(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-14
(45)【発行日】2022-06-22
(54)【発明の名称】補償器およびその制御方法と装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20220615BHJP
H02M 7/49 20070101ALI20220615BHJP
H02J 3/18 20060101ALI20220615BHJP
【FI】
H02M7/48 R
H02M7/49
H02J3/18 114
(21)【出願番号】P 2020566554
(86)(22)【出願日】2019-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2019079078
(87)【国際公開番号】W WO2019228028
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-02-05
(31)【優先権主張番号】201810519426.6
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810519375.7
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810519409.2
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515063024
【氏名又は名称】南京南瑞▲継▼保▲電気▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NR ELECTRIC CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 69 Suyuan Avenue, Jiangning Nanjing, Jiangsu, P.R. China
(73)【特許権者】
【識別番号】515063046
【氏名又は名称】南京南瑞▲継▼保工程技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NR ENGINEERING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.69 Suyuan Avenue, Jiangning,Nanjing, Jiangsu, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】董 云龍
(72)【発明者】
【氏名】張 宝順
(72)【発明者】
【氏名】潘 磊
(72)【発明者】
【氏名】黄 如海
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-507100(JP,A)
【文献】特開2002-374624(JP,A)
【文献】中国実用新案第203352168(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0199502(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0170658(US,A1)
【文献】特開平04-247504(JP,A)
【文献】特開平08-009647(JP,A)
【文献】特開平07-194008(JP,A)
【文献】特開2001-292531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00-1/44
3/00-3/44
7/00-7/98
H02J 3/00-5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補償器であって、
直列に接続された第1電力ユニットと第2電力ユニット、または直列に接続された第2電力ユニットを含む直列に接続された複合電力ユニットとリアクトルとを含む6つの分岐回路を含む第1変換器と、
前記第1電力ユニットは、少なくとも第1オフ可能デバイスT1と、第2オフ可能デバイスT2と、第1容量C1とを含み、前記第1容量C1の一端は、前記第1オフ可能デバイスT1の正極に接続され、前記第1容量C1の他端は、前記第2オフ可能デバイスT2の負極に接続され、第1電力ユニットの第1出力端子として機能し、前記第2オフ可能デバイス
T2の正極は、前記第1オフ可能デバイス
T1の負極に接続され、第1電力ユニットの第2出力端子として機能し、
前記第2電力ユニットは、少なくとも第3オフ可能デバイスT3と、第4オフ可能デバイスT4と、第5オフ可能デバイスT5と、第6オフ可能デバイスT6と、第2容量C2とを含み、前記第2容量C2の一端は、前記第3オフ可能デバイスT3の正極、第4オフ可能デバイスT4の正極に接続され、前記第2容量C2の他端は、前記第5オフ可能デバイスT5の負極、第6オフ可能デバイスT6の負極に接続され、前記第3オフ可能デバイスT3の負極は、第5オフ可能デバイスT5の正極に接続され、第2電力ユニットの第2出力端子として機能し、前記第4オフ可能デバイスT4の負極は、第6オフ可能デバイスT6の正極に接続され、第2電力ユニットの第1出力端子として機能し、
少なくとも前記第1変換器の交流側インターフェースと接続されている第1側巻線と、交流システムの回
路に直列に接続され、両端はスイッチと並列に接続されている第2側巻線とを含む第1変圧器と、
前記第1変圧器と並列に接続されて交流システムの回
路に接続されている前記スイッチとを含む補償器。
【請求項2】
前記補償器は、交流側インターフェースと直流側インターフェースとを、さらに含む第2変換器を含み、前記第2変換器の直流側インターフェースは、前記第1変換器と並列に接続され、前記交流側インターフェースを介して前記交流システムに接続されている請求項1に記載の補償器。
【請求項3】
前記補償器は、前記交流システムに接続されている無効補償設備をさらに含む、請求項1に記載の補償器。
【請求項4】
前記6つの分岐回路においては、第1分岐回路の第1端と第2分岐回路の第1端とが接続され、接続点は第1交流側インターフェースであり、第3分岐回路の第1端と第4分岐回路の第1端とが接続され、接続点は第2交流側インターフェースであり、第5分岐回路の第1端と第6分岐回路の第1端とが接続され、接続点は第3交流側インターフェースであり、前記第1分岐回路の第2端と前記第3分岐回路の第2端、前記第5分岐回路の第2端とが接続され、接続点は直流側正極インターフェースとして機能し、前記第2分岐回路の第2端と前記第4分岐回路の第2端、前記第6分岐回路の第2端とが接続され、接続点は直流側負極インターフェースとして機能する、請求項1に記載の補償器。
【請求項5】
前記オフ可能デバイスは、一つまたは一つ以上の制御可能なスイッチデバイスを含み、前記制御可能なスイッチデバイスは、IGBT、IGCT、MOSFET、GTOの一つを含む、請求項1に記載の補償器。
【請求項6】
前記第1変圧器の第2側巻線と前記
交流システムの回路との間に第1補償装置が直列に接続されていて、
前記第1補償装置は、並列に接続されたリアクトル群とスイッチ装置とを含み、前記リアクトル群は、直列に接続された少なくとも一つのリアクトルを含み、前記スイッチ装置は、機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチの一つまたは一つ以上を含む、請求項1に記載の補償器。
【請求項7】
前記第1変圧器の第1側巻線と前記第1変換器の交流側インターフェースとの間に第2補償装置が直列に接続されていて、
前記第2補償装置は、並列に接続されたリアクトル群とスイッチ装置とを含み、前記リアクトル群は、直列に接続された少なくとも一つのリアクトルを含み、前記スイッチ装置は、機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチの一つまたは一つ以上を含む、請求項1に記載の補償器。
【請求項8】
前記第1変圧器の第1側巻線の両端に、機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチの一つまたは一つ以上を含むバイパススイッチ装置が並列に接続されている、請求項1に記載の補償器。
【請求項9】
前記第1変圧器の第1側巻線は星状の配線方式または三角形の配線方式を採用する請求項1に記載の補償器。
【請求項10】
前記第1変圧器の第1側巻線は星状の配線方式を採用し、中性点は直接接地され、または抵抗を介して接地され、前記第1変圧器は第3側巻線を含み、前記第3側巻線は三角形の配線方式を採用する、請求項1に記載の補償器。
【請求項11】
前記第2変換器は、第2変圧器を介して交流システムに接続され、前記第2変圧器は三相変圧器であり、少なくとも両側巻線を含み、第2変換器の交流側インターフェースは第2変圧器の第1側巻線と接続され、第2変圧器の第2側巻線が交流システムに並列に接続されている、請求項2に記載の補償器。
【請求項12】
前記第2変換器の交流側インターフェースと交流システムとの間に並列に接続された抵抗とスイッチ装置とが配置され、前記スイッチ装置は断路器またはスイッチを含む、請求項2に記載の補償器。
【請求項13】
前記第2変換器は電圧源型変換器を含み、2レベル、3レベル、変圧器多重化構造、およびモジュール化マルチレベル構造の一つを含む、請求項2に記載の補償器。
【請求項14】
前記第2変換器は、サイリスタ変換器、ダイオードからなる非制御整流ブリッジの一つを含む、請求項2に記載の補償器。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の補償器の制御方法であって、
回路有効電力指令値と回路有効電力測定値とに基づいて、第1変換器の有効電力参照値を確定するステップと、
回路無効電力指令値と回路無効電力測定値とに基づいて、前記第1変換器の無効電力参照値を確定するステップと、
前記第1変換器の有効電力参照値と前記第1変換器の無効電力参照値とに基づいて、第1変換器の交流側インターフェース電流参照値を計算するステップと、
前記第1変換器の交流側インターフェース電流参照値に基づいて、前記第1変換器の交流側出力電圧参照値を確定するステップと、
前記第1変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御することによって、複合電力ユニットの出力電圧を制御し、同じ時刻での出力電圧がそれぞれ0、容量電圧、容量電圧負値である第1電力ユニットおよび第2電力ユニットの個数を交流側出力電圧参照値、直流側出力電圧参照値に満足させ、補償が確保された状態で直流側電圧を下げるステップと、を含む補償器の制御方法。
【請求項16】
前記補償器が起動するとき、前記回路有効電力指令値と回路有効電力測定値とに基づいて、第1変換器の有効電力参照値を確定する前に、
前記第1変換器をロック解除するステップと、
スイッチの電流が徐々に減少して、回線電流
が第1変圧器の第2側巻線に徐々に転移するように制御するステップと、
前記スイッチの電流がゼロになると、前記スイッチをオフにして、前記補償器の起動を完了するステップと、をさらに含む、請求項15に記載の補償器の制御方法。
【請求項17】
前記補償器は第2変換器を含む場合、前記補償器が起動するとき、前記第1変換器をロック解除する前に、第2変換器を起動して直流電圧を確立するステップをさらに含む、請求項15に記載の補償器の制御方法。
【請求項18】
前記補償器が停止するとき、前記第1変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御した後に、
前記第1変圧器の第2側巻線電流が回路電流に相等するように制御するステップと、
前記スイッチをオンにするステップと、
電流を前記第1変圧器の第2側巻線から前記スイッチに徐々に転移するように制御するステップと、
前記第1変圧器の第2側巻線電流がゼロになると、前記第1変換器を閉鎖するステップと、をさらに含む、請求項15に記載の補償器の制御方法。
【請求項19】
前記補償器は第2変換器を含む場合、前記補償器が停止するとき、前記第1変圧器の第2側巻線電流がゼロになると、前記第1変換器を閉鎖した後に、前記第2変換器を終了し、前記補償器の停止を完了するステップをさらに含む、請求項15に記載の補償器の制御方法。
【請求項20】
請求項1から14のいずれか1項に記載の補償器の制御装置であって、
回路有効電力指令値と回路有効電力測定値とに基づいて、第1変換器の有効電力参照値を確定する第1回路有効電力制御ユニットと、
回路無効電力指令値と回路無効電力測定値とに基づいて、前記第1変換器の無効電力参照値を確定する第1回路無効電力制御ユニットと、
前記第1変換器の有効電力参照値と前記第1変換器の無効電力参照値とに基づいて、第1変換器の交流側インターフェース電流参照値を計算する第1交流側インターフェース電流計算ユニットと、
前記第1変換器の交流側インターフェース電流参照値に基づいて、前記第1変換器の交流側出力電圧参照値を確定する第1交流側インターフェース電圧計算ユニットと、
前記第1変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御して、複合電力ユニットの出力電圧を制御することにより、同じ時刻での出力電圧がそれぞれ0、容量電圧、容量電圧負値である第1電力ユニットおよび第2電力ユニットの個数を交流側出力電圧参照値、直流側出力電圧参照値に満足させ、補償が確保された状態で直流側電圧を下げる第1電力ユニット制御ユニットと、を含む補償器の制御装置。
【請求項21】
前記制御装置は、
前記補償器が起動するとき、前記第1変換器をロック解除し、前記スイッチの電流が徐々に減少して、回路電流が第1変圧器の第2側巻線に徐々に転移するように制御し、前記スイッチの電流がゼロになると、前記スイッチをオフにして、前記補償器の起動を完了する起動制御ユニットと、
前記補償器が停止するとき、前記第1変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、前記第1変圧器の第2側巻線電流を回路電流に相等するように制御し、前記スイッチをオンにして、電流を前記第1変圧器の第2側巻線から前記スイッチに徐々に転移するように制御し、前記第1変圧器の第2側巻線電流がゼロになると、前記第1変換器を閉鎖し、前記補償器の停止を完了する停止制御ユニットと、をさらに含む請求項20に記載の補償器の制御装置。
【請求項22】
前記補償器は第2変換器を含む場合、前記制御装置は、
前記補償器が起動するとき、第2変換器を起動して直流電圧を確立し、前記第1変換器をロック解除し、スイッチの電流が徐々に減少して、回路電流が第1変圧器の第2側巻線に徐々に転移するように制御し、前記スイッチの電流がゼロになると、前記スイッチをオフにして、前記補償器の起動を完了する起動制御ユニットと、
前記補償器が停止するとき、前記第1変圧器の第2側巻線電流を回路電流に相等するように制御し、前記スイッチをオンにして、電流を前記第1変圧器の第2側巻線から前記スイッチに徐々に転移するように制御し、前記第1変圧器の第2側巻線電流がゼロになると、前記第1変換器を閉鎖し、前記第2変換器を終了し、前記補償器の停止を完了する停止制御ユニットと、をさらに含む請求項20に記載の補償器の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力システムにおける電力電子技術分野に属し、特に補償器およびその制御方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明者は、電力システムの急速な発展につれて、負荷が絶えず増加し、グリッド構造が日増しに複雑になり、新エネルギーが大規模に導入され、潮流の分布が不均一で、電圧サポート能力が不十分であり、短絡電流が大きすぎて、機電発振などの問題がしばしば絡み合い、電力網の運行制御に新たな挑戦をもたらしていることを発見した。送電回廊の飽和や電力網会社の商業化により、新たな送電線の建設による送電容量の増加がますます難しくなる。FACTSとは、電力電子設備および他の静的制御装置を用いて、システムの制御性と電力輸送能力を向上させるための交流送電システムを指し、これらの問題を解決するための方法を提供する。
【0003】
また、発明者は、モジュール化マルチレベル電圧源変換器を用いた静的同期直列補償装置SSSC、統合電力潮流制御装置UPFC、および送電線間潮流制御装置IPFCなどの直列補償と移相制御などの機能を持つ補償器に対して、システムの潮流を最適化に調節することができるが、採用された電力ユニットはそのダイオードのアフターフロー効果により、自身の急速な制御により直流障害の自己クリアを実現できず、かつ深刻な故障が設備の安全に影響を与えるので、システムの潮流を最適化するとともに、直列接続回路の交流電圧が一定であることを確保しながら、直流電圧と故障発生時の電流を減少させることができ、さらに直流側の故障電流を安全で信頼的に抑制できる補償器が必要であることを発見した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の一実施形態は補償器であって、前記補償器は第1変換器と、第1変圧器と、スイッチとを含み、前記第1変換器は6つの分岐回路を含み、前記分岐回路は複合電力ユニットとリアクトルとを含み、前記複合電力ユニットは直列に接続された第1電力ユニットと第2電力ユニット、または直列に接続された第2電力ユニットを含み、前記第1電力ユニットは、少なくとも第1オフ可能デバイスT1と、第2オフ可能デバイスT2と、第1容量C1とを含み、前記第1容量C1の一端は、前記第1オフ可能デバイスT1の正極に接続され、前記第1容量C1の他端は、前記第2オフ可能デバイスT2の負極に接続され、第1電力ユニットの第1出力端子として機能し、前記第2オフ可能デバイスT2の正極は、前記第1オフ可能デバイスT1の負極に接続され、第1電力ユニットの第2出力端子として機能し、前記第2電力ユニットは、少なくとも第3オフ可能デバイスT3と、第4オフ可能デバイスT4と、第5オフ可能デバイスT5と、第6オフ可能デバイスT6と、第2容量C2とを含み、前記第2容量C2の一端は、前記第3オフ可能デバイスT3の正極、第4オフ可能デバイスT4の正極に接続され、前記第2容量C2の他端は、第5オフ可能デバイスT5の負極、第6オフ可能デバイスT6の負極に接続され、前記第3オフ可能デバイスT3の負極は、第5オフ可能デバイスT5の正極に接続され、第2電力ユニットの第2出力端子として機能し、前記第4オフ可能デバイスT4の負極は、第6オフ可能デバイスT6の正極に接続され、第2電力ユニットの第1出力端子として機能し、前記第1変圧器は少なくとも第1側巻線と第2側巻線とを含み、前記第1側巻線は前記第1変換器の交流側インターフェースと接続され、前記第2側巻線は交流システムの回路に直列に接続され、前記第2側巻線の両端はスイッチと並列に接続され、前記スイッチは第1変圧器と並列に接続された後交流システムの回路に接続される。
【0005】
さらに、前記補償器は、交流側インターフェースと直流側インターフェースとを含む第2変換器を含み、前記第2変換器の直流側インターフェースは、前記第1変換器と並列に接続され、前記交流側インターフェースを介して前記交流システムに接続されている。
【0006】
さらに、前記補償器は、前記交流システムに接続されている無効補償設備をさらに含む。
【0007】
さらに、前記6つの分岐回路においては、第1分岐回路の第1端と第2分岐回路の第1端とが接続され、接続点は第1交流側インターフェースであり、第3分岐回路の第1端と第4分岐回路の第1端とが接続され、接続点は第2交流側インターフェースであり、第5分岐回路の第1端と第6分岐回路の第1端とが接続され、接続点は第3交流側インターフェースであり、前記第1分岐回路の第2端と第3分岐回路の第2端、第5分岐回路の第2端とが接続され、接続点は直流側正極インターフェースとして機能し、前記第2分岐回路の第2端と前記第4分岐回路の第2端、前記第6分岐回路の第2端とが接続され、接続点は直流側負極インターフェースとして機能する。
【0008】
さらに、前記オフ可能デバイスは、IGBT、IGCT、MOSFET、GTOの一つを含む一つまたは一つ以上の制御可能なスイッチデバイスを含む。
【0009】
さらに、前記第1変圧器の第2側巻線と前記回路との間に第1補償装置が直列に接続されている。
【0010】
さらに、前記第1変圧器の第1側巻線と前記第1変換器の交流側インターフェースとの間に第2補償装置が直列に接続されている。
【0011】
さらに、前記第1補償装置または第2補償装置は、並列に接続されたリアクトル群とスイッチ装置とを含み、前記リアクトル群は、直列に接続された少なくとも一つのリアクトルを含み、前記スイッチ装置は、機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチの一つまたは一つ以上を含む。
【0012】
さらに、前記第1変圧器の第1側巻線の両端に、機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチの一つまたは一つ以上を含むバイパススイッチ装置が並列に接続されている。
【0013】
さらに、前記第1変圧器の第1側巻線は星状の配線方式または三角形の配線方式を採用する。
【0014】
さらに、前記第1変圧器の第1側巻線は星状の配線方式を採用し、中性点は直接接地され、または抵抗を介して接地され、前記第1変圧器は第3側巻線を含み、前記第3側巻線は三角形の配線方式を採用する。
【0015】
さらに、前記第2変換器は、第2変圧器を介して交流システムに接続され、前記第2変圧器は三相変圧器であり、少なくとも両側巻線を含み、第2変換器の交流側インターフェースは第2変圧器の第1側巻線と接続され、第2変圧器の第2側巻線が交流システムに並列に接続されている。
【0016】
さらに、前記第2変換器の交流側インターフェースと交流システムとの間に並列に接続された抵抗とスイッチ装置とが配置され、前記スイッチ装置は断路器またはスイッチを含む。
【0017】
さらに、前記第2変換器は電圧源型変換器を含み、2レベル、3レベル、変圧器多重化構造、およびモジュール化マルチレベル構造の一つを含む。
【0018】
さらに、前記第2変換器は、サイリスタ変換器、ダイオードからなる非制御整流ブリッジの一つを含む。
【0019】
本発明の実施形態は補償器の制御方法であって、回路有効電力指令値と回路有効電力測定値とに基づいて、第1変換器の有効電力参照値を確定するステップと、回路無効電力指令値と回路無効電力測定値とに基づいて、前記第1変換器の無効電力参照値を確定するステップと、前記第1変換器の有効電力参照値と前記第1変換器の無効電力参照値とに基づいて、第1変換器の交流側インターフェース電流参照値を計算するステップと、前記第1変換器の交流側インターフェース電流参照値に基づいて、前記第1変換器の交流側出力電圧参照値を確定するステップと、前記第1変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御して、複合電力ユニットの出力電圧を制御することにより、同じ時刻での出力電圧がそれぞれ0、容量電圧、容量電圧負値である第1電力ユニットおよび第2電力ユニットの個数を交流側出力電圧参照値、直流側出力電圧参照値に満足させ、補償が確保された状態で直流側電圧を下げるステップと、を含む。
【0020】
さらに、前記補償器が起動するとき、前記回路有効電力指令値と回路有効電力測定値とに基づいて、第1変換器の有効電力参照値を確定する前に、前記第1変換器をロック解除するステップと、前記スイッチの電流が徐々に減少して、回線電流が前記第1変圧器の第2側巻線に徐々に転移するように制御するステップと、前記スイッチの電流がゼロになると、前記スイッチをオフにして、前記補償器の起動を完了するステップと、をさらに含む。
【0021】
さらに、前記補償器は第2変換器を含む場合、前記補償器が起動するとき、前記第1変換器をロック解除する前に、第2変換器を起動して直流電圧を確立するステップをさらに含む。
【0022】
さらに、前記補償器が停止するとき、前記第1変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御した後に、前記第1変圧器の第2側巻線電流を回路電流に相等するように制御するステップと、前記スイッチをオンにするステップと、電流が前記第1変圧器の第2側巻線から前記スイッチに徐々に転移するように制御するステップと、前記第1変圧器の第2側巻線電流がゼロになると、前記第1変換器を閉鎖するステップと、をさらに含む。
【0023】
さらに、前記補償器は第2変換器を含む場合、前記補償器が停止するとき、前記第1変圧器の第2側巻線電流がゼロになると、前記第1変換器を閉鎖した後に、前記第2変換器を終了し、前記補償器の停止を完了するステップをさらに含む。
【0024】
本発明の実施形態は補償器の制御装置であって、回路有効電力指令値と回路有効電力測定値とに基づいて、第1変換器の有効電力参照値を確定する第1回路有効電力制御ユニットと、回路無効電力指令値と回路無効電力測定値とに基づいて、前記第1変換器の無効電力参照値を確定する第1回路無効電力制御ユニットと、前記第1変換器の有効電力参照値と前記第1変換器の無効電力参照値とに基づいて、第1変換器の交流側インターフェース電流参照値を計算する第1交流側インターフェース電流計算ユニットと、前記第1変換器の交流側インターフェース電流参照値に基づいて、前記第1変換器の交流側出力電圧参照値を確定する第1交流側インターフェース電圧計算ユニットと、前記第1変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御して、複合電力ユニットの出力電圧を制御することにより、同じ時刻での出力電圧がそれぞれ0、容量電圧、容量電圧負値である第1電力ユニットおよび第2電力ユニットの個数を交流側出力電圧参照値、直流側出力電圧参照値に満足させ、補償が確保された状態で直流側電圧を下げる第1電力ユニット制御ユニットと、を含む。
【0025】
さらに、前記制御装置は、前記補償器が起動するとき、前記第1変換器をロック解除し、前記スイッチの電流が徐々に減少して、回路電流が第1変圧器の第2側巻線に徐々に転移するように制御し、前記スイッチの電流がゼロになると、前記スイッチをオフにして、前記補償器の起動を完了する起動制御ユニットと、前記補償器が停止するとき、前記第1変圧器の第2側巻線電流を回路電流に相等するように制御し、前記スイッチをオンにして、電流を前記第1変圧器の第2側巻線から前記スイッチに徐々に転移するように制御し、前記第1変圧器の第2側巻線電流がゼロになると、前記第1変換器を閉鎖し、前記補償器の停止を完了する停止制御ユニットと、をさらに含む。
【0026】
選択可能な発明として、前記補償器は第2変換器を含む場合、前記制御装置は、前記補償器が起動するとき、第2変換器を起動して直流電圧を確立し、前記第1変換器をロック解除し、スイッチの電流が徐々に減少して、回路電流が第1変圧器の第2側巻線に徐々に転移するように制御し、前記スイッチの電流がゼロになると、前記スイッチをオフにして、前記補償器の起動を完了する起動制御ユニットと、前記補償器が停止するとき、前記第1変圧器の第2側巻線電流を回路電流に相等するように制御し、前記スイッチをオンにして、電流が前記第1変圧器の第2側巻線から前記スイッチに徐々に転移するように制御し、前記第1変圧器の第2側巻線電流がゼロになると、前記第1変換器を閉鎖し、前記第2変換器を終了し、前記補償器の停止を完了する停止制御ユニットと、をさらに含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施形態に係る技術ソリューションは、補償や移相制御などの機能を持ち、送電線の有効と無効電力を迅速に制御することができ、変換器が2つの異なる電力ユニットを採用することにより、直流側電圧および直流側故障時の故障電流を効果的に低減し、第1変圧器構造の特殊性に合わせてスイッチを配置することにより、補償器の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の実施形態に係るソリューションをより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明において必要とされる図面を簡単に紹介するが、以下の説明における図面は本発明の一部の実施形態にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできることは明らかである。
【
図1】本発明の一実施形態に係る補償器の概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る第1補償装置を直列に接続した補償器の概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る第2補償装置を直列に接続した補償器の概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るバイパススイッチ装置を並列に接続した補償器の概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る第2変換器を並列に接続した補償器の概略図である。
【
図7】
図6に基づいて第2変換器が第2変圧器を介して交流システムに接続された補償器の概略図である。
【
図8】
図6に基づいて並列抵抗とスイッチ装置を配置した補償器の概略図である。
【
図9】
図6に基づいて第2変換器が2レベル変換器を採用した補償器の概略図である。
【
図10】
図6に基づいて第2変換器が3レベル変換器を採用した補償器の概略図である。
【
図11】
図6に基づいて第2変換器がモジュール化マルチレベル変換器を採用した補償器の概略図である。
【
図12】
図6に基づいて第2変換器がサイリスタデバイス変換器を採用した補償器の概略図である。
【
図13】
図6に基づいて第2変換器がダイオード非制御整流ブリッジを採用した補償器の概略図である。
【
図14】
図6に基づいて第2変換器が第3電力ユニットまたは第4電力ユニットまたは両方の任意の順序の直列接続方式を採用した補償器の概略図である。
【
図15】
図6に基づいて第1補償装置を直列に接続した補償器の概略図である。
【
図16】
図6に基づいて第2補償装置を直列に接続した補償器の概略図である。
【
図17】
図6に基づいてバイパススイッチ装置を並列に接続した補償器の概略図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る無効補償設備を配置した補償器の概略図である。
【
図19】
図18に基づいて第2変換器が第2変圧器を介して交流システムに接続された補償器の概略図である。
【
図20】
図18に基づいて並列抵抗とスイッチ装置を配置した補償器の概略図である。
【
図21】
図18に基づいて第2変換器が2レベル変換器を採用した補償器の概略図である。
【
図22】
図18に基づいて第2変換器が3レベル変換器を採用した補償器の概略図である。
【
図23】
図18に基づいて第2変換器がモジュール化マルチレベル変換器を採用した補償器の概略図である。
【
図24】
図18に基づいて第2変換器がサイリスタデバイス変換器を採用した補償器の概略図である。
【
図25】
図18に基づいて第2変換器がダイオード非制御整流ブリッジを採用した補償器の概略図である。
【
図26】
図18に基づいて第1補償装置を直列に接続した補償器の概略図である。
【
図27】
図18に基づいて第2補償装置を直列に接続した補償器の概略図である。
【
図28】
図18に基づいてバイパススイッチ装置を並列に接続した補償器の概略図である。
【
図29】本発明の一実施形態に係る補償器制御方法のフローチャートである。
【
図30】本発明の別の実施形態に係る補償器制御方法のフローチャートである。
【
図31】本発明の一実施形態に係る補償器制御装置の構成図である。
【
図32】本発明の別の実施形態に係る補償器制御装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施形態の目的、技術ソリューション及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明の具体的な実施形態についてより詳しくかつ明確に説明する。しかしながら、以下に説明する具体的な実施形態および実施例は、説明する目的だけであって、本明細書に対する限定ではない。これは、本発明の一部の実施形態を含むだけであって、全ての実施形態ではなく、当業者が本発明の様々な変化により得る他の実施形態は、すべて本発明の保護範囲に属する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係る補償器の概略図であり、少なくとも第1変換器と、第1変圧器と、スイッチとを含む。
【0031】
第1変換器は6つの分岐回路で構成され、第1分岐回路の第1端と第2分岐回路の第1端とが接続され、接続点は第1交流側インターフェースである。第3分岐回路の第1端と第4分岐回路の第1端とが接続され、接続点は第2交流側インターフェースである。第5分岐回路の第1端と第6分岐回路の第1端とが接続され、接続点は第3交流側インターフェースである。第1分岐回路の第2端と第3分岐回路の第2端、第5分岐回路の第2端とが接続され、接続点は直流側正極インターフェースとして機能する。第2分岐回路の第2端と第4分岐回路の第2端、第6分岐回路の第2端とが接続され、接続点は直流側負極インターフェースとして機能する。第1変圧器は三相第1変圧器であり、少なくとも両側巻線を含み、第1側巻線は第1変換器の交流側インターフェースと接続され、第2側巻線は交流システムの回路に直列に接続され、第2側巻線の両端はスイッチと並列に接続されている。
【0032】
分岐回路は直列に接続された複合電力ユニットとリアクトルとを含む。第1分岐回路、第3分岐回路、第5分岐回路において、リアクトルの第1端は分岐回路の第1端となり、リアクトルの第2端は複合電力ユニットの第1出力端と接続され、複合電力ユニットの第2出力端子は分岐回路の第2端となる。第2分岐回路、第4分岐回路、第6分岐回路において、リアクトルの第1端は分岐回路の第1端となり、リアクトルの第2端は複合電力ユニットの第2出力端子と接続され、複合電力ユニットの第1出力端子は分岐回路の第2端となる。
【0033】
具体的には、複合電力ユニットとリアクトルは位置を交換することができ、この限りではない。
図5に示すように、第1分岐回路、第3分岐
回路、第5分岐回路において、複合電力ユニットの第1出力端子は分岐回路の第1端となり、複合電力ユニットの第2出力端子はリアクトルの第1端と接続され、リアクトルの第2端は分岐回路の第2端となる。第2分岐回路、第4分岐回路、第6分岐回路において、複合電力ユニットの第2出力端子は分岐回路の第1端となり、複合電力ユニットの第1出力端子はリアクトルの第1端と接続され、リアクトルの第2端は分岐回路の第2端となる。
【0034】
複合電力ユニットは、直列に接続された第1電力ユニットと第2電力ユニットとを含む。第1電力ユニットおよび第2電力ユニットは、任意の順序で直列に接続されてもよい。
【0035】
第1電力ユニットは、少なくとも第1オフ可能デバイスT1と、第2オフ可能デバイスT2と、第1容量C1とを含む。第1容量C1の一端は第1オフ可能デバイスT1の正極と接続され、第1容量C1の他端は第2オフ可能デバイスT2の負極と接続され、第1電力ユニットの第1出力端子として機能する。第2オフ可能デバイスT2の正極は第1オフ可能デバイスT1の負極と接続され、第1電力ユニットの第2出力端子として機能する。
【0036】
第2電力ユニットは、少なくとも第3オフ可能デバイスT3と、第4オフ可能デバイスT4と、第5オフ可能デバイスT5と、第6オフ可能デバイスT6と、第2容量C2とを含む。第2容量C2の一端は第3オフ可能デバイスT3の正極、第4オフ可能デバイスT4の正極と接続され、第2容量C2の他端は第5オフ可能デバイスT5の負極、第6オフ可能デバイスT6の負極と接続され、第3オフ可能デバイスT3の負極は第5オフ可能デバイスT5の正極と接続され、第2電力ユニットの第2出力端子として機能し、第4オフ可能デバイスT4の負極は第6オフ可能デバイスT6の正極と接続され、第2電力ユニットの第1出力端子として機能する。
【0037】
オフ可能デバイスは、一つまたは一つ以上の制御可能なスイッチデバイスを含むが、これらに限定されなく、制御可能なスイッチデバイスは、IGBT、IGCT、MOSFET、GTOの一つを含むが、これらに限定されない。オフ可能デバイスは、多数の制御可能なスイッチデバイスを直列または並列に接続することができる。オフ可能デバイスにIGBTを採用するときは、正極はそのコレクタであり、負極はそのエミッタである。オフ可能デバイスにIGCTまたはGTOを採用するときは、正極はその陽極であり、負極はその陰極である。オフ可能デバイスにMOSFETを採用すると、正極はそのドレインであり、負極はそのソースである。
【0038】
図2は本発明の一実施形態に係る第1補償装置を直列に接続した補償器の概略図であり、第1変圧器の第2側巻線と回路との間に第1補償装置が直列に接続されている。
図3は本発明の一実施形態に係る第2補償装置を直列に接続した補償器の概略図であり、第1変圧器の第1側巻線と第1変換器の交流側インターフェースとの間に第2補償装置が直列に接続されている。第1補償装置、第2補償装置は、リアクトル群とスイッチ装置とが並列に接続され、リアクトル群は直列に接続された少なくとも一つのリアクトルを含み、スイッチ装置は機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチを含むが、これらに限定されない。
【0039】
図4は本発明の一実施形態に係るバイパススイッチ装置を並列に接続した補償器の概略図であり、第1変圧器の第1側巻線両端にバイパススイッチ装置が並列に接続され、バイパススイッチ装置は機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチを含むが、これらに限定されない。
【0040】
第1変圧器の第1側巻線は星状の配線方式または三角形の配線方式を採用する。第1変圧器の第1側巻線は星状の配線方式を採用し、中性点は直接接地され、または抵抗を介して接地されている。第1変圧器は第3側巻線を含む場合、第3側巻線は三角形の配線方式を採用する。
【0041】
第1変換器の交流側出力電圧は第1変圧器を介して回路に接続され、振幅と位相制御可能な電圧源を回路に接続することと同効であり、回路の両端の電圧間の振幅差と位相差を変えて、回路の有効電力と無効電力の制御調節を実現する。外部デバイスによって複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御することができる。電力ユニットを調節する出力電圧を変えて、第1電力ユニットの対外出力電圧は0であっても良いし、この電力ユニット内部容量の電圧であっても良いし、第2電力ユニットの対外出力電圧は0であっても良いし、この電力ユニット内部容量の電圧であっても良いし、この電力ユニット内部容量の電圧の負値であっても良い。第1変換器の第1分岐回路と第2分岐回路、第3分岐回路と第4分岐回路、第5分岐回路と第6分岐回路のすべての電力ユニットの対外出力電圧の合計が等しく、直流側電圧はその対外出力電圧に相等するので、対外出力電圧が負の容量電圧である第2電力ユニットが複合電力ユニットに存在するときに、直流側電圧を低減することができる。正常運転時には、第2電力ユニットが負電圧を出力するように制御することで、接続回路の交流電圧を一定にしながら直流電圧を減少するとともに、故障が発生する時の電流を低減することができる。直流側で故障が発生する場合は、第2電力ユニットの電圧双方向出力の特性を利用して、故障電流を効果的に抑制することができる。
【0042】
図6は本発明の一実施形態に係る第2変換器を並列に接続した補償器の概略図であり、第1変換器と、第2変換器と、第1変圧器と、スイッチとを含む。
【0043】
第2変換器は交流側インターフェースと直流側インターフェースとを含み、交流側インターフェースを介して交流システムに接続する。第1変換器、第1変圧器、スイッチは、上記の実施形態と同じものであり、説明を省略する。
【0044】
図7は
図6に基づいて第2変換器が第2変圧器を介して交流システムに接続された補償器の概略図であり、第2変換器が第2変圧器を介して交流システムに接続されている。
【0045】
第2変圧器は三相変圧器であり、少なくとも両側巻線を含み、第2変換器交流側インターフェースは第2変圧器の第1側巻線と接続され、第2変圧器の第2側巻線は交流システムに並列に接続されている。
【0046】
図8は
図6に基づいて並列抵抗とスイッチ装置を配置した補償器の概略図であり、第2変換器の交流側インターフェースと交流システムとの間に並列に接続された抵抗とスイッチ装置を配置し、スイッチ装置は断路器とスイッチを含むが、これらに限定されない。
【0047】
第2変換器は、
図9、
図10、
図11に示すように、電圧源型変換器を含むが、これらに限定されなく、2レベル、3レベル、変圧器多重化構造、およびモジュール化マルチレベル構造を含むが、これらに限定されない。
図9は
図6に基づいて第2変換器が2レベル変換器を採用した補償器の概略図であり、
図10は
図6に基づいて第2変換器が3レベル変換器を採用した補償器の概略図であり、
図11は本発明の
図6に基づいて第2変換器がモジュール化マルチレベル変換器を採用した補償器の概略図であり、第2変換器は、モジュール化マルチレベル構造を採用する。
【0048】
図12は
図6に基づいて第2変換器がサイリスタデバイス変換器を採用した補償器の概略図である。第2変換器は、
図13、
図14に示すように、サイリスタデバイス変換器、ダイオードからなる非制御整流ブリッジを含むが、これらに限定されない。
図13は
図6に基づいて第2変換器がダイオード非制御整流ブリッジを採用した補償器の概略図であり、
図14は
図6に基づいて第2変換器が第3電力ユニットまたは第4電力ユニットまたは両方の任意の順序の直列方式を採用した補償器の概略図である。
【0049】
第3電力ユニットは、第11オフ可能デバイスT11と、第12オフ可能デバイスT12と、第7オフ可能デバイスT7と、第1ダイオードD1と、第3容量C3とを含む。第11オフ可能デバイスT11の正極は、第12オフ可能デバイスT12の負極と接続され、第3電力ユニットの第2出力端子として機能する。第3容量C3の一端、第12オフ可能デバイスT12の正極は第1ダイオードD1の負極と接続され、第3容量C3の他端、第11オフ可能デバイスT11の負極は第7オフ可能デバイスT7の負極と接続され、第1ダイオードD1の正極は第7オフ可能デバイスT7の正極と接続され、第3電力ユニットの他端の出力端子として機能する。
【0050】
第4電力ユニットは、少なくとも第8オフ可能デバイスT8と、第9オフ可能デバイスT9と、第10オフ可能デバイスT10と、第2ダイオードD2と、第4容量C4とを含む。第2ダイオードD2の負極は、第8オフ可能デバイスT8の負極と接続され、第4電力ユニットの出力端子として機能する。第8オフ可能デバイスT8の正極、第10オフ可能デバイスT10の正極は第4容量C4の一端と接続され、第2ダイオードD2の正極、第9オフ可能デバイスT9の負極は第4容量C4の他端と接続され、第9オフ可能デバイスT9の正極は第10オフ可能デバイスT10の負極と接続され、第4電力ユニットの他端の出力端子として機能する。
【0051】
図15は
図6に基づいて第1補償装置を直列に接続した補償器の概略図であり、
図15に示すように、第1変圧器の第2側巻線と回路との間に第1補償装置が直列に接続されている。
図16は
図6に基づいて第2補償装置を直列に接続した補償器の概略図であり、
図16に示すように、第1変圧器の第1側巻線と第1変換器の交流側インターフェースとの間に第2補償装置が直列に接続されている。第1補償装置、第2補償装置は、リアクトル群とスイッチ装置とが並列に接続され、リアクトル群は少なくとも一つのリアクトルにより直列に接続され、スイッチ装置は機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチを含むが、これらに限定されない。
【0052】
図17は
図6に基づいてバイパススイッチ装置を並列に接続した補償器の概略図であり、
図17に示すように、第1変圧器の第1側巻線の両端にバイパススイッチ装置が並列に接続され、バイパススイッチ装置は機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチを含むが、これらに限定されない。
【0053】
第1変圧器の第1側巻線は星状の配線方式または三角形の配線方式を採用する。第1変圧器の第1側巻線は星状の配線方式を採用し、中性点は直接接地され、または抵抗を介して接地されている。第1変圧器は第3側巻線を含み、第3側巻線は三角形の配線方式を採用する。外部設備により電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御し、電力ユニットを調節する出力電圧を変えて、さらに、第2変換器と第1変換器を直流側、交流側に所望の電圧を確定させることができる。第1変換器の交流側出力電圧は第1変圧器を介して回路に接続され、振幅と位相制御可能な電圧源を回路に接続することと同効であり、回路の両端の電圧間の振幅差と位相差を変えて、回路の有効電力と無効電力の制御調節を実現する。第2変換器は交流システムに接続し、並列側出力の無効またはアクセスポイント電圧を制御し、直流母線電圧を維持する役割を果たす。第1電力ユニットの対外出力電圧は0であっても良いし、この電力ユニットの内部容量の電圧であっても良いし、第2電力ユニット、第3電力ユニット、第4電力ユニットの対外出力電圧は0であっても良いし、この電力ユニットの内部容量の電圧であっても良いし、この電力ユニットの内部容量の電圧の負値であっても良い。
【0054】
第1変換器の第1分岐回路と第2分岐回路、第3分岐回路と第4分岐回路、第5分岐回路と第6分岐回路のすべての電力ユニットの対外出力電圧の合計が等しく、直流側電圧はこの対外出力電圧に相等するので、対外出力電圧が負の容量電圧である第2電力ユニットが複合電力ユニットに存在する場合、直流側電圧を低減し、直列及び並列に接続される補償装置のコストを低減することができる。正常運転の時には、第2電力ユニットが負電圧を出力するように制御することで、接続回路の交流電圧を一定に確保しながら直流電圧を減少するとともに、故障発生時の電流を低減することができ、直流側で故障が発生する場合は、第2電力ユニットの電圧双方向出力の特性を利用して、故障電流を効果的に抑制することができる。
【0055】
図18は本発明の一実施形態に係る無効補償設備を配置した補償器の概略図であり、第1変換器と、第2変換器と、第1変圧器と、スイッチと、無効補償設備とを含む。第2変換器は交流側インターフェースと直流側インターフェースとを含み、交流側インターフェースを介して交流システムに接続する。無効補償設備が交流システムに接続されている。第1変換器、第2変換器、第1変圧器、スイッチは、上記の実施形態と同じであり、説明を省略する。無効補償設備は、固定されたコンデンサ、機械スイッチまたはサイリスタスイッチによりオンオフされたコンデンサ、オンオフ可能な細分コンデンサバンク、SVC静的無効補償装置などを含むが、これらに限定されない。
【0056】
図19は
図18に基づいて第2変換器が第1変圧器を介して交流システムに接続された補償器の概略図であり、第2変換器は第2変圧器を介して交流システムに接続され、第2変圧器の第2側巻線は交流システムに並列に接続されている。第2変圧器は三相変圧器であり、少なくとも両側巻線を含み、第2変換器の交流側インターフェースは第2変圧器の第1側巻線に接続されている。
図20は
図18に基づいて並列抵抗とスイッチ装置を配置した補償器の概略図であり、第2変換器の交流側インターフェースと交流システムとの間に並列に接続された抵抗とスイッチ装置を配置し、スイッチ装置は断路器とスイッチを含むが、これらに限定されない。
【0057】
第2変換器は電圧源型変換器であっても良く、
図21、
図22、
図23に示すように、2レベル、3レベル、変圧器多重化構造、およびモジュール化マルチレベル構造を含むが、これらに限定されない。
図21は
図18に基づいて第2変換器が2レベル変換器を採用した補償器の概略図であり、
図22は
図18に基づいて第2変換器が3レベル変換器を採用した補償器の概略図であり、
図23は
図18に基づいて第2変換器がモジュール化マルチレベル変換器を採用した補償器の概略図である。第2変換器はモジュール化マルチレベル構造を採用し、第3電力ユニットまたは第4電力ユニットまたは両方の任意の順序で直列接続方式を採用することができる。第2変換器は、
図24、
図25に示すように、サイリスタデバイス変換器、ダイオードからなる非制御整流ブリッジを含むが、これらに限定されない。
図24は
図18に基づいて第2変換器がサイリスタデバイス変換器を採用した補償器の概略図である。
図25は
図18に基づいて第2変換器がダイオード非制御整流ブリッジを採用した補償器の概略図である。
【0058】
図26は
図18に基づいて第1補償装置を直列に接続した補償器の概略図であり、第1変圧器の第2側巻線と回路との間に第1補償装置が直列に接続されている。
図27は
図18に基づいて第2補償装置を直列に接続した補償器の概略図であり、第1変圧器の第1側巻線と第1変換器の交流側インターフェースとの間に補償装置が直列に接続されている。第1補償装置、第2補償装置は、リアクトル群とスイッチ装置とが並列に接続され、リアクトル群は少なくとも一つのリアクトルにより直列に接続され、スイッチ装置は機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチを含むが、これらに限定されない。
図28は
図18に基づいてバイパススイッチ装置を並列に接続した補償器の概略図であり、第1変圧器の第1側巻線の両端にバイパススイッチ装置が並列に接続され、バイパススイッチ装置は機械スイッチ、電力電子デバイスからなるスイッチを含むが、これらに限定されない。
【0059】
図29は本発明の一実施形態に係る補償器制御方法のフローチャートであり、以下のステップを含む。
【0060】
ステップS110で、回路有効電力指令値と回路有効電力測定値とに基づいて、第1変換器の有効電力参照値を確定する。
【0061】
ステップS120で、回路無効電力指令値と回路無効電力測定値とに基づいて、第1変換器の無効電力参照値を確定する。
【0062】
ステップS130で、第1変換器の有効電力参照値と第1変換器の無効電力参照値とに基づいて、第1変換器の交流側インターフェース電流参照値を計算する。
【0063】
ステップS140で、第1変換器の交流側インターフェース電流参照値に基づいて、第1変換器の交流側出力電圧参照値を確定する。
【0064】
ステップS150で、第1変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御して、複合電力ユニットの出力電圧を制御することにより、同じ時刻での出力電圧がそれぞれ0、容量電圧、容量電圧負値である第1電力ユニットおよび第2電力ユニットの個数を交流側出力電圧参照値、直流側出力電圧参照値に満足させ、補償が確保された状態で直流側電圧を下げる。
【0065】
図30は本発明の別の実施形態に係る補償器制御方法のフローチャートであり、以下のステップを含む。
【0066】
ステップS110で、回路有効電力指令値と回路有効電力測定値とに基づいて、第1変換器の有効電力参照値を確定する。
【0067】
ステップS120で、回路無効電力指令値と回路無効電力測定値とに基づいて、第1変換器の無効電力参照値を確定する。
【0068】
ステップS130で、第1変換器の有効電力参照値と第1変換器の無効電力参照値とに基づいて、第1変換器の交流側インターフェース電流参照値を計算する。
【0069】
ステップS140で、第1変換器の交流側インターフェース電流参照値に基づいて、第1変換器の交流側出力電圧参照値を確定する。
【0070】
ステップS150で、第1変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御して、複合電力ユニットの出力電圧を制御することにより、同じ時刻での出力電圧がそれぞれ0、容量電圧、容量電圧負値である第1電力ユニットおよび第2電力ユニットの個数を交流側出力電圧参照値、直流側出力電圧参照値に満足させ、補償が確保された状態で直流側電圧を下げる。
【0071】
ステップS161で、直流電圧参照値と直流電圧測定値との偏差に基づいて、第2変換器の有効電力参照値を確定する。
【0072】
ステップS162で、交流電圧参照値と交流電圧測定値との偏差または無効電力参照値と無効電力測定値との偏差に基づいて、第2変換器の無効電力参照値を確定する。
【0073】
ステップS163で、第2変換器の有効電力参照値と無効電力参照値とに基づいて、第2変換器の交流側インターフェース電流参照値を計算する。
【0074】
ステップS164で、第2変換器の交流側インターフェース電流参照値に基づいて、第2変換器の交流側出力電圧参照値を計算する。
【0075】
ステップS165で、第2変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御し、第3電力ユニットと第4電力ユニットの出力の電圧複合を制御し、同じ時刻での出力電圧がそれぞれ0、容量電圧値、容量電圧負値である第3電力ユニットおよび第4電力ユニットの個数を交流側、直流側出力電圧参照値に満足させる。
【0076】
本実施形態では、補償器が起動するとき、ステップS110の前に、以下のステップも含む。
【0077】
ステップS101で、第2変換器を起動して直流電圧を確立する。
【0078】
ステップS102で、第1変換器をロック解除する。
【0079】
ステップS103で、スイッチの電流が徐々に減少して、回路電流が第1変圧器の第2側巻線に徐々に転移するように制御する。
【0080】
ステップS104で、スイッチの電流がゼロになると、スイッチをオフにして、補償器の起動を完了する。
【0081】
本実施形態では、補償器が停止するとき、ステップS166の後に、以下のステップも含む。
【0082】
ステップS171で、第1変圧器の第2側巻線の電流は回路電流に相等するように制御する。
【0083】
ステップS172で、スイッチをオンにする。
【0084】
ステップS173で、電流は第1変圧器の第2側巻線からスイッチに徐々に転移するように制御する。
【0085】
ステップS174で、第1変圧器の第2側巻線の電流がゼロになると、第1変換器を閉鎖する。
【0086】
ステップS175で、第2変換器を終了し、補償器の停止を完了する。
【0087】
図31は本発明の一実施形態に係る補償器の制御装置の構成図であり、補償器は第1変換器を含む。制御装置は、第1回路有効電力制御ユニットと、第1回路無効電力制御ユニットと、第1交流側インターフェース電流計算ユニットと、第1交流側インターフェース電圧計算ユニットと、第1電力ユニット制御ユニットとを含む。
【0088】
第1回路有効電力制御ユニットは、回路有効電力指令値と回路有効電力測定値とに基づいて、第1変換器の有効電力参照値を確定する。第1回路無効電力制御ユニットは、回路無効電力指令値と回路無効電力測定値とに基づいて、第1変換器の無効電力参照値を確定する。第1交流側インターフェース電流計算ユニットは、第1変換器の有効電力参照値と第1変換器の無効電力参照値とに基づいて、第1変換器の交流側インターフェース電流参照値を計算する。第1交流側インターフェース電圧計算ユニットは、第1変換器の交流側インターフェース電流参照値に基づいて、第1変換器の交流側出力電圧参照値を確定する。第1電力ユニット制御ユニットは、第1変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御して、複合電力ユニットの出力電圧を制御することにより、同じ時刻での出力電圧がそれぞれ0、容量電圧、容量電圧負値である第1電力ユニットおよび第2電力ユニットの個数を交流側出力電圧参照値、直流側出力電圧参照値に満足させ、補償が確保された状態で直流側電圧を下げる。
【0089】
図32は本発明の別の実施形態に係る補償器の制御装置の構成図である。補償器は、第1変換器と第2変換器とを含む。制御装置は、第1回路有効電力制御ユニットと、第1回路無効電力制御ユニットと、第1交流側インターフェース電流計算ユニットと、第1交流側インターフェース電圧計算ユニットと、第1電力ユニット制御ユニットと、第2有効電力制御ユニットと、第2無効電力制御ユニットと、第2交流側インターフェース電流計算ユニットと、第2交流側出力電圧計算ユニットと、第2電力ユニット制御ユニットとを含む。
【0090】
第2有効電力制御ユニットは、直流電圧参照値と直流電圧測定値との偏差に基づいて、第2変換器の有効電力参照値を確定する。第2無効電力制御ユニットは、交流電圧参照値と交流電圧測定値との偏差または無効電力参照値と無効電力測定値との偏差に基づいて、第2変換器の無効電力参照値を確定する。第2交流側インターフェース電流計算ユニットは、第2変換器の有効電力参照値と第2変換器の無効電力参照値とに基づいて、第2変換器の交流側インターフェース電流参照値を計算する。第2交流側出力電圧計算ユニットは、第2変換器の交流側インターフェース電流参照値に基づいて、第2変換器の交流側出力電圧の参照値を計算する。第2電力ユニット制御ユニットは、第2変換器の交流側出力電圧参照値に基づいて、複合電力ユニットにおけるオフ可能デバイスのオンとオフを制御し、第3電力ユニットと第4電力ユニットの出力の電圧複合を制御し、同じ時刻での出力電圧がそれぞれ0、容量電圧値、容量電圧負値である第3電力ユニットおよび第4電力ユニットの個数を交流側、直流側出力電圧参照値に満足させる。
【0091】
本実施形態では、選択可能な発明として、制御装置は、起動制御ユニットと、停止制御ユニットとをさらに含む。
【0092】
起動制御ユニットは、補償器が起動するとき、第2変換器を起動し、直流電圧を確立し、前記第1変換器をロック解除し、スイッチの電流が徐々に減少して、回路電流が第1変圧器の第2側巻線に徐々に転移するように制御し、スイッチの電流がゼロになると、スイッチをオフにして、補償器の起動を完了する。停止制御ユニットは、補償器が停止するとき、第1変圧器の第2側巻線電流が回路電流に相等するように制御し、スイッチをオンにして、電流を第1変圧器の第2側巻線から前記スイッチに徐々に転移するように制御し、第1変圧器の第2側巻線電流がゼロになると、第1変換器を閉鎖し、第2変換器を終了し、補償器の停止を完了する。
【0093】
なお、以上のように図面を参照しながら説明した各実施形態は、本発明を説明するだけであって、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明について変更または均等置換を行うものとして、本発明の範囲内に含まれるべきであることを、当業者は理解すべきである。また、文脈以外にも単数で出現する用語は複数の形を含み、逆も同様である。さらに、特に説明しない限り、任意の実施形態の全部または一部は、他の実施形態の全部または一部と組み合わせて使用されてもよい。