(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】太陽電池パネル設置構造、太陽光発電設備、及び太陽電池パネル施工方法
(51)【国際特許分類】
H02S 20/23 20140101AFI20220616BHJP
H02S 20/10 20140101ALI20220616BHJP
H02S 20/24 20140101ALI20220616BHJP
H02S 30/10 20140101ALI20220616BHJP
H02S 40/36 20140101ALN20220616BHJP
【FI】
H02S20/23 B
H02S20/10 L
H02S20/24
H02S30/10
H02S40/36
(21)【出願番号】P 2018001744
(22)【出願日】2018-01-10
【審査請求日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】P 2017114391
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】510311621
【氏名又は名称】株式会社エクソル
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】川勝 一司
(72)【発明者】
【氏名】宮前 利昭
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08495997(US,B1)
【文献】特開2015-122414(JP,A)
【文献】特開2016-084671(JP,A)
【文献】特開2017-028889(JP,A)
【文献】特開2012-202030(JP,A)
【文献】特開2016-067097(JP,A)
【文献】特開2014-156731(JP,A)
【文献】特開2013-057232(JP,A)
【文献】特開2011-061088(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105490627(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/00-20/32
H02S 30/10
H02S 40/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルを所定の設置場所に設置するための太陽電池パネル設置構造であって、
前記太陽電池パネルが、平板状のパネル本体と、当該パネル本体の外周を保持する金属枠と、を備え、
前記金属枠には、前記設置場所に向かって開口する支持孔が、前記パネル本体の中央を通り当該パネル本体と平行に延在する仮想線を相互間に挟むように少なくとも一対設けられており、
各々が前記設置場所に立設されて前記太陽電池パネルの前記金属枠における前記支持孔の近傍の支持領域を前記設置場所の側から支持するとともに、前記支持孔に挿入される突起部を各々が有した複数の支持金具と、
前記複数の支持金具それぞれとの間に前記金属枠を、前記太陽電池パネルの表裏方向から挟持する平板部分を各々が有し、各前記平板部分を貫通する、前記金属枠の前記表裏方向の厚み寸法よりも長いボルト長のボルトによって各々が前記複数の支持金具それぞれに固定される複数の押え金具と、
を備えたことを特徴とする太陽電池パネル設置構造。
【請求項2】
前記複数の支持金具それぞれが、
前記設置場所における所定部位に載置されて固定される載置板部と、
前記載置板部の一端縁に立設された立板部と、
前記立板部における前記載置板部とは反対側の端縁から前記太陽電池パネルの傾斜角度に応じた勾配で前記載置板部とは反対向きに延出した一枚板状の部位であって、前記金属枠の前記支持領域が載置される支持板部と、
を有することを特徴とする
請求項1に記載の太陽電池パネル設置構造。
【請求項3】
前記太陽電池パネルが前記設置場所に対し傾斜して設置されるものであり、
前記複数の支持金具は、前記太陽電池パネルにおける傾斜方向の高位側に設けられるもの程、前記設置場所からの高さが高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池パネル設置構造。
【請求項4】
前記太陽電池パネルは、複数枚が隣り合って配列されるものであり、
前記複数の支持金具それぞれは、隣り合う2枚の前記太陽電池パネルの境界に配置されたときには、当該境界において隣り合って位置する2つの前記支持領域の両方を支持可能に形成されるとともに、各前記支持領域に対応する前記支持孔に各々が挿入されるように前記突起部が2つ設けられており、
前記複数の押え金具のうち前記境界に配置される境界用押え金具が、前記複数の支持金具のうち当該境界に配置されるものとの間に、当該境界を挟んで隣り合う2つの前記金属枠の両方を挟持するように形成されたものであることを特徴とする請求項1~3のうち何れか一項に記載の太陽電池パネル設置構造。
【請求項5】
前記境界用押え金具は、当該境界を挟んで隣り合う2つの前記金属枠のそれぞれに接する部位に、各前記金属枠に向かって突出して食い込む突起が形成されており、当該突起の食い込みにより2つの前記金属枠を電気的に接続するものであることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池パネル設置構造。
【請求項6】
前記設置場所が、平坦な領域であり、
前記複数の支持金具は、前記設置場所に当該複数の支持金具と一対一に設置された置き基礎に固定されるものであることを特徴とする請求項1~5のうち何れか一項に記載の太陽電池パネル設置構造。
【請求項7】
前記設置場所に前記複数の支持金具と一対一に設置され、当該設置場所からの高さについて調節自在に構成された複数の設置台を更に備え、
前記複数の支持金具それぞれが、前記複数の設置台それぞれに固定されるものであることを特徴とする請求項1~5のうち何れか一項に記載の太陽電池パネル設置構造。
【請求項8】
前記設置場所に前記複数の支持金具と一対一に立設された複数のアンカーボルトを更に備え、
前記複数の支持金具それぞれが、前記複数のアンカーボルトそれぞれに、前記設置場所からの高さについて調節自在に固定されるものであることを特徴とする請求項1~5のうち何れか一項に記載の太陽電池パネル設置構造。
【請求項9】
前記設置場所に、前記支持孔の配列方向に延在するとともに、当該設置場所からの高さについて調節自在に設置された支持レールを更に備え、
前記複数の支持金具それぞれが、前記支持レールに固定されるものであることを特徴とする請求項1~5のうち何れか一項に記載の太陽電池パネル設置構造。
【請求項10】
前記支持孔の配列方向に延在するように前記設置場所に固定設置される長基礎と、
前記長基礎に前記複数の支持金具と一対一に立設された複数の立設ボルトと、を更に備え、
前記複数の支持金具それぞれが、前記複数の立設ボルトそれぞれに、前記設置場所からの高さについて調節自在に固定されるものであることを特徴とする請求項1~5のうち何れか一項に記載の太陽電池パネル設置構造。
【請求項11】
前記設置場所が、平坦な領域であり、
前記複数の支持金具それぞれが、前記設置場所に直に固定されるものであることを特徴とする請求項1~5のうち何れか一項に記載の太陽電池パネル設置構造。
【請求項12】
平板状のパネル本体、及び、当該パネル本体の外周を保持する金属枠、を備える太陽電池パネルと、
前記太陽電池パネルを所定の設置場所に設置するための請求項1~11のうち何れか一項に記載の太陽電池パネル設置構造と、を備えたことを特徴とする太陽光発電設備。
【請求項13】
太陽電池パネルを所定の設置場所に請求項1~11のうち何れか一項に記載の太陽電池パネル設置構造によって設置するための太陽電池パネル施工方法であって、
前記複数の支持金具を、前記設置場所に一の支持金具につき一の締結点での締結固定によって設置する支持金具設置工程と、
各々が前記複数の支持金具それぞれとの間に前記金属枠を、前記太陽電池パネルの表裏方向から挟持するように前記複数の押え金具を前記複数の支持金具それぞれに固定する押え金具設置工程と、を備え、
前記支持金具設置工程が、前記締結点を通る軸の軸回りに各々が動けるように前記複数の支持金具を前記設置場所に仮置きしつつ前記金属枠における前記支持孔に対する前記複数の支持金具それぞれの前記突起部の相対的な位置合わせを行い、その後に前記締結固定を行って前記複数の支持金具を前記設置場所に設置する工程であることを特徴とする太陽電池パネル施工方法。
【請求項14】
前記支持金具設置工程が、前記設置場所に仮置きした前記複数の支持金具それぞれの前記突起部の位置を、前記金属枠における前記支持孔を模擬した位置決め治具を用いて調節
しつつ当該複数の支持金具を前記設置場所に設置する工程であり、
前記押え金具設置工程が、位置決めされた前記複数の支持金具それぞれの前記突起部が前記支持孔に挿入されるように、前記複数の支持金具に前記太陽電池パネルを載置し、その後に前記複数の押え金具を当該複数の支持金具に固定する工程であることを特徴とする請求項13に記載の太陽電池パネル施工方法。
【請求項15】
前記支持金具設置工程が、前記複数の支持金具のうちの少なくとも一部について、前記支持孔に前記突起部を挿入することで前記太陽電池パネルに対して仮組付けを行ない、当該太陽電池パネルと一緒に前記設置場所に仮置きすることで前記位置合わせを行い、その後に前記締結固定を行って前記複数の支持金具を前記設置場所に設置する工程であり、
前記押え金具設置工程が、前記支持金具設置工程において設置済みの前記太陽電池パネルの前記金属枠を前記複数の支持金具それぞれとの間に挟持するように複数の押え金具を当該複数の支持金具それぞれに固定する工程であることを特徴とする請求項13に記載の太陽電池パネル施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルを所定の設置場所に設置するための太陽電池パネル設置構造、そのような太陽電池パネル設置構造を利用した太陽光発電設備、及び、太陽電池パネルを所定の設置場所に設置するための太陽電池パネル施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境問題に対する関心の高まりを受けて、温室効果ガスの削減等に効果が期待される太陽光発電が注目されている。太陽光発電設備において太陽電池パネルを設置場所に設置する構造は以前より種々知られている。このような構造には、多くの場合、太陽電池パネルの支持に、設置場所に設置された太陽電池パネル設置構造が利用される(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
一般的な太陽電池パネル設置構造としては、設置場所としての屋根や、屋外における太陽光発電設備の建設予定地等、にレール材で格子状に組まれた架台に載置された太陽電池パネルをボルト止め固定する構造等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記のような架台を利用した太陽電池パネル設置構造は部品点数が多く、また施工にかかる手間も煩雑で、施工コストが高くなりがちである。このため、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネルを設置することができる太陽電池パネル設置構造の要望が高いのが現状である。
【0006】
従って、本発明は、上記のような課題に着目し、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネルを設置することができる太陽電池パネル設置構造、太陽光発電設備、及び太陽電池パネル施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の太陽電池パネル設置構造は、太陽電池パネルを所定の設置場所に設置するための太陽電池パネル設置構造であって、前記太陽電池パネルが、平板状のパネル本体と、当該パネル本体の外周を保持する金属枠と、を備え、前記金属枠には、前記設置場所に向かって開口する支持孔が、前記パネル本体の中央を通り当該パネル本体と平行に延在する仮想線を相互間に挟むように少なくとも一対設けられており、各々が前記設置場所に立設されて前記太陽電池パネルの前記金属枠における前記支持孔の近傍の支持領域を前記設置場所の側から支持するとともに、前記支持孔に挿入される突起部を各々が有した複数の支持金具と、前記複数の支持金具それぞれとの間に前記金属枠を、前記太陽電池パネルの表裏方向から挟持する平板部分を各々が有し、各前記平板部分を貫通する、前記金属枠の前記表裏方向の厚み寸法よりも長いボルト長のボルトによって各々が前記複数の支持金具それぞれに固定される複数の押え金具と、を備えたことを特徴とする。
また、前記複数の支持金具それぞれが、前記設置場所における所定部位に載置されて固定される載置板部と、前記載置板部の一端縁に立設された立板部と、前記立板部における前記載置板部とは反対側の端縁から前記太陽電池パネルの傾斜角度に応じた勾配で前記載置板部とは反対向きに延出した一枚板状の部位であって、前記金属枠の前記支持領域が載置される支持板部と、を有することが好適である。
【0008】
ここで、本発明の太陽電池パネル設置構造において、前記太陽電池パネルが前記設置場所に対し傾斜して設置されるものであり、前記複数の支持金具は、前記太陽電池パネルにおける傾斜方向の高位側に設けられるもの程、前記設置場所からの高さが高いことが好適である。
【0009】
また、本発明の太陽電池パネル設置構造において、前記太陽電池パネルは、複数枚が隣り合って配列されるものであり、前記複数の支持金具それぞれは、隣り合う2枚の前記太陽電池パネルの境界に配置されたときには、当該境界において隣り合って位置する2つの前記支持領域の両方を支持可能に形成されるとともに、各前記支持領域に対応する前記支持孔に各々が挿入されるように前記突起部が2つ設けられており、前記複数の押え金具のうち前記境界に配置される境界用押え金具が、前記複数の支持金具のうち当該境界に配置されるものとの間に、当該境界を挟んで隣り合う2つの前記金属枠の両方を挟持するように形成されたものであることも好適である。
【0010】
また、この好適な太陽電池パネル設置構造において、前記境界用押え金具は、当該境界を挟んで隣り合う2つの前記金属枠のそれぞれに接する部位に、各前記金属枠に向かって突出して食い込む突起が形成されており、当該突起の食い込みにより2つの前記金属枠を電気的に接続するものであることは更に好適である。
【0011】
また、本発明の太陽電池パネル設置構造において、前記設置場所が、平坦な領域であり、前記複数の支持金具は、前記設置場所に当該複数の支持金具と一対一に設置された置き基礎に固定されるものであることも好適である。
【0012】
また、本発明の太陽電池パネル設置構造において、前記設置場所に前記複数の支持金具と一対一に設置され、当該設置場所からの高さについて調節自在に構成された複数の設置台を更に備え、前記複数の支持金具それぞれが、前記複数の設置台それぞれに固定されるものであることも好適である。
【0013】
また、本発明の太陽電池パネル設置構造において、前記設置場所に前記複数の支持金具と一対一に立設された複数のアンカーボルトを更に備え、前記複数の支持金具それぞれが、前記複数のアンカーボルトそれぞれに、前記設置場所からの高さについて調節自在に固定されるものであることも好適である。
【0014】
また、本発明の太陽電池パネル設置構造において、前記設置場所に、前記支持孔の配列方向に延在するとともに、当該設置場所からの高さについて調節自在に設置された支持レールを更に備え、前記複数の支持金具それぞれが、前記支持レールに固定されるものであることも好適である。
【0015】
また、この好適な太陽電池パネル設置構造において、前記支持レールが、前記複数の支持金具の数よりも少ない本数のアンカーボルトを介して前記設置場所に設置されるものであることが更に好適である。
【0016】
また、本発明の太陽電池パネル設置構造において、前記支持孔の配列方向に延在するように前記設置場所に固定設置される長基礎と、前記長基礎に前記複数の支持金具と一対一に立設された複数の立設ボルトと、を更に備え、前記複数の支持金具それぞれが、前記複数の立設ボルトそれぞれに、前記設置場所からの高さについて調節自在に固定されるものであることも好適である。
【0017】
また、本発明の太陽電池パネル設置構造において、前記設置場所が、平坦な領域であり、前記複数の支持金具それぞれが、前記設置場所に直に固定されるものであることも好適である。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の太陽光発電設備は、平板状のパネル本体、及び、当該パネル本体の外周を保持する金属枠、を備える太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルを所定の設置場所に設置するための上述した本発明の太陽電池パネル設置構造と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の太陽電池パネル施工方法は、太陽電池パネルを所定の設置場所に上述した本発明の太陽電池パネル設置構造によって設置するための太陽電池パネル施工方法であって、前記複数の支持金具を、前記設置場所に一の支持金具につき一の締結点での締結固定によって設置する支持金具設置工程と、各々が前記複数の支持金具それぞれとの間に前記金属枠を、前記太陽電池パネルの表裏方向から挟持するように前記複数の押え金具を前記複数の支持金具それぞれに固定する押え金具設置工程と、を備え、前記支持金具設置工程が、前記締結点を通る軸の軸回りに各々が動けるように前記複数の支持金具を前記設置場所に仮置きしつつ前記金属枠における前記支持孔に対する前記複数の支持金具それぞれの前記突起部の相対的な位置合わせを行い、その後に前記締結固定を行って前記複数の支持金具を前記設置場所に設置する工程であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の太陽電池パネル施工方法において、前記支持金具設置工程が、前記設置場所に仮置きした前記複数の支持金具それぞれの前記突起部の位置を、前記金属枠における前記支持孔を模擬した位置決め治具を用いて調節しつつ当該複数の支持金具を前記設置場所に設置する工程であり、前記押え金具設置工程が、位置決めされた前記複数の支持金具それぞれの前記突起部が前記支持孔に挿入されるように、前記複数の支持金具に前記太陽電池パネルを載置し、その後に前記複数の押え金具を当該複数の支持金具に固定する工程であることが好適である。
【0021】
また、本発明の太陽電池パネル施工方法において、前記支持金具設置工程が、前記複数の支持金具のうちの少なくとも一部について、前記支持孔に前記突起部を挿入することで前記太陽電池パネルに対して仮組付けを行ない、当該太陽電池パネルと一緒に前記設置場所に仮置きすることで前記位置合わせを行い、その後に前記締結固定を行って前記複数の支持金具を前記設置場所に設置する工程であり、前記押え金具設置工程が、前記支持金具設置工程において設置済みの前記太陽電池パネルの前記金属枠を前記複数の支持金具それぞれとの間に挟持するように複数の押え金具を当該複数の支持金具それぞれに固定する工程であることも好適である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の太陽電池パネル設置構造では、上記の支持孔に各々の突起部が挿入された複数の支持金具により、太陽電池パネルが、その面内方向の動きが抑えられて支持される。更に、各支持金具との間に太陽電池パネルの金属枠を挟持する押え金具を設けることにより、太陽電池パネルは、その面外方向の動きも抑えられた状態で固定されることとなる。このように、本発明の太陽電池パネル設置構造によれば、突起部を有する支持金具、及び押え金具、という非常にシンプルな部品構成により太陽電池パネルを設置することができる。また、支持金具や押え金具は、太陽電池パネルの金属枠における各支持孔の近傍の支持領域について限定的な支持を行うものである。即ち、支持金具や押え金具は、部品としてのサイズが抑えられた小型の金具であり、このため、設置現場への持ち運び等を含めて非常に取り扱い易いものとなっている。このように本発明の太陽電池パネル設置構造によれば、部品構成がシンプルで、各部品が取り扱い易いものであることから、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネルを設置することができる。
【0023】
また、本発明の太陽光発電設備では、設備を構成する太陽電池パネル設置構造として、上述した本発明の太陽電池パネル設置構造が採用されているので、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネルを設置することができる。
【0024】
また、本発明の太陽電池パネル施工方法では、上述した本発明の太陽電池パネル設置構造が用いられて太陽電池パネルが設置されるので、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネルを設置することができる。また、支持金具設置工程の段階で、金属枠における支持孔に対する複数の支持金具それぞれの突起部の相対的な位置合わせが行われるので、太陽電池パネルの設置が効率的に行われる。本発明の太陽電池パネル施工方法によれば、この点においても、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネルを設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる太陽光発電設備を示す図である。
【
図2】
図1に示されている太陽光発電接部における太陽電池パネル設置構造を示す分解斜視図である。
【
図3】
図1及び
図2に示されている置き基礎が陸屋根に設けられる様子を示す分解斜視図である。
【
図4】
図1及び
図2に示されている太陽電池パネルの、受光面の側から見た上面図、側面図、及び受光面に対する裏側から見た裏面図である。
【
図5】
図1及び
図2に示されている低支持金具を示す三面図である。
【
図6】
図1及び
図2に示されている高支持金具を示す三面図である。
【
図7】
図1及び
図2に示されている境界用押え金具を示す三面図である。
【
図8】
図1及び
図2に示されている端部押え金具を示す三面図である。
【
図9】境界用押え金具と低支持金具や高支持金具との間に2枚の太陽電池パネルそれぞれの金属枠が、太陽電池パネルの表裏方向から挟持される様子を、境界用押え金具と低支持金具との組合せを例に挙げて示す図である。
【
図10】端部押え金具と低支持金具や高支持金具との間に1枚の太陽電池パネルの金属枠が、太陽電池パネルの表裏方向から挟持される様子を、端部押え金具と低支持金具との組合せを例に挙げて示す図である。
【
図11】本実施形態の太陽電池パネル施工方法における支持金具設置工程を示す模式図である。
【
図14】
図13に示されている支持金具設置工程に続いて行なわれる押え金具設置工程において、太陽電池パネルが低支持金具及び高支持金具に載置される様子を示す模式図である。
【
図16】
図15に示されている別例の位置決め治具が畳まれた状態で作業現場まで運ばれ、作業現場で展開される様子を示す図である。
【
図17】
図15及び
図16に示されている別例の位置決め治具を用いて、低支持金具や高支持金具における突起部の位置及び姿勢が調節される様子を示す図である。
【
図18】別例の太陽電池パネル施工方法における支持金具設置工程を示す模式図である。
【
図19】
図18に示されている支持金具設置工程のステップS23において、一組の低支持金具及び高支持金具が、太陽電池パネルと一緒に設置される様子を示す模式図である。
【
図20】低支持金具や高支持金具について行なわれる高さ調節について、高支持金具を例に挙げて説明する模式図である。
【
図22】本発明の第2実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。
【
図23】
図22に示されている設置台及び、その周辺構造の拡大図である。
【
図24】本発明の第3実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。
【
図25】
図24に示されているアンカーボルト、及び、その周辺構造の拡大図である。
【
図26】本発明の第4実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。
【
図27】
図26に示されている太陽電池パネル設置構造を、図中の矢印V801方向から見た図である。
【
図28】
図26及び
図27に示されているアンカーボルト及び固定ボルトと、それぞの周辺構造の拡大図である。
【
図29】本発明の第5実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。
【
図30】
図29に示されているアンカーボルト及び、その周辺構造の拡大図である。
【
図31】本発明の第6実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。
【
図32】
図31に示されている太陽電池パネル設置構造を、図中の矢印V901方向から見た図である。
【
図33】
図31に示されている太陽電池パネル設置構造を、図中の矢印V902方向から見た図である。
【
図34】
図33に示されている立設ボルト、及び、その周辺構造の拡大図である。
【
図37】本発明の第7実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。
【
図38】
図37に示されている2種類の支持金具について、低支持金具を例に挙げて説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の太陽電池パネル設置構造、太陽光発電設備、及び太陽電池パネル設置方法の一実施形態について、以下、図面を参照して説明する。
【0027】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる太陽光発電設備を示す図であり、
図2は、
図1に示されている太陽光発電接部における太陽電池パネル設置構造を示す分解斜視図である。
【0028】
本実施形態の太陽光発電設備1は、複数枚の太陽電池パネル10が隣り合って配列されたアレイ構造の設備である。この太陽光発電設備1は、設置場所として、平坦屋根の一種である陸屋根A11に設けられている。本実施形態では、陸屋根A11に配列されたコンクリート製の置き基礎21を含む太陽電池パネル設置構造20によって、複数枚の太陽電池パネル10が設置されている。
【0029】
図3は、
図1及び
図2に示されている置き基礎が陸屋根に設けられる様子を示す分解斜視図である。
【0030】
この
図3に示されているように、置き基礎21は、コンクリート製の矩形ブロックであり、陸屋根A11との間に短冊状のブチルゴムシート22を一対挟んで載置される。置き基礎21は、ブチルゴムシート22の粘着性と、置き基礎21の自重により、陸屋根A11に不動設置される。この置き基礎21における上面中央には、太陽電池パネル10の設置に利用されるアンカーボルト211が、その一端が埋設された状態で取り付けられている。
【0031】
各太陽電池パネル10は、長方形状を有しており、その長辺に沿った配列方向D11について、設置場所としての陸屋根A11に対して傾斜して設置されている。また、
図1に示されているように、この配列方向D11について、傾斜の向きが交互に替わっている。即ち、
図1中の左側から、左下がり、右下がり、そして左下がり、という傾斜の向きとなって、各太陽電池パネル10の長辺を見る側面視で複数枚の太陽電池パネル10が波形を形成するように配列されている。
【0032】
図4は、
図1及び
図2に示されている太陽電池パネルの、受光面の側から見た上面図、側面図、及び受光面に対する裏側から見た裏面図である。
【0033】
太陽電池パネル10は、複数の太陽電池セル101aが配列されてなる長方形板状のパネル本体101を備えている。パネル本体101の裏面には、このパネル本体101からの出力電力を伝送する電力ケーブル101bが取り付けられている。
【0034】
また、太陽電池パネル10は、パネル本体101の外周を保持する長方形状の金属枠102を備えている。太陽電池パネル10の支持は、この金属枠102を介して行われる。金属枠102における裏面側には、設置場所としての陸屋根A11に向かって開口する支持孔102aが設けられている。この支持孔102aは、パネル本体101の中央を通りパネル本体101と平行に延在する2本の仮想線101c,101dの何れかを相互間に挟むように一対ずつ、合計で4つ設けられている。各支持孔102aは、金属枠102に沿って延びた長孔となっている。
【0035】
この太陽電池パネル10は、金属枠102における各支持孔102aの近傍の支持領域102bが以下に説明するように支持される。
【0036】
図1及び
図2に示されている太陽光発電設備1では、複数枚の太陽電池パネル10が次のような太陽電池パネル設置構造20によって陸屋根A11に設置されている。
【0037】
この太陽電池パネル設置構造20は、上述した置き基礎21と、ブチルゴムシート22と、金属枠102の上述した支持領域102bを支持する支持金具としての低支持金具23及び高支持金具24と、境界用押え金具25と、端部押え金具26と、を備えている。
【0038】
図5は、
図1及び
図2に示されている低支持金具を示す三面図であり、
図6は、
図1及び
図2に示されている高支持金具を示す三面図である。
【0039】
低支持金具23及び高支持金具24は、何れも置き基礎21を介して陸屋根A11に立設される。低支持金具23は、太陽電池パネル10の傾斜方向の低位側に位置する置き基礎21に、その置き基礎21のアンカーボルト211を介して1つずつ固定される。また、高支持金具24は、太陽電池パネル10の傾斜方向の高位側に位置する置き基礎21に、その置き基礎21のアンカーボルト211を介して1つずつ固定される。高支持金具24の高さH2は、低支持金具23の高さH1よりも高くなっている。つまり、本実施形態では、複数の支持金具(低支持金具23及び高支持金具24)は、傾斜方向の高位側に設けられるもの程、陸屋根A11からの高さが高くなるように構成され、これにより、太陽電池パネル10の傾斜支持が実現されている。
【0040】
低支持金具23は、載置板部231と、立板部232と、支持板部233と、を備え、側面視で略Z字型に形成された板金部材である。載置板部231は、置き基礎21に載置される部位であり、その略中央にアンカーボルト211が通る貫通孔231aが設けられている。立板部232は、載置板部231の一端縁から垂直に折り曲げられて立ち上がった部位であり、その両側端縁が載置板部231の側へと直角に折り曲げられて一対の補強リブ232aが形成されている。各補強リブ232aには、この低支持金具23を他部品と電気的に接続するためのケーブル等の取付けに利用される取付け孔232a-1が形成されている。支持板部233は、立板部232の上端縁から太陽電池パネル10の傾斜角度に応じた昇り勾配の曲げ角で折り曲げられた部位である。
【0041】
低支持金具23は、支持板部233が太陽電池パネル10の金属枠102における低位側に位置する支持領域102bに宛がわれて陸屋根A11の側から支持する。ここで、支持板部233における、立板部232と交差する一対の側縁それぞれに凹部233aが設けられるとともに、各凹部233aの底から、上方へと帯状に延出するように折り曲げられた部位が突起部233bを構成している。この突起部233bは、支持板部233が支持する支持領域102bに対応する支持孔102aに挿入される部位である。ここで、
図2に示されているように、本実施形態では、低支持金具23が、隣り合う2枚の太陽電池パネル10の境界に配置されたときに、この境界において隣り合って位置する2つの支持領域102bを支持可能な大きさに支持板部233が形成されている。そして、各支持領域102bに対応する支持孔102aに各々が挿入されるように突起部233bが2つ設けられている。また、支持板部233の中央には、後述するように境界用押え金具25や端部押え金具26をボルト止め固定するためのボルト穴233cが設けられている。
【0042】
高支持金具24は、その高さH2以外は、上記の低支持金具23と略同様の形状を有しており、載置板部241と、立板部242と、支持板部243と、を備え、側面視で略Z字型に形成された板金部材である。載置板部241は、置き基礎21に載置され、略中央に貫通孔241aが設けられている。立板部242は、載置板部241の一端縁から垂直に折り曲げられて立ち上がった部位であり、その両側端縁に一対の補強リブ242aが形成されている。各補強リブ242aには、この高支持金具24を他部品と電気的に接続するためのケーブル等の取付けに利用される取付け孔242a-1が形成されている。支持板部243は、立板部242の上端縁から太陽電池パネル10の傾斜角度に応じた下り勾配の曲げ角で折り曲げられた部位である。
【0043】
高支持金具24は、支持板部243が太陽電池パネル10の金属枠102における高位側に位置する支持領域102bに宛がわれて陸屋根A11の側から支持する。また、支持板部243における一対の側縁それぞれの凹部243aの底から、上方へと帯状に延出するように折り曲げられた部位が突起部243bを構成している。この突起部243bは、支持板部243が支持する支持領域102bに対応する支持孔102aに挿入される部位である。高支持金具24についても、低支持金具23と同様、隣り合う2枚の太陽電池パネル10の境界に配置されたときに、この境界において隣り合って位置する2つの支持領域102bを支持可能な大きさに支持板部243が形成されている。そして、各支持領域102bに対応する支持孔102aに各々が挿入されるように突起部243bが2つ設けられている。また、支持板部243の中央には、後述するように境界用押え金具25や端部押え金具26をボルト止め固定するためのボルト穴243cが設けられている。
【0044】
図7は、
図1及び
図2に示されている境界用押え金具を示す三面図であり、
図8は、
図1及び
図2に示されている端部押え金具を示す三面図である。
【0045】
境界用押え金具25や端部押え金具26は、何れも、低支持金具23や高支持金具24との間に、太陽電池パネル10の金属枠102を、太陽電池パネル10の表裏方向から挟持するように各々が低支持金具23や高支持金具24にボルト止め固定される。
【0046】
境界用押え金具25は、
図1や
図2に示されているように隣り合う2枚の太陽電池パネル10の境界に配置される。そして、この境界に配置される低支持金具23や高支持金具24との間に、この境界を挟んで隣り合う2つの金属枠102の両方を挟持するように形成されている。この境界用押え金具25は、
図7に示されているように、概ね長方形板状の部材である。そして、境界用押え金具25は、一対の短辺それぞれの中央から、境界における2つの金属枠102の相互間に挿入されるように、一対の挿入突起251が直角に折り曲げられて形成された板金部材である。これら一対の挿入突起251を挟んで位置する一対の長辺それぞれの側に位置する一対の帯状領域252が、低支持金具23や高支持金具24との間に、太陽電池パネル10の金属枠102を、太陽電池パネル10の表裏方向から挟持する部位となっている。そして、これら一対の帯状領域252の相互間に位置する、この境界用押え金具25の略中央に、この境界用押え金具25を低支持金具23や高支持金具24に固定するためのボルトが貫通する貫通孔253が設けられている。また、一対の帯状領域252それぞれには、バーリング加工によって形成されたバーリング孔252aが設けられている。ここでのバーリング加工は、金属枠102と対向する裏面側へと突き抜けるように行われる。各バーリング孔252aにおける裏面側の縁には、バーリング加工による返りがバリ252a-1となって形成されている。
【0047】
図9は、境界用押え金具と低支持金具や高支持金具との間に2枚の太陽電池パネルそれぞれの金属枠が、太陽電池パネルの表裏方向から挟持される様子を、境界用押え金具と低支持金具との組合せを例に挙げて示す図である。
【0048】
この
図9に示されているように、まず、低支持金具23は置き基礎21に次のように固定されている。置き基礎21のアンカーボルト211は、低支持金具23の載置板部231に設けられた貫通孔231a(
図5参照。)に通され、その先端側に平ワッシャ212を介してナット213が締結されている。このナット213の締結により、低支持金具23が置き基礎21に固定される。
【0049】
そして、2枚の太陽電池パネル10それぞれの金属枠102の裏面側における支持孔102aの近傍の支持領域102bが、上記の低支持金具23の支持板部233に載置される。このときに、支持板部233から上方に突出している一対の突起部233bそれぞれが、各金属枠102の支持孔102aに挿入される。本実施形態では、支持孔102aが長孔に形成されており、ある程度の幅を有する帯板状の突起部233bが、多少の位置ズレを許容しつつ余裕をもって挿入可能となっている。
【0050】
このように、載置された2枚の太陽電池パネル10それぞれの金属枠102の境界に、上方から境界用押え金具25が被せられる。このとき、2つの金属枠102の間隙に、挿入突起251が差入れられる。そして、固定用のボルト254が、平ワッシャ255とバネワッシャ256を介して境界用押え金具25の貫通孔253(
図7参照。)に通されて、低支持金具23の支持板部233に設けられたボルト穴233c(
図5参照。)に捩じ込まれて締結される。この締結により、2つの金属枠102が、境界用押え金具25における一対の帯状領域252と支持板部233との間に、太陽電池パネル10の表裏方向から挟持される。
【0051】
ここで、本実施形態では、上述したように、境界用押え金具25における各金属枠102に接する一対の帯状領域252それぞれに、各金属枠102に向かってバリ252a-1が突出するようにバーリング孔252aが形成されている。上記のようにボルト254が締結されると、その締結力を受けてバリ252a-1が各金属枠102の表面に食い込む。この食い込みにより、2つの金属枠102が境界用押え金具25を介して電気的に接続されることとなる。また、境界用押え金具25は、ボルト254等を介して低支持金具23にも電気的に接続される。尚、バリ252a-1の突出量については、バーリング加工の際に適宜に調整してもよく、あるいは、特に調整は加えずにバーリング加工によって生じた返りの突出量をそのまま生かすこととしてもよい。また、金属枠102に向かって突出してその表面に食い込むものであれば、上記の突起は、本実施形態のようにバーリング加工時のバリに限るものではなく、境界用押え金具25における縁のせん断加工等によって形成されるバリでもよい。あるいは、別途に加工して電気的な接続のための突起を形成してもよい。
【0052】
ここで、バリ252a-1等の突起を金属枠102の表面に食い込ませるという、2つの太陽電池パネル10の金属枠102の電気的な接続手法は、本発明にいう太陽電池パネル設置構造への適用に限るものではない。このような接続手法は、隣り合った金属構造物の電気的な接続一般に適用可能である。
【0053】
他方、
図8に示されている端部押え金具26は、太陽電池パネル10における、
図1や
図2に示されているように隣り合うものがない端部に配置される。そして、この端部に配置される低支持金具23や高支持金具24との間に2つの金属枠102を挟持するように形成されている。この端部押え金具26は、金属枠102の上面に掛かる上面部分261と、上面部分261の端縁で折り曲げられ、金属枠102の側面に沿って低支持金具23や高支持金具24に向かって垂下する側面部分262と有する、側面視で概ねL字状の板金部材である。側面部分262の両側端縁に一対の補強リブ262aが形成され、上面部分261の両側端縁における側面部分262の側の一部にも一対の補強リブ261aが形成されている。上面部分261において両側端縁に補強リブ261aが形成されていない先端縁側の帯状領域261bが、低支持金具23や高支持金具24との間に金属枠102を挟持する。また、上面部分261の略中央には、この境界用押え金具25を低支持金具23や高支持金具24に固定するためのボルトが貫通する貫通孔261cが設けられている。また、帯状領域261bにおける2箇所の角には面取り261b-1が形成されている。各面取り261b-1は各角に対するせん断加工によって形成されるが、このせん断加工により、各面取り261b-1の両角部には、金属枠102に向かって突出するバリ261b-2が形成されている。
【0054】
図10は、端部押え金具と低支持金具や高支持金具との間に1枚の太陽電池パネルの金属枠が、太陽電池パネルの表裏方向から挟持される様子を、端部押え金具と低支持金具との組合せを例に挙げて示す図である。
【0055】
上述したように、低支持金具23の載置板部231の貫通孔231a(
図5参照。)を通ったアンカーボルト211に、平ワッシャ212を介してナット213が締結されることで、低支持金具23が置き基礎21に固定される。
【0056】
そして、1枚の太陽電池パネル10の金属枠102の裏面側における支持孔102aの近傍の支持領域102bが、上記の低支持金具23の支持板部233に載置される。このときに、支持板部233から上方に突出している一対の突起部233bのうちの一方が支持孔102aに挿入される。上述したように、支持孔102aは長孔に形成されており、突起部233bが、多少の位置ズレを許容しつつ余裕をもって挿入可能となっている。もう一方の突起部233bは、外部に露出した状態となる。
【0057】
このように、載置された1枚の太陽電池パネル10の金属枠102の端部に、上方から端部押え金具26が被せられる。端部押え金具26は、上面部分261の先端縁側の帯状領域261bが金属枠102の端部に掛かるように被せられる。そして、固定用のボルト263が、平ワッシャ264とバネワッシャ265を介して端部押え金具26の貫通孔261c(
図8参照。)に通されて、低支持金具23の支持板部233に設けられたボルト穴233c(
図5参照。)に捩じ込まれて締結される。この締結により、金属枠102が、端部押え金具26の帯状領域261bと支持板部233との間に、太陽電池パネル10の表裏方向から挟持される。
【0058】
ここで、本実施形態では、上述したように、端部押え金具26における金属枠102に接する面取り261b-1の端縁に、金属枠102に向かって突出するようにバリ261b-1が形成されている。上記のようにボルト263が締結されると、その締結力を受けてバリ261b-1が金属枠102の表面に食い込む。この食い込みにより、端部押え金具26と金属枠102とが電気的に接続される。また、端部押え金具26は、ボルト263等を介して低支持金具23にも電気的に接続される。尚、バリ261b-1の突出量については、面取り261b-1のせん断加工の際に適宜に調整してもよく、あるいは、特に調整は加えずにせん断加工によって生じた返りの突出量をそのまま生かすこととしてもよい。また、この端部押え金具26におけるバリは、面取り261b-1のせん断加工によって形成されるものに限るものではない。この端部押え金具26についても、上述した境界用押え金具25と同様にバーリング孔を形成し、その形成のためのバーリング加工によって生じる返りとしてのバリを、上記のような電気的な接続に利用することとしてもよい。あるいは、別途に加工して電気的な接続のための突起を形成してもよい。
【0059】
以上に説明した本実施形態の太陽電池パネル設置構造20では、上記の支持孔102aに各々の突起部233b,243bが挿入された複数の低支持金具23や高支持金具24により、太陽電池パネル10が、その面内方向の動きが抑えられて支持される。更に、各低支持金具23や各高支持金具24との間に太陽電池パネル10の金属枠102を挟持する境界用押え金具25や端部押え金具26を設けることにより、太陽電池パネル10は、その面外方向の動きも抑えられた状態で固定されることとなる。このように、太陽電池パネル設置構造20によれば、突起部233b,243bを有する低支持金具23や高支持金具24、及び境界用押え金具25や端部押え金具26、という非常にシンプルな部品構成により太陽電池パネル10を設置することができる。また、低支持金具23や高支持金具24、及び境界用押え金具25や端部押え金具26は、太陽電池パネル10の金属枠102における各支持孔102aの近傍の支持領域102bについて限定的な支持を行うものである。即ち、これらの金具は、部品としてのサイズが抑えられた小型の金具であり、このため、設置現場への持ち運び等を含めて非常に取り扱い易いものとなっている。このように本実施形態の太陽電池パネル設置構造20によれば、部品構成がシンプルで、各部品が取り扱い易いものであることから、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができる。
【0060】
また、本実施形態の太陽電池パネル設置構造20では、上記の低支持金具23や高支持金具24、及び境界用押え金具25や端部押え金具26、によるシンプルな部品構成を生かしながら、太陽電池パネル10の傾斜設置を容易に実現することができる。
【0061】
また、本実施形態の太陽電池パネル設置構造20によれば、上記の境界については、低支持金具23や高支持金具24と境界用押え金具25とにより、隣り合う2枚の太陽電池パネル10をまとめて支持することができる。これにより、部品点数を抑えてコストの増加を抑制しつつ、複数枚の太陽電池パネル10が配列されたアレイ構造を実現することができる。
【0062】
また、本実施形態の太陽電池パネル設置構造20によれば、バーリング孔252aのバリ252a-1が金属枠102に食い込む境界用押え金具25を介して、隣り合う2枚の太陽電池パネル10の金属枠102どうしが電気的に接続される。これにより、本実施形態では、
図1において太陽電池パネル10の短辺に沿った配列方向D12について、1列ずつ各3枚の太陽電池パネル10の金属枠102どうしが電気的に接続される。本実施形態では、各列の3枚の太陽電池パネル10のうちの何れか1枚の太陽電池パネル10の金属枠102を接地することにより、それら3枚の太陽電池パネル10をまとめて接地することができる。
【0063】
ここで、本実施形態では、境界用押え金具25はボルト254等を介して低支持金具23や高支持金具24にも電気的に接続されている。更に、配列端に位置する太陽電池パネル10の金属枠102が、面取り261b-1のバリ261b-2を介して端部押え金具26に電気的に接続され、この端部押え金具26がボルト263等を介して低支持金具23や高支持金具24に電気的に接続されている。つまり、本実施形態では、1列の太陽電池パネル10の並びにおいて、低支持金具23や高支持金具24、端部押え金具26、金属枠102、境界用押え金具25、低支持金具23や高支持金具24及び隣の金属枠102、というように連続して電気的に接続される。そして、この並びの端部では、金属枠102、端部押え金具26、低支持金具23や高支持金具24というように電気的に接続される。
【0064】
そして、本実施形態では、太陽光発電設備1の全体の接地が次のように行われる。まず、各列の端部に位置する低支持金具23や高支持金具24の補強リブ232a,242aの取付け孔232a-1,242a-1(
図5及び
図6参照。)が、
図1中の配列方向D11に隣り合う配列どうしの間でケーブル接続される。このケーブル接続により、太陽光発電設備1における太陽電池パネル10の金属枠102、低支持金具23、高支持金具24、境界用押え金具25、及び端部押え金具26といった各種金属部品が、全体として一まとめに電気的に接続された状態となる。更に、
図1に示されている二次元配列の角のようにアクセスし易い位置の低支持金具23や高支持金具24の取付け孔232a-1,242a-1から建物や大地にアース線を介して接地される。
【0065】
また、本実施形態では、太陽電池パネル10の設置場所が、平坦な領域としての陸屋根A11である。そして、低支持金具23や高支持金具24は、陸屋根A11に低支持金具23や高支持金具24と一対一に設置された置き基礎21に固定される。これにより、複数の低支持金具23や複数の高支持金具24それ自体についても、置き基礎21を用いたシンプルな設置構造が採用されていることから、施工コストを一層抑えることができる。
【0066】
図1や
図2に示されている本実施形態の太陽光発電設備1では、設備を構成する太陽電池パネル設置構造として、上述した本実施形態の太陽電池パネル設置構造20が採用されているので、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができる。
【0067】
次に、上述した本実施形態の太陽電池パネル設置構造20を利用して、太陽電池パネル10を陸屋根A11に設置して太陽光発電設備1を構成するための太陽電池パネル施工方法について説明する。
【0068】
本実施形態の太陽電池パネル施工方法は、支持金具設置工程と、押え金具設置工程と、を備えている。
【0069】
図11は、本実施形態の太陽電池パネル施工方法における支持金具設置工程を示す模式図である。この
図11では、説明の簡単化のために、1枚の太陽電池パネル10の設置を例に挙げて、この太陽電池パネル10を支持する2つの低支持金具23と2つの高支持金具24を4つの置き基礎21に設置する手順が示されている。
【0070】
まず、ステップS11において、太陽光発電設備1の設計寸法に基づいて、陸屋根A11における置き基礎21の設置位置の位置決めが行われ、決められた各位置に置き基礎21が、陸屋根A11との間にブチルゴムシート22(
図3参照。)を挟んで設置される。更に、このステップS11では、設置された複数の置き基礎21に対し、太陽光発電設備1の設計寸法に基づいて、各置き基礎21におけるアンカーボルト211の設置位置の位置決めが行われる。決められた各位置にアンカーボルト211の設置孔が穿たれてアンカーボルト211が捩じ込まれる。以上のステップS11により、低支持金具23及び高支持金具24を設置するためのベースが完成する。
【0071】
尚、アンカーボルトについては、本実施形態のように設置孔への捩じ込みによって取り付けられるアンカーボルト211に限るものではない。アンカーボルトは、本実施形態とは異なり、設置孔に充填される接着剤によって固定されるいわゆるケミカルアンカー等であってもよい。
【0072】
次のステップS12において、2つの低支持金具23と2つの高支持金具24が仮置きされる。尚、
図11では、図中右側が太陽電池パネル10の傾斜方向D13の低位側、図中左側が傾斜方向D13の高位側に相当する。このため、図中右側の2つの置き基礎21のそれぞれに低支持金具23が1つずつ仮置きされ、図中左側の2つの置き基礎21のそれぞれに高支持金具24が1つずつ仮置きされる。仮置きは、置き基礎21のアンカーボルト211が低支持金具23の貫通孔231aや高支持金具24の貫通孔241aに挿入されるように、低支持金具23や高支持金具24が置き基礎21の上面に置かれることで行われる。このステップS12の段階では、低支持金具23や高支持金具24が、各アンカーボルト211を軸とした軸回りに動けるようになっている。
【0073】
ステップS13では、金属枠102における4つの支持孔102aに対する、2つの低支持金具23及び2つの高支持金具24それぞれの突起部233b,243bの相対的な位置合わせが行われる。本実施形態では、この位置合わせに、金属枠102における4つの支持孔102aを模擬した位置決め治具5が用いられる。この位置決め治具5は、2本の棒部材511を各中央で回動自在に連結した第1治具51と、1本の棒部材からなり第1治具51の回動量を規制する第2治具52と、を備えている。
【0074】
【0075】
第1治具51は、上述したように2本の棒部材511を各中央で回動自在に連結したものである。これにより、第1治具51は、矢印D14方向に開閉自在となっており、畳んで1本の棒状にして簡単に持ち運べるようにすることができる。
【0076】
各棒部材511の両端には、低支持金具23の突起部233bや高支持金具24の突起部243bの位置決め孔511aが設けられている。各位置決め孔511aは、
図11に低支持金具23の突起部233bを例に挙げて示されているように、帯板状の突起部233bが嵌入されるように長方形状の貫通孔となっている。このため、各位置決め孔511aに嵌入された突起部233b,243bは、位置決め孔511aの中では軸回りの回転等が不能となりその姿勢が規制される。
【0077】
また、各棒部材511における、
図12中の右側の端部には、位置決め孔511aの隣に、第2治具52を取付けるための取付け孔511bが設けられている。
【0078】
第2治具52は、上述したように1本の棒部材であり、その両端に第1治具51の各棒部材511の取付け孔511bに嵌入される取付け突起521が立設されている。
図13には、第2治具52を側面から見たときと、この第2治具52を取付け突起521の側から見たときと、の双方についての平面図が示されている。
【0079】
この第2治具52の長さは、
図2に示されている金属枠102における4つの支持孔102aにおける、太陽電池パネル10の短辺方向の間隔に対応した長さとなっている。このため、第2治具52を、各取付け突起521が各取付け孔511bに嵌入するように第1治具51に取付けると、4つの位置決め孔511aが、金属枠102における4つの支持孔102aの配置と同様の配置で並ぶこととなる。また、
図12に示されているように、このときには、各々が長方形状である4つの位置決め孔511aは、各位置決め孔511aの長手方向が、高位側及び低位側それぞれにおいて2個ずつ直線状に並ぶように配置される。本実施形態では、まず、1本の棒状で作業現場まで運ばれた第1治具51が
図11や
図12に示されているように展開される。そして、第2治具52が取り付けられることで、金属枠102における4つの支持孔102aを模擬した位置に4つの位置決め孔511aが並んだ位置決め治具5が完成する。
【0080】
図11のステップS13では、仮置きされた2つの低支持金具23及び2つの高支持金具24それぞれの突起部233b,243bが、4つの位置決め孔511aに嵌入するように位置決め治具5が、2つの低支持金具23及び2つの高支持金具24に載置される。この載置において、各突起部233b,243bの位置及び姿勢が、各位置決め孔511aへの嵌入によって案内されて、金属枠102における4つの支持孔102aへの挿入が可能な位置及び姿勢へと調節される。
【0081】
ステップS13では、このように各突起部233b,243bの位置及び姿勢が調節された状態で、2つの低支持金具23及び2つの高支持金具24それぞれが、ナット213のアンカーボルト211への締結により置き基礎21に固定される。
【0082】
そして、以上に説明したステップS11~ステップS13に至る支持金具設置工程に続いて、太陽電池パネル10の低支持金具23及び高支持金具24への載置を含む、押え金具設置工程が行われる。
【0083】
図14は、
図13に示されている支持金具設置工程に続いて行なわれる押え金具設置工程において、太陽電池パネルが低支持金具及び高支持金具に載置される様子を示す模式図である。この
図14では、1枚の太陽電池パネル10の載置が、高支持金具24を例に挙げて示されている。
【0084】
本実施形態では、
図4に示されているように、金属枠102における一対の長辺それぞれに2つずつ支持孔102aが設けられている。
図14の例では、太陽電池パネル10が、金属枠102の一方の長辺における2つの支持孔102aから先に、高支持金具24の突起部243b及び低支持金具23の突起部233bが挿入される。続いて、これらの突起部233b,243bを回動中心として、太陽電池パネル10が矢印D15方向に降ろされる。これにより、金属枠102のもう一方の長辺における2つの支持孔102aに、高支持金具24の突起部243b及び低支持金具23の突起部233bが挿入されて、太陽電池パネル10が低支持金具23及び高支持金具24に載置される。
図11を参照して説明したように、突起部233b,243bの位置及び姿勢が調節されているので、この
図14に示されている突起部233b,243bの挿入はスムーズに行われる。また、本実施形態では、各支持孔102aが長孔に形成されていることも、突起部233b,243bのスムーズな挿入に寄与することとなる。
【0085】
本実施形態では、上述した支持金具設置工程及び、
図14を参照して説明した太陽電池パネル10の載置が、まず、
図1に示されている太陽電池パネル10の配列のうち、太陽電池パネル10の短辺に沿った配列方向D12の1列分について行なわれる。そして、この1列分の太陽電池パネル10の載置が終了すると、
図9を参照して説明した境界用押え金具25の設置と、
図10を参照して説明した端部押え金具26の設置と、が行われる。以上の処理が、
図1に示されている太陽電池パネル10の全ての列について行なわれて、本実施形態の太陽光発電設備1を構成するための太陽電池パネル施工方法が終了する。
【0086】
以上に説明した本実施形態の太陽電池パネル施工方法では、上述した太陽電池パネル設置構造20が用いられて太陽電池パネル10が設置されるので、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができる。また、支持金具設置工程の段階で、金属枠102における4つの支持孔102aに対する低支持金具23及び高支持金具24それぞれの突起部233b,243bの相対的な位置合わせが行われるので太陽電池パネル10の設置が効率的に行われる。本実施形態の太陽電池パネル施工方法によれば、この点においても、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができる。
【0087】
また、本実施形態の太陽電池パネル施工方法では、支持金具設置工程において、低支持金具23及び高支持金具24それぞれの突起部233b,243bの位置合わせが、位置決め治具5の利用によりまとめて行われる。このため、太陽電池パネル10の設置が一層効率的に行われるので、施工コストを一層抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができる。
【0088】
尚、本発明にいう位置決め治具は、
図11~
図13に示されている位置決め治具5に限るものではなく、金属枠102における支持孔102aを模擬したものであれば、例えば以下に説明する別例の位置決め治具等であってもよい。
【0089】
【0090】
別例の位置決め治具6は、2本の棒部材611を各中央で回動自在に連結した第1治具61と、第1治具61の回動量を規制する2本の第2治具62と、を備えている。
【0091】
第1治具61は、矢印D21方向に開閉自在となっており、別例の位置決め治具6を後述のように畳んで1本の棒状にして簡単に持ち運べるようにすることができる。
【0092】
2本の第2治具62それぞれの両端には、低支持金具23の突起部233bや高支持金具24の突起部243bの位置決め孔621が設けられている。ここで、この別例では、各低支持金具23や高支持金具24に2つずつ設けられている突起部233b,243bが2つとも嵌入されるように、長方形の貫通孔に形成された位置決め孔621が、各第2治具62の各端部に2つずつ設けられている。
【0093】
また、各第2治具62には、第1治具61をなす2本の棒部材611それぞれにおける同じ側の一端部が、ネジ63により固定されている。ここでの固定は、第1治具61の矢印D21方向の開閉を妨げないように、回動自在な固定となっている。また、各棒部材611における反対側の端部には、ちょうネジ64が、2本の第2治具62に対して着脱自在に取り付けられている。
【0094】
図16は、
図15に示されている別例の位置決め治具が畳まれた状態で作業現場まで運ばれ、作業現場で展開される様子を示す図である。
【0095】
別例の位置決め治具6は、
図16に示されているように、ちょうネジ64が2本の第2治具62それぞれに固定されていない状態で畳んで1本の棒状に畳んで持ち運ぶことができる。この状態で作業現場まで運ばれると第1治具61が図中の矢印D211方向に開かれる。ここで、2本の第2治具62それぞれには、ちょうネジ64が捩じ込まれるネジタップ622が設けられている。第1治具61は、各ちょうネジ64の位置が各第2治具62のネジタップ622の位置と一致する状態になるまで矢印D211方向に開かれる。そして、その状態において、各ちょうネジ64が各ネジタップ622に捩じ込まれて固定されて、
図15に示されている状態となる。
【0096】
別例の位置決め治具6は、この状態において、2本の第2治具62の相互間における位置決め孔621の間隔が、次のような間隔となるように設定されている。即ち、このときの位置決め孔621の間隔が、
図2に示されている金属枠102における4つの支持孔102aにおける、太陽電池パネル10の短辺方向の間隔に略一致するように、第1治具61の端部の固定箇所が設定されている。ここで、第2治具62の各端部における2つの位置決め孔621のうち、第1治具61に近い方の位置決め孔621が、金属枠102の支持孔102aを模擬した孔となっている。このため、展開状態の第1治具61と2本の第2治具62とを組み合わせると、第1治具61に近い方の4つの位置決め孔621が、金属枠102における4つの支持孔102aの配置と同様の配置で並ぶこととなる。
【0097】
更に、この別例では、上記のように第2治具62の端部には、各低支持金具23や高支持金具24における突起部233b,243bが2つとも嵌入されるように、金属枠102の支持孔102aの模擬も含めて位置決め孔621が2つずつ設けられている。このため、第1治具61と第2治具62とを組み合わせると、1枚の太陽電池パネル10を保持するための2つの低支持金具23や2つの高支持金具24における突起部233b,243bの配列に対応するように4つの位置決め孔621が並ぶこととなる。
【0098】
以上に説明した別例の位置決め治具6を用いると、各突起部233b,243bの位置及び姿勢が、金属枠102における4つの支持孔102aへの挿入が可能な位置及び姿勢となるように次のように調節される。
【0099】
図17は、
図15及び
図16に示されている別例の位置決め治具を用いて、低支持金具や高支持金具における突起部の位置及び姿勢が調節される様子を示す図である。
【0100】
この
図17のステップS21に示されているように、上記の位置及び姿勢の調節に当たっては、置き基礎21に仮置きされた2つの低支持金具23及び2つの高支持金具24に別例の位置決め治具6が載置される。このときの載置は、ステップS22に示されているように、仮置きされた2つの低支持金具23及び2つの高支持金具24それぞれに2つずつ設けられた突起部233b,243bが、8つの位置決め孔621に嵌入するように行われる。この載置において、各突起部233b,243bの位置及び姿勢が、各位置決め孔621への嵌入によって案内されて、金属枠102における4つの支持孔102aへの挿入が可能な位置及び姿勢へと調節される。また、この別例では、低支持金具23や高支持金具24に2つずつ設けられた突起部233b,243bが、2つとも位置決め孔621に嵌入される。これにより、各低支持金具23や各高支持金具24が各々確実に平行保持されるので、一層厳密に各突起部233b,243bの位置及び姿勢を調節することができる。
【0101】
以上で、本実施形態における太陽電池パネル施工方法について位置決め治具の別例も含めた説明を終了し、次に、太陽光発電設備1を構成するための太陽電池パネル施工方法について、本実施形態の太陽電池パネル施工方法とは異なる別例について説明する。
【0102】
この別例の太陽電池パネル施工方法も、本実施形態の太陽電池パネル施工方法と同様に、支持金具設置工程と、押え金具設置工程と、の2工程を経て太陽電池パネル10を設置する方法である。
【0103】
図18は、別例の太陽電池パネル施工方法における支持金具設置工程を示す模式図である。この
図18でも、説明の簡単化のために、1枚の太陽電池パネル10の設置を例に挙げて、この太陽電池パネル10を支持する2つの低支持金具23と2つの高支持金具24を4つの置き基礎21に設置する手順が示されている。
【0104】
この
図18におけるステップS21では、
図11のステップS11と同様の手順により陸屋根A11への置き基礎21の設置と、各置き基礎21へのアンカーボルト211の設置と、が行われる。
【0105】
別例の太陽電池パネル施工方法では、次のステップS22において、太陽電池パネル10の金属枠102における一方の長辺のみを支持する低支持金具23及び高支持金具24が置き基礎21に仮置きされる。
【0106】
そして、次のステップS23において、まず、残りの低支持金具23及び高支持金具24について、各支持孔102aに各突起部233b,243bを挿入することで太陽電池パネル10に対して仮組付けが行われる。続いて、これらの低支持金具23及び高支持金具24が、太陽電池パネル10と一緒に設置される。
【0107】
図19は、
図18に示されている支持金具設置工程のステップS23において、一組の低支持金具及び高支持金具が、太陽電池パネルと一緒に設置される様子を示す模式図である。この
図19では、1枚の太陽電池パネル10の設置が、高支持金具24を例に挙げて示されている。
【0108】
ここでの太陽電池パネル10の設置は、作業者が、仮組付けした低支持金具23及び高支持金具24を手で支えながら行われる。まず、太陽電池パネル10が、仮組み対象外の2つの支持孔102aに、置き基礎21に仮置きされている高支持金具24の突起部243b及び低支持金具23の突起部233bが挿入される。続いて、これらの突起部233b,243bを回動中心として、太陽電池パネル10と一緒に低支持金具23及び高支持金具24が矢印D16方向に降ろされる。これにより、低支持金具23の貫通孔231a(
図5参照。)及び高支持金具24の貫通孔241a(
図6参照。)に、置き基礎21のアンカーボルト211が挿入される。この段階では、何れの低支持金具23及び高支持金具24もまだアンカーボルト211に固定はされていない。このため、太陽電池パネル10と一緒に低支持金具23及び高支持金具24が降ろされる際に、自然と馴染む位置へと低支持金具23及び高支持金具24が移動する。これにより、この別例の太陽電池パネル施工方法における支持金具設置工程では、金属枠102における4つの支持孔102aに対する低支持金具23及び高支持金具24それぞれの突起部233b,243bの相対的な位置合わせが行われる。この後、低支持金具23及び高支持金具24それぞれが、アンカーボルト211へのナット213の締結により置き基礎21に固定される。
【0109】
そして、以上に説明したステップS21~ステップS23に至る支持金具設置工程に続いて、既に設置済みの太陽電池パネル10の金属枠102を低支持金具23や高支持金具24との間に挟持するように押え金具設置工程が行われる。この押え金具設置工程では、
図9を参照して説明した境界用押え金具25の設置と、
図10を参照して説明した端部押え金具26の設置と、が行われる。以上の処理が、
図1に示されている太陽電池パネル10の全ての列について行なわれて、この別例の太陽電池パネル施工方法が終了する。
【0110】
以上に説明した別例の太陽電池パネル施工方法によっても、上述した実施形態の太陽電池パネル施工方法と同様に、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができることは言うまでもない。
【0111】
また、別例の太陽電池パネル施工方法では、支持金具設置工程において、太陽電池パネル10に対する低支持金具23や高支持金具24の仮組付けにより、太陽電池パネル10の設置と各突起部233b,243bの位置合わせとが一緒に行われる。このため、太陽電池パネル10の設置が一層効率的に行われるので、施工コストを一層抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができる。
【0112】
ここで、
図11~
図14を参照して説明した実施形態の太陽電池パネル施工方法と、
図18及び
図19を参照して説明した別例の太陽電池パネル施工方法と、の何れにおいても、低支持金具23や高支持金具24について次のような高さ調節が可能となっている。
【0113】
図20は、低支持金具や高支持金具について行なわれる高さ調節について、高支持金具を例に挙げて説明する模式図である。
【0114】
この
図20の例では、太陽電池パネル10において傾斜方向と交差する短辺に沿った方向についての水平位置合わせのために各長辺を支持する低支持金具23や高支持金具24の高さ調節が行われている。この高さ調節は、低支持金具23や高支持金具24と太陽電池パネル10の金属枠102との間に、金属板状のスペーサ27を適宜の枚数介在させることで行われる。
【0115】
【0116】
この
図21に示されているように、スペーサ27は、略長方形状の金属板であり、
図5に示されている低支持金具23の支持板部233や、
図6に示されている高支持金具24の支持板部243に載置される。その中央には、境界用押え金具25や端部押え金具26を固定するためのボルト254が通る貫通孔271が設けられている。また、各短辺の近傍には、低支持金具23の突起部233bや高支持金具24の突起部243bが通る切欠き272が形成されている。これにより、スペーサ27は、各突起部233b,243bを避けつつ、また、ボルト254の取付けを妨げることなく、低支持金具23の支持板部233や、
図6に示されている高支持金具24の支持板部243に載置することが可能となっている。
【0117】
図20の例では、複数の置き基礎21の相互間における上面高さの微妙な差異等により、高支持金具24の高さに差異が生じている。ここでの例では、図中右側の高支持金具24が最も高く、次いで図中左側の高支持金具24、中央の高支持金具24の順で、高さが低くなっている。このままで太陽電池パネル10が設置されると、一対の高支持金具24の相互間で傾きが生じる。このような傾きを回避するために、図中左側の高支持金具24と、中央の高支持金具24とに、スペーサ27が載置されて、図中右側の高支持金具24に対して高さ合せが行われている。載置されるスペーサ27の枚数は、中央の高支持金具24の方が多くなっている。
【0118】
以上、説明したように、本実施形態や上記の別例では、
図21に示されているスペーサ27を用いて、低支持金具23や高支持金具24の高さ調節を行うことができる。
【0119】
次に、本発明の第2~第6の各実施形態について説明する。これらの実施形態は、何れも、太陽電池パネル設置構造が上述した第1実施形態とは異なっている。以下、各実施形態について、この第1実施形態との相違点である太陽電池パネル設置構造に注目して説明を行う。他方、基本的に第1実施形態と同等なものとなる太陽光発電設備及び太陽電池パネル施工方法については説明を割愛する。
【0120】
<第2実施形態>
図22は、本発明の第2実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。この
図22では、
図1に示されている構成要素と同等な構成要素については、
図1と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素の重複説明を省略する。
【0121】
まず、第2実施形態の太陽電池パネル設置構造70は、設置場所として、第1実施形態のような平坦な陸屋根A11とは異なり、必ずしも平坦ではなく各所の間である程度の高低差がある陸屋根A701に設けられている。このような陸屋根A701の一例としては、流れ勾配のある複数の屋根板で構成されたものや、目地があるもの等というように、表面に段差のある屋根が挙げられる。そして、本実施形態では、
図1に示されている置き基礎21に替わって設置台701が用いられている。
【0122】
設置台701は、陸屋根A701に、低支持金具23や高支持金具24といった複数の支持金具と一対一に設置される。各設置台701は、以下に説明するように陸屋根A701からの高さについて調節自在に構成されて、対応する支持金具が固定される。設置台701に固定された低支持金具23や高支持金具24、及び、境界用押え金具25や端部押え金具26による太陽電池パネル10の支持構造は、上述した第1実施形態と同じである。
図22では、端部押え金具26を用いた太陽電池パネル10の端部の支持構造の側面図が、代表例として示されている。
【0123】
図23は、
図22に示されている設置台及び、その周辺構造の拡大図である。
【0124】
設置台701は、樹脂製で略円柱状の本体部702と、同じく樹脂製で略円板状の台座部703と、を備えている。本体部702は、陸屋根A701との間に、屋根側からブチルゴムシート705aと金属板705bとを挟んで、アンカーボルト704を介して陸屋根A701に固定されている。ブチルゴムシート705aと金属板705bは、アンカーボルト704が陸屋根A701に穴を穿って捩じ込まれることに対する防水の働きを担っている。本体部702の上部は、雄ネジが形成されたネジ部702aとなっており、このネジ部702aに、台座部703に形成された雌ネジが噛み合わされている。本体部702のネジ部702aに対する台座部703の取付け高さを調節することで、設置台701の高さH701、即ち、陸屋根A701から、台座部703の上面までの高さH701が調節自在となっている。
【0125】
本体部702の上端からは、上記の支持金具を台座部703の上面に固定するための固定用ボルト706が、台座部703の中央に設けられた貫通孔を貫通して上方に突出するように設けられている。
図23では、支持金具の代表例として高支持金具24が示されている。高支持金具24は、載置板部241の貫通孔241aを貫通した固定用ボルト706に、平ワッシャ707、バネワッシャ708を介してナット709が締結されることで台座部703の上面に固定される。図示は省略するが、低支持金具23も同様の固定構造により対応する設置台701の台座部703の上面に固定される。
【0126】
尚、本実施形態では、本発明にいう設置台の一例として、市販されているフクビ化学工業製のマルチポスト(登録商標)を採用した設置台701が例示されている。しかしながら、本発明にいう設置台はこれに限るものではなく、設置場所からの高さが調節可能なものであればその具体的な態様を問うものではない。
【0127】
以上に説明した第2実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様に、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができることは言うまでもない。
【0128】
ここで、本実施形態では、第1実施形態とは異なり、設置場所が陸屋根A701となっているが、陸屋根A701では、その各所の相互間で高低差が生じている場合がある。本実施形態によれば、このような場所であっても、設置台701の高さH701、即ち各支持金具の設置高さを調節することで陸屋根A701における高低差を吸収して太陽電パネル10を良好に設置することができる。
【0129】
<第3実施形態>
図24は、本発明の第3実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。この
図24では、
図22に示されている第2実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図22と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素の重複説明を省略する。
【0130】
この第3実施形態の太陽電池パネル設置構造75も、上述の第2実施形態と同様に、設置場所として、屋外の陸屋根A701に設けられている。そして、本実施形態では、
図1に示されている置き基礎21に替わってアンカーボルト751が用いられている。
【0131】
アンカーボルト751は、陸屋根A701に、低支持金具23や高支持金具24といった複数の支持金具と一対一に設置される。各支持金具は、対応するアンカーボルト751に、以下に説明するように陸屋根A701からの高さについて調節自在に固定される。アンカーボルト751に固定された低支持金具23や高支持金具24、及び、境界用押え金具25や端部押え金具26による太陽電池パネル10の支持構造は、上述した第1実施形態と同じである。
図24では、端部押え金具26を用いた太陽電池パネル10の端部の支持構造の側面図が、代表例として示されている。
【0132】
図25は、
図24に示されているアンカーボルト、及び、その周辺構造の拡大図である。
【0133】
アンカーボルト751は、1本の棒状の全ネジボルトである。アンカーボルト751の下端751aは陸屋根A701に埋設されている。そして、この下端751aの側に、陸屋根A701との間にブチルゴムシート705aと金属板705bとバネワッシャ752を挟んでナット753が締結されている。このナット753の締結によりアンカーボルト751は陸屋根A701に略垂直に立設される。
【0134】
アンカーボルト751の先端751bの側には、ダブルナット754が締結されている。このダブルナット754の締結位置によって、低支持金具23や高支持金具24の陸屋根A701からの高さH751が決まる。また、ダブルナット754の緩み止め効果により、各支持金具の高さH751は安定した状態で維持される。
【0135】
図25では、支持金具の代表例として高支持金具24が示されている。高支持金具24は、アンカーボルト751が載置板部241の貫通孔241aを貫通するように、ダブルナット754における上側のナット754aに、バネワッシャ755と平ワッシャ756とを間に挟んで載置される。さらに、アンカーボルト751の先端751bの側に、平ワッシャ757を介してナット758が締結されることで載置板部241がアンカーボルト751に固定される。図示は省略するが、低支持金具23も同様の固定構造により対応するアンカーボルト751に固定される。
【0136】
以上に説明した第3実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様に、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができることは言うまでもない。
【0137】
また、本実施形態によれば、各所に高低差のある陸屋根A701であっても、アンカーボルト751に対する各支持金具の取付け高さを調節することで陸屋根A701における高低差を吸収して太陽電パネル10を良好に設置することができる。
【0138】
<第4実施形態>
図26は、本発明の第4実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図であり、
図27は、
図26に示されている太陽電池パネル設置構造を、図中の矢印V801方向から見た図である。これらの
図26及び
図27では、
図22に示されている第2実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図22と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素の重複説明を省略する。
【0139】
この第4実施形態の太陽電池パネル設置構造80も、上述の第2実施形態と同様に、設置場所として、屋外の陸屋根A701に設けられている。そして、本実施形態では、
図1に示されている置き基礎21に替わって支持レール801が用いられている。
【0140】
支持レール801は、
図4及び
図27に示されている仮想線101cと交差する支持孔102aの配列方向D801(つまりは、太陽電池パネル10の幅方向)に延在するように陸屋根A701に設置される。このとき、支持レール801は、陸屋根A701からの高さについて調節自在となるように複数本のアンカーボルト802を介して陸屋根A701に設置される。また、支持レール801は、低支持金具23や高支持金具24それぞれの下方を通るように複数本が設置される。そして、低支持金具23や高支持金具24といった複数の支持金具それぞれが支持レール801に固定される。低支持金具23は、低支持金具23の下方を通る支持レール801に固定され、高支持金具24は、高支持金具24の下方を通る支持レール801に固定される。
【0141】
ここで、本実施形態では、支持レール801は、支持金具の数よりも少ない本数のアンカーボルト802を介して陸屋根A701に設置される。具体的には、複数の支持金具の配列において一つ置きに支持金具に対応する位置にアンカーボルト802を介して支持レール801が陸屋根A701に設置される。アンカーボルト802に対応する位置の支持金具はこのアンカーボルト802を介して支持レール801に固定される。他方、アンカーボルト802の相互間に位置する支持金具は、このアンカーボルト802よりも若干細い固定ボルト803を介して支持レール801に固定される。
【0142】
図28は、
図26及び
図27に示されているアンカーボルト及び固定ボルトと、それぞの周辺構造の拡大図である。
【0143】
アンカーボルト802は、1本の棒状の全ネジボルトである。アンカーボルト802の下端802aは陸屋根A701に埋設されている。そして、この下端802aの側に、陸屋根A701との間にブチルゴムシート705aと金属板705bとバネワッシャ805を挟んでナット806が締結されている。このナット806の締結によりアンカーボルト802は陸屋根A701に略垂直に立設される。
【0144】
アンカーボルト802の先端802bの側には、ダブルナット807が締結されている。このダブルナット807の締結位置によって、支持レール801の陸屋根A701からの高さH801が決まる。また、ダブルナット807の緩み止め効果により、支持レール801の高さH801は安定した状態で維持される。支持レール801は、アンカーボルト802がこの支持レール801の上壁801aを貫通するように、ダブルナット807における上側のナット807aに平ワッシャ808を間に挟んで載置される。
【0145】
図28では、支持金具の代表例として高支持金具24が示されている。高支持金具24がアンカーボルト802を介して支持レール801に固定される箇所では、次のような固定構造となっている。即ち、この箇所では、高支持金具24は、アンカーボルト802が載置板部241の貫通孔241aを貫通するように、支持レール801に載置される。さらに、アンカーボルト802の先端802bの側にバネワッシャ809を介してナット810が締結されることで載置板部241が支持レール801に固定される。
【0146】
他方、高支持金具24がアンカーボルト802を介さずに固定ボルト803によって支持レール801に固定される箇所では、次のような固定構造となっている。即ち、この箇所では、固定ボルト803が、ボルト頭803aと支持レール801の上壁801aとの間に平ワッシャ811を挟んで、上壁801aを貫通する。そして、高支持金具24は、その固定ボルト803が載置板部241の貫通孔241aを貫通するように支持レール801に載置される。さらに、固定ボルト803の先端803bの側にバネワッシャ812を介してナット813が締結されることで載置板部241が支持レール801に固定される。
【0147】
図示は省略するが、低支持金具23も同様に上述した2種類の固定構造により支持レール801に固定される。
【0148】
以上に説明した第4実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様に、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができることは言うまでもない。
【0149】
また、本実施形態によれば、各所に高低差のある陸屋根A701であっても、支持レール801の設置高さを調節することで陸屋根A701における上記のような高低差を吸収して太陽電パネル10を良好に設置することができる。
【0150】
また、本実施形態では、支持レール801が、複数の支持金具の数よりも少ない本数のアンカーボルト802を介して陸屋根A701に設置される。これにより、支持レール801を設置するためのアンカーボルト802のボルト数を抑えることができるので施工コストを低減することができる。
【0151】
<第5実施形態>
図29は、本発明の第5実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。この
図29では、
図22に示されている第2実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図22と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素の重複説明を省略する。
【0152】
この第5実施形態の太陽電池パネル設置構造85は、上述の第1実施形態と同様に、設置場所として、平坦な陸屋根A851に設けられている。そして、本実施形態では、
図1に示されている置き基礎21を用いずに低支持金具23や高支持金具24といった複数の支持金具が陸屋根A851にアンカーボルト851を介して直に固定されている。
【0153】
本実施形態におけるアンカーボルト851は、支持金具を陸屋根A851に直に固定するのに必要な長さしか有しておらず、
図24や
図25に示されている第3実施形態におけるアンカーボルト751よりも短くなっている。本実施形態では、この短いアンカーボルト851が、陸屋根A851に、低支持金具23や高支持金具24といった複数の支持金具と一対一に設置される。このアンカーボルト851を介して陸屋根A851に直に固定された低支持金具23や高支持金具24、及び、境界用押え金具25や端部押え金具26による太陽電池パネル10の支持構造は、上述した第1実施形態と同じである。
図29では、端部押え金具26を用いた太陽電池パネル10の端部の支持構造の側面図が、代表例として示されている。
【0154】
図30は、
図29に示されているアンカーボルト及び、その周辺構造の拡大図である。
【0155】
アンカーボルト851は、1本の棒状のボルトである。アンカーボルト851の下端851aは陸屋根A851に埋設されている。
【0156】
ここで、
図30では、支持金具の代表例として高支持金具24が示されている。高支持金具24は、アンカーボルト851が載置板部241の貫通孔241aを貫通するように、陸屋根A851との間にブチルゴムシート705aと金属板705bを挟んで載置される。そして、アンカーボルト851の先端851bの側に、平ワッシャ852及びバネワッシャ853を介してナット854が締結されることで載置板部241が陸屋根A851に固定される。図示は省略するが、低支持金具23も同様の固定構造により対応するアンカーボルト851を介して陸屋根A851に固定される。
【0157】
以上に説明した第4実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様に、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができることは言うまでもない。
【0158】
また、本実施形態によれば、各所における高低差が少なく、支持金具の設置高さの調節が不要な場合に、この支持金具の固定構造について単純化できるので施工コストを低減することができる。
【0159】
<第6実施形態>
図31は、本発明の第6実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。
図32は、
図31に示されている太陽電池パネル設置構造を、図中の矢印V901方向から見た図であり、
図33は、
図31に示されている太陽電池パネル設置構造を、図中の矢印V902方向から見た図である。これらの
図31~
図33では、
図22に示されている第2実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図22と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素の重複説明を省略する。
【0160】
この第6実施形態の太陽電池パネル設置構造90は、ここまでに説明した第1~第5実施形態とは異なり、設置場所として、屋外にあって大きな高低差が想定される大地A901に設けられている。ここでの例では、
図32に模式的に示されているように、長方形状の太陽電池パネル10の短辺に沿った幅方向について、大地A901の各所には高低差が生じている。そして、本実施形態では、
図1に示されている置き基礎21に替わって、大地A901の各所に固定設置される直方体ブロック状の長基礎901が用いられている。本実施形態では、太陽電池パネル10における傾斜に沿った支持孔102aの配列方向、即ち太陽電池パネル10の長辺に沿って延在するように長基礎901が配置される。各長基礎901は、大地A901にアンカーボルト902によって固定される。また、長基礎901は、大地A901との間に不図示の防草シートを挟んで配置される。アンカーボルト902はこの防草シートを貫通して大地A901に埋設設置される。
【0161】
長基礎901の上面には、その長手方向に沿って溝部903が形成されている。この溝部903は、後述の支持金具が固定される立設ボルト904を保持するためのもので、溝部903の開口903aの幅は、この立設ボルト904の径よりも若干広めの幅となっている。一方で、溝部903の内部903bの幅は、開口903aの幅よりも広くなっており、具体的には、立設ボルト904の下端904aに取り付けられるナット905が溝部903の内部903bに回転不能に収まる幅となっている。
【0162】
立設ボルト904は、下端904aのナット905が溝部903の内部903bに収まった状態で立設される。そして、溝部903の上方から、開口903aの縁903a-1、平ワッシャ906、及びバネワッシャ907が通されて、更に、ナット908が締結されることで立設ボルト904が長基礎901に固定される。このように固定された立設ボルト904の先端904bの側に、太陽電池パネル10を支持する低支持金具909や高支持金具910が大地A901からの高さH901について調節自在に固定される。
図32には、太陽電池パネル10の幅方向について3通りの高低差のある大地A901に、太陽電池パネル10を、幅方向について一定の高さで支持するべく、3通りに調節された高さH901が例示されている。
【0163】
本実施形態における低支持金具909や高支持金具910は、図中上下方向の高さが、これまでの第1~第5の各実施形態における低支持金具23や高支持金具24よりも高い。また、本実施形態における低支持金具909や高支持金具910は、太陽電池パネル10を支持する後述の支持板部の形状が、第1~第5の各実施形態における低支持金具23や高支持金具24とは異なっている。その他、境界用押え金具25や端部押え金具26を介した太陽電池パネル10の支持構造は第1~第5の各実施形態における低支持金具23や高支持金具24と同等である。
【0164】
図34は、
図33に示されている立設ボルト、及び、その周辺構造の拡大図である。
【0165】
立設ボルト904は、1本の棒状の全ネジボルトである。この立設ボルト904の先端904bの側には、ダブルナット911が締結されている。このダブルナット911の締結位置によって、低支持金具909や高支持金具910の大地A901からの高さH901が決まる。また、ダブルナット911の緩み止め効果により、各支持金具の高さH901は安定した状態で維持される。
【0166】
図34では、支持金具の代表例として高支持金具909が示されている。高支持金具909は、立設ボルト904が後述の載置板部909aの貫通孔909a-1を貫通するように、ダブルナット911における上側のナット911aに、バネワッシャ912と平ワッシャ913とを間に挟んで載置される。さらに、立設ボルト904の先端904bの側に、平ワッシャ914を介してナット915が締結されることで載置板部914が立設ボルト904に固定される。図示は省略するが、低支持金具910も同様の固定構造により対応する立設ボルト904に固定される。
【0167】
【0168】
低支持金具909は、載置板部909aと、立板部909bと、支持板部909cと、を備え、側面視で略Z字型に形成された板金部材である。載置板部909aの略中央にアンカーボルト904が通る貫通孔909a-1が設けられている。立板部909bは、載置板部909aの一端縁から垂直に折り曲げられて立ち上がった部位であり、その両側端縁が載置板部909aの側へと直角に折り曲げられて一対の補強リブ909b-1が形成されている。各補強リブ909b-1には、この低支持金具909を他部品と電気的に接続するためのケーブル等の取付けに利用される取付け孔909b-2が形成されている。支持板部909cは、立板部909bの上端縁から太陽電池パネル10の傾斜角度に応じた勾配の曲げ角で折り曲げられた部位である。支持板部909cには、太陽電池パネル10の支持孔102a(
図4)に挿入される一対の突起部909c-1が設けられている。また、支持板部909cの中央には、境界用押え金具25や端部押え金具26をボルト止め固定するためのボルト穴909c-2が設けられている。
【0169】
ここで、本実施形態では、上述した第1~第5の各実施形態の低支持金具23とは異なり、立板部909bにおける図中上下方向の高さH902が、低支持金具23における高さH1(
図5)よりも高い。また、支持板部909cの立板部909bの上端縁からの勾配が、第1~第5の各実施形態の低支持金具23とは異なり下り勾配となっている。尚、支持板部909cの勾配は、立板部909bから見て太陽電池パネル10の支持孔102aが傾斜の高位側と低位側とのどちら側に位置するかによって決まる。ここでの例では、支持孔102aが立板部909bの低位側に位置しているために支持板部909cの勾配が下り勾配となっている。支持孔102aが立板部909bのどちら側に位置するかは、太陽電池パネル10における支持孔102aのピッチによって決まるので、このピッチによっては、本実施形態とは異なり、支持板部909cの勾配が登り勾配となることもあり得る。
【0170】
高支持金具910は、その高さH903以外は、上記の低支持金具909と略同様の形状を有しており、載置板部910aと、立板部910bと、支持板部910cと、を備え、側面視で略Z字型に形成された板金部材である。載置板部910aの略中央にアンカーボルト904が通る貫通孔910a-1が設けられている。立板部910bは、載置板部910の一端縁から垂直に折り曲げられて立ち上がった部位であり、その両側端縁に一対の補強リブ910b-1が形成されている。各補強リブ910b-1には、この高支持金具910を他部品と電気的に接続するためのケーブル等の取付けに利用される取付け孔910b-2が形成されている。支持板部910cは、立板部910bの上端縁から太陽電池パネル10の傾斜角度に応じ勾配の曲げ角で折り曲げられた部位である。支持板部910cには、太陽電池パネル10の支持孔102a(
図4)に挿入される一対の突起部910c-1が設けられている。また、支持板部910cの中央には、境界用押え金具25や端部押え金具26をボルト止め固定するためのボルト穴910c-2が設けられている。
【0171】
ここで、本実施形態では、上述した第1~第5の各実施形態の高支持金具24とは異なり、立板部910bにおける図中上下方向の高さH903が、高支持金具24における高さH2(
図6)よりも高い。また、支持板部910cの立板部910bの上端縁からの勾配が、第1~第5の各実施形態の高支持金具24とは異なり登り勾配となっている。尚、高支持金具910の支持板部910cの勾配は、上述した低支持金具909の支持板部909cの勾配と同様に、太陽電池パネル10における支持孔102aのピッチによっては、本実施形態とは異なり、下り勾配となることもあり得る。
【0172】
低支持金具909や高支持金具910では、載置板部909a,910aを貫通した立設ボルト904の先端904bの側は、
図32~
図34に示されているように載置板部909a,910aと太陽電池パネル10との間の空間に位置することとなる。低支持金具909や高支持金具910が大地A901から高めの位置に固定される場合、載置板部909a,910aを貫通した部分の長さは短い。他方、低支持金具909や高支持金具910が大地A901から低めの位置に固定される場合、載置板部909a,910aを貫通した部分の長さは長くなる。本実施形態では、低支持金具909や高支持金具910が想定される最も低い位置に固定されても、立設ボルト904の先端904bが太陽電池パネル10に当らないように、低支持金具909の高さH901や高支持金具910の高さH903が長くなっている。
【0173】
ここで、
図24及び
図25に示されている第3実施形態や、
図26~
図28に示されている第4実施形態でも、低支持金具23や高支持金具24が低めに設置されるときには、アンカーボルト751,802の貫通量が大きくなる。ただし、これらの実施形態では、設置場所が、高低差が比較的に小さい陸屋根A701であり、上記の貫通量がそれほど大きくはならないものと想定されている。この点を考慮に入れて、第1、第2、及び第5の各実施形態と同形状の低支持金具23や高支持金具24が採用されている。尚、設置場所としての陸屋根A701の高低差が想定を超えて大きく、アンカーボルト751,802の貫通量が大きくなって太陽電池パネル10に当りそうな場合には次のような構造が採用される。即ち、この場合には、
図20や
図21に示されているスペーサ27を用いることで、低支持金具23や高支持金具24と太陽電池パネル10との間の間隔が拡げられて、アンカーボルト751,802との接触が回避される。
【0174】
これに対し、第6実施形態では、立設ボルト904の下端904aが長基礎901の溝部903の中に収容される構造となっているので、立設ボルト904自体については大地A901から一定の高さとならざるを得ない。このため、本実施形態では、低支持金具909の高さH901や高支持金具910の高さH903を高くすることで、立設ボルト904の貫通量の長短に対応する構成となっている。
【0175】
以上に説明した第6実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様に、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができることは言うまでもない。
【0176】
また、本実施形態によれば、立設ボルト904に対する各支持金具の取付け高さを調節することで大地A901における各所での高低差を吸収して太陽電パネル10を良好に設置することができる。
【0177】
<第7実施形態>
図37は、本発明の第7実施形態にかかる太陽電池パネル設置構造を示す図である。
図37では、
図1に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図1と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素の重複説明を省略する。
【0178】
この第7実施形態の太陽電池パネル設置構造95は、上述の第1実施形態と同様に、設置場所として、平坦な陸屋根A951に設けられている。そして、本実施形態では、
図1に示されている置き基礎21を用いずに次のような低支持金具951や高支持金具952によって太陽電池パネル10が支持される。本実施形態における低支持金具951は、第1実施形態における置き基礎21、アンカーボルト211、及び低支持金具23を一体化した金具であり、ブチルゴムシート953を介して陸屋根A951に直に設置される。同様に、本実施形態における高支持金具952は、第1実施形態における置き基礎21、アンカーボルト211、及び高支持金具24を一体化した金具であり、ブチルゴムシート953を介して陸屋根A951に直に設置される。
【0179】
図38は、
図37に示されている2種類の支持金具について、低支持金具を例に挙げて説明するための斜視図である。
【0180】
低支持金具951は、1枚の金属板に対する折り曲げ加工によって形成された板金部材であり、断面が略C字状に折り曲げられた支持部951aと、支持部951aの一対の下端縁から延在した一対の平板部951bと、を備えている。支持部951aの上面951a-1には、太陽電池パネル10の金属枠102における支持孔102aに挿入される突起部951a-2が一対設けられている。各突起部951a-2は、支持部951aの上面951a-1から切り起こされた部位である。また、一対の突起部951a-2の中間位置には、境界用押え金具25や端部押え金具26をボルト止め固定するためのボルト穴951a-3が設けられている。低支持金具951は、一対の平板部951bが、ブチルゴムシート953を介して陸屋根A951に固定されることで設置される。平板部951bの陸屋根A951への固定は不図示のボルト止め等によって行われる。
【0181】
図37に示されている高支持金具952は、以上に説明した低支持金具951とは、支持部952aの高さを除いて同等な形状となっている。
【0182】
以上に説明した第7実施形態によっても、上述した第1実施形態と同様に、施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができることは言うまでもない。
【0183】
また、本実施形態によれば、置き基礎やアンカーボルトを用いないことから、一層施工コストを抑えて手軽に太陽電池パネル10を設置することができる。
【0184】
尚、以上に説明した第1~第7実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の太陽電池パネル設置構造、太陽光発電設備、及び太陽電池パネル施工方法の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0185】
例えば、上述した実施形態では、本発明にいう太陽光発電設備の一例として、
図1に示されているように配列されたアレイ構造を有する太陽光発電設備1が例示されている。そして、本発明にいう太陽電池パネル設置構造及び太陽電池パネル施工方法の各一例としても、このようなアレイ構造の太陽光発電設備1を設置するための太陽電池パネル設置構造20や、別例を含む2種類の太陽電池パネル施工方法が例示されている。しかしながら、本発明にいう太陽電池パネル設置構造、太陽光発電設備、及び太陽電池パネル施工方法はこれらに限るものではない。本発明にいう太陽電池パネル設置構造や太陽光発電設備は、例えば、太陽電池パネルを1枚だけ設置する太陽電池パネル設置構造でもよく、そのように太陽電池パネルを1枚だけ備える太陽光発電設備であってもよい。そして、アレイ構造を採用する場合であっても、太陽電池パネルの枚数や配列形態は、
図1に示されている枚数や配列形態に限るものではなく、任意に設定し得る。また、本発明にいう太陽電池パネル施工方法も、太陽電池パネルを1枚だけ設置する施工方法であってもよく、あるいは、
図1に示されている枚数や配列形態とは異なる枚数や配列形態で太陽電池パネルを設置する施工方法であってもよい。
【0186】
また、上述した実施形態では、本発明にいう太陽電池パネルの一例として、長方形状の太陽電池パネル10が例示されている。しかしながら、本発明にいう太陽電池パネルは、その形状について、長方形状に限るものではなく、正方形状であってもよく、あるいは、それら以外の多角形状であってもよく、さらには、円形等であってもよい。本発明にいう太陽電池パネルは、その形状について任意に設定し得るものである。
【0187】
また、上述した実施形態では、本発明にいう設置場所の一例として陸屋根A11,A851や高低差のある陸屋根A701,A901が例示されているが、本発明にいう設置場所はこれに限るものではない。本発明にいう設置場所は、屋外の平坦な広場であってもよく、あるいは傾斜屋根や屋外の傾斜地等であってもよい。
【0188】
また、上述した実施形態のうち第2~第4、及び第6の各実施形態では、本発明にいう支持金具や支持レールの高さの調節について次のような調節構造が例示されている。即ち、
図23に示されている設置台701のネジ部702aに対する台座部703の取付け高さの調節構造、及び、アンカーボルト751,802や立設ボルト904に対するダブルナット754,807,911を利用した調節構造が例示されている。しかしながら、本発明にいう支持金具や支持レールの高さの調節についての調節構造は、これらの構造に限るものではなく、設置場所からの高さを調節自在とするものであれば具体的な構造自体を問うものではない。
【符号の説明】
【0189】
1 太陽光発電設備
5,6 位置決め治具
10 太陽電池パネル
20,70,75,80,85,90,95 太陽電池パネル設置構造
21 置き基礎
22,953 ブチルゴムシート
23,909,951 低支持金具
24,910,952 高支持金具
25 境界用押え金具
25a 端縁
25b バリ
26 端部押え金具
27 スペーサ
51,61 第1治具
52,62 第2治具
63 ネジ
64 ちょうネジ
101 パネル本体
101a 太陽電池セル
101b 電力ケーブル
101c,101d 仮想線
102 金属枠
102a 支持孔
102b 支持領域
211,704,751,802,851,902 アンカーボルト
212,255,707,757,808,852,906,913,914 平ワッシャ
213,709,753,754a,758,806,807a,810,813,854,908,905,911a ナット
231,241,909a 載置板部
231a,241a,253,261c,909a-1 貫通孔
232,242,909b 立板部
232a,242a,261a,262a,909b-1 補強リブ
232a,242a,909b-2 取付け孔
233,243,909c 支持板部
233a,243a 凹部
233b,243b,909c-1,951a-2 突起部
233c,243c,909c-2,951a-3 ボルト穴
251 挿入突起
252,261b 帯状領域
252a バーリング孔
252a-1,261b-2 バリ
254 ボルト
256,708,752,755,805,809,812,853,907,912 バネワッシャ
261 上面部分
261b-1 面取り
262 側面部分
511,611 棒部材
511a,621 位置決め孔
622 ネジタップ
511b 取付け孔
521 取付け突起
701 設置台
702 本体部
702a ネジ部
703 台座部
705a ブチルゴムシート
705b 金属板
706 固定用ボルト
754,807,911 ダブルナット
801 支持レール
803 固定ボルト
803a ボルト頭
901 長基礎
903 溝部
951 平板部
A11,A701,A851,A951 陸屋根
A901 大地
D11,D12,D801 配列方向
D13 傾斜方向
D14,D15,D16,D21 矢印
H1,H2,H701,H751,H801,H901 高さ