(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】流線型の流体移送孔を有するバルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20220615BHJP
F16L 23/032 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
F16K27/00 Z
F16L23/032
(21)【出願番号】P 2020502189
(86)(22)【出願日】2019-05-08
(86)【国際出願番号】 KR2019005453
(87)【国際公開番号】W WO2020153531
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2020-01-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0010047
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0053042
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518427247
【氏名又は名称】リ,サン ソン
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,サン ソン
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-061757(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102013101197(DE,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0035819(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第105587915(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0195632(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
F16K 7/12- 7/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体、
前記本体の内側に形成されたライナー、及び
開閉部を含み、
前記本体の内側には、流体が流れる空間である流体移送孔が形成され、前記開閉部は、前記流体の流れを開閉させ、
前記流体移送孔は、入口から前記開閉部に向かって流線型の形状を有し、出口から前記開閉部に向かって流線型の形状を有し、
前記流体移送孔は、前記入口から前記開閉部に該当する中央部方向に直線で形成されず、前記入口から曲線が始まり、前記出口から前記中央部方向に直線で形成されず、前記出口から曲線が始まり、
前記流体移送孔の幅は、前記入口から前記開閉部方向に行くほど狭くなり、前記出口から前記開閉部の方向に行くほど狭くなり、
前記開閉部の開閉は調節手段を回すことにより遂行され、前記流体移送孔の幅が狭くなることにより前記調節手段を回す回数が、前記流体移送孔の幅が同一である時の前記調節手段を回す回数より少な
く、
前記流体移送孔は、前記ライナーの内側に配列され、前記開閉部は、前記流体移送孔の中間部分に配列され、
前記流体移送孔に対応する前記ライナーの内側の上面及び内側の下面は、それぞれ流線型の形状を有し、
前記内側の上面の曲線の曲率は、前記流体移送孔の中央に形成された仮想の曲線の曲率と異なり、前記内側の下面の曲線の曲率は、前記仮想の曲線の曲率と異なることを特徴とするバルブ。
【請求項2】
前記内側の下面の曲線は、前記入口から形成される第1の曲線と前記開閉部付近の第2の曲線からなり、
前記第1の曲線は、第1の半径(R2)を有し、前記第2の曲線は、第2の半径(R3)を有し、
前記第1の半径と前記第2の半径の比率(R2/R3)は、(145/105)~(110/50)の範囲を有することを特徴とする
請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記内側の下面の曲線は、前記入口から形成される第1の曲線と前記開閉部付近の第2の曲線からなり、
前記第1の曲線は、第1の半径(R2)を有し、前記第2の曲線は、第2の半径(R3)を有し、
前記第1の半径(R2)と前記入口の面間の距離(L)の比率(R2/L)は、(95/160)~(150/165)の範囲を有し、前記第2の半径(R3)と前記入口の面間の距離(L)の比率(R3/L)は、(50/160)~(105/197)の範囲を有することを特徴とする
請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
前記内側の上面の曲線の半径(R1)と前記入口の面間の距離(L)の比率(R1/L)は、(170/480)以上であることを特徴とする
請求項1に記載のバルブ。
【請求項5】
前記内側の下面の曲線は、前記入口から形成される第1の曲線と前記開閉部付近の第2の曲線からなり、
前記第1の曲線は、第1の半径(R2)を有し、前記第2の曲線は、第2の半径(R3)を有し、
前記内側の上面の曲線の半径(R1)と前記第1の半径(R2)の比率(R1/R2)は、(95/165)~(85/95)の範囲を有し、前記内側の上面の曲線の半径(R1)と前記第2の半径(R3)の比率(R1/R3)は、(95/105)~(85/50)の範囲を有することを特徴とする
請求項1に記載のバルブ。
【請求項6】
前記本体は、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride、PVC)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリフェニレンサルファイド(Poly Phenylene sulfide、PPS)、ポリフタルアミド(Polyphtalamide、PPA)、ポリアミド(Polyamide、PA6)、ポリアミド(Polyamide、PA66)、ポリケトン(Polyketone、POK)またはポリエチレン(Polyethylene、PE)にガラス繊維(Glass fiber)を混合することによって形成され、前記ライナーは、フッ素樹脂からなることを特徴とする
請求項1に記載のバルブ。
【請求項7】
前記本体は、前記ポリプロピレン(PP)と前記ガラス繊維(glass fiber)を混合させることによって形成され、
前記ポリプロピレンが、60超の重量パーセントを有する時、前記ガラス繊維は、0超、40以下の重量パーセントを有することを特徴とする
請求項6に記載のバルブ。
【請求項8】
少なくとも2つのサブ金属部材を有する金属部材をさらに含み、
前記サブ金属部材が前記ライナーを囲み、前記サブ金属部材は、前記本体内に含まれ、前記本体は、プラスチックからなることを特徴とする
請求項1に記載のバルブ。
【請求項9】
前記ライナーは、ライナーボディ部及び前記ライナーボディ部の終端に形成されたライナーフランジ部を含み、前記サブ金属部材のうち少なくとも一つは、サブボディ部及び前記サブボディ部の終端に形成されたサブフランジ部を含み、前記本体は、本体ボディ部及び前記本体ボディ部の終端に形成された本体フランジ部を含み、
前記サブフランジ部の幅は、前記ライナーフランジ部の幅より大きく、前記サブフランジ部は、前記ライナーフランジ部の直下部で前記ライナーボディ部を囲むことを特徴とする
請求項8に記載のバルブ。
【請求項10】
前記ライナー、前記サブ金属部材及び前記本体は、それぞれ一体型で構成され、前記サブ金属部材は、前記ライナーボディ部全体を囲み、前記サブフランジ部は、半分が切断されたドーナツ形状を有し、前記サブフランジ部の凹要の曲線ラインは、前記ライナーボディの半分を囲み、終端面は、他のサブフランジ部の終端面と当接されることを特徴とする
請求項9に記載のバルブ。
【請求項11】
バルブにおいて、
本体、及び
開閉部を含み、
前記本体の内側には、流体が流れる空間である流体移送孔が形成され、前記開閉部は、前記流体の流れを開閉させ、
前記流体移送孔に該当する前記バルブの内側の上面は、入口から前記開閉部の方向に流線型の形状を有し、出口から前記開閉部の方向に流線型の形状を有し、
前記内側の上面の曲線の半径(R1)と前記入口の面間の距離(L)の比率(R1/L)は、(170/480)以上であり、
前記流体移送孔は、前記入口から前記開閉部に該当する中央部方向に直線で形成されず、前記入口から曲線が始まり、前記出口から前記中央部方向に直線で形成されず、前記出口から曲線が始まり、
前記流体移送孔の幅は、前記入口から前記開閉部方向に行くほど狭くなり、前記出口から前記開閉部の方向に行くほど狭くなり、
前記開閉部の開閉は調節手段を回すことにより遂行され、前記流体移送孔の幅が狭くなることにより前記調節手段を回す回数が、前記流体移送孔の幅が同一である時の前記調節手段を回す回数より少ないことを特徴とするバルブ。
【請求項12】
前記本体の内側に形成されたライナーをさらに含み、
前記流体移送孔は、前記ライナーの内側に形成され、前記内側の上面は、前記ライナーの内側の上面であり、前記流体移送孔に該当する前記ライナーの内側の上面は、入口から前記開閉部の方向に流線型の形状を有し、
前記内側の上面の曲線の半径(R1)と前記入口の面間の距離(L)の比率(R1/L)は、(170/480)~(110/165)の範囲を有し、前記流体移送孔は、前記入口から前記開閉部の方向に行くほど狭くなり、前記出口から前記開閉部の方向に行くほど狭くなることを特徴とする
請求項11に記載のバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流線型の流体移送孔を有するバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
バルブは、流体の流れを開閉することができる手段であって、ダイヤフラムを利用して流体の流れを制御する。
図1は、一般的なバルブの構造を示す図である。
図1を参照すると、バルブは、本体(100)、ダイヤフラム(102)及びダイヤフラム(102)を制御する操作部(104)を含む。本体(100)の内部には、流体移送孔(106)が形成され、流体移送孔(106)の入力端(110)に入力された流体は出力端(112)を介して排出される。
【0003】
流体移送孔(106)を考察すると、本体の上側の内側面(100a)のうちダイヤフラム(102)に隣接した部分がそれぞれの四角の断面を有し、本体(100)の下側の内側面(100b)のうちダイヤフラム(102)と接触する本体部分(100c)が角ばった形態を有する。このような四角の断面の本体部分及び角ばった形態の本体部分(100c)によって、流体移送孔(106)のうちA部分で渦流が発生することができる。これは、四角の断面の本体部分(100c)及び角ばった形態の本体部分(100c)が流体の流れの妨げになり、流体力学的には流体エネルギーまたは流体速度の変化を起こし、これが渦流を発生させる原因となる。渦流は、本体(100)及びダイヤフラム(102)を損傷させ、その結果、バルブの寿命が短くなる問題がある。また、流体移送孔(106)の入口(110)または出口(112)から中央部付近までは流路が横方向に直線状に形成され、前記中央部に向かっては縦方向に垂直に形成され、その結果、垂直部分が流体の流れを妨げる障害物として作用し、単位時間当たりの流体の移送量が小さくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、流線型の流体移送孔を有するバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した目的を達成するために、本発明の一実施形態のバルブは、本体、及び開閉部を含み、前記本体の内側には、流体が流れる空間である流体移送孔が形成され、前記開閉部は、前記流体の流れを開閉させ、前記流体移送孔は、入口から前記開閉部に向かって流線型の形状を有し、出口から前記開閉部に向かって流線型の形状を有することを特徴とする。
本発明の他の実施形態のバルブは、本体、及び開閉部を含み、前記ライナーの内側には、流体が流れる空間である流体移送孔が形成され、前記開閉部は、前記流体の流れを開閉させ、前記流体移送孔に該当する前記バルブの内側の上面は、入口から前記開閉部の方向に流線型の形状を有し、前記内側の上面の曲線の半径(R1)と前記入口の面間の距離(L)の比率(R1/L)は、(95/230)~(110/165)の範囲を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によるバルブは、流体移送孔が流線型の形状を有し、特に入口または出口から開閉部への方向に向かって、前記入口または前記出口から流線型の形状を有するので、流体の流れが円滑になり、単位時間当たりの流体の移送量が大幅に向上できる。
また、本発明によるバルブは、プラスチックからなる本体の内部に金属部材を含み、その結果、前記バルブとパイプの結合時に、前記バルブにねじれが発生しないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本発明の一実施形態のバルブを示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態の流体移送孔の構造を示す図である。
【
図5】
図4の曲線の比率を表した表を示す図である。
【
図6】本発明の他の実施形態のバルブを示す図である。
【
図7】本発明のさらに他の実施形態のバルブの断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において使用される単数の表現は、文脈上明白に異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「構成される」または「含む」などの用語は、明細書上に記載された様々な構成要素、または様々な段階を必ず全て含むものではなく、その一部の構成要素または一部の段階を含まないこともあり、あるいは追加の構成要素または段階をさらに含むこともある。また、明細書に記載された「~部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、ハードウェアまたはソフトウェアで具現され、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合で具現される。本発明のバルブは、入口または出口から開閉部への方向に流線型の形状を有する流体移送孔を含む。
【0009】
従来のバルブは、入口及び出口から中央部方向に向かって横方向に直線状に構成され、中央部の両側が縦方向に垂直に形成されたため、流体移送孔を介して流体が自然に流れず、垂直部分等の障害物によって流体の流れが妨げられる。その結果、単位時間当たりの流体の移送量が小さくなる。
一方、本発明のバルブの流体移送孔は、入口または出口から開閉部に該当する中央部方向に流線型の形状を有するため、前記流体移送孔内に流体の流れを妨げる障害物が存在せず、流体の流れが円滑であり、その結果、単位時間当たりの流体の移送量を大幅に増加させることができる。実際CV値を比較すると、本発明のバルブが従来のバルブに比べてCV値を70%以上向上できる。
【0010】
以下では、本発明の様々な実施形態を添付の図面を参照して詳述する。
【0011】
図2は、本発明の一実施形態のバルブを示した斜視図であり、
図3は、
図2のバルブを概略的に示す断面図である。
図4は、本発明の一実施形態の流体移送孔の構造を示す図であり、
図5は、
図4の曲線の比率を表した表を示す図である。
図5の表に単位を表示していないが、単位はmmである。
【0012】
図2及び
図3を参照すると、本実施形態のバルブは、例えばダイヤフラムバルブであって、本体(200)、ライナー(202)、操作部(204)及び開閉部(300)を含む。本体(200)は、金属で構成することもでき、プラスチックで構成することもできる。一実施形態によると、本体(200)は、エンジニアリングプラスチックからなり、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂を成分としたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなることができる。もちろん、本体(200)は、エンジニアリングプラスチックとしてPOLYIMDE、POLYSULFONE、POLY PHENYLENE SULFIDE、POLYAMIDE IMIDE、POLYACRYLATE、POLYETHER SULFONE、POLYETHER ETHER KETONE、POLYETHER IMIDE、LIQUID CRYSTAL POLYESTER、POLYETHER KETONEなど、及びこれらの組合せからなることもできる。
【0013】
本体(200)の側面終端部(フランジ)には、ホール(220)を形成することができ、図示しないが締結手段がホール(220)を介して前記バルブとパイプを連結させることができる。ライナー(202)は、本体(200)の内側に配列され、ライナー(202)の内側面には、流体の移動のためのホール(流体移送孔、210)が形成される。
【0014】
一実施形態によると、ライナー(202)は、フッ素樹脂からなることができる。フッ素樹脂は、分子内にフッ素を含有した樹脂を総称するものであって、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などがあり、例えば、テトラフルオロエチレンペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(Tetra fluoro ethylene perfluoro alkylvinyl ether coppolymer、PFA)である。このようなフッ素樹脂は、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れ、摩擦係数が小さく、接着及び粘着性がない。つまり、フッ素樹脂でライナー(202)を形成すると、ライナー(202)の摩擦係数が小さいため、流体移送孔(210)内での層流による流速の変更を最小限に抑えることができる。すなわち、特定のポイントを基準にして、流体移送孔の上側または下側の流速と中心部の流速の差が最小化される。開閉部(300)は、流体移送孔(210)内での流体の移動を開閉する手段であって、本体(200)またはライナー(202)上に位置することができる。例えば、開閉部(300)は、ダイヤフラムである。ただし、図面においては開閉部(300)としてダイヤフラムを使用したが、ダイヤフラムに限定されるものではない。操作部(204)は、開閉部(300)の開閉動作を制御する手段であって、例えば、開閉部(300)がライナー(202)の下側の内側面(312c)と接触、または接触しないように制御することができる。
【0015】
一実施形態によると、開閉部(300)の上部に連結された連結部(302)が操作部(204)と結合でき、操作部(204)の制御による連結部(302)の移動によって開閉部(300)が上昇または下降することができる。このような操作部(204)の具現は、多様に変形でき、従来の構造をそのまま採用することもできる。
【0016】
以下では、本発明の主な特徴である流体移送孔(210)の構造について
図3~
図5を参照して詳察する。
図3及び
図4を参照すると、本実施形態の流体移送孔(210)は、入口(210a)または出口(210b)から開閉部(300)に対応する中央部の方向に流線型で構成される。理想的には、流体移送孔(210)は、入口(210a)から前記中央部、前記中央部から出口(210b)まで全体が流線型で構成されるのが流体の移送量を最大にすることができる。しかし、この場合、前記中央部に対応するライナー(202)の終端が鋭すぎ、前記バルブの製造において工程上の困難があるため、前記中央部に該当するライナー(202)の終端部(320及び322)を垂直に形成しなければならない。ただし、垂直に形成された終端部(320及び322)は、最小限の長さ(H)で製作され、例えば、12mm以下にできる。特に、流体移送孔(210)は、入口(210a)または出口(210b)から前記中央部方向へ向かって入口(210a)または出口(210b)から流線型の形状を有することができる。つまり、入口(210a)または出口(210b)から曲線が始まる。従来のバルブは、流体移送孔が入口または出口から特定のポイントまで直線状に形成され、次に中央部までが垂直に形成されるので、前記垂直部分が流体の流れを妨げる障害物として作用し、単位時間当たりの流体移送量が小さい。
【0017】
一方、本発明のバルブは、流体移送孔(210)が入口(210a)または出口(210b)から前記中央部に向かって流線型の形状を有する。したがって、流体移送孔(210)内に流体の流れを妨げる障害物が存在せず、単位時間当たりの流体移送量が大きい。
図1の従来のバルブにおいて、垂直部分を流線型に変形すると、垂直部分を含むバルブよりは流体移送量が多くなるが、入口(210a)または出口(210b)から前記中央部に向かって入口(210a)または出口(210b)から流線型の形状を有する本発明のバルブに比べると、単位時間当たりの流体移送量はかなり小さい。すなわち、本発明のバルブにおいては、流体移送孔(210)が入口(210a)または出口(210b)から曲線が始まるため、従来のバルブに比べて単位時間当たりの流体移送量が相当高い。つまり、CV値が大幅に向上できる。
【0018】
一実形態によると、入口(210a)または出口(210b)から前記中央部方向に行くほど流体移送孔(210)の幅が小さくできる。入口(210a)または出口(210b)から前記中央部の方向に進んでも流体移送孔(210)の幅が同じ場合には、開閉部(300)を上昇または下降させる範囲が大きく、したがって、例えば開閉部(300)を調節する手段を最大7周半回してから開閉動作を正常に遂行することができる。一方、入口(210a)または出口(210b)から前記中央部方向に行くほど流体移送孔(210)の幅が小さくなると、開閉部(300)を上昇または下降させる範囲が比較的小さくなるため、例えば、開閉部(300)を調節する手段を4周だけ回しても開閉動作を円滑に遂行することができる。
【0019】
流体移送孔(210)の観点から考察したが、ライナー(202)の観点から考察すると、ライナー(202)の第1の内側の上面ライン(310a)、第1の内側の下面ライン(312a)、第2の内側の上面ライン(310b)及び第2の内側の下面ライン(312b)が流線型の形状を有することができる。また、開閉部(300)と当接するライナー(202)の下側の中央部(312c)の両側面は、流体の流れを円滑にするための曲線の形状を有することができる。
【0020】
一方、本発明のバルブにおいて流体移送孔(210)は、流体の流れだけでなく、製造工程を考慮して、流体移送孔(210)の曲率を決定することができる。従来のバルブにおいては、流体移送孔が長い長さの垂直部分を含むため、多重ライナーで製作される必要があるが、本発明のバルブにおいては、単一ライナーで製作が可能であり、そのため適切な曲率の比率を有することができる。結果的に、従来のバルブにおいては生産性が落ちるが、本発明のバルブにおいては生産性が大幅に向上できる。
【0021】
まず、流体移送孔(210)内の仮想の中央の曲線(400)の半径、内側の上面(310)が形成する曲線の半径、内側の下面(312)が形成する曲線の半径、流体移送孔(210)の入口(210a)または出口(210b)の直径、前記中央部に隣接する垂直部分の高さと面間の距離をそれぞれR、R1、R2、R3、DN、H、Lと定義する。また、流体移送孔(210)の左側の空間と右側の空間が同一の構造を有するものと仮定する。
【0022】
一実施形態によると、内側の上面(310)は、一般的に流体移送孔(210)の中央の曲線(400)の半径(R)と異なる曲率を有する一つの曲線を有することができる。つまり、内側の上面(310)の曲線は、流体移送孔(210)の中央の曲線(400)と異なる曲率を有することができる。ただし、面間の距離(L)が既設定値以上であれば、内側の上面(310)の曲線は、円滑なバルブの製作のために互いに異なる曲率を有する2つの曲線からなることができる。ここで、2つの曲線のうち開閉部(300)に近い曲線の曲率が相対的に大きくなることができ、前記2つの曲線の曲率は、中央の曲線(400)と異なる曲率を有することができる。これは、ライナー(202)の製造時に流体移送孔(210)に挿入された単一のコアを円滑に除去することができるようにするためである。
【0023】
例えば、内側の上面(310)の曲線は、面間の距離(L)が230mm以下のときは一つの曲線で形成されるが、面間の距離(L)が230mmを超えるときは2つの曲線からなることができる。内側の上面(310)が一つの曲線からなるとき、
図5の寸法を記した表を参照して内側の上面(310)が形成する曲線の半径(R1)と面間の距離(L)の比率を考察すると、DN25バルブの場合は0.44(70/160)~0.64(85/132)の範囲を有し、DN40バルブの場合は0.45(90/200)~0.67(110/165)の範囲を有し、DN50バルブの場合は0.41(95/230)~0.58(115/197)の範囲を有することができる。前記の表には表示されていないが、DN150の場合、Lは406~480の範囲を有し、R1は170を有することができるので、R1/Lは0.354(170/480)以上であることができる。
【0024】
つまり、R1と面間の距離(L)の比率は、0.354(170/480)~0.67(110/165)の範囲を有することができる。ここで、DN25は、入口(210a)または出口(210b)の面間の距離(L)が25mm(φ)である場合を意味し、DN40は、入口(210a)または出口(210b)の面間の距離(L)が40mm(φ)である場合を表し、DN50は、入口(210a)または出口(210b)の面間の距離(L)が50mm(φ)である場合を意味する。
【0025】
内側の下面(312)を考察すると、内側の下面(312)は、入口(210a)または出口(210b)に対応する第1の曲線(半径R2)と開閉部(300)付近の第2の曲線(半径R3)、すなわち2つの曲線からなることができる。ここで、前記第1の曲線と前記第2の曲線の曲率が異なり、前記第1の曲線と前記第2の曲線は、流体移送孔(210)の中央の曲線(400、R)と異なる曲率を有することができる。ただし、R3は、面間の距離(L)がかなり大きくなると存在しないこともできる。R2と面間の距離(L)の比率を考察すると、DN25バルブの場合は0.59(95/160)~0.83(110/132)の範囲を有し、DN40バルブの場合は0.65(130/200)~0.91(150/165)の範囲を有し、DN50バルブの場合は0.63(145/230)~0.84(165/197)の範囲を有することができる。つまり、R2と面間の距離(L)の比率は、0.59(95/160)~0.91(150/165)の範囲を有することができる。
【0026】
R3と面間の距離(L)の比率を考察すると、DN25バルブの場合は0.31(50/160)~0.49(65/132)の範囲を有し、DN40バルブの場合は0.33(65/200)~0.52(85/165)の範囲を有し、DN50バルブの場合は0.37(85/230)~0.53(105/197)の範囲を有することができる。つまり、R3と面間の距離(L)の比率は、0.31(50/160)~0.53(105/197)の範囲を有することができる。
【0027】
R2とR3の比率を考察すると、DN25バルブの場合は1.46(95/65)~2.2(110/50)の範囲を有し、DN40バルブの場合は1.53(130/85)~2.31(150/65)の範囲を有し、DN50バルブの場合1.38(145/105)~1.94(165/85)の範囲を有する。つまり、R2とR3の比率は、1.38(145/105)~2.2(110/50)の範囲を有することができる。R1とR2の比率を考察すると、DN25バルブの場合は0.64(70/110)~0.89(85/95)の範囲を有し、DN40バルブの場合は0.6(90/150)~0.85(110/130)の範囲を有し、DN50バルブの場合は0.58(95/165)~0.79(115/145)の範囲を有する。つまり、R1とR2の比率は、0.58(95/165)~0.89(85/95)の範囲を有することができる。R1とR3の比率を考察すると、DN25バルブの場合は1.08(70/65)~1.7(85/50)の範囲を有し、DN40バルブの場合は1.06(90/85)~1.69(110/65)の範囲を有し、DN50バルブの場合0.91(95/105)~1.35(115/85)の範囲を有する。つまり、R1とR3の比率は、0.91(95/105)~1.7(85/50)の範囲を有することができる。
【0028】
開閉部(300)付近の垂直部分の高さ(H)は、口径によって異なるが、7mm~12mmの範囲内で存在することができる。一方、DN25バルブ、DN40バルブ及びDN50バルブのみ上述したが、これ以外の他のサイズのバルブに対しても、前記の比率が同様に適用されることができる。整理すると、本実施形態のバルブにおいては、流体移送孔(210)が入口(210a)または出口(210b)から開閉部(300)に対応する中央部方向に流線型の形状を有することができる。特に、入口(210a)または出口(210b)から曲線が始まる。したがって、単位時間当たりの流体移送量が向上されることができる。上述した内容においては、流体移送孔(210)の左側の空間と右側の空間が同じ構造を有し対称的に形成されたが、他の構造を有することもできる。ただし、左側の空間及び右側の空間共に流線型の形状を有する。
【0029】
以下では、本体(200)がプラスチックからなる場合の材質について考察する。一実施形態によると、本体(200)は、スーパーエンジニアリングプラスチックまたはエンジニアリングプラスチックからなる。例えば、本体(200)は、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂を成分としたポリフェニレンエーテル系樹脂組成物からなることができる。もちろん、本体(200)は、POLYIMDE、POLYSULFONE、POLY PHENYLENE SULFIDE、POLYAMIDE IMIDE、POLYACRYLATE、POLYETHER SULFONE、POLYETHER ETHER KETONE、POLYETHER IMIDE、LIQUID CRYSTAL POLYESTER、POLYETHER KETONEなど、及びこれらの組合せからなることもできる。または、本体(200)は、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride、PVC)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリフェニレンサルファイド(Poly Phenylene sulfide、PPS)、ポリフタルアミド(Polyphtalamide、PPA)、ポリアミド(Polyamide、PA6)、ポリアミド(Polyamide、PA66)、ポリケトン(Polyketone、POK)またはポリエチレン(Polyethylene、PE)にガラス繊維(Glass fiber)を混合することによって形成される。このように本体を製造すれば、本体の強度、耐衝撃性、機械的特性などが向上されることができる。これによる効果に関する詳細な説明は後述する。
【0030】
他の実施形態によると、本体(200)は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリアミド(PA6)、ポリアミド(PA66)、ポリケトン(POK)またはポリエチレン(PE)にガラス繊維及び炭素繊維を混合することによって形成されることができる。このように本体を製造すれば、本体の強度、耐衝撃性、機械的特性などが向上されることができる。さらに他の実施形態によると、本体(200)は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリアミド(PA6)、ポリアミド(PA66)、ポリケトン(POK)またはポリエチレン(PE)にガラス繊維、炭素繊維及びグラファイトを混合することによって形成することができる。このように本体を製造すれば、本体の強度、耐衝撃性、機械的特性などが向上できる。
【0031】
以下では、実験結果について考察する。一実施形態によると、本体(200)は、PPとglass fiberを混合して構成することができる。好ましくは、glass fiberは、全体比で0%超、40%以下で含有されることができ、PPは、全体比で60%より大きい含有量比を有する。実験結果は、下記表1の通りである。
【0032】
【0033】
表1に示すように、PPとglass fiberを混合して本体(200)を形成する場合、本体(200)の引張強度がglass fiberなしにPPのみで構成された本体に比べてかなり高いことを確認することができる。つまり、機械的、化学的物性が向上されることができる。ただし、glass fiberの含有量比が40%を超える場合には、本体(200)を製造するための射出工程の特性が低下して、本体(200)を所望の形状に製造するのが難しかった。他の実施形態によると、本体(200)は、PPSとglass fiberを混合して構成されることができる。好ましくは、glass fiberは、全体比で0%超、40%以下で含有されることができ、PPSは、全体比で60%より大きい含有量比を有する。実験結果は、下記表2の通りである。
【0034】
【0035】
表2に示すように、PPSとglass fiberを混合して、本体(200)を形成する場合、本体(200)の引張強度がglass fiberなしにPPSのみで構成された本体に比べてかなり高いことを確認することができる。つまり、機械的、化学的物性が向上されることができるため、機械的物性を向上させながら軽量及び頑丈に本体を形成することができる。ただし、glass fiberの含有量比が40%を超える場合には、本体(200)を製造するための射出工程の特性が低下して、本体(200)を所望の形状に製造するのが難しかった。他の実施形態によると、本体(200)は、PPAとglass fiberを混合して構成されることができる。好ましくは、glass fiberは、全体比で0%超、55%以下で含有されることができ、PPAは、全体比で45%より大きい含有量比を有する。実験結果は、下記表3の通りである。
【0036】
【0037】
表3に示すように、PPAとglass fiberを混合して本体(200)を形成する場合、本体(200)の引張強度がglass fiberなしにPPAのみで構成された本体に比べてかなり高いことを確認することができる。つまり、機械的、化学的物性が向上されることができるため、機械的物性を向上させながら軽量及び頑丈に本体(200)を形成することができる。ただし、glass fiberの含有量比が55%を超える場合には、本体(200)を製造するための射出工程の特性が低下して、本体(200)を所望の形状に製造するのが難しかった。他の実施形態によると、本体(200)は、PA(Polyamide、PA6)とglass fiberを混合して構成されることができる。好ましくは、glass fiberは全体比で0%超、50%以下で含有されることができ、PAは、全体比で50%より大きい含有量比を有する。実験結果は、下記表4の通りである。
【0038】
【0039】
表4に示すように、PAとglass fiberを混合して本体(200)を形成する場合、本体(200)の引張強度がglass fiberなしにPAのみで構成された本体に比べてかなり高いことを確認することができる。つまり、機械的、化学的物性が向上されることができるため、機械的物性を向上させながら、軽量及び頑丈に本体(200)を形成することができる。ただし、glass fiberの含有量比が50%を超える場合には、本体(200)を製造するための射出工程の特性が低下して、本体(200)を所望の形状に製造するのが難しかった。別の実施形態によると、本体(200)は、PA(Polyamide、PA66)とglass fiberを混合して構成されることができる。好ましくは、glass fiberは、全体比で0%超、50%以下で含有されることができ、PAは、全体比で50%より大きい含有量比を有する。実験結果は、下記表5のとおりである。
【0040】
【0041】
表5に示すように、PAとglass fiberを混合して本体(200)を形成する場合、本体(200)の引張強度がglass fiberなしにPAのみで構成された本体に比べてかなり高いことを確認することができる。つまり、機械的、化学的物性が向上されることができるため、機械的物性を向上させながら、軽量及び頑丈に本体(200)を形成することができる。ただし、glass fiberの含有量比が50%を超える場合には、本体(200)を製造するための射出工程の特性が低下して、本体(200)を所望の形状に製造するのが難しかった。他の実施形態によると、本体(200)は、POK(Polyketone)とglass fiberを混合して構成されることができる。好ましくは、glass fiberは、全体比で0%超、40%以下で含有されることができ、PAは、全体比で60%より大きい含有量比を有する。実験結果は、下記表6の通りである。
【0042】
【0043】
表6に示すように、POKとglass fiberを混合して本体(200)を形成する場合、本体(200)の引張強度がglass fiberなしにPOKのみで構成された本体に比べてかなり高いことを確認することができる。つまり、機械的、化学的物性が向上されることができるため、機械的物性を向上させながら、軽量及び頑丈に本体(200)を形成することができる。ただし、glass fiberの含有量比が40%を超える場合には、本体(200)を製造するための射出工程の特性が低下して、本体(200)を所望の形状に製造するのが難しかった。
【0044】
図6は、本発明の他の実施形態に係るバルブを示す図である。
図6を参照すると、本実施形態のバルブは、本体(600)、ライナー(602)、第1のサブ金属部材(610)及び第2のサブ金属部材(612)を有する金属部材及び開閉部(604)を含むことができる。ライナー(602)の内側には、流体移送孔(620)が形成され、流体移送孔(620)は、入口から開閉部(604)に対応する中央部の方向に流線型の形状を有し、前記中央部から出口方向に流線型の形状を有することができる。流体移送孔(620)の構造は、
図1~
図5の実施形態と同一である。また、本体(600)、ライナー(602)及び開閉部(604)の構造もまた、
図1~
図5の実施形態と同一または類似である。本体(600)は、本体ボディ部、前記本体ボディ部の両終端に形成された本体フランジ部を含むことができる。
【0045】
第1の本体フランジ部上に少なくとも一つのホールが形成され、パイプのフランジ上にもホールが形成され、ボルト等の締結部材が前記第1の本体フランジ部のホール及び前記パイプのフランジのホールを貫通することによって、前記第1の本体フランジ部と前記パイプのフランジが結合されることができる。その結果、前記バルブと前記パイプが結合できる。第2の本体フランジ部上にもパイプとの結合のためのホールが形成できる。ライナー(602)は、ライナーボディ部(602a)、第1のライナーフランジ部(602b)、第2のライナーフランジ部(602c)及びライナー結合部(602d)を含むことができる。ここで、ライナー結合部(602d)の中央には、開閉部(604)によって開閉される空間(630)が形成され、ライナー結合部(602d)は、開閉結合部(604a)と結合できる。
【0046】
ライナーボディ部(602a)は、本体ボディ部の内側に配列できる。
第1のライナーフランジ部(602b)は、ライナーボディ部(602a)より広い幅を有し、前記第1の本体フランジ部の内側に配列され、一側面が外部に露出できる。第2のライナーフランジ部(602c)は、ライナーボディ部(602a)より広い幅を有し、前記第2の本体フランジ部の内側に配列され、一側面が外部に露出できる。前記金属部材は、ライナー(602)を囲み、本体(600)の内部に含むことができる。ここで、前記金属部材の全体が本体(600)によって囲まれ、一部も外部に露出されないようにすることもできる。すなわち、前記金属部材の内側にライナー(602)が配列されるが、前記金属部材は、本体(600)の内部に全体を含むことができる。
【0047】
一実施形態によると、前記金属部材は、第1のサブ金属部材(610)及び第2のサブ金属部材(612)を含むことができる。例えば、前記金属部材は、同一の構造の2つのサブ金属部材(610及び612)からなることができる。ただし、サブ金属部材(610及び612)は、分離された部材であって相互結合はされない。第1のサブ金属部材(610)は、一体型で構成されることができ、ライナー(602)の半分を囲み、第1のサブボディ部(610a)、第1-1のサブフランジ部(610b)及び第1-2のサブフランジ部(610c)を含むことができる。第1のサブボディ部(610a)は、ライナーボディ部(602a)の半分を囲み、曲線形状を有することができる。第1-1のサブフランジ部(610b)は、第1のサブボディ部(610a)の終端に連結され、第1のライナーフランジ部(602b)の直下部に配列されることができる。具体的には、第1-1のサブフランジ部(610b)の中央に形成された凹部の曲線ラインが第1のライナーフランジ部(602b)の直下部でライナーボディ部(602a)の半分を囲むが、凹部の曲線ラインの曲率は、ライナーボディ部(602a)の曲率と同一または類似であることができる。
【0048】
一実施形態によると、第1-1のサブフランジ部(610b)の幅は、第1のライナーフランジ部(602b)の幅より広く、その結果、第1-1のサブフランジ部(610b)がライナーボディ部(602a)を囲むと、第1-1のサブフランジ部(610b)が第1のライナーフランジ部(602b)を支持しながら第1-1のサブフランジ部(610b)の少なくとも一部が幅方向で第1のライナーフランジ部(602b)の外側に突出されることができる。ここで、第1のライナーフランジ部(602b)は、長さ方向では第1-1のサブフランジ部(610b)よりも突出できる。ただし、第1-1のサブフランジ部(610b)が第1のライナーフランジ部(602b)を直接囲むこともできるが、この場合には、ライナー(602)と前記金属部材の間に空間が存在するようになるため、前記バルブの構造が不安定になることがある。したがって、第1-1のサブフランジ部(610b)が第1のライナーフランジ部(602b)の直下部でライナーボディ部(602a)を囲むことが効率的である。
【0049】
また、第1-1のサブフランジ部(610b)上に少なくとも一つのホールが形成されることができ、このようなホールは、締結手段が通過するためのホールである。つまり、締結手段は、前記バルブと前記パイプが結合されるとき、第1の本体フランジ部のホール及び第1-1のサブフランジ部(610b)のホールを貫通する。第1-2のサブフランジ部(610c)は、第1のサブボディ部(610a)の他の終端に連結され、第2のライナーフランジ部(602c)の直下部に配列できる。具体的には、第1-2のサブフランジ部(610c)の中央に形成された凹部の曲線ラインが第2のライナーフランジ部(602c)の直下部でライナーボディ部(602a)の半分を囲むが、凹部の曲線ラインの曲率は、ライナーボディ部(602a)の曲率と同一または類似であることができる。
【0050】
一実施形態によると、第1-2のサブフランジ部(610c)の幅は、第2のライナーフランジ部(602c)の幅より広く、その結果、第1-2のサブフランジ部(610c)がライナーボディ部(602a)を囲むと、第1-2のサブフランジ部(610c)が第2のライナーフランジ部(602c)を支持しながら幅方向で第1-2のサブフランジ部(610c)の少なくとも一部が第2のライナーフランジ部(602c)の外側に突出されることができる。ここで、第2のライナーフランジ部(602c)は、長さ方向で第1-2のサブフランジ部(610c)よりも突出させることができる。ただし、第1-2のサブフランジ部(610c)が第2のライナーフランジ部(602c)を直接囲むこともできるが、この場合には、ライナー(602)と前記金属部材の間に空間が存在するようになるため、前記バルブの構造が不安定になることがある。したがって、第1-2のサブフランジ部(610c)が第2のライナーフランジ部(602c)の直下部でライナーボディ部(602a)を囲むことが効率的である。また、第1-2のサブフランジ部(610c)上に少なくとも一つのホールが形成されることができ、このようなホールは、締結手段が通過するためのホールである。つまり、締結手段は、前記バルブと前記パイプが結合されるとき、前記第2の本体フランジ部のホール及び第1-2のサブフランジ部(610c)のホールを貫通する。
【0051】
第2のサブ金属部材(612)は、一体型で構成されることができ、ライナー(602)の他の半分を囲み、第2のサブボディ部、第2-1のサブフランジ部及び第2-2のサブフランジ部を含むことができる。前記第2のサブボディ部は、ライナーボディ部(602a)の他の半分を囲み、曲線形状を有することができる。第2-1のサブフランジ部は、前記第2のサブボディ部の終端に連結され、第1のライナーフランジ部(602b)の直下部に配列できる。具体的には、前記第2-1のサブフランジ部の中央に形成された凹部の曲線ラインが第1のライナーフランジ部(602b)の直下部でライナーボディ部(602a)の他の半分を囲むが、前記凹部の曲線ラインの曲率は、ライナーボディ部(602a)の曲率と同一または類似であることができる。
【0052】
一実施形態によると、前記第2-1のサブフランジ部の幅は、第1のライナーフランジ部(602b)の幅より広く、その結果、前記第2-1のサブフランジ部がライナーボディ部(602a)を囲むと、前記第2-1のサブフランジ部が第1のライナーフランジ部(602b)を支持しながら幅方向で前記第2-1のサブフランジ部の少なくとも一部が第1のライナーフランジ部(602b)の外部に突出されることができる。ここで、第1のライナーフランジ部(602b)は、長さ方向で前記第2-1のサブフランジ部よりも突出させることができる。ただし、前記第2-1のサブフランジ部が第1のライナーフランジ部(602b)を直接囲むこともできるが、この場合には、ライナー(602)と前記金属部材の間に空間が存在するようになるため、前記バルブの構造が不安定になることがある。したがって、前記第2-1のサブフランジ部が第1のライナーフランジ部(602b)の直下部でライナーボディ部(602a)を囲むことが効率的である。また、前記第2-1のサブフランジ部上に少なくとも一つのホールが形成でき、このようなホールは、締結手段が通過するためのホールである。つまり、締結手段は、前記バルブと前記パイプが結合されるとき、前記第1の本体フランジ部のホール及び前記第2-1のサブフランジ部のホールを貫通する。
【0053】
一方、前記第2-1のサブフランジ部は、半分が切断されたドーナツ形状を有し、前記凹部の曲線ライン除く終端面は、第1-1のサブフランジ部(610b)の終端面と当接させることができる。すなわち、第1-1のサブフランジ部(610b)の終端面と前記第2-1のサブフランジ部の終端面が当接した状態で、前記金属部材がライナー(602)を囲むことができる。ここで、第1-1のサブフランジ部(610b)も半分が切断されたドーナツ形状を有する。第2-2のサブフランジ部は、前記第2のサブボディ部の他の終端に連結され、第2のライナーフランジ部(602c)の直下部に配列できる。具体的には、第2-2のサブフランジ部の中央に形成された凹部の曲線ラインが第2のライナーフランジ部(602c)の直下部でライナーボディ部(602a)の他の半分を囲むが、凹部の曲線ラインの曲率はライナーボディ部(602a)の曲率と同一または類似であることができる。
【0054】
一実施形態によると、前記第2-2のサブフランジ部の幅は、第2のライナーフランジ部(602c)の幅より広く、その結果、前記第2-2のサブフランジ部がライナーボディ部(602a)を囲むと、前記第2-2のサブフランジ部が第2のライナーフランジ部(602c)を支持しながら幅方向で前記第2-2のサブフランジ部の少なくとも一部が第2のライナーフランジ部(602c)の外部に突出されることができる。ここで、第2のライナーフランジ部(602c)は、長さ方向で前記第2-2のサブフランジ部よりも突出させることができる。ただし、前記第2-2のサブフランジ部が第2のライナーフランジ部(602c)を直接囲むこともできるが、この場合には、ライナー(602)と前記金属部材の間に空間が存在するようになるため、前記バルブの構造が不安定になることがある。したがって、前記第2-2のサブフランジ部が第2のライナーフランジ部(602c)の直下部でライナーボディ部(602a)を囲むことが効率的である。
【0055】
また、前記第2-2のサブフランジ部上に少なくとも一つのホールが形成でき、このようなホールは、締結手段が通過するためのホールである。つまり、締結手段は、前記バルブと前記パイプが結合されるとき、前記第2の本体フランジ部のホール及び前記第2-2のサブフランジ部のホールを貫通する。一方、前記第2-2のサブフランジ部は、半分が切断されたドーナツ形状を有し、前記凹部の曲線ラインを除く終端面は、第1-2のサブフランジ部(610c)の終端面と当接されることができる。すなわち、第1-2のサブフランジ部(610c)の終端面と前記第2-2のサブフランジ部の終端面が当接した状態で、前記金属部材がライナー(602)を囲むことができる。ここで、第1-2のサブフランジ部(610c)も半分が切断されたドーナツ形状を有する。
【0056】
製造工程の側面で考察すると、前記金属部材は、インサート射出を通じて本体(600)の内部に形成できる。具体的には、サブ金属部材(610及び612)がライナー(602)を囲む構造物を本体(600)の材料であるプラスチックに入れて射出すると、前記金属部材が本体(600)の内部に含まれ、前記金属部材の内側にライナー(602)が形成できる。このとき、前記金属部材が本体(600)に強固に固定されるように、前記金属部材のフランジ部(400b、400cなど)に締結手段が締結するためのホールと別途に、少なくとも一つのホールが形成されることができる。この場合、インサート射出過程において、溶融されたプラスチックが前記ホールを満たすようになり、その結果、前記金属部材が本体(600)内部に強固に結合できる。また、もっと強固に結合させようとする場合には、前記金属部材に少なくとも一つの突出部を形成することもできる。
【0057】
一方、前記金属部材を分離された2つのサブ金属部材(610及び612)で構成する理由は、ライナー(602)を前記金属部材の内側に配列するためである。前記金属部材が一体型構造で構成されると、ライナー(602)のフランジ部(602bまたは602c)の幅が前記金属部材の内側の空間より大きいため、ライナー(602)を前記金属部材の内側に挿入させることが不可能である。したがって、本発明の金属部材は、前記金属部材の内側の空間より大きいフランジ部(602bまたは602c)を有するライナー(602)を前記金属部材の内側に配列するために、分離された2つのサブ金属部材(610及び612)を使用する。整理すると、2つのサブ金属部材(610及び612)がライナー(602)を囲んだ状態でインサート射出を通じて、サブ金属部材(610及び612)がプラスチックである本体(600)の内部に含まれるように具現されることができる。このとき、ライナー(602)は、前記金属部材の内側に配列できる。
【0058】
金属部材がライナーを囲まずにプラスチックである本体(600)が直接ライナーを囲むと、締結手段を介してバルブのフランジとパイプのフランジが結合されるときに、前記締結手段の締結力によって、結合方向と反対の方向に前記バルブにねじれが発生できる。一方、ライナー(602)が前記金属部材の内側に配列された状態でプラスチックである本体(600)の内部に前記金属部材が含まれると、締結手段を介してバルブのフランジとパイプのフランジが結合されても前記フランジの強度が強化されるため、前記バルブにねじれが発生しなくなるか発生しても最小限に抑えることができる。もちろん、本体(600)を金属で形成し、本体(600)の内側にライナー(602)を配列すると、バルブとパイプの結合時にもねじれが防止されることができるが、本体(600)を加工するのが難しく、製造コストが著しく高くなる可能性がある。
【0059】
したがって、本発明のバルブは、本体(600)をプラスチックで形成するが、強度の補強のために前記金属部材を本体(600)の内部に形成する。この場合、前記金属部材を高精度に加工しなくてもよく、前記プラスチックを高精度に加工することが容易であるため、所望の形状に前記バルブを加工することが容易であり、前記バルブの製造単価を低くしながら前記バルブと前記パイプの結合時のねじれを最小限に抑えることができる。一方、ライナー(602)のフランジ部、前記金属部材のフランジ部及び本体(600)のフランジ部が一つのフランジを形成することになる。フランジの側面で考察すると、プラスチックの内部に金属部材が含まれる。その結果、前記バルブのフランジとパイプのフランジが結合されてもねじれが最小限に抑えられる。
【0060】
上述した内容においては、前記金属部材が、同じ形状を有しながら相互対称的に配列される2つのサブ金属部材(610及び612)からなるものとして説明したが、前記金属部材は、分離された3つ以上のサブ金属部材からなることもできる。ここで、前記サブ金属部材の内部にライナー(602)が配列され、前記サブ金属部材が本体(600)の内部に含まれることができる。このとき、前記サブ金属部材は、すべて同じ形状を有することもできるし、少なくとも一つが異なる形状を有することもできる。例えば、120度の間隔で分離された同じ形状の3つのサブ金属部材がライナー(602)を囲むように形成できる。ただし、工程の容易さを考慮すると、前記金属部材は、2つのサブ金属部材(610及び612)からなることが効率的である。
【0061】
図7は、本発明のさらに他の実施形態に係るバルブの断面を概略的に示す図である。
図7を参照すると、ライナー(700)、樹脂層(702)、少なくとも2つのサブ金属部材を有する金属部材(704)及び本体(706)が順次形成できる。つまり、他の実施形態と異なり、本実施形態においては、ライナー(700)と金属部材(704)の間に樹脂層(702)が配列できる。一実施形態によると、樹脂層(702)は、本体(706)と同一の物質からなることができる。本体(706)の物質としては、上述した実施形態での本体の物質が使用できる。工程上では、前記サブ金属部材がライナー(700)を囲む構造物を本体(706)の材料であるプラスチックに入れて射出すると、前記サブ金属部材の間に空間が存在するため、溶融状態のプラスチックがライナー(700)と金属部材(704)の間に染み込むようになる。その結果、ライナー(700)と金属部材(704)の間に樹脂層(702)が形成できる。また、前記溶融されたプラスチックがライナー(700)と金属部材(704)の間によく染み込むことができるように金属部材(704)の一部分にホールを形成できる。
【0062】
ライナーと金属部材の間に樹脂層が追加で形成される構造は、上述した他の実施形態にも適用できる。本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその均等概念から導き出される変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
200 本体
202 ライナー
204 操作部
210 流体移送孔
300 開閉部