IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士重工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-車両の路面描画装置 図1
  • 特許-車両の路面描画装置 図2
  • 特許-車両の路面描画装置 図3
  • 特許-車両の路面描画装置 図4
  • 特許-車両の路面描画装置 図5
  • 特許-車両の路面描画装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】車両の路面描画装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/50 20060101AFI20220616BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20220616BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
B60Q1/04 Z
B60Q1/00 G
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017176579
(22)【出願日】2017-09-14
(65)【公開番号】P2019051794
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 男
(72)【発明者】
【氏名】木下 真
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/163294(WO,A1)
【文献】特開2015-003628(JP,A)
【文献】特開2016-055691(JP,A)
【文献】特開2015-230768(JP,A)
【文献】特開2015-164828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/50
B60Q 1/04
B60Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する路面または前記車両の周囲へ向けてパターン光を照射して像を描画する描画装置と、
前記車両の走行環境またはそれに応じた前記車両の状態を検出する検出装置と、
検出された走行環境または前記車両の状態に基づいて前記描画装置によるパターン光の照射を制御する制御部と、
を有し、
前記検出装置は、前記車両に設けられたワイパの作動状態を検出し、
前記制御部は、前記車両の走行環境または前記車両の状態に基づいてパターン光の照射の要否を判断し、パターン光の照射が必要であると判断された場合において、前記車両のワイパの連続作動時間が所定の閾値より短い場合に前記描画装置によるパターン光の照射を行い、所定の閾値以上である場合に、前記描画装置によるパターン光の照射を行わないように制御する、
車両の路面描画装置。
【請求項2】
車両が走行する路面または前記車両の周囲へ向けてパターン光を照射して像を描画する描画装置と、
前記車両の走行環境またはそれに応じた前記車両の状態を検出する検出装置と、
検出された走行環境または前記車両の状態に基づいて前記描画装置によるパターン光の照射を制御する制御部と、
を有し、
前記検出装置は、前記車両に設けられた雨滴検出装置であり、
前記制御部は、前記車両の走行環境または前記車両の状態に基づいてパターン光の照射の要否を判断し、パターン光の照射が必要であると判断された場合において、前記雨滴検出装置が雨滴を連続的に検出した連続検出時間が所定の閾値より短い場合に前記描画装置によるパターン光の照射を行い、所定の閾値以上である場合に、前記描画装置によるパターン光の照射を行わないように制御する、
車両の路面描画装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両から路面へ像を描画する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車といった車両では、運転者や歩行者へ情報を提供するために、車両が走行する路面または車両の周囲へ向けてパターン光を照射して像を描画することが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-069298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両から路面または周囲へ向けてパターン光を照射したとしても、その路面などに像を描画できるとは限らない。
たとえば、路面に水たまりが形成されている場合、パターン光が吸収されてしまい、適切な像を描画することはできなくなる。
そして、像のすべて、または像の一部が歪んで描画されてしまうことにより、正確でない情報を表示してしまう可能性もある。
【0005】
このように車両の路面描画装置では、車両が走行する路面または車両の周囲において適切に像を描画することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両の路面描画装置は、車両が走行する路面または前記車両の周囲へ向けてパターン光を照射して像を描画する描画装置と、前記車両の走行環境またはそれに応じた前記車両の状態を検出する検出装置と、検出された走行環境に基づいて前記描画装置によるパターン光の照射を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、検出された走行環境または前記車両の状態がパターン光の照射または視認に適していない状態である場合、前記描画装置によるパターン光の照射を中止する。
【0007】
好適には、前記制御部は、検出された走行環境または前記車両の状態が、前記描画装置から照射したパターン光の像が路面または前記車両の周囲において歪む可能性を推認できる状態にある場合、前記描画装置によるパターン光の照射を中止する、とよい。
【0008】
好適には、前記検出装置は、前記車両に設けられたワイパの作動状態を検出し、前記制御部は、前記車両のワイパの作動状態が連続的である場合、前記描画装置によるパターン光の照射を中止する、とよい。
【0009】
好適には、前記検出装置は、前記車両に設けられたワイパの作動状態を検出し、前記制御部は、前記車両のワイパの動作モードが非間欠的に連続してワイパを動作させるモードである場合、前記描画装置によるパターン光の照射を中止する、とよい。
【0010】
好適には、前記検出装置は、前記車両に設けられた雨滴検出装置であり、前記制御部は、前記雨滴検出装置が雨滴を連続的に検出した場合、前記描画装置によるパターン光の照射を中止する、とよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、検出装置により車両の走行環境またはそれに応じた車両の状態を検出し、制御部は、検出された走行環境または車両の状態がパターン光の照射または視認に適していない状態である場合、描画装置によるパターン光の照射を中止する。
たとえば、制御部は、検出された走行環境または車両の状態が、描画装置から照射したパターン光の像が路面または車両の周囲において歪む可能性を推認できる状態にある場合、描画装置によるパターン光の照射を中止する。
よって、走行環境または車両の状態がパターン光の照射または視認に適していない状態である場合、パターン光による像は描画されなくなる。
たとえば像の一部が欠けて、残りの像により正確でない情報を表示してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車およびそれが走行する路面の一例の説明図である。
図2図2は、第1実施形態に係る車両の路面描画装置の構成の説明図である。
図3図3は、パターン光の照射制御の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、図3の制御による路面描画状態の一例の説明図である。
図5図5は、第2実施形態に係るパターン光の照射制御の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第3実施形態に係るパターン光の照射制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1およびそれが走行する路面30の一例の説明図である。
図1の自動車1では、車体の前部にヘッドライト2が設けられている。自動車1は、運転手の操作に基づいて、たとえば夜間においてヘッドライト2を点灯させながら車道を走行する。路面30がヘッドライト2の光に照らされることにより、運転手は進行方向の路面30などの状態を確認できる。
【0015】
ところで、自動車1では、自動車1からパターン光を照射して路面30に情報を描画することが考えられる。路面30の描画を通じて、歩行者や運転者などに対して、情報を与えることができる。図1は、路面30に「止まれ」の文字の像を路面30に描画し、これを歩行者に対して視認させるようにしている。
しかしながら、自動車1から路面30または周囲へ向けてパターン光を照射したとしても、その路面30などに像を描画できるとは限らない。
たとえば図1のように、路面30に水たまりが形成されている場合、パターン光が吸収されてしまい、所望の像を適切に描画することができなくなる。図1でも「止まれ」の文字のうちの「止ま」部分の像が視認し難い状態となっている。
このように像の一部、または像のすべてが歪んで描画されてしまうことにより、正確でない情報を表示してしまう可能性もある。
このように自動車1の路面描画装置10では、自動車1が走行する路面30または自動車1の周囲において適切に像を描画することが求められる。
【0016】
図2は、第1実施形態に係る自動車1の路面描画装置10の構成の説明図である。
自動車1に搭載される図2の路面描画装置10は、ワイパ駆動装置11、雨滴検出装置12、タイマ13、制御部14、パターン光データの記憶部15、出力部16、ヘッドライト2、を有する。
ここで、制御部14、パターン光データの記憶部15、および出力部16は、1チップマイクロコンピュータに実現されてよい。
【0017】
ヘッドライト2は、通常のビーム光の照射の他に、パターン光を照射可能なものである。特に、パターン光のたとえば照射範囲、照射方向などを調整可能なものであることが望ましい。
ヘッドライト2は、自動車1が走行する路面30または自動車1の周囲へ向けてパターン光を照射して像を描画する。
【0018】
ワイパ駆動装置11は、自動車1のワイパを駆動する装置である。一般的に、ワイパ駆動装置11には、ワイパブレードを間欠的に作動させる間欠動作モードと、連続的に作動させる連続動作モードがある。
ワイパ駆動装置11は、雨が降っている場合、自動的にまたは乗員の操作に応じて、ワイパを駆動する。自動車1は、ワイパが駆動された状態になる。
【0019】
雨滴検出装置12は、自動車1のガラスの外面などに設けられ、雨滴を検出する。
雨滴検出装置12は、雨が降っている場合、その状態を自動車1の走行環境として検出する。
【0020】
タイマ13は、時間を計測する。
【0021】
制御部14は、パターン光の照射による路面描画の要否を判断する。路面描画が必要である場合、制御部14は、出力部16に路面描画を指示する。
制御部14は、検出された走行環境に基づいてヘッドライト2によるパターン光の照射を制御する。
【0022】
記憶部15は、パターン光データを記憶する。パターン光データは、たとえば図1に示すように「止まれ」の文字による像の光データでよい。記憶部15は、複数種類のパターン光データを記憶してよい。
【0023】
出力部16は、パターン光の照射をする場合、記憶部15からパターン光データを選択して読み込み、これをヘッドライト2に照射させる。
なお、出力部16は、ヘッドライト2にパターン光データを連続的に照射させても、間欠的に照射させてもよい。
これにより、ヘッドライト2は、自動車1が走行する路面30または自動車1の周囲へ向けてパターン光を照射する。
【0024】
図3は、パターン光の照射制御の一例を示すフローチャートである。
制御部14は、図3の照射制御を繰り返し実行する。
【0025】
図3のパターン光の照射制御において、制御部14は、まず、パターン光の照射の要否を判断する(ステップST1)。
たとえば自動車1が停止している場合、外が暗い場合、制御部14は、パターン光の照射が必要であると判断する。これ以外の場合には、不要であると判断する。不要である場合には、図3の処理を終了する。
【0026】
パターン光の照射が必要である場合、制御部14は、さらにワイパ作動中か否かを判断する(ステップST2)。制御部14は、ワイパ駆動装置11の作動状態に基づいて、ワイパ作動中か否かを判断すればよい。
そして、ワイパ作動中である場合、さらにワイパの連続作動時間が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップST3)。制御部14は、ワイパの作動の開始タイミングからタイマ13により計測された経過時間を、ワイパの連続作動時間とすればよい。また、閾値はたとえば10分程度の時間でよい。
【0027】
ワイパが作動中でない場合、またはワイパの連続作動時間が所定の閾値より短い場合、制御部14は、パターン光の照射(開始)を、出力部16へ指示する(ステップST4)。
出力部16は、照射するパターン光データを記憶部15から読み込み、ヘッドライト2にパターン光の照射を開始させる。
これにより、路面30には、パターン光データに基づく像が描画される。
【0028】
これに対し、ワイパの連続作動時間が所定の閾値以上である場合、制御部14は、パターン光の照射の終了を、出力部16へ指示する(ステップST5)。
出力部16は、ヘッドライト2にパターン光を照射させていた場合には、それを中止させる。
【0029】
このような制御により、制御部14は、雨が連続的に降って自動車1のワイパを連続的に作動させる必要がある場合に、路面描画のためのパターン光の照射を中止することができる。
すなわち、照射したパターン光の像が、路面30や自動車1の周囲の水たまりによって歪む可能性がある場合、路面描画のためのパターン光の照射を中止することができる。
【0030】
図4は、図3の制御による路面描画状態の一例の説明図である。
図4(A)の場合、パターン光が照射される路面30には、水たまりがない。この場合、ワイパが連続的に動作していないことに基づいて、出力部16は、ヘッドライト2からパターン光を照射し、路面30に「止まれ」の文字の像を描画する。
これに対し、図4(B)の場合、パターン光が照射される路面30に水たまりが形成されている。この場合、ワイパが連続的に動作することに基づいて、出力部16は、ヘッドライト2からのパターン光の照射を中止する。これにより、路面30の水たまりの上に「止まれ」の文字の像を描画しないようにできる。
【0031】
以上のように、本実施形態では、検出装置により自動車1の走行環境またはそれに応じた自動車1の状態を検出し、制御部14は、検出された走行環境または自動車1の状態がパターン光の照射または視認に適していない状態である場合、ヘッドライト2によるパターン光の照射を中止する。
たとえば、制御部14は、検出された走行環境または自動車1の状態が、ヘッドライト2から照射したパターン光の像が路面30または自動車1の周囲において歪む可能性を推認できる状態にある場合、ヘッドライト2によるパターン光の照射を中止する。
よって、走行環境または自動車1の状態がパターン光の照射または視認に適していない状態である場合、パターン光による像は描画されなくなる。
たとえば水たまりにより像の一部が欠けて、残りの像により正確でない情報を表示してしまうことを防止できる。
特に、路面30の水たまりや像そのものを実測することなく、水たまりができる状況下では路面描画を中止する。
【0032】
本実施形態では、検出装置は、自動車1に設けられたワイパの作動状態などを検出し、制御部14は、自動車1のワイパの作動状態が連続的である場合、ヘッドライト2によるパターン光の照射を中止する。よって、雨が降り続いて路面30に水たまりができるような状況などである場合、ワイパの作動状態からそれを推認し、パターン光の照射を中止できる。
逆に、自動車1に設けられたワイパの作動状態などを検出し、制御部14は、自動車1のワイパの作動状態が連続的でない場合、ヘッドライト2によるパターン光の照射を開始させる。よって、水たまりができない程度の軽い雨の場合、ワイパの作動状態からそれを推認し、パターン光を照射できる。
【0033】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明では、主に第1実施形態との相違点について説明する。第1実施形態に対応する構成要素については第1実施形態と同一の符号を使用して、その説明を省略する。
【0034】
図5は、第2実施形態に係るパターン光の照射制御の一例を示すフローチャートである。
図5のパターン光の照射制御においてパターン光の照射が必要である場合(ステップST1)、制御部14は、ワイパの動作モードが非間欠的な連続動作のモードであるか否かを判断する(ステップST11)。制御部14は、ワイパ駆動装置11におけるワイパの動作モードに基づいて、ワイパの動作モードを判断すればよい。
そして、ワイパの動作モードが非間欠的な連続動作のモードでない場合、制御部14は、パターン光の照射(開始)を、出力部16へ指示する(ステップST4)。
出力部16は、照射するパターン光データを記憶部15から読み込み、ヘッドライト2にパターン光の照射を開始させる。
これにより、路面30には、パターン光データに基づく像が描画される。
【0035】
これに対し、ワイパの動作モードが非間欠的な連続動作のモードである場合、制御部14は、パターン光の照射の終了を、出力部16へ指示する(ステップST5)。
出力部16は、ヘッドライト2にパターン光を照射させていた場合には、それを中止させる。
【0036】
このような制御により、制御部14は、雨が連続的に降って自動車1のワイパが非間欠的な連続動作のモードで作動させる必要がある場合に、路面描画のためのパターン光の照射を中止することができる。
すなわち、照射したパターン光の像が、路面30や自動車1の周囲の水たまりによって歪む可能性がある場合、路面描画のためのパターン光の照射を中止することができる。
【0037】
以上のように、本実施形態では、検出装置は、自動車1に設けられたワイパの作動状態を検出し、制御部14は、自動車1のワイパの動作モードが非間欠的に連続してワイパを動作させるモードである場合、ヘッドライト2によるパターン光の照射を中止する。よって、雨が降り続いて路面30に水たまりができるような状況である場合、ワイパの動作モードからそれを推認し、パターン光の照射を中止できる。逆に、ワイパを間欠的に連続して動作させる程度の、路面30に水たまりができない軽い雨の場合、ヘッドライト2からパターン光を照射して路面30等に像を描画させることができる。
【0038】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明では、主に第1実施形態との相違点について説明する。第1実施形態に対応する構成要素については第1実施形態と同一の符号を使用して、その説明を省略する。
【0039】
図6は、第3実施形態に係るパターン光の照射制御の一例を示すフローチャートである。
図6のパターン光の照射制御においてパターン光の照射が必要である場合(ステップST1)、制御部14は、雨滴検出装置12により雨滴が検出されているか否かを判断する(ステップST21)。
そして、雨滴が検出されている場合、さらに雨滴の連続検出時間が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップST22)。制御部14は、雨滴の検出開始タイミングからタイマ13により計測された経過時間を、雨滴の連続検出時間とすればよい。また、閾値はたとえば10分程度の時間でよい。
【0040】
雨滴が検出されていない場合、または雨滴の連続検出時間が所定の閾値以上ではない場合、制御部14は、パターン光の照射(開始)を、出力部16へ指示する(ステップST4)。
出力部16は、照射するパターン光データを記憶部15から読み込み、ヘッドライト2にパターン光の照射を開始させる。
これにより、路面30には、パターン光データに基づく像が描画される。
【0041】
これに対し、雨滴の連続検出時間が所定の閾値以上である場合、制御部14は、パターン光の照射の終了を、出力部16へ指示する(ステップST5)。
出力部16は、ヘッドライト2にパターン光を照射させていた場合には、それを中止させる。
【0042】
このような制御により、制御部14は、雨が連続的に降って雨滴が連続的に検出される場合に、路面描画のためのパターン光の照射を中止することができる。
すなわち、照射したパターン光の像が、路面30や自動車1の周囲の水たまりによって歪む可能性がある場合、路面描画のためのパターン光の照射を中止することができる。
【0043】
以上のように、本実施形態では、検出装置は、自動車1に設けられた雨滴検出装置12であり、制御部14は、雨滴検出装置12が雨滴を連続的に検出した場合、ヘッドライト2によるパターン光の照射を中止する。よって、雨が降り続いて路面30に水たまりができるような状況である場合、雨滴検出装置12による雨滴の検出状態からそれを推認し、パターン光の照射を中止できる。逆に、雨滴検出装置12が雨滴を連続的に検出しない程度の、路面30に水たまりができない軽い雨の場合、ヘッドライト2からパターン光を照射して路面30等に像を描画させることができる。
【0044】
上記実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0045】
たとえば上記実施形態では、ヘッドライト2によりパターン光を間欠的に照射させている。この他にもたとえば、フォグライトなどの補助ライトによりパターン光を間欠的に照射させてもよい。
【0046】
上記実施形態では、パターン光として1種類のデータを使用している。この他にもたとえば、各種の検出に応じた複数種類のパターン光を使用してもよい。複数種類のパターン光は、択一的に選択されても、同時に複数が選択されて順番に使用されてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…自動車(車両)、2…ヘッドライト(描画装置)、10…路面描画装置、11…ワイパ駆動装置(検出装置)、12…雨滴検出装置(検出装置)、13…タイマ、14…制御部、15…記憶部、16…出力部、30…路面
図1
図2
図3
図4
図5
図6