IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レイア、インコーポレイテッドの特許一覧

特許7089583アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法
<>
  • 特許-アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法 図1A
  • 特許-アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法 図1B
  • 特許-アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法 図2A
  • 特許-アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法 図2B
  • 特許-アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法 図2C
  • 特許-アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法 図3A
  • 特許-アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法 図3B
  • 特許-アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法 図4
  • 特許-アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法 図5
  • 特許-アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】アクティブエミッタを使用したマルチビューバックライト、ディスプレイ、および方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220615BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220615BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20220615BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20220615BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220615BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220615BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20220615BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220615BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220615BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220615BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220615BHJP
   G02B 30/33 20200101ALI20220615BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
G09F9/00 336H
G09F9/00 311
G09F9/30 365
G09F9/33
G09F9/40 302
G09G3/20 660K
F21S2/00 481
F21S2/00 482
G09G3/34 J
G09G3/20 642J
G09G3/20 621K
H05B33/14 A
H05B33/02
H05B33/12 B
H01L27/32
G02B30/33
G02F1/13357
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020512776
(86)(22)【出願日】2018-05-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-16
(86)【国際出願番号】 US2018032142
(87)【国際公開番号】W WO2018213101
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2020-01-08
(31)【優先権主張番号】62/505,956
(32)【優先日】2017-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514274546
【氏名又は名称】レイア、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEIA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ファタル,デヴィッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】マ,ミン
(72)【発明者】
【氏名】リ,シュエジャン
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/041073(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/011293(WO,A1)
【文献】特開2008-123847(JP,A)
【文献】特開2011-222237(JP,A)
【文献】特表2005-513885(JP,A)
【文献】特表2009-514157(JP,A)
【文献】特表2007-507001(JP,A)
【文献】国際公開第2017/041079(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0157697(US,A1)
【文献】特表2011-505582(JP,A)
【文献】特開2012-252937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00-33/28
G09G 1/00-5/42
G02B 27/00-30/60
F21S 2/00-45/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチビューバックライトであって、
互いに離間したアクティブエミッタのアレイであって、前記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ(an active emitter of the active emitter array)は、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角方向を有する複数の指向性光ビームとして光を放射するように構成されている、アクティブエミッタのアレイ
を備え、
前記アクティブエミッタ(the active emitter)のサイズは、前記マルチビューディスプレイのマルチビューピクセル内のビューピクセル(a view pixel)のサイズに相当し、前記アクティブエミッタアレイ内の隣接するアクティブエミッタ間の距離は、前記マルチビューディスプレイの隣接するマルチビューピクセル間の距離と同等であり、
前記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタがそれぞれ複数のカラーエミッタを備え、前記複数のカラーエミッタのカラーエミッタ(a color emitter of the color emitter plurality)は、前記ビューピクセルサイズに対応するサイズを有し、前記ビューピクセル内の複数のカラーサブピクセルの対応するカラーサブピクセルの色を有する光を放射するように構成されている、
マルチビューバックライト。
【請求項2】
前記アクティブエミッタがマイクロ発光ダイオード(μLED)を含む、請求項1に記載のマルチビューバックライト。
【請求項3】
前記アクティブエミッタが有機発光ダイオード(OLED)を含む、請求項1または2に記載のマルチビューバックライト。
【請求項4】
前記アクティブエミッタが白色光を放射するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項5】
前記アクティブエミッタの前記カラーエミッタ(the color emitters)が、前記ビューピクセルサイズの整数倍に、前記ビューピクセルサイズを前記ビューピクセル内のカラーサブピクセルの数で割った値を加えたものに等しい距離だけ、前記アクティブエミッタアレイの行方向に互いにオフセットされ、前記カラーサブピクセル(the color sub-pixels)は、前記ビューピクセル内に前記行方向に配置されている、請求項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項6】
前記アクティブエミッタのカラーエミッタ(color emitters of the active emitter)が、前記マルチビューディスプレイのビューピクセルの行間の中心間距離の整数倍に対応する距離だけ、前記行方向に直交する前記アクティブエミッタアレイの列方向に互いにオフセットされている、請求項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項7】
平面基板をさらに備え、前記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ(active emitters of the active emitter array)は、前記平面基板の表面にわたって離間している、請求項1から6のいずれか一項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項8】
前記平面基板に隣接する広角バックライトをさらに備え、前記広角バックライトは広角放射光を提供するように構成され、前記平面基板は光学的に透明であり、前記アクティブエミッタのアレイと前記平面基板との組み合わせは、前記広角放射光を透過するように構成されている、請求項に記載のマルチビューバックライト。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のマルチビューバックライトを備えたディスプレイであって、前記ディスプレイは、前記複数の指向性光ビームの指向性光ビームを変調してマルチビュー画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイをさらに備え、ビューピクセル(a view pixel)は、前記ライトバルブのアレイのライトバルブ(a light valve of the array of light valves)に対応し、マルチビューピクセル(a multiview pixel)は前記ライトバルブのアレイのライトバルブのセット(a set of light valves of the array of light valves)に対応し、前記ディスプレイは前記マルチビューディスプレイである、ディスプレイ。
【請求項10】
マルチビューディスプレイであって、
平面基板上の互いに離間したアクティブエミッタのアレイであって、前記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ(active emitters of the active emitter array)は、マルチビュー画像の異なるビュー方向に対応する異なる主角方向を有する指向性光ビーム(directional light beams)を提供するように構成されている、アクティブエミッタのアレイと、
前記指向性光ビームを変調しかつ前記マルチビュー画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイであって、前記ライトバルブのアレイは、複数のマルチビューピクセルとして配置されている、ライトバルブのアレイと、
を備え、
前記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタのサイズは、前記ライトバルブアレイのライトバルブ(a light valve)のサイズの半分から2倍の間であり、隣接するアクティブエミッタ間の距離は、隣接するマルチビューピクセル間の距離と同等であり、
前記ライトバルブアレイの各ライトバルブが、前記ライトバルブアレイの前記ライトバルブ内に行方向に配置された複数のカラーサブピクセルを含み、前記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ(active emitters of the active emitter array)は、前記カラーサブピクセルの色に対応する色を有する光を放射するように構成された複数のカラーエミッタを備える、
マルチビューディスプレイ。
【請求項11】
前記アクティブエミッタが、マイクロ発光ダイオード(μLED)および有機発光ダイオード(OLED)の一方または両方を含む、請求項10に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項12】
記色は、赤、緑、および青を含む、請求項10または11に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項13】
各アクティブエミッタのカラーエミッタ(color emitters)が、前記ライトバルブサイズの整数倍に、前記ライトバルブサイズを前記ライトバルブ内のカラーサブピクセルの数で割った値を加えたものに等しい距離だけ、前記ライトバルブアレイの前記行方向に互いにオフセットされ、各アクティブエミッタの前記カラーエミッタは、列方向の前記ライトバルブアレイの行間の中心間距離の整数倍に対応する距離だけ前記行方向に直交する前記ライトバルブアレイの列方向に互いにオフセットされている、請求項12に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項14】
前記平面基板に隣接する広角バックライトをさらに備え、前記広角バックライトは広角放射光を提供するように構成され、前記アクティブエミッタのアレイと前記平面基板の組み合わせは、前記広角放射光を透過するように構成されている、請求項10から13のいずれか一項に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項15】
前記マルチビューディスプレイが、前記アクティブエミッタによって提供されかつ前記ライトバルブアレイによって変調される前記指向性光ビームを使用して、第1のモード中に前記マルチビュー画像を表示するように構成され、前記マルチビューディスプレイは、前記広角バックライトによって提供されかつ前記ライトバルブアレイによって変調された前記広角放射光を使用して、第2のモード中に二次元(2D)画像を表示するように構成されている、請求項14に記載のマルチビューディスプレイ。
【請求項16】
マルチビューディスプレイ動作の方法であって、前記方法が、
平面基板上に間隔を空けて配置されたアクティブエミッタ(active emitters)のアレイを使用して複数の指向性光ビームを放射するステップであって、前記複数の指向性光ビームの指向性光ビーム(directional light beams of the directional light beam plurality)は、マルチビュー画像のそれぞれ異なるビュー方向に対応する異なる主角方向(different principal angular directions)を有する、ステップと、
前記マルチビュー画像を表示するために複数のマルチビューピクセルとして配置されたライトバルブのアレイを使用して、前記複数の指向性光ビームを変調するステップと、
を含み、
前記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ(an active emitter)のサイズは、前記ライトバルブアレイのライトバルブ(a light valve)のサイズに相当し、前記アクティブエミッタアレイ内の隣接するアクティブエミッタ間の距離は、隣接するマルチビューピクセル間の距離と同等であり、
前記複数の指向性光ビームを放射するステップが、複数のカラーエミッタの各カラーエミッタから前記複数の指向性光ビームとして異なる色の光を放射するステップを含み、前記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ(active emitters of the active emitter array)は前記複数のカラーエミッタを備え、それぞれ異なる色の光は前記ライトバルブアレイのライトバルブ内の複数のカラーサブピクセルの異なるカラーサブピクセルの色に対応する、
マルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項17】
前記アクティブエミッタのアレイのアクティブエミッタが白色光を放射する、請求項16に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【請求項18】
前記方法が、
前記ライトバルブアレイに隣接する前記平面基板の表面の反対側の前記平面基板の表面に隣接する広角バックライトを使用して広角放射光を提供するステップであって、前記アクティブエミッタのアレイと前記平面基板の組み合わせは前記広角放射光を透過する、ステップと、
二次元(2D)画像を表示するために前記ライトバルブのアレイを使用して前記広角放射光を変調するステップと、
をさらに含み、
前記マルチビュー画像は、前記複数の指向性光ビームを放射および変調することにより第1のモード中に表示され、前記二次元画像は、前記広角放射光を提供および変調することにより第2のモード中に表示される、
請求項16または17に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月14日に出願された米国仮特許出願第62/505,956号、および2018年5月10日に出願された国際特許出願PCT/US2018/032131号の優先権を主張し、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究または開発に関する記載
該当なし
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは、様々なデバイスや製品のユーザに情報を伝達するためのほぼどこにでもある媒体である。最も一般的に使用されている電子ディスプレイには、ブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネセントディスプレイ(EL)、有機発光ダイオード(OLED)、アクティブマトリックスOLED(AMOLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ(EP)、および電気機械式または電気流体式の光変調を使用する様々なディスプレイ(デジタルマイクロミラーデバイス、エレクトロウェッティングディスプレイなど)が含まれる。一般に、電子ディスプレイは、アクティブディスプレイ(つまり、光を放射するディスプレイ)またはパッシブディスプレイ(つまり、別の光源から提供される光を変調するディスプレイ)に分類できる。アクティブディスプレイの最も明白な例には、CRT、PDP、OLED/AMOLEDがある。放射光を考慮するときに一般的にパッシブとして分類されるディスプレイは、LCDとEPディスプレイである。パッシブディスプレイは、本質的に低消費電力を含むがこれに限定されない魅力的なパフォーマンス特性を示すことがよくあるが、光を放射する能力がないことを考えると、多くの実際のアプリケーションで使用が多少制限され得る。
【0004】
放射光に関連するパッシブディスプレイの制限を克服するために、多くのパッシブディスプレイが外部光源に結合されている。結合された光源は、これらのパッシブディスプレイが光を放射し、実質的にアクティブディスプレイとして機能することを可能にし得る。そのような結合された光源の例は、バックライトである。バックライトは、パッシブディスプレイを照らすためにパッシブディスプレイの背後に配置される光源(多くの場合、パネルバックライト)として機能し得る。例えば、バックライトはLCDまたはEPディスプレイに結合され得る。バックライトは、LCDまたはEPディスプレイを通過する光を放射する。放射された光は、LCDまたはEPディスプレイによって変調され、変調された光は次にLCDまたはEPディスプレイから放射される。多くの場合、バックライトは白色光を放射するように構成されている。次に、カラーフィルタを使用して、白色光をディスプレイで使用される様々な色に変換する。カラーフィルタは、例えば、LCDもしくはEPディスプレイの出力(あまり一般的ではない)、またはバックライトとLCDもしくはEPディスプレイとの間に配置され得る。あるいは、原色などの異なる色を使用するディスプレイのフィールド順次照明により、様々な色を実装してもよい。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載の原理による例および実施形態の様々な特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解することができ、同じ参照番号は同じ構造要素を示す。
本開示は以下の[1]から[20]を含む。
[1]マルチビューバックライトであって、
互いに離間したアクティブエミッタのアレイであって、上記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタは、マルチビューディスプレイのそれぞれの異なるビュー方向に対応する異なる主角方向を有する複数の指向性光ビームとして光を放射するように構成される、アクティブエミッタのアレイ
を備え、
上記アクティブエミッタのサイズは、上記マルチビューディスプレイのマルチビューピクセル内のビューピクセルのサイズに相当し、上記アクティブエミッタアレイ内の隣接するアクティブエミッタ間の距離は、上記マルチビューディスプレイの隣接するマルチビューピクセル間の距離と同等である、
マルチビューバックライト。
[2]上記アクティブエミッタがマイクロ発光ダイオード(μLED)を含む、上記[1]に記載のマルチビューバックライト。
[3]上記アクティブエミッタが有機発光ダイオード(OLED)を含む、上記[1]に記載のマルチビューバックライト。
[4]上記アクティブエミッタが白色光を放射するように構成されている、上記[1]に記載のマルチビューバックライト。
[5]上記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタがそれぞれ複数のカラーエミッタを備え、上記複数のカラーエミッタのカラーエミッタは、上記ビューピクセルサイズに対応するサイズを有し、上記ビューピクセル内の複数のカラーサブピクセルの対応するカラーサブピクセルの色を有する光を放射するように構成されている、上記[1]に記載のマルチビューバックライト。
[6]上記アクティブエミッタの上記カラーエミッタが、上記ビューピクセルサイズの整数倍に、上記ビューピクセルサイズを上記ビューピクセル内のカラーサブピクセルの数で割った値を加えたものに等しい距離だけ、上記アクティブエミッタアレイの行方向に互いにオフセットされ、上記カラーサブピクセルは上記行方向の上記ビューピクセル内に配置されている、上記[5]に記載のマルチビューバックライト。
[7]上記アクティブエミッタのカラーエミッタが、上記マルチビューディスプレイのビューピクセルの行間の中心間距離の整数倍に対応する距離だけ、上記行方向に直交する上記アクティブエミッタアレイの列方向に互いにオフセットされている、上記[6]に記載のマルチビューバックライト。
[8]平面基板をさらに備え、上記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタは、上記平面基板の表面にわたって離間している、上記[1]に記載のマルチビューバックライト。
[9]上記平面基板に隣接する広角バックライトをさらに備え、上記広角バックライトは広角放射光を提供するように構成され、上記平面基板は光学的に透明であり、上記アクティブエミッタのアレイと上記平面基板との組み合わせは、上記広角放射光を透過するように構成されている、上記[8]に記載のマルチビューバックライト。
[10]上記[1]に記載のマルチビューバックライトを備えたディスプレイであって、上記ディスプレイは、上記複数の指向性光ビームの指向性光ビームを変調してマルチビュー画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイをさらに備え、ビューピクセルは、上記ライトバルブのアレイのライトバルブに対応し、マルチビューピクセルは上記ライトバルブのアレイのライトバルブのセットに対応し、上記ディスプレイは上記マルチビューディスプレイである、ディスプレイ。
[11]マルチビューディスプレイであって、
平面基板上の互いに離間したアクティブエミッタのアレイであって、上記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタは、マルチビュー画像の異なるビュー方向に対応する異なる主角方向を有する指向性光ビームを提供するように構成されている、アクティブエミッタのアレイと、
上記指向性光ビームを変調しかつ上記マルチビュー画像を提供するように構成されたライトバルブのアレイであって、上記ライトバルブのアレイは、複数のマルチビューピクセルとして配置されている、ライトバルブのアレイと、
を備え、
上記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタのサイズは、上記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズの半分から2倍の間であり、隣接するアクティブエミッタ間の距離は、隣接するマルチビューピクセル間の距離と同等である、
マルチビューディスプレイ。
[12]上記アクティブエミッタが、マイクロ発光ダイオード(μLED)および有機発光ダイオード(OLED)の一方または両方を含む、上記[11]に記載のマルチビューディスプレイ。
[13]上記ライトバルブアレイの各ライトバルブが、上記ライトバルブアレイの行方向に上記ライトバルブ内に配置された複数のカラーサブピクセルを含み、上記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタは、上記カラーサブピクセルの色に対応する色を有する光を放射するように構成された複数のカラーエミッタを備え、上記色は、赤、緑、および青を含む、上記[11]に記載のマルチビューディスプレイ。
[14]各アクティブエミッタのカラーエミッタが、上記ライトバルブサイズの整数倍に、上記ライトバルブサイズを上記ライトバルブ内のカラーサブピクセルの数で割った値を加えたものに等しい距離だけ、上記ライトバルブアレイの上記行方向に互いにオフセットされ、各アクティブエミッタの上記カラーエミッタは、列方向の上記ライトバルブアレイの行間の中心間距離の整数倍に対応する距離だけ上記行方向に直交する上記ライトバルブアレイの列方向に互いにオフセットされている、上記[13]に記載のマルチビューディスプレイ。
[15]上記平面基板に隣接する広角バックライトをさらに備え、上記広角バックライトは広角放射光を提供するように構成され、上記アクティブエミッタのアレイと上記平面基板の組み合わせは、上記広角放射光を透過するように構成されている、上記[11]に記載のマルチビューディスプレイ。
[16]上記マルチビューディスプレイが、上記アクティブエミッタによって提供されかつ上記ライトバルブアレイによって変調される上記指向性光ビームを使用して、第1のモード中に上記マルチビュー画像を表示するように構成され、上記マルチビューディスプレイは、上記広角バックライトによって提供されかつ上記ライトバルブアレイによって変調された上記広角放射光を使用して、第2のモード中に二次元(2D)画像を表示するように構成されている、上記[15]に記載のマルチビューディスプレイ。
[17]マルチビューディスプレイ動作の方法であって、上記方法が、
平面基板上に間隔を空けて配置されたアクティブエミッタのアレイを使用して複数の指向性光ビームを放射するステップであって、上記複数の指向性光ビームの指向性光ビームは、マルチビュー画像のそれぞれ異なるビュー方向に対応する異なる主角方向を有する、ステップと、
上記マルチビュー画像を表示するために複数のマルチビューピクセルとして配置されたライトバルブのアレイを使用して、上記複数の指向性光ビームを変調するステップと、
を含み、
上記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタのサイズは、上記ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当し、上記アクティブエミッタアレイ内の隣接するアクティブエミッタ間の距離は、隣接するマルチビューピクセル間の距離と同等である、
マルチビューディスプレイ動作の方法。
[18]上記アクティブエミッタのアレイのアクティブエミッタが白色光を放射する、上記[17]に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
[19]上記複数の指向性光ビームを放射するステップが、複数のカラーエミッタの各カラーエミッタから上記複数の指向性光ビームとして異なる色の光を放射するステップを含み、上記アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタは上記複数のカラーエミッタを備え、それぞれ異なる色の光は上記ライトバルブアレイのライトバルブ内の複数のカラーサブピクセルの異なるカラーサブピクセルの色に対応する、上記[17]に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
[20]上記方法が、
上記ライトバルブアレイに隣接する上記平面基板の表面の反対側の上記平面基板の表面に隣接する広角バックライトを使用して広角放射光を提供するステップであって、上記アクティブエミッタのアレイと上記平面基板の組み合わせは上記広角放射光を透過する、ステップと、
二次元(2D)画像を表示するために上記ライトバルブのアレイを使用して上記広角放射光を変調するステップと、
をさらに含み、
上記マルチビュー画像は、上記複数の指向性光ビームを放射および変調することにより第1のモード中に表示され、上記二次元画像は、上記広角放射光を提供および変調することにより第2のモード中に表示される、
上記[19]に記載のマルチビューディスプレイ動作の方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイの斜視図である。
【0007】
図1B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向に対応する特定の主角方向を有する光ビームの角度成分のグラフ表示である。
【0008】
図2A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの断面図である。
【0009】
図2B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの平面図である。
【0010】
図2C】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの斜視図である。
【0011】
図3A】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライトの平面図である。
【0012】
図3B】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューピクセルの一部と共に、図3Aのマルチビューバックライトの一部の平面図を示す図である。
【0013】
図4】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における広角バックライトを含むマルチビューバックライトの断面図である。
【0014】
図5】本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのブロック図である。
【0015】
図6】本明細書で開示される原理と一致する実施形態による、マルチビューディスプレイ動作の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
特定の例および実施形態は、上記で参照された図に示された特徴に加えて、およびその代わりに他の特徴を有する。これらの機能およびその他の機能については、上記で参照した図を参照して以下で詳しく説明する。
【0017】
本明細書に記載の原理による例および実施形態は、電子ディスプレイへのアプリケーションを備えたアクティブエミッタを使用するバックライトを提供する。本明細書の原理と一致する様々な実施形態では、マルチビューバックライトが提供される。マルチビューバックライトは、光を放射するように構成されたアクティブエミッタを備える。アクティブエミッタは、マイクロ発光ダイオード(μLED)または有機マイクロ発光ダイオード(OLED)を含んでもよい。アクティブエミッタは、白色光または色を有する光を放射するように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、アクティブエミッタは、隣接するアクティブエミッタからオフセットされて、部分的に、色縁を低減または抑制することができる。
【0018】
本明細書において、「二次元ディスプレイ」または「2Dディスプレイ」は、画像が見られる方向(すなわち、2Dディスプレイの所定の視野角または範囲内)に関係なく実質的に同じである画像のビューを提供するように構成されるディスプレイとして定義される。スマートフォンやコンピュータモニタに見られる従来の液晶ディスプレイ(LCD)は、2Dディスプレイの例である。対照的に、本明細書において、「マルチビューディスプレイ」は、異なるビュー方向で、または異なるビュー方向からマルチビュー画像の異なるビューを提供するように構成された電子ディスプレイまたはディスプレイシステムとして定義される。特に、異なるビューは、マルチビュー画像のシーンまたはオブジェクトの異なる斜視図を表してもよい。本明細書に記載のマルチビュー画像の表示に適用可能なマルチビューバックライトおよびマルチビューディスプレイの使用には、携帯電話(スマートフォンなど)、時計、タブレットコンピューティング、モバイルコンピュータ(ラップトップコンピュータなど)、パーソナルコンピュータ、コンピュータモニタ、自動車のディスプレイコンソール、カメラディスプレイ、その他の様々なモバイルおよび実質的に非モバイルのディスプレイアプリケーションおよびデバイスが含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
図1Aは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ10の斜視図を示している。図1Aに示すように、マルチビューディスプレイ10は、見るべきマルチビュー画像を表示するスクリーン12を備えている。スクリーン12は、例えば、電話(例えば、携帯電話、スマートフォンなど)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータのコンピュータモニタ、カメラディスプレイ、または実質的に他のデバイスの電子ディスプレイであってもよい。
【0020】
マルチビューディスプレイ10は、スクリーン12に対して異なるビュー方向16でマルチビュー画像の異なるビュー14を提供する。ビュー方向16は、様々な異なる主角方向にスクリーン12から延びる矢印として示され;異なるビュー14は、矢印(すなわち、ビュー方向16を描いている)の終端に影付きの多角形ボックスとして示され;また、4つのビュー14および4つのビュー方向16のみが示されており、これらはすべて例示であって限定ではない。図1Aではスクリーンの上方に異なるビュー14が示されているが、マルチビュー画像がマルチビューディスプレイ10に表示されると、ビュー14は実際にスクリーン12上またはスクリーン12の近くに現れることに留意されたい。スクリーン12の上にビュー14を描くことは、説明を簡単にするためだけであり、特定のビュー14に対応するビュー方向16のそれぞれからマルチビューディスプレイ10を見ることを表すことを意図している。2Dディスプレイは、2Dディスプレイがマルチビューディスプレイ10によって提供されるマルチビュー画像の異なるビュー14とは対照的に、表示画像の単一ビュー(例えば、ビュー14に類似する1つのビュー)を提供するように一般的に構成されることを除いて、マルチビューディスプレイ10に実質的に類似し得る。
【0021】
マルチビューディスプレイのビュー方向に対応する方向を有するビュー方向または同等に光ビームは、一般に、本明細書の定義により、角度成分{θ,φ}によって与えられる主角方向を有する。本明細書では、角度成分θは、光ビームの「仰角成分」または「仰角」と呼ばれる。角度成分φは、光ビームの「方位角成分」または「方位角」と呼ばれる。定義により、仰角θは垂直面の角度(例えば、マルチビューディスプレイ画面の平面に垂直)であり、方位角φは水平面の角度(例えば、マルチビューディスプレイ画面の平面に平行)である。
【0022】
図1Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイのビュー方向(例えば、図1Aのビュー方向16)に対応する特定の主角方向を有する光ビーム20の角度成分{θ,φ}のグラフ表示を示している。加えて、光ビーム20は、本明細書の定義により、特定の点から放射または発散される。すなわち、定義により、光ビーム20は、マルチビューディスプレイ内の特定の原点に関連付けられた中心光線を有する。図1Bは、光ビーム(またはビュー方向)の原点Oも示している。
【0023】
「マルチビュー画像」および「マルチビューディスプレイ」という用語で使用される「マルチビュー」という用語は、本明細書では、異なる視点を表す、または複数のビューのビュー間の角度視差を含む複数のビューとして定義される。加えて、本明細書では、用語「マルチビュー」は、本明細書の定義により、明示的に2つ以上の異なるビュー(例えば、最低3つのビューおよび一般に4つ以上のビュー)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で使用される「マルチビューディスプレイ」は、シーンまたは画像を表すために2つの異なるビューのみを含む立体ディスプレイと明示的に区別するために使用され得る。ただし、マルチビュー画像とマルチビューディスプレイには3つ以上のビューが含まれる可能性があるが、本明細書の定義により、マルチビュー画像は、一度に表示するマルチビューを2つだけを選択して(例えば、片目で1つのビュー)立体画像のペアとして(例えば、マルチビューディスプレイで)見ることができる。
【0024】
「マルチビューピクセル」は、本明細書では、マルチビューディスプレイの同様の複数の異なるビューのそれぞれにおけるビューのピクセルを表すビューピクセルのセットとして定義される。特に、マルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれの特定のビューピクセルに対応する、またはそれを表す個々のビューピクセルを有し得る。さらに、マルチビューピクセルのビューピクセルは、本明細書の定義により、ビューピクセルのそれぞれが、異なるビューの対応するビューの所定のビュー方向に関連付けられるという点で、いわゆる「方向ピクセル」である。さらに、様々な例および実施形態によれば、マルチビューピクセルの異なるビューピクセルは、異なるビューのそれぞれにおいて同等または少なくとも実質的に同様の位置または座標を有し得る。例えば、最初のマルチビューピクセルは、マルチビュー画像の異なるビューのそれぞれで{x,y}に位置するピクセルに対応する個別のビューピクセルを有し得、2番目のマルチビューピクセルは異なるビューのそれぞれで{x,y}に位置するピクセルに対応する個別のビューピクセルを有し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、マルチビューピクセル内のビューピクセルの数は、マルチビューディスプレイのビューの数に等しくてもよい。例えば、マルチビューピクセルは、64個の異なるビューを有するまたは提供するマルチビューディスプレイに関連する64個のビューピクセルを含んでもよい。別の例では、マルチビューディスプレイは8×4アレイのビュー(すなわち32個のビュー)を提供してもよく、マルチビューピクセルは32個のビューピクセル(すなわち各ビューに1つ)を含んでもよい。加えて、それぞれの異なるビューピクセルは、例えば、64個の異なるビューに対応するビュー方向の異なる1つに対応する関連する方向(例えば、光ビームの主角方向)を有してもよい。
【0026】
本明細書では、「コリメータ」は、光をコリメートするように構成された実質的に任意の光学デバイスまたは装置として定義される。様々な実施形態によれば、コリメータによって提供されるコリメーションの量は、所定の程度または量で実施形態ごとに変化してもよい。本明細書では、「コリメーション係数」は、光がコリメートされる度合いとして定義される。特に、コリメーション係数は、本明細書の定義により、コリメートされた光のビーム内の光線の角度広がりを定義する。例えば、コリメーション係数σは、コリメートされた光のビーム内の光線の大部分が特定の角度広がり内にあることを指定してもよい(例えば、コリメートされた光ビームの中心方向または主角方向を中心として+/-σ度)。いくつかの例によれば、コリメートされた光ビームの光線は角度に関してガウス分布を有してもよく、角度広がりはコリメートされた光ビームのピーク強度の半分で決定される角度であってもよい。
【0027】
本明細書では、「アクティブエミッタ」は、アクティブな光源として定義される(例えば、起動されると光を生成および放射するように構成された光エミッタ)。そのため、定義により、アクティブエミッタは別の光源からの光を受け取らない。代わりに、アクティブエミッタは、起動されると直接光を生成する。アクティブエミッタは、本明細書の定義により、電圧または電流などの電源を印加することにより起動され得る。例えば、アクティブエミッタは、起動またはオンにされたときに光を放射する発光ダイオード(LED)などの光エミッタを備えてもよい。例えば、LEDの端子に電圧を印加すると、LEDが起動され得る。特に、本明細書では、光源は、実質的に任意のアクティブな光源であるか、または発光ダイオード(LED)、レーザー、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマベースの光エミッタ、およびマイクロLED(μLED)のうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない実質的に任意のアクティブな光エミッタを備えてもよい。アクティブエミッタによって生成される光は、色を有してもよく(つまり、特定の波長の光を含んでもよい)、または複数の波長もしくは波長範囲(例えば、多色光または白色光)であってもよい。アクティブエミッタによって提供または生成される異なる色の光は、例えば原色(例えば、赤、緑、青)を含み得るが、これらに限定されない。本明細書の定義により、「カラーエミッタ」は、色を有する光を提供するアクティブエミッタである。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタは複数のアクティブエミッタを備えてもよい。例えば、アクティブエミッタは、アクティブエミッタのセットまたはグループを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタのセットまたはグループ内の少なくとも1つのアクティブエミッタは、複数のうちの少なくとも1つの他の光エミッタによって生成される光の色または波長とは異なる色または同等の波長を有する光を生成してもよい。
【0028】
さらに、本明細書の定義により、「広角放射光」のような「広角」という用語は、マルチビュー画像またはマルチビューディスプレイのビューの円錐角より大きい円錐角を有する光として定義される。特に、いくつかの実施形態では、広角放射光は、約60度(60°)より大きい円錐角を有してもよい。他の実施形態では、広角放射光円錐角は、約50度(50°)より大きくても、約40度(40°)より大きくてもよい。例えば、広角放射光の円錐角は約120度(10°)であってもよい。あるいは、広角放射光は、ディスプレイの法線方向に対してプラスマイナス45度よりも大きい(例えば、>±45°)角度範囲を有してもよい。他の実施形態では、広角放射光角度範囲は、プラスマイナス50度より大きくてもよいし(例えば、>±50°)、プラスマイナス60度より大きくてもよいし(例えば、>±60°)、プラスマイナス65度より大きくてもよい(例えば、>±65°)。例えば、広角放射光の角度範囲は、ディスプレイの法線方向の両側で約70度より大きくてもよい(例えば、>±70°)。「広角バックライト」は、本明細書の定義により広角放射光を提供するように構成されたバックライトである。
【0029】
いくつかの実施形態では、広角放射光円錐角は、LCDコンピュータモニタ、LCDタブレット、LCDテレビ、または広角表示(例えば、約±40°~65°)を目的とする同様のデジタル表示装置の視野角とほぼ同じであると定義されてもよい。他の実施形態では、広角放射光は、拡散光、実質的に拡散した光、無指向性の光(すなわち、特定のまたは定義された方向性を欠く)、または単一のもしくは実質的に均一な方向を有する光として特徴付けまたは説明されてもよい。
【0030】
さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち「1つまたは複数」を有することを意図している。例えば、「an active emitter」とは、1つまたはそれ以上のアクティブエミッタを意味し、したがって、「the active emitter」とは、本明細書では「active emitter(s)」を意味する。また、本明細書の任意の参照である「頂部」、「底部」、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「前」、「後ろ」、「第1」、「第2」、「左」または「右」は、本明細書において制限を意図するものではない。本明細書において、「約」という用語は、値に適用される場合、通常、値を生成するために使用される機器の許容範囲内を意味し、特に明記しない限り、プラスまたはマイナス10%、プラスまたはマイナス5%、あるいはプラスまたはマイナス1%を意味してもよい。さらに、本明細書で使用される「実質的に」という用語は、大部分、またはほぼすべて、またはすべて、または約51%から約100%の範囲内の量を意味する。さらに、本明細書の例は、例示のみを目的とするものであり、限定目的ではなく、議論の目的で提示されている。
【0031】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューバックライトが提供される。図2Aは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト100の断面図を示している。図2Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト100の平面図を示している。図2Cは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト100の斜視図を示している。図示されたマルチビューバックライト100は、例えば、マルチビューディスプレイなどの電子ディスプレイのバックライトを提供するために使用されてもよい。特に、マルチビューバックライト100は、指向性光ビーム102を放射または提供するように構成される。様々な実施形態によれば、マルチビューバックライト100によって提供される指向性光ビーム102は、マルチビューディスプレイ、または同等にマルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像のビュー方向に対応する方向を有する。
【0032】
図2A図2Cに示されているマルチビューバックライトは、互いに離間したアクティブエミッタ110のアレイを含む。特に、本明細書の定義により、アレイのアクティブエミッタ110は、有限(すなわち、ゼロではない)エミッタ間距離(例えば、有限の中心間距離)に従って互いに離間している。さらに、いくつかの実施形態によれば、アレイのアクティブエミッタ110は一般に、互いに交差したり、重なり合ったり、さもなければ互いに触れたりしない。このように、アクティブエミッタアレイの各アクティブエミッタ110は一般的に区別され、アレイの他のアクティブエミッタ110から分離されている。いくつかの実施形態において、アクティブエミッタ110は、図2Bおよび図2Cに示されるように、行および列を有する二次元(2D)アレイ(例えば、長方形アレイ)に配置され得る。他の実施形態(図示せず)では、アクティブエミッタ110のアレイは、線形アレイなどの1次元(1D)、または円形アレイを含むがこれに限定されない別の2Dアレイのいずれかであり得る。
【0033】
様々な実施形態によれば、アクティブエミッタ110のアレイのアクティブエミッタ110は、複数の指向性光ビーム102として光を放射または提供するように構成される。さらに、アクティブエミッタ110によって提供される指向性光ビーム102は、マルチビューディスプレイまたは同等にマルチビューディスプレイによって表示されるマルチビュー画像のそれぞれ異なるビュー方向に対応する異なる主角方向を有し得る。図2Aおよび図2Cは、限定ではなく例示として、複数の発散矢印として指向性光ビーム102を示している。
【0034】
様々な実施形態によれば、アクティブエミッタ110のサイズは、マルチビューバックライト100を使用するマルチビューディスプレイのマルチビューピクセル内のビューピクセルのサイズに相当する。本明細書では、「サイズ」は、長さ、幅、または面積を含むがこれらに限定されない様々な方法のいずれかで定義されてもよい。例えば、ビューピクセルのサイズはその長さとすることができ、アクティブエミッタ110の相当するサイズもアクティブエミッタ110の長さとすることができる。この長さは、例えば、隣接するビューピクセル間の中心間距離に相当する場合がある。別の例では、サイズは、アクティブエミッタ110の面積がビューピクセルの面積に相当するような面積を指す場合がある。
【0035】
いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110のサイズは、アクティブエミッタサイズがビューピクセルサイズの約50パーセント(50%)から約200パーセント(200%)になるようにビューピクセルサイズに相当する。例えば、アクティブエミッタサイズが「s」で示され、ビューピクセルサイズが「S」で示される場合(例えば、図2Aに示すように)、アクティブエミッタサイズsを次の式(1)で与えることができる:
【数1】
他の例では、アクティブエミッタサイズは、ビューピクセルサイズの約60パーセント(60%)より大きいか、ビューピクセルサイズの約70パーセント(70%)より大きいか、またはビューピクセルサイズの約80パーセント(80%)より大きいか、またはビューピクセルサイズの約90パーセント(90%)より大きく、アクティブエミッタは、ビューピクセルサイズの約180パーセント(180%)未満であるか、ビューピクセルサイズの約160パーセント(160%)未満であるか、ビューピクセルサイズの約140パーセント(140%)未満であるか、またはビューピクセルサイズの約120パーセント(120%)未満である。例えば、「相当するサイズ」では、アクティブエミッタサイズは、ビューピクセルサイズの約75パーセント(75%)から約150パーセント(150%)になり得る。別の例では、アクティブエミッタ110のサイズはビューピクセルのサイズに相当する場合があり、アクティブエミッタサイズはビューピクセルサイズの約125パーセント(125%)から約85パーセント(85%)である。いくつかの実施形態によれば、アクティブエミッタ110およびビューピクセル106’の相当するサイズは、マルチビューディスプレイのビュー間の暗いゾーンを低減する、またはいくつかの例では最小化すると同時に、マルチビューディスプレイのビュー間のオーバーラップを低減する、またはいくつかの例では最小化するように選択され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110のアレイ内の隣接するアクティブエミッタ110間の距離は、マルチビューバックライト100を使用するマルチビューディスプレイのマルチビューピクセル間の距離に相当する、またはそれと同等である。特に、アクティブエミッタアレイの隣接するアクティブエミッタ110間の距離(例えば、中心間距離)は、隣接するマルチビューピクセル間の中心間距離にほぼ等しくてもよい。中心間距離は、アクティブエミッタ110のアレイのそれぞれの行および列の一方または両方に沿って画定されてもよく、マルチビューピクセルは、例えば、同等のアレイに配置されてもよい。結果として、いくつかの実施形態によれば、マルチビューピクセルと個々のアクティブエミッタ110との間に1対1または一意の対応が存在し得る。
【0037】
限定ではなく例として、図2A図2Cは、本明細書での議論を容易にする目的で、ライトバルブ104のアレイならびにマルチビューピクセル106およびビューピクセル106’をさらに示している。図示されたライトバルブアレイは、例えば、マルチビューバックライト100を使用するマルチビューディスプレイの一部であってもよい。図示されるように、ライトバルブアレイのライトバルブ104は、指向性光ビーム102を変調するように構成される。さらに、図示されるように、異なる主角方向を有する指向性光ビーム102の異なるものが通過し、ライトバルブアレイ内のライトバルブ104の異なるものによって変調され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、アレイのライトバルブ104はビューピクセル106’に対応し、一方、ライトバルブ104のセットはマルチビューピクセル106に対応してもよい。特に、ライトバルブアレイのライトバルブ104の異なるセットは、アクティブエミッタ110の異なるものからの指向性光ビーム102を受け取り、変調するように構成される。そのため、図示のように、各アクティブエミッタ110に対してライトバルブ104の唯一のセットが存在し得る。様々な実施形態では、液晶ライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、およびエレクトロウェッティングに基づくライトバルブのうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない、ライトバルブアレイのライトバルブ104として異なるタイプのライトバルブが使用されてもよい。
【0039】
さらに、図2Aでは、図示のように、ビューピクセル106’のサイズSは、ライトバルブアレイのライトバルブ104の開口サイズに対応する。他の例では、ビューピクセルサイズは、ライトバルブアレイの隣接するライトバルブ104間の距離(例えば、中心間距離)として定義されてもよい。例えば、ライトバルブ104の開口は、ライトバルブアレイ内のライトバルブ104間の中心間距離より小さくてもよい。したがって、ビューピクセルサイズは、他の定義の中でも特に、ライトバルブ104のサイズまたはライトバルブ104間の中心間距離に対応するサイズのいずれかとして定義され得る。また、図2Aでは、アクティブエミッタ110のサイズsは、ビューピクセルサイズSに相当するものとして示されている。
【0040】
いくつかの実施形態では(例えば、図2Aに示すように)、一対の隣接するアクティブエミッタ110間の要素間距離(例えば、中心間距離)は、例えば、ライトバルブセットによって表される、隣接するマルチビューピクセル106の対応する対の間のピクセル間距離(例えば、中心間距離)に等しくてもよい。例えば、図2Aに示すように、第1のアクティブエミッタ110aと第2のアクティブエミッタ110bとの間の中心間距離dは、第1のライトバルブセット104aと第2のライトバルブセット104bとの間の中心間距離Dに実質的に等しく、各ライトバルブセット104a,104bは、異なるマルチビューピクセル106を表す。他の実施形態(図示せず)では、アクティブエミッタ110a,110b(またはアクティブエミッタ110)の対および対応するライトバルブセット104a,104bの相対的な中心間距離は異なっていてもよく、例えば、アクティブエミッタ110は、マルチビューピクセル106を表すライトバルブセット間の間隔(すなわち、中心間距離D)よりも大きいまたは小さい要素間距離(すなわち、中心間距離d)を有してもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110の形状は、マルチビューピクセル106の形状、または同等に、マルチビューピクセル106に対応するライトバルブ104のセット(または「サブアレイ」)の形状に類似している。例えば、アクティブエミッタ110は正方形の形状を有してもよく、マルチビューピクセル106(または対応するライトバルブ104のセットの配置)は実質的に正方形であってもよい。別の例では、アクティブエミッタ110は、長方形の形状を有してもよく、すなわち、幅または横寸法よりも大きい長さまたは縦寸法を有してもよい。この例では、アクティブエミッタ110に対応するマルチビューピクセル106(または同等にライトバルブ104のセットの配置)は、類似の矩形形状を有してもよい。図2B図2Cは、正方形のアクティブエミッタ110と、正方形のライトバルブ104のセットを含む対応する正方形のマルチビューピクセル106を示している。さらに他の例(図示せず)では、アクティブエミッタ110および対応するマルチビューピクセル106は、三角形、六角形、および円形を含むか少なくとも似ているがこれらに限定されない様々な形状を有する。より一般的には、形状は、実質的に任意のタイル構成可能な形状を表してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110は、マイクロ発光ダイオード(マイクロLEDまたはμLED)を備えてもよい。本明細書では、μLEDは、微視的発光ダイオード(LED)、すなわち微視的寸法を有するLEDとして定義される。いくつかの実施形態では、μLEDは、組み合わされたときにビューピクセルサイズに相当するサイズを有する複数のμLEDを備えてもよい。いくつかの実施形態によれば、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110は、有機発光ダイオード(OLED)を備えてもよい。本明細書で定義されるように、OLEDは、電流または同様の電気刺激に応答して光を放射するように構成された有機化合物を含む発光性エレクトロルミネセンスフィルムまたは層を有するエミッタである。他の実施形態では、ビューピクセルサイズに相当するサイズを有する高強度LEDおよび量子ドットLEDなどであるがこれらに限定されない、別のタイプのアクティブ光エミッタをアクティブエミッタ110として使用してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110は、特定の色を有する実質的に単色の光を提供するように構成され得る(すなわち、光は特定の波長の光を含み得る)。他の実施形態では、アクティブエミッタ110は、複数の波長または波長範囲を含む白色光などの多色光を提供するように構成されてもよいが、これに限定されない。例えば、アクティブエミッタ110は、赤色光、緑色光、青色光、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を提供するように構成され得る。別の例では、アクティブエミッタ110は、実質的に白色光である光を提供するように構成され得る(すなわち、アクティブエミッタ110は、白色μLEDまたは白色OLEDであり得る)。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110は、マイクロレンズ、回折格子、または指向性光ビーム102の放射光もしくは同等物のコリメーション(例えば、コリメーション係数による)および偏光制御の一方または両方を提供するように構成される別の光学フィルムまたはコンポーネントを含んでもよい。マイクロレンズ、回折格子、または他の光学フィルムもしくはコンポーネントは、さらにまたは代替的に、指向性光ビーム102の方向を制御するように構成されてもよい。あるいは、例えば、アクティブエミッタアレイとライトバルブアレイとの間の光学層またはフィルムによって、コリメーションおよび偏光制御の一方または両方を提供してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110は、ローカル調光を提供し、第1および第2のアクティブエミッタアレイによる指向性光ビーム生成の切り替えを可能にするために、独立して制御、起動、または電力供給されてもよい。特に、いくつかの実施形態では、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ110は、例えば、第1の時間間隔または特定のモード中に、複数の指向性光ビーム102を選択的に起動することによって提供するように構成され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、マルチビューバックライト100は、カラーマルチビュー画像を提供または表示するように構成されたカラーマルチビューディスプレイに関連付けられてもよい。カラーマルチビューディスプレイでは、異なるライトバルブ104、またはより具体的にはライトバルブ104の異なる部分が異なる色を提供してもよく(例えば、カラーフィルタを使用して)、したがってライトバルブ104の「カラーサブピクセル」と呼ばれることがある。特に、異なる色を表すカラーサブピクセルのセットを互いに隣接して提供して、光を異なる色の光として変調することができる。例えば、光の異なる色および対応するカラーサブピクセルの異なる色は、赤緑青(RGB)カラーモデルの赤、緑、および青であり得る。いくつかの実施形態では、異なる色を表すカラーサブピクセルは、ライトバルブの行に沿って交互に並んでもよい(例えば、赤、緑、青、赤、緑、青など)。これらの実施形態では、ライトバルブ104または同等にマルチビューピクセル106のビューピクセル106’は、ビューピクセル106’の行に沿って同様に交互するカラーサブピクセルのセットによって表されてもよい。したがって、マルチビューピクセル106のビューピクセル106’は、3つのカラーサブピクセル(例えば、赤、緑、および青)のセットによって表されてもよい。他の実施形態(図示せず)では、ビューピクセル106’は、3つよりも多いまたは少ないカラーサブピクセルのセットを含んでもよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、アクティブエミッタ110は、ビューピクセル106’(またはライトバルブ104)のカラーサブピクセルのセットのカラーサブピクセルに対応する色を有する複数のカラーエミッタを備えてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、アクティブエミッタアレイの異なるカラーエミッタは、アクティブエミッタアレイまたはライトバルブアレイの行方向および列方向の一方または両方で互いにオフセットされる。特に、いくつかの実施形態によれば、マルチビューバックライト100に関連付けられたカラーマルチビューディスプレイの色縁を実質的に低減または抑制するように、行方向のオフセットを構成してもよい。
【0047】
図3Aは、本明細書の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューバックライト100の平面図を示している。図3Bは、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューピクセル106の一部と共に、図3Aのマルチビューバックライト100の一部の平面図を示している。特に、図3Aは、マルチビューバックライト100のアクティブエミッタ110を示し、各アクティブエミッタ110は複数のカラーエミッタ112を含む。図3Bでは、マルチビューピクセル106の図示された部分は、複数のカラーエミッタ112を有するアクティブエミッタ110上に重ねられた複数のビューピクセル106’、または同等に複数のライトバルブ104を含む。図3Aおよび図3Bに示される実施形態のマルチビューバックライト100は、例えば、カラーマルチビュー画像を提供または表示するように構成されたカラーマルチビューディスプレイに関連付けられてもよい。
【0048】
図3A図3Bでは、アクティブエミッタ110は、限定ではなく例として、3つの異なる色の光(例えば、赤色光、緑色光、および青色光)のそれぞれに対応する3つのカラーエミッタ112a,112b,112cを含む。さらに、カラーエミッタ112a,112b,112cの3つの異なる色は、図3Bに示されるように、マルチビューピクセル106のビューピクセル106’の3つの異なるカラーサブピクセルの色に対応する。特に、図3Bはビューピクセル106’を示しており、各ビューピクセル106’はそれぞれ、3つの異なるカラーエミッタ112a,112b,112cの赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの異なる色を表す3色のカラーサブピクセルを含む。図3Bのカラーエミッタ112a,112b,112cとビューピクセル106’とを区別するために、クロスハッチングが使用されている。
【0049】
前述のマルチビューバックライト100と同様に、マルチビューバックライト100のアクティブエミッタ110のサイズは、マルチビューバックライト100に関連付けられたマルチビューディスプレイのビューピクセル106’のサイズに相当する。さらに、アクティブエミッタ110が複数のカラーエミッタ112を含む場合、各カラーエミッタ112は、ビューピクセルサイズに相当するサイズを有し得る。図3Aは、上述のアクティブエミッタサイズsに等しいサイズsをそれぞれ有するカラーエミッタ112(例えば、112a,112b,および112c)を示している。図3Bは、カラーエミッタ112のサイズsに相当するビューピクセル106’のサイズSを示している。さらに、アクティブエミッタアレイ内の隣接するアクティブエミッタ110(または同等の同じ色のカラーエミッタ112)間の距離dは、マルチビューディスプレイの隣接するマルチビューピクセル(図3Aには図示せず)間の距離Dと同等である。図3Bは、ビューピクセル106’の行方向に沿って交互するビューピクセル106’のカラーサブピクセルも示している(例えば、R,G,B,R,G,…など)。同様に、図3A図3Bは、異なる色(すなわち、112a=R、112b=G、112c=B)のカラーエミッタ112も行方向に沿って交互に並んでいるのを示している。
【0050】
本明細書では、オフセット、または同等に、隣接するカラーエミッタ112間のオフセットの距離は、隣接するカラーエミッタ112上の同一位置間の距離として定義される。例えば、オフセットは、隣接するカラーエミッタ112間の中心間距離を表してもよい。別の例では、オフセットは、同じ側の隣接するカラーエミッタ112間の距離を表してもよい。いくつかの実施形態では、行方向の隣接するカラーエミッタ112間のオフセットの距離は、ビューピクセルサイズの整数倍に、ビューピクセルサイズをビューピクセル内のカラーサブピクセルの数で割った値を加えたものに等しく、カラーサブピクセルは、ビューピクセル106’内に行方向に配置されている。具体的には、ビューピクセルサイズSを指定し、「p」がビューピクセル106’のカラーサブピクセルの数を示す場合、アクティブエミッタアレイの行に沿ったまたは行方向の隣接するカラーエミッタ112間のオフセットまたはオフセットrの距離は、次の式(2)で与えられる:
【数2】
ここで、「n」は整数である。例えば、図3Aに示されるように、カラーエミッタ112aは、アクティブエミッタアレイの行方向に沿って隣接するカラーエミッタ112bからオフセットされている。ビューピクセル106’は3つのカラーサブピクセル(すなわち、p=3)を含むので、マルチビューバックライト100の隣接するカラーエミッタ112間のオフセットの距離rは、ビューピクセルサイズSの3分の1プラスSである(すなわち、r=S+S/3,n=1と仮定)。換言すれば、図3Bに示されるように、隣接するカラーエミッタ112aおよび112bは、4つのカラーサブピクセルに対応する距離だけ行方向にオフセットされている。同様に、図示のように、隣接するカラーエミッタ112bおよび112cは、行方向に4つのカラーサブピクセルだけオフセットされている。すなわち、各カラーエミッタ112は、ビューピクセルサイズSのサイズに等しいサイズsを有するので、式(2)の結果は、隣接するカラーエミッタ112をカラーサブピクセルの数プラス1だけオフセットすることである。別の実施形態(図示せず)において、整数nがゼロに等しい(すなわち、n=0)場合、隣接するカラーエミッタ112間のオフセットrは、ビューピクセルサイズSの3分の1である(すなわち、r=S/3)。この場合、行方向にオフセットされたカラーエミッタ112は重なっていてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、アクティブエミッタアレイのカラーエミッタ112は、行方向に直交するアクティブエミッタアレイの列方向に互いにオフセットされている。特に、列方向のオフセットの距離は、ビューピクセル106’の、または同等にライトバルブアレイのライトバルブ104の行間の中心間距離の整数倍に対応し得る。図3Aから図3Bは、アクティブエミッタアレイの列方向に沿った隣接するカラーエミッタ間のオフセットを示している。「l」がビューピクセル106’の列間の中心間距離を示す場合、カラーエミッタ(例えば、カラーエミッタ112aとカラーエミッタ112b)の列方向に沿ったオフセット「c」を、次の式(3)で与えることができる:
c=ml (3)
ここで、「m」は整数である。m=1の場合、列方向におけるカラーエミッタ112aとカラーエミッタ112bとの間のオフセットcはl、すなわち例えば図3Bに示されるようにビューピクセル106’の行間の中心間距離に等しい。m=0である別の実施形態(図示せず)では、列方向のカラーエミッタ間のオフセットはゼロであり、すなわち存在しない。そのような実施形態では、カラーエミッタ112aおよびカラーエミッタ112b(および関連するすべてのカラーエミッタ112)は、アクティブエミッタ110のアレイの行に沿って整列してもよい。式(2)で整数nが1以上(つまり、n≧1)である場合、行方向にオーバーラップが存在しないことに留意されたい。
【0052】
再び図2Aを参照すると、いくつかの実施形態では、マルチビューバックライト100は、平面基板120をさらに含むことができる。特に、アクティブエミッタ110は、平面基板120の表面にわたって間隔を空けて配置され得る。平面基板120は、アクティブエミッタ110に電力を供給するための電気的相互接続をさらに備えてもよい。いくつかの実施形態において、平面基板120は、光学的に透明または少なくとも実質的に光学的に透明であるように構成される(すなわち、平面の透明基板であってもよい)。例えば、平面基板120は、平面基板120の第1の側面から第2の側面に光を透過させることができる光学的に透明な材料を含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、電気的相互接続は光学的に透明であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ110のアレイと平面基板120の組み合わせ(例えば、電気的相互接続と共に)は、光学的に透明になるように構成され得る。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、マルチビューバックライト100は、平面基板120に隣接する広角バックライトをさらに備えてもよい。広角バックライトは、広角放射光を提供するように構成されてもよい。さらに、様々な実施形態によれば、アクティブエミッタ110のアレイと平面基板120との組み合わせは、広角放射光を透過するように構成されてもよい。したがって、広角バックライトから広角光が放射され、マルチビューバックライト100の平面基板の厚さを通過することができる。
【0054】
図4は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例における広角バックライト130を含むマルチビューバックライト100の断面図を示している。特に、図4は、反対側の表面に配置されたアクティブエミッタ110を備えた平面基板120の表面に隣接する広角バックライト130を示している。図4は、平面基板120の反対側の表面に隣接するライトバルブ104のアレイをさらに示している。
【0055】
図4の左側に示すように、アクティブエミッタ110を作動させて指向性光ビーム102を提供することにより、マルチビューバックライト100を使用してマルチビュー画像(MULTIVIEW)を提供することができる。あるいは、図4の右側に示すように、アクティブエミッタ110を非起動状態にし、広角バックライト130を起動してライトバルブ104のアレイに広角放射光132を提供することにより、二次元(2D)画像を提供することができる。したがって、広角バックライト130および透過するように構成された平面基板120を含むマルチビューバックライト100は、様々な実施形態に従って、マルチビュー画像の表示と2D画像の表示との間で切り替えることが可能な電子ディスプレイを実装するために使用され得る。本明細書では、アクティブエミッタ110は、クロスハッチングを使用して起動されるものとして示され、クロスハッチングのないアクティブエミッタ110は、非起動状態を表す。
【0056】
本明細書に記載の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイが提供される。マルチビューディスプレイは、様々な実施形態に従って、マルチビュー画像を表示するように構成される。図5は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ200のブロック図を示している。図示されるように、マルチビューディスプレイ200は、アクティブエミッタ210のアレイを含む。いくつかの実施形態によれば、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ210は、平面基板上で互いに離間していてもよい。アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ210は、マルチビュー画像の異なるビュー方向に対応する異なる主角方向を有する指向性光ビーム202を提供するように構成される。マルチビューディスプレイ200は、指向性光ビーム202を変調してマルチビュー画像を提供するように構成されたライトバルブ220のアレイをさらに備える。ライトバルブアレイのライトバルブ220は、複数のマルチビューピクセルとして配置される(すなわち、ライトバルブ220の異なるセットは異なるマルチビューピクセルに対応する)。様々な実施形態によれば、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ210のサイズは、ライトバルブアレイのライトバルブ220のサイズの半分から2倍の間である。さらに、様々な実施形態によれば、隣接するアクティブエミッタ210間の距離は、隣接するマルチビューピクセル間の距離と同等である。
【0057】
いくつかの実施形態では、アクティブエミッタ210のアレイは、マルチビューバックライト100に関して上述したアクティブエミッタ110のアレイと実質的に同様であってもよい。特に、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ210は、マイクロ発光ダイオード(μLED)および有機発光ダイオード(OLED)の一方または両方を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ライトバルブ220のアレイは、上述のマルチビューバックライト100のライトバルブ104のアレイと実質的に同様であってもよい。特に、ライトバルブアレイの各ライトバルブ220は、ライトバルブアレイの行方向にライトバルブ内に配置された複数のカラーサブピクセルを含んでもよい。さらに、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタ210は、カラーサブピクセルの色に対応する色を有する光を放射するように構成された複数のカラーエミッタを備えてもよい。例えば、色には赤、緑、青が含まれてもよい。いくつかの実施形態では、カラーエミッタは、アクティブエミッタ110のカラーエミッタ112と実質的に同様であってもよい。いくつかの実施形態において、平面基板は、マルチビューバックライト100に関して上述した平面基板120と実質的に同様であってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、各アクティブエミッタ210のカラーエミッタは、ライトバルブサイズの整数倍に、ライトバルブサイズをライトバルブ内のカラーサブピクセルの数で割った値を加えたものに等しい距離だけ、ライトバルブアレイの行方向に互いにオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各アクティブエミッタ210のカラーエミッタは、列方向のライトバルブアレイの行間の中心間距離の整数倍に対応する距離だけ、行方向に直交するライトバルブアレイの列方向に互いにオフセットされてもよい。
【0059】
いくつかの実施形態(図示せず)では、マルチビューディスプレイ200は、平面基板に隣接する広角バックライトをさらに備える。広角バックライトは、広角放射光を提供するように構成されてもよい。様々な実施形態によれば、アクティブエミッタ210のアレイと平面基板との組み合わせは、広角放射光を透過するように構成される。いくつかの実施形態では、広角バックライトは、上述のマルチビューバックライト100の広角バックライト130と実質的に同様であってもよい。広角バックライトを含むいくつかの実施形態では、マルチビューディスプレイ200は、アクティブエミッタ210によって提供されかつライトバルブアレイによって変調される指向性光ビーム202を使用して、第1のモード中にマルチビュー画像を表示するように構成される。さらに、マルチビューディスプレイ200は、広角バックライトによって提供されかつライトバルブアレイによって変調された広角放射光を使用して、第2のモード中に二次元(2D)画像を表示するように構成され得る。
【0060】
本明細書の原理のいくつかの実施形態によれば、マルチビューディスプレイ動作の方法が提供される。図6は、本明細書に記載の原理と一致する実施形態による、一例におけるマルチビューディスプレイ動作の方法300のフローチャートを示している。この方法は、平面基板上に間隔を空けて配置されたアクティブエミッタのアレイを使用して複数の指向性光ビームを放射するステップ310を含む。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタは、上述のマルチビューバックライト100のアクティブエミッタ110と実質的に同様である。特に、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタは、マルチビュー画像の異なるビュー方向に対応する主角方向を有する指向性光ビームを提供するように構成される。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタは、白色光を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタは、色を有する光を提供するように構成される。
【0061】
方法300は、マルチビュー画像を表示するために複数のマルチビューピクセルとして配置されたライトバルブのアレイを使用して複数の指向性光ビームを変調するステップ320をさらに含む。ライトバルブのアレイは、マルチビューバックライト100に関して前述したライトバルブ104のアレイと実質的に同様であってもよい。特に、平面基板上のアクティブエミッタのアレイからの指向性光ビームは、ライトバルブアレイの個々のライトバルブを通過して変調され(320)、マルチビュー画像のビューを表す変調された指向性光ビームを提供することができる。様々な実施形態によれば、異なる主角方向を有する指向性光ビームの異なるものは、ライトバルブアレイ内のライトバルブの異なるものを通過して変調される(320)ように構成される。
【0062】
さらに、様々な実施形態によれば、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタのサイズは、ライトバルブアレイのライトバルブのサイズに相当する。具体的には、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタのサイズは、ライトバルブのアレイのライトバルブのサイズの半分から2倍の間であってもよい。加えて、様々な実施形態によれば、アクティブエミッタアレイ内の隣接するアクティブエミッタ間の距離は、隣接するマルチビューピクセル間の距離と同等である。特に、アレイの隣接する一対のアクティブエミッタ間の要素間距離(例えば、中心間距離)は、例えばライトバルブセットで表される、一対の対応する隣接マルチビューピクセル間のピクセル間距離(例えば、中心間距離)に等しくてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、ライトバルブアレイの各ライトバルブは、ライトバルブアレイの行方向にライトバルブ内に配置された複数のカラーサブピクセルを含む。特に、赤緑青(RGB)を表すカラーサブピクセルのセットは、ライトバルブアレイ内で互いに隣接して提供されてもよい。例えば、異なる色を表すカラーサブピクセルは、ピクセルの行に沿って交互に並んでもよい(例えば、赤、緑、青、赤、緑、青など)。
【0064】
いくつかの実施形態では、複数の指向性光ビームを放射するステップは、複数のカラーエミッタの各カラーエミッタから複数の指向性光ビームとして異なる色の光を放射するステップを含み、アクティブエミッタアレイのアクティブエミッタは複数のカラーエミッタを備え、それぞれ異なる色の光はライトバルブアレイのライトバルブ内の複数のカラーサブピクセルの異なるカラーサブピクセルの色に対応する。ライトバルブアレイ内で互いに隣接して提供されるカラーサブピクセルのセットが赤、緑、および青を表す実施形態では、カラーエミッタによって放射される色は、赤、緑、および青を対応して含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態(図示せず)では、方法300は、ライトバルブアレイに隣接する平面基板の表面に対向する平面基板の表面に隣接する広角バックライトを使用して広角放射光を提供するステップをさらに含む。広角バックライトは、マルチビューディスプレイの平面基板に向けて広角光を提供するように構成される。様々な実施形態において、アクティブエミッタのアレイと平面基板の組み合わせは、広角放射光に対して透明である。結果として、広角バックライトからの広角光は、平面基板の厚さを透過し、放射広角光として平面基板によって放射される。
【0066】
いくつかの実施形態(図示せず)では、方法300は、ライトバルブのアレイを使用して広角放射光を変調し、二次元(2D)画像を表示するステップをさらに含む。前述のように、複数の指向性光ビームを放射および変調することにより、第1のモード中にマルチビュー画像を表示することができる。さらに、広角放射光を提供および変調することにより、第2のモード中に二次元画像を表示することができる。
【0067】
このように、マルチビューバックライト、マルチビューディスプレイ、およびアクティブエミッタを備えるバックライト動作の方法の例および実施形態を説明した。上記の例は、本明細書に記載の原理を表す多くの特定の例の一部を単に例示するものであることを理解されたい。明らかに、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく、多数の他の構成を容易に考案することができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6