(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-15
(45)【発行日】2022-06-23
(54)【発明の名称】接続装置
(51)【国際特許分類】
F16B 5/10 20060101AFI20220616BHJP
F16B 19/00 20060101ALI20220616BHJP
A47B 88/423 20170101ALN20220616BHJP
【FI】
F16B5/10 H
F16B19/00 E
A47B88/423
(21)【出願番号】P 2020116896
(22)【出願日】2020-07-07
【審査請求日】2020-07-07
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】梁 秀江
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0082597(US,A1)
【文献】米国特許第06494550(US,B1)
【文献】特開2003-329016(JP,A)
【文献】特開2004-052856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/00 - 5/12
F16B 19/00
A47B 88/423-88/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方構成と、下方構成と、前記上方構成と前記下方構成との間に配置される中央壁とを備え、該中央壁は、第1の側面と、第2の側面とを有し、第1の案内構造が、前記第1の側面及び前記第2の側面の一方に隣接して配置され、第1の位置限定構造が、前記第1の側面及び前記第2の側面の他方に隣接して配置され、前記第1の案内構造及び前記第1の位置限定構造は、それらの間に第1の移動空間を画定する、ベースと、
該ベースに移動可能に取り付けられるように構成され、上方部分と、下方部分と、前記上方部分と前記下方部分との間に配置される中央部分とを備え、該中央部分は、第1の弾性部分を備える、ブラケットとを含み、
該ブラケットが第1の方向において前記ベースの前記第1の側面から前記第2の側面に向かって前記ベースに取り付けられている間に、前記ブラケットの前記第1の弾性部分は、前記ベースの前記第1の案内構造によって前記第1の移動空間内に案内され、
第2の位置限定構造が、前記ベースの前記第1の側面及び前記第2の側面の一方に隣接して配置され、第2の案内構造が、前記ベースの前記第1の側面及び前記第2の側面の他方に隣接して配置され、前記第2の案内構造及び前記第2の位置限定構造は、それらの間に第2の移動空間を画定し、前記ブラケットの前記中央部分は、第2の弾性部分を備え、前記ブラケットが前記第1の方向において前記ベースの前記第1の側面から前記第2の側面に向かってベースに取り付けられている間に、前記ブラケットの前記第2の弾性部分は、前記ベースの前記第2の位置限定構造との接触に導かれ、前記第2の位置限定構造を越えて移動した後に弾性力を解放し、よって、前記第2の移動空間に入り、
前記ブラケットの前記上方部分及び前記下方部分は、それぞれ、前記ベースの前記上方構成及び前記下方構成に取り付けられる、
接続装置。
【請求項2】
前記ブラケットが前記第1の方向において前記ベースの前記第1の側面から前記第2の側面に向かって前記ベースに取り付けられている間に、前記ブラケットの前記第1の弾性部分は、前記ベースの前記第1の案内構造によって、前記第1の弾性部分が弾性力を蓄える状態に案内される、請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記ブラケットが前記第1の方向とは反対方向の第2の方向において前記ベースの前記第2の側面から前記第1の側面に向かってベースに取り付けられている間に、前記ブラケットの前記第2の弾性部分は、前記ベースの前記第2の案内構造によって前記第2の移動空間内に案内され、前記ブラケットの前記第1の弾性部分は、前記ベースの前記第1の位置限定構造を越えて移動させられ、よって、第1の移動空間内に取り付けられ、前記ブラケットの前記上方部分及び前記下方部分は、それぞれ、前記ベースの前記上方構成及び前記下方構成に取り付けられる、請求項1
又は2に記載の接続装置。
【請求項4】
前記第2の弾性部分及び前記第1の弾性部分は、それぞれ、前記ブラケットの前記上方部分及び前記下方部分に隣接する、請求項3に記載の接続装置。
【請求項5】
前記ベースは、上方壁と、下方壁とを含み、前記上方壁は、第1の壁区画と、該第1の壁区画に対して曲げられた第2の壁区画とを含み、前記第1の壁区画及び前記第2の壁区画は、前記上方構成を共に画定し、前記下方壁は、第3の壁区画と、該第3の壁区画に対して曲げられた第4の壁区画とを有し、前記第3の壁区画及び前記第4の壁区画は、前記下方構成を共に画定し、前記ベースの前記第2の壁区画は、前記第1の壁区画に実質的に垂直に接続され、前記ベースの前記第4の壁区画は、前記第3の壁区画に実質的に垂直に接続される、請求項1に記載の接続装置。
【請求項6】
前記第1の弾性部分は、前記第1の移動空間よりも低い高さを有し、前記第2の弾性部分は、前記第2の移動空間よりも低い高さを有する、請求項
1乃至3のうちのいずれか1項に記載の接続装置。
【請求項7】
家具との使用のための接続装置であって、
前記家具は、第1の家具部材と、第2の家具部材とを含み、
当該接続装置は、
前記第1の家具部材に取り付けられるように構成され、第1の側面と、第2の側面とを有し、第1の案内構造が、前記第1の側面及び前記第2の側面の一方に隣接して配置され、第1の位置限定構造が、前記第1の側面及び前記第2の側面の他方に隣接して配置され、前記第1の案内構造及び前記第1の位置限定構造は、それらの間に第1の移動空間を画定する、ベースと、
前記第2の家具部材に接続されるように構成され、前記ベースに移動可能に取り付けられるように構成され、第1の弾性部分を備える、ブラケットとを含み、
前記ブラケットの前記第1の弾性部分は、前記ベースの前記第1の移動空間内に取り付けられるように構成され、
前記ブラケットが第1の方向において前記ベースの前記第1の側面から前記第2の側面に向かって前記ベースに取り付けられている間に、前記ブラケットの前記第1の弾性部分は、前記ベースの前記第1の案内構造によって前記第1の移動空間内に案内され
、
第2の位置限定構造が、前記ベースの前記第1の側面及び前記第2の側面の一方に隣接して配置され、第2の案内構造が、前記ベースの前記第1の側面及び前記第2の側面の他方に隣接して配置され、前記第2の案内構造及び前記第2の位置限定構造は、それらの間に第2の移動空間を画定し、前記ブラケットは、第2の弾性部分を備え、前記ブラケットが前記第1の方向において前記ベースの前記第1の側面から前記第2の側面に向かってベースに取り付けられている間に、前記ブラケットの前記第2の弾性部分は、前記ベースの前記第2の位置限定構造との接触に導かれ、前記第2の位置限定構造を越えて移動した後に弾性力を解放し、よって、前記第2の移動空間に入る、
接続装置。
【請求項8】
前記ベースは、接続穴を含み、前記ベースは、前記接続穴を通じて固定部材を通すことによって前記第1の家具部材に接続される、請求項7に記載の接続装置。
【請求項9】
前記ベースは、少なくとも1つの取付け構成を含み、前記ベースは、前記少なくとも1つの取付け構成を通じて前記第1の家具部材に接続される、請求項7に記載の接続装置。
【請求項10】
ベースと、
該ベースに移動可能に取り付けられるブラケットとを含み、
前記ベース及び前記ブラケットの一方は、第1の側面と、第2の側面とを有し、第1の案内構造及び第2の位置限定構造が、前記第1の側面及び前記第2の側面の一方に隣接して配置され、第1の位置限定構造及び第2の案内構造が、前記第1の側面及び前記第2の側面の他方に隣接して配置され、
前記第1の案内構造及び前記第1の位置限定構造は、それらの間に第1の移動空間を画定し、前記第2の案内構造及び前記第2の位置限定構造は、それらの間に第2の移動空間を画定し、
前記ベース及び前記ブラケットの他方は、第1の弾性部分と、第2の弾性部分とを備え、前記第1の弾性部分は、前記第1の移動空間内に取り付けられるように構成され、前記第2の弾性部分は、前記第2の移動空間内に取り付けられるように構成される、
接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続構造に関し、より具体的には、家具と共に使用するための接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、引出しスライドをキャビネット壁のメインパネルに取り付けるためのブラケットを開示している。メインパネルは、上方フランジと、下方フランジと、上方フランジと下方フランジとの間に設けられた凹部と、メインパネルの側縁と凹部との間に延びるアクセスランプとを有する。メインパネルは、キャビネット壁に取り付けられる。ブラケットは、引出しスライドに取り付けられる。メインパネルの上方フランジ及び下方フランジは、それぞれ、ブラケットの上縁及び下縁を捕捉するように構成される。メインパネルの凹部は、ブラケットの水平位置がメインパネルに対して調整されることを可能にするよう、ブラケットのナブが凹部内で可動であるように、ブラケットのナブを受け入れるように構成される。
【0003】
ナブは、ブラケットのパネル部分に連続的な方法で接続され、故に、ブラケットのパネル部分に対して移動させられることができないので(即ち、ナブは、ブラケットのパネル部分に対して静止的であるので)、ブラケットをメインパネルに取り付けることは困難であり得る。従って、異なるユーザのニーズを満足し、消費者により多くの選択肢を提供するためには、上記で引用したブラケットとは異なる接続製品を開発することが重要である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、2つの物体の間の接続を容易にするように構成された接続装置に関する。
【0005】
本発明の1つの態様によれば、接続装置が、ベースと、ブラケットとを含む。ベースは、上方構成と、下方構成と、上方構成と下方構成との間に配置される中央壁とを含む。中央壁は、第1の側面と、第2の側面とを有する。第1の案内構造が、第1の側面及び第2の側面の一方に隣接して配置され、第1の位置限定構造が、第1の側面及び第2の側面の他方に隣接して配置され、第1の案内構造及び第1の位置限定構造は、それらの間に第1の移動空間を画定する。ブラケットは、ベースに移動可能に取り付けられるように構成され、上方部分と、下方部分と、上方部分と下方部分との間に配置される中央部分とを備える。中央部分は、第1の弾性部分を備える。ブラケットが第1の方向においてベースの第1の側面から第2の側面に向かってベースに取り付けられる過程において、ブラケットの第1の弾性部分は、ベースの第1の案内構造によって第1の移動空間内に案内され、ブラケットの上方部分及び下方部分は、それぞれ、ベースの上方構成及び下方構成に取り付けられる。
【0006】
好ましくは、ブラケットが第1の方向においてベースの第1の側面から第2の側面に向かってベースに取り付けられる過程において、ブラケットの第1の弾性部分は、ベースの第1の案内構造によって、第1の弾性部分が弾性力を蓄える状態に案内される。
【0007】
好ましくは、第2の位置限定構造がベースの第1の側面及び第2の側面の一方に隣接して提供され、第2の案内構造がベースの第1の側面及び第2の側面の他方に隣接して提供され、第2の案内構造及び第2の位置限定構造は、それらの間に第2の移動空間を画定する。ブラケットの中央部分は、第2の弾性部分を備え、ブラケットが第1の方向においてベースの第1の側面から第2の側面に向かってベースに取り付けられる過程において、ブラケットの第2の弾性部分は、ベースの第2の位置限定構造との接触に導かれ、第2の位置限定構造を越えて移動した後に弾性力を解放し、よって、第2の移動空間に入ることも好ましい。
【0008】
好ましくは、ブラケットが第1の方向とは反対方向の第2の方向においてベースの第2の側面から第1の側面に向かってベースに取り付けられる過程において、ブラケットの第2の弾性部分は、ベースの第2の案内構造によって第2の移動空間内に案内され、ブラケットの上方部分及び下方部分は、それぞれ、ベースの上方構成及び下方構成に取り付けられる。
【0009】
好ましくは、第2の弾性部分及び第1の弾性部分は、それぞれ、ブラケットの上方部分及び下方部分に隣接する。
【0010】
好ましくは、ベースは、上方壁と、下方壁とを含む。上方壁は、第1の壁区画と、第1の壁区画に対して曲げられた第2の壁区画とを含み、第1の壁区画及び第2の壁区画は、上方構成を共に画定する。下方壁は、第3の壁区画と、第3の壁区画に対して曲げられた第4の壁区画とを有し、第3の壁区画及び第4の壁区画は、下方構成を共に画定する。
【0011】
好ましくは、ベースの第2の壁区画は、第1の壁区画に実質的に垂直に接続される。
【0012】
好ましくは、ベースの第4の壁区画は、第3の壁区画に実質的に垂直に接続される。
【0013】
好ましくは、第1の弾性部分は、第1の移動空間よりも小さなサイズを有し、第2の弾性部分は、第2の移動空間よりも小さいサイズを有する。
【0014】
本発明の別の態様によれば、接続装置が、家具との使用のために構成され、家具は、第1の家具部材と、第2の家具部材とを含む。接続装置は、ベースと、ブラケットとを含む。ベースは、第1の家具部材に取り付けられるように構成され、第1の側面と、第2の側面とを有する。第1の案内構造が第1の側面及び第2の側面の一方に隣接して提供され、第1の位置限定構造が第1の側面及び第2の側面の他方に隣接して提供され、第1の案内構造及び第1の位置限定構造は、それらの間に第1の移動空間を画定する。ブラケットは、第2の家具部材に接続されるように構成され、ベースに移動可能に取り付けられるように構成され、第1の弾性部分を備える。ブラケットの第1の弾性部分は、ベースの第1の移動空間内に取り付けられるように構成される。
【0015】
好ましくは、ベースは、接続穴を含み、ベースは、接続穴を通じて固定部材を通すことによって第1の家具部材に接続される。
【0016】
好ましくは、ベースは、少なくとも1つの取付け構成を含み、ベースは、少なくとも1つの取付け構成を通じて第1の家具部材に接続される。
【0017】
好ましくは、第1の家具部材は、キャビネットであり、第2の家具部材は、スライドレールであり、スライドレールは、ベースに対して実質的にすいちょくな長さ方向を有する。
【0018】
本発明の更に別の実施形態によれば、接続装置が、ベースと、ブラケットとを含む。ブラケットは、ベースに移動可能に取り付けられる。ベース及びブラケットの一方は、第1の側面と、第2の側面とを有する。第1の案内構造及び第2の位置限定構造が第1の側面及び第2の側面の一方に隣接して提供され、第1の位置限定構造及び第2の案内構造が第1の側面及び第2の側面の他方に隣接して提供される。第1の案内構造及び第1の位置限定構造は、それらの間に第1の移動空間を画定し、第2の案内構造及び第2の位置限定構造は、それらの間に第2の移動空間を画定する。ベース及びブラケットの他方は、第1の弾性部分と、第2の弾性部分とを備える。第1の弾性部分は、第1の移動空間内に取り付けられるように構成され、第2の弾性部分は、第2の移動空間内に取り付けられるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に従った接続装置の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に従った接続装置の側面図である。
【
図3】本発明の実施形態に従った接続装置の分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に従った接続装置のブラケットを所定の方向において接続装置のベースに取り付けるプロセスを示す概略図である。
【
図5】ベースに取り付けるために本発明の実施形態に従った接続装置のブラケットを所定の方向において更に移動させることを示す概略図である。
【
図6】ベースに取り付けるために本発明の実施形態に従った接続装置のブラケットを所定の方向において更に移動させることを示す概略図である。
【
図7】本発明の実施形態に従った接続装置のブラケットをベースに取り付けることを示す概略図である。
【
図8】本発明の実施形態に従った接続装置のベースを第1の家具部材に取り付けることを示す概略図である。
【
図9】本発明の実施形態に従った接続装置のベースを第1の家具部材に取り付け、接続装置のブラケットを第2の家具部材に取り付けることを示す、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1~
図3を参照すると、本発明のある実施形態に従った接続装置20は、ベース22と、ブラケット24とを含む。
【0021】
ベース22は、非限定的に前方部分及び後方部分のような、第1の部分26a及び第2の部分26bとしてそれぞれ画定される、2つの対向する部分を有する。第1の部分26aは、上方構成28と、下方構成30とを備え、ベース22は、上方構成28と下方構成30との間に設けられた中央壁32を含む。中央壁32は、非限定的に左側面及び右側面のような、第1の側面34a及び第2の側面34bとしてそれぞれ画定される、2つの対向する側面を有する。第1の案内構造G1が、第1の側面34aに隣接して設けられ、第1の位置限定構造B1が、第2の側面34bに隣接して設けられる。第1の案内構造G1及び第1の位置限定構造B1は、それらの間に第1の移動空間S1を画定する。第1の案内構造G1及び第1の位置限定構造B1は、実質的に同じ第1の水平方向T1(例えば、第1の横方向)に沿って位置する。好ましくは、第1の側面34aに隣接して配置された第2の位置限定構造B2及び第2の側面34bに隣接して配置された第2の案内構造G2もあり、第2の案内構造G2及び第2の位置限定構造B2は、それらの間に第2の移動空間S2を画定する。第2の案内構造G2及び第2の位置制限構造B2は、実質的に同じ第2の水平方向T2(例えば、第2の横方向)に沿って位置する。第2の水平方向T2は、第1の水平方向T1に対して実質的に平行である。好ましくは、第1の案内構造G1及び第2の案内構造G2は、実質的に同じ構造構成を有し(例えば、第1の案内構造G1及び第2の案内構造G2の各々は、傾斜面又は湾曲面を含み)、第1の位置限定構造B1及び第2の位置限定構造B2は、実質的に同じ構造構成を有する(例えば、第1の位置限定構造B1は、ベース22の第2の側面34bに設けられた壁(例えば、垂直壁又は側壁)であり、第2の位置限定構造B2は、ベース22の第1の側面34aに設けられた壁(例えば、垂直壁又は側壁)である)。
【0022】
ブラケット24は、移動可能な方法においてベース22に取り付けられるように構成される。例えば、ブラケット24は、ベース22に対して水平方向(例えば、横方向)に調整されることができる、即ち、変位させられる(displaced)ことができる。より具体的には、ブラケット24は、上方部分36と、下方部分38と、上方部分36と下方部分38との間に配置された中央部分40とを備える。ここで、一例として、上方部分36は、上方フランジであり、下方部分38は、下方フランジである。中央部分40は、第1の弾性部分42を備える。
【0023】
好ましくは、ブラケット24の中央部分40は、第2の弾性部分44を更に備え、第1の弾性部分42及び第2の弾性部分44は、実質的に同じ構造を有するが、反対方向に配置される。例えば、第1の弾性部分42は、接続区画42aと、接続区画42aから離れて配置される端部分42bとを含み(
図3を参照)、接続区画42aは、ブラケット24の中央部分40に接続され、端部分42bは、接続区画42aに対して所定の高さまで持ち上げられる。同様に、第2の弾性部分44は、接続区画44aと、接続区画44aから離れて配置される端部分44bとを含み(同様に
図3を参照)、接続区画44aは、ブラケット24の中央部分40に接続され、端部分44bは、接続区画44aに対して所定の高さまで持ち上げられる。
【0024】
好ましくは、
図3に示すように、ブラケット24の中央部分40は、第1の受入れ空間K1と、第2の受入れ空間K2とを有し、第1の弾性部分42及び第2の弾性部分44を、それぞれ、第1の受入れ空間K1及び第2の受入れ空間K2に対して移動させることができる。
【0025】
好ましくは、第1の弾性部分42の端部分42b及び第2の弾性部分44の端部分44bは、反対方向を指す。例えば、第1の弾性部分42の端部分42bは、第1の方向D1を指すのに対し、第2の弾性部分44の端部分44bは、第2の方向D2を指し、第1の方向D1及び第2の方向D2は、非限定的に右向き方向及び左向き方向のような、2つの反対方向である。
【0026】
好ましくは、ブラケット24は、中央部分40から延びる延長部分n46を含み、延長部分46は、長手方向長さを有する。
【0027】
好ましくは、第2の弾性部分44及び第1の弾性部分42は、ブラケット24の上方部分36及び下方部分38にそれぞれ隣接する。
【0028】
好ましくは、ベース22は、上方壁48と、下方壁50とを含む。上方壁48は、第1の壁区画48aと、第2の壁区画48bとを含む。第2の壁区画48bは、第1の壁区画48aに対して下方に曲げられており、第1の壁区画48a及び第2の壁区画48bは、上方構成28として機能する溝を共に画定する。下方壁50は、第3の壁区画50aと、第4の壁区画50bとを含む。第4の壁区画50bは、第3の壁区画50aに対して上方に曲げられており、第3の壁区画50a及び第4の壁区画50bは、下方構成30として機能する溝を共に画定する。
【0029】
好ましくは、ベース22の第2の壁区画48bは、第1の壁区画48aに実質的に垂直に接続され、ベース22の第4の壁区画50bは、第3の壁区画50aに実質的に垂直に接続される。
【0030】
好ましくは、ベース22は、第1の部分26a及び第2の部分26bと連通する少なくとも1つの接続穴52を含む。ここでは、2つの接続穴52が、一例として設けられている。
【0031】
好ましくは、ベース22は、第2の部分26bに設けられた少なくとも1つの取付け構成54を含む。ここでは、2つの取付け構成54が、一例として設けられており、2つの取付け構成54は、突起である。
【0032】
好ましくは、ベース22及びブラケット24の一方は、プラスチックを含む。ここで、ベース22及びブラケット24の両方は、一例としてプラスチックで作られる。
【0033】
図3~
図5に示すように、ブラケット24は、第1の縁E1及び第2の縁E2としてそれぞれ画定される、2つの対向する縁(エッジ)を有する。接続装置20を組み立てるために、ブラケット24を、第1の方向D1においてベース22の第1の側面34aから第2の側面34bに向かって又は第2の方向D2においてベース22の第2の側面34bから第1の側面34aに向かって、ベース22に取り付けることができる。ここでは、一例として、ブラケット24は、ブラケット24の第1の縁E1が第1の方向D1においてベース22の第1の側面34aから第2の側34bに向かって移動されるような方法において、ベース22に取り付けられる(
図4及び
図5を参照)。ブラケット24の第1の弾性部分42及び第2の弾性部分44は、組立が開始する前に初期状態にある。ブラケット24が第1の方向D1においてベース22の第1の側面34aから第2の側面34bに向かってベース22に取り付けられるとき、ブラケット24の第1の弾性部分42の端部分42bは、ベース22の第1の案内構造G1と接触するようになり(
図5を参照)、ブラケット24の第2の弾性部分44の接続区画44aは、ベース22の第2の位置限定構造B2と接触するようになる(同様に
図5を参照)。
【0034】
ブラケット24が、ベース22に取り付けるために、第1の方向D1においてベース22の第1の側面34aから第2の側面34bに向かって更に移動させられると、
図5及び
図6を参照すると、ブラケット24の第1の弾性部分42は、ベース22の第1の案内構造G1によって案内され、よって、第1の受入れ空間K1に受け入れられるために、初期状態から、第1の弾性部分42が第1の弾性力を蓄える状態に導かれる(
図6を参照)。他方、ブラケット24の第2の弾性部分44は、ベース22の第2の位置限定構造B2によって押し下げられ、よって、第2の受入れ空間K2に受け入れられるために、初期状態から、第2の弾性部分44が第2の弾性力を蓄える状態に導かれる(
図6を参照)。
【0035】
図6及び
図7は、ブラケット24及びベース22が最終的に互いにどのように取り付けられるかを示している。ブラケット24が、ベース22に取り付けられるために、第1の方向D1においてベース22の第1の側面34aから第2の側面34bに向かって更に移動させられると、ブラケット24の第1の弾性部分42は、ベース22の第1の移動空間S1内に取り付けられる。例えば、ブラケット24の第1の弾性部分42は、ベース22の第1の案内構造G1によって第1の移動空間S1内に案内され、ベース22の第1の部分26aによって押し下げられ、よって、第1の弾性部分42が第1の弾性力を蓄える状態に維持され(
図7を参照)、その場合、第1の弾性部分42は、第1の移動空間S1よりも小さいサイズを有する。他方、ブラケット24の第2の弾性部分44は、ベース22の第2の移動空間S2内に取り付けられる。例えば、ブラケット24の第2の弾性部分44は、ベース22の第2の位置限定構造B2との接触から始まり、第2の位置限定構造B2を通過した後に第2の弾性力を解放し、第2の移動空間S2内に至り(
図7を参照)、その場合、第2の弾性部分44は、第2の移動空間S2よりも小さなサイズを有する。このプロセスの間に、ブラケット24の上方部分36及び下方部分38も、それぞれ、ベース22の上方構成28及び下方構成30内に移動可能に取り付けられる。ブラケット24をベース22に取り付ける動作は、ブラケット24の第1の弾性部分42、第2の弾性部分44、上方部分36、及び下方部分38が、全て所定の場所に取り付けられたときに完了する。
【0036】
図7を参照すると、ブラケット24及びベース22がひとたび互いに取り付けられると、ブラケット24及びベース22は、互いに対して水平に(例えば、横方向に)調整されることができる、即ち、変位させられることができる。例えば、ブラケット24は、第1の限界位置まで、第1の方向D1においてベース22に対して変位させられることができ、ブラケット24の第1の弾性部分42の端部分42bは、ベース22の第1の位置限定構造B1によって妨げられる(blocked)(
図3を参照)。ブラケット24は、第2の限界位置まで、第2の方向D2においてベース22に対して変位させられることもでき、ブラケット24の第2の弾性部分44の端部分44bは、ベース22の第2の位置限定構造B2によって妨げられる(
図3も参照)。
【0037】
述べるに値することは、ブラケット24の第2の縁E2を第2の方向D2においてベース22の第2の側面34bから第1の側面34aに通すことによって、ブラケット24がベース22に取り付けられるときに、
図3を参照すると、ブラケット24の第2の弾性部分44は、ベース22の第2の案内構造G2によって第2の移動空間S2内に案内され、ブラケット24の第1の弾性部分42は、ベース22の第1の位置限定構造B1を越えて移動させられ、第1の移動空間S1内に取り付けられるに至り、ブラケット24の上方部分36及び下方部分38は、ベース22の上方構成28及び下方構成30内に移動可能に取り付けられることである。この取付け操作は、同様にブラケット24をベース22に取り付けることができる(
図7を参照)。
【0038】
図8及び
図9を参照すると、接続装置20は、第1の家具部材56と、第2の家具部材58とを含む、家具に適用される。例えば、第1の家具部材56は、キャビネットの(非限定的に後方壁のような)壁であり、第2の家具部材58は、側方レールであり、側方レールの長手の長さ方向Lは、ベース22の第1の部分26aによって画定される水平方向T(例えば横方向)に対して実質的に垂直である。
【0039】
ベース22の第2の部分26bは、少なくとも1つの固定部材60をベース22の少なくとも1つの接続穴52を通過させることによって、及び/又はベース22の少なくとも1つの取付け構成54を第1の家具部材56の対応する構成62(例えば取付穴)に接続することによって、第1の家具部材56に接続されることができる。他方、ブラケット24の延長部分46は、第2の家具部材58に接続されることができる。例えば、第2の家具部材58及び延長部分46は、機械的係合、ねじ付き接続、リベット締め等によって接続されることができるが、本発明は、この点に関して制限を有さない。ブラケット24及びベース22の整合構造(matching structures)は、第2の家具部材58及び第1の家具部材56が互いに対して所定の位置に調整されることを可能にする。ブラケット24及びベース22が互いに対して所定の位置において調整されることができる原理が上記で開示されているので、同じ原理は繰り返し述べられない。
【0040】
前述の実施形態に従った接続装置20は、好ましくは、以下の構成を有することが分かる。
【0041】
1.ブラケットのナブがブラケットのパネル部分に対して不動であり、故に、ブラケットをメインパネルに取り付けることを困難にする、特許文献1に開示される従来的なブラケットとは対照的に、上述の実施形態におけるブラケット24は、ブラケット24がベース22に取り付けられている間に、ベース22の第1の移動空間S1(又は第2の移動空間S2)に入るように弾性的に移動する第1の弾性部分42(又は第2の弾性部分44)の弾性のお陰で、上述の実施例のブラケット24をベース22に容易かつ容易に取り付けることができる。
【0042】
2.ブラケット24及びベース22がひとたび互いに取り付けられると、ブラケット24及びベース22を互いに対して移動させることができる。例えば、ブラケット24をベース22に対して(第1の方向D1又は第2の方向D2において)水平方向に調整することができる。
【0043】
3.ブラケット24の第1の縁E1を第1の方向D1においてベース22の第1の側面34aから第2の側面34bに通過させることによって、又はブラケット24の第2の縁E2を第2の方向D2においてベース22の第2の側面34bから第1の側面34aに通過させることによって、ブラケット24をベース22に取り付けることができる。即ち、ブラケット24を2つの方向において取り付けることができる。
【0044】
4.ブラケット24の第1の弾性部分42をベース22の第1の移動空間S1内に取り付けることができ、ブラケット24の第2の弾性部分44をベース22の第2の移動空間S2内に取り付けることができる。ブラケット24の第1の弾性部分42の端部分42bは、ベース22の第1の位置限定構造B1によって妨げられるように構成され、ブラケット24の第2の弾性部分44の端部分44bは、ベース22の第2の位置限定構造B2によって妨げられるように構成されるので、ブラケット24を、限定された範囲内でのみ、ベース22に対して水平方向に変位させることができる。
【0045】
5.第2の弾性部分44及び第1の弾性部分42は、ブラケット24の上方部分36及び下方部分38にそれぞれ隣接する。
【0046】
上述の好ましい実施形態を通じて本発明を開示したが、実施形態は、本発明の範囲を限定するように意図されていない。出願人が求める特許保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【文献】米国特許第8,911,037B2号明細書
【文献】米国特許第6,494,550B1号明細書
【文献】米国特許第7,090,320B2号明細書