(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】二方向開閉式カーテン
(51)【国際特許分類】
A47H 5/02 20060101AFI20220615BHJP
A47H 7/02 20060101ALI20220615BHJP
E06B 9/64 20060101ALI20220615BHJP
E06B 9/26 20060101ALI20220615BHJP
E06B 9/264 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
A47H5/02
A47H7/02
E06B9/64
E06B9/26
E06B9/264 B
(21)【出願番号】P 2020186327
(22)【出願日】2020-11-09
【審査請求日】2020-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】599122271
【氏名又は名称】億豐綜合工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Nien Made Enterprise Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】19F-1 No.236 Sec.2 Wuquan W. Road Taichung City 408 Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 琳
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3207187(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0158314(US,A1)
【文献】登録実用新案第3201418(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 5/02
A47H 7/02
E06B 9/00-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着物に取り付けられる二方向開閉式カーテンであって、
前記二方向開閉式カーテンは第一横梁、第二横梁及びカーテン本体を含み、
前記第一横梁が前記定着物の下方に位置し、前記第二横梁が前記第一横梁の下方に位置し、前記カーテン本体の一端が前記第一横梁に接続され、他端が前記第二横梁に接続され、
第一昇降構造が前記第一横梁内に設置され、前記第一昇降構造が少なくとも一つの第一引きコードと第一滑動座を含み、
前記第一引きコードの一端が前記定着物に固定され、他端が前記第一横梁に進入し、かつ前記第一滑動座に連動可能に接続され、
前記第一滑動座は、前記第一横梁が前記定着物に対し離れまたは近づくことに従って前記第一横梁内を移動し、
第二昇降構造が前記第二横梁内に設置され、前記第二昇降構造が少なくとも
二つの第二引きコードと第二滑動座を含み、
前記
二つの第二引きコードの一端が前記定着物に固定され、他端が前記第一横梁を通って前記第二横梁に進入した後、前記第二滑動座に連動可能に接続され、
前記第二滑動座は、前記第二横梁が前記定着物に対し離れまたは近づくことに従って前記第二横梁内を移動
し、
前記二つの第二引きコードは方向転換せずに直進して前記第一横梁を通過し、前記第一滑動座が前記第一横梁内に移動する経路は、直進して前記第一横梁を通過する前記二つの第二引きコードの間に制限されることを特徴とする、二方向開閉式カーテン。
【請求項2】
前記第一昇降構造が第一接続コード、第一コード巻きリールと第一予力装置を含み、
前記第一接続コードの両端がそれぞれ前記第一コード巻きリールと前記第一滑動座に固定され、前記第一コード巻きリールが回転して前記第一接続コードを巻き取るかまたは引き出すことができ、
前記第一予力装置が前記第一コード巻きリールに連動して設置され、
前記第一横梁が前記定着物から離れる方向へ移動した時に、前記第一引きコードが前記第一滑動座を引っ張り、前記第一コード巻きリールを回転させ、かつ前記第一接続コードを引き出す、請求項1に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項3】
前記第一コード巻きリールの一端が第一主動ギアに連結され、前記第一予力装置がばね巻きリール、ばね受けリール及び渦巻きばねを含み、
前記ばね巻きリールの一端が第一受動ギアに連結され、前記第一受動ギアが前記第一主動ギアと噛合い、
前記渦巻きばねの両端がそれぞれ前記ばね巻きリールと前記ばね受けリールに連結され、
前記渦巻きばねは、前記ばね巻きリールと前記ばね受けリールの回転方向の切り替えに従って、前記ばね巻きリール及び前記ばね受けリールに巻き付く巻き数が変化する、請求項
2に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項4】
前記第一コード巻きリールが円錐形であり、かつ直立して前記第一横梁に軸接される、請求項
2に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項5】
前記第一昇降構造が第一転向リールと第一コード分け軸を含み、
前記第一転向リールが前記第一横梁内に固定され、前記第一コード分け軸が前記第一滑動座上に設置され、前記第一引きコードが前記第一転向リールと前記第一コード分け軸を回る、請求項1に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項6】
前記第二昇降構造が第二接続コード、第二コード巻きリールと第二予力装置を含み、
前記第二接続コードの両端がそれぞれ前記第二コード巻きリールと前記第二滑動座に固定され、前記第二コード巻きリールが回転して前記第二接続コードを巻き取るかまたは引き出すことができ、
前記第二予力装置が前記第二コード巻きリールに連動して設置され、
前記第二横梁が前記第一横梁から離れる方向へ移動した時に、前記第二引きコードが前記第二滑動座を引っ張り、前記第二コード巻きリールを回転させ、かつ前記第二接続コードを引き出す、請求項1に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項7】
前記第二コード巻きリールの一端が第二主動ギアに連結され、
前記第二予力装置はばね巻きリール、ばね受けリール及び渦巻きばねを含み、前記ばね巻きリールの一端が第二受動ギアに連結され、前記第二受動ギアが前記第二主動ギアに噛合い、
前記渦巻きばねの両端がそれぞれ前記ばね巻きリールと前記ばね受けリールに連結され、
前記渦巻きばねが前記ばね巻きリールと前記ばね受けリールの回転方向の切り替えに従って、前記ばね巻きリール及び前記ばね受けリールに巻き付く巻き数が変換する、請求項
6に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項8】
前記第二コード巻きリールが円錐形であり、かつ直立して前記第二横梁に軸接される、請求項
6に記載の二方向開閉式カーテン。
【請求項9】
前記第二昇降構造が第二転向リールと第二コード分け軸を含み、
前記第二転向リールが前記第二横梁内に固定され、前記第二コード分け軸が前記第二滑動座上に設置され、前記第二引きコードが前記第二転向リールと前記第二コード分け軸を回る、請求項1に記載の二方向開閉式カーテン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカーテン構造に関し、特にカーテンの透光(または遮蔽)面積を変更可能な二方向開閉式カーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の二方向開閉式カーテン(top down、bottom up、TDBU)の構成は上、中、下梁を含み、かつ、前記中梁と下梁の間にカーテン本体が設置され、カーテン本体の両端がそれぞれ中梁及び下梁に接続される。前記中梁は二本の引きコードに動かされて上梁に対し離れまたは近づくことができ、前記下梁は中梁に接続されたものと異なる二本の引きコードに動かされて、中梁に対し離れまたは近づくことができるため、前記二方向開閉式カーテンの透光(または遮蔽)面積を任意に変更する目的を達成できる。
【0003】
しかし、この従来の二方向開閉式カーテン構造では遮光の利便性がよいが、引きコードを巻き戻すための二組のコード巻きユニットが上梁内に設置されているため、設置空間不足の制限により、これら二組のコード巻きユニットの組立てが困難になりがちで、かつ互いを干渉しやすくなる。また、コード巻きユニットが上梁内に設置されると、メンテナンスの不便さが増すことになる。例えば、台湾特許公報M449195「二方向開閉式カーテン改良構造」の実用新案に前記問題が潜んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上を鑑みて、本発明は、組立てまたはメンテナンスが便利であるほか、操作がスムーズで手数が掛からないという効果を有する二方向開閉式カーテンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は定着物に取り付けられる二方向開閉式カーテンを提供し、前記二方向開閉式カーテンは第一横梁、第二横梁とカーテン本体を含み、前記第一横梁が前記定着物の下方に位置し、前記第二横梁が前記第一横梁の下方に位置し、前記カーテン本体の一端が前記第一横梁に接続され、他端が前記第二横梁に接続される。また、第一昇降構造は前記第一横梁内に設置され、前記第一昇降構造が少なくとも一つの第一引きコードと第一滑動座を含み、前記第一引きコードの一端が前記定着物に固定され、他端が前記第一横梁に進入し、かつ前記第一滑動座に連動可能に接続される。前記第一滑動座は、前記第一横梁が前記定着物に対し離れまたは近づくことに従って、前記第一横梁内を移動する。また、第二昇降構造は前記第二横梁内に設置され、前記第二昇降構造が少なくとも一つの第二引きコードと第二滑動座を含み、前記第二引きコードの一端が前記定着物に固定され、他端が前記第一横梁、前記第二横梁に進入した後、前記第二滑動座に連動可能に接続される。前記第二滑動座は、前記第二横梁が前記定着物に対し離れまたは近づくことに従って、前記第二横梁内を移動する。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、第一昇降構造と第二昇降構造がそれぞれ昇降制御の可能な第一横梁と第二横梁の中に取り付けられ、組立てとメンテナンスが便利であるとともに、操作に手数がかからないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の好ましい実施例の二方向開閉式カーテンの立体図。
【
図3】本発明の前記好ましい実施例の二方向開閉式カーテンの第一昇降構造の立体図。
【
図4】本発明の前記好ましい実施例の二方向開閉式カーテンの第一昇降構造の立体図。
【
図7】
図6と同じであるが、第一昇降構造の第一滑動座が左へ移動することを示す。
【
図8】本発明の前記上述好ましい実施例の二方向開閉式カーテンの部分構成の立体図。
【
図9】本発明の別の好ましい実施例の二方向開閉式カーテンの立体図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明をより明確に示すために、その好ましい実施例を挙げて、かつ図面を参照しながら詳しく説明する。
図1及び
図2が示すように、本発明の好ましい実施例の二方向開閉式カーテン100は定着物に取り付けられ、建築物の開口(例えば、窓)を遮蔽するために用いられる。前記二方向開閉式カーテン100は第一横梁10、第二横梁20、カーテン本体30、第一昇降構造40と第二昇降構造50を含む。第一横梁10は上部横梁101の下方に位置し、第二横梁20は第一横梁10の下方に位置する。カーテン本体30の一端が第一横梁10の底縁(下面)に接続され、他端が第二横梁20の頂縁(上面)に接続される。第一昇降構造40は第一横梁10内に設置され、前記第一横梁10が前記上部横梁101に対し離れまたは近づくことに合わせて作動する。第二昇降構造50は第二横梁20内に設置され、前記第二横梁20が前記第一横梁10に対し離れまたは近づくことに合わせて作動する。前記カーテン本体30は遮光効果に優れており、その使用または設計ニーズによって異なる形態として設置し、ベネシャンブラインド、ハニカムブラインド、ローマンブラインド、ローラーブラインドなど異なるカーテンシステムを構成することができる、本実施例ではハニカムブラインドを例に説明する。なお、二方向開閉式カーテン100の遮光可変性を広げるよう、第一横梁10と上部横梁101の間には必要に応じてカーテン本体を設置することも可能である。また、前記定着物は、例えば窓枠、横梁またはその他の安定効果を有する構造物であるが、本実施例において、定着物が建築物開口の上縁に固定される上部横梁101であり、即ち、前記上部横梁101がカーテンの一部としてセットで販売されるものとする。
【0009】
第一昇降構造40と第二昇降構造50の構成が同じであるため、以下は第一昇降構造40を例に説明する。
図3ないし
図5が示すように、第一昇降構造40は第一固定座41、第一予力装置42、第一滑動座43、第一転向リール44、第一コード分け軸45、第一コード巻きリール46、第一接続コード47及び第一引きコード48を含む。前記第一固定座41と第一予力装置42がそれぞれ第一横梁10内の対向する両側に設置され、前記第一滑動座43が第一固定座41と第一予力装置42との間に位置し、かつ、第一横梁10内を移動可能である。前記第一転向リール44は第一固定座41に取り付けられ、前記第一コード分け軸45は第一滑動座43に取り付けられ、かつ、第一転向リール44と第一コード分け軸45がそれぞれ複数個の分割溝を有し、好ましくは第一転向リール44と第一コード分け軸45が回転可能な形で取り付けられる。前記第一コード巻きリール46はその原始位置で回転可能に第一予力装置42の一方側に設置される。前記第一接続コード47の両端がそれぞれ前記第一滑動座43と前記第一コード巻きリール46に固定される。
【0010】
前記第一予力装置42はばね巻きリール421、ばね受けリール(spring receiving reel)422及び渦巻きばね423を含み、ばね巻きリール421とばね受けリール422がその原始位置で回転可能であり、かつ互いに隣接しており、渦巻きばね423がS字型にばね巻きリール421及びばね受けリール422に巻き付き、かつ、渦巻きばね423の両端がそれぞればね巻きリール421とばね受けリール422に固定される。ばね巻きリール421とばね受けリール422の回転方向の切り換えに従って、渦巻きばね423がばね巻きリール421及びばね受けリール422に巻き付く巻き数が変化する。前記第一コード巻きリール46はばね巻きリール421の一方側に位置し、かつ第一コード巻きリール46の一端が第一主動ギア461に連結され、前記第一主動ギア461がばね巻きリール421の一端に連結されている第一受動ギア421aと噛合うことにより、第一コード巻きリール46とばね巻きリール421が互いに連動するようになる。また、第一コード巻きリール46はそのリール面に螺旋盤状のコード巻き槽が設けられ、かつ円錐形のリール体であり、第一コード巻きリール46は直立して第一横梁10内に軸接され、即ち、上が広くて下が狭い形(または上が狭くて下が広い)の状態で設置され、
図5が示すように、本実施例の第一コード巻きリール46は上が広くて下が狭い形で設置され、第一コード巻きリール46のテーパ状輪郭が内へ凹んだ曲面を有するが、傾斜が次第に狭くなる漏斗状であってもよい。また、前記第一予力装置42のばね巻きリール421、ばね受けリール422及び渦巻きばね423は第一コード巻きリール46とともに予めボックスB内(
図1を参照)に設置されてモジュール化構造を成すことにより、便利で素早く取り付けることができる効果が得られる。
【0011】
本実施例の第一引きコード48の数は二本であり、第一引きコード48の一端が上部横梁101内を通って調節片49a上に固定されることにより、第一引きコード48の一端を上部横梁101に固定する。第一引きコード48の他端が第一横梁10の頂面に固定されたコードガイド座49bを通ってから第一横梁10に進入し、かつ第一転向リール44を回った後、前記第一滑動座43に連結される。なお、前記第一引きコード48の一端が第一滑動座43に直接連結されても、または、固定される前に、使用や設計ニーズに応じて第一コード分け軸45と第一転向リール44を回り、その後第一滑動座43または第一固定座41に連結されてもよい。第一引きコード48が第一コード分け軸45と第一転向リール44との間に折り返す回数は、第一滑動座43の左右移動の行程及び第一横梁10の上下移動の行程の倍数と関連し、例えば、第一引きコード48が第一転向リール44、第一コード分け軸45、第一転向リール44を順に回った後前記第一滑動座43に固定された場合、第一引きコード48が二回折り返したことを意味し、この時、第一滑動座43が一倍行程を移動すると、前記第一横梁10が三倍の行程を移動することになる。前記第一引きコード48が第一コード分け軸45と第一転向リール44を回る時に、選択的に異なる分割溝を跨ぐようにして、転換後の引きコード部分が絡み合うこと確実に防げる。
【0012】
図6も参照すると、第一横梁10が上部横梁101に近づいた時の第一昇降構造40の各部分の状態が示されており、この時、第一予力装置42の渦巻きばね423がばね受けリール422に巻き付いている巻き数はばね巻きリール421に巻き付いている巻き数より多く、引っ張り力が蓄積され、これにより、第一コード巻きリール46が逆時計回りに回転する状態に保持され、第一コード巻きリール46の回転方向がさらに第一接続コード47を通じて第一滑動座43に対する引っ張り力となり、第一横梁10の停滞位置をさらに確保できる。同時に、第一コード巻きリール46には大部分の第一接続コード47が巻き付かれ、即ち、第一接続コード47は露出セクション47aと渦巻きセクション47bに区分され、前記露出セクション47aの一端が第一滑動座43に接続され、前記露出セクション47aの他端が前記渦巻きセクション47bに接続され、前記渦巻きセクション47bが第一コード巻きリール46の上部から下部へ順にコード溝中に巻き取られ、逆テーパ状の第一コード巻きリール46の底部の直径が比較的に狭いため、
図6が示すように、第一接続コード47の露出セクション47aのコード出し位置が第一コード巻きリール46の中心寄りになる。
【0013】
第一横梁10を下へ引っ張り、第一横梁10が前記上部横梁101に対し離れるようにした時に、第一引きコード48の長さが固定されているため、第一横梁10と上部横梁101の間の第一引きコード48の露出コードセクションが増えた場合、第一滑動座43は
図7が示すように、前記二つの第一引きコード48に引っ張られて前記第一固定座41へ移動し、移動する第一滑動座43が第一接続コード47を引っ張ることにより、第一コード巻きリール46に巻き付かれている渦巻きセクション47bが次第に前記第一コード巻きリール46の下部から上部へ放出されて、その長さが短くなる。一方、第一接続コード47の露出セクション47aの長さが次第に増え、かつ第一接続コード47の露出セクション47aのコード出し位置が第一コード巻きリール46の中心からずれて、第一コード巻きリール46が連動して時計周りに回転し、これによってばね巻きリール421とばね受けリール422の回転方向が切り換わり、これに連動して渦巻きばね423の大部分がばね巻きリール421上に巻き付くように変わる。本実施例における具体的な形態は、渦巻きばね423がばね巻きリール421に巻き付いている巻き数がばね受けリール422に巻き付いている巻き数より多く、第一横梁10が再度操作されて上へ移動する時に、渦巻きばね423の自動的な巻き戻し力を受けて、利用者が第一横梁10を容易に上部横梁101へ移動させることができる。さらに
図8が示すように、本実施例の第一滑動座43は軽い素材であるプラスチックで作製され、かつ、側面に弾性サイドフィン43aが一体的に形成され、前記弾性サイドフィン43aが外へ膨らんだリブによって構成され、前記第一横梁10の内側壁が長軸方向に沿って設置されたガイド溝10aを有し、前記第一滑動座43はその弾性サイドフィン43aがガイド溝10a中に位置して、位置が制限され、かつ安定してスライドすることができる。
【0014】
図2が示すように、第二昇降構造50は第二横梁20内に設置され、かつその構成部材及び部材間の位置関係が全て第一昇降構造40と同じであり、前記第一固定座41と同じ第二固定座51、前記第一予力装置42と同じ第二予力装置52、前記第一滑動座43と同じ第二滑動座53、前記第一転向リール44と同じ第二転向リール(図示せず)、前記第一コード分け軸45と同じ第二コード分け軸(図示せず)、前記第一コード巻きリール46と同じ第二コード巻きリール56、前記第一接続コード47と同じ第二接続コード57、前記第一引きコード48と同じ第二引きコード58を含む。
【0015】
前記第二昇降構造50の第二引きコード58の一端が同じく上部横梁101上の調節片49aに固定され、他端が第一横梁10上のコードガイド座49bを通って、第一横梁10を直接通って、さらにカーテン本体30を通って、最終的に第二横梁20頂面に固定されているコードガイド座49bを通った後に、さらに第二転向リールと第二コード分け軸を回ってから前記第二滑動座53に連結される。前記第二昇降構造50の動作原理及び効果が第一昇降構造40と同じであるため、説明を省略する。なお、第二引きコード58は方向転換せずに直進して第一横梁10を通り、かつ第一昇降構造40の何れの部材とも牽引または連動する関係がないため、使用者が前記第一横梁10を押したり引いたりする時に、第二引きコード58と第一昇降構造40の任意の部材が接触して摩擦力が発生する問題がなく、簡単に第一横梁10を操作して上下へ移動させることができる。
【0016】
本実施例の二方向開閉式カーテン100は上部または下部の透光(または遮蔽)面積を調整する効果を有し、かつ、第一昇降構造40と第二昇降構造50はそれぞれ昇降制御が可能な第一横梁10と第二横梁20中に取り付けられ、組立てまたはメンテナンスが簡単であるという効果が有する。また、第二昇降構造50の第二引きコード58が直進して第一横梁10を通るように設計され、押したり引いたりする過程で第一横梁10に過大な摩擦力が発生することなく、より簡単に第一横梁10を操作して昇降させることができる。
【0017】
図2を合わせて参照すると、第一昇降構造40の第一固定座41は左側の第一引きコード48の外側に取り付けられ、第一滑動座43が左側に移動する時に誤って第一引きコード48に接しないよう、前記第一引きコード48の総長さ、及び第一転向リール44と第一コード分け軸45を回る折り返し回数が実際の使用ニーズに応じて設計され、第一滑動座43が左へ移動する極限位置を左側の第一引きコード48の右側(内側)の境界とする。当然ながら、第一固定座41は
図9が示すように、左側の第一引きコード48の内側に設置されてもよく、即ち、前記二つの第一引きコード48の間でありながら左側の第一引きコード48寄りに位置し、これにより、移動する第一滑動座43が左側の第一引きコード48に接しないよう確保できる。前記配置により、第一横梁10及び第二横梁に取り付けられる第一昇降構造40と第二昇降構造50を簡単に組立て及びメンテナンスできるほか、第一横梁10の操作に手数が掛からない効果もある。
【0018】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の明細書及び請求の範囲内で行った等価な変化は、当然ながら本発明の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0019】
100 二方向開閉式カーテン
101 上部横梁
10 第一横梁
10a ガイド溝
20 第二横梁
30 カーテン本体
40 第一昇降構造
41 第一固定座
42 第一予力装置
421 ばね巻きリール
421a 第一受動ギア
422 ばね受けリール
423 渦巻きばね
43 第一滑動座
43a 弾性サイドフィン
44 第一転向リール
45 第一コード分け軸
46 第一コード巻きリール
461 第一主動ギア
47 第一接続コード
47a 露出セクション
47b 渦巻きセクション
48 第一引きコード
49a 調節片
49b コードガイド座
50 第二昇降構造
51 第二固定座
52 第二予力装置
53 第二滑動座
56 第二コード巻きリール
57 第二接続コード
58 第二引きコード
B ボックス