(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】リグノセルロース材料用の蒸解促進剤及びパルプの製造方法
(51)【国際特許分類】
D21C 3/00 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
D21C3/00 Z
(21)【出願番号】P 2018119999
(22)【出願日】2018-06-25
【審査請求日】2021-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000226161
【氏名又は名称】日華化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 多加志
(72)【発明者】
【氏名】高井 孝次
(72)【発明者】
【氏名】豊原 治彦
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-076590(JP,A)
【文献】特開昭58-139803(JP,A)
【文献】特開2015-200056(JP,A)
【文献】特開2013-227705(JP,A)
【文献】特開2004-143629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B1/00-1/38
D21C1/00-11/14
D21D1/00-99/00
D21F1/00-13/12
D21G1/00-9/00
D21H11/00-27/42
D21J1/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルコース及びフルクトースの少なくとも一方を含有することを特徴とする
、蒸解工程においてキノン化合物が未添加であるパルプの製造に用いられるリグノセルロース材料用の蒸解促進剤。
【請求項2】
蒸解工程と、洗浄工程とを含み、
前記蒸解工程では
キノン化合物が未添加であって、グルコース及びフルクトースの少なくとも一方を含有するリグノセルロース材料用の蒸解促進剤の存在下で、リグノセルロース材料を蒸解する、パルプの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リグノセルロース材料用の蒸解促進剤及びそれを用いたパルプの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
木材など植物のリグノセルロース材料からパルプを製造するには、一般的に、アルカリや亜硫酸塩など使って蒸解処理を行う。この蒸解処理によりリグニン成分や天然樹脂成分などを溶解、分散、分解などした後、ろ過洗浄などして除去し、パルプを製造する。
【0003】
しかしながら、木材などの天然資源は環境問題などから乱伐が規制され、また木材の価格も高くなっているのが現状である。そのため、原木原単位辺りのパルプの生産量を増加し、品質の高いパルプ製品を生産することが重要になってきている。
【0004】
これらの課題を解決する方法として、蒸解の効率を高めるために蒸解促進剤を使用する技術が知られている。
【0005】
例えば、特許文献1では、キノン-ヒドロキノン系化合物及びその前駆体が存在するアルカリ蒸解液中でリグノセルロース材料を蒸解する方法において、所定蒸解温度までの昇温時から所定蒸解温度前半までの間で、この蒸解系に還元剤を添加することを特徴とするリグノセルロース材料の蒸解法が提示されている。
【0006】
この特許文献1においては、蒸解液中にキノン-ヒドロキノン系化合物及びその前駆体が存在することが前提である。このような反応系では、キノン-ヒドロキノン系化合物の酸化型(アントラキノン)と還元型(アントラヒドロキノン)の酸化還元反応の結果に蒸解が促進されており、酸化型と還元型とのサイクル数が多い程、蒸解の効果に好ましい影響が与えられる。通常は蒸解中の反応系が酸化型に大幅に偏って存在し蒸解促進の効果が発揮しにくい状態であるから、特許文献1においては、この平衡を還元型の方に戻し、酸化還元サイクルが回復しキノン化合物による蒸解促進の効果を更に増大させることができるよう還元剤を併用している。
【0007】
また、特許文献2では、有機還元性物質をリグノセルロース物質の蒸解助剤として用いることを特徴とするパルプ製造方法が提示されており、蒸解助剤として、チオ尿素またはチオ尿素誘導体、還元性糖類などが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平7-145581号公報
【文献】特開2004-143629号公報
【文献】特開2017-40029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1において使用することが前提となっているキノン-ヒドロキノン化合物、特にアントラキノンは、発がん性の問題があって人体への影響を排除できないため、使用しないことが望まれている。
【0010】
具体的には、欧州食品安全機関(EFSA)は、農薬有効成分としてアントラキノンの発がん作用は排除できず、一方で、ほ乳類に対するハザードである可能性も明白に特定することはできないとしている。国際がん研究機関(IARC)は、アントラキノンをグループ2B(ヒトに対して発がん性の可能性がある)クラスに分類している。そのため、ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)においては、食品包装材への使用を推奨する化学物質リストから除外することとなった。
【0011】
食品以外の用途にはアントラキノンは使用できるとしても、製紙工場にて蒸解工程を含むパルプ化工程後、さらにそれぞれの抄紙工程に分岐しており、食品にかかわる包装材を製造する際にのみアントラキノンを使用しないというような区分けをするのは操業上困難であり、アントラキノンを用いない蒸解助剤が望まれている。
【0012】
特許文献2に開示されたチオ尿素誘導体は、蒸解促進効果が不十分であって改善が望まれている。
【0013】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、健康有害性の懸念を排除できないアントラキノンなどキノン-ヒドロキノン系化合物を使用せず、木材など植物のリグノセルロース材料の蒸解を促進して高い効率でリグニン成分や天然樹脂成分などを分離できる蒸解促進剤を提供することを目的とする。すなわち、より安全な蒸解促進剤とその蒸解促進剤を用いたパルプの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、還元糖の中でもグルコース及びフルクトースは、アントラキノン等のキノン-ヒドロキノン系化合物を含まない蒸解液において優れた蒸解促進の効果を発現することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
【0015】
すなわち、本発明は、グルコース及び/又はフルクトースを含有することを特徴とするリグノセルロース材料用の蒸解促進剤に関する。
【0016】
また、本発明は、蒸解工程と、洗浄工程とを含み、蒸解工程では、グルコース及びフルクトースの少なくとも一方を含有するリグノセルロース材料用の蒸解促進剤の存在下で、リグノセルロース材料を蒸解するパルプの製造方法に関する。前記蒸解工程では、キノン化合物が未添加であることが好ましい。ここでキノン化合物とは、アントラキノン、ナフトキノン、これらの芳香環に炭素数1~4のアルキル基、アミノ基又はニトロ基を有する化合物及びこれらの芳香環の一部を水添した化合物である。また、キノン化合物が未添加であるということは、蒸解工程に添加することによりキノン化合物となる前駆体も未添加である、ということである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、人体への悪影響を排除することができない成分を用いることなく、木材など植物のリグノセルロース材料の蒸解を促進して効率よくパルプを生産することができる蒸解促進剤及びそれを用いたパルプの製造方法を提供することができる。
【0018】
また、本発明によれば、木材など植物のリグノセルロースの使用量削減と蒸解にかかるエネルギーを低減することができ、環境問題など寄与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
(実施形態)
本実施形態のリグノセルロース材料用の蒸解促進剤は、単糖類の中でも、グルコース及びフルクトースの少なくとも一方を含有するものである。グルコース及びフルクトースは、L体あるいはD体の光学異性体であってもよく、α体やβ体などの幾何異性体であってもよく、水和物であってもよい。本実施形態においては、これらの化合物のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
本実施形態の蒸解促進剤は、前記グルコース及びフルクトースから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせのみからなるものであってもよいし、これらを、水や有機溶剤を配合して溶解、乳化あるいは分散状で剤化させたものであってもよい。このときの有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロパノールなどの炭素数1~6の低級アルコール;前記低級アルコールのアルキレンオキシド(1~5モル)付加物;エチレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルキレングリコール(総炭素数1~6);3-メチル-3-メトキシブタノールなどが挙げられる。
【0022】
本実施形態の蒸解促進剤には、リグノセルロース材料への浸透性や洗浄性などを付与するために、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、鉱物油、有機溶剤、オレンジオイルなどの天然溶剤、アルカリ剤などを配合してもよい。蒸解後の洗浄効率を向上させるために消泡剤や洗浄剤等を配合することもできる。さらに、アントラキノンなどのキノン化合物以外の従来公知の蒸解促進剤(例えば、チオ尿素やチオール系化合物)を本実施形態の効果を損なわない範囲で配合してもよい。
【0023】
本実施形態の蒸解促進剤は、蒸解促進効果とコストの観点から、蒸解促進剤の質量を基準に、グルコース及びフルクトースの総質量が1質量%以上100質量%以下となるように含有することが好ましく、10質量%以上100質量%以下がより好ましく、20質量%以上100質量%以下が特に好ましい。
【0024】
パルプの製造方法は、一般的にリグノセルロース材料に熱や圧力などの物理処理やアルカリ剤などの化学処理を行ってパルプ化する蒸解工程、得られた粗パルプを洗浄する工程、洗浄したパルプを漂白する工程などが含まれるが、本実施形態のパルプの製造方法は、蒸解工程で、グルコース及び/又はフルクトースを含有する蒸解促進剤を用いることを特徴とする。
【0025】
本実施形態のパルプの製造方法に使われるリグノセルロース材料としては、木材(針葉樹、広葉樹)及び非木材が挙げられる。非木材の具体例としては、わら、バカス、ヨシ、ケナフ、クワ、竹、草本類、雑草等がある。
【0026】
本実施形態の蒸解促進剤を適応できる蒸解方法としては、特に限定されないが、例えばアルカリ蒸解方法や亜硫酸塩蒸解方法が挙げられる、アルカリ蒸解方法としては、クラフト法、ソーダ法、炭酸ソーダ法、ポリサルファイド法等が挙げられる。また、亜硫酸塩蒸解方法としては、アルカリ性亜硫酸塩法、中性亜硫酸塩法、重亜硫酸塩法等が挙げられる。
【0027】
蒸解設備は連続式またはバッチ式のいずれでもよい。さらに、蒸解システムとして、MCC(修正蒸解法)、ITC(全缶等温蒸解法)、Lo-solids(釜内固形分の低減)、BLI(黒液を浸透段に使用)などの蒸解法にも適用できる。
【0028】
本実施形態のパルプの製造方法における蒸解促進剤の添加時期及び方法は、パルプ化する蒸解工程を含むそれ以前の工程が好ましく、具体的には、本実施形態の蒸解促進剤を蒸解前や蒸解工程中に蒸解釜に直接添加する方法、蒸解前の木材チップ等のリグノセルロース材料に吹きかける方法、蒸解設備が連続式の場合には循環する黒液に添加する方法等が挙げられる。
【0029】
本実施形態の蒸解促進剤は、そのまま使用してもよいが、水や有機溶剤等の溶媒に溶解、乳化あるいは分散、希釈等をさせて使用することができる。溶媒としては、前記した蒸解促進剤の成分として例示したものを用いることができる。蒸解促進剤は、木材への浸透性や洗浄性などを付与するために、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、鉱物油、有機溶剤、オレンジオイルなどの天然溶剤、アルカリ剤など併用して使用できる。蒸解後の洗浄効率を向上させるため、消泡剤、洗浄剤などを併用して使用できる。アントラキノンなどのキノン化合物以外の従来公知の蒸解促進剤(例えば、チオ尿素やチオール系化合物)を本実施形態の効果を損なわない範囲で併用してもよい。
【0030】
本実施形態の蒸解促進剤の使用量は、分解効果やコストの観点から、リグノセルロース材料の乾燥重量に対して、グルコース及びフルクトースの総質量が0.0001質量%以上10質量%以下となる量で用いることが好ましく、0.001質量%以上2質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下が特に好ましい。
【0031】
蒸解の処理温度としては、目的のパルプ製品によって異なり限定されるものではないが、50~300℃が好ましく、80~250℃がより好ましい。
【0032】
蒸解の処理圧としては、目的のパルプ製品によって異なり限定されるものではないが、常圧~10MPaが好ましく、常圧~5Mpaがより好ましい。
【実施例】
【0033】
以下実施例により本実施形態をより詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、各化合物にはナカライテスク社製の試薬を用いた。
【0034】
実施例1
105℃で10時間乾燥させたL材の木材チップを50g、水酸化ナトリウム15g、水135g、及びD-(+)-グルコース0.015g(木材チップに対し0.03質量%)をミニカラー染色試験機(テクサム技研製)のポットに仕込み155℃で2時間蒸解を行った(蒸解工程)。冷却後、ケミスタラーにて木材を十分にほぐした後、No.2ろ紙にてろ過洗浄を繰り返し、ろ液の色がなくなるまで洗浄した(洗浄工程)。洗浄して得られたろ過残渣のパルプと木材片の混合物を6/1000インチのフラットスクリーン(熊谷理機製)に通した(6カット)。フラットスクリーンを通らなかった未蒸解の木材片を回収し、105℃で10時間乾燥後、質量を測定し「フラットスクリーンで回収した木材片量(g)」とし、木材片の残留率(%)を下記式によって算出した。
【0035】
木材片の残留率(%)=[フラットスクリーンで回収した木材片量(g)/蒸解した木材チップ(50g)]×100
一方、フラットスクリーンを通った液は200メッシュ金網に通して、200メッシュ金網を通らなかったパルプを回収し、105℃で10時間乾燥させた後、質量を測定し「200メッシュ金網で回収したパルプ量(g)」とした。パルプの歩留まり率(%)を下記式によって算出した。
【0036】
パルプの歩留まり率(%)=[200メッシュ金網で回収したパルプ量(g)/蒸解した木材チップ(50g)]×100
また、JIS P 8211(2011)に記載の方法により、得られたカッパー価を測定した。
【0037】
木材片の残留率は10%以下を合格とし、パルプの歩留まり率は40%以上を合格とし、カッパー価は20.0以下を合格とした。結果を表1に示す。
【0038】
実施例2~11
蒸解促進剤として表1に示した化合物を表1に示した使用量で添加したこと以外は実施例1と同じ処理を行い、木材片の残留率、パルプの歩留まり率及びカッパー価を求めた。結果を表1に示す。
【0039】
【0040】
比較例1
蒸解促進剤を添加せず、それ以外は、実施例1と同じ処理を行い、木材片の残留率、パルプの歩留まり率及びカッパー値を求めた。
【0041】
比較例2~13
蒸解促進剤として表2に示した化合物を表2に示した使用量で添加した以外は実施例1と同じ処理を行い、木材片の残留率、パルプの歩留まり率及びカッパー価を求めた。結果を表2に示す。
【0042】
【0043】
実施例12
105℃で10時間乾燥させたN材の木材チップ50g、硫化ナトリウム5g、水酸化ナトリウム10g、水135g、及びD-(+)-グルコース0.015g(木材チップに対し0.03質量%)をミニカラー染色試験機(テクサム技研製)のポットに仕込み155℃で2時間蒸解を行った(蒸解工程)。冷却後、ケミスタラーにて木材を十分にほぐした後、No.2ろ紙にてろ過洗浄を繰り返し、ろ液の色がなくなるまで洗浄した(洗浄工程)。洗浄して得られたろ過残渣のパルプと木材片の混合物を6/1000インチのフラットスクリーン(熊谷理機製)に通した(6カット)。フラットスクリーンを通らなかった未蒸解の木材片を回収し、105℃で10時間乾燥させた後、質量を測定し「フラットスクリーンで回収した木材片量(g)」とし、木材片の残留率(%)を前記式によって算出した。
【0044】
一方、フラットスクリーンを通った液は200メッシュ金網に通して、200メッシュ金網を通らなかったパルプを回収し、105℃で10時間乾燥させた後、質量を測定し「200メッシュ金網で回収したパルプ量(g)」とした。パルプの歩留まり率(%)を前記式によって算出した。
【0045】
また、得られたパルプについて前記と同様にカッパー価を測定した。
【0046】
評価結果を表3に示す。
【0047】
実施例13~22
蒸解促進剤として表3に示した化合物を表3に示した使用量で添加した以外は実施例12と同じ処理を行い、木材片の残留率、パルプの歩留まり率及びカッパー価を求めた。結果を表3に示す。
【0048】
【0049】
比較例14
蒸解促進剤を添加せず、それ以外は、実施例12と同じ処理を行い、木材片の残留率、パルプの歩留まり率及びカッパー価を求めた。結果を表4に示す。
【0050】
比較例15~26
蒸解促進剤として表4に示した化合物を表4に示した使用量で添加した以外は実施例12と同じ処理を行い、木材片の残留率、パルプの歩留まり率及びカッパー価を求めた。結果を表4に示す。
【0051】
【0052】
グルコース又はフルクトースを含む本実施形態の蒸解促進剤を用いた実施例はいずれもアントラキノンを含まない蒸解方法に対しても優れた蒸解促進効果を発揮した。一方、ラムノースやマルトースは、グルコースやフクルクトースと同じく還元糖に分類される糖であるが蒸解促進効果は確認されなかった。スクロースやオリゴ糖の一種であるラフィノースにおいても蒸解促進効果はみられなかった。
【0053】
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。