(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】ウェアラブルセンサの生物付着防止、ならびにそれに関連した使用方法および較正
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1459 20060101AFI20220616BHJP
【FI】
A61B5/1459
(21)【出願番号】P 2019502255
(86)(22)【出願日】2017-06-07
(86)【国際出願番号】 US2017036314
(87)【国際公開番号】W WO2018017196
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-02-28
(32)【優先日】2016-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィッド・レデン
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0259652(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0224515(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0045720(US,A1)
【文献】特表2012-520087(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0275318(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22
G01N 21/00-21/74、33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の流体サンプルにおける少なくとも1つの検体の継続した検出およびモニタリングのための留置ウェアラブルバイオセンサデバイスであって:
マイクロニードルアレイ(12)であって、該マイクロニードルアレイ(12)は、少なくとも1つのポリマー性材料で構築される複数のマイクロニードル(14A-14L)を含み、複数のマイクロニードル(14A-14L)は、患者の表皮組織に埋め込まれ、その結果、複数のマイクロニードルは、患者の流体サンプルと継続して接触し、各マイクロニードルは、外面、内面、穴および開口部を含み、ここで、流体サンプルは、開口部を通ってマイクロニードルの穴へ流れる流体サンプルにより、マイクロニードルの外面および内面と接触し、そしてさらに、複数のマイクロニードル(14A-14L)の各マイクロニードルの内面および外面の少なくとも一部は、前記マイクロニードルアレイ(12)が患者の表皮組織に埋め込まれる場合、創傷治癒プロセスを阻害する、少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物(35A-35D)でコーティングされていて、そして、少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物は、免疫抑制化合物、副腎皮質ステロイド、キトサン、非ステロイド性抗炎症薬、アスピリン、ナプロキセン、イブプロフェン、抗凝固化合物、およびそれらの組合せからなる群から選択される、前記マイクロニードルアレイ(12)と;
複数のマイクロニードル(14A-14L)の各マイクロニードルのポリマー性材料と作動的に会合する複数の検体センサ(20A-20E)、ここで、複数の検体センサは少なくとも一つのフルオロフォアを含み、該複数の検体センサ(20A-20E)は、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体の濃度を示す蛍光シグナルを生成する、前記複数の検体センサ(20A-20E)と;
表面部(34)および裏面部(36)を有する基体(16)であって、前記マイクロニードルアレイ(12)は、前記基体(16)の裏面部(36)に永続的に付着されている、前記基体(16)と;
検出器(18)であって、該検出器(18)は、複数の検体センサ(20A-20E)により生成されたシグナルを受信し、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体の濃度を計算し、提案された処置を診断および評価するために、濃度を外部デバイス(48)に伝達するための回路を含み、そして、マイクロニードルアレイ(12)の各マイクロニードル(14A-14L)内に含有され、および/または、それにコーティングされているフルオロフォアセンサによって放射される蛍光シグナルを受信する、前記検出器と
を含む、前記デバイス。
【請求項2】
ポリマー性材料はポリアクリルアミドである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
流体サンプルは、間質液および血液からなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
基体(16)の裏面部(36)は、基体(16)を患者の表皮組織に取り付けるための接着剤を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
検出器(18)は、マイクロ蛍光光度計、フィルタ蛍光光度計または分光蛍光光度計からなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
少なくとも1つのフルオロフォアは、フルオレセイン、ローダミン、エオシン、オレゴングリーン、テキサスレッド、クマリン誘導体、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、スクアライン誘導体、ピリジオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、アントラキノン、ピレン誘導体、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ポルフィリン、フタロシアニン、ビリルビン、ボロネート、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項7】
患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体は、グルコースである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
患者の流体サンプルにおける少なくとも1つの検体の継続した検出およびモニタリングのための留置ウェアラブルバイオセンサデバイスであって:
マイクロニードルアレイ(12)であって、該マイクロニードルアレイ(12)は、少なくとも1つのポリマー性材料で構築される複数のマイクロニードル(14A-14L)を含み、複数のマイクロニードル(14A-14L)は、患者の表皮組織に埋め込まれ、その結果、複数のマイクロニードルは、患者の流体サンプルと継続して接触し、さらに該複数のマイクロニードル(14A-14L)の少なくとも1つのマイクロニードルは、少なくとも1つの圧電素子(44A-44L)を含む、前記マイクロニードルアレイ(12)と;
表面部(34)および裏面部(36)を有する基体(16)であって、前記マイクロニードルアレイ(12)は、前記基体(16)の裏面部(36)に永続的に付着されている、前記基体(16)と;
検出器(18)であって、該検出器(18)は、少なくとも1つの圧電素子(44A-44L)により生成されたシグナルを受信し、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体の濃度を計算し、提案された処置を診断および評価するために、濃度を外部デバイス(48)に伝達するための回路を含み、さらに、前記検出器(18)は、少なくとも1つの圧電素子(44A-44L)により生成された第1の電気シグナルを受信し、第2の電気シグナルを少なくとも1つの圧電素子(44A-44L)に送達し、これにより、少なくとも1つの圧電素子(44A-44L)の振動が得られる、前記検出器と
を含む、前記デバイス。
【請求項9】
ポリマー性材料はポリアクリルアミドである、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
流体サンプルは、間質液および血液からなる群から選択される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
少なくとも1つの圧電素子(44A-44L)は、石英、ベルリナイト、トパーズ、トルマリン、ショ糖、ロッシェル塩、チタン酸バリウム、およびチタン酸ジルコン酸鉛からなる群から選択される、請求項8に記載のデバイス。
【請求項12】
基体(16)の裏面部(36)は、基体(16)を患者の表皮組織に取り付けるための接着剤を含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項13】
患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体は、グルコースである、請求項8に記載のデバイス。
【請求項14】
患者の流体サンプルにおける少なくとも1つの検体の継続した検出およびモニタリングのための留置ウェアラブルバイオセンサデバイスであって:
マイクロニードルアレイ(12)であって、該マイクロニードルアレイ(12)は、ポリマー性材料で構築される複数のマイクロニードル(14A-14L)を含み、複数のマイクロニードル(14A-14L)は、少なくとも1本の較正マイクロニードル(15A-15C)を含み、複数のマイクロニードル(14A-14L)は、患者の表皮組織に埋め込まれ、その結果、複数のマイクロニードル(14A-14L)は、患者の流体サンプルと継続して接触し、各マイクロニードルは、外面、内面、穴および開口部を含み、ここで、流体サンプルは、開口部を通ってマイクロニードルの穴へ流れる流体サンプルにより、マイクロニードルの外面および内面と接触し、そしてさらに、複数のマイクロニードル(14A-14L)の各マイクロニードルの内面および外面の少なくとも一部は、前記マイクロニードルアレイ(12)が患者の表皮組織に埋め込まれる場合、創傷治癒プロセスを阻害する、少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物(35A-35D)でコーティングされていて、そして、少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物は、免疫抑制化合物、副腎皮質ステロイド、キトサン、非ステロイド性抗炎症薬、アスピリン、ナプロキセン、イブプロフェン、抗凝固化合物、およびそれらの組合せからなる群から選択される、前記マイクロニードルアレイ(12)と;
複数のマイクロニードル(14A-14L)の各マイクロニードルのポリマー性材料と作動的に会合する複数の検体センサ(20A-20E)、ここで、複数の検体センサは少なくとも一つのフルオロフォアを含み、該複数の検体センサ(20A-20E)は、少なくとも1つの検体の存在下で蛍光シグナルを生成し、シグナルは、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体の濃度を示し、さらに、少なくとも1本の較正ニードル(15A-15C)のポリマー性材料と作動的に会合する前記複数の検体センサ(20A-20E)は、患者の流体サンプルに曝露した際に、一定なシグナルを放射し、そして、較正マイクロニードル(15A-15C)のそれぞれは、蛍光シグナルを放射し、常に活性である較正マイクロニードル(15A-15C)を形成するフルオロフォアセンサを含む、複数の検体センサ(20A-20E)と;
表面部(34)および裏面部(36)を有する基体(16)であって、前記マイクロニードルアレイ(12)は、前記基体(16)の裏面部(36)に永続的に付着されている、前記基体(16)と;
検出器(18)であって、該検出器(18)は、複数の検体センサ(20A-20E)により生成されたシグナルを受信し、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体の濃度を計算し、提案された処置を診断および評価するために、濃度を外部デバイス(48)に伝達するための回路を含む、前記検出器(18)と
を含む、
前記デバイス。
【請求項15】
ポリマー性材料はポリアクリルアミドである、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
流体サンプルは、間質液および血液からなる群から選択される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項17】
基体(16)の裏面部(36)は、基体(16)を患者の表皮組織に取り付けるための接着剤を含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項18】
検出器(18)は、マイクロ蛍光光度計、フィルタ蛍光光度計または分光蛍光光度計からなる群から選択される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項19】
少なくとも1つのフルオロフォアは、フルオレセイン、ローダミン、エオシン、オレゴングリーン、テキサスレッド、クマリン誘導体、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、スクアライン誘導体、ピリジオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、アントラキノン、ピレン誘導体、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ポルフィリン、フタロシアニン、ビリルビン、ボロネート、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項20】
患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体は、グルコースである、請求項14に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年7月18日に出願された米国仮出願第62/363,577号、および2016年7月18日に出願された米国仮出願第62/363,572号に対する優先権を主張し、これらの開示のいずれも、それら全体が参照によってここに組み入れられる。
【0002】
連邦政府資金による研究または開発に関する陳述
不適用。
【0003】
ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念は、糖尿病前症のウェアラブルセンサを含むが、それらに限定されない、ウェアラブルセンサ用デバイス、ならびにその使用方法および較正に関する。より具体的には、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念は、そのようなウェアラブルセンサの生物付着を低下させ、かつ/または排除するよう構成されたウェアラブルセンサに関する。
【背景技術】
【0004】
例えば、患者の間質液サンプルを含む、患者の流体サンプルに存在し得る検体を継続して検出するためのデバイスおよび方法は、多数存在する。そのようなデバイスは、患者の体内、例えば患者の角質層または表皮組織内に留置された場合、特定の疾患または障害、例えば例でしかないが糖尿病などを示す検体の濃度の検出および継続的なモニタリングに有効であることが証明されている。さらに、そのようなデバイスは、デバイスが患者の体内に留置されている場合、例えば、薬物および/または他の治療化合物の送達に有効なことがある。しかし、そのような留置ウェアラブルセンサには、バイオセンサのマイクロニードルにおける生物付着という重大な問題が存在し、このため、精度、寿命、また、いくつかのケースではバイオセンサそのものの安定した機能が低下する。生物付着は、留置センサおよび/またはそのマイクロニードルが、患者の体に異物として認識される創傷治癒プロセスに関連する自然現象を指す。結果として、細胞およびタンパク質(および/または他の生体物質)をマイクロニードルに結合させ、それにより、バイオセンサ機能が損なわれ、弱まり、かつ/または破綻する生物学的反応(例えば、明確な止血、炎症、増殖、および成熟段階を含む創傷治癒カスケード)が誘発される。したがって、現在、生物付着プロセスの有害作用を軽減し、かつ/または取り除き、それにより、バイオセンサの継続作動、アクティブセンシング、およびウェアラブル持続時間を改善する、改善された留置ウェアラブルバイオセンサの必要性がある。そのような改善されたセンサ(およびそれに関連した使用方法)は、一実施形態では、創傷治癒プロセスを阻害する少なくとも1つの化合物を含む少なくとも1本のマイクロニードルを含むマイクロニードルアレイを含み得る。さらに(または別法として)、改善された留置ウェアラブルバイオセンサは、検出器から電気シグナルを受信できる少なくとも1つの圧電素子も含み得、これにより、少なくとも1つの圧電素子を振動させて、それによりバイオセンサのマイクロニードル上で、またはその中に堆積したある細胞、タンパク質、および/または他の生体物質を取り除く、かつ/または排除する。ここで開示され、請求されている本発明の概念は、そのような改善されたデバイスおよび方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】ここで開示され、かつ/または請求されている改善された留置ウェアラブルバイオセンサの一実施形態の透視側面図である。
【
図1A】複数の較正マイクロニードルをさらに含む、
図1の留置ウェアラブルバイオセンサのさらなる実施形態の透視側面図である。
【
図2A】ここで開示され、かつ/または請求されている、改善された留置ウェアラブルバイオセンサの、改善されたマイクロニードルの一実施形態の平面側面図である。
【
図2B】フルオロフォアセンサがさらに例証され、
図2Aで描写されている、ここで開示され、かつ/または請求されている、改善された留置ウェアラブルバイオセンサの、改善されたマイクロニードルの先端部の一実施形態の詳細な平面側面図である。
【
図3】少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物が、バイオセンサの生物付着を防止する、軽減する、および/または排除するために、創傷治癒阻害化合物がマイクロニードルの少なくとも1つの表面にコーティングされるように、マイクロニードルを形成するポリマー性材料と会合している、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の、改善されたマイクロニードルの先端部の一実施形態の詳細な概略図である。
【
図4】バイオセンサが、患者の表皮組織内に留置され、患者の流体サンプルと流体連結している、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の、改善された留置ウェアラブルバイオセンサの一実施形態の側面図である。
【
図5】バイオセンサの生物付着を防止、軽減、および/または排除するための圧電素子を含む、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の一代替実施形態を描写する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
模範的な図面、実験、結果および検査法により本発明の概念の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、発明の概念は、その適用において、以下の説明に記載されている、または図面、実験および/もしくは結果において例証されている部品の構築および配置の詳細に限定されないことは理解されるべきである。本発明の概念は、他の実施形態になることが可能である、または様々な手段で実践する、もしくは実行することが可能である。上記のように、本明細書で使用される言葉は、最大限に広い範囲および意味で示されることが意図されており;実施形態は、模範的であるが網羅的ではないことを意味する。また、本明細書で用いられる表現および術語は、説明の目的のためであり、限定とみなすべきではないことを理解すべきである。
【0007】
本明細書において特に定義がない限り、ここで開示され、請求されている本発明の概念に関連して使用される科学および技術用語は、当業者により一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によって必要とされない限り、単数形の用語は、複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。先述の技術および手順は、一般的に、当業界で周知の従来の方法に従って行われ、本明細書全体で引用され、論じられている様々な一般的な、また、より具体的な参考文献に記載されている通りである。本明細書に記載されている分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品化学および製薬化学に関連して利用される命名法、ならびにその検査法および技術は、当業界で周知かつ一般的に使用されるものである。
【0008】
本明細書で言及されるすべての特許、公開特許出願および非特許文献は、ここで開示され、請求されている本発明の概念に関する当業者の技術レベルを示す。本出願のある部分で参照されるすべての特許、公開特許出願および非特許文献は、個々の特許または文献のそれぞれが参照によって具体的かつ個々に組み入れられるように指し示された場合と同程度に、参照によってその全体が本明細書に明白に組み入れられる。
【0009】
本明細書で開示され、請求されているすべてのデバイス、キット、および/または方法は、本開示を踏まえ、過度の実験なしで作り、実行できる。ここで開示され、請求されている本発明の概念の組立ておよび方法は、好ましい実施形態について記載されているが、当業者には、変形は、ここで開示され、請求されている本発明の概念、その精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されている方法の組立ておよび/または方法に、また、その方法の工程、または工程順序において適用できることが明らかである。当業者に明らかなそのような類似した置換および改変は、いずれも、添付の特許請求の範囲により定義されている本発明の概念の精神、範囲、および概念内とされる。
【0010】
本開示により利用されているように、以下の用語は、特に指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする:
【0011】
「a」または「an」という単語の使用は、請求項および/または明細書において「を含む」と併せて使用される場合、「1」を意味し得るが、これは、「1つまたはそれ以上」、「少なくとも1つ」、および「1つまたはそれ超」の意味とも一致する。単数形「a」、「an」および「the」は、文脈で特に明らかに指し示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ある化合物」への言及は、1もしくはそれ以上、2以上、3以上、4以上またはそれより大きい数の化合物を指し得る。「複数」という用語は、「2つ以上」を指す。請求項における「または」という用語の使用は、代用物のみを指すこと、または代用物が互いに排他的であることが明らかに指し示されない限り、「および/または」を意味するように使用されるが、本開示は、代用物のみ、および「および/または」を指す定義を支持する。本出願全体で、「約」という用語は、値が、デバイスのエラーに固有の変化を含むことを指し示すように使用され、この方法を用いて、研究対象の間で存在する値または変化を判定する。例えば、「約」という用語が利用される場合、限定しないが、指定値は、規定値から±20%または±10%または±5%または±1%または±0.1%変化してよく、そのような変化は、開示されている方法を実施するのに適し、当業者により理解される。「少なくとも1」という用語の使用は、1、ならびに2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100などを含むが、それらに限定されない1を超える任意の量を含むと理解される。「少なくとも1つの」という用語は、それを伴う用語に応じて100、または1000以上まで拡大し得;さらに、100/1000の量は、より高い限定が満足すべき結果を生むこともあるので、限定と考えるべきではない。さらに、「少なくとも1つのX、YおよびZ」の使用は、X単独、Y単独およびZ単独、ならびにX、YおよびZの任意の組合せを含むと理解される。序数の用語(すなわち、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」など)の使用は、単に、2つ以上の品目の間で区別する目的のためのものであり、例えば任意の順序もしくは順番、または、別のものと比較したある品目に対する重要性、または任意の添加の順番を暗示することを意味しない。
【0012】
本明細書および請求項に使用されている「を含む(comprising)」(ならびに、例えば「を含む(comprise)」および「を含む(comprises)」を含む任意の形態)、「を有する(having)」(ならびに、例えば「を有する(have)」および「を有する(has)」を有する任意の形態)、「を含む(including)」(ならびに、例えば「含む(includes)」および「含む(include)」を含む任意の形態)または、「含有する(containing)」(ならびに、例えば「含有する(contains)」および「含有する(contain)」を含有する任意の形態)という用語は、包括的または非限定的であり、挙げられていない追加の構成要素または方法の工程を除外しない。
【0013】
本明細書で使用されている「またはそれらの組合せ」という用語は、この用語に先行する、列挙された品目のすべての並べ替えおよび組合せを指す。例えば、「A、B、Cまたはそれらの組合せ」は:A、B、C、AB、AC、BCまたはABC、また、特定の文脈において、順番が重要な場合は、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BACまたはCABの少なくとも1つを含むことが意図される。この例に続いて、例えばBB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBの1つまたはそれ以上の品目または用語の繰り返しを含有する組合せが、明白に含まれる。当業者は、典型的には、文脈から特に明らかでない限り、任意の組合せにおける品目または用語の数に対して限定はないことを理解する。
【0014】
本明細書で使用されている「実質的に」という用語は、その後に記載される事象または状況が必ず発生すること、または,その後に記載される事象または状況が、大部分で、または高い程度で発生することを意味する。例えば、「実質的に」という用語は、その後に記載される事象または状況が、少なくとも90%の確率、または少なくとも95%の確率、または少なくとも98%の確率で発生することを意味する。
【0015】
本明細書で使用されている「と会合する」という語句は、2つの部分の互いの直接的な会合、ならびに、2つの部分の互いの間接的な会合の両方を含む。会合の非限定的な例は、ある部分と別の部分の、直接結合による、または、スペーサー基を介した共有結合、ある部分と別の部分の直接の、またはその部分に結合する特定の結合対メンバーによる非共有結合、例えばある部分の別の部分への溶解、または合成による、ある部分の別の部分への組入れ、およびある部分の別の部分へのコーティングを含む。
【0016】
「創傷治癒阻害化合物」という用語は、創傷治癒プロセスおよび/またはカスケードを軽減する、阻害する、および/または排除する任意の化合物、物質、またはそれらの組合せを含む。創傷治癒阻害化合物の例は、免疫抑制化合物、副腎皮質ステロイド、キトサン、アスピリン、ナプロキセン、および/またはイブプロフェンを含むが、限定されない非ステロイド性抗炎症薬、ならびに抗凝固化合物、ならびにそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。創傷治癒阻害化合物は、マイクロニードルアレイのマイクロニードルのそれぞれ、一部またはすべての上に、または中に組み入れられ、マイクロニードルアレイのマイクロニードルのそれぞれ、一部またはすべての表面(複数可)上における創傷治癒阻害化合物のコーティングによることを含むが、それらに限定されない。別法として、またはさらに、創傷治癒阻害化合物は、マイクロニードルアレイの製造プロセス中に、マイクロニードルを形成するポリマー性材料内に含浸させてよい。
【0017】
本明細書で使用されている「生物付着」という用語は、バイオセンサの機能が損なわれ、弱まり、かつ/または排除される、留置ウェアラブルバイオセンサのマイクロニードルアレイのマイクロニードルの少なくとも1つの表面上における、および/または、その中における細胞、タンパク質および/または他の生体物質の蓄積および/または凝集を意味する。そのような細胞、タンパク質、他の生体物質は、フィブリン、フィブロネクチン、糖タンパク質、増殖因子、キニン、サイトカイン、ケモカイン、線維芽細胞、血小板、セロトニン、ブラジキニン、プロスタグランジン、プロスタサイクリン、トロンボキサン、およびヒスタミンを含むが、限定されない炎症誘発性因子、プロテアーゼ、マクロファージ、単球、貪食細胞、血管作動性アミン、エイコサノイド、白血球、および好中球(多形核好中球を含む)を含むが、それらに限定されない。
【0018】
本明細書で使用されている「回路」という用語は、アナログおよび/もしくはデジタル部品であってよい、または、1つ以上の好適にプログラムされたプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)ならびに関連ハードウェアおよびソフトウェア、コントローラ、もしくはハードワイヤード論理であってよい。また、「部品」は、1つ以上の機能を行うことができる。「部品」という用語は、ハードウェア、例えばプロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)および特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ハードウェアおよびソフトウェアの組合せなどを含み得る。本明細書で使用されている「プロセッサ」という用語は、独立して、または一緒に動作して正確にタスクを実行する、単一のプロセッサまたは複数のプロセッサを意味する。
【0019】
本明細書で使用されている「流体サンプル」という用語は、ここで開示され、請求されている本発明の概念に従って利用できる、任意のタイプの生物学的流体サンプルを含むと理解される。全血またはその一部(すなわち、血漿または血清)、唾液、痰、脳脊髄液(CSF)、腸液、腹腔内液、嚢胞液、汗、間質液、涙液、粘液、尿、膀胱洗浄液、精液、組合せなどを含むが、それらに限定されない生物学的サンプルの例が、利用できる。非限定的な一実施形態では、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念に従って利用される流体サンプルは、間質液である。
【0020】
「患者」という用語は、ヒトおよび獣医学的対象を含む。ある実施形態では、患者は哺乳動物である。ある他の実施形態では、患者は、乳児、幼児、小児、若年成人、成人、および高齢者のヒト対象を含むが、それらに限定されないヒトである。処置の目的のための「哺乳動物」は、ヒト、家畜(domestic animals)および家畜(farm animals)、非ヒト霊長類および動物園の動物、スポーツ動物またはペット動物、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ウシを含む、哺乳動物として分類されるある動物を指す。
【0021】
「圧電性の」、「圧電性」および/または「圧電効果」という用語は、ある材料が、機械的応力および/または圧力の変化に応答して電荷を生成する能力を意味する。さらに、これらの用語は、そのような材料が、電界、電気シグナル、または電気入力に曝露した際に伸びる、圧縮する、および/または振動する逆の(すなわち、逆圧電効果)意味を包含する。圧電材料/素子の例は、石英、ベルリナイト、トパーズ、トルマリン、ショ糖、ロッシェル塩、チタン酸バリウム、およびチタン酸ジルコン酸鉛を含むが、それらに限定されない。
【0022】
「無線通信」という用語は、無線で行われ、送達され、また、無線通信技術およびデバイスを介し、無線シグナルを使用して、2つ以上のデバイスの間で接続し、通信するすべての手順および形態を組み入れるデータ通信を意味する。無線通信という用語は、衛星、モバイル、無線ネットワーク、赤外線、およびブルートゥース通信を含むが、それに限定されない。
【0023】
次に詳細な実施形態を参照すると、ここで開示され、請求されている本発明の概念は、マイクロニードルアレイの生物付着を軽減し、かつ/または排除し、それにより、バイオセンサの性能および寿命を改善するためのデバイスおよび方法に関する。患者の流体テストサンプルは、本明細書では、主に患者の間質液サンプルに関して論じられているが、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念は、あらゆるタイプの患者の流体サンプルに適用されることは、当業者により容易に理解されるはずである。さらに、本明細書に記載されている例の大多数は、グルコースの検出および継続したモニタリングを指すが、当業者は、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念は、グルコースの検出のみに限定されず、患者の流体サンプルに存在し得るあらゆる数の、またはあらゆるタイプの検体の検出およびモニタリングにも利用できることを容易に理解するはずである。より具体的には、ここで開示され、請求されている本発明の概念は、生物付着の影響を軽減する、または排除する、改善された留置ウェアラブルバイオセンサ、およびそれに関連した使用方法の実施形態に関する。
【0024】
事実上、生物学的、化学的または生化学的分析およびアッセイの分野で使用されるいかなる試薬も、ここで請求され、開示されている本発明の概念のデバイス、および方法に、患者の流体サンプルに存在する目的の検体を検出するためのセンサとして使用できることが期待される。これらの試薬は、目的の検体に結合した場合に、物理的および/または化学的変化を受け、それによって、試薬-検体複合体により生成されたシグナルの強度、色、性質、周波数、蛍光性、波長またはタイプが患者の流体サンプル内に存在する検体の濃度に正比例または反比例することが期待される。これらの試薬は、目的の検体と反応させた場合に、色、蛍光性または波長の変化を呈し得る、指示色素、金属、酵素、フルオロフォア、ポリマー、抗体、ならびに電気化学的に反応性の原料および/またはその化学物質を含有する、または含み得る。一実施形態では、試薬(検体センサとして作用する)は、各マイクロニードルの少なくとも1つの外面上、各マイクロニードル内(各マイクロニードルの先端部内を含むが、それに限定されない)、またはマイクロニードルアレイの各マイクロニードルの外側および内部の両方におけるポリマー性材料と会合するフルオロフォアおよび/または蛍光色素を含む。検体センサを含むフルオロフォアおよび/または蛍光色素は、マイクロニードルアレイの各マイクロニードルの外面上に、または各マイクロニードルの先端内におけるポリマー性材料と会合し得る。そのようなフルオロフォアおよび蛍光色素は、フルオレセイン、ローダミン、エオシン、オレゴングリーン、テキサスレッド、クマリン誘導体、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、スクアライン誘導体、ピリジオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、アントラキノン、ピレン誘導体、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ポルフィリン、フタロシアニン、ビリルビン、ボロネート、およびそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。非限定的な一実施形態では、試薬は、ボロネートフルオロフォアである。
【0025】
ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念は、サンプルの比重、濃度、および/またはpHを含むが、それらに限定されない、患者の流体サンプルに関連するある状態を検出できる。本明細書で開示されているように、本明細書で開示され、かつ/または請求されているデバイス、キット、および方法は、全血、血漿、血清、尿、または間質液を含むが限定されない、患者の任意の流体サンプルを分析するのに使用できる。非限定的な一実施形態では、患者の流体サンプルは、間質液である。
【0026】
一実施形態では、検体センサは、少なくとも、マイクロニードルアレイのマイクロニードルを形成するポリマー性材料に共有結合的に会合する少なくとも1つのフルオロフォアを含む。検体センサは、少なくとも1つのフルオロフォアを含む場合、主に光誘起電子移動の原則に基づいて機能する。患者の流体サンプルに目的の検体(例えば、グルコース)がない場合、フルオロフォアセンサのアミン基の窒素は、電子が豊富な中心として作用し、フルオロフォアを消光する。しかし、目的の検体(例えば、グルコース)の存在下では、検体分子は、フルオロフォアセンサに結合し、それにより、消光効果が阻害され、蛍光発光し、その強度は目的の検体の濃度に正比例する。本明細書でさらに論じられているように、マイクロニードルアレイは、少なくとも1本の較正ニードルをさらに含み得る。少なくとも1本の較正マイクロニードルを含む検体センサは、マイクロニードルを含む他のマイクロニードルアレイとは異なり、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体により活性化されず;それどころか、少なくとも1本の較正ニードルの検体センサは常に「オン」であり、シグナルを断続的に、また、一定して放射し(例えば、検体センサが少なくとも1つのフルオロフォアを含む場合、検体センサは、蛍光シグナルを継続して、また、一定して放射し)、その強度は、既知の、および/または予め計算された、目的の検体の濃度を示す。
【0027】
次に図、より詳細には
図1を参照すると、ここで開示され、かつ/または請求されている改善された留置ウェアラブルバイオセンサ10の一実施形態が示されている。バイオセンサ10は、マイクロニードルアレイ12、基体16、および検出器18を含む。
【0028】
マイクロニードルアレイ12は、複数のマイクロニードル14A~14Lを含む。12本のマイクロニードルを含むように
図1で示されているが、マイクロニードルアレイ12は、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する任意の数のマイクロニードルを含み得ることは、当業者により容易に理解されるはずである。限定ではなく単なる例としては、マイクロニードルアレイ12は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、または1000本超のマイクロニードルを含み得る。マイクロニードル14A~14Lは、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行することが可能である任意の材料で構築してよい。そのような材料は、一般的に熱的に安定であり、生物学的および化学的に相溶性があり、安全で可撓性であり、非吸湿性、不活性、かつ光透過性である。そのような材料は、ポリマー性材料、例えば、単なる例として、ポリアクリルアミド、ポリ(メチルビニルエーテル-alt-無水マレイン酸)(PMVE/MA)、マルトース、カルボキシメチルセルロース、アミロペクチン、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸/デキストリン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、PMVE/MA-ポリ(エチレングリコール)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA-デキストリン、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、および/またはそれらの組合せを含むが、それらに限定されない。非限定的な一実施形態では、マイクロニードル14A~14Lは、ポリアクリルアミドで構築される。
【0029】
マイクロニードル14A~14Lの寸法は、同一であっても、異なっていても、またはそれらの組合せであってもよいが、但し、マイクロニードル14A~14Lは、患者の表皮組織を貫通し、その中に存在し、その結果、患者の流体サンプルと継続して接触し続けることができることが条件である。典型的には、マイクロニードル14A~14Lは:(1)長さ150マイクロメートル以下、または約300から約1,500マイクロメートル、または約400から約1,400マイクロメートル、または約500から約1,300マイクロメートル、または約600から約1,200マイクロメートル、または約700から約1,100マイクロメートル、または約800から約1,000マイクロメートル、または約900マイクロメートル;(2)幅約100から約500マイクロメートル、または約200から約450マイクロメートル、または約250から約400マイクロメートル、または約300から約350マイクロメートル;、また、(3)厚さ約15から約100マイクロメートル、または約25から約90マイクロメートル、または約35から約80マイクロメートル、または約45マイクロメートルから約70マイクロメートル、または約55から約60マイクロメートルの寸法を有する。さらに、また、
図2Aおよび
図2Bに関してさらに論じられているように、マイクロニードル14A~14Lの先端部を含むが、限定されない少なくとも一部は、少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物(
図3で示されているように)で、(マイクロニードル14A~14Lのそれぞれを形成するポリマー性材料との会合により)含浸され、かつ/またはコーティングされ、この化合物は、マイクロニードル14A~14Lが、患者の角質層または表皮組織内に留置され、患者の流体サンプルと接触する場合に生物付着を軽減し、かつ/または排除する。
図2Aおよび2Bにさらに関して論じられているように、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lのそれぞれは、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lのそれぞれを形成するポリマー性材料と会合する少なくとも1つのフルオロフォアセンサを含有し、かつ/またはそれでコーティングされる。したがって、目的の検体(例えば、グルコース)の存在下で、フルオロフォアセンサは、患者の流体サンプルにおける目的の検体の濃度を示し、かつ/またはそれに正比例する、蛍光シグナルを放射する。そのような蛍光シグナルは、検出器18により受信され(本明細書でより詳細に論じられている)、これにより患者の流体サンプル内に存在する目的の検体の濃度に特異的な蛍光シグナルが解明され、相互に関連付けられる
【0030】
留置ウェアラブルバイオセンサ10は、基体16をさらに含み、非限定的な一実施形態では、基体は、第1の末端26、第2の末端28、第1の側部30、第2の側部32、表面部34、および裏面部36を含む。
図1では、形状に関してほぼ長方形であるように示されているが、基体16は、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行するための助けとなる任意の形状であってよいことは、当業者には容易に理解されるはずである。そのような形状は、円形、三角形、正方形、ダイヤ形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、菱形、台形、および平行四辺形を含むが、それらに限定されない。
【0031】
基体16は、好ましくは、耐久性があり、可撓性であり、ごく薄く軽量で伸縮自在の、「皮膚状」膜で構築され、これは、周知のガーゼ付絆創膏および/または経皮パッチのものと同様に、適合的に、軟接触により患者の皮膚の表面に接着し、かつ/または積層する。一実施形態では、基体16の裏面部36は、バイオセンサ10を患者の皮膚に固定するための接着剤材料(示されていない)を含む。別法として、バイオセンサ10は、基体16および患者の皮膚の間のファンデルワールス相互作用により、単体で患者の皮膚に接着し、固定できる;しかし、基体16は、当業界で一般的に公知の任意の手段により、患者の皮膚を固定できることは、当業者により容易に理解されるはずである。そのような耐久性があり、可撓性の材料は、織布、プラスチック、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、および/もしくはポリウレタン、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)、もしくはラテックス、ならびに/または、それらの組合せを含み得るが、それらに限定されない。そのような接着剤材料は、メタクリレートおよびエポキシジアクリレート/ビニル樹脂を含むが、限定されないアクリレート物質、ならびに/またはそれらの組合せを含み得るが、それらに限定されない。好ましくは、基体16は、接着剤(示されていない)が、基体16の裏面部36に沿った位置で、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lを堅固に固定しているテープまたはフィルムである。したがって、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lのそれぞれは、そのようなマイクロニードル14A~14Lが、患者の角質層または表皮組織内に留置される場合、基体16の裏面部36に、それを介して堅固に、かつ/または永続的に固定され続ける。マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lを固定するための、そのような方法および手段は、当業界で一般的に公知である。
図1では、基体16の裏面部36に沿って均一に間隔を置くように示されているが、マイクロニードル14A~14Lは、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行することが可能である任意の構成で位置させてよいことは、当業者により容易に理解されるはずである。例えば、マイクロニードル14A~14L(または本明細書で検討されているものより多い、もしくは少ないマイクロニードル)は、無作為に、または任意の所定の構成で、基体16の裏面部36に、またはその全体に位置させてよい。
【0032】
留置ウェアラブルバイオセンサ10は、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lのそれぞれの中に含有され、かつ/または、それにコーティングされているフルオロフォアセンサ(
図2Aおよび
図2Bでより詳細に示されている)により放射される蛍光シグナルを受信する検出器18をさらに含む。したがって、一実施形態では、検出器18は、マイクロ蛍光光度計、フィルタ蛍光光度計または分光蛍光光度計を含むが、それに限定されない蛍光光度計を含む。
図1で示されているように、非限定的な一実施形態では、検出器18は、基体16の表面部34に位置する(また、一実施形態では、そこに永続的に取り付けることができる);しかし、検出器18は、基体16の任意の部分に位置でき、但し、検出器18は、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lのそれぞれの中に含有され、かつ/または、それにコーティングされているフルオロフォアセンサ(
図2Aおよび
図2Bでより詳細に示されている)により放射される蛍光シグナルを受信できることを条件とするのは当業者により理解されるはずである。
【0033】
本明細書において以下でより具体的に論じられているように(また、
図5で示されているように)、検出器18は、回路(コントローラ、マイクロプロセッサ、メモリ、および/またはインタフェースを含むが、限定されない)を含み、これにより検出器18は:(a)検体センサにより受信されるシグナルに基づいて少なくとも1つの目的の検体の濃度を計算し、相互に関連付け;(b)少なくとも1つの外部デバイスと無線通信することを可能にし、その結果、そのような少なくとも1つの外部デバイスと無線通信できる検出器18によりデータ(蛍光性および計算した濃度を含むが、限定されない)を収集できる。その後、使用者(医師、看護師、または患者のケア実施担当者(患者本人を含む)を含むが、限定されない)は、そのような少なくとも1つの外部デバイスにおけるそのようなデータの提示に基づいて、患者を処置するための有効な治療プランを解明し、モニターし、展開することができる。
【0034】
バイオセンサ10は、マイクロニードルアレイ12および検出器18が、基体16との連結により、またはそれを介して互いに近くに位置するように構成される。この近接近の結果として、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lのそれぞれの中に含有され、かつ/または、それにコーティングされているフルオロフォアセンサ(
図2Aおよび
図2Bでより詳細に示されている)から検出器18により受信される蛍光シグナルの損失は、軽減され、最小化され、および/または排除され、それにより、患者の流体のサンプル内に含有される目的の検体の濃度がさらに正確に検出される。
【0035】
次に
図1Aを参照すると、
図1の留置ウェアラブルバイオセンサ10の非限定的なさらなる実施形態が示されており、バイオセンサ10のマイクロニードルアレイ12は、複数の較正マイクロニードル15A~15Cをさらに含む。
図1Aでは、3本の較正マイクロニードル15A~15Cを含むように示されているが、マイクロニードルアレイ12は、任意の数の較正マイクロニードル(単一の較正マイクロニードルを含むが、それに限定されない)を含み得、そのような較正マイクロニードルは、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する任意の構成で方向づけられることは、当業者には容易に理解されるはずである。簡略化のために、
図1および
図1Aに関して記載されている実施形態の差は、複数の較正マイクロニードル15A~15Cの包含および機能だけなので、バイオセンサ10の説明は、本明細書において繰り返さない。
【0036】
較正マイクロニードル15A~15Cのそれぞれが、患者の流体サンプルに存在し得る少なくとも1つの目的の検体(例えば、単なる例として、グルコース)の濃度を示す蛍光シグナルを放射するフルオロフォアセンサ(示されていないが、較正マイクロニードル15A~15Cを形成するポリマー性材料と会合する)を含むという点で、複数の較正マイクロニードル15A~15Cはマイクロニードル14A~14Lと同様に構造化され、構築される。しかし、較正ニードル15A~15Cのフルオロフォアセンサは、常に活性であり(すなわち、これらは、目的の検体をフルオロフォアセンサに結合させることによって別々に活性化されず)、結果として、検出器18により受信できる蛍光シグナルを常に放射する。較正マイクロニードル15A~15Cのフルオロフォアセンサにより放射される一定の蛍光シグナルは、目的の検体の既知の濃度を示す強度で、蛍光シグナルの放射を予め較正でき、かつ/または予め選択できる。そのような強度(したがって、既知の濃度)は、較正マイクロニードル15A~15Cの各フルオロフォアセンサに対して、同一であっても、異なっていても、または同一のものと異なるものの組合せであってもよい。したがって、マイクロニードル14A~14Lにより能動的に検知された目的の検体(例えば、グルコース)の濃度は、検出器18により、そのような蛍光シグナルを、較正マイクロニードル15A~15Cのフルオロフォアセンサにより放射される一定の蛍光シグナルと比較することで、正確に計算できる。さらに、検出器18が、マイクロニードル14A~14Lのフルオロフォアセンサにより放射される蛍光シグナルの変化を、較正ニードル15A~15Cのフルオロフォアセンサにより放射される一定の蛍光シグナルと比較して検出できるので、較正マイクロニードル15A~15Cは、マイクロニードル14A~14Lの生物付着が発生しているか否かの検出にさらに利用できる。生物付着が検出された場合、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念に従って、また、本明細書に記載されているように適切な修復が達成できる。
【0037】
次に
図2Aおよび
図2Bを参照すると、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の改善されたマイクロニードル14Aの一実施形態が示されている。
図2Aおよび
図2Bは、本明細書において上で論じられているように単一のマイクロニードル14Aを示すが、マイクロニードルアレイ12は、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行する任意の数のマイクロニードルを含み得ることは、当業者には容易に理解されるはずである。しかし、例示および簡略化を目的として、
図2Aおよび
図2Bでは、1本のみのマイクロニードル14Aが示されている。マイクロニードル14Aに対する以下の説明は、例えば、マイクロニードル14A~14Lを含むマイクロニードルアレイ12を含む、いずれかの、また、すべてのマイクロニードルに等しく適用可能である。
【0038】
次に
図2Aを参照すると、マイクロニードル14Aは、ベース部22、先端部24、ベース部22から先端部24へとマイクロニードル14Aの長さにわたって伸びる穴23、および先端部24の穴23の遠位端における開口部25を含む。
図2A(ならびに
図2B、
図3、および
図4)では、マイクロニードル14Aは、開口部25を含むように描写されているが、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念が、この実施形態に限定されないことは、当業者により容易に理解されるはずである。例えば、非限定的な一実施形態では、マイクロニードル14Aは、多孔ヒドロゲル(ポリアクリルアミドを含むが、それらに限定されない)で形成できる。この実施形態では、開口部25は必須ではないが、その理由は、患者の流体サンプルが、マイクロニードル14Aを形成する多孔ヒドロゲルを介して、また、その中で拡散し、それによって、患者の流体サンプル内に含有される少なくとも1つの目的の検体が、マイクロニードル14Aと会合し、かつ/または重合し、かつ/または含浸している少なくとも1つの検体センサと会合することが可能なためである。
【0039】
図2Aで示されているように、また、本明細書で論じられているように、マイクロニードル14Aのベース部22は、基体16の裏面部36に堅固に固定される。一実施形態では、マイクロニードル14Aのベース部22の、基体16の裏面部36への固定は、バイオセンサ10の製造プロセス中に、接着剤、またはシームレスな組込みを含むが、それらに限定されない当業界で一般的に公知の任意の機構により、達成できる。非限定的な代替実施形態では、マイクロニードル14Aは、検出器18内の直接的な組込みにより、またはそこへの付着で(すなわち、基体16を介して)堅固に固定されており、その結果、患者の流体サンプルにおける目的の検体の検出に応答するフルオロフォアセンサにより生成され、放射される蛍光シグナルは、穴23を介して検出器18に直接伝達される(それにより、シグナルの損失が軽減する)。別の非限定的な代替実施形態では、基体16は、基体16全体に及ぶ、予め形成された開口部(示されていない)を含む。マイクロニードル14A(ならびにマイクロニードルアレイ12を含むいずれかの、およびすべてのマイクロニードル)は、基体16全体にキャストしてよく、その結果、マイクロニードル14Aを形成する材料の一部が、基体の表面部34に存在し、それにより、マイクロニードル14Aを基体16中に、また、その全体に固定するための固定リムが形成される。この実施形態では、マイクロニードル14Aは、鋳型(示されていない)の周囲に形成され、この鋳型は、マイクロニードル14A(また、マイクロニードルアレイ12のいずれかの、およびすべてのマイクロニードル)を形成する助けとなる任意の構造および形状であってよい。非限定的な一実施形態では、鋳型は、マイクロニードル14Aの形成後に、マイクロニードル14Aから除去できる少なくとも1つのワイヤまたは不活性ロッドであってよく、これは、マイクロニードル14Aの形成後に、マイクロニードル14Aおよび基体16からの鋳型の引き抜きによることを含むが、それに限定されない。
【0040】
次に、
図2Bを参照すると、
図2Aで描写されているマイクロニードル14Aの先端部24の詳細図が示されている。マイクロニードル14Aの先端部24は、マイクロニードル14Aが構築されるポリマー性材料と会合する複数の検体センサ20A~20Eを含む。検体センサ20A~20Eが、そのようなポリマー性材料と会合する場合、検体センサ20A~20Eは、マイクロニードル14Aの先端部24に(例えば、
図2Bで示されているように、マイクロニードル14Aの先端部24の少なくとも1つの内面24Aに)、または別法として(またはさらに)、マイクロニードル14Aの先端部24の少なくとも1つの外面24Bに会合し得る。非限定的な代替実施形態では、検体センサ20A~20Eは、マイクロニードル14Aを構築するのに使用されるポリマー性材料に別々に含まれ得、その結果、マイクロニードル14Aを重合する際には、検体センサ20A~20Eは、マイクロニードル14Aを形成するポリマー性材料内に配置される。したがって、この実施形態では、検体センサ20A~20Eは、マイクロニードル14Aの構造全体の中に配置され、マイクロニードル14Aの先端部24のみに限定されない。
図2Bでは、5つの検体センサ20A~20Eが描写されているが、任意の数の検体センサを利用して、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念を遂行できることは、当業者には容易に理解されるはずである。本明細書において、上で既に論じられているように、そのような検体センサが、少なくとも1つのフルオロフォアを含む場合、そのような少なくとも1つのフルオロフォアセンサ、および/または蛍光色素は、フルオレセイン、ローダミン、エオシン、オレゴングリーン、テキサスレッド、クマリン誘導体、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、スクアライン誘導体、ピリジオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、アントラキノン、ピレン誘導体、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ポルフィリン、フタロシアニン、ビリルビン、およびボロネートを含むが、それらに限定されない。非限定的な一実施形態では、少なくとも1つの検体センサは、ボロネートフルオロフォアを含む。
【0041】
フルオロフォアセンサ20A~20Eは、患者の流体サンプルに存在し得る任意の目的の検体を検出するように適合できるが、例示の目的として、検体センサ20A~20Eは、患者の流体サンプルにおけるグルコースの検出に関して本明細書で以下に記載されている。非限定的な一実施形態では、検体センサ20A~20Eは、フルオロフォアをレポートするグルコース受容体、および、モノマー結合部位で構成される分子を含む。この実施形態では、全体の検体センサ20A~20Eは、マイクロニードル14Aを形成するポリマー性材料、より具体的には、
図2Bで示されているように、マイクロニードル14Aの先端部24の少なくとも1つの内部24Aと会合する。検体センサ20A~20Eは、少なくとも1つのフルオロフォアを含む場合、光誘起電子移動の原則に基づいて作動する。例えばグルコースなしでは、検体センサ20A~20Eの受容体を含むアミン基の窒素は、電子が豊富な中心として作用し、それにより、受容体から移動する電子によりフルオロフォアを消光する。しかし、グルコースの存在下では、グルコース分子は、グルコース受容体に結合し、グルコース受容体のレドックス状態を変化させる。結果として、電子移動によるフルオロフォアの消光が阻害されることで、フルオロフォアから蛍光が放射され、その強度は、グルコースの濃度に正比例する(すなわち、具体的な目的の検体がモニターされる)。この実施形態では、検体センサ20A~20Eのフルオロフォアにより放射される蛍光は、マイクロニードル14Aを形成する光透過性のポリマー性材料(例えば、ポリマー性材料そのものを介して、またはマイクロニードル14Aの穴23を上方に通って)を介して伝播し、その場合、検出器18により受信される。非限定的な代替実施形態では、マイクロニードル14Aの少なくとも一部は、少なくとも1つの反射性被覆材料を含み得、少なくとも1つの反射性被覆材料は、検体センサ20A~20Eにより、マイクロニードル14Aの穴23を通って検出器18へと放射されるシグナル(例えば、検体センサが少なくとも1つのフルオロフォアを含む場合の蛍光シグナル)の伝播を促す。非限定的な一実施形態では、少なくとも1つの反射性被覆材料は、金属銀を含み、金属銀を含有する溶液中にマイクロニードル14Aを浸漬することにより、または、金属銀をマイクロニードル14Aの少なくとも一部に噴霧することにより、金属銀はマイクロニードル14Aの少なくとも一部に適用される。ひいては、検出器18は、検体センサ20A~20Eから受信した蛍光シグナルの強度に基づき、患者の流体サンプルに存在するグルコースの濃度を相互に関連付け、計算する。続いて、また、
図5についてさらに論じられているように、検出器は、相互に関連付けられた蛍光性/濃度の情報を、提示し、さらに分析するために、少なくとも1つの外部デバイスに無線通信する。その後、ユーザ(医師、看護師、または患者本人を含めた患者へのケア実施担当者を含むが、限定されない)は、そのような外部デバイスでの、そのようなデータの提示に基づき、患者を処置するために有効な治療プランを解明し、モニターし、展開することができる。検出器18は、検体センサ20A~20Eから蛍光シグナルを所定の間隔で(例えば、単なる例として、1、2、または5分おきに)受信するようにプログラムできる、または別法として、検出器は、そのような蛍光シグナルを継続的に受信できる。したがって、検出器18は、蛍光性/濃度データを相互に関連付け、計算できる、かつ/またはそのようなデータを所定の間隔で、または継続的に無線通信できる。
【0042】
グルコースに対する検体センサ20A~20Eの親和性は、動的検知を可能にするほど低く、グルコースがモニターされる検体である場合、他の炭水化物を上回る、D-グルコースに対する結合親和性を所有する。そのような結合親和性は、患者の流体サンプルに存在する低レベルのグルコースを検出できるほど強く、その場合、とりわけそのような患者の流体サンプルは、間質液である。
【0043】
次に
図3を参照すると、生物付着プロセスを防止する、軽減する、および/または排除するために、マイクロニードル14Aの先端部24が、創傷治癒阻害化合物でコーティングされている、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の非限定的な一実施形態が示されている。単に簡略化のために、
図3では、創傷治癒阻害化合物の非限定的な例が、個別の符号35A、35B、35C、および35Dとして描写されている。しかし、任意の数の、または任意の組合せの創傷治癒阻害化合物は、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の目的を遂行するために使用できることは、当業者には容易に理解されるはずである。さらに、創傷治癒阻害化合物35A~35Dを含む、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の創傷治癒阻害化合物は、同一の化合物、薬物、および/または組成物、異なるもの、または、同一のものおよび異なるものの組合せを含み得る。さらに、マイクロニードル14Aの先端部24のみが、
図3では描写されているが、創傷治癒阻害化合物に関する以下の説明は、留置ウェアラブルバイオセンサ10のマイクロニードルアレイ12を含むマイクロニードルのそれぞれに等しく適用されることは、当業者には容易に理解されるはずである。さらに、
図3は、マイクロニードル14Aの先端部24上に、また、その中に実質的に位置するように創傷治癒阻害化合物35A~35Dを描写するが、創傷治癒阻害化合物35A~35D(および、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の任意の創傷治癒阻害化合物)が、マイクロニードル14Aの全長内に、および/または全長上を含むが、それに限定されない、マイクロニードル14A内に、および/または、その任意の部分上に位置し得ることを、当業者は容易に認識するはずである。
【0044】
マイクロニードル14Aが患者の表皮組織内に留置される場合、創傷治癒プロセスは、患者の体がマイクロニードル14A(ならびにマイクロニードルアレイ12のいずれかの、およびすべてのマイクロニードル)を異物として感知することで誘発される。結果として、細胞、タンパク質および/または他の生体物質がマイクロニードル14A(とりわけ先端部24A)に結合し、かつ/または塞ぎ、それにより、留置ウェアラブルバイオセンサ10の機能が損なわれ、弱まり、かつ/または破壊される生物学的反応(例えば創傷治癒カスケード)、すなわち生物付着として公知のプロセスが誘発される。
【0045】
一実施形態では、
図3で示されているように、生物付着の影響は、マイクロニードル14Aの先端部24の少なくとも1つの内面24A、および少なくとも1つの外面24Bにおける少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物35A~35Dに会合することで防止でき、軽減でき、かつ/または排除することができる。
図3では、先端部24の内面24Aおよび外面24Bのみと会合するように示されているが、創傷治癒阻害化合物35A~35Dは、マイクロニードル14Aのいずれの表面とも会合でき、先端部24のみに限定されないことは、当業者により容易に理解されるはずである。沈降、浸漬、および/または噴霧による少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物35A~35Dの、マイクロニードル14Aの先端部24への(および/またはマイクロニードル14Aの任意の部分または全体への)適用を含むが、それらに限定されない、当業界で一般的に公知の任意の方法により、少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物35A~35Dは、マイクロニードル14Aの表面と会合し得る。さらなる実施形態では、少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物35A~35Dは、マイクロニードル14A(または、マイクロニードルアレイ12を含むマイクロニードルのいずれか、および/またはすべて)を形成するために使用されるポリマー性材料中に別々に混合してよく、その結果、創傷治癒阻害化合物は、マイクロニードル14Aを形成するポリマー性材料内に含浸する。一実施形態では、少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物35A~35Dは、徐放性製剤を含み得、それによって、創傷治癒阻害化合物が、患者の流体サンプルと接触する際に、所定の間隔で放出される。
【0046】
マイクロニードル14Aは、患者の表皮組織に挿入する際に、患者の流体サンプル、例えば、患者の間質液(示されていない)と接触した状態になる。患者の流体サンプル(示されていない)は、マイクロニードル14Aの外面24B、およびマイクロニードル14Aの内面24Aの両方と接触する(開口部25を通ってマイクロニードル14Aの穴23へと流れる流体サンプルにより、または、上で論じたように、マイクロニードル14Aが、多孔ポリマー性ヒドロゲルから形成される場合、細孔を介したマイクロニードル14Aの穴23への拡散により)。マイクロニードル14A(およびマイクロニードルアレイ12を含む他のマイクロニードル)が患者の表皮組織に挿入されると、マイクロニードル14Aは、患者の流体サンプル(例えば患者の間質液)により水分補給される。患者の流体サンプルを用いたこの水分補給で、検体が検体センサ20A~20Eに結合することによる、患者の流体サンプルに存在する目的の検体(例えば、グルコース)のリアルタイム検出、ならびに、本明細書で論じられている生物付着プロセスを防止する、軽減する、および/または排除する創傷治癒阻害化合物35A~35Dの放出の両方が可能になる。
【0047】
次に
図4を参照すると、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念の、改善された留置ウェアラブルバイオセンサ10の非限定的な一実施形態が示されており、そこでは、バイオセンサ10が、患者の表皮組織38内に留置され、患者の流体サンプル40と流体連結する。この非限定的な実施形態では、留置ウェアラブルバイオセンサ10は:複数のマイクロニードル14A、14C、14E、14G、14I、14K(簡略化の目的のためにマイクロニードル14と総称される)を含むマイクロニードルアレイ12;第1の末端26、第2の末端28、第1の側部30、第2の側部32(示されていない)、表面部34、および裏面部36を含む基体16;ならびに検出器18を含む。マイクロニードル14のそれぞれは、複数の検体センサ20A、20C、20E、20G、20I、および20K(簡略化の目的のために検体センサ20と総称される)、ならびにマイクロニードル14を形成するポリマー性材料と会合する少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物35A、35C、35E、35G、35I、および35K(簡略化の目的のために少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物35と総称される)を含む。
【0048】
バイオセンサ10は、基体16の上面34に適用される圧力を含むが、それに限定されない圧力により、患者の表皮組織38に適用され、非限定的な一実施形態では、基体16の裏面36に存在する接着剤により適切な位置で保持される。適用されると、マイクロニードルアレイ12は、患者の表皮組織38を貫通し、それにより、複数のマイクロニードル14を、非限定的な一実施形態では患者の間質液である患者の流体サンプル40と流体連結させる。患者の流体サンプル40は、外面および内面の両方を含む複数のマイクロニードル14に水分補給する(患者の流体サンプル40の、開口部を介した、また、複数のマイクロニードル14を含む各マイクロニードルの穴への拡散により)。この水分補給の結果として、複数の創傷治癒阻害化合物35が、放出され、それにより、生物付着プロセスが防止される、軽減される、および/または排除される(例えば、単なる例として、創傷治癒プロセスの炎症段階を阻害または軽減することにより、ならびに/または、複数のマイクロニードル14の各マイクロニードルの周辺および/または内部で、細胞42、タンパク質、および/もしくは他の生体物質の蓄積および凝集を防止することにより)。さらに、水分補給により、患者の流体サンプル40は、複数のマイクロニードル14の各マイクロニードル内に拡散する。患者の流体サンプル40が目的の検体(例えば、グルコース)(示されていない)を含有する場合、目的の検体は、複数の検体センサ20と会合し、それによって、複数の検体センサ20が少なくとも1つのフルオロフォアを含む場合、複数の検体センサ20は、蛍光シグナルを放射し、このシグナルは、続いて検出器18により検出される(例えば、複数のマイクロニードル14の光透過性のマイクロニードルのそれぞれの全長まで、またはそれに沿って進むことにより)。検出器18は、次いで、複数の検体センサ20から受信した蛍光シグナルの強度に基づく濃度を相互に関連付け、計算する。検出器18は、(内部回路(示されていない)により)相互に関連付け、計算すると、相互に関連付け、計算したデータを、コンピュータのモニターおよびモバイルデバイス、例えばノートパソコン、タブレット、および/または携帯電話(示されていない)を含むが、それらに限定されない少なくとも1つの外部デバイスに無線で伝達する。外部デバイスは、次いで、相互に関連付け、計算したデータを、ユーザが、そのような外部デバイスでの、そのようなデータの提示に基づいて患者を処置するために有効な治療プランを解明し、モニターし、展開できるように提示する。
【0049】
次に
図5を参照すると、圧電素子44A~44Lがマイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lのそれぞれに組み入れられている、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念のさらなる一実施形態が示されている。
【0050】
さらに、
図5は、検出器18のコントローラ46から、ノートパソコン、携帯電話、タブレット、およびコンピュータ/コンピュータモニターを含むが、それに限定されない少なくとも1つの外部デバイス48への、相互に関連付けられ、計算されたデータの無線通信、および伝達を例証する。このデータの伝達は、ここで開示され、かつ/または請求されている本発明の概念のいずれかの、およびすべての実施形態に適用可能である。例えば、検出器が、患者の流体サンプルに存在する目的の検体の濃度を、以前に論じられている検体センサから受信されるシグナル(例えば、蛍光シグナル)に基づいて、相互に関連付け、計算した後で、このデータは、次いで、少なくとも1つの外部デバイス48に無線で伝達される。
【0051】
非限定的な一実施形態では、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lのそれぞれは、少なくとも1つの圧電素子44A~44Lを含む。少なくとも1つの圧電素子44A~44Lは、マイクロニードルアレイ12の各マイクロニードル14A~14L内の圧力の変化および/または差(例えば、本明細書で論じられている生物付着プロセスに由来する細胞、タンパク質、および/または他の生体物質(示されていない)の蓄積または凝集による、マイクロニードル14A~14Lのそれぞれの閉塞、または部分的な閉塞に由来する圧力の変化および/または差)を検出する。圧力の変化および/または差(
図5ではΔPにより表される)を検出する際には、電気シグナルが検出器18に送られ、そこでコントローラ46により受信される。コントローラ46は、マイクロニードル14A~14Lのいずれかまたはすべてに関連する圧力の変化および/または差を示す電気シグナルを受けた後、続いて、電気シグナル(
図5ではEにより表される)をマイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lのそれぞれに送達し、これは、少なくとも1つの圧電素子44A~44Lにより受信される。電気シグナルの受け取りに応答して、少なくとも1つの圧電素子44A~44Lが振動し、振動は、それにより、生物付着の結果として、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lのそれぞれの上、または中に蓄積され、または凝集され、ある細胞、タンパク質、および/または他の生体物質を取り除き、除去する。
【0052】
図5は、マイクロニードルアレイの各マイクロニードル12当たりの単一の圧電素子を描写しているが、各マイクロニードルが、1つ超の圧電素子を含み得、または別法として、マイクロニードル14A~14Lのうち特定のもののみが圧電素子を含み得ることは、当業者には容易に理解されるはずである。圧電素子44A~44Lは、同一であっても、異なっていても、または同一および異なる組成の組合せであってもよい。さらに、圧力の変化および/または差を示す受信されたシグナルに応答して電気シグナルを送らず、検出器18のコントローラ46は、電気シグナルを、圧電素子44A~44Lの1つ、一部またはすべてに、規則的に予定された間隔で送達するようにプログラムまたはプリプログラムし、それにより、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lの1つ、一部、またはすべての上に、またはその中における、細胞、タンパク質、および/または他の生体物質の蓄積および/または凝集を継続的に防止することができる。
【0053】
非限定的な代替実施形態では、バイオセンサ10は、基体16の表面部34上に配置される少なくとも1つの圧電素子を含み得る。この実施形態では、検出器18(コントローラ46を経由して)は、電気シグナルを少なくとも1つの圧電素子に送達し、それにより、少なくとも1つの圧電素子を振動させることが可能である。少なくとも1つの圧電素子により生成された振動シグナルは、続いて、マイクロニードル14A~14Lの1つ、一部またはすべてにより受信されて(単なる例として、基体16の表面部34に存在するマイクロニードル14A~14Lのリム部を経由し、これにより、マイクロニードル14A~14Lは基体16に固定される)、それにより、マイクロニードルアレイ12のマイクロニードル14A~14Lの1つ、一部、またはすべての上に、またはその中における、細胞、タンパク質、および/または生体物質の蓄積および/または凝集を防止し、軽減し、かつ/または排除する。
【0054】
本発明の概念の非限定的な例
患者の流体サンプルにおける少なくとも1つの検体の継続した検出およびモニタリングのための留置ウェアラブルバイオセンサデバイスであって:マイクロニードルアレイであって、マイクロニードルアレイは、少なくとも1つのポリマー性材料で構築される複数のマイクロニードルを含み、複数のマイクロニードルは、患者の表皮組織に埋め込まれ、その結果、複数のマイクロニードルは、患者の流体サンプルと継続して接触し、さらに、複数のマイクロニードルの各マイクロニードルの少なくとも1つの表面は、マイクロニードルアレイが患者の表皮組織に埋め込まれる場合、創傷治癒プロセスを阻害する、少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物を含む、マイクロニードルアレイと;複数のマイクロニードルの各マイクロニードルのポリマー性材料と作動的に会合する複数の検体センサであって、複数の検体センサは、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体の濃度を示すシグナルを生成する、複数の検体センサと;表面部および裏面部を有する基体であって、マイクロニードルアレイは、基体の裏面部に永続的に付着されている、基体と;検出器であって、検出器は、複数の検体センサにより生成されたシグナルを受信し、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体の濃度を計算し、提案された処置を診断および評価するために、濃度を外部デバイスに伝達するための回路を含む、検出器とを含む、デバイス。
【0055】
ポリマー性材料はポリアクリルアミドである、バイオセンサデバイス。
【0056】
流体サンプルは、間質液および血液からなる群から選択される、バイオセンサデバイス。
【0057】
基体の裏面部は、基体を患者の表皮組織に取り付けるための接着剤を含む、バイオセンサデバイス。
【0058】
検出器は、マイクロ蛍光光度計、フィルタ蛍光光度計または分光蛍光光度計からなる群から選択される、バイオセンサデバイス。
【0059】
複数の検体センサは、少なくとも1つのフルオロフォアを含み、少なくとも1つのフルオロフォアは、フルオレセイン、ローダミン、エオシン、オレゴングリーン、テキサスレッド、クマリン誘導体、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、スクアライン誘導体、ピリジオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、アントラキノン、ピレン誘導体、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ポルフィリン、フタロシアニン、ビリルビン、ボロネート、およびそれらの組合せからなる群から選択される、バイオセンサデバイス。
【0060】
患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体は、グルコースである、バイオセンサデバイス。
【0061】
少なくとも1つの創傷治癒阻害化合物は、免疫抑制化合物、副腎皮質ステロイド、キトサン、非ステロイド性抗炎症薬、アスピリン、ナプロキセン、イブプロフェン、抗凝固化合物、およびそれらの組合せからなる群から選択される、バイオセンサデバイス。
【0062】
患者の流体サンプルにおける少なくとも1つの検体の継続した検出およびモニタリングのための留置ウェアラブルバイオセンサデバイスであって:マイクロニードルアレイであって、マイクロニードルアレイは、少なくとも1つのポリマー性材料で構築される複数のマイクロニードルを含み、複数のマイクロニードルは、患者の表皮組織に埋め込まれ、その結果、複数のマイクロニードルは、患者の流体サンプルと継続して接触し、さらに、複数のマイクロニードルの少なくとも1本のマイクロニードルは、少なくとも1つの圧電素子を含む、マイクロニードルアレイと;表面部および裏面部を有する基体であって、マイクロニードルアレイは、基体の裏面部に永続的に付着されている、基体と;検出器であって、検出器は、少なくとも1つの圧電素子により生成されたシグナルを受信し、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体の濃度を計算し、提案された処置を診断および評価するために、濃度を外部デバイスに伝達するための回路を含む、検出器とを含み、さらに、検出器は、少なくとも1つの圧電素子により生成された第1の電気シグナルを受信し、第2の電気シグナルを少なくとも1つの圧電素子に送達し、これにより、少なくとも1つの圧電素子の振動が得られる、デバイス。
【0063】
ポリマー性材料はポリアクリルアミドである、バイオセンサデバイス。
【0064】
流体サンプルは、間質液および血液からなる群から選択される、バイオセンサデバイス。
【0065】
少なくとも1つの圧電素子は、石英、ベルリナイト、トパーズ、トルマリン、ショ糖、ロッシェル塩、チタン酸バリウム、およびチタン酸ジルコン酸鉛からなる群から選択される、バイオセンサデバイス。
【0066】
基体の裏面部は、基体を患者の表皮組織に取り付けるための接着剤を含む、バイオセンサデバイス。
【0067】
患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体は、グルコースである、バイオセンサデバイス。
【0068】
患者の流体サンプルにおける少なくとも1つの検体の継続した検出およびモニタリングのための留置ウェアラブルバイオセンサデバイスであって:マイクロニードルアレイであって、マイクロニードルアレイは、ポリマー性材料で構築される複数のマイクロニードルを含み、複数のマイクロニードルは、少なくとも1本の較正マイクロニードルを含み、複数のマイクロニードルは、患者の表皮組織に埋め込まれ,その結果、複数のマイクロニードルは、患者の流体サンプルと継続して接触する、マイクロニードルアレイと;複数のマイクロニードルの各マイクロニードルのポリマー性材料と作動的に会合する複数の検体センサであって、複数の検体センサは、少なくとも1つの検体の存在下でシグナルを生成し、シグナルは、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体の濃度を示し、さらに、少なくとも1本の較正ニードルのポリマー性材料と作動的に会合する複数の検体センサは、患者の流体サンプルに曝露した際に、一定なシグナルを放射する、複数の検体センサと;表面部および裏面部を有する基体であって、マイクロニードルアレイは、基体の裏面部に永続的に付着されている、基体と;検出器であって、検出器は、複数の検体センサにより生成されたシグナルを受信し、患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体の濃度を計算し、提案された処置を診断および評価するために、濃度を外部デバイスに伝達するための回路を含む、検出器とを含む、デバイス。
【0069】
ポリマー性材料はポリアクリルアミドである、バイオセンサデバイス。
【0070】
流体サンプルは、間質液および血液からなる群から選択される、バイオセンサデバイス。
【0071】
基体の裏面部は、基体を患者の表皮組織に取り付けるための接着剤を含む、バイオセンサデバイス。
【0072】
検出器は、マイクロ蛍光光度計、フィルタ蛍光光度計または分光蛍光光度計からなる群から選択される、バイオセンサデバイス。
【0073】
複数の検体センサは、少なくとも1つのフルオロフォアを含み、少なくとも1つのフルオロフォアは、フルオレセイン、ローダミン、エオシン、オレゴングリーン、テキサスレッド、クマリン誘導体、シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、メロシアニン、スクアライン誘導体、ピリジオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、アントラキノン、ピレン誘導体、ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ポルフィリン、フタロシアニン、ビリルビン、ボロネート、およびそれらの組合せからなる群から選択される、バイオセンサデバイス。
【0074】
患者の流体サンプルに存在する少なくとも1つの検体は、グルコースである、バイオセンサデバイス。
【0075】
したがって、ここで開示され、請求されている本発明の概念に従って、バイオセンサの生物付着による影響を防止し、軽減し、かつ/または排除する、改善された留置ウェアラブルバイオセンサのデバイスおよび方法(ならびに、それに関連したバイオセンサを較正するためのデバイスおよびそれに関連した方法)が提供される。本明細書に記載されているように、ここで開示され、請求されている本発明の概念は、改善された、留置ウェアラブルバイオセンサの実施形態、それに関連した使用方法、バイオセンサへの生物付着による影響を防止、軽減、および/または排除するためのデバイスおよび方法、ならびにバイオセンサの較正に関連したデバイスおよび方法に関する。ここで開示され、かつ/または請求されているそのような本発明の概念は、本明細書で上に記載されている目的および利点を完全に満たす。ここで開示され、請求されている本発明の概念は、本明細書で上に記載されている具体的な図面、実験、結果、および言葉と併せて記載されているが、多くの代用物、改変および変化は、当業者に明らかなことは明白である。したがって、ここで開示され、請求されている本発明の概念の精神および広範な範囲の範疇であるそのような代用物、改変および変化すべてを包括することが意図される。