(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】固定治具および観察装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220616BHJP
B23Q 3/06 20060101ALI20220616BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20220616BHJP
【FI】
H01L21/68 N
B23Q3/06 301J
G01R31/26 H
(21)【出願番号】P 2022023589
(22)【出願日】2022-02-18
【審査請求日】2022-02-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399028078
【氏名又は名称】ハイソル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 康修
(72)【発明者】
【氏名】麻生 涼太
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-309641(JP,A)
【文献】特開平10-086022(JP,A)
【文献】中国実用新案第211103611(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
G01R 31/26
B23Q 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置対象物を載置する載置台と、
前記載置台の載置面に沿って移動可能であり、端部が前記載置対象物に当接する位置決部材と、
前記位置決部材を前記載置台に締め付ける締結部材と、
前記締結部材の締結量を調節する締結量可変部材とを備え、
前記締結量可変部材は、前記締結部材の下部に接続されており、前記締結部材を中心に回動可能である
ことを特徴とする固定治具。
【請求項2】
請求項1に記載の固定治具であって、
前記締結部材は、ネジの一端に頭部が形成されているものであり、
前記位置決部材は、前記ネジが挿通される長孔が形成されている板材であり、
前記載置台には、前記ネジが螺入されており、
前記締結量可変部材は、前記ネジの先端部に固定されたレバーである
ことを特徴とする固定治具。
【請求項3】
請求項
1に記載の固定治具であって、
前記位置決部材と前記載置台との間には、前記位置決部材を一方向にスライド移動させるレールが形成されており、
前記締結部材は、ネジの一端に頭部が形成されているものであり、
前記位置決部材は、前記ネジが挿通される長孔が形成されている板材であり、
前記長孔は、前記レールに対して平行に形成されている
ことを特徴とする固定治具。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の固定治具と、
前記載置台の載置面に前記載置対象物を搬送させる搬送機構と、
前記載置面の上方に配設されるカメラとを備え、
前記載置台の載置面は、鏡面研磨したものであり、
前記カメラは、前記載置対象物の搬送中に、前記載置対象物の裏面の反射像を撮像する
ことを特徴とする観察装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップを固定する固定治具および観察装置に関する。
【背景技術】
【0002】
載置台に載置された半導体ウェハや半導体チップに対して、プローブを介して電気的特性を測定したり、上方からカメラで観察したりすることが行われる。このときに、半導体ウェハや半導体チップを載置台に固定するチャック(固定治具)が使用される。特許文献1には、固定クランプと可動クランプとで半導体ウェハを両側から把持するウェハチャックユニットが開示されている。このウェハチャックユニットは、半導体ウェハの位置決めを行う固定クランプをネジで固定するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体チップや半導体ウェハ(以下、半導体チップ等)に対する電気的測定や観察は、高温加熱状態で行われることがある。また、半導体チップにワイヤをボンディングするワイヤボンディングも高温加熱状態で行われることがある。特許文献1の固定治具において、固定クランプと可動クランプの間隔が半導体チップ等の大きさに適合していない場合には、作業者は固定クランプの固定位置を手作業で変更する必要がある。このような場合であって、固定治具が高温になっているときには、固定クランプや可動クランプに手が触れないように注意しながら作業を行う必要がある。
【0005】
高温に熱せられた固定クランプと可動クランプとの間隔を変更する場合には、まず、例えば、左手で可動クランプの固定を解除しつつ、固定クランプを固定しているネジを、右手で把持したドライバを用いて緩める。そして、可動クランプの固定を解除した状態で、右手をピンセット等に持ち替え、そのピンセット等で固定クランプを移動させた状態で、半導体チップ等を交換することになる。交換後、可動クランプで半導体チップ等を固定した状態で、右手をドライバに持ち替え、ドライバで固定クランプのネジを締め付けることになる。つまり、右手でピンセット等とドライバとの持ち替えが発生する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、載置対象物の交換を容易に行うことができる固定治具および観察装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の固定治具(100)は、載置対象物(200)を載置する載置台(20)と、載置台の載置面(20a)に沿って移動可能であり、端部が載置対象物(200)に当接する位置決部材(30)と、位置決部材(30)を載置台(20)に締め付ける締結部材(例えば、皿ネジ51)と、締結部材(51)の締結量を調節する締結量可変部材(例えば、レバー52)とを備え、締結量可変部材(52)は、締結部材(51)の下部に接続されており、前記締結部材を中心に回動可能であることを特徴とする。なお、括弧内の符号や文字は、実施形態において付した符号等であって、本発明を限定するものではない。
【0008】
なお、固定治具(100)と、載置台(20)の載置面(20a)に載置対象物(200)を搬送させる搬送機構(例えば、XYZステージ160)と、載置面(20a)の上方に配設されたカメラ(150)とを備え、載置台(20)の載置面(20a)は、鏡面研磨したものであり、カメラ(150)は、載置対象物(200)の搬送中に、載置対象物(200)の裏面(200b)を撮像する観察装置とすることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、載置対象物の交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態である固定治具の外観図である。
【
図2A】本発明の第1実施形態である固定治具の平面図であって、載置対象物の位置を位置決めする位置決部材を外周側に移動させた状態を示す。
【
図2B】本発明の第1実施形態である固定治具の平面図であって、載置対象物の位置を位置決めする位置決部材を中心部側に移動させた状態を示す。
【
図3】本発明の第1実施形態である固定治具のA-A(
図2A)断面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態である固定治具の内部を斜め上方から見た斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態である固定治具の内部を斜め下方から見た斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態である観察装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本実施形態を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である固定治具の外観図である。X,Y,Zの方向は、矢視に従う。
固定治具100は、例えば、ワイヤボンディングや電気的特性を測定する場合に、半導体チップを固定するときに使用するものである。固定治具100は、カバー10と、載置台20と、位置決部材30と、係止手段40と、締結量可変手段50と、ベース部材60(
図3-5参照)を備えて構成される。カバー10は、略円筒形状であり、外周面の上部が傾斜面になっている。カバー10が略円柱状であるので、作業者が手作業で自由に動かすことができる。そのため、作業者は、ワイヤボンディングの向きを自由にすることができる。
【0013】
載置台20は、載置対象物200(
図2B)を載置する台であり、略円柱状である。載置台20には、2本の溝レール21,21が形成されており、位置決部材30がY方向にスライド移動可能になっている。載置台20は、SKD11(Steel Kougu Dice 11)で形成されており、載置面20aには、面粗度(表面粗さ)0.03程度の鏡面研磨が施されている。これにより、載置対象物200と載置面20aとの間に作用する摩擦力が小さくなり、載置対象物200が載置面20a上をスライド移動した場合であっても、載置対象物200に傷が付きにくい。SKD11とは、耐摩耗性に優れた鋼材であり、JIS G 4404「合金工具鋼鋼材」に規定されている。載置台20は、ベース部材60に支持されている。
【0014】
位置決部材30は、矩形状の板材である。位置決部材30の下面には、溝レール21,21に沿って移動する凸レール32,32(
図5)が形成されている。また、位置決部材30には、Y方向の長孔31(すなわち、凸レール32と平行に延在する長孔31)が形成されている。長孔31には、締結部材としての皿ネジ51が挿入されている。これにより、位置決部材30は、長孔31に対して平行にスライド移動可能になる。長孔31には、皿ネジ51の頭部の傾斜面に当接するように、全角90°の傾斜面が形成されている。
【0015】
係止手段40は、位置決部材30で位置決めされた載置対象物200の一つの辺200a(
図2B)を係止する。係止手段40は、作業者がボタン42を押下すると、係止が外れ、ボタン42を離すと、係止部材41が載置対象物200を係止するように構成されている。
【0016】
図2A,
図2Bは、本発明の第1実施形態である固定治具の平面図である。
図2Aは、位置決部材30を載置台20の外周側に位置させた状態を示す平面図である。載置台20には、梃子部材45(
図1参照)をY方向に揺動可能に収納する正面視コ字状(略U字状)の溝20bが形成されている。溝20bは、Z方向(載置面20aの法線方向)に延在している。
【0017】
図2Bは、位置決部材30を載置台20の中心部側に位置させた状態を示す平面図である。皿ネジ51は、載置台20に螺合しており、
図2Aと同一位置である。
図2Bに示す載置対象物200は、その一辺が位置決部材30の当接面30aに当接した状態で載置面20aに載置されている。載置対象物200は、平面視矩形状の板材であり、例えば、半導体チップである。当接面30aに平行な載置対象物200の他の辺200aは、係止部材41に係止させられる。すなわち、載置対象物200は、その一辺が位置決部材30の当接面30aに当接し、当該一辺に対向する他辺が係止部材41に当接した状態(位置決部材30と係止部材41とで挟持された状態)で、載置面20aに載置されている。
【0018】
図1の説明に戻り、締結量可変手段50は、締結部材としての皿ネジ51と、締結量可変部材としてのレバー52とを備えて構成される。締結量可変手段50は、位置決部材30を載置台20に固定する皿ネジ51の締結量をレバー52で調節するものである。レバー52は、皿ネジ51を回動させるものであり、締め付けたり、緩めたりして、皿ネジ51の締結量を調節する。本実施形態では、皿ネジ51が載置台20を貫通しており、載置台20の下側に突出した皿ネジ51の先端部51aにレバー52が接続されている。レバー52は、載置面20aと平行な面内において、皿ネジ51を中心に回動する。なお、カバー10の側周面には、レバー52を回動させるためのレバー回動孔11が形成されている。レバー回動孔11は、カバー52の周方向に延在している。
【0019】
図3は、本発明の第1実施形態である固定治具のA-A(
図2A)断面図である。
図4は、本発明の第1実施形態である固定治具の内部を斜め上方から見た斜視図であり、固定治具100からカバー10が外された状態を示す。なお、位置決部材30は、
図2Aと同様に、最もY方向側に移動した状態を示している。
係止手段40は、係止部材41と、ボタン42と、支軸43と、バネ部材44と、梃子部材45とを備えて構成される。梃子部材45は、略角柱体であり、支軸43より下部が断面視三角形状に形成されている。梃子部材45は、上端(Z方向端部)に係止部材41が固定されている。
【0020】
係止部材41は、平面視正方形状の板材であり、Y方向側の1辺に傾斜面41aが形成されている。つまり、係止部材41のY方向の長さは、下面よりも上面の方が長い。ボタン42は、略円柱体であり、カバー10の孔12に挿通されている。また、ボタン42には、孔12から抜けないように、突起物42aが形成されている。支軸43は、梃子部材45を揺動させる軸であり、ベース部材60に支持されている。バネ部材44は、圧縮コイルばねである。バネ部材44の一端が載置台20の下部に形成されたバネ収納部22に収納されており、他端が梃子部材45の下端部45aをカバー10の径方向外側に付勢している。
【0021】
すなわち、係止手段40は、バネ部材44が梃子部材45の下端部45aを-Y方向に付勢することにより、梃子部材45が支軸43を中心に回動し、係止部材41がY方向に移動する。これにより、係止部材41が載置対象物200(
図2B)を係止する。また、ボタン42が作業者によって押下されると、梃子部材45の下端部45aがバネ部材44の押圧力に抗し、Y方向に移動する。これにより、係止部材41は、-Y方向に移動し、載置対象物200(
図2B)の係止が外れる。
【0022】
図5は、固定治具の内部を斜め下方から見た斜視図である。なお、
図4の斜視図と同様に、位置決部材30は、最もY方向に移動した状態を示している。
締結量可変手段50は、締結部材としての皿ネジ51と、レバー52とを備えて構成される。レバー52は、つまみ部となる円柱体52aと、円柱体52aの端部に延在する直方体状の基部52bとから構成される。皿ネジ51の先端部51aは、基部52bに固定されている。また、皿ネジ51は、位置決部材30の長孔31(
図2A,
図2B)に挿入されており、載置台20に螺合している。これにより、作業者がレバー52を回動させれば、皿ネジ51が回動し、位置決部材30が締め付けられたり、緩められたりする。これにより、位置決部材30が載置台20に固定されたり、Y方向に移動可能になったりする。
【0023】
以上説明したように、本第1実施形態の固定治具100によれば、皿ネジ51の先端部51a(
図3)がレバー52によって、回動させられる。レバー52の回動により皿ネジ51が緩められると、位置決部材30がY方向にスライド移動可能になる。また、皿ネジ51が載置台20と位置決部材30とを締め付けると、位置決部材30が載置台20に固定される。また、作業者によって、ボタン42が押下されると、係止部材41の係止が解除され、載置対象物200の交換が可能になる。また、ボタン42から離されると、係止部材41が載置対象物200を係止し、載置対象物200が固定される。
【0024】
次に、前記実施形態の固定治具100が高温になっている状態で、作業者が位置決部材30と係止部材41との間隔を調整する場合について説明する。固定治具100が高温になっている場合、作業者は、載置台20や位置決部材30を手指で直接触ることができない。このような状況下で位置決部材30と係止部材41との間隔を調整する場合には、まず、一方の手(例えば左手)でボタン42を押下して、載置対象物200の係止を解除しつつ、他方の手でレバー52を皿ネジ51回りに回動させる。これにより、皿ネジ51の先端部51aが回動し、皿ネジ51が緩められる。次に、作業者がボタン42を押下した状態で、右手でピンセット等を持ち、そのピンセット等で位置決部材30をY方向に移動させて、載置対象物200を交換する。交換後、左手でボタン42を押下した状態で、右手でレバー52を回動させ、皿ネジ51を締め付ければよい。
【0025】
(比較例)
前記第1実施形態の固定治具100では、レバー52を備え、レバー52の回動により、皿ネジ51を締め付けたり、緩めたりしたが、比較例の固定治具は、ドライバを廻して、皿ネジ51を締め付けたり、緩めたりする。
比較例の固定治具の構成は、図示しないが、前記実施形態の固定治具100と比較して、レバー52を備えていない。言い換えれば、前記実施形態の固定治具100は、レバー52が皿ネジ51の先端部51aに固定されているので、皿ネジ51の先端部51aが回動させられるのに対して、比較例の固定治具は、皿ネジ51の頭部が回動させられる点で相違する。また、比較例の固定治具は、溝レール21および凸レール32が形成されていない。
【0026】
次に、比較例の固定治具を高温状態に加熱した加熱状態で、作業者が載置対象物200を大きさの異なる物に交換することを考える。
作業者は左手でボタン42を押下して、載置対象物200の固定を解除しつつ、右手でドライバを把持し、ドライバで皿ネジ51を廻して、皿ネジ51を緩める。さらに、作業者はボタン42を押下した状態で、右手でピンセット等に持ち替え、そのピンセット等で位置決部材30をY方向に移動させて、載置対象物200を交換する。
交換後、作業者はボタン42を離し、載置対象物200の固定した状態で、右手をドライバに持ち替えて、作業者はドライバで皿ネジ51を廻して、皿ネジ51を締め付ける。つまり、前記実施形態の固定治具100に比較して、比較例では、右手でピンセット等とドライバとの持ち替えが発生する。
【0027】
比較例の固定治具は、溝レール21および凸レール32が形成されていないので、作業者が位置決部材30の回転角を調整しながらY方向に移動させる必要がある。この点、位置決部材30に形成される長孔31を2列にし、皿ネジ51を2本にする方法もある。しかしながら、皿ネジ51と長孔31との組合せを2つにする方法では、皿ネジ51の外径と長孔31の孔径との間に隙間があるので、位置決部材30の回転角にブレが生じてしまう。その点、前記実施形態のように、溝レール21および凸レール32を使うことにより、位置決部材30の回転角にブレが生じることなく、位置決部材30を平行にスライド移動させることができる。
【0028】
(第2実施形態)
前記第1実施形態では、固定治具100を、載置対象物200を載置台20に固定する治具として用いたが、載置台20の載置面20aが鏡面仕上げなので、載置対象物200を載置台20まで搬送する搬送中に載置対象物200の裏面200bをカメラ150で観察することができる。
【0029】
図6は、本発明の第2実施形態である観察装置の構成図である。
観察装置1000は、固定治具100と、カメラ150と、搬送機構としてのXYZステージ160と、吸着コレット170とを備えて構成される。
固定治具100は、前記第1実施形態で説明したように、載置面20aが鏡面研磨されている載置台20を有している。カメラ150は、載置台20の上方に配設されている。XYZステージ160は、吸着コレット170で吸着された載置対象物200を搬送するものである。本実施形態では、XYZステージ160は、載置対象物200を載置台20の載置面20aまで搬送する。
【0030】
このように、載置台20の載置面20aは、鏡面研磨されているので、搬送中の載置対象物200の裏面200bの像を反射する。カメラ150は、載置台20に載置された載置対象物200の上面を観察するものであるが、本実施形態では、載置台20の載置面20aで反射した反射像も観察することができる。つまり、カメラ150は、XYZステージ160で搬送中の載置対象物200の裏面200bの反射像を観察することができる。これにより、ミラー等で反射させることなく、搬送中に裏面200bに付着したゴミ等を確認することができる.
【0031】
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記第1実施形態の固定治具100は、レバー52を用いて皿ネジ51を回動させたが、電動機を締結量可変部材として用い、電動機等のアクチュエータで皿ネジ51の先端部51aを回動させても構わない。
(2)前記第1実施形態の固定治具100の載置台20は、SKD11で形成し、載置面20aに鏡面研磨を施したが、反射しない素材やステンレス等の金属であっても構わない。なお、SUS304やSUS304では、粗度0.3~0.14程度が限界である。また、第2実施形態の観察装置1000では、高温状態における温度制限があるものの、載置部20の表面をメッキして鏡面反射させても構わない。
(3)前記第2実施形態のカメラ150は、載置台20の上方に配設されていたが、XYZステージ等の搬送機構で載置台20の上方に移動される物であっても構わない。つまり、カメラ150は、載置台20の載置面20aの上方に配設される、ものである。
【符号の説明】
【0032】
10 カバー
20 載置台
20a 載置面
21 溝レール
30 位置決部材
31 長孔
32 凸レール
40 係止手段
41 係止部材
42 ボタン
44 バネ部材
45 梃子部材
50 締結量可変手段
51 皿ネジ(締結部材)
51a 先端部
52 レバー(締結量可変部材)
100 固定治具
150 カメラ
160 XYZステージ(搬送機構)
200 載置対象物
200b 裏面
1000 観察装置
【要約】
【課題】載置対象物の交換を容易に行う。
【解決手段】載置対象物200を載置する載置台20と、載置台20の載置面20aに沿って移動可能であり、端部が載置対象物200に当接する位置決部材30と、位置決部材30を載置台20に締め付ける皿ネジ51と、皿ネジ51の締結量を可変するレバー51とを備え、レバー52は、皿ネジ51の締結量を下方から可変する。
【選択図】
図2B