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特許7090090飲用ボトル密閉蓋、とりわけ魔法瓶のための飲用ボトル密閉蓋
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】飲用ボトル密閉蓋、とりわけ魔法瓶のための飲用ボトル密閉蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20220616BHJP
   F16J 15/06 20060101ALI20220616BHJP
   B65D 47/06 20060101ALI20220616BHJP
   B65D 47/32 20060101ALI20220616BHJP
   B65D 53/02 20060101ALI20220616BHJP
   A47G 19/00 20060101ALI20220616BHJP
   A47J 41/02 20060101ALI20220616BHJP
   A47J 41/00 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
B65D47/08 230
F16J15/06 Z
B65D47/06 110
B65D47/32 210
B65D53/02
A47G19/00 D
A47J41/02 104B
A47J41/00 304B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019539978
(86)(22)【出願日】2018-01-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 DE2018100049
(87)【国際公開番号】W WO2018137734
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-11-20
(31)【優先権主張番号】202017100395.7
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518383600
【氏名又は名称】エムザ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ホルストマン
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-134621(JP,A)
【文献】特開平09-299253(JP,A)
【文献】独国実用新案第202006017689(DE,U1)
【文献】独国実用新案第202009014339(DE,U1)
【文献】欧州特許出願公開第02359722(EP,A2)
【文献】国際公開第2005/089060(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00-55/16
F16J 15/06
A47G 19/00
A47J 41/02
A47J 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
魔法瓶のための飲用ボトル密閉蓋(100)であって、少なくとも、
- ボトル首と接続でき、流出空間(13)を取り囲んでいる流出空間壁部(12)を有しており、かつ前記流出空間(13)を上に向かって画定している上蓋(10.1)を、少なくとも1つの注ぎ出し口(10.5)を備えて有しているハウジング(10)と、
- 閉じた位置では前記注ぎ出し口(10.5)を密閉しており、かつ前記ハウジング(10)で旋回可動に支持されているレバー要素(20)と、
- 形状結合式に前記レバー要素(20)と連結しており、かつ前記ハウジング(10)の中心での、空気流路壁部(14)によって画定された空気流路内に、軸方向に変位可能に通っている中間要素(30)と、
- 前記中間要素(30)と接続しており、かつ前記閉じた位置では前記流出空間壁部(12)に当接しているシールディスク(41)を有しているシーリング要素(40)とを含んでいる、飲用ボトル密閉蓋(100)において、
- 前記空気流路壁部(14)は、前記流出空間(13)内に配置されたサージ保護要素(50)によって取り囲まれており、前記サージ保護要素(50)は、前記注ぎ出し口(10.5)の向かいの領域ではトンネル(51)内に続いており、前記トンネル(51)は、前記流出空間壁部(12)まで延びていること、および
- 前記シールディスク(41)はその上面に少なくとも1つの段部(43)を有しており、前記段部(43)は、閉じた位置では前記サージ保護要素(50)に嵌まり込んでいるかまたは前記サージ保護要素(50)を覆っていることを特徴とする、飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項2】
前記閉じた位置では前記中間要素(30)のシャフト(31)は、内側リングシーリング(34)を介し、前記空気流路壁部(14)に対して密封されていること、および開いた位置では前記空気流路と前記流出空間(13)との間の連通部がつくられていることを特徴とする、請求項1に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項3】
前記内側リングシーリング(34)は、斜めに張り出したシールリップを有しており、前記シールリップは、前記シャフト(31)から下に向かって、前記シールディスク(41)の方向に、前記空気流路壁部(14)まで延びていることを特徴とする、請求項2に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項4】
前記レバー要素(20)は、少なくとも1つのベアリングピン(23.1)により、ベアリング受け部(18)内で旋回可動に、前記ハウジング(10)で支持されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項5】
前記レバー要素(20)は、前記ベアリングピン(23.1)に対して同軸からずれて配置された少なくとも1つの偏心ピン(23.2)を有すること、および前記中間要素(30)は、前記偏心ピン(23.2)を介して形状結合式に前記レバー要素(20)と連結していることを特徴とする、請求項4に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項6】
前記レバー要素(20)は、端部側に2つの離隔したレバー連接部(23)を有しており、前記レバー連接部(23)の間に前記中間要素(30)が挟まれており、これに関し、各レバー連接部(23)は、それぞれ1つの外側に向いているベアリングピン(23.1)および内側に向いている偏心ピン(23.2)を有していることを特徴とする、請求項5に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項7】
前記中間要素(30)と前記シーリング要素(40)は、取り外し可能に相互に接続されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項8】
前記シーリング要素(40)の軸(44)に、径方向に外側に向いている少なくとも2つの突出部(45)が形成されており、前記突出部(45)は、前記中間要素(30)の前記シャフト(31)内の空隙(33)とバヨネット接続を形成していることを特徴とする、請求項7に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項9】
前記レバー要素(20)に、前記レバー要素(20)の突出部(22)または突出しているシールプレートが付加成形されており、前記レバー要素(20)の前記突出部(22)または前記突出しているシールプレートは、前記閉じた位置では前記注ぎ出し口(10.5)に嵌まり込んでおり、かつ前記注ぎ出し口(10.5)を密閉していることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項10】
前記レバー要素(20)の端部が、前記ハウジング(10)の飲みエッジ(11)を少なくとも外に向かっておよび上に向かってカバーしていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項11】
前記レバー要素(20)は、前記上蓋(10.1)および前記注ぎ出し口(10.5)の領域にわたって平らに延びており、前記飲みエッジ(11)の内側でせり上がって、前記飲みエッジ(11)の外側で再び下降していることを特徴とする、請求項10に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【請求項12】
前記ベアリングピン(23.1)によって定義されているベアリング軸は、前記ハウジング(10)の中心に対して、前記中心から前記注ぎ出し口(10.5)とは反対の側にずれて配置されていることを特徴とする、請求項4乃至11のいずれか一項に記載の飲用ボトル密閉蓋(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルの特徴を有する、とりわけ魔法瓶のための飲用ボトル密閉蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で示されているようなこのタイプの飲用ボトル密閉蓋では、レバー要素が設けられており、このレバー要素は、ハウジングの上面で関節式に支持されており、かつレバー要素の支持部の領域で偏心ピンを有している。これらは引き棒と連結しており、この引き棒の端部にはシールプレートがぶら下がっている。レバー要素の旋回運動により、シールプレートがそのシール座面から取り外されるかまたはそれに押圧される。
【0003】
レバーとシールプレートの引き棒との偏心的な連結により、ユーザが大きな力を使わなくても、そのシール座面でのシールプレートの高い押圧力を達成できる。これにより、このような飲用ボトル密閉蓋を装着した飲用ボトルを寝かせた位置で輸送しても、確実な密閉が達成される。ただし飲用ボトルの内部で圧力が発生した場合には問題があり得る。この場合に密閉蓋を開けると、液体が空気流路を通って外に噴き出す可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国実用新案第202006017689号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の課題は、冒頭に挙げた種類の飲用ボトル密閉蓋に関し、開けるときに圧力均一化でき、しかし同時に、通気経路を通って液体が漏れるのを回避することにある。さらに飲むときには、液体の均一な流出を可能にするため、飲用ボトル密閉蓋を介して良好な通気が保証されているべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するため、下記の2つの本質的な手段を備えた請求項1の特徴を有する飲用ボトル密閉蓋を提案する。
- 中心の空気流路による鋭敏な通気制御、この空気流路内では同時に、シーリング要素の軸が、軸方向に可動に支持されている、および
- サージ保護要素(Schwallschutzelement)、それは空気流路およびその出口を取り囲んでおり、これにより液体がそこを通って外に噴射し得るのを阻止する。
【0007】
サージ保護要素は、空気流路をならびに中間要素およびそれと接続したシーリング要素のためのガイドを構成している内側の円筒壁と、流出空間を画定している外側の壁部との間に延びている。それは、主として空気流路壁部の周りに延びている。ただし流出口の向かいの領域では、サージ保護要素が2つの平行な壁に分割されており、これらの壁はそれらの間にトンネルを、つまり空気が流れ得る経路を形成している。
【0008】
サージ保護要素は、開ける前に容器内部に正圧が存在していた場合、開けたときに液体が空気経路に引き込まれるのを阻止する。このためにそれは、空気流路を広域で流出空間から遮蔽するだけでなく、そこで、開けた瞬間には確かに空気を通す連通部は開かれるが、場合によっては引き込まれる液体は方向転換するように、シールディスク(Dichtteller)と協働する。サージ保護要素の内部における空気空間の横の遮蔽は、圧力均一化の際に加速した液体部分が空気経路内には達し得ないようにしている。つまり、完全な液体シーリングが達成されるのではなく、なぜならこれには気密性も結びついているからであり、そうではなく表面付近の領域で、加速した液体部分のための機械的な遮蔽がもたらされているだけである。この液体部分はその運動エネルギーをサージ保護要素のところで失うので、もう重量に逆らって、残っているすき間を通っておよび複数の方向転換を経て、ハウジングの外側に達することもできない。
【0009】
飲み位置では、サージ保護要素により、液体が空気流路内におし寄せる可能性が阻止される。同時に、液体が流出している間、空気がその後に続いて流れるように、トンネルまたは縦穴により、ハウジングの外側に対する空気連通部がつくられている。
【0010】
このために、とりわけシーリング要素のシールプレートに盛り上がった段部が設けられており、このシールプレートは、開いた位置に達するまでは、サージ保護要素によって囲まれた内部空間に突っ込んでいる。液体が、圧力均一化に基づいて引き込まれると、それは、サージ保護要素の縁とシールディスクの段部との狭いすき間を通って空気流路とサージ保護要素との間隙内には達するが空気流路自体の中には達しないようにしか、達することができない。
【0011】
加えてこの空気流路は、シーリング要素の軸または中間要素のシャフト上に張られた追加的な内側シーリング要素によって遮蔽されている。斜めに下に向かって張り出したシールリップが存在していることが好ましい。開けるとこのシールリップが空気流路から少し押し出され、ただしこの場合、空気流路の下縁に緩く当接している。内部空間が正圧の場合には、シールリップはより強く空気流路の縁に押し当てられ、これを密封する。さらに開けると内側シーリング要素が空気流路の外に達し、カーテンのように開く。仮にその後にはもうシール性の接続が存在していなくても、依然として機械的な遮蔽は達成されている。
【0012】
本発明のさらなる有利な形態を、図に示した例示的実施形態を参照しながら以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、飲用ボトル密閉蓋の外からの斜視図である。
図2a図2aは、斜め下からの飲用ボトル密閉蓋を示す図である。
図2b図2bは、斜め下からの飲用ボトル密閉蓋を、取り外したシーリング要素と共に示す図である。
図3図3は、閉じた位置での飲用ボトル密閉蓋の断面図である。
図4図4は、閉じた位置での飲用ボトル密閉蓋の、図3に対して90°回転した断面図である。
図5図5は、開いた位置での飲用ボトル密閉蓋の断面図である。
図6図6は、開いた位置での飲用ボトル密閉蓋の、図5に対して90°回転した断面図である。
図7図7は、飲用ボトル密閉蓋の、傾けられた飲み位置での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1では、ハウジング10およびレバー要素20を含んでいる飲用ボトル密閉蓋100を示している。ハウジング10は、丸く形成されており、これにより飲用ボトルのボトル首上に装着でき、とりわけねじ留められる。それは、とりわけ円筒形で周りを取り囲んでいる外壁10.2を有しており、上に向かっては上蓋10.1によって閉鎖されている。上蓋10.1の上面には2つのベアリング受け部18が配置されている。レバー要素20は、後方の領域に2つの支持連接部23を有しており、この支持連接部23を介して一方ではベアリング受け部18内で支持されており、他方では真ん中に挟まれた中間要素30と連結している。
【0015】
加えてハウジング10は、そそり立つ飲みエッジ11を有している。飲むために唇を直接当てる前方の領域を汚れから保護するため、レバー要素20は、図示した好ましい実施形態では、飲みエッジ11を完全に越えて下に延びている。レバー要素20の端部領域21ではU字形の断面になっており、この断面は、その間に飲みエッジ11を収め、これにより内側および外側で、ならびに上に向かって遮蔽している。端部領域21において外側に突出しているエッジは、レバー要素20を比較的容易に掴んで上に旋回させられるようにしている。
【0016】
図2aでは、飲用ボトル密閉蓋100を斜め下からの斜視図で示している。そこでは流出空間壁部12が見えており、この流出空間壁部12は、飲用ボトル密閉蓋100をねじ留めている場合にはボトル首内に突っ込んでいる。ボトル首は、壁部12とハウジングの外側領域との間隙に収められる。このために、ボトル首の雄ネジ山と協働する雌ネジ山10.3が形成されている。図2aに示した閉じた位置では、シーリング要素40が、そのシールプレート41およびシールリング42で、流出空間壁部12の下縁に当接している。
【0017】
図2bでは、シーリング要素40が、それ以外の飲用ボトル密閉蓋100から取り外されている。つまみ46を使ってシーリング要素40を回転させることができ、これにより、軸44での径方向の突出部45を、中間要素30内の帰属のバヨネット受け部から外して、シーリング要素40を下へ引き抜くことができる。これにより飲用ボトル密閉蓋100をしっかり洗浄できる。
【0018】
その外周にシールリング42を収めたシールプレート41の上面には、盛り上がった段部43が付加成形されている。ハウジング10の内部では、流出空間壁部12およびそれに取り囲まれた流出空間13を認識できる。一番内側には、空気流路壁部14に取り囲まれた中間要素30の縦穴が見える。空気流路壁部14と流出空間壁部12との間にサージ保護要素30が付加成形されており、このサージ保護要素30は、実質的に円筒形で空気流路壁部14の周りに延びており、ただしここでは見えていない流出口とは反対の後方の領域では、2つの平行な壁51から成るトンネルの形態で、径方向に外に向かって流出空間壁部12の内側まで延びている。図2bではさらに、サージ保護要素50の下エッジが、空気流路壁部14より深く下に延びていることを認識できる。
【0019】
図3は、レバー要素20の中央線に沿った断面において、飲用ボトル密閉蓋100を、それも閉じた位置で示している。レバー要素20は前方にあり、つまりその前方の端部21が、飲みエッジ11に載っており、かつこれを囲んでいる。レバー要素20の下面の突出部22は、サージ保護要素50と流出空間壁部12との間に配置された流出口に嵌まり込んでいる。図3ではシーリング要素40はその最大限に持ち上がった位置にあり、したがってそのシールプレート41でシールリング42を流出空間壁部12の下エッジに押しつけている。この場合、シーリング要素40は形状結合式に中間要素30と連結している。シールリング42の押圧力を、製造または温度に起因する誤差に関係なく十分に高く保つため、図3に示した実施形態では、中間要素30は圧縮バネ32を介してハウジング10に突っ張り支持されている。閉じた位置では、バネ32が、以下でもっと詳しく説明するレバー要素20とハウジング10との間の偏心接続において存在し得る万一のあそびを埋め合わせ、かつ中間要素30およびシーリング要素40から成るユニットをハウジング10に対して持ち上げる。
【0020】
外側のリング空間では、雌ネジ山10.3の上にシーリング10.4が設けられており、このシーリング10.4によりボトル首の上縁が、飲用ボトル密閉蓋100をこの上にねじ留めた場合に密封される。
【0021】
本発明の本質をなすのは、流出空間13の内部の機能上の関連性である。サージ保護要素50は、シーリング要素41の軸44および中間要素30のシャフト31が通っている中心の領域を、液体貫流される流出空間13から、とりわけレバー要素20の突出部22が嵌まり込んでいる注ぎ出し口の領域から遮蔽している。流出空間13内の右側には、サージ保護要素50のトンネル突起の両方の平行な壁51の1つを認識できる。
【0022】
シャフト31は内側リングシーリング34を有しており、この内側リングシーリング34は、斜め下に向かって張り出した外側のシールリップを有しており、この外側のシールリップは、閉じた位置では内側から空気流路の壁部14に押し当てられている。
【0023】
図4では、飲用ボトル密閉蓋の閉じた位置を、図3に比べて90°回転した断面で示している。
【0024】
中間要素30は、その上部の領域に2つの向かい合う空隙を有しており、これらの空隙内に、レバー要素20のレバー連接部23の偏心ピン23.2が嵌まり込んでいる。さらに、両方のレバー連接部23からそれぞれ、中心に配置されたベアリングピン23.1が延びており、このベアリングピン23.1は、ハウジング10の上面にある両方のベアリング受け部18の1つに嵌まり込んでいる。ベアリングピン23.1の回転軸が、偏心ピン23.2の軸に対してずれていることにより、レバー要素20が切り替えられ、その際にベアリングピン23.1の周りを旋回するときに、中間要素30の引き上げ運動が生じる。
【0025】
図5では、図3での表現に倣って、レバー要素20の中央軸に沿った断面を示しており、この場合は飲用ボトル密閉蓋100が閉じた位置にある。レバー要素20は、ハウジング10の後方側へほぼ180度旋回している。両方の一点鎖線の間隔は、レバー要素20の支持が、ハウジング10および空気流路14の中心軸に対して少しずれていること示している。これにより、注ぎ出し口10.5の領域の面積がより大きく提供され、したがって対応してこれを比較的大きく形成できる。そのうえ切り替えられた位置では、レバー要素20のU字形の端部領域21を完全にハウジング10の外周の外に位置決めでき、これによりレバー要素20は、平らにハウジング縁上に置くことができ、飲むときに邪魔にならない。
【0026】
この位置では、レバー要素20により中間要素30が、沈下したセルフロック式の拘束位置に押されたので、バネ32は圧縮されている。内側シーリング要素31の先端は空気流路14の外にある。サージ保護要素50の下縁とシールプレート41の段部43とは、互いに非常に近接しており、かつ液体遮断部を構成しており、とはいえ空気はこの狭小部を通って流れることができる。これに対し、向かいの、図5では右側では、段部43のところに狭いすき間は存在せず、なぜならそこではサージ保護要素50の径方向のトンネル51が延びているからである。仮に飲用ボトルの注ぎ出し口10.5の方を、そこから飲めるように下に傾けていても、この経路を介して空気は妨げられずに飲用ボトルの内部空間に流れ込める。
【0027】
図6では、図5に基づく開いた位置を、図4に倣ってもう一度90°ずらした断面で示している。偏心ピン23.2はここでは、ベアリングピン23.1を通る中央軸より下にあり、これにより中間要素30およびそれと連結したシーリング要素40が下に向かって押されている。シーリング要素40はその径方向の突出部45で、中間要素30のシャフト31内の対応する空隙33に嵌まり込んでいる。
【0028】
図7は、飲用ボトル200とねじ留められた飲用ボトル密閉蓋100を示している。両方一緒に傾けて保持されている。飲用ボトル密閉蓋100は開いている。シールリング42のシールリップは、壁部12の下のエッジから離れている。飲用ボトル200内には、液面201で印しているように比較的多くの液体量が存在している。液面201は、流出空間13を通って、外側では飲みエッジ11まで延びることができる。液体が動くと、それが、シールディスク40の段部43がサージ保護要素50に隣接しているところで引き止められるかまたは少なくとも強く抑制される。これに対し、トンネル51内への液体の浸入はほぼ不可能であり、というのもそのためには液体が、ボトル壁の上部にある部分で、シールリング43を越えなければならないからである。しかしこの場合でさえ、内側リングシーリング34および空気流路壁部14により、さらなるラビリンス遮断部が構成されている。内側リングシーリング34は、飲用ボトル密閉蓋100を閉じることにより、空気流路壁部14内に引き戻される。何らかの理由から、それでも液体がサージ保護要素50の内部にまで達した場合には、この空気流路の密封が、飲用ボトル密閉蓋100が閉じているときにこの液体残部が外へ達し得ることを阻止する。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7