(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】対象物検証方法、装置、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20220615BHJP
【FI】
G06T7/00 300E
G06T7/00 510F
(21)【出願番号】P 2020564143
(86)(22)【出願日】2019-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2019085938
(87)【国際公開番号】W WO2019218905
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-01-12
(31)【優先権主張番号】201810458318.2
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】チェン チン
【審査官】真木 健彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-141542(JP,A)
【文献】特開2004-078891(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107491674(CN,A)
【文献】特開2004-078686(JP,A)
【文献】特開2017-028407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物検証方法であって、
第1対象物のアイデンティティを検証するための検証要求を受信することと、
前記検証要求が出されている前記第1対象物が、自身の識別結果が正しい結果から逸脱している、誤認識される可能性のある対象物かどうかを決定することと、
前記第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物である場合、
前記第1対象物に関連する、誤認識される可能性のレベルが閾値を超えるかどうかを決定することと、
前記誤認識される可能性のレベルが前記閾値を超える場合、前記検証要求を停止することと、
前記誤認識される可能性のレベルが前記閾値よりも低い場合、
前記第1対象物に複数の行動を実行させるように命令するように構成されている複数の取得命令を発行することと、
前記第1対象物の画像情報を取得することと、
比較結果を得るために、前記第1対象物の前記取得された画像情報を、前記第1対象物の予め格納されている画像と前記第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を備えている、予め定義されている条件を満足する画像と比較することと、
前記第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物でない場合、前記第1対象物が前記検証をパスするかどうかを決定するために、取得された画像情報を、前記第1対象物の前記予め格納されている画像と比較することと、
前記比較結果に基づいて、前記第1対象物が検証をパスするかどうかを決定することを備えている方法。
【請求項2】
前記比較結果を得るために、前記第1対象物の前記取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較することは、
第1類似性値を得るために、前記第1対象物の前記取得された画像情報と、前記第1対象物の前記予め格納されている画像との間の類似性を計算することと、
第2類似性値を得るために、前記第1対象物の前記取得された画像情報と、前記第2対象物の前記予め格納されている画像との間の類似性を計算することを備えており、
前記第1類似性値は、前記第1対象物の自己類似性を表わすように構成されており、前記第2類似性値は、前記第1対象物と前記第2対象物との間の類似性を表わすように構成されている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較結果に基づいて、前記第1対象物が前記検証をパスするかどうかを決定することは、
前記第1類似性値を前記第2類似性値と比較することと、
前記第1類似性値が前記第2類似性値以上の場合、前記第1対象物は前記検証をパスすると決定することと、
前記第1類似性値が前記第2類似性値より小さい場合、前記第1対象物は前記検証に失敗すると決定することを備えている請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1対象物の前記予め格納されている画像は、異なる時間に取得された複数の第1サブ画像を備えており、前記第1類似性値を得るために、前記第1対象物の前記取得された画像情報と、前記第1対象物の前記予め格納されている画像との間の類似性を計算することは、
複数の第1サブ類似性値を得るために、前記第1対象物の前記画像情報と、前記第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および前記複数の第1サブ類似性値の平均値を前記第1類似性値として計算すること、または、
複数の第1サブ類似性値を得るために、前記第1対象物の前記画像情報と、前記第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および前記複数の第1サブ類似性値の最大値を前記第1類似性値として選択すること、または、
複数の第1サブ類似性値を得るために、前記第1対象物の前記画像情報と、前記第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および前記複数の第1サブ類似性値の最大分散を前記第1類似性値として計算すること、または、
複数の第1サブ類似性値を得るために、前記第1対象物の前記画像情報と、前記第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および前記複数の第1サブ類似性値の最小値を前記第1類似性値として選択すること、または、
複数の第1サブ類似性値を得るために、前記第1対象物の前記画像情報と、前記第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および前記複数の第1サブ類似性値の最小分散を前記第1類似性値として計算することを備えている請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2対象物の前記予め格納されている画像は、異なる時間に取得された複数の第2サブ画像を備えており、前記第2類似性値を得るために、前記第1対象物の前記取得された画像情報と、前記第2対象物の前記予め格納されている画像との間の類似性を計算することは、
複数の第2サブ類似性値を得るために、前記第1対象物の前記画像情報と、前記第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および前記複数の第2サブ類似性値の平均値を前記第2類似性値として計算すること、または、
複数の第2サブ類似性値を得るために、前記第1対象物の前記画像情報と、前記第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および前記複数の第2サブ類似性値の最大値を前記第2類似性値として選択すること、または、
複数の第2サブ類似性値を得るために、前記第1対象物の前記画像情報と、前記第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および前記複数の第2サブ類似性値の最大分散を前記第2類似性値として計算すること、または、
複数の第2サブ類似性値を得るために、前記第1対象物の前記画像情報と、前記第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および前記複数の第2サブ類似性値の最小値を前記第2類似性値として選択すること、または、
複数の第2サブ類似性値を得るために、前記第1対象物の前記画像情報と、前記第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および前記複数の第2サブ類似性値の最小分散を前記第2類似性値として計算することを備えている請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の取得命令は、前記第1対象物の複数の第1画像情報を取得することと、複数の比較結果を得るために、前記複数の第1画像情報のそれぞれを、前記予め定義されている条件を満足する画像と比較することを誘発する請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の比較結果の中の同一の比較結果の数が所定の閾値を超える場合、前記第1対象物は前記検証をパスすると決定する請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
対象物検証装置であって、
第1対象物の画像情報を取得するように構成されている取得モジュールと、
比較結果を得るために、前記第1対象物の前記取得された画像情報を、前記第1対象物の予め格納されている画像と前記第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を備えている、予め定義されている条件を満足する画像と比較するように構成されている比較モジュールと、
前記比較結果に基づいて、前記第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するように構成されている決定モジュールを備え
、
前記比較モジュールは、
前記第1対象物のアイデンティティを検証するための検証要求を受信することと、
前記検証要求が出されている前記第1対象物が、自身の識別結果が正しい結果から逸脱している、誤認識される可能性のある対象物かどうかを決定することと、
前記第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物である場合、
前記第1対象物に関連する、誤認識される可能性のレベルが閾値を超えるかどうかを決定することと、
前記誤認識される可能性のレベルが前記閾値を超える場合、前記検証要求を停止することと、
前記誤認識される可能性のレベルが前記閾値よりも低い場合、
前記第1対象物に複数の行動を実行させるように命令するように構成されている複数の取得命令を発行することと、
前記第1対象物の画像情報を取得することと、
前記第1対象物の前記取得された画像情報を、前記予め定義されている条件を満足する画像と比較することと、
前記第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物でない場合、前記第1対象物が前記検証をパスするかどうかを決定するために、取得された画像情報を、前記第1対象物の前記予め格納されている画像と比較することと、
を実行するように更に構成されている装置。
【請求項9】
プログラムを格納するように構成されている格納媒体であって、前記格納媒体を備えている装置は、前記プログラムが実行されると、
請求項1に記載の対象物検証方法を実行するように構成されている格納媒体。
【請求項10】
プロセッサを備えているモバイル装置であって、前記プロセッサは、
請求項1に記載の対象物検証方法を実行するためのプログラムを実行するように構成されているモバイル装置。
【請求項11】
対象物検証システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されているメモリであって、前記メモリは前記プロセッサに、
請求項1に記載の対象物検証方法を実行するための命令を提供するように構成されている対象物検証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年5月14に出願された、「対象物検証方法、装置、およびシステム」というタイトルの、中国特許出願第201810458318.2号の優先権を主張するものであり、その全体は、ここにおいて参照文献として組み込まれる。
【0002】
本願は、画像認識の分野に関し、より特別には、対象物検証方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
パスワード、SMSメッセージなどに基づく従来のアイデンティティ検証技術は、セキュリティが低く、ユーザ体感が満足すべきものではないなどの欠点を有している。それと比較して、種々のバイオメトリック(生物測定に基づく)特性に基づくアイデンティティ検証技術は、セキュリティ、利便性、および迅速性の利点を有し、そのため、急速に発展しているインターネット技術と共に、我々の日常生活において幅広い用途を見出している。バイオメトリック特性に基づくそのようなアイデンティティ検証技術の1つとして、顔認識が、支払およびオフィス入室監視などのような日常生活の適用の広い範囲で使用されている。
【0004】
しかし、既存の顔認識技術は、非常に似ている人間(例えば、双子)間の区別にしばしば失敗し、例えば、子供が、彼自身/彼女自身のための支払を行うために、彼/彼女の父親の支払ツールにおいて顔認識システムを欺き、または双子の姉妹の1人が、双子の他方の入室を装って、双子の他方の会社の顔認識システムを欺く可能性を残している。特に、便利な支払の適用においては、顔誤認識は、財政的損失のより高いリスクに繋がり得る。
【0005】
現在まで、既存の顔認識技術の低精度問題に対しては、効果的な解決策は提案されていない。
【発明の概要】
【0006】
本願の実施形態においては、既存の顔認識技術における低精度問題を少なくとも解決するために、対象物検証方法、対象物検証装置、および対象物検証システムが提供される。
【0007】
本発明の実施形態の1つの態様によれば、対象物検証方法が提供され、方法は、第1対象物の画像情報を取得することと、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を備えている、予め定義されている条件を満足する画像と比較することと、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定することを備えている。
【0008】
本発明の実施形態の他の態様によれば、対象物検証装置が提供され、装置は、第1対象物の画像情報を取得するように構成されている取得モジュールと、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を備えている、予め定義されている条件を満足する画像と比較するように構成されている比較モジュールと、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するように構成されている決定モジュールを備えている。
【0009】
本発明の実施形態の更なる態様によれば、プログラムを格納するように構成されている格納媒体が提供され、この格納媒体を備えている装置は、プログラムが実行されると、下記の、第1対象物の画像情報を取得するステップと、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を備えている、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップと、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを実行するように構成されている。
【0010】
本発明の実施形態の更なる態様によれば、プロセッサを備えているモバイル装置が提供され、プロセッサは、第1対象物の画像情報を取得するステップと、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を備えている、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップと、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを実行するためのプログラムを実行するように構成されている。
【0011】
本発明の実施形態の更なる態様によれば、対象物検証システムが提供され、対象物検証システムはプロセッサと、プロセッサに接続されているメモリを備えており、メモリはプロセッサに、第1対象物の画像情報を取得するステップと、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を備えている、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップと、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを実行するための命令を提供するように構成されている。
【0012】
本発明の実施形態の更なる態様によれば、対象物検証方法が提供され、方法は、第1対象物の画像情報を取得することと、第1対象物の画像情報に基づいて、第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物を識別することと、比較結果を得るために、第1対象物の画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像および第2対象物の予め格納されている画像それぞれと比較することと、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定することを備えている。
【0013】
本願の実施形態においては、多数の比較が行われる。第1対象物の取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較することにより得られる比較結果は、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するための根拠としての役割を果たす。予め定義されている条件を満足する画像は、第1対象物の予め格納されている画像と、第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を含んでいる。このようにして、削減された顔誤認識率が達成され、改良された情報セキュリティという結果になる。これは、従来の顔認識技術における低精度問題を解決する。
【0014】
ここにおいて記述されている付随する図面は、本出願の一部を構成し、出願の理解を容易にする目的のために提示されている。本出願の例としての実施形態およびその記述は例であり、出願を不当に制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本願の実施形態に係る対象物検証方法のフローチャートである。
【
図2】本願の実施形態に係る対象物検証方法に基づく、オプションとしての顔認識製品の動作のフローチャートである。
【
図3】本願の好適な実施形態に係る対象物検証方法のフローチャートである。
【
図4】本願の実施形態に係る対象物検証装置の構造模式図である。
【
図5】本願の実施形態に係るコンピュータ端末のハードウェアアーキテクチャを示しているブロック図である。
【
図6】本願の実施形態に係る対象物検証方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
当業者が、本出願の主題をより良好に理解するために、本出願の実施形態が、付随する図面を参照して下記に明確且つ完全な方法で記述される。明白なことであるが、ここにおいて記述される実施形態は、出願の実施形態の一部に過ぎず、すべてではない。創造的努力をせずに、開示される実施形態に基づいて当業者により得られる如何なる、およびすべての他の実施形態は、本出願の保護範囲に含まれることが意図されている。
【0017】
本出願の記述、請求項、および図面における「第1の」、「第2の」などのような用語は、類似の要素を区別するために使用されており、必ずしも、特別な連続的または時系列な順序に記述するためではないということに留意すべきである。そのように使用されている用語は、ここにおいて記述されている本出願の実施形態が、ここにおいて例示されている、または記述されている以外の順序で動作可能なような適切な状況においては、入れ換えることができるということは理解されるべきである。更に、「含む」、「備える」、および「有する」という用語、およびその変形例は、非排他的包含をカバーすることが意図されており、要素またはステップのリストを備えているプロセス、方法、システム、製品、または装置は、必ずしもそれらのリストに記載された要素に制限されず、そのようなプロセス、方法、システム、製品、または装置に明示的にリストされていない、またはそれらに固有の他の要素またはステップも含むことができる。
【0018】
まず第1に、本出願の実施形態の記述において出現する可能性のある幾つかのフレーズと用語は下記のように説明される。
「顔認識」とは、顔の特徴に基づいて人間を識別するためのバイオメトリック認識技術である。現在では、ディープラーニングアルゴリズムを、大量の人間の顔画像データに基づいて、目的の対象物のアイデンティティを決定するために使用できる。
「顔誤認識」とは、人間の顔を正しく認識する顔認識技術の失敗のことであり、誤った一致判断に繋がる。例えば、1,000回の顔画像認識の試行のうち10回が誤った解答を出した場合、誤認識率は1%と定義できる。
「顔認識管理」とは、顔認識製品のカバレッジ、パスレート、セキュリティの管理のことである。顔認識管理は本質的には、(i)顔認識製品のカバレッジに主に関連する顔認識製品の制約と、(ii)顔認識製品のパスレートおよびユーザ体感に主に関連する顔認識製品の相互作用機構と、(iii)顔認識製品のパスレートに主に関連する顔認識製品の顔比較機構と、(iv)顔認識製品のパスレートとセキュリティに主に関連する顔認識製品の比較結果に基づく処理から構成されている。
「誤認識される可能性のある人間」とは、顔画像、IDカード番号および名前が他の人間と非常に類似している人間のことである。誤認識される可能性のある人間は、誤認識される可能性が高い人間を含んでいる。例えば、人間AとBの両者が、顔の認識製品に予め格納されている人間Aの顔画像と95%類似している場合、彼らは、誤認識される可能性が高い人間と識別できる。誤認識される可能性の高い人間とは、主に双子および他の多胎児を含んでいる。
第1実施形態
【0019】
本出願の実施形態においては、対象物検証方法が提供される。付随する図面におけるフローチャートに示されているステップは、例えば、コンピュータシステムにおけるコンピュータ実行可能命令のセットを実行することにより実行できるということに留意すべきである。追加的に、論理的な順序がフローチャートにおいて示されているが、幾つかの状況においては、ステップは、ここにおいて示され、または記述されている以外の他の順序でも実行できる。
【0020】
加えて、本出願において提供される対象物検証方法は、特に、双子の兄弟または姉妹、または両親および彼らの子供などのような、類似している顔の特徴を有する人間に対して、削減された誤認識率での顔認識を可能にする。
【0021】
本出願において提供される対象物検証方法は、支払およびオフィス入室監視などのような適用において広く使用できるということにも留意すべきである。本出願において提供される対象物検証方法は、例として支払の適用におけるその使用法と共に下記に要約される。製品の購入を所望するユーザAが、彼/彼女のモバイルフォン上に表示されている支払ボタンをクリックすると仮定すると、彼/彼女は、支払インタフェースに進むことになる。従って、モバイルフォンは、ユーザAの顔画像を取得するためにカメラを起動し、それに基づいて、ユーザAがご認識される可能性のある人間かどうかを決定する。ユーザAは誤認識される可能性のある人間ではないと決定されると、この技術における従来の顔認識方法が、支払を完了するためにユーザAの顔を認識するために使用される。ユーザAは誤認識され得る人間であると決定されると、彼/彼女は、誤認識される可能性が高い人間であるかどうかが更に決定される。ユーザAが誤認識される可能性の高い人間であると決定されると、ユーザAは、支払を顔認識で完了することが可能とされないということが通知され、ユーザAは、この目的のためのパスワードを入力しなければならない。ユーザAは誤認識される可能性のある人間であるが、誤認識される可能性の高い人間ではないと決定されると、第1比較結果が、彼/彼女の画像情報を、支払ソフトウェアアプリケーションに予め格納されている画像と比較することにより得られ、そして、第2比較結果が、彼/彼女の画像情報を、支払ソフトウェアアプリケーションに予め格納されているユーザBの画像と比較することにより得られる。引き続いて、第1および第2比較結果は、ユーザAが顔認識で支払を完了することが可能とされるかどうかを決定するための根拠としての役割を果たす。
【0022】
本出願において提供される対象物検証方法において実行される上記の多数回の比較は、削減された顔誤認識率というだけでなく、増大された情報セキュリティという結果をもたらすことができる。
【0023】
本出願において提供される対象物検証方法は、モバイル端末、コンピュータ端末などのような画像を取得できる装置において動作できる。モバイル端末は、下記に制限されないが、モバイルフォン、タブレットなどであることができる。
【0024】
具体的には、
図1は、本出願の実施形態に係る、上記の動作環境における使用のための対象物検証方法のフローチャートである。
図1において示されているように、対象物検証方法は以下に記述されるステップを含むことができる。
【0025】
ステップS102、第1対象物の画像情報を取得する。
【0026】
ステップS102において、第1対象物の画像情報が、画像を取得できる装置により取得される。装置は、下記に制限されないが、コンピュータ端末、モバイル端末などであることができる。装置は、第1対象物の予め格納されている画像をクラウドサーバから得ることができる。加えて、第1対象物の画像情報は、顔の特徴の相対的な位置、顔の形状などのような、第1対象物の少なくとも顔画像情報を含んでいる。第1対象物は、他の対象物に類似している1つ以上の特徴を有することができる。例えば、双子であるユーザAとBに対して、ユーザAは第1対象物として見なすことができる。
【0027】
オプションとして、第1対象物は、顔認識により支払を完了することを所望しているユーザであることができる。ユーザが、ショッピングソフトウェアアプリケーション上で注文した後、または支払ソフトウェアアプリケーション(例えば、WeChatまたはバンキングソフトウェアアプリケーション)を直接起動した後、支払インタフェースまで進んだとき、彼/彼女のモバイル端末におけるカメラは起動され、ユーザの画像情報を取得し、取得された画像は、モバイル端末の画面上に表示される。そして、モバイル端末は、取得された画像が、ユーザの顔を含んでいるかどうか、およびそれが有効であるかどうかを検出する。モバイル端末がその画像はユーザの顔を含んでいないと判断すると、モバイル端末は、ユーザにその画像情報を再び取得するように促す。モバイル端末が、画像はユーザの顔を含んでいるが、それは無効であると判断すると(例えば、画像においてユーザの1つの耳しか映っていない)、モバイル端末は、ユーザにその画像情報を再び取得するように促す。
【0028】
ステップS104、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較する。予め定義されている条件を満足する画像は、第1対象物の予め格納されている画像および第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を含んでいる。
【0029】
モバイル端末は、クラウドサーバから、第1および第2対象物の予め格納されている画像を得ることができるということに留意すべきである。予め定義されている条件は、少なくとも下記の1つを含むことができる。
第1対象物の画像情報の、予め格納されている画像との類似性の程度は、第1所定の類似性の程度より高いことを示している条件。
第1対象物のプロファイル情報の、予め格納されている情報との類似性の程度は、第2所定の類似性の程度より高いことを示す条件。および
第1対象物のプロファイル情報の、予め格納されている情報との相関の程度度は、第3類似性の程度よりも高いことを示している条件。
【0030】
オプションとしての例においては、モバイル端末は、第1対象物の画像情報を得て、第1対象物の取得された画像情報をクラウドサーバに送信する。クラウドサーバは、第1対象物の画像情報を、複数の予め格納されている画像と比較し、それに対する類似性の程度を決定し、そして、類似性の程度が、第1所定の類似性の程度よりも高い、予め格納されている画像は何れも選択してモバイル端末に送る。
【0031】
他のオプションとしての例においては、モバイル端末は、第1対象物の画像情報を得て、第1対象物の取得された画像情報をクラウドサーバに送信する。クラウドサーバは、画像情報に基づいて第1対象物のプロファイル情報(例えば、名前、IDカード番号)を決定し、第1対象物のプロファイル情報を、予め格納されているプロファイル情報と比較する。プロファイル類似性の程度は、比較により決定され、プロファイル類似性の程度が第2類似性の程度より高い、予め格納されているプロファイル情報は何れも選択される。引き続いて、予め格納されている画像が、選択された予め格納されているプロファイル情報に基づいて得られ、モバイル端末に送信される。双子または他の多胎児は、名前またはIDカード番号において類似する傾向があるので、このアプローチは、彼らが双子または多胎児であるというそのような第1対象物との関係を有する第2対象物の予め格納されている画像を効果的に識別できるということに留意すべきである。
【0032】
更なる他のオプションとしての例においては、モバイル端末は、第1対象物の画像情報を得て、第1対象物の取得された画像情報をクラウドサーバに送信する。クラウドサーバは、第1対象物のプロファイル情報(例えば、名前、ID文書番号、世帯登録情報)を、その画像情報に基づいて決定し、第1対象物のプロファイル情報を、予め格納されているプロファイル情報と比較する。プロファイル相関の程度は比較により決定され、プロファイル相関の程度が第3類似性の程度よりも高い、予め格納されているプロファイル情報は何れも選択される。引き続いて、予め格納されている画像が、選択された予め格納されているプロファイル情報に基づいて得られ、モバイル端末に送信される。両親および彼らの子供は、名前、IDカード番号、および世帯登録情報において相関がある傾向があるので、このアプローチは、第1対象物にそのように相関している第2対象物の予め格納されている画像を効果的に識別できるということに留意すべきである。
【0033】
更に、前述の3つのアプローチは互いに任意に組み合わせることができ、または、ここにおいては言及されていない他の可能なアプローチと組み合わせることができるということも留意すべきであり、その詳細な記述はここにおいては省略する。
【0034】
ステップS106、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定する。
【0035】
オプションとしての例においては、モバイル端末は、比較により、第1対象物の画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を表わしている第1類似性値と、第1対象物の画像情報と第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を表わしている第2類似性値を得ることができ、第1および第2類似性値に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定する。オプションとして、第1類似性値が第2類似性値よりも大きい場合、第1対象物は検証をパスすると決定され、従って、第1対象物は、支払を完了することが可能となる。第1類似性値が第2類似性値より小さい場合、第1対象物は検証に失敗すると決定される。この場合、モバイル端末はユーザに、失敗と、パスワードを入力することにより支払を完了する可能性について通知することができる。
【0036】
ステップS102からS106に基づいて、第1対象物の画像情報が取得された後、比較結果が、第1対象物の得られた画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較することにより得られ、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかが決定される。予め定義されている条件を満足する画像は、類似の特徴を有している第1および第2対象物の予め格納されている画像を含んでいる。
【0037】
本出願は、検証される対象物を、類似の特徴を有している他の対象物から区別することを目的としているということは容易に認識されるであろう。このプロセスにおいて、検証される対象物の画像情報は、それ自身の予め格納されている画像とも比較される。検証される対象物の、それ自身の予め格納されている画像との類似性は、如何なる他の対象物との類似性よりも高いので、本出願において提案される方法は、類似の特徴を有する対象物を効果的に区別でき、そのため、削減された顔誤認識率および、より高い情報セキュリティを達成できる。
【0038】
従って、本出願の上記の実施形態は、従来の顔認識技術における低精度問題を解決する。
【0039】
第1対象物の取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較することによる比較結果をモバイル端末により得ることは、
ステップS1040、第1類似性値を得るために、第1対象物の取得された画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算することと、および
ステップS1042、第2類似性値を得るために、第1対象物の取得された画像情報と、第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算することを含むことができるということに留意すべきである。
【0040】
第1類似性値は、第1対象物の自己類似性を表わし、第2類似性値は、第1対象物と第2対象物との間の類似性を表わしているということに留意すべきである。
【0041】
オプションとしての例においては、第1対象物の画像情報が取得された後、モバイル端末は、画像情報をクラウドサーバに送信できる。クラウドサーバは、この画像情報に基づいて、第1対象物の予め格納されている画像と、第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を得る。そのような第2対象物は多数あることがあり得る。そこでクラウドサーバは、第1および第2対象物の予め格納されている画像をモバイル端末に送る。モバイル端末は、第1および第2対象物の予め格納されている画像を受信した後に、第1および第2類似性値を計算する。
【0042】
更に、第1および第2類似性値を得た後、モバイル端末は、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定する。具体的には、モバイル端末は、第1類似性値を第2類似性値と比較できる。第1類似性値が第2類似性値以上の場合、第1対象物は検証をパスすると決定される。第1類似性値が第2類似性値より小さい場合、第1対象物は検証に失敗すると見なされる。オプションとして、第1対象物が検証をパスした場合、第1対象物は、モバイル端末を介して支払を完了することが可能とされる。第1対象物が検証に失敗した場合、モバイル端末は、第1対象物に失敗および他の試みの可能性を通知できる。検証が続けて3回失敗すると、モバイル端末は、第1対象物に失敗およびパスワードを入力することにより支払を完了する可能性を通知できる。第1対象物が正しいパスワードを入力することを3回続けて失敗した場合、モバイル端末は支払機能をロックできる。
【0043】
オプションとしての例においては、第1対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第1サブ画像を含んでいる場合、第1類似性値は、下記の何れかの方法で、第1対象物の取得された画像情報と第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算することにより得ることができる。
1.複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、複数の第1サブ類似性値の平均値を第1類似性値として計算すること、
2.複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、複数の第1サブ類似性値の最大値を第1類似性値として選択すること、
3.複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、複数の第1サブ類似性値の最大分散を第1類似性値として計算すること、
4.複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、複数の第1サブ類似性値の最小値を第1類似性値として選択すること、および
5.複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、複数の第1サブ類似性値の最小分散を第1類似性値として計算すること。
【0044】
オプションとして、第1対象物の複数の第1サブ画像は、第1対象物が18才のときに撮影された第1対象物のID写真や、第1対象物が20才のときに撮影された第1対象物のパスポートの写真などのように、異なる時間に取得されていてもよい。異なる時間に取得された第1サブ画像を得るときは、モバイル端末は、それらを局所的に格納でき、または、クラウドサーバにアップロードできる。そのため、第1対象物が、後日、モバイル端末上で支払機能を起動したとき、または支払ソフトウェアアプリケーションを立ち上げたときに、モバイル端末は、リアルタイムで第1対象物の画像情報を取得でき、取得された画像情報を第1サブ画像と比較することにより第1サブ類似性値を得ることができ、複数の第1サブ類似性値の平均値、最大値、最大分散、最小値、または最小分散を第1類似性値とすることができる。
【0045】
同様に、異なる時間に取得された複数の第2サブ画像を含んでいる第2対象物の予め格納されている画像の場合は、第2類似性値は、下記の方法の何れかで方法で、第1対象物の取得された画像情報と第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算することにより得ることができる。
1.複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、複数の第2サブ類似性値の平均値を第2類似性値として計算すること、
2.複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、複数の第2サブ類似性値の最大値を第2類似性値として選択すること、
3.複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、複数の第2サブ類似性値の最大分散を第2類似性値として計算すること、
4.複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、複数の第2サブ類似性値の最小値を第2類似性値として選択すること、および
5.複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、複数の第2サブ類似性値の最小分散を第2類似性値として計算すること。
【0046】
第1対象物の画像情報および第2対象物の予め格納されている画像に従って第2類似性値を得ることは、第1対象物の画像情報および第1対象物の予め格納されている画像に従って第1類似性値を得ることに類似しているということに留意すべきであり、更なる詳細な記述はここにおいては省略する。
【0047】
更に、類似の特徴を有している何れかの他の対象物があるかを調べることにより、任意の第1対象物を検証することは、モバイル端末またはクラウドサーバの演算負担を増大するということにも留意すべきである。これを回避するために、画像情報を取得する前に、第1対象物が誤認識される可能性のある対象物かどうかを決定できる。第1対象物が誤認識される可能性のある対象物かどうかを決定することは、
ステップS202、第1対象物のアイデンティティを検証するための検証要求を受信することと、
ステップS204、検証要求が出されている第1対象物が、その識別結果が正しい結果から逸脱している、誤認識される可能性のある対象物かどうかを決定することと、
ステップS206、第1対象物が誤認識される可能性のある対象物である場合、第1対象物の画像情報を取得するステップと、取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較することを誘発することと、
ステップS208、第1対象物が誤認識される可能性のある対象物でない場合、第1対象物の画像情報を得るステップと、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するために、取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と比較するステップを誘発することを含むことができる。
【0048】
オプションとしての例においては、ショッピングソフトウェアアプリケーションを介して製品を購入することを所望している第1対象物が支払ボタンをクリックすると、ショッピングソフトウェアアプリケーションは検証要求を、モバイル端末上で立ち上がっている支払ソフトウェアアプリケーションに送ることができる。検証要求は、第1対象物の個人情報を含むことができる(例えば、名前、IDカード番号、および他の情報)。検証要求を受信すると、支払ソフトウェアアプリケーションは、そこに含まれている個人情報に基づいて、第1対象物は誤認識される可能性のある対象物かどうかを決定できる。例えば、第1対象物の名前およびIDカード番号に基づいて、支払ソフトウェアアプリケーションは、第1対象物には双子の兄弟または姉妹の何れかがいるかどうかを決定できる。双子の兄弟または姉妹がいる場合、第1対象物は、誤認識される可能性のある対象物として識別できる。そうでない場合、第1対象物は、誤認識される可能性のある対象物とは見なされない。
【0049】
更に、第1対象物が誤認識される可能性のある対象物である場合、モバイル端末は、第1対象物に類似している特徴を有している、第2対象物の予め格納されている画像の何れも得ることができ、第1対象物の取得された画像情報の、第1および第2対象物の予め格納されている画像との比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定できる。第1対象物が誤認識される可能性のある対象物でない場合、モバイル端末は、第1対象物の予め格納されている画像を直接得ることができ、それを、第1対象物の取得された画像情報と比較できる。比較により得られた類似性の程度は、類似性閾値を比較できる。決定された類似性の程度が類似性閾値より大きい場合、第1対象物は検証に成功すると決定される。それ以外の場合、第1対象物は検証に失敗すると決定される。
【0050】
オプションとしての例においては、第1対象物は誤認識される可能性のある対象物であると識別された場合は、第1対象物の画像情報を取得する前に、第1対象物の取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップを誘発するかどうかを決定できる。決定は、
ステップS2060、第1対象物と関連する、誤認識される可能性のレベルが閾値を超えるどうかを決定することと、
ステップS2062、誤認識される可能性のレベルが閾値を超える場合、検証要求を停止することと、および
ステップS2064、誤認識される可能性のレベルが閾値よりも低い場合、第1対象物に複数の行動を実行することを命令する複数の取得命令を発行することを含むことができる。
【0051】
第1対象物と関連する、上記の誤認識される可能性のレベルは、類似の特徴を有している第1および第2対象物の間の類似性の程度のことであるということに留意すべきである。類似の特徴を有している第1および第2対象物の間の類似性の程度が高ければ高いほど、誤認識される可能性のレベルはより低くなる。具体的には、誤認識される可能性のレベルが閾値よりも低い場合、第1および第2対象物は互いに非常に類似しているおり、互いに区別できないことを示している。この場合、検証要求は停止できる。例えば、第1および対象物が互いに非常に類似しており、区別できない双子である場合、モバイル端末は第1対象物に、支払はパスワードを入力することにより完了できるということ示している通知を提供できる。誤認識される可能性のレベルが閾値を超える場合、第1および第2対象物を互いに区別するためのいくらかの可能性が依然としてあることを示している。この場合、テキスト、音声、または映像の形式の取得命令は、第1対象物の異なる角度での画像を取得するために発行できる。
【0052】
更に、第1対象物の複数の第1画像情報は、複数の比較結果に取得でき、複数の比較結果は、第1画像情報それぞれを、予め定義されている条件を満足する画像と比較することにより得られるということにも留意すべきである。比較結果の中で同一の比較結果の数が所定の閾値を超える場合、第1対象物は検証をパスすると決定される。
【0053】
追加的に、
図2は、対象物検証方法に基づく顔認識製品の動作のフローチャートを示している。顔認識製品は、下記に制限されないが、顔認識ソフトウェアアプリケーションであることができる。
図2から分かるように、顔認識製品は実質的に、下記の5つの層から構成されている。つまり、アクセス評価、利用可能性評価、構成、比較、および認証から構成されている。クライアントアプリケーション(例えば、モバイル端末上の支払クライアントアプリケーション)から顔認識が要求されると、顔認識製品の管理層は、上記の5つの層に進むために起動される。アクセス評価層は、アクセスの確立をチェックするように構成されている。例えば、アクセス評価層はアクセスを確立すべきかどうかを決定できる。利用可能性評価層は、利用可能性評価の装置との互換性をチェックするように構成されている。例えば、利用可能性評価層は、顔認識製品をAndroid(アンドロイド)(登録商標)OSで使用できるかどうかを決定できる。構成層は、顔認識製品のパラメータを提供するように構成されている。比較層は、顔画像比較を実行するように構成されている。認証層は、顔認識により検証されている対象物が、どのようにして認証されたものとして検証されるかを決定するように構成されている。
【0054】
本出願は、比較および認証層における改良を主に目的としているということに留意すべきである。
図3は、好適な実施形態に係る対象物検証方法のフローチャートを示している。具体的には、ユーザが購入に対する支払を完了したいと所望すると、ユーザは、ユーザの個人情報を含んでいる顔認識要求をモバイル端末により提起できる。モバイル端末は、顔認識要求における個人情報に基づいて、ユーザが誤認識される可能性のある対象物であるかどうかを決定できる。ユーザが誤認識される可能性のある対象物であると決定されない場合は、モバイル端末は、ユーザの画像を予め格納されている画像と比較でき、その間の類似性の程度を決定できる。類似性の程度が閾値より高いときは、関連する動作(例えば、支払の完了)が実行される。それ以外の場合は、そのような動作は誘発されない。ユーザが誤認識される可能性のある対象物として決定された場合は、モバイル端末は、ユーザは誤認識される可能性が高い対象物であるかどうかを更に決定できる。ユーザが、誤認識される可能性が高い対象物であると決定された場合、モバイル端末は、ユーザが顔認識を通して支払を完了することを拒否でき、ユーザに、パスワードを入力することによる支払の完了の可能性と共に、支払いおける失敗を通知できる。ユーザは、誤認識される可能性が高い対象物ではないと決定された場合、モバイル端末は、ユーザの画像情報を、ユーザの予め格納されている画像(例えば、IDカード上の写真)および、類似の特徴を有する如何なる他のユーザの予め格納されている画像それぞれと比較でき、それぞれの比較から、類似性の程度の2つのセットを決定できる。そして、(例えば、下記に制限されないが、平均値、最大値、最小値、最大分散、最小分散などに基づいて)個人比較が、支払は可能とされるかどうかを決定するために行うことができる。
【0055】
上記から分かるように、本出願において提供される対象物検証方法は多数の比較を行うことを含んでおり、それにより、削減された顔誤認識率を可能にして、改良された情報セキュリティという結果になる。
【0056】
上記の方法の実施形態のそれぞれは、記述を容易にするために、あるシーケンスにおいて実行される行動の組み合わせとして記述されてきたが、当業者は、本出願によれは、幾つかのステップは、異なる順序または同時に実行できるので、本出願は、記述されたシーケンスに制限されないということを認識するであろうということに留意すべきである。更に、当業者は、ここにおいて記述される実施形態は好適な実施形態であり、そこに含まれている行動およびモジュールは、本出願に対して必ずしも要求されないということも認識するであろう。
【0057】
上記の実施形態の記述から、当業者には、上記の実施形態にかかわる対象物検証方法は、ソフトウェアと、実質的に一般的なハードウェアプラットフォームとの組み合せにより実現できるということは明白である。もちろん、この対象物検証方法はハードウェアによっても実現できるが、ほとんどの場合、前者がより好適である。このことを踏まえると、本出願の主題はそれ自体、または、その一部は従来技術に対してより利点があり、ソフトウェア製品として具現化できる。ソフトウェア製品は、格納媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、またはCD-ROM)に格納でき、端末装置(モバイルフォン、コンピュータ、サーバ、またはネットワークアプライアンスであってよい)に、本出願の実施形態に係る方法を実行させる多数の命令を含んでいる。
第2実施形態
【0058】
本出願の実施形態においては、上記に定義されたような対象物検証方法を実行するための装置が更に提供される。
図4に示されているように、装置Bは、取得モジュール401、比較モジュール403、および決定モジュール405を含んでいる。
【0059】
取得モジュール401は、第1対象物の画像情報を取得するように構成されている。比較モジュール403は、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較するように構成されている。予め定義されている条件を満足する画像は、第1対象物の予め格納されている画像と、第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を含んでいる。決定モジュール405は、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するように構成されている。
【0060】
ここで、取得モジュール401、比較モジュール403、および決定モジュール405は、下記に制限されないが、適用例およびシナリオにおいて、第1実施形態におけるステップS102からS106のそれぞれに対応しているということに留意すべきである。これらのモジュールのそれぞれは、第1実施形態のモバイル端末において、装置の一部として動作できるということに留意すべきである。
【0061】
オプションとしての例においては、比較モジュールは、第1処理モジュールおよび第2処理モジュールを含むことができる。追加的に、第1処理モジュールは、第1類似性値を取得するために、第1対象物の取得された画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算するように構成されており、第2処理モジュールは、第2類似性値を取得するために、第1対象物の取得された画像情報と、第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算するように構成されている。第1類似性値は、第1対象物の自己類似性を表わしており、第2類似性値は、第1対象物の第2対象物に対する類似性を表わしている。
【0062】
ここにおいて、第1および第2処理モジュールは、下記に制限されないが、適用例およびシナリオにおいて第1実施形態におけるステップS1040からS1042のそれぞれに対応しているということに留意すべきである。これらのモジュールのそれぞれは、第1実施形態のモバイル端末において、装置の一部として動作できるということに留意すべきである。
【0063】
オプションとしての例においては、決定モジュールは、第1比較モジュール、第3処理モジュール、および第4処理モジュールを含むことができる。第1比較モジュールは、第1類似性値を、第2類似性値と比較するように構成されている。第3処理モジュールは、第1類似性値が第2類似性値以上の場合、第1対象物は検証をパスすると決定するように構成されている。第4処理モジュールは、第1類似性値が第2類似性値より小さい場合、第1対象物は検証に失敗すると決定するように構成されている。
【0064】
オプションとしての例においては、第1対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第1サブ画像を備えている場合は、第1対象物の取得された画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算することにより第1類似性値を得ることは、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の平均値を第1類似性値として計算すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最大値を第1類似性値として選択すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最大分散を第1類似性値として計算すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最小値を第1類似性値として選択すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最小分散を第1類似性値として計算することを含むことができる。
【0065】
オプションとしての例においては、第2対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第2サブ画像を備えている場合は、第1対象物の取得された画像情報と、第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算することにより第2類似性値を得ることは、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の平均値を第2類似性値として計算すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最大値を第2類似性値として選択すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最大分散を第2類似性値として計算すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最小値を第2類似性値として選択すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最小分散を第2類似性値として計算することを含むことができる。
【0066】
オプションとしての例においては、対象物検証装置は、受信モジュール、第1決定モジュール、第1トリガモジュール、および第2トリガモジュールを更に含むことができる。受信モジュールは、第1対象物のアイデンティティを検証するための検証要求を受信するように構成されている。第1決定モジュールは、検証要求が出されている第1対象物が、識別結果が正しい結果から逸脱する、誤認識される可能性のある対象物であるかどうかを決定するように構成されている。第1トリガモジュールは、第1対象物が誤認識される可能性のある対象物である場合、第1対象物の画像情報を取得するステップと、取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップを誘発するように構成されている。第2トリガモジュールは、第1対象物が誤認識される可能性のある対象物ではない場合、第1対象物の画像情報を取得するステップと、取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と比較することにより、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを誘発するように構成されている。
【0067】
ここで、受信モジュール、第1決定モジュール、第1トリガモジュール、および第2トリガモジュールは、下記に制限されないが、適用例およびシナリオにおいて、第1実施形態におけるステップS202からS208のそれぞれに対応しているということに留意すべきである。これらのモジュールのそれぞれは、第1実施形態のモバイル端末において、装置の一部として動作できるということに留意すべきである。
【0068】
オプションとしての例においては、対象物検証装置は、第2決定モジュール、第5処理モジュール、および第6処理モジュールを更に含むことができる。第2決定モジュールは、第1対象物に関連する、誤認識される可能性のレベルが閾値を超えるかどうかを決定するように構成されている。第5処理モジュールは、誤認識される可能性のレベルが閾値を超える場合、検証要求を停止するように構成されている。第6処理モジュールは、誤認識される可能性のレベルが閾値より低い場合、第1対象物に複数の行動の実行を命令する、複数の取得命令を発行するように構成されている。
【0069】
ここで、第2決定モジュール、第5処理モジュール、および第6処理モジュールは、下記に制限されないが、適用例およびシナリオにおいて、第1実施形態におけるステップS2060からS2064のそれぞれに対応しているということに留意すべきである。これらのモジュールのそれぞれは、第1実施形態のモバイル端末において、装置の一部として動作できるということに留意すべきである。
【0070】
オプションとしての例においては、複数の取得命令は、第1対象物の複数の第1画像情報の取得を誘発でき、第1画像情報のそれぞれを、予め定義されている条件を満足する画像と比較することにより、複数の比較結果を得ることができる。複数の比較結果の中で同一の比較結果の数が所定の閾値を超える場合、第1対象物は検証をパスすると決定できる。
第3実施形態
【0071】
本出願の実施形態においては、対象物検証システムが更に提供される。対象物検証システムは、第1実施形態の対象物検証方法を実行できる。具体的には、システムは、プロセッサ、およびプロセッサに接続されているメモリを含んでいる。メモリはプロセッサに、下記の、第1対象物の画像情報を取得するステップと、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を含んでいる、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップと、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを実行するための命令を提供するように構成されている。
【0072】
上記の記述から分かるように、第1対象物の画像が取得された後に、第1対象物の取得された画像情報は、予め定義されている条件を満足する画像と比較され、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかが決定される。予め定義されている条件を満足する画像は、第1対象物および、類似の特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を含んでいる。
【0073】
本出願は、検証される対象物を、類似の特徴を有している他の対象物から区別することを目的としているということは容易に理解されよう。このプロセスにおいては、検証される対象物の画像情報は、それ自身の予め格納されている画像とも比較される。検証される対象物の画像情報の、それ自身の予め格納されている画像との類似性は、如何なる他の対象物との類似性よりも高いので、本出願において提案される方法は、類似の特徴を有する対象物間を効果的に区別でき、そのため、削減された顔誤認識率および、より高い情報セキュリティを達成できる。
【0074】
従って、本出願の上記の実施形態は、従来の顔認識技術における低精度問題を解決する。
【0075】
オプションとしての例においては、プロセッサは、第1類似性値を取得するために、第1対象物の取得された画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算し、第2類似性値を取得するために、第1対象物の取得された画像情報と、第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算し、第1類似性値を第2類似性値と比較し、第1類似性値が第2類似性値以上の場合は、第1対象物は検証をパスすると決定し、第1類似性値が第2類似性値より小さい場合は、第1対象物は検証に失敗すると決定するように構成されている。第1類似性値は、第1対象物の自己類似性を表わし、一方、第2類似性値は、第1対象物の第2対象物に対する類似性を表わしている。
【0076】
オプションとして、第1対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第1サブ画像を備えている場合は、第1類似性値は、下記の、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算し、および複数の第1サブ類似性値の平均値を第1類似性値として計算する方法、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算し、および複数の第1サブ類似性値の最大値を第1類似性値として選択する方法、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算し、および複数の第1サブ類似性値の最大分散を第1類似性値として計算する方法、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算し、および複数の第1サブ類似性値の最小値を第1類似性値として選択する方法、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算し、および複数の第1サブ類似性値の最小分散を第1類似性値として計算する方法の何れかの方法で、第1対象物の取得された画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算することにより得ることができる。
【0077】
オプションとして、第2対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第2サブ画像を備えている場合は、第2類似性値は、下記の、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算し、および複数の第2サブ類似性値の平均値を第2類似性値として計算する方法、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算し、および複数の第2サブ類似性値の最大値を第2類似性値として選択する方法、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算し、および複数の第2サブ類似性値の最大分散を第2類似性値として計算する方法、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算し、および複数の第2サブ類似性値の最小値を第1類似性値として選択する方法、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算し、および複数の第2サブ類似性値の最小分散を第2類似性値として計算する方法の何れかの方法で、第1対象物の取得された画像情報と、第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算することにより得ることができる。
【0078】
オプションとしての例においては、第1対象物の画像情報を取得する前に、プロセッサを、検証要求を受信し、検証要求が出されている第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物かどうかを決定し、第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物である場合、第1対象物の画像情報を取得するステップと、取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップを誘発し、第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物でない場合、第1対象物の画像情報を取得し、取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と比較することにより、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを誘発するように構成できる。検証要求は、第1対象物のアイデンティティを検証するためであり、誤認識される可能性のある対象物は、その識別結果が正しい結果から逸脱している対象物であるということに留意すべきである。
【0079】
オプションとしての例においては、第1対象物が誤認識される可能性のある対象物である場合は、第1対象物の画像情報を取得する前に、プロセッサを、第1対象物に関連する、誤認識される可能性のレベルが閾値を超えるかどうかを決定し、誤認識される可能性のレベルが閾値を超える場合、検証要求を停止し、誤認識される可能性のレベルが閾値よりも低い場合、第1対象物に複数の行動を実行させるように命令する複数の取得命令を発行するように構成できる。
【0080】
プロセッサを、複数の取得命令が、第1対象物の複数の第1画像情報の取得を誘発し、第1画像情報のそれぞれを、予め定義されている条件を満足する画像と比較することにより、複数の比較結果が得られるように構成できるということに留意すべきである。加えて、複数の比較結果の中で同一の比較結果の数が所定の閾値を超える場合、第1対象物は検証をパスすると決定できる。
第4実施形態
【0081】
本出願の実施形態においては、モバイル装置が更に提供される。モバイル装置は、コンピュータ端末グループにおける任意のコンピュータ端末として実現できる。オプションとして、この実施形態においては、コンピュータ端末は、モバイル端末のような任意の他の適切な端末装置と置き換えることができる。
【0082】
オプションとして、この実施形態においては、コンピュータ端末は、コンピュータネットワークにおける複数のネットワーク装置の少なくとも1つに配置できる。
【0083】
図5は、コンピュータ端末のハードウェアアーキテクチャを示しているブロック図である。
図5に示されているように、コンピュータ端末Aは、1つ以上のプロセッサ502(502a、502b、...、502nとして示されている)(各プロセッサ502は、下記に制限されないが、マイクロプロセッサ(例えば、MCU)またはプログラマブル論理装置(例えば、FPGA)などのような処理構成要素を含むことができる)、データを格納するためのメモリ504、および通信のための送信装置506を含むことができる。追加的に、コンピュータ端末Aはまた、ディスプレイ、入/出力(I/O)インタフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート(I/Oインタフェースの一部として含めることができる)、ネットワークインタフェース、電力供給源、および/またはカメラも含むことができる。この技術における当業者は、
図5に示されているアーキテクチャは例に過ぎず、如何なる意味においても電子装置の構造を制限しないということを認識するであろう。例えば、コンピュータ端末Aは、
図5に示されているものよりもより多くの、または、より少ない構成要素を有することができ、または、
図5に示されているものとは異なる構成を有することができる。
【0084】
1以上のプロセッサ502および/または他のデータ処理回路は、ここにおいては全体として「データ処理回路」と称することができるということに留意すべきである。このデータ処理回路は、その全体または一部を、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの任意の組み合わせとして具現化できる。追加的に、データ処理回路は、別個の処理モジュールとして具現化でき、または、その全体または一部を、コンピュータ端末の任意の他の構成要素に統合できる。本出願の実施形態において教示されているように、データ処理回路は、プロセッサ制御装置としての役割を果たす(例えば、インタフェースに接続されている可変抵抗端末パス)。
【0085】
プロセッサ502は、送信装置を介して、第1対象物の画像情報を取得するステップと、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を含んでいる、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップと、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを実行するために、メモリに格納されている情報およびアプリケーションプログラムを呼び出すことができる。
【0086】
メモリ504は、本出願の実施形態と一致している対象物検証方法に対応するプログラムの命令/データなどのようなアプリケーションソフトウェアのためのプログラムおよびモジュールを格納するために使用できる。プロセッサ502は、メモリ504に格納されているソフトウェアプログラムおよびモジュールを立ち上げることにより、種々の機能を実行し、種々のデータを処理する(つまり、上記に定義されたような対象物検証方法を実現する)。メモリ504は高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、1つ以上の磁気ディスクメモリ装置、フラッシュメモリまたは他の不揮発性ソリッドステートメモリ装置などのような不揮発性メモリを含むことができる。幾つかの例においては、メモリ504は、ネットワークを介してコンピュータ端末Aに接続できる、プロセッサ502から離れて位置しているメモリ装置を更に含むことができる。ネットワークの例としては、下記に制限されないが、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク、およびそれらの組み合せがある。
【0087】
送信装置506は、ネットワークを介してデータを受信または送信するように構成されている。ネットワークの特別な例としては、コンピュータ端末Aの通信サービスプロバイダにより提供される無線ネットワークを挙げることができる。1つの例においては、送信装置506は、基地局を介して他のネットワーク装置に接続でき、そのため、インターネットと通信可能なネットワークインタフェースコントローラ(NIC)を含んでいる。1つの例においては、送信装置506は、無線の方法でインターネットと通信するように構成されている無線周波数(RF)モジュールであってよい。
【0088】
ディスプレイは、例えば、ユーザがコンピュータ端末Aのユーザインタフェースと相互作用することを可能にするタッチスクリーンを有している液晶ディスプレイ(LCD)であってよい。
【0089】
ここで、幾つかのオプションとしての実施形態においては、
図5のコンピュータ端末Aは、ハードウェア要素(回路を含む)、ソフトウェア構成要素(コンピュータ読取り可能媒体に格納されているコンピュータコードを含む)、またはそれらの組み合わせを含むことができるということに留意すべきである。
図5に示されている例は、可能な特別な例の1つに過ぎず、コンピュータ端末A内に存在することができる構成要素のタイプを提示することが意図されているということに留意すべきである。
【0090】
この実施形態においては、コンピュータ端末Aは、対象物検証方法における、第1類似性値を得るために、第1対象物の取得された画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算するステップと、第2類似性値を得るために、第1対象物の取得された画像情報と、第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算するステップを実行するためのアプリケーションプログラムコードを実行できる。第1類似性値は、第1対象物の自己類似性を表わし、第2類似性値は、第2対象物に対する第1対象物の類似性を表わしている。
【0091】
この実施形態においては、コンピュータ端末Aは、対象物検証方法における下記の、第1類似性値を第2類似性値と比較するステップと、第1類似性値が第2類似性値以上の場合、第1対象物は検証をパスすると決定するステップと、第1類似性値が第2類似性値よりも小さい場合、第1対象物は検証に失敗すると決定するステップを実行するためのアプリケーションプログラムコードを実行できる。
【0092】
この実施形態においては、コンピュータ端末Aは、対象物検証方法における下記のステップを実行するためのアプリケーションプログラムコードを実行でき、第1対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第1サブ画像を備えている場合は、第1類似性値を得るために、第1対象物の取得された画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算するステップは、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の平均値を第1類似性値として計算すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最大値を第1類似性値として選択すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最大分散を第1類似性値として計算すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最小値を第1類似性値として選択すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最小分散を第1類似性値として計算することを含んでいる。
【0093】
この実施形態においては、コンピュータ端末Aは、対象物検証方法における下記のステップを実行するためのアプリケーションプログラムコードを実行でき、第2対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第2サブ画像を備えている場合は、第2類似性値を得るために、第1対象物の取得された画像情報と、第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算するステップは、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の平均値を第2類似性値として計算すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最大値を第2類似性値として選択すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最大分散を第2類似性値として計算すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最小値を第2類似性値として選択すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最小分散を第2類似性値として計算することを含んでいる。
【0094】
この実施形態においては、コンピュータ端末Aは、対象物検証方法における下記の、第1対象物のアイデンティティを検証するための検証要求を受信するステップと、検証要求が出されている第1対象物が、その識別結果が正しい結果から逸脱する、誤認識される可能性のある対象物かどうかを決定するステップと、第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物である場合、第1対象物の画像情報を取得するステップと、取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップを誘発するステップと、第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物でない場合、第1対象物の画像情報を取得するステップと、取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と比較することにより、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを誘発するステップを実行するためのアプリケーションプログラムコードを実行できる。
【0095】
この実施形態においては、コンピュータ端末Aは、対象物検証方法における下記の、第1対象物に関連する、誤認識される可能性のレベルが閾値を超えるかどうかを決定するステップと、誤認識される可能性のレベルが閾値を超える場合、検証要求を停止するステップと、誤認識される可能性のレベルが閾値よりも低い場合、第1対象物に複数の行動を実行させるように命令する複数の取得命令を発行するステップを実行するためのアプリケーションプログラムコードを実行できる。
【0096】
この実施形態においては、コンピュータ端末Aは、対象物検証方法における下記の、複数の取得命令により、第1対象物の複数の第1画像情報の取得を誘発するステップと、複数の比較結果を得るために、第1画像情報のそれぞれを、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップを実行するためのアプリケーションプログラムコードを実行できる。複数の比較結果の中の同一の比較結果の数が所定の閾値を超える場合、第1対象物は検証をパスすると決定される。
【0097】
この実施形態においては、コンピュータ端末Aは、対象物検証方法における下記の、第1対象物の画像情報を取得するステップと、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を含んでいる、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップと、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを実行するためのアプリケーションプログラムコードを実行できる。
【0098】
当業者は、
図5に示されている構造は例に過ぎず、コンピュータ端末はまた、スマートフォン(例えば、Android(アンドロイド)(登録商標)フォン、iOSフォンなど)、タブレットコンピュータ、パームコンピュータ、モバイルインターネット装置(MID)、PAD、または他の適切な端末装置であることができるということは認識するであろう。
図5は、如何なる点においても、電子装置の構造を制限しない。例えば、コンピュータ端末Aは、
図5に示されている構成要素より、より多い、または、より少ない構成要素を有することができ、または、
図5に示されている構成とは異なる構成を有することができる。
【0099】
当業者は、前述の実施形態の種々の方法におけるステップのすべて、または幾つかをコンピュータ読取り可能格納媒体に格納できるプログラムを有している端末装置において、関連するハードウェアに指示を出すことにより実行できるということは認識するであろう。格納媒体の例としては、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ(ROM)装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)装置、磁気ディスク、光ディスクなどを挙げることができる。
第5実施形態
【0100】
本出願の実施形態においては、格納媒体が更に提供される。オプションとして、この実施形態においては、格納媒体は、第1実施形態の対象物検証方法を実行するためのプログラムコードを格納するために使用できる。
【0101】
オプションとして、この実施形態においては、格納媒体は、コンピュータネットワークにおけるコンピュータ端末グループの任意のコンピュータ端末に配置でき、またはモバイル端末グループの任意のモバイル端末に配置できる。
【0102】
オプションとして、この実施形態においては、格納媒体は、第1対象物の画像情報を取得するステップと、比較結果を得るために、第1対象物の取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を含んでいる、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップと、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを実行するためのプログラムコードを格納するように構成できる。
【0103】
オプションとして、この実施形態においては、格納媒体は、第1類似性値を取得するために、第1対象物の取得された画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算するステップと、第2類似性値を取得するために、第1対象物の取得された画像情報と、第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算するステップを実行するためのプログラムコードを格納するように構成でき、ここにおいて、第1類似性値は、第1対象物の自己類似性を表わし、第2類似性値は、第1対象物の第2対象物に対する類似性を表わしている。
【0104】
オプションとして、この実施形態においては、格納媒体は、第1類似性値を第2類似性値と比較するステップと、第1類似性値が第2類似性値以上の場合、第1対象物は検証をパスすると決定するステップと、第1類似性値が第2類似性値よりも小さい場合、第1対象物は検証に失敗すると決定するステップを実行するためのプログラムコードを格納するように構成できる。
【0105】
オプションとして、この実施形態においては、格納媒体は、下記のステップを実行するためのプログラムコードを格納するように構成でき、第1対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第1サブ画像を備えている場合は、第1類似性値を得るために、第1対象物の取得された画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算するステップは、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の平均値を第1類似性値として計算すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最大値を第1類似性値として選択すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最大分散を第1類似性値として計算すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最小値を第1類似性値として選択すること、または、複数の第1サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第1サブ類似性値の最小分散を第1類似性値として計算することを含んでいる。
【0106】
オプションとして、この実施形態においては、格納媒体は、下記のステップを実行するためのプログラムコードを格納するように構成でき、第2対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第2サブ画像を備えている場合は、第2類似性値を得るために、第1対象物の取得された画像情報と、第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算するステップは、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の平均値を第2類似性値として計算すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最大値を第2類似性値として選択すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最大分散を第2類似性値として計算すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最小値を第2類似性値として選択すること、または、複数の第2サブ類似性値を得るために、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することと、および複数の第2サブ類似性値の最小分散を第2類似性値として計算することを含んでいる。
【0107】
オプションとして、この実施形態においては、格納媒体は下記の、第1対象物のアイデンティティを検証するための検証要求を受信するステップと、検証要求が出されている第1対象物が、その識別結果が正しい結果から逸脱する、誤認識される可能性のある対象物かどうかを決定するステップと、第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物である場合、第1対象物の画像情報を取得するステップと、取得された画像情報を、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップを誘発するステップと、第1対象物が、誤認識される可能性のある対象物でない場合、第1対象物の画像情報を取得するステップと、取得された画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と比較することにより、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定するステップを誘発するステップを実行するためのプログラムコードを格納するように構成できる。
【0108】
オプションとして、この実施形態においては、格納媒体は下記の、第1対象物に関連する、誤認識される可能性のレベルが閾値を超えるかどうかを決定するステップと、誤認識される可能性のレベルが閾値を超える場合、検証要求を停止するステップと、誤認識される可能性のレベルが閾値よりも低い場合、第1対象物に複数の行動を実行させるように命令する複数の取得命令を発行するステップを実行するためのプログラムコードを格納するように構成できる。
【0109】
オプションとして、この実施形態においては、格納媒体は下記の、複数の取得命令により、第1対象物の複数の第1画像情報の取得を誘発するステップと、複数の比較結果を得るために、第1画像情報のそれぞれを、予め定義されている条件を満足する画像と比較するステップを実行するためのプログラムコードを格納するように構成できる。追加的に、複数の比較結果の中の同一の比較結果の数が所定の閾値を超える場合、第1対象物は検証をパスすると決定される。
第6実施形態
【0110】
本出願の実施形態においては、対象物検証方法が更に提供される。
図6は、この対象物検証方法のフローチャートを示している。方法は下記の
ステップS602、第1対象物の画像情報を取得することと、
ステップS604、第1対象物の画像情報に基づいて、第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物を識別することと、
ステップS606、比較結果を得るために、第1対象物の画像情報を、第1対象物の予め格納されている画像と、第2対象物の予め格納されている画像それぞれと比較することと、
ステップS608、比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかを決定することを含んでいる。
【0111】
ステップS602からS608における第1対象物は、顔認識で支払を完了したいと所望しているユーザのような、顔認識を必要としている対象物であるということに留意すべきである。
【0112】
オプションとして、ユーザがショッピングソフトウェアアプリケーション上で注文を出した後に支払インタフェースまできたときに、または、支払ソフトウェアアプリケーション(例えば、WeChat、またはバンキングソフトウェアアプリケーション)を直接起動した後に、ユーザのモバイル端末におけるカメラが起動され、ユーザの画像情報を取得し、取得された画像は、モバイル端末の画面上に表示される。そして、モバイル端末は、クラウドサーバから、第1対象物の予め格納されている画像と、第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物の予め格納されている画像を得る。第2対象物の予め格納されている画像を得る前に、モバイル端末またはクラウドサーバは、第1対象物の画像情報を、他の対象物の画像情報と比較して比較結果を得て、第2対象物は、比較結果に基づいて識別される。比較結果は、類似性の程度であってよい。つまり、所定の類似性の程度より高い類似性の程度を有する如何なる対象物も、第2対象物として識別される。第2対象物が識別された後、モバイル端末は、第1類似性値を得るために、第1対象物の取得された画像情報と、第1対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算でき、第2類似性を得るために、第1対象物の取得された画像情報と、第2対象物の予め格納されている画像との間の類似性を計算できる。その後、第1類似性値は、第2類似性値と比較できる。第1類似性値が第2類似性値以上の場合、第1対象物は検証をパスすると決定できる。第1類似性値が第2類似性値よりも小さい場合、第1対象物は検証に失敗すると決定できる。
【0113】
上記のプロセスにおいては、第1類似性値は、第1対象物の自己類似性を表わしており、第2類似性値は、第1対象物の第2対象物に対する類似性を表わしているということに留意すべきである。
【0114】
追加的に、第1対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第1サブ画像を含んでいる場合は、複数の第1サブ類似性値は、第1対象物の画像情報と、第1サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することにより得ることができ、複数の第1サブ類似性値の平均値、最大値、最大分散、最小値、または最小分散は、第1類似性値とすることができる。同様に、第2対象物の予め格納されている画像が、異なる時間に取得された複数の第2サブ画像を含んでいる場合は、複数の第2サブ類似性値は、第1対象物の画像情報と、第2サブ画像のそれぞれとの間の類似性を計算することにより得ることができ、複数の第2サブ類似性値の平均値、最大値、最大分散、最小値、または最小分散は、第2類似性値とすることができる。
【0115】
ステップS602からS608に基づいて、第1対象物の画像情報を取得した後に、第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物は、第1対象物の画像情報に基づいて識別され、そして、比較結果を得るために、第1対象物の画像情報は、第1および第2対象物の予め格納されている画像それぞれと比較される。得られた比較結果に基づいて、第1対象物が検証をパスするかどうかが決定される。
【0116】
本出願は、検証される対象物を、類似の特徴を有している他の対象物から区別することを目的としているということは容易に認識されるであろう。このプロセスにおいては、検証される対象物の画像情報は、自身の予め格納されている画像とも比較される。検証される対象物の画像情報の、それ自身の予め格納されている画像との類似性は、如何なる他の対象物との類似性よりも高いので、本出願において提案されている方法は、類似の特徴を有している対象物を効果的に区別でき、そのため、削減された顔誤認識率および、より高い情報セキュリティを達成できる。
【0117】
従って、本出願の上記の実施形態は、従来の顔誤認識技術における低精度問題を解決する。
【0118】
オプションとしての例においては、第1対象物の画像情報に基づいて、第1対象物に類似している特徴を有している第2対象物を識別することは、
ステップS6040、所定のデータベースから複数の対象物の画像情報を得ることと、
ステップS6042、第1対象物と複数の対象物との間の類似性の程度を得るために、第1対象物の画像情報を、複数の対象物の画像情報と比較することと、
ステップS6044、類似性の程度および所定の類似性の程度に基づき、第2対象物を複数の対象物から識別することを備えている。
【0119】
オプションとしての例においては、第1対象物の画像情報を取得した後、モバイル端末は、第1対象物の取得された画像情報をクラウドサーバに送信でき、クラウドサーバは、第1対象物の画像情報を複数の予め格納されている画像と比較して、それとの類似性の程度を決定し、類似性の程度が第1所定の類似性の程度よりも高い、予め格納されている画像は何れもモバイル端末に送る。
【0120】
他のオプションとしての例においては、第1対象物の画像情報を取得した後、モバイル端末は、第1対象物の取得された画像情報をクラウドサーバに送信でき、クラウドサーバは、第1対象物の画像情報に基づいて第1対象物のプロファイル情報(例えば、名前、IDカード番号)を決定し、プロファイルの類似性の程度を決定するために、第1対象物のプロファイル情報を、予め格納されているプロファイル情報と比較する。プロファイルの類似性の程度が第2所定の類似性の程度よりも高い、予め格納されているプロファイル情報は何れも選択される。引き続いて、選択された予め格納されているプロファイル情報に基づいて、予め格納されている画像が得られ、モバイル端末に送られる。双子または他の多胎児は、名前またはIDカード番号において類似する傾向があるので、このアプローチは、第2対象物が、双子または、多胎児の2人のような第1対象物とのそのような関係を有している場合、第2対象物の予め格納されている画像を効果的に識別できるということに留意すべきである。
【0121】
更に他のオプションとしての例においては、第1対象物の画像情報を取得した後に、モバイル端末は、第1対象物の取得された画像情報をクラウドサーバに送ることができ、クラウドサーバは、その画像情報に基づいて、第1対象物のプロファイル情報(例えば、名前、IDカード番号、世帯登録情報)を決定し、プロファイル相関性の程度を決定するために、第1対象物のプロファイル情報を、予め格納されているプロファイル情報と比較する。プロファイル相関性の程度が第3所定の類似性の程度よりも高い、予め格納されているプロファイル情報は何れも選択される。引き続いて、選択された予め格納されているプロファイル情報に基づいて、予め格納されている画像が得られ、モバイル端末に送られる。両親および彼らの子供は、名前、IDカード番号、および世帯登録情報において相関がある傾向があるので、このアプローチは、第2対象物が、第1対象物とのそのような相関がある場合、第2対象物の予め格納されている画像を効果的に識別できるということに留意すべきである。
【0122】
更に、前述の3つのアプローチは、互いに任意に組み合わせることができ、または、ここにおいて言及していない他の可能なアプローチと組み合わせることができるということにも留意すべきであるが、その詳細な記述はここにおいては省略する。
【0123】
上記の実施形態の番号付けは例示の目的のみのためであり、それらの優位性または下位性を意味としては含んでいない。
【0124】
上記の実施形態のそれぞれは、それら自身に重点をおいて記述されている。実施形態のある1つにおいて詳細に記述されていない如何なる特徴に対しても、そこにおける更なる詳細のために、任意の他の実施形態の記述を参照できる。
【0125】
ここにおいて記述されている幾つかの実施形態において開示される主題は、他の方法でも実践できるということは理解されるべきである。上述した装置の実施形態は例に過ぎない。例えば、ここにおいては、種々のモジュールの境界は、それらの論理機能のみにより定義されているが、実践においては他の方法でも定義できる。例えば、そのような複数のモジュールまたは構成要素は、他のシステムに組み合わせることができ、または統合でき、または、ある特徴は省略でき、または実現しなくてもよい。更に、要素間またはモジュール間で例示されている、または検討されている結合は、電気的または他の方法で達成される間接的な結合または互いに通信可能な接続と共に、インタフェースにより達成される直接的結合または互いに通信可能な接続を含んでいる。
【0126】
ここにおいて別個の構成要素として記述されてきたモジュールは、物理的に別個であっても、そうでなくてもよく、モジュールとして示されてきた構成要素は、物理的なモジュールであっても、そうでなくてもよい。それらは、単一の場所に配置でき、または、複数のネットワーク装置にわたり分散できる。実際に必要であれば、そのようなモジュールのすべてまたは幾つかは、ここにおいて開示されている実施形態に従って選択できる。
【0127】
追加的に、本出願において提供される種々の実施形態に含まれている種々の機能モジュールは、単一の処理モジュールに統合でき、または、物理的モジュールとして別個に存在できる。代替として、そのような機能モジュールの2つ以上は、1つのモジュールに統合される。そのような統合されたモジュールは、ハードウェアまたはソフトウェア機能モジュールとして実現できる。
【0128】
ソフトウェア機能ブロックとして実現され、別個の製品として販売または使用されるときは、統合されたモジュールは、コンピュータ読取り可能格納媒体に格納できる。これを踏まると、本出願の主題はそれ自体で、または、その一部において従来技術より利点があり、主題の一部または全体は、格納媒体に格納され、演算装置(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークアプライアンスなど)に、本出願の種々の実施形態において提供される方法におけるすべてのステップまたは幾つかのステップを実行させる多数の命令を含んでいるソフトウェア製品として具現化できる。格納媒体の例としては、フラッシュメモリ、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、取外し可能ハードディスクドライブ、磁気ディスク格納装置、および光ディスク格納装置などのような、プログラムコードを格納できる種々の媒体がある。
【0129】
上記に提示したものは、本出願の好適な実施形態の幾つかに過ぎない。本出願の原則から逸脱することなく、当業者により多くの他の改良および修正が可能であるということは理解されるべきである。従って、そのような改良および修正はすべて本出願の範囲内であることが意図されている。