IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 隆達電子股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図1
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図2
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図3
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図4
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図5
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図6
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図7
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図8
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図9
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図10
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図11
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図12
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図13
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図14
  • 特許-発光ダイオードパッケージ構造 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】発光ダイオードパッケージ構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/58 20100101AFI20220615BHJP
   H01L 33/56 20100101ALI20220615BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20220615BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20220615BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20220615BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L33/56
H01L33/54
H01L33/62
H01L23/30 R
H01L23/30 F
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020172206
(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公開番号】P2021064789
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2020-10-13
(31)【優先権主張番号】16/600,577
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】310014779
【氏名又は名称】隆達電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】王徳忠
(72)【発明者】
【氏名】郭修邑
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0293811(US,A1)
【文献】特表2019-507905(JP,A)
【文献】特表2017-524985(JP,A)
【文献】特表2018-506850(JP,A)
【文献】国際公開第2019/031183(WO,A1)
【文献】特開2008-021769(JP,A)
【文献】特開2017-054120(JP,A)
【文献】特開2010-177224(JP,A)
【文献】特開2003-234509(JP,A)
【文献】特開2009-147329(JP,A)
【文献】特開2008-108835(JP,A)
【文献】特開2005-251875(JP,A)
【文献】特表2019-518231(JP,A)
【文献】国際公開第2019/066491(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107681034(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108231968(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L33/00-33/64
G09F9/00-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
100μm~1000μmの幅を有する基板と、
前記基板の上面に電気的接続され、1μm~100μmの幅を有する少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップと、
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップを露出させるように前記基板の前記上面を被覆する黒色材料層と、
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップと前記黒色材料層を被覆する透光材層と、
を備えており、
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップは、
外部に露出し且つ粗いテクスチャを有する発光面を有する第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に位置する発光層と、
前記発光層上に位置し、前記第1の半導体層と異なるタイプの半導体層である第2の半導体層と、
前記第1の半導体層、前記発光層、および前記第2の半導体層の側壁に形成されている側壁電流リーク低減層と、
該側壁電流リーク低減層の外面に形成されている底部反射層と、
を含む発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項2】
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップは、10μm以下の厚さを有する請求項1に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項3】
前記黒色材料層は、光反射率が10%よりも小さい黒色のフォトレジスト層を含む請求項1又は2に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項4】
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップと前記黒色材料層とは、同じ厚さを有する請求項1~3の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項5】
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップの前記発光面は第1の面積を有し、前記基板の前記上面は第2の面積を有し、前記第1の面積と前記第2の面積との面積比は、5%以下である請求項1~4の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項6】
前記透光材層は100μmよりも小さい厚さを有する請求項1~5の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項7】
前記基板の前記幅と前記透光材層の前記厚さとの比は、4以上である請求項6に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項8】
前記透光材層は、90%以上の光透過率を有する請求項1~7の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項9】
前記透光材層は、上部テクスチャ表面を有する請求項1~8の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項10】
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップは、前記発光面に位置する支持分断点をさらに含む請求項1~9の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項11】
前記透光材層は、透明誘電体層或いは透明樹脂層である請求項1~10の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項12】
幅を有する基板と、
前記基板の上面に電気的接続される少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップと、
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップを被覆し、且つ厚さを有する透光材層と、
を備え、
前記基板の前記幅と前記透光材層の前記厚さとの比は、4以上であり、
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップは、
外部に露出し且つ粗いテクスチャを有する発光面を有する第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に位置する発光層と、
前記発光層上に位置し、前記第1の半導体層と異なるタイプの半導体層である第2の半導体層と、
前記第1の半導体層、前記発光層、および前記第2の半導体層の側壁に形成されている側壁電流リーク低減層と、
該側壁電流リーク低減層の外面に形成されている底部反射層と、
を含む発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項13】
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップを露出させるように前記基板の前記上面を被覆する黒色材料層を更に備える請求項12に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項14】
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップは10μm以下の厚さを有し、且つ前記透光材層は100μmよりも小さい厚さを有する請求項12又は13に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項15】
前記基板の前記幅は、400μm~1000μmである請求項12~14の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項16】
前記黒色材料層は、光反射率が10%よりも小さい黒色のフォトレジスト層を含む請求項13に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項17】
前記透光材層は、透明誘電体層或いは透明樹脂層である請求項12~16の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項18】
前記透明誘電体層は、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、フッ化マグネシウム或いは窒化ケイ素を含む請求項17に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【請求項19】
前記少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップは、前記発光面に位置する支持分断点をさらに含む請求項12~18の何れか1項に記載の発光ダイオードパッケージ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードパッケージ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイの発光画素として、赤色、緑色及び青色の発光ダイオードアレイを使用することは、既に周知された適用となっている。このような発光ダイオードディスプレイは、その提供する光の輝度がパックライト型の液晶ディスプレイの輝度よりも高く、且つ大型のデジタルサイネージ及び他の用途に幅広く適用されている。
【0003】
このような発光ダイオードディスプレイは、高コントラストを有しなければならないが、外部光の反射により誤点灯となり且つ環境におけるコントラストを低下させる可能性がある。
【0004】
そのため、現在の市場では、より高い輝度及びより高いコントラストを提供可能な発光ダイオードディスプレイが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、先行技術の問題を解決するために、新規な発光ダイオードパッケージ構造を提出する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態において、100μm~1000μmの幅を有する基板と、基板の上面に電気的接続され、1μm~100μmの幅を有する少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップと、マイクロ発光ダイオードチップを露出させるように基板の上面を被覆する黒色材料層と、マイクロ発光ダイオードチップと黒色材料層を被覆する透光材層と、を備える発光ダイオードパッケージ構造を提供する。
【0007】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップは、10μm以下の厚さを有する。
【0008】
本発明の一実施形態において、黒色材料層は、光反射率が10%よりも小さい黒色のフォトレジスト層を含む。
【0009】
本発明の一実施形態において、マイクロ発光ダイオードチップと前記黒色材料層とは、同じ厚さを有する。
【0010】
本発明の一実施形態において、マイクロ発光ダイオードチップの発光面は第1の面積を有し、前記基板の前記上面は第2の面積を有し、前記第1の面積と前記第2の面積との面積比は、5%以下である。
【0011】
本発明の一実施形態において、透光材層は100μmよりも小さい厚さを有する。
【0012】
本発明の一実施形態において、基板の幅と透光材層の厚さとの比は、4以上である。
【0013】
本発明の一実施形態において、透光材層は、90%、92%或いは95%以上の光透過率を有する。
【0014】
本発明の一実施形態において、透光材層は、上部テクスチャ表面を有する。
【0015】
本発明の一実施形態において、マイクロ発光ダイオードチップは、外部に露出し且つ粗いテクスチャを有する発光面を有する第1の半導体層と、第1の半導体層上に位置する発光層と、発光層上に位置し、第1の半導体層と異なるタイプの半導体層である第2の半導体層と、発光面に位置する支持分断点と、を含む。
【0016】
本発明の一実施形態において、透光材層は、透明誘電体層或いは透明樹脂層である。
【0017】
本発明の一実施形態において、発光ダイオードパッケージ構造は、幅を有する基板と、基板の上面に電気的接続される少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップと、マイクロ発光ダイオードチップを被覆し、且つ厚さを有する透光材層と、を備え、基板の幅と透光材層の厚さとの比が4以上である。
【0018】
本発明の一実施形態において、発光ダイオードパッケージ構造は、マイクロ発光ダイオードチップを露出させるように基板の上面を被覆する黒色材料層を更に備える。
【0019】
本発明の一実施形態において、マイクロ発光ダイオードチップは10μm以下の厚さを有し、且つ透光材層は100μmよりも小さい厚さを有する。
【0020】
本発明の一実施形態において、基板の幅は、400μm~1000μmである。
【0021】
本発明の一実施形態において、黒色材料層は、光反射率が10%よりも小さい黒色のフォトレジスト層を含む。
【0022】
本発明の一実施形態において、透光材層は、透明誘電体層或いは透明樹脂層である。
【0023】
本発明の一実施形態において、透明誘電体層は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、TiO(酸化チタン)、酸化タンタル(Ta)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)、フッ化マグネシウム(MgF)或いは窒化ケイ素(Si)を含む。
【0024】
本発明の一実施形態において、透明誘電体層は、化学気相堆積或いは原子層堆積プロセスによって形成される。
【0025】
本発明の一実施形態において、マイクロ発光ダイオードチップは、外部に露出し且つ粗いテクスチャを有する発光面を有する第1の半導体層と、第1の半導体層上に位置する発光層と、発光層上に位置し、第1の半導体層と異なるタイプの半導体層である第2の半導体層と、発光面に位置する支持分断点と、を含む。
【発明の効果】
【0026】
以上をまとめると、本発明のパッケージマイクロ発光ダイオードチップのミニ発光ダイオードパッケージ構造は、より高い輝度、より高いコントラストを提供し、クロストークを減少することに用いられる。また、パッケージマイクロ発光ダイオードチップのミニ発光ダイオードパッケージ構造は、最終の表示パネルとして成形する前に、マイクロ発光ダイオードチップをテストして異常に機能するチップを選別できるようにすることに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
下記添付図面の説明は、本発明の上記及び他の目的、特徴、メリット、実施形態をより分かりやすくするためのものである。
図1】従来の発光ダイオードパッケージ構造を示す断面図である。
図2】本発明の複数の実施形態による発光ダイオードパッケージ構造を示す断面図である。
図3】本発明の複数の実施形態による発光ダイオードパッケージ構造を示す断面図である。
図4】本発明の複数の実施形態による発光ダイオードパッケージ構造を示す断面図である。
図5】本発明の複数の実施形態による発光ダイオードパッケージ構造を示す断面図である。
図6】本発明の別の実施形態による発光ダイオードパッケージ構造を示す上面図である。
図7】本発明の別の実施形態による発光ダイオードパッケージ構造を示す断面図である。
図8】本発明の別の実施形態によるマイクロ発光ダイオードチップを示す断面図である。
図9】本発明のまた1つの実施形態によるマイクロ発光ダイオードチップを示す断面図である。
図10】本発明の一実施形態による発光ダイオードディスプレイパネルの製造方法の工程を示す模式図である。
図11】本発明の一実施形態による発光ダイオードディスプレイパネルの製造方法の工程を示す模式図である。
図12】本発明の別の実施形態による発光ダイオードディスプレイパネルの製造方法の工程を示す模式図である。
図13】本発明の別の実施形態による発光ダイオードディスプレイパネルの製造方法の工程を示す模式図である。
図14】マイクロ発光ダイオードチップアレイにレーザーリフトオフされた粗いテクスチャを有する様子の写真である。
図15】単一のマイクロ発光ダイオードチップの上面がレーザーリフトオフされた粗いテクスチャを有する様子の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施形態によって上記の説明を詳しく述べ、本発明の技術案を更に説明する。
【0029】
本発明の説明がより詳しく完備するように、添付の図面および下記に示す各種実施形態を参照することができ、図面における同じ符号は同様または類似の素子を代表する。一方、本発明に不必要な制限を与えないよう、周知の素子や工程は、実施形態に記述されていない。
【0030】
図1は、従来の発光ダイオードパッケージ構造を示す断面図である。発光ダイオードパッケージ構造100aは、基板102aと、少なくとも1つのミニ発光ダイオードチップ(ミニ発光ダイオードチップ)106aと、透光材層104aと、を備える。従来のミニ発光ダイオードチップ106aは、サファイア基板SAを含む。透光材層104aは、ミニ発光ダイオードチップ106a及び基板102aを被覆する。本従来例において、基板102aは、100μm~1000μmの幅W1を有する。ミニ発光ダイオードチップ106aは、100μm~250μmの幅を有する。
【0031】
パッケージ構造の幅が1000μmである従来例A(つまり、基板102aが1000μmの幅を有する)において、発光ダイオードチップ106aは150μmの厚さと225μmの幅を有し、且つ透明接着剤層(例えば、104a)は250μm以上の厚さを有するが、基板102aに黒色材料が被覆されず、発光ダイオードチップ106aは、パッケージ構造100aが側面発光SE1と上面発光TE1との18%の比率を達成できるように発光する。本従来例において、基板102aの幅(W1)の透光材層104aの厚さに対する比は、4よりも小さい。
【0032】
図2に示すように、発光ダイオードパッケージ構造100bは、基板102bと、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップ106bと、透光材層104bと、を備える。本実施形態において、基板102bの幅W1は100μm~1000μmである。基板102bはマイクロ発光ダイオードチップ106bをパッケージングすることに用いられ、マイクロ発光ダイオードチップ106bは、幅W2が1μm~100μmであり、厚さT2が10μm以下である。透光材層104bは、マイクロ発光ダイオードチップ106b及び基板102bを被覆する。
【0033】
ある実施形態において、基板102bの幅W1は、100~200μm、200~500μm、500~750μm或いは750~1000μmである。
【0034】
ある実施形態において、マイクロ発光ダイオードチップ106bの幅W2は、1μm~100μmであり、例えば1~5μm、5~10μm、10~25μm或いは25~50μmである。
【0035】
パッケージ構造の幅が1000μmである実施例B(つまり、基板102bが1000μmの幅を有する)において、発光ダイオードチップ106bは10μmの厚さと50μmの幅を有し、且つ透明接着剤層(例えば、104b)の厚さT1は100μmであるが、基板102bに黒色材料が被覆されず、発光ダイオードチップ106bは、パッケージ100bが側面発光SE2と上面発光TE2との5%の比率を達成できるように発光する。
【0036】
従来例Aと比べると、実施例Bは、パッケージ構造におけるミニ発光ダイオードチップ106aの代わりにマイクロ発光ダイオードチップ106bを使用し、且つ透明接着剤層の厚さを小さくするため、実施例Bにおける側面発光を減少して、透明接着剤層の内部反射を増加する。
【0037】
図3に示すように、発光ダイオードパッケージ構造100cは、基板102cと、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップ106cと、透光材層104cと、を備える。本実施形態において、基板102cの幅W3は100μm~1000μmである。基板102cはマイクロ発光ダイオードチップ106cをパッケージングすることに用いられ、マイクロ発光ダイオードチップ106cは、幅W2が1μm~100μmであり、且つその厚さT2が10μm以下である。透光材層104cは、マイクロ発光ダイオードチップ106c及び基板102cを被覆する。
【0038】
パッケージ構造の幅が400μmである実施例C(つまり、基板102cが400μmの幅を有する)において、発光ダイオードチップ106cは10μmの厚さと50μmの幅を有し、且つ透明接着剤層(例えば、104c)の厚さT1は100μmであるが、基板102cに黒色材料が被覆されず、発光ダイオードチップ106cは、パッケージ100cが側面発光SE3と上面発光TE3との10%の比率を達成できるように発光する。
【0039】
実施例Bと比べると、実施例Cは、透明接着剤層の内部反射を減少するようにパッケージ構造或いは基板102cの幅を小さくするため、実施例Cにおける側面発光を増加する。
【0040】
図4に示すように、発光ダイオードパッケージ構造100dは、基板102dと、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップ106dと、透光材層104dと、を備える。本実施形態において、基板102dの幅W3は100μm~1000μmである。基板102dは、幅が1μm~100μmであり且つ厚さT2が10μm以下のマイクロ発光ダイオードチップ106dをパッケージングすることに用いられる。透光材層104dは、マイクロ発光ダイオードチップ106d及び基板102dを被覆する。
【0041】
パッケージ構造の幅が400μmである実施例D(つまり、基板102dが400μmの幅を有する)において、発光ダイオードチップ106dは10μmの厚さと50μmの幅を有し、透明接着剤層(例えば、104d)の厚さT3は50μmであるが、基板102dに黒色材料が被覆されず、発光ダイオードチップ106dは、パッケージ100dが側面発光SE4と上面発光TE4との4%の比率を達成できるように発光する。
【0042】
実施例Cと比べると、実施例Dは、透明接着剤層の内部反射を更に増加するように透明接着剤層104dの厚さを小さくするため、実施例Dにおける側面発光を小さくする。
【0043】
他の実施形態において、発光ダイオードパッケージ構造100dの上面発光TE4を更に増加するように、透明接着剤層104dは、上部テクスチャ表面104d’を有してよい。
【0044】
図5に示すように、発光ダイオードパッケージ構造100eは、基板102eと、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップ106eと、黒色材料層108と、透光材層104eと、を備える。本実施形態において、基板102eの幅W3は100μm~1000μmである。基板102eは、幅が1μm~100μmであり且つ厚さが10μm以下のマイクロ発光ダイオードチップ106eをパッケージングすることに用いられる。黒色材料層108は、マイクロ発光ダイオードチップ106aの発光面を露出させるように基板102eの上面を被覆することに用いられる。黒色材料層108は、10μmよりも小さい厚さを有することが好ましい。本実施形態において、マイクロ発光ダイオードチップ106eの厚さは、実際的に、黒色材料層108の厚さに等しいが、これに限定されない。
【0045】
パッケージ構造の幅が400μmである実施例E(つまり、基板102eが400μmの幅を有する)において、発光ダイオードチップ106eは10μmの厚さと50μmの幅を有し、黒色材料層108は3μmの厚さと10%よりも小さい光反射率を有し、透明接着剤層(例えば、104e)の厚さT3は50μmであり、発光ダイオードチップ106eは、パッケージ構造100eが側面発光SE5と上面発光TE5との0.4%の比率を達成できるように発光する。本実施形態において、黒色材料層108は、光反射率が10%よりも小さい黒色のフォトレジスト層であってよいが、これに限定されない。
【0046】
実施例Dと比べると、実施例Eは、透光材層104eの内部反射を減少するように黒色材料層108を増加するため、実施例Eにおける側面発光が更に減少する。
【0047】
実施例B~Eにおいて、透光材層は、90%、92%或いは95%以上の光透過率を有し、100μmよりも小さい厚さを有してよいが、これに限定されない。
【0048】
実施例B~Eにおいて、基板(102b~102e)の幅(W1,W3)と透光材層(104b-104e)との厚さ(T1,T3)の比は4以上であり、これにより、発光ダイオードパッケージ構造における側面発光を抑制して、側面発光と上面発光との比率を小さくする。
【0049】
実施例B~Eにおいて、発光ダイオードチップの幅は発光ダイオードチップの長い縁部或いは正方形の発光ダイオードチップの如何なる縁部であってよく、基板の幅は基板の長い縁部或いは正方形の基板の如何なる縁部であってよいが、これに限定されない。
【0050】
実施例B~Eにおいて、少なくとも1つの発光ダイオードチップは複数の発光ダイオードチップであってよく、複数の発光ダイオードチップは、例えば赤色、緑色、青色光のような異色の光を発光することに用いられるが、これに限定されない。また、赤色、緑色、青色マイクロ発光ダイオードチップに青色或いは黄色を加えることで、色域を拡大することができる。
【0051】
図6は、本発明の別の実施形態による発光ダイオードパッケージ構造を示す上面図である。発光ダイオードパッケージ構造は、基板102と、基板102の上面に電気的接続される少なくとも1つの発光ダイオードチップ106と、を備える。基板102の上面は面積A1を有し、発光ダイオードチップ106の発光面は面積A2を有する。発光ダイオードパッケージ構造のコントラストを強調して、側面発光と上面発光との比率を小さくするように、面積A2と面積A1との比は、5%以下であることが好ましい。例えば、実施例Bにおいて、面積A2と面積A1との比は1%である。実施例C、D及びEにおいて、面積A2と面積A1との比は5%である。実施例B~Eにおいて、少なくとも1つの発光ダイオードチップ106は、例えば赤色、緑色並びに青色の発光ダイオードチップのような、複数の発光ダイオードチップであってよく、面積A2は全ての発光ダイオードチップの発光面の合計であってよい。発光ダイオードチップ106の発光面以外に、基板102の上面が黒色材料層108により完全に被覆されると、側面発光と上面発光との比率を更に小さくし、コントラストを更に向上させることができ、且つ余分な光を反射して誤点灯となることはない。
【0052】
先述の実施形態で検討されるように、側面発光と上面発光との比率を小さくすることで、LEDディスプレイパネルにおける画素の間のクロストークの問題を改善することができる。
【0053】
図7は、本発明の別の実施形態による発光ダイオードパッケージ構造を示す断面図である。発光ダイオードパッケージ構造100fは、基板102fと、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードチップ106fと、透光材層104fと、を備える。本実施形態において、透光材層104fは、透明接着剤層(例えば、透明樹脂層)ではなく、透明誘電体層である。透明誘電体層は、化学気相堆積プロセス或いは原子層堆積プロセスによって形成されてよいが、これに限定されない。透明誘電体層は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、TiO(酸化チタン)、酸化タンタル(Ta)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)、フッ化マグネシウム(MgF)或いは窒化ケイ素(Si)であってよいが、これに限定されない。透明誘電体層がマイクロ発光ダイオードチップ106f及び基板102fの上面にコンフォーマル(conformal)に形成されるように、化学気相堆積プロセス或いは原子層堆積プロセスによる透明誘電体層の厚さは、0.1μm~10μmの範囲にあり、例えば0.1μm~2μm、2μm~4μm、4μm~6μm或いは6μm~10μmの範囲にあってよい。他の実施形態において、黒色材料層(例えば、図5における黒色材料層108)は、マイクロ発光ダイオードチップ106fの発光面を露出するように基板102fの上面を被覆し、且つ透光材層104fにより被覆されることができる。
【0054】
図8は、本発明の別の実施形態によるマイクロ発光ダイオードチップを示す断面図である。マイクロ発光ダイオードチップは、半導体積層120’と、支持分断点BPと、を含む。半導体積層120’は、第1の半導体層121’、発光層122’及び第2の半導体層123’を含む。第1の半導体層121’は外部に露出する発光面S1を有し、且つ発光面S1は粗いテクスチャを有する。発光面S1としては、サファイア基板或いは図案化されたサファイア基板に対してレーザーリフトオフプロセスを行うことで、レーザーリフトオフされた粗いテクスチャを取得する。例えば円状或いは六角形の凹面のような、図案化されたサファイア基板におけるレーザーリフトオフされた粗いテクスチャを示す図14、15における写真を参照されたい。そのため、マイクロ発光ダイオードチップには、サファイア基板或いは図案化されたサファイア基板が配置されていないが、光取出しを強調するようにレーザーリフトオフされた粗いテクスチャ(laser-lift-off rough pattern)が配置される。具体的に、発光ダイオードチップは、発光面S1によって光を発出することができる。支持分断点BPは、発光面S1に位置する。ある実施形態において、第1の半導体層121’はドープされた半導体層121b’、121c’及びドープされていない半導体層121a’を含み、且つ発光面S1はドープされていない半導体層121a’にある。ドープされた半導体層121b’、121c’は発光層122’とドープされていない半導体層121a’との間にある。ある実施形態において、発光ダイオードチップは、第1の導電性パッド191及び第2の導電性パッド192を更に含む。第1の導電性パッド191が第1の半導体層121’に電気接続され、第2の導電性パッド192が第2の半導体層123’に電気接続される。ある実施形態において、発光ダイオードチップは、第2の導電性パッド192と第2の半導体層123’との間にある導電接触層124’を更に含む。半導体積層120’の発光面S1に犠牲層140を形成する。犠牲層140をその基部から突出する支持フレーム142を形成するようにエッチングする。次に、犠牲層140の上方に搭載基板160を形成する。ある実施形態において、犠牲層140と搭載基板160との間に接着層170を形成してよく、接着層170によって搭載基板160を犠牲層140に貼り付けることで、それらの間の貼付性を強調する。側壁電流リーク低減層182は、原子層堆積プロセスによって半導体積層120’の側壁に形成される。そのため、側壁電流リーク低減層182は、側壁の電流リークの効果を小さくして、外部量子効率(external quantum efficiency)を増加する。本実施形態において、側壁電流リーク低減層182は、Al或いはSiOにより形成されてよいが、これに限定されない。
【0055】
底部反射層181は、発光面S1による光取出しを強調するように、側壁電流リーク低減層182の外面に形成される。本実施形態において、底部反射層181は、SiOとTiOとの交互層から形成される分布ブラッグ反射層(DBR)であってよいが、これに限定されない。
【0056】
支持分断点BPを破壊することで搭載基板160を除去する場合、半導体積層120’は、搭載基板160(例えば、サファイア基板)から離れることができる。
【0057】
図9は、本発明のまた1つの実施形態によるマイクロ発光ダイオードチップを示す断面図である。本実施形態における半導体構造は、支持分断点BPが半導体積層120’の発光面S1の対向する表面に位置することに、図8の半導体構造と異なっている。発光面S1は、サファイア基板或いは図案化されたサファイア基板に対してレーザーリフトオフプロセスを行うことで取得したレーザーリフトオフされた粗いテクスチャにより形成される。そのため、マイクロ発光ダイオードチップには、サファイア基板が配置されていないが、光取出しを強調するようにレーザーリフトオフされた粗いテクスチャが配置される。
【0058】
図10~11は、図8の発光ダイオードチップによる発光ダイオードディスプレイパネルの製造方法の工程を示す模式図である。図10に示すように、マイクロ発光ダイオードチップ(例えば、青色の発光ダイオードチップ107B、緑色の発光ダイオードチップ107G及び赤色の発光ダイオードチップ107R)をそれらの各々の基板(152,154,156)に製造した後で、仮基板150によって青色、緑色、赤色の発光ダイオードチップ(107B,107G,107R)を順次に搭載して、それらをまず各々の基板(152,154,156)からスタンプ153によって1回目の大量移行をした後で、青色、緑色、赤色の発光ダイオードチップ(107B,107G,107R)の電極を露出させ、故障した発光ダイオードチップを除去するように成形前に予備試験してよい。続いて、仮基板150とその全ての青色、緑色、赤色の発光ダイオードチップ(107B,107G,107R)を適当な位置に固定して、それを上下反転して2回目の大量移行をして全ての青色、緑色、赤色の発光ダイオードチップ(107B,107G,107R)を回路基板158に取り付け、更に透光材層162を有する成形体を形成し、破線に沿って切断してテストする。正常に機能する発光ダイオードパッケージ構造100’のみが青色テープ200に転着されることができるようにし、その後、故障した発光ダイオードパッケージ構造100’を選別する。注意すべきなのは、発光ダイオードパッケージ構造100’の各々は、切断及び分割された回路基板158を含む。発光ダイオードパッケージ構造100’の各々は、先述の実施形態で検討される発光ダイオードパッケージ構造(100b-100f)であってよい。図11に示すように、その後、正常に機能する発光ダイオードパッケージ構造100’をサブ回路基板301に取り付けてパッケージ層302で被覆して、完璧にしたLED表示パネル400の分割表示モジュール300を形成する。1つの実施形態において、正常に機能する発光ダイオードパッケージ構造100’は、パッケージ層302を有しないサブ回路基板301に取り付けられてよい。パッケージマイクロ発光ダイオードチップのミニ発光ダイオードパッケージ構造が100μm~1000μmの範囲にあるパッケージサイズを有する場合、異常に機能するパッケージは容易にテスト及び選別されることができ、その後、またサブ回路基板に取り付けされる。全て正常に機能する発光ダイオードパッケージ構造100’を有する分割表示モジュール300は達成される。別の実施形態において、サブ回路基板301は、発光ダイオードパッケージ構造100’を制御するためのシステムコントローラを有してもよく、システムコントローラによって、例えば、発光ダイオードパッケージ構造の各々に含まれる画素コントローラを制御する。システムコントローラは、サブ回路基板301の上面301a或いはサブ回路基板301の底面301bに取り付けられてよい。
【0059】
図12~13は、図9の発光ダイオードチップによる発光ダイオードディスプレイパネルの製造方法の工程を示す模式図である。図12~13における工程は、マイクロ発光ダイオードチップ(つまり、青色の発光ダイオードチップ107B’、緑色の発光ダイオードチップ107G’及び赤色の発光ダイオードチップ107R’)が二回で大量移行をせずに、直接基板(152、154、156)から一回で大量移行して(例えば、スタンプ153によって)直接回路基板158に達することに、図10~11と異なっている。そのため、発光ダイオードチップは、成形前の予備試験を行うことができない可能性があるが、サブ回路基板301に取り付けられる前に、成形後のテストは依然として機能不全の発光ダイオードパッケージ構造の選別に用いられることができる。本実施形態において、発光ダイオードパッケージ構造100の各々は、1組の青色の発光ダイオードチップ107B’、緑色の発光ダイオードチップ107G’及び赤色の発光ダイオードチップ107R’を含む。他の実施形態において、発光ダイオードパッケージ構造の各々は、複数組の青色の発光ダイオードチップ107B’、緑色の発光ダイオードチップ107G’及び赤色の発光ダイオードチップチップ107R’を制御するように、画素コントローラを含んでよい。例えば、M4で囲まれるように、4組の青色の発光ダイオードチップ107B’、緑色の発光ダイオードチップ107G’、赤色の発光ダイオードチップ107R’を設けて、単一の画素コントローラパッケージに合わせて所定の機能を実行してよいが、これに限定されない。例えば、6つ、9つ或いはより多くのR、G、B組の発光ダイオードチップを梱包してもよい。
【0060】
以上をまとめると、本発明のパッケージマイクロ発光ダイオードチップのミニ発光ダイオードパッケージ構造は、より高い輝度、より高いコントラストを提供し、クロストークを減少することに用いられる。また、パッケージマイクロ発光ダイオードチップのミニ発光ダイオードパッケージ構造は、最終の表示パネルとして成形する前に、マイクロ発光ダイオードチップをテストして異常に機能するチップを選別できるようにすることに寄与する。
【0061】
本発明は、実施形態で前述の通りに開示されたが、それらに限定されなく、当業者であれば、本発明の精神や範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修飾を加えてもよく、従って、本発明の保護範囲は、後の特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0062】
下記符号の説明は、本発明の上記又は他の目的、特徴、メリットと実施形態をより分かりやすくするためのものである。
100、100’、100a、100b、100c、100d、100e、100f 発光ダイオードパッケージ構造
102、102a、102b、102c、102d、102e、102f 基板
104a、104b、104c、104d、104e、104f 透光材層
104d’ 上部テクスチャ表面
106、106a、106b、106c、106d、106e、106f 発光ダイオードチップ
107B、107B’ 青色の発光ダイオードチップ
107G、107G’ 緑色の発光ダイオードチップ
107R、107R’ 赤色の発光ダイオードチップ
108 黒色材料層
120’ 半導体積層
121’ 第1の半導体層
121a’、121b’、121c’ 半導体層
122’ 発光層
123’ 第2の半導体層
124’ 導電接触層
140 犠牲層
142 支持フレーム
150 仮基板
152,154,156 基板
153 スタンプ
158 回路基板
160 搭載基板
170 接着層
181 底部反射層
182 側壁電流リーク低減層
191 第1の導電性パッド
192 第2の導電性パッド
200 青色テープ
300 表示モジュール
301 サブ回路基板
301a 上面
301b 底面
302 パッケージ層
400 表示パネル
A1、A2 面積
BP 支持分断点
SE1、SE2、SE3、SE4、SE5 側面発光
TE1、TE2、TE3、TE4、TE5 上面発光
SA サファイア基板
S1 発光面
T1、T2、T3 厚さ
W1、W2、W3 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15