(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】消費者用の貯蔵装置及び貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20220616BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20220616BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H02J13/00 311R
H02J3/38 110
H02J3/32
(21)【出願番号】P 2019523815
(86)(22)【出願日】2017-10-27
(86)【国際出願番号】 EP2017077637
(87)【国際公開番号】W WO2018078115
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-08-18
(31)【優先権主張番号】102016120575.3
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519151943
【氏名又は名称】トビアス・マーダー
【氏名又は名称原語表記】Tobias MADER
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・マーダー
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-512727(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0284033(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0236369(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/38
H02J 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者用の貯蔵装置(10)であって、
a)電気エネルギーを保持可能なエネルギー貯蔵部(12)と、
b)前記貯蔵装置(10)と電気配線網(20)とを接続する電流インタフェース(16)と、
c)前記エネルギー貯蔵部(12)及び前記電流インタフェース(16)の
間に配置される電気回路(14)と、
d)
トランザクションが分散型の方法で管理、制御又は/及び監視されるのに用いられ、さらなるサーバ装置とともに、分散型のコンピュータネットワーク(52)を構成するサーバ装置(47)とを備え、
前記分散型のコンピュータネットワーク(52)のサーバ装置(47)は、前記トランザクションが、前記分散化されたコンピュータネットワーク(52)の外部からアクセスなしに自動的に実行されるように構成されており、
前記トランザクションは、前記エネルギー貯蔵部を通過するエネルギー量の消費価値又は供給価値を含み、
消費者の電気配線網(20)が家庭の配線網として接続される供給配線網(56)からエネルギーを受け、エネルギーを一時的に貯蔵し、電気配線網(20)に一時的に貯蔵したエネルギーを供給するように構成される
貯蔵装置。
【請求項2】
前記サーバ装置(47)は、ブロックチェーンのデータブロックを記憶するように構成されるデータ記憶部(50)を備えることを特徴とする請求項1に記載の貯蔵装置(10)。
【請求項3】
前記サーバ装置(47)は、ブロックチェーンのデータブロックを生成するコンピュータプロセッサ(48)を備えることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1に記載の貯蔵装置(10)。
【請求項4】
前記分散型のコンピュータネットワーク(52)の
ノードであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の貯蔵装置(10)。
【請求項5】
前記エネルギー貯蔵部(12)を制御する制御インタフェース(18)を備え、
前記エネルギー貯蔵部(12)は、
中央外部制御手段(58)とのみ通信する前記制御インタフェース(18)のみにより制御されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の貯蔵装置(10)。
【請求項6】
グリッドオペレーター、エネルギー供給者、及び/又は権限のあるサービスプロバイダのみによってアクセスされ、前記制御インタフェース(18)を介して供給配線網(56)からエネルギーが一時的に貯蔵されることを特徴とする請求項5に記載の貯蔵装置(10)。
【請求項7】
前記サーバ装置(47)は、負荷
を切替可能とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の貯蔵装置(10)。
【請求項8】
太陽光発電システムであるエネルギー生成源(62)と接続されるエネルギーインタフェース(60)と接続されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の貯蔵装置(10)。
【請求項9】
プラグ・アンド・プレイ装置であり、ソケット(22)に接続することで起動されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の貯蔵装置(10)。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵部(12)は、1kW~10kW、好ましくは2kWの貯蔵容量を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の貯蔵装置(10)。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか1に記載の貯蔵装置(10)を2以上備え、サーバ装置を介して分散型のコンピュータネットワーク(52)を形成することを特徴とする貯蔵システム(54)。
【請求項12】
独占的に制御インタフェース(18)を介して前記貯蔵装置(10)にアクセスする
前記中央外部制御手段(58)を備えることを特徴とする
請求項5に従属する請求項11に記載の貯蔵システム(54)。
【請求項13】
分散型のコンピュータネットワーク(52)及び前記中央外部制御手段(58)によって制御される中央制御装置を同時に備えることを特徴とする請求項5に従属する請求項11又は請求項12に記載の貯蔵システム(54)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費者用の貯蔵装置及び貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々の環境保護の意識が高まっており、人々の増加するエネルギー需要を満たすため、また、石油エネルギー源の負担を減少させるため、ますます多くのエネルギーが再生可能エネルギー源により供給される。再生可能エネルギー源として、例えば、風力又は太陽エネルギーを挙げることができる。したがって、風力タービン又は太陽光モジュールは、それぞれ風又は日光から発電するために用いられる。
【0003】
エネルギー需要は天候状態と無関係であるため、再生可能エネルギー源で生成されたエネルギーは一時的に保存され、必要な場合に取り出すことが可能であるべきである。
【0004】
これに関し、従来技術は、特に、大きな容量を生成し、一時的にエネルギーを貯蔵する中央貯蔵発電所を開示する。再生可能エネルギー源が必要とされるよりも多くのエネルギーを発電した場合、残りのエネルギーを高い潜在エネルギーレベルに水をくみ上げるために用いることができる。エネルギー需要が高まり、もはや現在発電されるエネルギー量をカバーできなくなると直ちに、くみ上げられた水をタービンにより電力エネルギーを生成するために流すことができる。揚水システムの発電所を用いて、供給配管網の変動が相殺されることが可能であり、又は、過剰生産能力が減少される。
【0005】
揚水システムの発電所は、広い場所と多くの構成を必要とし、メンテナンスは高価であり、不利であると証明されている現実がある。
【0006】
また、分散型の太陽光発電システムと共に動作し、例えば、典型的な家族の世帯等の消費者又はユーザが太陽光発電システムを用いて発電したエネルギーを一時的に貯蔵する分散型の貯蔵装置が知られている。貯蔵装置に一時的に貯蔵されるエネルギーは、消費者自身によって消費可能であり、又は/及び、複数の世帯が接続され、そこから世帯がそのエネルギーを引き出す供給配線網に供給可能である。したがって、消費者は、供給配線網に供給する又は自身で消費する比率を自ら決定するために、一時的に貯蔵されたエネルギーにアクセスする。
【0007】
供給配線網は、通常、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターにより、制御(例えば、管理、照合及び監視)が集中して行われる方法である。したがって、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターは、例えば、起こりうる負荷変動に対しサポートできるように、供給配線を安定させる必要がある。特に、再生可能エネルギーは、エネルギー供給者及びグリッドオペレーターに大きな困難をもたらす。
【0008】
したがって、従来技術で知られる供給配線網の集中管理、中央管理エネルギー貯蔵(揚水システムの発電所)、又は、利用される様々な分散型の貯蔵装置は、通常、各消費者又はユーザによって現場で局所的に操作される。しかしながら、分散型の貯蔵装置は、中央のエネルギー供給者又はグリッドオペレーターが、一時的に貯蔵されるエネルギーにアクセスすることができない。グリッドオペレーター又はエネルギー供給者は、せいぜい、エネルギー量の請求のために要求される適切な貯蔵装置の消費、又は、提供のデータの読み出しのみができるぐらいである。
【0009】
また、エネルギー供給者又はアクセス可能者により、中央で実行しなければならないので、エネルギー量の請求に関しては、費用が高い。
【0010】
本発明の目的は、費用効果が高く及び簡単な方法で、各消費者又はユーザに、永久的でかつ信頼性のあるエネルギー供給を保証する。
【発明の概要】
【0011】
本発明によれば、目的を達成するため、消費者用の貯蔵装置は、電気エネルギーを保持可能なエネルギー貯蔵部と、貯蔵装置を電気配線と接続可能とする電流インタフェースと、エネルギー貯蔵部及び電流インタフェースの間の電流の流れる方向に配置される電気回路と、分散型の方法で、トランザクションの管理、制御及び/又は監視を用いて他のサーバ装置とともに分散型のコンピュータネットワークを形成するように構成されるサーバ装置とを有する。
【0012】
本発明は、また、2以上の上述のタイプの貯蔵装置を有し、それらのサーバ装置により分散型のコンピュータネットワークを形成する貯蔵システムに関する。
【0013】
本発明の基本的な考えは、貯蔵装置に組み込まれた手段により実行されるトランザクションの上位集中管理の少なくとも一部がない状態にできるように、電気エネルギーの分散型の貯蔵部と、分散型のコンピュータネットワークの自身の管理、監視及び検査と、コンピュータネットワーク実行されるトランザクションに加え、ユーザ又は消費者に分散型の方法で提供される貯蔵装置を用いた分散型のコンピュータネットワークを構成することである。上位の管理を実行するための課題は、削減、最適化又は外部委託である。これにより上位集中を少なくとも、小さくし、コストを削減することができる。貯蔵装置は、共に、エネルギー貯蔵部及びサーバ装置を備え、両者に冷却手段が求められる。例えば、冷却手段により得られる相乗効果は、同時に、エネルギーの貯蔵及びサーバ装置に利用される。通常、分散型のコンピュータネットワークは、決定又は実行のトランザクションの分散を可能とする。エネルギー供給者やグリッドオペレーターグリッドオペレーターに関しては、サーバ装置又はコンピュータネットワークは、通常、例えば、第三者、コンピュータサービスプロバイダのためのサーバ能力の提供に用いることができる。エネルギーのトランザクションは、具体的には、例えば、消費価値又は供給価値等の貯蔵装置を通過するエネルギー量に関する請求を含んでもよく、通常、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターによって中央で操作される。
【0014】
分散型の管理、制御及び監視は、また、「分散型台帳」といわれる。
【0015】
分散型の方法でトランザクションを管理、制御及び/又は監視する分散型コンピュータネットワークを構成する複数のサーバ装置は、いわゆる「スマートコントラクト」を提供することができる。「スマートコントラクト」は、“if then”原理に基づく、電子的な自己演算の合意、又は、契約である。これは、第2の条件が実行されるためには、第1の条件が充足する必要がある。第1の条件は、電気エネルギーの条件であってよく、それに応じた報酬として(第2の条件)、要求された方法で電気エネルギーが供給され、合意される。したがって、人の介在はもはや不要であり、その結果、調整費用は、それに応じて減少する。
【0016】
電気配線網は、例えば、供給配線網に接続される家庭内の電気配線網であって、電気供給者又は配線網オペレーターによって中央で制御される。貯蔵装置は、したがって、供給配線網にアクセスするよう構成される家庭内の電気配線網に含まれる。貯蔵装置は、したがって、特に、供給配線網からエネルギーを取得し、一時的に貯蔵し、又は、一時的に貯蔵したエネルギーを電気配線網に提供する。供給配線の負荷は、従って、解放されることができる。
【0017】
したがって、貯蔵装置によって、供給配線の安定性が保証される。これは、複数の貯蔵部を備える貯蔵システムによって形成されるクラスターストアが貯蔵装置の一部であるという事実により、追加的に得られる。これら複数の貯蔵装置は、大きな仮想の貯蔵装置を形成する。
【0018】
貯蔵装置は、例えば、個人の世帯又は(小規模又は中規模の)企業であるユーザ又は消費者の敷地内に設置された装置である。
【0019】
貯蔵装置は、電気配線網からエネルギーを取得し、かつ、一時的に貯蔵されたエネルギーを電気配線網に供給するように構成される。
【0020】
1の観点によれば、サーバ装置は、ブロックチェーンのデータブロックを記憶するデータ記憶部を有する。全てのブロックチェーンは、具体的には、データ記憶部に記憶される。ブロックチェーンは、分散されたデータベースで、完全性が保証される。これは、前のデータレコードの暗号法のチェックサムが、後続するデータレコードの中で安全性が保障されることによる。したがって、データは、もはや、後に操作されず、または、データは正しい生成順で記憶されることが保証される。一般に、ブロックチェーンは、個々のデータブロック又はデータレコードの連続で構成され、1以上のトランザクションがそれぞれ統合され、また、チェックサムが付される。
【0021】
一般に、サーバ装置は、分散型台帳のデータを記憶するように構成されたデータ記憶部を含むことができる。例えば、共用の会計システムである。
【0022】
例えば、トランザクションは、例えば、サーバ装置の可能なサーバ性能のみを使用する第三者のコンピュータサービスプロバイダのデータである。それらは、また、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターにより、中央で管理、操作又は監視されるエネルギー量の請求のためのデータを含むことが可能である。コンピュータネットワークは、サーバユニットを利用して形成され、また、ブロックチェーンコミュニティーを形成する。
【0023】
サーバ装置は、コンピュータプロセッサを含むことが可能であり、具体的には、コンピュータプロセッサは、ブロックチェーンのデータブロック又は分散台帳のデータを生成する。したがって、サーバ装置自身は、新たなデータブロックを生成するように形成されるため、また、「マイニング」といわれる。サーバ装置は、また、略して、マイニング装置又はマイナーといわれる。サーバ装置は、新たに生成されたデータ送信することができるサーバ装置は、分散型のコンピュータネットワークを形成する記憶装置の他のサーバ装置に新たに生成されたデータブロック又はデータレコードを送信することが可能である。したがって、新たなデータブロック又はデータセットは、分散型のコンピュータネットワークの生成サーバ装置によって分散される。全てのデータブロックを含むブロックチェーンは、記憶ネットワークの全ての記憶装置で重複して記憶される。特に、データ記憶部は、分散型のコンピュータネットワークの一部であるとしてデータを記憶する。データが中央で記憶されないため、具体的には、データの提供及び/又は演算されないため、データの損失又は改ざんを最小化する。
【0024】
サーバ装置が貯蔵装置に含まれることに加え、例えば、エネルギー貯蔵部を備えず、一時的に電気エネルギーを貯蔵することのできない追加の装置であっても、分散型のコンピュータに参加することが可能である。
【0025】
サーバ装置は、具体的には、分散型のコンピュータネットワークのノードである。分散型のコンピュータネットワークの個々のノードを形成する記憶装置のサーバ装置は、分散型のコンピュータネットワーク全体で制御され、管理され、監視されることにより、互いに交換可能な適切なデータレコードを保証する。データは、例えば、サーバ装置を利用する記憶装置により、第三のコンピュータサービスプロバイダにより提供又は要求される。したがって、データの内容によっては、コンピュータサービスプロバイダは、記憶装置、特に、エネルギー値から完全に独立してもよい。しかしながら、データは、各記憶装置の消費又は提供データを含むようにしてもよい。
【0026】
一般に、記憶装置は、分散型のエネルギー貯蔵部に加え、同時に分散型のサーバを提供する。サーバ装置が、また、マイニング装置又はマイナーであるという理由により、コンピュータサービスプロバイダは、ブロックチェーンサービスプロバイダであってもよい。
【0027】
一形態では、貯蔵装置は、エネルギー貯蔵部を制御するインタフェースを有し、このエネルギー貯蔵部は、外部の制御手段とのみ通信する制御インタフェースによってのみ制御可能である。貯蔵装置のエネルギー記憶部は、外部の制御手段とのみ通信し、かつ、この制御手段により制御可能である。その結果、消費者も許可されない者も、エネルギー貯蔵部に制御のためにアクセスできないことが保証される。外部の制御手段は、電気配線網に接続される供給配線網のエネルギー供給者又はグリッドオペレーターの土地に設置することができる。外部からのエネルギー貯蔵部に制御に対応するため、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターは、少なくとも一の分散型の貯蔵装置、具体的には、制御インタフェースを介してエネルギー貯蔵部にアクセスする。したがって、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターは、供給配線網からのエネルギーをエネルギー貯蔵部に一時的に貯蔵するか、又は、一時的に貯蔵されたエネルギーをエネルギー貯蔵部から消費者により消費するか、例えば、一時的に貯蔵されたエネルギーを消費者の電気配線網(家庭の配線網)に供給すべきか、を決定することが可能となり、これにより、供給配線の負荷を軽減することができる。エネルギー供給者又はグリッドオペレーターは、したがって、複数の貯蔵装置を含む貯蔵システムによって形成されるクラスターストアを制御する。
【0028】
また、供給したエネルギーを他の消費者又はユーザに供給配線への接続を可能にするように、任意に、貯蔵装置から貯蔵されたエネルギーを、供給配線網へ供給することができる。
【0029】
好ましくは、一時的に貯蔵されたエネルギーは、しかしながら、リファレンス負荷を最小化させて、必要に応じて電気配線網は、貯蔵装置によりエネルギーが供給され、それにより、電気配線網の負荷が軽減されるように、消費者の電気配線網のみに利用される。
【0030】
他の形態では、貯蔵装置は、グリッドオペレーター、エネルギー供給者、及び/又は委託されたサービスプロバイダのみによりアクセスされるように構成され、また、制御インタフェースにより供給配線からエネルギーが一時的に貯蔵される。クラスターストアへのアクセスの制御はまた、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターから外部の制御サービスプロバイダに移管されることができる。この制御サービスプロバイダは、また、そのクライアントの規定、例えば、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターの規定に従って、クラスターストアを制御する。
【0031】
エネルギー供給者は、同時に配電オペレーターは、供給配線を制御し、また、維持する。これは、しかしながら、場合により、必須ではない。誰がネットワークを制御するかに関係なく、クラスターストアの制御は、“オーナー”の規定に従って、クラスターストアを運転するサービスプロバイダによって引き継がれる。
【0032】
代わりに、グリッドオペレーター及びエネルギー供給者は、同時に貯蔵装置にアクセスすることができる。これにより、グリッドオペレーター及び電気供給者は異なる場所で、運転することが可能となる。反対の運転操作を避けるため、グリッドオペレーターは、エネルギー供給者にアクセスする権限が与えられ、また、逆も同様である。概して、両者のうち一方のみが貯蔵装置、特に、エネルギー貯蔵部にアクセスする。
【0033】
他形態又は追加の形態によれば、外部の制御手段は、選択された制御サービスプロバイダが、エネルギー供給者及び/又はグリッドオペレーターの制御を引き継ぐ場所に設置されてもよい。
【0034】
後述の説明では、読みやすさのため、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターを用いて説明する。しかしながら、これらの技術は、他の者についても適用することができる。
【0035】
仮に、供給配線又は電気配線網で余剰能力が存在するとき、貯蔵装置は、一時的に電気エネルギーが貯蔵されるために、外部の制御手段により運転されることが可能である。仮に、電気配線網の余剰能力が十分でないとき、エネルギー需要をカバーするため、制御手段は、貯蔵装置、具体的には、エネルギー貯蔵部を制御することが可能であり、これにより、一時的に貯蔵された電気エネルギーを電気配線網に供給することができる。これは、(間接的に)、供給配線網の負荷を低減することができる。
【0036】
グリッドオペレーター又は電気供給者によってのみ貯蔵装置にアクセス可能とすることにより、貯蔵装置は、エネルギーの一時的な貯蔵を信頼性のある方法で利用することを可能とし、グリッドオペレーター又はエネルギー供給者は、必要になった場合に、それを回収することができる。したがって、グリッドオペレーター又はエネルギー供給者は、グリッドオペレーター又はエネルギー供給者のみが利用可能で、廃棄時に信頼性のあるエネルギー貯蔵を有する。貯蔵装置又は制御手段は、具体的には、一時的に貯蔵されたエネルギーが、自動的に、供給配線網に供給され、又は、供給配線から一時的に貯蔵されるように形成されるのではない。
【0037】
一般に、貯蔵装置に一時的に貯蔵された電気は、いわゆる、グレー電力といわれ、エネルギー供給者から予め供給配線網に供給される。少なくとも一の貯蔵装置で貯蔵された電気エネルギーは、電気配線網を介して供給配線から一時的に貯蔵され、消費者によって直接接続されない。これは、消費者は、一時的なエネルギーの貯蔵を自身で処理できないことを意味する。したがって、貯蔵装置に一時的に貯蔵された電力(グレー電力)は、例えば、太陽光発電システム等により生成され、消費者によって貯蔵される、自家発電電力(グリーン電力)である必要はない。
【0038】
特に、サーバ装置は、切替可能で柔軟な負荷である。この観点では、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターは、貯蔵装置、具体的には、エネルギー貯蔵部にアクセスし、サーバ装置の実行中又は非実行中を判定することができる。仮に、供給配線の周波数が高いとき、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターは、ピークを減少させるため、サーバ装置のスイッチをオンにすることができる。サーバユニットは、電気配線網がもはやカバーできない場合に、必要に応じて同様に、スイッチをオフすることができる。サーバ装置により消費されるエネルギー総量(追加的)は、エネルギー供給者、グリッドオペレーター、又はサーバ装置自身により計測することが可能であり、これにより、コンピュータサービスプロバイダによって請求される。
【0039】
一実施形態では、貯蔵装置は、太陽光発電システムであるエネルギー源と接続されるエネルギーインタフェースを有する。したがって、貯蔵装置のユーザ又は消費者は、いわゆる「プロシューマ」として動作し、自身でエネルギーを生成し、また、供給配線に供給し、貯蔵システムの参加者となることができる。電力はその後、供給配線に供給され、いわゆるグリーン電力となる。具体的には、太陽光発電システムによって生成されたエネルギーは、グリッドオペレーター又はエネルギー供給者によってのみ供給されることができる。したがって、消費者又はユーザは、自身で供給配線に供給する提案をするか又は自身で消費するかを決定することはできない。
【0040】
貯蔵装置は、具体的には、「プラグ・アンド・プレイ」装置であり、ソケットに差し込むことで実行される。従って、貯蔵装置は、ソケットに接続することで、容易に電気配線網に接続され、完全に貯蔵装置を形成する。貯蔵装置は、容易に消費者又はユーザに自身を接続することができる。貯蔵装置が太陽光発電システムと共に動作するように設定する技術者は、ここでは要求されない(ソケットが設置場所になく、技術者がそこにソケットを設置及び接続する場合を除く)。
【0041】
エネルギー貯蔵部は、1kWh~10kWh、好ましくは、2kWhの容量を貯蔵することができる。また、エネルギー貯蔵部は、鉛、鉛ゲル、リチウムイオン、LiFEPO, lipo, NiCd, NiFe or NiMH蓄電池で構成させることができる。エネルギー貯蔵の少ない貯蔵容量であっても、貯蔵装置が消費者又はユーザにその場で利用可能な装置であることを保証できる。その結果また、貯蔵装置は、個人の世帯の日々の需要で一般的に生じる変動をカバーすることができる。
【0042】
一の観点によれば、回路は、インバーター及び整流器を含み、整流器は、電流インタフェースを介して取得した電流をエネルギー貯蔵用に直流電流に変換し、及び/又は、インバーターは、電流を電流インタフェースを介して電気配線網に供給用に交流電流に変換する。回路の構成は、貯蔵装置は、電気配線網からの電力を貯蔵し、要求に応じて、貯蔵された電気エネルギーを電気配線網又は供給配線網に提供することを保証する。
【0043】
他の観点によれば、制御インタフェースは、無線インタフェース又は有線インタフェースであって、データを送信のために構成される。制御インタフェースは、具体的には、WLAN, Z-Wave(登録商標), ZigBee(登録商標), Enocean(登録商標), Bluetooth(登録商標), 無線, LAN ,イーサネット(登録商標),電力線,同軸又はグラスファイバーインタフェースを使用することもできる。無線インタフェースである制御インタフェースの構成は、貯蔵装置は、消費者によって、電力の接続の他にケーブルの接続の無い場所に設置可能であることを保証する。
【0044】
具体的には、サーバ装置は、分散型のコンピュータネットワークの形成に制御インタフェースを使用する。したがって、分散型のコンピュータネットワークは、制御インタフェースの接続性を利用して形成される。よって、エネルギー貯蔵部の独占的な運転のためにもうけられる制御インタフェースを、同時に、分散型コンピュータネットワークの設置するために使えるという利点がもたらされる。しかしながら、エネルギー貯蔵部及び分散型のコンピュータネットワークの運転は、互いに独立し、これにより、貯蔵装置のエネルギー貯蔵部への許可されないアクセスは、防止される。
【0045】
サーバ装置は、貯蔵装置に組み込まれ、マイニング装置又はマイナーといわれ、常時電流が供給され、十分に冷却され、また、ネットワーク、具体的にはインターネットを介してアクセス可能である。
【0046】
しかしながら、貯蔵装置に組み込まれるサーバ装置は、完全にエネルギー貯蔵部から独立し、又は、独立した装置であり、冷却装置、電力供給、及び、接続性(特に、制御インタフェース)等のエネルギー貯蔵で利用する一般的な構成要素のみ含む。
【0047】
他の観点によれば、追加の装置は、貯蔵装置に接続される。これにより、貯蔵装置は、具体的には、他の通信インタフェースを含む。追加の装置は、例えば、マルチメディアデバイス及び/又は家電製品であり、これはまた、制御インタフェースを介して貯蔵装置と接続可能である。しかしながら、追加の装置は、貯蔵装置、具体的には、貯蔵装置のエネルギー貯蔵を運転できない。変形例は、制御インタフェースが同時に接続可能な複数のデバイスを利用する無線インタフェースであるとき、特に重要である。更なる通信インタフェースは、例えば、USB、LAN、イーサネット(登録商標)、HDMI(登録商標)又はNFCインタフェースとすることができる。一般に、貯蔵装置は、消費者又はユーザの中央通信装置として構成される。具体的には、個人の世帯の全てのマルチメディアデバイス及び/又は家電製品の通信を実現する。中でも、貯蔵装置と接続されるデバイスは、エネルギー供給者によって直接読み出された消費価値を貯蔵装置に送信可能である。これにより、貯蔵装置は、他のアイテム間のバスシステムを形成する。
【0048】
貯蔵装置は、貯蔵装置を消費者のネットワークに容易に組み込むため、又は、ユーザによりユーザのホームネットワークに設置可能とするため、モデム及び/又はルータを含むことが好ましい。したがって、モデム及び/又はルータは、少なくとも制御インタフェース及び/又は通信インタフェースの一つを含む。
【0049】
追加の装置から受信したデータは、データを送信用に形成される制御インタフェースを介して、エネルギー供給者、グリッドオペレーター及び/又は制御サービスプロバイダに送信されることができる。そのデータは、貯蔵装置と接続されるユーザのWLANが設置される追加のデバイスからの使用データを含むことができる。
【0050】
貯蔵装置は、具体的には、上位の貯蔵システムの一部である。貯蔵システムは、一の貯蔵部が、供給配線網において典型的に発生する変動を補償し、又は、必要に応じて十分なエネルギーを供給するために、十分でない比較的小さい貯蔵容量を有する場合であっても、供給配線網の変動を補償することができる。複数の貯蔵システムは、クラスターストア、例えば、実際には、複数の小さな貯蔵装置で形成される巨大な仮想ストアを形成することができる。個々の小さな貯蔵装置の運転を可能とすることで、また、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターに早くかつ正確な反応を可能とする。
【0051】
具体的には、中央外部制御手段は、貯蔵システムに備えられ、特に、制御手段のみが制御インタフェースを介して貯蔵装置にアクセスする。上述したように、制御手段は、供給配線のエネルギー供給者又はグリッドオペレーターに、管轄区域の全ての貯蔵装置を運転させるようにすることができる。これにより、グリッドオペレーターは、消費者に設置される貯蔵装置を利用して個々の消費者のエネルギー需要をカバーするため、供給配線において供給配線を監視し、変動をバランスすることが可能となる。
【0052】
他の方法として、グリッドオペレーターが供給エリアに適切にアクセスすることで、制御サービスプロバイダ又はエネルギー供給者によって実現可能である。供給配線の容量のピークは、複数の貯蔵装置を利用することで、容易に緩衝化させることができる。
【0053】
具体的には、貯蔵システムは、制御手段によって同時に運転される複数の貯蔵装置を有する。これにより、クラスターストアといわれる、複数の実際の貯蔵装置を備える大きな仮想のストアを形成することができる。各貯蔵装置は、供給配線の変動をバランスするために運転することが可能であり、供給配線の安定性を保証する。
【0054】
エネルギー供給者が、希望に応じてエネルギー供給者によって指定された容量を提供することで貯蔵装置に頼ることができるような、安定した供給配線を保障する。分散型の方法で設置され、それぞれ相対的に小さな貯蔵容量の複数の貯蔵装置は、エネルギー供給者、グリッドオペレーター又は許可された制御サービスプロバイダによってのみ、監視及び制御可能な大きな仮想のストアを形成する。具体的には、複数の小さな分散化された貯蔵装置を様々な場所に配置することで、供給配線の安定化に貢献する。
【0055】
個人の世帯又は消費者のエネルギー需要は、貯蔵装置によってカバーされ、それにより、供給配線を緩和する。供給配線へのフィードバックは、ここでは規定されない。この点において、供給配線の非直接的な安定化又は緩和が含まれる。
【0056】
具体的な実施形態によれば、貯蔵装置は、供給配線に電力を供給するように構成することができる。これにより、供給配線の直接的な安定を実現することができる。例えていうと、貯蔵装置のエネルギーは、供給配線を介して、エネルギー需要が一時的に貯蔵されたエネルギーよりも高い、又は、貯蔵装置を有しない他の消費者又は世帯に送ることが可能である。
【0057】
貯蔵装置は、このようなグリッドオペレーター、エネルギー供給者及び/又は許可された制御サービスプロバイダが貯蔵装置にアクセスすることによってのみ設定可能であり、制御インタフェースを介して供給配線から一時的にエネルギーが貯蔵される。グリッドオペレーター、エネルギー供給者及び/又は許可された制御サービスプロバイダは、エネルギーを、一時的に貯蔵装置に貯蔵し、又は、貯蔵装置と接続される電気配線網に供給するように貯蔵装置を運転することで、貯蔵装置に貯蔵するエネルギー量を制御することが可能である。
【0058】
消費者又はユーザ自身は、操作される又は太陽光発電システムと接続される分散型の貯蔵装置のように、一時的に貯蔵されるエネルギー量、又は、エネルギーの一時的な貯蔵が可能であるか否かに、影響を与えない。携帯電話機、インターネット又はスマートフォンのアプリケーションを介した消費者による遠隔操作では、クライアントによる貯蔵装置又は貯蔵装置へ貯蔵されたエネルギーへのアクセスを許可しない。
【0059】
供給配線網又は電気配線網に過剰容量がある場合、貯蔵システムの貯蔵装置は、制御インタフェースを介して、貯蔵装置に一時的に電気エネルギーが貯蔵されるように制御されることができる。貯蔵装置からのエネルギーが電気配線網に供給される場合、電気計の消費者又はユーザ側で実行される。この全体のネットワークへの供給は、負荷の低減の効果がある。
【0060】
貯蔵装置は、エネルギー供給者が供給マーケットの状況の変化に迅速に対応するようにするモバイル装置であることができる。これは、一方で、供給配線網の変動、また、他方で、電力価格に関係する。必要であれば、貯蔵装置は、一日の中で何度か、電力を貯蔵し、放出するようにすることができる。
【0061】
貯蔵装置、特に貯蔵装置の制御へのアクセスは、消費者のために限定されているので、貯蔵装置が消費者によって備えられたとしても、貯蔵装置は、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターが供給配線網の制御をするよう保たれることが好ましい。代替え的には、貯蔵装置は、異なるエネルギー供給者によって所有されることができる。貯蔵装置は、例えば、エネルギー供給者Aにより供給され、しかし、エネルギー供給者Bが消費者にエネルギーを供給し、また、供給配線網のグリッドオペレーターCがそのように使用してもよい。貯蔵装置は、また、グリッドオペレーターによって所有されてもよく、しかし、エネルギー供給者Bがエネルギーを消費者に供給してもよい。
【0062】
貯蔵装置は、例えば、消費者に無料で又は現代の通信サービスに関して提供することが可能であり、これにより、中央バスシステムは、追加料金無しで設定することができる。クラスターストアにより、エネルギー供給者は、電力市場に積極的に参加し、また、費用対効果の良い方法でエネルギーを購入し、一時的にエネルギーを貯蔵することができるという利点を有する。このエネルギーは、エネルギーが高価になった場合に販売することができる。一方で、グリッドオペレーターは、クラスターストアに関心を持ち、配線網に貯蔵装置が組み込まれているので、特に、即座な貯蔵を保つことができ、電圧及び周波数の維持の可能性は得ることができ、供給を容易にすることができる。
【0063】
一の観点では、貯蔵装置は、電気配線網が接続される供給配線網での変動を緩和する。貯蔵装置は、エネルギー供給者又は配線網オペレーターにより運転される供給配線網のためのエネルギーバッファとみなされ、それにより、貯蔵装置は供給配線網の安定した運転に貢献し、または、グリッドオペレーターは安定した方法で供給配線網を操作することができる。エネルギー供給者又はグリッドオペレーターのみにより貯蔵装置にアクセスするため、供給配線網が永久的に、また、相対的に安定した方法で操作され、信頼性のある操作を保証することができる。消費者自身が貯蔵装置にアクセスできる場合、供給配線網を間接的に解放するために、もはや電気配線網に供給することが可能な電気エネルギーがないことがあるため、このケースは該当しない。
【0064】
具体的には、貯蔵装置は、電気配線網に接続され、電気配線網の消費者に消費されるエネルギーを電気配線網に提供して供給配線網の負荷を低減する。したがって、エネルギーが供給配線網にフィードバックされないため、供給配線の間接的な軽減が関連する。エネルギーは供給配線網から供給配線網と接続される電気配線網に供給される必要がないため、消費者により一時的に貯蔵されたエネルギーはそこで利用され、供給配線が緩和される。貯蔵装置は、少なくとも、短い時間、対応する電気配線網に供給する。
【0065】
貯蔵装置は、単に、グリッドオペレーター、エネルギー供給者及び/又は許可された制御サービスプロバイダによって操作されることが好ましく、それにより、グリッドオペレーター、エネルギー供給者及び/又は許可された制御サービスプロバイダが、貯蔵装置、及び、制御インタフェースを介して供給配線網から貯蔵装置に一時的に貯蔵されたエネルギーにアクセスする。貯蔵装置が配置される消費者は、貯蔵装置を自身で操作する可能性がない。貯蔵装置は、もっぱら、外部から操作され、また、外部から運転される。
【0066】
他の観点によれば、貯蔵システムは、さらに、分散型のコンピュータネットワーク及び制御手段によって制御される中央制御装置を備える。コンピュータネットワーク及び制御は、互いに独立し、コンピュータネットワークはサービスプロバイダによって操作され、制御は、エネルギー供給者及び/又はグリッドオペレーターにより制御される。
【0067】
しかしながら、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターは、例えば、分散型のコンピュータネットワークを介してエネルギー量を請求するために、又は、それを自身で行うために、サービスプロバイダに依頼することができる。一般に、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターは、制御サービスプロバイダに貯蔵装置のエネルギーの貯蔵の制御を依頼することができる。
【0068】
コンピュータサービスプロバイダ及び制御サービスプロバイダは、一般に同一のサービスプロバイダとすることができる。
【0069】
発明の追加の利点及び特徴は、以下の説明及び図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る貯蔵装置を示す概略図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る貯蔵装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1は、消費者用の貯蔵装置10を示し、それぞれ、エネルギー貯蔵部12、電気回路14、電流インタフェース16及び制御インタフェース18を備え、それらは通常、データ通信も可能に構成される。実施形態の例では、消費者は個人の世帯である。
【0072】
貯蔵装置10は、実施形態で図示するように電流インタフェース16を介して住宅の電気配線網20に接続され、家庭のソケット22に電気的に結合される。そのため、貯蔵装置10は、いわゆる、「プラグ・アンド・プレイ」と呼ばれる装置で、単に、家庭のソケット22に差し込み、稼働される。貯蔵装置10は、それに応じて予め構成される。
【0073】
住宅の電気配線網20は、接続部24を介して、ここで図示されない供給配線網に接続される。接続部24は、家庭用接続ボックス(HAK)26に備えることができる。一般に、住宅の電気配線網20は、特に、電気メーター28、NZ抵抗30、及び残留電流回路ブレーカー32を、接続部24と家庭のソケット22の間に有する。
【0074】
貯蔵装置10は、住宅の電気配線網20を介して供給配線網から供給されるエネルギーを一時的に蓄えることができる。電気回路14は、住宅の電気配線網20に供給される交流電流を直流電流に変換する整流器34を備える。これにより、電力エネルギーはエネルギー貯蔵部12に供給され、そこで貯蔵される。
【0075】
貯蔵装置10は、単に、住宅の電気配線網20から又は住宅の電気配線網20に供給する供給配線網の電力エネルギーを、一時的に貯蔵し、貯蔵装置10は、一時的に貯蔵した電力エネルギーをエネルギー貯蔵部12から住宅の電気配線網20に供給する。これにより、電気回路14は、エネルギー貯蔵部12からの直流電流を住宅の電気配線網20に送り込むことができるように交流電流に変換するインバーター36を有する。
【0076】
整流器34及びインバーター36は破線部に示されるように電気回路14の不可欠な構成要素である。
【0077】
貯蔵装置10の制御は、特に、エネルギー貯蔵部12のエネルギーの貯蔵は、一般に、後述するように外部の制御手段のみを介して通信する制御インタフェース18のみを経由して実行される。制御手段は、エネルギー供給者、グリッドオペレーター、又は、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターに委託された制御サービスプロバイダに配置することができる。
【0078】
制御インタフェース18を経由し、貯蔵装置10は、いつ貯蔵装置10が電力をエネルギー貯蔵部12から住宅の電気配線網20に供給するか、又は、一時的な貯蔵電力を住宅の電気配線網20から貯蔵装置に供給するかの制御信号を受信する。したがって、貯蔵装置10のエネルギー貯蔵部12は、制御インタフェース18を経由して動作される。
【0079】
エネルギー貯蔵部12は、1kW~10kWの間の、好ましくは2kWの貯蔵容量である中型のエネルギー貯蔵部にまで小さくすることができる。これは、典型的な日々の個人の世帯の需要の一部にしか相当しないものである。エネルギー貯蔵部12は、鉛、鉛ゲル、リチウムイオン、LiFEPO, lipo, NiCd, NiFe or NiMH蓄電池で構成させることができる。
【0080】
実施形態に示すように、貯蔵装置10は、2つの通信インタフェース38,40を備え、これを介して、貯蔵装置10は、追加装置42,44と接続され、これらは、マルチメディア装置及び/又は家電製品を含むことができる。追加の通信インタフェース38,40は、例えば、USB,WLAN又はLANインタフェース等の有線又は無線の通信インタフェースである。代わりに、Z-Wave(登録商標), ZigBee(登録商標), Enocean(登録商標), Bluetooth(登録商標), 無線,イーサネット(登録商標),電力線,同軸又はグラスファイバーインタフェースを使用することもできる。
【0081】
更なる装置46もまた、冒頭で上述したようなマルチメディア装置及び/又は家電製品であり、データ通信のために構成され、又は同時に通信インタフェースでもあり、制御インタフェース18と一体となる。しかしながら、この追加装置46は、制御インタフェース18に接続されていたとしても、後述するように、貯蔵装置10の制御を実行できない。追加装置46は、制御インタフェース18に単に接続される。
【0082】
追加装置42~46は、それぞれ、例えば、TVセット、コンピュータ、ノート型パソコン、タブレット又は携帯電話機等のようなマルチメディア装置とすることができる。さらに、通信を実行することができる家電機器は、適切なインタフェース18,38,40を介して貯蔵装置10と接続されることができる。通信を実現することができる家電機器は、例えば、洗濯機、乾燥機、コーヒーマシン、冷蔵庫、食洗機、オーブン等である。追加装置42~46は、家庭の中央貯蔵装置10に情報を送信することが可能であり、例えば、エネルギー消費データが含まれる。このデータは、制御インタフェース18を介して送信することができる。
【0083】
個人の世帯のオーナーは、貯蔵装置10を介して追加装置42~46を制御することができる。しかしながら、エネルギー貯蔵部12及び、個人の世帯のオーナーのために貯蔵されたエネルギーへのアクセスはない。
【0084】
貯蔵装置10は、具体的には、少なくとも制御インタフェース18及び/又は通信インタフェース38,40の1つを有するモデム及び/又はルータを備える。ユーザは、また、このルータを用いて、ホームネットワーク(WLAN)を設置することができる。
【0085】
貯蔵装置10は、また、通常、マイクロコンピュータ又は他の算術演算装置等のコンピュータプロセッサ48と、データ記憶部50とを有するサーバ装置47を備える。コンピュータプロセッサ48及びデータ記憶部50の両方は、制御インタフェース18と接続されるサーバ装置47の不可欠な部分となっている。
【0086】
サーバ装置47は、他の貯蔵装置19のサーバ装置47及び分散型のコンピュータネットワーク52を形成する追加の装置と通信を実現する。この分散型のコンピュータネットワーク52は、それ自身でモニタ、操作及び制御する。これについては、
図2を参照して後述する。
【0087】
通常、サーバ装置47は、デバイス46と同様に、例えば、それを介して、サーバ装置47が永久的にインターネットに接続される制御インタフェース18の接続を利用する。
【0088】
図2は、実施形態に図示する2つの貯蔵装置10を備える分散貯蔵システム54を示す。貯蔵装置10は、
図1に示した実施形態にしたがった構成である。通常、貯蔵システム54は、さらに貯蔵装置10を備えることができる。
【0089】
貯蔵装置10は、それぞれ、別々の家庭の電気配線網20に組み込まれ、2つの家庭の電気配線網20はそれぞれ接続部24を介して公衆の供給配線網56に接続される。したがって、両方の家庭の電気配線網20は、供給配線網56から供給される。
【0090】
さらに、分散貯蔵システム54は、特に、それぞれ、貯蔵装置10のエネルギー貯蔵部12に貯蔵されたエネルギーにアクセスするため、又は、エネルギー貯蔵部12に蓄電するため、それぞれ制御インタフェース18を介して貯蔵装置10と共に公衆の中央制御手段58を含む。
【0091】
例えていうと、
図2は、2つの独立した個人の世帯を示し、例えば、住宅街にある分離した世帯住宅であり、各家庭の電気配線網20がそれぞれグリッドオペレーターの公衆の供給配線網56に接続され、中央制御手段58を含む。両方の個人の世帯は、さらに、エネルギー供給者から電力が供給される。
【0092】
中央制御手段58は、また、特に、供給配線網56を監視するため、特に、余剰分の生産量又は変動を決定するために、供給配線網56と結合する。
【0093】
したがって、中央制御手段58は、例えば、緩衝化されるべき生産量のピークが供給配線網56に含まれるか否かを決定する。さらに、中央制御手段58は、エネルギー需要が供給配線網56又は同様の家庭の電気配線網20の利用可能エネルギーを上回ったか否かを決定する。中央制御手段58は、次に、供給配線網56の変動がバランスされるように、貯蔵システム54に備えられる貯蔵装置10を操作する。
【0094】
全てのエネルギー需要は、供給配線網56の本線の周波数が、例えば、監視されて、主の需要の情報を与えるように、供給配線網自体を介して利用して決定することができる
【0095】
中央制御手段58は、続いて、トータルのエネルギー需要が利用可能電力より高いか否かを検出する。仮に、このケースの場合、中央制御手段58は、エネルギー需要をカバーするために、それぞれのエネルギー貯蔵部12に貯蔵される電力エネルギーが貯蔵装置10と関連する家庭の電気配線網20に供給するように、個々の貯蔵装置10を操作する。したがって、供給配線網56は、要求されるエネルギーが消費者の家庭の電気配線網20に供給されるように、又は、貯蔵装置10から一時的に貯蔵されるエネルギーが供給されるように、間接的に緩和される。一時的に保持されるエネルギーは、供給配線網56から予め得られたエネルギーであり、例えば、いわゆるグレー電力である。
【0096】
中央制御手段58は、エネルギー需要が供給配線網56の利用可能電力を下回ったと決定した場合、供給配線網56からの余分な電気エネルギーを家庭の電気配線網20を介して貯蔵装置10のエネルギー貯蔵部12に一時的に貯蔵するように貯蔵装置10を操作することができる。
【0097】
また、エネルギー供給者が安価な方法でエネルギーを取得し、後のエネルギー消費のために貯蔵装置10に具体的には、エネルギー貯蔵部12に貯蔵することができれば、家庭の電気配線網20への供給もまた可能である。
【0098】
したがって、貯蔵装置10での電気エネルギーの充電及び貯蔵装置10の放電は、本管の状況に関係なく実行されることができる。
【0099】
したがって、それぞれの貯蔵装置10の制御は、中央制御手段58による制御のみにより行われる。個人の世帯のオーナーは、エネルギー貯蔵部12にアクセスするために、貯蔵装置10を操作できない。通信インタフェース38,40及び制御インタフェース18と接続される追加装置42~46を運転することができるだけである。
【0100】
仮に、追加装置が制御インタフェース18の接続性を利用したとしても、エネルギー貯蔵部12は、もっぱらグリッドオペレーター又はエネルギー供給者が制御インタフェース18を介してエネルギー貯蔵部12にアクセスした場合にのみ、制御インタフェース18のみを介して制御することができる。
【0101】
データを通信するために構成される制御インタフェース18を利用して、例えば、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターが通信するように中央制御手段58に追加データ、具体的には、接続される装置42~46の使用量データを提供することが可能であり、また、適切に許可されたサービスプロバイダがこのデータにアクセスすることができる。
【0102】
実施形態の変形例によれば、供給配線網56へフィードバックされないことが可能である。したがって、一時的に貯蔵装置10に貯蔵されたエネルギーは、もっぱら、家庭の電気配線網20に適合するように変えられ、その結果、供給配線網56のリファレンス負荷は間接的にバランスされる。
【0103】
一般に、一時的に貯蔵装置10に貯蔵されたエネルギーは、エネルギー供給者によって提供されたエネルギーであり、グリッドオペレーターから消費者に送信されたもので、例えば、いわゆる、グレー電力、といわれるものである。したがって、貯蔵装置10に一時的に貯蔵される電力は、太陽光発電システムと接続される場合のように、自身で発電したエネルギー(グリーン電力)ではない。
【0104】
貯蔵装置10の設定は、消費者又はユーザにとって家庭の電気配線網20のソケット22に貯蔵装置10を単に差し込むように単純である。貯蔵装置10の設定のための技術者は、通常、必須ではなく、設定のための新たなソケット22の準備も不要である。
【0105】
したがって、貯蔵システム54を使用すると、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターがアクセスすることができる、可能な限り多い供給配線網56の個人の世帯に設けることが可能な、多くの分散貯蔵装置10を備えるクラスタの形成を可能とする。
【0106】
これは、貯蔵装置10が、対応するクライアント側のエネルギー消費を検出するそれぞれの電気メーター28と通信可能にすることができる。
【0107】
しかしながら、中央制御手段58を介して、エネルギー供給者、グリッドオペレーターまたは委託された制御サービスプロバイダによって集中型の方法から取り出すことができる電気エネルギーの分散型の貯蔵に加え、分散型貯蔵システム54は、特に通信のために形成された制御インタフェース18を介して、同時に分散型コンピュータネットワークを形成する。このため、貯蔵装置10は、適切に形成されたサーバ装置47を含む。
【0108】
2つの貯蔵装置10に相当するサーバ装置47は、互いにそれぞれ異なる制御インタフェース18を介して通信し、また、分散型のコンピュータネットワーク52を形成する。
【0109】
一般に、異なるトランザクションが決定可能であり、または、分散型の方法により分散型のコンピュータネットワーク52を用いて実行される。これは、分散型のコンピュータネットワーク52の外部からの何らのアクセスもなく自動的に実行される。分散型の、また、多くの独立した、トランザクションの照合及び監視の操作は、また、「分散型台帳」技術又はブロックチェーン技術を参照することができる。この観点では、個々のサーバ装置47は、分散型台帳コミュニティー又はブロックチェーンコミュティーに関連する構成であり、したがって、分散型のコンピュータネットワーク52でのマイニング装置として、又は、マイナーとして現れる。
【0110】
この目的で、サーバ装置47は、コンピュータプロセッサ48によって、その計算能力を有する。したがって、コンピュータプロセッサ48は、ブロックチェーンのデータブロックの生成、例えば、「マイニング」に参加することができる。
【0111】
さらに、サーバ装置47は、コンピュータプロセッサ48により新たに生成されたデータブロックを、制御インタフェース18を介して、他のブロックチェーンコミュニティーの他の参加者に分配することができる。このデータブロックは、具体的には、全てのブロックチェーンは、追加的にサーバ装置47のデータ記憶部50に記憶されることができる。
【0112】
この点において、貯蔵装置10は、サーバ装置47を介した分散型のコンピュータネットワーク52のノードであり、それは、「分散型台帳」又はブロックチェーンコミュニティーの(積極的な)参加者であると考えられる。
【0113】
一般的に、サーバ装置47又はコンピュータネットワーク52を、つまりサーバ性能を、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターに関する第三者へのコンピュータサービスプロバイダとするように利用可能にし、「分散台帳」又はブロックチェーンサービスプロバイダといわれることが可能である。したがって、トランザクションは、エネルギー貯蔵部12とは関係なく、サーバ装置47により達成される。むしろ、サーバ装置47は、エネルギー貯蔵部12の影響を受けない。
【0114】
したがって、分散型のコンピュータネットワーク52は、データを安全かつ重複して記憶する分散型のデータベースを継続する。
【0115】
一般に、マイナー技術は、貯蔵装置10のサーバ装置47により与えられ、そのコンピュータプロセッサ48を用いて計算能力を提供し、かつ、そのデータ記憶部50を用いてデータ記憶容量を提供する独立したサーバ装置47として、第三のコンピュータサービスプロバイダにより利用されることが可能である。
【0116】
データ処理は、いわゆるブロックチェーンにより、コンピュータネットワーク52を介して実行され、ブロックチェーンは、1以上のトランザクションが、それぞれ結合され、またはチェックサムとともに提供される、複数のデータブロック又はデータレコードから構成される。
【0117】
したがって、サーバ装置47の各コンピュータプロセッサ48は、トランザクションに起因し、対応するデータブロックを演算する。したがって、貯蔵装置10のサーバ装置47は、それ自身で新たなデータブロックを生成するように構成される。これは、また、「採掘」といわれる。したがって、サーバ装置47は、マイニング装置又はマイナーである。
【0118】
貯蔵装置10は、新たに生成されたデータブロックを、制御インタフェース18を介して分散型のコンピュータネットワーク52の他の貯蔵装置10に、特に、分散型のコンピュータネットワーク52の他の参加者のサーバ装置47、例えば、データブロックを生成することのないノードに分配する。
【0119】
コンピュータネットワーク52の参加者は、分散型のコンピュータネットワーク52にのみ参加するように、エネルギー貯蔵部を持たないことができる。
【0120】
適切に新たに生成され、分散型のコンピュータネットワーク52に分散されたデータブロックは、アップデータされたブロックチェーンは重複して分散型のコンピュータネットワーク52の全ての参加者、具体的には、それぞれのデータ記憶部50に存在するように既存のブロックチェーンに付される。集中して記憶される代わりに、データが分散され、また、冗長化されることで、データの損失又はデータ操作のリスクを最小化する。
【0121】
前ブロックチェーンのチェックサムは、統合性を保証するため、さらに、それぞれ新たに生成されたデータブロックに含まれる。これにより、後続のブロックチェーンの変更又は影響は避けられる。また、正しい発生順が保証される。
【0122】
貯蔵装置10は、特に、サーバ装置47は、分散型のコンピュータネットワーク52の全体を制御、操作及び監視する手段によって適切なデータレコード又はデータブロックがその間で交換可能となることを保証する。
【0123】
このため、サーバ装置47は、記憶装置10のエネルギー貯蔵部12を実行する中央制御手段58を用いて、貯蔵装置10に要求される接続性、例えば、制御インタフェース18の接続性を利用する。
【0124】
したがって、制御手段58は、安定した方法で供給配線網56を制御するため、独占的に、貯蔵装置10のエネルギー貯蔵部12に一時的に貯蔵されるエネルギー量を制御する。
【0125】
トランザクションは、分散型のコンピュータネットワーク52を介して、エネルギー総量、例えば、消費価値又は供給価値の請求書の送付を実現する。それは、通常、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターを中心にして実現される。その結果、これは、より単純で、かつ、よりコスト効率の良い、分散的な方法により実現され、従来の中央データ貯蔵部と比較して、データセキュリティは、同様に保証されるだけでなく、さらに増加した。
【0126】
サーバ装置47に処理されたデータは、ここのサーバ装置の間で安全性が保証された方法で交換され、分散型のデータベースで記憶されるすべてのタイプのデータであってよく、言い換えれば、個々の貯蔵装置10依頼され及び与えられるデータである。一般に、サーバ装置47は、しかしながら、演算能力及びデータの記憶可能容量のみを得ることができる。
【0127】
分散型のコンピュータネットワーク52の参加者は、通常、生成されるトランザクションに関しては自動的に合意されるように生成される。ブロックチェーン技術に対して、特に規制もなく、又は、外部からのアクセスも要求されないのはこのためである。
【0128】
サーバ装置47は、具体的には、電気配線網20の余剰能力があるときサーバ装置47のスイッチを入れられるように、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターに、切替可能、柔軟な読み込みを可能とする。サーバ装置47は、エネルギー需要が利用可能エネルギーを超えたとき、アナログな方法でスイッチが切られる。この点において、サーバ装置47は、エネルギーの需要に対応して、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターにより、スイッチがオンオフされる。各サーバ装置47のスイッチが切られていても、分散型のコンピュータネットワーク52の複数のサーバ装置47により、ブロックチェーンコミュニティーは十分に使用可能であることが保証される。
【0129】
図3は、第2の実施形態に係るサーバ装置10が示される。サーバ装置10は、サーバ装置10のエネルギーインタフェース60を介してエネルギー生成源62と接続される。エネルギー生成源62は、例えば、太陽光発電システムである。
【0130】
従って、貯蔵装置10自身で生成されたエネルギーを一時的に貯蔵することが可能であり、これにより貯蔵システム54に対して利用可能になる。消費者又はユーザは、いわゆる「プロシューマ―」と呼ばれ、自身でコミュニティーにエネルギーを供給する。
【0131】
実施形態に示すように、エネルギーインタフェース60は、電流インタフェース16、と独立して構成され、また、電気回路14と接続されるインタフェースである。別の方法として、エネルギーインタフェース60及び電流インタフェース16は、連携して生成される。
【0132】
現在のエネルギー生成源62のおかげで、貯蔵装置10は、残留電流回路ブレーカー32及びNZ抵抗30の間で電気配線網20に組み見込まれる。したがって、技術者この貯蔵装置10への接続が必要である。
【0133】
従って、分散型の貯蔵システム54は、供給配線網56の負荷を緩和するため、一時的に電気エネルギーを貯蔵し、要求に応じて回収する分散型のエネルギーの貯蔵を提供する。これは、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターのみが制御インタフェース18を介して各貯蔵装置10のエネルギー貯蔵部12にアクセスすることができるために可能である。同時に、分散型の貯蔵システム54は、分散して生成及び処理が可能なブロックチェーンを用いて、分散型のコンピュータネットワーク52を形成する。これにより、分散型の貯蔵装置54の貯蔵装置10は、マイニング装置としてブロックチェーンコミュニティーに積極的に参加する、対応するサーバ装置47を有する。
【0134】
ここで利用される個々の貯蔵装置10は、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターによる支配的な運転のため、中央で永久にインターネットに接続され、また、ブロックチェーンコミュニティーのための前提条件となる。
【0135】
他の相乗効果は、エネルギー貯蔵部12及びサーバ装置47の十分な冷却に追加的に利用される。
【0136】
貯蔵システム54の貯蔵装置10は、さらに、エネルギー配線(供給配線網56)用及びコミュニケーションネットワーク(インターネット)用のインタフェースを形成し、貯蔵装置10は電気エネルギーの貯蔵のみならず、例えば、同時に提供されるブロックチェーンアプリケーションの計算能力に提供される。
【0137】
ブロックチェーンアプリケーションのための特定の分野のアプリケーションは、貯蔵装置10のオーナー又は所有者に任せられ、サーバ装置47は、例えば、エネルギー供給者又はグリッドオペレーターのマイニング装置として利用するために適用され、このような効果的な装置は、低電圧レンジ又は供給配線をより柔軟にさせ、また、同時に発生したトランザクション、具体的には、エネルギー総量の取得及び分配を最適化する。
【0138】
一方で、サーバ装置47は、マイニング装置として動作し、具体的には、データ記憶容量及び/又は演算能力等を、例えば、エネルギーマーケットを行わないサービスプロバイダに提供する。
【0139】
供給配線網56は、ネットワークのセキュリティ及びネットワークの安定性を保証するため、中心及び上位の制御手段58により、集中して管理、制御又は監視される種々のケースにおいて維持される。一方、それに関するトランザクション(稼働活動)は、分散して、かつ費用効率の高い方法で立証操作される。
【0140】
貯蔵装置10は、少量のエネルギーの貯蔵及びブロックチェーン技術に適し、同時に、低トランザクションコストのため小さい装置のトランザクションに適しているため、エネルギー市場での相乗効果が得られ、貯蔵装置10及び貯蔵システム56で利用される。