(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】電子部品の処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20220616BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20220616BHJP
B25J 19/06 20060101ALI20220616BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20220616BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65B57/00 A
B25J19/06
B25J13/08 Z
H01L21/78 Y
(21)【出願番号】P 2021136339
(22)【出願日】2021-08-24
【審査請求日】2021-08-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591048070
【氏名又は名称】上野精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【氏名又は名称】中村 真生
(72)【発明者】
【氏名】淀川 純正
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-136950(JP,A)
【文献】国際公開第2015/151896(WO,A1)
【文献】特開2012-148807(JP,A)
【文献】特開2018-092428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 15/04
B65B 57/00
B65G 47/80
B65G 47/84-47/86
B65G 47/90-47/96
H01L 21/677
H01L 21/301
B25J 19/06
B25J 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を保持するように構成された部品保持部と、前記電子部品に対して所定の処理を実行するための処理領域を通る円軌道に位置するように前記部品保持部を支持する支持部と、前記円軌道の中心軸まわりに前記支持部を回転させるように構成された回転駆動部と、前記処理領域において前記部品保持部を変位させるように構成された変位駆動部とを有する搬送処理部と、
前記処理領域において前記変位駆動部が前記部品保持部を変位させた際に、前記電子部品に加わる荷重を検出するように構成された荷重検出部と、
前記部品保持部を変位させ
ている最中を含む所定期間における前記荷重検出部による検出値の時間変化を示す時系列データに基づいて、前記電子部品に対する接触の異常を検知するように構成されたコントローラと、を備え
、
前記コントローラは、前記荷重検出部から取得した前記時系列データと、前記時系列データの入力に応じて前記電子部品に対する接触が異常であるか否かの判定結果を出力するように機械学習により構築された判定モデルとに基づいて、前記電子部品に対する接触の異常を検知するように構成されている、電子部品の処理装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記電子部品を含む複数の電子部品に対して、前記処理領域における前記所定の処理を順に行うように前記搬送処理部を制御し、
前記電子部品に対する接触の異常を検知した場合に、前記搬送処理部による動作を停止させる、請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
複数の部品種別と複数の判定モデルとが対応付けられたデータベースと、前記電子部品の部品種別とに基づいて、前記複数の判定モデルの中から前記判定モデルを選択することと、
前記荷重検出部から取得した前記時系列データと、前記電子部品に対応する前記判定モデルとに基づいて、前記電子部品に対する接触の異常を検知することと、を実行するように構成されている、請求項
1又は2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記変位駆動部は、前記部品保持部に外力を加えることで前記部品保持部を変位させるように構成されており、
前記荷重検出部は、前記変位駆動部に設けられている、請求項
1~3のいずれか一項に記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子部品の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品を保持する電子部品保持手段を駆動制御するための保持手段駆動装置が開示されている。この保持手段駆動装置は、可動保持部を押し下げる際に操作ロッドに加わる荷重を直接的に検知する荷重センサを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、電子部品の信頼性を向上させるのに有用な処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る電子部品の処理装置は、電子部品を保持するように構成された部品保持部と、電子部品に対して所定の処理を実行するための処理領域を通る円軌道に位置するように部品保持部を支持する支持部と、円軌道の中心軸まわりに支持部を回転させるように構成された回転駆動部と、処理領域において部品保持部を変位させるように構成された変位駆動部とを有する搬送処理部と、処理領域において変位駆動部が部品保持部を変位させた際に、電子部品に加わる荷重を検出するように構成された荷重検出部と、部品保持部を変位させた際の第1タイミングから第2タイミングまでの荷重検出部による検出値の推移に基づいて、電子部品に対する接触の異常を検知するように構成されたコントローラと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、電子部品の信頼性を向上させるのに有用な処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電子部品の処理装置の一例を模式的に示す平面図である。
【
図2】
図2は、電子部品の処理装置の一例を模式的に示す側面図である。
【
図3】
図3は、コントローラの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、荷重検出部による検出結果の一例を示すグラフである。
【
図5】
図5は、コントローラのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、コントローラが実行する一連の制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7(a)~
図7(d)は、キャリアテープへの回収処理の様子を例示する模式図である。
【
図8】
図8(a)~
図8(d)は、電子部品に対する異常接触が生じた場合の回収処理の様子を例示する模式図である。
【
図9】
図9は、電子部品の処理装置の一例を模式的に示す側面図である。
【
図10】
図10は、コントローラが実行する一連の制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11(a)~
図11(c)は、キャリアテープからの供給処理の様子を例示する模式図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る電子部品の処理装置の一例を模式的に示す平面図である。
【
図13】
図13は、電子部品の処理装置の一例を模式的に示す側面図である。
【
図14】
図14は、第3実施形態に係る電子部品の処理装置の一例を模式的に示す平面図である。
【
図15】
図15は、電子部品の処理装置の一例を模式的に示す側面図である。
【
図16】
図16は、第4実施形態に係る電子部品の処理装置の一例を模式的に示す平面図である。
【
図17】
図17は、コントローラが実行する一連の制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照していくつかの実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面には必要に応じてXYZ直交座標系が示される。例えば、X軸及びY軸が水平方向であり、Z軸が鉛直方向である。
【0009】
[第1実施形態]
最初に、
図1~
図11を参照しながら、第1実施形態に係る電子部品の処理装置について説明する。
図1及び
図2に示される電子部品の処理装置1は、所謂ダイソータである。処理装置1は、複数の電子部品Wを順に搬送しながら、外観検査、電気特性検査、及びマーキング等の処理を施した上でキャリアテープ及びトレイ等の収容部材に梱包する装置である。処理対象の電子部品Wは、例えば、半導体製造の前工程で形成された後にダイシング等によって個片化された部品である。
【0010】
図1及び
図2に示されるように、処理装置1は、搬送処理部2と、コントローラ100とを備える。搬送処理部2は、回転搬送ユニット10(回転搬送部)と、複数の処理ユニット40とを有する。
【0011】
(回転搬送ユニット)
回転搬送ユニット10は、電子部品Wを円軌道CRに沿って搬送する。搬送対象の電子部品Wは、互いに平行な(互いに逆向きの)主面Wa,Wbを有する。回転搬送ユニット10は、例えば、支持部12と、複数の部品保持部14と、回転駆動部16と、複数の昇降駆動部18とを有する。
【0012】
支持部12は、複数の部品保持部14を支持する。具体的には、支持部12は、各部品保持部14が所定の円軌道CRに位置するように、複数の部品保持部14を支持する。支持部12は、円軌道CRの中心軸Axまわりに回転可能となるように設けられている。円軌道CRは水平な円軌道であってもよく、中心軸Axは鉛直な軸線であってもよい(鉛直方向に沿って延びていてもよい)。支持部12は、例えば、ターンテーブルである。
【0013】
複数の部品保持部14は、中心軸Axを中心とする円周に沿って等間隔に配置されており、支持部12に固定されている。複数の部品保持部14それぞれは、電子部品Wを保持するように構成されている。部品保持部14は、いかなる方式で電子部品Wを保持してもよい。電子部品Wを保持する方式の具体例としては、真空吸着、静電気式の吸着、及び把持等が挙げられる。部品保持部14は、支持部12(ターンテーブルの上面)に垂直な方向の一方側から、主面Wa,Wbのいずれかを真空吸着してもよい。
【0014】
一例では、部品保持部14は、
図2に示されるように、吸着部22と、ホルダ24と、スプリング26とを有する。吸着部22は、電子部品Wの主面Wa,Wbのいずれかを上方から吸着するように構成されている。吸着部22は、例えば、支持部12に対して垂直に延びるように形成された吸着ロッドであり、その下端部において電子部品Wを吸着する。ホルダ24は、支持部12の外周部に固定され、吸着部22を昇降可能に保持する。
【0015】
スプリング26は、その弾力により、吸着部22の下降に抗する。スプリング26は、吸着部22の上端部に下向きの外力が付与された場合に吸着部22の下降に応じて弾性変形し、下向きの外力がなくなると弾性復帰して吸着部22を下降前の高さに押し戻す。部品保持部14は、コントローラ100からの動作指示に応じて、吸着部22による真空吸着のオン及びオフを切り替えるためのバルブを有してもよい。バルブの具体例としては、電磁バルブ等が挙げられる。
【0016】
回転駆動部16は、円軌道CRの中心軸Axまわりに支持部12を回転させるように構成されている。回転駆動部16は、例えば、電動モータ等の動力源を用いて、ギヤを介さないダイレクトドライブによって中心軸Axまわりに支持部12を回転させる。これにより、中心軸Axを中心とする水平な円軌道CRに沿って複数の部品保持部14が移動する。その結果、部品保持部14によって保持されている電子部品Wが、円軌道CRに沿って搬送される。回転駆動部16は、隣り合う部品保持部14同士の角度ピッチ(中心軸Axまわりの角度ピッチ)にて、支持部12の回転と停止とを繰り返すように制御される。以下、回転駆動部16が支持部12を停止させる際に複数の部品保持部14(より詳細には、複数の吸着部22)それぞれが配置される複数の位置を「複数の停止位置SP」という。
【0017】
複数の昇降駆動部18は、複数の部品保持部14を個別に変位させるように構成されている。なお、
図1では、昇降駆動部18の図示は省略されており、
図2では複数の昇降駆動部18のうちの1つの昇降駆動部18が示されている。昇降駆動部18(変位駆動部)は、停止位置SPに配置された電子部品Wを保持する部品保持部14に外力を加えることで、その部品保持部14を支持部12に垂直な方向の一方側に移動させる。昇降駆動部18は、例えば、鉛直方向において部品保持部14を下方に移動させる。
【0018】
複数の昇降駆動部18は、複数の停止位置SPにそれぞれ対応するように設けられてもよい。部品保持部14を変位させる必要がない停止位置SPには、昇降駆動部18が設けられていなくてもよい。昇降駆動部18は、対応する停止位置SP又はその近傍に配置されている。昇降駆動部18は、対応する停止位置SPに配置されている部品保持部14の上方に位置する。昇降駆動部18は、対応する停止位置SPに順次配置されてくる部品保持部14を下方に移動させる。
【0019】
搬送処理部2は、複数の昇降駆動部18を固定する(保持する)固定部38を有してもよい。固定部38は、例えば、支持部12の上方に配置されている板状の部材である。固定部38は、支持部12と共に回転しないように設けられている。そのため、支持部12が回転しても、複数の昇降駆動部18は移動しない。昇降駆動部18は、例えば、ホルダ32と、操作ロッド34と、モータ36とを有する。
【0020】
ホルダ32は、停止位置SPの近傍において固定部38の外周部に固定されている。操作ロッド34は、ホルダ32(固定部38)に対して移動可能となるようにホルダ32に設けられている。操作ロッド34は、例えば、鉛直方向に沿って延びており、鉛直方向に沿って移動可能となるようにホルダ32に保持されている。操作ロッド34は、部品保持部14が停止位置SPに位置する場合に、その部品保持部14の吸着部22の鉛直上方に位置してもよい。モータ36は、駆動源として機能し、操作ロッド34を下方に移動させる。操作ロッド34を下方に移動させる際に、モータ36の一部が操作ロッド34に接触してもよい。モータ36は、例えば、サーボモータである。
【0021】
一例では、モータ36によって操作ロッド34が下降すると、操作ロッド34の下端部が吸着部22の上端部に接触する。操作ロッド34が吸着部22に接触した状態で、操作ロッド34が更に下降すると、吸着部22が変位する(下方に移動する)。モータ36によって操作ロッド34が上昇すると、操作ロッド34が吸着部22に対して下向きの力を付与した状態が解除され、スプリング26の反力によって、吸着部22が変位する前の高さに戻る。
【0022】
(処理ユニット)
複数の処理ユニット40は、いくつかの停止位置SPにそれぞれ対応するように設けられている。
図1に示される例とは異なり、全ての停止位置SPそれぞれに処理ユニット40が設けられてもよい。処理ユニット40は、対応する停止位置SPを含む処理領域PAにおいて、電子部品Wに対して予め定められた処理を施すように構成されている。処理領域PAは、電子部品Wに対して所定の処理を実行するための領域であり、円軌道CR上に位置している。すなわち、円軌道CRは、処理領域PAを通る。処理領域PAが設定される停止位置SPには、上記昇降駆動部18が配置されている。
【0023】
本開示において、電子部品Wに対して行う「処理」は、電子部品Wの状態を変化させるあらゆる行為を含む。例えば、電子部品Wにマーキング等を施すこと、電子部品Wを部品保持部14に保持させること(引き渡すこと)、及び部品保持部14から電子部品Wを回収すること(受け取ること)は、「処理」に該当する。また、電子部品Wに対する何らかの検査を実行することも、検査データが未知の状態を検査データが既知の状態に変化させるので「処理」に該当する。複数の処理ユニット40は、例えば、部品供給ユニット42と、部品回収ユニット44と、1又は複数の中間処理ユニット46とを含む。
【0024】
部品供給ユニット42は、回転搬送ユニット10に対して電子部品Wを供給するユニットである。部品供給ユニット42は、いずれかの停止位置SPに配置されている。一例では、部品供給ユニット42は、複数の電子部品Wを収容した状態のキャリアテープ60を、対応する停止位置SPまで搬送する。部品供給ユニット42が搬送するキャリアテープ60は、複数の電子部品Wをそれぞれ収容した複数の収容部62を有する。部品供給ユニット42は、対応する停止位置SPを含む処理領域PAに、各収容部62(各収容部62に収容された電子部品W)を順に配置するようにキャリアテープ60を搬送する。
【0025】
処理領域PA(電子部品Wを供給するための領域)に電子部品Wを収容した収容部62が配置された状態で、対応する停止位置SPに移動した部品保持部14が、昇降駆動部18により変位されつつ、当該収容部62内の電子部品Wを受け取る。これにより、部品供給ユニット42から回転搬送ユニット10に電子部品Wが供給される。以下、部品供給ユニット42が電子部品Wを供給する停止位置SPを「供給用の停止位置SP」と称する。また、供給用の停止位置SPを含む処理領域PAを「供給領域SA」と表記する。
【0026】
部品回収ユニット44は、回転搬送ユニット10から電子部品Wを回収するユニットである。部品回収ユニット44は、いずれかの停止位置SPに配置されている。一例では、部品回収ユニット44は、複数の電子部品Wを収容することが可能なキャリアテープ60(収容部62が空の状態のキャリアテープ60)を、対応する停止位置SPまで搬送する。部品回収ユニット44は、対応する停止位置SPを含む処理領域PAに、電子部品Wが収容されていない状態の各収容部62を順に配置するようにキャリアテープ60を搬送する。キャリアテープ60は、樹脂製であり、フィルム状(シート状)に形成されている。
【0027】
処理領域PA(電子部品Wを回収するための領域)に電子部品Wが収容されていない収容部62が配置された状態で、対応する停止位置SPに移動した部品保持部14が、昇降駆動部18により変位されつつ、当該収容部62内に電子部品Wを引き渡す。これにより、回転搬送ユニット10から部品回収ユニット44に電子部品Wが回収される。以下、部品回収ユニット44が電子部品Wを回収する停止位置SPを「回収用の停止位置SP」と称する。また、回収用の停止位置SPを含む処理領域PAを「回収領域RA」と表記する。円軌道CRにおいて供給用の停止位置SP側を「上流側」といい、回収用の停止位置SP側を「下流側」という。電子部品Wは、円軌道CRにおいて上流側から下流側に搬送される。
【0028】
中間処理ユニット46は、供給用及び回収用の停止位置SP以外のいずれかの停止位置SPにおいて、電子部品Wに対して所定の処理を施すユニットである。中間処理ユニット46による処理の具体例としては、電気特性検査、光学特性検査、外観検査、姿勢又は位置の補正、及びマーキング(レーザマーキング)等が挙げられる。
【0029】
(荷重検出部)
図2に示されるように、処理装置1は、荷重検出部50を備える。荷重検出部50は、処理領域PAにおいて昇降駆動部18が部品保持部14を変位させた際に、電子部品Wに加わる荷重を検出するように構成されている。荷重検出部50は、例えば、処理領域PAにおいて昇降駆動部18が部品保持部14を下降させた際に、その処理領域PAにおいて処理が行われる電子部品Wに加わる荷重を検出する。荷重検出部50は、いかなる方式で荷重を検出するセンサであってもよい。荷重検出部50は、ひずみゲージ等の電気抵抗値の変化を検出する力学的センサであってもよく、ロードセルであってもよい。
【0030】
荷重検出部50は、昇降駆動部18に加わる荷重を検出するように昇降駆動部18に設けられてもよい。荷重検出部50は、例えば、昇降駆動部18の操作ロッド34に加わる荷重を検出するように、操作ロッド34に設けられる。電子部品Wに対して所定の処理を行うために操作ロッド34によって部品保持部14を変位させた際に、操作ロッド34に加わる荷重には、例えば、モータ36から受ける力と、部品保持部14からの反力(スプリング26の反力)とが含まれる。また、部品保持部14を変位させた際に、処理対象の電子部品Wに加わる荷重は、操作ロッド34に加わる荷重に反映される。荷重検出部50は、検出結果をコントローラ100に出力する。複数の処理領域PAのそれぞれに複数の昇降駆動部18が配置される場合、複数の昇降駆動部18に複数の荷重検出部50がそれぞれ対応して設けられてもよい。
【0031】
以下では、回転搬送ユニット10から部品回収ユニット44に電子部品Wが回収される回収領域RAにおいて、部品保持部14を変位させる際に、電子部品Wに加わる荷重を検出する場合を例示する。回収領域RAの上方に位置する昇降駆動部18に設けられている荷重検出部50は、電子部品Wを保持した部品保持部14の吸着部22を下降させて、キャリアテープ60の収容部62に電子部品Wを引き渡す際に、その電子部品Wが受ける荷重を検出する。
【0032】
一例では、電子部品Wの吸着を解除するまで、キャリアテープ60に電子部品Wが接触しないように、電子部品Wを吸着した吸着部22が昇降駆動部18によって下降する。しかしながら、何らかの原因によって、キャリアテープ60の収容部62に電子部品Wを引き渡す際に、吸着部22によって吸着されている電子部品Wがキャリアテープ60に接触してしまう場合がある。このときに電子部品Wが受ける荷重は、キャリアテープ60からその電子部品Wに加わる外力(反力)を含む。
【0033】
吸着部22によって吸着されている電子部品Wがキャリアテープ60に接触した場合に、その電子部品Wが受ける荷重が、昇降駆動部18の操作ロッド34に加わる。そのため、操作ロッド34に設けられた荷重検出部50は、キャリアテープ60に接触した場合に電子部品Wが受ける荷重を検出可能である。なお、本開示において、電子部品Wが受ける荷重を検出することは、電子部品Wがキャリアテープ60に接触した場合だけでなく、電子部品Wがキャリアテープ60に接触していない状態で電子部品Wが受ける荷重を検出すること(すなわち、電子部品Wが受ける荷重がゼロであると検出すること)を含む。
【0034】
(コントローラ)
処理装置1は、コントローラ100に接続された入出力デバイス102を備えてもよい(
図1参照)。入出力デバイス102は、作業者等のユーザからの指示を示すユーザ指示をコントローラ100に入力すると共に、コントローラ100からの情報を作業者等に出力するための装置である。入出力デバイス102は、入力デバイスとして、キーボード、操作パネル、又はマウスを含んでいてもよく、出力デバイスとして、モニタ(例えば液晶ディスプレイ)を含んでいてもよい。入出力デバイス102は、入力デバイス及び出力デバイスが一体化されたタッチパネルであってもよい。コントローラ100及び入出力デバイス102が一体化されていてもよい。
【0035】
コントローラ100は、1つ又は複数の制御用コンピュータによって構成される。コントローラ100は、複数の電子部品Wに対して所定の処理が順に施されるように、予め定められた制御手順に従って搬送処理部2及び荷重検出部50を制御する。コントローラ100は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、例えば、動作制御部112と、荷重情報取得部114と、異常判定部116と、モデル記憶部118と、報知部122とを有する。これらの機能モジュールが実行する処理は、コントローラ100が実行する処理に相当する。以下、コントローラ100又は各機能モジュールが実行する処理を、搬送処理部2での電子部品Wに対する処理と区別するために「制御処理」と称する。
【0036】
動作制御部112は、複数の電子部品Wそれぞれを円軌道CRに沿って搬送しながら、いくつかの停止位置SPにおいて電子部品Wに対して対応する処理を行うように搬送処理部2を制御するように構成されている。動作制御部112は、各処理領域PAにおいて複数の電子部品Wに対して、その処理領域PAにおける処理を順に行うように(繰り返し実行されるように)搬送処理部2を制御する。動作制御部112は、電子部品Wに対する接触の異常を検知した場合に、その電子部品Wを排出するための制御処理を搬送処理部2に実行させてもよい。動作制御部112は、例えば、搬送処理部2による動作を停止させる。この場合、動作制御部112は、各処理領域PAにおける複数の電子部品Wに対して継続して行う所定の処理を中断するように搬送処理部2を制御してもよい。
【0037】
動作制御部112は、複数の部品保持部14それぞれが複数の停止位置SPに順次配置されるように、回転駆動部16により支持部12を間欠的に回転させる。間欠的に回転とは、支持部12の回転と停止とを交互に繰り返すことを意味する。動作制御部112は、円軌道CR上において隣り合う部品保持部14同士の角度ピッチと同じピッチで、回転駆動部16により支持部12を間欠的に回転させる。これにより、各停止位置SPには、いずれか1つの部品保持部14(いずれか1つの吸着部22)が順に配置される。
【0038】
動作制御部112は、回収用の停止位置SPを含む回収領域RAにおいて、回転搬送ユニット10から部品回収ユニット44に電子部品Wが回収されるように、昇降駆動部18、部品保持部14、及び部品回収ユニット44を制御する。動作制御部112は、キャリアテープ60の空の各収容部62が、回収領域RAに順に配置されるように、部品回収ユニット44によりキャリアテープ60をピッチ搬送させる。ピッチ搬送とは、キャリアテープ60において隣り合う収容部62同士のピッチと同じピッチ分だけキャリアテープ60を移動させることを意味する。
【0039】
動作制御部112は、回収用の停止位置SPに対応する昇降駆動部18により、部品保持部14の吸着部22を下降させる。動作制御部112は、例えば、吸着部22が保持する電子部品Wの主面Wbが、回収領域RAに位置する収容部62に接触する程度まで吸着部22を下降させる。そして、動作制御部112は、吸着部22による吸着を解除した後に、下降前の高さに吸着部22が戻るように昇降駆動部18を制御する。
【0040】
荷重情報取得部114は、処理領域PA(回収領域RA)において昇降駆動部18により部品保持部14を変位させた際に、荷重検出部50による検出値を取得するように構成されている。荷重情報取得部114は、例えば、回収用の停止位置SPに配置された部品保持部14の吸着部22を、昇降駆動部18により下降させた際に、その昇降駆動部18に設けられた荷重検出部50による検出値を取得する。
【0041】
荷重情報取得部114は、昇降駆動部18により部品保持部14を変位させている期間を含む任意の期間において、荷重検出部50による検出値を継続して取得してもよい。この場合、荷重情報取得部114は、荷重検出部50による検出値の時間変化を示すデータを取得する。以下、昇降駆動部18により部品保持部14を変位させている期間を含む任意の期間において、荷重検出部50から取得される検出値の時間変化を示すデータを「時系列データ」と称する。一例では、荷重情報取得部114は、部品保持部14の変位を開始する時点から、部品保持部14が元の高さに戻った時点までの期間における荷重の時間変化を示す時系列データを取得する。
【0042】
荷重情報取得部114は、上記任意の期間において、荷重検出部50による検出値を連続して取得してもよい。荷重情報取得部114は、サンプリング周期ごとに荷重検出部50による検出値を(間欠的に)取得してもよい。サンプリング周期は、時系列データにおいて荷重の変化の傾向を把握できるように予め設定されていてもよく、ユーザ指示等により、その都度設定されてもよい。荷重情報取得部114は、処理装置1を稼働している間(複数の電子部品Wの処理を継続している間)、荷重検出部50による検出値の取得を継続してもよい。この場合、荷重情報取得部114は、継続して取得した検出値のデータから、昇降駆動部18により部品保持部14を変位させている期間を含む任意の期間における検出値のデータを抽出することで、上記時系列データを取得してもよい。
【0043】
異常判定部116は、荷重検出部50による検出値に基づいて、処理領域PAにおける処理対象の電子部品Wに対する接触の異常を検知するように構成されている。具体的には、異常判定部116は、荷重検出部50による検出値に基づいて、電子部品Wに対する接触が異常であるか否かを判定する。電子部品Wに対する接触の異常とは、例えば、電子部品Wへの処理が正常である場合に比べて、電子部品Wが故障し得る程度に何らかの対象物(例えば次の段落で説明するキャリアテープ60)に強く接触することを意味する。
【0044】
吸着部22に吸着された電子部品Wが吸着解除前にキャリアテープ60に接触しないように吸着部22を変位させる場合、電子部品Wへの処理が正常であるときに吸着解除前に電子部品Wが受ける荷重はゼロに略等しい。この場合、電子部品Wが吸着解除前にキャリアテープ60に接触すること自体が、電子部品Wに対する接触の異常となる。キャリアテープ60に電子部品Wが異常に接触する場合の例として、吸着部22を下降させた際に収容部62の開口縁及びその近傍(キャリアテープ60のうちの収容部62が設けられていないベース部分)に電子部品Wが接触する場合が挙げられる。収容部62の開口縁は、収容部62内の側面とベース部分との境界部分である。
【0045】
異常判定部116は、部品保持部14の吸着部22を変位させた際の第1タイミングから第2タイミングまでの荷重検出部50による検出値の推移に基づいて、電子部品Wに対する接触の異常を検知する。第2タイミングは、第1タイミングと異なるタイミングである。第1タイミング及び第2タイミングは、それらのタイミング間での荷重検出部50による検出値の推移において、吸着部22が変位した際の電子部品Wに対する異常接触に起因して電子部品Wに加わる荷重の変化が表れるタイミングである。
【0046】
第1タイミングは、例えば、昇降駆動部18による吸着部22の変位を開始した時点から、吸着部22が吸着している電子部品Wが他の部材(例えば、キャリアテープ60)に接触し得る時点までの間のいずれかのタイミングである。一例では、第1タイミングは、昇降駆動部18によって吸着部22の下降が実際に開始された時点から、吸着部22が吸着している電子部品Wの主面Wb(下方を向く主面)の高さ位置がキャリアテープ60のベース部分に到達する時点までの間のいずれかのタイミングである。第2タイミングは、例えば、吸着部22が吸着した電子部品Wが他の部材に接触し得る時点から、電子部品Wの吸着を解除後に吸着部22が変位前の位置に戻るまでの間のいずれかのタイミングである。一例では、第2タイミングは、吸着部22が吸着した電子部品Wの主面Wbの高さ位置がキャリアテープ60のベース部分に到達した時点から、電子部品Wの吸着を解除する時点までの間のいずれかのタイミングである。
【0047】
異常判定部116は、例えば、昇降駆動部18により部品保持部14を変位させている期間を含む任意の期間における荷重検出部50による検出値の時間変化を示す上記時系列データに基づいて、電子部品Wに対する接触の異常を検知する。異常判定部116は、時系列データに基づいて、電子部品Wに対する接触が異常であるか否かを判定してもよい。時系列データには、少なくとも第1タイミング及び第2タイミングを含む期間において荷重検出部50から得られる検出値が含まれる。
【0048】
異常判定部116は、荷重検出部50から取得した時系列データと、予め構築された判定モデルとに基づいて、電子部品Wに対する接触が異常であるか否かを判定してもよい(電子部品Wに対する接触の異常を検知してもよい)。判定モデルは、電子部品Wに加わる荷重の時間変化を示す時系列データの入力に応じて、電子部品Wに対する接触が異常であるか否かの判定結果を出力するように、機械学習により構築されたモデルである。
【0049】
機械学習とは、与えられた情報に基づいて反復的に学習することで、法則又はルールを自律的に見つけ出す手法をいう。上記判定モデルは、アルゴリズム及びデータ構造を用いて構築することができる。判定モデルは、例えば、人間の脳神経の仕組みを模した情報処理のモデルであるニューラルネットワークを用いて実現される。判定モデルを構築する際に行われる機械学習の具体的なアルゴリズムは特に限定されない。
【0050】
モデル記憶部118は、上記判定モデルを記憶する。コントローラ100は、判定モデルを構築するための学習用のデータに基づいて、機械学習を行うことで上記判定モデルを構築してもよい。具体的には、コントローラ100は、機械学習の入力として与えられるデータと、機械学習の出力の正解であるラベルとを用いて機械学習を行うことで、異常の有無を判定する判定モデルを自律的に生成してもよい。機械学習の入力は、種々の時系列データである。機械学習の出力は、電子部品Wに対する接触が異常であるか否かの判定結果である。コントローラ100は、時系列データ及びラベルの複数の組合せを用いて、電子部品Wに対する接触が異常であるか否かを判定する手法を反復的に学習する。
【0051】
以上のように、判定モデルを自律的に生成する段階は学習フェーズに相当する。コントローラ100の異常判定部116は、生産フェーズ又は判定フェーズにおいて、モデル記憶部118に記憶された判定モデルを用いて、電子部品Wに対する接触が異常であるか否かが未知である時系列データから、異常接触の有無を判定する。学習済みのモデルである判定モデルは、コンピュータ間で移植可能である。従って、コントローラ100は、他のコンピュータにおいて構築された判定モデルを取得することで、モデル記憶部118にその判定モデルを記憶させてもよい。この場合、コントローラ100は、学習フェーズを実行せずに、生産フェーズ(判定フェーズ)を実行してもよい。
【0052】
図4には、学習フェーズで用いられる種々の時系列データが示されている。横軸は時間を示し、縦軸は荷重検出部50による検出値を示している。
図4において、「a」で示されるグラフは、電子部品Wに対する接触が正常であると分類された(ラベル付けられた)時系列データであり、「b」「c」及び「d」で示されるグラフは、電子部品Wに対する接触が異常であると分類された時系列データである。「b」「c」及び「d」で示されるグラフでは、電子部品Wに対する接触の状態(異常の種類)が互いに異なっている。
【0053】
学習フェーズにおいて、接触の状態が互いに異なる種々の時系列データ(異常であると分類された時系列データ)が用いられてもよい。これに代えて、学習フェーズにおいて、接触の状態が異常である時系列データを準備せずに、正常時の時系列データを準備したうで、判定モデルが構築されてもよい。この場合、構築される判定モデルは、接触状態が未知の時系列データと、正常時の種々の時系列データとの乖離度を算出することで、電子部品Wに対する異常の有無を判定してもよい。
【0054】
図3に戻り、報知部122は、異常判定部116による異常判定の結果を作業者等のユーザに報知するように構成されている。報知部122は、例えば、電子部品Wに対する接触の異常が検知された場合に、異常が検知されたことを示す情報を入出力デバイス102に出力する。報知部122は、異常が検知されたことを示す情報と、異常接触した電子部品Wを特定するための情報とを、入出力デバイス102が有するモニタに出力してもよい。異常接触した電子部品Wを特定するための情報は、電子部品Wの個体を特定可能な情報であればよい。
【0055】
一例では、動作制御部112によって、次の収容部62が回収領域RAに配置される前に、電子部品Wの回収のための処理が中断(一時的に停止)される。この場合、報知部122は、「収容部62に直前に収容された電子部品Wで異常接触有り」のようなメッセージを、異常接触した電子部品Wを特定するための情報としてモニタに表示させてもよい。
【0056】
図5に示されるように、コントローラ100は、回路150を有する。回路150は、1つ又は複数のプロセッサ152と、メモリ154と、ストレージ156と、入出力ポート158と、タイマ162とを含む。ストレージ156は、例えば不揮発性の半導体メモリ等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有する。ストレージ156は、予め設定された制御手順で搬送処理部2、荷重検出部50、及び入出力デバイス102を制御することをコントローラ100に実行させるためのプログラムを記憶している。例えばストレージ156は、上述した各機能モジュールを構成するためのプログラムを記憶している。
【0057】
メモリ154は、ストレージ156の記憶媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ152による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ152は、メモリ154と協働して上記プログラムを実行することで、コントローラ100の各機能モジュールを構成する。入出力ポート158は、プロセッサ152からの指令に従って、搬送処理部2、荷重検出部50、及び入出力デバイス102等との間で電気信号の入出力を行う。タイマ162は、例えば一定周期の基準パルスをカウントすることで経過時間を計測する。なお、回路150は、必ずしもプログラムにより各機能を構成するものに限られない。例えば回路150は、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により少なくとも一部の機能を構成してもよい。
【0058】
(制御方法)
続いて、コントローラ100が実行する制御手順(制御方法)の一例について説明する。
図6は、回収用の停止位置SPを含む処理領域PA(回収領域RA)において、キャリアテープ60の各収容部62に複数の電子部品Wを順に回収するための一連の制御処理を示すフローチャートである。コントローラ100は、この一連の制御処理を継続して実行している間、荷重検出部50からの検出値の取得を継続して行ってもよい。この一連の処理では、回収対象の電子部品Wを保持した部品保持部14の吸着部22が、回収用の停止位置SPよりも1つ上流の停止位置SPに配置されている状態で、コントローラ100が、最初にステップS11を実行する。
【0059】
ステップS11では、例えば、動作制御部112が、回収対象の電子部品Wを吸着している吸着部22を回収用の停止位置SPに配置するように、回転駆動部16により支持部12を回転させる。動作制御部112は、搬送処理部2において設定される処理領域PAの全てにおいて、電子部品Wに対する処理が終了するタイミングまで待機したうえで、回転駆動部16による支持部12の回転を開始させてもよい。動作制御部112は、処理領域PAでの処理時間が最も長い処理が終了した後に、電子部品Wを円軌道CRに沿って回転搬送するように回転駆動部16を制御してもよい。この場合、支持部12の間欠動作において支持部12を停止させる時間は、最も長い処理時間に略一致する。
【0060】
次に、コントローラ100は、ステップS12を実行する。ステップS12では、例えば、動作制御部112が、回収対象の電子部品Wが収容される予定の収容部62が、回収領域RAに配置されるように、部品回収ユニット44によりキャリアテープ60をピッチ搬送させる。これにより、回収対象の電子部品Wを保持する吸着部22、及びその電子部品Wが収容される予定の収容部62が、電子部品Wの引き渡し処理を行うための回収領域RAに配置される(
図7(a)参照)。
【0061】
次に、コントローラ100は、ステップS13を実行する。ステップS13では、例えば、動作制御部112が、回収対象の電子部品Wを保持する吸着部22を下降させるように対応する昇降駆動部18を制御する。動作制御部112は、予め定められた下降量だけ吸着部22を下方に移動させるように昇降駆動部18を制御してもよい。下降量は、回収対象の電子部品Wが、その下降量だけ下降した状態において、収容予定の収容部62内に収容され、主面Wbと収容部62の底面との間に僅かにクリアランスが設けられる程度に設定されてもよい。
図7(a)及び
図7(b)には、吸着部22を下降させている動作が例示されており、この例では、回収対象の電子部品Wが、収容部62に正常に収容されている。
【0062】
次に、コントローラ100は、ステップS14,S15を実行する。ステップS14では、例えば、動作制御部112が、吸着部22による吸着を解除するように部品保持部14を制御する。ステップS15では、例えば、動作制御部112が、吸着部22を変位前の高さに戻すように昇降駆動部18を制御する。
図7(c)には、吸着部22が変位前の高さに戻す際の動作が例示されている。以上の制御処理により、吸着部22から収容予定の収容部62に電子部品Wが引き渡される。すなわち、回転搬送ユニット10から、部品回収ユニット44が搬送するキャリアテープ60に電子部品Wが回収される。
【0063】
次に、コントローラ100は、ステップS16を実行する。ステップS16では、例えば、荷重情報取得部114が、少なくとも第1タイミング及び第2タイミングを含む期間における荷重検出部50による検出値の時間変化を示す時系列データを取得する。一例では、荷重情報取得部114は、継続して取得している荷重検出部50による検出値のデータから、ステップS13の開始時点からステップS15の終了時点までのデータを抽出することで、上記時系列データを取得する。すなわち、荷重情報取得部114は、吸着部22の変位を開始してから、吸着部22の変位を終了するまでの期間において、昇降駆動部18に加わる荷重の時間変化を示す時系列データを取得する。
【0064】
次に、コントローラ100は、ステップS17を実行する。ステップS17では、例えば、異常判定部116が、回収対象の電子部品Wに対する接触が異常である否かを判定する。異常判定部116は、ステップS16で得られた時系列データをモデル記憶部118が記憶する判定モデルに入力したうえで、その判定モデルからの出力結果を得ることによって、接触の異常の有無を判定してもよい。
【0065】
ステップS17において、回収対象の電子部品Wに対する接触の異常が検知されなかった場合(ステップS17:NO)、コントローラ100が実行する制御処理は、ステップS11に戻る。この場合、コントローラ100は、次の回収対象の電子部品Wについて、ステップS11~S17の一連の制御処理を実行する。
図7(d)には、次の回収対象の電子部品Wを吸着する吸着部22及び次の収容部62が、回収領域RAに配置された様子が例示されている。
【0066】
一方、ステップS17において、回収対象の電子部品Wに対する接触の異常が検知された場合(ステップS17:YES)、コントローラ100が実行する制御処理は、ステップS18に進む。ステップS18では、例えば、動作制御部112が、搬送処理部2による動作を停止させる(搬送処理部2による電子部品Wの搬送及び処理動作を中断させる)。一例では、動作制御部112は、次のステップS19での作業者等からのユーザ指示があるまで、回転駆動部16による支持部12の間欠動作、全ての昇降駆動部18それぞれによる部品保持部14の変位動作、及び全ての処理ユニット40による処理動作を実行しない。
【0067】
動作制御部112は、全ての処理ユニット40による処理時間のうちの最長時間よりも長い時間だけ、電子部品Wの搬送及び処理動作を中断するように搬送処理部2を制御してもよい。すなわち、動作制御部112は、電子部品Wに対する処理が正常である場合に支持部12を間欠的に停止させる時間よりも長い時間だけ、支持部12の間欠動作、部品保持部14の変位動作、及び各処理ユニット40による処理動作を実行しなくてもよい。ステップS18では、報知部122が、回収対象の電子部品Wについて接触状態の異常が検知されたことを示す情報と、その電子部品Wを特定するための情報とを入出力デバイス102に出力してもよい。
【0068】
図8(a)~
図8(d)には、昇降駆動部18により吸着部22を変位させた際に、電子部品Wに対する接触が異常である場合の様子が例示されている。
図8(a)及び
図8(b)に示されるように、回収対象の電子部品Wを吸着する吸着部22を下降させた際に、その電子部品Wが、収容部62の開口縁及びその近傍(キャリアテープ60のうちの収容部62が設けられていないベース部分)に接触している。
図8(c)に示されるように、電子部品Wが開口縁及びその近傍に接触した場合、吸着部22による吸着を解除したときに、電子部品Wの少なくとも一部が、収容部62の開口縁(ベース部分)に乗り上げる可能性がある。
【0069】
図8(d)には、動作制御部112によって、電子部品Wの搬送及び処理動作が中断した状態の様子が例示されている。
図8(d)に例示される中断した状態では、回収対象の電子部品Wを吸着していた吸着部22が回収領域RAに留まる。また、キャリアテープ60の搬送が行われずに、異常接触した電子部品Wが傾いた状態で収容されている収容部62が、回収領域RAに留まる。
【0070】
次に、コントローラ100は、ステップS19を実行する。ステップS19では、コントローラ100が、作業者等のユーザからの動作の再開を指示するユーザ指示を受け付けるまで待機する。すなわち、再開を指示するユーザ指示が作業者等によって実行されるまで、動作制御部112は、電子部品Wの搬送及び処理動作を中断する。作業者等は、例えば、入出力デバイス102のモニタに表示される情報に基づいて、異常接触したと判定された電子部品Wをキャリアテープ60から排出してもよい。
【0071】
作業者等からの再開の指示を示すユーザ指示を受け付けると、コントローラ100が実行する制御処理は、ステップS11に戻る。コントローラ100は、次の回収対象の電子部品Wについて、ステップS11~S17の一連の制御処理を実行する。この場合、コントローラ100は、異常接触したと判定された電子部品Wが引き渡される予定であった収容部62に、次の回収予定の電子部品Wを収容するように搬送処理部2を制御してもよい。コントローラ100は、処理装置1を稼働させている間、以上の一連の制御処理を搬送処理部2に継続して実行させる。
【0072】
(変形例)
図6に示される上述の一連の制御処理は一例であり、適宜変更可能である。上記一連の制御処理において、コントローラ100は、一のステップと次のステップとを並列に実行してもよく、上述した例とは異なる順序で各ステップを実行してもよい。例えば、コントローラ100は、ステップS12を実行した後に、ステップS11を実行してもよく、ステップS11とステップS12とを少なくとも部分的に重複するように並行して実行してもよい。
【0073】
異常接触を検知した場合での動作の停止タイミングは、上述の例に限られない。コントローラ100は、電子部品Wに対する接触の異常を検知した場合に、次の収容部62を回収用の停止位置SPに配置するためのピッチ搬送を開始した後、そのピッチ搬送を停止する前に、搬送処理部2による動作を停止させるように搬送処理部2を制御してもよい。コントローラ100は、次の収容部62を回収用の停止位置SPに配置するためのピッチ搬送を行った後に、次に回収予定の電子部品Wを吸着する吸着部22を変位させる前に、搬送処理部2による動作を停止させるように搬送処理部2を制御してもよい。収容部62に電子部品Wが収容された後に、収容部62を覆うようにテープで封止される場合、コントローラ100は、異常接触したと判定された電子部品Wが収容されている収容部62をテープで封止する前に、搬送処理部2による動作を停止してもよい。
【0074】
電子部品Wに対する接触の異常が検知された場合に、搬送処理部2による動作を中断するのに加えて、異常接触したと判定された電子部品Wが搬送処理部2によって排出されてもよい。
図9に示されるように、例えば、搬送処理部2は、排出ユニット70を有してもよい。排出ユニット70は、コントローラ100からの動作指示に基づいて、異常接触したと判定された電子部品Wを収容部材(キャリアテープ60)から排出するユニットである。排出ユニット70は、例えば、排出保持部72と、駆動部74と、排出ビン76とを有する。
【0075】
排出保持部72は、電子部品Wを保持可能に構成されている。排出保持部72は、いかなる方式で電子部品Wを保持してもよい。排出保持部72は、例えば、真空吸着により電子部品Wを保持可能である。駆動部74は、電動モータ等の動力源を含み、排出保持部72を所定の方向に沿って移動させる。駆動部74は、水平な一方向と鉛直方向とのそれぞれに沿って、排出保持部72を移動させてもよい。排出ビン76は、排出保持部72から離脱した電子部品Wを収容する。排出ビン76に電子部品Wが収容されることで、キャリアテープ60から電子部品Wが排出される。
【0076】
図10は、回収領域RAにおいて、キャリアテープ60の各収容部62に複数の電子部品Wを順に回収するための一連の制御処理の別の例を示すフローチャートである。この一連の制御処理では、電子部品Wに対する接触の異常が検知された場合に、排出ユニット70によって電子部品Wが排出される。コントローラ100は、
図6に示される一連の制御処理でのステップS11~S17と同様に、ステップS31~S37を実行する。
【0077】
ステップS37において、回収対象の電子部品Wに対する接触の異常が検知された場合(ステップS37:YES)、コントローラ100が実行する制御処理は、ステップS38に進む。ステップS38では、例えば、動作制御部112が、異常接触したと判定された電子部品Wを収容部62から排出するように排出ユニット70を制御する。一例では、動作制御部112は、駆動部74により排出保持部72を排出対象の電子部品Wを吸着可能な位置まで移動させて、その電子部品Wを保持するように排出保持部72を制御する。そして、動作制御部112は、駆動部74により、電子部品Wを保持した排出保持部72を排出ビン76の上方まで移動させて、電子部品Wの吸着を解除するように排出保持部72を制御する。
【0078】
ステップS38の実行後、コントローラ100が実行する制御処理は、ステップS31に戻る。そして、コントローラ100は、次の回収対象の電子部品Wについて、ステップS31~S37の一連の制御処理を実行する。ステップS38の制御処理が実行されている間、動作制御部112は、搬送処理部2による電子部品Wの搬送及び処理動作を中断させる。一例では、動作制御部112は、ステップS38の制御処理を実行している間に、回転駆動部16による支持部12の間欠動作、全ての昇降駆動部18それぞれによる部品保持部14の変位動作、及び全ての処理ユニット40による処理動作を実行しない。
【0079】
処理装置1は、電子部品Wに対する異常接触が検知された場合に、排出ユニット70に代えて、回転搬送ユニット10によって、異常接触したと判定された電子部品Wを排出してもよい。処理装置1は、排出ユニット70又は回転搬送ユニット10によって、異常接触したと判定された電子部品Wを排出した後に、その電子部品Wが収容される予定であった収容部62に、次の電子部品Wを収容してもよい。
【0080】
電子部品Wに対する接触の異常は、
図8(a)~
図8(d)に例示されるように、吸着が解除された電子部品Wが収容部62の開口縁に乗り上げる場合に限られない。例えば、電子部品Wが収容部62の開口縁に一度接触し、正常時と同様に収容部62に収容される場合もある。また、電子部品Wが収容部62の開口縁に一度接触し、収容部62内の側面と底面との間で斜めの状態で収容部62内に収容される場合もある。
図4において、「b」で示されるグラフは、電子部品Wが開口縁に接触した後に正常時と同様に収容部62に収容された場合の荷重の時系列データである。「c」で示されるグラフは、電子部品Wが収容部62内で傾いた状態で収容される場合の時系列データであり、「d」で示されるグラフは、電子部品Wが開口縁に乗り上げた状態で収容される場合の時系列データである。
【0081】
図4に例示されるように、電子部品Wに対する接触の異常が、どのように発生しているのかに応じて、時系列データの変化傾向(荷重検出部50による検出値の推移)が異なる。そのため、異常判定部116は、電子部品Wに対する接触の異常の有無の判定に加えて、異常の種類を判別してもよい。異常判定部116は、例えば、時系列データの入力に応じて、異常の種類も含めて異常の有無の判定結果を出力するように機械学習により構築された判定モデルを用いて、異常の種類を判別してもよい。報知部122は、異常の種類を示す情報を入出力デバイス102のモニタに表示させてもよい。報知部122は、接触の異常が検知されたときの時系列データ(グラフ)を入出力デバイス102のモニタに表示させてもよい。
【0082】
上述の例では、部品回収ユニット44は、キャリアテープ60に電子部品Wを回収するが、部品回収ユニット44は、収納トレイに電子部品Wを回収してもよい。収納トレイは、硬質樹脂製であってもよい。収納トレイは、1列に配列された複数の収納ポケットを有してもよく、互いに直交する2方向に行列状に配列された複数の収納ポケットを有してもよい。荷重情報取得部114は、回収領域RAに配置された収納ポケットに電子部品Wを回収するために、昇降駆動部18が吸着部22を変位させる際に、電子部品Wに加われる荷重を示す情報を荷重検出部50から取得してもよい。
【0083】
異常判定部116は、キャリアテープ60が用いられる場合と同様に、荷重検出部50から得られる荷重の時系列データに基づき、電子部品Wに対する接触の異常の有無を判定してもよい。異常判定部116は、収納トレイを用いた際に得られる学習用の時系列データに基づき機械学習により構築された判定モデルを用いて、電子部品Wの異常接触の有無を判定してもよい。
【0084】
部品回収ユニット44による電子部品Wの回収に代えて又は加えて、部品供給ユニット42による電子部品Wの供給が行われる際に、供給対象の電子部品Wに加わる荷重が検出され、その電子部品Wに対する接触の異常が検知されてもよい。
図11(a)~
図11(c)に示されるように、部品供給ユニット42に対応する供給用の停止位置SPを含む処理領域PA(供給領域SA)において、部品保持部14の吸着部22を変位させる昇降駆動部18に荷重検出部50が設けられてもよい。例えば、以下のように一連の制御処理が実行される。
【0085】
動作制御部112は、電子部品Wを保持(吸着)していない吸着部22が、供給領域SAに配置されるように、回転駆動部16により支持部12を移動させる。この移動後又は移動中に、動作制御部112は、供給対象の電子部品Wが収容されている収容部62を供給領域SAに配置するように、部品供給ユニット42によりキャリアテープ60をピッチ搬送させる。これにより、
図11(a)に示されるように、電子部品Wを吸着していない吸着部22と、供給対象の電子部品Wが収容されている収容部62とが互いに対向する。
【0086】
次に、動作制御部112は、吸着部22を下降させるように昇降駆動部18を制御する。動作制御部112は、
図11(b)に示されるように、電子部品Wに接触する程度まで、又は、吸着部22の吸着面(下面)と電子部品Wの主面Waとの間に僅かなクリアランスが設けられる程度に、昇降駆動部18により吸着部22を下降させてもよい。そして、動作制御部112は、吸着部22による電子部品Wの吸着を開始するように部品保持部14を制御する。その後、動作制御部112は、
図11(c)に示されるように、電子部品Wを吸着した状態の部品保持部14を変位前の高さに戻すように昇降駆動部18を制御する。これにより、部品供給ユニット42が搬送するキャリアテープ60から、回転搬送ユニット10に電子部品Wが供給される。
【0087】
荷重情報取得部114は、電子部品Wを吸着していない吸着部22の下降を開始した時点から、電子部品Wを吸着後に吸着部22を変位前の高さに戻した時点までの期間において、荷重検出部50による検出値を取得してもよく、その期間における検出値のデータ(荷重の時系列データ)を抽出してよい。吸着部22が収容部62内の電子部品Wに接触した際に、電子部品Wから吸着部22への反力が荷重検出部50から得られる時系列データに反映される。このように、荷重検出部50は、電子部品Wを受け取るために吸着部22を変位させた際に、その電子部品Wに加わる荷重を検出する。
【0088】
異常判定部116は、キャリアテープ60に電子部品Wを回収する場合と同様に、吸着部22を変位させた際の第1タイミングから第2タイミングまでの荷重検出部50による検出値の推移に基づいて、電子部品Wに対する接触の異常を検知する。一例では、第1タイミングは、昇降駆動部18による吸着部22の変位を開始した時点から、吸着部22を停止させる時点までの間のいずれかのタイミングである。第2タイミングは、吸着部22を停止させた時点から、電子部品Wを吸着した後に吸着部22が変位前の位置に戻るまでの間のいずれかのタイミングである。
【0089】
異常判定部116は、少なくとも第1タイミングと第2タイミングとを含む期間における、荷重検出部50から得られる荷重の時系列データに基づいて、電子部品Wに対する接触の異常の有無を判定してもよい。異常判定部116は、キャリアテープ60から電子部品Wを供給する際に得られる学習用の時系列データに基づき機械学習により構築された判定モデルを用いて、供給対象の電子部品Wの異常接触の有無を判定してもよい。キャリアテープ60に代えて、複数の電子部品Wが収容された状態の収納トレイから、回転搬送ユニット10に電子部品Wを供給する際に、コントローラ100が、電子部品Wに加わる荷重を示す情報を取得し、その電子部品Wに対する異常接触を検知してもよい。
【0090】
処理装置1は、1種類の電子部品Wに対する処理を行うように構成されていてもよい。これに代えて、処理装置1は、互いに異なる複数種類の電子部品Wに対する処理を行うように構成されていてもよい。処理装置1において、所定の処理単位(例えば、日数又は処理個数)で、処理対象の電子部品Wの部品種別の入れ替えが行われてもよい。処理装置1は、第1種の複数の電子部品Wに対して連続して処理を行った後に、第2種の複数の電子部品Wに対して連続して処理を行ってもよい。複数種類の電子部品Wの間では、サイズ及び重さの少なくとも一方が互いに異なっていてもよい。
【0091】
電子部品Wの部品種別(種類)によって、互いに異なる複数種類のキャリアテープ60が用いられて、電子部品Wの回収が行われてもよい。部品回収ユニット44は、例えば、処理対象の電子部品Wの部品種別に対応するキャリアテープ60に、回転搬送ユニット10から電子部品Wを回収する。又は、電子部品Wの部品種別の入れ替えに伴って、処理対象の電子部品Wの部品種別に対応するキャリアテープ60を搬送可能な別の部品回収ユニット44が用いられてもよい。
【0092】
電子部品Wの部品種別に応じて、電子部品Wがキャリアテープ60に回収される際に得られる時系列データの傾向が異なる。より詳細には、電子部品Wがキャリアテープ60に異常接触した際に得られる時系列データの変化の傾向が、電子部品Wの部品種別によって異なる。そのため、時系列データに基づき電子部品Wに対する異常接触を検知するために、学習フェーズにおいて、複数種類の電子部品Wにそれぞれ対応する複数の判定モデルが構築されてもよい。コントローラ100は、処理対象の電子部品Wの部品種別に応じた判定モデルを用いて、処理対象の電子部品Wに対する異常接触を検知してもよい。
【0093】
上述のモデル記憶部118は、複数種類の電子部品Wの部品種別(複数の部品種別)と複数の判定モデルとが対応付けられたデータベースを記憶してもよい。上記データベースでは、例えば、1つの部品種別ごとに、1つの判定モデルが対応付けられている。学習フェーズにおいて、1つの部品種別(1種類の電子部品W)ごとに、種々の時系列データが学習データとして準備されたうえで、その部品種別に対応する判定モデルが構築されてもよい。コントローラ100は、機能モジュールとして、品種情報取得部132と、モデル選択部134とを有してもよい(
図3参照)。
【0094】
品種情報取得部132は、処理対象の電子部品Wの部品種別を示す情報(以下、「品種情報」という。)を取得する。品種情報取得部132は、いかなる方法で品種情報を取得してもよい。品種情報取得部132は、例えば、電子部品Wの部品種別を示すユーザ指示(入出力デバイス102を介したユーザ入力)に基づき、品種情報を取得する。品種情報取得部132(コントローラ100)は、ユーザ指示に代えて、電子部品Wの部品種別等を示す識別コードを読み取った結果、又は、電子部品Wの部品種別等が書き込まれたファイル又はデータから、品種情報を取得してもよい。
【0095】
モデル選択部134は、品種情報に基づいて、複数の判定モデルの中から、処理対象の電子部品Wに対応する判定モデルを選択する。モデル選択部134は、例えば、モデル記憶部118が記憶する上記データベースを参照することで、処理対象の電子部品Wについて構築された判定モデルを選択する。モデル選択部134による判定モデルの選択は、処理対象の電子部品Wの部品品種の入れ替えが行われる際に(度に)行われてもよい。
【0096】
上記異常判定部116は、荷重検出部50から取得した時系列データと、処理対象の電子部品Wに対応する判定モデルとに基づいて、処理対象の電子部品Wに対する接触が異常であるか否かを判定してもよい(処理対象の電子部品Wに対する接触の異常を検知してもよい)。コントローラ100は、部品供給ユニット42による電子部品Wの供給が行われる際にも、処理対象の電子部品Wの部品種別に応じて、対応する判定モデルを選択したうえで、供給時での電子部品Wに対する接触異常を検知してもよい。
【0097】
電子部品Wの部品種別が同じでも、互いに異なる種類のキャリアテープ60が用いられる場合もある。この場合、キャリアテープ60の種類ごとに、対応する判定モデルが構築されてもよい。コントローラ100は、キャリアテープ60の種類に応じた判定モデルを選択したうえで、その判定モデルを用いて電子部品Wに対する接触異常を検知してもよい。コントローラ100は、電子部品Wの部品種別とキャリアテープ60の種類との組合せに応じた判定モデルを選択したうえで、その判定モデルを用いて電子部品Wに対する接触異常を検知してもよい。
【0098】
(実施形態の効果)
以上に説明した第1実施形態に係る処理装置1は、電子部品Wを保持するように構成された部品保持部14と、電子部品Wに対して所定の処理を実行するための処理領域PAを通る円軌道CRに位置するように部品保持部14を支持する支持部12と、円軌道CRの中心軸Axまわりに支持部12を回転させるように構成された回転駆動部16と、処理領域PAにおいて部品保持部14を変位させるように構成された変位駆動部(昇降駆動部18)とを有する搬送処理部2と、処理領域PAにおいて変位駆動部が部品保持部14を変位させた際に、電子部品Wに加わる荷重を検出するように構成された荷重検出部50と、部品保持部14を変位させた際の第1タイミングから第2タイミングまでの荷重検出部50による検出値の推移に基づいて、電子部品Wに対する接触の異常を検知するように構成されたコントローラ100とを備える。
【0099】
電子部品に対する異常接触を検知する方法として、各時刻の荷重センサによる検出値の大きさを評価して、時刻ごとに接触の異常を判定する方法も考えられる。しかしながら、荷重センサによる検出値には種々の要因で検出される荷重が含まれる場合もあり、また、異常接触が生じても正常時に近い荷重しか加わらない場合もある。そのため、時刻ごとでは正常時での荷重の検出値と異常時での荷重の検出値とが判別し難い。これに対して、上記処理装置1では、互いに異なるタイミング間での荷重の検出値の推移に基づいて、電子部品Wに対する接触の異常が検知される。このように、電子部品Wに加わる荷重の変化を見て異常が検知されるので、電子部品Wに対する接触の異常を精度良く検知することができる。従って、電子部品Wの信頼性の向上に有用である。
【0100】
コントローラ100は、複数の電子部品Wに対して、処理領域PAにおける所定の処理を順に行うように搬送処理部2を制御してもよく、電子部品Wに対する接触の異常を検知した場合に、搬送処理部2による動作を停止させてもよい。この場合、コントローラ100が接触の異常を検知した際に、作業者等又は搬送処理部2が、異常接触したとされる電子部品Wを確認したうえで、その電子部品Wを排除できる。従って、電子部品Wの信頼性の向上に更に有用である。
【0101】
コントローラ100は、荷重検出部50による検出値の時間変化を示す時系列データに基づいて、電子部品Wに対する接触の異常を検知するように構成されていてもよい。正常時の時系列データと、接触異常が生じた際の時系列データとには、それらの変化傾向に差が生じやすい。そのため、電子部品Wに対する接触の異常を高精度に検知できる。従って、電子部品Wの信頼性の向上に更に有用である。
【0102】
コントローラ100は、荷重検出部50から取得した時系列データと、時系列データの入力に応じて電子部品Wに対する接触が異常である否かの判定結果を出力するように機械学習により構築された判定モデルとに基づいて、電子部品Wに対する接触の異常を検知するように構成されていてもよい。この場合、機械学習によって構築された判定モデルを用いて判定することで、電子部品Wに対する接触の異常をより高精度に検知できる。従って、電子部品Wの信頼性の向上に更に有用である。
【0103】
コントローラ100は、複数の部品種別と複数の判定モデルとが対応付けられたデータベースと、電子部品Wの部品種別とに基づいて、複数の判定モデルの中から判定モデルを選択することと、荷重検出部50から取得した時系列データと、電子部品Wに対応する判定モデルとに基づいて、電子部品Wに対する接触の異常を検知することと、を実行するように構成されていてもよい。電子部品Wの種別によって、電子部品Wに対する接触の異常が生じた際の時系列データの傾向が変化し得る。上記構成では、処理対象の電子部品Wの種別に応じた判定モデルを用いて判定することで、電子部品Wに対する接触の異常をより高精度に検知できる。従って、電子部品Wの信頼性の向上に更に有用である。
【0104】
変位駆動部は、部品保持部14に外力を加えることで部品保持部14を変位させるように構成されていてもよい。荷重検出部50は、変位駆動部に設けられていてもよい。部品保持部14を変位させるために外力を加える際に、部品保持部14と変位駆動部とが接触する。荷重検出部50による検出値には、その接触に伴う荷重のデータが反映される。処理装置1では、時系列データに基づき異常が検知されるので、部品保持部14と変位駆動部との接触に伴う荷重を考慮せずに、異常を検知することができる。従って、電子部品Wに対する異常接触の高精度な検出に有用である。なお、変位駆動部に荷重検出部50を設けることで、回転する各部品保持部14に荷重検出部を設ける必要がなく、複数の部品保持部14が備えられる処理装置1の装置構成の簡素化に有用である。
【0105】
上述したように、一例では、キャリアテープ60に電子部品Wが回収される際に、電子部品Wに対する接触の異常が検知される。キャリアテープ60は、樹脂製のフィルムによって構成されるため、電子部品Wがキャリアテープ60の開口縁等に接触した際には、キャリアテープ60が押し込まれる。その結果、キャリアテープ60から電子部品Wへの反力が弱くなり、他の収容部材を用いる場合に比べて、正常時の荷重の検出値と異常時の荷重の検出値とを区別し難い。上記処理装置1では、異なるタイミング間での荷重の検出値の推移(例えば、時系列データ)に基づき異常の有無が判定されるので、キャリアテープ60に電子部品Wが回収される場合であっても、精度良く異常を判定することが可能である。
【0106】
[第2実施形態]
続いて、
図12及び
図13を参照しながら、第2実施形態に係る電子部品の処理装置について説明する。キャリアテープ60又は収納トレイに代えて、ウェハシートに電子部品Wが回収されてもよく、ウェハシートから電子部品Wが供給されてもよい。
図12に示される処理装置1Aは、搬送処理部2に代えて搬送処理部2Aを備える。搬送処理部2Aは、回転搬送ユニット10Aと、部品回収ユニット44Aとを有する。
【0107】
上述した回転搬送ユニット10は、中心軸Axに沿って部品保持部を変位させるのに対して、回転搬送ユニット10Aは、中心軸Axを中心とした円周の半径方向に沿って部品保持部を変位させる。回転搬送ユニット10Aは、例えば、支持部12Aと、複数の部品保持部14Aと、回転駆動部16Aと、複数の進退駆動部18Aとを有する。支持部12Aは、複数の部品保持部14Aを支持する。具体的には、支持部12Aは、複数の部品保持部14Aそれぞれが円軌道CRに位置するように、複数の部品保持部14Aを支持する。支持部12Aは、円軌道CRの中心軸Axまわりに回転可能である。支持部12Aは、例えば、ターンテーブルである。
【0108】
複数の部品保持部14Aは、中心軸Axを中心とする円周に沿って等間隔に配置されており、支持部12Aに固定されている。部品保持部14Aは、いかなる方式で電子部品Wを保持してもよい。部品保持部14Aは、例えば、中心軸Axを中心とする円周の半径方向に沿った一方側から、主面Wa,Wbのいずれかを真空吸着する。一例では、部品保持部14Aは、吸着部22Aと、ホルダ24Aとを有する。
【0109】
吸着部22Aは、その吸着面が円軌道CRの外を向くように、ホルダ24Aを介して支持部12Aに設けられている(固定されている)。吸着部22Aは、その吸着面及びその近傍を含む先端部分が、円軌道CRに位置するように支持部12Aに設けられてもよい。吸着部22Aは、円軌道CRの外側に電子部品Wが位置するように、その電子部品Wの主面Waを吸着するように構成されている。この場合、円軌道CRの半径方向に沿って、中心軸Ax、吸着部22A、及び電子部品Wがこの順で並ぶ。ホルダ24Aは、支持部12Aの外周部に固定され、吸着部22Aを変位可能に保持する。本開示では、中心軸Axを基準として「内」及び「外」の用語を使用する。
【0110】
回転駆動部16Aは、回転駆動部16と同様に、中心軸Axまわりに支持部12Aを回転させるように構成されている。回転駆動部16Aによる支持部12Aの回転により、中心軸Axを中心とする円軌道CRに沿って複数の部品保持部14Aが移動する。その結果、部品保持部14Aに保持されている電子部品Wが、中心軸Axまわりの円周に沿って搬送される。回転駆動部16Aは、隣り合う部品保持部14A同士の角度ピッチ(中心軸Axまわりの角度ピッチ)にて、支持部12Aの回転と停止とを繰り返すように制御される。以下、回転駆動部16Aが支持部12Aを停止させる際に、複数の部品保持部14A(複数の吸着部22A)それぞれが配置される円軌道CR上の複数の位置についても「複数の停止位置SP」という。
【0111】
複数の進退駆動部18Aは、回収用の停止位置SPを含む処理領域PA(回収領域RA)において、部品保持部14Aの吸着部22Aを円軌道CRの半径方向に沿って移動させるように構成された進退駆動部18A(変位駆動部)を含む。進退駆動部18Aは、吸着部22Aを中心軸Axから円軌道CRの外側に向かって変位させる。進退駆動部18Aは、
図13に示されるように、例えば、ホルダ32Aと、操作ロッド34Aと、モータ36Aとを有する。
【0112】
ホルダ32Aは、回転駆動部16Aによる支持部12Aの回転と共に移動しないように設けられている。操作ロッド34Aは、ホルダ32Aに対して変位可能となるようにホルダ32Aに設けられている。操作ロッド34Aは、例えば、円軌道CRの半径方向に沿って延びており、その半径方向に沿って移動可能となるようにホルダ32Aに保持されている。操作ロッド34Aは、部品保持部14Aが停止位置SPに位置する場合、その部品保持部14よりも内側に(中心軸Ax寄りに)位置してもよい。モータ36Aは、駆動源として機能し、操作ロッド34Aを円軌道CRの外側に変位(移動)させる。モータ36Aは偏心カムを含んでもよい。
【0113】
一例では、モータ36Aによって操作ロッド34Aが変位すると、操作ロッド34Aの外側を向く先端部が、部品保持部14Aが有する伝達部28Aに接触する。伝達部28Aは、吸着部22Aに接続されており、操作ロッド34Aから受ける外力を吸着部22Aに伝達する。伝達部28Aは、変位した際に支持部12Aと干渉しないように設けられている。操作ロッド34Aが伝達部28Aに接触した状態で、操作ロッド34Aが更に外側に移動すると、吸着部22Aが変位する(外側に向かって移動する)。モータ36Aによって操作ロッド34Aが内側に移動すると、操作ロッド34Aが吸着部22Aに対して外向きの力を付与した状態が解除され、吸着部22Aが変位する前の位置に戻る。
【0114】
進退駆動部18Aには、昇降駆動部18と同様に、荷重検出部50が設けられている。具体的には、荷重検出部50は、操作ロッド34Aに荷重検出部50が設けられている。荷重検出部50は、操作ロッド34Aに加わる荷重(外力)を検出する。
【0115】
部品回収ユニット44Aは、回収領域RAにおいて、回転搬送ユニット10Aから複数の電子部品Wを順に回収する処理ユニットである。部品回収ユニット44Aは、例えば、シート保持部82と、シート位置調節部84とを有する。シート保持部82は、ウェハシート66を保持する。ウェハシート66には、回転搬送ユニット10から回収される電子部品Wが貼付される。ウェハシート66の貼付面66aには、例えば、電子部品Wの主面Wbが貼付される。
【0116】
ウェハシート66の周縁部にリングフレーム(不図示)が貼付されていてもよく、シート保持部82は、そのリングフレームを保持してもよい。一例では、シート保持部82は、貼付面66aが垂直に起立した状態で、回収用の停止位置SPに位置している吸着部22Aの先端面に対向するように(平行となるように)、円軌道CRの周囲においてウェハシート66を保持する。
【0117】
シート位置調節部84は、ウェハシート66と回収用の停止位置SPに位置する吸着部22Aとが対向する方向(中心軸Axまわりの円周の半径方向)に交差する面に沿って、シート保持部82の位置を調節する。シート位置調節部84は、ウェハシート66と上記吸着部22Aとが対向する方向に垂直な面に沿って、シート保持部82の位置を変更してもよい。シート保持部82の位置が変更されることで、シート保持部82に保持されているウェハシート66の位置が変わる。その結果、ウェハシート66において回収対象の電子部品Wが貼付される予定の領域(以下、「貼付予定領域」という。)の位置が変更される。シート位置調節部84は、互いに直交する2方向に沿ってシート保持部82を移動させる2つの駆動部を含んでもよい。
【0118】
続いて、処理装置1Aのコントローラ100が実行する一連の制御処理について説明する。コントローラ100の動作制御部112は、電子部品Wを保持(吸着)している吸着部22Aが回収領域RAに配置されるように、回転駆動部16Aにより支持部12Aを回転させる。そして、動作制御部112は、ウェハシート66における回収対象の電子部品Wの貼付予定領域が、回収領域RAに配置されるようにシート位置調節部84を制御する。
【0119】
次に、動作制御部112は、回収用の停止位置SPに位置する吸着部22Aを外側に移動させるように、進退駆動部18Aを制御する。動作制御部112は、吸着部22Aが吸着している電子部品Wが、ウェハシート66の貼付面66aに接触する程度まで、進退駆動部18Aにより吸着部22を移動させる。そして、動作制御部112は、吸着部22Aによる電子部品Wの吸着を解除するように部品保持部14Aを制御する。その後、動作制御部112は、電子部品Wの吸着を解除した状態の吸着部22Aを変位前の位置に戻すように進退駆動部18Aを制御する。
【0120】
荷重情報取得部114は、電子部品Wを吸着している吸着部22Aの移動を開始した時点から、電子部品Wの吸着の解除後に吸着部22Aを変位前の位置に戻した時点までの期間における荷重検出部50による検出値の時間変化を示すデータ(荷重の時系列データ)を取得してもよい。吸着部22Aが吸着する電子部品Wがウェハシート66の貼付面66aに接触した際に、ウェハシート66から電子部品Wへの反力が荷重検出部50から得られる時系列データに反映される。
【0121】
異常判定部116は、キャリアテープ60に電子部品Wを回収する場合と同様に、荷重検出部50から得られる荷重の時系列データに基づき、電子部品Wに対する接触の異常の有無を判定してもよい。異常判定部116は、ウェハシート66に電子部品Wを回収する際に得られる学習用の時系列データに基づき機械学習により構築された判定モデルを用いて、回収対象の電子部品Wに対する異常接触の有無を判定してもよい。動作制御部112は、電子部品Wに対する異常接触を検知した場合に、搬送処理部2Aでの回収等の処理を搬送処理部2Aに中断させてもよい。
【0122】
ウェハシート66に電子部品Wを回収する際の異常接触としては、例えば、回収対象の電子部品Wが、ウェハシート66に既に貼付されている電子部品Wに接触することが考えられる。また、その異常接触として、吸着部22Aによって吸着された電子部品Wの姿勢が基準状態からずれていることに起因して、ウェハシート66から正常時とは異なる反力を受けることが考えられる。
【0123】
(変形例)
部品回収ユニット44Aによる電子部品Wの回収に代えて又は加えて、ウェハシートに貼付された電子部品Wが回転搬送ユニット10Aに供給される際に、供給対象の電子部品Wに加わる荷重が検出され、その電子部品Wに対する接触の異常が検知されてもよい。搬送処理部2Aは、部品供給ユニット42Aを有する。複数の進退駆動部18Aは、供給用の停止位置SPを含む処理領域PA(供給領域SA)において、部品保持部14Aの吸着部22Aを円軌道CRの半径方向に沿って移動させる進退駆動部18A(変位駆動部)を含む。
【0124】
部品供給ユニット42Aは、供給領域SAにおいて、回転搬送ユニット10に複数の電子部品Wを順に供給する処理ユニットである。部品供給ユニット42Aは、例えば、シート保持部82と、シート位置調節部84と、突き出し部86とを有する。部品供給ユニット42Aのシート保持部82及びシート位置調節部84は、ウェハシート64を保持する点を除き、部品回収ユニット44Aのシート保持部82及びシート位置調節部84と同様の構成及び機能を有する。
【0125】
部品供給ユニット42Aのシート保持部82が保持するウェハシート64は、半導体ウェハが貼付された粘着性の貼付面64aを有する。その半導体ウェハは、ダイシング等により複数の電子部品Wに切り分けられた状態で貼付面64aに貼付されている。貼付面64aには、電子部品Wの主面Wbが貼付されてもよい。
【0126】
突き出し部86は、供給用の停止位置SPとの間にウェハシート64(供給対象の電子部品W)を挟むように配置される。突き出し部86は、ウェハシート64のうちの供給対象の電子部品Wが貼付されている領域を、供給用の停止位置SPに近づくように突き出す。突き出し部86は、上記領域を、ウェハシート64の裏面64bから貼付面64aに向かって突き出す。突き出し部86は、供給用の停止位置SPに配置された吸着部22Aが、供給対象の電子部品Wを吸着するために変位した際に、上記領域を吸着部22Aに向かって突き出す。これにより、吸着部22Aと供給対象の電子部品Wとが接触する。そして、吸着部22Aが吸着を開始した状態で、進退駆動部18Aによって内側に後退することで、ウェハシート64から吸着部22Aに電子部品Wが引き渡される。
【0127】
荷重情報取得部114は、電子部品Wを吸着していない吸着部22Aの移動を開始した時点から、電子部品Wを吸着後に吸着部22Aを変位前の位置に戻した時点までの期間における荷重検出部50による検出値の時間変化を示すデータ(荷重の時系列データ)を取得してもよい。吸着部22Aがウェハシート64に貼付された電子部品Wに接触した際に、その電子部品Wから吸着部22Aへの反力が荷重検出部50から得られる時系列データに反映される。
【0128】
異常判定部116は、ウェハシート66に電子部品Wを回収する場合と同様に、荷重検出部50から得られる荷重の時系列データに基づき、電子部品Wに対する接触の異常の有無を判定してもよい。異常判定部116は、ウェハシート64から電子部品Wを供給する際に得られる学習用の時系列データに基づき機械学習により構築された判定モデルを用いて、供給対象の電子部品Wの異常接触の有無を判定してもよい。
【0129】
電子部品Wの異常接触が検知された場合に、搬送処理部2による動作(複数の電子部品Wに対する継続した処理)を中断させずに、異常接触したと判定された電子部品Wを排出する排出処理が実行されてもよい。搬送処理部2Aは、例えば、不良品排出ユニット48Aを有する。不良品排出ユニット48Aは、不良品であると分類された電子部品Wを回収するユニットである。不良品排出ユニット48Aは、例えば、回収用の停止位置SPよりも下流の停止位置SPに配置される。なお、不良品排出ユニット48Aが、回収用の停止位置SPよりも上流の停止位置SPに配置されてもよい。部品回収ユニット44Aは、良品であると分類された電子部品Wを回収する。
【0130】
動作制御部112は、不良品と判定された電子部品Wを保持する吸着部22Aが、対応する停止位置SPに配置された際に、回転搬送ユニット10から不良品排出ユニット48Aにその電子部品Wを排出させるように、部品保持部14と不良品排出ユニット48Aとを制御する。ウェハシート64から回転搬送ユニット10に電子部品Wが供給される際に、その電子部品Wに対する異常接触が検知された場合、動作制御部112は、電子部品Wの供給を含む各種処理を継続してもよい。
【0131】
一例では、動作制御部112は、異常接触したと判定された電子部品Wを吸着する吸着部22Aが、回収用の停止位置SPに配置された際に、部品回収ユニット44Aにその電子部品Wが回収されないように搬送処理部2Aを制御する。そして、動作制御部112は、不良品排出ユニット48Aが配置された停止位置SPに、その吸着部22Aが配置された際に、不良品排出ユニット48Aに異常接触したと判定された電子部品Wを回収するように搬送処理部2を制御する。以上のように、コントローラ100は、電子部品Wの供給を含む各種処理を搬送処理部2に継続させながら、電子部品Wを排出するための処理を搬送処理部2に実行させてもよい。
【0132】
以上に説明した第2実施形態に係る処理装置1Aにおいても、電子部品Wに対する接触の異常を精度良く検知することができる。従って、電子部品Wの信頼性の向上に有用である。第2実施形態に係る処理装置1Aにおいて、上記第1実施形態及びその変形例において説明した内容の一部が適用されてもよい。
【0133】
[第3実施形態]
続いて、
図14及び
図15を参照しながら、第2実施形態に係る電子部品の処理装置について説明する。2個以上の回転搬送ユニットによって複数の電子部品Wが順に搬送されてもよく、回転搬送ユニット同士での電子部品Wの受け渡しが行われる際に、電子部品Wに加わる荷重が検出され、その電子部品Wに対する接触の異常の有無が判定されてもよい。
図14及び
図15に示される処理装置1Bは、搬送処理部2,2Aに代えて搬送処理部2Bを備える。搬送処理部2Bは、回転搬送ユニット10B,10Cと、部品供給ユニット42Bと、部品回収ユニット44Bと、不良品排出ユニット48Bとを有する。
【0134】
回転搬送ユニット10B,10Cそれぞれは、回転搬送ユニット10Aと同様に構成されている。回転搬送ユニット10Bは、中心軸Ax1まわりの円軌道CR1に沿って複数の部品保持部14Aを移動させるように構成されている。回転搬送ユニット10Cは、中心軸Ax2まわりの円軌道CR2に沿って複数の部品保持部14Aを移動させるように構成されている。中心軸Ax1及び中心軸Ax2は、互いに平行であってもよく、鉛直な軸線であってもよい。円軌道CR1と円軌道CR2とは、互いに重ならずに、水平な一方向に沿って並んでいてもよい。
【0135】
回転搬送ユニット10Bは、部品供給ユニット42Bから供給される電子部品Wを、回転搬送ユニット10Cへ受け渡すための停止位置SP(以下、「受渡用の停止位置SP」という。)まで搬送する。受渡用の停止位置SPを含み、受け渡し処理を行うための処理領域PA(以下、「受渡領域TA」という。)において、回転搬送ユニット10Bから回転搬送ユニット10Cへ電子部品Wが受け渡される。回転搬送ユニット10Cは、回転搬送ユニット10Bから受け取った電子部品Wを、部品回収ユニット44Bが配置される停止位置SPまで搬送する。不良品排出ユニット48Bは、部品回収ユニット44Bが配置される停止位置SPよりも上流の停止位置SPに配置されている。
【0136】
搬送処理部2Bは、受渡用の停止位置SPに配置される部品保持部14Aを、円軌道CR1の外側に向けて移動させる進退駆動部18A(変位駆動部)を有する。この例では、回転搬送ユニット10Cは、受渡領域TAにおいて電子部品Wを受け取る部品保持部14Aを移動させる進退駆動部を有しない(
図15も参照)。
【0137】
続いて、処理装置1Bのコントローラ100が実行する一連の制御処理について説明する。コントローラ100の動作制御部112は、電子部品Wを保持(吸着)している回転搬送ユニット10Bの吸着部22Aが、受渡領域TAに配置されるように回転搬送ユニット10Bを制御する。そして、動作制御部112は、電子部品Wを受け取る予定の吸着部22A(回転搬送ユニット10Cの吸着部22A)が、受渡領域TAに配置されるように回転搬送ユニット10Cを制御する。
【0138】
次に、動作制御部112は、受渡領域TAに配置された吸着部22Aを外側に移動させるように、進退駆動部18Aを制御する。動作制御部112は、吸着部22Aが吸着している電子部品Wが、回転搬送ユニット10Cの吸着部22Aの吸着面(円軌道CR2の外側を向く面)に接触する程度まで、進退駆動部18Aにより駆動対象の吸着部22Aを移動させる。そして、動作制御部112は、回転搬送ユニット10Cの吸着部22Aによる電子部品Wの吸着(吸引)を開始するように回転搬送ユニット10Cを制御した後に、回転搬送ユニット10Bの吸着部22Aによる電子部品Wの吸着を解除するように回転搬送ユニット10Bを制御する。その後、動作制御部112は、電子部品Wの吸着を解除した状態の吸着部22Aを変位前の位置に戻すように進退駆動部18Aを制御する。なお、動作制御部112は、進退駆動部18Aにより駆動対象の吸着部22Aを変位させている間、その吸着部22Aが保持する電子部品Wが、受け取り側の吸着部22Aに接触する前に、受け取り側の吸着部22Aによる吸着(吸引)を開始するように回転搬送ユニット10Cを制御してもよい。
【0139】
荷重情報取得部114は、進退駆動部18Aに設けられた荷重検出部50による検出値を取得する。荷重情報取得部114は、電子部品Wを吸着している回転搬送ユニット10Bの吸着部22Aの移動を開始した時点から、電子部品Wの吸着の解除後にその吸着部22Aを変位前の位置に戻した時点までの期間における荷重検出部50による検出値の時間変化を示すデータ(荷重の時系列データ)を取得してもよい。回転搬送ユニット10Bの吸着部22Aが吸着する電子部品Wが、回転搬送ユニット10Cの吸着部22Aの吸着面に接触した際に、電子部品Wが回転搬送ユニット10Cの吸着部22Aから受ける反力が、荷重検出部50から得られる時系列データに反映される。
【0140】
異常判定部116は、キャリアテープ60に電子部品Wを回収する場合と同様に、荷重検出部50から得られる荷重の時系列データに基づき、電子部品Wに対する接触の異常の有無を判定してもよい。異常判定部116は、他の回転搬送ユニットに電子部品Wを引き渡す際に得られる学習用の時系列データに基づき機械学習により構築された判定モデルを用いて、受渡対象の電子部品Wに対する異常接触の有無を判定してもよい。動作制御部112は、電子部品Wに対する異常接触を検知した場合に、異常接触したと判定された電子部品Wを不良品排出ユニット48Bに回収するように搬送処理部2Bを制御してもよい。
【0141】
他の回転搬送ユニットに電子部品Wを引き渡す際の異常接触としては、例えば、その電子部品Wを受け取る予定の吸着部22Aが、何らかの原因で既に他の電子部品Wを保持していることに起因して、正常時とは異なる反力が生じることが考えられる。また、その異常接触として、回転搬送ユニット10Bの吸着部22Aによって吸着された電子部品Wの姿勢が基準状態からずれていることに起因して、正常時とは異なる反力が生じることが考えられる。
【0142】
(変形例)
上述の例とは異なり、受渡領域TAにおいて、回転搬送ユニット10Cの吸着部22A(電子部品Wを受け取る予定の吸着部22A)が、円軌道CR2の外側に変位することで、電子部品Wの受け渡しが行われてもよい。この場合、回転搬送ユニット10Cにおいて、電子部品Wを受け取る予定の吸着部22Aを変位させる進退駆動部18Aが配置され、その進退駆動部18Aに荷重検出部50が設けられてもよい。コントローラ100は、上述の例と同様に、電子部品Wを受け取る予定の吸着部22Aを変位させた際のその吸着部22Aが電子部品Wから受ける反力が反映された時系列データに基づいて、電子部品Wに対する接触の異常の有無を判定してもよい。
【0143】
中心軸Ax1及び中心軸Ax2は、水平な軸線であってもよい。中心軸Ax1及び中心軸Ax2の一方が水平な軸線であり、他方が鉛直な軸線であってもよい。回転搬送ユニット10Bが有する部品保持部14Aの個数は、回転搬送ユニット10Aが有する部品保持部14の個数と同じであってもよく、異なっていてもよい。円軌道CR1の大きさは、円軌道CR2の大きさと同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0144】
搬送処理部2Bは、回転搬送ユニット10B,10Cに加えて、1以上の他の回転搬送ユニットを有してもよい。回転搬送ユニット10B,10Cのいずれか一方と、いずれかの他の回転搬送ユニットとの間で電子部品Wの受け渡しが行われてもよく、その受け渡しの際に、電子部品Wに加わる荷重の検出と、異常接触の有無の判定とが行われてもよい。
【0145】
コントローラ100は、上述の例と異なる回転搬送ユニット同士の間での受け渡しにおいて、荷重の検出と異常接触の有無の判定とを行ってもよい。
図1に示される回転搬送ユニット10が、他の回転搬送ユニットとの間で電子部品Wの受け渡しを行う際に、荷重の検出と異常接触の有無の判定とが行われてもよい。他の回転搬送ユニットとしては、供給用及び回収用の停止位置SPの間に位置する停止位置SPに交差するように設定された円軌道(円軌道)に沿って、電子部品Wを搬送する衛星テーブルが挙げられる。また、他の回転搬送ユニットとしては、供給用の停止位置SPにおいて、回転搬送ユニット10に電子部品Wを引き渡す(供給する)ロータリーピックアップが挙げられる。
【0146】
回転搬送ユニット10等の回転搬送ユニットと、その回転搬送ユニットとの電子部品Wの受け渡しを含む所定の処理を実行する中間処理ユニット46との間で、電子部品Wが受け渡される際に、荷重の検出と異常接触の有無の判定とが行われてもよい。上述した種々の例のいずれかにおいて、
図14に示される例と異なり、1つのユニットの吸着部と、他のユニットの吸着部とが上下方向に沿って対向した状態で、電子部品Wの受け渡しが行われてもよい。引き渡し側の吸着部が上方に配置され、受け取り側の吸着部が下方に配置される場合、動作制御部112は、受け取り側の吸着部と電子部品Wとが接触せずに僅かなクリアランスが設けられる程度の位置まで、一方の吸着部を変位させてもよい。そして、動作制御部112は、引き渡し側の吸着部による吸着を解除させて、電子部品Wの受け渡しを実行させてもよい。この場合、一方の吸着部の変位が完了する前に、電子部品Wが受け取り側の吸着部に接触してしまうことも異常接触の一因となり得る。
【0147】
第3実施形態に係る処理装置1Bにおいても、電子部品Wに対する接触の異常を精度良く検知することができる。従って、電子部品Wの信頼性の向上に有用である。第3実施形態に係る処理装置1Bにおいて、上記第1実施形態及びその変形例において説明した内容の一部が適用されてもよい。
【0148】
[第4実施形態]
続いて、
図16及び
図17を参照しながら、第4実施形態に係る電子部品の処理装置について説明する。電子部品Wの受け渡しを伴わずに、部品保持部14(吸着部22)を変位させる際に、荷重の検出と異常接触の有無の判定とが行われてもよい。
図16に示される処理装置1Cの搬送処理部2は、中間処理ユニット46の1つとして、部品検査ユニット90を有する。部品検査ユニット90は、いずれかの停止位置SPを含む検査領域IA(処理領域)において、電子部品Wの検査を行うユニットである。
【0149】
部品検査ユニット90は、例えば、電子部品Wの電気特性を検査する処理ユニットである。部品検査ユニット90は、測定子92を含む。部品検査ユニット90は、例えば、検査対象の電子部品Wに含まれる電極が測定子92に接触した状態で、その電極に電圧を印加することで電気特性を取得する。電子部品Wに含まれる上記電極は、主面Wbに設けられていてもよい。
【0150】
図17は、処理装置1Cのコントローラ100が実行する一連の制御処理を示すフローチャートである。この一連の制御処理が実行される間、荷重情報取得部114は、部品検査ユニット90が配置された停止位置SPに対応する昇降駆動部18に設けられた荷重検出部50から、その検出値を継続して取得してもよい。コントローラ100は、
図6に示されるステップS11と同様に、ステップS51を実行する。次に、コントローラ100は、ステップS52を実行する。ステップS52では、例えば、動作制御部112が、上記の対応する昇降駆動部18によって、検査対象の電子部品Wを保持(吸着)している吸着部22の下降を開始させる。
【0151】
次に、コントローラ100は、ステップS53,S54を実行する。ステップS53では、例えば、コントローラ100が、荷重検出部50から得られる荷重値(各取得タイミングでの荷重値)が所定の設定値に到達したかどうかを判断する。所定の設定値は、部品検査ユニット90による電気特性の検査が可能となる値に、予め設定されている。ステップS54では、例えば、動作制御部112が、検査対象の電子部品Wを吸着している吸着部22の下降が昇降駆動部18により停止される。動作制御部112は、下降の停止後も、荷重検出部50から得られる荷重値が、所定の設定値に追従するように昇降駆動部18を制御してもよい。
【0152】
次に、コントローラ100は、ステップS55,S56を実行する。ステップS55では、例えば、コントローラ100が、部品検査ユニット90により電子部品Wの電極に電圧を印加し、測定子92から電気特性を示す情報を取得する。ステップS56では、例えば、荷重情報取得部114が、継続して取得している荷重検出部50による検出値のデータから、ステップS52の開始時点からステップS55の終了時点までの検出値のデータを抽出することで、上記時系列データを取得する。すなわち、荷重情報取得部114は、検査対象の電子部品Wの下降を開始した時点から、電気特性を示す情報の取得が終了した時点までの期間における荷重検出部50による検出値の時間変化を示す時系列データを取得する。
【0153】
次に、コントローラ100は、ステップS17と同様に、ステップS57を実行する。ステップS57において、検査対象の電子部品Wに対する接触異常が検知された場合(ステップS57:YES)、コントローラ100は、ステップS18,S19と同様に、ステップS58,S59を実行する。コントローラ100は、電気特性を示す情報が異常を示す場合においても、ステップS58,S59を実行してもよい。
【0154】
電子部品Wを検査する際の異常接触としては、例えば、吸着部22Aによって吸着された検査対象の電子部品Wの姿勢が基準状態からずれていることに起因して、電子部品Wが正常時と異なる反力を測定子92から受けることが考えられる。
【0155】
(変形例)
部品検査ユニット90は、電気特性以外の特性を検査する処理ユニットであってもよい。部品検査ユニット90は、例えば、電子部品Wの発光面を発光させることで、光学特性を検査する処理ユニットであってもよい。
【0156】
第4実施形態に係る処理装置1Cにおいても、電子部品Wに対する接触の異常を精度良く検知することができる。従って、電子部品Wの信頼性の向上に有用である。第4実施形態に係る処理装置1Cにおいて、上記第1実施形態及びその変形例において説明した内容の一部が適用されてもよい。
【0157】
以上、いつかの実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。上述した各実施形態についての説明内容は、互いに適用できる。例えば、電子部品の処理装置は、複数の処理領域それぞれにおいて、電子部品Wに加わる荷重を検出し、電子部品Wに対する接触の異常を検知してもよい。電子部品の処理装置は、処理領域ごとに機械学習により構築された判定モデルを用いて、処理領域ごとに電子部品Wに対する接触の異常を検知してもよい。
【符号の説明】
【0158】
1,1A,1B,1C…電子部品の処理装置、W…電子部品、2,2A,2B…搬送処理部、10,10A,10B,10C…回転搬送ユニット、12,12A…支持部、CR,CR1,CR2…円軌道、14,14A…部品保持部、16,16A…回転駆動部、18…昇降駆動部、18A…進退駆動部、50…荷重検出部、100…コントローラ。
【要約】
【課題】電子部品の信頼性を向上させる。
【解決手段】本開示の一側面に係る電子部品の処理装置は、電子部品を保持するように構成された部品保持部と、電子部品に対して所定の処理を実行するための処理領域を通る円軌道に位置するように部品保持部を支持する支持部と、円軌道の中心軸まわりに支持部を回転させるように構成された回転駆動部と、処理領域において部品保持部を変位させるように構成された変位駆動部とを有する搬送処理部と、処理領域において変位駆動部が部品保持部を変位させた際に、電子部品に加わる荷重を検出するように構成された荷重検出部と、部品保持部を変位させた際の第1タイミングから第2タイミングまでの荷重検出部による検出値の推移に基づいて、電子部品に対する接触の異常を検知するように構成されたコントローラと、を備える。
【選択図】
図2