(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】昇降テーブルの振動低減機構および作業台車
(51)【国際特許分類】
B66F 7/06 20060101AFI20220616BHJP
B66F 9/06 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
B66F7/06 B
B66F9/06 P
(21)【出願番号】P 2018042235
(22)【出願日】2018-03-08
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 俊介
(72)【発明者】
【氏名】印藤 正裕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 等
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-100434(JP,U)
【文献】実開昭64-026693(JP,U)
【文献】特開平09-249395(JP,A)
【文献】特開2017-114627(JP,A)
【文献】特開2001-058795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 7/06- 7/08
B66F 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体の上方に昇降可能に配置されるテーブル本体と、支持体とテーブル本体との間に配置され、テーブル本体を支持体と高所との間で昇降させる昇降機構とを備える昇降テーブルに生じる振動を低減するための振動低減機構であって、
昇降機構に設けられ、テーブル本体を上昇させた状態の昇降機構とテーブル本体に生じる振動を低減させるための振動低減装置を備え、
昇降機構は、左右方向に対向配置された少なくとも一対のX字状リンクによって構成されたシザースリンク機構であり、振動低減装置は、X字状リンクによって構成される左右の構面と直交する前後の面内にブレース状に架設される
ダンパーまたはアブソーバーであることを特徴とする昇降テーブルの振動低減機構。
【請求項2】
下部に車輪を有する台車本体と、この台車本体の上方に配置される昇降テーブルからなる作業台と、台車本体と作業台との間に設置され、作業台を台車本体と高所との間で昇降させる昇降機構と、請求項1に記載の昇降テーブルの振動低減機構とを備えることを特徴とする作業台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降テーブルの振動低減機構および作業台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高所作業時に使用されるシザーズ、パンタグラフ機構等の昇降機構を備えたシザーリフト(登録商標)などの昇降テーブルや、昇降テーブルを作業台に利用した作業台車が知られている。こうした作業台車では、昇降距離(ストローク)が長いと、上昇した位置で作業台が横方向に揺れ続けることが多い。揺れる作業台の上で作業を行うことは、作業性、安全性確保の上で好ましくない。また、揺れる作業台の上で施工精度の高い作業を行うことは難しい。このため、横方向の揺れを急速に低減することのできる機構が必要とされていた。
【0003】
こうした問題を解決するための従来の技術として、例えば特許文献1に示すような高所作業車の揺れ止め構造が知られている。この構造は、車台上から一平面内を上下方向に伸縮する少なくとも1つの平面リンク機構からなる昇降装置を複数備えた高所作業車において、隣接する昇降装置を車台上に直交配置し、これら昇降装置で支持したエレベータ、作業台を連結する連結手段を備えたものである。一方の昇降装置に生じる横方向の揺れを他方の昇降装置の横方向の剛性にて抑えることで、各昇降装置の横揺れが軽減されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の従来の特許文献1の揺れ止め構造は、少なくとも2つの昇降装置を互いに直交する位置に隣接配置する必要があることから、構造が複雑化してコストの増大を招くおそれがある。
【0006】
このため、高所での作業台(昇降テーブル)の横方向の揺れを急速に低減することのできる簡易な機構の開発が求められていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高所でのテーブルの横方向の揺れを急速に低減することのできる簡易な昇降テーブルの振動低減機構および作業台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る昇降テーブルの振動低減機構は、支持体の上方に昇降可能に配置されるテーブル本体と、支持体とテーブル本体との間に配置され、テーブル本体を支持体と高所との間で昇降させる昇降機構とを備える昇降テーブルに生じる振動を低減するための振動低減機構であって、昇降機構に設けられ、テーブル本体を上昇させた状態の昇降機構とテーブル本体に生じる振動を低減させるための振動低減装置を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る他の昇降テーブルの振動低減機構は、上述した発明において、昇降機構は、左右方向に対向配置された少なくとも一対のX字状リンクによって構成されたシザースリンク機構であり、振動低減装置は、左右のX字状リンクの間に構成される構面内にブレース状に架設されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る他の昇降テーブルの振動低減機構は、上述した発明において、昇降機構は、左右方向に対向配置された少なくとも一対のX字状リンクによって構成されたシザースリンク機構であり、振動低減装置は、シザースリンク機構の上端部と下端部との間において昇降機構の昇降動作に伴って伸縮可能に設置されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る他の昇降テーブルの振動低減機構は、上述した発明において、昇降機構は、左右方向に対向配置された少なくとも一対のX字状リンクによって構成されたシザースリンク機構であり、振動低減装置は、X字状リンクによって構成される左右の構面と直交する前後の面内にブレース状に架設されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る作業台車は、下部に車輪を有する台車本体と、この台車本体の上方に配置される昇降テーブルからなる作業台と、台車本体と作業台との間に設置され、作業台を台車本体と高所との間で昇降させる昇降機構と、上述した昇降テーブルの振動低減機構とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る昇降テーブルの振動低減機構によれば、支持体の上方に昇降可能に配置されるテーブル本体と、支持体とテーブル本体との間に配置され、テーブル本体を支持体と高所との間で昇降させる昇降機構とを備える昇降テーブルに生じる振動を低減するための振動低減機構であって、昇降機構に設けられ、テーブル本体を上昇させた状態の昇降機構とテーブル本体に生じる振動を低減させるための振動低減装置を備えるので、上昇した位置においてテーブル本体に生じる揺れを急速に低減することができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明に係る他の昇降テーブルの振動低減機構によれば、昇降機構は、左右方向に対向配置された少なくとも一対のX字状リンクによって構成されたシザースリンク機構であり、振動低減装置は、左右のX字状リンクの間に構成される構面内にブレース状に架設されるので、昇降機構における振動低減装置の納まりを良くすることができるという効果を奏する。
【0015】
また、本発明に係る他の昇降テーブルの振動低減機構によれば、昇降機構は、左右方向に対向配置された少なくとも一対のX字状リンクによって構成されたシザースリンク機構であり、振動低減装置は、シザースリンク機構の上端部と下端部との間において昇降機構の昇降動作に伴って伸縮可能に設置されるので、テーブル本体に生じる前後左右の二方向の振動を有効に低減することができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明に係る他の昇降テーブルの振動低減機構によれば、昇降機構は、左右方向に対向配置された少なくとも一対のX字状リンクによって構成されたシザースリンク機構であり、振動低減装置は、X字状リンクによって構成される左右の構面と直交する前後の面内にブレース状に架設されるので、テーブル本体に生じる揺れを有効に低減することができるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明に係る作業台車によれば、下部に車輪を有する台車本体と、この台車本体の上方に配置される昇降テーブルからなる作業台と、台車本体と作業台との間に設置され、作業台を台車本体と高所との間で昇降させる昇降機構と、上述した昇降テーブルの振動低減機構とを備えるので、上昇した位置において作業台に生じる揺れを急速に低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明に係る昇降テーブルの振動低減機構および作業台車の実施の形態1を示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る昇降テーブルの振動低減機構および作業台車の実施の形態2を示す概略斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る昇降テーブルの振動低減機構および作業台車の実施の形態3を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る昇降テーブルの振動低減機構および作業台車は、昇降テーブル(作業台)が高所にある場合でも横方向への揺れを急速に低減するようにしたものである。以下に、本発明の実施の形態1~3を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。本実施の形態1は、振動低減装置を、左右のX字状リンクの間に構成される構面内に、ブレース状に架設したものである。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態1に係る作業台車100は、台車本体10と、支持体12と、昇降機構14と、作業台16(テーブル本体)と、本発明の振動低減機構18とを備える。支持体12と作業台16と昇降機構14とによって、昇降テーブルが構成される。本実施の形態の作業台車100は、例えば建物の工事現場などで使用され、資機材等を搭載するのに用いられる。
【0022】
台車本体10は、下部に4つの車輪20を有する直方体状のものである。図中のX方向を前後方向とし、これとは直交するY方向を左右方向とすると、車輪20は台車本体10の下部の前側左右の2箇所と後側左右の2箇所に設けられる。この台車本体10は、所定の作業場所で位置を停止できる制動装置を備えている。台車本体10は、自律走行式でもよいし、作業員が図示しない運転席に搭乗して運転走行する方式でもよい。
【0023】
支持体12は、昇降機構14を支持するためのものであり、台車本体10の上面に設置される。図の例では、支持体12は四角板状の形態をなしている。支持体12の上面の左側と右側には、前後方向に延びる図示しないガイドが設けられている。
【0024】
作業台16は、高所作業等を行う作業員が搭乗したり、物品を積載するための台であり、支持体12の上方に昇降可能に配置される。図の例では、この作業台16は、単純な四角板の台として描かれているが、作業台16の周囲に手摺りや柵などを設けてもよい。作業台16の下面の左側と右側には、前後方向に延びる図示しないガイドが設けられている。
【0025】
昇降機構14は、支持体12に対して作業台16を昇降可能に支持するシザースリンク機構からなる。このシザースリンク機構は、左右方向に対向配置された一対のX字状リンク22によって構成されている。X字状リンク22は、前後方向に延びて互いに交差するリンク24、26と、各リンク24、26の交差部を回動可能に連結する支軸28と、各リンク24、26の前端24A、26Aを支持体12と作業台16に対して回動可能に連結する支軸30と、各リンク24、26の後端24B、26Bを支持体12の図示しないガイドと、作業台16の図示しないガイドに対して転動可能に当接するローラ32とを備える。左右のローラ32は支軸31で連結している。
【0026】
このシザースリンク機構は、図示しない油圧シリンダを備えている。油圧シリンダを伸縮させると、各リンク24、26の交差角度が変わって拡縮し、作業台16が水平状態を常時維持しながら上昇位置と下降位置の間を昇降移動する。なお、油圧シリンダの代わりに、例えばボールネジをモータで回転させて、ボールネジに螺合したナットを移動させることによって各リンク24、26の交差角度を拡縮させる電動スクリューシリンダを用いることもできる。
【0027】
振動低減機構18は、作業台16を上昇させた状態の昇降機構14と作業台16に生じる振動を低減させるための振動低減装置34を備えている。振動低減装置34には、例えばオイルダンパーなどのダンパーやアブソーバーを用いることができる。この振動低減装置34は、左右のX字状リンク22の間に構成される構面内にブレース状に架設される。より具体的には、振動低減装置34は、支軸28とリンク24の前端24A、支軸28とリンク24の後端24B、支軸28とリンク26の前端26A、支軸28とリンク26の後端26Bを平面視でそれぞれブレース状に連結する。この振動低減装置34は、
図1および
図4(1)に示すような態様で設置してもよいし、
図4(2)に示すような態様で設置してもよい。
図4(2)は、リンク24(26)の前端24A(26A)と後端24B(26B)を直接ブレース状に連結したものである。
【0028】
本実施の形態によれば、振動低減装置34がX字状リンク22に生じる振動を低減するように常時動作する。この振動低減装置34の動作は、作業台16の昇降位置に関わらず機能する。この結果、作動台16に生じる揺れを急速に低減することができる。したがって、上昇した位置においても作業台16に生じる揺れを急速に低減することができる。また、図に示すように、昇降機構14における振動低減装置34の納まりを良くすることができる。
【0029】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2は、振動低減装置を、シザースリンク機構の上端部と下端部との間において、昇降機構の昇降動作に伴って伸縮可能に設置したものである。
【0030】
図2に示すように、本実施の形態2に係る作業台車200は、台車本体10と、支持体12と、昇降機構14と、作業台16(テーブル本体)と、本発明の振動低減装置36とを備える。なお、本実施の形態2の作業台車200は、振動低減装置36を除いて上記の実施の形態1の作業台車100と同様の構成であるため、上記で説明した振動低減装置36以外の構成要素についての説明は省略する。
【0031】
振動低減装置36は、シザースリンク機構の上端部と下端部との間においてシザースリンク機構の昇降動作に伴って伸縮可能に設置される。より具体的には、振動低減装置36は、X字状リンク22をなすリンク24、26の前端24A、26Aどうしを上下に連結する柱状の前側装置38と、リンク24、26の後端24B、26Bどうしを上下に連結する柱状の後側装置40とからなる。前側装置38および後側装置40は、下側に設けられたシリンダ42と、シリンダ42の上部開口に出没自在に挿入されたピストンロッド44を備えるオイルダンパーであり、X字状リンク22の拡縮動作、すなわち作業台16の昇降動作に応じて伸縮自在である。なお、オイルダンパーの代わりに他方式のダンパーやアブソーバーを用いることもできる。
【0032】
前側装置38および後側装置40の下方の支持体12および台車本体10の内部には、上方が開口した縦筒状の支持部46が設けられており、それぞれ前側装置38および後側装置40のシリンダ42が収容可能である。後側装置40に対応する支持部46は、支持体12および台車本体10に連続的に設けた前後方向に延びる図示しない溝内に沿って前後方向に移動可能である。この構成において、X字状リンク22が収縮して作業台16が下降した位置では、前側装置38および後側装置40は収縮し、シリンダ42は支持部46に収容された状態となる。X字状リンク22が拡張して作業台16が上昇すると、この上昇に応じてシリンダ42がピストンロッド44とともに支持部46から上方に出る。作業台16の上昇位置が所定の高さ(例えば作業台16が最も上昇した位置)に達すると、図示しないロック機構によりシリンダ42は高さ位置が固定されて上下に動かないようになる。また、前側装置38および後側装置40の位置は、作業台16の隅角部に位置するようになる。なお、このようにする代わりに、各シリンダ42を支持部46内に固定し、作業台16の上昇に応じてピストンロッド44のみがシリンダ42から出没して伸張する態様としてもよい。
【0033】
本実施の形態によれば、振動低減装置36が上昇位置の作業台16に生じる振動を低減するように動作する。このため、上昇した位置において作業台16に生じる揺れを急速に低減することができる。また、作業台16の揺れに対して二方向(X方向、Y方向)とも有効に働く。
【0034】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3は、振動低減装置を、X字状リンクによって構成される左右の構面と直交する前後の面内に、ブレース状に架設したものである。
【0035】
図3に示すように、本実施の形態3に係る作業台車300は、台車本体10と、支持体12と、昇降機構14と、作業台16(テーブル本体)と、本発明の振動低減装置48とを備える。なお、本実施の形態3の作業台車300は、振動低減装置48を除いて上記の実施の形態1の作業台車100と同様の構成であるため、上記で説明した振動低減装置48以外の構成要素についての説明は省略する。
【0036】
振動低減装置48は、X字状リンク22によって構成される左右の構面と直交する前後の面内にブレース状に架設される。より具体的には、振動低減装置48は、リンク24、26の前端24A、26Aの上下、リンク24、26の後端24B、26Bの上下を前後方向視でそれぞれブレース状に連結する。振動低減装置48には、例えばオイルダンパーなどのダンパーやアブソーバーを用いることができる。
【0037】
本実施の形態によれば、振動低減装置48がX字状リンク22に生じる振動を低減するように常時動作する。この振動低減装置48の動作は、作業台16の昇降位置に関わらず機能する。この結果、作動台16に生じる揺れを急速に低減することができる。したがって、上昇した位置においても作業台16に生じる揺れを急速に低減することができる。作業台16の揺れを急速に低減する効果は本実施の形態3が最も高い。ねじり方向の振動低減にも効果的である。
【0038】
なお、上記の実施の形態では、昇降機構14のシザースリンク機構をなすX字状リンク22が上下方向に一段構成の場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、必要な昇降距離(ストローク)に応じてX字状リンク22を上下方向に二段以上連結して高い上昇位置を確保するようにしてもよい。このようにしても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0039】
以上説明したように、本発明に係る昇降テーブルの振動低減機構によれば、支持体の上方に昇降可能に配置されるテーブル本体と、支持体とテーブル本体との間に配置され、テーブル本体を支持体と高所との間で昇降させる昇降機構とを備える昇降テーブルに生じる振動を低減するための振動低減機構であって、昇降機構に設けられ、テーブル本体を上昇させた状態の昇降機構とテーブル本体に生じる振動を低減させるための振動低減装置を備えるので、上昇した位置においてテーブル本体に生じる揺れを急速に低減することができる。
【0040】
また、本発明に係る他の昇降テーブルの振動低減機構によれば、昇降機構は、左右方向に対向配置された少なくとも一対のX字状リンクによって構成されたシザースリンク機構であり、振動低減装置は、左右のX字状リンクの間に構成される構面内にブレース状に架設されるので、昇降機構における振動低減装置の納まりを良くすることができる。
【0041】
また、本発明に係る他の昇降テーブルの振動低減機構によれば、昇降機構は、左右方向に対向配置された少なくとも一対のX字状リンクによって構成されたシザースリンク機構であり、振動低減装置は、シザースリンク機構の上端部と下端部との間において昇降機構の昇降動作に伴って伸縮可能に設置されるので、テーブル本体に生じる前後左右の二方向の振動を有効に低減することができる。
【0042】
また、本発明に係る他の昇降テーブルの振動低減機構によれば、昇降機構は、左右方向に対向配置された少なくとも一対のX字状リンクによって構成されたシザースリンク機構であり、振動低減装置は、X字状リンクによって構成される左右の構面と直交する前後の面内にブレース状に架設されるので、テーブル本体に生じる揺れを有効に低減することができる。
【0043】
また、本発明に係る作業台車によれば、下部に車輪を有する台車本体と、この台車本体の上方に配置される昇降テーブルからなる作業台と、台車本体と作業台との間に設置され、作業台を台車本体と高所との間で昇降させる昇降機構と、上述した昇降テーブルの振動低減機構とを備えるので、上昇した位置において作業台に生じる揺れを急速に低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明に係る昇降テーブルの振動低減機構および作業台車は、高所作業時に使用する昇降テーブルおよび作業台車に有用であり、特に、上昇した位置でのテーブルの横方向の揺れを急速に低減するのに適している。
【符号の説明】
【0045】
10 台車本体
12 支持体
14 昇降機構
16 作業台(テーブル本体)
18 振動低減機構
20 車輪
22 X字状リンク
24,26 リンク
24A,26A 前端
24B,26B 後端
28,30 支軸
32 ローラ
34,36,48 振動低減装置
38 前側装置
40 後側装置
42 シリンダ
44 ピストンロッド
46 支持部
100,200,300 作業台車