2011/0159107、US2012/0309620、US2012/0030841、US2010/0069247、WO 2007/125984、WO 2012/086462、US 8318757、US 8466115、US 8618126、US 8822466、US8383659 、US8853186 、US 2011/0144349 、US 8,053,452、US 2010/0137612 、US 2010/0254959 、US 2011/152081、WO 2012/089623、WO 2012/089622、US 8,119,671; US 7,947,715、WO 2102/120135、WO 2012/107533、WO 2011/157748、US 2011/0245274 、US 2011/0245239 、US 2012/0232026 、US 2012/0077765 、US 2012/0035122 、US 2011/0251247 、WO 2011/154433、WO 2011/154434、US 2012/0238517 、US 2011/0166193 、WO 2011/104088、WO 2011/104087 、WO 2011/104089 、US 2012/015946 、US 2009/0143410、WO 2007/123855 A2 、US 2011/0118212 、US7951828 及びUS7662972、US 2010/0137372 A1 、US 2010/0179194 A2 、US 2011/0086886 A2 、US 2011/0059988 A1 、US 2010/0179195 A1 、US 7897630、及びUS 7951828(これらの全てが参考として本明細書にそのまま含まれる)に開示された少なくとも一種のイソオキサゾリンを含む。
更に別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が殺寄生虫有効量のWO 2009/02451A2 及びWO 2011/075591A1 (両方とも参考として本明細書にそのまま含まれる)に開示された少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物を含む。
【0067】
一実施態様において、本発明の組成物が約1~約50% (w/v) のイソオキサゾリン活性薬剤を含んでもよい。別の実施態様において、組成物が約5~約50% (w/v) のイソオキサゾリン活性薬剤を含む。別の実施態様において、本発明の組成物が約5~約40% (w/v) 又は約5~約30% (w/v) のイソオキサゾリン活性薬剤を含む。更に別の実施態様において、本発明の組成物が約5~約20% (w/v) のイソオキサゾリン活性薬剤を含む。別の実施態様において、組成物が約10~約50% (w/v) のイソオキサゾリン活性薬剤を含んでもよい。別の実施態様において、組成物が約10~約40% (w/v) のイソオキサゾリン活性薬剤を含んでもよい。更に別の実施態様において、本発明の組成物が約15~約40% (w/v) 、約10~約35% (w/v) 又は約15~約30% (w/v) のイソオキサゾリン化合物を含んでもよい。
一実施態様において、本発明の組成物が約1%~約70% (w/v) の補助溶媒又は補助溶媒の混合物を含んでもよい。別の実施態様において、本発明の組成物が約1%~約60% (w/v) の補助溶媒又は補助溶媒の混合物を含んでもよい。別の実施態様において、本発明の組成物が約1%~約50% (w/v) の補助溶媒又は補助溶媒の混合物を含んでもよい。更に別の実施態様において、組成物が約5%~約50% (w/v) 、約5%~約40% (w/v) 又は約5%~約35% (w/v) の補助溶媒又は補助溶媒の混合物を含んでもよい。
【0068】
別の実施態様において、本発明の組成物が約0.01% ~約10% (w/v) の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物を含んでもよい。その他の実施態様において、組成物が約0.01% ~約5% (w/v)、約0.1%~約10% (w/v) 又は約0.1%~約5% (w/v)の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物を含んでもよい。
別の実施態様において、本発明の組成物が約0.01% ~約3% (w/v)の酸化防止剤を含んでもよい。その他の実施態様において、組成物が約0.01% ~約2% (w/v)の酸化防止剤を含んでもよい。
或る実施態様において、本発明が
a)約15~30% (w/v) のイソオキサゾリン活性薬剤、例えば、先の実施態様で提供されたイソオキサゾリン化合物のいずれか(例えば、式 I-VIaの化合物);
b)ポロキサマーである医薬上許されるポリマー;
c)任意で、約5%~70% (w/v) の補助溶媒(これは水に混和性の極性溶媒である)又は補助溶媒の混合物;
d)任意で、約0.01% ~約2.0% (w/v)の酸化防止剤; 及び
e)任意で約0.01% ~約5.0% (w/v)の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、
前記長時間作用性注射組成物中に存在する唯一の医薬上許されるポリマーがポロキサマーであり、かつポロキサマーが組成物の100%への補充に相当する割合で全組成物中に存在する。
或る実施態様において、本発明が
a)約10~30% (w/v) のイソオキサゾリン活性薬剤、例えば、先の実施態様で提供されたイソオキサゾリン化合物のいずれか(例えば、式 I-VIaの化合物)、例えば、下記の式の化合物又はその医薬上許される塩
【0069】
【化28】
【0070】
【化29】
【0071】
【化30】
【0072】
b)ポロキサマーである医薬上許されるポリマー;
c)任意で、約5%~70% (w/v) のエタノール、イソプロパノール、液体ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)からなる群から選ばれた補助溶媒、又は以上のいずれかの混合物;
d)任意で、約0.01% ~約2.0% (w/v)の酸化防止剤; 及び
e)任意で、約0.01% ~約5.0% (w/v)の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物を含む動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤を提供し、
前記長時間作用性注射組成物中に存在する唯一の医薬上許されるポリマーがポロキサマーであり、かつポロキサマーが組成物の100%への補充に相当する割合で全組成物中に存在する。
【0073】
本発明の別の実施態様が実質的に
a)殺寄生虫有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン活性薬剤、例えば、先の実施態様で提供されたイソオキサゾリン化合物のいずれか(例えば、式I-VIa の化合物)、及び任意で、この出願で同定された少なくとも一種の付加的な活性薬剤;
b)ポロキサマー;
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒(前記補助溶媒が水に混和性の極性溶媒である);
d)任意で、酸化防止剤; 及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
からなる動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤である。
本発明の別の実施態様が
a)殺寄生虫有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン活性薬剤、例えば、先の実施態様で提供されたイソオキサゾリン化合物のいずれか(例えば、式I-VIa の化合物)、及び任意で、この出願で同定された少なくとも一種の付加的な活性薬剤;
b)ポロキサマー;
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒(前記補助溶媒が水に混和性の極性溶媒である);
d)任意で、酸化防止剤; 及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
からなる動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び/又は予防のための長時間作用性注射製剤である。
【0074】
この開示及び特許請求の範囲中で、“含む”、“含むこと(comprising)”、“含むこと(containing)”及び“有すること”等の如き用語は米国特許法でそれらに帰属される意味を有することができ、“含む” “含むこと(including)”等を意味することができ、“実質的に・・・からなること”又は“実質的に・・・からなる”は同様に米国特許法で帰属される意味を有し、その用語はオープンエンドであり(open-ended)、言及されているものの基本的又は新規な特徴が言及されているもの以外の存在により変えられない限り、言及されているもの以外の存在を許すが、従来技術の実施態様を排除する。“・・からなること”という用語は特許請求の範囲に明記されない要素、工程又は成分を排除する。
定義
本発明に使用される用語は特に明記されない限り当業界におけるそれらの通例の意味を有するであろう。式 (I)の変数の定義に挙げられる有機部分は、ハロゲンという用語のように、個々の群の員の個々のリストについての集約的用語である。接頭辞Cn-Cm はそれぞれの場合にその基中の炭素原子の可能な数を示す。
“動物”という用語は全ての哺乳類、鳥類及び魚を含み、また全ての脊椎動物を含むのに本明細書に使用される。動物として、ネコ、イヌ、ウシ、ニワトリ、ウシ、シカ、ヤギ、ウマ、ラマ、ブタ、ヒツジ及びヤクが挙げられるが、これらに限定されない。それはまた胚段階及び胎児段階を含む、発育の全ての段階における個々の動物を含む。或る実施態様において、動物は非ヒト動物であろう。
“実質的に純粋な”という用語は化合物又は鏡像体が少なくとも約90% 純粋、少なくとも約95% 純粋、少なくとも約98% 純粋であるか、又はそれより高いことを示すのに本明細書に使用される。
“アルキル”という用語は1~20個の原子を有するものを含む、飽和直鎖、分枝、環状、一級、二級又は三級炭化水素を表す。或る実施態様において、アルキル基として、C1-C12、C1-C10 、C1-C8 、C1-C6 又はC1-C4アルキル基が挙げられるであろう。C1-C10アルキルの例として、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル及びデシル並びにそれらの異性体が挙げられるが、これらに限定されない。C1-C4-アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル又は1,1-ジメチルエチルを意味する。
【0075】
環状アルキル基又は“シクロアルキル”(これらはアルキルにより含まれる)は単環又は多縮合環を有する3~10個の炭素原子を有するものを含む。或る実施態様において、シクロアルキル基として、C4-C7 又はC3-C4 環状アルキル基が挙げられる。シクロアルキル基の非限定例として、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。
本明細書に記載されたアルキル基は置換されていなくてもよく、又はアルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジアルキルアミノ、アミド、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、アジド、チオール、イミノ、スルホン酸、スルフェート、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、ホスホリル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハライド、酸無水物、オキシム、ヒドラジン、カルバメート、リン酸、ホスフェート、ホスホネート、又は当業者に知られているような、例えば、Greeneら著, “有機合成における保護基”, John Wiley and Sons,第3編, 1999(参考としてここに含まれる)に教示されているような、本発明の化合物の生物学的活性を抑制しないあらゆるその他の可能な官能基(保護されていなくてもよく、又は保護されていてもよい)からなる群から選ばれた1個以上の部分で置換されていてもよい。
“アルキル”という用語を含む用語、例えば、“アルキルシクロアルキル”、“シクロアルキルアルキル”、“アルキルアミノ”又は“ジアルキルアミノ”は当業者により理解されるように、その他の官能基(この場合、その基は最後にリストされた基を介して化合物に結合される)に結合された先に定義されたアルキル基を含むと理解されるであろう。
【0076】
“アルケニル”という用語は少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する炭素直鎖及び分枝炭素鎖の両方を表す。或る実施態様において、アルケニル基として、C2-C20アルケニル基が挙げられるかもしれない。その他の実施態様において、アルケニルとして、C2-C12、C2-C10、C2-C8 、C2-C6 又はC2-C4 アルケニル基が挙げられる。アルケニルの一実施態様において、二重結合の数が1-3 個であり、アルケニルの別の実施態様において、二重結合の数が1個又は2個である。炭素-炭素二重結合及び炭素数のその他の範囲がまた分子におけるアルケニル部分の位置に応じて意図されている。“C2-C10-アルケニル”基はその鎖中に1個より多い二重結合を含んでもよい。例として、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチル-エテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル及び1-エチル-2-メチル-2-プロペニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
“アルキニル”は少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有する炭素直鎖及び分枝炭素鎖の両方を表す。アルキニルの一実施態様において、三重結合の数が1-3 であり、アルキニルの別の実施態様において、三重結合の数が1又は2である。或る実施態様において、アルキニル基として、C2-C20アルキニル基が挙げられる。その他の実施態様において、アルキニル基として、C2-C12、C2-C10、C2-C8 、C2-C6 又はC2-C4 アルキニル基が挙げられるかもしれない。炭素-炭素三重結合及び炭素数のその他の範囲がまた分子におけるアルケニル部分の位置に応じて意図されている。例えば、本明細書に使用される”C2-C10-アルキニル”という用語は2~10個の炭素原子を有し、かつ少なくとも一つの三重結合を含む直鎖又は分枝不飽和炭化水素基、例えば、エチニル、プロプ(prop)-1-イン-1-イル、プロプ-2-イン-1-イル、n-ブト(but)-1-イン-1-イル、n-ブト-1-イン-3-イル、n-ブト-1-イン-4-イル、n-ブト-2-イン-1-イル、n-ペント(pent)-1-イン-1-イル、n-ペント-1-イン-3-イル、n-ペント-1-イン-4-イル、n-ペント-1-イン-5-イル、n-ペント-2-イン-1-イル、n-ペント-2-イン-4-イル、n-ペント-2-イン-5-イル、3-メチルブト-1-イン-3-イル、3-メチルブト-1-イン-4-イル、n-ヘキサ(hex)-1-イン-1-イル、n-ヘキサ-1-イン-3-イル、n-ヘキサ-1-イン-4-イル、n-ヘキサ-1-イン-5-イル、n-ヘキサ-1-イン-6-イル、n-ヘキサ-2-イン-1-イル、n-ヘキサ-2-イン-4-イル、n-ヘキサ-2-イン-5-イル、n-ヘキサ-2-イン-6-イル、n-ヘキサ-3-イン-1-イル、n-ヘキサ-3-イン-2-イル、3-メチルペント-1-イン-1-イル、3-メチルペント-1-イン-3-イル、3-メチルペント-1-イン-4-イル、3-メチルペント-1-イン-5-イル、4-メチルペント-1-イン-1-イル、4-メチルペント-2-イン-4-イル又は4-メチルペント-2-イン-5-イル等を表す。
【0078】
“ハロアルキル”という用語は、1個以上のハロゲン原子により置換されている、本明細書に定義された、アルキル基を表す。例えば、C1-C4-ハロアルキルとして、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル等が挙げられるが、これらに限定されない。
“ハロアルケニル”という用語は、1個以上のハロゲンにより置換されている、本明細書に定義された、アルケニル基を表す。
“ハロアルキニル”という用語は、1個以上のハロゲンにより置換されている、本明細書に定義された、アルキニル基を表す。
“アルコキシ”という用語は、アルキル-O- を表し、この場合、アルキルは先に定義されたとおりである。同様に、“アルケニルオキシ”、“アルキニルオキシ”、“ハロアルコキシ”、“ハロアルケニルオキシ”、“ハロアルキニルオキシ”、“シクロアルコキシ”、“シクロアルケニルオキシ”、“ハロシクロアルコキシ”及び“ハロシクロアルケニルオキシ”という用語は基アルケニル-O- 、アルキニル-O- 、ハロアルキル-O- 、ハロアルケニル-O- 、ハロアルキニル-O- 、シクロアルキル-O- 、シクロアルケニル-O- 、ハロシクロアルキル-O- 、及びハロシクロアルケニル-O- をそれぞれ表し、この場合、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロシクロアルキル、及びハロシクロアルケニルは先に定義されたとおりである。C1-C6-アルコキシの例として、メトキシ、エトキシ、C2H5-CH2O-、(CH3)2CHO-、n-ブトキシ、C2H5-CH(CH3)O-、(CH3)2CH-CH2O-、(CH3)3CO-、n-ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチル -プロポキシ、1-エチルプロポキシ、n-ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、 2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル -1-メチルプロポキシ、1-エチル-2-メチルプロポキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
“アルキルチオ”という用語はアルキル-S- を表し、この場合、アルキルは先に定義されたとおりである。同様に、“ハロアルキルチオ”、“シクロアルキルチオ”等という用語は、ハロアルキル-S- 及びシクロアルキル-S- を表し、この場合、ハロアルキル及びシクロアルキルは先に定義されたとおりである。
“アルキルスルフィニル”という用語はアルキル-S(O)-を表し、この場合、アルキルは先に定義されたとおりである。同様に、“ハロアルキルスルフィニル”という用語はハロアルキル-S(O)-を表し、この場合、ハロアルキルは先に定義されたとおりである。
“アルキルスルホニル”という用語はアルキル-S(O)2- を表し、この場合、アルキルは先に定義されたとおりである。同様に、“ハロアルキルスルホニル”という用語はハロアルキル-S(O)2- を表し、この場合、ハロアルキルは先に定義されたとおりである。
【0080】
アルキルアミノ及びジアルキルアミノという用語はアルキル-NH-及び (アルキル)2N-を表し、この場合、アルキルは先に定義されたとおりである。同様に、“ハロアルキルアミノ”という用語はハロアルキル-NH-を表し、この場合、ハロアルキルは先に定義されたとおりである。
“アルキルカルボニル”、“アルコキシカルボニル”、“アルキルアミノカルボニル”及び“ジアルキルアミノカルボニル”という用語はアルキル-C(O)-、アルコキシ-C(O)-、アルキルアミノ-C(O)-及びジアルキルアミノ-C(O)-を表し、この場合、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ及びジアルキルアミノは先に定義されたとおりである。同様に、“ハロアルキルカルボニル”、“ハロアルコキシカルボニル”、“ハロアルキルアミノカルボニル”及び“ジハロアルキルアミノカルボニル”という用語は基ハロアルキル-C(O)-、ハロアルコキシ-C(O)-、ハロアルキルアミノ-C(O)-及びジハロアルキルアミノ-C(O)-を表し、この場合、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルアミノ及びジハロアルキルアミノは先に定義されたとおりである。
“アリール”は単環又は多縮合環を有する6個から14個までの炭素原子の1価の芳香族炭素環基を表す。或る実施態様において、アリール基として、C6-C10アリール基が挙げられる。アリール基として、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フェニルシクロプロピル及びインダニルが挙げれるが、これらに限定されない。アリール基は置換されていなくてもよく、又はハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルケニルオキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、シクロアルキルチオ、ハロシクロアルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルケニルスルフィニル、ハロアルキニルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルホニル、アルキニルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、ハロアルケニルスルホニル、ハロアルキニルスルホニル、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ジ(アルキル)アミノ、ジ(アルケニル)-アミノ、ジ(アルキニル)アミノ、もしくはトリアルキルシリルから選ばれた1個以上の部分により置換されていてもよい。
【0081】
“アラルキル”又は“アリールアルキル”という用語はジラジカルアルキレンブリッジ(-CH2-)nにより親化合物に結合されているアリール基を表し、この場合、nは1-12であり、かつ“アリール”は先に定義されたとおりである。
“ヘテロアリール”は環中に1個以上の酸素、窒素、及び硫黄ヘテロ原子、好ましくは1~4個のヘテロ原子、又は1~3個のヘテロ原子を有する、1個から15個までの炭素原子、好ましくは1個から10個までの炭素原子の1価の芳香族基を表す。窒素及び硫黄ヘテロ原子は酸化されていてもよい。このようなヘテロアリール基は単環(例えば、ピリジル又はフリル)又は多縮合環を有することができ、但し、結合の位置がヘテロアリール環原子によることを条件とする。好ましいヘテロアリールとして、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フラニル、チオフェニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチオフェニルが挙げられる。ヘテロアリール環は置換されていなくてもよく、又は先にアリールについて記載された1個以上の部分により置換されていてもよい。
【0082】
“複素環”又は“ヘテロシクロ”は環中に1個以上の酸素、硫黄又は窒素ヘテロ原子、好ましくは1~4個もしくは1~3個のヘテロ原子を有する、完全飽和又は不飽和、環式基、例えば、3~7員単環式又は4~7員単環式;7~11員二環式、又は10~15員三環式環系を表す。窒素及び硫黄ヘテロ原子は酸化されていてもよく、また窒素ヘテロ原子は四級化されていてもよい。複素環基は環又は環系のあらゆるヘテロ原子又は炭素原子の位置で結合されてもよく、また置換されていなくてもよく、又は先にアリール基について記載された1個以上の部分により置換されていてもよい。
例示の単環式複素環基として、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、4-ピペリドニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3-ジオキソラン及びテトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、トリアゾリル、トリアジニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
例示の二環式複素環基として、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル (例えば、フロ [2,3-c]ピリジニル、フロ [3,2-b]ピリジニル又はフロ [2,3-b]ピリジニル) 、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル (例えば、3,4-ジヒドロ-4-オキソ-キナゾリニル) 、テトラヒドロキノリニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
例示の三環式複素環基として、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニル等が挙げられる。
ハロゲンは原子フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。“ハロ”の表示(例えば、ハロアルキルという用語に示されるような)は単一置換からペルハロ置換までの置換の全ての程度(例えば、クロロメチル (-CH2Cl) 、ジクロロメチル (-CHCl2) 、トリクロロメチル (-CCl3)としてメチルで示されるような)を表す。
“濃縮されている”という用語は質量:質量比が有意なin vitro活性及びin vivo 活性を示す鏡像体(ユートマー)に有利に少なくとも約1.05又はそれより高い場合を意味する。
【0083】
立体異性体及び多形形態
先に注目されたように、本発明の組成物内の或る化合物は光学活性形態及びラセミ形態として存在し、単離し得ることが当業者により認められるであろう。硫黄原子を含む、先の式 (I)~式 (VIa)の化合物のように一つ以上のキラル中心を有する化合物は、単一鏡像体もしくはジアステレオマー又は鏡像体及び/又はジアステレオマーの混合物として存在し得る。例えば、スルホキシド化合物は光学活性であり、単一鏡像体又はラセミ混合物として存在し得ることが当業界で公知である。加えて、本発明の組成物内の化合物は一つ以上のキラル中心を含んでもよく、これが理論数の光学活性異性体をもたらす。本発明の組成物内の化合物がn個のキラル中心を含む場合、これらの化合物は2nまでの光学異性体を含み得る。本発明はそれぞれの化合物の特別な鏡像体又はジアステレオマーだけでなく、本明細書に記載された有益な性質を有する本発明の化合物の異なる鏡像体及び/又はジアステレオマーの混合物を含む組成物を含む。加えて、本発明は一種以上の配座異性体(例えば、ロータマー)だけでなく、配座異性体の混合物を含む組成物を含む。イソオキサゾリン化合物の配座異性体はアリール又はヘテロアリール環に結合されたアミド結合(例えば、式 (I)中のナフチル基に結合されたアミド)のまわりの回転の制限により生じられ得る。光学活性形態は、例えば、選択的結晶化技術によるラセミ形態の分割、光学活性前駆体からの合成、キラル合成、キラル静止相を使用するクロマトグラフィー分離又は酵素分割により調製し得る。
加えて、本発明の組成物内の化合物は水和物又は溶媒和物としても存在してもよく、この中で或る化学量論量の水又は溶媒が結晶形態で分子と会合される。本発明の組成物は活性薬剤の水和物及び溶媒和物を含んでもよい。或る実施態様において、本発明の組成物が15% (w/w) まで、20% (w/w) まで、又は30% (w/w) までの特別な固体形態を含んでもよい。
【0084】

本明細書に提供された本発明の化合物の酸塩又は塩基塩(適用可能な場合)がまた本発明の範囲内に意図される。
“酸塩”という用語はあらゆる医薬上許される無機又は有機の酸との化合物の塩を意図している。無機酸として、鉱酸、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、臭化水素酸及び塩酸、硫酸、リン酸及び硝酸が挙げられる。有機酸として、あらゆる医薬上許される脂肪族、脂環式及び芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸及び脂肪酸が挙げられる。酸の一実施態様において、酸が直鎖又は分枝、飽和又は不飽和C1-C20脂肪族カルボン酸(これらはハロゲンもしくはヒドロキシル基により置換されていてもよい)、又はC6-C12芳香族カルボン酸である。このような酸の例は炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、吉草酸、α-ヒドロキシ酸、例えば、グリコール酸並びに乳酸、クロロ酢酸、安息香酸、メタンスルホン酸、及びサリチル酸である。ジカルボン酸の例として、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、及びマレイン酸が挙げられる。トリカルボン酸の例はクエン酸である。脂肪酸として、4~24個の炭素原子を有するあらゆる医薬上許される飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族カルボン酸が挙げられる。例として、酪酸、イソ酪酸、sec-酪酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びフェニルステアリン酸が挙げられる。その他の酸として、グルコン酸、グリコヘプトン酸及びラクトビオン酸が挙げられる。
“塩基塩”という用語はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩を含む、あらゆる医薬上許される無機又は有機の塩基との化合物の塩を意図する。このような塩基で生成される塩として、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩又はカルシウム塩を含むが、これらに限定されない、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が挙げられる。有機塩基で生成される塩として、普通の炭化水素アミン塩及び複素環アミン塩が挙げられ、これらとして、例えば、アンモニウム塩(NH4+)、アルキルアンモニウム塩及びジアルキルアンモニウム塩、並びに環状アミンの塩、例えば、モルホリン塩及びピペリジン塩が挙げられる。
【0085】
別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が少なくとも一種のその他の活性薬剤と組み合わせて有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン又はその医薬上許される塩を含む。一実施態様において、長時間作用性注射組成物が全身活性である少なくとも一種のその他の活性薬剤と組み合わせて、有効量の式 (I)~(VIa) の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物、又はその医薬上許される塩を含む。
付加的な獣医薬上/医薬上活性な成分が本発明の組成物で使用されてもよい。或る実施態様において、付加的な活性薬剤が殺ダニ剤、駆虫剤、殺寄生虫剤及び殺虫剤を含んでもよいが、これらに限定されない。殺寄生虫剤は殺外部寄生虫剤及び/又は殺内部寄生虫剤の両方を含み得る。
本発明の組成物中に含まれてもよい付加的な獣医薬物質は当業界で公知であり(例えば、Plumb’ Veterinary Drug Handbook, 第5編, Donald C.Plumb 編集, Blackwell Publishing, (2005)又はThe Merck Veterinary Manual, 第9編(2005年1月)を参照のこと)、アカルボース、アセプロマジンマレエート、アセトアミノフェン、アセトアゾラミド、アセトアゾラミドナトリウム、酢酸、アセトヒドロキサム酸、アセチルシステイン、アシトレチン、アサイクロバー、アルベンダゾール、アルブテロールスルフェート、アルフェンタニル、アロプリノール、アルプラゾラム、アルトレノゲスト、アマンタジン、アミカシンスルフェート、アミノカプロン酸、アミノペンタミド硫酸水素塩、アミノフィリン/テオフィリン、アミオダロン、アミトリプチリン、アムロジピンベシレート、塩化アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、アモキシシリン、クラブラネートカリウム、アンホテリシンBデオキシコレート、アンホテリシンB脂質ベース、アンピシリン、アムプロリウム、制酸薬(経口)、アンチベニン、アポモルヒオン、アプラマイシンスルフェート、アスコルビン酸、アスパラギナーゼ、アスピリン、アテノロール、アチパメゾール、アトラクリウムベシレート、アトロピンスルフェート、オーノフィン、オーロチオグルコース、アザペロン、アザチオプリン、アジスロマイシン、バクロフェン、バルビツエート、ベナゼプリル、ベタメタゾン、ベタネコールクロリド、ビサコジル、ビスマスサブサリチレート、ブレオマイシンスルフェート、ボルデノンウンデシレネート、臭化物、
【0086】
ブロモクリプチンメシレート、ブデノシド、ブプレノルフィン、ブスピロン、ブスルファン、ブトルファノールタートレート、カベルゴリン、カルシトニンサーモン、カルシトロール、カルシウム塩、カプトプリル、カルベニシリンインダニルナトリウム、カルビマゾール、カルボプラチン、カルニチン、カルプロフェン、カルベジロール、セファドロキシル、セファゾリンナトリウム、セフィキシム、クロルスロン、セフォペラゾンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セフポドキシムプロキセチル、セフタジジム、セフチオフルナトリウム、セフチオフル、セフチアキソンナトリウム、セファレキシン、セファロスポリン、セファピリン、木炭(活性化)、クロラムブシル、クロラムフェニコール、クロルジアゼポキシド、クロルジアポキシド+/- クリジニウムブロミド、クロロチアジド、クロルフェニラミンマレエート、クロルプロマジン、クロルプロパミド、クロルテトラサイクリン、柔毛膜性生殖腺刺激ホルモン(HCG) 、クロム、シメチジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シスプラチン、クエン酸塩、クラリスロマイシン、クレマスチンフマレート、クレンブテロール、クリンダマイシン、クロファジミン、クロミプラミン、クラオナゼパム、クロニジン、クロプロステノールナトリウム、クロラゼペート二カリウム、クロルスロン、クロキサシリン、コデインホスフェート、コルチシン、コルチコトロピン(ACTH)、コシントロピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シプロヘプタジン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン/アクチノマイシンD、ダルテパリンナトリウム、ダナゾール、ダントロレンナトリウム、ダプソン、デコキネート、デフェロキサミンメシレート、デラコキシブ、デスロレリンアセテート、デスモプレシンアセテート、デスオキシコルチコステロンピバレート、デトミジン、デキサメタゾン、デクスパンテノール、デクスラアゾキサン、デキストラン、ジアゼパム、ジアゾキシド(経口)、ジクロルフェナミド、ジクロフェナックナトリウム、ジクロキサシリン、ジエチルカルバマジンシトレート、ジエチルスチルベストロール(DES) 、ジフロキサシン、ジゴキシン、ジヒドロタチステロール(DHT) 、ジルチアゼム、ジメンヒドリネート、ジメルカプロール/BAL、ジメチルスルホキシド、
【0087】
ジノプロストトロメタミン、ジフェニルヒドラミン、ジソピラミドホスフェート、ドブタミン、ドクセート/DSS、ドラセトロンメシレート、ドムペリドン、ドーパミン、ドラメクチン、ドキサプラム、ドキセピン、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、エデト酸カルシウム二ナトリウム、カルシウムEDTA、エドロホニウムクロリド、エナラプリル/エナラプリラート、エノキサパリンナトリウム、エンロフロキサシン、エフェドリンスルフェート、エピネフリン、エポエチン/エリスロポイエチン、エプリノメクチン、エプシプランテル、エリスロマイシン、エスモロール、エストラジオールシピオネート、エタクリン酸/エタクリネートナトリウム、エタノール(アルコール)、エチドロネートナトリウム、エトドラック、エトミデート、安楽死剤w/ペントバルビタール、ファモチジン、脂肪酸(必須/オメガ)、フェルバメート、フェンタニル、硫酸第一鉄、フィルグラスチム、フィナステリド、フィプロニル、フロルフェニコール、フルコナゾール、フルシトシン、フルドロコルチゾンアセテート、フルマゼニル、フルメタゾン、フルニキシンメグルミン、フルオロウラシル(5-FU)、フルオキセチン、フルチカゾンプロピオネート、フルボキサミンマレエート、フォメピゾール(4-MP)、フラゾリドン、フロセミド、ガバペンチン、ゲムシタビン、ゲンタマイシンスルフェート、グリメピリド、グリピジド、グルカゴン、グルココルチコイド剤、グルコサミン/コンドロイチンスルフェート、グルタミン、グリブリド、グリセリン(経口)、グリコピロレート、ゴナドレリン、グリセオフルビン、グアイフェネシン、ハロタン、ヘモグロビングルタマー-200(OXYGLOBIN(登録商標))、ヘパリン、ヘタスターチ、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドラザリン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコドンビタートレート、ヒドロコルチゾン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシ尿素、ヒドロキシジン、イフォスファミド、イミダクロプリド、イミドカルブジプロピネート、イムペネム-シラスタチンナトリウム、イミプラミン、イナムリノンラクテート、インスリン、インターフェロンアルファ-2a(ヒト組換え体)、ヨウ化物(ナトリウム/カリウム)、イペカク(シロップ)、イポデートナトリウム、鉄デキストラン、イソフルラン、
【0088】
イソプロテレノール、イソトレチノイン、イソクスプリン、イトラコナゾール、イベルメクチン、カオリン/ペクチン、ケタミン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトロラックトロメタミン、ラクツロース、ロイプロリド、レバミソール、レベチラセタム、レボチロキシンナトリウム、リドカイン、リンコマイシン、リオチロニンナトリウム、リシノプリル、ロムスチン(CCNU)、ルフェヌロン、リシン、マグネシウム、マンニトール、マルボフロキサシン、メクロレタミン、メクリジン、メクロフェナム酸、メデトミジン、中間鎖トリグリセリド、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロールアセテート、メラルソミン、メラトニン、メロキシカン、メルファラン、メペリジン、メルカプトプリン、メロペネム、メトホルミン、メタドン、メタゾラミド、メテナミンマンデレート/ヒプレート、メチマゾール、メチオニン、メソカルバモール、メソヘキシタールナトリウム、メトトレキセート、メトキシフルラン、メチレンブルー、メチルフェニデート、メチルプレドニソロン、メトクロプラミド、メトプロロール、メトロニダキソール、メキシレチン、ミボレルロン、ミダゾラムミルベマイシンオキシム、鉱油、ミノサイクリン、ミソプロストール、ミトタン、ミトキサントロン、モルヒネスルフェート、モキシデクチン、ナロキソン、マンドロロンデカノエート、ナプロキセン、ナルコチック(オピエート)アゴニスト鎮痛薬、ネオマイシンスルフェート、ネオスチグミン、ニアシナミド、ニタゾキサニド、ニテンピラム、ニトロフラントイン、ニトログリセリン、ニトロプルシドナトリウム、ニザチジン、ノボビオシンナトリウム、ニスタチン、オクトレオチドアセテート、オルサラジンナトリウム、オメプロゾール、オンダンセトロン、オピエート下痢止め薬、オルビフロキサシン、オキサシリンナトリウム、オキサゼパム、オキシブチニンクロリド、
【0089】
オキシモルフォン、オキシトレトラサイクリン、オキシトシン、パミドロネート二ナトリウム、パンクレプリパーゼ、パンクロニウムブロミド、パロモマイシンスルフェート、パロゼチン、ペンシラミン、一般情報ペニシリン、ペニシリンG、ペニシリンVカリウム、ペンタゾシン、ペントバルビタールナトリウム、ペントサンポリスルフェートナトリウム、ペントキシフィリン、ペルゴリドメシレート、フェノバルビタール、フェノキシベンザミン、フェイルブタゾン、フェニレフリン、フェニプロパノールアミン、フェニトインナトリウム、フェロモン類、パレンテラールホスフェート、フィトナジオン/ビタミンK-1 、ピモベンダン、ピペラジン、ピルリマイシン、ピロキシカム、多硫酸化グリコサミノグリカン、ポナズリル、塩化カリウム、プラリドキシムクロリド、プラゾシン、プレドニソロン/プレドニゾン、プリミドン、プロカインアミド、プロカルバジン、プロクロルペラジン、プロパンテリンブロミド、プロピオンバクテリウムアクネ注射液、プロポフォール、プロプラノロール、プロタミンスルフェート、シュードエフェドリン、プシリウム親水性ムシロイド、ピリドスチグミンブロミド、ピリラミンマレエート、ピリメタミン、キナクリン、キニジン、ラニチジン、リファムピン、s-アデノシル-メチオニン(SAMe)、生理食塩水/高浸透圧緩和剤、セラメクチン、セレギリン/1-デプレニル、セルトラリン、セベラマー、セボフルラン、シリマリン/ミルクシストル、重炭酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムスチボグルコネート、硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ソマトトロピン、ソタロール、スペクチノマイシン、スピロノラクトン、スタノゾロール、ストレプトキナーゼ、ストレプトゾシン、スクシマー、スクシニルコリンクロリド、スクラルフェート、スフェンタニルシトレート、スルファクロルピリダジンナトリウム、スルファジアジン/トリメスロプリム、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、スルファジメントキシン、スルファジメトキシン/オルメトプリム、スルファサラジン、タウリン、テポキサリン、テルビナフリン、テルブタリンスルフェート、テストステロン、テトラサイクリン、チアセタルサミドナトリウム、チアミン、チオグアニン、チオペンタールナトリウム、チオテーパ、チロトロピン、チアムリン、チカルシリン二ナトリウム、チレタミン/ゾラゼパム、チルモクシン、チオプロニン、トブラマイシンスルフェート、トカイニド、トラゾリン、テルフェナム酸、トピラメート、トラマドール、トリムシノロンアセトニド、トリエンチン、トリロスタン、トリメプラキシンタートレートw/プレドニソロン、トリペレンアミン、チロシン、ウルドシオール、バルプロ酸、バナジウム、バンコマイシン、バソプレシン、ベクロニウムブロミド、ベラパミル、ビンブラスチンスルフェート、ビンクリスチンスルフェート、ビタミンE/セレン、ワルファリンナトリウム、キシラジン、ヨヒムビン、ザフィルルカスト、ジドブジン(AZT) 、酢酸亜鉛/硫酸亜鉛、ゾニサミド及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
本発明の一実施態様において、当業界で知られている、フェニルピラゾールの如きアリールピラゾール化合物が、本発明の長時間作用性注射組成物中でイソオキサゾリン化合物と組み合わされてもよい。このようなフェニルピラゾール化合物の例として、米国特許第6,001,384 号、同第6,010,710 号、同第6,083,519 号、同第6,096,329 号、同第6,174,540 号、同第6,685,954 号及び同第6,998,131 号(これらの全てが参考として本明細書に含まれ、それぞれがMerial, Ltd., Duluth, GAに譲渡されている)に記載されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の別の実施態様において、殺ダニ剤、駆虫剤及び/又は殺虫剤として作用する一種以上の大環状ラクトン又はラクタムが、本発明の組成物に添加し得る。
大環状ラクトンとして、アベルメクチン類及びアベルメクチン類似体、例えば、アバメクチン、ジマデクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、ラチデクチン、レピメクチン、セラメクチン及びML-1,694,554 、並びにミルベマイシン類及びミルベマイシン類似体、例えば、ミルベメクチン、ミルベマイシンD、ミルベマイシンオキシム、モキシデクチン及びネマデクチンが挙げられるが、これらに限定されない。また、前記アベルメクチン類及びミルベマイシン類の5-オキソ誘導体及び5-オキシム誘導体が含まれる。アリールピラゾール化合物と大環状ラクトンの組み合わせの例として、米国特許第6,426,333 号、同第6,482,425 号、同第6,962,713 号及び同第6,998,131 号(これらの全てが参考として本明細書に含まれ、それぞれがMerial, Ltd., Duluth,GAに譲渡されている)に記載されたものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
大環状ラクトン化合物は当業界で知られており、商業上容易に得られ、又は当業界で知られている合成技術により得られる。広く入手し得る技術文献及び商業文献が参考にされる。アベルメクチン類、イベルメクチン及びアバメクチンについて、例えば、研究 “Ivermectin and Abamectin”, 1989, M.H.Fischer 及びH.Mrozik, William C.Campbell 著、Springer Verlag. により発行、又はAlbers-Schonberg ら著 (1981), “Avermectins Structure Determination”, J.Am.Chem.Soc., 103, 4216-4221が参考にされるかもしれない。ドラメクチンについて、“Veterinary Parasitology”, 49巻, 1号, 1993年7月, 5-15が参考になるかもしれない。ミルベマイシン類について、とりわけ、Davies H.G. ら著, 1986, “Avermectins and Milbemycins”, Nat.Prod.Rep., 3, 87-121 、Mrozik H.ら著, 1983, Synthesis of Milbemycins from Avermectins, Tetrahedron Lett., 24, 5333-5336 、米国特許第4,134,973 号及び欧州特許第0 677 054号が参考になるかもしれない。
大環状ラクトンは天然産物であり、又はこれらの半合成誘導体である。アベルメクチン類及びミルベマイシン類の構造は、例えば、複雑な16員大環状ラクトン環を共有することにより密接に関連している。天然産物アベルメクチン類は米国特許第4,310,519 号に開示されており、また22,23-ジヒドロアベルメクチン化合物は米国特許第4,199,569 号に開示されている。また、とりわけ、米国特許第4,468,390 号、同第5,824,653 号、欧州特許第0 007 812 A1 号、英国特許第1 390 336 号明細書、欧州特許第0 002 916 号、及びニュージーランド特許第237 086 号が挙げられる。天然産ミルベマイシン類が米国特許第3,950,360 号だけでなく、“The Merck Index” 第12編, S.Budavari編集, Merck & Co., Inc.Whitehouse Station, New Jersey (1996)に引用されている種々の文献に記載されている。ラチデクチンは “International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances (INN)”, WHO Drug Information, 17巻, 4号, 263- 286頁, (2003) に記載されている。これらのクラスの化合物の半合成誘導体が当業界で公知であり、例えば、米国特許第5,077,308 号、同第4,859,657 号、同第4,963,582 号、同第4,855,317 号、同第4,871,719 号、同第4,874,749 号、同第4,427,663 号、同第4,310,519 号、同第4,199,569 号、同第5,055,596 号、同第4,973,711 号、同第4,978,677 号、同第4,920,148 号及び欧州特許第0 667 054 号に記載されている。
【0092】
本発明の別の実施態様において、本発明は殺ダニ剤又は昆虫成長レギュレーター (IGR)として知られている殺虫剤のクラスからの全身作用性化合物と組み合わせてイソオキサゾリン化合物を含む長時間作用性注射製剤を含む。このグループに属する化合物は当業者に公知であり、広範囲の異なる化学クラスに相当する。これらの化合物は全て昆虫ペストの発育又は成長を妨げることにより作用する。昆虫成長レギュレーターは、例えば、米国特許第3,748,356 号、同第3,818,047 号、同第4,225,598 号、同第4,798,837 号、同第4,751,225 号、欧州特許第0 179 022 号又は英国特許第2 140 010 号だけでなく、米国特許第6,096,329 号及び同第6,685,954 号(全て、参考として本明細書に含まれる)に記載されている。
一実施態様において、IGR は幼若ホルモンを模擬する化合物である。幼若ホルモンミメチックスの例として、アザジラクチン、ジオフェノラン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、キノプレン、メソプレン、ピリプロキシフェン、テトラヒドロアザジラクチン及び4-クロロ-2(2-クロロ-2-メチル-プロピル)-5-(6-ヨード-3-ピリジルメトキシ)ピリダジン-3(2H)-オンが挙げられる。
実施態様において、本発明の長時間作用性製剤がメソプレン又はピリプロキシフェンと組み合わせて、有効量の式 (I)~(VIa) の少なくとも一種のイソオキサゾリン、又はその医薬上許される塩を含む。
別の実施態様において、IGR 化合物がキチン合成阻害薬である。キチン合成阻害薬として、クロロフルアズロン、シロマジン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルモロン、ルフェヌロン、テブフェノジド、テフルベンズロン、トリフルモロン、ノバルロン、1-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル尿素、1-(2,6-ジフルオロ-ベンゾイル)-3-(2-フルオロ-4-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)-フェニル尿素及び1-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-3-(2-フルオロ-4-トリフルオロメチル)フェニル尿素が挙げられる。
【0093】
本発明の更に別の実施態様において、成虫駆除の殺虫剤及び殺ダニ剤がまた本発明の長時間作用性製剤に添加し得る。これらとして、ピレスリン類(これらはシネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ピレスリンI、ピレスリンII及びこれらの混合物を含む)及びピレスロイド類、並びにベノミル、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、メスチオカルブ、メトルカルブ、プロマシル、プロポクスル、アルジカルブ、ブトカルボキシム、オキサミル、チオカルボキシム及びチオファノクスを含むが、これらに限定されないカルバメート類が挙げられる。一実施態様において、組成物がイソオキサゾリン活性薬剤と組み合わせてペルメスリンを含み得る。
或る実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤がベンゾイミダゾール類、イミダゾチアゾール類、テトラヒドロピリミジン類、及び有機ホスフェートクラスの化合物中の活性薬剤を含むが、これらに限定されない一種以上の殺線虫剤を含んでもよい。或る実施態様において、チアベンダゾール、カムベンダゾール、パルベンダゾール、オキシベンダゾール、メベンダゾール、フルベンダゾール、フェンベンダゾール、オクスフェンダゾール、アルベンダゾール、シクロベンダゾール、フェバンテル、チオファネート及びそのo,o-ジメチル類似体を含むが、これらに限定されないベンゾイミダゾール類が組成物中に含まれてもよい。
【0094】
その他の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤がテトラミソール、レバミソール及びブタミソールを含むが、これらに限定されないイミダゾチアゾール化合物を含んでもよい。更にその他の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤がピランテル、オキサンテル、及びモランテルを含むが、これらに限定されないテトラヒドロピリミジン活性薬剤を含んでもよい。好適な有機ホスフェート活性薬剤として、クマフォス、トリクロルフォン、ハロキソン、ナフタロフォス及びジクロルボス、ヘプテノフォス、メビンフォス、モノクロトフォス、TEPP、並びにテトラクロルビンフォスが挙げられるが、これらに限定されない。
その他の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が中性化合物として、又は種々の塩形態の殺線虫化合物フェノチアジン及びピペラジン、ジエチルカルバマジン、フェノール類、例えば、ジソフェノール、アルセニカル類、例えば、アルセナミド、エタノールアミン類、例えば、ベフェニウム、セニウムクロシレート、及びメチリジン;ピルビニウムクロリド、ピルビニウムパモエート及びジチアザニンヨージドを含むシアニン色素;ビトスカネート、スラミンナトリウム、フタロフィンを含むイソチオシアネート類、並びにヒグロマイシンB、α-サントニン及びカイン酸を含むが、これらに限定されない種々の天然産物を含んでもよい。
その他の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が坑吸虫薬を含んでもよい。好適な坑吸虫薬として、ミラシル類、例えば、ミラシルD及びミラサン;プラジカンテル、クロナゼパム及びその3-メチル誘導体、オルチプラズ、ルカンソン、ヒカンソン、オキサムニキン、アモスカネート、ニリダゾール、ニトロキシニル;ヘキサクロロフェン、ビチオノール、ビチオノールスルホキシド及びメニクロホランを含む当業界で知られている種々のビスフェノール化合物;トリブロムサラン、オキシクロザニド、クリオキサニド、ラフォキサニド、ブロチアニド、ブロモキサニド及びクロサンテルを含む種々のサリチルアニリド化合物;トリクラベンダゾール、ジアムフェネチド、クロルスロン、ヘトリン及びエメチンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
種々の塩形態のアレコリン、ブナミジン、ニクロサミド、ニトロスカネート、パロモマイシン及びパロモマイシンIIを含むが、これらに限定されない坑条虫化合物がまた本発明の長時間作用性製剤中に有利に使用されてもよい。
更にその他の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が節足動物寄生虫に対して有効であるその他の活性薬剤を含んでもよい。好適な活性薬剤として、ブロモシクレン、クロルダン、DDT 、エンドスルファン、リンダン、メトキシクロル、トキサフェン、ブロモフォス、ブロモフォス-エチル、カルボフェノチオン、クロルフェンビンフォス、クロルピリフォス、クロトキシフォス、シチオエート、ジアジノン、ジクロレンチオン、ジエムソエート、ジオキサチオン、エチオン、ファムフル、フェニトロチオン、フェンチオン、フォスピレート、ヨードフェンフォス、マラチオン、ナレド、フォサロン、ホスメット、フォキシム、プロペタムフォス、ロンネル、スチロフォス、アレスリン、シハロスリン、シペルメスリン、デルタメスリン、フェンバレレート、フルシスリネート、ペルメスリン、フェノスリン、ピレスリン類、レスメスリン、ベンジルベンゾエート、二硫化炭素、クロタミトン、ジフルベンズロン、ジフェニルアミン、ジスルフィラム、イソボルニルチオシアネートアセテート、メソプレン、モノスルフィラム、ピレノニルブトキシド、ロテノン、トリフェニルスズアセテート、トリフェニルスズ水酸化物、ディート、ジメチルフタレート、並びに化合物1,5a,6,9,9a,9b-ヘキサヒドロ-4a(4H)-ジベンゾフランカルボキシアルデヒド(MGK-11)、2-(2-エチルヘキシル)-3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-イソインドール-1,3(2H)ジオン (MGK-264) 、ジプロピル-2,5-ピリジンジカルボキシレート (MGK-326)及び2-(オクチルチオ)エタノール (MGK-874)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の長時間作用性製剤中でイソオキサゾリン化合物と組み合わせ得る坑寄生虫剤はデプシペプチドを含むが、これらに限定されない生物学的に活性なペプチド又はタンパク質であってもよく、これらは神経筋肉接合部でセクレチン受容体ファミリーに属するプレシナプス受容体を刺激することにより作用して寄生虫の麻痺及び死滅をもたらす。デプシペプチドは環状デプシペプチドであってもよい。デプシペプチドの一実施態様において、デプシペプチドがエモデプシド(Willson ら著, Parasitology, 2003年1月, 126(Pt 1):79-86 を参照のこと)である。別の実施態様において、デプシペプチドがPF1022A 又はその誘導体である。
【0096】
別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が殺虫剤のネオニコチノイドクラスからの活性薬剤を含んでもよい。ネオニコチノイドは昆虫特異性ニコチンアセチルコリン受容体を結合し、阻害する。一実施態様において、イソオキサゾリン化合物と組み合わされて本発明の長時間作用性注射製剤を生成し得るネオニコチノイド殺虫剤がイミダクロプリドである。イミダクロプリドは公知のネオニコチノイド活性薬剤であり、Bayer Animal Health により販売される局所殺寄生虫製品Advantage (登録商標)、Advantage (登録商標)II、K9 Advantix(登録商標)、及びK9 Advantix(登録商標)II並びにPiedmont Animal Healthからの経口軟質咀嚼性製剤アドバンタスTM中の主要な活性成分である。このクラスの薬剤が、例えば、米国特許第4,742,060 号又は欧州特許第0 892 060 号に記載されている。
別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が殺虫剤のネオニコチノイドクラスの別の活性薬剤である、ニテンピラムを含んでもよい。ニテンピラムは下記の化学構造を有し、Novartis Animal Healthにより販売される経口製品CAPSTARTM錠剤中の活性成分である。
【0097】
【化31】
【0098】
ニテンピラムは経口錠剤として毎日与えられる場合に成虫のノミに対して活性である。ニテンピラムは正常な神経伝達を妨げることにより作用し、昆虫の死滅をもたらす。ニテンピラムはノミに対する作用の非常に速い発生を有する。例えば、CAPSTARTM錠剤は投与の30分後程度に早くノミに対し作用し始め、1日1回程度のしばしばの使用に指示される。しかしながら、ニテンピラムはCAPSTARTM錠剤によるように、全身性殺寄生虫剤として経口投与される場合にのみ有効であると知られている。
更に別の実施態様において、本発明はニテンピラムと組み合わせて4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミド (式Iaの化合物) を含む本発明の長時間作用性製剤を提供する。
更に別の実施態様において、本発明はイミダクロプリドと組み合わせて4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミド (式Iaの化合物) を含む本発明の長時間作用性製剤を提供する。
【0099】
或る実施態様において、本発明の長時間作用性製剤と組み合わされ得る殺虫剤はセミカルバゾン、例えば、メタフルミゾンである。
別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が当業界で知られているイソオキサゾリン化合物の組み合わせを有利に含んでもよい。これらの活性薬剤が米国特許第7,964,204 号、US 2010/0254960 A1、US2011/0159107、US2012/0309620、US2012/0030841、US2010/0069247、WO 2007/125984、WO 2012/086462、米国特許第8318757 号、同第8466115 号、同第8618126 号、同第8822466 号、同第8383659 号、同第8853186 号、US 2011/0144349 、米国特許第8,053,452 号; US 2010/0137612 、US 2010/0254959 、US 2011/152081、WO 2012/089623、WO 2012/089622、米国特許第8,119,671 号; 同第7,947,715 号; WO 2102/120135、WO 2012/107533、WO 2011/157748、US 2011/0245274 、US 2011/0245239 、US 2012/0232026 、US 2012/0077765 、US 2012/0035122 、US 2011/0251247 、WO 2011/154433、WO 2011/154434、US 2012/0238517 、US 2011/0166193 、WO 2011/104088、WO 2011/104087、WO 2011/104089、US 2012/015946 、US 2009/0143410 、WO 2007/123855 A2、US 2011/0118212 、米国特許第7951828 号及び同第7662972 号、US 2010/0137372 A1、US 2010/0179194 A2、US 2011/0086886 A2、US 2011/0059988 A1、US 2010/0179195 A1、米国特許第7897630 号、並びに同第7951828 号(これらの全てが参考として本明細書にそのまま含まれる)に記載されている。
本発明の別の実施態様において、ノデュリスポリン酸及びその誘導体(既知の殺ダニ剤、駆虫剤、坑寄生虫薬及び殺虫剤のクラス)が本発明の長時間作用性製剤に添加されてもよい。これらの化合物はヒト及び動物の感染症を治療又は予防するのに使用され、例えば、米国特許第5,399,582 号、同第5,962,499 号、同第6,221,894 号及び同第6,399,786 号(これらの全てが参考として本明細書にそのまま含まれる)に記載されている。製剤が全ての立体異性体、例えば、先に引用された特許に記載されたものを含む、当業界で知られているノデュリスポリン酸誘導体の一種以上を含んでもよい。
【0100】
別の実施態様において、アミノアセトニトリルクラス (AAD)の化合物の駆虫性化合物、例えば、モネパンテル (ZOLVIX)等が、本発明の長時間作用性製剤に添加されてもよい。これらの化合物が、例えば、WO 2004/024704 及び米国特許7,084,280 号(参考として含まれる)、Sager ら著, Veterinary Parasitology, 2009, 159, 49-54; Kaminskyら著, Nature452 巻, 2008年3月13日, 176-181 に記載されている。
本発明の組成物がまたアリーロアゾール-2- イルシアノエチルアミノ化合物、例えば、Sollらの米国特許第8,088,801 号(これが本明細書にそのまま含まれる)に記載されたもの、及び米国特許第7,964,621 号(これが参考として本明細書に含まれる)に記載されたような、これらの化合物のチオアミド誘導体を含んでもよい。
本発明の長時間作用性注射製剤がまたデルカンテル(Ostlind ら著, Research in Veterinary Science, 1990, 48, 260-61; 及びOstlind ら著, Medical and Veterinary Entomology, 1997, 11, 407-408 を参照のこと)を含む、パラヘルカミド化合物及びこれらの化合物の誘導体と組み合わされてもよい。パラヘルカミドファミリーの化合物は或る種の寄生虫に対して活性を有するスピロジオキセピノインドールコアーを含む既知のクラスの化合物である(Tet.Lett.1981, 22, 135; J.Antibiotics 1990, 43, 1380、及びJ.Antibiotics 1991, 44, 492 を参照のこと)。加えて、構造上関連するマークフォルチンファミリーの化合物、例えば、マークフォルチン A-Cがまた知られており、本発明の製剤と組み合わされてもよい(J.Chem.Soc.- Chem.Comm.1980, 601及びTet.Lett.1981, 22, 1977を参照のこと)。パラヘルカミド誘導体についての更なる言及が、例えば、WO 91/09961、WO 92/22555、WO 97/03988 、WO 01/076370、WO 09/004432、米国特許第5,703,078 号及び同第5,750,695号(これらの全てが参考として本明細書にそのまま含まれる)に見られる。
【0101】
本発明の別の実施態様において、組成物が土壌放射菌サッカロポリスポラ・スピノサ(例えば、Salgado V.L.及びSparks T.C. 著, “The Spinosyns: Chemistry, Biochemistry, Mode of Action, and Resistance,” Comprehensive Molecular Insect Science, 6 巻, pp.137-173, 2005を参照のこと)により生成されるスピノシン活性薬剤又は半合成スピノソイド活性薬剤を含んでもよい。スピノシンは典型的には因子又は成分A、B、C、D、E、F、G、H、J、K、L、M、N、O、P、Q、R、S、T、U、V、W、又はYと称され、これらの成分のいずれか、又はその組み合わせが、本発明の組成物中に使用されてもよい。スピノシン化合物は12員大環状ラクトン、天然糖(ラムノース)、及びアミノ糖(フォロサミン)に融合された、5,6,5-三環式環系であってもよい。本発明の組成物中に使用されてもよい、サッカロポリスポラ・パゴナにより生成される21- ブテニルスピノシンを含む、これらの及びその他の天然スピノシン化合物は、当業界で知られている通常の技術により発酵により生成されてもよい。本発明の組成物中に使用されてもよいその他のスピノシン化合物が米国特許第5,496,931 号; 同第5,670,364 号; 同第5,591,606 号; 同第5,571,901 号; 同第5,202,242 号; 同第5,767,253 号; 同第5,840,861 号; 同第5,670,486 号; 同第5,631,155 号及び同第6,001,981 号(全てが参考として本明細書にそのまま含まれる)に開示されている。スピノシン化合物として、スピノシンA、スピノシンD、スピノサド、スピネトラム、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。スピノサドはスピノシンAとスピノシンDの組み合わせであり、またスピネトラムは3’-エトキシ-5,6-ジヒドロスピノシンJと3’-エトキシスピノシンLの組み合わせである。
【0102】
一般に、付加的な活性薬剤は約0.1 μg ~約1000 mg の量で本発明の長時間作用性製剤中に含まれる。更に典型的には、付加的な活性薬剤が約10μg ~約500 mg、約1 mg~約300 mg、約10mg~約200 mg又は約10mg~約100 mgの量で含まれてもよい。
本発明のその他の実施態様において、付加的な活性薬剤が動物の体重当り約5 μg/kg~約50 mg/kgの用量を送出するために組成物中に含まれてもよい。その他の実施態様において、付加的な活性薬剤が動物の体重の約0.01mg/kg ~約30 mg/kg、約0.1 mg/kg~約20 mg/kg 、又は約0.1 mg /kg~約10 mg/kgの用量を送出するのに充分な量で存在してもよい。その他の実施態様において、付加的な活性薬剤が動物の体重の約5μg/kg~約200 μg/kg又は約0.1 mg/kg~約1 mg/kgの用量で存在してもよい。本発明の更に別の実施態様において、付加的な活性薬剤が約0. 5 mg/kg ~約50 mg/kgの用量で含まれる。
少なくともイソオキサゾリン活性薬剤、ポロキサマー及び補助溶媒を含む、本発明の長時間作用性製剤は、驚くことに、時間の延長された期間、例えば、3ヶ月から6ヶ月までの期間にわたって、安定であり、かつ広いスペクトルの外部寄生虫、そしておそらくまた内部寄生虫(別の活性物質が含まれる場合)に対して有効であるとともに注射の部位に関して有利な性質を示すことが発見された。
ポロキサマーはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの合成ブロックコポリマーのファミリーである。ポロキサマーは液体、乳白色のペースト又は粉末であってもよく、下記の構造により表わされる。
【0103】
【化32】
【0104】
式中、aは2~130 の整数であり、かつbは15~67の整数である(米国特許第3,740,421 号を参照のこと)。ポロキサマーは商業源、例えばBASF及びCroda から入手し得る。ポロキサマーの例は室温で固体であるP-124 である。一実施態様において、ポロキサマーP-124 は値a = 12 及びb = 20.Oを有する。その他のポロキサマーとして、P-128 (a = 38かつb = 29) 、P-181 (a = 3 かつb = 30) 、P-188 (a = 80 かつb =27)、P-237 (a = 64かつb = 37) 、P338(a = 141 かつb = 44) 及びP407(a = 101かつb = 56) が挙げられる。
【0105】
ポロキサマー以外の医薬上許されるポリマーは本発明の長時間作用性製剤から特別に除外される。この出願の目的のために、液体ポリエチレングリコール(これはここでは補助溶媒として機能する)は、医薬上許されるポリマーと定義されず、又はそうであると考えられず、こうして、それらの混入が許される。それ故、本発明の長時間作用性製剤は液体ポリエチレングリコールの混入を提供する。本発明の長時間作用性製剤から特別に除外される医薬上許されるポリマーの例として、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ酸無水物、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリジオキサノン、ポリアセタール、ポリケタール、ポリカーボネート、ポリオルトカーボネート、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリアルキレンオキサレート、ポリアルキレンスクシネート、ポリ(マリカシド)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(無水マレイン酸)、キチン、キトサン、及びコポリマー、ターポリマー、又は組み合わせもしくは混合物(その中にポリラクチド、ポリカプロラクトン、ポリグリコリドのコポリマー(例えば、ポリ(ラクチド共グリコリド)を含む)が挙げられる。
長時間作用性注射組成物中に使用される補助溶媒は単一補助溶媒又は補助溶媒のブレンドであってもよい。一実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤中に使用される補助溶媒として、水に混和性である極性溶媒が挙げられる。これらの補助溶媒の非限定例として、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、グリコールエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル (DGME, Transcutol(登録商標)) 、ブチルジグリコール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等を含むが、これらに限定されない)、液体ポリエチレングリコール (PEG)(例えば、PEG 400 )、プロピレングリコール、カーボネート(例えば、プロピレンカーボネート)、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、ジメチルイソソルビド (DMI)、ジメチルアセトアミド、グリセロールホルマール又はこれらの溶媒の少なくとも2種の混合物が挙げられる。
【0106】
一実施態様において、本発明の長時間作用性製剤がアルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール又はグリコールもしくはグリコールエーテルを含むが、これらに限定されない極性プロトン性溶媒を含む。
別の実施態様において、本発明の長時間作用性注射製剤が極性非プロトン性溶媒、例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルイソソルビド、ジメチルアセトアミド又はプロピレンカーボネートを含む。
本発明の更に別の実施態様において、本発明の組成物が非水混和性補助溶媒を含む。これらの補助溶媒の非限定例として、トリアセチン、脂質、中間鎖トリグリセリド、例えば、C8-C10トリグリセリド、例えば、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリドを含むトリグリセリド、プロピレングリコール誘導体(例えば、プロピレングリコールモノラウレート)、カプリロカプロイルポリオキシl-8 グリセリド(ラブラソール)(ノニオン性水分散性表面活性剤)、イソプロピルミリステート、又はこれらの補助溶媒の少なくとも2種の混合物が挙げられる。
一実施態様において、組成物がベンジルアルコールを含むが、これらに限定されない、水と完全には混和性ではないプロトン性溶媒を含む。
別の実施態様において、本発明の組成物が補助溶媒として中性油を含んでもよい。中性油はC8~C10 の鎖長を有する分別植物脂肪酸のトリグリセリドである。2種の市販品がMIGLYOL (登録商標)810 及びMIGLYOL (登録商標)812 として知られている。別の実施態様において、中性油がリノール酸(約 4-5 %)と合わされたC8及びC10 の鎖長を有する分別植物脂肪酸のトリグリセリドである。市販品がMIGLYOL (登録商標)818 として知られている。更に別の実施態様において、中性油がコハク酸と合わされたC8及びC10 の鎖長を有する分別植物脂肪酸のグリセリンエステルである。市販品がMIGLYOL (登録商標)829 として知られている。別の実施態様において、中性油がコハク酸と合わされたC8及びC10 の鎖長を有する飽和植物脂肪酸のプロピレングリコールジエステルであってもよい。市販品がMIGLYOL (登録商標)840 (プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート)として知られている。更に別の実施態様において、補助溶媒が2種以上の中性油の混合物であってもよい。
【0107】
本発明の製剤はその他の不活性成分、例えば、酸化防止剤、防腐剤、又はpH安定剤を含んでもよい。これらの成分は製剤分野で公知である。酸化防止剤、例えば、ビタミンE、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、n-プロピルガレート、BHA (ブチル化ヒドロキシアニソール)、BHT (ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA 及びクエン酸、モノチオグリセロール、tert- ブチルヒドロキノン(TBHQ)等が、本製剤に添加されてもよい。酸化防止剤は一般に製剤の合計質量を基準として、約0.01%~約2.0 %の量で製剤に添加され、約0.05%~約1.0 %が特に好ましい。
防腐剤、例えば、パラベン類(メチルパラベン及び/又はプロピルパラベン)は、好適には約0.01%から約2.0 %までの範囲の量で製剤中に使用され、約0.05%~約1.0 %が特に好ましい。その他の防腐剤として、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブロノポール、ブチルパラベン、セトリミド、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クレゾール、エチルパラベン、イミド尿素、メチルパラベン、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、フェニル酢酸水銀、フェニルホウ酸水銀、フェニル硝酸水銀、カリウムソルベート、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チメロサール等が挙げられる。これらの化合物に好ましい範囲は約0.01%から約5%までを含む。
製剤のpHを安定化する化合物がまた意図されている。再度、このような化合物だけでなく、これらの化合物を使用する方法が当業者に公知である。緩衝系として、例えば、酢酸/酢酸塩、リンゴ酸/リンゴ酸塩、クエン酸/クエン酸塩、酒石酸/酒石酸塩、乳酸/乳酸塩、リン酸/リン酸塩、グリシン/グリシメート、トリス、グルタミン酸/グルタミン酸塩及び炭酸ナトリウムからなる群から選ばれた系が挙げられる。
【0108】
剤形は活性薬剤又は活性薬剤の組み合わせ約0.5 mg~約5 g を含んでもよい。更に典型的には、本発明の組成物中の一種以上の活性薬剤の量が約1 mgから約3 g までであろう。別の実施態様において、組成物中の一種以上の活性薬剤の量が約20 mg から約3 g までであろう。別の実施態様において、組成物中に存在する一種以上の活性薬剤の量が約20 mg から約2 g まで、約20 mg ~約1.5 g 又は約20 mg ~約1 g であろう。その他の実施態様において、組成物中の一種以上の活性薬剤の量が約20 mg から約500 mgまで、約30 mg ~約200 mg又は約50 mg ~約200 mgであろう。更に別の実施態様において、組成物中に存在する一種以上の活性薬剤の量が約50 mg から約2 g まで、約50 mg ~約1 g 又は約50 mg ~約500 mgであろう。本発明の更に別の実施態様において、存在する一種以上の活性薬剤の量が約100 mgから約2 g まで、約100 mg~約1 g 又は約100 mg~約500 mgであろう。
別の実施態様において、存在する一種以上の活性薬剤の量が活性薬剤約1 mgから約500 mgまで、約1 mg~約100 mg又は約1 mg~約25 mg である。更にその他の実施態様において、組成物中に存在する活性薬剤の量が約10 mg ~約50 mg 又は約10 mg ~約100 mgである。その他の実施態様において、組成物中に存在する活性薬剤の量が約50 mg ~約200 mg、約100 mg~約300 mg、約100 mg~約400 mg、約200 mg~約500 mg、約300 mg~約600 mg、約400 mg~約800 mg、又は約500 mg~約1000 mg である。
本発明の組成物は適当な量の活性薬剤、ポロキサマー、補助溶媒及び任意で酸化防止剤、医薬上許される添加剤及び/又は賦形剤を混合して本発明の製剤を生成することによりつくられる。或る実施態様において、本発明の製剤が当業者に知られている一般の製剤書籍、例えば、Remington - The Science and Practice of Pharmacy (第21編) (2005), Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics (第11編) (2005) 及びAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (第8編), Allenら編集, Lippincott Williams & Wilkins, (2005) に見られるこれらの形態をつくることの記載により上記されたこれらの形態をつくる方法に従うことにより得られる。
【0109】
治療の方法
本発明の別の局面において、有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物、ポロキサマー及び補助溶媒を含む長時間作用性注射製剤を動物に投与することを含む、動物の寄生虫外寄生/感染症の予防又は治療方法が提供される。本発明の製剤は外部寄生虫(例えば、ノミ及びマダニ)に対して長く持続する効力を有し、或る実施態様において、また動物に有害な内部寄生虫に対して活性であり得る。
本発明の一実施態様において、家畜の寄生虫外寄生又は感染症の治療又は予防方法が提供され、これらの方法は有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン活性薬剤を含む長時間作用性注射製剤を動物に投与することを含む。本発明の方法及び組成物が有効である外部寄生虫として、ノミ、マダニ(ticks)、ダニ(mites)、蚊、ハエ及びシラミが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の製剤が内部寄生虫に対し活性である一種以上の付加的な活性薬剤を含む或る実施態様において、本発明の組成物及び方法がまた動物及びヒトの消化道の条虫、線虫、鉤虫及び回虫を含むが、これらに限定されない内部寄生虫に対し有効であり得る。
外部寄生虫に対する治療のための一実施態様において、外部寄生虫がイヌノミ属、コイタマダニ属、カクマダニ属、マダニ属、ウシマダニ属、キララマダニ属、チマダニ属、イボマダニ属、ヒゼンダニ属、キュウセンヒゼンダニ属、ミミヒゼンダニ属、ショクヒヒゼンダニ属、ウシバエ属、ダマリニア属、ケモノホソジラミ属、ブタジラミ属、ソレノプテス属、ケモノハジラミ属、及びフェリコラ(Felicola)属の外部寄生虫を含む一種以上の昆虫又はクモ形類動物である。
外部寄生虫に対する治療のための別の実施態様において、外部寄生虫がイヌノミ属、コイタマダニ属、カクマダニ属、マダニ属及び/又はウシマダニ属からのものである。処置される外部寄生虫として、ノミ、マダニ、ダニ、蚊、ハエ、シラミ、クロバエ類及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特別な例として、ネコノミ及びイヌノミ(ネコノミ、ノミ種等)、マダニ(イタマダニ種、マダニ属種、デルマセントール属種、キララマダニ種等)、及びダニ(ニキビダニ種、疥癬種、ミミヒゼンダニ種等)、シラミ(ハジラミ種、ツメダニ種、リノグナツス属種等)、蚊(シマカ種、イエカ種、ハマダラカ種等)並びにハエ(ノサシバエを含むハエマトビア種、ムスカ種、サシバエを含むサシバエ種、ヒフバエ種、コクリオミイア種等)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0110】
外部寄生虫の追加の例として、マダニのウシマダニ属、特にウシマダニ種、シマダニ種及びアニュレイタス種;ハエウジ、例えば、ヒトヒフバエ(ブラジルではベルンとして知られている)及びラセンウジバエ(クロバエ);ヒツジハエウジ、例えば、ヒロズキンバエ、ヒツジキンバエ(オーストラリア、ニュージーランド及び南アフリカではハエ幼虫症として知られている);ハエプロパー、即ち、成虫が寄生虫を構成するもの、例えば、ノサシバエ及びサシバエ;シラミ、例えば、ウシホソジラミ等;並びにダニ、例えば、ヒゼンダニ及びヒツジヒゼンダニが挙げられるが、これらに限定されない。上記リストは排他的ではなく、その他の外部寄生虫が動物及びヒトに有害であると当業界で公知である。これらとして、例えば、移動する双し類の幼虫が挙げられる。
本発明の或る実施態様において、組成物がまた内部寄生虫、例えば、中でも裸頭条虫属、十二指腸虫属、アメリカ鉤虫属、回虫、毛頭虫属、クーペリア属、ディピリジウム、イヌ糸状虫属、エキノコックス、ギョウチュウ、カンテツ属、ヘモンクス、腸結節虫属、オステルタジア属、トキソカラ、ストロンギロイデス、小回虫、トリキネラ属、鞭虫属、及びトリコストロンギルス属からなる群から選ばれたこれらのぜん虫に対し治療するのに使用し得る。
一実施態様において、本発明は家畜及び伴侶動物、例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ニワトリを含む鳥類、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シチメンチョウ及びウシを含む、動物(野生又は馴致)の寄生虫感染症及び外寄生の治療及び予防のための方法を提供し、その目的はこのような動物により普通に遭遇される寄生虫をこれらの宿主から駆除することである。
【0111】
実施態様において、本発明はネコ及びイヌを含むが、これらに限定されない伴侶動物の寄生虫感染症及び外寄生の治療又は予防のための方法及び組成物を提供する。これらの方法及び組成物はノミ及びマダニによるネコ及びイヌの寄生虫外寄生の予防又は治療に特に有効である。
別の実施態様において、本発明の方法及び組成物はウシ又はヒツジの寄生虫感染症及び外寄生の治療又は予防に使用される。家畜、例えば、ウシ又はヒツジを治療する場合、これらの方法及び組成物はコイタマダニ(オウシマダニ)、ノサシバエ、サシバエ、及びヒツジハエウジ、例えば、ヒロズキンバエ、ヒツジキンバエ(オーストラリア、ニュージーランド及び南アフリカではハエ幼虫症として知られている)に対し特に有効である。
“治療すること”又は“治療する”又は“治療”という用語は寄生虫の撲滅又は治療を受ける動物に外寄生する寄生虫の数の減少のために寄生虫の外寄生を有する動物への本発明の長時間作用性製剤の投与を意味することが意図されている。本発明の組成物がこのような寄生虫外寄生を予防するのに使用し得ることが注目される。
“予防する”、又は“予防”という用語は感染症又は外寄生を発生から制止するために寄生虫感染症又は外寄生が生じる前の動物への本発明の長時間作用性製剤の投与を意味することが意図されている。
本発明の製剤は、以下に記載されるように、当該寄生虫を所望の程度まで防除するのに適している殺寄生虫有効量で投与される。本発明のそれぞれの局面において、本発明の化合物及び組成物は単一有害生物又はこれらの組み合わせに対して適用し得る。
“殺寄生虫有効量”は動物に外寄生する寄生虫を撲滅し、又はその数を減少するのに充分な本発明の組成物の量を意図している。或る実施態様において、有効量の活性薬剤は未治療の対照と較べて標的寄生虫に対し少なくとも70%の効力に達する。その他の実施態様において、有効量の活性薬剤が標的有害生物に対し少なくとも80%、又は少なくとも90%の効力に達する。好ましくは、有効量の活性薬剤が標的有害生物に対し少なくとも95%、少なくとも98%又は100 %の効力に達するであろう。
一般に、1日から5日までの期間にわたって単一用量又は分割用量で与えられる体重1kg当り約0.001 mgから約100 mgまでの用量が満足であろうが、勿論、それより多いか、又は少ない用量範囲が指示される場合があり得、このようなことが本発明の範囲内にある。特別な投薬養生法を特別な宿主及び寄生虫について決めることは開業医の常套技能内に良くある。
【0112】
伴侶動物についての或る実施態様において、本発明の局所組成物から投与されるイソオキサゾリン活性薬剤の用量は体重1kg当り約0.1 mg~約50mgである。更に典型的には、投与されるイソオキサゾリン活性薬剤の用量は体重1kg当り約0.5 mg~約30mg又は体重1kg当り約0.5 mg~約30mgである。別の実施態様において、投与されるイソオキサゾリン活性薬剤の用量は体重1kg当り約10mg~約30mg、体重1kg当り約15mg~約30mg又は体重1kg当り約20mg~約30mgである。
その他の実施態様において、投与される用量は動物及び投与されるイソオキサゾリンに応じて一層低くてもよい。例えば、組成物がイソオキサゾリン化合物の一層活性な鏡像体を含む場合、一層低い用量が投与されてもよい。或る実施態様において、用量が体重1kg当り約0.1 mgから約30mgまでである。別の実施態様において、用量が体重1kg当り約0.1 mgから約20mgまで又は体重1kg当り約0.1 mg~約10mgであってもよい。その他の実施態様において、用量が体重1kg当り約1mgから約20mgまで又は体重1ka当り約1mg~約10mgであってもよい。更に別の実施態様において、用量が体重1kg当り約5mgから約20mgまで又は体重1kg当り約10mg~約20mgであってもよい。
【0113】
家畜、例えば、ウシ又はヒツジの治療のためのその他の実施態様において、投与されるイソオキサゾリン活性薬剤の用量は体重1kg当り約0.1 mg~約40mgであってもよい。更に典型的には、投与される用量が体重1kg当り約1 mg~約30mg、体重1kg当り約1mg~約20mg又は体重1kg当り約1 mg~約10mgであろう。更に別の実施態様において、用量が体重1kg当り約10mgから約25mgまで、体重1kg当り約15mg~約30mg又は体重1kg当り約20-30 mgであってもよい。
イヌ又はネコにおける使用の方法の一実施態様において、イソオキサゾリン化合物を含む本発明の長時間作用性製剤は非治療対照と較べて、約3ヶ月、又はそれより長きにわたって少なくとも約90.0%又はそれより高いノミ及び/又はマダニに対する効力を有する。別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤は約3ヶ月、又はそれより長きにわたって少なくとも95.0%又はそれより高いノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤は約4ヶ月、又はそれより長きにわたって少なくとも90.0%又はそれより高いノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。更に別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約4ヶ月又はそれより長きにわたって少なくとも95.0%又はそれより高いノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約5ヶ月又はそれより長きにわたって少なくとも90.0%又はそれより高いノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。更に別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約5ヶ月又はそれより長きにわたって少なくとも95.0%又はそれより高いノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。
【0114】
別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が2ヶ月、又はそれより長きにわたって少なくとも約80%のネコ及びイヌについてのノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が3ヶ月、又はそれより長きにわたって約90%のネコ及びイヌについてのノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。更に別の実施態様において、組成物が約3ヶ月又はそれより長きにわたって約95%のネコ及びイヌについてのノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。更に別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約4ヶ月又はそれより長きにわたって少なくとも約90%又はそれより高いネコ及びイヌについてのノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。更に別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約4ヶ月又はそれより長きにわたって少なくとも約95%又はそれより高いネコ及びイヌについてのノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約5ヶ月又はそれより長きにわたって少なくとも約90%又はそれより高いネコ及びイヌについてのノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。更に別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約5ヶ月又はそれより長きにわたって少なくとも約95%又はそれより高いネコ及びイヌについてのノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。
別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約3ヶ月、又はそれより長きにわたってノミ及び/又はマダニに対する少なくとも約80%の効力を与える。更に別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約3ヶ月又はそれより長きにわたってノミ及び/又はマダニに対する少なくとも約90%の効力を与える。更に別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が3ヶ月又はそれより長きにわたってノミ及び/又はマダニに対する少なくとも約95%の効力を与える。更に別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約3ヶ月~約6ヶ月又はそれより長きにわたって少なくとも約80%又は少なくとも90%のネコ及び/又はイヌにおけるノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。
更に別の実施態様において、本発明の長時間作用性製剤が約7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月又はそれより長きにわたって少なくとも約80%又は少なくとも90%のネコ及び/又はイヌにおけるノミ及び/又はマダニに対する効力を与える。
本発明の別の局面において、動物の寄生虫外寄生の治療又は予防のためのキットが提供され、これは本発明の長時間作用性製剤及びシリンジを含む。
【実施例
【0115】
本発明が本発明を更に説明する下記の非限定実施例により更に記載され、本発明の範囲を限定することを意図しておらず、又はそれらがそのように解されるべきではない。
製剤実施例
下記の長時間作用性注射製剤を、下記の成分を混合することにより調製した。
実施例1
式 (Ia) の化合物 30 % (w/v)
エタノール 9 % (w/v)
ポロキサマー 124 充分な量
実施例2
式 (Ia) の化合物 15 % (w/w)
ポロキサマー 124 85% (w/w)
実施例3
式 (Ia) の化合物 26% (w/w)
ポロキサマー 124 10% (w/w)
PEG 400 64% (w/w)
実施例5
式 (Ia) の化合物 26 % (w/w)
ポロキサマー 124 66 % (w/w)
エタノール 8 % (w/w)
【0116】
実施例6
式 (Ia) の化合物 26 % (w/w)
PEG 400 27 % (w/w)
ポロキサマー 181 39 % (w/w)
エタノール 8 % (w/w)
実施例7
式 (Ia) の化合物 26 % (w/w)
PEG 400 64 % (w/w)
ポロキサマー 181 10 % (w/w)
実施例9
式 (Ia) の化合物 26% (w/w)
ポロキサマー 124 63.4% (w/w)
カプリオール90 10.6% (w/w)
実施例10
式 (Ia) の化合物 26% (w/w)
ポロキサマー 124 66% (w/w)
ベンジルアルコールl8% (w/w)
実施例11
式 (Ia) の化合物 15% (w/w)
ポロキサマー 124 85% (w/w)
実施例12
式 (Ia) の化合物 26% (w/w)
ポロキサマー 181 10% (w/w)
PEG 400 64% (w/w)
実施例13
式 (Ia) の化合物 26%
PEG 400 33 % (w/w)
ポロキサマー 124 33 % (w/w)
エタノール 8 % (w/w)
【0117】
実施例14
式(S)-(Ia)の化合物 13% (w/w)
PEG 400 39.5% (w/w)
ポロキサマー 124 39.5% (w/w)
エタノール 8 % (w/w)
実施例15
式 (Ia) の化合物 26% (w/w)
PEG 400 33% (w/w)
ポロキサマー 181 33 % (w/w)
エタノール 8% (w/w)
実施例16
式(S)-(Ia)の化合物 13% (w/w)
PEG 400 39.5% (w/w)
ポロキサマー 181 39.5 % (w/w)
エタノール 8% (w/w)
実施例17
式(S)-(Ia)の化合物 13% (w/w)
PEG 400 27% (w/w)
ポロキサマー 124 52% (w/w)
エタノール 8 % (w/w)
実施例18
式(S)-(Ia)の化合物 26% (w/w)
PEG 400 52% (w/w)
ポロキサマー 124 14 % (w/w)
エタノール 8 % (w/w)
実施例 19
式(S)-(Ia)の化合物 26% (w/w)
PEG 400 33% (w/w)
ポロキサマー 124 33% (w/w)
エタノール 8 % (w/w)
【0118】
効力の実施例
下記の実施例は伴侶動物及び家畜における外部寄生虫に対する本発明の長時間作用性注射組成物の効力を実証する。
実施例20
効力研究を行なってクリイロコイタマダニ(マダニ)及びネコノミ(ノミ)に対するビーグル犬で20mg/kg で投与された実施例1の製剤の効力を測定した。非治療対照と較べて、184 日目で外寄生48時間後のマダニに対する効力が74%であった。185 日目に、外寄生72時間後、マダニに対する効力が90.4%であった。193 日目で、外寄生の24時間後のノミに対する効力が、85.6%であった。
実施例21
ウシにおけるオウシマダニに対する本発明の長時間作用性注射組成物の効力を試験した。ウシの二つのグループ、非治療対照グループ及び体重1ka当り5mgの用量を送出するためにポロキサマ124 (充分な量)及び20% (w/v) のエタノールの混合物を含む担体中に15% (w/v) の式Iaの化合物を含む本発明の長時間作用性注射製剤で治療された試験グループを研究した。治療グループのウシを0日目に長時間作用性注射組成物で治療した。それぞれの動物を7日目、21日目、及びその後の14日毎に5000のマダニ幼虫で外寄生させた。それぞれの動物から落下する成虫のマダニを1日目から研究の終了まで毎日集める。治療の効力を、それぞれの動物から落下するマダニを集め、その数をカウントし、対照グループから集められたマダニの数と比較することにより測定する。長時間作用性組成物の効力が7日目、21日目、35日目、及び49日目に行なわれた外寄生について殆ど約100 %であり、63日目に行なわれた外寄生について95%であり、91日目に行なわれた外寄生について70%より大きいことがわかった。
【0119】
注射部位での刺激
実施例22
下記の実施例は偽薬(治療グループ番号1)に対してビーグル犬での本発明の長時間作用性注射組成物(治療グループ番号2-6 の組成物)の刺激を評価した。
表1中の下記の治療グループの組成物を調製した。
【表1】
【0120】
全ての濃度は% w/wである。
治療グループのそれぞれからの組成物を二つの部位でイヌに皮下注射し、二つの注射部位における刺激をそれぞれ1週間又は2週間にわたって監視し、下記の基準に従って評価した。
0 検出できる反応なし
1 注射部位の肥大、はっきりした小節なし(非変動)
2 小さい(エンドウ豆サイズの小節)≦直径約0.5-2cm
3 中間(ブドウサイズ)小節>直径約2-3cm
4 大きい(クルミサイズ)小節>直径3cm
5 膿瘍形成
基準# 一層低いスコアが一層良好な結果と考えられる(例えば、0-2 vs.3-5)。
表2は注射後の示された日における第一の注射部位での先に同定されたグループの評価を提示する。
【0121】
【表2】
【0122】
表3は注射後の示された日における第二の注射部位での先に同定された治療グループについての評価を提示する。
【表3】
【0123】
表1及び表2中のデータは本発明の製剤が注射部位で刺激を示さず、又は非常に小さい刺激を示し、その注射部位での刺激が偽薬(これはイソオキサゾリン活性薬剤を含まなかった)と匹敵したことを示す。
効力及び注射部位での刺激の評価
実施例23
本発明の長時間作用性注射組成物(治療グループ5)の効力及び注射部位での刺激を偽薬組成物(治療グループ1及び2)及びPEG 400/エタノール (80:20 (v/v))補助溶媒混合物を含む注射組成物(治療グループ3)に対して比較した。8匹の犬を治療グループのそれぞれで評価した。長時間作用性注射組成物を0日目に投与した。
表4中の下記の治療グループの組成物を調製した。
【0124】
【表4】
【0125】
部位刺激
治療グループ1-5 からの組成物を0日目にビーグル犬に皮下注射して表5に記載される組成物について注射部位での刺激を評価した。
【表5】
【0126】
下記の基準を使用して注射部位での刺激を評価した。
0 検出できる反応なし
1 注射部位の肥大、はっきりした小節なし(非変動)
2 小さい(エンドウ豆サイズの小節)≦直径約0.5-2cm
3 中間(ブドウサイズ)の小節>直径約2-3cm
4 大きい(クルミサイズ)小節>直径3cm
5 膿瘍形成
基準 一層低いスコアが一層良好な結果と考えられる(例えば、0-2 vs.3-5)。示されたスコアを指定された犬の数を括弧中にリストする。
【0127】
クリイロコイタマダニ(マダニ)及びネコノミ(ノミ)に対する効力
治療グループ3、4及び5からの犬を182 日目に50匹のクリイロコイタマダニで外寄生させた。母指カウントを184 日目に行ない、マダニ除去及びカウンティングを185 日目に行なった。犬を192 日目に100 匹のネコノミで外寄生させた。ノミを除去し、193 日目にカウントした。治療グループのそれぞれについての184 日目及び185 日でのマダニ付着(くしカウント)の減少%を図1に示す。193 日目の治療グループのそれぞれについてのノミに対する効力を図2に示す。総合して、データは本発明の化合物が良好な生物利用能、6ヶ月近くでノミ及びマダニに対する効力、及び最小の注射部位での反応を示したことを実証する。本発明が下記の番号付きパラグラフで更に記載される。
1. 殺寄生虫有効量の少なくとも一種のイソオキサゾリン活性薬剤、ポロキサマー、及び任意で補助溶媒を含み、その他の医薬上許されるポリマーが存在しないことを特徴とする動物の寄生虫外寄生又は感染症の治療又は予防のための長時間作用性注射製剤。
【0128】
2.
a)殺寄生虫有効量の
i)式 (I)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩:
【化33】
(I)
【0129】
(式中、
A1、A2、A3、A4、A5及びA6は独立にCR3 及びNからなる群から選ばれ、但し、A1、A2、A3、A4、A5及びA6の最大で三つがNであることを条件とし、
B1、B2及びB3は独立にCR2 及びNからなる群から選ばれ、
WはO又はSであり、
R1はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル又はC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR6から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
【0130】
それぞれのR2は独立にH、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、C2-C4 アルコキシカルボニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR3は独立にH、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C3-C6 シクロアルキル、C3-C6 ハロシクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、-CN 又は-NO2であり、
R4はH、C1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル、C4-C7 シクロアルキルアルキル、C2-C7 アルキルカルボニル又はC2-C7 アルコキシカルボニルであり、
R5はH、OR10、NR11R12 もしくはQ1、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、又は
R4及びR5 はそれらが結合されている窒素と一緒にされて2~6個の炭素の原子と、任意でN、S及びOからなる群から選ばれた1個の付加的な原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2 アルキル、ハロゲン、-CN 、-NO2及びC1-C2 アルコキシからなる群から独立に選ばれた1~4個の置換基で置換されていてもよく、
【0131】
それぞれのR6は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR7は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C3-C6 シクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C8 ジアルキルアミノ、C3-C6 シクロアルキルアミノ、C2-C7 アルキルカルボニル、C2-C7 アルコキシカルボニル、C2-C7 アルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7 ハロアルキルカルボニル、C2-C7 ハロアルコキシカルボニル、C2-C7 ハロアルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジハロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、-NH2、-CN もしくは-NO2、又はQ2であり、
それぞれのR8は独立にハロゲン、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、C2-C4 アルコキシカルボニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR9は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C3-C6 シクロアルキル、C3-C6 ハロシクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、-CN 、-NO2、フェニル又はピリジニルであり、
R10 はH、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれ1個以上のハロゲンで置換されていてもよく、
R11 はH、C1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル、C4-C7 シクロアルキルアルキル、C2-C7 アルキルカルボニル又はC2-C7 アルコキシカルボニルであり、
R12 はH、Q3、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、又は
R11 及びR12 はそれらが結合されている窒素と一緒にされて、2~6個の炭素の原子と、任意でN、S及びOからなる群から選ばれた1個の付加的な原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2 アルキル、ハロゲン、-CN 、-NO2及びC1-C2 アルコキシからなる群から独立に選ばれた1~4個の置換基で置換されていてもよく、
Q1はフェニル環、5員もしくは6員複素環、又は8員、9員もしくは10員融合二環式環系であり、1個までのO、1個までのS及び3個までのNから選ばれた1~3個のヘテロ原子を含んでもよく、それぞれの環又は環系がR8から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのQ2は独立にフェニル環又は5員もしくは6員複素環であり、それぞれの環がR9から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
Q3はフェニル環又は5員もしくは6員複素環であり、それぞれの環がR9から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、かつ
nは0、1又は2である)、及び/又は
【0132】
ii) 式(II)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩:
【化34】
(II)
【0133】
(式中、
R1はアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2で置換されており、
Xはアリール又はヘテロアリールであり、これは置換されていなくてもよく、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2により置換されていてもよく、
A1は酸素であり、かつ
A2は酸素、NR2 又はCR7R8 であり、
GはG-1 又はG-2 であり、
【0134】
【化35】
【0135】
B1、B2、B3、B4及びB5は独立にN又はC-R9であり、
Yは水素、ハロゲン、-CN であり、又はYはアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくは複素環、又はヘテロアリールであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2で置換されており、又はYはY-1 、Y-2 、Y-3 、Y-4 、Y-5 、Y-6 、Y-7 、Y-8 、Y-9 、Y-10、Y-11、Y-12もしくはY-13であり、
【0136】
【化36】
【0137】
R2、R3は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、R10S(O)-、R10S(O)2-、R10C(O)-、R10C(S)-、R10R11NC(O)-、R10R11NC(S)-、R10OC(O)- であり、
R4、R5及びR6は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、
R7及びR8は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル又はハロアルキニルであり、
R9は水素、ハロゲン、-CN 、又はアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルキルシクロアルキルもしくはシクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN 又は-NO2で置換されており、
R10 、R11 、R12 及びR13 はそれぞれ独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル又はハロアルキニルであり、又は
R10 はR11 と一緒に=O、=S又は=NR2を形成し、又は
R12 はR13 と一緒に=O、=S又は=NR2を形成し、
WはO、S又はNR2 であり、
nは1-4 であり、かつ
mは0、1又は2である)、及び/又は
【0138】
iii)式(III) のオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【化37】
(III)
及び/又は
iv)式(IV) のオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【0139】
【化38】
(IV)
及び/又は
v) 式 (V) のオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【0140】
【化39】
(V)
(式中、R1、R2及びR3は独立にH、 H, Cl、F又はCF3 であり、
Yは下記のジラジカル基であり、
【0141】
【化40】
かつ、
TはC1-C6-アルキル基であり、これは置換されておらず、又はハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C1-C6-アルキルチオ、カルボキシ、カルバモイル又はC2-C6-アルカノイル基(これは置換されていなくてもよく、又はそのアルキル部分中でハロゲンにより置換されていてもよい)により置換されている)
及び/又は
【0142】
vi) 式(VI)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【化41】
(VI)
【0143】
(式中、Yは水素、フルオロ、クロロ又はブロモであり、
R1はハロゲン、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ又はトリフルオロエトキシから選ばれた2-4 個の置換基で置換されたフェニルであり、
R2はメチル、フルオロメチル、トリフルオロメチル又はペルフルオロエチルであり、
R3a 及びR3b は独立に水素、メチル、エチル又はフルオロメチルから選ばれ、又はR3a 及びR3b はそれらが結合されている炭素と合わせてシクロペンチル環又はシクロヘキシル環を形成する)
である、少なくとも一種のイソオキサゾリン活性薬剤、
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含み、その他の医薬上許されるポリマーが存在しないことを特徴とするパラグラフ1記載の長時間作用性注射製剤。
【0144】
3.
a)殺寄生虫有効量の式 (I)の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【化42】
(I)
【0145】
(式中、
A1、A2、A3、A4、A5及びA6は独立にCR3 及びNからなる群から選ばれ、但し、A1、A2、A3、A4、A5及びA6の最大で三つがNであることを条件とし、
B1、B2及びB3は独立にCR2 及びNからなる群から選ばれ、
WはO又はSであり、
R1はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル又はC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR6から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのR2は独立にH、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、C2-C4 アルコキシカルボニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR3は独立にH、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C3-C6 シクロアルキル、C3-C6 ハロシクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、-CN 又は-NO2であり、
【0146】
R4はH、C1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル、C4-C7 シクロアルキルアルキル、C2-C7 アルキルカルボニル又はC2-C7 アルコキシカルボニルであり、
R5はH、OR10、NR11R12 もしくはQ1、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、又は
R4及びR5 はそれらが結合されている窒素と一緒にされて、2~6個の炭素の原子と、任意でN、S及びOからなる群から選ばれた1個の付加的な原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2 アルキル、ハロゲン、-CN 、-NO2及びC1-C2 アルコキシからなる群から独立に選ばれた1~4個の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのR6は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR7は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C3-C6 シクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C8 ジアルキルアミノ、C3-C6 シクロアルキルアミノ、C2-C7 アルキルカルボニル、C2-C7 アルコキシカルボニル、C2-C7 アルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7 ハロアルキルカルボニル、C2-C7 ハロアルコキシカルボニル、C2-C7 ハロアルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジハロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、-NH2、-CN もしくは-NO2、又はQ2であり、
それぞれのR8は独立にハロゲン、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、C2-C4 アルコキシカルボニル、-CN 又は-NO2であり、
【0147】
それぞれのR9は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C3-C6 シクロアルキル、C3-C6 ハロシクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、-CN 、-NO2、フェニル又はピリジニルであり、
R10 はH、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれ1個以上のハロゲンで置換されていてもよく、
R11 はH、C1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル、C4-C7 シクロアルキルアルキル、C2-C7 アルキルカルボニル又はC2-C7 アルコキシカルボニルであり、
R12 はH、Q3、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、又は
R11 及びR12 はそれらが結合されている窒素と一緒にされて、2~6個の炭素の原子と、任意でN、S及びOからなる群から選ばれた1個の付加的な原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2 アルキル、ハロゲン、-CN 、-NO2及びC1-C2 アルコキシからなる群から独立に選ばれた1~4個の置換基で置換されていてもよく、
Q1はフェニル環、5員もしくは6員複素環、又は8員、9員もしくは10員融合二環式環系であり、1個までのO、1個までのS及び3個までのNから選ばれた1~3個のヘテロ原子を含んでもよく、それぞれの環又は環系がR8から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのQ2は独立にフェニル環又は5員もしくは6員複素環であり、それぞれの環がR9から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
Q3はフェニル環又は5員もしくは6員複素環であり、それぞれの環がR9から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、かつ
nは0、1又は2である)、
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含み、その他の医薬上許されるポリマーが存在しないことを特徴とするパラグラフ2記載の長時間作用性注射製剤。
【0148】
4. イソオキサゾリン 活性薬剤が式
【化43】
(Ib)
【0149】
(式中、
R2は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル又はC1-C6 ハロアルキルであり、
R4はH又はC1-C6 アルキルであり、
R5は1個以上のR7で置換されていてもよいC1-C4 アルキルであり、かつR7はC2-C7 アルキルカルボニル、C2-C7 アルコキシカルボニル、C2-C7 アルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7 ハロアルキルカルボニル、C2-C7 ハロアルコキシカルボニル、C2-C7 ハロアルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジハロアルキルアミノカルボニルであり、かつ
nは0、1又は2である)
の化合物又はその医薬上許される塩である、パラグラフ3記載の長時間作用性注射製剤。
【0150】
5. イソオキサゾリン活性薬剤が式 (Ia):
【化44】
(Ia)
の化合物又はその医薬上許される塩である、パラグラフ4記載の長時間作用性注射製剤。
【0151】
6. イソオキサゾリン活性薬剤が鏡像体に濃縮されている、パラグラフ1又は2記載の長時間作用性注射製剤。
7. イソオキサゾリン活性薬剤が式(S)-(Ia)又は(R)-(Ia):
【化45】
の化合物又はその医薬上許される塩に濃縮されている、パラグラフ6記載の長時間作用性注射製剤。
【0152】
8. a)殺寄生虫有効量の式(II)の少なくとも一種のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩
【化46】
(II)
【0153】
(式中、
R1はアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル又はシクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2で置換されており、
Xはアリール又はヘテロアリールであり、これは置換されていなくてもよく、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2により置換されていてもよく、
A1は酸素であり、かつ
A2は酸素、NR2 又はCR7R8 であり、
GはG-1 又はG-2 であり、
【0154】
【化47】
【0155】
B1、B2、B3、B4及びB5は独立にN又はC-R9であり、
Yは水素、ハロゲン、-CN であり、又はYはアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、もしくは複素環、又はヘテロアリールであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN もしくは-NO2で置換されており、又はYはY-1 、Y-2 、Y-3 、Y-4 、Y-5 、Y-6 、Y-7 、Y-8 、Y-9 、Y-10、Y-11、Y-12もしくはY-13であり、
【0156】
【化48】
【0157】
R2、R3は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、R10S(O)-、R10S(O)2-、R10C(O)-、R10C(S)-、R10R11NC(O)-、R10R11NC(S)-、R10OC(O)- であり、
R4、R5及びR6は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、
R7及びR8は独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル又はハロアルキニルであり、
【0158】
R9は水素、ハロゲン、-CN 、又はアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルキルシクロアルキルもしくはシクロアルキルアルキルであり、これらのそれぞれが置換されておらず、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノもしくはジ(アルキル)アミノ、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、R7S(O)-、R7S(O)2-、R7C(O)-、R7R8NC(O)-、R7OC(O)-、R7C(O)O-、R7C(O)NR8-、-CN 又は-NO2で置換されており、
R10 、R11 、R12 及びR13 はそれぞれ独立に水素、アルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル又はハロアルキニルであり、又は
R10 はR11 と一緒に=O、=S又は=NR2を形成し、又は
R12 はR13 と一緒に=O、=S又は=NR2を形成し、
WはO、S又はNR2 であり、
nは1-4 であり、かつ
mは0、1又は2である)、
b)ポロキサマーである少なくとも一種の医薬上許されるポリマー、
c)任意で、少なくとも一種の補助溶媒、
d)任意で、酸化防止剤、及び
e)任意で、少なくとも一種の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物
を含み、その他の医薬上許されるポリマーが存在しないことを特徴とする、パラグラフ2記載の長時間作用性注射製剤。
【0159】
9. イソオキサゾリン薬剤が式II-1.001~II-1.025又はII-2.00-II-2.018の化合物又はその医薬上許される塩である、パラグラフ8記載の長時間作用性注射製剤。
【化49】
化合物II-1.001~II-1.025
【0160】
【化50】
化合物II-2.001~II-2.018
【0161】
10. イソオキサゾリン活性薬剤が式 (III):
【化51】
(III)
の化合物又はその医薬上許される塩である、パラグラフ2記載の長時間作用性注射製剤。
【0162】
11. イソオキサゾリン化合物が式 (IV):
【化52】
(IV)
の化合物又はその医薬上許される塩である、パラグラフ2記載の長時間作用性注射製剤。
【0163】
12. イソオキサゾリン化合物が式 (Va):
【化53】
(Va)
の化合物又はその医薬上許される塩である、パラグラフ2記載の長時間作用性注射製剤。
【0164】
13. イソオキサゾリン化合物が式 (VIa):
【化54】
(VIa)
の化合物又はその医薬上許される塩である、パラグラフ2記載の長時間作用性注射製剤。
【0165】
14. ポロキサマーがポロキサマー124 又はポロキサマーP-181 、P-188 、P-237 、P338もしくはP407である、パラグラフ1記載の長時間作用性注射製剤。
15. 補助溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール又は液体ポリエチレングリコールである、パラグラフ1記載の長時間作用性注射製剤。
16.
a)約5~30% (w/v) の式 (I)のイソオキサゾリン化合物又はその医薬上許される塩:
【化55】
(I)
【0166】
(式中、
A1、A2、A3、A4、A5及びA6は独立にCR3 及びNからなる群から選ばれ、但し、A1、A2、A3、A4、A5及びA6の最大で三つがNであることを条件とし、
B1、B2及びB3は独立にCR2 及びNからなる群から選ばれ、
WはO又はSであり、
R1はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル又はC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR6から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのR2は独立にH、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、C2-C4 アルコキシカルボニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR3は独立にH、ハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C3-C6 シクロアルキル、C3-C6 ハロシクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、-CN 又は-NO2であり、
R4はH、C1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル、C4-C7 シクロアルキルアルキル、C2-C7 アルキルカルボニル又はC2-C7 アルコキシカルボニルであり、
【0167】
R5はH、OR10、NR11R12 もしくはQ1、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、又は
R4及びR5 はそれらが結合されている窒素と一緒にされて、2~6個の炭素の原子と、任意でN、S及びOからなる群から選ばれた1個の付加的な原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2 アルキル、ハロゲン、-CN 、-NO2及びC1-C2 アルコキシからなる群から独立に選ばれた1~4個の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのR6は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、-CN 又は-NO2であり、
それぞれのR7は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C3-C6 シクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C8 ジアルキルアミノ、C3-C6 シクロアルキルアミノ、C2-C7 アルキルカルボニル、C2-C7 アルコキシカルボニル、C2-C7 アルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7 ハロアルキルカルボニル、C2-C7 ハロアルコキシカルボニル、C2-C7 ハロアルキルアミノカルボニル、C3-C9 ジハロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、-NH2、-CN もしくは-NO2、又はQ2であり、
それぞれのR8は独立にハロゲン、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、C2-C4 アルコキシカルボニル、-CN 又は-NO2であり、
【0168】
それぞれのR9は独立にハロゲン、C1-C6 アルキル、C1-C6 ハロアルキル、C3-C6 シクロアルキル、C3-C6 ハロシクロアルキル、C1-C6 アルコキシ、C1-C6 ハロアルコキシ、C1-C6 アルキルチオ、C1-C6 ハロアルキルチオ、C1-C6 アルキルスルフィニル、C1-C6 ハロアルキルスルフィニル、C1-C6 アルキルスルホニル、C1-C6 ハロアルキルスルホニル、C1-C6 アルキルアミノ、C2-C6 ジアルキルアミノ、-CN 、-NO2、フェニル又はピリジニルであり、
R10 はH、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれ1個以上のハロゲンで置換されていてもよく、
R11 はH、C1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキル、C4-C7 シクロアルキルアルキル、C2-C7 アルキルカルボニル又はC2-C7 アルコキシカルボニルであり、
R12 はH、Q3、又はC1-C6 アルキル、C2-C6 アルケニル、C2-C6 アルキニル、C3-C6 シクロアルキル、C4-C7 アルキルシクロアルキルもしくはC4-C7 シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、又は
R11 及びR12 はそれらが結合されている窒素と一緒にされて、2~6個の炭素の原子と、任意でN、S及びOからなる群から選ばれた1個の付加的な原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2 アルキル、ハロゲン、-CN 、-NO2及びC1-C2 アルコキシからなる群から独立に選ばれた1~4個の置換基で置換されていてもよく、
Q1はフェニル環、5員もしくは6員複素環、又は8員、9員もしくは10員融合二環式環系であり、1個までのO、1個までのS及び3個までのNから選ばれた1~3個のヘテロ原子を含んでもよく、それぞれの環又は環系がR8から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
それぞれのQ2は独立にフェニル環又は5員もしくは6員複素環であり、それぞれの環がR9から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
Q3はフェニル環又は5員もしくは6員複素環であり、それぞれの環がR9から独立に選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、かつ
nは0、1又は2である)、
b)ポロキサマーである医薬上許されるポリマー、
c)任意で、約5%~40% (w/v) の液体ポリエチレングリコール、エタノール及びイソプロパノールからなる群から選ばれた補助溶媒、
d)任意で、約0.01% ~約2.0% (w/v)の酸化防止剤、及び
e)任意で、約0.01% ~約5.0% (w/v)の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物を含み、
前記長時間作用性注射組成物中に存在する唯一の医薬上許されるポリマーがポロキサマーであり、かつそのポロキサマーがその組成物の100%への補充に相当する比率で全組成物中に存在することを特徴とするパラグラフ1記載の長時間作用性注射組成物。
【0169】
17. 製剤が約3~6ヶ月にわたって寄生虫を処置又は予防する、パラグラフ1記載の長時間作用性注射製剤。
18. 製剤が約5~6ヶ月にわたって寄生虫を処置又は予防する、パラグラフ1記載の長時間作用性注射製剤。
19. 製剤が約6ヶ月にわたって寄生虫を処置又は予防する、パラグラフ1記載の長時間作用性注射製剤。
20. 製剤が約7ヶ月にわたって寄生虫を処置又は予防する、パラグラフ1記載の長時間作用性注射製剤。
21. 寄生虫がノミ又はマダニである、パラグラフ17、18又は19のいずれか一つに記載の長時間作用性注射製剤。
【0170】
22.
a)約5~30% (w/v) の式(Ia)
【化56】
(Ia)
のイソオキサゾリン活性化合物又はその医薬上許される塩、
b)ポロキサマーである医薬上許されるポリマー、
c)任意で、約5%~40% (w/v) の液体ポリエチレングリコール、エタノール及びイソプロパノールからなる群から選ばれた補助溶媒、
d)任意で、約0.01% ~約2.0% (w/v)の酸化防止剤、及び
e)任意で、約0.01% ~約5.0% (w/v)の医薬上許される添加剤、賦形剤又はこれらの混合物を含み、
前記長時間作用性注射組成物中に存在する唯一の医薬上許されるポリマーがポロキサマーであり、かつそのポロキサマーがその組成物の100%への補充に相当する比率で全組成物中に存在することを特徴とするパラグラフ1記載の長時間作用性注射製剤。
【0171】
23. イソオキサゾリン化合物が
【化57】
(S)-Ia
又はその医薬上許される塩である、パラグラフ19記載の長時間作用性注射製剤。
【0172】
24. 有効量の少なくとも一種の付加的な医薬活性薬剤を更に含む、パラグラフ1-23のいずれか一つに記載の長時間作用性製剤。
25. 付加的な医薬活性薬剤が大環状ラクトンである、パラグラフ24記載の長時間作用性製剤。
26. 大環状ラクトンがアバメクチン、ジマデクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、ラチデクチン、レピメクチン、セラメクチン、ML-1,694,554、ミルベメクチン、ミルベマイシンD、モキシデクチン又はネマデクチンである、パラグラフ25記載の長時間作用性製剤。
27. パラグラフ1記載の長時間作用性注射製剤を動物に投与することを含む3~6ヶ月にわたってそれを要する動物の寄生虫を処置又は予防するための方法。
28. 動物がイヌ、ネコ、ヒツジ又はウシである、パラグラフ27記載の方法。
29. 寄生虫を約5~6ヶ月にわたって処置又は予防する、パラグラフ27記載の方法。
30. 寄生虫を約6ヶ月にわたって処置又は予防する、パラグラフ27記載の方法。
31. 寄生虫がノミ及び/又はマダニである、パラグラフ27記載の方法。
32. 動物の寄生虫外寄生又は感染症の治療又は予防のための長時間作用性注射製剤の調製におけるイソオキサゾリンの使用。
* * *
こうして、本発明の種々の実施態様を詳しく記載したので、上記パラグラフにより特定された本発明が先の記載に示された特別な詳細に限定されるべきではないことが理解されるべきである。何とならば、それらの多くの明らかな変化が本発明の精神又は範囲から逸脱しないで可能であるからである。