(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】製造プロセスを監視するためのマシンビジョンの方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/89 20060101AFI20220616BHJP
G01B 11/30 20060101ALI20220616BHJP
G01N 21/892 20060101ALI20220616BHJP
G01N 21/898 20060101ALI20220616BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
G01N21/89 S
G01B11/30 A
G01N21/892 A
G01N21/898 A
G05B19/418 Z
(21)【出願番号】P 2018558234
(86)(22)【出願日】2017-04-28
(86)【国際出願番号】 FI2017050325
(87)【国際公開番号】W WO2017191363
(87)【国際公開日】2017-11-09
【審査請求日】2020-03-24
(32)【優先日】2016-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】516005120
【氏名又は名称】プロセメク オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ミカ バルコネン
【審査官】赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0060316(US,A1)
【文献】特開2000-118659(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0096726(US,A1)
【文献】特開2004-226328(JP,A)
【文献】中国実用新案第202221415(CN,U)
【文献】LAUNONEN, U. et al.,The latest machine vision tools for paper machines,Appita,2014年,Vol. 67, No.2,pp. 109-114
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/01
G01N 21/17-G01N 21/61
G01N 21/84-G01N 21/958
G01B 11/00-G01B 11/30
G05B 19/418
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの照明装置(18、19)、少なくとも1つの画像センサ(12、15)、及びデータ処理装置(13、16)を備えるマシンビジョンシステム(10)の第1の動作モードで第1の物体を監視するステップであって、第1の種類の照明を使用して該少なくとも1つの照明装置(18、19)によって該第1の物体(17a)を照明すること、及び第1の画像取り込み頻度で該少なくとも1つの画像センサ(12、15)によって該第1の物体(17a)の画像を取り込むことを含み、該第1の物体(17a)が、第2の物体(17b)上に配置されている、該ステップ;及び
該取り込まれた画像の取り込まれた画像データを解析のために該データ処理装置(13、16)に送信するステップを含む方法であって;かつ
該第1の物体(17a)が該第2の物体(17b)上に存在しないことが、該データ処理装置(13、16)による該取り込まれた画像
データの解析により該第1の動作モードで取り込まれた該画像データから検出された場合に、第2の動作モードで該第2の物体(17b)を監視して、該取り込まれた画像の該取り込まれた画像データを解析のために該データ処理装置(13、16)に送信するために該データ処理装置(13、16)によって再構成信号を送信することにより該マシンビジョンシステム(10)を再構成するステップであって、該第2の動作モードにおいて、該少なくとも1つの画像センサ(12、15)が、監視されるべき該第2の物体(17b)から第2の画像取り込み頻度で画像を取り込むように構成され、かつ該データ処理装置(13、16)が、監視されるべき該第2の物体の異常を検出するのに適するように構成された画像解析パラメータを用いて、該第2の物体(17b)の該取り込まれた画像データから異常を検出するように構成されている、該ステップをさらに含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記第2の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの照明装置(18、19)が、監視されるべき前記第2の物体(17b)を照明するための第2の種類の照明を使用するように再構成される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第1の物体(17a)が材料ウェブであり、前記第2の物体(17b)が機械布である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記第2の動作モードで前記第2の物体(17b)上に前記第1の物体(17a)が存在することが、前記データ処理装置(13、16)によって該第2の動作モードで取り込まれた前記画像データから検出された場合に、前記第1の動作モードで監視するために前記マシンビジョンシステム(10)を切り替えるステップをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの照明装置(18、19)、少なくとも1つの画像センサ(12、15)、及びデータ処理装置(13、16)を備えるマシンビジョンシステム
(10)であって、
該マシンビジョンシステム(10)が、第1の動作モードで第1の物体(17a)を監視し、第2の動作モードで第2の物体(17b)を監視するように構成され、かつ
該第1の動作モードにおいて、少なくとも1つの照明装置(18、19)が、第1の種類の照明を使用して該第1の物体(17a)を照明するように構成され、かつ該画像センサ(12、15)が、第1の画像取り込み頻度で第1の物体(17a)の画像を取り込み、該取り込まれた画像データを解析のために該データ処理装置(13、16)に送信するように構成され、かつ
該第1の物体(17a)が該第2の物体(17b)上に存在しないことが該データ処理装置(13、16)によって該取り込まれた画像データから検出された場合に、該マシンビジョンシステム(10)が、第2の動作モードで該第2の物体(17b)を監視し、該取り込まれた画像の該取り込まれた画像データを解析のために該データ処理装置(13、16)に送信するために該データ処理装置(13、16)によって送信された再構成信号によって該第2の動作モードに再構成され、該第2の動作モードにおいて、該少なくとも1つの画像センサ(12、15)が、監視されるべき該第2の物体(17b)から第2の画像取り込み頻度で画像を取り込むように構成され、かつ該データ処理装置(13、16)が、監視されるべき該第2の物体における異常を検出するのに適するように構成された画像解析パラメータを用いて、該第2の物体(17b)の該取り込まれた画像データから異常を検出するように構成されていることを特徴とする、前記マシンビジョンシステム。
【請求項6】
前記第2の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの照明装置(18、19)が、監視されるべき前記第2の物体(17b)を照明するための第2の種類の照明を使用するように再構成される、請求項5記載のマシンビジョンシステム。
【請求項7】
前記第1の物体(17a)が材料ウェブであり、前記第2の物体(17b)が機械布である、請求項5又は6記載のマシンビジョンシステム。
【請求項8】
前記第1の物体(17a)が前記第2の物体(17b)上に存在することが前記データ処理装置(13、16)によって前記第2の動作モードで検出された場合に、
前記マシンビジョンシステム(10)が、前記第1の動作モードで該第1の物体(17a)を監視するように切り替えられる、請求項5~7のいずれか一項記載のマシンビジョンシステム。
【請求項9】
請求項5記載のシステムに、請求項1~4のいずれか一項記載の方法を実施させるための命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、連続的な製造プロセスをイメージングする方法に関し、この方法では、カメラがイメージングに使用され、照明装置が、連続製品及び該連続製品の下の織物を照明するために使用される。
【0002】
本発明はまた、システム、及びシステムにこの方法を実施させるコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
連続的な製造プロセスでは、常に機械を通過する材料又は製品が存在する。このようなプロセスでは、起こり得る異常又はウェブ損傷を検出するために材料及び製品を監視しなければならない。さらに、材料又は製品の下の織物の状態が、材料若しくは製品の上述の異常又はウェブ損傷を引き起こす可能性のある起こり得る異常を検出するために機械/機械類の予定された又は計画されたダウンタイムの間に点検されるが、これは、機械/機械類の予定されていない又は計画されたダウンタイムの原因にもなり得る。製品、機械、又はプロセスは、例えば、カメラシステムなどのマシンビジョンシステムによって監視することができる。取り込まれた画像は、処理ユニットによって解析される。
【0004】
JP 2000111483 Aには、連続的周期的パターン製品からの周期性パターンを点検する方法及び装置が開示されている。該装置は、ラインセンサカメラ、該カメラに対向配置された光源、検査される物体がそれによって該カメラ及び該光源の間を移動する上流側ベルトコンベア及び下流側ベルトコンベアを含む。さらに、画像処理装置が提供される。製品が存在しない場合、スキャンレートはより低く設定される。
【0005】
US 2006096726 A1には、抄紙機又は製紙機の稼働能を維持する完全自動化方法であって、ウェブの破れを検出すること、洗浄すること、マシンビジョンを用いて清浄度のレベルを確認すること、終端のねじこみ及び(再)始動又は生産を含む、前記方法が開示されている。ウェブの破れの検出は、機械の測定システム又はセンサシステムを使用して行われる。自動化システムにより、第1の物体の不在が検出され、結論付けられると、この信号が伝送され、カメラを使用して下にある第2の物体を監視し、それを洗浄する必要があるかどうかを評価する。
【0006】
WO 2012049370 A1には、カメラを使用して紙ウェブを監視するためのシステムが開示されている。ウェブが破れている場合、画像保存が終了する。画像システムは、欠陥及びウェブの破れの両方を検出する。カメラは、最大頻度で、又はより低頻度で動作する。非常に小さな欠陥が発見できない場合、同じカメラを使用して、小さな欠陥を発見し、ウェブ全体をカバーする。
【0007】
US 2009060316 A1には、単一マシンビジョンシステムを使用することは、紙ウェブ中の欠陥及びウェブの破れの両方を監視するのに有利であることが開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
現在、改善された方法及び該方法を実施する技術的な設備が既に発明されている。本発明の様々な態様は、方法、2つの異なる物体に対する2つの異なる動作モードを有するマシンビジョンシステム、及びコンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読媒体を含み、これらは、独立請求項に規定される事項によって特徴付けられる。本発明の様々な実施態様は、従属請求項に開示されている。
【0009】
本発明の第1の態様によると、少なくとも1つの照明装置、少なくとも1つの画像センサ、及びデータ処理装置を備えるマシンビジョンシステムの第1の動作モードで第1の物体を監視するステップであって、第1の種類の照明を使用して前記少なくとも1つの照明装置によって該第1の物体を照明すること、及び第1の撮像頻度で前記少なくとも1つの画像センサによって該第1の物体の画像を取り込むことを含み、該第1の物体が、第2の物体上に少なくとも部分的に配置されている、該ステップ、該取り込まれた画像の取り込まれた画像データを解析のために該データ処理装置に送信するステップ、並びに該第1の物体が該第2の物体上に存在しないことが、該データ処理装置によって検出された場合に、第2の動作モードで該第2の物体を監視するために該マシンビジョンシステムを切り替えるステップを含む、方法が提供される。
【0010】
一実施態様によると、第2の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの照明装置が、監視されるべき前記第2の物体を照明するための第2の種類の照明を使用するように再構成される。一実施態様によると、第2の動作モードにおいて、前記少なくとも1つのカメラセンサが、監視されるべき第2の物体から第2の画像取り込み頻度で画像を取り込むように再構成される。一実施態様によると、第2の動作モードにおいて、データ処理装置の画像解析パラメータが、監視されるべき第2の物体から異常を検出するように再構成される。一実施態様によると、第1の物体が第2の物体上に存在しないことが、取り込まれた画像データからデータ処理装置によって検出される。一実施態様によると、この第1の物体が存在しないことは、受信された外部指示信号から検出される。一実施態様によると、第1の物体は材料ウェブ(material web)であり、第2の物体は機械布(machine clothing)である。一実施態様によると、この方法は:第2の物体上に第1の物体が存在することがデータ処理装置によって第2の動作モードで検出された場合に、第1の動作モードで監視するためにマシンビジョンシステムを切り替えるステップをさらに含む。
【0011】
本発明の第2の態様によると、少なくとも1つの照明装置、少なくとも1つの画像センサ、及びデータ処理装置を備えるマシンビジョンシステムが提供され、該マシンビジョンシステムは、第1の動作モードで第1の物体を監視し、かつ第2の動作モードで第2の物体を監視するように構成され、該第1の動作モードにおいて、少なくとも1つの照明装置が、第1の種類の照明を使用して該第1の物体を照明するように構成され、前記画像センサが、第1の撮像頻度で該第1の物体の画像を取り込み、前記取り込まれた画像データを解析のために該データ処理装置に送信するように構成され、該第1の物体が該第2の物体上に存在しないことが該データ処理装置によって検出された場合に、該マシンビジョンシステムが、該第2の動作モードに切り替えられ、該第2の動作モードにおいて、少なくとも1つの照明装置が、第2の種類の照明を使用して該第2の物体を照明するように構成されている。
【0012】
一実施態様によると、第2の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの照明装置が、監視されるべき第2の物体を照明するための第2の種類の照明を使用するように再構成される。一実施態様によると、第2の動作モードにおいて、前記少なくとも1つのカメラセンサが、監視されるべき第2の物体から第2の画像取り込み頻度で画像を取り込むように再構成される。一実施態様によると、第2の動作モードにおいて、データ処理装置の画像解析パラメータが、監視されるべき第2の物体から異常を検出するように再構成される。一実施態様によると、第1の物体が第2の物体上に存在しないことが、取り込まれた画像データからデータ処理装置によって検出されるか、又は受信される外部指示信号から検出される。一実施態様によると、第1の物体は材料ウェブであり、第2の物体は機械布である。一実施態様によると、この方法は:第2の物体上に第1の物体が存在することがデータ処理装置によって第2の動作モードで検出された場合に、第1の動作モードで第1の物体を監視するためにマシンビジョンシステムを切り替えるステップをさらに含む。
【0013】
本発明の第2の態様によると、コンピュータ可読媒体に格納された、計算装置で実行可能なコンピュータプログラム製品が提供され、該コンピュータプログラム製品は、方法を実施するための命令を含み、該方法は:少なくとも1つの照明装置、少なくとも1つの画像センサ、及びデータ処理装置を備えるマシンビジョンシステムの第1の動作モードで第1の物体を監視するステップであって、第1の種類の照明を使用して前記少なくとも1つの照明装置によって該第1の物体を照明すること、及び第1の撮像頻度で前記少なくとも1つの画像センサによって該第1の物体の画像を取り込むことを含み、該第1の物体が第2の物体上に少なくとも部分的に配置されている、該ステップ、該取り込まれた画像の該取り込まれた画像データを解析するために該データ処理装置に送信するステップ、及び該第1の物体が該第2の物体上に存在しないことが、該データ処理装置によって検出された場合に、第2の動作モードで該第2の物体を監視するために該マシンビジョンシステムを切り替えるステップを含む。
【0014】
一実施態様によると、第2の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの照明装置が、監視されるべき第2の物体を照明するための第2の種類の照明を使用するように再構成される。一実施態様によると、第2の動作モードにおいて、前記少なくとも1つのカメラセンサが、監視されるべき第2の物体から第2の画像取り込み頻度で画像を取り込むように再構成される。一実施態様によると、第2の動作モードにおいて、データ処理装置の画像解析パラメータが、監視されるべき第2の物体から異常を検出するように再構成される。一実施態様によると、第1の物体が第2の物体上に存在しないことが、取り込まれた画像データからデータ処理装置によって検出される。一実施態様によると、この第1の物体が存在しないことは、受信される外部指示信号から検出される。一実施態様によると、第1の物体は材料ウェブであり、第2の物体は機械布である。一実施態様によると、この方法は、第2の物体上に第1の物体が存在することがデータ処理装置によって第2の動作モードで検出された場合に、第1の動作モードで監視するためにマシンビジョンシステムを切り替えるステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
(図面の説明)
以下に、本発明の様々な実施態様が、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】
図1a及び
図1bは、例示的な一実施態様によるマシンビジョンシステムを示している。
【
図2】
図2a及び
図2bは、例示的な一実施態様によるマシンビジョンシステムを示している。
【
図3】
図3a及び
図3bは、例示的な一実施態様によるマシンビジョンシステムを示している。
【
図4】
図4は、例示的な一実施態様によるマシンビジョンシステムの監視方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(例示的な実施態様の説明)
本発明は、2つの異なる物体に対して2つの異なる動作モードを有し、かつウェブ製品及び機械布をイメージングするために使用される少なくとも1つの画像センサ並びに該ウェブ製品及び該機械布を照明するための少なくとも1つの照明装置を備える例示的な実施態様によるマシンビジョンシステムに関する。ウェブ製品は、第1の物体であり得、マシンビジョンシステムの第1の動作モードでイメージングされ照明される。機械布は、第2の物体であり、マシンビジョンシステムの第2の動作モードでイメージングされ照明される。
【0017】
用語「ウェブ製品」は、本文脈では、あらゆる種類の木質繊維ウェブを指す。用語「木質繊維」は、本文脈では、あらゆる適切な木質繊維ウェブ、例えば、紙、セルロース、又は厚紙ウェブを指す。用語「機械布」は、本文脈では、例えば、ウェブ製品を脱水及び/又は輸送するための紙、厚紙のセルロース機械/機械類に使用されるあらゆる種類の織物を指す。機械布は、例えば、フェルトの織布ベルトであり得る。ウェブ製品及び機械布は、ウェブ製品からウェブ異常を、そして機械布から布異常を見つけるために照明され、イメージングされる。用語「ウェブ異常」は、本文脈では、ウェブ製品から検出可能なあらゆる異常、例えば、ウェブにおける欠陥、穴、汚れ、明確な変化、灰色又は暗いスポット、すじ、しわ、気泡、又は模様を含む。用語「布異常」は、本文脈では、機械布から検出可能なあらゆる異常、例えば、機械布に関連するウェブ欠陥(複数可)を引き起こす可能性のある欠陥、穴、又は糸の隆起などを含む。機械布は、製品の品質、繊維及び化学変換効率、及び生産速度に寄与する。
【0018】
上述のように、本発明の実施態様によるマシンビジョンシステムは、少なくとも1つの画像センサ、少なくとも1つの照明装置、及びデータ処理装置を備えることができる。画像センサは、少なくとも2つの異なる種類の物体、例えばウェブと機械布の画像を取り込むために使用され、照明装置は、イメージングされるように配置された物体を照明するために使用される。マシンビジョンシステムは、少なくとも2つの異なる動作モードを有することができ、各モードは、特定の標的に適するように構成される:ウェブ製品に対しては第1の動作モード、そして機械布に対しては第2の動作モード。異なる動作モードは、異なる照明を有してもよく、また撮像頻度も異なってもよい。動作モードは、両方の物体からのエラーの有効な検出を可能にするためにイメージング標的に基づいて選択することができる。
【0019】
既に述べたように、使用される動作モードは、物体によって決まる。第1の動作モードでは、ウェブ製品である第1の物体が、第1の種類の照明によって照明され、第1の物体の画像が、第1の撮像頻度で取り込まれ、第2の動作モードでは、機械布である第2の物体が、第2の種類の照明によって照明され、第1の物体の画像が、第1の撮像頻度で取り込まれ続けるが、第1の撮像頻度は、場合により第2の撮像頻度に変更される。マシンビジョンシステムの少なくとも1つのカメラがイメージング用であり、少なくとも1つの照明装置が、第1の動作モードでウェブ製品を照明するために使用され、例えばウェブ損傷の場合にウェブ製品が終了し、マシンビジョンシステムのカメラセンサが、該ウェブが存在しないことを検出する、又は該ウェブ損傷についての外部指示信号が、例えば、抄紙機制御システムからマシンビジョンシステムに送信されると、該ウェブ製品のイメージング及び照明に使用される該マシンビジョンシステムの第1の動作モードが、機械布をイメージング及び照明するための第2の動作モードに切り替えるように構成されている。第2のモードの再構成信号が、少なくとも1つの照明装置を第2の動作モードに再構成するために少なくとも1つの照明装置に少なくとも送信される。また、第2のモードの再構成信号は、少なくとも1つのカメラセンサを再構成するために少なくとも1つのカメラセンサにも送信することが可能である。
【0020】
それぞれ、第2の動作モードにおいて、マシンビジョンシステムが、ウェブ製品が機械布上にあることを検出するか、又は外部指示信号が、該ウェブ製品が該機械布上にあることを該マシンビジョンシステムに示すと、該マシンビジョンシステムの第2動作モードが、該ウェブ製品をイメージング及び照明するための第1の動作モードに切り替えられ、次のウェブ損傷により該第2の動作モードに切り替えられるまで続く。
【0021】
動作モードが切り替えられ、照明、例えば、照明の種類、照明の数、照明の方向も変更される場合は、照明の動作又は使用される照明を、当該物体をイメージングするのにより適するように変更してもよい。言い換えれば、イメージングする物体が変わると照明が変わるため、照明は照明されるべき物体次第である。動作モードが切り替えられると、再構成信号が、画像センサ(複数可)について、取り込まれるべき画像の解像度又は画像を重ね合わせる方法を決定することもできる。しかしながら、照明及び場合により撮像頻度も変更することに加えて、動作モードが切り替えられる場合も、データ処理装置の画像解析パラメータを、現在の物体により適するように再構成することが可能である。例えば、第1の動作モードでは、画像解析パラメータはウェブ製品の異常を検出するのに適しており、第2の動作モードでは、画像解析パラメータは機械布の異常を検出するのに適している。異常の種類が、ウェブ製品と機械布とで異なり得るため、異なる動作モードでは異なる解析パラメータが必要であり得る。ウェブ製品と機械の布の色が異なることがあり、この場合もまた、異なる画像解析パラメータが必要となる。
【0022】
マシンビジョンシステムの画像センサは、例えばカメラ、例えばCMOS若しくはCCDカメラ、マトリックス若しくはラインスキャンカメラ、白黒若しくはカラーカメラ、通常の又はスマートカメラ、又はあらゆる適切なカメラであり得る。監視されるように配置された標的は、少なくとも1つの照明装置によるイメージングのために照明することができ、マシンビジョンシステムの照明装置は、例えばLEDであり得る、又は1つの照明装置は、2つ、3つ、4つ、又は複数のLEDを含み得る。
【0023】
本発明はさらに、本発明の例示的な実施態様による方法に関し、該方法では、いわゆる第1の動作モードにおいて、1つ以上の照明装置によって照射されると、ウェブ製品の1つ以上の画像が、1つ以上の画像センサによって取り込まれる。ウェブ製品が、例えばウェブ損傷で終了する、又は処理中でなくなり、マシンビジョンシステムが、1つ以上の画像センサ(複数可)によって取り込まれた画像から状況を検出するか、又はウェブ損傷についての外部指示信号を受信すると、該マシンビジョンシステムは、機械布をイメージング及び照明するための第2の動作モードに切り替えられる。照明の種類及び場合により画像取り込み頻度も、第1の動作モードと第2の動作モードで異なり得る。
【0024】
第2の動作モードでは、少なくとも1つのカメラセンサ画像が、画像を取り込むことができ、少なくとも1つの照明装置が、第2の種類の照明を所定時間使用することができる。言い換えれば、これらは、第2の動作モードが第1の動作モードに切り替わるまで、画像の取り込み及び照明を続けない可能性がある。機械布は、継ぎ目又は一種のマークを備えることができる。少なくとも、ウェブの継ぎ目又はある種のマークが機械布から少なくとも2回検出されるまでは、イメージング及び第2の種類の照明を続けることができる。このようにして、ウェブ製品全体がイメージングされるが、不要なイメージングは回避されるようにする。
【0025】
取り込まれた画像の画像データは、マシンビジョンシステムの各画像センサのデータ処理装置によって解析され、かつ/又は取り込まれた画像の画像データは、解析のために該マシンビジョンシステムの外部データ処理装置に送信される。外部データ処理装置は、カメラの一体化された部分ではないデータ処理装置である。データ処理装置は、ウェブ製品の画像データ及び/又は機械布の画像データの異常(複数可)を見つけるためにデータを監視することができる。
【0026】
図1aは、本発明の一実施態様を示し、マシンビジョンシステム10が、ウェブ17a及び機械布17bの2つの物体と共に開示されている。マシンビジョンシステム10は、2つの照明装置18、19、並びに画像センサ12、15及びデータ処理装置13、16を備える2つのスマートカメラ11、14を含む。照明装置18、19は、移動ウェブ17aを照明し、該ウェブ17aが存在しない場合は機械布17bを照明する。画像センサ12、15は、移動ウェブ17aの画像を取り込み、該ウェブ17aが存在しない場合は機械布17bの画像を取り込み、そして画像データをスマートカメラ11、14のデータ処理装置13、15に送信するように構成されている。
【0027】
データ処理装置13、16は、少なくとも1つのプロセッサ、1つ以上のプログラムユニット用のコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ、及び画像センサ12、15から無線又は有線接続で画像データを受信する手段、例えば受信機又はトランシーバ、及びトリガ信号を無線又は有線接続で送信する手段、例えば送信機又はトランシーバを備える。複数のプロセッサ、例えば、汎用プロセッサ及びグラフィックプロセッサ及びDSPプロセッサ、並びに/又は複数の異なるメモリ、例えば、実行時にデータ及びプログラムを記憶するための揮発性メモリ、並びにデータ及びプログラムを永続的に記憶するためのハードディスクなどの不揮発性メモリが存在してもよい。スマートカメラ11のデータ処理装置13及びスマートカメラ14のデータ処理装置16は、画像データを取り扱うのに適したコンピュータなどのあらゆる計算装置であり得る。データ処理装置13は、信号線を介して画像センサ11及び照明装置18と電子通信し、データ処理装置16は、信号線を介して画像センサ12及び照明装置19と電子通信する。照明装置18、19はまた、スマートカメラ11、14の一体化された部分であってもよい。スマートカメラ11、14は、コンピュータアクセサリを用いてユーザ用に生成することができる信号を生成するためのビデオコントローラ及びオーディオコントローラも備えることができる。スマートカメラ11、14は、出力手段を介してユーザへの出力を生成する。ビデオコントローラは、ディスプレイに接続することができる。このディスプレイは、例えば、より大きな画像を生成するためにフラットパネルディスプレイ又はプロジェクタとすることができる。オーディオコントローラは、スピーカ又はイヤホンなどの音源に接続することができる。スマートカメラ11、14は、マイクロフォンなどの音響センサも備えることができる。
【0028】
ウェブ17aが、
図1aのように機械布17b上にある場合は、第1の動作モードで、画像センサ12、15は、該ウェブ17aの画像を取り込むように構成され、照明装置18、19は、該ウェブ17aを照明している。データ処理装置13、16は、取り込まれた画像を画像データとして受信して、ウェブ17aの異常を見つけるために該画像データを解析するように構成されている。データ処理装置13、16は、画像データを解析する。データ処理装置13は、ウェブ17aが機械布17b上にないことを画像データから検出すると、画像センサ12、15及びマシンビジョンシステム10を第2の動作モードに再構成することができる。データ処理装置13、16はさらに、第2の動作モードで取り込まれた画像を画像データとして受信して、機械布17bの異常を見つけるために該画像データを解析するように構成されている。
【0029】
上述したように、再構成の後、画像センサ12、15は、第2の動作モードで機械布17bの画像の取り込みを続ける。第2の動作モードにおいて、画像取り込み頻度は異なっていてもよいし、又は同じままであってもよい。第2の動作モードの第2の画像取り込み頻度は、例えば、機械布17bの異常をより正確にイメージングして検出できるように、第1の動作モードの第1の画像取り込み頻度よりも高くてもよい。機械布17bにおける異常は、検出することがより困難であり得るため、機該械布17bにおける異常のより効率的な監視を可能にするために、該機械布17bのより多くの画像を取り込む必要がある。第2の動作モードでは、照明装置18、19は、第2の動作モードで機械布17bを照明するように構成され、該第2の動作モードの照明の種類は、第1の動作モードの照明の種類とは異なる。例えば、第2の動作モードで機械布17bをイメージングするときに、より効率的な照明が必要であり得、従って、照明装置18、19の光の強度を高めることができる、又は該第2の動作モードで該機械布17bをイメージングするときに、効率の低い照明が必要であり得、従って、該照明装置18、19の光の強度を弱めることができる。第2の動作モードにおける機械布17bの第2の画像取り込み頻度でのイメージングが
図1bに示されている。照明装置18、19の光の強度の要求は、例えば、ウェブ17aと比較した機械布17bの色に依存し得る。
【0030】
第2の動作モードでは、画像センサ12、15は、例えば、少なくともマーク18からマーク18まで、すなわちデータ処理装置13、16によって、該画像センサ12、15により取り込まれた画像で該マーク18が2回検出されるまで、少なくとも全機械布サイクルの画像を取り込む。
【0031】
図2aは、本発明の一実施態様を示し、マシンビジョンシステム20が、ウェブ23a及び機械布23bの2つの物体と共に開示されている。マシンビジョンシステム20は、少なくとも2つの画像センサ21、25、少なくとも2つの照明装置24、26、及び該少なくとも2つの画像センサ21、25によって取り込まれた画像データを解析するためのデータ処理装置22を備える。画像センサ21、25は、第1の動作モードで、材料ウェブである移動物体23aの画像を取り込むように構成され、かつ第2の動作モードで、機械布である第2の移動物体23bの画像を取り込み、各画像のデータをデータ処理装置22に送信するように構成されている。照明装置24、26は、イメージングしながら移動物体23a、23bを照明するように構成されているため、両方の動作モードでは、使用される照明の種類が異なる。
【0032】
データ処理装置22は、少なくとも1つのプロセッサ、1つ以上のプログラムユニット用のコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリ、及び画像データを無線又は有線接続で受信する手段、例えば受信機又はトランシーバ、及び無線又は有線接続で再構成信号によって構成を照明装置24、26に、及び場合により画像センサ21、25にも送信する手段、例えば、送信機又はトランシーバを備える。複数のプロセッサ、例えば汎用プロセッサ及びグラフィックプロセッサ及びDSPプロセッサ、及び/又は複数の異なるメモリ、例えば、実行時にデータ及びプログラムを記憶するための揮発性メモリ、及びデータ及びプログラムを永続的に記憶するためのハードディスクなどの不揮発性メモリが存在してもよい。データ処理装置22は、画像データを処理するのに適したコンピュータなどのあらゆる計算装置であり得る。データ処理装置22は、信号線を介して画像センサ21、25及び照明装置24、26と電子通信する。信号線への信号及び信号線からの信号を処理するために、データ処理装置22はI/O回路を備える。照明装置24、26とデータ処理装置22との間及び画像センサ21、25と該データ処理装置22との間の接続は、有線又は無線ネットワークである。データ処理装置22はまた、コンピュータアクセサリを用いてユーザ用に生成することができる信号を生成するためのビデオコントローラ及びオーディオコントローラも備えることができる。ビデオコントローラは、ディスプレイに接続することができる。このディスプレイは、例えば、より大きな画像を生成するためにフラットパネルディスプレイ又はプロジェクタとすることができる。オーディオコントローラは、スピーカ又はイヤホンなどの音源に接続することができる。データ処理装置22はまた、マイクロフォンなどの音響センサも備えることができる。照明装置24、26は、カメラセンサ21、25の一体化された部分であってもよい。
【0033】
データ処理装置22は、画像センサ21、25によって取り込まれた受信した画像を解析し、該データ処理装置22が、第1の動作モードで異常若しくはウェブ損傷、又は第2の動作モードでウェブが存在することを検出すると、これをプロセスオペレータに示し、かつ/又は少なくとも1つの照明装置及び場合により画像センサにも再構成信号を送信できるように構成されている。
【0034】
ウェブ23aが、
図2aのように機械布23b上にある場合、画像センサ21、25は、該ウェブ23aの画像を取り込むように構成され、照明装置24、26は、第1の動作モードで該ウェブ23aを照明している。データ処理装置22は、取り込まれた画像を画像データとして受信するように構成されている。データ処理装置22は、画像データを解析するように構成されている。データ処理装置22は、ウェブ23aが機械布23b上にないことを画像データから検出すると、画像センサ21、25及び照明装置24、26を、該機械布23bの画像を取り込んで該ウェブ機械布23bを照明するための第2の動作モードに再構成することができる。データ処理装置22は、第2の動作モードで取り込まれた画像を画像データとして受信して、機械布23bの異常を見つけるために該画像データを解析するように構成されている。
【0035】
上述のように、第2の動作モードへの再構成後、画像センサ21、25は、該第2の動作モードで機械布23bの画像を取り込むように構成されている。第2の動作モードでは、画像取り込み頻度は、第1の動作モードと比較して異なっていてもよいし、又は同じであってもよい。第2の動作モードの第2の画像取り込み頻度は、例えば、機械布23bの異常をより正確にイメージングして検出できるように第1の動作モードの第1の画像取り込み頻度よりも高くしてもよいし、又は該第2の画像取り込み頻度は、第1の動作モードと第2の動作モードとで同じであってもよい。照明装置24、26は、例えば、構成次第で第1の動作モードよりも高い効率又は低い効率で、第2の動作モードで機械布23bを照明するように構成することができる。第2の動作モードにおける第2の画像取り込み頻度での機械布23bのイメージングが
図2bに示されている。
【0036】
画像センサ21、25は、例えば少なくとも機械布23bの縫い目28から縫い目28まで、すなわち、データ処理装置22によって、画像センサにより取り込まれた画像で縫い目28が2回検出されるまで、機械布23bの少なくとも全機械布サイクルの画像を取り込む。
【0037】
図3aは、本発明の一実施態様を示し、マシンビジョンシステム30が、移動物体としての機械布33と共に開示されている。マシンビジョンシステム30は、画像センサ31、照明装置34、及び該画像センサ31によって取り込まれた画像データを解析するためのデータ処理装置32を備える。画像センサ31は、第1の動作モードで材料ウェブ(現在は機械布33の上に存在しない)の画像を取り込むように構成され、かつ第2の動作モードで機械布33の画像を取り込み、各画像のデータをデータ処理装置32に送信するように構成されている。照明装置34は、両方の動作モードで使用されている照明の種類が異なるように、イメージングしながら機械布33(又は存在する場合は材料ウェブ)を照明するように構成されている。照明装置34は、カメラセンサ31の一体化された部分であってもよい。データ処理装置32は、画像センサ31によって取り込まれた、受信した画像を解析するように構成されている。
【0038】
図3bは、本発明の一実施態様を示し、マシンビジョンシステム30が、移動物体としての機械布33と共に開示されている。マシンビジョンシステム30は、3つの画像センサ31a、31b、31c、照明装置34、及び機械布33(及び材料ウェブ(該機械布33上にある場合))の全幅をイメージングするために並列に配置された該画像センサ31a、31b、31cによって取り込まれる画像データを解析するためのデータ処理装置32を備える。画像センサ31a、31b、31cは、第1の動作モードで材料ウェブの画像を取り込むように構成され、かつ第2の動作モードで機械布33の画像を取り込み、各画像のデータをデータ処理装置32に送信するように構成されている。照明装置34は、両方の動作モードで使用される照明種類が異なるように、イメージングしながら機械布33(又は存在する場合は材料ウェブ)を照明するように構成されている。照明装置34は、カメラセンサの一体化された部分であってもよい。
【0039】
図4は、例示的な一実施態様によるマシンビジョンシステムの監視方法40を示している。マシンビジョンシステムは、少なくとも1つの照明装置、少なくとも1つの画像センサ、及びデータ処理装置を備える。ステップ41で、マシンビジョンシステムが、第1の動作モードで第1の物体、例えば材料ウェブを監視している。第1の動作モードでは、第1の物体が、第1の種類の照明を使用して前記少なくとも1つの照明装置によって照明され、該第1の物体の画像が、第1の撮像頻度で前記少なくとも1つの画像センサによって取り込まれ、該第1の物体が、第2の物体上に少なくとも部分的に配置されている。第2の物体は、例えば機械布であり得る。ステップ42で、取り込まれた画像の取り込まれた画像データが、解析のためにデータ処理装置に送信される。ステップ44で、マシンビジョンシステムが、ステップ43でデータ処理装置によって第1の物体が第2の物体上に存在しないことが検出された場合に、第2の動作モードで該第2の物体を監視するために切り替わる。
【0040】
多くの場合、第2の動作モードでは、第2の物体が、第2の種類の照明を使用して前記少なくとも1つの照明装置によって照明され、かつ該第2の物体の画像が、第2の撮像頻度で前記少なくとも1つの画像センサによって取り込まれ、第1の種類の照明が第2の種類の照明とは異なり、第2の撮像頻度が第1の撮像頻度とは異なる。しかしながら、第2の動作モードでは、第1の種類の照明を第2の種類の照明と同じにする、又は第2の撮像頻度を第1の撮像頻度と同じにすることも可能であり得る。
【0041】
本発明の様々な実施態様は、メモリに存在して、装置に本発明を実施させるコンピュータプログラムコードの助けを借りて実施することができる。例えば、計算装置である装置、例えばデータ処理装置は、データを解析、受信、及び送信するための回路及び電子機器、メモリ内のコンピュータプログラムコード、並びにコンピュータプログラムコードを実行すると、装置に実施態様の特徴を実施させるプロセッサを備えることができる。プロセッサは、コンピュータプログラムコードを実行すると、以下の方法のステップを実行することができる:第1の動作モードにおいて第1の照明で画像センサ、例えばカメラセンサによって第1の物体の画像(複数可)を取り込むステップ、並びに該第1の物体が存在しないことが検出された場合に、第2の動作モードにおいて第2の照明で画像センサによって第2の物体の画像(複数可)を取り込むステップ。
【0042】
少なくとも画像センサ、例えば画像を取り込むのに適したカメラを備える従来のマシンビジョンシステムの方法及びシステムと比較すると、本発明によって重要な利点が達成される。本発明による構成により、マシンビジョンシステムが2つの異なる動作モードを有するため、共に少なくとも異なる種類の照明を必要とする2つの異なる物体に同じ画像センサを使用することが可能である。第1のモードは、第1の照明における第1の画像取り込み頻度でのイメージングを含み、第2のモードは、第2の照明における第2の画像取り込み頻度でのイメージングを含み、第1のイメージング標的が存在しないと検出されたときに、第1のモードから第2のモードへの動作モードの切り替えが行われ、該第1のイメージング標的が再び存在すると検出されたときに、該第2のモードから該第1のモードへの動作モードの切り替えが行われる。
【0043】
本発明は、上記提示された実施態様のみに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内で変更可能であることは明らかである。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
少なくとも1つの照明装置、少なくとも1つの画像センサ、及びデータ処理装置を備えるマシンビジョンシステムの第1の動作モードで第1の物体を監視するステップであって、第1の種類の照明を使用して該少なくとも1つの照明装置によって該第1の物体を照明すること、及び第1の画像取り込み頻度で該少なくとも1つの画像センサによって該第1の物体の画像を取り込むことを含み、該第1の物体が、第2の物体上に少なくとも部分的に配置されている、該ステップ;
該取り込まれた画像の取り込まれた画像データを解析のために該データ処理装置に送信するステップ;並びに
該第1の物体が該第2の物体上に存在しないことが、該データ処理装置によって該第1の動作モードで取り込まれた該画像データから検出された場合に、第2の動作モードで該第2の物体を監視して、該取り込まれた画像の該取り込まれた画像データを解析のために該データ処理装置に送信するために該マシンビジョンシステムを切り替えるステップであって、該第2の動作モードにおいて、該少なくとも1つの画像センサが、監視されるべき該第2の物体から第2の画像取り込み頻度で画像を取り込むように再構成される、該ステップを含む、方法。
(構成2)
前記第2の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの照明装置が、監視されるべき前記第2の物体を照明するための第2の種類の照明を使用するように再構成される、構成1記載の方法。
(構成3)
前記第2の動作モードにおいて、前記データ処理装置が、監視されるべき前記第2の物体の異常を検出するのに適するように再構成された画像解析パラメータを用いて、監視されるべき該第2の物体の取り込まれた画像データから異常を検出するように構成されている、構成1又は2記載の方法。
(構成4)
前記第1の物体が前記第2の物体上に存在しないことが、前記取り込まれた画像データから前記データ処理装置によって検出される、構成1~3のいずれか一項記載の方法。
(構成5)
前記第1の物体が前記第2の物体上に存在しないことが、抄紙機制御システムから受信した受信外部指示信号から検出される、構成1~3のいずれか一項記載の方法。
(構成6)
前記第1の物体が材料ウェブであり、前記第2の物体が機械布である、構成1~5のいずれか一項記載の方法。
(構成7)
前記第2の動作モードで前記第2の物体上に前記第1の物体が存在することが、前記データ処理装置によって前記第2の動作モードで取り込まれた画像データから検出された場合に、前記第1の動作モードで監視するために前記マシンビジョンシステムを切り替えるステップをさらに含む、構成1~6のいずれか一項記載の方法。
(構成8)
少なくとも1つの照明装置、少なくとも1つの画像センサ、及びデータ処理装置を備えるマシンビジョンシステムであって、第1の動作モードで第1の物体を監視し、第2の動作モードで第2の物体を監視するように構成され、該第1動作モードにおいて、少なくとも1つの照明装置が、第1の種類の照明を使用して該第1の物体を照明するように構成され、かつ該画像センサが、第1の画像取り込み頻度で第1の物体の画像を取り込み、該取り込まれた画像データを解析のために該データ処理装置に送信するように構成され、該第1の物体が該第2の物体上に存在しないことが該データ処理装置によって該取り込まれた画像データから検出された場合に、該マシンビジョンシステムが、第2の動作モードで該第2の物体を監視し、該取り込まれた画像の該取り込まれた画像データを解析のために該データ処理装置に送信するために第2の動作モードに切り替えられ、該第2の動作モードにおいて、該少なくとも1つの画像センサが、監視されるべき該第2の物体から第2の画像取り込み頻度で画像を取り込むように再構成される、前記マシンビジョンシステム。
(構成9)
前記第2の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの照明装置が、監視されるべき前記第2の物体を照明するための第2の種類の照明を使用するように再構成される、構成8記載のマシンビジョンシステム。
(構成10)
前記第2の動作モードにおいて、前記データ処理装置が、監視されるべき前記第2の物体における異常を検出するのに適するように再構成された画像解析パラメータを用いて、監視されるべき該第2の物体の取り込まれた画像データから異常を検出するように構成されている、構成8又は9記載のマシンビジョンシステム。
(構成11)
前記第1の物体が前記第2の物体上に存在しないことが、前記取り込まれた画像データから前記データ処理装置によって検出されるか、又は抄紙機制御システムから受信した受信外部指示信号から検出される、構成8~10のいずれか一項記載のマシンビジョンシステム。
(構成12)
前記第1の物体が材料ウェブであり、前記第2の物体が機械布である、構成8~11のいずれか一項記載のマシンビジョンシステム。
(構成13)
前記方法が:前記第1の物体が前記第2の物体上に存在することが前記データ処理装置によって前記第2の動作モードで検出された場合に、前記第1の動作モードで前記第1の物体を監視するために前記マシンビジョンシステムを切り替えるステップをさらに含む、構成8~12のいずれか一項記載のマシンビジョンシステム。
(構成14)
コンピュータ可読媒体に格納された、計算装置で実行可能なコンピュータプログラム製品であって、構成1~7のいずれか一項記載の方法を実施するための命令を含む、前記コンピュータプログラム製品。