(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】間隔保持具
(51)【国際特許分類】
E04G 17/14 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
E04G17/14 A
(21)【出願番号】P 2022054876
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2022-03-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000128038
【氏名又は名称】株式会社エヌ・エス・ピー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 欣也
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3087515(JP,U)
【文献】実開昭57-6450(JP,U)
【文献】特開2020-172793(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 17/14
E04G 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート基礎製造用の型枠の移動を規制するための間隔保持具であって、
基部と、
前記型枠の内側への移動を規制する内側規制部と、
前記型枠の外側への移動を規制する外側規制部と、
を備え、
前記内側規制部は、
内側から外側に向けて切り起こされた内側規制部本体と、
前記内側規制部本体に設けられた少なくとも1つのリブと、
を備え、
前記少なくとも1つのリブは、外側に向けて突出しており、
前記少なくとも1つのリブの、前記型枠と接する面の下端は、前記内側規制部本体の下端近傍で、かつ、前記内側規制部本体の下端よりも上方に位置している、
間隔保持具。
【請求項2】
前記内側規制部本体の下端と前記面の下端との間の間隔は、0mmよりも大きく5mm以下である、
請求項1に記載の間隔保持具。
【請求項3】
前記内側規制部は、互いに間隔をあけて設けられた2つの前記リブを備える、
請求項1または2に記載の間隔保持具。
【請求項4】
前記外側規制部は、内側に突出すると共に前記型枠に接触する複数の突出部を備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の間隔保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間隔保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅用のコンクリート基礎(以下、単に「基礎」と表記することがある。)を施工する際に、対向する2つの型枠間の間隔を保持するために、間隔保持具が使用されている。
【0003】
特許文献1は、板材本体の長手方向の両端を上方に折曲げて外側位置規制片を形成し、各外側位置規制片の内側で前記板状本体の巾方向の中間部を上方に切り起こして内側位置規制片を形成し、前記内側位置規制片を切り起こして形成した開口に隣接する切欠部を前記側壁面から前記板状本体に渡って形成したコンクリート型枠の間隔保持具を開示している。特許文献1の間隔保持具では、外側位置規制片にハンマー等で打撃を加えると、外側位置規制片が、切欠部および開口から破断して、コンクリート中に埋設されている本体から分離除去される。
【0004】
特許文献2は、設置場所に設置される台板と、前記台板の両端部に折曲形成される一対の外側突起と、前記台板に形成される一対の内側突起と、を備え、前記一対の内側突起が、前記一対の内側突起を内側に折り曲げることにより形成された折曲突起をそれぞれ備えている巾止金具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-004225号公報
【文献】特開2015-098779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の間隔保持具の内側位置規制片は、板材本体の一部を、外側から内側に向けて切り起こすことによって形成されている。外側から内側に向けて切り起こされた内側位置規制片の場合、間隔保持具のうち、基礎からはみ出た部分を折り取ると、内側位置規制片は、そのはみ出た部分とは一緒に除去されず、基礎の表面に残ってしまう。内側位置規制片が基礎の表面に残ると、内側位置規制片に錆が発生し、基礎の見栄えが悪くなる。さらに、内側位置規制片に発生した錆が、基礎内部に残っている間隔保持具の本体にも伝播し、その結果、間隔保持具の体積が膨張し、基礎のひび割れが発生するおそれがある。
【0007】
特許文献2に記載の巾止金具の内側突起は、内側から外側に向けて切り起こすことによって形成されている。内側突起の下端(根元)は、台板のうち、内側突起よりも外側の部分と繋がっている。そのため、巾止金具のうち、基礎からはみ出た部分を折り取ると、内側突起も、そのはみ出た部分と一緒に除去できる。したがって、内側突起が基礎内に残ることがない。
【0008】
しかし、この内側突起は、その下端が、台板のうち、内側突起よりも内側の部分と繋がっていないため、内方への力が加わると、内側に傾きやすい。また、内側突起は、その上部に、型枠に接触する折曲突起を備えている。折曲突起が内側突起の上部に設けられていることにより、折曲突起は、内側突起の下端から離れた位置で型枠と接触することになる。折曲突起と内側突起の下端との間隔が大きいことにより、型枠から折曲突起に力が加わると、テコの原理によって、内側突起の下端に加わる力が増幅される。その結果、内側突起が、内側に倒れやすくなり、型枠の保持力が弱くなるおそれがある。
【0009】
本発明は、型枠を強固に保持できる間隔保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は以下に掲げる態様の発明を提供する。
(項目1)
コンクリート基礎製造用の型枠の移動を規制するための間隔保持具であって、
基部と、
前記型枠の内側への移動を規制する内側規制部と、
前記型枠の外側への移動を規制する外側規制部と、
を備え、
前記内側規制部は、
内側から外側に向けて切り起こされた内側規制部本体と、
前記内側規制部本体に設けられた少なくとも1つのリブと、
を備え、
前記少なくとも1つのリブは、外側に向けて突出しており、
前記少なくとも1つのリブの、前記型枠と接する面の下端は、前記内側規制部本体の下端近傍で、かつ、前記内側規制部本体の下端よりも上方に位置している、
間隔保持具。
【0011】
(項目2)
前記内側規制部本体の下端と前記面の下端との間の間隔は、0mmよりも大きく5mm以下である、
項目1に記載の間隔保持具。
【0012】
(項目3)
前記内側規制部は、互いに間隔をあけて設けられた2つの前記リブを備える、
項目1または2に記載の間隔保持具。
【0013】
(項目4)
前記外側規制部は、内側に突出すると共に前記型枠に接触する複数の突出部を備える、
項目1から3のいずれか1項に記載の間隔保持具。
【発明の効果】
【0014】
リブが型枠と接触する位置(すなわち、型枠からの力がリブに作用する位置)が下方になればなるほど、その接触位置と内側規制部本体の下端との間の間隔は小さくなるため、テコの原理により、内側規制部本体の下端に作用する力は小さくなる。したがって、リブの、型枠に接する面の下端が内側規制部本体の下端近傍に位置していることにより、内側規制部本体の下端に作用する力を小さくすることできる。その結果、内側規制部の内側への倒れを抑制でき、内側規制部による型枠の保持力を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1から
図4は、第一実施形態に係る間隔保持具に関する図である。
図5から
図9は、第二実施形態に係る間隔保持具に関する図である。
【0016】
【0017】
第一実施形態に係る間隔保持具の背面図は、正面図(
図2A)と対称に表れるため省略している。また、第一実施形態に係る間隔保持具の左側面図は、右側面図(
図2D)と対称に表れるため省略している。
【0018】
第二実施形態に係る間隔保持具の背面図は、正面図(
図6A)と対称に表れるため省略している。また、第二実施形態に係る間隔保持具の左側面図は、右側面図(
図6D)と対称に表れるため省略している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の間隔保持具100A,100Bについて図面を参照しつつ説明する。間隔保持具100A,100Bは、
図4および
図8に示すように、型枠Pの下および/または型枠Pの上に配置され、型枠Pの基礎幅方向内側および基礎幅方向外側への移動を防止するために使用される。
【0020】
<A.第一実施形態>
まず、第一実施形態に係る間隔保持具100Aについて説明する。
【0021】
<A-1.間隔保持具の全体構成>
図1から
図3に示すように、間隔保持具100Aは、基礎幅方向に長手方向を有する基部1と、一対の内側規制部2と、一対の外側規制部3と、を備える。各外側規制部3は、開き規制部31と、ロック部32と、を備える。各内側規制部2および各外側規制部3は、基部1の長手方向中央に対して、対称位置に設けられている。このように、間隔保持具100Aは、基部1の長手方向中央に対して対称形状である。
【0022】
間隔保持具100Aは、例えば、金属製、より詳細には溶融亜鉛メッキ鋼板製である。間隔保持具100Aは、例えば、1枚の金属製の薄板をプレス成形することによって製造できる。
【0023】
以下では、間隔保持具100Aの各構成要素の位置や寸法などを説明するために、便宜上、基部1の長手方向を「X方向」、長手方向と直交する基部1の短手方向を「Y方向」、基部1の厚み方向(
図1の上下方向)を「Z方向」と表記することがある。
【0024】
<A-2.基部>
図1および
図2Aから
図2Cを参照して、基部1について説明する。基部1は、上面、および上面とは反対側の下面(裏面)を有する。基部1は、平面視で略長方形状であり、補強リブを有する。基部1には、複数の貫通穴11が設けられている。複数の貫通穴11は、間隔保持具100Aを地面に固定する際に、釘などの固定部材を挿入するために設けられている。
【0025】
基部1は、一対の型枠Pをそれぞれ配置するための一対の配置部12を有する。各配置部12は、基部1のうち、内側規制部2の外側端部から外側規制部3の内側端部までの間の部分である。
【0026】
基部1は、その上面および下面のX方向中央に、分割容易部13を有する。分割容易部13は、Y方向に延びている。分割容易部13は、例えば、ノッチ(溝)、ミシン目または複数の貫通穴である。分割容易部13を設けることにより、間隔保持具100Aを、分割容易部13で2つに容易に分割できる。間隔保持具100Aを分割容易部13で2つに分割することにより、間隔保持具100Aの半体から成る間隔保持具を作製できる。間隔保持具100Aの半体から成る間隔保持具は、配置部12が一つだけになるため、一つの型枠Pを保持するために使用できる。
【0027】
基部1は、一対の開口部14を有する。各開口部14は、内側規制部2を切り起こした後に形成される空洞部である。基部1は、その下面に、Y方向に延びる一対の除去容易部15を備える。除去容易部15は、基礎完成後に、間隔保持具100Aのうち、除去容易部15よりも外側の部分を容易に除去できるようにするために設けられている。除去容易部15は、内側規制部2の下端(根元)よりもわずかに内側の位置に設けられており、除去容易部15の一端部は、開口部14と繋がっている。除去容易部15は、例えば、ノッチ(溝)、ミシン目または複数の貫通穴である。
【0028】
間隔保持具100Aのうち、内側規制部2よりも内側の部分は、基礎内に埋設される。内側規制部2は基礎の表面に埋設され、内側規制部2よりも外側の部分(すなわち、配置部12および外側規制部3)は、基礎からはみ出る。基礎完成後は、間隔保持具100Aのうち、内側規制部2および基礎からはみ出た部分を、基礎内に埋設された部分から分離して、除去する必要がある。除去容易部15が設けられていることにより、間隔保持具100Aを除去容易部15で折り取るなどして、内側規制部2および基礎からはみ出た部分を、容易に除去できる。
【0029】
<A-3.内側規制部>
主に、
図1および
図3Aから
図3Dを参照して、内側規制部2について説明する。内側規制部2は、型枠PがX方向内側に移動することを防止する。すなわち、型枠PがX方向内側に移動しようとしても、型枠Pの内面が内側規制部2に接触することにより、型枠Pはそれ以上、X方向内側に移動できなくなる。
【0030】
内側規制部2は、内側規制部本体21と、1つのリブ22と、を備える。
【0031】
内側規制部本体21は、例えば、間隔保持具100Aを構成する薄板の一部に切り込みを入れた後、その切り込みを入れた部分を内側から外側に向けて切り起こすことによって形成できる。内側規制部本体21の下端は、配置部12と接続されているため、上記で述べたように、間隔保持具100Aを除去容易部15で切断した際に、内側規制部2は、配置部12と共に、基礎から除去できる。
【0032】
リブ22は、内側規制部本体21のY方向中央に設けられている。リブ22は、Z方向に延びると共に、外側に向けて(すなわち、型枠P側に向けて)突出している。リブ22は、例えば、プレス成形により、内側規制部本体21の一部を外側に凹ませることによって形成できる。リブ22は、型枠Pの内面に接触し得る面22aを有する。配置部12に型枠Pが配置されたとき、リブ22の面22aは、Z方向全長にわたって型枠Pの内面に接触し、型枠PからX方向内側への力を受ける。
【0033】
リブ22の面22aの下端は、内側規制部本体21の下端近傍に位置している。内側規制部2の成形上の観点から、リブ22の面22aの下端は、内側規制部本体21の下端よりも上方に位置している。リブ22の面22aの下端と内側規制部本体21の下端との間の間隔D(
図3C参照)は、0mmよりも大きく5mm以下であることが好ましい。リブ22の上端の位置は特に限定されない。
【0034】
一実施形態において、リブ22の面22aのZ方向長さL1(
図3C参照)は、内側規制部本体21のZ方向長さL2の1/3以上であり、好ましくは1/2以上である。
【0035】
<A-4.外側規制部>
主に、
図1および
図2Dを参照して、外側規制部3について説明する。外側規制部3は、型枠Pの外面に接触し、型枠PがX方向外側に移動することを防止する。既に述べたように、外側規制部3は、開き規制部31と、ロック部32と、を備える。
【0036】
開き規制部31は、基部1と一体的に接続されていると共に、基部1から上方に延びている。より詳細には、開き規制部31は、基部1と直角を成しており、基部1のX方向外側端部に、折り曲げによって形成されている。
【0037】
開き規制部31は、内側に向けて突出する2つの突出部31aを備える。2つの突出部31aは、開き規制部31のY方向両端近傍にそれぞれ設けられている。突出部31aは、間隔保持具100Aを構成する薄板を凹凸状に曲げ加工することによって形成された補強リブの一部である。突出部31aの内面(すなわち、型枠Pと対向する側の面)は、型枠Pの外面に接触する。突出部31aの内面は、好ましくは平面である。
【0038】
開き規制部31が設けられていることにより、型枠PがX方向外側に移動しようとしても、型枠Pの外面が突出部31aに接触するため、型枠Pはそれ以上、X方向外側に移動できなくなる。
【0039】
ロック部32は、間隔保持具100Aが型枠Pの下に配置される場合に、型枠PのX方向外側への移動を防止すると共に、型枠Pの浮き上がりを防止する。また、基礎を一体打ちで作製する場合など、型枠Pを地面から浮かせる場合に、ロック部32は、浮いた状態の型枠Pの下部に、間隔保持具100Aを吊り下げるために使用される。
【0040】
ロック部32は、開き規制部31と一体的に接続されると共に、開き規制部31の上方に設けられている。
【0041】
間隔保持具100Aの使用時に、ロック部32は、型枠Pに係止されるように折り曲げられる。ロック部32は、工具を使用せずに、使用者が手で折り曲げ可能であることが好ましい。ロック部32を使用者が手で折り曲げ可能とするために、ロック部32は、折曲容易部32aを備えることが好ましい。折曲容易部32aは、使用者の手の力で折り曲げることができる低強度部位である。一実施形態において、折曲容易部32aは、幅を細くしたり、厚みを薄くしたりすることによって、その強度を低下させることで実現できる。
【0042】
<A-5.間隔保持具の使用方法>
図4を参照して、間隔保持具100Aの使用方法について説明する。
【0043】
間隔保持具100Aを、釘などの固定部材によって、地面に固定し、その後、配置部12上に、型枠Pを挿入する。そして、ロック部32を折り曲げ、型枠Pに係止させる。また、型枠Pの上方にも、間隔保持具100Aを上下反転させて取り付ける。
【0044】
なお、型枠Pが地面から浮いた状態となっている場合には、間隔保持具100Aを地面に固定するのではなく、浮いた状態の型枠Pの下方から、間隔保持具100Aを型枠Pの下部に取り付けるようにする。
【0045】
<A-6.特徴>
リブ22と型枠Pとの接触位置が下方になればなるほど、その接触位置から内側規制部本体21の下端までの距離は小さくなるため、テコの原理により、内側規制部本体21の下端に働く力は小さくなる。リブ22の面22aの下端が内側規制部本体21の下端近傍に位置していることにより、型枠Pからの力が、リブ22の上部だけでなく、リブ22の下部にも掛かるようになり、リブ22全体に分散される。したがって、従来の内側突起(特許文献2参照)のように、内側突起の上部の折曲突起にのみ型枠Pからの力が働く場合と比較して、内側規制部本体21の下端に作用する力を小さくすることができる。その結果、X方向内側への内側規制部2の倒れを抑制でき、内側規制部2によって型枠Pを強固に保持できる。
【0046】
リブ22の面22aのZ方向長さL1が長いほど、型枠Pに対する面22aの接触面積が増えるため、型枠Pを強固に固定できると共に、型枠Pが真っ直ぐに並びやすくなる(すなわち、型枠Pの通りが出やすくなる)。面22aの長さL1が、内側規制部本体21の長さL2の1/3以上、好ましくは1/2以上である場合、このような効果が得られやすい。
【0047】
<B.第二実施形態>
次に、第二実施形態に係る間隔保持具100Bについて
図5から
図9を参照しつつ説明する。以下では、第一実施形態に係る間隔保持具100Aとの相違点を中心に説明し、第一実施形態に係る間隔保持具100Aと同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。なお、
図9では、明確性のため、一部の構成要素を省略している。
【0048】
<B-1.間隔保持具の構成>
間隔保持具100Aの各内側規制部2が1つのみのリブ22を備えているのに対し、間隔保持具100Bの各内側規制部2が2つのリブ22を備えている点で、間隔保持具100Bは、間隔保持具100Aと相違している。
【0049】
2つのリブ22は、互いに間隔をあけて設けられている。2つのリブ22間の間隔は、大きいほど好ましい。一実施形態において、一方のリブ22は、内側規制部本体21のY方向の一端部近傍に設けられ、他方のリブ22は、内側規制部本体21のY方向の他端部近傍に設けられている。
【0050】
図7Aに記載の2つのリブ22は、同一の形状、同一のY方向長さ(幅)および同一のZ方向長さを有している。しかしながら、必要に応じて、2つのリブ22の形状、Y方向長さ、またはZ方向長さを、互いに異なるように変更してもよい。
【0051】
<B-2.特徴>
間隔保持具100Bは、間隔保持具100Aに関して既に説明した特徴に加え、以下の特徴を有する。
【0052】
内側規制部2が2つのリブ22を備えていることにより、1つだけのリブ22の場合と比較して、型枠Pの捩れを抑制できる(
図9参照)。なお、型枠Pの捩れとは、型枠Pが、型枠Pの整列方向(Y方向)からずれるように回転(XY平面内での回転。
図9で、回転方向を矢印で示している。)することである。さらに、外側規制部3が2つの突出部31aを備えていることにより、2つのリブ22と2つの突出部31aとの4点で型枠Pを支持することができるため、突出部31aが1つだけの場合と比較して、型枠Pの捩れを抑制できる。
【0053】
2つのリブ22が内側規制部本体21の両端近傍にそれぞれ設けられていることにより、2つのリブ22間の間隔を大きくすることができる。2つのリブ22間の間隔が大きいことにより、より広い範囲で型枠Pを支持できるため、型枠Pの捩れをより効果的に防止できる。
【0054】
2つの突出部31aが、外側規制部3の両端近傍にそれぞれ設けられていることにより、2つの突出部31a間の間隔を大きくすることができる。2つの突出部31a間の間隔が大きいことにより、より広い範囲で型枠Pを支持できるため、型枠Pの捩れをより効果的に防止できる。
【0055】
<C.変形例>
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明は、例えば、以下の変形例に示す構成に変更可能である。以下で説明する変形例は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わせ可能である。
【0056】
(1)リブ22の数は、3つ以上であってもよい。
【0057】
(2)突出部31aの数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【0058】
(3)開き規制部31の強度を向上させる観点からは、上記で説明した実施形態のように、開き規制部31に凹凸状の補強リブを設けることが好ましい。しかしながら、開き規制部31の強度向上を意図しない場合には、開き規制部31は、凹凸状の補強リブを有しておらず(すなわち、突出部31aを有しておらず)、平面であってもよい。この場合、開き規制部31の内面のY方向全長が、型枠Pの外面に接触する。このような構造であっても、型枠Pの捩れを抑制できる。
【符号の説明】
【0059】
100A,100B 間隔保持具
1 基部
2 内側規制部
21 内側規制部本体
22 リブ
22a 面
3 外側規制部
31a 突出部
D 内側規制部本体の下端とリブの面の下端との間の間隔
P 型枠
【要約】
【課題】型枠を強固に固定できる間隔保持具を提供する。
【解決手段】間隔保持具100Aは、基部1と、内側規制部2と、外側規制部3と、を備える。内側規制部2は、内側規制部本体21と、リブ22と、を備える。リブ22の面22aの下端は、内側規制部本体21の下端近傍で、かつ、内側規制部本体21の下端よりも上方に位置している。
【選択図】
図1