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特許7090114車線変更の際の決定方法、装置、デバイス、記憶媒体、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】車線変更の際の決定方法、装置、デバイス、記憶媒体、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220616BHJP
   B60W 30/12 20200101ALI20220616BHJP
   B60W 30/09 20120101ALI20220616BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W30/12
B60W30/09
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020022654
(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公開番号】P2020135885
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2020-02-13
(31)【優先権主張番号】201910123953.X
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】リー ホンジェ
(72)【発明者】
【氏名】チャン クアン
(72)【発明者】
【氏名】タン ハイズ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ ダヤン
【審査官】秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/131298(WO,A1)
【文献】特開2017-065420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
B60W 30/12
B60W 30/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両の車線変更中に、予め設定された時間における、前記自動運転車両が車線変更の目標車線である第1車線に向けて走行する第1計画軌跡、及び、前記自動運転車両が車線変更の開始時刻に位置する車線である第2車線に向けて走行する第2計画軌跡を取得することと、
前記自動運転車両の車線変更中に、前記自動運転車両の周囲の予め設定された範囲内の少なくとも1つの障害物の運転状態に基づいて、前記予め設定された時間における各障害物の予測軌跡を予測することと、
前記第1計画軌跡、前記第2計画軌跡及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、前記自動運転車両の走行動作を決定することと、を含み、
その中、前記第1計画軌跡、前記第2計画軌跡及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、前記自動運転車両の走行動作を決定することは、
前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第1計画位置及び各障害物の予測位置を確定することと、
前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第1計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出することと、
前記距離が予め設定された第1の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行は安全でないと判定することと、を含む、
ことを特徴とする車線変更の際の決定方法。
【請求項2】
前記第1計画軌跡、前記第2計画軌跡及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、前記自動運転車両の走行動作を決定することは
記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全である場合、車線変更を継続して遂行する決定を行うことと、
前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全でない場合、前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断し、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全である場合、前記第2車線に向けて走行する決定を行う一方、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全でない場合、走行を停止する決定を行うことと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の車線変更の際の決定方法。
【請求項3】
前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断することは、
前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第2計画位置及び各障害物の予測位置を確定することと、
前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第2計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出することと、
前記距離が予め設定された第2の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定することと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の車線変更の際の決定方法。
【請求項4】
前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断することは、
前記第2計画軌跡が車線変更禁止の道路区間を通過するか否かを判断し、通過する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定することを含む、
ことを特徴とする請求項に記載の車線変更の際の決定方法。
【請求項5】
自動運転車両の車線変更中に、予め設定されたルールに従って前記第1計画軌跡及び前記第2計画軌跡を取得することと、前記各障害物の予測軌跡を予測することと、前記自動運転車両の走行動作を決定することと、を繰り返して実行する、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の車線変更の際の決定方法。
【請求項6】
自動運転車両の車線変更中に、予め設定された時間における、前記自動運転車両が車線変更の目標車線である第1車線に向けて走行する第1計画軌跡、及び、前記自動運転車両が車線変更の開始時刻に位置する車線である第2車線に向けて走行する第2計画軌跡を取得する取得モジュールと、
前記自動運転車両の車線変更中に、前記自動運転車両の周囲の予め設定された範囲内の少なくとも1つの障害物の運転状態に基づいて、前記予め設定された時間における各障害物の予測軌跡を予測する予測モジュールと、
前記第1計画軌跡、前記第2計画軌跡及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、前記自動運転車両の走行動作を決定する決定モジュールと、を備え、
その中、前記第1計画軌跡、前記第2計画軌跡及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、前記自動運転車両の走行動作を決定することは、
前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第1計画位置及び各障害物の予測位置を確定することと、
前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第1計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出することと、
前記距離が予め設定された第1の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行は安全でないと判定することと、を含む、
ことを特徴とする車線変更の際の決定装置。
【請求項7】
前記決定モジュールは、
第1決定サブモジュールと、
第2決定サブモジュールと、
を含み
前記第1決定サブモジュールは、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全である場合、車線変更を継続して遂行する決定を行う一方、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全でない場合、前記第2決定サブモジュールが決定を行うよう、指示し、
前記第2決定サブモジュールは、前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断し、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全である場合、前記第2車線に向けて走行する決定を行う一方、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全でない場合、走行を停止する決定を行う、
ことを特徴とする請求項に記載の車線変更の際の決定装置。
【請求項8】
前記第2決定サブモジュールは、
前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第2計画位置及び各障害物の予測位置を確定し、
前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第2計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出し、
前記距離が予め設定された第2の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定する、
ことを特徴とする請求項に記載の車線変更の際の決定装置。
【請求項9】
前記第2決定サブモジュールは、さらに、
前記第2計画軌跡が車線変更禁止の道路区間を通過するか否かを判断し、通過する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定する、
ことを特徴とする請求項に記載の車線変更の際の決定装置。
【請求項10】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶するメモリと、を含み、
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記1つ又は複数のプログラムを実行すると、請求項1~のいずれか1項に記載の車線変更の際の決定方法を実現させる、
ことを特徴とする車線変更の際の決定デバイス。
【請求項11】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体であって、
当該プログラムがプロセッサに実行されると、請求項1~のいずれか1項に記載の車線変更の際の決定方法を実現させる、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
コンピュータにおいて、プロセッサにより実行される場合、請求項1~のいずれか1項に記載の車線変更の際の決定方法を実現することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転車両技術分野に関し、特に車線変更の際の決定方法、装置、デバイス、記憶媒体、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の走行中において、ある車線から別の車線に変更して走行するのは、車線変更と称する。自動運転車両は、車線変更する前に、自身の計画軌跡と目標車線における障害物の走行軌跡とに基づいて、目標車線への車線変更が安全であるか否かを判断し、安全である場合、車線変更を実施する。しかし、車線変更中において、周囲の障害物の運行状況が変化する可能性がある。例えば、目標車線で後方車両が急に加速したり、又は前方車両が急に減速したりする場合、自動運転車両は、車線変更は不安全なものとなる。従来技術において、自動運転車両は、このような車線変更中に、道路に現れた突発的な状況に対応することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術における上記の技術課題を解決するため、本発明は、車線変更の際の決定方法、及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1態様は、車線変更の際の決定方法を提供する。当該車線変更の際の決定方法は、
自動運転車両の車線変更中に、予め設定された時間における、前記自動運転車両が車線変更の目標車線である第1車線に向けて走行する第1計画軌跡、及び、前記自動運転車両が車線変更の開始時刻に位置する車線である第2車線に向けて走行する第2計画軌跡を取得することと、
前記自動運転車両の周囲の予め設定された範囲内の少なくとも1つの障害物の運転状態に基づいて、前記予め設定された時間における各障害物の予測軌跡を予測することと、
前記第1計画軌跡、前記第2計画軌跡及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、前記自動運転車両の走行動作を決定することと、を含む。
【0005】
1つの実施形態において、前記第1計画軌跡、前記第2計画軌跡及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、前記自動運転車両の走行動作を決定することは、
前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全であるか否かを判断することと、
前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全である場合、車線変更を継続して遂行する決定を行うことと、
前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全でない場合、前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断し、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全である場合、前記第2車線に向けて走行する決定を行う一方、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全でない場合、走行を停止する決定を行うことと、を含む。
【0006】
1つの実施形態において、前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全であるか否かを判断することは、
前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第1計画位置及び各障害物の予測位置を確定することと、
前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第1計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出することと、
前記距離が予め設定された第1の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行は安全でないと判定することと、を含む。
【0007】
1つの実施形態において、前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断することは、
前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第2計画位置及び各障害物の予測位置を確定することと、
前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第2計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出することと、
前記距離が予め設定された第2の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定することと、を含む。
【0008】
1つの実施形態において、前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断することは、
前記第2計画軌跡が車線変更禁止の道路区間を通過するか否かを判断し、通過する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定することを含む。
【0009】
1つの実施形態において、自動運転車両の車線変更中に、予め設定されたルールに従って前記第1計画軌跡及び前記第2計画軌跡を取得することと、前記各障害物の予測軌跡を予測することと、前記自動運転車両の走行動作を決定することと、を繰り返して実行する。
【0010】
第2態様において、本発明の実施例は車道変更中の決定装置を提供し、
自動運転車両の車線変更中に、予め設定された時間における、前記自動運転車両が車線変更の目標車線である第1車線に向けて走行する第1計画軌跡、及び、前記自動運転車両が車線変更の開始時刻に位置する車線である第2車線に向けて走行する第2計画軌跡を取得するための取得モジュールと、
前記自動運転車両の周囲の予め設定された範囲内の少なくとも1つの障害物の運転状態に基づいて、前記予め設定された時間における各障害物の予測軌跡を予測するための予測モジュールと、
前記第1計画軌跡、前記第2計画軌跡及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、前記自動運転車両の走行動作を決定するための決定モジュールと、を含む。
【0011】
1つの実施形態において、前記決定モジュールは、
第1決定サブモジュールと、
第2決定サブモジュールと、
を含み
第1決定サブモジュールは、前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全であるか否かを判断し、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全である場合、車線変更を継続して遂行する決定を行う一方、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全でない場合、第2決定サブモジュールが決定を行うよう、指示し、
第2決定サブモジュールは、前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断し、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全である場合、前記第2車線に向けて走行する決定を行う一方、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全でない場合、走行を停止する決定を行う。
【0012】
1つの実施形態において、前記第1決定サブモジュールは、
前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第1計画位置及び各障害物の予測位置を確定し、
前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第1計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出し、
前記距離が予め設定された第1の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行は安全でないと判定することに用いられる。
【0013】
1つの実施形態において、前記第2決定サブモジュールは
前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第2計画位置及び各障害物の予測位置を確定し、
前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第2計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出し、
前記距離が予め設定された第2の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定することに用いられる。
【0014】
1つの実施形態において、前記第2決定サブモジュールは、
前記第2計画軌跡が車線変更禁止の道路区間を通過するか否かを判断し、通過する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定することに用いられる。
【0015】
本発明の第3態様は、車線変更の際の決定デバイスを提供している。前記デバイスの機能は、ハードウェアによって実現されてもよく、ハードウェアをもって対応するソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。前記ハードウェア又はソフトウェアは、上記機能に対応する1つ又は複数のモジュールを含む。
【0016】
1つの可能な実施形態において、前記デバイスには、プロセッサとメモリとが含まれ、前記メモリは、前記デバイスが上記の車線変更の際の決定方法を実行することをサポートするプログラムを記憶することに用いられ、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されるプログラムを実行するように構成される。前記デバイスは、他のデバイス又は通信ネットワークと通信するための通信インターフェースをさらに含むことができる。
【0017】
本発明の第4態様は、車線変更の際の決定デバイスに使用される、上記の車線変更の際の決定方法を実施するためのプログラムを含むコンピュータプログラム命令を記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体を提供している。
【発明の効果】
【0018】
上記の技術案のうちの少なくとも1つの技術案は、下記のメリットと有益的な効果を有する。
本発明の実施形態は、自動運転車両の車線変更中に、これからの一区切りの時間内の、第1車線に向けて走行する第1計画軌跡と第2車線に向けて走行する第2計画軌跡とを取得し、周囲の障害物の予測軌跡を算出する。その後、前記情報に基づいて自動運転車両の走行動作を決定する。本発明によれば、自動運転車両は、車線変更中に道路に現れた突如に発生した状況を対応することができる。
【0019】
上記の略述は、単に説明のために過ぎず、いかなる限定をも目的としない。上記に記載されている例示的な態様、実施形態、及び特徴以外に、図面及び下記の詳細説明を参照することによって、本発明のさらなる態様、実施形態、及び特徴の理解を促す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ある車両の車線変更の模式図である。
図2】本発明の実施形態における車線変更の際の決定方法を実現するためのフローチャートである。
図3】本発明の実施形態における自動運転車両の第1計画軌跡、第2計画軌跡、及び障害物の予測軌跡の模式図である。
図4】本発明の実施形態におけるステップS23の実現のフローチャートである。
図5】本発明の実施形態におけるステップS231の実現のフローチャートである。
図6】本発明の実施形態におけるステップS232の実現のフローチャートである。
図7】本発明の実施形態における車線変更の際の決定装置の構成模式図である。
図8】本発明の他の実施形態における車線変更の際の決定装置の構成模式図である。
図9】本発明の実施形態における車線変更の際の決定デバイスの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面において特に規定されない限り、複数の図面において同様の図面符号は、同様又は類似的な部材又はエレメントを示す。これらの図面は必ずしも実際の比例に従って製図されたものではない。これらの図面は本発明に基づいて開示された幾つかの実施形態を描いたものに過ぎず、本発明の範囲に対する制限としてはならないことを理解すべきである。
【0022】
下記において、幾つかの例示的実施形態を簡単に説明する。当業者が把握出来るよう、本発明の主旨又は範囲を逸脱しない限り、様々な方式により説明された実施形態に変更可能である。従って、図面と説明は制限を加えるものでなく、本質的には例示的なものである。
【0023】
本発明は、車線変更の際の決定方法及び装置を主に提供している。以下、下記の実施形態を介してその技術案をそれぞれ展開して説明する。
本発明の実施形態に係る車線変更の際の決定方法は、自動運転車両に適用することができる。図1は、ある車両の車線変更の模式図である。図1において、2車線の1区間の道路を示しており、当該道路での走行方向は図における上に向ける方向である。図1において、車両は、車線変更前に右側の車線を走行し、車線変更後に左側の車線を走行する。図内の矢印線は車両の車線変更、及び車線変更前後の走行径路である。当該走行径路内の点A~点Bの部分は走行動作の径路である。本発明の実施形態は、自動運転車両の点A~点Bに示される径路での走行過程に適用することができる。
【0024】
図2は、本発明の実施形態における車線変更の際の決定方法を実現するためのフローチャートである。図2に示すように、当該車線変更の際の決定方法は、下記のステップS21、S22、S23を含む。
【0025】
S21において、自動運転車両の車線変更中に、予め設定された時間における、前記自動運転車両が第1車線に向けて走行する第1計画軌跡と、第2車線に向けて走行する第2計画軌跡とを取得する。
ここで、上記の第1車線は、車線変更対象である目標車線であってもよく、即ち、自動運転車両の車線変更前の計画された車線である。
第2車線は、自動運転車両が車線変更の開始時刻に位置する車線であってもよく、即ち、車線変更前に位置する車線である。
予め設定された時間は、現在時刻をスタートとする予め設定された長さをもつ時間であってもよい。
【0026】
S22において、前記自動運転車両の周囲の予め設定された範囲内の少なくとも1つの障害物の運転状態に基づいて、前記予め設定された時間における各障害物の予測軌跡を予測する。
【0027】
S23において、前記第1計画軌跡、前記第2計画軌跡及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、前記自動運転車両の走行動作を決定する。
【0028】
上記のステップS21とステップS22は、実行順序の制限が存在しなく、両者は、いずれものステップを先に実行してもよく、同時に実行してもよい。
【0029】
1つの可能な実施形態において、上記のステップS21~ステップS23は、自動運転車両の車線変更中に、予め設定されたルールに従って繰り返して実行されることができる。例えば、予め設定された周期に従って実行されることができる。
上記のステップS22において、自動運転車両の第1計画軌跡と第2計画軌跡とは、予め設定された時間内の複数の時点における自動運転車両の計画位置、計画速度、計画加速度等の情報を含むことができる。
上記のステップS22において、自動運転車両の周囲の予め設定された範囲内の障害物は、自動運転車両の感知範囲における障害物であってもよく、自動運転車両との距離が最も近い、第1車線上及び第2車線上の障害物であってもよい。障害物の運転状態は、位置、速度、加速度、及び方向等の情報を含むことができる。障害物の予測軌跡は、障害物の予め設定された時間内の各時点における予測位置、予測速度、及び予測加速度等の情報を含むことができる。
【0030】
図3は、本発明の実施形態における自動運転車両の第1計画軌跡、第2計画軌跡、及び障害物の予測軌跡の模式図である。図3は、2車線の1区間の道路を示しており、当該道路での走行方向は、図における上に向ける方向である。上記の各軌跡の表示に影響を与えないように、図3に黒点を使用して自動運転車両と障害物を示し、前記障害物は、歩行者、車両等であり得る。
図3に示すように、自動運転車両は、車線変更前に右側の車線(即ち、図3に示される第2車線)に位置し、現在左側の車線(即ち、図3に示される示す第1車線)に入ったばかりで、車線変更が完了されていない。自動運転車両は、図3に示される位置上に同時に2つの計画軌跡を計画している。ここで、第1計画軌跡は、第1車線に向けて走行するものであり、即ち、車線変更を継続して完了させる軌跡であり、第2計画軌跡は、第2車線に向けて走行するものであり、即ち、元の車線に戻る軌跡である。
図3に示すように、自動運転車両の周囲には、2つの障害物が存在する。ここで、障害物Xは第1車線を走行し、障害物Yは第2車線を走行する。障害物Xと障害物Yとの運転状態に基づいて、それが予め設定された時間における予測軌跡を予測することができる。
【0031】
上記の第1計画軌跡、第2計画軌跡、及び予測軌跡に関する説明に基づいて、下記において、本発明の実施形態の具体的な実現方式を説明する。
【0032】
図4は、本発明の実施形態におけるステップS23の実現のフローチャートである。当該ステップS23は、下記のステップS231、S232を含む。
S231において、前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全であるか否かを判断し、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全である場合、車線変更を継続して遂行する決定を行う一方、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全でない場合、ステップS232を実行する。
S232において、前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断し、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全である場合、前記第2車線に向けて走行する決定を行う一方、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全でない場合、走行を停止する決定を行う。
自動運転車両の走行が停止した後に、第1車線上又は第2車線上の危険が解除された(例えば、図3の障害物X又は障害物Yが既に自動運転車両から遠く離れる位置に走行した)後に、再び第1車線又は第2車線に向けて走行することができる。
【0033】
1つの可能な実施形態において、図5示すように、上記のステップS231において、前記第1計画軌跡と各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全であるか否かを判断するのは、下記のステップS2311、S2312、S2313を含むことができる。
S2311において、前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第1計画位置及び各障害物の予測位置を確定する。
S2312において、前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第1計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出する。
S2313において、前記距離が予め設定された第1の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行は安全でないと判定する。
【0034】
下記において、図3を参照して説明する。現在時刻において、予め設定された時間における自動運転車両の第1計画軌跡及び障害物Xの予測軌跡を確定する。本実施形態において、予め設定された時間がこれから8sであることを例として説明する。
ステップS2311において、第1計画軌跡と障害物Xの予測軌跡とに基づいて、これから8s以内の少なくとも1つの時点における、自動運転車両の第1計画位置と各障害物の予測位置とを確定し出す。1sおきに1つの確定時点を例として、これから8秒以内において、自動運転車両の8つの時点における第1計画位置{Pa1、Pa2、Pa3、Pa4、Pa5、Pa6、Pa7、Pa8}を確定し出し、また障害物Xの8つの時点における予測位置{Px1、Px2、Px3、Px4、Px5、Px6、Px7、Px8}を確定し出す。
【0035】
ステップS2312において、上記の各時点に対して、第1計画位置と各予測位置とのそれぞれの距離を算出する。即ち、
第1時点に対して、Pa1とPx1との距離を算出し、
第2時点に対して、Pa2とPx2との距離を算出し、
……
第8時点に対して、Pa8とPx8との距離を算出する。
【0036】
ステップS2313において、上記の8つの時点に対して、算出した距離が予め設定された第1の距離閾値よりも小さい時点が存在する場合、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全でないことを判断した。1つの可能な実施形態において、上記の予め設定された第1の距離閾値は、道路種類、現在道路状況、現在車速等の状況に応じて異なる値に設定されることができる。例えば、現在の車速が高い場合、第1の距離閾値を高い値で設定し、車速が低い場合、第1の距離閾値を低い値で設定する。
【0037】
なお、本実施形態において、自動運転車両と1つの障害物との距離に基づいて判断を行うことを例として説明している。自動運転車両と少なくとも2つの障害物との距離に基づいて判断を行う場合、第1計画位置といずれか1つの障害物の予測位置との距離が、予め設定された第1の距離閾値よりも小さいさえであれば、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全でないことを判定したことができる。
【0038】
1つの可能な実施形態において、図6に示すように、上記のステップS232において、前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断するのは、下記のステップS2321、S2322、S2323を含むことができる。
S2321において、前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第2計画位置及び各障害物の予測位置を確定する。
S2322において、前記予め設定された時間における各時点に対し、第2計画位置と各予測位置との距離をそれぞれ算出する。
S2323において、距離が予め設定された第2の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定する。
【0039】
下記において、図3を参照して説明する。現在時刻において、予め設定された時間における自動運転車両の第2計画軌跡と障害物Yの予測軌跡とを確定し出す。本実施形態において、予め設定された時間がこれから8sであることを例として説明する。
ステップS2321において、第2計画軌跡と障害物Yの予測軌跡とに基づいて、これから8s以内の少なくとも1つの時点の自動運転車両の第2計画位置と各障害物の予測位置とを確定する。1sおきに1つの確定時点を例として、これから8秒以内において、自動運転車両の8つの時点における第2計画位置{Pb1、Pb2、Pb3、Pb4、Pb5、Pb6、Pb7、Pb8}を確定し出し、また障害物Yの8つの時点における予測位置{Py1、Py2、Py3、Py4、Py5、Py6、Py7、Py8}を確定し出す。
【0040】
ステップS2322において、上記の各時点に対して、第2計画位置と各予測位置とのそれぞれの距離を算出する。即ち、
第1時点に対して、Pb1とPy1との距離を算出し、
第2時点に対して、Pb2とPy2との距離を算出し、
……
第8時点に対して、Pb8とPy8との距離を算出する。
【0041】
ステップS2323において、上記の8つの時点に対して、算出した距離が予め設定された第2の距離閾値よりも小さい時点が存在する場合、自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全でないことを判断した。1つの可能な実施形態において、上記の予め設定された第2の距離閾値は、道路種類、現在道路状況、現在車速等の状況に応じて異なる値に設定されることができる。例えば、現在の車速が高い場合、第2の距離閾値を高い値で設定し、車速が低い場合、第2の距離閾値を低い値で設定する。
【0042】
なお、本実施形態において、自動運転車両と1つの障害物との距離に基づいて判断を行うことを例として説明している。自動運転車両と少なくとも2つの障害物との距離に基づいて判断を行う場合、第2計画位置といずれか1つの障害物の予測位置との距離が、予め設定された第2の距離閾値よりも小さいさえであれば、第2車線での自動運転車両の走行が安全でないことを判定したことができる。
上記は、衝突のリスクが存在するか否かとの視点で、自動運転車両が第2車線に向かう走行の安全性を判断している。交通安全法の視点から考慮すると、同一道路上において、ある道路区間で車線変更が許可され、ある道路区間で車線変更が許可されない。車線変更開始時に、車両が車線変更許可の道路区間に位置する場合、その後、車線変更禁止の道路区間に入ったら、再度の車線変更にも危険が存在する。
【0043】
そのため、本発明の他の実施形態において、上記のステップS232において、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断することは、第2計画軌跡が車線変更禁止の道路区間を含むか否かを判断し、そうである場合、自動運転車両が第2車線に向けて走行するのが安全でないことを判断する。
なお、上記の実施形態において、自動運転車両の車線変更中の1つの時点における車線変更の際の決定を説明している。自動運転車両の車線変更において、自動運転車両の車線変更が終了するまで、上記の実施形態に説明される車線変更の際の決定を複数回に実行することができる。例えば、予め設定された周期に従って、車線変更中において、上記の車線変更の際の決定を周期的に実行する。
【0044】
本発明の実施形態は、車線変更の際の決定装置をさらに提供している。図7は本発明の実施形態における車線変更の際の決定装置の構成模式図である。図7に示すように、当該車線変更の際の決定装置は、
自動運転車両の車線変更中に、予め設定された時間における、前記自動運転車両が車線変更の目標車線である第1車線に向けて走行する第1計画軌跡、及び、前記自動運転車両が車線変更の開始時刻に位置する車線である第2車線に向けて走行する第2計画軌跡を取得する取得モジュール710と、
前記自動運転車両の周囲の予め設定された範囲内の少なくとも1つの障害物の運転状態に基づいて、前記予め設定された時間における各障害物の予測軌跡を予測するための予測モジュール720と、
前記第1計画軌跡、前記第2計画軌跡及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、前記自動運転車両の走行動作を決定するための決定モジュール730と、を含む。
【0045】
図8示すように、1つの可能な実施形態において、前記決定モジュール730は、第1決定サブモジュールと第2決定サブモジュールとを含み、
前記第1決定サブモジュールは、前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全であるか否かを判断し、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全である場合、車線変更を継続して遂行する決定を行う一方、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行が安全でない場合、第2決定サブモジュールが決定を行うよう、指示し、
前記第2決定サブモジュールは、前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全であるか否かを判断し、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全である場合、前記第2車線に向けて走行する決定を行う一方、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行が安全でない場合、走行を停止する決定を行う。
【0046】
1つの可能な実施形態において、前記第1決定サブモジュール731は、
前記第1計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第1計画位置及び各障害物の予測位置を確定し、
前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第1計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出し、
前記距離が予め設定された第1の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第1車線に向かう走行は安全でないと判定することに用いられる。
【0047】
1つの可能な実施形態において、前記第2決定サブモジュール732は、
前記第2計画軌跡と前記各障害物の予測軌跡とに基づいて、前記予め設定された時間における少なくとも1つの時点の前記自動運転車両の第2計画位置及び各障害物の予測位置を確定し、
前記予め設定された時間における各時点に対し、前記第2計画位置と前記各障害物の予測位置との距離をそれぞれ算出し、
前記距離が予め設定された第2の距離閾値よりも小さい時点が存在するか否かを判断し、存在する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定することに用いられる。
【0048】
1つの可能な実施形態において、前記第2決定サブモジュール732は、
前記第2計画軌跡が車線変更禁止の道路区間を通過するか否かを判断し、通過する場合、前記自動運転車両が第2車線に向かう走行は安全でないと判定することにさらに用いられる。
【0049】
本発明の実施形態における各装置内の各モジュールの機能は、上記の方法の対応する説明を参照することができ、ここでは省略する。
【0050】
本発明の実施形態は、車線変更の際の決定デバイスをさらに提供している。図9は、本発明の実施形態における車線変更の際の決定デバイスの構成模式図である。図9に示すように、当該車線変更の際の決定デバイスは、
メモリ11とプロセッサ12を含み、メモリ11には、プロセッサ12で実行することができるコンピュータプログラムが記憶されている。前記プロセッサ12は、前記コンピュータプログラムを実行すると、上記の実施形態における車線変更の際の決定方法を実現する。前記メモリ11とプロセッサ12との数は、1つであってよく、複数であってもよい。
【0051】
前記デバイスは、
他のデバイスと通信することに用いられ、データの交換伝送を行う通信インターフェース13をさらに含む。
メモリ11は、高速度RAMメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気メモリのような不揮発性メモリ(non-volatile memory)をさらに含んでもよい。
【0052】
メモリ11、プロセッサ12、及び通信インターフェース13が個別に実現される場合、メモリ11、プロセッサ12、及び通信インターフェース13は、バスによって相互接続して相互通信を行うことができる。前記バスは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA、Industry Standard Architecture)バス、外部デバイス相互接続(PCI、Peripheral ComponentInterconnect)バス、又は拡張インダストリスタンダードアーキテクチャ(EISA、Extended Industry Standard Component)バス等であってもよい。前記バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等として分けられることが可能である。表示の便宜上、図9に1本の太線のみで表示するが、バスが1つ又は1種類のみであることを意味しない。
【0053】
任意選択で、具体的な実現において、メモリ11、プロセッサ12及び通信インターフェース13が1つのチップに集成した場合、メモリ11、プロセッサ12、及び通信インターフェース13は、内部インターフェースによって相互通信を行うことができる。
【0054】
本明細書において、「1つの実施形態」、「幾つかの実施形態」、「例」、「具体例」或いは「一部の例」などの用語とは、当該実施形態或いは例で説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点を結合して、本発明の少なくとも1つの実施形態或いは実施例に含まれることを意味する。また、説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点は、いずれか1つ或いは複数の実施形態または例において適切に結合することが可能である。また、矛盾しない限り、当業者は、本明細書の異なる実施形態または例、および、異なる実施形態または例における特徴を結合したり、組み合わせたりすることができる。
また、用語「第1」、「第2」とは比較的重要性を示している又は暗示しているわけではなく、単に説明のためのものであり、示される技術的特徴の数を暗示するわけでもない。そのため、「第1」、「第2」で限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示又は暗示的に含むことが可能である。本出願の記載の中において、「複数」の意味とは、明確的に限定される以外に、2つ又は2つ以上を意味する。
【0055】
フローチャート又はその他の方式で説明された、いかなるプロセス又は方法に対する説明は、特定な論理的機能又はプロセスのステップを実現するための命令のコードを実行可能な1つ又はそれ以上のモジュール、断片若しくはセグメントとして理解することが可能であり、さらに、本発明の好ましい実施形態の範囲はその他の実現を含み、示された、又は、記載の順番に従うことなく、係る機能に基づいてほぼ同時にまたは逆の順序に従って機能を実行することを含み、これは当業者が理解すべきことである。
フローチャートに示された、又はその他の方式で説明された論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現させるための実行可能な命令のシーケンスリストとして見なされることが可能であり、命令実行システム、装置、又はデバイス(プロセッサのシステム、又は命令実行システム、装置、デバイスから命令を取得して実行することが可能なその他のシステムを含むコンピュータによるシステム)が使用できるように提供し、又はこれらの命令を組み合わせて使用する命令実行システム、装置、又はデバイスに使用されるために、いかなるコンピュータ読取可能媒体にも具体的に実現されることが可能である。本明細書において、「コンピュータ読取可能媒体」は、命令実行システム、装置、デバイス、又はこれらの命令を組み合わせて実行するシステム、装置又はデバイスが使用できるように提供するため、プログラムを格納、記憶、通信、伝搬又は伝送する装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能媒体のより具体的例(非網羅的なリスト)として、1つ又は複数の布配線を含む電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスク(磁気装置)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、消去書き込み可能リード・オンリー・メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を少なくとも含む。また、コンピュータ読み取り可能媒体は、そのうえで前記プログラムを印字できる紙又はその他の適切な媒体であってもよく、例えば紙又はその他の媒体に対して光学的スキャンを行い、そして編集、解釈又は必要に応じてその他の適切の方式で処理して電子的方式で前記プログラムを得、その後コンピュータメモリに記憶することができるためである。
【0056】
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせによって実現されることができる。上記実施形態において、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶された、適当な命令実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実施されることができる。例えば、ハードウェアによって実現するとした場合、別の実施形態と同様に、データ信号に対して論理機能を実現する論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な混合論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(GPA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などといった本技術分野において公知である技術のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせによって実現される。
当業者は、上記の実施形態における方法に含まれるステップの全部又は一部を実現するのは、プログラムによって対応するハードウェアを指示することによって可能であることを理解することができる。前記プログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行されるとき、方法の実施形態に係るステップのうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0057】
また、本発明の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてよく、別個の物理的な個体であってもよく、2つ又は3つ以上のユニットが1つのモジュールに統合されてもよい。上記の統合モジュールは、ハードウェアで実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールで実現されてもよい。上記の統合モジュールが、ソフトウェア機能モジュールで実現され、しかも独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。前記記憶媒体は読取専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよい。
以上のように、本発明の実施形態に係る車線変更の際の決定方法と装置は、自動運転車両の車線変更中に、これからの一区切りの時間以内の、自動運転車両が第1車線に向けて走行する第1計画軌跡と第2車線に向けて走行する第2計画軌跡を取得し、周囲の障害物の予測軌跡を算出する。その後、第1計画軌跡、第2計画軌跡、及び前記各障害物の予測軌跡に基づいて、自動運転車両の走行動作を決定する。本発明の実施形態によれば、自動運転車は、車線変更中に道路に現れた突如に発生した状況を対応することができる。
【0058】
上記の記載は、単なる本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はそれに限定されることなく、当業者が本発明に開示されている範囲内において、容易に想到し得る変形又は置換は、全て本発明の範囲内に含まれるべきである。そのため、本発明の範囲は、記載されている特許請求の範囲に準じるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9